説明

システムキッチン

【課題】吐水開始操作を簡略化させて手の動作量を低減させることができる、あるいは誤検知を防止することができるシステムキッチンを提供する。
【解決手段】シンクと、前記シンクの側方に延在する調理台と、水を吐水する水栓と、前記水栓の吐止水を制御する操作部と、を備え、前記操作部は、前記水栓から吐水される水の軌跡と、前記調理台の上面を延長した面と、が交差する洗浄領域と、前記調理台の前に立つ使用者の作業領域と、を結ぶ移動領域の内部に設置されたことを特徴とするシステムキッチンが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンに関し、具体的にはシンクと水栓とを備えたシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
調理中などにおいて、包丁や野菜、食器などに付着している汚れを落とすために、洗い動作を行うことがある。このような洗い動作は、2種類の洗い動作に分けることができる。一方は、汚れの少ないものを洗う動作であり、これを「簡単洗い」と呼ぶことにする。他方は、汚れの落ち難いものを洗う動作であって、これを「丁寧洗い」と呼ぶことにする。
【0003】
「簡単洗い」は、主にすすぎ洗いを行う動作であり、具体的には、包丁、まな板、あるいは汚れの少ない野菜などを洗う動作である。洗浄時間は短く、例えば約2秒程度である。また、簡略的な洗い動作であるため、シンクの側方に設けられた調理台の前に立ちつつ、水栓の方向に向かって野菜などを差し出して洗うことができると便利である。すなわち、調理台から斜め方向に野菜などを差し出して洗うことができると便利である。
【0004】
これに対して、「丁寧洗い」は、主にこすり洗いを行う動作であり、具体的には泥汚れ、油汚れ、あるいは肉や魚の「ヌメリ」などを洗う動作である。洗浄時間は、「簡単洗い」よりも長く、例えば約10秒以上である。また、汚れの落ち難いものを洗う動作であるため、シンクおよび水栓の正面に立って魚を切った後のまた板などを差し出して洗うことが多い。
【0005】
これまでのシステムキッチンは、使用者がシンクの正面に立って洗い動作を行うことを想定して作られてきた。つまり、シンクの脇に設けられた調理台の前に立った使用者が、シンクの水栓の方向に向かって斜めに洗浄物を差し出して洗う動作は、ほとんど想定されていなかった。しかしながら、実際の調理中の動作は、調理台の前に立った使用者が調理材を切る、あるいは混ぜるなどの動作を行いながら、包丁などを簡単に洗うといった「簡単洗い」の動作を行う頻度が多い。これまでのシステムキッチンの場合、調理台の前から洗い動作を行うためには、使用者は洗い動作を行うたびに水栓の正面近傍に移動する必要があり、身体の重心移動を行わなければならないという点において改善の余地があった。
【0006】
また、「簡単洗い」および「丁寧洗い」のいずれの洗い動作であっても、洗浄動作を開始する前に行う吐水開始操作を簡略化し、手の動作量を低減することは好ましい。さらに、「簡単洗い」は、簡略的な洗い動作であるため、包丁や野菜などを手に持ちつつ吐水開始操作を簡易的に行うことができれば、より好ましい。
【0007】
そこで、吐水開始操作を簡略化させることができるキッチン装置がある(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載された装置は、光電スイッチを動作させてバルブを開放させるため、光電スイッチが動作するいずれかの領域に例えば鍋などの被検知物が放置されると、その被検知物に反応して使用者が意図しない場面において吐水されるという問題がある。すなわち、シンクの前で使用者が作業する場合には、上記のような不具合時に鍋等を検知範囲から外すことで問題解決が可能であるが、調理台の前からの動作の場合には、鍋等を検知範囲外に動かすための移動等が必要なため、吐水を行うための身体の動作量が増大する恐れがある。
【特許文献1】実開昭61−75570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、吐水開始操作を簡略化させて手の動作量を低減させることができる、あるいは調理台の前からでも楽に洗い動作を行うことができるシステムキッチンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、シンクと、前記シンクの側方に延在する調理台と、水を吐水する水栓と、前記水栓の吐止水を制御する操作部と、を備え、前記操作部は、前記水栓から吐水される水の軌跡と、前記調理台の上面を延長した面と、が交差する洗浄領域と、前記調理台の前に立つ使用者の作業領域と、を結ぶ移動領域の内部に設置されたことを特徴とするシステムキッチンが提供される。
【0010】
また、本発明の他の一態様によれば、シンクと、前記シンクの側方に延在する調理台と、水を吐水する水栓と、前記水栓の吐止水を制御する操作部と、前記シンクと、前記調理台と、の間に設けられた操作面と、を備え、前記操作部は、前記操作面に設置され、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部を有し、前記センサ部の検知範囲は、前記操作面の少なくとも一部の領域を含むことを特徴とするシステムキッチンが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吐水開始操作を簡略化させて手の動作量を低減させることができる、あるいは調理台の前からでも楽に洗い動作を行うことができるシステムキッチンが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
本実施形態にかかるシステムキッチン10は、キッチンキャビネット20と、水栓40と、操作部50と、を備えている。キッチンキャビネット20は、水栓40から吐水された水を受けるシンク22と、シンク22の左側方部に延在する調理台21と、を有している。但し、調理台21は、シンク22の右側方に延在していてもよい。
【0013】
シンク22は、水栓40から吐水された水を受ける機能を有し、左側面23と、後面24と、右側面25と、前面26と、底面27と、を有している。水栓40は、吐水口41を有し、シンク22の後方部に設けられている。なお、水栓40は、シンク22の左側面23と、右側面25と、の中央部よりも調理台21の側に設けられていてもよい。調理台21に近い場所に水栓40を設けることにより、調理台21から水栓40を使用する時の身体の動作量(例えば、手の移動距離、身体の重心の移動等)を大幅に低減することが可能となる。吐水口41は、吐水された水が底面27に着水するように、略下方もしくは斜め下方の方向に向かって設けられている。さらに、水栓40は、配水管42を介して開閉弁43に接続されている。この開閉弁43は、水を吐水させたり、止水させたりする機能を有しており、吐止水の制御を行うために操作される操作部50と連動して吐止水の駆動を行うものである。
【0014】
操作部50は、シンク22の左側面23に設けられている。操作部50は、レバー部51と、軸52と、を有し、レバー部51は軸52によって軸支されている。そのため、レバー部51は、略同一面内において、軸52を中心として矢印100の方向に回動することができる。また、操作部50と、開閉弁43と、はケーブル44によって電気的に接続されている。但し、操作部50と、開閉弁43と、は電気的な接続ではなく、図示しない伝動用機械要素によって機械的に接続されていてもよい。
【0015】
そこで、使用者がレバー部51を右側方へ回動させると、操作部50はケーブル44を通して開閉弁43に電気的信号を伝送して、吐水を開始させるように開閉弁43を制御する。一方、レバー部51を左側方へ回動させると、止水させるように開閉弁43を制御する。なお、レバー部51の回動方向と、吐水および止水と、の関係はこれだけに限られるわけではなく、レバー部51を右側方へ回動させることで止水させ、レバー部51を左側方へ回動させることで吐水させてもよい。
【0016】
但し、使用者が調理台21の前に立ちつつ、野菜や包丁や食器などを水栓40の方向へ差し出して洗い動作を行う場合に、吐水開始の操作を簡略化させて手の動作量を低減させることを考慮すると、レバー部51を右側方へ回動させることによって吐水を開始するようにすることが好ましい。
【0017】
更に、図1に表したレバー部51の操作方向100に対して直交する方向に操作可能なようにレバー部51を配置することも可能である。このように配置することによって、調理台21から水栓40までの前方/後方に対するベクトルの動きに対しても操作可能であり、且つ一方をシンク22の側面によって遮られることも無い。そのため、手の挿入が容易となり操作性も向上するため、手の動作の負荷を低減することも可能となる。
【0018】
図2は、本実施形態にかかるシステムキッチンを上方から眺めた上面模式図である。
本発明者は、システムキッチンを使用する頻度が多い成人女性の水平作業域を調査している。図2に表した円弧状の二点鎖線70は、成人女性の使用者15が右肘を曲げて楽に作業することのできる手の動作範囲を表している。すなわち、使用者15は、この円弧状の二点鎖線70の内側の領域(以下、「作業領域」という)71において、身体の負荷を低減させた状態(身体の重心移動が無い状態、手を伸ばした状態等)で調理作業を行う頻度が高い。二点鎖線70の半径は、使用者15の肘を略中心として例えば約30cm程度である。また、水栓40の吐水口41から吐水された水の軌跡と、調理台21の上面を延長した面と、が交差する領域(以下、「洗浄領域」という)72が生ずる。
【0019】
このとき、作業領域71の外縁の後方端73と、洗浄領域72の外縁の後方端75と、を直線77で結ぶことができる。さらに、作業領域71の外縁とキッチンキャビネット20の前端との交点74と、洗浄領域72の外縁の前方端76と、を直線78で結ぶことができる。本実施形態にかかるシステムキッチン10においては、直線77と直線78との間の移動領域に、操作部50が設けられている。つまり、作業領域71から洗浄領域72へ野菜などの洗浄物を差し出す動作の途中に、操作部50が存在することになる。したがって、吐水を開始するためだけに別の場所に対して操作する動作を無くすことが可能となるため、吐水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。
【0020】
図3は、図2に表したA−A断面を前方から眺めた断面模式図である。
操作部50は、前述したように、シンク22の左側面23に設けられている。操作部50が有するレバー部51は、調理台21の上面よりも上方へ突出している。そのため、使用者15は、調理台21で作業している手を右側方にスライドさせて、レバー部51を右側方へ回動させることにより、吐水を開始させることができる。
【0021】
したがって、野菜や包丁などの簡易的なすすぎ洗いを行うときには、手に洗浄物を持ちつつ、その手を右側方へスライドさせてレバー部51を回動させることにより、簡単に吐水を開始させることができる。また、レバー部51が調理台22の上面から上方へ突出しているため、洗浄を行うために操作する手をシンク22の内部(調理台21の上面を延長した面と、底面27と、左側面23と、右側面25と、に囲まれた空間)に挿入する上下方向の移動量を低減することが出来る。そのため、操作するための手の移動量を低減することが可能となる。さらに前述したように、作業領域71から洗浄領域72へ洗浄物を差し出す動作の途中に操作部50が存在するため、吐水開始から洗浄までの動作を一連の流れで行うことができる。
【0022】
図4は、本実施形態の変形例にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
また、図5は、本変形例のシステムキッチンの断面を表す断面模式図である。なお、図5は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
本変形例にかかるシステムキッチン10は、図1に表したシステムキッチンと同様に、シンク22の左側面23に操作部50を備えている。
【0023】
操作部50は、調理台21の上面に対して略平行方向に設けられたレバー部51と、調理台21の上面に対して略垂直方向に設けられた軸52と、を有している。また、レバー部51は軸52によって軸支されている。したがって、レバー部51は、調理台21の上面と略平行面内において、軸52を中心として矢印102の方向に回動することができる。
【0024】
そこで、使用者が、調理台21の上面に対して略平行面内において、レバー部51を右側方へ回動させると、操作部50はケーブル44を通して開閉弁43に電気的信号を伝送して、吐水を開始させるように開閉弁43を制御する。一方、調理台21の上面に対して略平行面内において、レバー部51を左側方へ回動させると、止水させるように開閉弁43を制御する。なお、レバー部51の回動方向と、吐水および止水と、の関係は逆であってもよい。
【0025】
レバー部51および軸52は、調理台21の上面よりも上方へ突出している。そのため、図3を参照しつつ説明したように、使用者15は、調理台21で作業している手を右側方にスライドさせて、レバー部51を右側方へ回動させることにより、吐水を開始させることができる。また、レバー部51が調理台21の上面よりも上方へ突出していることにより、シンク22の内部に対する上下方向への手の移動量を低減することが出来るため、操作する手の動作量を低減することも可能となる。
【0026】
さらに、吐水を開始させた後でも、レバー部51は、調理台21の上面と略平行面内にある。そのため、使用者15は、洗浄領域72での洗浄動作を終えた後に、手を左側方にスライドさせて、レバー部51を左側方へ回動させることにより、簡単に止水させることができる。したがって、吐水開始、洗浄、および止水までの一連の動作を略同一平面内において行うことができるため、使用者の手の動作量をより低減させることができる。
【0027】
また、レバー部51の止水状態における位置に関しては、左側面23と並行および直交する方向のいずれでも良い。止水状態のレバー部51の位置が左側面23と並行な場合においては、調理台21からレバー部51を操作して吐水するときに、操作方向に対してレバー部51の長手方向が対面しているため、容易にレバー部51の操作を行うことができる。そのため、少ない動作量にて操作可能となる。更に止水状態のレバー部51の位置が左側面23と直交する場合においては、水栓40を使わないときに調理台21の近傍にレバー部51が存在しないため、調理中の操作における誤操作により吐水されることを防止することが可能となる。また、吐水時にレバー部51が左側面23と並行方向に操作されるため、洗浄中におけるシンク22の内部の領域を低減させることなく洗浄を行うことが可能となる。そのため、洗浄時における手の可動範囲を確保することができ、手の動作における負荷を低減することが出来る。なお、その他の構造、配置、および動作は、図1〜3を参照しつつ説明したシステムキッチンと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0028】
図6は、本実施形態の他の変形例にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
本変形例にかかるシステムキッチン10は、調理台21の上面に、且つシンク22の左側面23の寄りに、操作部50を備えている。操作部50は、図4および5に表した変形例と同様に、調理台21の上面に対して略平行方向に設けられたレバー部51と、調理台21の上面に対して略垂直方向に設けられた軸52と、を有している。
【0029】
操作部50は、調理台21の上面に、且つシンク22の左側面23の寄りに設けられているため、調理台21から操作部50までの距離がより短く、吐水開始までの動作をより早く、且つ簡易的に行うことができる。更に、調理台21から操作部50までの距離が短いため、操作部50から洗浄領域72に手を移動させるまでの時間で、例えば電磁弁のような開閉弁の信号を入力してから実際にバルブが開状態になるまでの遅延時間を補うことが可能となる。そのため、洗浄領域72における手の挿入と同時に手に着水、または手の挿入よりも吐水が早いという状況を発生させることが出来る。これにより、洗浄領域72において吐水を待つという動作を低減することが可能となる。
【0030】
また、操作部50の全体が見えるため、操作部50を探すための身体および手の無駄な動きを低減させることができる。さらに、吐水を開始させた後でも、レバー部51は、調理台21の上面と略平行面内にあるため、図4および5を参照しつつ説明したシステムキッチンと同様の効果を得ることができる。なお、その他の構造、配置、および動作は、図1〜3を参照しつつ説明したシステムキッチンと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、左側面23に、且つ直線77と直線78との間の移動領域に、操作部50が設けられている。したがって、作業領域71から洗浄領域72へ洗浄物を差し出す動作の途中に操作部50が存在することになるため、吐水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。また、これにより使用者15は、調理台21の前からでも楽に洗浄動作を行うことができる。さらに、本実施形態の変形例によれば、吐水開始、洗浄、および止水までの一連の動作を略同一平面内において行うことができるため、使用者の手の動作量をより低減させることができる。更に調理台21に近い側に水栓40を設けることにより、「丁寧洗い」等の作業を行う場所も調理台21に近い側に移動するため、本発明の操作部50を使用して丁寧洗い等の洗浄動作を行うことが可能となる。そのため、従来に対して、シンク22の後方に手を伸ばす操作が不要となり、調理台21の近傍で操作可能となる。したがって、調理台21からの操作と同様に手の動作量を低減することが可能となる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
また、図8は、本実施形態にかかるシステムキッチンの断面を表す断面模式図である。なお、図8は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
本実施形態のシステムキッチン10は、調理台21と、左側面23と、が操作面28を介して接続されている。操作面28は、左側面23の上方部に設けられ、調理台21から底面27に向かう方向に傾斜している。そのため、操作面28に付着した水や汚れなどは、シンク22により流れやすい。したがって、操作面28や操作面28の近傍の調理台21をより清潔に保つことができる。
【0033】
操作部50は、操作面28に設けられている。レバー部51は、操作面28に対して略平行面内において、軸52を中心として矢印104の方向に回動することができる。なお、その他の構造および配置は、図1〜3を参照しつつ説明したシステムキッチンと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0034】
使用者が、レバー部51を受水部の方向へ回動させると、操作部50はケーブル44を通して開閉弁43に電気的信号を伝送して、吐水を開始させるように開閉弁43を制御する。一方、レバー部51を調理台の方向へ回動させると、止水させるように開閉弁43を制御する。なお、レバー部51の回動方向と、吐水および止水と、の関係は逆であってもよい。また、レバー部51の止水時における位置に関しても、図1〜3を参照しつつ説明したシステムキッチンと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0035】
操作部50は、操作面28に設けられているため、調理台21の前に立っている使用者は操作部50の位置をより確認しやすい。したがって、操作部50を探すための身体および手の無駄な動きを低減させることができる。また、操作部50が操作面28に設けられているため、操作部50に付着した水や汚れなどは、操作面28を伝ってシンク22により流れやすい。したがって、操作部50の近傍をより清潔に保つことができる。
【0036】
また、図1〜3を参照しつつ説明したように、作業領域71から洗浄領域72へ野菜などの洗浄物を差し出す動作の途中に、操作部50を設けることができるため、吐水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。
【0037】
図9は、本実施形態の変形例にかかるシステムキッチンを表す断面模式図である。なお、図9は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
本変形例にかかるシステムキッチン10の操作部50は、シンク22の左側面23に設けられている。また、レバー部51は、操作面28および調理台21の上面よりも上方へ突出しており、軸52を中心として矢印100の方向に回動することができる。なお、その他の構造および配置は、図7および8に表したシステムキッチンと同様である。
【0038】
レバー部51は、操作面28よりも上方へ突出しているため、使用者は操作面28に略平行に手を受水部の方向へスライドさせることによって、吐水を開始させることができる。また、レバー部51は、調理台21の上面よりも上方へ突出しているため、使用者は調理台21の上面に略平行に手を右側方へスライドさせることによって、吐水を開始させることもできる。一方、手を調理台21の方向へスライドさせて、レバー部51を左側方へ回動させることによって、止水させることができる。また、レバー部51が調理台21の上面よりも上方へ突出しているため、シンク22の内部の方向(シンク22の上下方向)に対する手の移動量を低減できる。
【0039】
更に、レバー部51が傾斜を持った操作面28よりも上方へ突出しているため、傾斜の影響でレバー部51の視認性が高まり、更に操作を容易に行うことも可能となる。また、レバー部51が調理台21の上面から上方へ突出せず、調理台21の上面と同一面に端部がある場合においても、傾斜を持つ操作面28が設けられていることにより、調理台21からの視認性を高めることが可能となる。そのため、操作性を向上させることが可能となる。なお、レバー部51が操作面28の下端(シンク底面に最も近い端部)よりも上方にある場合には、傾斜を持つ操作面28の影響で、調理台21からの視認性を下げることなく使用することが可能であるため、同様の効果を有することになる。
【0040】
操作部50は、左側面23に設けられているため、操作面28には他の構造物は存在しない。したがって、操作面28の全体に付着した水や汚れなどが受水部により流れやすくなり、操作面28の近傍をより清潔に保つことができる。
なお、本実施形態においては、図6に表したシステムキッチン10のように、操作部50が調理台21の上面に設けられていてもよい。このようにすれば、操作部50に付着した水や汚れが受水部により流れやすくなり、調理台21の上面の操作部50の近傍をより清潔に保つことができる。
【0041】
次に、操作面28の変形例について図面を参照しつつ説明する。
図10は、操作面の変形例を例示する断面模式図である。なお、図10は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
本変形例の操作面28は、段差の形状を有しており、操作底面28aと、操作側面28bと、を有している。本変形例の操作面28を有するシステムキッチンの操作部は、調理台21の上面、操作底面28a、操作側面28b、および左側面23のいずれかに設けられる。操作側面28bおよび左側面23に設けられる操作部50は、例えば図3、図5、または図9に表したような操作部50である。これに対して、調理台21の上面および操作底面28aに設けられる操作部50は、例えば図6に表したような操作部50である。
【0042】
また、本変形例のように、操作面28を異なる多面で構成することにより、複数の操作系をコンパクトにまとめることが可能となる。例えば、操作側面28bには、図1に表した操作部50を設けて吐止水を制御し、操作底面28aには、タッチスイッチやタッチレススイッチ等のように面に対して物体を検知する操作部を設けて吐水形態(整流、シャワー等)の切替を制御する。このようにすれば、吐水を操作する際に吐水形態も変化でき、且つ水栓40までの動線上にあるため、容易に操作可能となる。また、複数の操作系をまとめることにより、使用者が操作の際に迷う等の動作を低減することも可能となる。更に、操作面28の形状(調理台に対して垂直、水平等)に合わせた操作部50を設けることもできる。例えば、垂直な操作面28に対しては、レバー等を有する操作部のような調理台21から視認可能な操作部を設け、水平面に関しては調理台21から視認可能で且つ操作の際にレバーと異なる操作方法を有する操作部を設けることができる。このようにすることで、視認性が高く、且つ操作を誤る等の誤操作を防止することも可能となる。
【0043】
操作底面28aまたは操作側面28bに操作部50が設けられた場合には、操作部50は、調理台21およびシンク22のいずれにも存在しないため、操作部50が調理動作および洗い動作の邪魔になることは少ない。したがって、調理台21およびシンク22の空間を有効に活用することができる。
【0044】
図11は、操作面の他の変形例を例示する断面模式図である。なお、図11は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
本変形例の操作面28は、凸曲面の形状を有している。本変形例においては、操作部は、調理台21の上面、操作面28、および左側面23のいずれかに設けられる。操作面28に設けられる操作部50は、例えば図3、図5、図8、または図9に表したような操作部である。なお、調理台21の上面および左側面23に設けられる操作部50は、前述した通りである。
【0045】
操作部50が操作面28に設けられた場合には、操作面28が凸曲面の形状を有しているため、使用者は手を滑らかにスライドさせることができ、より安心して操作部50を操作することができる。また、凸曲面に操作部50が設けられているため、調理台21の前に立っている使用者は操作部50を見つけやすく、手の無駄な動きを低減させることができる。
【0046】
図12は、操作面のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。なお、図12は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
本変形例の操作面28は、凹曲面の形状を有している。本変形例においても、操作部は、調理台21の上面、操作面28、および左側面23のいずれかに設けられる。操作面28に設けられる操作部50は、例えば図3、図5、図8、または図9に表したような操作部である。なお、調理台21の上面および左側面23に設けられる操作部50は、前述した通りである。
【0047】
操作部50が操作面28に設けられた場合には、操作面28が凹曲面の形状を有しているため、図11を参照しつつ説明した効果と同様に、手を滑らかにスライドさせることができ、より安心して操作部50を操作することができる。また、操作面28が凹形状を有しているため、操作部50は、調理台21およびシンク22のいずれにも存在しないことになる。そのため、操作部50が調理動作および洗い動作の邪魔になることは少なく、調理台21およびシンク22の空間を有効に活用することができる。
【0048】
次に、操作部50の変形例について図面を参照しつつ説明する。なお、操作部50の変形例の説明においては、図7に表した操作面28を例に挙げて説明する。
図13は、操作部の変形例を例示する模式図である。
また、図14は、本変形例の操作部の断面を表す断面模式図である。なお、図14は、図3に表したようなA−A断面図に相当する。
【0049】
本変形例の操作部50は、タッチスイッチ方式である。すなわち、使用者が操作部50を矢印106の方向に押す毎に、吐水と止水とが切り替わる。したがって、使用者が操作部50を矢印106の方向に押す毎に、吐水と止水との電気的信号が交互にケーブル44を通して開閉弁43に伝送される。
【0050】
これによれば、使用者は操作部50を押すだけで、吐水を開始させることができるため、手の動作を低減させることができる。また、止水させる場合にも、同様に操作部50を押すだけでよいため、楽に止水を行うことができる。また、レバー部51がないため、調理台21およびシンク22の空間をより広く確保することができ、その空間をより有効に活用することができる。
【0051】
図15は、操作部の他の変形例を例示する模式図である。
本変形例の操作部50は、ダイヤル方式である。すなわち、使用者は、操作部50を矢印104の方向に回動させて、吐水を開始させたり、止水させることができる。なお、使用者が調理台21の前に立ちつつ、野菜や包丁や食器などを水栓40の方向へ差し出して洗い動作を行う場合に、吐水開始の操作を簡略化させて手の動作量を低減させることを考慮すると、操作部50を上方から眺めたときに反時計回りへ回動させることによって吐水を開始するようにすることが好ましい。
【0052】
このようにすれば、レバー部51がないため、調理台21およびシンク22の空間をより広く確保することができ、その空間をより有効に活用することができる。また、作業領域71から洗浄領域72へ野菜などの洗浄物を差し出す動作の途中に、操作部50を設けることができるため、図7および8を参照しつつ説明した効果と同様の効果を得ることができる。また、図15に表したように、操作面28の形状を傾斜させることにより、レバー部を有する操作部よりも小さな操作部50であるダイヤルを容易に調理台21から視認することが可能となる。そのため、使用者の操作性が向上し、ダイヤルを探す等の動作を低減することも可能となる。
【0053】
図16は、操作部のさらに他の変形例を例示する模式図である。
本変形例の操作部50は、操作面28の裏側にセンサを有している。このセンサは、例えば、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するマイクロ波センサなどの非接触型センサである。このようなマイクロ波センサとしては、例えば、ドップラーセンサを挙げることができる。また、光や超音波を送受信し、その反射信号を基に非接触で物体の有無を判定できる非接触型センサであってもよい。このとき、少なくとも操作面28は、樹脂製の材質からなることが好ましい。これは、センサが放射する電波、光、および超音波などを通過しやすくするためである。また、操作部50は図1〜15を参照しつつ説明した操作部のように、操作面28、調理台21、およびシンク22の表面から突出するようには設けられていないため、使用者は操作部50の位置を見つけにくい場合がある。その場合には、操作部50の位置を例えば光などで目立たせることもできる。
【0054】
使用者は、野菜や食器の洗浄物を洗浄するために、作業領域71から洗浄領域72へ洗浄物を差し出すと、操作部50が有するセンサは、洗浄物および使用者の手の動きを検知する。その後、操作部50はケーブル44を通して開閉弁43に電気的信号を伝送して、吐水を開始させるように開閉弁43を制御する。
【0055】
このようにすれば、使用者は操作部50を操作することなく、洗浄領域72へ洗浄物を差し出すだけで吐水を開始させることができる。したがって、吐水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。また、本変形例の操作部50が有するセンサは、操作部50の近傍しか検知しないため、例えば鍋などの被検知物が受水部に放置された場合に吐水が開始されるなどの誤検知を防止することができる。
【0056】
また、本変形においては、操作面28の汚れを触ることはなく、且つ汚れた手で操作面28に触れることは無いため、操作部50や使用者の手に対して汚れを付着させることは無い。そのため、操作面28の掃除や、使用者が別途手を洗う等の操作を低減することも可能となる。更に、非接触型センサに手かざしをして吐水/止水を行う制御方法の他に、手かざしをすることで吐水し、自動で止水という制御方法もある。この制御方法であれば、洗浄後の濡れた手によって操作面28を操作することが無くなるため、操作面28の汚れや残水が乾燥したことにより発生する水滴跡等を付着させることは少ない。そのため、別途操作面28を掃除する動作について低減することも可能となる。
【0057】
図17は、操作部のさらに他の変形例を例示する模式図である。
本変形例の操作部は、吐止水を操作する操作部50と、流調および温調を操作する操作部55(第2の操作部)と、を有する。この操作部55は、水栓40と同様に、システムキッチン10の後方部に設けられている。また、本変形例の操作部が備えられたシステムキッチン10は、流調弁45と、温調弁46と、操作部55からの電気的信号を伝送するケーブル47と、湯と水とを配水する配水管48と、をさらに備える。但し、操作部55と、流調弁45および温調弁46と、は電気的な接続ではなく、図示しない伝動用機械要素によって機械的に接続されていてもよい。
【0058】
これによれば、使用者は吐水を開始させた後、操作部55を操作することによって、水栓40から吐水される水の流量や温度を調整することができる。例えば、操作部55を矢印108の方向に回動させると、温度に関する電気的信号が温調弁46に伝送され、操作部55の操作された位置に基づいた温度となるように温調弁46が制御される。一方、操作部55を矢印110の方向に回動させると、流量に関する電気的信号が流調弁45に伝送され、操作部55の操作された位置に基づいた流量となるように流調弁45が制御される。
【0059】
さらに、このように、吐止水を操作する操作部50と、流調および温調を操作する操作部55と、を別の場所に設け、作業領域71から洗浄領域72へ洗浄物を差し出す動作の途中に操作部50を設けることで、吐水を行うだけのために吐水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。また、吐水後の吐水の状態(流量、温度等)を確認した後で操作部を操作する際に、吐水を制御する場所に手を移動させて調整を行い、再度洗浄領域72に手を挿入するといった動作が低減する。そのため、使用者にとって最適な吐水状態を実現するための手の負担を減らすことが可能となる。よって、流量、及び温調を行う操作部55は水栓40の近傍に設置するのが望ましい。なお、流量および温調を調整する操作部55は、図17に表したシステムキッチン10だけに限られるわけではなく、図1〜16に表したシステムキッチン10に設けることもできる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、傾斜、段差、または曲面などの形状を有する操作面28が備えられているため、操作部50および操作面28の近傍をより清潔に保つことができる。また、操作部50を作業領域71から洗浄領域72へ洗浄物を差し出す動作の途中に操作部50を設けることができるため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、センサを使用する場合であっても、操作部50の近傍しか検知しないため、誤検知を防止することができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図18は、本発明の第3の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。 本実施形態のシステムキッチン10は、シンク22の左側面23に操作面28が設けられている。操作面28は、シンク22の後面24から前面26に向かう方向に傾斜している。そのため、操作面28に付着した水や汚れなどは、前面26の方向により流れやすい。したがって、操作面28をより清潔に保つことができる。
【0062】
操作部50は、操作面28に設けられている。レバー部51は、操作面28に対して略平行面内において、軸52を中心として矢印112の方向に回動することができる。なお、その他の構造および配置は、図1〜3を参照しつつ説明したシステムキッチンと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0063】
使用者が、レバー部51を受水部の方向へ回動させると、操作部50はケーブル44を通して開閉弁43に電気的信号を伝送して、吐水を開始させるように開閉弁43を制御する。一方、レバー部51を左側面23の方向へ回動させると、止水させるように開閉弁43を制御する。なお、レバー部51の回動方向と、吐水および止水と、の関係は逆であってもよい。
【0064】
操作面28はシンク22の後面24から前面26に向かう方向に傾斜しており、さらに操作部50はこの操作面28に設けられているため、調理台21の前に立っている使用者は操作部50の略全体を見ることができる。そのため、操作部50を探すための身体および手の無駄な動きを低減させることができる。また、操作部50は、斜め上方に向かって設けられているため、使用者は楽に操作部50を操作することができる。これは、操作部50の位置よりも、使用者の肩および肘の方が高い所に位置しているためである。
【0065】
さらに、また、図1〜3を参照しつつ説明したように、作業領域71から洗浄領域72へ野菜などの洗浄物を差し出す動作の途中に、操作部50を設けることができるため、吐水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。なお、本実施形態においても、図17に表した操作部55を設けることができる。
【0066】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図19は、本発明の第4の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。 本実施形態の水栓40は、整流用吐水口41aと、シャワー用吐水口41bと、を有している。なおここで、「整流」とは水流が略一本の吐水形態を意味し、「シャワー」とは水流が複数本の吐水形態を意味するものとする。水栓40の下方部、すなわちキッチンキャビネット20に取り付けられている近傍の部分は、キッチンキャビネット上面29に対して略垂直に設けられているが、所定の寸法よりも上方部は、キッチンキャビネット上面29に対して傾斜している。傾斜角度は、キッチンキャビネット上面29に対して例えば約60度程度である。但し、この傾斜角度は、適宜変更することができる。
【0067】
これに伴い、整流用吐水口41aおよびシャワー用吐水口41bは、キッチンキャビネット上面29および底面27に対して傾斜した状態でシンク22に向かって設けられている。そのため、整流用吐水口41aおよびシャワー用吐水口41bから吐水された水は、キッチンキャビネット上面29および底面27に対して斜めに吐水される。なお、その他の構造、配置、および動作については、図1〜3を参照しつつ説明したシステムキッチン10と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0068】
これによれば、水栓40が傾斜しているため、システムキッチン10を上方から眺めたときに、洗浄領域が水栓40によって視界を遮られることがないため、使用者はより確実に洗浄領域へ洗浄物を差し出すことができる。また、水が斜めに吐水されるため、洗浄領域がより広くなり、使用者は調理台21の前からでも楽に洗浄動作を行うことができる。さらに、シャワー水を吐水することができるため、さらに広い範囲を同時に洗浄することができる。これにより、洗浄中の手の動作も低減させることができる。なお、本実施形態の水栓40は、幕状水を吐水することができる吐水口を有していてもよい。また、本実施形態においても、図17に表した操作部55を設けることができる。
【0069】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図20は、本発明の第5の実施形態に係るシステムキッチンを例示する模式斜視図である。
図21は、本発明の第5の実施形態に係るシステムキッチンの制御を例示するブロック図である。
【0070】
図20に表したように、本実施形態に係るシステムキッチンの操作部50は、シンク22と調理台21(より詳細には、調理台21の上面)との間に設けられた操作面28に設けられている。また、操作部50は、操作面28の裏側にセンサ部80を有する。センサ部80は、放射した電波などの放射信号82の反射波(検知信号83)によって被検知体90に関する情報を取得する。センサを用いて半自動化することにより、吐止水を開始する際の使用者の手の動作量を低減させることができる。
【0071】
操作面28は、シンク側方(図20においては、左側面23)と調理台21との間に、左側面23や調理台21と同一面にならないような面で構成されている。なお、図20においては、操作面28は、調理台21からシンク22内部(底面27)に向かって傾斜する傾斜面となっているが、図10、図11、及び図12に表したように、左側面23及び調理台21に対して凹形状になる形状や、曲面の形状を有してもよい。このように、操作面28を左側面23や調理台21と同一面にしないことで、使用者が操作部50に係る操作を行う場所を容易に認識することが可能になる。また、調理台21上での作業やシンク22内部での作業によって操作部50が使用者の意思に反して操作され不用意に吐水が行われることが防止される。
【0072】
センサ部80のセンサの種類等については、図16に関して前述したのと同様のものを用いることができる。センサ部80は、電波などの放射信号82を放射し、被検知体90において放射信号82が反射して生じる検知信号83(反射信号)を検知する。センサ部80と開閉弁43との間はケーブル44により電気的に接続している。また、ケーブル44の経路途中には、制御部81が設けられている。制御部81は、センサ部80からの指示信号84を受理し、指示信号84の内容に応じて開閉弁43に制御信号85を伝送し、開閉弁43の開閉を制御する。
【0073】
使用者から容易に目視にて判別できる操作面28を設けることにより、使用者は操作部50に係る操作を行う場所を容易に認識することができる。すなわち、使用者は操作面28に対して操作を行うこととなる。そこで、センサ部80の検知範囲は、操作面28の少なくとも一部の領域を含む領域とすることができる。また、操作面28の少なくとも一部の近傍領域を含む領域とすることができる。これにより、使用者の操作をセンサ部80にて確実に検知することが可能となる。
【0074】
また、センサ部80で使用者の操作をより確実に検知するために、図25に関して後述する誘導手段86を設けることができる。誘導手段86は、例えば、操作面28上のセンサ部80の近傍に、使用者の操作を誘導する目印の形態にすることができる。より詳細には、例えばセンサ部80の検知範囲を明示する印とすることができる。このように誘導手段86を設けることにより、センサ部80の検知範囲の広さに関わらず、使用者は検知範囲を容易に認識することができ、センサ部80は使用者の操作を容易に検知することができる。
【0075】
次に、図22は、図20に表したシステムキッチンの操作部50近傍を表す模式断面図である。
【0076】
本具体例では、操作部50のセンサ部80は、電波の送受信を行うことで被検知体90を検知する電波センサを有する。図22に表したように、電波センサは、放射信号82としての電波(以下、「電波82」という)をシンク22の底面27に対して略平行の方向に放射する構成にすることができる。ここで、電波82は、誘電率が異なる物体の界面で屈折や反射を行う。このため、底面27に対して略平行に放射された電波82は、空気とは異なる誘電率を有する操作面28へ進入する際に屈折する。また、操作面28のシンク22側表面とセンサ部80側表面との間で反射することがあり得る。従って、センサ部80から放射された電波82は、底面27と略平行な方向だけでなく、シンク22の上方などにも進行する。すなわち、操作面28近傍において、複数の方向に電波82が進行している。
【0077】
そのため、操作面28に使用者の手や調理器具等の被検知体90を接近させたり接触させた場合、センサ部80からの電波82は被検知体90の表面で効率よく反射することができ、検知信号83は効率よくセンサ部80に向かって進行することができる。この結果、センサ部80は操作部50に係る操作を容易に検知することが可能となる。
【0078】
センサ部80の検知範囲は、前述したように操作面28の少なくとも一部の近傍領域を含む領域とすることができるが、具体的には例えば、図22の矢印Aで示したように操作面28の上方領域とすることができる。これにより、操作部50に対する操作と、それ以外の動作、例えばシンク22内部における洗い作業、シンク22内部に調理器具等を置く動作、調理台21上での調理作業など、とが混同して誤認されることが抑制される。このため、使用者の意図しない吐止水を防止することが可能となる。
【0079】
図22の矢印Aで示した範囲、すなわち操作面28の上方領域、を検知範囲とする方法としては、例えば被検知体90からの検知信号83の振幅値(例えば電圧の振幅値)の大きさで、被検知体90までのおよその距離を判断する方法が挙げられる。この距離を基に、被検知体90が操作面28の上方領域に存在するか否かを判断することができ、検知範囲と非検知範囲とを差別化することができる。また、センサ部80から被検知体90までの距離を把握する手段として、電波の位相差を基にセンサ部80と被検知体90との間の距離を測定する電波式測距センサを用いてもよい。
【0080】
次に、図23は、図20に表したシステムキッチンの、他の構成に係る操作部50近傍を表す模式断面図である。
【0081】
図23に表したように、本具体例では、センサ部80は、操作面28の表面に対して略垂直な方向に電波82を放射するように構成されている。すなわち、電波82は、シンク22の上方斜め方向に放射されている。このため、操作面28に対して略平行に手などの被検知体90をかざす、又は操作面28に対して略平行に手などの被検知体90を接近させる等の操作を行うことで、確実に電波82を反射させ、検知信号83をセンサ部80に向けて進行させることが可能となる。これにより、操作部50に対する操作を確実に検知することが可能となる。
【0082】
また、図22に関して前述した具体例と同様に、矢印Aで示した操作面28の上方領域を検知範囲とすることにより、操作部50に係る操作とそれ以外の操作とが混同して誤認されることが抑制される。このため、使用者の意図しない吐止水を防止することが可能となる。
【0083】
次に、本実施形態に係るシステムキッチンの動作について、図20、図21、及び図24を参照しつつ説明する。
図24は、本実施形態に係るシステムキッチンの動作を例示する流れ図である。
【0084】
まず、図24のステップS10に示すように、センサ部80は、被検知体90を検知するための電波等の放射信号82を放射する。その後、ステップS11に示すように、センサ部80は、操作部50に係る操作で用いられる被検知体90の挙動に応じた信号、すなわち、被検知体90で反射した検知信号83を検出する。
【0085】
その後、ステップS12に示すように、センサ部80は、検知信号83を基に、制御部81へ指示を行う必要があるか否かを判断する。例えば、被検知体90が検出範囲に存在すると認識される場合は制御部81へ指示を行う必要があると判断し、逆に被検知体90が検出範囲に存在しないと認識される場合は制御部81へ指示を行う必要がないと判断することができる。制御部81へ指示を行う必要がないと判断した場合は、センサ部80から制御部81へ指示信号84が伝送されず、制御部81は作動しない。この結果、開閉弁43は作動せず、水栓40からの吐止水状態は維持される。
【0086】
一方、センサ部80が制御部81へ指示を行う必要があると判断した場合は、図24のステップS13に示すように、センサ部80は制御部81にケーブル44を介して指示信号84を伝送する。指示信号84の内容としては、開閉弁43を開くまたは閉じる旨の指示の他、開閉弁43の開度や開閉弁43の開放時間に関する情報などが挙げられる。
【0087】
その後、ステップS14に示すように、制御部81は開閉弁43に制御信号85を伝送し、開閉弁43の駆動を制御する。これにより、水栓40からの吐止水が制御される。
【0088】
なお、ステップS12において、センサ部80は、検知範囲内における被検知体90の存否の他、検知信号83により検知した被検知体90の動きを識別することにより、制御部81への指示の要否を判断することもできる。例えば、操作面28に対して被検知体90をかざす動作のように、被検知体90が操作面28近傍で略静止状態になった場合に、制御部81への指示が必要であると判断する構成にすることができる。
【0089】
かかる構成においては、検知信号83の周波数の特性を活用することができる。すなわち、略静止状態にある被検知体90からの検知信号83は非常に低い周波数(例えば0から数Hz程度)を有するため、この周波数の検知信号83が所定時間経過することを検知することにより、略静止状態の継続時間を把握することができる。
【0090】
これにより、被検知体90をかざすなどの略静止状態が所定時間継続する動作と、操作面28を清掃時に拭く動作や、水滴や水膜が操作面28を伝って落下する動き等と、を識別することが可能となる。このため、操作面28に対する使用者の操作のみを確実に検知することが可能となる。
【0091】
また、調理台21上における作業や、拭き掃除等の清掃に関しても、これら動作と操作面28への操作とは識別され得る。すなわち、操作面28と調理台21とが略同一面にならないように構成しているため、調理台21上における作業や清掃の動作に係る検知信号83と、操作面28に対する被検知体90の操作に係る検知信号83とは異なる波形を有することになる。これにより、上記識別を容易に行うことができる。
【0092】
なお、略静止状態を検出するためには、制御部81に図示しない信号抽出手段を設けることもできる。信号抽出手段は、フィルタ等を用いて、周波数特性などにより略静止状態の動きとなる範囲の信号を抽出する機能を有する。信号抽出手段は、マイコン等を用いたデジタルフィルタを用いることができ、あるいは抵抗(R)やコンデンサ(C)によって構成されたハードフィルタを用いることができる。後者のハードフィルタを用いた場合は、計算時間を伴うことなく略静止状態の信号を識別することが可能なため、使用者に対してタイムリーな吐水の供給を行うことが可能となる。すなわち、センサ部における略静止状態を即座に判断し、開閉弁の駆動を迅速に行うことが可能となる。
【0093】
次に、操作面28に対して被検知体90を接近させるような接近動作を検知した際に制御部81が開閉弁43を動作させる構成について説明する。操作面28に対して被検知体90を接近させる場合には、被検知体90が操作面28に徐々に近づく動きとなるため、例えば検知信号83の電圧の振幅値が徐々に増加する。このため、振幅値の増加態様を識別して接近動作か否かを識別することが可能となる。すなわち、例えば操作面28を清掃の際に拭く動作や、操作面28を伝う水滴や水膜の動きのように、被検知体90がセンサ部80の近傍を通過した際に瞬間的に電圧が大きくなるような動きや、シンク22内部に調理器具を置く動作のように、急に大きな電圧値が発生して電圧値を一定時間保持するような動きと、操作面28に対する接近動作と、は電圧の変動態様が異なる。このため、これら動作を識別することが可能となる。これにより、操作部50に係る操作をより確実に検知することが可能となる。
【0094】
また、操作面28に対する接近動作の特徴としては、上述したものの他、被検知体90を操作面28に衝突させないように操作面28近傍で減速するという特徴が挙げられる。そこで、センサ部80は、ある周波数帯f1にて検知信号83を検出した後にf1よりも低い周波数帯であるf2にて検知信号83を検出した場合のように、周波数帯(速度)が減少したことを検知することで、接近動作が生じていると判断することができる。この判断により、操作部50の操作に係る操作面28への接近動作と他の動作とを識別することが可能となり、操作部50に係る操作をより確実に検知することが可能となる。
【0095】
操作部50に係る操作の検知方法としては、上記の他、センサ部80にて被検知体90を一定時間検出した場合における検出継続時間を用いて判断する方法や、接近後に略静止するような時系列的な行動パターンを識別する方法が挙げられる。これらにより、操作部50に係る操作をより確実に検知することが可能となる。
【0096】
次に、操作面28に設けた誘導手段86について、図25を参照しつつ説明する。
図25は、誘導手段86を例示する、操作面28の模式平面図である。
【0097】
本実施形態では、センサ部80のセンサ(電波センサなど)は、操作面28の裏側に設けられており、操作面28を透過してセンシングを行うことが可能となっている。このような隠蔽可能なセンサ部80を用いた場合は、別途の防水加工は不要であり、且つ外部からの衝撃等により破壊される可能性は低い。しかしながら、センサ部80の構成によっては、使用者が操作面28のどの場所にセンサ部80が埋設されているかを把握することが困難となる場合がある。この結果、使用者が操作面28のどの部分に対して操作を行えばよいかが不明確になることがある。
【0098】
そこで、図25に表したように、センサ部80の場所、すなわち操作面28上での操作する場所を使用者に認識させるための誘導手段86を設けることができる。誘導手段86は、使用者が目視可能な形態で設けることができ、使用者の操作を促すことができる。
【0099】
誘導手段86は、操作面28のうちセンサ部80の検知範囲となる領域に設けることができる。例えば、図25(a)に表したように、センサ部80の検知範囲Sに包含されるように設けることができる。これにより、使用者は誘導手段86に従ってセンサ部80に対して操作を行うことが可能となり、センサ部80は操作部50に係る操作を確実に検知することが可能となる。
【0100】
誘導手段86を含有するようにセンサ部80の検知範囲Sを設定する方法としては、例えば電波センサを用いた場合、電波センサの指向方向や広がりを、電波を送信する送信部(例えば、送信アンテナ)によって制御する方法が挙げられる。
【0101】
また、図25(b)に表したように、誘導手段86が設置された操作面28の裏側にセンサ部80を設置し、誘導手段86の大きさをセンサ部80の大きさよりも小さくする構成にしてもよい。これにより、誘導された被検知体90はセンサ部80の検知範囲内で操作されるため、センサ部80において操作部50に係る操作を確実に検知することが可能となる。
【0102】
更に、図示しないが、誘導したい被検知体90の大きさに合わせて誘導手段86の大きさを決定してもよい。例えば、被検知体90が掌の場合には、掌の大きさに近い誘導手段86を設けることで、掌をかざすことが容易となり、センサ部80で確実に被検知体90を検知することができる。
【0103】
誘導手段86としては、例えば操作面28に対して着脱可能なシール(ステッカー)等の貼着体を用いることができる。かかる構造にすることで、使用者がセンサ部80の場所を認識するまでは誘導手段86を使用し、慣れて誘導手段86(及びセンサ部80)の場所を容易に判断できるようになれば誘導手段86を除去することができる。このため、誘導手段86近傍に発生する汚れの付着を抑制することができ、システムキッチンの外観を良好に維持することが可能となる。
【0104】
また、例えば、操作面28に対して印刷を行うことにより誘導手段86を設置することもできる。これにより、システムキッチンを使用する年月が経過した場合においても誘導手段86を保持することが可能となるため、使用者の操作を確実に誘導することが可能となる。
【0105】
また、誘導手段86が照明の点灯/消灯により表示されまたはされない構成にしてもよい。これにより、誘導したい場合には点灯し、誘導したくない場合、例えば開閉弁43が動作中で操作ができない場合、においては消灯するようにしてもよい。これにより、使用者は目視により誘導(操作部50に係る操作)の可否やシステムキッチンの状況を把握することが可能となる。このため、より使い勝手の良いシステムキッチンを実現することが可能となる。
【0106】
次に、第5の実施形態の他の構成について、図26〜図28を参照しつつ説明する。
図26は、第5の実施形態の他の構成に係るシステムキッチンを例示する模式断面図である。
図27は、図26に表した例に係るシステムキッチンの制御を例示するブロック図である。
図28は、図26に表した例に係るシステムキッチンの動作を例示する流れ図である。
【0107】
前述したように、使用者は、操作部50において操作を行うことにより、水栓40からの吐止水を制御することができる。ここで、開閉弁43が開動作を行い水栓40から吐水されている状況下において、使用者が吐水を必要としない場合に自動的に止水される構成にすることができる。これにより、調理時間の短縮が図られる。また、急な別要件が入るなどして使用者が止水のための操作を失念することがあり得るところ、かかる場合にも自動的に止水される構成にすれば、水資源の節約に資するとともに、シンク22から水が溢れ出るなどの被害を防ぐことができる。
【0108】
そこで、本具体例においては、水栓40からの吐水態様を用いて、換言すれば被検知体90として吐水40aを用いて、吐止水を制御することを図らんとしている。すなわち、吐水40aの態様から使用者が吐水を必要としているのか否かを判断することが可能であるということに着目し、センサ部80が水栓40からの吐水を検知し、センサ部80及び制御部81はこの検知結果を基に水栓40からの吐止水を制御する構成としている。具体的には、例えば、吐水に乱れがある場合は使用者は吐水を用いて作業を行っていると考えられ、吐水を継続する必要があると判断することができる。一方、吐水に乱れがない場合は使用者は吐水を用いていないと考えられ、吐水を中止する、すなわち止水する必要があると判断することができる。
【0109】
図26に表したように、本具体例においては、センサ部80が吐水40aの状況を把握しやすくするため、センサ部80は、吐水40aの進行方向と交叉する方向、とりわけ吐水40aの進行方向に対して略垂直な方向、に放射信号82を放射することができる。特に、センサ部80に電波センサのような動きを検知するセンサを用いた場合には、吐水40aの進行方向に対して略垂直な方向に放射信号82を放射することは有効である。電波センサを用いた場合、吐水40aの進行方向に対して例えば略平行な方向に放射信号82を放射すると、水のみが存在する吐水状況下においても吐水40aの僅かな挙動をも検知してしまい、検知信号83の振幅値(例えば電圧)が大きく発生してしまうからである。
【0110】
吐水40aの進行方向に対して略垂直な方向に放射信号82を放射することで、吐水40aの水は放射信号82の進行方向に対して直交して動くことになる。そして、この直交して動く吐水40aの速度成分は検出されにくくなる。すなわち、水のみの吐水状況下においては、検知信号83の振幅値が大きく生じる可能性が低減する。これに対して、吐水が乱れた状態では、放射信号82の進行方向に対して垂直でない方向に動く水が存在する。このため、検知信号83の振幅値が大きく生じることがある。これら振幅値の発生態様を用いることにより、整流状態の吐水40aと乱れた状態の吐水40aとの差異を明確に区別することが可能となる。従って、吐水の乱れを確実に検知することが可能となり、半自動水栓における自動止水を確実に行うことが可能となる。
【0111】
次に、本具体例に係る動作について説明する。
まず、図28のステップS20に示すように、センサ部80は、放射信号82を放射する。操作部50における操作により開閉弁43が開動作している状況下においては、吐水40aが発生している。そして、ステップS21に示すように、センサ部80は、吐水40aで反射した検知信号83を検知する。
【0112】
次に、ステップS22に示すように、センサ部80は、吐水40aに乱れが生じているか否かを判断する。乱れの有無は、例えば上述したように検知信号83の振幅値を用いて判断することができる。乱れがあると判断した場合は、センサ部80は制御部81に対して指示信号84を伝送しない。このため、水栓40からの吐水が継続される。あるいは、図示しないが、吐水を継続する旨の指示信号84を制御部81に伝送する構成にしてもよい。一方、乱れがないと判断した場合は、ステップS23に示すように、センサ部80は制御部81に対して止水する旨の指示信号84を伝送する。
【0113】
そして、ステップS24に示すように、止水する旨の指示信号84を受理した制御部81は、開閉弁43に制御信号85を伝送し、開閉弁43の駆動を制御する。すなわち、開閉弁43を閉状態にして、水栓40からの吐水を中止させる。
【0114】
このように、センサ部80が、操作部50に対する使用者の動作(操作部50に対する操作に係る検知信号83)と、吐水40aの挙動(吐水40aに係る検知信号83)と、を検知する構成にすることにより、適切に吐止水を行うことが可能となる。
【0115】
このような自動止水をシステムキッチンに導入することにより、使用者は止水のための動作を行う必要がなくなり、洗浄水等の吐水40aを使用した後に次の作業にすぐに移行することができる。このため、調理時間の短縮が可能となるため、より楽にシステムキッチンにおける作業を行うことが可能となる。
【0116】
また、第5の実施形態によれば、上述した各種効果の他、次の効果が得られる。すなわち、使用者は操作面28の汚れを触ることはなく、且つ汚れた手で操作面28に触れることは無いため、操作部50や使用者の手に対して汚れを付着させることは無い。そのため、操作面28の掃除や、使用者が別途手を洗う等の操作を低減することも可能となる。また、水栓からの吐水の挙動を検知して自動止水を行うことにより、洗浄後の濡れた手によって操作面28を操作することが無くなるため、操作面28の汚れや残水が乾燥したことにより発生する水滴跡等を付着させることは少ない。そのため、別途操作面28を掃除する動作について低減することも可能となる。
これらから、システムキッチンの利便性の更なる向上が図られる。
【0117】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、システムキッチン10および操作部50などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや水栓40の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
【図2】本実施形態にかかるシステムキッチンを上方から眺めた上面模式図である。
【図3】図2に表したA−A断面を前方から眺めた断面模式図である。
【図4】本実施形態の変形例にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
【図5】本変形例のシステムキッチンの断面を表す断面模式図である。
【図6】本実施形態の他の変形例にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
【図8】本実施形態にかかるシステムキッチンの断面を表す断面模式図である。
【図9】本実施形態の変形例にかかるシステムキッチンを表す断面模式図である。
【図10】操作面の変形例を例示する断面模式図である。
【図11】操作面の他の変形例を例示する断面模式図である。
【図12】操作面のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。
【図13】操作部の変形例を例示する模式図である。
【図14】本変形例の操作部の断面を表す断面模式図である。
【図15】操作部の他の変形例を例示する模式図である。
【図16】操作部のさらに他の変形例を例示する模式図である。
【図17】操作部のさらに他の変形例を例示する模式図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す模式図である。
【図20】本発明の第5の実施形態に係るシステムキッチンを例示する模式斜視図である。
【図21】本発明の第5の実施形態に係るシステムキッチンの制御を例示するブロック図である。
【図22】図20に表したシステムキッチンの操作部50近傍を表す模式断面図である。
【図23】図20に表したシステムキッチンの、他の構成に係る操作部50近傍を表す模式断面図である。
【図24】本実施形態に係るシステムキッチンの動作を例示する流れ図である。
【図25】誘導手段86を例示する、操作面28の模式平面図である。
【図26】第5の実施形態の他の構成に係るシステムキッチンを例示する模式断面図である。
【図27】図26に表した例に係るシステムキッチンの制御を例示するブロック図である。
【図28】図26に表した例に係るシステムキッチンの動作を例示する流れ図である。
【符号の説明】
【0119】
10 システムキッチン、 15 使用者、 20 キッチンキャビネット、 21 調理台、 22 シンク、 23 左側面、 24 後面、 25 右側面、 26 前面、 27 底面、 28 操作面、 28a 操作底面、 28b 操作側面、 29 キッチンキャビネット上面、 40 水栓、40a 吐水、 41 吐水口、 41a 整流用吐水口、 41b シャワー用吐水口、 42 配水管、 43 開閉弁、 44 ケーブル、 45 流調弁、 46 温調弁、 47 ケーブル、 48 配水管、 50 操作部、 51 レバー部、 52 軸、 55 操作部、 70 二点鎖線、 71 作業領域、 72 洗浄領域、 73 後方端、 74 交点、 75 後方端、76 前方端、 77、78 直線、80 センサ部、81 制御部、82 放射信号、電波、83 検知信号、反射信号、84 指示信号、85 制御信号、86 誘導手段、90 被検知体、100、102、104、106、108、110、112 矢印 S 検知範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクと、
前記シンクの側方に延在する調理台と、
水を吐水する水栓と、
前記水栓の吐止水を制御する操作部と、
を備え、
前記操作部は、前記水栓から吐水される水の軌跡と、前記調理台の上面を延長した面と、が交差する洗浄領域と、前記調理台の前に立つ使用者の作業領域と、を結ぶ移動領域の内部に設置されたことを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記作業領域は、前記調理台の前に立つ前記使用者の前記シンクに近い側の手の動作範囲であることを特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記移動領域は、
前記洗浄領域の外縁の後方端と、前記作業領域の外縁の後方端と、を結んだ直線と、
前記洗浄領域の外縁の前方端と、前記作業領域の外縁と前記シンクの前端との交点と、を結んだ直線と、
の間の領域であることを特徴とする請求項2記載のシステムキッチン。
【請求項4】
前記操作部は、前記シンクの前記調理台側の側面に設置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項5】
前記シンクと、前記調理台と、の間に設けられた操作面をさらに備え、
前記操作部は、前記操作面に設置されたことを特徴する請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項6】
前記操作部は、前記水の吐水流量および吐水温度を操作するための第2の操作部をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項7】
前記水栓は、前記シンクの左側面と、右側面と、の中央部よりも前記調理台の側に設置されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項8】
前記操作部は、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項9】
前記シンクのうちで、少なくとも前記センサ部の前面を覆う部分は、樹脂なることを特徴とする請求項8記載のシステムキッチン。
【請求項10】
前記操作部の少なくとも一部は、前記調理台の前に立つ使用者から目視可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項11】
シンクと、
前記シンクの側方に延在する調理台と、
水を吐水する水栓と、
前記水栓の吐止水を制御する操作部と、
前記シンクと、前記調理台と、の間に設けられた操作面と、
を備え、
前記操作部は、
前記操作面に設置され、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部を有し、
前記センサ部の検知範囲は、前記操作面の少なくとも一部の領域を含むことを特徴とするシステムキッチン。
【請求項12】
前記操作面は、前記調理台から前記シンクの内部に向けて傾斜する傾斜面であることを特徴とする請求項11記載のシステムキッチン。
【請求項13】
前記操作面のうち前記センサ部の検知範囲となる領域に設けられ、使用者が目視可能な、且つ使用者の操作を促す誘導手段をさらに備えたこと特徴とする請求項11または12に記載のシステムキッチン。
【請求項14】
前記センサ部は、前記水栓から吐水される水の進行方向と交叉する方向に前記電波を放射することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1つに記載のシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−153972(P2009−153972A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311546(P2008−311546)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】