説明

シリコーン分散体

【課題】非水性シリコーンエマルジョンを提供する。これは、分散したオルガノポリシロキサンの液滴を含む極性有機液体の連続相を備える。40〜100℃の融点を有し、25℃で極性有機液体に難溶である有機ワックスを極性有機液体中のオルガノポリシロキサン液滴をエマルジョンが安定化する相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中に分散させる。エマルジョンの製造方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリコーン分散体に関するものである。特に、本発明はオルガノポリシロキサンが実質的に不溶な極性有機液体中のオルガノポリシロキサンの非水性エマルジョンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコーンを多くの製品に用いて、該製品をシリコーンの利点で増強する。そのように組成物に利益をもたらすシリコーンは「活性シリコーン」と呼ばれる。例えば、シリコーン(オルガノポリシロキサン)を多くの洗浄製品に用いて泡形成を制御する。シリコーンはまた、すすぎサイクルの織物柔軟剤のような洗濯用製品に用いて衣類に柔らかい肌触りを与える。シリコーンは、多くのヘアシャンプーおよび他のヘアケア製品にも存在して髪の光沢および健康的な外観を増強し、またシャワー用ジェルのようなスキンケア製品にも存在して皮膚の手触りを向上させる。
【0003】
活性シリコーンは、連続水相中に分散したシリコーン油滴を含むシリコーン水中油型エマルジョンとしてしばしば形成される。シリコーン水中油エマルジョンは、該エマルジョンを安定化、すなわちシリコーン油滴が連続油相へ融合するのを防止するために添加剤を必要とする。使用する添加剤は界面活性剤、すなわち2004年3月31日の648/2004EC指令の1条6項に規定されるような疎水性部分および親水性部分を含む両親媒性分子である。界面活性剤は一般に非重合体であり、またアニオン、カチオン、非イオンまたは両性イオンであってもよい。シリコーン水中油エマルジョンに適した界面活性剤は例えばWO−02/42360−A2などの多くの公開特許において開示されている。
【0004】
しかしながら、界面活性剤はいくつかの用途、例えば、界面活性剤の処方の自由および選択が法により厳しく制限されている特定の食品、パーソナルケア製品およびコスメティック製品において容認されていない。よって、界面活性剤の無い配合物を開発し、かつ純シリコーンを混合するよりも一層容易に食品、パーソナルケア製品およびコスメティック製品に混合することのできる安定なシリコーン分散体を開発する必要がある。
【0005】
米国特許第6656975号は、25℃で固体である有機包封材料内にカプセル化されたシリコーン活性物質の粒子を基本的に必要とする極性有機液体の連続相を有するシリコーン組成物を開示する。カプセル化はエマルジョンの層状コア/シェル構造か、またはマトリックスカプセル化のいずれかによる。シリコーン活性物質は25℃で極性有機液体に難溶であるが、40から100℃までの温度で極性有機液体中に実質的に溶解する。有機包封物質、シリコーン消泡剤および極性有機液体間の3相接触角は、シリコーンで測った角度で130°未満である。組成物の作製用に記載された方法は、シリコーンをカプセル化するのを確実にするために熱処理を必要とする。しかしながら、これは、加熱によって影響されないシリコーンへの製品の使用を制限する。シリコーン油を完全にカプセル化することを確実にする界面活性剤と、さらにシリコンベースの架橋物質、通常食品関連製品での使用に適していない主成分としてのシリコーン樹脂とが存在する必要がある。よって、米国特許第6656975号の製品は多くの食品、パーソナルケア製品およびコスメティック製品に利用することができない。
【発明の概要】
【0006】
本発明に係る非水性シリコーンエマルジョンは、分散したオルガノポリシロキサンの液滴を有する極性有機液体の連続相を備えるもので、40〜100℃の範囲の融点を有し、25℃で極性有機液体に難溶である有機ワックスを極性有機液体中のオルガノポリシロキサン液滴をエマルジョンでが安定化する相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中に分散させることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る非水性シリコーンエマルジョンの製造方法は、
(i)有機ワックス粒子の極性有機液体中の分散体を調製して、前記ワックスを相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中に分散させるステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンを前記分散体と、オルガノポリシロキサン液滴の平均径が0.5mm未満とするに十分なせん断下で混合するステップとを備える。
【0008】
本発明に係る非水性シリコーンエマルジョンは、下記のステップにより得ることができる:
(i)有機ワックス粒子の極性有機液体中の分散体を調製して、前記ワックスを相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中に分散させるステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンを前記分散体と、オルガノポリシロキサン液滴の平均径が0.5mm未満とするに十分なせん断下で混合するステップ。
【0009】
本発明に係るシリコーン活性物質の組成物からの制御放出用の方法においては、オルガノポリシロキサンのようなシリコーン活性物質を上述したような非水性シリコーンエマルジョンに混和し、該非水性シリコーンエマルジョンを組成物に加え、ワックスが極性有機液体連続相に可溶である温度に組成物を加熱することによりシリコーン活性物質を放出する。あるいはまた、シリコーン活性物質は組成物をせん断してエマルジョンを不安定化することにより放出される。
【0010】
非水性シリコーンエマルジョンを含む誘発可能な制御放出組成物は下記のステップにより得ることができる:
(i)相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中にワックスが分散した極性有機液体中の有機ワックス粒子の分散体を調製するステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンをオルガノポリシロキサン液滴平均サイズが0.5mmより小さい程十分にせん断した前記分散体に混合するステップ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
シリコーン相は、一般に流体オルガノポリシロキサン組成物を含む。流体オルガノポリシロキサン組成物は、例えば、25℃で測定して1から1,000,000mm/sの範囲のバルク粘度を有する。流体オルガノポリシロキサンは、例えば、ほぼ直鎖のポリオルガノシロキサンとすることができるが、分岐鎖および/または環状ポリシロキサンもまた乳化し得る。直鎖ポリオルガノシロキサン流体は、一般式RSiO(4−a)/2で表わすことができ、式中のRは同じまたは異なる1〜10個の炭素原子を有する一価炭化水素またはハロゲン化炭化水素基であり、1.9〜2.2の値を有する。基Rの特定例としては、メチル基、ヒドロキシル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、トリフルオロプロピル基、フェニル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基およびビニル基が挙げられる。ポリオルガノシロキサン流体は25℃で20〜10,000mm/sの粘度を有するのが好ましい。ポリオルガノシロキサンは、25℃で350〜1500mm/sの粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)であるのが特に好ましい。あるいは、ポリオルガノシロキサンはを置換、分岐または架橋してもよい。分岐は、シロキサン鎖に例えばZが炭化水素基、水酸基または炭化水素オキシ基である式ZSiO3/2の三官能シロキサン単位のいくつかの存在によってもたらすことができる。
【0012】
オルガノポリシロキサン流体は非反応性流体、例えばトリメチルシロキシ単位で終端した直鎖ポリジメチルシロキサンか、または反応性基を有するオルガノポリシロキサン流体とすることができる。シリコーンは、通常シリコーンの有利な効果を組成物へ与える用に意図したシリコーン活性物質である。例えば、ポリジメチルシロキサンが泡形成を阻害するのに有用な添加剤である。
【0013】
シリコーン相は、最終製品においてその性能を向上させる添加剤を含むことができる。例えば、消泡剤はしばしば、疎水性充填剤の1種または複数のポリシロキサン流体中の分散体である。かかる消泡剤において、疎水性充填剤は、BETによって測定して少なくとも50m/gの表面積を有するシリカ粒子、例えばヒュームドシリカ、沈降シリカおよびゲル生成シリカであるのが好ましい。ヒュームドTiO、Al、酸化亜鉛または酸化マグネシウムは代替充填剤である。充填剤の平均粒径は、好ましくは0.1から20μm、より好ましくは0.5から5μmである。充填剤の表面は、反応性シランまたはシロキサンのような処理剤、例えばジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヒドロキシル末端ブロックまたはメチル末端ブロックポリジメチルシロキサン、シロキサン樹脂、脂肪酸またはこれらの1つ以上の混合物での処理により疎水性になる。かかる化合物ですでに処理された充填剤は、例えばDegussa社からSipemat(商標)で市販されている。充填剤の表面は、該充填剤のオルガノポリシロキサン流体への添加前後に疎水性にすることができる。
【0014】
シリコーン油相は、2つ以上のオルガノポリシロキサンの混合物とすることができる。例えば、シリコーン相は、固体オルガノポリシロキサンゴム若しくは樹脂、または粘性の高いオルガノポリシロキサンゴムの低粘度オルガノポリシロキサン流体の溶液とすることができる。オルガノポリシロキサンゴムは、例えば25℃で約100Pa・s以上または約10000Pa・s以上の粘度を有してもよい。低粘度のオルガノポリシロキサン流体は、例えば25℃で1〜100センチストーク(mm/s)の範囲の粘度を有してもよい。低粘度オルガノポリシロキサン流体は、デカメチルシクロペンタシロキサンのような環状ポリジオルガノシロキサンおよび/またはトリメチルシロキシ単位で終端した直鎖ポリジメチルシロキサンのような直鎖ポリジオルガノシロキサンであってもよい。
【0015】
反応性オルガノポリシロキサン流体は、例えばヒドロキシル基(Si−OHまたはアルコール基)、アミノ基、ビニル基またはSi−H基などの反応性基を含有することができる。オルガノポリシロキサン流体は、例えばシラノール末端ポリジメチルシロキサンとすることができる。反応性オルガノポリシロキサン流体を非反応性オルガノポリシロキサン流体と混合してもよい。
【0016】
シリコーン相は、一般にエマルジョンの少なくとも3容積%で存在し、通常少なくとも5%、好ましくは少なくとも8%で存在してシリコーンエマルジョンの効率的な分布を可能にする。シリコーン相はエマルジョンの最大25容積%を形成することができるが、15または20%未満のシリコーン濃度が位相反転のリスクなく一層容易に混合することができるので好ましい。より良好な乳化が、すべての成分をまず混合容器中に一緒に注入し、続いて混合物を攪拌した場合に達成される。シリコーン活性分若しくは有機相または両方を段階的に添加すると、一般に大きい粒径で不安定なエマルジョンになるか、または乳化の失敗をもたらす。
【0017】
用語「有機」は、原子の最長鎖が少なくとも50%炭素原子からなる化合物またはポリマーを意味する。極性有機液体は、ポリジメチルシロキサンよりもより有極性の有機液体である。適当な極性有機液体の例は、骨格に酸素原子を含有する合成ポリマーおよび植物油である。極性有機液体は、1つ以上の植物油の混合物、若しくは1つ以上の合成ポリマーの混合物、または1つ以上の植物油と1つ以上の有機ポリマーとの混合物でもよい。
【0018】
好適な極性有機液体連続相の1つのタイプはポリエーテルを含む。これは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ランダムまたはブロックのいずれかのタイプのポリオキシエチレン(EO)ポリオキシプロピレン(PO)共重合体、およびその任意のものとグリセロール、ソルビトールまたはペンタエリスリトールのようなポリオールとの縮合物からなる群から選択することができる。好適なポリエーテルは、100から10,000までの分子量を有する。好適なポリエーテルは、約50重量%以上のPOを含有するEO/PO共重合体、例えばEO/PO/EOブロック共重合体である。このようなブロック共重合体は、BASF社のPluronic(商標)またはDow Chemical社のVoranol(商標)で市販されている。
【0019】
或いはまた、極性有機液体はナタネ油、ひまわり油、大豆油またはコーン油のような植物油を含むことができる。かかる油は20℃以下の融点および少なくとも工業品質等級の純度を有するのが好ましい。植物油の極性有機液体連続相としての使用は、食品関連の使用においてより広く容認され得る。
【0020】
極性有機液体連続相は、互いに混和性である場合ポリエーテルと植物油との混合物をふくむことができる。PO含量の高いポリエーテルは、広い混和性制限内で上述した植物油と混和性である。
【0021】
極性有機液体連続相は、低分子量ポリグリコール、プロピレングリコールまたはエチレングリコールのようなグリコールまたはアルコールを含むことができる。これら低分子量極性有機液体は希釈剤または粘度調節剤として作用し、例えば最高60容積%、好適には最高40%、例えば1〜20%で使用することができる。石油蒸留物のような極性の低い有機液体は、連続相において混和性または可溶性であれば、希釈剤/粘度調節剤として使用することもできる。
【0022】
有機ワックスは、25℃で極性有機液体に難溶性の固形物質である。有機ワックスは、25℃で極性有機液体に通常50g/L以下、好適には10g/L以下の溶解度を有し、また好適には40〜100℃の融点を有する。有機ワックスは、その融点以上の温度および40〜100℃で極性有機液体に実質的に溶解するのが好ましい。固形有機ワックスは結晶性であることが最も好ましい。
【0023】
シリコーン活性物質の所望の緩徐な放出のためには、固体有機ネットワーク形成物質が本発明のシリコーンエマルジョンに使用すべき媒体に適度な溶解性若しくは難溶解性またはゆっくりと溶解するのが好ましい。好適には、有機ワックスを極性有機液体連続相内でシリコーン活性物質により少なくとも適度に可溶性とすべきである。
【0024】
適当な有機ワックスの例は脂肪酸トリグリセリドを含む。好適なトリグリセリドは、Croda社より「Crestaflex」(商標)および「Crestaflake262」(商標)で市販されている。
【0025】
非水性シリコーンエマルジョンに存在するワックスの量は、通常少なくとも0.3重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%であり、また最大15または20%とすることができる。非水性エマルジョンの1〜10重量%のワックス濃度が好適である。
【0026】
本発明の方法において、有機ワックス粒子の極性有機液体中の分散体を調製する。ワックスを相互接続した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相に分散する。かかる分散体は様々な方法で調製することができる。次いで、液体オルガノポリシロキサンを、平均オルガノポリシロキサン液滴サイズが0.5mm未満であるように十分なせん断下で前記分散体へ混合する。
【0027】
相互に接続した粒子のネットワークとしてのワックスの極性有機液体連続相中の分散体は、例えばワックスを極性有機液体に分散し、透明溶液が得られるまで加熱することにより形成することができる。1つの好適な手段においては、溶液を次に速やかに冷却して、極性有機液体中に小さいワックス結晶の形成をもたらす。結晶形成を増やせば、結晶が最終的に巨視的構造に結合する。ワックス沈殿物は、液体油を捕捉して有機ジェルを効果的に形成するランダムな「砂状の楼閣」構造に該当しうる積層ラメラ結晶の形態であってもよい。極性有機液体連続相中の相互連結したワックス粒子のネットワークの懸濁液は、弾性固体の性質を示す:粘性から弾性固体への転移をしばしばゲル化と称する。結晶化工程は相当な降伏応力および弾性を有する物質のせん断薄肉化をもたらす。これら物性は、それぞれ流動および振動の応力歪みレオメーターを使用して測定することができる。また、マイクロ写真撮影法によって相互連結したワックス粒子のネットワークを見ることもできる。
【0028】
極性有機液体中のワックス溶液の冷却は、該溶液をワックスの融点以下の温度まで冷却するに十分なものとすべきである。1つの簡便な冷却方法は、冷たい極性有機溶液を加えることによる急冷である。
【0029】
二番目に好ましい手段においては、結晶特性調節剤を有機ワックスと共に極性有機油に添加し、続いて透明な溶液が得られるまで加熱する。次いで、透明な溶液を攪拌下冷却する。1つの好ましいタイプの結晶特性調節剤は疎水性ケイ素物質である。結晶特性調節剤として作用し得る疎水性ケイ素物質の例は、式RSiO1/2の一価のトリヒドロカーボンシロキシ(M)基および4価の官能基(Q)SiO4/2または3価のヒドロカーボンシルセスキオキシ(T)RSiO3/2基を有する分岐鎖状シリコーン樹脂であり、式中のRは一価の炭化水素基、好ましくはメチル基である。好適なシリコーン樹脂はメチルMQ樹脂であり、この場合SiOに対する(CHSiO1/2のモル比が0.4:1から1.2:1である。シリコーン樹脂は固体樹脂であるのが好ましく、不溶性充填剤として存在するか、または極性有機液体に混和する必要がある適当な溶剤に完全にまたは部分的に可溶であればよい。分岐鎖シリコーン樹脂の使用量は、極性有機油に対し少なくとも0.5重量%、例えば0.5〜5%であるのが好ましい。
【0030】
分岐鎖シリコーン樹脂のような結晶特性調節剤の添加は、結晶サイズを変え、上述したような有機ゲルの作製によって見られる。急冷処理または結晶特性調節剤のいずれかの不在下では、大きなワックス結晶が得られる。ゲルは見られない。かかる大きなワックス結晶は相互接続した粒子のネットワークを形成せず、非水性シリコーンエマルジョンを安定化しない。
【0031】
液体オルガノポリシロキサンを、適度なせん断下で極性有機液体連続相中の相互連結した粒子ワックスの分散体に混合する。平均オルガノポリシロキサン液滴サイズを0.5mm未満まで現ずるに十分なせん断下で混合しながら、オルガノポリシロキサンをワックス分散体に加えるのが好ましい。混合中に加えるせん断は、分散体の温度をワックスの融点以上に上げるように高くすべきでない。簡単なプロペラミキサーは、高粘性のペーストを取り扱うように設計されたデンタルミキサーのように適度で適切なせん断を付与することを見出した。
【0032】
本発明の非水溶シリコーンエマルジョンは安定で、相分離を示さないのは、容器中の層の外観によって証明されるであろう。また、重力偏析を示さず、これは容器中の層の外観またはシリコーンの不均質な垂直分布によって証明される。エマルジョンは、分散相のサイズ分布において時間の経過による相当な変化を示さない。エマルジョンは、極性有機液体連続相で希釈した際に安定を保つ。例えば、3重量%の有機ワックスを含むエマルジョンは、極性有機液体で1%の最終ワックス濃度まで希釈した場合でも、凝集を示さない。
【0033】
本発明の非水性シリコーンエマルジョンは、界面活性剤が容認されない用途に活性シリコーンを導入するための効果的な製剤である。例えば、活性シリコーンは消泡剤とすることができる。本発明に係る消泡剤は、例えばポテトの皮むきおよび切断中に泡を抑制する食品加工中、および発酵中ならびに皿洗い中に用いることができる。
【0034】
活性シリコーンの最も効果的な使用には、制御放出、すなわち活性シリコーンの放出を使用中良いタイミングで誘発することを可能にする利点がある。本発明の非水性シリコーンエマルジョンでは、エマルジョン中のシリコーンをもはや安定化しないように物理的変化を有機ワックス中に引き起こすことによってこれを達成することができる。
【0035】
本発明のさらなる実施形態において、下記のステップにより得ることができる非水性シリコーンエマルジョンを含む誘発可能な制御放出組成物を提供する:
(i)相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続位相中にワックスが分散した極性有機液体中の有機ワックス粒子の分散体を調整するステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンをオルガノポリシロキサン液滴平均サイズが0.5mmより小さい程十分にせん断した前記分散体に混合するステップ。
【0036】
米国特許第6656975号に記載された組成物、特にこの中の実施例がほぼ室温で使用されるので、特に温度に関して誘発可能な制御放出を提供しないことが認められるであろう。
【0037】
液体オルガノポリシロキサンの放出が、
(a)組成物をワックスの融点以上の温度に加熱するか;または
(b)シリコーンを乳化するのに用いたステップ(ii)のせん断するよりも著しく大きなせん断を組成物に加えることのいずれかにより誘発可能となるのが好ましい。
【0038】
活性シリコーンの制御放出を誘発する1つの好ましい方法は、非水性シリコーンエマルジョンまたはそれを含む組成物をワックスの融点以上の温度に加熱することによる。ワックスはもはや粒子のネットワークとして存在しない。この方法は通常効果的であり、特にワックスがその融点以上の温度で極性有機液体連続相中に溶解する際に有効である。
【0039】
活性シリコーンの制御放出の誘発する他の好適な方法は、非水性シリコーンエマルジョンに高いせん断、特にシリコーンを乳化するのに用いたせん断よりも一層高い乱流せん断を加えることによる。かかる高いせん断は、相互に連結したワックス粒子のネットワークのせん断分裂を引き起こし、その結果エマルジョンを不安定化させる。上述したようにして得たエマルジョンに高速乱流せん断(例えば、IKA社のRotor−stator homogenizer Ultra Turraxによる1分間の攪拌)を加えることにより前記エマルジョンの破壊、従って活性分の放出をもたらすことを確かめた。よって、十分に高い乱流せん断は活性分放出のトリガーとなり得る。機械的および温度トリガー両方の同時適用もまた本発明の範囲内である。
【0040】
本発明を添付した図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】相互に連結した粒子のネットワークとしてのトリグリセリドワックスのポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体極性有機液体連続相中の分散体の顕微鏡写真である。
【図2】単純混合により調製した本発明に係るものでないポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体中の同一トリグリセリドワックスの顕微鏡写真である。
【図3】連続相としての図1の極性有機液体中のワックスの分散体における分散相としてのポリジメチルシロキサンの非水性エマルジョンの顕微鏡写真である。
【0042】
すべての写真は透過照明下で撮影し、試料を希釈して画像の明度を上げた。非希釈試料は、写真を過密状態にし、特徴が見えるままであるのがほとんどないので、図示に有用でない。しかしながら、ワックス粒子のネットワークは高濃度より希釈されたエマルジョン中で相互に連結しているものは少ない。
【0043】
図1におけるワックス粒子1は、極性有機液体連続相中で相互に連結した粒子のネットワークを形成るのを見ることができる。相互に連結したワックス粒子1のネットワークは図2でも見られ、この場合ポリジメチルシロキサンの液滴2をエマルジョン中で安定化する。
【実施例】
【0044】
これらの実施例は本発明を当業者に説明するためであり、請求項中に記載する発明の範囲を制限するものではない。すべての測定および実験は他に指定の無い限り23℃で行った。部およびパーセントは、他に指定の無い限り重量による。
【0045】
(調製物A)
100グラムのCrestaglake262(登録商標)ワックスを80℃でPluronic6100(商標)として市販されている200グラムのポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体に溶解した。UltraturraxT25(登録商標)ローター/ステーター混合器において13000rpmで30秒間の強い攪拌下で700グラムのPluronicを0℃で添加することにより混合物を速やかに冷却して、相互に連結したワックス粒子のネットワークのゲル様の分散体を形成した。
【0046】
調製物Aは、種々の変形周波数での貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”のレオロジー測定によって特徴づけられた。あるいは、これらはそれぞれ弾性率および可塑弾性率とも呼ばれ、応力歪みレオメーターの標準振動測定動作用のTA Instruments社のCarryMed Stress−strainレオメーターを用いて測定する。当業者は、これら測定をどのようにして行うか知っている。結果を下記の表1に示す。
【0047】
また、G’およびG”を温度掃引中に1Hzの固定発振周波数を用いて種々の温度で測定した。
【表1】

【0048】
ネットワークの形成は、G’が広い周波数範囲上でG”よりも非常に大きいという事実によって示される。
【0049】
種々の温度で得た結果は、G’が約50℃の交差点を有するより高温でG”よりも小さくなることを示す。G’/G”交差の存在は、より高温でワックス粒子のネットワークの崩壊をす。これは、ワックス分散体中のエマルジョンからシリコーン活性物を解放するのに温度を使用する可能性を示す。
【0050】
(調製物B)
100グラムのCrestaflake262(登録商標)ワックスを、200グラムの菜種油中に80℃で溶解した。調製物Aに記載したような激しい攪拌下で-15℃に冷した700グラムの菜種油を加えることにより混合物を速やかに冷却した。相互に連結したワックス粒子のネットワークのゲル様の分散体が形成された。
【0051】
(実施例1)
疎水性シリカのポリジメチルシロキサン分散体を含み、Dow Corning DC1500(商標)で市販されているシリコーン消泡剤を調整物Aに下記表2に示した割合で添加した。生成した組成物を、20000rpmで作動するDAC 400FVデンタルミキサーを用いて20秒間混合した。エマルジョンが可視相分離なしで形成された。
【0052】
(実施例2〜5)
調製物Aを、Pluronic6100(登録商標)のポリエーテルで表2に示した割合で希釈した。シリコーン消泡剤を希釈した調製物Aに加え、混合して実施例1に記載するようなエマルジョンを形成した。それぞれの場合において、エマルジョンを可視相分離なしで形成したが、実施例3のエマルジョンは若干クリーム状であった。
【表2】

【0053】
(実施例6)
25℃で1000cSt(mm/s)の粘度を有するDow Corning200(商標)流体でDow Corning社から入手し得るポリジメチルシロキサン(PDMS)は調製物Aに下記表3に示した割合で添加し、混合して実施例1に記載するようなエマルジョンを形成した。エマルジョンは可視相分離なしで形成した。
【0054】
(実施例7〜9)
調製物Aを、Pluronic6100(登録商標)のポリエーテルで表3に示した割合で希釈した。25℃で粘度1000cSt(mm/s)のDow Corning200(登録商標)の流体を希釈した調製物Aに加え、混合して実施例1に記載するようなエマルジョンを形成した。それぞれの場合において、エマルジョンが可視相分離なしで形成された。
【表3】

【0055】
(実施例10)
Dow CorningDC1500のシリコーン消泡剤を調製物Bに下記表4に示した割合で加えた。生成した組成物を、20000rpmで作動するDAC400FVミキサーを用いて20秒間混合した。エマルジョンが可視相分離なしで形成された。
【0056】
(実施例11〜13)
調製物Bを、菜種油で表4にした割合で希釈した。シリコーン消泡剤を希釈した調製物Bに加え、混合して、実施例10に記載するようなエマルジョンを形成した。それぞれの場合において、エマルジョンが可視相分離なしで形成された。
【表4】

【0057】
実施例1〜3、5および10〜13の各エマルジョンの粒子サイズを、コンピューターによる画像解析を用いて求めた。Pluronic6100(登録商標)において1%シリコーンまで希釈した処方物の顕微鏡写真を、標準Zaiss Axioplan顕微鏡を用いて透過照明下で撮影した。これら画像を、Visilog6.2ソフトウェアを用いて処理して、少なくとも400を数える液滴に基づくサイズ分布を再構築した。サイズ分布を、重量による平均粒径d(0.5)、および10番目に大きいパーセンタイル値d(0.1)および90番目に大きいパーセンタイル値d(0.9)の粒径にて下記表5に記録する。
【0058】
各エマルジョンの粒径を、こらようにして製造日およびその後約一年間のエマルジョンの貯蔵中に数回測定した。結果を下記の表5に記載する。測定の正確さは記載した値の約8〜10%である。
【表5−1】

【表5−2】

【0059】
表5から明らかなように、測定したエマルジョンの全てが時間がたってもほぼ安定、すなわち乳化したシリコーン液滴の粒径が時間が経過しても実質的に変化しなかった。
【0060】
(実施例14〜16)
調製物Aを、Pluronic6100(商標)のポリエーテルおよび菜種油の混合物で下記表6に示された割合で希釈した。シリコーン消泡剤を希釈した調製物Aに加え、混合して、実施例1に記載するようなエマルジョンを形成した。それぞれの場合において、エマルジョンが可視相分離なしで形成された。各エマルジョンの粒径を上述したように測定し、d(0.5)およびd(0.9)を表6に記録する。
【表6】

【0061】
泡立ち試験を、上記実施例にて調製したいくつかの非水性エマルジョンと、該エマルジョンを形成するのに用いた物質に対して実施した。この手順は次のとおりであった:100mlの界面活性剤溶液(蒸留水中に1重量%の直鎖アルキルスルホン酸塩)を機械的攪拌器に取り付けた250mlのボトルに注いだ。試験用の0.1mLの消泡剤を発泡媒体に添加した。ボトルを堅く閉め、引き続き4または5サイクル、60秒ずつ振動させた。攪拌器は400ストローク/分で最大振動振幅(10/18レベルの設定)を有するBurrell Wrist−Action Shakerであった。ボトルを攪拌器の軸から13.3cm(ボトルの中心から計測)離れて固定した。各攪拌サイクルの後、初期泡レベルを記録し、また溶液上の泡が50%の容積まで崩壊する時間(崩壊時間)も記録した。120秒後もまだ崩れていなければ、次のサイクルを行うか、または実験を終了した。ボトルのサイズが原因で、観察し得る泡の最大量は100mLである。結果を下記表7に示す。
【0062】
泡立ち試験を様々な温度で行った。高温度で行った試験では、発泡媒体の入ったボトルを発泡媒体の温度が所望の温度になるまでオーブン中に置いた。次いで、試験用の消泡剤を加え、実験を上述したように行った。いくつかの発泡媒体の冷却がかかる条件下で不可避であったので;下記に記載した温度は消泡剤の添加直前の温度である。
【0063】
試験した本発明に係る非水性シリコーン消泡剤エマルジョンは:
試験2: 1年間熟成した実施例1の100μLのエマルジョンを23℃で試験した;
試験3: 1年間熟成した実施例1の100μLのエマルジョンを75℃で試験した;
試験4: 実施例1の100μLの新鮮なエマルジョンを23℃で試験した;
試験5: 実施例1の100μLの新鮮なエマルジョンを40℃で試験した;
試験6: 実施例1の100μLの新鮮なエマルジョンを63℃で試験した;
試験7: 実施例1の100μLの新鮮なエマルジョンを75℃で試験した;
試験12: 実施例10の100μLの新鮮なエマルジョンを75℃で試験した;
試験13: 実施例12の100μLの新鮮なエマルジョンを75℃で試験した;
試験14: 実施例5の100μLの新鮮なエマルジョンを75℃で試験した。
【0064】
泡形成試験の比較のために用いた物質は:
試験1: 10μLのDow Corning DC1500シリコーン消泡剤を23℃で試験した;
試験8: 10μLのDow Corning DC1500シリコーン消泡剤と、80μLのPluronic600(商標)のポリエーテル極性有機液体とを一緒に50μLの水中で乳化し、75℃で試験した;
試験9: 10μLのDow Corning DC1500シリコーン消泡剤を50μLの水中で乳化し、75℃で試験した;
試験10: 80μLのPluronic600(商標)のポリエーテルを75℃で試験した;
試験11: 10μLのDow Corning DC1500シリコーン消泡剤と、80μLのPluronic600(商標)とを一緒に50μLの水中で乳化し、75℃で試験した。
【表7】

【0065】
泡立ち試験は、本発明に係る非水性シリコーン消泡剤および水性界面活性溶剤中の比較物質の消泡活性を評価する。従って、この消泡活性は、一つには水性層中のシリコーン相の放出の評価である。実施例1の非水性シリコーン消泡剤エマルジョンに対して行った試験、特に試験4〜7のセットは、シリコーン消泡剤の温度誘発放出の証拠を提供する。消泡剤が23℃で効果のないのは、非水性エマルジョンから水相に放出されないことを示す。泡の崩壊時間に対しいくらか効果があるが、40℃および63℃でさえ泡の容積が制御されない。75℃で泡の容積が制御され、また崩壊時間が短いのは、シリコーン泡消剤が水相に効果的に放出されたことを示す。同様の効果は試験2および3の間でも見られる。
【0066】
試験12〜14は、シリコーン消泡剤が75℃で実施例5、10および12の非水性エマルジョンから水相に効果的に放出されることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散したオルガノポリシロキサンの液滴を有する極性有機液体の連続相を備える非水性シリコーンエマルジョンで、40〜100℃の範囲の融点を有し、25℃で極性有機液体に難溶である有機ワックスを極性有機液体中のオルガノポリシロキサン液滴をエマルジョンでが安定化する相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中に分散させることを特徴とする非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項2】
(i)有機ワックス粒子の極性有機液体中の分散体を調製して、前記ワックスを相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続相中に分散させるステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンを前記分散体と、オルガノポリシロキサン液滴の平均径が0.5mm未満とするに十分なせん断下で混合するステップとにより得られる非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項3】
前記極性有機液体連続相がポリエーテルを含む請求項1または2に記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項4】
前記ワックスが脂肪酸トリグリセリドである前記請求項のいずれかに記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項5】
前記ワックスが、前記極性有機液体連続相に該ワックスの粒子の融点以上の温度で可溶である請求項1〜4のいずれかに記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項6】
前記ワックスが、エマルジョンの1〜10質量%で存在する請求項1〜5のいずれかに記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項7】
前記オルガノポリシロキサンが、エマルジョンの5〜20質量%で存在する請求項1〜6のいずれかに記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項8】
前記オルガノポリシロキサンが、消泡剤として効果的なポリジオルガノシロキサン液体である請求項1〜7のいずれかに記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項9】
前記極性有機液体連続相中に分散したワックス粒子が結晶性である請求項1〜8のいずれかに記載の非水性シリコーンエマルジョン。
【請求項10】
(i)相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続位相中にワックスが分散した極性有機液体中の有機ワックス粒子の分散体を調整するステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンをオルガノポリシロキサン液滴平均サイズが0.5mmより小さい程十分にせん断した前記分散体に混合するステップとを備える非水性シリコーンエマルジョンの製造方法。
【請求項11】
前記有機ワックスが40〜100℃の範囲の融点を有し、前記ワックスの融点以上の温度で前記極性有機液体連続相中に可溶であるが、25℃で前記極性有機液体中の難溶である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記有機ワックスの極性有機液体連続相中の溶液を、該ワックスの融点以上の温度で調製し、前記極性有機液体における三次元ネットワークとしてのワックス粒子の分散体を前記極性有機液体中の有機ワックスの溶液を冷却することにより製造する請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記極性有機液体中の有機ワックスの溶液を、該溶液よりも低温であるさらなる極性有機液体に混ぜることにより冷却する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記極性有機液体における三次元ネットワークとしてのワックス粒子の分散体を、前記ワックスを極性有機液体に結晶特性調節剤の存在下で加えることにより製造する請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記結晶特性調節剤が微粉細固形疎水性ケイ素系物質である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結晶特性調節剤が極性有機液体中に0.5〜5質量%で存在する請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記極性有機液体連続相に分散したワックス粒子が結晶性である請求項10〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
オルガノポリシロキサンとしてのシリコーン活性物質を請求項5の非水性シリコーンエマルジョンに混入し、該非水性シリコーンエマルジョンを組成物に加え、前記ワックスが極性有機液体連続相に可溶である温度に前記組成物を加熱することにより前記シリコーン活性物質を放出することを特徴とするシリコーン活性物質の組成物からの制御放出方法。
【請求項19】
オルガノポリシロキサンとしてのシリコーン活性物質を請求項1の非水性シリコーンエマルジョンに混入し、該非水性シリコーンエマルジョンを組成物に加え、前記組成物をせん断してエマルジョンを不安定化することにより前記シリコーン活性物質を放出するシリコーン活性物質の組成物からの制御放出方法。
【請求項20】
(i)相互に連結した粒子のネットワークとして極性有機液体連続位相中にワックスが分散した極性有機液体中の有機ワックス粒子の分散体を調整するステップと、
(ii)液体オルガノポリシロキサンをオルガノポリシロキサン液滴平均サイズが0.5mmより小さい程十分にせん断した前記分散体に混合するステップとにより得られた非水性シリコーンエマルジョンを含む誘発可能な制御放出組成物。
【請求項21】
(a)前記組成物をワックスの融点以上の温度に加熱するステップか、または
(b)前記シリコーンを乳化するのに用いたステップ(ii)におけるせん断するよりも著しく大きいせん断を組成物に加えるステップのいずれかによって前記液体オルガノポリシロキサンの放出を好適に誘発し得る請求項20に記載の誘発可能な制御放出組成物。
【請求項22】
前記極性有機液体連続相中に分散したワックス粒子が結晶性である請求項20または21に記載の誘発可能な制御放出組成物。

【公表番号】特表2012−513488(P2012−513488A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541498(P2011−541498)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067634
【国際公開番号】WO2010/072711
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】