説明

シューマイ成形装置

【課題】底面構成部材が摩耗することによる調整を不要にしたシューマイ成形装置を提供すること。
【解決手段】原材料が充填される上面が開口した成形用穴50を設けるとともに、下降位置で成形用穴50の底面を構成するようにした底面構成部材3を成形用穴50内に昇降自在に配設したターンテーブル2を備え、底面構成部材3が当接することによって底面構成部材3の下降位置を規制する位置規制手段4を、ターンテーブル2に設けるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューマイ成形装置に関し、特に、ターンテーブルに設けた成形用穴内に昇降自在に配設するようにした底面構成部材の調整を不要にすることができるシューマイ成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シューマイ成形装置として、図10に示すように、原材料が充填される上面が開口した成形用穴92を設けるとともに、下降位置で成形用穴92の底面を構成するようにした底面構成部材93を成形用穴92内に昇降自在に配設したターンテーブル91と、ターンテーブル91の原材料供給位置Aにある成形用穴92に、原材料である麺皮及び具材を供給する原材料供給手段(図示省略)と、ターンテーブル91の成形位置Bにある成形用穴92に充填されている麺皮及び具材の上面を成形用穴92から延出した麺皮で包んでシューマイに成形する成形手段(図示省略)と、ターンテーブル91の送出位置Cにある成形用穴92に充填されているシューマイを、成形用穴92の底面を構成していた底面構成部材93をターンテーブル91の上面のレベルまで上昇させることによって当該レベルまで押し上げる押し上げ手段95と、シューマイを次工程に送り出す送り出し手段(図示省略)とから構成されるシューマイ成形装置9が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このシューマイ成形装置9は、図10(b)に示すように、成形用穴92内に昇降自在に配設した底面構成部材93の上昇位置及び下降位置を、ターンテーブル91の下方の固定側に配設した環状のカム部材95aに、底面構成部材93の下面93aに配設したボルト部材94を常に摺接させることによって規定するようにしていた。
そして、このシューマイ成形装置9は、ターンテーブル91を間歇回転させることにより、成形用穴92を、順次、原材料供給位置A、成形位置B、送出位置Cに移動させて、シューマイを成形するようにされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平5−30638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のシューマイ成形装置9は、整備や補修の関係から、カム部材95aに摺接するボルト部材94に、カム部材95aよりも硬度の小さい金属製のものを用いるようにしていた。
このため、このシューマイ成形装置9は、使用しているうちにボルト部材94が摩耗することによって、底面構成部材93の上昇位置及び下降位置が変動することとなり、成形するシューマイの形状が変動したり、シューマイの成形に支障を生じるため、定期的にボルト部材94の長さ調節を行う必要があった。
【0005】
また、従来のシューマイ成形装置9は、成形用穴92をターンテーブル91に直接形成するようにされているため、成形するシューマイのサイズを含む形状(例えば、外径サイズ)を変更するためには、ターンテーブル91を交換する必要があり、成形するシューマイのサイズの変更をユーザーが容易に行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来のシューマイ成形装置の有する問題点に鑑み、底面構成部材が摩耗することによる調整を不要にしたシューマイ成形装置を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、成形するシューマイのサイズを含む形状の変更を容易に行うことができるシューマイ成形装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の目的を達成するため、本発明のシューマイ成形装置は、原材料が充填される上面が開口した成形用穴を設けるとともに、下降位置で前記成形用穴の底面を構成するようにした底面構成部材を成形用穴内に昇降自在に配設したターンテーブルと、ターンテーブルの原材料供給位置にある前記成形用穴に、原材料である麺皮及び具材を供給する原材料供給手段と、ターンテーブルの成形位置にある前記成形用穴に充填されている麺皮及び具材の上面を成形用穴から延出した麺皮で包んでシューマイに成形する成形手段と、ターンテーブルの送出位置にある前記成形用穴に充填されているシューマイを、前記成形用穴の底面を構成していた底面構成部材をターンテーブルの上面のレベルまで上昇させることによって当該レベルまで押し上げる押し上げ手段と、該シューマイを次工程に送り出す送り出し手段とを備えたシューマイ成形装置において、前記底面構成部材が当接することによって底面構成部材の下降位置を規制する位置規制手段を、ターンテーブルに設けたことを特徴とする。
このシューマイ成形装置は、底面構成部材と共に移動するターンテーブルに設けた位置規制手段によって、底面構成部材の下降位置を規制するようにしているので、底面構成部材は、固定側の部材に摺接しないため、摩耗することがない。
【0009】
この場合において、前記位置規制手段が、該位置規制手段に前記底面構成部材が当接する上下方向の位置を変えるための下降位置調節機構を備えることができる。
下降位置調節機構によって、底面構成部材の下降位置を調節することができる。
【0010】
また、前記底面構成部材が、該底面構成部材を前記押し上げ手段によって上昇させたときの位置を変えるための上昇位置調節機構を備えることができる。
上昇位置調節機構によって、押し上げ手段によって上昇させたときの底面構成部材の上昇位置を調節することができる。
【0011】
また、送出位置に続けて清掃位置を設定し、ターンテーブルの清掃位置にある前記成形用穴の該成形用穴の底面を構成していた底面構成部材をターンテーブルの上面のレベルまで上昇させる第2の押し上げ手段と、ターンテーブルの上面を掃いて残滓を除去するスクレーパ手段を備えることができる。
スクレーパ手段によって、成形したシューマイを送出したターンテーブルの成形用穴及びその成形用穴の底面を構成していた底面構成部材並びにその周辺のターンテーブルの上面の残渣を除去することができる。
【0012】
また、上記第2の目的を達成するため、本発明のシューマイ成形装置は、前記成形用穴を設けるとともに底面構成部材を配設したユニット部材を、ターンテーブルに着脱可能に配設したことを特徴とする。
成形用穴を設けるとともに底面構成部材を配設したユニット部材を、形状の異なる成形用穴を設けたユニット部材と交換することで、成形するシューマイの形状の変更を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシューマイ成形装置によれば、底面構成部材が当接することによって底面構成部材の下降位置を規制する位置規制手段を、ターンテーブルに設けることにより、成形用穴の底面を構成する底面構成部材は、底面構成部材と共に移動するターンテーブルに設けた位置規制手段によって、その下降位置が規制され、底面構成部材は摩耗することがないため、底面構成部材の上昇位置及び下降位置が変動することがなく、底面構成部材の摩耗による底面構成部材の調整を不要にすることができる。
【0014】
また、前記位置規制手段が、該位置規制手段に前記底面構成部材が当接する上下方向の位置を変えるための下降位置調節機構を備えることにより、原材料供給位置及び成形位置にある成形用穴の底面の位置、すなわち、成形するシューマイの高さを決定する成形用穴の深さを任意に設定することができる。
【0015】
また、前記底面構成部材が、前記押し上げ手段によって上昇させたときの位置を変えるための上昇位置調節機構を備えることにより、押し上げ手段によって押し上げられた底面構成部材の上面が、ターンテーブルの上面のレベルと同一となるように調節することができ、底面構成部材の上面とターンテーブルの上面との段差の発生をなくし、成形したシューマイの次工程への送り出しを円滑に行うことができる。
【0016】
また、送出位置に続けて清掃位置を設定し、ターンテーブルの清掃位置にある前記成形用穴の該成形用穴の底面を構成する底面構成部材をターンテーブルの上面のレベルまで上昇させる第2の押し上げ手段と、ターンテーブルの上面を掃いて残滓を除去するスクレーパ手段を備えることにより、成形したシューマイを送出したターンテーブルの成形用穴及びその成形用穴の底面を構成していた底面構成部材並びにその周辺のターンテーブルの上面の残渣を除去することによって、成形装置を清浄に維持するとともに、次のサイクルのシューマイの成形を残渣がない状態で円滑に行えるようにすることができる。
【0017】
また、前記成形用穴を設けるとともに底面構成部材を配設したユニット部材を、ターンテーブルに着脱可能に配設することにより、成形用穴を設けるとともに底面構成部材を配設したユニット部材を、形状の異なる成形用穴を設けたユニット部材と交換することで、成形するシューマイの形状の変更を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のシューマイ成形装置の第1実施例を示し、(a)は同装置のターンテーブルの平面図、(b)は同ターンテーブルの一部切り欠き断面の正面図である。
【図2】原材料供給位置にあるターンテーブルの成形用穴と原材料供給手段を示す一部切り欠き断面の正面図である。
【図3】成形位置にあるターンテーブルの成形用穴と成形手段を示す一部切り欠き断面の正面図である。
【図4】送出位置にあるターンテーブルの成形用穴と押し上げ手段及び送り出し手段を示す正面図である。
【図5】清掃位置にあるターンテーブルの成形用穴とスクレーパ手段を示す正面図である。
【図6】底面構成部材と位置規制手段とを示す一部切り欠き断面の正面図である。
【図7】本発明のシューマイ成形装置の第2実施例を示し、(a)は同装置のターンテーブルの平面図、(b)は同ターンテーブルの一部切り欠き断面の正面図である。
【図8】同シューマイ成形装置に使用するユニット部材を示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠き断面の正面図である。
【図9】同シューマイ成形装置に使用するターンテーブルを示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠き断面の正面図である。
【図10】従来のシューマイ成形装置を示し、(a)は同装置のターンテーブルの平面図、(b)は同ターンテーブルの一部切り欠き断面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のシューマイ成形装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜図6に、本発明のシューマイ成形装置の第1実施例を示す。
このシューマイ成形装置1は、原材料Wが充填される上面が開口した成形用穴50を設けるとともに、下降位置で成形用穴50の底面を構成するようにした底面構成部材3を成形用穴50内に昇降自在に配設したターンテーブル2と、ターンテーブル2の原材料供給位置Aにある成形用穴50に、原材料Wである麺皮Wa及び具材Wbを供給する原材料供給手段10と、ターンテーブル2の成形位置Bにある成形用穴50に充填されている麺皮Wa及び具材Wbの上面を成形用穴50から延出した麺皮Waで包んでシューマイSに成形する成形手段11と、ターンテーブル2の送出位置Cにある成形用穴50に充填されているシューマイSを、成形用穴50の底面を構成していた底面構成部材3をターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇させることによって当該レベルまで押し上げる押し上げ手段6と、シューマイSを次工程に送り出す送り出し手段12とを備え、底面構成部材3が当接することによって底面構成部材3の下降位置を規制する位置規制手段4を、ターンテーブル2に設けるようにしている。
この場合、必要に応じて、送出位置Cに続けて清掃位置Dを設定し、清掃位置Dにあるターンテーブル2の成形用穴50の底面を構成していた底面構成部材3をターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇させる第2の押し上げ手段7と、ターンテーブル2の上面を掃いて残滓を除去するスクレーパ手段13を備えることができる。
【0021】
原材料供給位置A、成形位置B、送出位置C及び清掃位置Dは、それぞれの位置にあるターンテーブル2の成形用穴50に対して、必要とされる機器が配設される位置であり、具体的には、原材料供給位置Aには、原材料Wを供給する原材料供給手段10を、成形位置Bには、シューマイSを成形する成形手段11を、送出位置Cには、成形したシューマイSをターンテーブル2の上面2Aのレベルまで押し上げる押し上げ手段6及び次工程へ送り出す送り出し手段12を、清掃位置Dには、残渣の除去を行うために、成形用穴50の底面を構成していた底面構成部材3をターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇させる第2の押し上げ手段7及びスクレーパ手段13を、それぞれ配設するようにしている。
なお、原材料供給位置A、成形位置B、送出位置C及び清掃位置Dは、必ずしも異なる位置に独立して設定する必要はなく、例えば、送出位置Cの送り出し手段12の背面に吸引手段を設けて、シューマイSを次工程に送り出すとともに、吸引手段によって残渣を吸引除去するようにする(この場合、前記第2の押し上げ手段7及びスクレーパ手段13は省略する。)ことにより、送出位置Cと清掃位置Dとを共通の位置で行うようにすることもできる。
【0022】
原材料供給位置Aに配設される原材料供給手段10は、麺皮の材料を引き延ばしながら送り出して、所定の大きさに切断し、切断した麺皮Waを原材料供給位置Aにある成形用穴50上に供給するとともに、図2に示すように、供給ノズル10aから、成形用穴50上にある麺皮Waに具材Wbを供給しながら具材Wbを麺皮Waと共に成形用穴50に押し込むようにして、原材料Wの供給を行うようにしている。
【0023】
成形位置Bに配設される成形手段11は、図3に示すように、成形位置Bにある成形用穴50に充填されている麺皮Wa及び具材Wbの上面を成形用穴50から延出した麺皮Wa’で包んでシューマイSに成形するもので、成形用穴50から延出した麺皮Wa’をシューマイSの中央に重ね合わせるようにする寄せ板11a、11aで構成される。
【0024】
送出位置Cに配設される押し上げ手段6は、図4に示すように、成形用穴50の底面を構成していた底面構成部材3をターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇させて、シューマイSをターンテーブル2の上面2Aのレベルまで押し上げることができるものであれば、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、上下方向に移動する棒状体60を底面構成部材3の底面に当接させるようにしている。
棒状体60の移動は、底面構成部材3の底面に当接して、底面構成部材3を成形用穴50内で昇降させることができるものであれば、エアーや油圧駆動のシリンダを使用するなど、種々の方法を用いることができるが、本実施例においては、ターンテーブル2を、カム機構(図示省略)によって間歇回転させる電動機等からなる駆動装置(図示省略)の回転を、上下方向の移動へ変換して行うようにしている。
【0025】
また、成形されたシューマイSを次工程へ送り出す送り出し手段12は、図4に示すように、送出板12aをエアーや油圧駆動のシリンダ等からなる伸縮機構12bによって移動させ、送出位置Cにおいてターンテーブル2の上面2Aのレベルまで押し上げられたシューマイSを搬送コンベア16上に送り出すようにしている。
【0026】
清掃位置Dに配設される第2の押し上げ手段7は、押し上げ手段6と同様に、成形用穴50の底面を構成していた底面構成部材3をターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇させることができるものであれば、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、エアーや油圧駆動のシリンダ等からなる駆動機構(図示省略)を用いて、底面構成部材3の下面を押し上げるようにしている。
なお、押し上げ手段6と同様に、棒状体を底面構成部材3の下面に当接させ、ターンテーブル2を間歇駆動させる駆動装置の回転を、上下方向の移動へ変換して行うようにすることもできる。
【0027】
また、スクレーパ手段13は、図5に示すように、枢軸13aを揺動中心として、駆動機構(図示省略)により、清掃位置Dに位置する成形用穴50の周辺(ターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇している成形用穴50の底面を構成していた底面構成部材3の上面部材30の上面を含む。)の残渣を掃き出すように構成している。
なお、スクレーパ手段13に代えて、吸引手段を配設し、残渣を吸い取るようにして清掃することもできる。
【0028】
底面構成部材3は、原材料供給位置A及び成形位置Bにある成形用穴50の底面を形成するとともに、送出位置Cにあるとき、ターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇して、成形用穴50に位置している成形されたシューマイSをターンテーブル2の上面2Aのレベルまで上昇させるようにするもので、成形用穴50の底面を構成する上面部材30、成形用穴50の内周面に摺接する本体31及び押し上げ手段6の棒状体60が当接する円筒体32から構成されている。
【0029】
成形用穴50が原材料供給位置A及び成形位置Bにあるときの底面構成部材3の下降位置を規制する、ターンテーブル2に設けた位置規制手段4は、ターンテーブル2に設けられて底面構成部材3の下降位置を規制するものであれば、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、図5〜図6に示すように、ターンテーブル2の成形用穴50を構成する成形用穴形成部26の下部に取り付けた連結部材43を介して固定されている固定部材42に配設した筒状部材40から構成される。
そして、この筒状部材40の上面40aに底面構成部材3の本体31の下面31aが当接することによって底面構成部材3の下降位置を規制するようにしている。
【0030】
この位置規制手段4には、位置規制手段4に底面構成部材3が当接する上下方向の位置を変えるための下降位置調節機構41を備えることができる。
これにより、原材料供給位置A及び成形位置Bにある成形用穴50の底面の位置、すなわち、成形するシューマイSの高さを決定する成形用穴50の深さを任意に設定することができる。
下降位置調節機構41は、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、図6に示すように、筒状部材40の外周面に形成した雄ねじ部41aと、固定部材42に形成した穴部の内周面に形成した雌ねじ部41bと、雌ねじ部41bに雄ねじ部41aを螺合して上下方向の位置を調節した後、筒状部材40を係る位置に固定するロックナット41cとから構成するようにしている。
これにより、筒状部材40の固定部材42に対する螺合深さを変えるだけで、位置規制手段4に底面構成部材3が当接する上下方向の位置を簡単に変えることができる。
【0031】
また、底面構成部材3は、底面構成部材3を押し上げ手段6によって上昇させたときの位置を変えるための上昇位置調節機構33を備えることができる。
この上昇位置調節機構33は、上下に移動する押し上げ手段6によって押し上げられた底面構成部材3の上面部材30が、ターンテーブル2の上面2Aのレベルと同一となるように調節することができるものであれば、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、図6に示すように、底面構成部材3の下面31aに配設され、筒状部材40の内筒内に挿入される円筒体32の下面32aに螺合されるねじ部材33aと、下面32aに螺合したねじ部材33aをロックするロックナット33bとから構成するようにしている。
これにより、ねじ部材33aの螺合深さを変えるだけで、底面構成部材3を押し上げ手段6によって上昇させたときの位置を簡単に変えることができる。
【0032】
このシューマイ成形装置1は、原材料供給位置A及び成形位置Bにあるターンテーブル2の成形用穴50の底面を構成するようにした底面構成部材3の下降位置は、下降位置調節機構41によって調節することができ、また、送出位置C及び清掃位置Dにあるターンテーブル2の成形用穴50の底面を構成するようにした底面構成部材3の上面部材30は、上昇位置調節機構33によって、ターンテーブル2の上面2Aのレベルと同一となるように調節することができる。
【0033】
また、底面構成部材3の上昇位置と下降位置とを独立して調節することができることから、下降位置調節機構41によって、下降位置を変動させ成形用穴50の深さを変えて、径が同じでも高さの異なるシューマイSを成形するようにしても、底面構成部材3の上昇位置が変動することはない。
【0034】
そして、このシューマイ成形装置1は、底面構成部材3が底面構成部材3と共に移動するターンテーブル2に設けた位置規制手段4によって、その下降位置が規制され、底面構成部材3、具体的には、上昇位置調節機構33のねじ部材33aは摩耗することがないため、底面構成部材3の上昇位置及び下降位置が変動することがなく、底面構成部材3の摩耗による底面構成部材3の調整を不要にすることができる。
【実施例2】
【0035】
図7〜図9に、本発明のシューマイ成形装置の第2実施例を示す。
このシューマイ成形装置1は、成形用穴50を設けるとともに底面構成部材3を配設したユニット部材5を、ターンテーブル2に着脱可能に配設することにより、成形用穴50を設けるとともに底面構成部材3を配設したユニット部材5を、形状の異なる成形用穴を設けた他のユニット部材(図示省略)と交換することで、成形するシューマイSの形状の変更を容易に行うことができるようにしたものである。
【0036】
ユニット部材5は、図8に示すように、縁部51aを上部に形成するとともに、所定の位置に成形用穴50を貫通して形成した本体部51を主要構成とし、本体部51の下方に連結部材43を介して固定部材42に配設し、第1実施例と同様に、下降位置調節機構41を備えた筒状部材40を固定部材42に取り付け、上昇位置調節機構33を備えた底面構成部材3を成形用穴50に昇降自在に配設するようにしている。
【0037】
ターンテーブル2には、図9に示すように、ユニット部材5を着脱するための着脱機構21を形成する。
着脱機構21は、ターンテーブル2上で成形用穴50が位置する箇所に、ユニット部材5の形状に対応するように形成した着脱部22と、ユニット部材5を固定するための固定部材23とからなる。
着脱部22は、ターンテーブル2の周面から中心部分に向けて切り欠いた切欠部20と、ユニット部材5の本体部51が挿通される穴部24aを開口した板状の取付部材24の穴部24aとからなる。
取付部材24は、ターンテーブル2の下面2Bに、切欠部20と穴部24aとの位置を調節して固定されている。
固定部材23は、取付部材24の下面に配設した板部材25に、内方(ユニット部材5を取り付けたときのユニット部材5側)に向かって突出するストッパ片23aを、外方のツマミ23bによって出没可能となるように構成している。
【0038】
このシューマイ成形装置1は、図7に示すように、底面構成部材3を配設したユニット部材5を、ターンテーブル2の着脱部22に取り付けるようにする。
具体的には、固定部材23のストッパ片23aを板部材25内に埋没させた状態で、ユニット部材5の本体部51を取付部材24の穴部24aに挿通する。
そして、取付部材24の周縁部24bに、本体部51の上部に形成した縁部51aが載置されたときに、ストッパ片23aを、本体部51の周面に形成した孔部51bに嵌入して、ユニット部材5をターンテーブル2に固定する。
これにより、固定部材23のツマミ23bを操作して、ストッパ片23aを板部材25内に出没させるだけで、ユニット部材5を簡単に着脱することができる。
【0039】
そして、必要に応じて、別途用意しておいた形状の異なる成形用穴を設けた他のユニット部材(図示省略)と交換することで、成形するシューマイSの形状の変更を容易に行うことができる。
【0040】
なお、本実施例のその他の構成及び作用は、上記第1実施例と同様である。
【0041】
以上、本発明のシューマイ成形装置について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のシューマイ成形装置は、底面構成部材が摩耗することによる調整を不要にでき、さらに、成形するシューマイの形状の変更を容易に行うことができることから、各種シューマイを成形するために好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 シューマイ成形装置
2 ターンテーブル
2A 上面
2B 下面
3 底面構成部材
4 位置規制手段
5 ユニット部材
50 成形用穴
6 押し上げ手段
7 第2の押し上げ手段
10 原材料供給手段
11 成形手段
12 送り出し手段
13 スクレーパ手段
33 上昇位置調節機構
40 筒状部材
41 下降位置調節機構
42 固定部材
43 連結部材
A 原材料供給位置
B 成形位置
C 送出位置
D 清掃位置
S シューマイ
W 原材料
Wa 麺皮
Wb 具材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原材料が充填される上面が開口した成形用穴を設けるとともに、下降位置で前記成形用穴の底面を構成するようにした底面構成部材を成形用穴内に昇降自在に配設したターンテーブルと、ターンテーブルの原材料供給位置にある前記成形用穴に、原材料である麺皮及び具材を供給する原材料供給手段と、ターンテーブルの成形位置にある前記成形用穴に充填されている麺皮及び具材の上面を成形用穴から延出した麺皮で包んでシューマイに成形する成形手段と、ターンテーブルの送出位置にある前記成形用穴に充填されているシューマイを、前記成形用穴の底面を構成していた底面構成部材をターンテーブルの上面のレベルまで上昇させることによって当該レベルまで押し上げる押し上げ手段と、該シューマイを次工程に送り出す送り出し手段とを備えたシューマイ成形装置において、前記底面構成部材が当接することによって底面構成部材の下降位置を規制する位置規制手段を、ターンテーブルに設けたことを特徴とするシューマイ成形装置。
【請求項2】
前記位置規制手段が、該位置規制手段に前記底面構成部材が当接する上下方向の位置を変えるための下降位置調節機構を備えていることを特徴とする請求項1記載のシューマイ成形装置。
【請求項3】
前記底面構成部材が、該底面構成部材を前記押し上げ手段によって上昇させたときの位置を変えるための上昇位置調節機構を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のシューマイ成形装置。
【請求項4】
送出位置に続けて清掃位置を設定し、ターンテーブルの清掃位置にある前記成形用穴の該成形用穴の底面を構成していた底面構成部材をターンテーブルの上面のレベルまで上昇させる第2の押し上げ手段と、ターンテーブルの上面を掃いて残滓を除去するスクレーパ手段を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のシューマイ成形装置。
【請求項5】
前記成形用穴を設けるとともに底面構成部材を配設したユニット部材を、ターンテーブルに着脱可能に配設したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のシューマイ成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−250771(P2011−250771A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128760(P2010−128760)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000229047)日本スピンドル製造株式会社 (328)
【Fターム(参考)】