シャフト補強装置
管状の内腔を形成する内周および長さを含む柔軟な管状体を有するゴルフクラブシャフト補強装置を記載する。シャフト補強装置の内周は、シャフトの外面を取り囲んで該外面と締め付け係合するとともにシャフトの剛性特性を増大させ、キックポイントの位置を変えることができるようにまたはゴルフクラブの他の特性を変えるように寸法付けられて構成される。本シャフト補強装置は、シャフトの様々な部分に備えられてよく、また、シャフト上で摺動可能に調整されまたは位置決めされてもよい。ゴルフクラブにシャフト補強装置をはめ付けるための関連する方法も記載する。ゴルフクラブに適したシャフト補強装置をはめ付けることを容易にするために、シャフト補強装置をキットにおいて提供してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ゴルフクラブ付属装置、該付属装置を有する関連するゴルフクラブ、およびゴルフクラブに該装置をはめ付ける方法に関する。特に、本発明は、シャフト補強装置、シャフト補強装置を有するゴルフクラブ、およびゴルフクラブにシャフト補強装置をはめ付ける関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ゴルファーのバックスイングおよびダウンスイングを含むゴルファーのスイングは、しばしば、ゴルフコースでのゴルファーのパフォーマンスに関連付けられる。ゴルフクラブを一貫して好ましい方法でスイングできるゴルファーは、ゴルフボールを更に遠くに、真っ直ぐに、より一貫して打つことができる。ゴルファーのスイングが好ましいスイング方向、クラブ方向およびスイング動作経路と関連付けられる特定の属性を有すると、精度、制御および方向が改善される場合がある。しかしながら、多くのゴルファーは、特定の好ましいスイング方向、クラブ方向、および、動作経路にしたがってゴルフクラブをスイングするのに困難を伴う。また、ゴルファーは、時として、好ましい位置、方位、および方向でゴルフクラブヘッドによりゴルフボールを打とうと努力する。同様に、ゴルフクラブヘッド速度も、ボール飛行経路、ならびにゴルフボールがゴルフクラブヘッドによって打たれた後に飛行する距離および方向に影響を及ぼす。ゴルファーは、人間工学的な寸法、強さ、および他の特徴が物理的に異なり、また、スイング速度等を含むスイング特性において様々な違いも示す。ゴルフクラブ部品およびゴルフクラブは、全体として、シャフト、クラブヘッド、および、グリップなどの個々の部品の特性に基づいて様々な特性を示す。シャフトは、ゴルフスイングを行なう際の重要な構造体であり、スイング中の様々なポイントでのゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドの位置、方向、速度を含むゴルファーのスイングに影響を及ぼす場合がある。シャフトはクラブのための性能に影響を及ぼし、また、好ましい改良された部品特性を含む好ましいゴルフクラブ性能は、特にシャフトなどの部品において望ましい。
【発明の概要】
【0003】
概要
発明の局面はゴルフクラブシャフト補強装置に関する。シャフト補強装置は、管状の内腔を形成する内周および長さを含む柔軟な管状体であってもよい。内周は、シャフトの外面を取り囲んで該外面と締め付け係合するとともにシャフトの剛性特性を増大させるように寸法付けられて構成される。シャフトは取り外し可能であってもよい。特定の構成では、管状体は単体部材であってもよい。シャフト補強装置がシャフト上で摺動可能に調整できてもよい。
【0004】
他の局面において、発明の局面は、ゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブヘッドに連結されグリップを備えるシャフトと、シャフトの外側となるようにシャフトの外面上に摺動可能に設けられるシャフト補強装置とを有するゴルフクラブに関する。シャフト補強装置は、シャフトの特定の領域と締め付け係合するように寸法付けられ、形成され、あるいは、さもなければ構成されてもよい。
【0005】
他の局面では、ゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法が記載される。方法は、ゴルフクラブのシャフトの剛性特性を決定する段階と、測定装置を使用してゴルフクラブのスイングに基づいてシャフトの所望の剛性特性を決定する段階と、複数の利用可能なシャフト補強装置から特定のシャフト補強装置を選択する段階とを含んでもよい。選択されたシャフト補強装置は、それがシャフトの所定の領域上にわたってシャフトの外面と締め付け係合するようにシャフト上に配置されてもよい。
【0006】
他の局面では、一連のシャフト補強装置を有するキットが記載される。シャフト補強装置は、シャフトの様々な部分にはめ付けるための様々な特性および/またはシャフト補強装置のうちの一つ以上がシャフトと締め付け係合されるときにシャフトが特定の特性を示すようにする様々な特性を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前述の概要および以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読むと、より良く理解できる。
【図1A】ゴルフクラブの様々な構成の概略的な正面図である。
【図1B】ゴルフクラブの様々な構成の概略的なトゥ側端面図である。
【図2】図2A〜2Bは、ゴルフクラブのシャフト特性を含む特性を描く説明図である。
【図3】図3A〜3Cは、シャフト補強装置の例示的構成の側面図、斜視図および端面図を描いている。
【図4】幾つかのシャフト補強装置の他の構成の説明図である。
【図5】図5A〜5Dは、ゴルフクラブに対する様々なシャフト補強装置の例示的効果を描く図である。
【図6A】ゴルフクラブに対するシャフト補強装置の適用の説明図である。
【図6B】ゴルフクラブに対するシャフト補強装置の適用の説明図である。
【図7】シャフト補強部材のキットの一構成の概略説明図である。
【図8A】ゴルフクラブおよび関連する装置をはめ付ける方法の局面を例示的に描いている。
【図8B】ゴルフクラブおよび関連する装置をはめ付ける方法の局面を例示的に描いている。
【図8C】ゴルフクラブおよび関連する装置をはめ付ける方法の局面を例示的に描いている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
様々な態様の以下の説明では、本発明を実施できる例示的構成を描く添付図面を参照する。他の態様が利用されてもよく、また、本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいことを理解されたい。
【0009】
図1A〜1Bはそれぞれ、ゴルフクラブ199の3つの構成の概略的な正面図およびトゥ側端面図である。3つの構成は、一般に、「アイアン」、「ドライバ」、「ハイブリッド」ゴルフクラブ199と称されてもよい。この用語は当業者によって公知である。ドライバゴルフクラブおよびハイブリッドゴルフクラブ199は、他の想定し得る例示的な潜在的違いのうちで、ゴルフクラブヘッドのサイズ、形状、および、ロフトを含む差異をこれらの間で有するが、いずれも、より一般的にはウッド型ゴルフクラブヘッドを有する「ウッド型」ゴルフクラブとして分類されてもよい。フェアウェイウッド、レスキュークラブ、数値的に基準付けられたウッド、例えば3番ウッド、5番ウッド、7番ウッド、および、他の用語も、「ウッド型」ゴルフクラブとして特徴付けられてもよいゴルフクラブのことである。アイアン199は、一般に、アイアン型ゴルフクラブヘッドを有する「アイアン型」ゴルフクラブと見なされてもよい。ロングアイアン、ミドルアイアンおよびショートアイアン(または、例えば3番アイアン、7番アイアン、9番アイアンなどの数値で示されるアイアン)はアイアン型ゴルフクラブと見なされてもよい。また、様々なウェッジ、例えばロフトウェッジ、サンドウェッジ、ピッチングウェッジおよびギャップウェッジも「アイアン型」ゴルフクラブと見なされてもよい。パターおよび他のタイプのゴルフクラブも存在し、当技術分野において公知である。
【0010】
図から分かるように、ゴルフクラブヘッド100は、例示的に、トップ110、前面120、トゥ端130、背面140、ヒール端150、および、ボトム(または、ソール)160を含むと見なされてもよい。また、ゴルフクラブ100は、一般に、とりわけシャフト190に対するゴルフクラブヘッド100の接続を容易にするために形成されるホーゼル180を含む。ゴルフクラブ199が「ウッド型」または「アイアン型」ゴルフクラブであるかどうかに応じて、ゴルフクラブヘッド100は様々な形態およびサイズを有してもよく、前述した部分の材料、形状、および、他の特徴が当技術分野において公知であるように変えられる。ホーゼル180は、一般に、ゴルフクラブヘッド100の残りの部分と共に形成され、一般にシャフト190をゴルフクラブヘッド100に連結するゴルフクラブヘッド100の一部である。ホーゼル180構造は、クラブのバランス、感触、およびパワーに影響を与える場合がある。しかしながら、ホーゼル180は、一般に、ゴルフ用具の末端消費者によって詳しく考慮されず、より一般的には、ゴルフクラブ設計者および製造メーカー、ならびに、同様の実体によって考慮される。ホーゼル180の主な機能は、グルフクラブヘッド100の残りの部分に対してシャフトを連結することでありうるが、特定の形状、サイズ、方向性、ならびに連結方向および連結角度を伴って構成されるホーゼル180は、ゴルフクラブの前面120の上端よりも上側に最小量の質量を配置し、それにより、クラブに対して更に低い質量中心を与え、その結果、ゴルファーがゴルフボールを更に遠くまで打つのを容易にすることを含む所望の特性をゴルフクラブ199に対して与えることができる。
【0011】
前面120は、一般に、ゴルフボールを打つように構成される打面125を備える。打面125は、様々な特徴、形態、形状、表面および細部のうちのいずれかを含んでもよい。例えば、打面125は、打面125がゴルフボールをインパクトする際のゴルフボールの望ましい飛行を容易にする一連の水平溝を含んでもよい。これらの溝の間隔、サイズ、深さ、形状、輪郭および方向は、所望のボール飛行特性を得るためにクラブのタイプ(および/または、特定のクラブ製造メーカー)に基づいて変えられてもよい。多くの他の形態の表面処理および装飾が、硬化材料から、穴、溝、および、襞ならびに周知の様々な他の打面材料、構造、形態に至るまで、打面125に組み入れられてもよい。
【0012】
ゴルフクラブ199のシャフト190は、ゴルファーの手をゴルフクラブヘッド100に接続する一般にスチールまたはグラファイトから形成される長尺部材である。ゴルファーは、多くの場合、ゴルフクラブヘッド190と反対側に離れたシャフト190の端部に備えられるグリップ195を保持するまたは把持することによってゴルフクラブ199を保持する。ゴルフクラブシャフト190の機能の一つは、ゴルフボールを所望の飛行経路および距離で飛ばすようにゴルファーがゴルフボールを打つまたはたたくのを容易にすることである。シャフトにより、ゴルファーは、シャフト190の形態および特性を含むゴルフクラブ199の形態がゴルフクラブヘッド100を介してゴルフボールに加えられ且つゴルフクラブヘッド100がゴルフボールを打つときにゴルフボールに加えられる遠心性の力をゴルファーが生み出すことを可能にしおよび容易にするようにゴルフボールを打つことができる。シャフト190は、それらの特定の寸法、特にそれらの長さが異なってもよいが、直径などの他の特徴が異なってもよい。多くの場合、シャフト190は先細りのチューブである。一つの形態において、シャフトは、グリップ付近で約1/2インチの直径を有しており、グリップ195と反対側の端部(該端部はホーゼル180内に備えられる)が一般にグリップ付近の直径よりも小さい直径(例えば0.5インチ未満)を有するその最も細い部分となるまでシャフトの長さにわたって連続的に下方へ先細る。
【0013】
シャフト190は、当技術分野においても公知であるように、長さ、材料、組成、剛性、曲げおよび他の特性および特徴が変えられてもよい。例えば、ゴルファーは、様々な材料から形成されるシャフトを、それらの材料の特性に照らして選択してもよい。シャフト190の一つの特性はその組成材料である。一般に、ゴルフクラブ用の最近のシャフトはスチールまたはグラファイトのいずれかから成る。スチールシャフトは、一般に重く、グラファイトシャフトよりも低いトルク定格を有する。また、スチールは、一般に、グラファイトよりも耐久性があって破損し難い。逆に、グラファイトは、一般に軽量であり、選択される特定のグラファイトに応じて選択するために利用できる高いトルク定格およびトルク範囲を有する。初期のグラファイトシャフトは、しばしば、時としてシャフト曲げを許容することにより性能を阻害する複合ファイバの単一層により形成された。最近のグラファイトシャフトは、多くの場合、高い剛性および性能を与える巻回ファイバの3つの層を有する。より一般的なグラファイトシャフトには、Fujikura、UST、Grafalloy、Mitsubishi、Aldilaおよび他の公知の製造メーカーを含む様々なシャフト製造メーカーによって形成されるシャフトがある。スチールシャフトおよびグラファイトシャフトはいずれも、ゴルフクラブ199用のシャフトで利用される特定のスチールおよびグラファイトを含むことが公知である。
【0014】
また、特定のシャフトまたはシャフト材料を選択するときに考慮されうる例示的な特性には、曲げおよび剛性がある。これは、好ましいシャフト剛性が、スキル、強さおよびスイング速度またはスイング経路を含むスイング特性に応じてゴルファーごとに異なる場合があるからである。曲げは、シャフトの柔軟性の指標である。曲げの測定は相対的な測定であってもよい。剛性は、ゴルフクラブヘッド100(例えば、ゴルフクラブヘッド100のフェースまたは打面125)に加えられる所定の接線力に関して撓みがシャフトにどの程度生じるかの指標である。異なるシャフトを除いて実質的に同一の2つのゴルフクラブ間の様々なシャフト剛性の例示的な実証は、ゴルフクラブヘッドと反対側のゴルフクラブの端部をクランプして、重量を支えることができる所定の固定位置でゴルフクラブを保持することによって行なわれてもよい。このとき、ゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブの端部から所定の錘が吊るされてもよい。特に、錘は、ゴルフクラブヘッドの前面に適用されてもよくまたは前面から吊るされてもよい。一端が強固にクランプされて錘がゴルフクラブ199の反対側の端部から吊るされた状態で、ゴルフクラブは片持ち部材を形成する。しかしながら、シャフトは、硬質のままでなく、代わりに、ユーザが釣竿をしっかりと握っている端部と反対側の端部に力が加えられるときに釣竿が撓るのと同じくらい撓るとゴルフクラブヘッドを見なすことができるように錘がゴルフクラブ199から吊るされている場所に近づけば近づくほど増大する屈曲を呈する。ところで、同じ実証は、シャフトが更に堅いシャフトを成すことを除いて実質的に同一である第2のゴルフクラブ199を用いて行なわれてもよい。ここで、実証で使用される第2のゴルフクラブは、シャフト190の高い剛性特性に起因して、第1のゴルフクラブと同じ度合いまで撓らないまたは曲がらない。他の観点から述べると、2つの所定のシャフトが剛性においてのみ異なる場合には、剛性が高い方のシャフトに対して更に大きな力を加えて、シャフトが剛性の低い方のシャフトと同じ大きさまで偏向するまたは撓るようにする必要がある(図2B参照)。
【0015】
前述した実証がゴルファーのスイングと関連付けられてもよい。ゴルファーがダウンスイングを始めるにつれて、ゴルファーは、ゴルフクラブ199を握っている自分の手をグリップ195から持ち込み始め、シャフト190は、ダウンスイングの初めにゴルフクラブヘッド100が最初にゴルファーの手に後れを取るように屈曲を呈する。ゴルファーの手がゴルファー10の周囲でシャフト190(および、シャフトの反対側の端部のゴルフクラブヘッド100)を振り回しているが、シャフト190が少し遅れる。しかしながら、このシャフト遅れによって、エネルギがシャフトの屈曲の形態でシャフト190に蓄えられる。そして、ゴルファーがダウンスイングを続けるにつれて、シャフト190が更なる度合いまで曲がり続け、その物理的な剛性特性により、シャフトは更に曲がることができる。特定の時点で、シャフト190は、ゴルファーのスイング速度と比べたその剛性に基づいてその最大の屈曲に達し、その結果、シャフト190がその蓄えられたエネルギを解放し始めて真っ直ぐに直り始める。特定の場合には、ゴルファーの左肘が真っ直ぐに直り始める(右利きのゴルファーを想定)ときにシャフト190がその最大の屈曲に達することが好ましい場合がある。前述したように、この時点で、シャフト190が真っ直ぐに直り始め、それにより、ゴルフクラブヘッド100の速度が高まる。言うまでもなく、クラブヘッド100がゴルフボールをインパクトする時点の大きなクラブヘッド速度は、そのまま、ゴルフボールに大きな初期速度をもたらし、そのため、ボールが一般に更に遠くに飛行する。これは多くの場合にゴルフのゲームにおいて望ましい。打面125のインパクト時のゴルフクラブヘッド100の速度を最大にするまたは最適化するために、ゴルフクラブヘッド100とゴルフボールとのインパクトと同時にシャフトが真っ直ぐに直り終えるようにシャフト190を構成するまたは選択することができる。一般に、ゴルフクラブヘッド100は、曲げ時に位置エネルギとして蓄えられるエネルギの全てが解放されるため、シャフト190が真っ直ぐになると同時に最大スイング速度で移動している。しかしながら、シャフトが真っ直ぐに直った後、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボールをインパクトする前に、ゴルフクラブヘッド100(およびシャフト190)が特定の距離/時間にわたって移動し続ける場合には、再び今度は最初のダウンスイング中とは反対の方向に曲がるシャフト190によってエネルギが蓄えられ始めるため、エネルギが失われる。したがって、シャフトは、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボールをインパクトするときに一貫して真っ直ぐになることが望ましい。
【0016】
したがって、ゴルファーは、スイングがもたらす力を最適化するようにインパクトの瞬間に真っ直ぐに直る、したがってゴルフボールの飛行距離を最大にするシャフト190を有するゴルフクラブ199を持つことを望む場合がある。そのため、ゴルフクラブヘッド100は、所定のゴルファーのスイング等に関しては可能な限り高速で移動している。その結果、シャフト190は、多くの場合、ゴルファーのスイング特性に応じて前述したシャフト190の最適なタイミングおよび直線化を達成するように選択される。例えば、ゴルファーが非常に速いスイングを有するが柔軟なシャフトを伴うゴルフクラブを有する場合には、ゴルファーのショットは、ゴルファーが自分のスイングエネルギを最適化していた場合に飛行し得る程度と同じ程度まで遠くに飛行しない。これは、シャフト190がシャフト190の屈曲の形態でエネルギを吸収しており、シャフトがその既に蓄えたエネルギをインパクトの瞬間に十分に解放せず、インパクト時のゴルフクラブヘッド100の速度が最大にならないからである。スイングエネルギが無駄にされ、それに伴うショットは最大飛行距離を達成しない。一方、ゴルファーがゆっくりとしたスイングを有するが非常に剛性の高いシャフトを選択する場合には、反対の理由により、スイングエネルギを最大にできない非効率的な同様のショットが生じる。この場合、シャフトは、ゴルファーが依然としてダウンスイングしている間に真っ直ぐに直り、また、ゴルフクラブヘッドがシャフトよりも先に移動し、それにより、シャフトが前方へ曲げられる。この場合も先と同様に、インパクト時の曲がったシャフトはスイングエネルギの無駄となり、インパクト時にゴルフクラブヘッド100の速度が遅くなる。また同様に、インパクト後のゴルフボールの飛行距離も最大にならない。したがって、ゴルファーは、ゴルファーのスイングおよびスイングエネルギを最大にしてゴルファーのショットを最適化するべくゴルファーのスイングに対して相補的な剛性特性を有するシャフトを含むゴルフクラブ199を持つことが望ましい。クラブシャフト190の時期尚早のまたは遅い直線化により、ゴルフショットの方向性がかなり変えられる場合もある。これは、ゴルフクラブヘッド100が打域にわたって移動してゴルフボールと接触するときにとる方向および飛行経路が変えられる可能性があるからである。したがって、ゴルフボールが打面のスイートスポットでで打たれない場合がある。また、ゴルフボールが所望の飛行経路から斜めに外れた方向の初期経路をとる場合もある。また、ボールにスピンがかかり、それにより、不意にゴルフボールが「フック」または「スライス」の飛行経路を伴って飛行する場合もある。更に、打たれたゴルフボールは地面に対して望ましい初期ボール飛行角度を伴って飛行せず、それにより、ボールが「テンプラし」またはトップして打たれ、それにより、転がり中、飛び跳ね中、または、地面の表面をかすめて飛んでいる最中ではなくボールが空中を移動している間にボールの飛行距離の大部分が生じるような空中を通じた高いロフトを伴う飛行ではなく、地面をかすめて飛ぶ場合もある。
【0017】
ゴルフクラブ199用のゴルフシャフト190を選択する際に考慮されてもよい他の特性は、屈曲ポイントまたはキックポイント205である。屈曲ポイントまたはキックポイント205は、クラブが曲がるように規定され、構成され、および/または、配置されるゴルフクラブ199の全長にわたる場所である。様々なシャフトモデルが、それらの長さに沿う様々なそれぞれの場所にキックポイント205を有するように設計されてもよい。ある場合には、シャフト190は、低い、中間のまたは高いキックポイント205を有するように一般化されてもよい。シャフト190のキックポイント205は、しばしば、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボール201を打つときのゴルフクラブヘッド100の方向性に影響を与える。したがって、キックポイントの位置がショット傾向を変える場合がある。そのため、ゴルファーは、自分のスイング傾向、スイング速度およびゴルフスキルを補完するためにキックポイント205が特定の位置にあるゴルフクラブを選択する場合がある。一般的に言えば、高いキックポイント205(ゴルフクラブのグリップ195端の近傍、例えば図5Bの205B)を有するシャフト190は、より低い打ち上げゴルフショットおよびより低いスピンゴルフショットをもたらす。しばしば、スキルが高くてハンディキャップが低いゴルファーは、スキルの高いゴルファーが自分達のゴルフショットに関する距離および精度を最大にしたい場合にこれらの特性を望む。これらのゴルファーは、一般に、一貫してボールを空中に打つことができ、ボールとの確かな接触を行なうのに苦労しない。むしろ、これらのゴルファーは、自分達のゴルフショットをより正確に「成す」ことができ且つ自分達のスイングのパワーおよび距離を最大にするべく距離および精度の向上を望む傾向がある。一方、低いキックポイント205(例えば、図5Dの205B)は、特に、未熟でハンディキャップが高いゴルファーにとって望ましい場合がある。これは、これらのゴルファーが、ゴルフボールを打つのに困難を感じる傾向を有し、「ボールを空中に至らせ」ようと努力する場合があるからである。したがって、ゴルフクラブ100のクラブヘッド端近傍の低いキックポイント205を有するゴルフクラブシャフト190は、一般に、より高い打ち上げゴルフショットおよびより高いスピンゴルフショットをもたらす。公知のように、高い打ち上げ(または、テンプラ)ゴルフショットは、ゴルフショットの距離を最大にしないゴルフショットをもたらす場合がある。また、スピンの増大は、精度の低いゴルフショットをもたらす場合もあり、ボールが所望の飛行経路の左または右に飛行する(右利きのゴルファーにおいてはそれぞれフックがかかりまたはスライスがかかる)場合がある。しかしながら、これらの未熟な/ハンディキャップが高いゴルファーは、特に、番手が高いアイアンもしくはロングアイアンまたは3番ウッドなどのドライバを含む特定のウッドを含めたロフトが小さい特定のクラブを用いると、ボールを「空中に上げる」ことに苦労する場合がある。ゴルファーがボールを「空中に上げる」に至らないショットは「ダフる」または無駄なショットになる場合があるため、未熟なゴルファーは、しばしば、ゴルファーがしっかりとボールを打たないまたはボールをかなりの距離にわたって空中で飛行させるのに十分な軌道を伴ってボールを打ち上げし損なう無駄なショットまたはダフるショットの頻度を減らすことと引き換えに、より高いボール飛行を有することによって幾らかの距離を犠牲にすることを望む。したがって、これらの2つのスキル範囲の間に入るゴルファーは、ゴルフクラブの中間に位置して中間および低いキックポイントのシャフトの融合したまたは平均的な傾向を呈する中間のキックポイント205(例えば、図5Aの205A)を望む場合がある。一般に、ゴルファーは、前述した基準に基づく位置にキックポイント205を有するシャフト190を選択してもよいが、ゴルファーは、「感触」または個人的な好みに頼って、前述した特性に逆らう態様の特性を有するシャフト190を選択してもよい。例えば、前述した傾向および一般化にもかかわらず、未熟なハンディキャップの高いゴルファーが高いキックポイント205Bを有するシャフトを選択してもよく、一方、非常に熟練したゴルファーが低いキックポイント205Dを有するシャフトを選択してもよい。
【0018】
それぞれのゴルファーのスイングが様々であるため、ゴルファーはシャフト190に関して様々な好みを有する。少なくとも一つのカテゴリー化システムにおいて、シャフトは、特定の曲げ特性に応じて、非常に硬い(X)、硬い(S)、レギュラー(R)、シニア(A)、レディース(L)のような剛性によって分類されてもよい。しかしながら、シャフトの剛性に関しては一定でない業界基準が存在しており、一つのシャフト製造メーカーによって「硬い」として分類されるシャフトが、特定の場合には、他のシャフト製造メーカーにより「レギュラー」と同じまたは類似する剛性特性を有する。とにかく、一般的に言うと、ゴルファーは、一般に、自分達が一般に所定のクラブでゴルフボールを打つことができる距離に基づいてシャフトを選択してもよい。例えば、ゴルファーおよびゴルフ技術職者は、シャフト剛性を選択する際のガイドとしてゴルファーがドライバを用いてドライバーショットを打つ距離に目を向ける。ゴルファーが250ヤードよりも遠くへドライバーショットを打つ場合には、ゴルファーは硬いシャフトを望む場合があり、230〜250ヤード-レギュラーシャフト、200〜230ヤード-シニアシャフト、200ヤード未満-レディースシャフトを望む。非常に硬いシャフトは、一般に、プロ選手、ハンディキャップが極めて低いゴルファー、または、極めて強力で速いスイングをするゴルファーを除いて使用されない。先と同様に、これらの特徴付けは単なる例示的な一般化であり、それぞれのゴルファーは、シャフト剛性、長さ290、キックポイント205の位置および様々な他の特性を含む好ましい特徴を望み通りに呈する所定のシャフトを有する所定のゴルフクラブを望む場合がある。
【0019】
ゴルフクラブ199は、一般に、ホーゼル180でヘッド100に連結されるシャフト190を含む。ゴルファーがゴルフクラブを保持するまたは把持するところであるグリップ195は、ヘッド100と反対側のシャフト190の端部に取り付けられる。グリップ195は、公知であり、好み、人間工学的特性、およびゴルファーの傾向、例えばスライスまたはフェイドを打つ傾向に応じてかなり異なる場合がある。例えば、グリップは、「グリップサイズ」および周長が異なる。また、これらのグリップは、グリップの外面の特定の質感およびグリップパターンが異なる。グリップは、円形となることができ、または、ゴルファーが自分の手を置くのに役立つように裏面にラインやリブを有する場合がある。他の形状も考えられる。グリップは、2〜3例を挙げると、ゴム、ポリマー、および、皮革を含む多くの材料から成ってもよい。グリップ特性は、例えばグリップに紐がけすることによりまたは任意の様々な材料をその材料の摩擦特性に基づいて選択することにより変えられてもよい。
【0020】
図2A〜2Bは、ゴルフクラブの様々なシャフト剛性およびキックポイント205A〜Eを示すゴルフクラブ199の説明図である。図2Aは、前述した原理と一致する5つの異なる剛性特性を伴って構成されるゴルフクラブの曲げ特性を示している。このように、ゴルフクラブ199および特にシャフト190A〜Eは、図示のごとく最大曲げの状態を呈することができ、ゴルフクラブ199のそれぞれの構成により様々な剛性の5つのそれぞれのシャフト190A〜Eと関連付けられるそれぞれの最大曲げ255A〜Eを有するように方向付けられる。例えば、シャフト190A〜Eは、最大曲げ状態で例示的に示されてもよく、非常に硬いシャフト190A、硬いシャフト190B、レギュラーシャフト190C、シニアシャフト190D、および、レディースシャフト190Eとして例示されてもよい。これらの表示も、例示的であって理解を容易にして明確にするためのものであるが、大きく異なってもよい。例えば、他の構成では、最大曲げ状態で示される同じ5本のシャフト190A〜Eの全てが、「レギュラー」シャフトとして特徴付けられまたはラベル付けされてもよく、また、全てが「レギュラー」シャフトとして特徴付けられているにもかかわらず様々な特定の剛性特性を有してもよい。シャフト190Aが剛性の最も高いシャフトとして特徴付けられ、シャフト190Eが剛性が最も低いシャフトとして特徴付けられてもよく、したがって、シャフト190B〜Dが剛性に関してシャフト190Aとシャフト190Eとの間のラインに入る。また、図2Aには、この構成ではゴルフクラブ199に力が加えられるときに曲げられ得るゴルフクラブおよび/またはシャフトの長さ210と同等の湾曲長さ290が示されている。また、ゴルフクラブ199および様々なシャフト190A〜Eを有するゴルフクラブ199の5つの構成のそれぞれは、シャフトが図示のように曲がる同じキックポイント205を有するように示されている。これらのシャフト190A〜Eは共通のキックポイント205を有するが、様々な剛性を有するシャフト190A〜E間で様々なキックポイント205の位置が考えられ、これについて更に後述する。
【0021】
図2Bは、更に様々な剛性を有する所定のゴルフクラブ199におけるゴルフクラブシャフトの効果を示している。図2Bは、ゴルフクラブ199のグリップ端195でクランプされるゴルフクラブ199を例示的に描いている。クランプ299(例示目的でゴルファーのグリップとして描かれている)は、グリップ195とグリップ内に備えられるシャフト190の部分とを厳格な固定位置で強固に保持する。したがって、グリップ195を有してクランプで保持されるシャフトの領域は、反対側のクラブヘッド100端から吊るされる錘260の形態の力が加えられても曲げまたは屈曲を呈さない。先と同様に、ゴルフクラブ199は、前述したように錘260の形態の力が加えられる結果として曲げ状態で示される一連の5本のシャフト190A〜190Eを伴って示されている。ここで、ゴルフクラブのグリップ端195がクランプされて曲げまたは屈曲を呈さないため、湾曲長さ290とシャフトの実際の長さとが異なる。したがって、図2Bに例示的に示されるゴルフクラブ199の湾曲長さ290は、グリップ195の一端からグルフクラブヘッド100におけるシャフト190の反対側の端部まで延びる長さ290である。
【0022】
様々な剛性を有する様々なシャフト190A〜Eの構成間でのゴルフクラブ199の挙動の違いが示されている。先と同様に、シャフト190Aが最も剛性の高いシャフトであり、一方、シャフト190Eが最も剛性の低いシャフトであり、したがって、他のシャフトがそれぞれこれらの間に入る。図2Bから明らかなように、シャフト190の剛性が高ければ高いほど、所定の力160が所定の位置に加えられるときにシャフト190が呈する撓みまたは屈曲が小さくなる。また、図2Bの例図は、特に様々な剛性を有するシャフト190A〜Eを含むシャフト190間でキックポイント205の位置も同様に異なることを示している。ここで、シャフト190Aが最も低いキックポイント205Aを有し、シャフト190Eが最も高いキックポイント205Eを有し、また、シャフト190B〜Dがこれらの間に入る関連するキックポイント205B〜Dを有する。この場合、キックポイント205位置の特定の位置の相違は、湾曲長さ290およびゴルフクラブ190の長さ210のそれぞれと比べて僅かである。所定のゴルフクラブシャフト190A〜Eは、特定の所定の剛性特性およびキックポイント205A〜Eを伴って形成されてもよい。しかしながら、シャフト190の剛性が異なることまたはキックポイント205の位置が異なることが好ましい場合がある。また、シャフト190の一部だけの剛性を変える一方で、シャフト190の残りの部分の当初の剛性を維持することが望ましい場合がある。例えば、シャフト190の一部の剛性を高めるがシャフトの残りの部分が当初の剛性特性を呈し続けることができるようにすることにより、よりカスタマイズされた剛性、キックポイントおよび関連する特性が望み通りに達成されてもよい。例えば、全体の剛性が変えられてもよく、および/またはキックポイント205の場所が移行されてもよい。具体的には、キックポイント205が更に高くなってゴルフクラブ199がその使用時に更に高い打ち上げ軌道/ボール飛行を与える傾向を有するように、キックポイント205がグリップ195へ向けてシャフト190の更に上側にシフトされてもよく、または、ゴルフクラブ199が更に低い打ち上げ軌道/ボール飛行を与える傾向を有するようにキックポイント205がシャフト190の更に下側にシフトされてもよい。シャフト190の剛性を特定の領域で変えることにより、キックポイントが結果的にシフトされて、シャフト190の湾曲長さ290が変えられ、それにより、屈曲が生じる場所が変えられてもよい。
【0023】
図3A〜3Cは、ゴルフクラブ199のシャフト190の切り欠き部に備えられるシャフト補強装置300の一つの例示的な構成の側面図、斜視図および端面図を描いている。図3A〜3Cに示されるこの形態のシャフト補強装置300は、2つの中空の対向する端部311、312を有する長尺管状体310を含む。シャフト補強装置は、一方の端部311から他方の端部312へと延びる長さ330を有する。対向する端部311、312はそれぞれの内周321、322を有する。シャフト補強装置は、内周321、322間で径方向内側が中空である。したがって、シャフト補強装置300は、対向する端部311、312間で延びる中空円筒状のチャンネル(図3A〜Cでは、シャフト190によってチャンネルが満たされているため図示されない)を備える。チャンネルは、ゴルフクラブ199のシャフト190を備えて締め付け係合するように構成される。したがって、シャフト補強装置300は、シャフト190の周囲にぴったりと嵌るが、ゴルフクラブ199のシャフト190上でシャフト補強装置300が摺動可能に調整できて操作できるのを防止するほど非常にぴったりとは嵌らない。シャフト補強装置300は、シャフト190上の特定の望ましい位置へ調整されてもよい。対向する端部311、312が同じサイズの内周321、322を有してもよく、または、ゴルフクラブ199のシャフト190の連続的に先細る円形状などの共通の形状を含むテーパ形状を更に補完するように内周のサイズが変えられてもよい。
【0024】
シャフト補強装置300は、様々なプラスチック、ゴム、エラストマーおよび公知の様々な他の材料を含む様々な材料から形成されてもよい。シャフトをゴルフクラブシャフト190に適用できるようにするため、シャフト補強装置300は、シャフト190の他の面の上端にわたって適用される際にその領域のシャフト190が高い剛性を示す柔軟な材料から形成されてもよい。例えば、一つの例示的な実施例において、シャフト補強装置は、シャフト190の上下に延びる長手方向で高い剛性を有するように形成される長手方向テープから成ってもよい。他の例示的な実施例では、シャフト補強装置が高分子またはプラスチックであってもよい。多くの他の材料および材料の組み合わせが本明細書において説明したものと一致するシャフト補強装置で使用されてもよい。シャフト補強装置300がグリップ195上にわたって適用される場合には、材料を柔軟にして、装置300がグリップ195上で拡張してシャフト190と依然として締め付け係合できるようにする必要がある。図6に関連して更に詳しく説明するように、シャフト補強装置は、ゴルフクラブヘッド100、グリップ195、または、これらの両方の取り付け前を含むゴルフクラブ199の完全な組み付け前にシャフト上にわたって配置されてもよい。ゴルフクラブ199の完全な組み付け前にシャフト補強装置がシャフト190の外面上にわたって配置される構成では、グリップ上またはシャフト190よりも大きい外周(周長)を有するゴルフクラブヘッドの他の部分(例えば、グリップ195)上にわたってシャフト補強装置がスライドされる必要がある場合に想定し得るよりも硬質で弾性が低い材料が利用されてもよい。ゴルフクラブのグリップ195の変更または交換は一般的なことである。したがって、シャフト補強装置300を適用するためのグリップ195の除去は簡単なことであることが公知であり、そのため、ゴルフクラブ199の障害となる部分上でシャフト補強装置を伸ばして引っ張ることができるようにシャフト補強装置300が構成される(十分に弾性の材料から成ることを含む)形態の場合であっても、ゴルフクラブのグリップ195を除去することが望ましい場合がある。しかしながら、前述したように、特定の形態のシャフト補強装置300が組み立てられたゴルフクラブ199に適用できるように構成されると、補修部品市場は、ゴルフクラブ199の任意の部分を分解しない。したがって、ゴルファーが、ゴルフクラブ199の購入後および/または使用後に、異なるシャフト特性が自分のスイングを更に補完できることを悟ると、シャフト補強装置300が適用されて、場合によりシャフト剛性全体の増大、シャフトの一部の剛性の増大またはゴルフクラブ199のキックポイント205のシフトを含むシャフト特性が補間されてもよい。
【0025】
シャフト補強装置300は、非係合状態のシャフト補強装置300の内周321、322がシャフト190の外面よりも小さいため、シャフト190の外面と締め付け係合し得る。シャフト補強装置がシャフト190の外面上にわたって引っ張られると、シャフトの固体スチールまたはグラファイト材料としての構造的完全性がその形状およびサイズを保つ。したがって、シャフト補強装置300は、その材料特性が径方向外側方向の特定量の拡張および「伸長」を許容するような程度まで、間を通る内周321、322を含むように、拡張され、それにより、シャフト補強装置300の一部が伸長される。シャフト補強装置は、拡張応力下で配置され、シャフト190の外面に対して相反する力を及ぼす。これは、シャフト補強装置300の材料の完全性が変形に抵抗するからである。これらの相反する力により、シャフト補強装置300がシャフト190と締め付け係合する。シャフト補強装置300は、ゴルファーのスイング中に加えられる力に耐えることができるように且つそれが配置される特定の場所にとどまるように構成される。要するに、スイング中のクラブシャフト190の上げ下げの力は、シャフト補強装置300がシャフト190の外面と締め付け係合されている結果として、抵抗摩擦係合力よりも大きくない。しかしながら、シャフト補強装置300は、ゴルファー10または他のユーザが十分な直接的な力をシャフト補強装置300の端部311、312および/または外面340に加える場合にシャフト補強装置300がシャフト190上で特定の距離にわたって一方向または両方向にスライドするようにも構成される。特定の形態において、シャフト補強装置300は、ゴルフクラブシャフト190の全長にわたってまたは少なくともホーゼル180とグリップ195の底部との間でスライドされてもよい。他の形態において、シャフト補強装置300は、より具体的には、それがシャフトの特定の範囲内(例えば、400A〜C)で調整され得るがシャフト上の任意の位置へとスライドできないように、シャフト190の低い400A部分、中間の400B部分、高い400C部分内でのみ調整できるように構成されてもよい(図4および図5A〜5D参照)。
【0026】
図4は、シャフト補強装置300の幾つかの構成の説明図である。参考のため、ゴルフクラブ199のシャフトは、低い部分400A、中間部分400B、高い部分400Cを有してもよい。図示の低い部分400Aは、ゴルフクラブヘッド100(特定の構成のゴルフクラブ199がホーゼルを含む範囲では、ホーゼル180)に隣接するシャフトの部分である。低い部分400Aは、特にシャフト190がグリップ端195からシャフト190の反対側の端部にあるゴルフクラブヘッド100まで連続的に先細っている場合には最小周直径を一般に有するシャフト190の部分である。高い部分400Cは、ゴルフクラブ199のグリップ端195に隣接するシャフト190の部分であり、一方、中間部分400Bは、低い部分400Aと高い部分400Cとの間の部分である。シャフト補強装置300は、低い部分400A、中間部分400B、高い部分400Cのうちの一つに関して具体的に構成されて寸法付けられてもよい。特定の寸法付けにより、シャフト補強装置300を長さおよび周長を含めて各部分400A〜Cに対してより具体的に合わせることができる。図示のように、シャフト補強装置300A、300B、300Cはそれぞれ、シャフト190の部分400A、400B、400Cのそれぞれと締め付け係合するように寸法付けられ、成形されおよび形造られる。少なくとも一つの構成において、シャフト補強装置は、シャフトの部分400A、400B、400Cのそれぞれの長さよりも短い長さ330A、330B、330Cを有する。シャフト補強装置300A、300B、300Cはシャフト190上のその対応する部分400A、400B、400Cよりも短いため、シャフト補強装置300A、300B、300Cが部分400A、400B、400Cと共にスライド可能に調整されて、それにより、シャフト190の特定の部分の剛性が高められるまたはキックポイント205の位置が移動されるなど、シャフト補強装置300のシャフト剛性変更作用が細かく調整されてもよい。
【0027】
図5A〜5Dは、シャフト補強装置300A〜300Cがゴルフクラブシャフトの曲げ、剛性、およびキックポイントの属性に対して与える例示的な影響を描く説明図である。図5Aは、シャフト補強装置300A〜Cを伴わないゴルフクラブ199を描いている。また、図5Aでは、ゴルフクラブ199が、ゴルフクラブヘッド100からグリップ195まで延びるように示される湾曲長さ290Aを有する。グリップ195を有するシャフト190の部分が屈曲または曲げを示さなかった図2Bの場合と同様に、グリップ195もほぼ真っ直ぐで硬いままである。また、グリップ195が所定位置にクランプされ、したがって曲がらなかった場合と同様に、ゴルファーはゴルフクラブのグリップ195を把持し、また、ゴルファーの手は、シャフトがグリップ195で曲がるのを防止する(クランプのような)固定力として作用する。言うまでもなく分かるように、ゴルファーは、グリップ195上の様々な位置でシャフトを把持してもよく、したがって、湾曲長さ290が実際にはグリップ195の下端の部分を含んでもよい。しかしながら、例示および説明の目的で、図5A〜5Dは、グリップ195が例えばゴルファーの手による外力によりグリップ195の全長にわたって強固に保持されることを前提とする。
【0028】
図5B〜5Dは、シャフト190の低い部分400A、中間部分400B、高い部分400Cにシャフト補強装置300A〜300Cが備えられたゴルフクラブ199を例示的に示している。また、図5B〜5Dは、シャフト補強装置300A〜300Cが湾曲長さ290B〜290Dおよびキックポイント205B〜205Dの位置を含む様々なゴルフクラブ199の特性に対して与える効果も示している。図5Bは、シャフト補強装置300Aがゴルフクラブヘッド100に隣接するシャフト190の低い部分400Aに備えられるゴルフクラブ199を例示的に示している。シャフト補強装置はシャフト190の外周に締め付け係合される。補強装置300Aは、ゴム、ポリマー、プラスチックおよび他の材料を含む前述した多くの材料から成ってもよい。シャフトの低い部分400Aと締め付け係合するシャフト補強装置300Aにより、シャフト補強装置の径方向内側のシャフトの領域部分は、シャフト補強装置300Aの端部311A、312A間の長さ330Aにわたって高い剛性特性を呈する。ここで、剛性特性は、シャフト190がゴルフクラブ199のシャフトの低い部分400Aで硬くなるように変えられてしまっている。したがって、曲げまたは屈曲を呈するシャフトの部分を、関連する湾曲長さ290Bにわたって変更できる。また、キックポイント205Bがゴルフクラブのグリップ195および高い部分400Cへ向けて更に上方へシフトされる。図5Cは、シャフト補強装置300Bがゴルフクラブヘッド100のシャフト190の中間部分400Bに備えられるゴルフクラブ199を例示的に示している。同様に、シャフト補強装置300Bはその締め付け係合によって示されており、それにより、中間部分400Bは、高い剛性特性、特にかなり硬質な特性を呈する。したがって、この場合のシャフト190は2つの湾曲長さ領域205Cを有する。また、図5Cの形態のシャフトは、シャフト補強装置の両側に一対のキックポイント205Cも有する。最後に、図5Dは、シャフト補強装置300Cがシャフト190の高い部分400Cに備えられるゴルフクラブ199を例示的に示している。ゴルフクラブシャフトの高い部分400Cは高い剛性特性を有するように示されている。これは、この領域のシャフトがシャフト補強装置300Cによってほぼ硬質に保たれるように示されているからである。したがって、湾曲長さ290Dは、下側のゴルフクラブヘッド100のゴルフクラブヘッド100端付近およびグリップ195のそれぞれに及んでいる。また、キックポイント205Dが様々な位置を有する。
【0029】
図示して説明したように、シャフト補強装置300A〜300Cは、シャフトを特定の領域で下方に押圧する様々な柔軟であるが締め付け係合する構造に形成することができる。したがって、シャフト190を更に支持することができ、また、その特定の領域のシャフトが高い剛性特性を呈する。どの程度まで剛性特性が変えられるかは、場合により当初のシャフト剛性、シャフト補強装置330A〜330Cの長さ、シャフト補強装置300A〜300Cの材料組成、シャフト補強装置300A〜300Cによる締め付け係合の嵌め合い、ゴルファー10のスイング特性、および、他の特定の特性を含む様々な特性によって決まる。また、図示のように、シャフト補強装置300は、シャフト190と係合してゴルフクラブ199の他の特徴を変更することなくシャフト特性を望み通りに変えるように更に形成されてもよい。例えば、連続した滑らかな感触をゴルファーに与えるため、シャフト補強装置300Cがシャフトの高い部分400Cのために特に構成される場合には、シャフト補強装置300Cは、一つの構成は、端部312がグリップ195の下端196に当接してグリップ198の外面がシャフト補強装置300Cと面一になるように形成されてもよい。したがって、シャフト補強装置300Cは、図示のように位置されると、別個の構造ではなく単一の長尺グリップ195の感触をシャフト190の上端付近に与える。そのため、依然としてシャフト特性変更機能を望み通りに達成しつつ、感触特性の向上を達成できる。
【0030】
シャフト補強装置300内のシャフト190の領域は、図5A〜5Cの図では例示目的で曲げを呈しないように示されているが、これらの領域のシャフト190は、曲がらないのではなく、様々な形態で小さい曲げを呈する場合がある。したがって、シャフト剛性特性を含むシャフト特性は、本明細書において説明される特性と一致して達成され得る。これは、「小さい曲げ」領域が、おそらく特定の特性の度合いおよび程度の違いだけを伴って、「曲がらない」領域と同様の効果をシャフトの特性および機能性に対して与えるからである。同様に、図5A〜5Dでは、グリップ195内のシャフト190の領域が曲げ領域を有するように示されているが、この領域も、図5A〜5Dの形態でクラブをスイングする際に、ゴルファーが自分の手でこの領域を把持する結果として小さい曲げ特性(あるいは、曲がらない)を有する。これは、ゴルファーの手が図2Bに示されるそれと一致するクランプとして作用し得るからである。
【0031】
図6Aは、ゴルフクラブ199のシャフト190上にシャフト補強装置300を配置するための一つの構成を例示的に描いている。ゴルフクラブのこの構成では、3つの部分、すなわち、ゴルフクラブヘッド100、グリップ195、およびシャフト190が示されている。これらの3つの部分は共に連結されてゴルフクラブ199を形成する。シャフト補強装置300の適用は、ゴルフクラブ199が組み立てられる前に更に簡単に行なわれる。図6Aに示されるように、ゴルフクラブ199が未だ完全に組み立てられておらず、そのため、グリップ195および/またはゴルフクラブヘッド100の一方または両方がゴルフクラブ199の残りの部分に取り付けられていない場合には、シャフト補強装置300をシャフト190上へと引き寄せて所望の位置までスライドさせることができる。特定の構成では、シャフト補強装置300を端部の一方のみからしか適用できない場合がある。これは、公差が十分にきつく、そのため、スライド中に直面するシャフトの更に幅広い直径によりシャフト補強装置300が動けなくなり、シャフト補強装置をシャフトの長さにわたって上方にスライドさせることができないからである。図6Aの構成では、シャフト補強装置300がシャフトに適用されて所望の位置で位置決めされる。次に、それに応じて、当技術分野において公知である固定プロセスおよび接着技術および接着剤を使用して、ゴルフクラブヘッド100およびグリップ195がシャフト190に連結される。あるいは、前述したように、特定の形態のシャフト補強装置が完全に組み付けられたゴルフクラブ199に対して後付けで適用されてもよい。一般に、そのような後付けの状況では、ゴルフクラブ199が任意の度合いまで分解されなければ、シャフト補強装置がグリップ195上に適用されてシャフト195の更に下方へとスライドされる。あるいは、図6Bに示されるように、シャフト補強装置300は、シャフト補強装置300が2つの分割された半体610、620の構成であるように形成されてもよく、一形態では、半体は、真正の半体など、サイズおよび形状が同等であってもよく、または、半体のサイズおよび形状が異なってもよい。半体610、620は、サイズが同様に形成されていても異なっていても、互いにはめ合うことができ、それにより、半体610、620は、シャフト190の周囲に巻回してスナップ係合する、圧入する、または、さもなければシャフト190と締め付け係合される際に互いに保持するシャフト補強スリーブを形成する。利用され得る機構には、スナップ嵌合、圧縮嵌合、結合、接着および2つの構造体および/または2つの材料を一緒に保持するための様々な他の技術がある。図6Bはスナップ嵌合を示しており、この場合、金属コネクタ611が半体610に備えられ、それにより、相補的な雌コネクタ612を有する半体620と係合されて接続される。半体として図示して説明されるが、シャフト補強装置300は、本明細書において説明したものと一致するシャフト190と締め付け係合するための構造を形成するために、3つ、4つまたは、それ以上の同じまたは様々な形状およびサイズの構造から成ってもよいことは理解されたい。図示されるこれらの例示的な接続は単なる例示であり、多くの他の特定の接続構成および形態が考えられる。
【0032】
図7は、シャフト補強装置のキット700の一構成の例示的な概略図である。ここで、キット700は一連のシャフト補強装置300A、300B、300Cを含む。シャフト補強装置300A、300B、300Cのそれぞれは、シャフト190の特定の部分のために具体的に形成される。ここで、シャフト補強装置300Aは、シャフトの低い部分400Aに具体的に嵌るように寸法付けられて形成され、シャフト補強装置300Bは、シャフトの中間部分400Bに具体的に嵌るように寸法付けられて形成され、また、シャフト補強装置300Cは、シャフトの高い部分400Cに具体的に嵌まるように寸法付けられて形成される。シャフトの特定の特性に起因して、シャフト補強装置300A〜300Cは断面および長さが異なり、この場合、シャフト補強装置300Aは最も短く且つ最も小さい断面を有し、一方、シャフト補強装置300Cは最も長く且つ最も大きい断面を有する。この特定の形態において、キット700は、3つのシャフト補強装置300A、300B、300Cを目に見えるホルダ710A、710B、710C内に備えるように構成されるハウジング750を含む。キット700およびハウジング750は、特に、棚に掛けることができ、あるいは、見ることができ、表示することができ、見るため、選択のためおよび/または購入のために吊るすことができる。キット700はクラブ検査カートと同様に利用されてもよく、それにより、複数のシャフト補強装置300がキット内に備えられてもよく、また、ゴルファー、ゴルフ技術職者および想定し得る購入者は、検査のために利用できる一連のシャフト補強装置からシャフト補強装置を見て選択してもよい。例えば、図3A〜3Bに示されるシャフト補強装置300などの単体シャフト補強装置300および図6Bに示されるシャフト補強装置などの複合部品シャフト補強装置300、ならびに、他の様々な形態のシャフト補強装置300は、ゴルファーにとって最も望ましく且つゴルファーのスイングにとって最も有益な特徴を有するシャフト補強装置をゴルファーが選択できるようにキット700内に備えられてもよい。図示のキット700または本明細書において記載されるものと一致する他の同様なキットを使用して、ゴルファー、ゴルフ技術職者または他のユーザあるいはゴルフ用品の配給業者は、ゴルファーに特定のシャフト補強装置300をフィッティングさせることができる。
【0033】
ゴルフ技術職者は、ゴルファーと協力して、ゴルファーの傾向を分析し、彼らのスイングの修正に関して指示や提案を与えることにより、また、クラブの選択を含めて様々な用品を推薦することにより、彼らのスイングおよび関連するプレーを含む彼らのゴルフゲームの向上を支援することで公知である。また、特定のゴルフ製造メーカーにおけるゴルフ技術職者は、ゴルファーが独りで、またはゴルフ技術職者の支援を伴って選ぶことができる特徴の選択を与えてもよい。ゴルフクラブごとに異なる特徴には、長さ、剛性、キックポイント、グリップタイプ感触および他の多くのものを含む様々なシャフト特性がある。それぞれのゴルファーは、他のゴルファーとは異なるスイング傾向を有する場合がある。したがって、ゴルファーは、ゴルファーのスイング特性およびスイング傾向が注目されて考慮されるように前もってゴルフクラブの個人に合わせたフィッティングを望み且つそのようなフィッティングの利益を享受し得る。フィッティングプロセスにおいて、ゴルファーは、プロによって視覚的にまたは当技術分野において公知である様々な測定・解析装置のいずれかを使用して自分のスイングが分析されてもよく、それについて以下で更に説明する。
【0034】
図8A〜8Cは、シャフト190を含むゴルフクラブ199をフィッティングさせる一つの態様を例示的に描いている。公知のように、ゴルファー10は、一人または複数のゴルフ技術職者またはゴルフクラブフィッターの前で多くのスイングを行なってもよい。ゴルフスイングを含む動作は、デジタルビデオカメラのようなビデオグラフィック装置を含む測定装置によって観察され、記録され、および/または、測定されてもよい。図8Aおよび図8Bは、例示的なフィッティングステーション1000でゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打つゴルファーの平面図および背面図をそれぞれ示している。フィッティングステーション1000は、任意の多くの構成および特徴を有してもよい。図8A〜8Cに示されるフィッティングステーション1000は屋内フィッティングステーションである。しかしながら、フィッティングステーション1000は、屋内であってもまたは屋外であってもよく、また、プロショップ内またはその付近および公知の様々な他の場所を含めて、ゴルフ練習場または他の練習設備に、ゴルフコースに設置されてもよい。フィッティングステーション1000は、特にフィッティングステーションが屋内ステーションであるときまたはステーションがゴルフ練習場の一部であるときには、球打マット1010を含んでもよい。しかしながら、フィッティングステーションは、芝生のティーボックス上または他の屋外の自然のゴルフ環境に存在してもよい。ここで、屋内フィッティングステーション1000は、ゴルファー10が自分のショットを行なう際、素振りを行なう際、および、ゴルフ技術職者またはゴルフクラブフィッターの前でスイングする際にボールを打ち込んでもよいネット1030も含む。ネット1030により、より限定された空間内、例えば屋内、プロショップ内、または、利用できる土地が限られるゴルフ練習場でフィッティングを行なうことができる。ネット1030の背後には、ゴルファーにあたかもゴルフコースにいるように感じさせることができる背景1040または他の構造があってもよい。また、具体的には図示しないが、背景は、速度センサまたは力センサ、ビデオグラフィック装置、および、ゴルファーのフィッティングで利用され得る他の装置を含む更なる測定装置を備えるかまたは保護してもよい。
【0035】
ゴルファーのショットのボール飛行は、ボールが自然の停止ポイント/ライに達するまで飛行するのに十分な空間を有するゴルフ練習場のフィッティングステーションでボール飛行全体を見ることにより監視されてもよい。また、ゴルファーは、閉ざされた空間で、速度、軌跡、スピンなどを含むショットの初期特性に基づいて飛行経路を決定できるデジタルビデオカメラまたは他のコンピュータ装置により監視された状態で打ってもよい。更なる測定装置を使用して、ゴルファーのスイング経路および関連する傾向を更に理解してもよい。一つの形態の例では、デジタルビデオカメラ装置1060を使用してゴルファーのスイングが撮影されてもよい。特に、ゴルファーのスイングは、ゴルファーがカメラに対してスクエアの対向した姿勢を有するようにトゥ端側から見て撮影されてもよい。他の形態では、これに代えてまたはこれに加えて、測定装置1061がこのように例示的に示される位置などの所定の位置に位置決めされる測定装置によってゴルファーのスイングが撮影されてもよい。背後またはトゥ端側などのスクエア方向からゴルファーのスイングを撮影することにより、ビデオは、図8Cに示されるように好ましい技巧を持つゴルファーによって行なわれて記録されたスイング経路および画像と比較されてもよい。
【0036】
ゴルファースイングのスイング経路、接触方向および関連する特性を監視するために使用され得る装置および試験のうちの幾つかは、ビデオ記録、ドップラーレーダー技術を含むレーダートラッキング、動き検出装置、速度レーダー装置、ボール飛行トラッキング装置および監視システムならびに、当技術分野において公知であるような同様のゴルフスイング解析装置である。これらの測定装置は、図示の測定装置1060、1061が位置決めされて示されるように位置されてもよい。これらの装置は、ゴルファーが測定装置で打っているようにゴルファー10の前方に、または、ゴルファーの背中の背後のゴルファーの踵端側に位置されてもよい。更には、測定装置は、頭上に配置されてもよく、または、実際には、測定装置がゴルファーの動きのビデオ画像などのデータを記録できまたは速度、方向、方位、および公知の他の特性などのゴルフクラブの一部もしくはボールの動きと関連付けられるデータもしくは特性を追跡記録できるように任意の場所に配置されてもよい。スイング中のゴルフクラブの方向、特にゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つときの打域にわたるゴルフクラブの方向を決定することに焦点を合わせた他の装置が利用されてもよい。これらの装置は、ビデオグラフィック、レーダーまたは他の動き追跡装置と同じもしくは同様の装置であってもよく、または、装置は、ゴルフクラブの底面が地面と接触する場所と、クラブの打域にわたる動作方向および方位とを描くライボード装置のように簡単であってもよい。また、ゴルフクラブヘッドの打面125上に配置される基本的なテープ装置を使用して、ボールがスイートスポットで打たれているかまたは中心から外れて打たれているかどうかを決定するべくゴルフボールが打たれている打面125の部分に関するデータを供給してもよく、それにより、結果を最適化するためにスイングまたはクラブが調整を要する場合がある。
【0037】
十分な数のスイングおよび「練習」または「サンプル」ショットが行なわれて、信頼できるフィッティングをもたらす望ましいショットのサンプルを供給した後、ゴルフおよび/またはフィッティング技術職者は、収集されたデータを使用して、ゴルファーが従来の好ましいスイングメカニズムにしたがってゴルフスイングをより規則的に行なうを助ける視認できるスイングインジケータ400を有する特定のゴルフクラブヘッド100を勧めることができる。収集されまたは測定される特性のうちの幾つかとして、例を挙げると、スイング経路データ、軌跡、インパクト時のゴルフクラブの方向、ボールスピン、ボール飛行、および、ゴルファーの身体の寸法および人間工学的特性が挙げられる。スイングパターンを含むスイングの解析は、望ましいスイング経路、ゴルファーのスイングの傾向、および、必要とされる特定の変更をより視覚的に目立たせることができるようなゴルファーの現在のスイング経路の変更を決定するために使用することができる。屈曲特性および曲げ特性は、クラブのクラブシャフトが特定のスイング傾向を伴うゴルファーの能力を最大にするものとして適しているかどうかを決定するために解析を行なうことができるように決定されて示されてもよい。例えば、好ましい剛性、好ましいキックポイント位置および特定の場所に位置されるシャフト補強装置の効果である。
【0038】
図8Cは、デジタルビデオなどのビデオグラフィック形態でゴルファーの2つのスイングを例示的に描く2つのそれぞれのスイング特性出力1051、1052を描いているディスプレイ1050を示している。一つの構成において、表示されたスイング1051は、プロゴルファーまたは好ましいスイングメカニズムを伴う「仮想ゴルファー」を含む他のゴルファーの好ましいスイングのビデオグラフィック画像であってもよい。右側のゴルフスイング1052は、フィッティングステーション1000で現在解析されているゴルファー10の実際のスイングであってもよい。ディスプレイ1050上での分割スクリーン比較により、視認できるスイングインジケータ、シャフト特性および、ゴルファーが好ましいパフォーマンスを達成するべく好ましい方法でスイングするのを容易にするためのアライメント補助および他の特徴などの特定のゴルフクラブ特徴に関してゴルファーが解析されてフィッティングされてもよい。例えば、ゴルファーのバックスイング経路1055A、1055Bがスイング1051、1052中に比較されてもよい。同様に、ゴルフクラブヘッド1056A、1056Bの方向、ゴルファーの腕および手の位置1057A、1057B、および、頭部位置1058A、1058Bが視覚的に比較されてもよい。他の比較および解析が公知のように行なわれてもよい。ここではディスプレイ1050がゴルファーのスイングに関するビデオグラフィック情報を示すが、ディスプレイ1050は、ゴルファー10をフィッティングする際に利用される様々な他の特性の出力を含む他の解析局面中に利用されてもよい。また、図8Bに示されるように、ディスプレイ1050は、フィッティング経験を促すために使用されてもよく、また、フィッティングプロセス中にゴルファーに見えてもよい。しかしながら、様々な形態の出力を使用して、スイング解析を行なうことができるとともに、ゴルファーのスイングに関する出力データをゴルファーまたはゴルフ技術職者に対して提供できる。
【0039】
様々な態様に関連する以上の説明および添付図面では、本発明の例示的な局面が開示されている。しかしながら、態様の開示により果たされる目的は、本発明で具現化される様々な局面の一例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者であれば分かるように、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱することなく態様に対して多くの変形および改良がなされてもよい。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ゴルフクラブ付属装置、該付属装置を有する関連するゴルフクラブ、およびゴルフクラブに該装置をはめ付ける方法に関する。特に、本発明は、シャフト補強装置、シャフト補強装置を有するゴルフクラブ、およびゴルフクラブにシャフト補強装置をはめ付ける関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ゴルファーのバックスイングおよびダウンスイングを含むゴルファーのスイングは、しばしば、ゴルフコースでのゴルファーのパフォーマンスに関連付けられる。ゴルフクラブを一貫して好ましい方法でスイングできるゴルファーは、ゴルフボールを更に遠くに、真っ直ぐに、より一貫して打つことができる。ゴルファーのスイングが好ましいスイング方向、クラブ方向およびスイング動作経路と関連付けられる特定の属性を有すると、精度、制御および方向が改善される場合がある。しかしながら、多くのゴルファーは、特定の好ましいスイング方向、クラブ方向、および、動作経路にしたがってゴルフクラブをスイングするのに困難を伴う。また、ゴルファーは、時として、好ましい位置、方位、および方向でゴルフクラブヘッドによりゴルフボールを打とうと努力する。同様に、ゴルフクラブヘッド速度も、ボール飛行経路、ならびにゴルフボールがゴルフクラブヘッドによって打たれた後に飛行する距離および方向に影響を及ぼす。ゴルファーは、人間工学的な寸法、強さ、および他の特徴が物理的に異なり、また、スイング速度等を含むスイング特性において様々な違いも示す。ゴルフクラブ部品およびゴルフクラブは、全体として、シャフト、クラブヘッド、および、グリップなどの個々の部品の特性に基づいて様々な特性を示す。シャフトは、ゴルフスイングを行なう際の重要な構造体であり、スイング中の様々なポイントでのゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドの位置、方向、速度を含むゴルファーのスイングに影響を及ぼす場合がある。シャフトはクラブのための性能に影響を及ぼし、また、好ましい改良された部品特性を含む好ましいゴルフクラブ性能は、特にシャフトなどの部品において望ましい。
【発明の概要】
【0003】
概要
発明の局面はゴルフクラブシャフト補強装置に関する。シャフト補強装置は、管状の内腔を形成する内周および長さを含む柔軟な管状体であってもよい。内周は、シャフトの外面を取り囲んで該外面と締め付け係合するとともにシャフトの剛性特性を増大させるように寸法付けられて構成される。シャフトは取り外し可能であってもよい。特定の構成では、管状体は単体部材であってもよい。シャフト補強装置がシャフト上で摺動可能に調整できてもよい。
【0004】
他の局面において、発明の局面は、ゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブヘッドに連結されグリップを備えるシャフトと、シャフトの外側となるようにシャフトの外面上に摺動可能に設けられるシャフト補強装置とを有するゴルフクラブに関する。シャフト補強装置は、シャフトの特定の領域と締め付け係合するように寸法付けられ、形成され、あるいは、さもなければ構成されてもよい。
【0005】
他の局面では、ゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法が記載される。方法は、ゴルフクラブのシャフトの剛性特性を決定する段階と、測定装置を使用してゴルフクラブのスイングに基づいてシャフトの所望の剛性特性を決定する段階と、複数の利用可能なシャフト補強装置から特定のシャフト補強装置を選択する段階とを含んでもよい。選択されたシャフト補強装置は、それがシャフトの所定の領域上にわたってシャフトの外面と締め付け係合するようにシャフト上に配置されてもよい。
【0006】
他の局面では、一連のシャフト補強装置を有するキットが記載される。シャフト補強装置は、シャフトの様々な部分にはめ付けるための様々な特性および/またはシャフト補強装置のうちの一つ以上がシャフトと締め付け係合されるときにシャフトが特定の特性を示すようにする様々な特性を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前述の概要および以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読むと、より良く理解できる。
【図1A】ゴルフクラブの様々な構成の概略的な正面図である。
【図1B】ゴルフクラブの様々な構成の概略的なトゥ側端面図である。
【図2】図2A〜2Bは、ゴルフクラブのシャフト特性を含む特性を描く説明図である。
【図3】図3A〜3Cは、シャフト補強装置の例示的構成の側面図、斜視図および端面図を描いている。
【図4】幾つかのシャフト補強装置の他の構成の説明図である。
【図5】図5A〜5Dは、ゴルフクラブに対する様々なシャフト補強装置の例示的効果を描く図である。
【図6A】ゴルフクラブに対するシャフト補強装置の適用の説明図である。
【図6B】ゴルフクラブに対するシャフト補強装置の適用の説明図である。
【図7】シャフト補強部材のキットの一構成の概略説明図である。
【図8A】ゴルフクラブおよび関連する装置をはめ付ける方法の局面を例示的に描いている。
【図8B】ゴルフクラブおよび関連する装置をはめ付ける方法の局面を例示的に描いている。
【図8C】ゴルフクラブおよび関連する装置をはめ付ける方法の局面を例示的に描いている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
様々な態様の以下の説明では、本発明を実施できる例示的構成を描く添付図面を参照する。他の態様が利用されてもよく、また、本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいことを理解されたい。
【0009】
図1A〜1Bはそれぞれ、ゴルフクラブ199の3つの構成の概略的な正面図およびトゥ側端面図である。3つの構成は、一般に、「アイアン」、「ドライバ」、「ハイブリッド」ゴルフクラブ199と称されてもよい。この用語は当業者によって公知である。ドライバゴルフクラブおよびハイブリッドゴルフクラブ199は、他の想定し得る例示的な潜在的違いのうちで、ゴルフクラブヘッドのサイズ、形状、および、ロフトを含む差異をこれらの間で有するが、いずれも、より一般的にはウッド型ゴルフクラブヘッドを有する「ウッド型」ゴルフクラブとして分類されてもよい。フェアウェイウッド、レスキュークラブ、数値的に基準付けられたウッド、例えば3番ウッド、5番ウッド、7番ウッド、および、他の用語も、「ウッド型」ゴルフクラブとして特徴付けられてもよいゴルフクラブのことである。アイアン199は、一般に、アイアン型ゴルフクラブヘッドを有する「アイアン型」ゴルフクラブと見なされてもよい。ロングアイアン、ミドルアイアンおよびショートアイアン(または、例えば3番アイアン、7番アイアン、9番アイアンなどの数値で示されるアイアン)はアイアン型ゴルフクラブと見なされてもよい。また、様々なウェッジ、例えばロフトウェッジ、サンドウェッジ、ピッチングウェッジおよびギャップウェッジも「アイアン型」ゴルフクラブと見なされてもよい。パターおよび他のタイプのゴルフクラブも存在し、当技術分野において公知である。
【0010】
図から分かるように、ゴルフクラブヘッド100は、例示的に、トップ110、前面120、トゥ端130、背面140、ヒール端150、および、ボトム(または、ソール)160を含むと見なされてもよい。また、ゴルフクラブ100は、一般に、とりわけシャフト190に対するゴルフクラブヘッド100の接続を容易にするために形成されるホーゼル180を含む。ゴルフクラブ199が「ウッド型」または「アイアン型」ゴルフクラブであるかどうかに応じて、ゴルフクラブヘッド100は様々な形態およびサイズを有してもよく、前述した部分の材料、形状、および、他の特徴が当技術分野において公知であるように変えられる。ホーゼル180は、一般に、ゴルフクラブヘッド100の残りの部分と共に形成され、一般にシャフト190をゴルフクラブヘッド100に連結するゴルフクラブヘッド100の一部である。ホーゼル180構造は、クラブのバランス、感触、およびパワーに影響を与える場合がある。しかしながら、ホーゼル180は、一般に、ゴルフ用具の末端消費者によって詳しく考慮されず、より一般的には、ゴルフクラブ設計者および製造メーカー、ならびに、同様の実体によって考慮される。ホーゼル180の主な機能は、グルフクラブヘッド100の残りの部分に対してシャフトを連結することでありうるが、特定の形状、サイズ、方向性、ならびに連結方向および連結角度を伴って構成されるホーゼル180は、ゴルフクラブの前面120の上端よりも上側に最小量の質量を配置し、それにより、クラブに対して更に低い質量中心を与え、その結果、ゴルファーがゴルフボールを更に遠くまで打つのを容易にすることを含む所望の特性をゴルフクラブ199に対して与えることができる。
【0011】
前面120は、一般に、ゴルフボールを打つように構成される打面125を備える。打面125は、様々な特徴、形態、形状、表面および細部のうちのいずれかを含んでもよい。例えば、打面125は、打面125がゴルフボールをインパクトする際のゴルフボールの望ましい飛行を容易にする一連の水平溝を含んでもよい。これらの溝の間隔、サイズ、深さ、形状、輪郭および方向は、所望のボール飛行特性を得るためにクラブのタイプ(および/または、特定のクラブ製造メーカー)に基づいて変えられてもよい。多くの他の形態の表面処理および装飾が、硬化材料から、穴、溝、および、襞ならびに周知の様々な他の打面材料、構造、形態に至るまで、打面125に組み入れられてもよい。
【0012】
ゴルフクラブ199のシャフト190は、ゴルファーの手をゴルフクラブヘッド100に接続する一般にスチールまたはグラファイトから形成される長尺部材である。ゴルファーは、多くの場合、ゴルフクラブヘッド190と反対側に離れたシャフト190の端部に備えられるグリップ195を保持するまたは把持することによってゴルフクラブ199を保持する。ゴルフクラブシャフト190の機能の一つは、ゴルフボールを所望の飛行経路および距離で飛ばすようにゴルファーがゴルフボールを打つまたはたたくのを容易にすることである。シャフトにより、ゴルファーは、シャフト190の形態および特性を含むゴルフクラブ199の形態がゴルフクラブヘッド100を介してゴルフボールに加えられ且つゴルフクラブヘッド100がゴルフボールを打つときにゴルフボールに加えられる遠心性の力をゴルファーが生み出すことを可能にしおよび容易にするようにゴルフボールを打つことができる。シャフト190は、それらの特定の寸法、特にそれらの長さが異なってもよいが、直径などの他の特徴が異なってもよい。多くの場合、シャフト190は先細りのチューブである。一つの形態において、シャフトは、グリップ付近で約1/2インチの直径を有しており、グリップ195と反対側の端部(該端部はホーゼル180内に備えられる)が一般にグリップ付近の直径よりも小さい直径(例えば0.5インチ未満)を有するその最も細い部分となるまでシャフトの長さにわたって連続的に下方へ先細る。
【0013】
シャフト190は、当技術分野においても公知であるように、長さ、材料、組成、剛性、曲げおよび他の特性および特徴が変えられてもよい。例えば、ゴルファーは、様々な材料から形成されるシャフトを、それらの材料の特性に照らして選択してもよい。シャフト190の一つの特性はその組成材料である。一般に、ゴルフクラブ用の最近のシャフトはスチールまたはグラファイトのいずれかから成る。スチールシャフトは、一般に重く、グラファイトシャフトよりも低いトルク定格を有する。また、スチールは、一般に、グラファイトよりも耐久性があって破損し難い。逆に、グラファイトは、一般に軽量であり、選択される特定のグラファイトに応じて選択するために利用できる高いトルク定格およびトルク範囲を有する。初期のグラファイトシャフトは、しばしば、時としてシャフト曲げを許容することにより性能を阻害する複合ファイバの単一層により形成された。最近のグラファイトシャフトは、多くの場合、高い剛性および性能を与える巻回ファイバの3つの層を有する。より一般的なグラファイトシャフトには、Fujikura、UST、Grafalloy、Mitsubishi、Aldilaおよび他の公知の製造メーカーを含む様々なシャフト製造メーカーによって形成されるシャフトがある。スチールシャフトおよびグラファイトシャフトはいずれも、ゴルフクラブ199用のシャフトで利用される特定のスチールおよびグラファイトを含むことが公知である。
【0014】
また、特定のシャフトまたはシャフト材料を選択するときに考慮されうる例示的な特性には、曲げおよび剛性がある。これは、好ましいシャフト剛性が、スキル、強さおよびスイング速度またはスイング経路を含むスイング特性に応じてゴルファーごとに異なる場合があるからである。曲げは、シャフトの柔軟性の指標である。曲げの測定は相対的な測定であってもよい。剛性は、ゴルフクラブヘッド100(例えば、ゴルフクラブヘッド100のフェースまたは打面125)に加えられる所定の接線力に関して撓みがシャフトにどの程度生じるかの指標である。異なるシャフトを除いて実質的に同一の2つのゴルフクラブ間の様々なシャフト剛性の例示的な実証は、ゴルフクラブヘッドと反対側のゴルフクラブの端部をクランプして、重量を支えることができる所定の固定位置でゴルフクラブを保持することによって行なわれてもよい。このとき、ゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブの端部から所定の錘が吊るされてもよい。特に、錘は、ゴルフクラブヘッドの前面に適用されてもよくまたは前面から吊るされてもよい。一端が強固にクランプされて錘がゴルフクラブ199の反対側の端部から吊るされた状態で、ゴルフクラブは片持ち部材を形成する。しかしながら、シャフトは、硬質のままでなく、代わりに、ユーザが釣竿をしっかりと握っている端部と反対側の端部に力が加えられるときに釣竿が撓るのと同じくらい撓るとゴルフクラブヘッドを見なすことができるように錘がゴルフクラブ199から吊るされている場所に近づけば近づくほど増大する屈曲を呈する。ところで、同じ実証は、シャフトが更に堅いシャフトを成すことを除いて実質的に同一である第2のゴルフクラブ199を用いて行なわれてもよい。ここで、実証で使用される第2のゴルフクラブは、シャフト190の高い剛性特性に起因して、第1のゴルフクラブと同じ度合いまで撓らないまたは曲がらない。他の観点から述べると、2つの所定のシャフトが剛性においてのみ異なる場合には、剛性が高い方のシャフトに対して更に大きな力を加えて、シャフトが剛性の低い方のシャフトと同じ大きさまで偏向するまたは撓るようにする必要がある(図2B参照)。
【0015】
前述した実証がゴルファーのスイングと関連付けられてもよい。ゴルファーがダウンスイングを始めるにつれて、ゴルファーは、ゴルフクラブ199を握っている自分の手をグリップ195から持ち込み始め、シャフト190は、ダウンスイングの初めにゴルフクラブヘッド100が最初にゴルファーの手に後れを取るように屈曲を呈する。ゴルファーの手がゴルファー10の周囲でシャフト190(および、シャフトの反対側の端部のゴルフクラブヘッド100)を振り回しているが、シャフト190が少し遅れる。しかしながら、このシャフト遅れによって、エネルギがシャフトの屈曲の形態でシャフト190に蓄えられる。そして、ゴルファーがダウンスイングを続けるにつれて、シャフト190が更なる度合いまで曲がり続け、その物理的な剛性特性により、シャフトは更に曲がることができる。特定の時点で、シャフト190は、ゴルファーのスイング速度と比べたその剛性に基づいてその最大の屈曲に達し、その結果、シャフト190がその蓄えられたエネルギを解放し始めて真っ直ぐに直り始める。特定の場合には、ゴルファーの左肘が真っ直ぐに直り始める(右利きのゴルファーを想定)ときにシャフト190がその最大の屈曲に達することが好ましい場合がある。前述したように、この時点で、シャフト190が真っ直ぐに直り始め、それにより、ゴルフクラブヘッド100の速度が高まる。言うまでもなく、クラブヘッド100がゴルフボールをインパクトする時点の大きなクラブヘッド速度は、そのまま、ゴルフボールに大きな初期速度をもたらし、そのため、ボールが一般に更に遠くに飛行する。これは多くの場合にゴルフのゲームにおいて望ましい。打面125のインパクト時のゴルフクラブヘッド100の速度を最大にするまたは最適化するために、ゴルフクラブヘッド100とゴルフボールとのインパクトと同時にシャフトが真っ直ぐに直り終えるようにシャフト190を構成するまたは選択することができる。一般に、ゴルフクラブヘッド100は、曲げ時に位置エネルギとして蓄えられるエネルギの全てが解放されるため、シャフト190が真っ直ぐになると同時に最大スイング速度で移動している。しかしながら、シャフトが真っ直ぐに直った後、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボールをインパクトする前に、ゴルフクラブヘッド100(およびシャフト190)が特定の距離/時間にわたって移動し続ける場合には、再び今度は最初のダウンスイング中とは反対の方向に曲がるシャフト190によってエネルギが蓄えられ始めるため、エネルギが失われる。したがって、シャフトは、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボールをインパクトするときに一貫して真っ直ぐになることが望ましい。
【0016】
したがって、ゴルファーは、スイングがもたらす力を最適化するようにインパクトの瞬間に真っ直ぐに直る、したがってゴルフボールの飛行距離を最大にするシャフト190を有するゴルフクラブ199を持つことを望む場合がある。そのため、ゴルフクラブヘッド100は、所定のゴルファーのスイング等に関しては可能な限り高速で移動している。その結果、シャフト190は、多くの場合、ゴルファーのスイング特性に応じて前述したシャフト190の最適なタイミングおよび直線化を達成するように選択される。例えば、ゴルファーが非常に速いスイングを有するが柔軟なシャフトを伴うゴルフクラブを有する場合には、ゴルファーのショットは、ゴルファーが自分のスイングエネルギを最適化していた場合に飛行し得る程度と同じ程度まで遠くに飛行しない。これは、シャフト190がシャフト190の屈曲の形態でエネルギを吸収しており、シャフトがその既に蓄えたエネルギをインパクトの瞬間に十分に解放せず、インパクト時のゴルフクラブヘッド100の速度が最大にならないからである。スイングエネルギが無駄にされ、それに伴うショットは最大飛行距離を達成しない。一方、ゴルファーがゆっくりとしたスイングを有するが非常に剛性の高いシャフトを選択する場合には、反対の理由により、スイングエネルギを最大にできない非効率的な同様のショットが生じる。この場合、シャフトは、ゴルファーが依然としてダウンスイングしている間に真っ直ぐに直り、また、ゴルフクラブヘッドがシャフトよりも先に移動し、それにより、シャフトが前方へ曲げられる。この場合も先と同様に、インパクト時の曲がったシャフトはスイングエネルギの無駄となり、インパクト時にゴルフクラブヘッド100の速度が遅くなる。また同様に、インパクト後のゴルフボールの飛行距離も最大にならない。したがって、ゴルファーは、ゴルファーのスイングおよびスイングエネルギを最大にしてゴルファーのショットを最適化するべくゴルファーのスイングに対して相補的な剛性特性を有するシャフトを含むゴルフクラブ199を持つことが望ましい。クラブシャフト190の時期尚早のまたは遅い直線化により、ゴルフショットの方向性がかなり変えられる場合もある。これは、ゴルフクラブヘッド100が打域にわたって移動してゴルフボールと接触するときにとる方向および飛行経路が変えられる可能性があるからである。したがって、ゴルフボールが打面のスイートスポットでで打たれない場合がある。また、ゴルフボールが所望の飛行経路から斜めに外れた方向の初期経路をとる場合もある。また、ボールにスピンがかかり、それにより、不意にゴルフボールが「フック」または「スライス」の飛行経路を伴って飛行する場合もある。更に、打たれたゴルフボールは地面に対して望ましい初期ボール飛行角度を伴って飛行せず、それにより、ボールが「テンプラし」またはトップして打たれ、それにより、転がり中、飛び跳ね中、または、地面の表面をかすめて飛んでいる最中ではなくボールが空中を移動している間にボールの飛行距離の大部分が生じるような空中を通じた高いロフトを伴う飛行ではなく、地面をかすめて飛ぶ場合もある。
【0017】
ゴルフクラブ199用のゴルフシャフト190を選択する際に考慮されてもよい他の特性は、屈曲ポイントまたはキックポイント205である。屈曲ポイントまたはキックポイント205は、クラブが曲がるように規定され、構成され、および/または、配置されるゴルフクラブ199の全長にわたる場所である。様々なシャフトモデルが、それらの長さに沿う様々なそれぞれの場所にキックポイント205を有するように設計されてもよい。ある場合には、シャフト190は、低い、中間のまたは高いキックポイント205を有するように一般化されてもよい。シャフト190のキックポイント205は、しばしば、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボール201を打つときのゴルフクラブヘッド100の方向性に影響を与える。したがって、キックポイントの位置がショット傾向を変える場合がある。そのため、ゴルファーは、自分のスイング傾向、スイング速度およびゴルフスキルを補完するためにキックポイント205が特定の位置にあるゴルフクラブを選択する場合がある。一般的に言えば、高いキックポイント205(ゴルフクラブのグリップ195端の近傍、例えば図5Bの205B)を有するシャフト190は、より低い打ち上げゴルフショットおよびより低いスピンゴルフショットをもたらす。しばしば、スキルが高くてハンディキャップが低いゴルファーは、スキルの高いゴルファーが自分達のゴルフショットに関する距離および精度を最大にしたい場合にこれらの特性を望む。これらのゴルファーは、一般に、一貫してボールを空中に打つことができ、ボールとの確かな接触を行なうのに苦労しない。むしろ、これらのゴルファーは、自分達のゴルフショットをより正確に「成す」ことができ且つ自分達のスイングのパワーおよび距離を最大にするべく距離および精度の向上を望む傾向がある。一方、低いキックポイント205(例えば、図5Dの205B)は、特に、未熟でハンディキャップが高いゴルファーにとって望ましい場合がある。これは、これらのゴルファーが、ゴルフボールを打つのに困難を感じる傾向を有し、「ボールを空中に至らせ」ようと努力する場合があるからである。したがって、ゴルフクラブ100のクラブヘッド端近傍の低いキックポイント205を有するゴルフクラブシャフト190は、一般に、より高い打ち上げゴルフショットおよびより高いスピンゴルフショットをもたらす。公知のように、高い打ち上げ(または、テンプラ)ゴルフショットは、ゴルフショットの距離を最大にしないゴルフショットをもたらす場合がある。また、スピンの増大は、精度の低いゴルフショットをもたらす場合もあり、ボールが所望の飛行経路の左または右に飛行する(右利きのゴルファーにおいてはそれぞれフックがかかりまたはスライスがかかる)場合がある。しかしながら、これらの未熟な/ハンディキャップが高いゴルファーは、特に、番手が高いアイアンもしくはロングアイアンまたは3番ウッドなどのドライバを含む特定のウッドを含めたロフトが小さい特定のクラブを用いると、ボールを「空中に上げる」ことに苦労する場合がある。ゴルファーがボールを「空中に上げる」に至らないショットは「ダフる」または無駄なショットになる場合があるため、未熟なゴルファーは、しばしば、ゴルファーがしっかりとボールを打たないまたはボールをかなりの距離にわたって空中で飛行させるのに十分な軌道を伴ってボールを打ち上げし損なう無駄なショットまたはダフるショットの頻度を減らすことと引き換えに、より高いボール飛行を有することによって幾らかの距離を犠牲にすることを望む。したがって、これらの2つのスキル範囲の間に入るゴルファーは、ゴルフクラブの中間に位置して中間および低いキックポイントのシャフトの融合したまたは平均的な傾向を呈する中間のキックポイント205(例えば、図5Aの205A)を望む場合がある。一般に、ゴルファーは、前述した基準に基づく位置にキックポイント205を有するシャフト190を選択してもよいが、ゴルファーは、「感触」または個人的な好みに頼って、前述した特性に逆らう態様の特性を有するシャフト190を選択してもよい。例えば、前述した傾向および一般化にもかかわらず、未熟なハンディキャップの高いゴルファーが高いキックポイント205Bを有するシャフトを選択してもよく、一方、非常に熟練したゴルファーが低いキックポイント205Dを有するシャフトを選択してもよい。
【0018】
それぞれのゴルファーのスイングが様々であるため、ゴルファーはシャフト190に関して様々な好みを有する。少なくとも一つのカテゴリー化システムにおいて、シャフトは、特定の曲げ特性に応じて、非常に硬い(X)、硬い(S)、レギュラー(R)、シニア(A)、レディース(L)のような剛性によって分類されてもよい。しかしながら、シャフトの剛性に関しては一定でない業界基準が存在しており、一つのシャフト製造メーカーによって「硬い」として分類されるシャフトが、特定の場合には、他のシャフト製造メーカーにより「レギュラー」と同じまたは類似する剛性特性を有する。とにかく、一般的に言うと、ゴルファーは、一般に、自分達が一般に所定のクラブでゴルフボールを打つことができる距離に基づいてシャフトを選択してもよい。例えば、ゴルファーおよびゴルフ技術職者は、シャフト剛性を選択する際のガイドとしてゴルファーがドライバを用いてドライバーショットを打つ距離に目を向ける。ゴルファーが250ヤードよりも遠くへドライバーショットを打つ場合には、ゴルファーは硬いシャフトを望む場合があり、230〜250ヤード-レギュラーシャフト、200〜230ヤード-シニアシャフト、200ヤード未満-レディースシャフトを望む。非常に硬いシャフトは、一般に、プロ選手、ハンディキャップが極めて低いゴルファー、または、極めて強力で速いスイングをするゴルファーを除いて使用されない。先と同様に、これらの特徴付けは単なる例示的な一般化であり、それぞれのゴルファーは、シャフト剛性、長さ290、キックポイント205の位置および様々な他の特性を含む好ましい特徴を望み通りに呈する所定のシャフトを有する所定のゴルフクラブを望む場合がある。
【0019】
ゴルフクラブ199は、一般に、ホーゼル180でヘッド100に連結されるシャフト190を含む。ゴルファーがゴルフクラブを保持するまたは把持するところであるグリップ195は、ヘッド100と反対側のシャフト190の端部に取り付けられる。グリップ195は、公知であり、好み、人間工学的特性、およびゴルファーの傾向、例えばスライスまたはフェイドを打つ傾向に応じてかなり異なる場合がある。例えば、グリップは、「グリップサイズ」および周長が異なる。また、これらのグリップは、グリップの外面の特定の質感およびグリップパターンが異なる。グリップは、円形となることができ、または、ゴルファーが自分の手を置くのに役立つように裏面にラインやリブを有する場合がある。他の形状も考えられる。グリップは、2〜3例を挙げると、ゴム、ポリマー、および、皮革を含む多くの材料から成ってもよい。グリップ特性は、例えばグリップに紐がけすることによりまたは任意の様々な材料をその材料の摩擦特性に基づいて選択することにより変えられてもよい。
【0020】
図2A〜2Bは、ゴルフクラブの様々なシャフト剛性およびキックポイント205A〜Eを示すゴルフクラブ199の説明図である。図2Aは、前述した原理と一致する5つの異なる剛性特性を伴って構成されるゴルフクラブの曲げ特性を示している。このように、ゴルフクラブ199および特にシャフト190A〜Eは、図示のごとく最大曲げの状態を呈することができ、ゴルフクラブ199のそれぞれの構成により様々な剛性の5つのそれぞれのシャフト190A〜Eと関連付けられるそれぞれの最大曲げ255A〜Eを有するように方向付けられる。例えば、シャフト190A〜Eは、最大曲げ状態で例示的に示されてもよく、非常に硬いシャフト190A、硬いシャフト190B、レギュラーシャフト190C、シニアシャフト190D、および、レディースシャフト190Eとして例示されてもよい。これらの表示も、例示的であって理解を容易にして明確にするためのものであるが、大きく異なってもよい。例えば、他の構成では、最大曲げ状態で示される同じ5本のシャフト190A〜Eの全てが、「レギュラー」シャフトとして特徴付けられまたはラベル付けされてもよく、また、全てが「レギュラー」シャフトとして特徴付けられているにもかかわらず様々な特定の剛性特性を有してもよい。シャフト190Aが剛性の最も高いシャフトとして特徴付けられ、シャフト190Eが剛性が最も低いシャフトとして特徴付けられてもよく、したがって、シャフト190B〜Dが剛性に関してシャフト190Aとシャフト190Eとの間のラインに入る。また、図2Aには、この構成ではゴルフクラブ199に力が加えられるときに曲げられ得るゴルフクラブおよび/またはシャフトの長さ210と同等の湾曲長さ290が示されている。また、ゴルフクラブ199および様々なシャフト190A〜Eを有するゴルフクラブ199の5つの構成のそれぞれは、シャフトが図示のように曲がる同じキックポイント205を有するように示されている。これらのシャフト190A〜Eは共通のキックポイント205を有するが、様々な剛性を有するシャフト190A〜E間で様々なキックポイント205の位置が考えられ、これについて更に後述する。
【0021】
図2Bは、更に様々な剛性を有する所定のゴルフクラブ199におけるゴルフクラブシャフトの効果を示している。図2Bは、ゴルフクラブ199のグリップ端195でクランプされるゴルフクラブ199を例示的に描いている。クランプ299(例示目的でゴルファーのグリップとして描かれている)は、グリップ195とグリップ内に備えられるシャフト190の部分とを厳格な固定位置で強固に保持する。したがって、グリップ195を有してクランプで保持されるシャフトの領域は、反対側のクラブヘッド100端から吊るされる錘260の形態の力が加えられても曲げまたは屈曲を呈さない。先と同様に、ゴルフクラブ199は、前述したように錘260の形態の力が加えられる結果として曲げ状態で示される一連の5本のシャフト190A〜190Eを伴って示されている。ここで、ゴルフクラブのグリップ端195がクランプされて曲げまたは屈曲を呈さないため、湾曲長さ290とシャフトの実際の長さとが異なる。したがって、図2Bに例示的に示されるゴルフクラブ199の湾曲長さ290は、グリップ195の一端からグルフクラブヘッド100におけるシャフト190の反対側の端部まで延びる長さ290である。
【0022】
様々な剛性を有する様々なシャフト190A〜Eの構成間でのゴルフクラブ199の挙動の違いが示されている。先と同様に、シャフト190Aが最も剛性の高いシャフトであり、一方、シャフト190Eが最も剛性の低いシャフトであり、したがって、他のシャフトがそれぞれこれらの間に入る。図2Bから明らかなように、シャフト190の剛性が高ければ高いほど、所定の力160が所定の位置に加えられるときにシャフト190が呈する撓みまたは屈曲が小さくなる。また、図2Bの例図は、特に様々な剛性を有するシャフト190A〜Eを含むシャフト190間でキックポイント205の位置も同様に異なることを示している。ここで、シャフト190Aが最も低いキックポイント205Aを有し、シャフト190Eが最も高いキックポイント205Eを有し、また、シャフト190B〜Dがこれらの間に入る関連するキックポイント205B〜Dを有する。この場合、キックポイント205位置の特定の位置の相違は、湾曲長さ290およびゴルフクラブ190の長さ210のそれぞれと比べて僅かである。所定のゴルフクラブシャフト190A〜Eは、特定の所定の剛性特性およびキックポイント205A〜Eを伴って形成されてもよい。しかしながら、シャフト190の剛性が異なることまたはキックポイント205の位置が異なることが好ましい場合がある。また、シャフト190の一部だけの剛性を変える一方で、シャフト190の残りの部分の当初の剛性を維持することが望ましい場合がある。例えば、シャフト190の一部の剛性を高めるがシャフトの残りの部分が当初の剛性特性を呈し続けることができるようにすることにより、よりカスタマイズされた剛性、キックポイントおよび関連する特性が望み通りに達成されてもよい。例えば、全体の剛性が変えられてもよく、および/またはキックポイント205の場所が移行されてもよい。具体的には、キックポイント205が更に高くなってゴルフクラブ199がその使用時に更に高い打ち上げ軌道/ボール飛行を与える傾向を有するように、キックポイント205がグリップ195へ向けてシャフト190の更に上側にシフトされてもよく、または、ゴルフクラブ199が更に低い打ち上げ軌道/ボール飛行を与える傾向を有するようにキックポイント205がシャフト190の更に下側にシフトされてもよい。シャフト190の剛性を特定の領域で変えることにより、キックポイントが結果的にシフトされて、シャフト190の湾曲長さ290が変えられ、それにより、屈曲が生じる場所が変えられてもよい。
【0023】
図3A〜3Cは、ゴルフクラブ199のシャフト190の切り欠き部に備えられるシャフト補強装置300の一つの例示的な構成の側面図、斜視図および端面図を描いている。図3A〜3Cに示されるこの形態のシャフト補強装置300は、2つの中空の対向する端部311、312を有する長尺管状体310を含む。シャフト補強装置は、一方の端部311から他方の端部312へと延びる長さ330を有する。対向する端部311、312はそれぞれの内周321、322を有する。シャフト補強装置は、内周321、322間で径方向内側が中空である。したがって、シャフト補強装置300は、対向する端部311、312間で延びる中空円筒状のチャンネル(図3A〜Cでは、シャフト190によってチャンネルが満たされているため図示されない)を備える。チャンネルは、ゴルフクラブ199のシャフト190を備えて締め付け係合するように構成される。したがって、シャフト補強装置300は、シャフト190の周囲にぴったりと嵌るが、ゴルフクラブ199のシャフト190上でシャフト補強装置300が摺動可能に調整できて操作できるのを防止するほど非常にぴったりとは嵌らない。シャフト補強装置300は、シャフト190上の特定の望ましい位置へ調整されてもよい。対向する端部311、312が同じサイズの内周321、322を有してもよく、または、ゴルフクラブ199のシャフト190の連続的に先細る円形状などの共通の形状を含むテーパ形状を更に補完するように内周のサイズが変えられてもよい。
【0024】
シャフト補強装置300は、様々なプラスチック、ゴム、エラストマーおよび公知の様々な他の材料を含む様々な材料から形成されてもよい。シャフトをゴルフクラブシャフト190に適用できるようにするため、シャフト補強装置300は、シャフト190の他の面の上端にわたって適用される際にその領域のシャフト190が高い剛性を示す柔軟な材料から形成されてもよい。例えば、一つの例示的な実施例において、シャフト補強装置は、シャフト190の上下に延びる長手方向で高い剛性を有するように形成される長手方向テープから成ってもよい。他の例示的な実施例では、シャフト補強装置が高分子またはプラスチックであってもよい。多くの他の材料および材料の組み合わせが本明細書において説明したものと一致するシャフト補強装置で使用されてもよい。シャフト補強装置300がグリップ195上にわたって適用される場合には、材料を柔軟にして、装置300がグリップ195上で拡張してシャフト190と依然として締め付け係合できるようにする必要がある。図6に関連して更に詳しく説明するように、シャフト補強装置は、ゴルフクラブヘッド100、グリップ195、または、これらの両方の取り付け前を含むゴルフクラブ199の完全な組み付け前にシャフト上にわたって配置されてもよい。ゴルフクラブ199の完全な組み付け前にシャフト補強装置がシャフト190の外面上にわたって配置される構成では、グリップ上またはシャフト190よりも大きい外周(周長)を有するゴルフクラブヘッドの他の部分(例えば、グリップ195)上にわたってシャフト補強装置がスライドされる必要がある場合に想定し得るよりも硬質で弾性が低い材料が利用されてもよい。ゴルフクラブのグリップ195の変更または交換は一般的なことである。したがって、シャフト補強装置300を適用するためのグリップ195の除去は簡単なことであることが公知であり、そのため、ゴルフクラブ199の障害となる部分上でシャフト補強装置を伸ばして引っ張ることができるようにシャフト補強装置300が構成される(十分に弾性の材料から成ることを含む)形態の場合であっても、ゴルフクラブのグリップ195を除去することが望ましい場合がある。しかしながら、前述したように、特定の形態のシャフト補強装置300が組み立てられたゴルフクラブ199に適用できるように構成されると、補修部品市場は、ゴルフクラブ199の任意の部分を分解しない。したがって、ゴルファーが、ゴルフクラブ199の購入後および/または使用後に、異なるシャフト特性が自分のスイングを更に補完できることを悟ると、シャフト補強装置300が適用されて、場合によりシャフト剛性全体の増大、シャフトの一部の剛性の増大またはゴルフクラブ199のキックポイント205のシフトを含むシャフト特性が補間されてもよい。
【0025】
シャフト補強装置300は、非係合状態のシャフト補強装置300の内周321、322がシャフト190の外面よりも小さいため、シャフト190の外面と締め付け係合し得る。シャフト補強装置がシャフト190の外面上にわたって引っ張られると、シャフトの固体スチールまたはグラファイト材料としての構造的完全性がその形状およびサイズを保つ。したがって、シャフト補強装置300は、その材料特性が径方向外側方向の特定量の拡張および「伸長」を許容するような程度まで、間を通る内周321、322を含むように、拡張され、それにより、シャフト補強装置300の一部が伸長される。シャフト補強装置は、拡張応力下で配置され、シャフト190の外面に対して相反する力を及ぼす。これは、シャフト補強装置300の材料の完全性が変形に抵抗するからである。これらの相反する力により、シャフト補強装置300がシャフト190と締め付け係合する。シャフト補強装置300は、ゴルファーのスイング中に加えられる力に耐えることができるように且つそれが配置される特定の場所にとどまるように構成される。要するに、スイング中のクラブシャフト190の上げ下げの力は、シャフト補強装置300がシャフト190の外面と締め付け係合されている結果として、抵抗摩擦係合力よりも大きくない。しかしながら、シャフト補強装置300は、ゴルファー10または他のユーザが十分な直接的な力をシャフト補強装置300の端部311、312および/または外面340に加える場合にシャフト補強装置300がシャフト190上で特定の距離にわたって一方向または両方向にスライドするようにも構成される。特定の形態において、シャフト補強装置300は、ゴルフクラブシャフト190の全長にわたってまたは少なくともホーゼル180とグリップ195の底部との間でスライドされてもよい。他の形態において、シャフト補強装置300は、より具体的には、それがシャフトの特定の範囲内(例えば、400A〜C)で調整され得るがシャフト上の任意の位置へとスライドできないように、シャフト190の低い400A部分、中間の400B部分、高い400C部分内でのみ調整できるように構成されてもよい(図4および図5A〜5D参照)。
【0026】
図4は、シャフト補強装置300の幾つかの構成の説明図である。参考のため、ゴルフクラブ199のシャフトは、低い部分400A、中間部分400B、高い部分400Cを有してもよい。図示の低い部分400Aは、ゴルフクラブヘッド100(特定の構成のゴルフクラブ199がホーゼルを含む範囲では、ホーゼル180)に隣接するシャフトの部分である。低い部分400Aは、特にシャフト190がグリップ端195からシャフト190の反対側の端部にあるゴルフクラブヘッド100まで連続的に先細っている場合には最小周直径を一般に有するシャフト190の部分である。高い部分400Cは、ゴルフクラブ199のグリップ端195に隣接するシャフト190の部分であり、一方、中間部分400Bは、低い部分400Aと高い部分400Cとの間の部分である。シャフト補強装置300は、低い部分400A、中間部分400B、高い部分400Cのうちの一つに関して具体的に構成されて寸法付けられてもよい。特定の寸法付けにより、シャフト補強装置300を長さおよび周長を含めて各部分400A〜Cに対してより具体的に合わせることができる。図示のように、シャフト補強装置300A、300B、300Cはそれぞれ、シャフト190の部分400A、400B、400Cのそれぞれと締め付け係合するように寸法付けられ、成形されおよび形造られる。少なくとも一つの構成において、シャフト補強装置は、シャフトの部分400A、400B、400Cのそれぞれの長さよりも短い長さ330A、330B、330Cを有する。シャフト補強装置300A、300B、300Cはシャフト190上のその対応する部分400A、400B、400Cよりも短いため、シャフト補強装置300A、300B、300Cが部分400A、400B、400Cと共にスライド可能に調整されて、それにより、シャフト190の特定の部分の剛性が高められるまたはキックポイント205の位置が移動されるなど、シャフト補強装置300のシャフト剛性変更作用が細かく調整されてもよい。
【0027】
図5A〜5Dは、シャフト補強装置300A〜300Cがゴルフクラブシャフトの曲げ、剛性、およびキックポイントの属性に対して与える例示的な影響を描く説明図である。図5Aは、シャフト補強装置300A〜Cを伴わないゴルフクラブ199を描いている。また、図5Aでは、ゴルフクラブ199が、ゴルフクラブヘッド100からグリップ195まで延びるように示される湾曲長さ290Aを有する。グリップ195を有するシャフト190の部分が屈曲または曲げを示さなかった図2Bの場合と同様に、グリップ195もほぼ真っ直ぐで硬いままである。また、グリップ195が所定位置にクランプされ、したがって曲がらなかった場合と同様に、ゴルファーはゴルフクラブのグリップ195を把持し、また、ゴルファーの手は、シャフトがグリップ195で曲がるのを防止する(クランプのような)固定力として作用する。言うまでもなく分かるように、ゴルファーは、グリップ195上の様々な位置でシャフトを把持してもよく、したがって、湾曲長さ290が実際にはグリップ195の下端の部分を含んでもよい。しかしながら、例示および説明の目的で、図5A〜5Dは、グリップ195が例えばゴルファーの手による外力によりグリップ195の全長にわたって強固に保持されることを前提とする。
【0028】
図5B〜5Dは、シャフト190の低い部分400A、中間部分400B、高い部分400Cにシャフト補強装置300A〜300Cが備えられたゴルフクラブ199を例示的に示している。また、図5B〜5Dは、シャフト補強装置300A〜300Cが湾曲長さ290B〜290Dおよびキックポイント205B〜205Dの位置を含む様々なゴルフクラブ199の特性に対して与える効果も示している。図5Bは、シャフト補強装置300Aがゴルフクラブヘッド100に隣接するシャフト190の低い部分400Aに備えられるゴルフクラブ199を例示的に示している。シャフト補強装置はシャフト190の外周に締め付け係合される。補強装置300Aは、ゴム、ポリマー、プラスチックおよび他の材料を含む前述した多くの材料から成ってもよい。シャフトの低い部分400Aと締め付け係合するシャフト補強装置300Aにより、シャフト補強装置の径方向内側のシャフトの領域部分は、シャフト補強装置300Aの端部311A、312A間の長さ330Aにわたって高い剛性特性を呈する。ここで、剛性特性は、シャフト190がゴルフクラブ199のシャフトの低い部分400Aで硬くなるように変えられてしまっている。したがって、曲げまたは屈曲を呈するシャフトの部分を、関連する湾曲長さ290Bにわたって変更できる。また、キックポイント205Bがゴルフクラブのグリップ195および高い部分400Cへ向けて更に上方へシフトされる。図5Cは、シャフト補強装置300Bがゴルフクラブヘッド100のシャフト190の中間部分400Bに備えられるゴルフクラブ199を例示的に示している。同様に、シャフト補強装置300Bはその締め付け係合によって示されており、それにより、中間部分400Bは、高い剛性特性、特にかなり硬質な特性を呈する。したがって、この場合のシャフト190は2つの湾曲長さ領域205Cを有する。また、図5Cの形態のシャフトは、シャフト補強装置の両側に一対のキックポイント205Cも有する。最後に、図5Dは、シャフト補強装置300Cがシャフト190の高い部分400Cに備えられるゴルフクラブ199を例示的に示している。ゴルフクラブシャフトの高い部分400Cは高い剛性特性を有するように示されている。これは、この領域のシャフトがシャフト補強装置300Cによってほぼ硬質に保たれるように示されているからである。したがって、湾曲長さ290Dは、下側のゴルフクラブヘッド100のゴルフクラブヘッド100端付近およびグリップ195のそれぞれに及んでいる。また、キックポイント205Dが様々な位置を有する。
【0029】
図示して説明したように、シャフト補強装置300A〜300Cは、シャフトを特定の領域で下方に押圧する様々な柔軟であるが締め付け係合する構造に形成することができる。したがって、シャフト190を更に支持することができ、また、その特定の領域のシャフトが高い剛性特性を呈する。どの程度まで剛性特性が変えられるかは、場合により当初のシャフト剛性、シャフト補強装置330A〜330Cの長さ、シャフト補強装置300A〜300Cの材料組成、シャフト補強装置300A〜300Cによる締め付け係合の嵌め合い、ゴルファー10のスイング特性、および、他の特定の特性を含む様々な特性によって決まる。また、図示のように、シャフト補強装置300は、シャフト190と係合してゴルフクラブ199の他の特徴を変更することなくシャフト特性を望み通りに変えるように更に形成されてもよい。例えば、連続した滑らかな感触をゴルファーに与えるため、シャフト補強装置300Cがシャフトの高い部分400Cのために特に構成される場合には、シャフト補強装置300Cは、一つの構成は、端部312がグリップ195の下端196に当接してグリップ198の外面がシャフト補強装置300Cと面一になるように形成されてもよい。したがって、シャフト補強装置300Cは、図示のように位置されると、別個の構造ではなく単一の長尺グリップ195の感触をシャフト190の上端付近に与える。そのため、依然としてシャフト特性変更機能を望み通りに達成しつつ、感触特性の向上を達成できる。
【0030】
シャフト補強装置300内のシャフト190の領域は、図5A〜5Cの図では例示目的で曲げを呈しないように示されているが、これらの領域のシャフト190は、曲がらないのではなく、様々な形態で小さい曲げを呈する場合がある。したがって、シャフト剛性特性を含むシャフト特性は、本明細書において説明される特性と一致して達成され得る。これは、「小さい曲げ」領域が、おそらく特定の特性の度合いおよび程度の違いだけを伴って、「曲がらない」領域と同様の効果をシャフトの特性および機能性に対して与えるからである。同様に、図5A〜5Dでは、グリップ195内のシャフト190の領域が曲げ領域を有するように示されているが、この領域も、図5A〜5Dの形態でクラブをスイングする際に、ゴルファーが自分の手でこの領域を把持する結果として小さい曲げ特性(あるいは、曲がらない)を有する。これは、ゴルファーの手が図2Bに示されるそれと一致するクランプとして作用し得るからである。
【0031】
図6Aは、ゴルフクラブ199のシャフト190上にシャフト補強装置300を配置するための一つの構成を例示的に描いている。ゴルフクラブのこの構成では、3つの部分、すなわち、ゴルフクラブヘッド100、グリップ195、およびシャフト190が示されている。これらの3つの部分は共に連結されてゴルフクラブ199を形成する。シャフト補強装置300の適用は、ゴルフクラブ199が組み立てられる前に更に簡単に行なわれる。図6Aに示されるように、ゴルフクラブ199が未だ完全に組み立てられておらず、そのため、グリップ195および/またはゴルフクラブヘッド100の一方または両方がゴルフクラブ199の残りの部分に取り付けられていない場合には、シャフト補強装置300をシャフト190上へと引き寄せて所望の位置までスライドさせることができる。特定の構成では、シャフト補強装置300を端部の一方のみからしか適用できない場合がある。これは、公差が十分にきつく、そのため、スライド中に直面するシャフトの更に幅広い直径によりシャフト補強装置300が動けなくなり、シャフト補強装置をシャフトの長さにわたって上方にスライドさせることができないからである。図6Aの構成では、シャフト補強装置300がシャフトに適用されて所望の位置で位置決めされる。次に、それに応じて、当技術分野において公知である固定プロセスおよび接着技術および接着剤を使用して、ゴルフクラブヘッド100およびグリップ195がシャフト190に連結される。あるいは、前述したように、特定の形態のシャフト補強装置が完全に組み付けられたゴルフクラブ199に対して後付けで適用されてもよい。一般に、そのような後付けの状況では、ゴルフクラブ199が任意の度合いまで分解されなければ、シャフト補強装置がグリップ195上に適用されてシャフト195の更に下方へとスライドされる。あるいは、図6Bに示されるように、シャフト補強装置300は、シャフト補強装置300が2つの分割された半体610、620の構成であるように形成されてもよく、一形態では、半体は、真正の半体など、サイズおよび形状が同等であってもよく、または、半体のサイズおよび形状が異なってもよい。半体610、620は、サイズが同様に形成されていても異なっていても、互いにはめ合うことができ、それにより、半体610、620は、シャフト190の周囲に巻回してスナップ係合する、圧入する、または、さもなければシャフト190と締め付け係合される際に互いに保持するシャフト補強スリーブを形成する。利用され得る機構には、スナップ嵌合、圧縮嵌合、結合、接着および2つの構造体および/または2つの材料を一緒に保持するための様々な他の技術がある。図6Bはスナップ嵌合を示しており、この場合、金属コネクタ611が半体610に備えられ、それにより、相補的な雌コネクタ612を有する半体620と係合されて接続される。半体として図示して説明されるが、シャフト補強装置300は、本明細書において説明したものと一致するシャフト190と締め付け係合するための構造を形成するために、3つ、4つまたは、それ以上の同じまたは様々な形状およびサイズの構造から成ってもよいことは理解されたい。図示されるこれらの例示的な接続は単なる例示であり、多くの他の特定の接続構成および形態が考えられる。
【0032】
図7は、シャフト補強装置のキット700の一構成の例示的な概略図である。ここで、キット700は一連のシャフト補強装置300A、300B、300Cを含む。シャフト補強装置300A、300B、300Cのそれぞれは、シャフト190の特定の部分のために具体的に形成される。ここで、シャフト補強装置300Aは、シャフトの低い部分400Aに具体的に嵌るように寸法付けられて形成され、シャフト補強装置300Bは、シャフトの中間部分400Bに具体的に嵌るように寸法付けられて形成され、また、シャフト補強装置300Cは、シャフトの高い部分400Cに具体的に嵌まるように寸法付けられて形成される。シャフトの特定の特性に起因して、シャフト補強装置300A〜300Cは断面および長さが異なり、この場合、シャフト補強装置300Aは最も短く且つ最も小さい断面を有し、一方、シャフト補強装置300Cは最も長く且つ最も大きい断面を有する。この特定の形態において、キット700は、3つのシャフト補強装置300A、300B、300Cを目に見えるホルダ710A、710B、710C内に備えるように構成されるハウジング750を含む。キット700およびハウジング750は、特に、棚に掛けることができ、あるいは、見ることができ、表示することができ、見るため、選択のためおよび/または購入のために吊るすことができる。キット700はクラブ検査カートと同様に利用されてもよく、それにより、複数のシャフト補強装置300がキット内に備えられてもよく、また、ゴルファー、ゴルフ技術職者および想定し得る購入者は、検査のために利用できる一連のシャフト補強装置からシャフト補強装置を見て選択してもよい。例えば、図3A〜3Bに示されるシャフト補強装置300などの単体シャフト補強装置300および図6Bに示されるシャフト補強装置などの複合部品シャフト補強装置300、ならびに、他の様々な形態のシャフト補強装置300は、ゴルファーにとって最も望ましく且つゴルファーのスイングにとって最も有益な特徴を有するシャフト補強装置をゴルファーが選択できるようにキット700内に備えられてもよい。図示のキット700または本明細書において記載されるものと一致する他の同様なキットを使用して、ゴルファー、ゴルフ技術職者または他のユーザあるいはゴルフ用品の配給業者は、ゴルファーに特定のシャフト補強装置300をフィッティングさせることができる。
【0033】
ゴルフ技術職者は、ゴルファーと協力して、ゴルファーの傾向を分析し、彼らのスイングの修正に関して指示や提案を与えることにより、また、クラブの選択を含めて様々な用品を推薦することにより、彼らのスイングおよび関連するプレーを含む彼らのゴルフゲームの向上を支援することで公知である。また、特定のゴルフ製造メーカーにおけるゴルフ技術職者は、ゴルファーが独りで、またはゴルフ技術職者の支援を伴って選ぶことができる特徴の選択を与えてもよい。ゴルフクラブごとに異なる特徴には、長さ、剛性、キックポイント、グリップタイプ感触および他の多くのものを含む様々なシャフト特性がある。それぞれのゴルファーは、他のゴルファーとは異なるスイング傾向を有する場合がある。したがって、ゴルファーは、ゴルファーのスイング特性およびスイング傾向が注目されて考慮されるように前もってゴルフクラブの個人に合わせたフィッティングを望み且つそのようなフィッティングの利益を享受し得る。フィッティングプロセスにおいて、ゴルファーは、プロによって視覚的にまたは当技術分野において公知である様々な測定・解析装置のいずれかを使用して自分のスイングが分析されてもよく、それについて以下で更に説明する。
【0034】
図8A〜8Cは、シャフト190を含むゴルフクラブ199をフィッティングさせる一つの態様を例示的に描いている。公知のように、ゴルファー10は、一人または複数のゴルフ技術職者またはゴルフクラブフィッターの前で多くのスイングを行なってもよい。ゴルフスイングを含む動作は、デジタルビデオカメラのようなビデオグラフィック装置を含む測定装置によって観察され、記録され、および/または、測定されてもよい。図8Aおよび図8Bは、例示的なフィッティングステーション1000でゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打つゴルファーの平面図および背面図をそれぞれ示している。フィッティングステーション1000は、任意の多くの構成および特徴を有してもよい。図8A〜8Cに示されるフィッティングステーション1000は屋内フィッティングステーションである。しかしながら、フィッティングステーション1000は、屋内であってもまたは屋外であってもよく、また、プロショップ内またはその付近および公知の様々な他の場所を含めて、ゴルフ練習場または他の練習設備に、ゴルフコースに設置されてもよい。フィッティングステーション1000は、特にフィッティングステーションが屋内ステーションであるときまたはステーションがゴルフ練習場の一部であるときには、球打マット1010を含んでもよい。しかしながら、フィッティングステーションは、芝生のティーボックス上または他の屋外の自然のゴルフ環境に存在してもよい。ここで、屋内フィッティングステーション1000は、ゴルファー10が自分のショットを行なう際、素振りを行なう際、および、ゴルフ技術職者またはゴルフクラブフィッターの前でスイングする際にボールを打ち込んでもよいネット1030も含む。ネット1030により、より限定された空間内、例えば屋内、プロショップ内、または、利用できる土地が限られるゴルフ練習場でフィッティングを行なうことができる。ネット1030の背後には、ゴルファーにあたかもゴルフコースにいるように感じさせることができる背景1040または他の構造があってもよい。また、具体的には図示しないが、背景は、速度センサまたは力センサ、ビデオグラフィック装置、および、ゴルファーのフィッティングで利用され得る他の装置を含む更なる測定装置を備えるかまたは保護してもよい。
【0035】
ゴルファーのショットのボール飛行は、ボールが自然の停止ポイント/ライに達するまで飛行するのに十分な空間を有するゴルフ練習場のフィッティングステーションでボール飛行全体を見ることにより監視されてもよい。また、ゴルファーは、閉ざされた空間で、速度、軌跡、スピンなどを含むショットの初期特性に基づいて飛行経路を決定できるデジタルビデオカメラまたは他のコンピュータ装置により監視された状態で打ってもよい。更なる測定装置を使用して、ゴルファーのスイング経路および関連する傾向を更に理解してもよい。一つの形態の例では、デジタルビデオカメラ装置1060を使用してゴルファーのスイングが撮影されてもよい。特に、ゴルファーのスイングは、ゴルファーがカメラに対してスクエアの対向した姿勢を有するようにトゥ端側から見て撮影されてもよい。他の形態では、これに代えてまたはこれに加えて、測定装置1061がこのように例示的に示される位置などの所定の位置に位置決めされる測定装置によってゴルファーのスイングが撮影されてもよい。背後またはトゥ端側などのスクエア方向からゴルファーのスイングを撮影することにより、ビデオは、図8Cに示されるように好ましい技巧を持つゴルファーによって行なわれて記録されたスイング経路および画像と比較されてもよい。
【0036】
ゴルファースイングのスイング経路、接触方向および関連する特性を監視するために使用され得る装置および試験のうちの幾つかは、ビデオ記録、ドップラーレーダー技術を含むレーダートラッキング、動き検出装置、速度レーダー装置、ボール飛行トラッキング装置および監視システムならびに、当技術分野において公知であるような同様のゴルフスイング解析装置である。これらの測定装置は、図示の測定装置1060、1061が位置決めされて示されるように位置されてもよい。これらの装置は、ゴルファーが測定装置で打っているようにゴルファー10の前方に、または、ゴルファーの背中の背後のゴルファーの踵端側に位置されてもよい。更には、測定装置は、頭上に配置されてもよく、または、実際には、測定装置がゴルファーの動きのビデオ画像などのデータを記録できまたは速度、方向、方位、および公知の他の特性などのゴルフクラブの一部もしくはボールの動きと関連付けられるデータもしくは特性を追跡記録できるように任意の場所に配置されてもよい。スイング中のゴルフクラブの方向、特にゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つときの打域にわたるゴルフクラブの方向を決定することに焦点を合わせた他の装置が利用されてもよい。これらの装置は、ビデオグラフィック、レーダーまたは他の動き追跡装置と同じもしくは同様の装置であってもよく、または、装置は、ゴルフクラブの底面が地面と接触する場所と、クラブの打域にわたる動作方向および方位とを描くライボード装置のように簡単であってもよい。また、ゴルフクラブヘッドの打面125上に配置される基本的なテープ装置を使用して、ボールがスイートスポットで打たれているかまたは中心から外れて打たれているかどうかを決定するべくゴルフボールが打たれている打面125の部分に関するデータを供給してもよく、それにより、結果を最適化するためにスイングまたはクラブが調整を要する場合がある。
【0037】
十分な数のスイングおよび「練習」または「サンプル」ショットが行なわれて、信頼できるフィッティングをもたらす望ましいショットのサンプルを供給した後、ゴルフおよび/またはフィッティング技術職者は、収集されたデータを使用して、ゴルファーが従来の好ましいスイングメカニズムにしたがってゴルフスイングをより規則的に行なうを助ける視認できるスイングインジケータ400を有する特定のゴルフクラブヘッド100を勧めることができる。収集されまたは測定される特性のうちの幾つかとして、例を挙げると、スイング経路データ、軌跡、インパクト時のゴルフクラブの方向、ボールスピン、ボール飛行、および、ゴルファーの身体の寸法および人間工学的特性が挙げられる。スイングパターンを含むスイングの解析は、望ましいスイング経路、ゴルファーのスイングの傾向、および、必要とされる特定の変更をより視覚的に目立たせることができるようなゴルファーの現在のスイング経路の変更を決定するために使用することができる。屈曲特性および曲げ特性は、クラブのクラブシャフトが特定のスイング傾向を伴うゴルファーの能力を最大にするものとして適しているかどうかを決定するために解析を行なうことができるように決定されて示されてもよい。例えば、好ましい剛性、好ましいキックポイント位置および特定の場所に位置されるシャフト補強装置の効果である。
【0038】
図8Cは、デジタルビデオなどのビデオグラフィック形態でゴルファーの2つのスイングを例示的に描く2つのそれぞれのスイング特性出力1051、1052を描いているディスプレイ1050を示している。一つの構成において、表示されたスイング1051は、プロゴルファーまたは好ましいスイングメカニズムを伴う「仮想ゴルファー」を含む他のゴルファーの好ましいスイングのビデオグラフィック画像であってもよい。右側のゴルフスイング1052は、フィッティングステーション1000で現在解析されているゴルファー10の実際のスイングであってもよい。ディスプレイ1050上での分割スクリーン比較により、視認できるスイングインジケータ、シャフト特性および、ゴルファーが好ましいパフォーマンスを達成するべく好ましい方法でスイングするのを容易にするためのアライメント補助および他の特徴などの特定のゴルフクラブ特徴に関してゴルファーが解析されてフィッティングされてもよい。例えば、ゴルファーのバックスイング経路1055A、1055Bがスイング1051、1052中に比較されてもよい。同様に、ゴルフクラブヘッド1056A、1056Bの方向、ゴルファーの腕および手の位置1057A、1057B、および、頭部位置1058A、1058Bが視覚的に比較されてもよい。他の比較および解析が公知のように行なわれてもよい。ここではディスプレイ1050がゴルファーのスイングに関するビデオグラフィック情報を示すが、ディスプレイ1050は、ゴルファー10をフィッティングする際に利用される様々な他の特性の出力を含む他の解析局面中に利用されてもよい。また、図8Bに示されるように、ディスプレイ1050は、フィッティング経験を促すために使用されてもよく、また、フィッティングプロセス中にゴルファーに見えてもよい。しかしながら、様々な形態の出力を使用して、スイング解析を行なうことができるとともに、ゴルファーのスイングに関する出力データをゴルファーまたはゴルフ技術職者に対して提供できる。
【0039】
様々な態様に関連する以上の説明および添付図面では、本発明の例示的な局面が開示されている。しかしながら、態様の開示により果たされる目的は、本発明で具現化される様々な局面の一例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者であれば分かるように、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱することなく態様に対して多くの変形および改良がなされてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の内腔を形成する内周および長さを含む柔軟な管状体を含み、前記内周は、シャフトの外面を取り囲んで該外面と締め付け係合するとともに該シャフトの剛性特性を増大させるように寸法付けられて構成されている、ゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項2】
シャフトと取り外し可能に係合するように構成されている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項3】
柔軟な管状体が単体部材である、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項4】
シャフト補強装置がシャフトに沿う異なるポイントで締め付け係合されるときに該シャフトの曲げポイントが変えられるように構成されている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項5】
柔軟な管状体が、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つに締め付け嵌着して摺動可能に調整できるように具体的に構成されて寸法付けられている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項6】
柔軟な管状体が、シャフトの高い部分に締め付け嵌着して摺動可能に調整できるように具体的に構成されて寸法付けられており、該柔軟な管状体は、該管状体の端部がグリップの端部と当接するときに該柔軟な管状体の外面がグリップの外面と面一になるように構成されている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項7】
柔軟な管状体が、ゴム、プラスチック、およびポリマーのうちの一つを含む、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項8】
当初のシャフト状態およびシャフト補強装置がシャフトの一部の周囲に締め付け係合されるシャフト補強装置係合状態とを更に含み、シャフト補強装置の2つの対向する端部の間に備えられる前記シャフトの領域が、シャフト補強装置係合状態において、当初のシャフト状態におけるよりも高い剛性を有する、請求項7記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項9】
ゴルフクラブヘッドと;
該ゴルフクラブヘッドと連結しており、グリップを有するシャフトと;
シャフトの外側となるように該シャフトの外面上に摺動可能に備えられているシャフト補強装置と
を含むゴルフクラブ。
【請求項10】
シャフト補強装置が中空管状体を含み、該中空管状体は、その長さにわたってシャフトと締め付け係合するように構成されている内周を有する、請求項9記載のゴルフクラブ。
【請求項11】
シャフト補強装置の内周が、中空管状体の第1の端部から該中空管状体の反対側の第2の端部までの長さに沿って連続的に増大する、請求項10記載のゴルフクラブ。
【請求項12】
中空管状体が、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つと締め付け係合するように寸法付けられて構成されており、該中空管状体の長さが、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの前記一つの長さよりも短い、請求項10記載のゴルフクラブ。
【請求項13】
以下の段階を含む、ゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法:
ゴルフクラブのシャフトの剛性特性を決定する段階;
測定装置を使用して前記ゴルフクラブのスイングに基づいてシャフトの所望の剛性特性を決定する段階;ならびに
決定された所望の剛性特性に基づいて複数の利用可能な柔軟管状体シャフト補強装置から特定の柔軟管状体シャフト補強装置を選択する段階、および、該特定の柔軟管状体シャフト補強装置の内周が前記シャフトの外面と締め付け係合するように該特定の柔軟管状体シャフト補強装置をシャフト上に位置させることにより特定のシャフト補強装置をシャフトに適用する段階。
【請求項14】
シャフトの所望の曲げポイントを決定する段階を更に含む、請求項13記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項15】
所望の剛性特性の決定に基づいて、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つに特定の柔軟管状体シャフト補強装置を位置させる段階を更に含む、請求項13記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項16】
シャフトの所望の曲げポイントの決定に基づいて、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つに特定の柔軟管状体シャフト補強装置を位置させる段階を更に含む、請求項14記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項17】
シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つにおいて柔軟管状体シャフト補強装置を摺動可能に調整する段階を更に含む、請求項15記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項18】
一連のシャフト補強装置を提供するキットであって、
第1、第2、および第3の別個のシャフト補強装置を含み、第1、第2、および第3のシャフト補強装置のそれぞれが、内周を有する中空管状体を含み、第1、第2、および第3のシャフト補強装置の中空管状体および内周が、ゴルフクラブのシャフトの低い部分、中間部分、および高い部分と締め付け係合するようにそれぞれ寸法付けられて構成されている、キット。
【請求項19】
第1のシャフト補強装置が、ゴルフクラブのシャフトの低い部分において摺動可能に調整できるように寸法付けられて構成されており、第2のシャフト補強装置が、ゴルフクラブのシャフトの中間部分において摺動可能に調整できるように寸法付けられて構成されており、第3のシャフト補強装置が、ゴルフクラブのシャフトの低い部分において摺動可能に調整できるように寸法付けられて構成されている、請求項18記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項20】
各第1、第2、および第3のシャフト補強装置のそれぞれが、ゴム、プラスチック、およびポリマーのうちの一つから構成されている、請求項19記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項21】
シャフト補強装置のそれぞれが、ゴルフクラブと締め付け係合する際にゴルフクラブのシャフトの剛性特性を増大させるように構成されている、請求項19記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項22】
シャフト補強装置のそれぞれが、ゴルフクラブと締め付け係合する際にゴルフクラブのシャフトに対して異なる曲げポイントを提供するように構成されている、請求項19記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項1】
管状の内腔を形成する内周および長さを含む柔軟な管状体を含み、前記内周は、シャフトの外面を取り囲んで該外面と締め付け係合するとともに該シャフトの剛性特性を増大させるように寸法付けられて構成されている、ゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項2】
シャフトと取り外し可能に係合するように構成されている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項3】
柔軟な管状体が単体部材である、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項4】
シャフト補強装置がシャフトに沿う異なるポイントで締め付け係合されるときに該シャフトの曲げポイントが変えられるように構成されている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項5】
柔軟な管状体が、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つに締め付け嵌着して摺動可能に調整できるように具体的に構成されて寸法付けられている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項6】
柔軟な管状体が、シャフトの高い部分に締め付け嵌着して摺動可能に調整できるように具体的に構成されて寸法付けられており、該柔軟な管状体は、該管状体の端部がグリップの端部と当接するときに該柔軟な管状体の外面がグリップの外面と面一になるように構成されている、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項7】
柔軟な管状体が、ゴム、プラスチック、およびポリマーのうちの一つを含む、請求項1記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項8】
当初のシャフト状態およびシャフト補強装置がシャフトの一部の周囲に締め付け係合されるシャフト補強装置係合状態とを更に含み、シャフト補強装置の2つの対向する端部の間に備えられる前記シャフトの領域が、シャフト補強装置係合状態において、当初のシャフト状態におけるよりも高い剛性を有する、請求項7記載のゴルフクラブシャフト補強装置。
【請求項9】
ゴルフクラブヘッドと;
該ゴルフクラブヘッドと連結しており、グリップを有するシャフトと;
シャフトの外側となるように該シャフトの外面上に摺動可能に備えられているシャフト補強装置と
を含むゴルフクラブ。
【請求項10】
シャフト補強装置が中空管状体を含み、該中空管状体は、その長さにわたってシャフトと締め付け係合するように構成されている内周を有する、請求項9記載のゴルフクラブ。
【請求項11】
シャフト補強装置の内周が、中空管状体の第1の端部から該中空管状体の反対側の第2の端部までの長さに沿って連続的に増大する、請求項10記載のゴルフクラブ。
【請求項12】
中空管状体が、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つと締め付け係合するように寸法付けられて構成されており、該中空管状体の長さが、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの前記一つの長さよりも短い、請求項10記載のゴルフクラブ。
【請求項13】
以下の段階を含む、ゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法:
ゴルフクラブのシャフトの剛性特性を決定する段階;
測定装置を使用して前記ゴルフクラブのスイングに基づいてシャフトの所望の剛性特性を決定する段階;ならびに
決定された所望の剛性特性に基づいて複数の利用可能な柔軟管状体シャフト補強装置から特定の柔軟管状体シャフト補強装置を選択する段階、および、該特定の柔軟管状体シャフト補強装置の内周が前記シャフトの外面と締め付け係合するように該特定の柔軟管状体シャフト補強装置をシャフト上に位置させることにより特定のシャフト補強装置をシャフトに適用する段階。
【請求項14】
シャフトの所望の曲げポイントを決定する段階を更に含む、請求項13記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項15】
所望の剛性特性の決定に基づいて、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つに特定の柔軟管状体シャフト補強装置を位置させる段階を更に含む、請求項13記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項16】
シャフトの所望の曲げポイントの決定に基づいて、シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つに特定の柔軟管状体シャフト補強装置を位置させる段階を更に含む、請求項14記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項17】
シャフトの低い部分、中間部分、および高い部分のうちの一つにおいて柔軟管状体シャフト補強装置を摺動可能に調整する段階を更に含む、請求項15記載のゴルフクラブのシャフトにシャフト補強装置をはめ付ける方法。
【請求項18】
一連のシャフト補強装置を提供するキットであって、
第1、第2、および第3の別個のシャフト補強装置を含み、第1、第2、および第3のシャフト補強装置のそれぞれが、内周を有する中空管状体を含み、第1、第2、および第3のシャフト補強装置の中空管状体および内周が、ゴルフクラブのシャフトの低い部分、中間部分、および高い部分と締め付け係合するようにそれぞれ寸法付けられて構成されている、キット。
【請求項19】
第1のシャフト補強装置が、ゴルフクラブのシャフトの低い部分において摺動可能に調整できるように寸法付けられて構成されており、第2のシャフト補強装置が、ゴルフクラブのシャフトの中間部分において摺動可能に調整できるように寸法付けられて構成されており、第3のシャフト補強装置が、ゴルフクラブのシャフトの低い部分において摺動可能に調整できるように寸法付けられて構成されている、請求項18記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項20】
各第1、第2、および第3のシャフト補強装置のそれぞれが、ゴム、プラスチック、およびポリマーのうちの一つから構成されている、請求項19記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項21】
シャフト補強装置のそれぞれが、ゴルフクラブと締め付け係合する際にゴルフクラブのシャフトの剛性特性を増大させるように構成されている、請求項19記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【請求項22】
シャフト補強装置のそれぞれが、ゴルフクラブと締め付け係合する際にゴルフクラブのシャフトに対して異なる曲げポイントを提供するように構成されている、請求項19記載の一連のシャフト補強装置を提供するキット。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【公表番号】特表2012−526618(P2012−526618A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510869(P2012−510869)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/033972
【国際公開番号】WO2010/132285
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/033972
【国際公開番号】WO2010/132285
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】
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