説明

シューティング装置及びシューティングゲームシステム

【課題】球体が勝手に発射されることがなく、しかも、正規の球体と異なる固い球体を装填した場合にはその球体が発射されることのないシューティング装置を提供する。
【解決手段】弾性球体52に発射力を付与して弾性球体52を銃口部36より発射させるシューター部44と、複数の弾性球体52をシューター部44に向けて案内するガイド通路46と、シューター部44に供給する弾性球体52を保持する保持部48と、トリガー40の操作に応じて保持部48に保持された弾性球体52をシューター部44に送り出して発射させる送出し機構50とを有し、保持部48は、弾性球体の直径よりも狭い間隔の一対のゲートローラ68を有し、弾性球体52は、送出し機構50によりゲートローラ68に押し付けられて変形してゲートローラ68を通過可能にされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性球体を発射して対戦ゲームを行うためのシューティング装置及びシューティングゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、球体を発射して対戦ゲームを行うためのシューティング装置として、例えば特許文献1に示すような球体発射玩具が知られている。
【0003】
この球体発射玩具は、玩具本体の前面に球体が発射される発射口が設けられ、玩具本体の背面に配置されたトリガーレバーを前方に押し操作することにより、発射口の後方に配置された弾き部材で球体を発射口から前方に弾き出すようになっている。
【0004】
また、この球体発射玩具では、前面に他の球体発射玩具が球体の衝突を感知する衝突感知プレートを配置し、衝突感知プレートに球体が所定回数衝突すると球体発射阻止部材により球体の発射を阻止するようにしている。
【特許文献1】実用新案登録第3114364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の球体発射玩具にあっては、球体の発射が阻止されるのは、衝突感知プレートに球体が所定回数衝突した場合のみであって、感知プレートに球体が所定回数衝突する以前は球体の発射が阻止されないため、場合によっては、プレーヤの意志にかかわらず球体が独りでに弾き部材によって発射されてしまう可能性がある。
【0006】
また、誤って正規の球体以外の固い球体を装填してしまった場合に、その発射を阻止することができずに発射してしまう可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、球体が勝手に発射されることがなく、しかも、正規の球体と異なる固い球体を装填した場合にはその球体が発射されることのないシューティング装置及びシューティングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明のシューティング装置は、
弾性球体に発射力を付与して弾性球体を銃口部より発射させるシューター部と、
複数の前記弾性球体を前記シューター部に向けて案内するガイド通路と、
前記シューター部に供給する前記弾性球体を保持する保持部と、
トリガー操作に応じて前記保持部に保持された弾性球体を前記シューター部に送り出して発射させる送出し機構とを有し、
前記保持部は、前記弾性球体の直径よりも狭い間隔のゲート部を有し、
前記弾性球体は、前記送出し機構により前記ゲート部に押し付けられて変形して前記ゲート部を通過可能にされていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、保持部に弾性球体の直径よりも狭い間隔のゲート部を設けているため、弾性球体がかってに保持部からシューター部に移動して発射されるのを防止することができ、しかも、弾性球体が送出し機構によりゲート部に押し付けられて変形してゲート部を通過可能にされているため、弾性球体よりも固い球体を誤って装填した場合には、その球体はゲート部を通過することができないので、シューター部へと移動することができず、固い球体を誤って発射してしまうのを防止することができる。
【0010】
本発明においては、前記弾性球体は、前記保持部内に落下投入され、
前記保持部には、前記落下投入される前記弾性球体の跳ね上がりを防止する緩衝部材が設けられているものとすることができる。
【0011】
このような構成とすることにより、緩衝部材により保持部に落下投入される弾性球体の跳ね上がりを防止するため、弾性球体は確実に保持部内に位置させておくことができ、その結果、弾性球体の連続発射を可能にすることができる。
【0012】
この場合、前記保持部内の前記弾性球体の有無を検知する弾性球体検知手段が設けられ、前記弾性球体検知手段が前記弾性球体を検知しているとき前記送出し機構が作動するものとすることができる。
【0013】
このような構成とすることにより、保持部に弾性球体がないのにトリガーを引いて空撃ちするのを防止することができる。
【0014】
本発明においては、前記銃口部に、前記銃口部を塞ぐ銃口部開閉部材を設け、前記弾性球体の発射時に前記銃口部を開放するように、前記銃口開閉部材を前記送出し機構と連動させる手段を有するものとすることができる。
【0015】
このような構成とすることにより、弾性球体の発射以外の時に銃口部から手を入れてシューター部に触れてしまうのを防止すると共に、相手の弾性球体が飛んできて銃口部から入ってしまうのを防止することができる。
【0016】
本発明においては、前記送出し機構は、付勢手段により送出し方向に付勢され、前記トリガーの操作によって作動されるトリガーモータの回転によって前記送出し機構の送出し制御が行われるようにすることができる。
【0017】
このような構成とすることにより、保持部にある弾性球体が何らかのトラブルで弾詰まりを起こして、シューター部に移動できない場合、トリガーモータの力で無理矢理押し込むことのないよう、付勢手段の力の範囲内で弾性球体を押すようにさせることができる。
【0018】
本発明においては、前記保持部と隣接する位置の前記ガイド通路には、常に次の発射用の弾性球体が少なくとも1つ確保されているようにすることができる。
【0019】
このような構成とすることにより、ガイド通路に常に次の発射用の弾性球体を少なくとも1つ確保することで、弾性球体の連続発射を可能にすることができる。
【0020】
この場合、前記送出し機構には、前記保持部内の弾性球体を送り出す際に前記次の発射用の弾性球体を受ける受けローラが設けられるようにすることができる。
【0021】
このような構成とすることにより、受けローラにより次の発射用の弾性球体を受けることで、送出し機構による送出し時に、送出し機構が次の発射用の弾性球体に引っかかって送り出し動作に支障を来すのを防止することができる。
【0022】
本発明においては、銃口部付近には、前方の近接位置に障害物があるときに前記トリガー操作を無効にするための近接センサが設けられるようにすることができる。
【0023】
このような構成とすることにより、近接センサによって近接位置に障害物があるときにトリガー操作を無効にすることで、近距離での弾性球体の発射を防止して、安全性を高めることができる。
【0024】
本発明においては、プレーヤが前記トリガーの操作を行う側の手と異なる側の手で把持する把持部が設けられ、
前記把持部近傍にプレーヤが前記把持部を把持していることを検出して、把持している場合にのみ前記トリガー操作を有効にするための把持検出センサが設けられるようにすることができる。
【0025】
このような構成とすることにより、シューティング装置が大型になると両手で装置を把持していなければ不安定になるため、把持検出センサにて両手で把持していることを検出し、不安定な状態で弾性球体が発射されてしまうのを防止することができる。
【0026】
本発明においては、前記銃口部付近に標的が設けられ、
前記標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とされるようにすることができる。
【0027】
このような構成とすることにより、トリガーを引いていない状態でシューティング装置を動かした際に標的が誤作動するのを防止することができる。
【0028】
本発明のシューティングゲームシステムは、
複数のプレーヤがシューティング装置を用いて対戦ゲームを行うシューティングゲームシステムにおいて、
前記シューティング装置は、弾性球体に発射力を付与して弾性球体を銃口部より発射させるシューター部と、
複数の前記弾性球体を前記シューター部に向けて案内するガイド通路と、
前記シューター部に供給する前記弾性球体を保持する保持部と、
トリガー操作に応じて前記保持部に保持された弾性球体を前記シューター部に送り出して発射させる送出し機構とを有し、
前記保持部は、前記弾性球体の直径よりも狭い間隔のゲート部を有し、
前記弾性球体は、前記送出し機構により前記ゲート部に押し付けられて変形して前記ゲート部を通過可能にされると共に、
前記各シューティング装置には、前記銃口部付近に第1の標的が設けられ、
前記標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とされていることを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、シューティング装置は、保持部に弾性球体の直径よりも狭い間隔のゲート部を設けているため、弾性球体がかってに保持部からシューター部に移動して発射されるのを防止することができ、しかも、弾性球体が送出し機構によりゲート部に押し付けられて変形してゲート部を通過可能にされているため、弾性球体よりも固い球体を誤って装填した場合には、その球体はゲート部を通過することができないので、シューター部へと移動することができず、固い球体を誤って発射してしまうのを防止することができる。また、トリガーを引いていない状態でシューティング装置を動かした際に第1の標的が誤作動するのを防止することができる。
【0030】
本発明においては、各プレーヤの陣地には、プレーヤが隠れるための昇降部を有する防御壁が設けられると共に、この防御壁に第2の標的が設けられ、この第2の標的に相手の弾性球体が命中すると上昇していた昇降部が下降するようにすることができる。
【0031】
このような構成とすることにより、プレーヤは昇降部が上昇している状態で、防御壁に隠れて撃ち合いを行うようになっており、相手の弾性球体が第2の標的に命中すると、突然昇降部が下降して、隠れる場所がなくなり、プレーヤがびっくりするようなスリル感を味わうことができる。
【0032】
この場合、前記第2の標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とすることができる。
【0033】
このような構成とすることにより、トリガーを引いていない状態で第2の標的が誤作動するのを防止することができる。
【0034】
本発明においては、各プレーヤの陣地には、高得点用の第3の標的が昇降可能に設けられ、前記第3の標的は通常は下降して相手から隠れた状態にあり、ゲームの残り時間が少なくなると上昇して現れるようにすることができる。
【0035】
このような構成とすることにより、ゲームの残り時間が少なくなると、隠れていた高得点の第3の標的が現れ、プレーヤはこの高得点の第3の標的を狙って撃つことで、大逆転の機会が与えられ、ゲームの楽しみを高めることができる。
【0036】
この場合、前記第3の標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とすることができる。
【0037】
このような構成とすることにより、トリガーを引いていない状態で第3の標的が誤作動するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施に形態について、図面を参照して説明する。
【0039】
図1〜図4は、本発明の一実施の形態にかかるシューティングゲームシステムを示す図である。
【0040】
図1は、本実施の形態にかかるシューティングゲームシステムの全体概略図で、このシューティングゲームシステムはネット10で囲まれたプレー領域12内に対戦するプレーヤ14の陣地16が2箇所設けられている。
【0041】
各陣地16には、プレーヤ14が持って弾性球体を発射して撃ち合うシューティング装置18が備え付けられ、陣地16の前にはプレーヤが隠れるための昇降部20を有する防御壁22が設けられ、後には昇降可能なタワー24が設けられている。
【0042】
また、シューティング装置18の銃口部付近には第1の標的26、防御壁22の昇降部20には第2の標的28、タワー24には第3の標的30が設けられ、これら第1の標的26、第2の標的28、第3の標的30に対戦相手のシューティング装置18から発射した弾性球体が命中すると対戦相手に得点が入り、スコアボード32に表示されるようになっている。
【0043】
得点は、例えば、第1の標的26は3点、第2の標的28は1点、第3の標的30は高得点用のもので5点等に設定される。
【0044】
そして、図4(1)に示すように、防御壁22の昇降部20は上昇してプレーヤ14が隠れることができ、第2の標的28も対戦相手から見える状態、タワー24は下降して高得点用の第3の標的30は対戦相手に対して隠れた状態でシューティングゲームが開始される。
【0045】
この状態で、プレーヤ14は、防御壁22の後に隠れながら身を乗り出して、第1及び第2の標的26、28を狙い、シューティング装置18より弾性球体を発射して撃ち合いを所定のゲーム時間、例えば1分間内で行い、得点を競い合う。
【0046】
相手方の弾性球体が第2の標的28に命中すると、図4(1)に示すように、昇降部20が所定時間、例えば5秒間下降して、その間プレーヤ14は隠れることができなくなる。
【0047】
このように、相手方の弾性球体が第2の標的28に命中すると、突然昇降部20が下降して、隠れる場所がなくなり、プレーヤ14がびっくりするようなスリル感を味わうことができる。
【0048】
ゲーム時間が少なくなると、例えば残り15秒前になると、図4(2)に示すように、タワー24が上昇し、高得点用の第3の標的30が狙える状態となる。
【0049】
この場合、プレーヤ14は、隠れながら第3の標的30を狙うか、相手に狙われるのを覚悟でタワー24の前に立ちふさがりながら相手を狙うこととなる。
【0050】
このように、ゲームの残り時間が少なくなると、隠れていた高得点の第3の標的30が現れ、プレーヤ14はこの高得点の第3の標的30を狙って撃つことで、大逆転の機会が与えられ、ゲームの楽しみを高めることができる。
【0051】
そして、ゲーム終了後、スコアボード32に表示された総得点の高い方の勝利となる。
【0052】
なお、ゲーム途中で弾性球体を補充しながら撃ち合いを行うようになっており、発射された弾性球体が防御壁22の下に集まるようにプレー領域12内の防御壁22間の床面34の中央部が高く形成されており、プレーヤ14は防御壁22の下に集まった弾性球体を拾ってシューティング装置18に補充するようになっている。
【0053】
次に、このようなシューティングゲームシステムに用いられるシューティング装置18について、図2及び図3に基づいて説明する。
【0054】
図2は、シューティング装置18の縦断面図で、このシューティング装置18は、先端側に銃口部36、後端側下部にグリップ部38及びトリガー40を有するハウジング42内に、シューター部44と、ガイド通路46と、保持部48と、送出し機構50とを有している。
【0055】
シューター部44は、銃口部36手前付近に設けられ、弾性球体52に発射力を付与して弾性球体52を銃口部36より発射させるもので、図3に示すように、一対のローター54を所定の間隔をあけて左右に配置した状態となっている。
【0056】
各ローター54は、ベアリングブラケット56に取り付けられた図示せぬベアリングを介して水平方向で回転可能にハウジング42に取り付けられ、ローター用モータ58によって図3の矢印で示す方向に回転可能にされ、ローター54間で弾性球体52を挟み込んで発射力を付与するようにしている。
【0057】
このシューター部44によって発射される弾性球体52は、発射された後に直進できる程度の質量を有し、かつ、容易に変形できる程度のものが用いられる。
【0058】
また、各ローター54は、ゲーム開始用のスタートボタンを押した後、ゲーム終了まで回転し続けるようになっている。
【0059】
ガイド通路46は、複数の弾性球体52をシューター部44に向けて案内するもので、ハウジング42の後端側上部に後方から前方にかけて下降傾斜させて設けたガイド筒60と、ガイド筒60の前端からシューター部44後部上方まで所定間隔で配設された複数のガイドローラ62とを有している。
【0060】
ガイド筒60は、弾性球体52の直径よりも若干大きな内径を有し、弾性球体52が内部を転動して通過できるようになっており、後端部には弾性球体52の装填口64が切欠き形成されている。
【0061】
また、ハウジング42の装填口64側には、この装填口64を下にしてシューティング装置18を立てた際に装填口64から弾性球体52が飛び出すのを防止する弾性球体52の溜まり部66が形成されている。
【0062】
ガイドローラ62は、ガイド筒60の前端から落下する弾性球体52が引っかかることなく移動できるように、その移動経路に沿って配設されている。
【0063】
保持部48は、シューター部44に供給する弾性球体52を保持するもので、シューター部44の後方で、ガイド通路46前端下方位置に配設されている。
【0064】
この保持部48は、図3にも示すように、ゲート部としての一対のゲートローラ68と、一対の保持ローラ70と、緩衝部材としての2本の緩衝ローラ72とを有している。
【0065】
一対のゲートローラ68は、シューター部44との境界部付近で、弾性球体52の直径より狭い間隔で立設され、保持部48内に供給された弾性球体52が独りでにシューター部44に移動してしまうのを防止し得るようになっている。
【0066】
また、一対のゲートローラ68は、弾性球体52が押し付けられて変形しないと通過できないようになっているので、変形できないような固い球体の通過を防止することができる。
【0067】
一対の保持ローラ70は、ゲートローラ68の後方にあって、一対のゲートローラ68の間隔よりも広い間隔で立設され、保持部48内に供給された弾性球体52が保持部48内で転動するのを防止し得るようになっている。
【0068】
緩衝ローラ72は、ガイド通路46側から保持部48内に落下投入された弾性球体52が接地する際の跳ね上がりを防止するもので、軸74を回転中心として回転可能に支持されたアーム76前端部で、保持部48の下部に横たわる状態で配設され、アーム76によって若干浮き上がった状態とされている。
【0069】
そして、弾性球体52が落下してくると、緩衝ローラ72上に載り、その重さでアーム76が回転し、緩衝ローラ72が下方に移動して弾性球体52の接地時の衝撃を吸収して跳ね上がりを防止しするようになっている。
【0070】
このように、緩衝ローラ72によって弾性球体52の接地時の跳ね上がりを防止することにより、弾性球体52の連続発射が可能となる。
【0071】
また、アーム76の後端側付近には、センサ78が設けられ、保持部48に弾性球体52がなくアーム76の後端側が下がっているときにはセンサ78がONとなり、トリガー40の操作が無効となって弾性球体52の発射動作を行わせず、保持部48に弾性球体52が入って弾性球体52の重さにより回転してアーム76の後端側が上がっているときにはセンサ78がOFFとなり、トリガー40の操作を有効にして弾性球体52の発射を可能にするようになっている。
【0072】
このように、アーム76が弾性球体52の重さにより回転しているときのみトリガー操作を有効とすることで、保持部48に弾性球体52がないのにトリガー40を引いて空撃ちするのを防止するようにしている。
【0073】
また、この保持部48と隣接する位置のガイド通路46には、シューティング装置18を立てた場合でも、弾性球体52がガイド通路46を逆に戻すことなく、常に次の発射用の弾性球体52が少なくとも1つ確保されるようにする準備スペース80が設けられている。
【0074】
このような準備スペース80を設けることで、弾性球体52の連続発射を可能にしている。
【0075】
送出し機構50は、トリガー40の操作に応じて保持部48内に保持された弾性球体52をシューター部44に送り出して発射させるもので、スライドプレート82と、送出しローラ84と、受けローラ86とを有している。
【0076】
スライドプレート82は、保持部48の後方で前後方向にスライド可能にされるもので、上下面に連続したスライド溝88が形成され、このスライド溝88に上下2個ずつのローラ90が係合された状態となっている。
【0077】
また、このスライドプレート82は、付勢手段としてのスプリング92により送出し方向に付勢され、トリガー40の操作によって作動されるトリガーモータ94の回転によって送出し制御が行われるようになっている。
【0078】
このように、スライドプレート82をスプリング92によって送出し方向に付勢することで、保持部48にある弾性球体52が何らかのトラブルで弾詰まりを起こして、シューター部40に移動できない場合、トリガーモータ94の力で無理矢理押し込むことのないよう、スプリング92の力の範囲内で弾性球体52を押すようにしている。
【0079】
具体的には、トリガーモータ94の出力軸にはクランクアーム96の一端が取り付けられ、このクランクアーム96の他端にピン98を介して回転可能にリンク100の一端が取り付けられ、さらに、このリンク100の他端がピン102を介してスライドプレート82に前後方向にわたって形成されたスリット104にスライド可能に係合された状態となっている。
【0080】
そして、トリガー40を引いていない状態では、図2に示すように、クランクアーム96がリンク100を後方に引っ張って、スライドプレート82をスプリング92の付勢力に抗して後方に位置させている。
【0081】
トリガー40を引くと、トリガーモータ94が回転して、クランクアーム96が回転すると、リンク100のピン102側の端部が前方に移動して、スライドプレート82がスプリング92の付勢力により前方に移動して送り出し動作を行い、さらに回転してトリガーモータ94が1回転すると、図3に示すように、スライドプレート82を後方に戻した状態で停止するようになっている。
【0082】
なお、トリガーモータ94の回転位置は、位置検出センサ106にて検出するようになっている。
【0083】
送出しローラ84は、スライドプレート82の前端部上下位置に2個横方向に突出して配置され、保持部48内にある弾性球体を後方から押し付けるようになっている。
【0084】
受けローラ86は、スライドプレート82の前端部に取り付けられた押出しローラ94が保持部48内の弾性球体52を送り出す際に、次の発射用の弾性球体52を受けるもので、スライドプレート82の前方側上辺部に複数、例えば3個設けられるようになっている。
【0085】
このように、受けローラ86により次の発射用の弾性球体52を受けることで、送出し機構50による送出し時に、送出し機構50が次の発射用の弾性球体52に引っかかって送り出し動作に支障を来すのを防止するようにしている。
【0086】
また、ハウジング42内の銃口部36付近に、銃口部36を塞ぐ銃口部開閉部材108が回転可能に設けられており、この銃口部開閉部材108を送出し機構50と連動させて弾性球体52の発射時にのみ銃口部開閉部材108により銃口部36を開放可能としている。
【0087】
具体的には、回転軸110を中心に回転する第1のリンクプレート112の一端が第2のクランクアーム100のピン102と連結され、この第1のリンクプレート112の他端が、一端側に銃口部開閉部材108の上端部を取付け、回転軸114を中心に回転可能とされた第2のリンクプレート116の他端部とリンクロッド118を介して連結された状態となっている。
【0088】
そして、リンク100のピン102の前方への移動に伴って第1のリンクプレート112の上端が後方に移動し、リンクロッド118を介して第2のリンクプレート116を時計方向に回転させ、弾性球体52が完全にシューター部44に押し出された状態で銃口部開閉部材108が完全に開き、トリガモータ94が1回転して停止した状態で閉じられるようになっている。
【0089】
このように、銃口部開閉部材108を設けることにより、弾性球体52の発射以外の時に銃口部36より手を入れてシューター部44に触れてしまうのを防止すると共に、相手の弾性球体52が飛んできて銃口部36から入ってしまうのを防止するようにしている。
【0090】
また、銃口部36下部付近には、前方の近接位置に障害物があるときにトリガー操作を無効にするための近接センサ120を設け、近距離での弾性球体52の発射を防止して、安全性を高めるようにしている。
【0091】
さらに、ハウジング42の下部に、プレーヤがトリガー40の操作を行う側の手と異なる側の手で把持する把持部122を設け、この把持部122近傍にプレーヤが把持部122を把持していることを検出して、把持している場合にのみトリガー40の操作を有効にするための把持検出センサ124を設けるようにしている。
【0092】
すなわち、シューティング装置18が大型になると両手で装置を把持していなければ不安定になるため、把持検出センサ124にて両手で把持していることを検出し、不安定な状態で弾性球体52が発射されることを防止できるようにしている。
【0093】
また、第1の標的26は、銃口部36上部付近に設けられており、この第1の標的26の裏面側に衝撃検出センサ126が設けられており、この衝撃検出センサ126は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガー40を引いた後、所定時間のみ有効とされ、トリガー40を引いていない状態でシューティング装置18を動かした際に衝撃検出センサ126が誤作動するのを防止するようにしている。
【0094】
さらに、第2及び第3の標的28、30も、裏面側に図示せぬが衝撃検出センサが設けられており、この衝撃検出センサは、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガー40を引いた後、所定時間のみ有効とされ、トリガー40を引いていない状態で衝撃検出センサが誤作動するのを防止するようにしている。
【0095】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
【0096】
例えば、前記実施の形態では、互いに相手方を撃ち合う形式のシューティングゲームシステムについて説明したが、この例に限らず、プレーヤが1対1で早撃ちを競うようなものや、1人で行うアクションゲーム等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるシューティングゲームシステムの全体概略図である。
【図2】本実施の形態に用いるシューティング装置の縦断面図である。
【図3】図2の部分拡大斜視図である。
【図4】(1)はゲーム開始時における防御壁及びタワーの状態を示す斜視図で、(2)はゲーム途中及びゲーム終了間近における防御壁及びタワーの状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
14 プレーヤ
16 陣地
18 シューティング装置
20 昇降部
22 防御壁
24 タワー
26 第1の標的
28 第2の標的
30 第3の標的
36 銃口部
40 トリガー
44 シューター部
46 ガイド通路
48 保持部
50 送出し機構
52 弾性球体
54 ローター
68 ゲートローラ
70 保持ローラ
72 緩衝ローラ
76 アーム
78 センサ
80 準備スペース
82 スライドプレート
84 送出しローラ
86 受けローラ
92 スプリング
94 トリガーモータ
108 銃口部開閉部材
120 近接センサ
122 把持部
124 把持検出センサ
126 衝撃検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性球体に発射力を付与して弾性球体を銃口部より発射させるシューター部と、
複数の前記弾性球体を前記シューター部に向けて案内するガイド通路と、
前記シューター部に供給する前記弾性球体を保持する保持部と、
トリガー操作に応じて前記保持部に保持された弾性球体を前記シューター部に送り出して発射させる送出し機構とを有し、
前記保持部は、前記弾性球体の直径よりも狭い間隔のゲート部を有し、
前記弾性球体は、前記送出し機構により前記ゲート部に押し付けられて変形して前記ゲート部を通過可能にされていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記弾性球体は、前記保持部内に落下投入され、
前記保持部には、前記落下投入される前記弾性球体の跳ね上がりを防止する緩衝部材が設けられていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記保持部内の前記弾性球体の有無を検知する弾性球体検知手段が設けられ、
前記弾性球体検知手段が前記弾性球体を検知しているとき前記送出し機構が作動することを特徴とするシューティング装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記銃口部に、前記銃口部を塞ぐ銃口開閉部材を設け、前記弾性球体の発射時に前記銃口部を開放するように、前記銃口部開閉部材を前記送出し機構と連動させる手段を有することを特徴とするシューティング装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記送出し機構は、付勢手段により送出し方向に付勢され、
前記トリガーの操作によって作動されるトリガーモータの回転によって前記送出し機構の送出し制御が行われることを特徴とするシューティング装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記保持部と隣接する位置の前記ガイド通路には、常に次の発射用の弾性球体が少なくとも1つ確保されていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記送出し機構には、前記保持部内の弾性球体を送り出す際に前記次の発射用の弾性球体を受ける受けローラが設けられていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
銃口部付近には、前方の近接位置に障害物があるときに前記トリガー操作を無効にするための近接センサが設けられていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
プレーヤが前記トリガーの操作を行う側の手と異なる側の手で把持する把持部が設けられ、
前記把持部近傍にプレーヤが前記把持部を把持していることを検出して、把持している場合にのみ前記トリガー操作を有効にするための把持検出センサが設けられていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかにおいて、
前記銃口部付近に標的が設けられ、
前記標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とされていることを特徴とするシューティング装置。
【請求項11】
複数のプレーヤがシューティング装置を用いて対戦ゲームを行うシューティングゲームシステムにおいて、
前記シューティング装置は、弾性球体に発射力を付与して弾性球体を銃口部より発射させるシューター部と、
複数の前記弾性球体を前記シューター部に向けて案内するガイド通路と、
前記シューター部に供給する前記弾性球体を保持する保持部と、
トリガー操作に応じて前記保持部に保持された弾性球体を前記シューター部に送り出して発射させる送出し機構とを有し、
前記保持部は、前記弾性球体の直径よりも狭い間隔のゲート部を有し、
前記弾性球体は、前記送出し機構により前記ゲート部に押し付けられて変形して前記ゲート部を通過可能にされると共に、
前記各シューティング装置には、前記銃口部付近に第1の標的が設けられ、
前記第1の標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とされていることを特徴とするシューティングゲームシステム。
【請求項12】
請求項11において、
各プレーヤの陣地には、プレーヤが隠れるための昇降部を有する防御壁が設けられると共に、この防御壁に第2の標的が設けられ、この第2の標的に相手の弾性球体が命中すると上昇していた昇降部が下降することを特徴とするシューティングゲームシステム。
【請求項13】
請求項12において、
前記第2の標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とされていることを特徴とするシューティングゲームシステム。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれかにおいて、
各プレーヤの陣地には、高得点用の第3の標的が昇降可能に設けられ、前記第3の標的は通常は下降して相手から隠れた状態にあり、ゲームの残り時間が少なくなると上昇して現れるようにされていることを特徴とするシューティングゲームシステム。
【請求項15】
請求項14において、
前記第3の標的は、シューティングゲーム時に相手のプレーヤがトリガーを引いた後所定時間のみ有効とされていることを特徴とするシューティングゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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