システイン改変抗MUC16抗体および抗体−薬物結合体
親抗MUC16抗体の1つ以上のアミノ酸を、架橋されていない反応性のシステインアミノ酸で置換することによって、システイン改変抗MUC16抗体を操作する。そのシステイン改変抗MUC16抗体の設計、調製、スクリーニングおよび選択の方法が提供される。システイン改変抗MUC16抗体(Ab)は、リンカー(L)を介して1つ以上の薬物部分(D)と結合体化されることにより、式I:
Ab−(L−D)p I
を有する、システイン改変抗MUC16抗体−薬物結合体が形成され、ここで、pは、1〜4である。システイン改変抗体薬物化合物および組成物に対する診断的および治療的な用途が開示される。
Ab−(L−D)p I
を有する、システイン改変抗MUC16抗体−薬物結合体が形成され、ここで、pは、1〜4である。システイン改変抗体薬物化合物および組成物に対する診断的および治療的な用途が開示される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含む、システイン改変抗MUC16抗体。
【請求項2】
親抗MUC16抗体の1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置換する工程を包含するプロセスによって調製される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項3】
前記1つ以上の遊離システインアミノ酸残基が、軽鎖に位置する、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項4】
以下:
【表8】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項3に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項5】
以下:
【表9】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項3に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項6】
前記1つ以上の遊離システインアミノ酸残基が、重鎖に位置する、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項7】
以下:
【表10】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項6に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項8】
以下:
【表11】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項6に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項9】
以下:
【化25】
を含む重鎖配列を含む、請求項1に記載のシステイン改変hu抗MUC16抗体。
【請求項10】
以下:
【化26】
を含む軽鎖配列を含む請求項1に記載のシステイン改変hu抗MUC16抗体。
【請求項11】
以下:
【化27】
を含む重鎖配列を含む、請求項1に記載のシステイン改変キメラ抗MUC16抗体。
【請求項12】
以下:
【化28】
を含む軽鎖配列を含む、請求項1に記載のシステイン改変キメラ抗MUC16抗体。
【請求項13】
前記親抗MUC16抗体が、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体およびヒト化抗体から選択される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項14】
Fabフラグメントである、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項15】
細菌において産生される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項16】
CHO細胞において産生される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項17】
MUC16タンパク質を含むと疑われるサンプル中の該タンパク質の存在を判定する方法であって、該方法は、以下の工程:
該サンプルを、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体に曝露する工程、および;
該サンプル中の該抗体の該MUC16タンパク質への結合を測定する工程であって、ここで、該抗体の該タンパク質への結合は、該サンプル中の該タンパク質の存在を示す、工程
を包含する、方法。
【請求項18】
前記細胞が、卵巣癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞または膵癌細胞である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が、蛍光色素、放射性同位体、ビオチンまたは金属錯化リガンドから選択される標識に共有結合されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が、アウリスタチン薬物部分に共有結合されており、それによって、抗体−薬物結合体が形成されている、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項21】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体、ならびに薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む、薬学的処方物。
【請求項22】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸、配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体(Ab)およびアウリスタチン薬物部分(D)を含む、抗体−薬物結合体であって、該システイン改変抗MUC16抗体は、1つ以上の遊離システインアミノ酸を介してリンカー部分(L)によってDに結合され;この複合物は、式I:
Ab−(L−D)p I
を有し、ここで、pは、1、2、3または4である、
抗体−薬物結合体。
【請求項23】
pが2である、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項24】
Lが、式:
【化29】
を有し、ここで:
Aは、前記システイン改変抗体(Ab)のシステインチオールに共有結合されたストレッチャー単位であり;
aは、0または1であり;
各Wは、独立してアミノ酸単位であり;
wは、0〜12の範囲の整数であり;
Yは、前記薬物部分に共有結合されたスペーサー単位であり;そして
yは、0、1または2である、
請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項25】
式:
【化30】
を有し、ここで、PABは、パラ−アミノベンジルカルバモイルであり、R17は、(CH2)r、C3−C8カルボシクリル、O−(CH2)r、アリーレン、(CH2)r−アリーレン、−アリーレン−(CH2)r−、(CH2)r−(C3−C8カルボシクリル)、(C3−C8カルボシクリル)−(CH2)r、C3−C8ヘテロシクリル、(CH2)r−(C3−C8ヘテロシクリル)、−(C3−C8ヘテロシクリル)−(CH2)r−、−(CH2)rC(O)NRb(CH2)r−、−(CH2CH2O)r−、−(CH2CH2O)r−CH2−、−(CH2)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−、−(CH2)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−CH2−、−(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−、−(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−CH2−および−(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2)r−から選択される二価のラジカルであり;ここで、Rbは、H、C1−C6アルキル、フェニルまたはベンジルであり;そしてrは、独立して、1〜10の範囲の整数である、
請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項26】
Wwが、バリン−シトルリンである、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項27】
R17が、(CH2)5または(CH2)2である、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項28】
式:
【化31】
を有する、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項29】
R17が、(CH2)5または(CH2)2である、請求項28に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項30】
式:
【化32】
を有する、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項31】
Lが、MC−val−cit−PABまたはMCである、請求項22に記載の抗体薬物結合体。
【請求項32】
Lが、リンカー試薬のSMCC、BM(PEO)2またはBM(PEO)3によって形成されたリンカーである、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項33】
Dが、構造:
【化33】
を有するMMAEであり、ここで、波線は、前記リンカーLへの結合部位を示す、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項34】
Dが、構造:
【化34】
を有するMMAFであり、ここで、波線は、前記リンカーLへの結合部位を示す、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項35】
前記システイン改変抗MUC16抗体が、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体およびヒト化抗体から選択される、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項36】
前記システイン改変抗MUC16抗体が、Fabフラグメントである、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項37】
構造:
【化35】
から選択される抗体−薬物結合体複合物であって、ここで、Valは、バリンであり;Citは、シトルリンであり;pは、1、2、3または4であり;そしてAbは、MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含む、システイン改変抗MUC16抗体である、抗体−薬物結合体複合物。
【請求項38】
Abが、配列番号1を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項39】
Abが、配列番号2を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項40】
Abが、配列番号3を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項41】
Abが、配列番号4を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項42】
Abが、配列番号1および配列番号2を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項43】
Abが、配列番号3および配列番号4を含む、請求項42に記載の抗体薬物結合体。
【請求項44】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸、配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体(Ab)およびアウリスタチン薬物部分(D)を含む、抗体−薬物結合体複合物の混合物であって、ここで、該システイン改変抗MUC16抗体は、1つ以上の遊離システインアミノ酸を介してリンカー部分(L)によってDに結合され;該複合物は、式I:
Ab−(L−D)p I
を有し、ここで、pは、1、2、3または4であり、平均薬物負荷は、1〜2である、抗体−薬物結合体複合物の混合物。
【請求項45】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体を含む抗体−薬物結合体、および薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む、薬学的処方物であって、ここで該システイン改変抗MUC16抗体は、アウリスタチン薬物部分に共有結合されている、薬学的処方物。
【請求項46】
レトロゾール、オキサリプラチン、ドセタキセル、5−FU、ラパチニブ、カペシタビン、ロイコボリン、エルロチニブ、パーツズマブ、ベバシズマブおよびゲムシタビンから選択される治療有効量の化学療法剤をさらに含む、請求項45に記載の薬学的処方物。
【請求項47】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体を含む抗体−薬物結合体、および薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む薬学的処方物を患者に投与する工程を包含する、癌を処置する方法であって、ここで、該システイン改変抗MUC16抗体は、アウリスタチン薬物部分に共有結合されている、方法。
【請求項48】
前記癌が、卵巣癌、前立腺癌、尿路の癌、膵癌、肺癌、乳癌および結腸癌からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記患者が、前記抗体−薬物結合体複合物とともに化学療法剤を投与され、ここで、該化学療法剤は、レトロゾール、シスプラチン、カルボプラチン、タキソール、パクリタキセル、オキサリプラチン、ドセタキセル、5−FU、ロイコボリン、エルロチニブ、パーツズマブ、ベバシズマブ、ラパチニブおよびゲムシタビンから選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体、および薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む抗体−薬物結合体を含む薬学的処方物であって、ここで、該システイン改変抗MUC16抗体は、アウリスタチン薬物部分に共有結合されている、薬学的処方物;
容器;および
該複合物が、MUC16ポリペプチドの過剰発現を特徴とする癌を処置するために使用され得ることを示している添付文書またはラベル
を備えた、製品。
【請求項51】
前記癌が、卵巣癌、前立腺癌、尿路の癌、膵癌、肺癌、乳癌または結腸癌である、請求項50に記載の製品。
【請求項52】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体(Ab)およびアウリスタチン薬物部分(D)を含む抗体薬物結合体複合物を作製するための方法であって、ここで、該システイン改変抗体は、該1つ以上の操作されたシステインアミノ酸を介してリンカー部分(L)によってDに結合され;該複合物は、式I:
Ab−(L−D)p I
を有し、ここで、pは、1、2、3または4であり;該方法は、以下の工程:
(a)該システイン改変抗体の操作されたシステイン基をリンカー試薬と反応させて、抗体−リンカー中間体Ab−Lを形成する工程;および
(b)Ab−Lを、活性化された薬物部分Dと反応させ;それによって、該抗体−薬物結合体複合物を形成する工程;
または、以下の工程:
(c)薬物部分の求核基をリンカー試薬と反応させて、薬物−リンカー中間体D−Lを形成する工程;および
(d)D−Lを、該システイン改変抗体の操作されたシステイン基と反応させ;それによって、該抗体−薬物結合体複合物を形成する工程
を包含する、方法。
【請求項53】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において、前記システイン改変抗体を発現させる工程をさらに包含する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記発現されたシステイン改変抗体を還元剤で処理する工程をさらに包含する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記還元剤が、TCEPおよびDTTから選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記発現されたシステイン改変抗体を、前記還元剤で処理した後、酸化剤で処理する工程をさらに包含する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記酸化剤が、硫酸銅、デヒドロアスコルビン酸および大気から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項1】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含む、システイン改変抗MUC16抗体。
【請求項2】
親抗MUC16抗体の1つ以上のアミノ酸残基をシステインで置換する工程を包含するプロセスによって調製される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項3】
前記1つ以上の遊離システインアミノ酸残基が、軽鎖に位置する、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項4】
以下:
【表8】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項3に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項5】
以下:
【表9】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項3に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項6】
前記1つ以上の遊離システインアミノ酸残基が、重鎖に位置する、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項7】
以下:
【表10】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項6に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項8】
以下:
【表11】
から選択される1つ以上の配列を含む、請求項6に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項9】
以下:
【化25】
を含む重鎖配列を含む、請求項1に記載のシステイン改変hu抗MUC16抗体。
【請求項10】
以下:
【化26】
を含む軽鎖配列を含む請求項1に記載のシステイン改変hu抗MUC16抗体。
【請求項11】
以下:
【化27】
を含む重鎖配列を含む、請求項1に記載のシステイン改変キメラ抗MUC16抗体。
【請求項12】
以下:
【化28】
を含む軽鎖配列を含む、請求項1に記載のシステイン改変キメラ抗MUC16抗体。
【請求項13】
前記親抗MUC16抗体が、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体およびヒト化抗体から選択される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項14】
Fabフラグメントである、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項15】
細菌において産生される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項16】
CHO細胞において産生される、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項17】
MUC16タンパク質を含むと疑われるサンプル中の該タンパク質の存在を判定する方法であって、該方法は、以下の工程:
該サンプルを、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体に曝露する工程、および;
該サンプル中の該抗体の該MUC16タンパク質への結合を測定する工程であって、ここで、該抗体の該タンパク質への結合は、該サンプル中の該タンパク質の存在を示す、工程
を包含する、方法。
【請求項18】
前記細胞が、卵巣癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞または膵癌細胞である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が、蛍光色素、放射性同位体、ビオチンまたは金属錯化リガンドから選択される標識に共有結合されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が、アウリスタチン薬物部分に共有結合されており、それによって、抗体−薬物結合体が形成されている、請求項1に記載のシステイン改変抗MUC16抗体。
【請求項21】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体、ならびに薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む、薬学的処方物。
【請求項22】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸、配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体(Ab)およびアウリスタチン薬物部分(D)を含む、抗体−薬物結合体であって、該システイン改変抗MUC16抗体は、1つ以上の遊離システインアミノ酸を介してリンカー部分(L)によってDに結合され;この複合物は、式I:
Ab−(L−D)p I
を有し、ここで、pは、1、2、3または4である、
抗体−薬物結合体。
【請求項23】
pが2である、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項24】
Lが、式:
【化29】
を有し、ここで:
Aは、前記システイン改変抗体(Ab)のシステインチオールに共有結合されたストレッチャー単位であり;
aは、0または1であり;
各Wは、独立してアミノ酸単位であり;
wは、0〜12の範囲の整数であり;
Yは、前記薬物部分に共有結合されたスペーサー単位であり;そして
yは、0、1または2である、
請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項25】
式:
【化30】
を有し、ここで、PABは、パラ−アミノベンジルカルバモイルであり、R17は、(CH2)r、C3−C8カルボシクリル、O−(CH2)r、アリーレン、(CH2)r−アリーレン、−アリーレン−(CH2)r−、(CH2)r−(C3−C8カルボシクリル)、(C3−C8カルボシクリル)−(CH2)r、C3−C8ヘテロシクリル、(CH2)r−(C3−C8ヘテロシクリル)、−(C3−C8ヘテロシクリル)−(CH2)r−、−(CH2)rC(O)NRb(CH2)r−、−(CH2CH2O)r−、−(CH2CH2O)r−CH2−、−(CH2)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−、−(CH2)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−CH2−、−(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−、−(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2CH2O)r−CH2−および−(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2)r−から選択される二価のラジカルであり;ここで、Rbは、H、C1−C6アルキル、フェニルまたはベンジルであり;そしてrは、独立して、1〜10の範囲の整数である、
請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項26】
Wwが、バリン−シトルリンである、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項27】
R17が、(CH2)5または(CH2)2である、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項28】
式:
【化31】
を有する、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項29】
R17が、(CH2)5または(CH2)2である、請求項28に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項30】
式:
【化32】
を有する、請求項24に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項31】
Lが、MC−val−cit−PABまたはMCである、請求項22に記載の抗体薬物結合体。
【請求項32】
Lが、リンカー試薬のSMCC、BM(PEO)2またはBM(PEO)3によって形成されたリンカーである、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項33】
Dが、構造:
【化33】
を有するMMAEであり、ここで、波線は、前記リンカーLへの結合部位を示す、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項34】
Dが、構造:
【化34】
を有するMMAFであり、ここで、波線は、前記リンカーLへの結合部位を示す、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項35】
前記システイン改変抗MUC16抗体が、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体およびヒト化抗体から選択される、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項36】
前記システイン改変抗MUC16抗体が、Fabフラグメントである、請求項22に記載の抗体−薬物結合体複合物。
【請求項37】
構造:
【化35】
から選択される抗体−薬物結合体複合物であって、ここで、Valは、バリンであり;Citは、シトルリンであり;pは、1、2、3または4であり;そしてAbは、MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含む、システイン改変抗MUC16抗体である、抗体−薬物結合体複合物。
【請求項38】
Abが、配列番号1を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項39】
Abが、配列番号2を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項40】
Abが、配列番号3を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項41】
Abが、配列番号4を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項42】
Abが、配列番号1および配列番号2を含む、請求項37に記載の抗体薬物結合体。
【請求項43】
Abが、配列番号3および配列番号4を含む、請求項42に記載の抗体薬物結合体。
【請求項44】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸、配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体(Ab)およびアウリスタチン薬物部分(D)を含む、抗体−薬物結合体複合物の混合物であって、ここで、該システイン改変抗MUC16抗体は、1つ以上の遊離システインアミノ酸を介してリンカー部分(L)によってDに結合され;該複合物は、式I:
Ab−(L−D)p I
を有し、ここで、pは、1、2、3または4であり、平均薬物負荷は、1〜2である、抗体−薬物結合体複合物の混合物。
【請求項45】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を含むシステイン改変抗MUC16抗体を含む抗体−薬物結合体、および薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む、薬学的処方物であって、ここで該システイン改変抗MUC16抗体は、アウリスタチン薬物部分に共有結合されている、薬学的処方物。
【請求項46】
レトロゾール、オキサリプラチン、ドセタキセル、5−FU、ラパチニブ、カペシタビン、ロイコボリン、エルロチニブ、パーツズマブ、ベバシズマブおよびゲムシタビンから選択される治療有効量の化学療法剤をさらに含む、請求項45に記載の薬学的処方物。
【請求項47】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体を含む抗体−薬物結合体、および薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む薬学的処方物を患者に投与する工程を包含する、癌を処置する方法であって、ここで、該システイン改変抗MUC16抗体は、アウリスタチン薬物部分に共有結合されている、方法。
【請求項48】
前記癌が、卵巣癌、前立腺癌、尿路の癌、膵癌、肺癌、乳癌および結腸癌からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記患者が、前記抗体−薬物結合体複合物とともに化学療法剤を投与され、ここで、該化学療法剤は、レトロゾール、シスプラチン、カルボプラチン、タキソール、パクリタキセル、オキサリプラチン、ドセタキセル、5−FU、ロイコボリン、エルロチニブ、パーツズマブ、ベバシズマブ、ラパチニブおよびゲムシタビンから選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体、および薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤を含む抗体−薬物結合体を含む薬学的処方物であって、ここで、該システイン改変抗MUC16抗体は、アウリスタチン薬物部分に共有結合されている、薬学的処方物;
容器;および
該複合物が、MUC16ポリペプチドの過剰発現を特徴とする癌を処置するために使用され得ることを示している添付文書またはラベル
を備えた、製品。
【請求項51】
前記癌が、卵巣癌、前立腺癌、尿路の癌、膵癌、肺癌、乳癌または結腸癌である、請求項50に記載の製品。
【請求項52】
MUC16ポリペプチドに結合し、1つ以上の遊離システインアミノ酸および配列番号9〜40から選択される配列を有するシステイン改変抗MUC16抗体(Ab)およびアウリスタチン薬物部分(D)を含む抗体薬物結合体複合物を作製するための方法であって、ここで、該システイン改変抗体は、該1つ以上の操作されたシステインアミノ酸を介してリンカー部分(L)によってDに結合され;該複合物は、式I:
Ab−(L−D)p I
を有し、ここで、pは、1、2、3または4であり;該方法は、以下の工程:
(a)該システイン改変抗体の操作されたシステイン基をリンカー試薬と反応させて、抗体−リンカー中間体Ab−Lを形成する工程;および
(b)Ab−Lを、活性化された薬物部分Dと反応させ;それによって、該抗体−薬物結合体複合物を形成する工程;
または、以下の工程:
(c)薬物部分の求核基をリンカー試薬と反応させて、薬物−リンカー中間体D−Lを形成する工程;および
(d)D−Lを、該システイン改変抗体の操作されたシステイン基と反応させ;それによって、該抗体−薬物結合体複合物を形成する工程
を包含する、方法。
【請求項53】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において、前記システイン改変抗体を発現させる工程をさらに包含する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記発現されたシステイン改変抗体を還元剤で処理する工程をさらに包含する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記還元剤が、TCEPおよびDTTから選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記発現されたシステイン改変抗体を、前記還元剤で処理した後、酸化剤で処理する工程をさらに包含する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記酸化剤が、硫酸銅、デヒドロアスコルビン酸および大気から選択される、請求項56に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図3】
【図4】
【図7a】
【図2】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図3】
【図4】
【図7a】
【公表番号】特表2010−526821(P2010−526821A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507620(P2010−507620)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/062903
【国際公開番号】WO2008/141044
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/062903
【国際公開番号】WO2008/141044
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
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