説明

システム排気を使用して冷却するためのシステム及び方法

【課題】複数の流体流(14)と装置(12)を含めた複数の構成要素(16)とを含むシステム(10、40)の作動方法を提供する。
【解決手段】本方法は、装置(12)から吐出された排気流(18)から冷却流体(22)を分離するステップと、複数の流体流(14)の少なくとも1つ、複数の構成要素(16)の少なくとも1つ、又はその両方から冷却流体(22)に熱を伝達するステップとを含む。複数の流体流(14)と、排気流(18)を吐出するための排気口を有する装置(12)を含めた複数の構成要素(16)と、排気流(18)から冷却流体(22)を分離するためのセパレータ(20)と、熱交換機(32)とを含むシステム(10)を提供する。熱交換機(32)は、複数の流体流(14)の少なくとも1つ、複数の構成要素(16)の少なくとも1つ、又はその両方から冷却流体(22)に熱を伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはシステム排気による冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途において、その用途の主目的に合った使途を持たない副生成物又は生成廃棄流が生成される可能性がある。例えば、幾つかの用途では、二酸化炭素のような温室効果ガスの排出が、大きな関心事となる可能性がある。従って、温室効果ガスを低減及び/又は隔離するための様々な方法が提案されてきた。例えば、捕捉二酸化炭素の食品用途のための使用(例えば、液体二酸化炭素つまり「ドライアイス」)、天然資源抽出及びその他の使途が、概念設計として提案されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、副生成物及び/又は廃棄流を使用する方法の改善に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複数の流体流と装置を含めて複数の構成要素とを含むシステムの作動方法を提供する。本方法は、装置から吐出された排気流から冷却流体を分離するステップと、複数の流体流の少なくとも1つ、複数の構成要素の少なくとも1つ、又はその両方から冷却流体に熱を伝達するステップとを含む。
【0005】
本発明はまた、複数の流体流と、排気流を吐出するための排気口を有する装置を含めた複数の構成要素と、排気流から冷却流体を分離するためのセパレータと、熱交換機とを含むシステムを提供する。熱交換機は、複数の流体流の少なくとも1つ、複数の構成要素の少なくとも1つ、又はその両方から冷却流体に熱を伝達する。
【0006】
本発明はまた、複数の流体流と、排気流を吐出するための排気口を有する装置を含めた複数の構成要素と、排気流から冷却流体を分離するためのセパレータと、少なくとも1つの流体流入口とを含むシステムを提供する。少なくとも1つの流体流入口は、複数の流体流の少なくとも1つ、複数の構成要素の少なくとも1つ、又はその両方に冷却流体を加えるためのである。
【0007】
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態により製作したガスタービンシステム10の概略図。
【図2】本発明の実施形態により製作した別のガスタービンシステム40の概略図。
【図3】本発明の実施形態により製作したさらに別のガスタービンシステム50の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記に要約したように、本発明は、複数の流体流と複数の構成要素とを含む方法及びシステムを含む。本方法の実施形態及び本システムの実施形態について、以下に説明しかつ図1〜図3に示している。図1〜図3は、ガスタービンシステムについての実施形態に関して図示しかつ説明しているが、本発明の別の実施形態により、複数の流体流及び複数の構成要素を有し、システム排気口を有しかつ冷却流体で冷却することができるあらゆるシステム(例えば、その他のタービンシステム、GE H系タービンシステム、ターボ機械システム、電気機械システム)を同様に使用することができまた製作することができることを理解されたい。
【0010】
図1は、本発明の実施形態を示しており、この実施形態は、装置12を含めてガスタービンシステム10である。本ガスタービンシステム10はまた、複数の流体流14と装置12以外の複数のその他の構成要素16とを含む。この図1の実施形態では、装置12は、ガスタービンであり、かつ流体流14と複数の構成要素16とを含む。他の実施形態では、装置12は、それに限定されないが、その他のタービン、ターボ機械、電気機械などとすることができる。図1では、ガスタービン12は、排気流18を吐出する排気口を有する。
【0011】
別の実施形態では、他の流体流14は、それに限定されないが、吸入空気流、燃料流などを含むことができる。幾つかの実施形態では、構成要素16は、それに限定されないが、タービンバケット、ロータ、ステータ、タービン翼形部、タービンノズル、熱交換器、空気圧縮機、バーナ、燃焼器、出力シャフトなどを含むことができる。
【0012】
排気流18は、該排気流から冷却流体22を分離するためのセパレータ20に導かれる。一部の実施形態では、セパレータ20は、それに限定されないが、冷却流体吸着/脱着装置、凝縮器、冷却器などとすることができる。この図1の実施形態では、冷却流体22は二酸化炭素である。ただし、他の実施形態では、冷却流体22は、液体水又は水蒸気、空気或いは水素のような他の気体又は液体を含むことができることを理解されたい。
【0013】
二酸化炭素22の温度、圧力、及び/又は相は次に、冷却流体変性装置30内で変更又は調整される。この図1の実施形態では、冷却流体変性装置30は、圧縮機である。しかしながら、他の実施形態では、あらゆる冷却流体変性装置30を使用して、冷却流体22の温度、圧力、及び/又は相を変更する(変化させる)ことができる。この特定の実施形態では、二酸化炭素22は、排気圧力から一層高い第2の圧力に加圧される。1つの実施形態では、第2の圧力は、2000psiaとすることができる。他の実施形態では、二酸化炭素22は、第1の圧力から、特定のシステム内で冷却流体として使用するのに適したあらゆる適切な圧力に加圧することができることを当業者には理解されたい。
【0014】
別の実施形態では、冷却流体22は、その低下した温度及び/又は圧力を有することができる。特定の実施形態では、冷却流体22の相は、気体から液体又は固体に変化させる(変更する)ことができる。他の実施形態では、冷却流体22は、流体流14又は構成要素16の最適な冷却を可能にするように変性(性状変更)させたその温度、圧力、及び/又は相を有することができる。しかしながら、当業者は、流体流14又は構成要素16を冷却するように冷却流体22の適切な温度、圧力、及び/又は相(例えば、流体流又は構成要素よりも低い温度では熱が冷却流体22に伝達される)を選択することができることになることを理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、二酸化炭素22は、流入供給空気からガスタービン12の吸気装置に熱を伝達して該空気の密度及び関連する質量流量を増大させ、それによってガスタービン12の出力を高めるように使用することができる。
【0015】
図1では、二酸化炭素22は、圧縮機30から、ガスタービン12の構成要素16と熱的導通状態になった熱交換器24内に供給される。具体的には、熱交換器24は、二酸化炭素22が構成要素16を通って流れて、該構成要素からの熱が二酸化炭素22に伝達され、それによって該構成要素の温度を低下させるようになる。別の実施形態では、熱交換器24は、並流熱交換器、向流熱交換器、相変化熱交換器、管形熱交換器、平板熱交換器、再生熱交換器、断熱ホイール熱交換器、流体熱交換器、ダイナミックスクレープドサーフェス熱交換器などのようなあらゆるタイプの熱交換器を含むことができる。別の実施形態では、空気などような一般的に用いられている冷却媒体の代わりに、冷却流体22を使用することができる。
【0016】
図1に示すように、二酸化炭素22の一部分は、貯蔵容器28内に貯蔵することができる。別の実施形態では、冷却流体22は、該冷却流体の貯蔵に適した当技術分野で公知のあらゆる容器内に貯蔵することができる。別の実施形態では、貯蔵容器28は存在しないようにすることができ、冷却流体22が、他の過程又は用途で使用され或いは消費されるようにすることができる。一部の実施形態では、本ガスタービンシステム10は、二酸化炭素22又はあらゆるその他の冷却流体の一部分を外部環境26から隔離するようにすることができる。従って、そのような実施形態では、二酸化炭素22を閉回路冷却通路内で使用して、該炭素のほぼ全てを外部環境26から隔離することができるようにすることができる。
【0017】
本ガスタービンシステム10はさらに、例えば二酸化炭素22を使用するなどして燃料流を冷却又は加熱するか或いは蒸気発生するように構成された熱交換器32のようなその他の構成要素16を含む。熱交換器32を通って流れた後に、二酸化炭素22は、再び圧縮機30内で加圧されて、貯蔵容器28内に貯蔵される。
【0018】
図2は、本発明の実施形態によるガスタービンシステム40の別の実施形態を示している。図1及び図2における同様の要素には、同じ符号を付している。本ガスタービンシステム40は、流体流14に二酸化炭素22を加えて該流体流を冷却するための流体流入口34を含む。別の実施形態では、冷却流体22は、該冷却流体が本システム40の作動において流体流14と混合するのに適している限り、該システム40内のあらゆる流体流14に対するものとしてその流体流を冷却することができることを理解されたい。
【0019】
図3は、本発明の実施形態によるガスタービンシステム50のさらに別の実施形態を示している。図1及び図3における同様の要素には、同じ符号を付している。本ガスタービンシステム50は、付加的圧縮機36及び38である付加的構成要素16を含む。圧縮機36を使用して冷却流体22をさらに加圧して貯蔵容器28内に貯蔵するようにすることができる。圧縮機38を使用して冷却流体22を再加圧して、構成要素16からそれに熱伝達されなかった冷却流体と、構成要素16と熱的導通状態になった熱交換器24及び熱交換器32から還流した冷却流体との間のあらゆる圧力差を補償することができる。
【0020】
本発明はまた、複数の流体流と装置を含めて複数の構成要素とを含むシステムの作動方法を提供する。本方法は、装置から吐出された排気流から冷却流体を分離するステップと、複数の流体流の少なくとも1つ、複数の構成要素の少なくとも1つ、又はその両方から冷却流体に熱を伝達するステップとを含む。一部の実施形態によると、本システム、流体流、構成要素、装置、冷却流体、及び排気流は、上記に説明した本システム、流体流、構成要素、装置、冷却流体、及び排気流と同様にすることができる。
【0021】
幾つかの実施形態によると、本方法はさらに、冷却流体の少なくとも一部分をシステムの外部の環境から隔離するステップを含むことができる。他の実施形態によると、本方法はさらに、冷却流体を貯蔵するステップを含むことができる。
【0022】
一部の実施形態によると、本方法はさらに、熱を伝達するステップの前に、冷却流体の温度、圧力、相、又はそれらの組合せを変更するステップを含む。特定の実施形態では、変更するステップは、冷却流体の温度、圧力、又はその両方を変更するステップを含む。さらに他の実施形態では、熱を伝達するステップは、複数の流体流の少なくとも1つに冷却流体を加えるステップを含む。幾つかの実施形態では、熱を伝達するステップは、複数の流体流の少なくとも1つ、複数の構成要素の少なくとも1つ、又はその両方と熱的導通状態になった熱交換器24内に冷却流体を流すステップを含む。
【0023】
装置がガスタービンを含みまた冷却流体が二酸化炭素を含む特定の実施形態では、本方法はさらに、二酸化炭素の温度を第1の温度から第2の温度に低下させるステップを含む。他の実施形態では、冷却流体は、その温度を、特定のシステムにおいて冷却流体として使用するのに適したあらゆる温度に低下させることができることを、当業者には理解されたい。
【0024】
論理に縛られることなく、本発明の方法及びシステムの実施形態は、ガスタービンシステムのような本システムの流体流及び構成要素を冷却してその作動を最適化すると思われる。ガスタービンシステムのような一部の実施形態では、それを貯蔵するか又はそうではなく廃棄する前に二酸化炭素を冷却流体として使用し、それによって二酸化炭素の特性を活用した後にそれを貯蔵し、本システムの活用資源を最大化し、かつ
二酸化炭素の隔離により生じる効率への悪影響を相殺するように装置の作動を高めることができる。
【0025】
上記の説明は本出願の好ましい実施形態のみに関するものであること、また本明細書では、特許請求の範囲及びその均等物によって定まる本発明の一般的技術思想及び技術的範囲から逸脱せずに、当業者は多くの変更及び改良を加えることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0026】
10 ガスタービンシステム
12 装置
14 流体流
16 構成要素
18 排気流
20 セパレータ
22 冷却流体
24 熱交換器
26 外部環境
28 貯蔵容器
30 圧縮機
32 熱交換器
34 流体流入口
36 圧縮機
38 圧縮機
40 ガスタービンシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体流(14)と装置(12)を含めて複数の構成要素(16)とを含むシステム(10、40)の作動方法であって、
前記装置(12)から吐出された排気流(18)から冷却流体(22)を分離するステップと、
前記複数の流体流(14)の少なくとも1つ、前記複数の構成要素(16)の少なくとも1つ、又はその両方から前記冷却流体(22)に熱を伝達するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記装置(12)がタービンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記冷却流体(22)の少なくとも一部分を前記システムの外部の環境(26)から隔離するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記熱を伝達するステップの前に、前記冷却流体(22)の温度、圧力、相又はそれらの組合せを変更するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記熱を伝達するステップが、前記複数の流体流(14)の少なくとも1つに前記冷却流体(22)を加えるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
複数の流体流(14)と、
排気流(18)を吐出するための排気口を有する装置(12)を含めた複数の構成要素(16)と、
前記排気流(18)から冷却流体(22)を分離するためのセパレータ(20)と、
前記複数の流体流(14)の少なくとも1つ、前記複数の構成要素(16)の少なくとも1つ、又はその両方から前記冷却流体(22)に熱を伝達するための熱交換機(24)と
を含むシステム(10)。
【請求項7】
前記装置(12)がタービンを含む、請求項6記載のシステム(10)。
【請求項8】
該システム(10)が、前記冷却流体(22)の少なくとも一部分を該システムの外部の環境(26)から隔離するように構成されている、請求項6記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記冷却流体(22)の温度、圧力、相又はそれらの組合せを変更するための冷却流体(22)変性装置をさらに含む、請求項6記載のシステム(10)。
【請求項10】
複数の流体流(14)と、
排気流(18)を吐出するための排気口を有する装置(12)を含めた複数の構成要素(16)と、
前記排気流(18)から冷却流体(22)を分離するためのセパレータ(20)と、
前記複数の流体流(14)の少なくとも1つに前記冷却流体(22)を加えるための少なくとも1つの流体流入口(34)と
を含むシステム(40)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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