説明

シナリオ編集装置およびシナリオ編集方法、サーバ装置、およびプログラム

【課題】 より迅速に各種のシミュレータに適用できるシナリオを効率よく作成できる。
【解決手段】 CPU1は、HDD9に記憶された図形データを用いてシナリオに対応するフローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とをディスプレイ2に表示する。そして、CPU1は、図形データ編集部100を実行して、ディスプレイ2に表示されたシナリオ図形編集領域に配置された複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する。そして、CPU1は、アドオン処理部200を実行して、作成したシナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブル202を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話などの無線通信用端末の試験を行うための通信基地局試験シミュレータのためのテストシナリオを作成するためのシナリオ編集装置およびシナリオ編集方法、サーバ装置、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、携帯電話用擬似基地局試験シミュレータがある。この携帯電話用擬似基地局試験シミュレータを動作させるソフトウェアは、GSM(Global System for Mobile Communications)(登録商標)やCDMA(Code Division Multiple Access)など携帯電話用通信方式規格ごと、携帯電話用擬似基地局試験シミュレータの種類ごとにそれぞれ作成される。
【0003】
なお、携帯電話用擬似基地局試験シミュレータを動作させるソフトウエアは、シナリオ(試験処理を行うプログラム)と呼ばれる一群のモジュールとして構成されていた。
【0004】
この種のシミュレータとして、下記特許文献1が既に公開されており、通信ソフトウエアの複数の異なる通信プロトコルの動作確認試験を行うため、複数のプロトコルの各々の通信形式を予め保持することで、動作確認試験専用の通信ソフトウエアを、試験者が通信プロトコルの数だけ作成する必要がなくなることが記載されている。
【0005】
そして、このような特許文献1の課題を解決する技術として、出願人は、下記特許文献2を出願して登録された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−65762号公報
【特許文献2】特開2006−211638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、シナリオ作成ソフトウエアは、そのシナリオを動作させる擬似基地局シミュレータ機器のメーカや型番といった個別の仕様に合わせて作成されている。
【0008】
このようにシナリオ作成ソフトウエアは、作成するシナリオの機種依存性が強いため、また、表示部とシナリオ出力部との結合度が高いソフトウエアのため、ソフトウエア開発に相当の時間を要する。したがって、シナリオ適用機種を拡大するためには、常にソフトウエア全体を最初から構築する必要があり、開発効率が非常に悪いという課題があった。
【0009】
また、提供するソフトウエアは、各々のメーカでシナリオのフォーマットが決定されているため、シナリオのフォーマットに独自性が高く、その変更が困難であるため、メーカのニーズに沿わず、製品化に至らないケースもあった。
【0010】
さらに、特許文献2の図4に示すように、シナリオ作成の際には、ディスプレイ上で「シナリオ構成片」と称するプログラムの塊を表したアイコンをシナリオに加えることによってシナリオの作成を行っている。
【0011】
この場合、一度に1つのシナリオしか作成できず、条件分岐や繰り返しを含むような場合、何度もシナリオを作成しなければならないという課題も指摘されていた。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、シナリオ作成ソフトウエアを、表示部と出力部に完全に分離した構成とし、出力部をアドオンとして提供する構成とすることにより、他社、他機種への適用が必要になった場合でも、出力部のみ専用に開発して、表示部に関しては既存のソフトウエアを継続使用することで、より迅速に各種のシミュレータに適用できるシナリオを効率よく作成できる仕組みを提供することである。
【0013】
また、シナリオの基となるイベントフローチャートから、異なるシステムを対象としたシナリオを作成する機能を設けることにより、ユーザのシナリオ生産性を飛躍的に向上できる仕組みを提供することである。
【0014】
さらに、本発明の目的は、条件分岐や繰り返しを含むシナリオを自在に作成できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明のシナリオ編集装置は以下に示す構成を備える。
【0016】
試験処理を行う単一または複数のシミュレータに対応するシナリオを作成するシナリオ編集装置であって、シナリオを構成するフローチャートを作成するための図形データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された図形データを用いて前記フローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とを表示手段に表示する表示制御手段と、前記表示手段に表示されたシナリオ図形編集領域に配置された単一または複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する作成手段と、前記作成手段が作成した前記シナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブルを作成する単一または複数のアドオン処理手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記作成手段が作成した前記シナリオチャートをいずれかのアドオン処理手段に振り分けて出力する振り分け手段を備えることを特徴とする。
【0018】
さらに、各アドオン処理手段は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力することを特徴とする。
【0019】
また、各アドオン処理手段は、対応するシミュレータの仕様変更に従い作成するシナリオ構造保持テーブルを変更可能とする。
【0020】
さらに、各アドオン処理手段は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーチェックを実行することを特徴とする。
【0021】
また、各アドオン処理手段は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーが発生した旨をあらかじめ登録された通知先に通知することを特徴とする。
【0022】
本発明に係るサーバ装置は、以下の特徴的構成を備える。
【0023】
シナリオ編集装置と通信可能なサーバ装置であって、前記シナリオ編集装置から通知されるシナリオ作成エラー情報と、あらかじめ記憶されたエラー対処情報とを比較してエラーを回復するための障害対処情報を前記シナリオ装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明に係るシナリオ編集装置のシナリオ編集方法は、以下の特徴的構成を備える。
【0025】
シナリオを構成するフローチャートを作成するための図形データを記憶する記憶手段を備え、試験処理を行う単一または複数のシミュレータに対応するシナリオを作成するシナリオ編集装置のシナリオ編集方法であって、前記記憶手段に記憶された図形データを用いて前記フローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とを表示手段に表示する表示制御工程と、前記表示手段に表示されたシナリオ図形編集領域に配置された単一または複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する作成工程と、前記作成工程が作成した前記シナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブルを作成する単一または複数のアドオン処理工程とを備えることを特徴とする。
【0026】
また、前記作成工程が作成した前記シナリオチャートをいずれかのアドオン処理工程に振り分けて出力する振り分け工程を備えることを特徴とする。
【0027】
さらに、各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力することを特徴とする。
【0028】
各アドオン処理工程は、対応するシミュレータの仕様変更に従い作成するシナリオ構造保持テーブルを変更可能とする。
【0029】
さらに、各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーチェックを実行することを特徴とする。
【0030】
また、各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーが発生した旨をあらかじめ登録された通知先に通知することを特徴とする。
【0031】
本発明に係るプログラムは、以下の特徴的構成を備える。
【0032】
シナリオを構成するフローチャートを作成するための図形データを記憶する記憶手段を備え、試験処理を行う単一または複数のシミュレータに対応するシナリオを作成するシナリオ編集装置に、前記記憶手段に記憶された図形データを用いて前記フローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とを表示手段に表示する表示制御工程と、前記表示手段に表示された図形編集領域に配置された単一または複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する作成工程と、前記作成工程が作成した前記シナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブルを作成する単一または複数のアドオン処理工程とを実行させることを特徴とする。
【0033】
さらに、前記シナリオ装置に、前記作成工程が作成した前記シナリオチャートをいずれかのアドオン処理工程に振り分けて出力する振り分け工程を実行させることを特徴とする。
【0034】
また、各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力することを特徴とする。
【0035】
さらに、各アドオン処理工程は、対応するシミュレータの仕様変更に従い作成するシナリオ構造保持テーブルを変更可能とすることを特徴とする。
【0036】
また、各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーチェックを実行することを特徴とする。
【0037】
さらに、各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーが発生した旨をあらかじめ登録された通知先に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、より迅速に各種のシミュレータに適用できるシナリオを効率よく作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態を示すシナリオ編集装置の構成を説明するブロック図である。
【図2A】図1に示した表示部によって表示内容が処理されディスプレイに表示されるシナリオ編集画面の一例を示す図である。
【図2B】図1に示した表示部によって表示内容が処理されディスプレイに表示されるシナリオ編集画面の一例を示す図である。
【図2C】図1に示した表示部によって表示内容が処理されディスプレイに表示されるシナリオ編集画面の一例を示す図である。
【図2D】図1に示した表示部によって表示内容が処理されディスプレイに表示されるシナリオ編集画面の一例を示す図である。
【図2E】図1に示した表示部によって表示内容が処理されディスプレイに表示されるシナリオ編集画面の一例を示す図である。
【図3】シナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】シナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】シナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】シナリオ構造保持テーブルの一例を示す図である。
【図7】アイテム状態保持テーブルの一例を示す図である。
【図8】図形データに基づく解析図形の一例を示す図である。
【図9】シナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】シナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態を示すシナリオ編集装置におけるエラー判定処理例を示す図である。
【図12】本実施形態を示すシナリオ編集装置におけるエラー判定処理例を示す図である。
【図13】本実施形態を示すシナリオ編集装置におけるエラー判定処理例を示す図である。
【図14】本実施形態を示すシナリオ編集装置におけるエラー判定処理例を示す図である。
【図15】本実施形態を示すシナリオ編集装置を含むデータ処理システムの一例を示すブロック図である。
【図16】シナリオ編集装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔第1実施形態〕
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
図1は、本実施形態を示すシナリオ編集装置の構成を説明するブロック図である。本例は、パーソナルコンピュータでシナリオ編集装置を構築する場合を示す。
【0042】
図1において、1はCPUで、システムバスに接続される各デバイスをROM7、HDD9に記憶される各種の制御プログラムをRAM8にロードして実行することで各種のデータ処理を実現する。3は表示I/Oで、ディスプレイ2と接続され、後述するGUIで構成される画面情報をディスプレイ2に出力する。
【0043】
4は入出力I/Oで、キーボード6、ポインティングデバイス5と接続されている。RAM8には、ソフトウエアである図形データ編集部(実行可能形式)100とアドオン処理部(ダイナミックリンクライブラリ形式)200とがHDD9から読み出され、実行可能なように記憶される。
【0044】
また、図形データ編集部100は、表示部101とアドオン制御部102とから構成されている。アドオン処理部200−1〜200−3は、図形解析部201−1〜201−3とシナリオ出力部203−1〜203−3とから構成されており、各々のシミュレータ向けに対応して設けられる。
【0045】
図形データ編集部100内の表示部101は、ディスプレイ2に表示する図形等を作成するプログラムである。また、アドオン制御部102は、各シミュレータ向けに作成されるシナリオの元になる図形データ103を、各シミュレータ301−1〜300−3に対応するアドオン処理部200−1〜200−3に受け渡す機能を有するプログラムである。本例は、アドオン処理部200−1〜200−3が3つの場合を示すが、その数は3つに限定されるものではない。
【0046】
アドオン処理部200−1〜200−3内の図形解析部201−1〜201−3は、アドオン制御部102から振り分けて引き渡される図形データ103を受け取り、それを後述する方法で解析し、シナリオ構造保持テーブル202−1〜202−3に変換するプログラムである。
【0047】
また、シナリオ出力部203−1〜203−3は、シナリオ構造保持テーブル202−1〜202−3の内容から、各携帯電話用擬似基地局試験シミュレータで試験を行う各シミュレータ300−1〜300−3の仕様等の属性に合わせたシナリオ204−1〜204−3を出力する機能を有するプログラムである。
【0048】
なお、アドオン処理部200−1〜200−3内の図形解析部201−1〜201−3は、シミュレータの属性に従って作成されており、また、シミュレータの仕様変更に応じてソフトウエアの構成を変更可能に構成されている。つまり、図形データ編集部100とアドオン処理部200−1〜200−3とを分離することで、図形データ編集部100を各アドオン処理部200−1〜200−3に対して共有する構成となり、多種、多様、あるいは仕様変更されるシミュレータに対して適応するシナリオを効率よく作成可能に構成されている。
【0049】
図2A〜図2Eは、図1に示した表示部101によって表示内容が処理されディスプレイ2に表示されるシナリオ編集画面の一例を示す図である。なお、図2Aは、シナリオ編集画面の初期状態の表示に対応し、図2Bは、CPU1によるアイテムの追加処理のための表示制御例に対応し、図2Cは、CPU1によるアイテムの接続処理ための表示制御例に対応し、図2DはCPU1による処理の分岐処理のための表示制御例に対応し、図2Eは、CPU1による処理の繰り返し処理のための表示制御例に対応する。
【0050】
これらの図において、ディスプレイ2に表示される内容は、Windows(登録商標)などのOSによりGUI(Grafical User Interface)形式で表示されるものである。図2A〜図2Eの例では、ディスプレイの一部にウィンドウ2000が表示され、その左側にアイテム選択部2001が表示されるとともに、右側には図形表示部2002が表示される。
【0051】
図形アイテムの一覧として機能するアイテム選択部2001には、テストシナリオを作成するプログラムを機能ごとに分割させた各シナリオ構成片を表すアイテム群がアイコンとして、ユーザにより選択可能に表示される。これらの表示制御は、CPU1により実行され、各アイコン等は図示されるようにレイアウト表示される。
【0052】
また、シナリオチャートを作成するための図形編集領域として機能する図形表示部2002には、ユーザが操作するポインティングデバイス5によりアイテム群から選択された複数のアイテムがドラッグアンドドロップなどの方法によって、所望の位置・順序に配置されることが可能になっている。そして、複数のアイテムがユーザの所望の位置・順序に配置されることにより、CPU1が後述するフローチャートに従う処理を実行することにより、所望のシナリオを構成するイベントフローチャートが作成される。
【0053】
次に、ユーザが所望のシミュレータ向けテストシナリオを作成する手順を図3を用いて説明する。
【0054】
ユーザがコンピュータ内の図形データ編集部100の処理を開始するためにアプリケーションをメニュー等から選択する。すると、CPU1は、表示部101によって作成されたウィンドウ2000がディスプレイ2に表示される。
【0055】
図3は、本実施形態を示すシナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、ユーザがディスプレイ2上のウィンドウ2000で所望のシミュレータ向けテストシナリオを作成する際の手順に対応する。なお、各ステップは、CPU1がRAM8にロードする各種の制御プログラムを実行することで実現される。
【0056】
ユーザが所望のシミュレータ向けテストシナリオを作成する際には、まず、CPU1は、ディスプレイ2に表示される画面上でアイテム読み込み操作を行う(S1)。これは、各シミュレータ向けの複数のアイテムが、各シミュレータに対応するアドオン処理部200−1〜200−3からアドオン制御部102を介して表示部101に読み込まれる処理である。ここで、アイテムは、各シミュレータ300−1〜300−3の仕様に合わせて作成された、単一または複数の機能を有するプログラムの集合体であって、図2A〜図2Eに示すように画面上では、一つのアイテムが図形として視覚的に表示される。
【0057】
次いで、ディスプレイ2の表示画面で、ユーザの操作からポインティングデバイス5やキーボード6等の入力機器によりウインドウ2000に対してクリックや選択等がなされたかをCPU1が判定する(S2)。ここで、CPU1がユーザの操作によりウインドウ2000に対してクリックや選択等がなされたと判定した場合は、図2Aに示したアイテム選択部2001でアイテム(アイコン表示されるシンボル)がユーザの操作によりクリックや選択等がなされたかを判定する(S3)。ここで、ユーザによりクリックや選択等なされたアイテムが後述するコネクタ以外であるとCPU1が判定した場合には、図形データ103として当該アイテムのデータをRAM8上に記憶するとともに、CPU1がアイテムを図2Bの(B)に示すように図形表示部2002上に選択されたアイテムを表示して(S8)、S2へ戻る。
【0058】
一方、S3において、ユーザによりクリックされたアイテムがコネクタであるとCPU1が判定した場合、クリックされた位置が既に図形表示部2002上に配置されたアイテム上であるかをCPU1が判定する(S4)。ここで、図形表示部2002上に配置されたアイテムであるとCPU1が判定した場合は、さらに、CPU1は図形表示部2002上に配置された他のアイテム上に対してクリックや選択等がユーザによりなされているかを判定する(S5)。ここで、図2Cの(C)に示すように他のアイテムにクリックや選択等がなされたとCPU1が判定した場合、当該二個のアイテム同士が接続された情報を図形データ103として記憶するとともに、CPU1は、これら二個のアイテムを接続するためのコネクタを図2Cの(D)に示すように図形表示部2002上に表示して(S6)、S2へ戻る。
【0059】
一方、S5で図形表示部2002上で配置された他のアイテムにクリックや選択等がなされていないとCPU1が判定した場合、接続が行われたことを示す情報をRAM8に記憶するとともに、CPU1は表示部101を実行して、ディスプレイ2に表示されるアイテムにコネクタが接続するように図形表示部2002上に表示して(S7)、S2へ戻る。
【0060】
そして、上記のS2〜S8を繰り返すことにより、図形表示部2002上でアイテムがコネクタによって接続され、ユーザはディスプレイ2に対してグラフィカルに操作を実行するだけで所望のテストシナリオを作成することができる。
【0061】
そして、作成されたテストシナリオは図形データ103としてRAM8上に保持されており、ユーザによるテストシナリオの作成が終了すると、CPU1はその図形データ103をアドオン制御部102に引き渡す。
【0062】
次に、アドオン制御部102は、受け渡された図形データ103を、対象のシミュレータ向けのアドオン処理部200に振り分けて送信する。
【0063】
図4は、本実施形態を示すシナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、ユーザがディスプレイ2の表示画面上で所望のシミュレータ向けテストシナリオを作成する際の手順に対応する。なお、各ステップは、CPU1がRAM8にロードする各種の制御プログラム(アドオン制御部102)を実行することで実現される。
【0064】
まず、S11で、CPU1がアドオン制御部102を起動して、登録されているシミュレータの種類全てのAddOn情報を各シミュレータ300−1〜300−3に対応するアドオン処理部200−1〜200−3より収集する(S12)。そして、CPU1が実行するアドオン処理部200−1〜200−3は、図形データ編集部100からの図形データ103の受信待ちになる。
【0065】
CPU1が、アドオン制御部102で表示部101から図形データ103を受信すると(S13)、CPU1は、ユーザ所望のテストシナリオ向けシミュレータに該当するアドオン処理部200−1〜200−3を選択し(S14)、CPU1は、図形データ103を選択したいずれかのアドオン処理部200−1〜200−3に振り分けて送信し(S15〜S17)、本処理を終了する。
【0066】
次に、アドオン処理部200−1〜200−3での処理について説明する。
【0067】
アドオン処理部200−1〜200−3内の図形解析部201−1〜201−3に図形データ103が受信され、その図形データ103について後述の解析が行われる。
【0068】
図5は、本実施形態を示すシナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、図形解析部201−1〜201−3で行われる処理に対応する。なお、各ステップは、CPU1がRAM8にロードする各種の制御プログラム(図形解析部201−1〜201−3)を実行することで実現される。以下、図6,図7、図8を参照しながら、本処理を説明する。本例は、Aシミュレータ300−1向けのシナリオ204−1を作成するとともに図8に示す図形データを解析する例とする。本例は、図8の(A)に示すように2つのフローから図形データが構成される例である。なお、図8の(A)に示すようにアイテムには、番号が付与されている。
【0069】
まず、CPU1が図形解析部201−1を実行してアドオン制御部102から図形データ103を受信すると(S31)、図形解析部201−1において図形データ内部の様式等をチェックし(S32)、CPU1は解析可能か判断する(S33)。ここで、CPU1が受信した図形データ103を解析可能であると判定した場合、図形データ103内のアイテム群より「処理開始」を意味するアイテムを検索する。つまり、図8の(A)において「アイテム番号1」と「アイテム番号4」が「処理開始」アイテムに該当する。
【0070】
そして、CPU1が図形解析部201−1を実行してその「処理開始」アイテムを検出したら、その旨を図6の(A)等に示すシステム構造保持テーブルTAB11にアイテム番号1,4を記憶する(S34)。シナリオ構造保持テーブルTAB11は、図6の(A)に示す例えばテーブルとしてRAM8上に構成されているものであり、列「構造木」に「処理開始」アイテムである「アイテム番号1」と「アイテム番号4」が記憶される。この時、内部のアイテム状態保持テーブルTAB12は、図7の(A)に示すように何も保持されない。ここで、アイテム状態保持テーブルTAB12は、アイテム番号と、開始アイテム番号と、実行条件が記憶可能に構成されている。
【0071】
次に、CPU1が実行する図形解析部201−1がアイテムが実行される条件にラベル付けを行い、その順番・親子関係をシナリオ構造保持テーブルTAB11に記憶する(S35)。
【0072】
図6の(B)に示すようにシナリオ構造テーブルTAB11の列「構造木」に記憶されている「アイテム番号1」には、これに関係する「常時(1)」なるものが、「アイテム番号4」にはこれに関係する「常時(2)」と「常時(3)」なるものが記憶される。
【0073】
さらに、図6の(B)〜(E)に示すように「常時(2)」の配下には「6がTRUE」と「6がFALSE」とが記述される。この際、アイテム状態保持テーブルTAB12は、何ら変化はない。ただし、解析図形は、図8の(B)に示すように、常時(1)〜(3)、TRUE又はFALSEが反映された状態である。
【0074】
なお、本実施形態において、「常時(1)」や「常時(2)」とは、テストシナリオの処理の流れで、判断分岐処理前後での順次処理を表すもので、括弧内の数字は、各順次処理に対してシナリオ構造保持テーブルTAB11の出現順に配番されるものである。
【0075】
また、「6がTRUE」や「6がFALSE」とは、そのアイテム番号(この場合は6)について、直下の判断分岐処理において真であるときに実行される処理がある場合に「6がTRUE」、偽であるときに実行される処理がある場合に「6がFALSE」となる。
【0076】
そして、図形データ103の内部にある全てのアイテム群についての情報が、図7の(A)〜(E)に示すように、各々アイテム状態保持テーブルTAB12に記憶される(S36)。
【0077】
この際、図7の(A)〜(E)に示すように、アイテム状態保持テーブルTAB12は例えばテーブルとしてRAM8上に保持されているものであり、例えば図7の(C)に示すように列「アイテム番号」にアイテムの番号である「1」が、列「開始アイテム番号」に「1」が設定される。そして、図8の(C)に示すように、アイテムの開始番号が特定される(図中の破線で示す矢印)。
【0078】
これは、各アイテムには予め個別に接続されるアイテムの種類が設定されており、列「アイテム番号」が設定されると、その番号のアイテムが接続される最初の開始アイテムの番号が列「開始アイテム番号」に設定されるものである。
【0079】
例えば、図形データ103の内部が、図8に示すような解析図形データ例で表される構造の場合、「アイテム番号1」である開始アイテムがアイテム状態保持テーブルTAB12に設定される際には、「アイテム番号1」は開始アイテムであるので、CPU1は、自らのアイテム番号である「1」をアイテム状態保持テーブルTAB12の列「開始アイテム番号」に設定する。
【0080】
また、「アイテム番号2」である処理アイテムがアイテム状態保持テーブルTAB12に設定される場合、「アイテム番号2」に対応する開始アイテムは「アイテム番号1」の開始アイテムであるので、CPU1は、その開始アイテムの番号である「1」を、図7の(D)に示すようにアイテム状態保持テーブルTAB12の列「開始アイテム番号」に設定する(S37)。この際、解析図形は、図8の(D)に示すように解析図形が特定される。
【0081】
次いで、CPU1は、S36で行ったアイテムについて、さらにアイテムが実行される条件を調べアイテム状態保持テーブルTAB12に設定する。例えば、図7の(D)に示すように列「アイテム番号」にアイテムの番号である「1」が設定されている同じ行において、図7の(E)に示すように列「実行条件」に「常時(1)」が設定される。
【0082】
これは、図6の(E)に示すように「アイテム番号1」の開始アイテムは、常に実行されるアイテムであり、「アイテム番号1」の開始アイテムに接続される、「アイテム番号2」の処理アイテム、「アイテム番号3」の終了アイテムも同様である。
【0083】
そのため、図7の(E)に示すように、「アイテム番号2」、「アイテム番号3」の各々の行の列「実行条件」に「常時(1)」が設定される。
【0084】
一方、図8の(D)に示すように、例えば分岐アイテムである「アイテム番号6」の直後に接続されている「アイテム番号7」と「アイテム番号8」の処理アイテムには、それらに対応するアイテム状態保持テーブルTAB12の行における列「実行条件」の欄にはそれぞれ、図7の(E)に示す実行条件に対して「6がTRUE」、「6がFALSE」が設定される。
【0085】
次に、CPU1は、S36とS37とを図形データ103に属する全ての図形アイテムについて繰り返し行った後(S38)、CPU1は、シナリオ構造保持テーブルTAB11内の列「構造木」の全てのノードについて、アイテム状態保持テーブルTAB12の列「開始アイテム番号」と列「実行条件」を基に、シナリオ構造保持テーブルTAB11の各ノードに関連するアイテムのリストを繰り返し記憶して(S39)、S40で、ルートにある全てのアイテムとノードついて処理を終了したとCPU1が判断した場合、本処理を終了する。
【0086】
例えば図8の(A)〜(D)に示す解析図形データ例の場合、図6の(E)に示すようにシナリオ構造保持テーブルTAB11の列「構造木」に設定されている「アイテム番号1」に属する「常時(1)」と同じ行で列「関連アイテム」の欄に「1→2→3」と設定される。
【0087】
これは、同じノードに属する各アイテムの番号を接続順に矢印で印をつけて設定するものである。また、図6の(E)に示すようにシナリオ構造保持テーブルTAB11の列「構造木」に設定されている「アイテム番号4」に属する「常時(2)」と同じ行で列「関連アイテム」の欄に「4→3f5→6」と設定される。
【0088】
さらに、図8の(D)に示すように「常時(2)」の子になる「6がTRUE」と同じ行で列「関連アイテム」の欄に「7」と設定されるとともに、「6がFALSE」と同じ行で列「関連アイテム」の欄に「8」と設定される。
【0089】
図1において、図形解析部201−1〜201−3で解析され作成されたシナリオ構造保持テーブル202−1〜202−3は、CPU1の処理に従い対応するシナリオ出力部203−1〜203−3に送信される。
【0090】
図9は、本実施形態を示すシナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、シナリオ出力部203−1〜203−3で行われる処理に対応する。なお、各ステップは、CPU1がRAM8にロードする各種の制御プログラム(シナリオ出力部203−1〜203−3)を実行することで実現される。
【0091】
CPU1は、シナリオ出力部203−1〜203−3を実行して、図形解析部201−1〜201−3から受信されたシナリオ構造保持テーブル202−1〜202−3に設定されている各行のアイテムについて、各アイテムの各ノード毎に図形データのアイテム情報から出力するコードを取得してテストシナリオ204−1〜204−3を出力する(S41)。
【0092】
例えば、シナリオ構造保持テーブル202−1に設定されている、列「構造木」に「アイテム番号1」の「常時(1)」、列「関連アイテム」に「1→2→3」が設定されている行の場合、前述の図形データの内部には、アイテム番号1のデータがあり、次いでアイテム番号2のデータ、そしてアイテム番号3のデータがあり、その順序でそれぞれが構成しているプログラム群が順次配置されることにより、テストシナリオに対応するプログラムが作成される。
【0093】
なお、それぞれのアイテムを構成しているプログラム群は、OPP(オブジェクト指向プログラミング)を基に、統一されたインターフェースでプログラムされたものであるので、シナリオ上にプログラム群を配置することで、シナリオを構成することが容易に可能である。
【0094】
次に、CPU1は、S41を、図9の(B)に示すように構造木のルートにある全てのアイテムとノードに繰り返して(S42)、(S43)、本処理を終了する。
【0095】
これにより、ユーザ所望のシミュレータ300−1〜300−3に対応するテストシナリオ204−1〜204−3のプログラムを得ることができる。
【0096】
図10は、本実施形態を示すシナリオ編集装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、アドオン処理部200−1〜200−3で行われる処理に対応する。なお、各ステップは、CPU1がRAM8にロードする各種の制御プログラム(アドオン処理部200−1〜200−3)を実行することで実現される。
【0097】
まず、CPU1が図形解析部201−1〜201−3を実行して解析処理を行っている際に(S51)、CPU1はその処理結果に何らかのエラーが検出されたかどうかを判断する(S52)。ここで、エラーを検出したとCPU1が判断した場合、S57へ進む。
【0098】
一方、S52で、図形解析部201−1〜201−3による処理でエラーを検出していないとCPU1が判断した場合は、S53へ進む。
【0099】
そして、S53で、CPU1はシナリオ出力部203−1〜203−3を実行して出力処理を行っている際に(S53)、CPU1はその処理結果に何らかのエラーが検出しているかどうかを判断する(S54)。ここで、出力処理においてエラーを検出しているとCPU1が判断した場合、S57へ進む。
【0100】
そして、S57で、CPU1は、ディスプレイ2上のウィンドウ2000にGUIとしてエラー通知画面を表示する。この際、CPU1は、例えばディスプレイ2上のウィンドウ2000の上部に、エラーが発生したアイテムの色彩を変更することなどにより、分かりやすくユーザに明示するとともに、ウィンドウ2000の下部にエラーの詳細内容を文章で表示する。
【0101】
そして、S58で、CPU1は、ディスプレイ2上のウィンドウ2000に表示されたエラー発生を表示しているアイテムや文章をユーザが、例えばポインティングデバイス5でダブルクリックする等の指示を行っているかどうかを判断する。ここで、ポインティングデバイス5でダブルクリックする等の指示を行っていないとCPU1が判断した場合は、本処理を終了する。
【0102】
一方、S58で、ポインティングデバイス5でダブルクリックする等の指示を行っているとCPU1が判断した場合は、S59で、CPU1は、図形表示部2002上のエラー内容に該当するアイテムをディスプレイ2上にフォーカス表示して、図形データ編集部100の表示部101に処理を移す。
【0103】
これにより、ユーザが各処理段階で発生し得るエラーを容易に発見でき、作成しているシナリオを適切なタイミングで迅速に修正することができる。そして、複数のエラーが発生している場合には、当該処理を繰り返すことにより、ユーザが全てのエラーを効率的に修正することができる。
【0104】
一方、S54で、処理結果に対して何らかのエラーを検出していないとCPU1が判断した場合、S55で、外部コンパイラがシナリオのビルド処理を行っている際に、CPU1は、処理結果に何らかのエラーを検出しているかどうかを判断する(S56)。ここで、ビルド処理において何らかのエラーを検出しているとCPU1が判断した場合は、エラーの内容をディスプレイ2上のウィンドウ2000に表示して、図形データ編集部100の表示部101に処理を移す。また、ビルド処理において何らかのエラーを検出していないとCPU1が判断した場合は、本処理を終了する。
【0105】
これにより、シナリオ作成の最終段階において、ビルド処理に関わるエラーが発生したことをユーザに通知することができる。
【0106】
本実施形態によれば、アドオンとして提供する構成とすることにより、他社、他機種への適用が必要になった場合でも、出力部に対応するアドオン処理部200−1〜200−3のみ専用に開発して、表示部に対応する図形データ編集部100に関しては既存のソフトウエアを継続使用(共有使用)することで、より迅速に各種のシミュレータに適用できるシナリオを効率よく作成できる。また、シミュレータの機能の追加、変更等にも出力部に対応するアドオン処理部200−1〜200−3のみを修正等すればよく、従来に比べて格段に効率的にシナリオ編集を行うことが可能となる。
【0107】
なお、以下に、S52、S54等におけるエラー判定例を図11、図12、図13、図14を参照して説明する。
【0108】
〔エラー判定例1〕
S52におけるエラーとは、図11に示すように、図形解析部201−1等の入力である図形データにルール違反、例えば作成されたフローチャートのアイテムの接続先が不明となる場合、より具体的には、矢印に接続されるアイテムがないフローチャートが作成されている場合である。
【0109】
〔エラー判定例2〕
また、図12に示すように開始アイテムが存在しないで、あるアイテムから他のアイテムに進むようなフローチャートが作成されている場合である。
【0110】
〔エラー判定例3〕
さらに、図13に示すように分岐してはならないアイテムであるにもかかわらず、1つのアイテムから複数のアイテムに分岐するようなフローチャートが作成されている場合である。
【0111】
〔エラー判定例4〕
一方、S54におけるエラーとは、図14に示すように、シナリオ出力部203−1の入力であるシナリオ構造保持テーブル202−1にする際、解析不能部分が存在する場合である。
【0112】
例えば開始アイテム、アイテム、分岐アイテム、終了アイテム等からなるフローチャートが作成された場合に、シナリオ構造保持テーブル上、構造木に解析不能な部分が存在する場合である。
【0113】
〔第2実施形態〕
図15は、本実施形態を示すシナリオ編集装置を含むデータ処理システムの一例を示すブロック図である。以下、テストシナリオ作成の際に障害が発生した場合の、サーバ通報機能を説明する。なお、シナリオ編集装置とHTTPサーバとは通信可能に接続される。
【0114】
図1におけるシナリオ編集装置のHDD9には、ソフトウエアである障害検出部とHTTP通信部とが記憶されているとともに、Eメール送受信ソフトウエアが記憶されている。
【0115】
また、インターネットなどの通信回線1001を介してコンピュータとは異なる場所、例えばシナリオ編集装置内のソフトウエアの保守を担う拠点にHTTPサーバ1002が設置されている。HTTPサーバ1002には、問い合わせ受付部1100と問い合わせ解析部1101と返答送信部1102とが設けられている。
【0116】
テストシナリオ作成の際にシナリオ編集装置1500内のソフトウエアに何らかの障害が発生した場合、障害検出部1501により障害発生時のシナリオ編集装置内のソフトウエアの状態がHDD9に記憶される。そして、ソフトウエア状態が障害データ(シナリオ作成エラー情報)1503としてHTTP通信部1502に送信される。HTTP通信部1502では、受信された障害データ1503をインターネット等の通信回線1001を介してHTTPサーバ1002に送信する。
【0117】
HTTPサーバ1002では、障害データ1503を問い合わせ受付部1100で受信する。そして、当該障害データがレコードとして問い合わせデータベース1106に記憶される。
【0118】
その後、障害データ1104が問い合わせ解析部1101で受信されると、問い合わせ解析部1101において、障害データ1104と問い合わせデータベース1106に蓄積されている他の障害データとのマッチング(エラーチェック)を行い、同等の障害データが抽出された場合には、問い合わせデータベース1106に蓄積されている抽出障害データに関する対処方法を示す、すなわちエラーを回復させるためのエラー対処情報が返答メール1105に記載され返答送信部1102に送信される。
【0119】
一方、同等の障害データが抽出されないと問い合わせ解析部1101が判断した場合には、HTTPサーバ1002の図示しないディスプレイ等の表示部において「新規障害データ検出」の旨を表示し、図示しないソフトウエア保守担当者に障害への対応を促す。
【0120】
また、返答送信部1102に返答メール1105が受信されると、シナリオ編集装置1500に向けて返答メールがインターネット等の通信回線1001を介して送信される。その後、シナリオ編集装置1500のEメールソフトウエアで返答メールが受信され、発生した障害の対処方法をユーザに通知することができる。
【0121】
本実施形態によれば、シナリオ作成や編集中において、シナリオ作成又は編集プログラムの実行時にエラーなどが生じた場合、インターネット経由で予め設定された通知先に通知する機能を設けているので、報告内容とHTTPサーバに蓄積している障害対処情報DBとを比較し、自動対処可能であれば、自動的に対処方法を相手先に返答することができる。また、自動対処不可能であれば、障害対応後に新たな対処方法として障害対処情報DBに蓄積することができ、その後、同様のエラーが発生した場合に有効な手だてをユーザに通知できる。
【0122】
〔第3実施形態〕
以下、図16に示すメモリマップを参照して本発明に係るシナリオ編集装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0123】
図16は、本発明に係るシナリオ編集装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0124】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0125】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0126】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0127】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0128】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0129】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0130】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0131】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0132】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやFTPサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0133】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0134】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0135】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0136】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0137】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【0138】
本実施形態によれば、シナリオ作成ソフトウエアを、表示部と出力部に完全に分離した構成とし、出力部をアドオンとして提供する構成としたので、他社・他機種への適用が必要になった時でも、出力部のみ専用に開発・提供し、表示部に関しては既存のソフトウエアを継続使用することによって、より迅速に他社・他機種のシミュレータに適用することができる。
【0139】
また、シナリオの基となるイベントフローチャートから、異なるシステムを対象としたシナリオを作成する機能を設けたので、同じ動作を行うシナリオを別のシステムに移植する場合、当該システムのための出力部で出力することにより、当該システムで動作可能なシナリオをそれぞれ得ることができる。これによりユーザの生産性を飛躍的に高めることが可能となる。
【0140】
さらに、シナリオ作成ソフトウエアを、流れが一本のアイコン羅列方法ではなく、SDL(Specification and Description Language)で、フローチャートを作成する形式としたので、以前ではできなかった条件分岐や繰り返しを含むシナリオを作成することが容易にできる。
【符号の説明】
【0141】
100 図形データ編集部
102 アドオン制御部
200−1〜200−3 アドオン処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験処理を行う単一または複数のシミュレータに対応するシナリオを作成するシナリオ編集装置であって、
シナリオを構成するフローチャートを作成するための図形データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された図形データを用いて前記フローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とを表示手段に表示する表示制御手段と、
前記表示手段に表示された図形編集領域に配置された単一または複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する作成手段と、
前記作成手段が作成した前記シナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブルを作成する単一または複数のアドオン処理手段と、
を備えることを特徴とするシナリオ編集装置。
【請求項2】
前記作成手段が作成した前記シナリオチャートをいずれかのアドオン処理手段に振り分けて出力する振り分け手段を備えることを特徴とする請求項1記載のシナリオ編集装置。
【請求項3】
各アドオン処理手段は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力することを特徴とする請求項1記載のシナリオ編集装置。
【請求項4】
各アドオン処理手段は、対応するシミュレータの仕様変更に従い作成するシナリオ構造保持テーブルを変更可能とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシナリオ編集装置。
【請求項5】
各アドオン処理手段は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーチェックを実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシナリオ編集装置。
【請求項6】
各アドオン処理手段は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーが発生した旨をあらかじめ登録された通知先に通知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシナリオ編集装置。
【請求項7】
シナリオ編集装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記シナリオ編集装置から通知されるシナリオ作成エラー情報と、あらかじめ記憶されたエラー対処情報とを比較してエラーを回復するための障害対処情報を前記シナリオ編集装置に送信する送信手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
シナリオを構成するフローチャートを作成するための図形データを記憶する記憶手段を備え、試験処理を行う単一または複数のシミュレータに対応するシナリオを作成するシナリオ編集装置のシナリオ編集方法であって、
前記記憶手段に記憶された図形データを用いて前記フローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とを表示手段に表示する表示制御工程と、
前記表示手段に表示された図形編集領域に配置された単一または複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する作成工程と、
前記作成工程が作成した前記シナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブルを作成する単一または複数のアドオン処理工程と、
を備えることを特徴とするシナリオ編集方法。
【請求項9】
前記作成工程が作成した前記シナリオチャートをいずれかのアドオン処理工程に振り分けて出力する振り分け工程を備えることを特徴とする請求項8記載のシナリオ編集方法。
【請求項10】
各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力することを特徴とする請求項8記載のシナリオ編集方法。
【請求項11】
各アドオン処理工程は、対応するシミュレータの仕様変更に従い作成するシナリオ構造保持テーブルを変更可能とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のシナリオ編集方法。
【請求項12】
各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーチェックを実行することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のシナリオ編集方法。
【請求項13】
各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーが発生した旨をあらかじめ登録された通知先に通知することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のシナリオ編集方法。
【請求項14】
シナリオを構成するフローチャートを作成するための図形データを記憶する記憶手段を備え、試験処理を行う単一または複数のシミュレータに対応するシナリオを作成するシナリオ編集装置に、
前記記憶手段に記憶された図形データを用いて前記フローチャートを作成するための図形データの一覧と、当該図形データの一覧から選択される図形データを編集するための図形編集領域とを表示手段に表示する表示制御工程と、
前記表示手段に表示された図形編集領域に配置された単一または複数の図形データを接続してシナリオチャートを作成する作成工程と、
前記作成工程が作成した前記シナリオチャートを取得して各シミュレータの属性に従って解析することにより各シミュレータに対応するシナリオ構造保持テーブルを作成する単一または複数のアドオン処理工程と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記シナリオ装置に、
前記作成工程が作成した前記シナリオチャートをいずれかのアドオン処理工程に振り分けて出力する振り分け工程を実行させることを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力することを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項17】
各アドオン処理工程は、対応するシミュレータの仕様変更に従い作成するシナリオ構造保持テーブルを変更可能とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項18】
各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーチェックを実行することを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
各アドオン処理工程は、作成したシナリオ構造保持テーブルからシナリオを作成して対応するシミュレータに出力する際に、エラーが発生した旨をあらかじめ登録された通知先に通知することを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−18476(P2012−18476A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154145(P2010−154145)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(597083150)株式会社TSP (3)
【Fターム(参考)】