説明

シサムペロスパレイラ(雅紅隆)エキスの抗デング熱活性

本発明は、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの抗デング熱活性に関する。また、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを含む医薬組成物およびシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの調製方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)(cissampelos pareira)エキスの抗デング熱活性に関する。また、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを含む医薬組成物およびシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの調製方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
デング熱ウイルス(DENl−4)は、フラビウイルス科の蚊媒介性の構成員であり、世界的規模で重要なヒト病原体である。出血性デング熱/デング熱ショック症候群の年間100万の症例のうち、約2〜5%は致死性である。現在、DEN感染を処置するためのワクチンまたは抗ウイルス薬はない(Ann,N.Y.Acad.Sci.,951,p.262−271(2001),およびClinical Microbiology Reviews,July,p.480−496(1998))。
【0003】
さまざまな障害に対する安全で、有効で、比較的安価な新しい治療薬の必要性を満たすためのユニークなアプローチとして、漢方薬が登場している。漢方薬は、あらゆる代替医療の中で、最も急速に成長している分野である。漢方薬は異なる形態で作製され、粗製の煎剤ハーブから精製、濃縮および標準化されたエキスまでの範囲に及ぶ。また、このようなハーブ類を摂取することによる健康上の有益性は、当該製剤の質および当該製剤に関する消費者の知識によって異なる。一部の製剤は、医師による管理下で使用しなければならない(特に、重篤な疾患に対して適応されるもの)が、ほとんどの漢方薬は概ね安全である。
【0004】
多くの植物は、実験モデルにおいて抗ウイルス剤として科学的に評価されている、すなわち、アラビアゴムモドキ(Acacia nilotica)では、C型肝炎ウイルスプロテアーゼに対する阻害効果(Husseinら,Phytotherapy,Res.,14(7)p.510−16(2000))、センシンレン(Andrographis paniculata)では、HIV−1阻害活性(Reddyら,Nat.Prod.Res.,19(3):p.223−30,(2005))、ビンロウ(Areca catechu)では、単純疱疹ウイルス1型のプラーク形成に対する阻害活性(Hattoriら,Phytotherapy Res.,9,p.270−276(1995))、また、B型肝炎ウイルスDNAポリメラーゼの阻害(Chungら,Phytotherapy Res,9,p.429−434(1995))、インドセンダン(Azadirachta indica)では、デング熱ウイルス2型の複製の阻害(Paridaら,J.Ethnopharmacol.,79,p.273−78(2002))、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)では、いくつかの非関連DNAおよびRNAウイルスの増殖および細胞病理の阻害、また、単純疱疹ウイルスの不可逆的な不活化(Pompeiら,Nature,281(5733):p.689−90(1979))、メボウキ(Ocimum basilicum)では、DNAウイルス、すなわち、ヘルペスウイルス(HSV);アデノウイルス(ADV);B型肝炎の阻害、また、RNAウイルス、すなわち、コクサッキーウイルスB1(CVBl)、エンテロウイルス71(EV71)の阻害(Chiangら,Clin.Exp.Pharm.Physiol.,32,p.811−16(2005))、キダチミカンソウ(Phyllanthus amarus)では、ヒトヘパトーム細胞におけるB型肝炎表面抗原(HBsAg)遺伝子発現の抑制(Yehら,Antiviral Res.,20,p.185−92(1993))、およびHBsAgのクリアランス(Thyagarajanら,Lancet,p.764−66(1988))、ならびにセイタカミロバラン(Terminalia chebula)では、単純疱疹ウイルス1型感染に対する抵抗性(Kurokawaら,Antiviral Res.,27,p.19−37(1995))が科学的に評価されている。さらに、植物起源の抗ウイルス剤は、無毒性で安価であり、許容性され易いものであり得る(Paridaら,J.Ethnopharmacol.,79,p.273−278(2002))。
【0005】
いくつかのハーブエキスと抗ウイルス活性との関連性が、文書によって充分裏付けられているが、植物エキスにおける抗DENウイルス活性に関する体系的な研究は、これまで着手されていない。以前に、植物の種々の部分に由来する抽出物が抗ウイルス化合物の供給源となり得ることが明らかになった(Herrmannら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,124,p.865−74(1967))。このことが、幾人かの研究者に、植物起源の抗ウイルス化合物の共同研究の着手を促し、これにより、いくつかの植物は、いくつかのウイルスの増殖の抑制に有効性を示すことを示す報告がなされるに至った(Aswalら,Ind.J.Exp.Biol.,34,p.444−67(1996))。
【0006】
フェルトブッシュ(Cissampelos pareira Linn)(科:ツヅラフジ科,英語名:Velvet Leaf,ヒンディー語名:Patha,サンスクリット語名:Ambasthaki)は、アジア、東アフリカおよびアメリカの温暖な地域一帯、ならびにインドおよびセイロンに一般に分布している蔓性低木である。これは、インドの熱帯および亜熱帯地域の標高が約1500mまでの温暖で乾燥した地域によく見られる。これは、ヒマーチャル・プラデーシュ州、チョータ・ナーグプル地方、ビハール州、西ベンガル州、パンジャブ州、ラジャスタン州、特に、アラバリの東部、マラスワダ地区の山岳森林地帯、コンカン群、デカン高原、マイソール市のババブダンヒル、タミル・ナドゥ州に見られる(Ayurvedic Pharmacopoeia of India,第1版,第1部,第1巻,p.92−93;Govt of India,Ministry of Health and Family Welfare,Dept of Indian System of Medicine and Homoeopathy,New Delhi;The Wealth of India,A Dictionary of Indian Raw Materials and Industrial Products,Raw Materials,VoI II,Council of Scientific and Industrial Research,Delhi;Database on Medicinal Plants Used In Ayurveda,第2巻,Central Council for Research in Ayurveda and Siddha,Dept of Indian System of Medicine and Homoeopathy,New Delhi)。
【0007】
フェルトブッシュは、いくつかの疾患の処置に伝統的に使用されているアーユルヴェーダの薬用植物である。これは、苦い、収斂性、駆虫薬、駆風薬、健胃薬、消化性、抗炎症性、利尿性、解熱薬、去痰薬、催乳薬および苦味強壮薬であると言われている。これは、消化不良、腹痛、下痢、赤痢、発熱、咳、コリーザ、喘息および乳汁分泌障害に有用である(Database on Medicinal Plants Used In Ayurveda,第2巻,Central Council for Research in Ayurveda and Siddha,Dept of Indian System of Medicine and Homoeopathy,New Delhi)。
【0008】
デング熱は、それ自体は、アーユルヴェーダの古典的教科書に記載されていない。しかしながら、多くの型の「ジュヴァラ(Jwara)」が、その徴候および症状とともに、このような教科書に列挙されている。多くの場合、1つの型の「ジュヴァラ」を、現代科学でいう特定の型の「熱(fever)」の臨床的対応物として相関させることは困難である。古典的なアーユルヴェーダの教科書では、デング熱の一部の徴候および症状が、すなわち「ヴァータ(Vata)−ピッタ(Pittaja)ジュヴァラ」と称される熱の型と相関されている。アーユルヴェーダの古典的教科書に「ヴァータ−ピッタジュヴァラ」、「ヴァータ(Vataj)ジュヴァラ」および「ピッタ(Pittaj)ジュヴァラ」として知られる状態に使用されると言及されている植物が選択され、そのアーユルヴェーダの属性が研究された。これは、基本的に、項目、すなわち、「ラサ(Rasa)」;「グナ(Guna)」;「ビーリャ(Veerya)」;「ヴィパカ(Vipaaka)」;および「ドーシャ・カルマ(Dosha−Karma)」に分類される。このような属性はすべて、1つ1つの植物について充分研究され、少なくとも、すなわち、チクタ(Tikta)および/またはカシャーヤ(Kashaya)・ラサ、ラグ(Laghu)および/またはチクシャナ(Tikshna)・グナ、ウシャナ(Ushna)あるいはシータ(Sheeta)・ビーリャを有し、カツ・ビパーカ(Katu Vipaaka)ならびにヴァータおよび/またはピッタ・シャーマカ(Shaamaka)を有するハーブはいずれも、デング熱に関連する徴候および症状の緩和に有用であり得ることが前提とされた仮説が立てられた。一部の属性、すなわち、カツ・ラサおよびルクシャ(Ruksha)・グナは、該仮説において提案された属性に加えられたものであった。したがって、提案された仮説および提案されたアーユルヴェーダの属性ならびにそのさらなるアーユルヴェーダの属性の存在に基づき、フェルトブッシュ(アンバスタキ(Ambasthaki)/パサ(Patha))が、デング熱におけるその治療効果の研究を着手するために選択された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ann,N.Y.Acad.Sci.,951,p.262−271(2001)
【非特許文献2】Clinical Microbiology Reviews,July,p.480−496(1998)
【非特許文献3】Husseinら,Phytotherapy,Res.,14(7)p.510−16(2000)
【非特許文献4】Reddyら,Nat.Prod.Res.,19(3):p.223−30,(2005)
【非特許文献5】Hattoriら,Phytotherapy Res.,9,p.270−276(1995)
【非特許文献6】Chungら,Phytotherapy Res,9,p.429−434(1995)
【非特許文献7】Paridaら,J.Ethnopharmacol.,79,p.273−278(2002)
【非特許文献8】Pompeiら,Nature,281(5733):p.689−90(1979)
【非特許文献9】Chiangら,Clin.Exp.Pharm.Physiol.,32,p.811−16(2005)
【非特許文献10】Yehら,Antiviral Res.,20,p.185−92(1993)
【非特許文献11】Thyagarajanら,Lancet,p.764−66(1988)
【非特許文献12】Kurokawaら,Antiviral Res.,27,p.19−37(1995)
【非特許文献13】Herrmannら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,124,p.865−74(1967)
【非特許文献14】Aswalら,Ind.J.Exp.Biol.,34,p.444−67(1996)
【非特許文献15】Ayurvedic Pharmacopoeia of India,第1版,第1部,第1巻,p.92−93
【非特許文献16】Govt of India,Ministry of Health and Family Welfare,Dept of Indian System of Medicine and Homoeopathy,New Delhi
【非特許文献17】The Wealth of India,A Dictionary of Indian Raw Materials and Industrial Products,Raw Materials,VoI II,Council of Scientific and Industrial Research,Delhi
【非特許文献18】Database on Medicinal Plants Used In Ayurveda,第2巻,Central Council for Research in Ayurveda and Siddha,Dept of Indian System of Medicine and Homoeopathy,New Delhi
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様において、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを提供する。
【0011】
本発明の別の態様では、薬学的に許容され得る担体、賦形剤または希釈剤の1種類以上とともにシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを含む医薬組成物を提供する。
【0012】
本発明の別の態様では、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの調製方法を提供する。
【0013】
本発明の別の態様では、デング熱ウイルス感染の処置方法を提供する。
【0014】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的および利点は、本説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、バイオアッセイガイド型分別プロセスのフロー図を示す。
【図2】図2は、ウイルス力価低減(reduction)アッセイによるデング熱ウイルス血清型3(Den−3)に対するシサムペロス パレイラ(雅紅隆)(c.pareira)のメタノール抽出物の抗デング熱活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、抗デング熱活性を有するシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを提供する。
【0017】
活性な抽出物および画分の同定がもたらされる植物材料に対するバイオアッセイガイド型分別アプローチを提供する。該方法は、種々のシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを調製すること、該エキスを生体活性に供すること(一次スクリーニング−慣用的なプラーク減少中和試験(PRNT)アッセイ、二次スクリーニング−変形型プラーク減少中和試験(PRNT)アッセイおよび三次スクリーニング−ウイルス力価低減アッセイ)を含む。活性な抽出物を、さらに、1種類以上の溶媒による分別に供し、各画分を生体活性について評価した。
【0018】
抽出用の1種類以上の溶媒は、例えば、水;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールもしくはブタノール;ケトン、例えば、アセトンもしくはメチルイソブチルケトン;エステル、例えば、酢酸メチルもしくは酢酸エチル;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンもしくは二塩化エチレン;石油留分、例えば、ヘキサン、石油エーテルもしくはヘプタン;またはその混合物(1種類もしくは複数種)であり得る。
【0019】
分別用の1種類以上の溶媒は、例えば、水;石油留分、例えば、ヘキサン、石油エーテルもしくはヘプタン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンもしくは二塩化エチレン;エステル、例えば、酢酸エチルもしくは酢酸メチル;ケトン、例えば、アセトンまたはメチルイソブチルケトン;アルコール、例えば、ブタノール;エーテル、例えば、ジエチルエーテル;またはその混合物(1種類もしくは複数種)であり得る。
【0020】
本発明の別の態様では、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)由来のエキスの調製のための方法を提供する。該方法は、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、無極性から極性の範囲の1種類以上の溶媒で抽出すること、該抽出物を濃縮すること、および該抽出物を乾燥させること、またはシサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、無極性から極性の範囲の1種類以上の溶媒で抽出すること、該抽出物を濃縮すること、水を添加すること、および該抽出物を、無極性から極性の範囲の1種類以上の溶媒により分配すること、ならびに該抽出物を乾燥させること、またはシサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、無極性から極性の範囲の1種類以上の溶媒で抽出すること、該抽出物を濃縮すること、該抽出物を、無極性から極性の範囲の1種類以上の溶媒で抽出すること、および該抽出物を乾燥させることを含む。
【0021】
抽出用の溶媒は、例えば、水;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールもしくはブタノール;ケトン、例えば、アセトンもしくはメチルイソブチルケトン;エステル、例えば、酢酸メチルもしくは酢酸エチル;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンもしくは二塩化エチレン;石油留分、例えば、ヘキサン、石油エーテルもしくはヘプタン;またはその混合物(1種類もしくは複数種)であり得る。
【0022】
分配用の溶媒は、例えば、水;石油留分、例えば、ヘキサン、石油エーテルもしくはヘプタン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンもしくは二塩化エチレン;エステル、例えば、酢酸エチルもしくは酢酸メチル;ケトン、例えば、アセトンまたはメチルイソブチルケトン;アルコール、例えば、ブタノール;エーテル、例えば、ジエチルエーテル;またはその混合物(1種類もしくは複数種)であり得る。
【0023】
本発明の別の態様では、デング熱ウイルス感染の処置方法を提供する。
【0024】
薬学的に許容され得る担体、賦形剤または希釈剤の1種類以上とともにシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを含む医薬組成物を提供し、これは哺乳動物に、デング熱ウイルス感染の処置のために、活性化合物が適切な、または所望の作用部位に有効に輸送される任意の経路(経口、経鼻、経肺、経皮または非経口(経直腸、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内もしくは鼻腔内)など)によって投与され得る。医薬用担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図される投与経路および標準的な製薬実務を基にして行なわれ得る。
【0025】
シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスは、(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を1種類以上の溶媒で抽出することによって得られる抽出物、および(b)工程(a)の抽出物を1種類以上の溶媒で分配することによって得られる画分を包含する。
【0026】
「シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊」は、着生(aerial)部分、例えば、果実、花、種子、葉、枝、幹樹皮、幹または心材および根を含む植物全体をいう。
【0027】
以下に示す実施例は本発明の一部の特定の実施形態に対するものであり、これらは、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【実施例1】
【0028】
メタノール抽出物の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物をステンレス鋼トレイ(ss)内に下降収集(down load)し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=6%〜15%
【実施例2】
【0029】
(メタノール:水:50:50)抽出物の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール:水(250リットル:250リットル)の混合物を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、メタノール:水(150リットル:150リットル)の混合物を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、メタノール:水(150リットル:150リットル)の混合物を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。水性アルコール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮し、抽出物をssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=10%〜25%
【実施例3】
【0030】
水性抽出物の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。水(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、水(300リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、水(300リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。水性抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮し、抽出物をssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=15%〜30%
【実施例4】
【0031】
ヘキサン画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、ヘキサン(40リットル)により分配した。ヘキサン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたヘキサン層を乾燥剤で乾燥させた。これを減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=1.0%〜3.0%
【実施例5】
【0032】
クロロホルム画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、ヘキサン(40リットル)により分配した。ヘキサン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたヘキサン層を乾燥剤で乾燥させ、濃縮した。残りの水層をクロロホルム(40リットル)により分配し、クロロホルム層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたクロロホルム層を乾燥剤に通した。クロロホルム層を減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温で約16〜18時間乾燥させた。
収率=0.20%〜1.0%
【実施例6】
【0033】
ジクロロメタン画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、ヘキサン(40リットル)により分配し、ヘキサン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたヘキサン層を乾燥剤で乾燥させ、濃縮した。水層をジクロロメタン(40リットル)により分配し、ジクロロメタン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたジクロロメタン層を乾燥剤に通した。ジクロロメタン層を減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=0.22%〜1.2%
【実施例7】
【0034】
ジクロロメタン画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、ジクロロメタン(40リットル)により分配し、ジクロロメタン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたジクロロメタン層を乾燥剤に通した。ジクロロメタン層を減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=1.0%〜1.75%
【実施例8】
【0035】
ブタノール画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、ヘキサン(40リットル)により分配し、ヘキサン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたヘキサン層を乾燥剤で乾燥させ、濃縮した。水層をクロロホルム(40リットル)により分配し、クロロホルム層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたクロロホルム層を乾燥剤中に通し、濃縮した。水層をブタノール(40リットル)により分配し、ブタノール層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたブタノール層を乾燥剤で乾燥させた。ブタノール層を減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=2.0%〜4.5%
【実施例9】
【0036】
水性画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、200リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、200リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、ヘキサン(40リットル)により分配し、ヘキサン層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたヘキサン層を乾燥剤で乾燥させ、濃縮した。水層をクロロホルム(40リットル)により分配し、クロロホルム層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたクロロホルム層を乾燥剤中に通し、濃縮した。水層をブタノール(40リットル)により分配し、ブタノール層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせたブタノール層を乾燥剤で乾燥させ、濃縮した。排出(exhausted)した水層を減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=2.5%〜6.0%
【実施例10】
【0037】
酢酸エチル画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物を水(50リットル)に懸濁させ、酢酸エチル(40リットル)により分配し、酢酸エチル層を分離し、容器内に収集した。このプロセスをもう3回繰り返し、合わせた酢酸エチル層を乾燥剤で乾燥させた。酢酸エチル層を減圧濃縮し、ssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=2.0%〜4.0%
【実施例11】
【0038】
アセトン画分の調製
粉砕シサムペロス パレイラ(雅紅隆)着生部分(100kg)を抽出機に仕込んだ。メタノール(500リットル)を抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。抽出物を濾過し、容器内に保存した。再度、300リットルのメタノールを抽出機に添加し、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約16時間、抽出を行なった。メタノール抽出物を合わせ、最大限まで低温で減圧濃縮した。抽出物をアセトン(50リットル)で、室温から溶媒の沸点までの範囲の温度で約2時間〜3時間抽出した。抽出物を濾過し、容器内に保存した。このプロセスをもう3回繰り返した。抽出物をssトレイ内に下降収集し、高真空炉内で、室温にて約16時間〜18時間乾燥させた。
収率=2.0%〜3.5%
【実施例12】
【0039】
生物学的活性
(i)一次スクリーニング−慣用的なプラーク減少中和試験(PRNT)アッセイ
抽出物の抗ウイルス活性は、PRNTアッセイ(Khanamら,Am.J.Trop.Med.Hyg.,74(2)p.266−277(2006)を用いてアッセイし、24ウェル形式にて、LLCMK2細胞(サル腎臓細胞株)を1×10/ウェルの濃度で播種した。感染は、ほぼ50プラーク形成単位(PFU)のデング熱ウイルス(DENV)(4つのすべての血清型DENV−1、DENV−2、DENV−3、およびDENV−4)を用いて感染多重度(MOI)1で行なった。ウイルスは、別途、100〜0.33mcg/mlの範囲の等容量の抽出物とともにプレインキュベートした。4℃で一晩プレインキュベーション後、ウイルス/抽出物を最終容量200μLまで、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)+2%熱不活化ウシ胎仔血清(ΔFCS)で希釈し、24ウェルプレートの単一のウェルの感染に使用した。各希釈物をウェルにおいて2連でアッセイし、ウイルス/抽出物のプレインキュベーション混合物を、2つのウェルに充分なマスター混合物として調製した。2時間の吸着後、接種源を吸引除去し、細胞に1.25%メチルセルロース(DMEM中)+6%ΔFCS(1mL/ウェル)を重層した。200μLのDMEM+2%ΔFCSを入れた陰性対照(モック−非感染)ウェル、および(個々にDEN−1、2、3および4ウイルス)を入れた陽性対照ウェルと並行して、適切な対照をセットアップし、抽出物ではなくDMEM+2%ΔFCSとともにプレインキュベートした。プレートは、加湿5%COインキュベータ内で37℃にてインキュベートした。感染後、6日目、細胞を1mLの4%ホルムアルデヒド溶液で、室温にて2時間固定した。ウェルを水道水で洗浄し、次いで、20%エタノール中2%のクリスタルバイオレット溶液の1:40希釈ストックで30分間染色した。染色後に顕現されたプラークを計数し、プラーク数の50%減少(抽出物の非存在下のウイルスによって生成されるプラークの数を基準とする)をもたらす抽出物の希釈度をPRNT50力価として示した。
【0040】
メタノール抽出物は、慣用的なアッセイにおいてデング熱の4つのすべての血清型に対する活性を示し、PRNT50値は1.2〜11.1mcg/mlの範囲であった。すべての血清型に対する慣用的なアッセイにおいて、水性アルコール抽出物および水性抽出物のPRNT50値は>100mcg/mlであった。
【0041】
(ii)二次スクリーニング−変形型プラーク減少中和試験(PRNT)アッセイ
24ウェル形式にて、LLCMK2細胞を1×10/ウェルの濃度で播種した。播種した細胞を、50(1X)プラーク形成単位(PFU)の4種類全部の血清型のほぼ50μlのウイルスに、1のMOIで感染させた。37℃および5%COで2時間の吸着後、接種源を吸引した。ウェルをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、感染細胞を異なる濃度の抽出物(200〜0.82mcg/ml)に24時間の間、曝露した。37℃および5%COで24時間のインキュベーション後、抽出物を吸引除去し、細胞に1%メチルセルロース(DMEM中)+6%ΔFCS(1ml/ウェル)を重層した。各希釈物をウェルにおいて2連でアッセイした。プレートは、加湿5%COインキュベータ内で37℃にて6日間インキュベートした。感染後、6日目、重層部を静かにデカンテーションし、細胞を1mLの4%ホルムアルデヒド溶液で、室温にて1時間固定した。ウェルを水道水で洗浄し、次いで、20%エタノール中2%のクリスタルバイオレット溶液の1:40希釈ストックで30分間染色した。染色後に顕現されたプラークを計数し、プラーク数の50%減少(抽出物の非存在下のウイルスによって生成されるプラークの数を基準とする)をもたらす抽出物の希釈度をPRNT50力価として示した。
【0042】
メタノール抽出物は、変形型アッセイにおいて、4つのすべての血清型に対して78〜125mcg/mlの範囲のPRNT50値を示した。しかしながら、水性アルコール抽出物および水性抽出物は、200mcg/mlまで不活性であった。
【0043】
(iii)三次スクリーニング−ウイルス力価低減アッセイ
ウイルス力価低減アッセイは、Puig−Basagoitiら,Antimic.Agents and Chemotherapy,50(4)p.1320−1329(2006)に従うことにより行なった。24ウェル形式にて、ベロ細胞を1×10/ウェルの濃度で播種した。播種した細胞を、50(1X)プラーク形成単位(PFU)の4種類全部の血清型のほぼ50μlのウイルスに、1のMOIで感染させた。37℃および5%COで2時間の吸着後、接種源を吸引した。ウェルをPBSで洗浄し、感染細胞を、異なる濃度の抽出物(200〜0.82mcg/ml)を含む増殖培地(DMEM+2%ΔFCS)に、DMEM+2%ΔFCSを入れた陰性対照(モック−非感染)ウェル、およびDEN−3ウイルスを入れた陽性対照ウェルとともに、9日間の間、曝露した。20μlの上清み試料を異なる日数、すなわち、0、3、6、9日で抜き出し、さらなる処理まで凍結させた。
【0044】
アリコートに分けた試料を、DMEM+2%ΔFCS培地中で連続希釈した後、コンフルエント細胞を含むウェルに添加した(2連または3連で)。ウイルスを2時間吸着させた後、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。2時間の吸着後、接種源を吸引除去し、細胞に1.25%メチルセルロース(DMEM中)+6%ΔFCS(1mL/ウェル)を重層した。プレートは、加湿5%COインキュベータ内で37℃にて6日間インキュベートした。感染後、6日目、重層部を静かにデカンテーションし、細胞を1mLの4%ホルムアルデヒド溶液で、室温にて1時間固定した。ウェルを水道水で洗浄し、次いで、20%エタノール中2%のクリスタルバイオレット溶液の1:40希釈ストックで30分間染色した。染色後に顕現されたプラークを計数し、異なる試験濃度に対する異なる時間点でのプラーク力価の低下の対数を、ウイルス対照と比較して算出した。
【0045】
メタノール抽出物の致死速度論プロフィールにより、3日目、Den−3血清型に対する66.66mcg/mlにおいて、2logの減少が示された。6日目では、2.46および7.4mcg/mlの抽出物濃度において、ウイルス負荷量は1〜1.5log減少した。
【0046】
(iv)細胞毒性アッセイ
メタノール抽出物の細胞毒性を、HEpG−2細胞(ヒト肝臓ヘパトーマ細胞株)を抽出物の6点希釈物(濃度範囲は200mcg/ml〜0.82mcg/ml)とともに、培養培地RPMI中(Roswell Park Memorial Institute)2%ΔFCS中(96ウェルプレート内)で、3日間(一次および二次スクリーニングにおける抽出物との細胞のインキュベーション期間に相当)インキュベートすることにより評価した。72時間後、細胞バイアビリティを、MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾル−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の細胞代謝によって測定した(Markland W.ら,Antimic.Agents and Chemotherapy,44(4)p.859−866(2000))。増殖指数(GI)50は90mcg/mlであることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デング熱ウイルス感染を処置するためのシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキス。
【請求項2】
メタノール抽出物、メタノール:水(50:50)抽出物または水性抽出物から選択される、請求項1に記載のエキス。
【請求項3】
メタノール抽出画分から選択される、請求項1に記載のエキス。
【請求項4】
ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ブタノール、水性、酢酸エチルまたはアセトン画分から選択される、請求項3に記載の画分。
【請求項5】
薬学的に許容され得る担体、賦形剤または希釈剤の1種類以上とともにシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを含む、デング熱ウイルス感染を処置するための医薬組成物。
【請求項6】
治療有効量のシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを投与することを含む、デング熱ウイルス感染の処置方法。
【請求項7】
薬学的に許容され得る担体、賦形剤または希釈剤の1種類以上とともにシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスを含む医薬組成物を投与することを含む、デング熱ウイルス感染の処置方法。
【請求項8】
デング熱ウイルス感染を処置するための医薬の製造におけるシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの使用。
【請求項9】
(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分、またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、
(b)該抽出物を濃縮すること、および
(c)該抽出物を乾燥させること
を含む方法によって調製されるデング熱ウイルス感染を処置するためのシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキス。
【請求項10】
(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、
(b)該抽出物を濃縮すること、
(c)水を添加すること、
(d)該抽出物を、水、石油留分、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、アルコール、エーテルまたはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒により分配すること、および
(e)該抽出物を乾燥させること
を含む方法によって調製されるデング熱ウイルス感染を処置するためのシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキス。
【請求項11】
(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、
(b)該抽出物を濃縮すること、
(c)該抽出物を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、および
(d)該抽出物を乾燥させること
を含む方法によって調製されるデング熱ウイルス感染を処置するためのシサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキス。
【請求項12】
(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分、またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、
(b)該抽出物を濃縮すること、および
(c)該抽出物を乾燥させること、
を含み、該抽出物がデング熱ウイルス感染を処置するために使用される、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの調製方法。
【請求項13】
(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分、またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、
(b)該抽出物を濃縮すること、
(c)水を添加すること、
(d)該抽出物を、水、石油留分、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、アルコール、エーテル、またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒により分配すること、および
(e)該抽出物を乾燥させること、
を含み、該抽出物がデング熱ウイルス感染を処置するために使用される、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの調製方法。
【請求項14】
(a)シサムペロス パレイラ(雅紅隆)の植物塊を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分、またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、
(b)該抽出物を濃縮すること、
(c)該抽出物を、水、アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、石油留分、またはその混合物(1種類もしくは複数種)から選択される1種類以上の溶媒で抽出すること、および
(d)該抽出物を乾燥させること、
を含み、該抽出物がデング熱ウイルス感染を処置するために使用される、シサムペロス パレイラ(雅紅隆)エキスの調製方法。
【請求項15】
アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたはブタノールから選択され、ケトンがアセトンまたはメチルイソブチルケトンから選択され、エステルが酢酸メチルまたは酢酸エチルから選択され、ハロゲン化炭化水素がクロロホルム、ジクロロメタンまたは二塩化エチレンから選択され、エーテルがジエチルエーテルであり、石油留分がヘキサン、石油エーテルまたはヘプタンから選択される、請求項9、10、11、12、13または14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−515762(P2012−515762A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547027(P2011−547027)
【出願日】平成22年1月23日(2010.1.23)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050299
【国際公開番号】WO2010/084477
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(597084113)ランバクシー ラボラトリーズ リミテッド (32)
【出願人】(511178946)インターナショナル センター フォー ジェネティック エンジニアリング アンド バイオテクノロジー (1)
【出願人】(511178980)デパートメント オブ バイオテクノロジー (1)
【Fターム(参考)】