説明

シリカ含有含水酸化チタン及びシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法

【課題】高比表面積を有するシリカ含有含水酸化チタンの製造方法を提供する。
【解決手段】微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60〜95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することによって、高比表面積のシリカ含有含水酸化チタンを得る。これを焼成すれば、高比表面積のアナターゼ型酸化チタンを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナターゼ型結晶形のシリカ含有含水酸化チタンの製造方法と、更に、そのようなシリカ含有含水酸化チタンを焼成することを含むシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法に関する。詳しくは、本発明は、高温で焼成した後にも、アナターゼ型結晶形と高比表面積を有し、しかも、適度の細孔容積を有し、従って、例えば、触媒や触媒担体として好適に用いることができるシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを与えるアナターゼ型結晶形のシリカ含有含水酸化チタンの製造方法に関する。
更に、本発明は、上記シリカ含有含水酸化チタンを焼成することを含む上述したようなシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化チタンは、触媒や触媒担体として広く用いられており、特に、シリカを含む酸化チタンは、高比表面積に加え、すぐれた耐熱性を有するので、触媒や触媒担体として好ましく用いられている。このようなシリカを含む酸化チタンの比表面積や耐熱性のみならず、その結晶形は、酸化チタンを製造する際の種々の条件に加えて、シリカの含有量等によっても大きく影響を受ける。
【0003】
そこで、これまで、そのようなシリカ含有酸化チタンの製造方法が種々提案されている。例えば、硫酸チタン水溶液に微粒子シリカを加えて熱加水分解する方法や(特許文献1参照)、四塩化チタンや硫酸チタン等の可溶性チタン化合物に可溶性ケイ素化合物及び/又はシリカゾルを混合し、これにアンモニア水を加えて、0〜50℃の温度で水性溶媒中で中和して共沈物を生成させ、上記温度で熟成した後、上記共沈物を乾燥し、焼成する方法が提案されている(特許文献2参照)。また、チタンアルコキシドとケイ素アルコキシドを混合した加水分解ゾルをゲル化した後、焼成する方法も提案されている(特許文献3参照)。しかし、これらの方法によれば、いずれも、得られるシリカ含有酸化チタンは800℃以上の高温では十分な耐熱性をもたない。
【0004】
別の方法として、チタンアルコキシドとケイ素アルコキシドをアルコール溶媒に混合して、オートクレーブ等の密閉容器中で加熱し、反応後にアルコール溶媒を沸点以上の温度で除去し、得られた反応生成物を焼成して、シリカ含有酸化チタンを得る方法が提案されている(特許文献4参照)。この方法によれば、上記反応生成物を800℃以上の温度で焼成しても、BET表面積が100m2/g以上のシリカ含有酸化チタンを得ることができるが、しかし、原料面において、高価なアルコキシドを用いる必要があり、更に、製造工程の面においても、アルコール溶媒を沸点以上の温度で除去する必要がある。従って、この方法は、シリカ含有酸化チタンの工業的な大量生産には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平1−14807号公報
【特許文献2】特開平4−197442号公報
【特許文献3】特許第3738371号公報
【特許文献4】特開2002−273220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、シリカ含有酸化チタンの製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、アナターゼ型結晶形のシリカ含有含水酸化チタンの製造方法、即ち、これを焼成することによって、アナターゼ型結晶形を維持しているのみならず、高比表面積と適度の細孔容積を有し、従って、例えば、触媒や触媒担体として好適に用いることができるシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを与えるシリカ含有含水酸化チタンの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
更に、本発明は、上述したような高比表面積を有するのみならず、適度の細孔容積を有し、従って、例えば、触媒や触媒担体として好適に用いることができるシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60〜95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することを含むシリカ含有含水酸化チタンの製造方法が提供される。
【0009】
更に、本発明によれば、微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60〜95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥し、次いで、このようにして得られたシリカ含有含水酸化チタンを焼成することを含むシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシリカ含有含水酸化チタンの製造方法によれば、ハロゲン化チタン、好ましくは、四塩化チタンを出発物質として用いて、高比表面積を有するシリカ含有含水酸化チタンを得ることができ、このシリカ含有含水酸化チタンは、これを高温で焼成しても、アナターゼ型結晶形を維持した高比表面積の酸化チタンを与える。
【0011】
更に、本発明のシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法によれば、上記シリカ含有含水酸化チタンを高温で焼成しても、130m2/g以上の高比表面積を有すると共に、0.3〜0.5mL/gという適度な細孔容積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを与える。このようなシリカ含有アナターゼ型酸化チタンは、例えば、触媒や触媒担体として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1において得られたシリカ含有含水酸化チタンと、これを焼成して得られたシリカ含有アナターゼ型酸化チタンのそれぞれのX線回折図(XRD)である。
【図2】比較例1において得られたシリカ含有無定形水酸化チタンと、これを焼成して得られたシリカ含有アナターゼ型酸化チタンのそれぞれのX線回折図(XRD)である。
【図3】比較例3において得られたシリカ含有含水酸化チタンと、これを焼成して得られたアナターゼ型とルチル型の混合した酸化チタンのそれぞれのX線回折図(XRD)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の方法によれば、微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60〜95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することによって、シリカ含有含水酸化チタンを得る。
【0014】
本発明においては、ハロゲン化チタンとしては、四塩化チタン又は四臭化チタンが用いられるが、好ましくは、四塩化チタンが用いられる。
【0015】
本発明によるシリカ含有含水酸化チタンの製造方法によれば、シリカ材料の存在下に、ハロゲン化チタン水溶液を所定の温度に加熱し、そのpHが一定の範囲にあるように、これにアルカリ性物質を加えて、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解しながら、その間、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成したハロゲン化水素を上記アルカリ性物質にて中和し、反応混合物中のハロゲン化水素の濃度の上昇を抑制することによって、上記ハロゲン化チタンの中和反応に優先して、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解反応を起こさせ、かくして、アナターゼ型結晶形のシリカ含有含水酸化チタンを得ることができる。
【0016】
本発明によれば、このようにして得られるシリカ含有含水酸化チタンを焼成することによって、焼成時の比表面積の低下や結晶形の転移を抑制して、前述したように、高比表面積と適度の細孔容積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得ることができる。
以下、ハロゲン化チタンとして四塩化チタンを用いる場合を例にとって本発明の方法を詳細に説明する。
【0017】
一般に、四塩化チタンをその水溶液中、熱加水分解させるとき、その水溶液中の塩化水素の濃度が低い条件下ではアナターゼ型の含水酸化チタンが生成するが、塩化水素の濃度が高い条件下ではルチル型の酸化チタンが生成することが知られている。
【0018】
本発明の方法によれば、シリカ材料の存在下に下記式(1)に示すように、四塩化チタン水溶液のpHを調節して、四塩化チタンを熱加水分解しつつ、その際に生成する塩化水素をアルカリ性物質で中和して、反応混合物中の塩化水素の濃度の上昇を抑制することによって、シリカ含有含水酸化チタンの沈殿物を得、この沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することによって、高比表面積を有するシリカ含有含水酸化チタンを得ることができる。
【0019】
TiCl4+3H2O → TiO(OH)2+4HCl … (1)
【0020】
本発明者らの知見によれば、用いる四塩化チタン水溶液の濃度にもよるが、四塩化チタン水溶液にシリカ材料を加え、かくして得られる四塩化チタンとシリカ材料を含む混合水溶液を加熱して、これにアルカリ性物質を時間をかけて加えていくとき、四塩化チタンの熱加水分解反応は、上記混合水溶液のpHが1.0に達するまでに実質的に終了する。
【0021】
また、一般に、四塩化チタンの熱加水分解反応は、中和剤による四塩化チタンの中和反応よりも反応速度が遅いので、四塩化チタン水溶液を加熱して、四塩化チタンを熱加水分解するときに、四塩化チタン水溶液を適当な温度、例えば、70℃に加熱した後、この四塩化チタン水溶液へのアルカリ性物質の添加速度が速すぎるときは、四塩化チタンの熱加水分解が十分に進行する前に、水溶液のpHが2以上となる結果、例えば、上記アルカリ性物質としてアンモニア水を用いた場合、下記式(2)に示す四塩化チタンの中和反応が起こって、無定形水酸化チタンが生成するので、含水酸化チタンを得ることができない。
【0022】
TiCl4+4NH4OH → Ti(OH)4+4NH4Cl … (2)
【0023】
一方、四塩化チタン水溶液を適当な温度、例えば、70℃に加熱した後、この四塩化チタン水溶液へのアルカリ性物質の添加が遅すぎるときは、四塩化チタンの熱加水分解によって生成した塩化水素の濃度が高くなって、ルチル型酸化チタンが生成する。
【0024】
そこで、本発明によれば、前記シリカ材料の存在下に四塩化チタン水溶液を熱加水分解に必要な温度に加熱し、この水溶液のpHが1.0以下にあるように四塩化チタン水溶液にアルカリ性物質を適宜の時間をかけて加えて、四塩化チタンを熱加水分解させると共に、四塩化チタンの熱加水分解によって生成する塩化水素を中和して、反応混合物中の塩化水素の濃度の上昇を抑制することによって、沈殿物としてシリカ含有含水酸化チタンを選択的に生成させることができる。
【0025】
この後、即ち、反応混合物のpHが1.0を越えたとき、その反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、好ましくは、反応混合物のpHを7とし、更に好ましくは、反応混合物を熟成した後、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することによって、高比表面積を有するシリカ含有含水酸化チタンを得ることができる。
【0026】
四塩化チタンの熱加水分解反応が実質的に終了するまでの四塩化チタン水溶液へのアルカリ性物質の添加時間は、反応のスケールにもよるので、一概に定めることはできないが、通常、0.5〜5時間の範囲であり、好ましくは、1〜3時間の範囲である。
【0027】
硫酸チタニルを原料として用いて、これを水溶液中、熱加水分解することによっても、同様に、含水酸化チタンを得ることができるが、このような硫酸チタニルの熱加水分解によって得られる含水酸化チタンを焼成して得られる酸化チタンは、四塩化チタンの熱加水分解によって得られる含水酸化チタンを焼成して得られる酸化チタンに比較して、比表面積や細孔容積が低いので、触媒や触媒担体として用いるには適さない。
【0028】
本発明において、四塩化チタンを熱加水分解させるに必要なその水溶液の加熱温度は、通常、常圧下において、60〜95℃の範囲であり、好ましくは、70〜90℃の範囲である。四塩化チタン水溶液の加熱温度が60℃よりも低いときは、四塩化チタンの熱加水分解は起こらず、例えば、アルカリ性物質としてアンモニア水を用いた場合、前記式(2)に従って、四塩化チタンの中和反応が起こり、無定形のシリカ含有水酸化チタンが生成する。
【0029】
このように、シリカ材料の存在下に四塩化チタンをアルカリ性物質にて中和して得られるシリカ含有水酸化チタンは無定形である。このようなシリカ含有無定形水酸化チタンは、これを焼成することによって、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを与えるが、その比表面積は小さく、また、細孔容積も小さく、従って、そのようなシリカ含有アナターゼ型酸化チタンは触媒や触媒担体として用いるには適さない。
【0030】
本発明において用いる四塩化チタン水溶液は、その濃度において、特に限定されるものではない。また、本発明によれば、シリカ材料の存在下に四塩化チタン水溶液の熱加水分解反応を行う際、シリカ材料と四塩化チタンを含む混合水溶液の四塩化チタン濃度は適宜に調整して反応を行うことができる。混合水溶液中の四塩化チタン濃度が余りにも高すぎるときは、熱加水分解反応の生成物としてシリカ含有含水酸化チタンの沈殿物が生成するにつれて、反応混合物の粘度が過度に高くなって、反応混合物の攪拌が困難になる。他方、混合水溶液中の四塩化チタン濃度が余りに低すぎるときは、生産性が悪く、実用性に乏しい。通常、本発明においては、混合水溶液中の四塩化チタン濃度は、チタンとして0.05〜1.0モル/Lの範囲にて熱加水分解反応を行うことが望ましい。
【0031】
本発明においては、シリカ含有含水酸化チタンを得るためのシリカ材料として、微粒子シリカとコロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種が用いられる。微粒子シリカは、ホワイトカーボンとしても知られており、比表面積が非常に大きい点に一つの特徴を有する。微粒子シリカは、湿式法、乾式法いずれの方法によって製造されたものでもよいが、なかでも、一次粒子径が50nm以下、比表面積が100〜300m2/gの範囲にあるものが好ましく用いられる。コロイダルシリカはシリカゾルとも呼ばれており、これは無水ケイ酸の微粒子を分散媒である水に分散させたコロイド水溶液であり、本発明においては、コロイド粒子径50nm以下のもの、特に、10nm以下のものが好ましく用いられる。
【0032】
本発明の方法によれば、上述したシリカ材料に対して、ハロゲン化チタンは、TiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて用いられ、好ましくは、90/10〜65/35の範囲にて用いられる。シリカ材料に対する四塩化チタンの重量比TiO2/SiO2 重量比が90/10よりも大きいときは、得られる熱加水分解物に含まれるシリカ量が少なすぎて、そのような熱加水分解物、即ち、含水酸化チタンは、これを焼成するとき、比表面積の低下や結晶形の転移を抑制するシリカに基づく効果が小さく、従って、そのような含水酸化チタンを焼成しても、高比表面積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得ることができない。しかし、反対に、シリカ材料に対する四塩化チタン重量比TiO2/SiO2 重量比が50/50よりも小さいときは、得られる熱加水分解物に含まれるシリカの量が多すぎる結果、そのような熱加水分解物を焼成しても、本来の酸化チタンとしての特性を保持しつつ、シリカを含有するアナターゼ型酸化チタンを得ることが困難である。
【0033】
更に、本発明によれば、前述したように、四塩化チタンの熱加水分解反応の終了後、得られた反応混合物に、そのpHが3〜7の範囲に達するまで、好ましくは、そのpHが7に達するまで、アルカリ性物質を加えた後、反応混合物をその温度に保持したまま、ある程度の時間にわたって熟成することが好ましい。この熟成時間も、反応のスケールにもよるので、一概に定めることはできないが、通常、0.5時間から数時間の範囲であり、好ましくは、1〜3時間の範囲である。
【0034】
このように、本発明によれば、四塩化チタンの熱加水分解反応の後、好ましくは、熟成して、シリカ含有含水酸化チタンを得、このシリカ含有含水酸化チタンを焼成することによって、高比表面積と適度の細孔容積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得ることができる。
【0035】
本発明においては、前述したように、四塩化チタン水溶液を加熱して、四塩化チタンを熱加水分解し、その間、生成する塩化水素を中和剤としてのアルカリ性物質で中和し、かくして、反応混合物中の塩化水素の濃度の上昇を抑制することによって、四塩化チタンの熱加水分解反応生成物として選択的にシリカ含有含水酸化チタンを沈殿物として得る。
【0036】
上記中和剤としてのアルカリ性物質としては、通常、アンモニア、炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が用いられるが、これらのなかでは、過剰に用いた場合に、ハロゲン化チタンの熱加水分解物中に残留しても、得られるシリカ含有含水酸化チタンの焼成時に揮散し得るアルカリ性物質であるアンモニアや炭酸アンモニウムが特に好ましく用いられる。このようなアルカリ性物質は、通常、四塩化チタン水溶液に水溶液として加えられるが、溶媒が水/アルコール混合溶媒である溶液やアルコール溶液として四塩化チタン水溶液に水溶液として加えられてもよい。
【0037】
本発明によれば、このように、シリカ材料の存在下に四塩化チタンを熱加水分解して得られたシリカ含有含水酸化チタンの沈殿物を濾過し、洗浄し、乾燥し、これを焼成することによって、高比表面積と適当な細孔容積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得ることができる。
【0038】
本発明の方法において、シリカ含有含水酸化チタンを焼成する温度は、特に限定されるものではないが、通常、300℃以上であり、好ましくは、500〜900℃の範囲の温度である。
【0039】
特に、本発明によって得られるシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを触媒又は触媒担体として用いる場合には、シリカ含有含水酸化チタンの焼成温度は、触媒又は触媒担体としてそれぞれ用いられる温度よりも高い温度であることが好ましい。このように、シリカ含有含水酸化チタンを触媒又は触媒担体として用いられる温度よりも高い温度で予め焼成することによって、得られる酸化チタンが触媒又は触媒担体として用いられたときの比表面積の低下による触媒の活性低下を防ぐことができる。
【0040】
このようにして、本発明の方法によって得られるシリカ含有含水酸化チタンを焼成して得られるシリカ含有アナターゼ型酸化チタンは、高比表面積を有するうえに、適度の細孔容積を有するので、触媒や触媒担体、例えば、高い耐熱性が求められる自動車や工業プラント等の排ガス浄化用触媒の触媒担体のほか、電子材料、焼成器具、摺動部材、研磨用部材等の耐熱性組成物の充填剤としても、好適に用いることができる。
【実施例】
【0041】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0042】
結晶形の同定
実施例及び比較例で得られた含水酸化チタンとこれを焼成して得られた酸化チタンの結晶形は(株)リガク製X線回折装置RINT−TTRIII を用い、粉末X線回折によって同定した。
【0043】
細孔容積及びBET比表面積
実施例及び比較例で得られた酸化チタンの細孔容積及びBET比表面積は日本ベル(株)製自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP−mini II を用いて測定した。
【0044】
実施例1
四塩化チタン水溶液(Tiとして16.2重量%)160gにTiO2/SiO2 重量比が85/15となるように、コロイダルシリカ水溶液(日産化学工業(株)製、SiO2量10重量%、平均粒子径4〜6nm(カタログ値))76gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液のTi濃度は0.54モル/Lであった。
【0045】
上記四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、70℃に加熱した。この水溶液を70℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、その水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を2.5時間にわたって加えて、四塩化チタンを熱加水分解させた。この後、得られた反応混合物に28%アンモニア水を更に10分間にわたって加えて、反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で130gであった。
【0046】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を70℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。このシリカ含有含水酸化チタンのX線回折図(XRD)を図1に示す。
このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。このシリカ含有アナターゼ型酸化チタンのX線回折図(XRD)を図1に示す。
【0047】
実施例2
実施例1において、四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を90℃に加熱し、この温度に保った以外は、実施例1と同様にして、シリカ含有含水酸化チタンを得、このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。
【0048】
実施例3
実施例1で用いたと同じ四塩化チタン水溶液160gにTiO2/SiO2 重量比が85/15となるように、微粒子シリカ粉末(比表面積202m2/g)7.6gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた微粒子シリカ粉末を含む四塩化チタン水溶液のTi濃度は0.54モル/Lであった。
【0049】
上記微粒子シリカを含む四塩化チタン水溶液を攪拌しながら、70℃に加熱した。この水溶液を70℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を2.5時間にわたって加えて、四塩化チタンを熱加水分解させた。この後、得られた反応混合物に28%アンモニア水を更に10分間にわたって加えて、反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で150gであった。
【0050】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を70℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。
【0051】
実施例4
実施例1で用いたのと同じ四塩化チタン水溶液125gにTiO2/SiO2 重量比が70/30となるように、実施例1で用いたのと同じコロイダルシリカ水溶液148gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液のTi濃度は0.42モル/Lであった。
【0052】
上記四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、70℃に加熱した。この水溶液を70℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を2.5時間にわたって加えて、四塩化チタンを熱加水分解させた。この後、得られた反応混合物に28%アンモニア水を更に10分間にわたって加えて、反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で106gであった。
【0053】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を70℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。
【0054】
実施例5
実施例1で用いたのと同じ四塩化チタン水溶液90gにTiO2/SiO2 重量比が50/50となるように、実施例1で用いたのと同じコロイダルシリカ水溶液250gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液のTi濃度は0.30モル/Lであった。
【0055】
上記四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、70℃に加熱した。この水溶液を70℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を2.0時間にわたって加えて、四塩化チタンを熱加水分解させた。この後、得られた反応混合物に28%アンモニア水を更に10分間にわたって加えて、反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で78gであった。
【0056】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を70℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。
【0057】
比較例1
実施例1において、四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、50℃に加熱した。この水溶液を50℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を2.5時間にわたって加え、この後、得られた反応混合物に28%アンモニア水を10分間にわたって加えて、上記反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で130gであった。
【0058】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を50℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有無定形水酸化チタンを得た。この無定形水酸化チタンのX線回折図(XRD)を図2に示す。
【0059】
このシリカ含有無定形水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。このシリカ含有アナターゼ型酸化チタンのX線回折図(XRD)を図2に示す。
【0060】
比較例2
実施例1で用いたと同じ四塩化チタン水溶液180gにTiO2/SiO2 重量比が95/5となるように、実施例1で用いたと同じコロイダルシリカ水溶液25.7gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液のTi濃度は0.61モル/Lであった。
【0061】
上記四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、70℃に加熱した。この水溶液を70℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を2.5時間にわたって加えて、四塩化チタンを熱加水分解させた。この後、得られた反応混合物に、28%アンモニア水を10分間にわたって加えて、上記反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で125gであった。
【0062】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を70℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有酸化チタンを得た。このシリカ含有酸化チタンは、結晶形がアナターゼ型とルチル型の混合した酸化チタンであった。
【0063】
比較例3
実施例1で用いたと同じ四塩化チタン水溶液160gにTiO2/SiO2 重量比が85/15となるように、実施例1で用いたと同じコロイダルシリカ水溶液76gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液のTi濃度は0.54モル/Lであった。
【0064】
上記四塩化チタン−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、90℃に加熱した。この水溶液を90℃に保ちながら、これにアンモニア水を加えることなく、5時間保持して、熱加水分解した後、生成した沈殿物を濾過し、洗浄し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。このシリカ含有含水酸化チタンのX線回折図(XRD)を図3に示す。
【0065】
このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有酸化チタンを得た。このシリカ含有酸化チタンは、そのX線回折図(XRD)を図3に示すように、結晶形がアナターゼ型とルチル型の混合した酸化チタンであった。
【0066】
比較例4
硫酸チタニル水溶液(TiO2 量81.6g/L)500mLにTiO2/SiO2 重量比が85/15となるように、実施例1で用いたと同じコロイダルシリカ水溶液72gを加え、更に、イオン交換水を加えて、全量を1.0Lとした。このようにして得られた硫酸チタニル−コロイダルシリカ混合水溶液のTi濃度は0.51モル/Lであった。
【0067】
上記硫酸チタニル−コロイダルシリカ混合水溶液を攪拌しながら、70℃に加熱した。この水溶液を70℃に保ち、pHメータにてその水溶液のpHをモニタしながら、pHが1.0以下にあるように、水溶液に定量ポンプを用いて、28%アンモニア水を3時間にわたって加えて、硫酸チタニルを熱加水分解させた。この後、得られた反応混合物に28%アンモニア水を更に15分間にわたって加えて、反応混合物のpHを7とした。このようにして加えたアンモニア水は全量で330gであった。
【0068】
アンモニア水の添加を終了した後、得られた反応混合物を70℃に1時間保持して、熟成した後、生成した沈殿物を濾過し、水洗し、120℃で乾燥して、シリカ含有含水酸化チタンを得た。
【0069】
このシリカ含有含水酸化チタンを粉砕した後、800℃で5時間焼成して、シリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得た。
【0070】
上記実施例及び比較例において得られたそれぞれのシリカ含有含水酸化チタン又は無定形水酸化チタンの比表面積と結晶形、更に、上記シリカ含有含水酸化チタン又は無定形水酸化チタンを焼成して得られたシリカ含有酸化チタンの比表面積と細孔容積と結晶形を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
表1に示すように、実施例1〜5によれば、四塩化チタンの熱加水分解によって、高比表面積を有するシリカ含有含水酸化チタンを得ることができる。詳しくは、本発明によるシリカ含有含水酸化チタンは、実施例1及び2に示されているように、800℃で焼成した後においても、高比表面積を有すると共に、実施例1〜5に示されているように、適度の細孔容積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを与える。
【0073】
これに対して、比較例1によれば、反応温度が低いために、四塩化チタンの熱加水分解ではなく、中和反応が起こり、その結果、無定形のシリカ含有水酸化チタンが反応生成物として得られる。このシリカ含有無定形水酸化チタンを焼成すれば、シリカ含有含水酸化チタンを得ることができるが、その比表面積は小さい。
【0074】
比較例2によれば、四塩化チタンの熱加水分解によってシリカ含有含水酸化チタンが得られるが、しかし、四塩化チタンの熱加水分解の際のTiO2/SiO2 重量比が高すぎるので、これを焼成して得られる酸化チタンは、結晶形がアナターゼ型とルチル型の混合した低比表面積のシリカ含有酸化チタンである。
【0075】
比較例3によれば、アンモニア水の不存在下に四塩化チタンを熱加水分解すると、シリカ含有含水酸化チタンが得られる。しかし、これを焼成して得られる酸化チタンは、結晶形がアナターゼ型とルチル型の混合した低比表面積のシリカ含有酸化チタンである。
【0076】
比較例4によれば、チタン原料として、四塩化チタンでなく、硫酸チタニルを用いたものであり、シリカ含有含水酸化チタンが得られるが、これを焼成しても、高比表面積を有するシリカ含有アナターゼ型酸化チタンを得ることができない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60〜95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することを含むシリカ含有含水酸化チタンの製造方法。
【請求項2】
ハロゲン化チタンが四塩化チタンである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルカリ性物質がアンモニアである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO2/SiO2 重量比で90/10〜50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60〜95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3〜7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥し、次いで、このようにして得られたシリカ含有含水酸化チタンを焼成することを含むシリカ含有アナターゼ型酸化チタンの製造方法。
【請求項5】
ハロゲン化チタンが四塩化チタンである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アルカリ性物質がアンモニアである請求項4に記載の方法。
【請求項7】
シリカ含有含水酸化チタンを500〜900℃の範囲の温度で焼成する請求項4に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−144399(P2012−144399A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4984(P2011−4984)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000174541)堺化学工業株式会社 (96)
【Fターム(参考)】