説明

シャワー装置

【課題】使用者の使用状況に応じた好適な湯水の噴霧を実現可能であるシャワー装置を提供する。
【解決手段】ノズルユニット13とノズルアーム16に微細水流を使用者の身体を包み込むように噴出する複数のシャワーノズル15と、ミスト状の水流を使用者の身体全体を包み込むように噴出するミストノズル17と、流量検出手段30を設け、流量に応じて湯水の噴霧状態を切り替え可能とし、使用者の使用状況に応じた好適な湯水の噴霧を実現可能であるシャワー装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着座姿勢で使用するシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシャワー装置は、正面中央に鏡を設置した収納ユニットの両側部に、複数のノズルを備えたアームを垂直な回転軸を介して横方向に回転するように設置し、収納ユニットの下方に水栓を備えたカウンターを設置するとともに、水栓の下方には洗面器を載置する可倒式の洗面器台を設置した構成において、着座してシャワー浴を行うときは洗面器台を倒した状態で、収納ユニットの前に置いた椅子に着座してシャワーを浴びるものである。また、洗顔等の洗面器を使用する入浴作業を行うときは、洗面台を起こしその上に洗面器を載置して入浴作業を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載された従来のシャワー装置を示すものである。
【0004】
図に示すように、収納ユニット1の一側方には収納棚2設置してあり、他方には通常シャワー3が設置してある。収納ユニット1の左右には複数のノズル4を備えたアーム5が水平方向に回動自在に設置してある。また収納ユニット1の中央部には鏡6が設置してあり、その下方には水栓7を備えたカウンター8が設置してあり、カウンター8の下方には可倒式の洗面器台9を設置した構成となっている。
【特許文献1】特開2001−204644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、着座してシャワー浴を行う場合には専用の椅子が必要であり、また洗顔等の一般の入浴作業を行うときは、別の椅子が必要なので余分な浴室スペースや椅子の収納スペースが必要である。また、着座してシャワー浴を行う場合に背中が不用意に鏡に接触し、不快感を感じたり、また鏡の破損により身体に損傷を受けるという安全面での課題を有していた。
【0006】
また、同一のノズルしか用いられておらず、使用者によっては必ずしも好適な湯水の噴霧ではなかった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、着座姿勢で使用するシャワー装置と身体の洗浄に使用する水栓や鏡を一体に構成し、浴室内の省スペースと使い勝手の向上を図るとともに、使用者の使用状況に応じた好適な湯水の噴霧を実現可能であるシャワー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明のシャワー装置は、ノズルユニットを所定幅の開放面を介して左右に設置し、ノズルアームをノズルユニットの上部に略上下方向に回動および保持自在に設置し、開放面の下部に洗い場吐水口を設置し、洗い場吐水口の下方に所定の空間を確保した位置に着座手段を設置し、着座手段に制御手段を設置した構成と、ノズルアームを上方に回動し所定位置に保持したものである。
【0009】
これによって、着座手段に着座し着座手段に設置した制御手段を操作することにより、ノズルユニットとノズルアームのノズルから噴霧する湯水を全身を包み込むようにシャワーを浴びることができる。またシャワーを使用しないときは、着座手段に洗面器を載置して洗い場吐水口から湯水を吐水することにより、洗顔や身体の洗浄作業を行うことができることとなり、同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができるため、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく浴室の省スペースと使い勝手を向上することができる。
【0010】
また、本発明のシャワー装置は、湯水の流量を検出する流量検出手段と、ノズルアームに設けた霧状に湯水を噴霧するミストノズルと粒子状に噴霧するシャワーノズルの2種類のノズルと、前記ミストノズルと前記シャワーノズルの流路切換を行う切換制御手段と、流量の調節を行う流量制御手段を設けたものである。
【0011】
これによって、流量や圧力などの使用環境が変化しても好適なシャワー浴が実現可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシャワー装置は、同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができるため、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく浴室の省スペースと使い勝手を向上することができるとともに、使用者の使用状況に応じた好適な湯水の噴霧を実現可能であるシャワー装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は使用者の後方より噴霧するノズルを有するノズルユニットと、使用者の身体を包み込むように噴霧する複数のノズルを配設したノズルアームと、着座手段と、洗い場吐水口と、ノズルと洗い場吐水口に供給する湯水を制御する制御手段と、湯水の流量を検出する流量検出手段を備え、ノズルユニットは所定幅の開放面を介して左右に設置し、ノズルアームはノズルユニットの上部に略上下方向に回動および保持自在に設置し、ノズルアームには霧状に湯水を噴霧するミストノズルと粒子状に噴霧するシャワーノズルの2種類のノズル配設し、開放空間の下部に洗い場吐水口を設置し、洗い場吐水口の下方に所定の空間を確保した位置に着座手段を設置し、着座手段に制御手段を設置し、前記制御手段には少なくとも前記ミストノズルと前記シャワーノズルの流路切換を行う切換制御手段と、流量の調節を行う流量制御手段を備えた構成とすることにより、ノズルアームを上方に回動し所定位置に保持した状態で、使用者は着座手段に着座し着座手段に設置した制御手段を操作することにより、ノズルユニットのノズルとノズルアームのノズルから噴霧する湯水を全身を包み込むように浴びることができる。またシャワーを使用しないときは、着座手段に洗面器を載置し、洗い場吐水口から湯水を吐水することにより洗顔や身体の洗浄作業を行うことができることとなり同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができるため、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく浴室の省スペースと使い勝手を向上することができる。
【0014】
また、設置場所による変動の大きい湯水の流量を検出し、使用者もしくは自動制御により流量を変更できるとともに、低流量でも噴霧範囲を確保できるとともに肌にやさしく、発汗効果のあるサウナのようにゆっくりと湯水を微細な粒子で浴びるミストノズルから湯水を噴霧するか、湯水流量は多くなるがしっかりと体を短時間で温めるとともにしっかりと汚れなどを洗い流すことも可能であるシャワーノズルから湯水を噴霧するかを選択できる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明における流量検出手段で検出した流量が所定の流量未満の場合には切換制御手段をミストノズルへの流路を開成し、所定の流量以上の場合には切換制御手段をシャワーノズルへの流路を開成する構成としたことにより、使用者が使用環境を気にすることがなく、シャワーノズルでは十分の満足感が得られない低流量使用環境では、ミストノズルからの湯水を噴霧し、体全体を包み込んで温熱感を得ることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるシャワー装置を浴室に設置した状態の斜視図を示すものであり、図2はシャワー装置を着座姿勢でシャワー浴を行う状態の斜視図を示すものであり、図3はシャワー装置を通常の入浴作業を行う状態の斜視図を示すものであり、図4はシャワー装置の湯水流路の模式図であり、図5はシャワー浴と通常の入浴作業の切り換え途中の状態の斜視図を示すものである。
【0018】
図1に示すように、本発明のシャワー装置は浴室10の洗い場11に対応する壁面12に設置してある。
【0019】
図2に示すように浴室10の壁面12固定した本発明のシャワー装置は、両側部には樹脂材料を略直方形状に成型したノズルユニット13が配置してあり、左右のノズルユニット13の前面上部には、使用者の主に肩に向かって衝撃的な水流を噴出するマッサージノズル14がそれぞれ設置してあり、前面下部には使用者の主に腰部に向かって微細な霧状に湯水を噴霧するミストノズル17がそれぞれ設置してある。ミストノズルからの噴霧される湯水の粒子径はおおよそ300μm以下となるように調節されている。
【0020】
左右のノズルユニット13の外側部には、上端部を支点として略上下方向に回動自在で、かつ任意の角度で保持が可能なように略直方体形状のノズルアーム16がそれぞれ設置してある。左右のノズルアーム16は連結バー(図示せず)で連結することにより、一方のノズルアーム16を回動すれば他方も同様に回動する構成となっている。また図5に示すようにノズルアーム16をノズルユニット14の側方に収納した状態では、ノズルアーム16をノズルユニット14の前面はほぼ同一面となっており、上下端もほぼ同一の位置をなしている。
【0021】
ノズルアーム16の裏面には微細水流を使用者の身体を包み込むように噴出する複数のシャワーノズル15と、ミスト状の水流を使用者の身体全体を包み込むように噴出するミストノズル17がノズルアーム16のほぼ全長にわたり所定の間隔で交互に配設してある。シャワーノズル15は噴霧される湯水の粒子径がおおよそ1mm以下となるように調節されており、湯水が噴霧化されることによって使用者へ到達するまでに生じる温度低下を抑制しているとともに人体の石鹸や汚れなどを洗い流すようにある程度の粒子径を確保したものである。また、十分な流量が確保できる場合には温度低下が低くミストシャワーよりも人体を暖める温熱効果が優れているとともに、体感もより好適である、。それに対し、ミストノズル17は噴霧される湯水の粒子径はおおよそ300μm以下となるように調節されており、低流量でも使用者を湯水の噴霧でより広範囲にきめ細かく包み込むことができ節水効果があるとともに、発汗効果を促し、新陳代謝を促すのどの効能が得られる。
【0022】
図4は本シャワー装置の配管を模式的に示したものであり、左右に分岐されるノズル類に関しては、片側だけを記載し、片側を省略したものである。図4に示すようにマッサージノズル14とシャワーノズル15とミストノズル17は種類毎にノズルユニット13とノズルアーム16の内部に配設されており、ユニット内の配管により互いに連通する構成となっている。また、マッサージノズル14とシャワーノズル15とミストノズル17は個々に水流の噴出方向を変更できる調整機能を備えている。
【0023】
図4において、温度調節される前の湯と水はそれぞれ温度制御手段27に入り、温度制御手段27により使用者の好みの温度になるよう湯水の混合比を調節され、流量制御手段26へ入る。流量調節手段26は使用者の好みの流量になるように湯水の流量を調節するとともに、湯水を流れの開閉動作を行えるようになっている。流量検出手段30は混合された湯水の流量を検出するもので、流量制御手段の下流側に設けてあるが、流量が検出できればこの位置に制約されるものではない。切換制御弁28は湯水をそれぞれのノズルおよびハンドシャワー24および洗い場吐水口20に使用者の好みに応じては切換する構成となっている。
【0024】
図5に示すように左右のノズルユニット13の間に位置する開放面18の上部には鏡19が設置してあり、鏡19の下端部には下方に向かって開放した洗い場吐水口20が設置してある。
【0025】
開放面18の前面には左右のノズルユニット13の上下端部に枢支し、左右に開閉自在な背もたれカバー21が設置してある。背もたれカバー21は図2に示すように、シャワー浴を行うときは開放面18を閉じることにより、鏡19のほぼ全面と洗い場吐水口20を隠蔽することができ、この状態ではノズルユニット13の前面と背もたれカバー21の前面がほぼ同一面となるように構成してある。
【0026】
また、図3に示すように通常の入浴作業の状態においては、背もたれカバー21を外方に開放することにより、ノズルユニット13とノズルアーム16の前面を隠蔽し、鏡19と洗い場吐水口20が露出する。背もたれカバー21の幅寸法はノズルユニット13とノズルアーム16の全幅に略等しい寸法となっており、ノズルユニット13とノズルアーム16の前面のほぼ全体を隠蔽できる構成となっている。
【0027】
開放面18の下方にはノズルユニット13の下端とほぼ等しい高さの着座手段22が設置してある。着座手段22の上面22aはほぼフラットな形状をなし、シャワー浴で使用する場合は使用者が着座し、通常の入浴作業の時は図3に示すように洗面器23等の入浴用品を載置するカウンター機能として使用できる。
【0028】
シャワー装置の側方の壁面13にはハンドシャワー24が着脱自在に掛止してあり、シャワーホース24aは着座手段22に設けた所定のシャワー接続口25に接続してある。
【0029】
着座手段22の一方の側面にはマッサージノズル14とシャワーノズル15とミストノズル17と洗い場吐水口20とハンドシャワー24に供給する湯水の止水と流量を制御する流量制御手段26が設置してあり、ハンドル26aの操作で流量を制御することができる。また、着座手段22の他方の側面には湯水の温度を制御する温度制御手段27が設置してあり、ハンドル27aを操作することにより温度を設定することができる。
【0030】
また、温度制御手段27の後方には湯水の供給先を選択する切換制御手段28が設置してあり、ハンドル28aの操作で5カ所の供給先であるマッサージノズル14とシャワーノズル15とミストノズル17と洗い場吐水口20とハンドシャワー24のうちの1カ所を選択して切換ができる。ただし、使用者からの距離が近いノズルユニット13に設けられた主に背中の腰周辺に湯水を噴霧するミストノズル17は、シャワーノズル15を選択した場合でも噴霧するようになっている。
【0031】
流量制御手段26と温度制御手段27と切換制御手段28は着座手段22の内部で配管により連通しており、切換制御手段28はマッサージノズル14とシャワーノズル15とミストノズル17と洗い場吐水口20とハンドシャワー24と個別の配管により連通している。
【0032】
以上のように構成されたシャワー装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0033】
まず、図2に示すようにノズルアーム16を回動して使用者の体格にあわせた位置に保持し、使用者が着座手段22に着座する。このとき鏡19の前面は背もたれカバー21で隠蔽しているため、使用者の背中が直接鏡19に接触することがなく快適に着座することができる、着座した状態で切換制御手段28を「座シャワー」の位置に設定し、温度制御手段27を所定の温度に設定し、流量制御手段26を開放すると、ノズルユニット13のミストノズル17と、ノズルアーム16のシャワーノズル15から微細な水流が噴出する。ノズルユニット13にミストノズル17を設けることにより、ノズルアーム16に設けたシャワーノズル15より使用者との距離が非常に近い場合でも、腰部だけが熱いといった温度差を感じることがないシャワー浴を実現できる。
【0034】
ノズルユニット13に設けられたミストノズルから噴出した微細水流は使用者の腰部を中心に背面に向かって噴出し、ノズルアーム16から噴出した微細水流は使用者の肩から脚まで身体全体を包み込むように噴出する。
【0035】
上記のように使用者の全身を包み込むように微細水流を浴びることにより、使用者はバスタブ入浴と同様の温熱効果を得ることができ、しかも、バスタブ入浴時に加わる静水圧負荷を受けないため、使用者への肉体的な負荷が軽減される。また、ノズルから使用者までの距離に差がある場合に生じやすい使用者が感じる温度ムラを抑制でき、好適なシャワー浴が実現できる。
【0036】
切換制御手段28を「ミスト」の位置に切り換えると、アームユニット13およびノズルアーム16のミストノズル17からより微細なミスト状の水流が使用者の全身を包み込むように噴出する。水流をより微細なミスト状にすることにより、体感温度は低くなるため上記の「座シャワー」の位置での使用の場合より温度制御手段27の設定温度を高くすることができ、より高温でのシャワー浴が可能となり、発汗作用を促進することができる。
【0037】
また、切換制御手段28を「マッサージ」の位置に切り換えると、ノズルユニット13のマッサージノズル14から強弱のある衝撃的な水流が使用者の主に肩に向かって噴出し、入浴者はマッサージ効果を得ることができる。
【0038】
着座姿勢のまま、洗髪や洗顔を行う場合は、切換制御手段28を「ハンドシャワー」の位置に切り換えることにより、ハンドシャワー24より湯水が噴出するので、ハンドシャワー24を壁面12より外して洗髪や洗顔に使用することができる。
【0039】
図3に示すように、ノズルアーム16を収納し背もたれカバー21を開放した状態では、着座手段22は洗面器23や入浴用品を載置するカウンターとして使用することができる。この状態では、切換制御手段28を「ハンドシャワー」の位置にすることにより、上記同様にハンドシャワー24を使用することができる。また、切換制御手段28を「洗い場吐水口」の位置にすることにより、洗い場吐水口20から湯水を吐水することができるので、洗面器23に湯水を貯めて行う洗顔やタオルの洗浄など通常の入浴作業を効率的に行うことができる。
【0040】
また、流量検出手段30で検出した流量が所定の値未満であれば、「座シャワー」よりも「ミスト」の方が好適であることを表示手段(図示せず)で表示し、流量が所定の値以上であれば、「ミスト」よりも「座シャワー」の方が好適であることを表示手段で表示し、使用者がどのシャワーで入浴する方がよいかを知らせることができる。
【0041】
以上のように、本実施の形態においてはノズルアームを上方に回動し所定位置に保持し、着座手段に着座し制御手段を操作することにより、ノズルユニットのノズルとノズルアームのノズルとハンドシャワーから噴出する湯水により、4種類のシャワー浴を行うことができる。また、ノズルアームを収納した状態では、ハンドシャワーを使用した洗浄作業と、着座手段に洗面器を載置し洗い場吐水口から湯水を吐水することにより洗顔や身体の洗浄等の通常の入浴作業を行うことができる。
【0042】
このように同一場所でシャワー浴と通常の入浴作業を行うことができるので、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく浴室の省スペースと使い勝手を向上することができる。
【0043】
なお、本実施の形態においては背もたれカバーをノズルユニットの上下端部に枢支し回動による開閉機構としたが、この開閉機構に限るものではなく、左右に摺動する開閉機構にすることにより、開閉作業の途中で背もたれカバーが前方に突出することがなくなり、不用意に入浴者に当たって怪我をする危険が回避され安全性を向上することができる。
【0044】
また、本実施の形態においては流量制御手段26と切換制御手段28はハンドルで使用者が駆動したが、リモコン操作などで自動化した場合には、流量検出手段30から入力された流量情報に応じて、所定の流量未満であれば切換制御手段28を「ミスト」側に切換え、所定の流量以上であれば切換制御手段28を「座シャワー」側に切換えることが使用者が選択することなくできるので使用者は悩むことなく好適なシャワーを楽しむことができる。さらに、流量検出手段30があるので、流量が明らかに必要以上に流れている場合には、流量制御手段26を自動的に絞り、十分に温熱効果が得られる必要以上の流量を削減することで、水や給湯器の加熱エネルギーを節約しながら、好適なシャワー浴を実現できる。
【0045】
また、本実施の形態においては流量検出手段30で流量を検出したが、圧力を検出しても流量換算が可能であり、代用が可能である。
【0046】
(実施の形態2)
図6は本発明の第2の実施の形態におけるシャワー装置の斜視図を示すものである。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なるところは、図に示すように左右のノズルユニット13の間に位置する開放面18の上部に収納棚29を設置してあり、収納棚29の下端部に下方に向かって開放した洗い場吐水口20を設置した構成である。
【0047】
なお、実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し説明は省略する。
【0048】
上記構成とすることにより、開放面に設置した収納棚29には石鹸やスポンジ等の入浴用品の収納に使用することができる。しかも実施の形態1と同様に収納棚29の前面は背もたれカバー21で隠蔽しているため、着座手段に着座した時に使用者の背中が直接収納棚29に接触することがなく快適に着座することができるものである。
【0049】
上記のように、本実施の形態のシャワー装置は収納性と使い勝手の両方の効果を備えた物である。
【0050】
なお、第1の形態においては開放面の上部に鏡を設置し、本実施の形態においては収納棚を設置したが、これは必須の要件ではなく鏡と収納棚の両方の機能を備えた物を設置することも可能であり、またそれ以外の機能を備えたの物を設置することも可能である。また何も設置しないシンプルな構成でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかるシャワー装置は、同一場所でシャワー浴と一般の入浴の洗浄作業を行うことができるため、浴室内に余分なスペースを確保する必要がなく浴室の省スペースと使い勝手を向上するが可能となるので、介護装置などの用途にも適用できるとともに、使用者の使用状況に応じた好適な湯水の噴霧を実現可能であるシャワー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の浴室設置状態の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の着座使用状態の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の通常使用状態の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の湯水配管の模式図
【図5】本発明の実施の形態1におけるシャワー装置の切換状態を示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態2におけるシャワー装置の斜視図
【図7】従来のシャワー装置の正面図
【符号の説明】
【0053】
13 ノズルユニット
14 マッサージノズル(ノズル)
15 シャワーノズル(ノズル)
16 ノズルアーム
17 ミストノズル(ノズル)
18 開放面
19 鏡
20 洗い場吐水口
21 背もたれカバー
22 着座手段
26 流量制御手段(制御手段)
27 温度制御手段(制御手段)
28 切換制御手段(制御手段)
29 収納棚
30 流量検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の後方より噴霧するノズルを有するノズルユニットと、使用者の身体を包み込むように噴霧する複数のノズルを配設したノズルアームと、着座手段と、洗い場吐水口と、ノズルと洗い場吐水口に供給する湯水を制御する制御手段と、湯水の流量を検出する流量検出手段を備え、ノズルユニットは所定幅の開放面を介して左右に設置し、ノズルアームはノズルユニットの上部に略上下方向に回動および保持自在に設置し、ノズルアームには霧状に湯水を噴霧するミストノズルと粒子状に噴霧するシャワーノズルの2種類のノズル配設し、開放空間の下部に洗い場吐水口を設置し、洗い場吐水口の下方に所定の空間を確保した位置に着座手段を設置し、着座手段に制御手段を設置し、前記制御手段には少なくとも前記ミストノズルと前記シャワーノズルの流路切換を行う切換制御手段と、流量の調節を行う流量制御手段を備えたシャワー装置。
【請求項2】
流量検出手段で検出した流量が所定の流量未満の場合には切換制御手段をミストノズルへの流路を開成し、所定の流量以上の場合には切換制御手段をシャワーノズルへの流路を開成する請求項1に記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−271444(P2006−271444A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90902(P2005−90902)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】