説明

シラン架橋1成分貼合せ用接着剤

本発明は、a)少なくとも2つの架橋性シラン基を含有する、ポリエステルプレポリマー、ポリエーテルプレポリマーおよび/またはポリウレタンプレポリマー:25〜80wt%、b)130℃以下の沸点を有する有機溶媒:75〜20wt%、c)添加剤:0〜15wt%を含有する、架橋性の1成分貼合せ用接着剤であって、該プレポリマーが2000〜30000g/モルの分子量を有し、接着剤の粘度が、DIN ISO 2555に従い、15℃〜45℃にて測定した場合、50〜20000mPasであり、および架橋された接着剤が、−15〜30℃のガラス転移温度を有する該接着剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加水分解性シラン基を介して架橋できる、平面基体を接着結合させるための、ポリウレタンに基づく接着剤に関する。更に、本発明は、多層フィルム向けの貼合せ用接着剤としてこの接着剤を使用することにも関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオールとイソシアネートの反応生成物としての、透明なNCO-架橋1成分接着剤は、EP0464483において既知であり、該明細書において、尿素基を含有するイソシアネートが使用されている。このような尿素基は強い水素架橋結合を形成するので、一般に、ポリマーにおいて高い粘度をもたらす。さらに、ポリマー製品との関連では、単量体イソシアネートは、健康に有害なイソシアネートの残留モノマーを内在するので、更なる処理によって低減しなければならない。
【0003】
US5990257も既知である。該明細書は、シリル基を含有するポリウレタンを製造するための方法を開示し、イソシアネートは、ポリオールに対して不足した量で使用される。さらに、OH基を、その後イソシアナトシランと反応させて、シリル基を含有するポリマーを調製する。ポリマーは12000g/モルよりも高い分子量を有する。粘度は、57Pa.sよりも高い。硬化後に低い粘着度を示すことを目的とするシーリング材としての使用が、明細書において記載されている。
【0004】
DE10237271は、アルコキシシラン末端化ポリマーを含有するポリマー化合物を開示する。それらは、長い表皮形成時間(skin over time)を有すると言われている。反応の加速が多量の触媒によって促進されるといった利点を有するが、形成された表皮は、金属表面に接着しないとされている。健康に対して好ましくないスズ化合物が触媒として記載されている。したがって、貼合せ用接着剤として適当な材料はこの明細書において記載されていない。
【0005】
EP1674546も既知である。これは、求核的に置換されたシランと反応するNCO-基含有ポリウレタンから得られる、湿気硬化型組成物を開示する。これらの接着剤と湿気の急速な反応が記載されている。接着剤は、溶融性接着剤として使用され、すなわち、それらは、室温にて固体で存在し、加熱した場合にのみ塗布できる。
【0006】
先行技術における組成物は、種々の欠点を有している。イソシアネート含有接着剤は、健康および安全保護の観点から好ましくない。また、貯蔵は、厳密な無水条件下でのみ可能である。他の貼合せ用接着剤は、種々の基体に対して乏しい初期接着を示す場合がある。更なる欠点は、このような接着剤の脆弱性であり、このことは、可撓性の包装容器に対してあまり適当ではない。溶融性接着剤は、高い塗布温度を必要とするので、基体フィルムが損傷を受け得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0464483号明細書
【特許文献2】米国特許第5990257号明細書
【特許文献3】独国特許第10237271号明細書
【特許文献4】欧州特許第1674546号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、室温にて低粘度であると共に、広大な基体領域上にも薄層状で施すことができる接着剤を提供することである。該接着剤は基体に対して良好な接着性を示すと共に、急速に接着性を増加させることを目的とする。架橋後に、接着剤層は、生理学的に好ましくない成分を可能な限り含有せず、例えば、第一芳香族アミンを含有しない。さらに、接着剤は、水分の存在下であっても保存安定性(Shelf-stable)を示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも2つの架橋性シラン基を含有するポリエステルプレポリマー、ポリエーテルプレポリマーおよび/またはポリウレタンプレポリマーを25〜80wt%と、130℃以下の沸点を有する有機溶媒を75〜20wt%と、添加剤を0〜15wt%とを含有する、架橋性の1成分貼合せ用接着剤であって、該プレポリマーが2000〜30000g/モルの分子量を有し、接着剤の粘度が、DIN ISO2555に従い、15℃〜45℃にて測定した場合50〜20000mPasの間に相当し、架橋された接着剤が-15〜30℃のガラス転移温度を有する該接着剤によりもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るプレポリマーを調製するのに適当なポリエステルは、既知のポリエステルポリオール(例えば、ポリエステルポリオールまたはポリウレタンポリオール形態)であり、それらは、ポリマー主鎖と反応する基を含有すると共に更に少なくとも1つの架橋性シラン基を含有するシラン化合物と、少なくとも2つの部位にて反応する。特に、ポリエステルポリオールは、2つ以上のOH基を含有する。
【0011】
適当なポリエステルポリオールは、例えば、重縮合によって製造できる。例えば、二官能性および/または三官能性の低分子量アルコールを、ジカルボン酸および/またはトリカルボン酸を不足させて縮合させてもよい。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または、好ましくは1個〜3個の炭素原子を有するアルコールを備える、対応するポリカルボン酸エステルも使用できる。適当なジカルボン酸は、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、および16個以下の炭素原子を有するそれらの高級同族体、ならびに、不飽和ジカルボン酸、例えば、マレイン酸またはフマル酸など、ダイマー脂肪酸またはトリマー脂肪酸、芳香族ジカルボン酸、特に異性体フタル酸、例えばフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸など、無水物、例えばテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸無水物など、あるいは、このような酸の2種以上の混合物である。例えば、クエン酸またはトリメリット酸は、所望によりある程度添加できるトリカルボン酸として適当である。添加量は、末端OH官能化ポリエステルジオールが得られるように選択される。好ましい実施態様において、脂肪族および芳香族カルボン酸の混合物が得られる。
【0012】
脂肪族アルコールは、このようなポリエステルポリオールを製造するのに特に適当である。適当な脂肪族アルコールの中には、以下のものが含まれる:例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、及びより高位の同族体、並びにこれらの異性体、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、およびポリブチレングリコール。
【0013】
多官能性アルコールも適当であり、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、および上述の物質自身のオリゴマー性エーテル、または2種以上の上記エーテルの相互混合物である。
【0014】
また、ポリエステルを調製するのに適当なポリオールは、低分子量の多官能性アルコールとアルキレンオキシドの反応生成物であり、ポリエーテルと称される。好ましくは、アルキレンオキシドは、2〜4個の炭素原子を有する。エチレングリコール、プロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ヘキサンジオール若しくは4,4'-ジヒドロキシジフェニルプロパンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド若しくはブチレンオキシドとの反応混合物、またはそれらの2種以上の混合物が、例えば適当である。また、多官能性アルコール、例えばグリセロール、トリメチロールエタン若しくはトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール若しくは糖アルコールなど、またはそれらの2種以上の混合物と、ポリエステルポリオールを生成する上記アルキレンオキシドとの反応生成物も適当である。それらは、約400〜約2000g/モルの分子量を有する。
【0015】
低分子量アルコール、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセロールまたはトリメチロールプロパンと、ラクトン、特にカプロラクトンとの反応によって調製されるポリエステルポリオールも、同様に適当である。1,4-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコールも、アルコールとして適当である。
【0016】
しかし、油脂化学起源のポリエステルポリオールも使用できる。「油脂化学」ポリオールは、天然油および脂質に基づくポリオールとして理解され、例えば、エポキシ化脂肪質物質と、モノ-、ジ-、または多官能性アルコール、若しくはヒドロキシル基で少なくとも部分的に置換された長鎖脂肪酸のグリセロールエステルの反応生成物が含まれる。このようなポリエステルポリオールは、例えば、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルコールを用いて、少なくとも部分的にオレフィン性不飽和脂肪酸を含有する脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドを完全に開環させ、さらにそれに続いて、アルキル残基中に1〜12の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールを与えるトリグリセリド誘導体の部分的なトランスエステル化によって製造できる。更に適当なポリオールは、ポリカーボネートポリオールおよびダイマージオール(ヘンケル社)、および、ひまし油およびそれらの誘導体である。
【0017】
このようなOH-官能性ポリエステルの製造方法は既知である。このようなポリエステルポリオールも、商業的に入手できる。
【0018】
ポリマー主鎖として適当なポリオールの他の分類は、ポリエーテルポリオールである。ジオールまたはトリオール、例えばエチレングリコール、1,2-または1,3-プロピレングリコール、1,4-または1,3-ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオールなどと、アルキレンオキシド、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシドとの既知の反応生成物も、ポリエーテルポリオールとして適当である。これらのポリオールは2個または3個のOH基を含有できる。このようなポリオールは商業的に入手できる。
【0019】
ポリオールの分子量は、約400〜3000g/モルに等しく(数平均分子量、Mn、GPCによって測定)、ポリエステルポリオールまたはポリウレタンポリオールの場合、特に2000g/モル〜20000g/モルであり、ポリエーテルポリオールの場合、特に400〜10000g/モルである。好ましくは、使用されるプレポリマーの少なくとも50%は、ポリエステルポリオールに基づき、特に、単独のポリエステルポリオールであり、特に好ましくは、末端OH基を有するポリエステルジオールである。
【0020】
実施態様において、NCO基含有プレポリマーは、過剰量のジイソシアネートと、上述のポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとの反応によって調製される。これに関連して、液体または溶融状態、所望により溶媒を含有するポリオールを、ジイソシアネートと反応させる。該反応は、昇温させることによって補助できる。また、少量の触媒を添加できることも同様に既知である。イソシアネートと使用量を選択することにより、反応混合物中に存在する遊離、未反応のジイソシアネートをごく僅かにすることができる。所望により、蒸留によって過剰量の単量体イソシアネートを除去できる。このような方法は、当業者に既知である。ポリエステルは末端NCO基のみを含有でき、または、ポリウレタンプレポリマーは分子量増加の結果として形成される反応性NCO基を有する。これらのポリウレタンプレポリマーも、本発明に従い使用されるシラン含有プレポリマーの合成に適当である。
【0021】
既知の脂肪族または芳香族ジイソシアネートは、特にイソシアネートとして適当であり、以下のものが含まれる:例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4-または2,6-トルイレンジイソシアネート(TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ならびにそれらの異性体混合物、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート(HXDI)、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、またはビトルイレンジイソシアネート(TODI)。NCO末端化プレポリマーが得られるように、量は選択される。
【0022】
本発明の実施態様において、次いで、これらのNCO基含有反応生成物を、求核性基に加えて、加水分解性シラン基を含有するシランと反応させる。
【0023】
有機官能性シラン、例えば、下記一般式で表わされるヒドロキシ官能化シラン、メルカプト官能化シラン、またはアミノ官能化シランなどが、適当なシランとして使用される:
Nu-(アルキル-Si(R))
式中、
Nu=NH、NH、SH、OH
アルキル=C、C、C、C、C、直鎖または分岐またはシクロアルキル
=メチル、エチル、プロピル、ブチル
a=0、1,2
F=-Cl、-O-C(=O)R、-OR、-OH、
b=1,2,3,
=1〜20の炭素原子を有する炭化水素残基
C=1,2
【0024】
シラン基は、少なくとも1個、好ましくは2個または3個の加水分解性残基を含有する。C〜Cアルコール、またはCおよびCカルボン酸、あるいはOH基が特に適当である。これらの残基は、ケイ素原子上に単独で含まれてもよく、または混合形態で含まれてもよい。さらに、0個、1個または2個のアルキル基をケイ素原子上に含んでもよく、特に、メチル、エチル、プロピルまたはブチル基を含有できる。メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、またはブトキシ基を有するトリ-またはジアルコキシシランが特に適当である。
【0025】
メルカプト官能化シランの例は、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランまたは対応するアルキルジメトキシ若しくはアルキルジエトキシ化合物である。アミノ官能化シランの例には、以下のものが含まれる:3-アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DAMO)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N-ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N-ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N'−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N'−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N'−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N'−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス-(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス-(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N-(2−アミノブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2−アミノブチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルアルコキシジエトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルトリエトキシシラン、2-グリシドオキシエチルトリメトキシシラン、またはそれらの混合物、ならびに、各プロピル基の代わりに異なるアルキル基を有する、対応する化合物。好ましい実施態様は、イソシアネートプレポリマーとの反応にアミノシランを使用し、特にα-官能化シラン、特に好ましくはα-アミノシランを使用する。複数のシランの混合物も使用できる。
【0026】
反応させるシラン化合物の量は、プレポリマーの全イソシアネート基が、シラン化合物の求核基と反応するように選択される。ごく僅かな過剰量の求核シランを使用することができる。このようにして、シラン末端化プレポリマー中に遊離イソシアネートが存在しないことを確実に行なえる。低分子量アミノ化合物の含有量を最小にするために、シランの過剰量が極めて大きくなることは避けるべきである。
【0027】
本発明による別の実施態様においては、ポリマー主鎖として上述の、OH官能性ポリエステルおよび/またはポリエステルと、上記式で表わされるシランとを反応させる(ただし、Nuはイソシアネート基である)。その結果、化合物は加水分解性基とイソシアネート基を含有する。このようなシランの例は、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、トリメトキシシリルペンチルイソシアネート、トリメトキシシリルブチルイソシアネート、または対応するトリエトキシ化合物またはトリプロポキシ化合物である。対応するジアルコキシアルキルシリルイソシアネート化合物も同様に適当である。
【0028】
イソシアナトシラン化合物の量は、ヒドロキシ官能性ポリオールのOH基のモル量に、イソシアネート基のモル量が対応するように選択される。シラン官能化プレポリマーは、この場合においても同様に得られる。
【0029】
更なる実施態様は、エポキシ基または無水物基を付加的に含有するシラン化合物と反応できる官能基をポリマーが含有するような方法で、ポリマー主鎖として上記ポリマーを選択する。その後、該ポリマー、特にポリオールを、エステル基またはグリシジル基を介して加水分解性シラン基へ結合させる。
【0030】
本発明に係る適当なプレポリマーは、架橋性シラン基を含有しなければならない。1分子当りの加水分解性シラン基の数は、少なくとも2またはそれ以上である。具体的な実施態様において、シラン基はポリマー鎖の末端である。好ましくは、プレポリマーは、NCO基を含まない。
【0031】
本発明において適当な反応生成物は、シラン基を含有するプレポリマーである。一般に、これらのプレポリマーは、少なくとも2つ、好ましくは複数のウレタン基を含有する。無溶媒状態の反応生成物のガラス転移温度は、-40℃〜0℃の間、特に-35℃〜-10℃の間である(DSCを用いて測定)。ガラス転移温度は、イソシアネートまたはポリマー主鎖の芳香族成分の量によって影響を受け得る。芳香族イソシアネートに基づき製造されているシラン反応性プレポリマーが特に適当であることが見出されている。それらの例は、TDI、NDI、4,4-MDI、2,4-MDI、mXDI、またはTMXDIである。
【0032】
上記シラン官能化プレポリマーから、貼合せ用接着剤を配合できる。更なる成分、例えば、溶媒、可塑剤、触媒、安定剤、接着促進剤および、やや好ましい実施態様の場合においては、顔料および充填剤を、これらの貼合せ用接着剤に含有させることができる。
【0033】
使用可能な可塑剤には、以下のものが含まれる:医薬用ホワイトオイルおよびナフテン系鉱油、パラフィン系炭化水素オイル:ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレンオリゴマー;水素化ポリイソプレンおよび/またはポリブタジエンオリゴマー;フタレート、アジペート、ベンゾエートエステル、植物油または動物油、およびそれらの誘導体。フェノール、高分子量の、立体的に遮蔽されたフェノール、多官能性フェノール、硫黄およびリン含有フェノールまたはアミンは、有用な安定剤または酸化防止剤として選択できる。
【0034】
本発明による接着剤は、顔料または充填剤を含有してもよい。該含有量は、0〜5wt%に等しい。接着剤は、好ましくは透明であるので、ナノスケールの充填剤が特に適当である。また、透明またはごく僅かに濁った接着剤が得られるように、接着剤中で適当な屈折率を有する充填剤を選択できる。
【0035】
接着促進剤として、接着剤にシラン化合物を付加的に添加してもよい。上記シラン、または、有機官能性シラン、例えば(メチル)アクリルオキシ官能性、エポキシ官能性または非反応的に置換されたシランなどを、接着促進剤として使用できる。好ましい実施態様において、0.1〜3wt%のこのようなシランが、接着剤に添加される。それらの例には、以下のものが含まれる:3-アクリルオキシプロピルトリアルコキシシランまたは3-メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン;エポキシ官能性シラン、例えば3-グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルトリエトキシシラン、2-グリシドオキシエチルトリメトキシシラン:ビニルトリメトキシシラン、アルキルトリエトキシシラン、または、対応するジ-またはトリアルコキシ誘導体。これらは、所望により、ポリマー網目内に包含される。
【0036】
所望により、上記添加剤に加えて、本発明による接着剤は、触媒を含有する。シラン基の加水分解性基の加水分解を触媒でき、それに続いて、Si-OH基の縮合によりシロキサン基を生成する全ての既知な化合物を、触媒として使用できる。それらの例には、以下のものが含まれる:チタネート、例えばテトラブチルチタネートまたはチタニウムテトラアセチルアセトネートなど;ビスマス化合物、例えばビスマストリス-2-エチルヘキサノエート;スズカルボキシレート、例えば、ジブチルスズジラウレート(DBTL)、ジブチルスズジアセテート、またはジブチルスズジエチルヘキサノエート;酸化スズ例えば、ジブチルスズオキシドおよびジオクチルスズオキシドなど;有機アルミニウム化合物、例えば、アルミニウム トリスアセチルアセトネートなど;キレート化合物、例えばジルコニウムテトラアセチルアセトネートなど;アミン化合物またはカルボン酸とそれらの塩、例えばオクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジ-またはトリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、および1,8-ジアザビシクロ-(5,4,0)-ウンデセン-7(DBU)など、アミノ基を有するシラン化合物。触媒または混合物は、配合物の総重量に基づき0.01〜約5wt%の量で使用される。0.05〜4wt%、特に好ましくは0.2〜3wt%の触媒が好ましい。接着剤は、スズ触媒を含まないことが好ましい。具体的には、他の、重金属含有触媒も回避され得る。具体的な実施態様において、本発明による接着剤は、揮発性アミン、特に、45℃以下の温度で蒸発できる揮発性アミンを含有する。
【0037】
本発明によると、接着剤は溶媒も含有する。これらは、130℃以下の温度で蒸発できる、特に、100℃より低い沸点を有する常套の溶媒である。溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、アルコールから成る群から選択できる。特に、アルコールが少なくとも部分的に含有される。これらは、例えば、C〜Cモノアルコールとして既知である。好ましい実施態様は、溶媒としてプロパノールおよび/またはエタノールを含有する。溶媒は、粘度を下げて調整する役割を果たす。溶媒の比率は、幅広い制限内で変化でき、例えば、接着剤に基づき20〜75%である。この観点に関すると、配送時における高粘度の接着剤を調節することが知られている。その結果、接着剤は、塗布する前に、更なる溶媒を用いて適当な粘度へ希釈できる。この観点において、製造する間に予めアルコールを添加してもよく、後ほど、塗布する前にアルコールを添加してもよい。特に、本発明に係る接着剤は、溶媒の合計に基づき66%以下の上記アルコールを含有できる。本発明による接着剤が少なくとも5wt%のアルコールを含有する場合に、有用であることが見出されている。
【0038】
本発明において使用される溶媒は、無水物である必要はない。イソシアネート含有接着剤の場合、イソシアネート基との早期の反応を回避するために、成分および溶媒は無水物でなければいけないことが知られている。しかし、本発明に係る組成物を用いることで、接着剤は最大で8%の水を含有できることが見出されている。水の量は、好ましくは0.1〜5wt%に等しく、特に、0.3wt%よりも高い。均質な接着剤溶液が得られるように、水の量は選択される。相分離を生じさせるべきではない。
【0039】
貼合せ用接着剤の粘度は、塗布温度において低くなることを目的とする。塗布温度は、45℃以下に等しく、特に35℃以下である。適当な貼合せ用接着剤の粘度は、15℃〜45℃にて測定した場合50〜20000mPasの間であり、好ましくは100〜5000mPasである(ISO2555に従い、ブルックフィールド粘度計を用いて測定した)。一般に、接着剤は塗布するために溶媒で希釈される。このことに関連して、粘度は、約50mPas〜800mPasに等しい(20〜48℃の場合)。塗布に関連する測定結果は、12秒〜28秒に等しい(フォードカップ、4mm、ASTM D 1200に基づく)。適用形態における固形分は、好ましくは15〜60wt%、特に好ましくは30〜50wt%である。迅速な更なる処理が必要であるので、接着剤は、急速に架橋し十分な凝集と接着性を形成するよう意図される。本発明によると、塗布された接着剤の架橋は、接着される基体が若干の水分を含有する場合であっても可能である。このことは、接着剤における水分量によって支持されている。
【0040】
本発明による接着剤は、常温保存が可能である。それらは、含水状態であっても、早期の架橋を生じることなく、長期間にわたり貯蔵できる。通常、それはより高い粘度を有し得る低溶媒形態で貯蔵される。1実施態様において、
この溶媒を減少させた貼合せ用接着剤を施すために加熱することもでき、その後、それは施される。別の実施態様において、接着剤は、使用に際し、溶媒で低粘度に希釈され、その後塗布される。本発明の更なる目的は、本発明による架橋性のシラン官能化接着剤を使用して、多層フィルムを製造することである。既知の可撓性フィルム、例えばポリマーフィルム、紙フィルム、金属箔または表面処理フィルムなどは、多層フィルムを製造するためのフィルム材料として使用できる。これらは、フィルム形態の熱可塑性物質から形成される基体であり、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP,CPP、OPP)など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(例えばPET)、ポリアミド、有機ポリマー(例えば、セロファン)などから形成され;金属箔または紙も基体として適当である。フィルム材料は変性でき、例えば、官能基を用いてポリマーを変性させることによって行ってもよく、または金属被膜または酸化物被膜によって変性させてもよい。あるいは、更なる成分、例えば顔料、染料または発泡層をフィルム中に含んでもよい。フィルムは、着色されてもよく、刻印されてもよく、無色または透明であってもよい。
【0041】
本発明における使用と関連して、2種以上の同一の、特に異なるフィルムは、本発明における適当な1成分接着剤を使用して、相互に接着結合される。本発明の実施態様において、貼合せ用接着剤を施す前に、一フィルムに予め色彩を施しておいてもよい。その後、本発明に係る液体の貼合せ用接着剤は、所望により事前処理したフィルム上に塗布される。このことは、例えば、パターン化ローラー(patterned roller)、円滑ローラー(smooth roller)として既知の加圧法を用いることにより行ってもよく、接着剤を、ノズルを介して塗布してもよく、あるいは、接着剤を、スリットノズルを介して施してもよい。塗布方法は、接着剤の粘度に応じて選択される。
【0042】
本発明による架橋性の1成分貼合せ用接着剤を選択することにより、低い塗布粘度を得ることができる。本発明による適当な接着剤は、低い粘度を有するので、1〜25μm、特に2〜15μmの薄い層厚にて塗布することができる。
【0043】
多層フィルムは、接着剤で被覆されたフィルムと第二のフィルムを共に接合させることによって製造される。2つの被覆フィルムを接着結合させることが可能ではあるが、やや好ましい。接着は加圧および昇温させることによって生じることができる。適切な場合、多層フィルムも相互に接着結合できる。この種の貼合せ法は、当業者において既知である。
【0044】
本発明による接着剤は、貼合せ用接着剤として特に使用でき、この場合、接着剤は、フィルム上に薄層形態で施される。その直後に、含有される溶媒は蒸発し、次いで、接着剤層上に第二のフィルムが施され、加圧して圧縮される。本発明による組成物は、溶媒として低分子量アルコール、例えばメタノール、エタノール、またはプロパノールを使用できる。これらのアルコールは、食品規制の観点において、他の溶媒よりも好ましい。本発明による作業方法を用いることにより、他の溶媒を低減でき回避できる。
【0045】
アルコキシシラン基を介する望ましい架橋の選択は、接着剤が素早い架橋をおこなうことを可能とする。高い反応系の関連でイソシアネート系接着剤において避けることのできない気泡は、反応の結果として生じない。本発明に係る接着剤は、必要な溶媒を乾燥させる必要がないといった特徴を有する。したがって、本発明に係る接着剤に関する製造、貯蔵、および塗布工程は単純である。本発明に係る貼合せ用接着剤の更なる利点は、良好な柔軟性である。本発明による接着剤は、所定のTgを有することが判明している。このことは、架橋後の接着結合多層フィルムに柔軟性を生じさせることを意味する。
【0046】
架橋した接着剤のTgは、-15℃〜+30の間に等しく、特に、-10〜+20℃の間である。毎分10Kの昇温速度にて0〜200℃まで加熱されている、0.5g未満の完全な接着剤の試料は、溶媒を含有しない架橋状態であると考えられる。その後、架橋材料のTgをDSCによって測定できる。
【0047】
本発明の更なる目的は、本発明による適当な貼合せ用接着剤を用いて接着結合させた多層フィルムに関する。既知のプラスチックフィルム、例えばポリプロピレン製フィルム、ポリエチレン製フィルム、ポリエステル製フィルム、PVC製フィルム、ポリアミド製フィルムなどは、この観点において基体として使用できる。このフィルムの上に、本発明による接着剤を用いて連続層が生成され、塗布直後に、同種のフィルムまたは異種のフィルムを接着結合させる。2層フィルムに加えて、更なる処理工程を用いて多層フィルムを形成することも可能である。本発明による実施態様は、透明フィルムを接着させる、この場合、本発明による接着剤も同様に透明であるか非着色であることが有用である。
【0048】
他の層、例えば、紙、金属フィルムまたは他の障壁層から成る層も、これらの多層フィルムに含まれる。高い初期接着性と早い架橋がもたらされるので、これらの多層フィルムは、接着後に迅速に更なる工程に付すことができる。架橋または第二反応を待つための面倒な貯蔵を省略できる。
【0049】
本発明による接着剤は、異なる層間でも良好な接着性を示す。特に、架橋後に透明であり(すなわち、無色であり透けて見え)、例えば、層厚は0.5mm以下である。接着剤層において気泡または欠陥は生じない。したがって、該接着剤は、フィルム形態の可撓性基体を接着結合するための貼合せ用接着剤として特に適当である。
【実施例】
【0050】
実施例:ポリエステル1
アジピン酸およびイソフタル酸と共に、エチレングリコールからポリエステルを製造する。
【0051】
ポリエステルは約2000g/モルの分子量を有する。OH価は約58であり、酸価は2未満である。Tgは約−30℃である。
【0052】
実施例:ポリエステル2
アジピン酸、イソフタル酸、アゼライン酸およびフタル酸と共に、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールからポリエステルを製造する。
【0053】
ポリエステルは約5100g/モルの分子量を有する。ポリエステルのOH価は約22である。Tgは約−24℃である。
【0054】
実施例:ポリエステル3
セバシン酸およびイソフタル酸と共にネオペンチルグリコールからポリエステルを製造する。
【0055】
ポリエステルは約2000g/モルの分子量を有する。OH価は約60である。酸価は2未満である。
【0056】
実施例4:
57部のポリエステル3を、33部の酢酸エチル中に溶解させ、次いで、6.5部のTDIと反応させる。その後、3.0部のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンを添加する。
【0057】
得られた接着剤は65%の固形分を有する。粘度は5400mPas(20℃)である。接着剤の架橋させた試験片は、1℃のガラス転移温度を有する。
【0058】
実施例5:
51.5部のポリエステル1を、38.5部の酢酸エチル中に溶解させ、次いで、6部のTDI80と反応させる。その後、4.3部のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンを添加する。
【0059】
得られた生成物は62%の固形分を有する。それは、更なるイソシアネート基を含有しない。粘度は、約1400mPas(20℃)である。Tg(架橋後)は−2℃である。
【0060】
実施例6:
63.0部のポリエステル2を、30.0部の酢酸エチル中に溶解させ、次いで、3.45部のTDI100と4.15部のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンと反応させる。
【0061】
得られた生成物は、70%の固形分を有する。それは、更なるイソシアネート基を含有しない。粘度は約7750mPas(20℃)である。Tg(架橋後)は+4℃である。
【0062】
実施例7:
61.2部のポリエステル2を34.5部の酢酸エチル中に溶解させ、次いで、5.0部のTDI100および1.4部のN-シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシランと、反応させる。得られた生成物は、65%の固形分を有する。それは、更なるイソシアネート基を含有しない。粘度は約6700mPas(20℃)である。
【0063】
接着
接着剤を20部のEtOH(5%水)で希釈する。
【0064】
このような状況において、粘度は800mPas未満(20℃)である。PEに基づくフィルムは、ドクターブレードを用いて、実施例4〜7で調整した本発明に係る接着剤で被覆される。層厚は5μmである。別のフィルムを、10μmの層厚で同様に被覆する。被覆された表面を、約1分間表面乾燥に付し、30℃にする。次いで、各被覆フィルム上に、OPPに基づく第2フィルムを、ローラーを用いて押圧する。
【0065】
12時間後、2種類のフィルム基体の接着結合が終了する。全ての場合において、良好な相互接着が観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも2つの架橋性シラン基を含有する、少なくとも1種のポリエステルプレポリマー、ポリエーテルプレポリマー、またはポリウレタンプレポリマー:25〜80wt%、
b)130℃以下の沸点を有する有機溶媒:75〜20wt%、
c)添加剤:0〜15wt%、
を含有する、架橋性の1成分貼合せ用接着剤であって、
該プレポリマーが2000〜30000g/モルの分子量を有し、該接着剤の粘度が、DIN ISO 2555に従い、15℃〜45℃にて測定した場合、50〜20000mPasに等しく、および、架橋された該接着剤が、−15〜30℃のガラス転移温度を有する、該接着剤。
【請求項2】
400〜20000g/モルの分子量を有し、少なくとも2つのOH基を含有するポリエステルポリオールから製造されてなる、少なくとも1種のポリエステルプレポリマーまたはポリウレタンプレポリマーが使用されることを特徴とする、請求項1に記載の1成分接着剤。
【請求項3】
ポリエステルプレポリマーが、ポリエステルポリオールとモル過剰のジイソシアネートとを反応させてNCO-ポリエステルプレポリマーを生成させ、後続反応において、NCOプレポリマーの全NCO基を、求核的に置換されたアルキルアルコキシシランと反応させることにより製造される、請求項2に記載の1成分接着剤。
【請求項4】
プレポリマーが、NCO-置換アルキルアルコキシシランと反応させたポリエステルポリオールから製造される、請求項2に記載の1成分接着剤。
【請求項5】
ポリエーテルポリオールとジイソシアネートを反応させてNCO含有プレポリマーを生成させ、後続反応において、求核的に置換されたアルキルアルコキシシランと反応させることにより製造されるポリエーテルプレポリマーが、一部分に含有されるか、または単独で含有されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項6】
接着剤が、プレポリマー量に基づき、ポリエステルポリオールに基づくプレポリマーを少なくとも50%含有する、請求項1から5のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項7】
アミノシラン、特にアルファ-アミノシランが、プレポリマーの製造に使用される、請求項1から6のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項8】
プレポリマーがトリアルコキシシラン基、特にトリエトキシシラン基を含有する、請求項1から7のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項9】
接着剤が、接着剤に基づき50wt%以下のアルコールおよび/または0.1〜8wt%の水を含有する、請求項1から8のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項10】
添加剤が、触媒、安定剤、接着促進剤、顔料または充填剤から選択される、請求項1から9のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項11】
接着剤がスズ触媒を含有しない、特に重金属触媒を含有しない、請求項1から10のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項12】
接着剤が揮発性アミンを含有する請求項1から11のいずれか1つに記載の1成分接着剤。
【請求項13】
可撓性フィルム型の基体を接着結合するための、請求項1から12のいずれか1つに記載の1成分接着剤の使用。
【請求項14】
特に、包装産業における多層フィルムの製造用フィルム基体として、ポリマーフィルム、紙フィルム、金属箔および表面処理フィルムが、接着結合される、請求項13に記載の使用。

【公表番号】特表2012−529543(P2012−529543A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514407(P2012−514407)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056311
【国際公開番号】WO2010/142501
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】