説明

シリコーン溶解剤

【課題】浴室の壁や床にこびりついたヘアケア製品由来のシリコーンを落とすのに好適な新規シリコーン溶解剤を提供すること。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、水溶性であるポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(n=3〜6)を含むシリコーン溶解剤。
R−O−(C24O)n−H (1)
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基、nは1〜6の整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン溶解剤に関する。詳しくは、浴室の壁や床にこびりついたヘアケア製品由来のシリコーンを落とすのに好適なシリコーン溶解剤に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプーやコンディショナー等のヘアケア製品の中には、毛髪に柔軟性を付与したり、指どおりをよくしたりするためにシリコーンが配合されているものがある。
これらヘアケア製品に配合されているシリコーンはこれまでは数十万mm2/s程度の低重合のものが主であったが(特許文献1)、近年、性能を向上させるために数千万mm2/s程度の高重合のものが使用されるようになってきている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平4-54111号公報
【特許文献2】特開2007-77057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリコーンの高重合化に伴い、シリコーン汚れを簡単に落とすことが難しくなった。そこで、高重合シリコーンに由来する汚れでも簡単に落とすことのできる技術が求められている。従って、本発明は、新規なシリコーン溶解剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らが鋭意検討した結果、特定のポリオキシエチレンモノアルキルエーテルを使用すれば、高重合シリコーン汚れを水へ溶解させることにより容易に除去できることを見出した。
即ち、本発明は、(A)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、水溶性であるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルを含むシリコーン溶解剤を提供する。
R−O−(C24O)n−H (1)
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基、nは1〜6の整数である。)
【0006】
本発明はまた、(B)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、難水溶性であるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルと、
R−O−(C24O)n−H (1)
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基、nは1〜6の整数である。)
(C)ポリオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数mは5〜30である。)
とを含むシリコーン溶解剤を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、浴室の床や壁面等にこびりついたシリコーンを容易に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において用いる成分(A)及び成分(B)のいずれも同じ一般式(1)で表されるが、式中のRの炭素数とnの数との組合せにより、式(1)の化合物の水への溶解性が異なる。成分(A)は水溶性、成分(B)は難水溶性である。
第一の態様
本発明の第一の態様は、成分(A)を含有するシリコーン溶解剤である。
本発明において用いる成分(A)は、上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、水溶性である化合物である。成分(A)は、非水溶性シリコーンを水へ溶解させる作用を持つ。本明細書において、「水溶性」とは、式(1)の化合物10質量部と水90質量部との混合物を、25℃で、Tube Mixer(VTX−3500 LMS社製)で30分間攪拌(回転数:1500rpm)した後、一晩静置した時の混合物の状態が均一であるものをいう。
式(1)中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基である。具体的には、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの直鎖のアルキル基が挙げられる。なかでも、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が特に好ましく、n−ヘキシル基、n−オクチル基がより好ましい。nは1〜6、好ましくは3〜6の整数である。Rの炭素数が5未満であるか又は10を超えるとシリコーン溶解能が不十分となる。nが1未満だと、式(1)の化合物自体の水溶性が低すぎて水への溶解能が不十分となる。また、においが悪く使用性が悪い。nが6を超えると親水性が高まりすぎてシリコーンの水への溶解能が不十分である。式(1)の化合物は、単独で使用しても2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0009】
具体的には例えば、ポリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(n=3〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=4〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘプチルエーテル(n=4〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=4〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=5〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(n=5〜6)などが挙げられる。
このうち、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=4)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=4〜5)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=5)、ポリオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(n=5〜6)が好ましい。
なかでも、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=4)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=4〜5)がより好ましい。
本発明の成分(A)は、公知の方法により、例えば、塩基性触媒存在下、ポリオキシエチレングリコールとアルキルハライドまたはアルキルメタンスルホニルエステルやアルキルp−トルエンスルホニルエステルとの付加反応により製造することができるし、商業的に入手できるものを使用することもできる。
【0010】
成分(A)は、本発明のシリコーン溶解剤の全質量に対して、0.5〜80質量%で含まれるのが好ましく、1〜50質量%で含まれるのがより好ましい。
本発明のシリコーン溶解剤は、上記成分(A)と水と混合することにより調製することができる。水としては、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水、重水等を使用することができる。
本発明のシリコーン溶解剤は、商業的に入手可能な浴室用洗剤と同様、浴室の壁面や床面に噴霧したり、塗布したりすることにより適用することができる。
【0011】
本発明のシリコーン溶解剤により、シャンプーやヘアコンディショナー等のヘアケア製品に通常含まれている非水溶性シリコーンを容易に水に溶解させることができる。このようなシリコーンとしては、25℃における動粘度が100mm2/s程度の低重合のものから、3000万mm2/s程度の高重合のものまで含む、非水溶性シリコーン、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。「非水溶性シリコーン」とは、後述の「シリコーン溶解能評価」の欄に記載の方法にしたがい測定したシリコーンのメチル基由来のピークが10ppm以下であるものをいう。
【0012】
本発明のシリコーン溶解剤を、アニオン界面活性剤などと混合することにより、液体洗浄剤組成物を製造することができる。従って、本発明はまた、上記成分(A)とアニオン界面活性剤とを含有する液体洗浄剤組成物を提供する。
本発明において用いることのできる陰イオン性界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドの平均付加モル数(nav)=1〜5)アルキル硫酸塩、直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、石鹸、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等である。これら陰イオン性界面活性剤の対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物中の成分(A)の配合量は特に限定されず、製品の剤型、種類によって変化するが、一般的には、0.5〜80質量%、より好ましくは1〜50質量%である。これらの範囲を下回るか又は上回ると、本発明の成分(A)によるシリコーンを水中に溶解させる効果が発揮しにくくなる。
【0013】
第二の態様
本発明の第二の態様は、成分(B)と成分(C)とを含むシリコーン溶解剤である。
本発明において用いる成分(B)は、上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、難水溶性である化合物である。成分(B)は、非水溶性シリコーンを水へ溶解させる作用を持つ。本明細書において、「難水溶性」とは、式(1)の化合物10質量部と水90質量部との混合物を、25℃で、Tube Mixer(VTX−3500 LMS社製)で30分間攪拌(回転数:1500rpm)した後、一晩静置した時の混合物の状態が分離(化合物と水とが分離)しているものをいう。
【0014】
式(1)中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基である。具体的には、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの直鎖のアルキル基が挙げられる。なかでも、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が特に好ましく、n−ヘキシル基、n−オクチル基がより好ましい。nは1〜6、好ましくは1〜3の整数である。Rの炭素数が5未満であるか又は10を超えるとシリコーン溶解能が不十分となる。nが1未満だと、式(1)の化合物自体の水溶性が低すぎて水への溶解能が不十分となる。また、においが悪く使用性が悪い。nが6を超えると親水性が高まりすぎてシリコーンの水への溶解能が不十分である。式(1)の化合物は、単独で使用しても2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0015】
具体的には例えば、ポリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(n=1〜2)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘプチルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=1〜4)、ポリオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(n=1〜4)などが挙げられる。
このうち、特にポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=2〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=4)が好ましい。
なかでも、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=3)がより好ましい。
【0016】
成分(B)は、本発明のシリコーン溶解剤の全質量に対して、0.5〜80質量%で含まれるのが好ましく、1〜50質量%で含まれるのがより好ましい。
本発明の成分(B)は、公知の方法により、例えば、塩基性触媒存在下、ポリオキシエチレングリコールとアルキルハライドまたはアルキルメタンスルホニルエステルやアルキルp−トルエンスルホニルエステルとの付加反応により製造することができるし、商業的に入手できるものを使用することもできる。
【0017】
本発明の成分(C)は、成分(B)を可溶化し、成分(B)のシリコーンの水への可溶化性能を維持しつつ成分(B)の水溶性を高めるため、成分(B)と成分(C)を組合わせることでシリコーンの水への可溶化に優れた溶解剤となる。
エチレンオキサイドの平均付加モル数mは、5〜30であるのが好ましく、7〜20であるのがより好ましい。mが5〜30の範囲外だと、成分(B)の可溶化が不十分になる。成分(C)は単独で使用しても2種以上を組み合わせて用いても良い。
具体的には、ポリオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(m=5〜30)があげられる。このうち、ポリオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(m=7〜20)が好ましい。なかでも、ポリオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(m=15)が好ましい。
本発明のシリコーン溶解剤における(C)成分の配合量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
【0018】
本発明のシリコーン溶解剤は、上記成分(B)及び成分(C)と水とを混合することにより調製することができる。水としては、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水、重水等を使用することができる。
本発明のシリコーン溶解剤は、商業的に入手可能な浴室用洗剤と同様、浴室の壁面や床面に噴霧したり、塗布したりすることにより適用することができる。
【0019】
本発明のシリコーン溶解剤により、シャンプーやヘアコンディショナー等のヘアケア製品に通常含まれている非水溶性シリコーンを容易に水に溶解させることができる。このような非水溶性シリコーンとしては、25℃における動粘度が100mm2/s程度の低重合のものから、3000万mm2/s程度の高重合のものまで含む、非水溶性シリコーン、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。「非水溶性シリコーン」とは、後述の「シリコーン溶解能評価」の欄に記載の方法にしたがい測定したシリコーンのメチル基由来のピークが10ppm以下であるものをいう。
【0020】
本発明のシリコーン溶解剤を、アニオン界面活性剤などと混合することにより、液体洗浄剤組成物を製造することができる。従って、本発明はまた、上記成分(B)及び成分(C)とアニオン界面活性剤とを含有する液体洗浄剤組成物を提供する。
本発明において用いることのできる陰イオン性界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(nav=1〜5)アルキル硫酸塩、直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、石鹸、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等である。これら陰イオン性界面活性剤の対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
【0021】
本発明の液体洗浄剤組成物中の成分(B)の配合量は特に限定されず、製品の剤型、種類によって変化するが、一般的には、0.5〜80質量%、より好ましくは1〜50質量%である。これらの範囲を下回るか又は上回ると、本発明の成分(B)によるシリコーンを水中に溶解させる効果が発揮しにくくなる。
本発明の液体洗浄剤組成物中の成分(C)の配合量は特に限定されず、製品の剤型、種類によって変化するが、一般的には、0.01〜50質量%、好ましくは0.01〜30質量% であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。これらの範囲を下回ると、本発明の成分(C)の好ましい効果が発揮しにくくなり、これらの範囲を上回っても本発明の成分(C)の好ましい効果が更に強く発揮されることはない。
本発明の液体洗浄剤組成物中の陰イオン性界面活性剤の配合量は特に限定されず、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜3.5質量%である。
【0022】
〔任意成分〕
本発明のシリコーン溶解剤及び液体洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)又は(B)及び(C)成分と、水との他に、必要により、水溶性高分子、塩基性化合物、必須成分以外の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤、キレート剤、必須成分以外の水溶性溶剤、pH調整剤、色素、香料などを配合することができるが、これらについては特に限定されず、目的に応じた配合がなされてよい。
水溶性高分子の具体例としては、アニオン性基含有ビニル系単量体、カチオン性基含有ビニル系単量体、ノニオン性基含有ビニル系単量体からなる共重合体が挙げられる。具体的には、アニオン性基含有ビニル系単量体としてはビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸等のカルボン酸類、またはその塩などが挙げられる。
【0023】
カチオン性基含有単量体としては、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジプロピルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジプロピルアミノエチル等のアクリル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル、メタクリル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル及びそれらのハロゲン化アルキルによる四級化物等、また、N−[(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[(N,N−ジエチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド等のN−[(N,N−ジアルキルアミノ)アルキル]アクリルアミド、N−[(N,N−ジアルキルアミノ)アルキル]メタクリルアミド及びこれらのハロゲン化アルキルによる四級化物等が挙げられ、上記ハロゲン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化メチル、ベンジルクロリド等が挙げられる。ノニオン性ビニル系単量体はイオン性基を持たないものであれば、特に限定されずに用いることができ、例えば、炭素数1〜30の直鎖または分岐鎖状のアクリル酸アルキルエステル類およびメタクリル酸アルキルエステル類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系化合物等が挙げられる。これらのアニオン性基含有ビニル系単量体、カチオン性基含有ビニル系単量体、ノニオン性基含有ビニル系単量体はそれぞれ1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0024】
さらに、天然高分子のアラビアガム、トラガントガム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン、半合成高分子のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、合成高分子のポリアクリル酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、アクリル酸系共重合体、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系、ノニオン系ポリアクリルアミド、アニオン系ポリアクリルアミド、カチオン系ポリアクリルアミド、ポリアミノアルキルメタクリレート、アクリルアミド/アクリル酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化マレイン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンなどを挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、必須成分を除くポリ(nav=3〜20)オキシアルキレン(C2〜C20)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(nav=3〜20)アルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルアミノプロピオン酸、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸などが挙げられる。
【0025】
半極性を有する界面活性剤の具体例としては例えば、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルアミンオキシドなどがあげられる。
陽イオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等である。これらカチオン界面活性剤の対イオン(陰イオン)は、ハロゲンイオンなどが挙げられる。(なお、navは、エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、アルキルは飽和、不飽和、直鎖、分岐のアルキル基を含む。)
【0026】
キレート剤の具体例としては、有機カルボン酸類、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、ホスホノカルボン酸類、リン酸類などが挙げられる。有機カルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、ジグリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸などを挙げることができる。アミノカルボン酸類としては、例えば、イミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミノペンタ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酢酸などを挙げることができる。ホスホン酸類としては、例えば、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸およびその誘導体などを挙げることができる。ホスホノカルボン酸類としては、例えば、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1,−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等を挙げることができる。リン酸類としては、例えば、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸等の縮合リン酸などを挙げることができる。これらキレート剤は、酸の形でも使用可能であるし、アルカリ金属との塩、アルカノールアミンとの塩等、塩基性物質との塩の形で使用することも可能である。
水溶性溶剤としては、必須成分以外の汎用の水溶性溶剤を用いることができるが、具体例として、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0027】
香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994 )および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compound-s In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、これらに開示されているものを使用することができる。
必要に応じて配合される色素としても特に制限はなく、公知のものを使用できる。pH調整剤としても特に制限はなく、塩酸、硫酸などの酸や、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を、単独もしくは複合して用いることが好ましい。
【実施例】
【0028】
実施例及び比較例のシリコーン溶解剤を調製するのに用いた(A)成分は以下のとおりである。使用した各(A)成分について、当該(A)成分化合物10質量部と水90質量部との混合物は、25℃で、Tube Mixer(VTX−3500 LMS社製)で30分間攪拌(回転数:1500rpm)した後、一晩静置した時に混合物の状態は均一であった。したがって、いずれの(A)成分も水溶性であった。
【0029】
【表1】

【0030】
表1中、「合成品」と示した化合物は以下のようにして製造した。
<製造例1>
トリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(C5EO3)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた2Lの四ツ口フラスコに、トリエチレングリコール511.18g(3.4moL、東京化成(株)試薬)、t-ブトキシカリウム105.03g(0.94moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン200mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水浴でt‐ブトキシカリウムが溶解するまで攪拌した。t‐ブトキシカリウムが溶解した後、60℃に加温して1-ブロモペンタン128.5g(0.851moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン100mL溶液を室温で30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃で4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水300mL、酢酸エチル800mLで抽出した。有機層を水400mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水400mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してトリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(C5EO3)を113.5g(収率60.5%、bp98〜100℃/50Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.84(t, 3H), 1.24(m, 4H), 1.53(m, 2H), 2.62(br, 1H), 3.42(t, 2H), 3.52-3.70(m, 12H)
【0031】
<製造例2>
テトラオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(C6EO4)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた1Lの四ツ口フラスコに、t‐ブトキシカリウム29.9g(0.266moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン100mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水冷下でテトラエチレングリコール188g(0.968moL、東京化成(株)試薬)を1時間かけて滴下した。t‐ブトキシカリウムが溶解した後、55℃で1-ブロモヘキサン40g(0.242moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン50mL溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5.5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水200mL、酢酸エチル400mLで抽出した。有機層を水300mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水300mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してテトラオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(C6EO4)を43.8g(収率65.0%、bp126〜129℃/30Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.84(t, 3H), 1.25(br, 6H), 1.52(m, 2H), 3.25(br, 1H), 3.42(t, 2H), 3.52-3.75(m, 16H)
【0032】
<製造例3>
ペンタオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(C6EO5)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた100mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム2.58g(23mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でペンタエチレングリコール5g(21mmoL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温攪拌した。その後、室温で1-ブロモヘキサン3.47g(21mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。抽出の最中にエマルジョンになった時は、飽和食塩水を小量添加すると有機層と水層は分離する。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、最後に飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してペンタオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(C6EO5)を3.1g(収率36.0%、134〜140℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃)δ0.84(t, 3H), 1.24(br, 6H), 1.53(m, 2H), 2.63(br, 1H), 3.41(t, 2H), 3.53-3.70(m, 20H)
【0033】
<製造例4>
テトラオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO4)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた500mLの四ツ口フラスコに、t‐ブトキシカリウム34.8g(0.31moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン150mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でテトラエチレングリコール181g(0.91moL、東京化成(株)試薬)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温で攪拌した。その後、室温で1-ブロモオクタン60g(0.31moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン30mL溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、65℃で3時間攪拌したのち加熱を停止した。放冷後、水300mL、酢酸エチル300mLで抽出した。有機層を水300mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水300mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してテトラオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO4)を63.3g(収率66.6%、bp152〜161℃/25Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.89(t, 3H), 1.31(br, 10H), 1.56(m, 2H), 3.30(br, 1H), 3.46(t, 2H), 3.53-3.67(m, 16H)
【0034】
<製造例5>
ペンタオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO5)の合成
(I)塩化カルシウム管付きの滴下ロートを取り付けた500mLの一口ナスフラスコに、トリエチレングリコール モノ-n-オクチルエーテル20g(0.0865moL)、トリエチルアミン9.19g(0.0908moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン150mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、塩化メタンスルホニル10.4g(0.0908moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を0℃で滴下した。滴下した直後から、白色のトリエチルアミン塩酸塩が析出する。10分間で滴下し、滴下終了後0℃で1時間攪拌した。その後、減圧濾過で析出したアミン塩酸塩を除去し、トリエチレングリコール モノ-n-オクチルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を得た。尚、ろ過で析出した残渣はテトラヒドロフラン50mLで洗浄した。
【0035】
(II)窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた1Lの四ツ口フラスコにt‐ブトキシカリウム10.67g(0.0952moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン70mLを仕込み、ジエチレングリコール36.7g(0.346moL、東京化成(株)試薬)のジメチルホルムアミド50mL(東京化成(株)試薬)溶液を室温で滴下したのち1時間攪拌してt‐ブトキシカリウムを溶解させた。その後60℃に加温して、その温度で(I)で調製したトリエチレングリコール モノ-n-オクチルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水300mL、酢酸エチル400mLで抽出した。有機層を水300mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認したのち、飽和食塩水300mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去したのち、残渣を減圧蒸留で精製してペンタオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO5)を12g(収率43%、bp165〜170/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.79(t, 3H), 1.19(br, 10H), 1.48(m, 2H), 3.36(t, 3H), 3.50-3.78(m, 21H)
【0036】
<製造例6>
ヘキサオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO6)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた100mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム2.19g(19.5mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でヘキサエチレングリコール5g(17.7mmoL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温で攪拌した。その後、室温で1-ブロモオクタン3.42g(17.7mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン10mL溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、60℃で7時間攪拌したのち加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してヘキサオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO6)を3.3g(収率47.3%、ガラスチューブオーブン温度202℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.85(t, 3H), 1.24(br, 10H), 1.54(m, 2H), 2.17(br, 1H), 3.41(t, 2H), 3.52-3.72(m, 24H)
【0037】
<製造例7>
ペンタオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(C9EO5)の合成
(I)塩化カルシウム管付きの滴下ロートを取り付けた300mLの一口ナスフラスコに、テトラエチレングリコール モノ-n-ノニルエーテル25g(78mmoL)、トリエチルアミン8.3g(82mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン100mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水冷下で塩化メタンスルホニル9.4g(82mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を20分間で滴下した。滴下した直後から、白色のトリエチルアミン塩酸塩が析出する。滴下終了後、水冷下で30分間攪拌した。その後、減圧濾過で析出したアミン塩酸塩を除去し、テトラエチレングリコール モノ-n-ノニルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を得た。尚、ろ過で析出した残渣はテトラヒドロフラン50mLで洗浄した。
【0038】
(II)窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた500mLの四ツ口フラスコにt‐ブトキシカリウム9.63g(86mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mLを仕込み、室温でエチレングリコール19.4g(313mmoL、東京化成(株)試薬)のジメチルホルムアミド100mLの溶液を30分間で滴下した。このとき、白色沈殿物が生成した。60℃に加温するとこの沈殿物は溶解して透明溶液になった。60℃で(I)で調製したテトラエチレングリコール モノ-n-ノニルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を30分間で滴下した。反応液はゲル状になる。滴下終了後、60℃で4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水300mL、酢酸エチル300mLで抽出した。有機層を水300mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認したのち、飽和食塩水300mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。残渣を減圧蒸留で精製してペンタオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(C9EO5)を12.8g(収率45.1%、bp180〜182℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.80(s, 3H), 1.19(br, 12H), 1.48(m, 2H), 3.15(br, 1H), 3.37(t, 2H), 3.49-3.67(m, 20H)
【0039】
<製造例8>
ヘキサオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(C9EO6)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた100mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム2.19g(19.5mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でヘキサエチレングリコール5g(17.7mmoL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温攪拌した。その後、室温で1-ブロモノナン3.66g(17.7mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してヘキサオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(C9EO6)を3.3g(収率41.1%、ガラスチューブオーブン温度210℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.84(t, 3H), 1.22(br, 12H), 1.55(m, 2H), 2.76(br, 1H), 3.40(t, 2H), 3.53-3.70(m, 24H)
【0040】
<製造例9>
ペンタオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(C10EO5)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた100mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム2.58g(23mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でペンタエチレングリコール5g(21mmoL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温攪拌した。その後、室温で1-ブロモデカン4.64g(21mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してペンタオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(C10EO5)を3.4g(収率42.8%、ガラスチューブオーブン温度210℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.84(t, 3H), 1.22(br, 14H), 1.54(m, 2H), 2.79(br, 1H), 3.41(t, 2H), 3.52-3.70(m, 20H)
【0041】
<製造例10>
ヘキサオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(C10EO6)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた100mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム2.19g(19.5mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でヘキサエチレングリコール5g(17.7mmoL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温攪拌した。その後、室温で1-ブロモデカン3.91g(17.7mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してヘキサオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(C10EO6)を3.5g(収率46.8%、ガラスチューブオーブン温度240℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.84(t, 3H), 1.22(br, 14H), 1.54(m, 2H), 2.79(br, 1H), 3.41(t, 2H), 3.52-3.70(m, 24H)
【0042】
<比較製造例1>
ヘプタオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(C12EO7)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた100mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム1.89g(16.8mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン20mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でヘプタエチレングリコール5g(15.3mmoL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温攪拌した。その後、室温で1-ブロモドデカン3.81g(15.3mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してヘプタオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(C12EO7)を3.3g(収率43.6%、ガラスチューブオーブン温度300℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.83(t, 3H), 1.22(br, 18H), 1.53(m, 2H), 2.65(br, 1H), 3.40(t, 2H), 3.52-3.70(m, 28H)
【0043】
<比較製造例2>
ヘプタオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO7)の合成
(I)塩化カルシウム管付きの滴下ロートを取り付けた300mLの一口ナスフラスコに、テトラオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル25g(82mmoL)、トリエチルアミン8.7g(86mmoL)、テトラヒドロフラン100mLを仕込み、水冷下で塩化メタンスルホニル9.8g(86mmoL)のテトラヒドロフラン20mL溶液を20分間で滴下した。滴下した直後から、白色のトリエチルアミン塩酸塩が析出する。滴下終了後、水冷下で50分間攪拌した。その後、減圧濾過で析出したアミン塩酸塩を除去し、テトラオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を得た。尚、ろ過で析出した残渣はテトラヒドロフラン30mLで洗浄した。
【0044】
(II)窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた500mLの四ツ口フラスコにt‐ブトキシカリウム10.09g(90mmoL)、テトラヒドロフラン20mLを仕込み、室温でトリエチレングリコール49.6g(0.33moL)を20分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温で攪拌した。次に60℃に加温して(I)で調製したテトラオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテルのメタンスルホニルエステルのテトラヒドロフラン溶液を30分間で滴下した。滴下終了後、60℃で4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水300mL、酢酸エチル300mLで抽出した。有機層を水300mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水300mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。残渣をガラスチューブオーブンを用いて減圧蒸留で精製してヘプタオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO7)を15.9g(収率44.3%、ガラスチューブオーブン温度230℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.83(s, 3H), 1.21(br, 10H), 1.50(m, 2H), 2.81(br, 1H), 3.39(t, 2H), 3.52-3.70(m, 28H)
【0045】
<比較製造例3>
テトラオキシエチレングリコール モノ(4−メチル−1−ペンチル)エーテル(iC6EO4)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた200mLの2口フラスコに、t‐ブトキシカリウム3.53g(31.5mmoL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン50mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でテトラエチレングリコール23.3g(0.12moL、東京化成(株)試薬)を5分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温攪拌した。その後、室温で1-ブロモ-4‐メチルペンタン5g(30.3mmoL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を10分間で滴下した。滴下終了後、60℃に加温して5時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル100mLで抽出した。有機層を水100mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してテトラエチレングリコール モノ-4‐メチル-1-ペンチルエーテルを5.2g(収率62%、122−125℃/30Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.86(6H), 1.22-1.86(m, 5H), 2.76(br, 1H), 3.41(t, 2H), 3.52-3.75(m, 16H)
【0046】
<比較製造例4>
テトラオキシエチレンモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(iC8EO4)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた500mLの4口フラスコに、t‐ブトキシカリウム12.88g(0.115moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン50mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、室温でテトラエチレングリコール60.6g(0.312moL、東京化成(株)試薬)を20分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温で攪拌した。その後、40℃に加温して1-ブロモ-2-エチルヘキサン20g(0.104moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン20mL溶液を20分間で滴下した。滴下終了後、40℃で1時間攪拌したのち60℃に加温して6時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水100mL、酢酸エチル200mLで抽出した。有機層を水200mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水200mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してテトラオキシエチレンモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(iC8EO4)を3g(収率9.5%、bp140℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.79(m, 6H), 1.25(br, 8H), 1.44(br, 1H), 2.91(br, 1H), 3.25(d, 2H), 3.49-3.64(m, 16H)
【0047】
実施例及び比較例のシリコーン溶解剤を調製するのに用いた(B)成分は以下のとおりである。使用した各(B)成分について、当該(B)成分化合物10質量部と水90質量部との混合物は、25℃で、Tube Mixer(VTX−3500 LMS社製)で30分間攪拌(回転数:1500rpm)した後、一晩静置した時に混合物の状態が分離((B)成分化合物と水とが分離)していた。したがって、いずれの(B)成分も難水溶性であった。
【0048】
【表2】

【0049】
表2中、「合成品」と示した化合物は以下のようにして製造した。
<製造例1>
トリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(C6EO3)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた2Lの四ツ口フラスコに、トリエチレングリコール480.54g(3.2moL、東京化成(株)試薬)、t‐ブトキシカリウム98.74g(0.88moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン200mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水浴でt‐ブトキシカリウムが溶解するまで攪拌を継続した。t‐ブトキシカリウムが溶解した後、室温で1-ブロモヘキサン132.05g(0.8moL、東京化成(株)、試薬)のテトラヒドロフラン100mL溶液を室温で30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃に加温して4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水400mL、酢酸エチル800mLで抽出した。有機層を水400mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水400mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してトリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(C6EO3)を120.9g(収率64.5%、bp111〜116℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.84(t, 3H), 1.25(br, 6H), 1.53(m, 2H), 2.61(br, 1H), 3.41(t, 2H), 3.53-3.70(m, 12H)
【0050】
<製造例2>
ジオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO2)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた500mLの四ツ口フラスコに、t‐ブトキシカリウム34.8g(0.31moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン150mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水冷下でジエチレングリコール132g(1.24moL、東京化成(株)試薬)を30分間かけて滴下した。t‐ブトキシカリウムが溶解した後、室温で1-ブロモオクタン60g(0.31moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン30mL溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、65℃に加温して3時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水200mL、酢酸エチル400mLで抽出した。有機層を水300mLで2回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水300mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してジオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO2)を47.4g(収率70.1%、bp88〜94℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.89(t, 3H), 1.30(br, 10H), 1.55(m, 2H), 3.30(br, 1H), 3.47(t, 2H), 3.53-3.67(m, 8H)
【0051】
<製造例3>
トリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO3)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートとスリーワンモーターの攪拌機を取り付けた2Lの四ツ口フラスコに、トリエチレングリコール426.5g(2.84moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン200mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水冷下でt‐ブトキシカリウム80.6g(0.78moL、東京化成(株)試薬)を30分間かけて少量ずつ溶液に添加した。添加終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温で攪拌した。その後、60℃に加温して1-ブロモオクタン137.1g(0.71moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン100mL溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌したのち加熱を停止した。放冷後、水400mL、酢酸エチル800mLで抽出した。有機層を水400mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水400mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してトリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(C8EO3)を128.8g(収率68.7%、bp118〜122℃/20Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.83(t, 3H), 1.23(br, 10H), 1.53(m, 2H), 2.65(br, 1H), 3.43(t, 2H), 3.52-3.70(m, 12H)
【0052】
<製造例4>
テトラオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(C9EO4)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートと滴下ロートと攪拌子を取り付けた1Lの4ツ口フラスコに、t‐ブトキシカリウム48.9g(0.436moL、東京化成(株)試薬)、テトラヒドロフラン100mL(東京化成(株)試薬)を仕込み、水冷下でテトラエチレングリコール307.5g(1.58moL、東京化成(株)試薬)を40分間で滴下した。滴下終了後、t‐ブトキシカリウムが完全に溶解するまで室温で攪拌した。その後、60℃で1-ブロモノナン82g(0.396moL、東京化成(株)試薬)のテトラヒドロフラン80mL溶液を80分間で滴下した。滴下終了後、60℃で4時間攪拌したのち、加熱を停止した。放冷後、水400mL、酢酸エチル800mLで抽出した。有機層を水400mLで3回水洗して水層が中性になったことを確認し、飽和食塩水400mLで1回洗浄した。分液して有機層の溶媒を留去した。塩が析出したので濾過で取り除いたあと、残渣を減圧蒸留で精製してテトラオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(C9EO4)を84.5g(収率66.6%、bp158〜167℃/25Pa)得た。
1H NMR(CDCL3, 25℃) δ0.83(t, 3H), 1.21(br, 12H), 1.53(m, 2H), 3.25(s, 1H), 3.40(t, 2H), 3.51-3.69(m, 16H)
【0053】
〔シリコーン溶解剤の調製〕
(1)(A)を含むシリコーン溶解剤の場合
(A)成分と重水とを、(A)成分/重水=10/90(質量比)で混合することにより、シリコーン溶解剤を調製した。
(2)(B)成分を含むシリコーン溶解剤の場合
(B)成分と、(C)成分と、重水とを、(B)/(C)/重水=10/5/85(質量比)で混合することにより、シリコーン溶解剤を調製した。なお、(C)成分としては、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数m=15)を用いた。
【0054】
〔シリコーン溶解能評価〕
上で得られた溶液に、溶液の全質量に対して5質量%に相当する量のジメチルシリコーン(信越化学工業社製:25℃における動粘度が1000万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン)を加え、Tube Mixer(VTX−3500 LMS社製)で30分間攪拌した後、遠心分離により余分なジメチルシリコーンを除去した。NMRチューブに水層を量り取り、そこへ、内標(2−フェノキシエタノール)を添加し、NMR測定サンプルとした。1H−NMR測定を行い、シリコーンのメチル基由来のピーク(0ppm)の積分値から、実施例及び比較例のシリコーン溶解剤のジメチルシリコーンの溶解能を算出した。結果を表3及び4に示す。
なお、使用したジメチルシリコーンについて、重水と重水の全質量に対して5質量%に相当する量の当該ジメチルシリコーンとの混合物を、Tube Mixer(VTX−3500 LMS社製)で30分間攪拌(回転数:1500rpm)した後、遠心分離により余分なジメチルシリコーンを除去した。NMRチューブに水層を量り取り、そこへ、内標(2−フェノキシエタノール)を添加し、NMR測定サンプルとした。1H−NMR測定を行ったところ、シリコーンのメチル基由来のピークは10ppm以下であった。したがって、当該ジメチルシリコーンは水不溶性(非水溶性)であった。
【0055】
【表3】

【0056】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、水溶性であるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルを含むシリコーン溶解剤。
R−O−(C24O)n−H (1)
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基、nは1〜6の整数である。)
【請求項2】
成分(A)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(n=3〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=4〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘプチルエーテル(n=4〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=4〜6)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=5〜6)又はポリオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(n=5〜6)である請求項1記載のシリコーン溶解剤。
【請求項3】
成分(A)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=4)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=4〜5)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=5)又はポリオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(n=5〜6)である請求項2記載のシリコーン溶解剤。
【請求項4】
成分(A)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=4)又はポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=4〜5)である請求項3記載のシリコーン溶解剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン溶解剤と、アニオン界面活性剤とを含有する液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
(B)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルであって、難水溶性であるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルと、
R−O−(C24O)n−H (1)
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖のアルキル基、nは1〜6の整数である。)
(C)ポリオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数mは5〜30である。)
とを含むシリコーン溶解剤。
【請求項7】
成分(B)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ペンチルエーテル(n=1〜2)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘプチルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=1〜4)又はポリオキシエチレンモノ−n−デシルエーテル(n=1〜4)である、請求項6記載のシリコーン溶解剤。
【請求項8】
成分(B)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=1〜3)、ポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=2〜3)又はポリオキシエチレンモノ−n−ノニルエーテル(n=4)である、請求項7記載のシリコーン溶解剤。
【請求項9】
成分(B)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ヘキシルエーテル(n=1〜3)又はポリオキシエチレンモノ−n−オクチルエーテル(n=3)である、請求項8記載のシリコーン溶解剤。
【請求項10】
成分(C)が、ポリオキシエチレンモノ−n−ドデシルエーテル(m=15)である、請求項6〜9のいずれか1項記載のシリコーン溶解剤。
【請求項11】
請求項5〜10のいずれか1項記載のシリコーン溶解剤と、アニオン界面活性剤とを含有する液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2010−155911(P2010−155911A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334538(P2008−334538)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】