説明

システム及びその環境装置間でタスクを実行するためのタスク関連オブジェクトのクラスタ化

【課題】
オブジェクトを表示するユーザインタフェースをサポートするタスク管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】
表示されたオブジェクトは、システムとシステムの環境の装置との間でタスクを行うために設けられるリソースに対するユーザアクセスを可能とする。更に特定的には、上述の特徴をサポートするタスク管理システム及び方法が提供され、このシステム及び方法は、関連づけられたタスクの実行を向上するようかかるタスクに関連づけられたオブジェクトに関する、コンテキストに応答するクラスタ化動作をサポートする。クラスタ化動作は適応的且つ動的であることが望ましい。タスク管理システム及び方法は、例えば環境状態、装置状態、及びシステム状態のうちの1つ以上を含む選択された状態を追跡することをサポートすることが望ましい。追跡される情報は、一般的には時間的規準といった他の関連する規準を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムとシステムの環境の装置間のタスクを実行するためのリソースに対するユーザアクセスを可能とするオブジェクトを表示するためのユーザインタフェースをサポートするタスク管理システム及び方法に関連する。更に特定的には、本発明は、上述の特徴を有し、関連づけられたタスクの実行を向上するようかかるオブジェクトに関し、コンテキストに応じて動的及び適応クラスタ化動作をシステムがサポートするような、タスク管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニバーサルリモート(ユニバーサル遠隔制御装置)が知られている。これらのリモートは、典型的には環境及びその装置を制御する。これを行なうため、リモートは、例えば標準化された通信プロトコルに基づくコマンドを送信し、このコマンドは被制御装置の制御機能及び動作に対応する。概して、ユーザがリモートを片手で把持及び保持することを可能とするよう、リモートはコンパクトな寸法を有する。
【0003】
従来のユニバーサルリモートは、主に恒久的なキーに依存してきた。一般的に、キーは専用とされ、各キーが1つの外部装置の特定の機能又は動作に対応する。このため、一般的にキーは対応性を示す恒久的な記号を有する。更に、キーの数はリモートのコンパクトな物理的な寸法によって制約される。
【0004】
幾つかのユニバーサルリモートは、液晶ディスプレイといった画面を使用する。一般的に、これらの画面はリモートがプログラムされることを可能とする。1つのカテゴリでは、画面はプログラム可能な恒久的な(即ちハード)キーに付随するためのプログラム可能な記号を提供する。他のカテゴリでは、画面はプログラム可能な記号及びプログラム可能な仮想(即ちソフト)キーの両方を提供し、仮想キーは画面上に表示されるアイコンとして実施され、アイコンは画面のタッチ感応性によって作動可能である。両方のカテゴリにおいて、キーの数は一般的には、特に画面の制限された寸法による、リモートのコンパクトな寸法によって制約されたままである。更に、一旦キーがプログラムされると、キー及び夫々の記号は一般的には、それらの配置及び外部装置の機能/動作に対する対応性に関して実質的に恒久的である。この恒久性は、少なくとも、プログラムされるキーが従来のメニュー中で編成される場合の表現方法に関して適用される。
【0005】
ユニバーサルリモートの効力は、一般的にはリモートが同時にサポートしうる装置(関連づけられる機能/動作)の数によって特徴付けられる。即ち、第1のレベルでは、リモートの効力は、使用可能なキーの数が増加するにつれて増加する傾向がある。しかしながら、キーの数、従ってリモートの効力は、リモートの寸法の制約によって制限される傾向がある。
【0006】
更に、キーの数が或る人間工学的な閾値まで、そして閾値を越えて増加すると、リモートの効力は安定水準に達するか又は減少する傾向がある。即ち、第2のレベルでは、キーの数がユーザに許容可能でない負担及び/又は複雑さを認知させると、リモートの効力は増加を止める。実際の又は知覚される負担及び複雑性があると、特にユーザがリモートを使用する性向及び可能性が減少すると、リモートの効力は減少する傾向がある。かかる効力の問題は、従来のメニューの中に編成される仮想キーを含むプログラム可能なキーを使用することでは、負担及び複雑性の知覚又は実際の負担及び複雑性を打ち消すのに十分でないことがあるため、完全には克服されないことがある。
【0007】
従来のユニバーサルリモートはまた、サポートする製品のタイプ及び製品カテゴリが不足している。一般的には、サポートされる装置は、テレビジョン受像機(TV)、VCR、受信器、オーディオCDプレーヤ、及び他のオーディオ・ビデオ機器に限られる。しかしながら、更に、より広いカテゴリから更に多くの製品を含むようになるであろう。装置は、家庭用空調/暖房システム及びそのための制御器、照明システム、パーソナルコンピュータ及び周辺機器、家庭用及び自動車用安全システム、台所用器具、他の家庭用、オフィス用、自動車用、及び娯楽用の製品及びシステム等を含みうるか、又は既に含むが、これらに限られるものではない。
【0008】
他の例として、サポートされる装置は、一般的には含まれていなかったリソースを含むようになってきたか、既に含むようになっている。これらのリソースは、(i)ウェブブラウザ及び(例えば、電子番組案内、データ、電子メール、他のメディア/情報を配布し、伝送し、処理し、その他の方法でサポートすることが可能な)他の通信クライアント及び/又はアプリケーション、(ii)通信コネクション(例えば、交換式、セルラー式、及びIPテレフォニー;インターネット;イントラネット;ワールドワイドウェブといったハイパーテキストサービス;LAN、WAN及び他のネットワーク)、及び(iii)ソフトウエアアプリケーション(例えばノートパッド、予定表、及び入力装置)を含むが、これらに限られるものではない。
【0009】
これらのリソースのうちの幾つか、特に通信又は計算関連のリソースは至るところに現れるようになったようである。これは、任意のリモートの物理的な位置を含む問題を発生させうる。例えば、フィリップスエレクトロニクス社製のVELO及びNINO及びスリーコム社製のPALM PILOTといったパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)のようなコンパクトな形状の計算関連リソースが入手可能であるか、入手可能となってきている。他の例として、プロセッサ、プログラム、及び他のハードウエア及びソフトウエアの形状の埋込み電子機器は、技術者がユーザの環境の略全体に亘って通信及び計算能力を付加することを可能とする。いずれの場合も、従来のリモートはこれらのリソースの/これらのリソースへの十分なアクセスを与えるのに不適切である傾向がある。夫々の場合に、従来のリモートは環境装置をサポートするのに失敗するだけでなく、サポートが与えられるとしてもいかにしてリモート(例えば場所)を実施するかという問題がある。
【0010】
従来のユニバーサルリモートは更なる欠点を有する。例えば、リモートは一般的に、例えばサポートされる装置からの、及びサポートされる装置についての信号を受信しない。他の例として、キーに関連づけられる記号のほかに、これらのリモートは適用可能な環境又はその中でサポートされうる装置に関する、可視の、可聴の、又は他の、ユーザに対する情報を運ぶ装置を省く傾向がある。これらのリモートは、特に、一般的にユーザへ関連する(例えば位置的に関連する又は依存する)情報を表示するか又は運ぶために適切に与えることに失敗する。従来のリモートが不足を有しうる一方で、他の解法は利点を制限つきで組み合わせる傾向がある。例えば、従来のリモートのかわりに、PDAは(a)1つ以上の標準赤外線通信能力をサポートし、(b)一般的には従来のメニューの階層で、適用可能な市販のオペレーティングシステム(「OS」)によって与えられる他の特徴と同様に、ユーザインタフェース即ち多様なタッチ感応アイコンを介して表示するよう設定されうる。しかしながら、任意のかかるOSを用いて、より少ない数のサポートされる装置及び/又は機能/動作でも作業するために、ユーザは、任意の特定の環境装置の任意の特定の機能/動作にアクセスするために、多数のメニューを開くか又は複数の他のOS特徴を通る必要がある。これは、メニュー及び特徴は機能/動作をアクティブとするために開かれるため、PDAの画面は限られた寸法により更に乱雑となり、このような乱雑さはユーザが他の装置又は機能/動作をナビゲーションすること又はアクティブとすることを非常に困難とする。更に、ナビゲーションの難しさは、幾つかの機能/動作を同時に又は順次にアクティブとさせようとするユーザを当惑させる傾向がある。
【0011】
従って、特に夫々が関連づけられた複数の機能/動作を有する傾向がある複数のサポートされる装置の場合に、増補された新しい機能性を可能とするよう、上述のような従来技術の問題を含む、環境中でサポートされる装置をタスク管理するための装置、システム、及び方法に内在的な問題を克服する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[概要]
本発明は、従来のリモートに関連づけられた問題を含む従来技術に内在する問題を、オブジェクトを表示するためのユーザインタフェースをサポートし、表示されたオブジェクトがユーザがシステムとシステムの環境の装置との間でタスクを実行するためのリソースにアクセスすることを可能とするタスク管理システム及び方法を提供することによって克服する。更に特定的には、本発明は、上述の特徴を有し、関連づけられるタスクの実行を向上させるよう、かかるオブジェクトに関してコンテキストに応答するクラスタ化動作をサポートするタスク管理システム及び方法を提供する。一般的に、タスク管理システム及び方法は、適応的かつ動的にクラスタ化動作をサポートする。かかる特徴を与えるため、タスク管理システム及び方法は、例えば1つ以上の環境状態、装置状態、及びシステム状態等を含む選択された状態の追跡をサポートすることが望ましい。追跡は典型的には、時間的な規準といった他の関連する規準に関する状態にも関係する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの実施例では、タスク管理システムは、1つ以上の実施機構で/間で動作するタスク管理ソフトウエアシステムを含む。実施機構は、携帯型、半携帯型、又は固定位置型でありえ、例えば遠隔制御装置、ハンドヘルド型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション又はサーバコンピュータ、他の計算装置、又は他の通信装置を含む様々な形で実施されうる。リソースは、一般的には、オペレーティングシステム、副次的ソフトウエア、通信装置、処理装置、メモリシステム、入力装置(例えばポインティングデバイス、ハードボタン、マイクロホン、キーパッド等、又はそれらの組合せ)、及び表示画面を、選択された組合せで含む。一般的に、画面及び入力装置は例えばタッチ感応LCDとして一体化される。
【0014】
1つの面では、システムは、増補された遠隔制御装置又はパーソナルデジタルアシスタントといったハンドヘルド形式で実施される。本発明は特に、かかる形式に適しており、共通の画面が情報によって容易に乱雑となる傾向があり、本発明は幾分はこの状況を解決することを目的とするためである。
【0015】
他の面では、タスク管理ソフトウエアシステムは、タスク関連ユーザ選択可能オブジェクトを通じてシステムと1つ以上の環境装置との間のタスクを実行することを可能とする。そのためには、ソフトウエアシステムは一般的に、(a)クラスタ形成サブシステム、(b)クラスタ表現サブシステム、(c)遷移サブシステム、(d)状態追跡サブシステム、(e)オブジェクト発見サブシステム、(f)ヘルプサブシステム、及び(g)他のサブシステムを含む。クラスタ形成サブシステムは、コンテキストに応じて、また望ましくは適応的且つ動的にクラスタ(各クラスタは選択されたオブジェクトを含む)を形成及び再形成する。クラスタ表現サブシステムは、アクティブな形成された(又は再形成された)クラスタのオブジェクトのフォーマット化及び表現を、やはり望ましくはコンテキストに応じて、また適応的且つ動的にサポートする。遷移サブシステムは、クラスタ間及びアクティブなクラスタのフォーマット/表現間の遷移をサポートする。状態追跡サブシステムは、1つ以上の環境的な装置、システム及び他の状態に関するデータを収集することによりコンテキスト決定をサポートする。オブジェクト発見サブシステムは、利用可能及び/又は利用可能でない環境装置の発見をサポートする。ヘルプサブシステムは、タスク管理システムに対するユーザ対話をサポートし、例えば、1つ以上のユーザの設定の好みを含み、この設定を既存のクラスタ及び規定されたクラスタ化アプローチに対して分析し、この分析に基づいて競合及び他の問題を識別し、そうでなければタスク管理システムの正しい及び/又は有効な利用によりフィードバック/フィードフォワードを与えることを含む。
【0016】
各サブシステムは、一般的に実施機構及びそのリソースと共に動作する。1つの例として、クラスタ表現サブシステムは一般的にオペレーティングシステム、特にそのユーザインタフェース及びオブジェクトのクラスタを表現するときの実施機構の画面と協働する。他の例として、タスク管理ソフトウエアシステムがユーザ認識サブシステムを含む場合、このサブシステムは一般的に、例えば1つ以上の(a)登録データ(例えば名前、誕生日、パスワード等)、生物測定データ(例えば音声又は指紋、把持圧力、手の温度等)、及び/又は使用シグナチャ(各ユーザを区別する使用習慣)と、(b)入力装置(例えばマイクロホン、指紋スキャナ、圧力トランスデューサ、及び温度計)とを含むリソースと協働する。他の例として、タスク管理ソフトウエアシステムが機構位置決めシステムを含む場合、この位置決めシステムは一般的には、(例えば環境装置からの遠隔計測器データ又は大域位置決め信号を受信するための)通信装置及び/又は(例えば環境又は一般的には三角測量により環境中での位置を決定するための)信号強度信号を含むリソースと協働する。
【0017】
本発明はまたタスク管理方法を提供する。方法は望ましくは、実施機構の上で、実施機構と共に動作するタスク管理ソフトウエアシステムを用いて実施される。方法は、ユーザが関連づけられたオブジェクトを選択することにより、タスク管理システムと環境装置との間でタスクを実行することをサポートする。
【0018】
本発明を特徴付ける様々な新規な事項は、本願の一部をなす請求項によって示される。本発明、本発明の利点、及び本発明を使用することによって達成される特定の目的をよりよく理解するため、望ましい実施例が図示され同様の参照番号が同様の要素を示す添付の図面及び望ましい実施例を説明する記載を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】例としてのリソースによって実施機構を示す図である。
【図2】実施機構と環境装置との間の入力及び出力のフローの例を示す図である。
【図3】例としてのオブジェクト及びオブジェクトタイプを示す図である。
【図4】例としてのオブジェクト及びオブジェクトタイプを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
[概観]
本発明は、システムとシステムの環境の装置(「環境装置」)間のタスクを実行するためのリソースに対するユーザアクセスを可能とするオブジェクトを表示するためのユーザインタフェースをサポートするタスク管理システムに関連する。更に特定的には、本発明は、上述の特徴を有し、関連づけられたタスクの実行を向上するようかかるオブジェクトに関し、コンテキストに応答するクラスタ化動作をサポートするタスク管理システムに関する。概して、タスク管理システムは、適応的且つ動的にクラスタ化動作をサポートする。かかる特徴を与えるため、タスク管理システムは、例えば環境状態、装置状態、システム状態、及び時間的状態のうちの1つ以上を含む選択された状態を追跡することをサポートすることが望ましい。
【0021】
本願では、「環境」という用語は、生活(例えば家の部屋)、仕事(例えばオフィス、会議室又は小部屋)、買い物(例えばショッピングモール)、娯楽(例えば体育館、球技場、スタジアム)、交通(例えば自動車内及び路上、自転車路、及び歩道)、公共(例えば公園又は広場)、市民(例えば官庁又はコンベンションセンター)、又は他の室内又は屋外の領域、場所、又は位置の任意の組み合わせを含むものとする。上述の環境は一般的には物理的であるが、環境の全体又は一部は論理的であってもよい(例えばコンピュータのデスクトップ、ソフトウエアアプリケーション、インターネット、及びワールドワイドウェブ上の場所)と理解されるべきである。
【0022】
本願では、「オブジェクト」という用語は、アイコン、ボタン、ダイアログボックス、ボックスエントリ、コンポーネント、メニュー、サブメニュー、メニュー項目、コントロール、コンフィギュレーション、及び好みの値、イメージ、サウンド、並びに同様の情報を単独で又は様々な組合せとして示すものとする。各オブジェクトは一般的には、1つ以上の環境装置の1つ以上のタスクに直接的又は間接的に関連づけられる。オブジェクトは一般的にはここに記載されるようにクラスタ化を受ける。オブジェクトはまた1つ以上のオブジェクトタイプによって、またオブジェクトタイプ間でのフォーマットを受ける。(或るオブジェクトは、典型的には、タスク管理ではなくユーザインタフェースに関するためメタオブジェクトとみなされることに注意すべきである)。
【0023】
更に、「クラスタ化動作」、「クラスタ化する」、及び「クラスタ化」(及びその任意の他の変形)は、概して、或るオブジェクト及び/又はオブジェクトの組をグループ化すること、相対的に配置すること、順次に配置すること、順序づけること、レイヤに配置すること、編成すること、及び他の形状の集合を意味し、クラスタのフォーマット化及び表現だけでなく、(例えば時点又は時間によって特徴付けられる)任意の状況的なインスタンス中の表示、又は更新を意味し、かかる表示は、かかる集合がコンテキストに応ずるグラフィックユーザインタフェース(GUI)といったユーザインタフェース(UI)を介したものである。更なる説明のため、オブジェクトは本発明によればコンテキストの重大さに基づきクラスタ化(又は非クラスタ化/再クラスタ化)されるか又はされる傾向があり、かかる重大さは、一般的には時間的な(例えば履歴、現時点、趨勢、及び遷移)面を有し、例えば、(i)オブジェクトが関連づけられるタスク、(ii)環境又は環境のシーケンス、(iii)利用可能な環境装置又は予測可能な環境変化によって利用可能となりうる装置、(iv)装置の状態、(v)ユーザ及びユーザの特定された好み、及び、(vi)環境及び例えば包含される装置及び関連づけられるタスクの選択に関して予測可能な環境におけるユーザの過去の挙動、に従って幾つかのオブジェクト間での相対的な重要性及び魅力によって特徴付けられる。(上述のクラスタに関する用語及びその変形は、上述の個々の動作又は動作の組合せを示してもよく、コンテキストは同じことを直接的又は間接的、はっきりと又は暗示的に示すと理解されるべきである。)
1つの一般的な面では、本発明によるタスク管理システムは、一定の間隔で及び/又は選択されたイベントに応答的に例えば連続的又は略連続的に動的にクラスタ化動作をサポートする。他の一般的な面では本発明によるタスク管理システムは、例えば1つ以上の利用可能な環境装置、ユーザの設定の好み及び好みの組、過去のユーザ選択及び選択の組に基づいて、夫々の場合に現在の及び履歴上の関係及び趨勢によって、適応的にクラスタ化動作をサポートする。他の面では、タスク管理システムは、動的且つ適応的にクラスタ化動作をサポートする。いずれの場合も、タスク管理システムは、ユーザが迅速に、容易に、満足に、効率的に、また最適に所望且つ適当なオブジェクトを選択し、それによりタスク管理システムと環境装置との間でタスクを実行することを可能とするよう、選択されたコンテキストに応答的にクラスタ化動作を実行するよう設定されることが望ましい。即ち、本発明によるタスク管理システムは、クラスタ化動作を通じて、例えば所望のタスクに関連する1つ以上のオブジェクトを見つけ、理解し、選択するためにタスクに対して、最少の、減少された、又は最適に減少されたユーザ対話を与えることが望ましい。
【0024】
環境は様々に説明される。例えば、環境は論理的及び物理的な構成によって説明される。物理的には、アクティブな環境は一般的にはタスク管理システムが環境装置と通信することが可能とされる領域を含む。例えば、タスク管理システムの(例えば一般的にマイクロ波、赤外線又はRF無線搬送波を介した)通信範囲は、伝送電力、回線又は場所の制限、及び妨害特徴といった様々な要因によって制限される。同時に、タスク管理システムの(例えば有線での)通信範囲はインターネットの場合のように拡張的であるように決められうる。適用可能な環境はその潜在的な能力よりも狭い範囲に意図的に制限される。
【0025】
論理的には、アクティブ環境は様々なパラメータによって特徴付けられうる。例えば、環境装置は時間的なパラメータを有しうる。これらのパラメータは、利用可能性について、可能とされる特徴/動作、及びタスクを行なうことが認可されるユーザを含むこれらに限られるものではない様々な範囲を有しうる。例示するに、テレビジョンは物理的に寝室にあってもよいが、選択された日の選択された時間に亘って特定のユーザに利用可能ではく、また、又は利用可能であるときでさえ、ユーザは1つ以上のチャネルを選択すること及び/又は音量を調整することを防止されうる。他の例として、環境装置は関係型パラメータを有しうる。これらのパラメータは、可能とされた利用可能性及び特徴/動作のいずれか又は両方を含むこれらに限られるものではない様々な範囲を有しうる。上述のテレビジョンの例を続けると、テレビジョンを使用することによりVCR又は電話の利用が妨げられるか、又はビデオテーププレーヤ(VTP)の使用が他の方法で妨げられたテレビジョンの利用を可能とするが、テレビジョンがVTRモードであることのみを必要とする。
【0026】
様々な環境のうちの特定の環境は、ユーザの最も最近の選択が関係する環境であれば「アクティブ」とされる。更に、アクティブな環境から、一般的にユーザは他の環境をアクティブとさせることができる。次に、タスク管理システムは望ましくは物理的な運動によって又は遠隔投影のいずれか又は両方によって環境を通過することが可能とされる。物理的な通過に関して、タスク管理システムは環境の変化を予想又は認識することが可能とされることが望ましく、予想は、例えばユーザ選択に基づき、認識は、例えば装置発見、通信信号強度、大域位置決めシステム、ユーザの通知等とに基づく。遠隔投影通過については、タスク管理システムは環境における変化を予想又は認識することが可能とされることが望ましく、予想は例えばユーザ選択に基づき、認識は例えばユーザ通知に基づく。上述のことにかかわらず、タスク管理システムはユーザが対象を非アクティブ環境として選択することを可能とし、それにより関連づけられるタスクがすぐに、略すぐに、(例えば他の環境において)後のイベントに基づいて、又は後の時点において他の方法で行われるようにされうる。
【0027】
本発明による環境装置は物理面及び論理面の両方に関連する広い幅を有する。典型的な装置は、(a)テレビジョン、VCR、受像機、オーディオCDプレーヤ及び他のオーディオ・ビデオ機器、(b)サーモスタット、制御パネル等による通気口、空調、及び暖房システム、(c)照明システム、(d)計算装置、コンポーネント、及び周辺機器、(e)セキュリティ、安全、及び位置決めシステム、(f)家庭用品及び器具、(g)健康用器具及び機器、(h)電話機、ディクテーション、コピー、ファクシミリ、及び他の事務機器、(i)機械用具、組立、処理、移動、及び他の製造機器、(ii)他の家庭用、仕事用、自動車用、及び娯楽用の製品及びシステムを含むがこれらに限られるものではない。更に、他の含まれる装置も、(i)ウェブブラウザ及び(例えば、電子番組案内、データ、電子メール、他のメディア/情報を配布し、伝送し、処理し、その他の方法でサポートすることが可能な)他の通信クライアント及び/又はアプリケーション、(ii)通信コネクション(例えば、交換式、セルラー式、及びIPテレフォニー;インターネット;イントラネット;ワールドワイドウェブといった;LAN、WAN及び他のネットワーク)、(iii)ソフトウエアアプリケーション(例えばノートパッド、予定表、及びカレンダー)、(iv)オペレーティングシステム及びその構成要素を含むがこれらに限られるものではない。
【0028】
様々なかかる装置のうちの特定の環境装置は、ユーザの最近の選択又はアクションに関連するときに「アクティブ」であると称されうる。更に、タスク管理システムは、(a)タスク管理システムの実施に関する物理的な運動と、(b)1つ以上の環境装置の動作、(c)他の入力、又は(d)これらの入力の組み合わせに基づいて、環境装置間でアクティブ状態を転送することが可能とされることが望ましい。
【0029】
タスク管理システム実施の一般的な例
タスク管理システムは様々な方法で実施されうる。一般的には、タスク管理システムはソフトウエア(一般的にはここでは「タスク管理ソフトウエアシステム」と称する)において実施されうる。タスク管理ソフトウエアシステムは一般的に1つ以上の実施機構上又は1つ以上の実施機構間で動作する。実施機構は、携帯型、半携帯型、又は固定位置型でありうる。更に実施機構は、例えば遠隔制御装置、ハンドヘルド型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション又はサーバコンピュータ、他の計算装置、又は他の通信装置を含む様々な形で実施されうる。
【0030】
A.実施機構
実施機構は一般的には、オブジェクトのユーザ選択に関連付けられたタスクを実行するための様々なリソースを含む。リソースは、一般的には、オペレーティングシステム、副次的ソフトウエア、通信装置、処理装置、メモリシステム、入力装置、及び表示画面を、選択された組合せで含む。
【0031】
入力装置は様々な形態で実施されうる。一般的に、入力装置は例えばタッチ感応LCDのように画面と一体化される。更に、入力装置は、ポインティングデバイス(例えばマウス又はペン)、ハードボタン、キーパッド/ボード、マイクロホン、指紋及び網膜スキャナ、圧力トランスデューサ、温度計、光センサ、粒子又は化学物質検出器、専用大域位置決め受信器又は他のトランスデューサを単独で又はそれらの組合せとして含みうる。かかる装置は、例えば、タスク管理ソフトウエアシステムが、(a)生物測定ユーザ認識及び認証サブシステム、(b)周囲環境状態においてデータを捕捉及び処理するためのサブシステム(以下の説明を参照)、及び/又は(c)例えば環境又環境中での位置を決定するために、位置データを捕捉し処理するための機構位置決めシステムのうちの1つ以上をサポートする場合は有用である。
【0032】
メモリシステムは一般的に、キャッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、大容量記憶、アーカイブ記憶、及び任意の他のハードウエア、ファームウエア、ソフトウエア、又は記憶装置と関連づけられるネットワーク化リソースを1つ以上含む。
【0033】
処理装置は一般的に、1つ以上のプロセッサ及び/又は他の論理ハードウエアを含む。プロセッサは、限定なしに、Intel社、Motorola社、Texas Instruments社、IBM、AMD、Cyrix又は他のディジタル処理装置の製造者によって製造されるマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ等を含む任意のディジタル処理装置でありうる。他の論理ハードウエアは、単独で動作するか又はプロセッサと組み合わせて動作されるASIC、PLD、ゲートアレイ等を含むカスタム又は半カスタム回路を含む。
【0034】
通信装置は一般的に通信スタック及びハードウエアを含む。これらの装置は、現在使用されているか否かにかかわらず、任意の全ての通信フォーマット、プロトコル及び仕様、及びそれらの等価物及び/又はその組合せをサポートするよう実施されることが望ましい。サポートされるフォーマット、プロトコル、及び仕様は、限定なしに、赤外線標準(例えばIrDA D及びC、及び、AIR)、無線周波数標準(例えばTCP/IP、提案されるHAVI及びHAPI仕様、及びUSB、Firewire等)を含む。通信装置は、実施機構が所与の位置に恒久的に固定されていても、再配置可能であっても、完全に携帯可能であっても、ワイヤレス又は有線の動作に向いたものとされうる。
【0035】
例えば、オブジェクトのユーザ選択に応じて、通信装置はオブジェクトの関連づけられたタスクに対応する制御情報を処理する。装置は、かかる情報を信号へとパッケージ化し、タスクが関連する1つ以上の環境装置によって信号が受信されるようかかる信号を送信する。信号が正しく受信されると、かかる環境装置は一般的に状態を変化させるか、又は状態の変化を生じさせる(即ち環境装置の幾つかの特徴又は面を変化させる)プロシジャをトリガする。制御情報は様々な方法でパッケージ化され送信されうることが認識されるべきである。例えば、制御情報はオブジェクト自体又はその表現を含んでもよく(例えばオブジェクトがユニバーサルである標準に基づいて)、又は情報は所有権信号(例えば特定のテレビジョンの遠隔制御能力に特定的な赤外線コード)をエミュレートしてもよく、又は他のものであってもよい。ユーザ選択は一般的には、タスク管理システム自体に影響を与え、アクティブ環境、クラスタ及び/又は表示のためのクラスタ表現/形成の変更を生じさせることを含む。
【0036】
通信装置は、機構の位置の決定をサポートすることが望ましい。1つの例では、通信装置は、例えば実施機構の環境又は環境内での位置を決定するために機構位置決めシステムと協働する。そうするために、かかる装置及びシステムは、直接的又は間接的に、(a)大域位置決めシステムからの大域位置決め信号及び/又は(b)環境装置からの信号強度データ又は他の遠隔測定信号を受信する。かかる位置決定は、他の入力の有無にかかわらず、環境における変化を予想又は認識するためにタスク管理システムによって使用されることが望ましい。かかる位置決定は、他の入力の有無にかかわらず、タスク管理システムがそれに応じてクラスタリング動作(例えば遷移、形成、再形成、表現、及びフォーマット)をサポートする、タスク管理システムのためのコンテキストの決定に関連し寄与することが望ましい。
【0037】
実施機構は通信装置を通じて、他の実施機構を含む環境装置へ送信すること及び/又は環境装置から受信することが可能とされる。送信/受信は、望ましくは状態及び他の情報(例えば信号、コマンド、データ及び/又は命令)である。例えば、情報は、制御コマンド、及び/又は実行可能なソフトウエアプログラム又はアプレット、及び/又は新しい又は変更されたオブジェクト、及び/又は環境装置に関連するタスクに関連づけられた新しいオブジェクトを変更又は構築するための命令を含むことが望ましい。他の例として、情報は望ましくは、オーディオ、ビデオ、テレフォニー、大域位置決め、遠隔測定等といった信号を含みうる。後者の場合は、信号はディジタル式に運ばれることが望ましいが、本発明の原理を逸脱することなく、1つ以上の信号はアナログベースでありうることが認識されるべきである。
【0038】
伝送される情報は、一般的には受信側の環境装置(又は実施機構)の状態を変化させることが認識されるべきである。例えば、伝送される情報は、ダイアラー又はファクシミリソフトウエアといったテレフォニー関連のソフトウエアプログラムを更新するために環境装置へ送信される電話機情報を表わしうる。装置又は機構へ伝送されるかかる情報は、装置/機構に関連づけられるメモリの中に記憶されることが望ましい。他の例として、伝送される情報は、テレビジョンをオン状態へ切り換えるための制御コマンドを含みうる。更なる他の例として、伝送される情報は、アクティブ環境、アクティブクラスタ、アクティブクラスタのアクティブ表現、及びアクティブクラスタのオブジェクトのアクティブフォーマットを変更させうる。
【0039】
オペレーティングシステム(OS)は様々に実施されうる。例えば、市販のオペレーティングシステム、例えばUnix, Linux, Windows NT等を含みうる。更に、OSは、オブジェクトの表示を含むユーザインタフェース機能及び動作を与えるため又はサポートするためのウィンドウシステム又はパネルシステムを含むことが望ましい。同時に、OSは存在しなくとも良く、又は少なくともウィンドウシステム又はパネルシステムが存在しなくともよいが、代わりにかかるシステムを可能とするためにプロトコル又は他の基本的な(例えば処理装置、メモリ装置、入力装置、及び画面の間の調整のための)リソースを含んでもよいことが認識されるべきである。後者の場合、タスク管理システムは適当なユーザインタフェースユーザインタフェースをサポートするためのリソースを含むことが望ましい。
【0040】
どのようにしても、適当なユーザインタフェースユーザインタフェースが可能とされることが望ましい。その点で、ユーザインタフェースはグラフィックユーザインタフェースであることが望ましい。更に、ユーザインタフェースは持続的且つ過渡的にオブジェクトの表示をサポートすることが望ましい。詳述するに、持続的なオブジェクトは持続的に、画面の電源が切断されるまで、又は持続的なオブジェクトが確実に除去又は置換されるまで、又は持続性が知覚されるよう過渡的なオブジェクトに対してかなり長い期間に亘って、画面上に表示可能である。一方で、過渡的なオブジェクトは比較的短い期間に亘って画面上に表示可能であり、例えば比較的迅速に現れて消えることがユーザによって知覚される。1つの実施例では、過渡的なオブジェクトは専用画面領域に表示可能であることが望ましい。特定の過渡的な時間が経過した後(即ちタイムアウトイベントが生ずると)、夫々の過渡的なオブジェクトは画面から除去されるか徐々に消える(例えば過渡的な表示はフェージングメモリバッファ、ソフトウエア制御又は他の適用可能な技術を用いて行われる)。タイムアウト期間は、デフォルト期間、ユーザ指定期間、関連する環境機構によって指定される期間(例えば決定的な応答時間に応答的な期間)又は任意の他の源/目的を有する期間でありうる。かかる期間は、例えば状態の追跡又は他の実行又は状況規準に基づいて更新されることが望ましい。
【0041】
タスク管理システムの任意の副次的ソフトウエアは様々に構成されうる。かかるソフトウエアは、存在するのであれば、タスク管理システムに関連する機能及び動作を与えることが望ましいが、そうでなければシステムによってサポートされないか又は完全にはサポートされない。例えば、副次的ソフトウエアは、(a)ユーザの認識及び認証、(b)周囲環境状態上のデータの捕捉及び処理、及び/又は(c)実施機構位置の決定に関するデータの捕捉及び処理を提供又は向上しうる。
【0042】
B.タスク管理ソフトウエアシステム
タスク管理ソフトウエアシステムは、タスクに関連づけられたユーザ選択可能なオブジェクトを通じてシステムと1つ以上の環境装置の間のタスクを実行することを可能とする。これを行なうため、ソフトウエアシステムは様々に実施されうる。例えば、タスク管理ソフトウエアシステムは、(a)状態追跡サブシステム、(b)クラスタ形成サブシステム、(c)クラスタ表現サブシステム、(d)遷移サブシステム、(e)オブジェクト発見サブシステム、(f)ヘルプサブシステム、及び、(g)他のサブシステムを含む。クラスタ形成サブシステムは、コンテキストに応じて、また望ましくは適応的且つ動的にクラスタ(各クラスタは選択されたオブジェクトを含む)を形成及び再形成する。クラスタ表現サブシステムは、アクティブな形成された(又は再形成された)クラスタのオブジェクトのフォーマット化及び表現を、やはり望ましくはコンテキストに応じて、また適応的且つ動的にサポートする。遷移サブシステムは、アクティブ状態についてクラスタ間の、及びアクティブなクラスタのフォーマット/表現間の遷移をサポートする。状態追跡サブシステムは、1つ以上の環境装置、システム及び他の状態に関するデータを収集することによりコンテキスト決定をサポートする。オブジェクト発見サブシステムは、利用可能及び/又は利用可能でない環境装置の発見をサポートする。ヘルプサブシステムは、タスク管理システムに対するユーザ対話をサポートする。
【0043】
タスク管理ソフトウエアシステム及び各サブシステムは、一般的に実施機構及びそのリソースと共に動作する。1つの例として、クラスタ表現サブシステムは一般的にオペレーティングシステム、特にそのユーザインタフェース及びオブジェクトのクラスタを表現するときの実施機構の画面と協働する。他の例として、タスク管理ソフトウエアシステムがユーザ認識サブシステムを含む場合、このサブシステムは一般的に、例えば1つ以上の(a)登録データ(例えば名前、誕生日、パスワード等)、生物測定データ(例えば音声又は指紋、把持圧力、手の温度等)、及び/又は使用シグナチャ(各ユーザを区別する使用習慣)と、(b)入力装置(例えばマイクロホン、指紋スキャナ、圧力トランスデューサ、及び温度計)と、(c)任意の副次的ソフトウエア(例えば機能/動作を高めるため又は拡張するため)とを含むリソースと協働する。他の例として、タスク管理ソフトウエアシステムが機構位置決めシステムを含む場合、この位置決めシステムは一般的には、(a)(例えば環境装置からの遠隔計測器データ又は大域位置決め信号を受信するための)通信装置と、(b)(例えば環境又は一般的には三角測量により環境中での位置を決定するための)信号強度信号又はGSPデータを含む情報を捕捉し処理するための入力及び処理装置と、(c)任意の副次的ソフトウエア(例えば機能/動作を高めるため又は拡張するため)とを含むリソースと協働する。(上述のように、ユーザ認識及び/又は位置決めの両方/いずれかは、特に実施システムリソースと共に副次的なソフトウエアによって完全に実施されうることが認識されるべきである)。
【0044】
状態追跡サブシステムは、タスク管理ソフトウエアシステムがタスク管理システムにコンテキストに応じてタスクに関連するオブジェクトのクラスタ化動作をサポートすることを可能とするために設けられる。かかる状態追跡サブシステムは、実施機構と共に、選択された状態を追跡する。追跡される状態は、一般的には、例えば環境状態、装置状態、及びシステム状態のうちの1つ以上を含む。追跡された状態は一般的には、時間的な規準といった他の関連する規準に関する状態も含む。状態追跡は例えば以下のようなものを含む。
【0045】
1.環境状態追跡
本発明のタスク管理システムは、選択される規準に基づく各環境の状態の追跡をサポートすることが望ましい。一般的な規準は、利用可能な装置のタイプ及び数、及び選択される物理的又は論理的条件を含む。物理的又は論理的条件の規準は、例えば、時間、日付、気温及び他の気象データ、雑音の振幅及び周波数、周囲光条件、周囲空気質(例えば一酸化/二酸化炭素の割合及び/又は煙粒子計数)、他の周囲条件、利用可能なネットワーク帯域幅、ネットワーク伝送遅延、及び電力アベイラビリティのうちの1つ以上を含む。
【0046】
2.装置状態追跡
本発明のタスク管理システムは、各環境装置の状態の追跡をサポートすることが望ましい。かかる追跡は選択される基準によって行なわれる。一般的な規準は、例えば、(a)どの装置がアクティブであるかを含む各装置の現在の状態、(b)装置間の関係、(c)装置の又は装置間の状態、機能、及び動作の関係、(d)履歴的な関係及び趨勢を含む。
【0047】
かかる追跡の範囲は、行われるのであれば、一般的に環境装置のクラスに対応する。装置クラスは、例えば、(1)実施機構と状態情報を通信しない書込み専用環境装置(例えば照明スイッチ)、(2)実施機構と状態情報を通信する読み書き環境装置(例えばオーディオ・ビジュアル装置)、(3)実施機構へ状態情報を送信する読出し専用環境装置、及び、(4)実施機構と(例えば信号、コマンド、データ及び/又はアプレット又はプログラムといった命令といった)情報を通信することが可能とされ、かかる通信は一般的に状態情報を含む、インテリジェントな環境装置を含む。インテリジェントな環境装置は、一般的にはプロセッサを組み込み、実行ソフトウエアコードに基づいて機能し/動作することが可能であり、かかる装置は例えば、計算装置又はシステム(例えばパーソナルディジタルアシスタント)、インターネットサイト、或る自動車用及び家庭用装置、及び或る通信装置を含む。
【0048】
3.システム状態追跡
本発明のタスク管理システムは環境ごとのシステム自体の状態の追跡をサポートすることが望ましい。かかる追跡はやはり選択される基準によって行なわれる。一般的な規準は、例えば、(a)ユーザ、(b)ユーザの設定の好み、及び好みの組(オリジナル及びユーザ又はシステムによって更新されたもの)、(c)各ユーザが選択する及び/又は選択しようとするオブジェクト又はオブジェクトの組、(d)特定のオブジェクト及びオブジェクトの組の選択の頻度、(e)システム状態及び他の追跡される状態(例えば環境の状態及び/又は装置の状態)間の関係、(f)現在のユーザ、現在のユーザ選択、アクティブなクラスタ、アクティブな表現、及びアクティブなフォーマット、及び(g)ユーザインタフェース状態及びオブジェクト選択に関連するメトリックを含む。
【0049】
現在のユーザ、現在のユーザ選択、アクティブなクラスタ、アクティブな表現、及びアクティブなフォーマットは、様々な目的のために追跡されうる。1つの目的は、特に使用サイクル、バッテリ交換(バッテリ電源でサポートされた携帯可能動作を想定した場合)、及び電源異常に関する耐久性をサポートすることである。バッテリ交換及び電源異常の場合、日常的に生ずる問題を克服するために、上述の現在のアクティブな規準が追跡される。しかしながら使用サイクルの場合、どのオブジェクトがいかにして与えられるか、例えば機構が最初にサスペンドの後に使用されるのか使用の終了なのか、に関する実施上の問題に対する1つの解法を反映する。更に特定的には、この場合はタスク管理システムがその最後の使用のときに有力な状態へ戻されうることを反映する。(同時に、時間/日付及び使用パターンに基づいて適当であろうオブジェクトを与えるために生物特定データ又は他の認識機能を使用することを含む他の解法が可能である)。
【0050】
ユーザによって設定される好みはサポートされることが望ましい。しかしながら、サポートは様々に実施されうる。例えば、ユーザは、クラスタ形成、クラスタ表現、クラスタフォーマット化等に関して好みを入力することが可能とされうる。1つの例として、ユーザは個々の又は複数のオブジェクト(個々に又は一緒に、一組のタスクを発生させる「マクロオブジェクト」)を定義することが可能とされ、それにより、マクロオブジェクトのユーザ選択に基づき、1つ以上の環境装置が順次に、可能であれば並列に、又は組合せ(かかるタスクの組は本願では「マクロ」とも称される)としてタスク管理される。マクロは一般的に単一のマクロオブジェクトに関連づけられ、それによりそのオブジェクトを選択することによりマクロの全てのタスクが選択される。例えば、選択された場合に室内の照明を所望の設定まで暗くし、テレビジョンの状態をONに切り換え、テレビジョンを特定の音量で特定の局に調整するマクロオブジェクトを与えるマクロとして確立されえ、かかるタスクは順次に(例えばテレビジョンの状態及び局のタスク)又はリソースが使用可能であれば並列に(例えば略同時に照明及びテレビジョンを、又は2つの順序のいずれかで、又はその他)でなされうる。(注:タスク管理システムは、マクロの1つ以上のタスクが環境からの競合情報に基づいて時点毎にサスペンド又は終了されうるよう実施されることが望ましく、例えば、上述の例の照明は実施機構が光を必要とする食事が供給/消費されていることを検出したときは暗くされない)。
【0051】
かかるユーザ設定を可能とするアプローチには様々なものがある。例えば、(a)ユーザが、ユーザインタフェースのメニュー、サブメニュー、アイコン等を繰り返し利用して、好みに到達し、選択し、設定する(例えばマクロオブジェクトにオブジェクトを追加する、関連づけられたオブジェクトを介して環境装置の1つ以上のタスクを無効とする)ようユーザインタフェースを利用する第1のプログラムモード、(b)関係する各装置がルートウィンドウに表示され、それによりかかる装置のうちの任意の1つを選択することにより装置に関連する各オブジェクト/タスクが表示され、適当な順序でユーザが好みを設定することを可能とする第2のプログラムモード、(c)適用可能なプロトコル、アルゴリズム、又は他の状況(以下のヘルプサブシステムに関する説明を参照のこと)に基づいてユーザ選択が検討及び最適化(例えば順序づけ)される第3のプログラムモード、及び、(d)上述の組合せがある。
【0052】
タスク管理システムは、ユーザ設定を発生させること及び/又はユーザによって設定された好みを更新することが可能であることが望ましい。かかるシステム動作は、一般的には例えばユーザ選択を追跡することにより、使用履歴に基づいて行われる。更新能力は、マクロオブジェクトがユーザ定義されたものであるかシステムによって発生されたものであるかに関わらず、マクロオブジェクトに対して適用可能であることが望ましい。ユーザ定義される場合、タスク管理システムはユーザがそのように定義されたマクロオブジェクトをシステム自体による更新に対してロックすることを可能とすることが望ましい。
【0053】
タスク管理システムは、各ユーザが選択する及び/又は選択しようとするオブジェクト及びオブジェクトの組と、特定のオブジェクト及びオブジェクトの組を選択する頻度とを追跡することが可能とされることが望ましい。かかる追跡は、オブジェクト、状態、及びその組の間の関係を示す傾向がある。そのように示されるか又は他の方法で利用可能とされる任意のかかる関係もまた追跡される。かかる関係は、一般的にはシステムによって発生されたマクロオブジェクト、及び他のクラスタ化動作、例えばクラスタの形成、表現及びフォーマット化に有用である。例えば、1つのオブジェクトが選択された後、又は選択されたときに、第2のオブジェクトが常に又は少なくとも頻繁に選択されると決定されれば、状況は追跡されることが望ましく、それに応じて、第2のオブジェクトは、第1のオブジェクトが選択されたときに、(a)自動的に選択されるか、又は、(b)画面上に一時的に表示される。
【0054】
タスク管理システムは、メトリック、特にタスク管理システムの有効性を評価するメトリックを追跡することが可能とされることが望ましい。使用時、ユーザは一般的にユーザインタフェースを介してクラスタの表現を利用する。その利用は、一般的にはアイコン毎、レイヤ毎であり、ユーザが1つ以上の所望のタスク関連オブジェクトに到達し選択するようにされる。その利用は、ユーザが利用を開始させる様々なクラスタ表現に基づいて、ユーザ側のアクション/ステップの数に関連づけられ、かかる数は選択されたオブジェクトによって変化する。1つの実施例ではタスク管理システムは、グラフのノード間の直接的なジャンプを排除又は制御するため、又は、ユーザが耐えねばならないドリル・ダウン及びドリル・アップ動作の量を制限するよう、環境装置をタスク管理するのに含まれるステップが所定のパス又は有向循環グラフ形式に沿って行われるよう実施されうる。他の実施例では、多数のステップ、少なくとも幾つかのオブジェクト/タスクは、メトリック追跡を通じて最小化されることが望ましい。後者の実施例では、オブジェクトAについて、ステップの数はクラスタ表現I,II及びIIIから開始する利用に基づいて最小化され、一方、表現IVは「無視」であり、表現Vから固定されると決定されうる。本例では、メトリック追跡は、最小化を達成するためのクラスタ化動作を可能とし、一方で他のオブジェクトと同一又は同様の目的を保つことが望ましい。更なる例としてのメトリックは、所望のオブジェクトに到達し選択するのに関連する時間を、関係する環境装置(又は環境全体)をかかる選択と環境装置(又は環境全体)に関連するオブジェクトに対する次のサーチの開始との間で享受するのに関連する時間に対して最小化することを含む。
【0055】
4.時間的状態追跡
本発明のタスク管理システムは時間的状態の追跡をサポートすることが望ましい。これを行なうため、タスク管理システムは一般的にユーザ選択に関連してタイマをセットアップし維持する。タイマは、(a)オブジェクトの1つ以上のユーザ選択、(b)1つ以上のタスク管理システム機能/動作、及び/又は、(c)1つ以上の環境装置機能/動作を含む経過時間を追跡する。これにより、タスク管理システムは、(i)コンテキストを維持すること、(ii)ユーザ選択及びそれらの間の関係を特徴付けること、及び(iii)タスク管理システムのパフォーマンス及び/又はそれに関するタスク管理(例えば環境装置又はタスク管理システム自体の)を決定することを含む様々な努力を可能とする。
【0056】
ユーザ選択の特徴付けは、少なくとも関連する、順次の、又は他の追加的なユーザアクションを必要とするユーザ選択と関係してサポートされることが望ましい。ユーザが追加的なアクションを必要とするオブジェクトを選択すれば、いくらかの経過時間中のその必要とされるアクションの欠如が解釈され、最初の選択が忘れられたか又は誤りであったことを特徴付ける。次に、最初の選択がそのように特徴付けられれば、タスク管理システムは、(a)ユーザに状況について通知するか、(b)その選択を自動的に消去するか、(c)(例えば或る場合は一般的に他のタイマを使用する)その両方であることが望ましい。自動消去はユーザによる手動消去の代わりに行なわれ、それによりユーザによる相互対話の努力を節約する。また、例えば意図されずに開始された/維持された(又は不注意にアボートされた)タスクをシャットダウンし、それにより関係する環境装置が以前の状態又はある安全な、安定した、又はスタンバイ状態へ戻るようにさせることにより、安全性を生じさせる。
【0057】
タスク管理ソフトウエアシステムは、実施機構と共に、クラスタ形成サブシステムをサポートすることが望ましい。クラスタ形成サブシステムは、システムがクラスタを形成又は再形成することを可能とする。これを行なうため、サブシステムは、様々なアプローチ、例えば、(a)経験的研究又は理論的解析を通じて生じた関係、(b)遺伝子アルゴリズム、人工知能、又は他の製造解法、(c)ユーザによって指定される設定(例えば好み)を使用すること、(d)上記のアプローチ及び他のアプローチの組合せを含む。関係を用いたアプローチは、環境装置が予期されるだけでなく、良く理解された機能及び動作を有し、かかる機能/関係がオブジェクトにマッピングされるような環境において特に有用である。これらのマッピングされたオブジェクトは、タスク管理システムの販売/流通において内蔵クラスタとして提供されうる。更に、装置及び様々な環境に適用可能なかかる機能/動作間の関係の数、深さ、及び質は、タスク管理システムの市場における受入れに対する最適化の影響を受けうる。この最適化に応じて、内蔵クラスタはタスク管理システムへの分配のために再形成されうる。これを行なうために、(i)インターネットダウンロード又は他の通信を介して複数のタスク管理システムによって発生され使用されたクラスタ(表現及びフォーマットを含む)を受信し、分析し、それにより最適化されたクラスタを再形成すること可能であり、(ii)インターネットアップロード又は他の通信を介してかかる再形成されたクラスタを分配することが可能とされるクラスタ化動作センターが考えられる。
【0058】
更なる説明のため、クラスタ形成サブシステムは、大量のオブジェクトのうちのコンテキストの重大性に基づいてクラスタを形成することが望ましい。かかる重大性は一般的には時間的な(例えば履歴、現在、趨勢、及び遷移の)面を有し、幾つかのオブジェクト間での相対的な重要性及び魅力、例えば、(i)オブジェクトが関連づけられるタスク、(ii)一連の環境、(iii)使用可能な環境装置又は予測可能な環境の変化によって使用可能となりうる装置、(iv)装置の状態、(v)ユーザ及びユーザによって指定された好み、及び、(vi)例えば関連する装置及び関連づけられるタスクの選択に関する、環境及び予測可能な環境におけるユーザの過去の挙動によって特徴付けられる。
【0059】
基本的な例では、特定の環境は多数の環境装置を含むと想定される。かかる環境装置は、集合的に、ユーザによって可能であれば選択されうる比較的多数の機能及び動作によって特徴付けられる。これらの可能な機能及び動作のうち、幾つかの比較的少数の機能及び動作は選択に関して起こりそうであるとして特徴付けられる。これらの起こりそうな機能及び動作のうち、幾つかのかなり少ない数の機能及び動作は選択に関して有用であるとして特徴付けられる。有用な機能及び動作の数が十分に小さければ、一般的にオブジェクトの1つのクラスタとして形成されうる。有用な機能及び動作の数が十分に小さくなければ、また他の理由(利便性)により、複数のクラスタが形成されることが望ましい。1つ以上の有用な機能及び動作として重複するクラスタが形成されうることが認識される。また、(i)1つ以上の可能な機能/動作、(ii)1つ以上の起こりそうな機能/動作、及び(iii)有用な機能/動作、起こりそうな機能/動作、可能な機能/動作の組合せを含むクラスタが形成されうることが認識されるべきである。
【0060】
更に、クラスタ形成サブシステムは、大量のオブジェクトのうちのコンテキストの重大性に基づいてクラスタを再形成することが望ましい。再形成は、様々な状況下で、特にコンテキストに関する事項の変化によって生ずる。上述の例では、例えば複数のクラスタが形成のうちの任意の特定のクラスタが、有用から非有用へ、又はその逆に移る装置の機能/動作に基づいて再形成されうる。他の例として、環境において利用可能な装置の変化は、機能及び動作を加えるか差し引き、それにより1つ以上のクラスタに対してオブジェクトを加えるか差し引くことができる。更に、オブジェクトがクラスタ内の他のオブジェクトに関連づけられた機能/動作と近い関係にあることが見いだされた機能/動作に対応する場合、クラスタにオブジェクトが追加されうる。同様に、かかる関係が終了すれば、オブジェクトはクラスタから除去されうる。
【0061】
タスク管理ソフトウエアシステムは、実施機構と共にクラスタ表現サブシステムをサポートすることが望ましい。クラスタ表現サブシステムは、クラスタのオブジェクトのフォーマット化機能及び表現機能をサポートする。クラスタ表現サブシステムは、適応的且つ動的にコンテキストに応じて動作することが望ましい。フォーマット化機能及び表現機能は、本発明の原理を逸脱することなく、或る状況では、タスク管理ソフトウエアシステムから排除されうることが認識されうるべきである。同時に、クラスタのオブジェクトの数が実施機構の画面上に有効に表示される数を超えると、クラスタのオブジェクトをフォーマット化すること及び表現することがより重要となることが認識されるべきである。
【0062】
フォーマット化機能は、様々なタイプのオブジェクトによって、また様々なタイプのオブジェクト間で、オブジェクトを編成する。例えば、アクティブな環境(又はクラスタ)のオブジェクトは以下のようなオブジェクトタイプによる、又はオブジェクトタイプ間のフォーマット化を受け、オブジェクトタイプは、(a)選択された場合に特定の環境装置のための特定のタスクを実行するタスク管理オブジェクト、(b)選択された場合に所定のタスクの組を実行するマクロオブジェクト、(c)夫々のオブジェクトによって、アクティブ化されるべき1つ以上の環境装置、表現又は他の要素をグループ化し、それによりアクティブ化オブジェクトが選択された場合にオブジェクトは選択のために関連する装置の夫々のオブジェクト、表現、他のアクティブ化オブジェクト等を表示するアクティブ化オブジェクト、(d)選択された場合に任意の数の環境装置と関連づけられうる特定のタスク(例えば数字キーパッド)を与える共通オブジェクト、(e)1つのオブジェクト下で、比較的制限された数のタスク管理オブジェクト、マクロオブジェクト、アクティブ化オブジェクト、共通オブジェクト、及び/又は他の閉ナビゲーションオブジェクトをグループ化する閉ナビゲーションオブジェクト、及び(f)1つのオブジェクト下で、比較的多くの数の、又は全ての、アクティブな環境のタスク管理オブジェクト(又は環境の最も高い優先度、又は最も関連性の高い、又はアクティブなクラスタのタスク管理オブジェクト)と、任意の又は全てのマクロオブジェクト、アクティブ化オブジェクト、共通オブジェクト、及び/又は閉ナビゲーションオブジェクトをグループ化する開ナビゲーションオブジェクトを含む。
【0063】
アクティブでない環境(又はクラスタ)のオブジェクトに関して、フォーマット化機能は、様々なオブジェクトタイプによって、また様々なオブジェクトタイプ間の編成を行い、これらのオブジェクトタイプは、例えば、(a)夫々のオブジェクトによって、アクティブ化される環境(クラスタ)をグループ化し、それによりオブジェクトが選択されたときにアクティブ化オブジェクトが選択のために夫々の環境(クラスタ)を表示する環境アクティブ化オブジェクトと、(b)全ての環境装置に対して、望ましくは選択された/全てのサポートされる環境について全ての可能なタスクへの(例えばリスト又はアイコンを介した)アクセスを与えるサーチオブジェクトとを含む。メタオブジェクトに関して、フォーマット化機能は、様々なオブジェクトタイプによって、また様々なオブジェクトタイプ間の編成を行い、これらのオブジェクトタイプは、例えば、(a)ヘルプサブシステムいへのアクセスを与えるヘルプオブジェクト、(b)選択、フォーマット、及び/又は表現間で移動するためのナビゲーションオブジェクト(例えば順方向及び/又は逆方向アイコン)、及び、(c)タスク管理システム、その実施機構、及び/又はそのタスク管理ソフトウエアシステムに適用可能な設定又はオプションへのアクセスを与えるメニューオブジェクト(例えばユーザがテレビジョン上に表現を表示することを可能とするソフトボタン)を含む。1つ以上のオブジェクトタイプによって、また1つ以上のオブジェクトタイプ間で、任意の特定のオブジェクトがフォーマット化されうることが認識されるべきである。
【0064】
表示機能は、一般的にはフォーマット化されたオブジェクトタイプによってオブジェクトを表示する。そのようにオブジェクトを表示するとき、表示機能は、一般的にはオブジェクト/オブジェクトタイプを選択的に表示する。選択的な表示では、最も大きな有用性を有するであろうオブジェクト/オブジェクトタイプを表示するようコンテキストに応ずることが望ましく、それにより、ユーザが迅速に、容易に、楽しく、効率的に、その他の方法で、所望且つ適当なオブジェクト/オブジェクトタイプを最適に選択し、それによりタスク管理システムと環境装置との間でタスクを実行することに関して、最小の、減少された、又は最適に減少されたタスク管理システムとのユーザ対話を与える。更に、表現機能は、例えば、相対的な配置、シーケンス配置、順序づけ、レイヤ配置、メニュー作成、編成、及び遷移性/耐久性といった様々な特徴をサポートする。これを行なうため、表現機能は、OSのユーザインタフェース機能と共に、又はかかる機能がない場合は単独で動作する。単独で動作する場合、表現機能は、実施機構上で作動する適当なユーザインタフェースをサポートするリソースを含むことが望ましい。
【0065】
基本的な例を続けると、環境装置は、テレビジョン(TV)及びVCR等を含む。従って、有用なタスクの1つのクラスタは、両方の装置をオンに切り換え、TV及びVCR(例えばピクチャ・イン・ピクチャを与えるVCRチューナ)のチャネルを調整し、ピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)を有効又は無効とし、音量を設定し、両方の装置をオフに切り換えるためのタスクを含む。コンテキストに基づいて、両方の装置は、使用時に同時にオン(又はオフ)に切り換えられる傾向がある。更に、チャネルの調整は数字キーパッドの入力を介して行われる。このように、フォーマット化機能は、TV/VCRの切換を行なうオン/オフマクロオブジェクト、TV及びVCRのための夫々のアクティブ化オブジェクト、チャネル調整のために数字キーパッドを与える共通オブジェクト、音量制御及びPIPのための夫々のタスク管理オブジェクト、並びに、PIPタスク管理オブジェクト、TV及びVCRアクティブ化オブジェクト、及びオン/オフマクロオブジェクト、又はその組合せを含む1つ以上の閉ナビゲーションオブジェクトを与えうる。
【0066】
動作上、ユーザが実施機構を検索すると、表現機能は(例えば追跡サブシステムのシステム状態追跡を参照して)機構が最後に使用された時にアクティブであった表現を表示する。従って、検索の時点において、TV及びVCRは両方ともオフ状態にある。このように、表現機能は本例では、オン/オフマクロオブジェクトのみを表示し、すると他のタスクは関係ない。いったんオン/オフマクロオブジェクトが選択されると、表現機能は本例では、上述の音量制御及びPIPタスク管理オブジェクト、TV及びVCRアクティブ化オブジェクト、数字キーパッド共通オブジェクト、及び、閉ナビゲーションオブジェクトを表示しうる。この表現では、PIPタスク管理オブジェクトは一時的に表示されえ、関連性がないであろうと思われるため、オン/オフマクロオブジェクトは排除される(しかし閉ナビゲーションオブジェクトには含まれうる)。一旦ユーザがチャネル、PIP、及び音量の選択を行なうと、表現機能は、オン/オフマクロオブジェクト、音量制御タスク管理オブジェクト、TV及びVCRアクティブ化オブジェクト、数字キーパッド共通オブジェクト、及び、閉ナビゲーションオブジェクトを表示しうる。この表現では、閉ナビゲーションオブジェクトは、PIPタスク管理オブジェクトを含んでもよく、一方でオン/オフマクロオブジェクトを排除してもよい。
【0067】
表現機能の他の例は、(a)アクティブ環境の現金自動預入支払機(ATM)を使用して、表現システムがそのコンテキストに対応するオブジェクトタイプを選択的に表示し、それによりユーザはATMをアクティブな装置とさせるオブジェクトを選択することが可能とされ、それにより例えばユーザの口座番号及び/又はパスワードといった所定の「ハンドシェイク」コーディングをATMと通信するために実施機構をトリガし、ハンドシェイクが成功すると表現機構は特定のAMTにおけるユーザの予想される選択(例えば状態追跡サブシステムはユーザが主にこのATMでは100ドルの引き出しに活動を制限することを示す)をハイライトするオブジェクト/オブジェクトタイプを表示し、同時にATMは他の選択を与える(例えばタスク管理システム等の分散された実施に参加することに基づく)同様の表示又は標準的な表示を有してもよく、取引を完了前、取引中、取引完了後に、PDAは選択された取引を考慮に入れることを支援するユーザの財務ソフトウエアアプリケーションを(例えばバックグラウンドで)起動させ、かかるソフトウエアは他の環境装置を含み、(b)日曜日は、午後1時に、TVを含む環境では、実施機構を検索し、TVをオンに切り換えることによって自動的にNFLフットボールを放送する放送チャネルを選択すると共に、自動的に音量を設定する表現システムをトリガし、状態追跡サブシステムを介して(そして以前のアクティブな表現の性質にもかかわらず)識別される予想されるコンテキストに応じてオブジェクト及びオブジェクトタイプの表現を確立することを含む。
【0068】
タスク管理ソフトウエアシステムは実施機構と共に遷移サブシステムをサポートすることが望ましい。遷移サブシステムは、アクティブ状態に関してクラスタ間の、又はアクティブなクラスタのフォーマット/表現間の遷移をサポートする。遷移サブシステムは様々にトリガされえ、例えば、(a)新しい環境をアクティブ環境とさせることによって、(b)アクティブ環境内での周囲の変化によって(例えば暗さに応じて、遷移サブシステムは表現サブシステムを主に照明調整のための1つ以上のタスク管理オブジェクトを表示するようトリガする)、(c)新しい環境をアクティブな環境装置とさせることによって、(d)アクティブな環境装置からの入力によって、(e)アクティブなユーザの変更によって、(f)オブジェクト/オブジェクトタイプのユーザ選択によって(上述のように基本的な例によって)、(g)上記の入力の組合せによってトリガされうる。トリガされ、遷移を実行させるとき、遷移サブシステムは例えばクラスタ表現サブシステムを含む1つ以上のサブシステムと協働する。
【0069】
タスク管理ソフトウエアシステムは、実施機構と共に発見サブシステムをサポートすることが望ましい。発見サブシステムは発見機能を与え、この機能は、システムが、(a)環境装置が利用可能であることを発見し、環境装置との通信可能性を確立すること及び/又は(b)環境装置が利用可能でないことを発見し、環境装置との通信可能性をサスペンド/終了させることを可能とする。発見機能は、様々に実施されえ、例えば、ローミング、スキャン、ポーリング、割込みの取り扱い又は他の方法を含みうる(これを従来の装置で行なうためには、特定の装置と関連づけられ、関連づけられた装置の電力消費を制御/監視し、これに基づいて装置が発見されるような通信装置といった、追加的なハードウエア/ソフトウエアが予想される)。更に、かかる発見機能は、例えば、連続的に、略連続的に、定期的な間隔で、及び/又は選択されたイベントに応じて様々に起動されうる。発見機能は、環境装置の利用可能性(または利用可能でないこと)の決定を返す。それにより、発見機能は一般的にその発見をサポートするよう、タスク管理システムと互換性のある環境装置に依存する。
【0070】
環境装置が、アクティブな環境に関して「発見されない」場合、タスク管理ソフトウエアシステムは一般的にかかる装置に関連づけられる全てのオブジェクトを無効とするかその他の方法で無関係とする。このように無効又は無関係とされると、オブジェクトは一般的に表示されず、又は表示可能でなくなり、それによりオブジェクトはユーザの前に現れないだけでなく、画面の制限された寸法を消費することもない。(タスク管理ソフトウエアシステムは、これを例えば、クラスタを再形成すること、サスペンド/終了されたオブジェクトがその中に存在しない場合にのみクラスタがアクティブとなることを可能とすること、及び/又は表現サブシステムのフォーマット化及び/又は表現機能を起動することを含む様々な方法で達成しうる)。
【0071】
基本的な例を続けると、環境装置はTV及びVCR等を含むが、VCRは修理に出されている。このような場合、タスク管理システムは一般的に、(i)VCRに特定のオブジェクト/オブジェクトタイプを無効/終了させ、(ii)必要に応じてクラスタを再形成し、(iii)必要に応じてオブジェクトタイプによって又はオブジェクトタイプ間でオブジェクトを編成又は再編成し、及び/又は(iv)新しいクラスタ、フォーマット又は表現をアクティブ化する。しかしながら、VCRオブジェクトは一般的にタスク管理システムが、VCRからの導入メッセージの受信又はそれを生じさせるユーザ対話を介してVCRを再発見するまでのみ、無効/終了されたままである。
【0072】
発見サブシステムはまた、導入機能をサポートしてもよく、かかる機能はシステムが環境装置との間で「紹介」情報を通信することを可能とする。導入機能は、サポートされるのであれば、かかる情報の通信を管理することが望ましい。更に、情報は、例えば、機能状態/状態遷移図、及び/又はタスク管理システムと環境装置との間でタスク管理をサポートすることを可能とする他の事項を含むことが望ましい。
【0073】
タスク管理ソフトウエアシステムは、実施機構と共に、ヘルプサブシステムをサポートすることが望ましい。ヘルプサブシステムは、タスク管理システムとのユーザ対話をサポートする。例えば、ヘルプサブシステムは、ユーザの設定の好みに関するユーザ対話、既存のクラスタ及び規定されたクラスタ化アプローチに対してかかる設定を分析すること、かかる分析に基づいて競合及び他の問題を識別すること、及びタスク管理システムの正しい及び/又は有効な使用のときにフィードバック/フィードフォワードを他の方法で与えることをサポートする。他の例として、ヘルプサブシステムはマクロ形成、検討、削除等に関するユーザ対話をサポートする。
【0074】
タスク管理ソフトウエアシステムは、他のサブシステムもサポートすることが望ましい。これらの他のサブシステムは様々に与えられうる。例えば、上述のユーザ認識サブシステム及び機構位置決めサブシステムである。追加的な例としてのサブシステムは、周囲環境状態(例えば温度、気圧、光の強度、空気中の化学物質/粒子濃度等)に関するデータの捕捉及び処理を与える。上述のように、任意の/全てのサブシステムは、特に実施システムリソースと共に、副次的なソフトウエアを使用して完全に又は部分的に(例えばサブシステムの可能性を向上又は拡張するために)実施されうることが認識されるべきである。
【0075】
C.様々な例としての面、特徴、及び例
タスク管理ソフトウエアシステムは、統合ソフトウエアオブジェクトとして、又はオブジェクト指向ソフトウエアプログラムの中の別個のソフトウエアオブジェクトの集合として、又は単一の統合ソフトウエアオブジェクトとして実施されうる。これに関して、タスク管理ソフトウエアシステムは、1つの物理的な位置又はユニットとして、また環境の中にあるか環境に関連づけられる複数の物理的な位置/ユニット間で実施されうる。
【0076】
タスク管理ソフトウエアシステムを使用することにより、タスク管理システムは環境装置と統合されることが可能となる。実際、タスク管理ソフトウエアシステムが1つ以上の計算装置上で又は1つ以上の計算装置間で動作する場合、タスク管理システムは1つ以上の環境装置と統合されうる。例示するに、タスク管理システムの計算装置は、その上でタスク管理ソフトウエアシステムが作動されるパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)であってもよい。そのような場合、環境装置は、例えば、オペレーティングシステム、選択されたアプリケーションプログラム、通信スタック及び周辺機器、並びにTV、VCR等といった外部装置を含みうる。
【0077】
タスク管理システムは、1つの実施例では、ハンドヘルド形状を有し、釣り合ってコンパクトな画面寸法を有する実施機構を通じて実施される。かかる実施機構は、PDAに加えて、遠隔制御装置(本願では「リモート」と称される)を含む。遠隔制御装置の場合、タスク管理システムのタスクは、一般的には環境装置に対して制御コマンドを送信することによって行なわれる。他の場合、タスク管理システムのタスクは、システム自体又亜環境装置のいずれか又は両方に関連する機能及び動作を含み、タスク管理システムと任意の適用可能な環境装置との間でコマンド及び他のタスク関連情報を通信することによって行なわれる。
【0078】
タスク管理システムは、他の実施例では、ハンドヘルド形状以外の形状の実施機構を用いて実施されうる。それでも、実施機構の画面寸法は一般的に有限であり、オブジェクトの数、オブジェクトの配置、環境装置に対する関係の曖昧さ、装置の利用可能性に関する不確実さ及びに任意の順次的な動作の制約等により、オブジェクトの表示が問題となる。
【0079】
タスク管理システムは、本発明によれば、単一の実施機構を通じて以外の方法で実施されうる。例えば、タスク管理システムは、第1の実施機構と、追加的な実施機構と、1つ以上の外部計算装置と、他の計算装置及び/又はネットワークリソースとを通じて又はこれらの間で機能及び動作を分配することによって実施されうる。他の例として、タスク管理システムは、その機能/動作を特に知的環境装置といった環境装置へ/間で分配することをサポートすることによって実施されうる。
【0080】
例として、タスク管理システムは、1つ以上の環境装置と統合に、クラスタ化動作を含むタスク管理システムの動作を分配するよう構成されうる。そのために、タスク管理システムは、実施機構から環境装置へ選択された追跡された状態データを転送する。1つの場合、環境装置は、(i)通信されたデータを分析し、(ii)1つ以上のクラスタ化を確認し、変更し、形成し、削除し、(iii)タスク管理システムのクラスタ化を(例えば上書きによって)更新するようかかる結果を実施機構へ送信する。特定の例として、マクロに関連するタスクは、いずれかのマクロオブジェクトがタスク管理システムと関連して実施される前に、構築され、編集され、試験されるために1つ以上の環境装置へ分配されうる。
【0081】
一般的に、タスク管理システムは、1つ以上の環境装置に関連するタスクを実行する。しかしながら、タスク管理システムは、それ自体がタスク管理されること、即ち1つ以上の環境装置によってタスク管理されることがサポートされるよう実施されうることが認識されるべきである。そのような場合、かかるタスク管理は、受入れ可能であることが分かっているか、又は或る時間的な規準で(例えば毎回又は時間毎に)ユーザによって受け入れられるタスクに制限することによって適当に制御されることが望ましい。
【0082】
かかるタスク管理システムのタスク管理を可能とするとき、信号へ拡張される情報の通信によることを含んで、相互タスク管理が考慮される。
【0083】
これに関して、相互タスク管理は、タスク管理システム、特に実施機構が、環境装置をエミュレートすることを可能とする。例えば、テレフォニー装置を含む環境では、マイクロホン及びスピーカを有するPDAを用いて実施されるタスク管理システムは、携帯電話機をエミュレートすることができ、PDA画面上に表示されるオブジェクト/オブジェクトタイプを介してユーザによってアクセスされるタスク(例えば発呼者ID、ダイヤル動作、留守番電話装置へのルーティング、スクリーニング等)を完全に実行する。更に、PDAがインターネットクライアント(例えばブラウザ)を有し、ユーザが適当なアカウントを有するとすると、タスク管理システムはインターネット、ワールドワイドウェブ、及び/又は他のネットワークへのアクセスを可能とする。
【0084】
図面
ここで図1を参照するに、本発明による実施機構100の実施例が図示される。実施機構100は、タスク管理システムと環境装置との間でオブジェクトの選択に基づいてタスクを実行するための様々なリソースを含む。リソースは、(a)処理部102と、(b)メモリシステム104(本願では「メモリ」とも称する)と、(c)入力部106と、(d)画面108と、(e)通信部110と、(e)オペレーティングシステム(例えばUnix、Linux、WindowNT等)112と、(f)副次的ソフトウエア114と、(g)タスク管理ソフトウエアシステム116とを含む。
【0085】
メモリシステム104は、キャッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、大容量記憶、アーカイブ記憶等のうちの1つ以上を含み、処理部102がメモリ104に対して読み書きを行なうことができるよう処理部102に結合される。入力部106は夫々処理部102に結合され、ユーザは入力部106を通じて例えばタスクに関連づけられるオブジェクト/オブジェクトタイプといった選択を入力する。画面108は処理部102に結合され、オブジェクト/オブジェクトタイプ及びユーザインタフェース等を表示する。通信部110は処理部102に結合され、1つ以上の環境装置との通信(送信、受信、又は両方)を行なう。オペレーティングシステム112は、処理部102に結合され処理部102上で(メモリ104と協働して、望ましくはメモリ104内に常駐して)作動し、上記ソフトウエアは例えば従来のアプリケーションソフトウエアといったソフトウエアを含む。
【0086】
副次的ソフトウエア114は、処理部102に結合され処理部102上で(メモリ104と協働して、望ましくはメモリ104内に常駐して)作動し、上記ソフトウエアは例えば、ユーザを認識すること、実施機構の位置を探索すること、及び周囲環境状態(例えば温度、気圧、光の強度、空気中の化学物質/粒子濃度等)に関するデータを捕捉及び処理すること等のうちの1つ以上のための機能といった以下に説明する実施機構に関する機能を与えるか、向上/拡張する。タスク管理ソフトウエアシステム116は、処理部102に結合され処理部102上で(メモリ104と協働して、望ましくはメモリ104内に常駐して)作動し、状態の追跡を行ない、コンテキストに応じてクラスタ化動作を動的且つ適応的に実行し、本発明によるタスク管理システムをその他の方法で実行するが、これらに限られるものではない。
【0087】
実施機構100は、様々な他のリソースを含みうる。かかる他のリソースは、例えば処理部102に結合される1つ以上の追加的な出力部118、例えばオーディオスピーカ又はプリンタを含む。更に、実施機構100は、他の実施機構及び/又は計算装置又はシステムと協働して作動しうる(即ちかかる機構、装置、及びシステムは、環境装置以外の機構100と対話する)。かかる協働する作動は、図示されない。
【0088】
入力部106は、ユーザ選択が画面108に接触することによってアクティブとされるよう画面108と組み合わされうる(例えばタッチ感応LCD)。或いは、又は追加的に、入力部106は、ポインティングデバイス(例えばマウス又はペン)、ハードボタン、マイクロホン、キーパッド等、又はそれらの組合せを含みうる。図1に示されるように、入力部106は処理部102と結合され、それにより入力、特にオブジェクト/オブジェクトタイプのユーザ選択は、一般的に他のリソースと共に処理部102によって受信され処理される。処理は、それに応じて他のリソースの設定をアクティブ化すること又は変更することを含む様々な機能/動作を含みうる(例えば、画面108上に表示されるオブジェクト/オブジェクトタイプの表現を変更すること、追加的な出力部118をターンオン又はターンオフすること、通信部110を介して情報を通信すること、又はメモリ104に情報を記憶すること)。
【0089】
ここで図2を参照するに、通信部110を介した実施機構100と環境装置202との間の通信のレイアウト200が図示される。一般的に、実施機構100からの通信は、信号204の中に又は信号204として情報をパッケージ化すること及び情報を信号204として環境装置202へ送信することを含む。しかしながら、情報を送信しうる或るクラスの環境装置もまた考慮され、通信部110は一般的にはかかる情報、例えば環境装置から送信される信号204を受信することが可能であるよう実施される。実施機構100と環境装置202との間で通信される情報は、信号、コマンド、データ及び/又は命令、例えばオーディオ/ビデオ/テレフォニー信号、アプレット又は他の実行可能なプログラム、制御コマンド、状態データ、及びその組合せのうちの1つ以上を含みうる。
【0090】
環境装置のクラスは、(1)実施機構100と状態情報を通信しない書込み専用環境装置202a、(2)実施機構100と状態情報を通信する読み書き環境装置202b、(3)実施機構100へ状態情報を送信する読出し専用環境装置202c、及び、(4)実施機構100と(例えば信号、コマンド、データ及び/又はアプレット又はプログラムといった命令といった)情報を通信することが可能とされ、かかる通信は一般的に状態情報を含む、インテリジェントな環境装置202dを含む。
【0091】
ここで図3を参照するに、実施機構100の画面300が図示される。画面300は例としてのユーザインタフェースを表示する。ユーザインタフェースは、本願で上述されるように、オペレーティングシステム及び/又はタスク管理ソフトウエアシステムのクラスタ表現サブシステムによってサポートされる。
【0092】
ユーザインタフェースは、図示されるように、様々な領域へ分割されて構成される。領域は、下方領域302、下方中央領域304、上方中央領域306、及び上方領域308を含む。分割された構成が図示されているが、ユーザインタフェースは本発明の原理を逸脱することなく他の構成とされうる。
【0093】
領域302乃至308は、様々な例としてのオブジェクトタイプを含む。下方領域302は、選択されればタスク管理オブジェクト313のテキストグループ312(又はタスク管理オブジェクト315のアイコングループ314)を表示するアクティブ化オブジェクト310を含むものとして示される。ここでは、各グループ化されたタスク管理オブジェクト313/315は、TV、VCR、DVD、及びCDを含む夫々の環境装置に対応する。これらのタスク管理オブジェクト313/315の夫々は、選択されれば、対応する装置のアクティブ化を行なう。図示されるように、アクティブな環境装置は、アクティブ化オブジェクト310の印によって示されるようにTVである。
【0094】
下方領域302はまた、共通オブジェクト316を含むとして示される。共通オブジェクト316は、選択されれば、任意の数の環境装置と関連づけられうる特定のタスクを実行する。図示されるように、共通オブジェクト316は、共通オブジェクトが選択されれば、様々なタスク管理オブジェクト319を含む仮想キーパッド318が表示されるよう数字キーパッド機能と関連づけられる。これらのタスク管理オブジェクト319が適当な組合せで選択されれば、アクティブな環境装置に関してタスクが実行される。ここでは、アクティブな環境装置はTVであり、従って、タスク管理オブジェクト319を介して数字を入力することはTVチャネルを選択することを意味する。
【0095】
更に、下方領域302は、選択されれば、マクロオブジェクト323のテキスト(又はアイコン)グループ322を表示する閉ナビゲーションオブジェクト320を含むとして示される。ここでは、グループ化されたマクロオブジェクト323の夫々は、印によって示されるように、ムービー再生、CD再生ロマンチック、ディッシュウォッシャー通常マクロを含む夫々のマクロに対応する。これらのマクロオブジェクト323の夫々は、選択されれば、対応するマクロのアクティブ化を実行する。更に、ムービー再生マクロについて示されるように、クラスタ表現サブシステムはマクロビュー324を表示するよう構成されえ、ビューは選択されたマクロのタスクの組を記述する。1つの実施例では、ビュー324は単にアイコン/テキストを含む。ここでは、ムービー再生マクロオブジェクトが選択され、タスクが順次にVCRアクティブ化、TVアクティブ化、及び照明を暗くすることを含むことを示すアイコンが表示される。他の実施例では、クラスタ表現サブシステムはマクロビュー324を表示するよう構成されえ、選択されたマクロのタスクの組はタスク管理オブジェクト324aとして記述される。このような場合、VCR、TV、及び照明のタスク管理オブジェクト324aは、選択されれば、ユーザによって割り当てられたタスク(又はマクロオブジェクトとしてセットアップされていれば複数のタスク)を実行しうる。
【0096】
下方領域302はまた、環境アクティブ化オブジェクト326を含むものとして示される。環境アクティブ化グループは、選択されれば、タスク管理オブジェクト329のアイコン/テキストグループ328を表示し、各タスク管理オブジェクト329は夫々のサポートされる環境に対応する。ここでは、サポートされる環境は、家庭(例えば家アイコン)、寝室(例えばBR)、台所(例えばK)、及び車庫(例えばG)を含む。これらのタスク管理オブジェクト329の夫々は、選択されれば、対応する環境のアクティブ化を実行する。
【0097】
実施例では、環境タスク管理オブジェクト329の選択は、ユーザが選択された環境に物理的に存在しない場合は、かかる環境についての開ナビゲーションオブジェクト329aが表示されることが望ましい。開ナビゲーションオブジェクト329aは、選択された環境を示す適当な印を含むことが望ましい。更に、開ナビゲーションオブジェクト329aは、選択されれば、選択された環境のタスク管理オブジェクト(又は環境の最も高い優先度又は最も関連するクラスタのタスク管理オブジェクト)のうちの比較的多数、又は全てを、また、関連づけられるマクロオブジェクト、アクティブ化オブジェクト、共通オブジェクト、及び/又は閉ナビゲーションオブジェクトの内の任意のもの又は全てを表示することを可能とする。かかる表示は、スクロール、アルファベットによる参照、又は他の方法で、即ち領域302乃至308のうちの全て/殆どを使い尽くすことがないよう、可能とされることが望ましい。
【0098】
図示されるように、環境アクティブ化オブジェクト326は、アクティブな環境を識別することを排除している。しかしながら、かかる識別は本発明の原理を逸脱することなくサポートされうる。
【0099】
上方領域308は、ヘルプオブジェクト330及び閉ナビゲーションオブジェクト332を含む例としてのオブジェクトタイプを含むものとして示される。ヘルプオブジェクト330は、タスク管理システムに関連するツール、例えばマクロ特性にアクセスし使用するためのツールを与える。閉ナビゲーションオブジェクト332は、選択されれば、タスク管理オブジェクト(図示せず)のテキスト(又はアイコン)グループを表示し、かかるオブジェクトは緊急応答ユニット用の夫々の電話番号に対応し、かかる電話番号は自動的にダイアルされる(関連するテープ録音された出発メッセージの再生を含む)。緊急応答ユニットは、典型的には「911」応答、消防署、EMS、医者、家族等を含む。
【0100】
上方領域308はまた、ナビゲーションオブジェクト334及び336とアクティブ化オブジェクト338を含む他の例としてのオブジェクトタイプを含むものとして示される。ナビゲーションオブジェクト334及び336は、夫々、ユーザ選択に応じて、オブジェクトの表示を順方向及び逆方向に遷移するために与えられる。それにより、ナビゲーションオブジェクトは、選択されれば、遷移サブシステムへの入力を与える。
【0101】
アクティブ化オブジェクト338は、選択されれば、夫々のユーザに対応するタスク管理オブジェクト(図示せず)のテキスト/アイコングループを表示する。次に、これらのタスク管理オブジェクトの夫々は、選択されれば、そのアクティブなユーザに関連するクラスタ、表現及びフォーマットのアクティブ化を行なう。
【0102】
図示されるように、アクティブ化オブジェクト338は、アクティブなユーザを識別することを排除している。しかしながら、かかる識別は本発明の原理を逸脱することなくサポートされうる。上方領域308はまた、メニューオブジェクト340を含むものとして示される。メニューオブジェクト340は、選択されれば、選択された第2の画面、例えばTV画面上に、ユーザインタフェース及びオブジェクトタイプの表示を行なう。かかる第2の画面は、一般的に画面300よりも大きく、明るい。タスク管理システムは、一旦メニューオブジェクトが選択されると、第2の画面上のカーソルの表示をサポートすることが望ましく、かかるカーソルは、実施機構によって与えられるキー、ポインティングデバイス、或いはハード又はソフトの他の方法で制御されうる。
【0103】
図3に示されるように、様々なオブジェクトタイプは特有の形状を有する傾向がある。適当な印(テキスト、アイコン等)及び/又は色と共に、各オブジェクトタイプ及び夫々のアプリケーションは区別されうると考えられる。
【0104】
ここで図4を参照するに、画面100は、3つの表現400、402、及び416を遷移させて表示することが示されている。表現400について、オブジェクトタイプは実施機構が最後に使用されたときにアクティブであった表現を(例えば追跡サブシステムのシステム状態追跡を参照することによって)反映する。この場合、最後にアクティブであった環境装置は、アクティブ化オブジェクト310によって示されるようにTVである。
【0105】
ユーザが、アクティブ化オブジェクト310及びそのVCRタスク管理オブジェクト313/315の両方を選択するとすると、VCRはアクティブな環境装置となる。従って、クラスタ表現サブシステムは、遷移サブシステムと共に、アクティブなVCRを反映するよう表示されるオブジェクトタイプを更新する。
【0106】
このように、表現402が表示される。表現402はアクティブなVCRに特定的なマクロオブジェクト(図示せず)を含む閉ナビゲーションオブジェクト406を含む。表現402はまた、アクティブなVCRに特定的なタスク管理オブジェクト(図示せず)を含む環境アクティブ化オブジェクト408を含む。表現402は更に、TVオンタスク管理オブジェクト410と及びVCRオンタスク管理オブジェクト412を含み、両方が下方中央領域304の中に配置され、VCR及びTVの両方のオフ状態に基づくためオブジェクトが表示されている。表現402はまた、タスク管理システムの現在の状態のテキスト通知をテキストメッセージ414として含むことが望ましい。
【0107】
ユーザが、VCRオンタスク管理オブジェクト412を選択すれば、表現416が表示される。表現416はVCR、例えばアクティブな環境装置に関連するタスクに関連づけられる複数のタスク管理オブジェクトを含む。更に特定的には、表現416は、(VCRチューナの)チャネルを選択するための様々なタスク管理オブジェクト421を含む仮想キーパッド420を含む。更に、表現416は、停止、再生、一時停止、イジェクト、記録、早送り、巻き戻し、設定、及びチャネルの両方向の変更を含むVCR機能/動作に関連づけられる複数のタスク管理オブジェクト418を含む。表示されるオブジェクトタイプは、本願に記載されるのとは異なるものでありえ、かかるタイプの表示がタスク管理ソフトウエアシステムの他のサブシステム及び実施機構のリソースと共にクラスタ表現サブシステムによって管理されることが望ましい。
【0108】
当業者は、上述の記載及び実施例が、制限的でなく例として与えられるものであることを認識するであろう。当業者によれば、本発明の本質を説明するために説明され図示された細部、素材、部分の配置及び段階について多くの変更及び変形が可能であり、かかる変更及び変形は請求の範囲に含まれる精神及び範囲を逸脱しないことが認識されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タスクに関連づけられたオブジェクトのユーザ選択に基づき、環境内に含まれる1つ以上の環境装置に該タスクを実行させる実施機構であって、
前記実施機構は、
前記環境装置との通信を可能とする通信部と、前記タスク関連オブジェクトの表示を可能とする表示部と、前記タスク関連オブジェクトのユーザ選択を可能とする入力部とを含むリソースと、
状態追跡サブシステムと、クラスタ形成サブシステムと、クラスタ表現サブシステムと、遷移サブシステムとを含むタスク管理ソフトウエアと、
を含み、
前記状態追跡サブシステムは、環境状態、装置状態、システム状態、及び時間的状態のうちの少なくとも1つに関するデータを収集し、
前記クラスタ形成サブシステムは選択されるオブジェクトを含むクラスタを前記データが示す状態に応じて形成し、
前記クラスタ表現サブシステムはアクティブなクラスタのタスク関連オブジェクトのフォーマット化及び表現を前記データが示す前記状態に応じてサポートし、
上記遷移サブシステムは、クラスタのアクティブ状態に応じて、クラスタ間の遷移をサポートし、
前記タスク管理ソフトウエアは、タスク関連オブジェクトのクラスタを前記表示部を介してまた前記データが示す前記状態に応じて表示し、前記入力部を介して受信された、タスク関連オブジェクトのユーザ選択に応答して、該タスク関連オブジェクトに関連付けられた環境装置に、該タスク関連オブジェクトに関連するタスクに対応する信号を、前記通信部を介して送信するよう、前記リソースと協働する、
実施機構。
【請求項2】
前記タスク管理ソフトウエアは、環境装置の発見をサポートするオブジェクト発見サブシステムを更に含む、請求項1記載の実施機構。
【請求項3】
(a)ユーザの認識及び認証、(b)周囲環境状態に関するデータの捕捉及び処理、(c)その環境における実施機構の物理的位置の決定に関するデータの捕捉及び処理、のうちの少なくとも1つを可能とする副次的なソフトウエアを更に含む、請求項1記載の実施機構。
【請求項4】
前記タスク管理ソフトウエアは、前記タスク管理ソフトウエア及びそのサブシステムの1つ以上の機能及び動作を、1つ以上の第1の実施機構、追加的な実施機構、1つ以上の環境装置、1つ以上の他の外部計算装置、他のコンピュータシステム、及びネットワークリソース間で分配する分配部を含む、請求項1記載の実施機構。
【請求項5】
前記リソース及び前記タスク管理ソフトウェアは、当該実施機構が1つ以上の環境装置をエミュレートすることを可能とするよう協働する、請求項1記載の実施機構。
【請求項6】
タスク関連オブジェクトは、選択されれば、1つ以上の環境装置の状態を変化させることが可能とされるマクロオブジェクトを含む、請求項1記載の実施機構。
【請求項7】
1つ以上の環境装置によって順次あるいは並列に実行されるべき一組のタスクを発生させるマクロオブジェクトが、ユーザによって定義されるか、又は、ユーザの使用パターンに基づいてシステムによって形成される、請求項1記載の実施機構。
【請求項8】
タスクに関連づけられたオブジェクトのユーザ選択に基づき、環境内に含まれる1つ以上の環境装置に該タスクを実行させる実施機構で実施される方法であって、
前記実施機構は、
処理部と、前記環境装置との通信を可能とする通信部と、前記オブジェクトの表示を可能とする表示部と、前記オブジェクトのユーザ選択を可能とする入力部とを含むリソースと、
状態追跡サブシステムと、クラスタ形成サブシステムと、クラスタ表現サブシステムと、遷移サブシステムとして前記処理部を機能させるタスク管理ソフトウエアと、
を含み、
当該方法は、
前記状態追跡サブシステムが、環境状態、装置状態、システム状態、及び時間的状態のうちの少なくとも1つに関するデータを収集する段階と、
前記クラスタ形成サブシステムが、複数の選択可能なオブジェクトを含むクラスタを、前記データが示す状態に応じて形成する段階と、
前記クラスタ表現サブシステムが、前記データが示す前記状態に応じて、アクティブなクラスタのオブジェクトをフォーマットし、前記表示部を介して表示する段階と、
上記遷移サブシステムが、クラスタのアクティブ状態に応じて、クラスタ間の遷移をサポートする段階と、
前記入力部を介して、オブジェクトのユーザ選択を受信する段階と、
前記ユーザ選択に応答して、前記通信部を介して、選択されたオブジェクトに関連付けられた環境装置に、該選択されたオブジェクトに関連するタスクに対応する信号を送信する段階と、
を有する、方法。
【請求項9】
環境装置から情報を受信し、それに基づいて実施機構の物理的な位置を決定し、決定された物理的な位置に基づいてオブジェクトの表現を更新する、請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−259482(P2011−259482A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171336(P2011−171336)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【分割の表示】特願2000−590032(P2000−590032)の分割
【原出願日】平成11年12月9日(1999.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.Linux
3.WINDOWS
【出願人】(511090431)アドレア エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】