説明

シリアル通信装置、通信制御方法、通信制御プログラム

【課題】
リアルタイム性を損なわずに画像データの受信異常を検出すること。
【解決手段】
開示のシリアル通信装置は、画像データを含むパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアライザ回路210と、シリアライザ回路から出力されるシリアルデータをパラレルデータに変換して出力するデシリアライザ回路310と、を有するシリアル通信装置であって、シリアライザ回路は、パラレルデータ内における画像データを検出するための付加情報を、パラレルデータ内の画像データの前と後とに挿入し、デシリアライザ回路は、変換したパラレルデータ内において、シリアライザ回路により挿入された各付加情報の検出を行い、各付加情報を検出できる場合は各付加情報に基づきパラレルデータ内から画像データを抽出し、各付加情報のいずれか一方を検出できない場合は受信異常状態を検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置内における高速シリアル通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、コピー機やスキャナなどの画像データを転送する装置は、パラレル・インターフェースが主流であり、そのインターフェースを介して1つのライン毎に所定のタイミングで画像データの送信、受信が行なわれていた。
【0003】
しかしながら、これらの装置の高速化、高解像度化の流れに伴い画像データの転送量を大幅に増やす必要性が出てきた。従来のようにパラレル・インターフェースを介してデータの転送を行っていると、データの信号線の増加、転送クロックの高速化によりEMI(Electro Magnetic Interference)ノイズ等の問題が懸念されるようになった。
【0004】
そこで、近年EMIノイズの低減などを目的としたインターフェースとしてLVDS(Low Voltage Differential Signaling)に代表される高速シリアル転送のインターフェースが脚光を浴びている。この高速シリアル転送では、トランスミッタ回路がシリアル化されたデータを差動信号(Differential Signals)により送信し、レシーバ回路が差動信号を差動増幅することでデータ転送を実現する。このシリアル転送を電子装置間で使用することにより、インターフェースの物理的な信号線数が少なくなり、EMIノイズの低減も実現できるようになった。
【0005】
しかし、通信を行なう装置の制御装置同士の通信もシリアル通信にしてしまうと、シリアル通信が失敗した場合に制御装置同士の通信が出来なくなってしまう。その問題を解決するため、特許文献1等では、装置間でデータの送受信を行うシリアルラインが通信不能な状態となっても、装置間で制御情報を送受信することができる信号伝送システムを提供されているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、伝送路上のノイズ等による受信エラーが発生した時でもリアルタイム性を損なわないシリアル通信装置を考えた場合でも、BER(Bet Error Rate)が通常の仕様の範囲を大幅に超える異常状態(例えば静電ノイズ等)に陥ったときには、異常状態をホスト装置が検出できないことが考えられる。
【0007】
そこで、開示の装置は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、リアルタイム性を損なわずに画像データの受信異常を検出することができるシリアル通信装置、通信制御方法、通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示するシリアル通信装置の一形態では、画像データを含むパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアライザ回路と、該シリアライザ回路から出力される該シリアルデータをパラレルデータに変換して出力するデシリアライザ回路と、を有するシリアル通信装置であって、前記シリアライザ回路は、前記パラレルデータ内における前記画像データを検出するための付加情報を、該パラレルデータ内の該画像データの前と後とに挿入し、前記デシリアライザ回路は、変換した前記パラレルデータ内において、前記シリアライザ回路により挿入された各付加情報の検出を行い、前記各付加情報を検出できる場合は前記各付加情報に基づき該パラレルデータ内から前記画像データを抽出し、前記各付加情報のいずれか一方を検出できない場合は受信異常状態を検出することを特徴とする。
【0009】
また、開示する通信制御方法の一形態では、画像データを含むパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアライザ回路と、該シリアライザ回路から出力される該シリアルデータをパラレルデータに変換して出力するデシリアライザ回路と、を有するシリアル通信装置の通信制御方法であって、前記シリアライザ回路が、前記パラレルデータ内における前記画像データを検出するための付加情報を、該パラレルデータ内の該画像データの前と後とに挿入するステップと、前記デシリアライザ回路が、変換した前記パラレルデータ内において、前記シリアライザ回路により挿入された各付加情報の検出を行うステップと、前記検出の結果、前記各付加情報を検出できる場合は前記各付加情報に基づき該パラレルデータ内から前記画像データを抽出し、前記各付加情報のいずれか一方を検出できない場合は受信異常状態を検出するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
画像データの特性を生かし、リアルタイム性を損なわずに画像データの受信異常を検出することができるシリアル通信装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係るシリアル通信装置の構成を表したブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るシリアル通信装置において取り扱うデータの一例を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る送信データ処理回路及びシリアライザ制御回路の動作を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るシリアル通信装置において使用するKコードの一例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るシリアル通信装置において制御コードを利用して有効データの位置を認識する方法を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係るシリアル/パラレル変換回路の動作を説明するための図である。
【図7】本実施の形態に係るシリアル通信装置における受信異常時(ライン抜け)を説明するための図である。
【図8】本実施の形態に係るシリアル通信装置における受信異常時(ライン結合)を説明するための図である。
【図9】本実施他の形態に係るシリアル通信装置の制御コード制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。図1には、本実施の形態に係るシリアル通信装置100の構成を表したブロック図を示す。シリアル通信装置100は、シリアライザ制御回路260、送信データ処理回路220、8b10b符号化回路230、パラレル/シリアル変換回路240、ドライバ250を含むシリアライザ回路210と、レシーバ320及びCDR(Clock Data Recovery)回路330、シリアル/パラレル変換回路340、エラスティックバッファ回路350、10B8B復号化回路360、受信データ処理回路370、デシリアライザ制御回路380を含むデシリアライザ回路300とを有する。
【0013】
シリアライザ回路210は、スキャナなどの外部装置200に組み込まれ、画像データをシリアル化して画像書込み制御装置300のデシリアライザ回路310へ転送する。外部装置200から画像書込み制御装置300へのシリアルデータ送信は差動信号線(差動信号線ペア)を介して行なわれ、シリアライザ回路210とデシリアライザ回路310は、Serial ATAケーブル等で接続される。
【0014】
デシリアライザ回路310は、画像書込み制御装置300に組み込まれ、外部装置200のシリアライザ回路210から送信されるシリアルデータをパラレルデータに変換し画像書込み制御回路(不図示)へ出力する。
【0015】
なお、シリアル通信装置100は、図1に示す回路の全てを含む必要はなくそれらの一部を省略する構成又は追加する構成であっても良い。
【0016】
以下では、シリアライザ回路210の動作について説明する。リセット解除後、送信データ処理回路220は、スキャナ等から送信される画像データである送信データを受信する。
【0017】
図2は、本実施の形態に係るシリアル通信装置において取り扱うデータの一例を示す図である。図2に示すように、送信データは無効データと有効データとを含む。有効データは、例えば、画像の水平方向の1ライン分のデータに相当する。
【0018】
送信データの中で、有効データであるか否かは送信制御信号によりシリアライザ制御回路260で判断する。ここで、図2に示す例では、送信制御信号がLowの時は無効データ、送信制御信号がHighの時は有効データであることを示している。
【0019】
図3は、本実施の形態に係るデータ処理回路及びシリアライザ制御回路の動作を説明するための図である。制御コード生成回路224は、有効データの前部にstp1−stp4、有効データの後部にend1−end4の付加情報(以下、制御コードという)を、無効データ部分には無効データ用の制御コードcomを生成する。データタイミング調整回路222でタイミングを合わせた元の送信データは、セレクタ226により切り替えられることで制御コードが挿入される。セレクタ226は、制御コード挿入後の送信データを次段の8b10b符号化回路230に出力する。セレクタ226の切替は、シリアライザ制御回路260で行なわれる。
【0020】
図1に戻り、8b10b符号化回路230は、8ビットのデータを8b10b符号化技術により10ビットに符号化する。この技術はSerial ATAやPCI Expressなどの高速シリアルインターフェース規格で採用されている。8b10b符号化技術では、10ビットのビット列の内、データは256通りのDコードとして割り当てられ、残りの余ったコードは制御用にKコード(キャラクタ)として割り当てられている。
【0021】
8b10b符号化回路230は、前述のstp1−stp4、end1−end4、comは上記Kコードに、有効データはDコードに変換されてパラレル/シリアル変換回路240へ出力する。
【0022】
図4は、本実施の形態において使用するKコードの一例を示す図である。「com」は無効データを示す為に用いられ、「stp1」「stp2」「stp3」「stp4」は有効データの始まり示す為に用いられ、「end1」「end2」「end3」「end4」は有効データの終わりを示す為に用いられる。
【0023】
なお、図4中のRD-/RD+はランニング・ディスパリティ(RD)と呼ばれ、RD+であれば次はRD-を送出し、逆にRD-であれば次はRD+のコードを送出する事でDCバランスが取れる仕組みとなっている。
【0024】
図1に戻り、パラレル/シリアル変換回路240は、符号化された10ビットのデータを1ビットにシリアル化する。そして、シリアル化されたデータをドライバ250が差動信号(Tx+/Tx-)により送信する。
【0025】
なお、ここで扱う有効データは、プリンタやコピー機で扱う画像データを想定している為、人間の目には分からない程度のビットエラーは問題とせず、1ライン分の有効データが全て抜ける、又は有効データ数が異なる場合を問題とする。
【0026】
以下では、デシリアライザ回路310の動作について説明する。レシーバ320は、シリアライザ回路210から送信された差動信号シリアルデータを受信し2値化する。CDR回路330は、その2値化したシリアルデータのエッジタイミングを検出して内部で使用するクロックの位相調整を行うことで、クロックに同期したシリアルデータをシリアル/パラレル変換回路340へ出力する。
【0027】
シリアル/パラレル変換回路340は、CDR回路330から入力されるシリアルデータを10ビットのパラレルデータに変換する。また、Kコードのcom(K28.5)の検出を行い、シンボルロックを行なう。
【0028】
エラスティックバッファ回路350は、シリアライザ回路210から入力されるデータ周波数と、デシリアライザ内部PLLで生成されるクロックとの周波数差を吸収するための回路である。
【0029】
10b8b復号化回路360は、シリアライザ回路210で10ビットに符号化されたデータを元の8ビットのデータに復号化する回路である。
【0030】
受信データ処理回路370は、デシリアライザ回路310の次の回路へデータを出力する為のインターフェースとなる。
【0031】
デシリアライザ制御回路380では、デシリアライザ回路310全体の制御を行なうと共に、シリアライザ回路210で付加したKコードの検出を行ない有効データと無効データの識別を行なう。
【0032】
図5は、本実施の形態に係るシリアル通信装置において制御コードを使用して有効データの位置を認識する方法を説明するための図である。図5に示すように、有効データを認識する為、シリアライザ回路210において有効データの前に制御コード「stp1」「stp2」「stp3」「stp4」を挿入し、有効データの後に制御コード「end1」「end2」「end3」「end4」を挿入している。
【0033】
制御コード「stp1」は、4サイクル後のデータから有効データであることを示す制御コードである。同様に、制御コード「stp2」は3サイクル後、制御コード「stp3」は2サイクル後、制御コード「stp4」は次のサイクルのデータから有効データであることを示す制御コードである。
【0034】
また、制御コード「end1」は、1サイクル手前のデータまで有効データであることを示す制御コードであり、これと同様に、「end2」は2サイクル手前、「end3」は3サイクル手前、「end4」は4サイクル手前のデータまで有効データであることを示す制御コードである。本実施の形態においては、制御コードの個数を有効データの前後それぞれ4つとして説明しているが、有効データの前後に挿入する制御コードの個数は、4つ以外であっても良く、有効データの前後で挿入個数が異なっていても良い。
【0035】
図6は、本実施の形態に係るシリアル通信装置における制御コード検出回路を説明するための図である。図6に、シリアル/パラレル変換回路340のブロック図を示す。まず、シリアル/パラレル変換回路340は、CDR回路330から入力されるシリアルデータをパラレルデータに変換する。シリアル/パラレル変換回路340は、このシリアルデータをパラレルデータに変換する際、シリアルデータのどの場所を切れ目と認識するかのシンボルロック制御は、制御コード「com」を認識することで行なう。
【0036】
パラレルデータ変換後、デシリアライザ制御回路380は、制御コード検出回路382で制御コード「stp1」「stp2」「stp3」「stp4」と制御コード「end1」「end2」「end3」「end4」の検出を行なう。この時点のパラレルデータはまだ復号化されていないデータであるので、制御コードの検出は図4のRD-/RD+の両方を考慮する必要がある。
【0037】
有効データの始まりを認識する方法は、制御コード「stp1」「stp2」「stp3」「stp4」の全てを検出したときではなく、制御コード「stp1」「stp2」「stp3」「stp4」の4種類の内の複数個、例えば、2つ検出したときに有効データの開始点を認識するとしてもよい。制御コード検出回路382は、有効データの開始点を認識するとSTP識別信号をイネーブルにする(図2参照)。
【0038】
これは、例えば、図5の制御コード「stp1」及び「stp3」がノイズ等の影響で受信エラーとなり正しく認識できなかった場合(例えば、KコードではなくDコードと認識した場合)、制御コード「stp2」及び「stp4」さえ検出できれば、制御コード「stp4」の次のサイクルからは有効データであると認識できるからである。仮に、4つ全ての制御コードを検出した時にのみ有効データと認識する方法である場合、4つの内一つでも受信エラーとなれば、有効データの始まりを認識することができないこととなる。
【0039】
有効データの終わりを認識する方法も同様に、制御コード「end1」「end2」「end3」「end4」の全てを検出したときではなく、制御コード「end1」「end2」「end3」「end4」の4種類の内の複数個、例えば、2つ以上検出したときに有効データの終点を認識するとしてもよい。制御コード検出回路382は、有効データの終点を認識するとEND識別信号をイネーブルにする(図2参照)。
【0040】
制御コード検出回路382は、STP認識信号がイネーブルになったときに有効データ信号をイネーブルにし、END認識信号がイネーブルになったときに有効データ信号をディセーブルにする。有効データ信号は、イネーブル状態のときは画像データであることを示す。制御コード検出回路382は、STP及び/又はEND認識信号、有効データ信号を受信異常検出回路384に出力する。
【0041】
上記のように、複数の制御コードで有効データを囲み(有効データの前後に複数の制御コードを挿入し)、さらに、その複数の制御コードの内、例えば、4つの内2つを認識した時に有効データの始まり又は終わりを認識することで、ノイズ等の影響により通常の仕様の範囲内(例えばBER≦10-12)内での受信エラーが制御コードに発生した場合でも、正確に有効データの始点と終点とを把握することができる。これにより、有効な画像データの抽出が可能となる。
【0042】
ここで、静電ノイズ等により通常の仕様の範囲(例えばBER≦10-12)をはるかに超える受信エラーが発生した場合を考える。BER(Bet Error Rate)が通常の仕様の範囲(例えばBER≦10-12)を大幅に超える異常状態(例えば静電ノイズ等)に陥った場合、画像データの前後に付加した制御コードが認識できなくなる。このとき、画像データが1ライン抜ける、又は2ライン分の画像データが1ライン分に結合されてしまうなどの異常状態をホスト装置が検出できない。そこで、受信異常を検出するシリアル通信装置について以下説明する。
【0043】
図7は、本実施の形態に係るシリアル通信装置における受信異常時(ライン抜け)を説明するための図である。図7に示すように、「stp1」「stp2」「stp3」「stp4」全てを検出できなかった場合、制御コード検出回路382は、STP認識信号をイネーブルにできないため有効データ信号をイネーブルにすることはできない。よって、このラインは画像データとして認識されず、ライン抜けが発生してしまう。
【0044】
また、制御コードの複数種類のうちの一部を検出できた場合、例えば2つ以上検出した場合にSTP認識信号をイネーブルにする場合は、2つ以上の制御コードを検出できないときSTP認識信号はディセーブルのままとなる。
【0045】
正常時には、END認識信号がイネーブルになった時、有効データ信号もイネーブル状態になっている。一方、有効データ信号がディセーブル状態の時にEND認識信号がイネーブルになれば、受信異常検出回路384は、ライン抜け状態になっていることを認識でき、ライン抜け認識信号をイネーブルにすることで受信異常(ライン抜け)を通知することができる。
【0046】
図8は、本実施の形態に係るシリアル通信装置における受信異常時(ライン結合)を説明するための図である。図8に示すように、「end1」「end2」「end3」「end4」全てを検出できなかった場合、END認識信号をイネーブルにできないため、有効データ信号をディセーブルにすることはできない。よって、このラインは次のラインとの境目を識別されず、ライン結合状態となってしまう。
【0047】
また、制御コードの複数種類のうちの一部を検出できた場合、例えば2つ以上検出した場合にEND認識信号をイネーブルにする場合は、2つ以上の制御コードを検出できないときEND認識信号はディセーブルのままとなる。
【0048】
正常時には、STP認識信号がイネーブルになった時、有効データ信号はディセーブル状態になっている。一方、有効データ信号がイネーブル状態の時にSTP認識信号がイネーブルになれば、受信異常検出回路384は、ライン結合状態になっていることを認識でき、ライン結合認識信号をイネーブルにすることで受信異常(ライン結合)を通知することができる。
【0049】
次に、本実施の形態に係るシリアル通信装置の動作について説明する。図9は、本実施他の形態に係るシリアル通信装置の制御コード制御処理を示すフローチャートである。ステップS11において、制御コード検出回路382は、「stp」又は「end」の制御コードを検出したか否かを判定する。ステップS11により「stp」の制御コードと判定されればステップS12に進み、「end」の制御コードと判定されればステップS15に進む。
【0050】
ステップS12において、受信異常検出回路384は、有効データ信号がディセーブル状態であるか否かを判定する。ステップS12における判定結果がYES(ディセーブル)でればステップS13に進み、判定結果がNO(イネーブル)であればステップS14に進む。
【0051】
ステップS13において、デシリアライザ回路310は、「stp」制御コード以降の画像データを有効データとして認識でき、画像データを抽出する。
【0052】
ステップS14において、受信異常検出回路384は、有効データ信号がイネーブル状態で、STP認識信号がイネーブルになったということは、ライン結合が発生したことを検出し、受信異常通知信号を通知する(ライン結合認識信号をイネーブルにする)。
【0053】
ステップS15において、受信異常検出回路384は、有効データ信号がイネーブル状態であるか否かを判定する。ステップS15における判定結果がYES(イネーブル)でればステップS16に進み、判定結果がNO(ディセーブル)であればステップS17に進む。
【0054】
ステップS17において、デシリアライザ回路310は、「end」制御コード以前の画像データを有効なデータの終了と認識でき、画像データの抽出を終了する。
【0055】
ステップS18において、受信異常検出回路384は、有効データ信号がディセーブル状態で、END認識信号がイネーブルになったということは、ライン抜けが発生したことを検出し、受信異常通知信号を通知する(ライン抜け認識信号をイネーブルにする)。
【0056】
次に、前述した処理を行うためのプログラムやデータを記憶した記憶媒体の実施の形態を説明する。記憶媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリカードや、メモリスティック、及びその他各種ROMやRAM等が挙げられる。これら記憶媒体に記憶したプログラムをコンピュータに実行させることで、本発明の実施の形態における処理を実現させることができる。また、前述した通信制御方法の処理やシリアル通信装置の機能を実現するためのプログラムを、記憶媒体に記憶したりネットワークを介して配信したりして流通させることにより、当該機能の実現を容易にすることができる。
【0057】
また、開示するシリアル通信装置の一形態では、原稿画像を光学的に読み取り、読み取った結果を画像データとして出力するスキャナを有し、前記シリアライザ回路は、前記スキャナが出力した画像データを含むパラレルデータをシリアルデータに変換して出力することもできる。
【0058】
(総括)
開示のシリアル通信装置は、画像データの特性を生かし、伝送路上のノイズ等による受信エラーが発生した時でもリアルタイム性を損なわないシリアル通信の機能を有し、かつ、受信エラーが通常の仕様の範囲を超える場合であっても、受信異常状態を検出し通知することができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
100 シリアル通信装置
200 外部装置
210 シリアライザ回路
220 送信データ処理回路
222 データタイミング調整回路
224 制御コード生成回路
226 セレクタ
230 8b10b符号化回路
240 パラレル/シリアル変換回路
250 ドライバ
260 シリアライザ制御回路
300 画像書き込み制御装置
310 デシリアライザ回路
320 レシーバ
330 CDR回路
340 シリアル/パラレル変換回路
342 シリアル/パラレル変換、シンボルロック制御
382 制御コード検出回路
384 受信異常検出回路
350 エラスティックバッファ回路
360 10b8b復号化回路
370 受信データ処理回路
380 デシリアライザ制御回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2005−303600号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを含むパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアライザ回路と、該シリアライザ回路から出力される該シリアルデータをパラレルデータに変換して出力するデシリアライザ回路と、を有するシリアル通信装置であって、
前記シリアライザ回路は、前記パラレルデータ内における前記画像データを検出するための付加情報を、該パラレルデータ内の該画像データの前と後とに挿入し、
前記デシリアライザ回路は、変換した前記パラレルデータ内において、前記シリアライザ回路により挿入された各付加情報の検出を行い、前記各付加情報を検出できる場合は前記各付加情報に基づき該パラレルデータ内から前記画像データを抽出し、前記各付加情報のいずれか一方を検出できない場合は受信異常状態を検出することを特徴とするシリアル通信装置。
【請求項2】
前記デシリアライザ回路は、前記画像データを有効データであると認識していない状態で前記画像データの後に挿入された前記付加情報を検出した場合は、前記受信異常状態として前記画像データの抜けを検出することを特徴とする請求項2記載のシリアル通信装置。
【請求項3】
前記デシリアライザ回路は、前記画像データを有効データであると認識している状態で前記画像データの前に挿入された前記付加情報を検出した場合は、前記受信異常状態として前記画像データの結合を検出することを特徴とする請求項1又は2記載のシリアル通信装置。
【請求項4】
前記画像データの前と後とに挿入される前記付加情報はそれぞれ複数有り、かつ、該各付加情報はそれぞれ異なり、
前記デシリアライザ回路は、前記画像データの前に挿入された複数の前記付加情報のうち一部の前記付加情報に係る検出結果と、前記画像データの後に挿入された複数の前記付加情報のうち一部の前記付加情報に係る検出結果とに基づき前記パラレルデータ内の前記画像データを抽出し、前記画像データの前又は後の前記一部の前記付加情報を検出できない場合に前記受信異常状態を検出することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のシリアル通信装置。
【請求項5】
画像データを含むパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアライザ回路と、該シリアライザ回路から出力される該シリアルデータをパラレルデータに変換して出力するデシリアライザ回路と、を有するシリアル通信装置の通信制御方法であって、
前記シリアライザ回路が、
前記パラレルデータ内における前記画像データを検出するための付加情報を、該パラレルデータ内の該画像データの前と後とに挿入するステップと、
前記デシリアライザ回路が、
変換した前記パラレルデータ内において、前記シリアライザ回路により挿入された各付加情報の検出を行うステップと、
前記検出の結果、前記各付加情報を検出できる場合は前記各付加情報に基づき該パラレルデータ内から前記画像データを抽出し、前記各付加情報のいずれか一方を検出できない場合は受信異常を検出するステップとを有することを特徴とする通信制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、請求項5に記載の通信制御方法を実行させるための通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−19188(P2011−19188A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164031(P2009−164031)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】