説明

シロアリ防除方法

本発明は、殺シロアリ剤により処理している場所と、シロアリ誘引剤組成物により処理している場所とを含む生育場所を処理することにより、シロアリおよび他の社会性昆虫を防除する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロアリおよび他の社会性昆虫を防除する方法に関し、またこのための組成物に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ある種の殺虫剤は、シロアリ、アリ、およびハチなどの社会性昆虫を防除するのに使用されることが知られている。いくつかの殺虫剤、例えば昆虫成長調節剤が、シロアリの個体数を低減し、および/または除去するために、シロアリ用エサ中に使用されている。しかし、殺虫剤と共にこのようなエサを使用する際の問題は、シロアリがエサを見出し、またこれを消費するエサ漁りにおける偶然性をあてにしていることである。
【0003】
炭素原子20〜40個を含むアルカンまたはアルケンの炭化水素化合物のある種の混合物は、いくつかの社会性または半社会性昆虫の移動を阻止できる。これらのある種の炭化水素化合物と殺虫剤とを含む組成物は、シロアリを防除するのに有効である可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
(a)炭素原子20〜40個を含むアルカンまたはアルケンであるものとして選択される炭化水素化合物の混合物を含む、シロアリ誘引剤の組成物を提供するステップと、
(b)殺シロアリ性組成物を提供するステップと、
(c)シロアリを誘引するのに有効な量のシロアリ誘引剤の組成物により処理している第1の場所を、生育場所において形成するステップと、
(d)殺シロアリ剤として有効な量の殺シロアリ性組成物により処理している第2の場所を、生育場所において形成するステップであり、第2の場所が第1の場所に近接しているステップと
を含む、生育場所においてシロアリおよび他の社会性昆虫を防除する方法を提供する。
【0005】
換言すると、本発明は、
(a)シロアリを誘引するのに有効な量の、炭素原子20〜40個を含むアルカンまたはアルケンであるものとして選択される炭化水素化合物の混合物を含むシロアリ誘引剤の組成物により、生育場所における第1の場所を処理するステップと、
(b)殺シロアリ剤として有効な量の殺シロアリ性組成物により、この生育場所における第2の場所を処理するステップであり、第2の場所が第1の場所に近接しているステップと
を含む、生育場所においてシロアリおよび他の社会性昆虫を防除する方法を提供する。
【0006】
用語「誘引する」とは、場所から離れた、または生育場所内から離れたある地点から、その生育場所または場所までシロアリを誘引する、もしくは誘導する行為をいう。本発明の方法は、一旦シロアリがこの生育場所を見出すと、こうして生育場所に誘引されたシロアリがこの生育場所に残ってエサを漁る、またはこの生育場所にもしくはこの生育場所の付近に残留する「移動阻止剤」効果をも想定している。
【0007】
用語「炭化水素化合物の混合物」とは好ましくは、炭素原子23〜35個の、より好ましくは炭素原子25〜27個の炭化水素の混合物をいう。この炭化水素は、群、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン、および5−メチルテトラコサンから選択されることがより好ましい。
【0008】
本発明の一実施形態において、シロアリ誘引剤組成物および殺シロアリ性組成物のいずれかまたは両方は、土壌上に噴霧され、または別法として土壌中に混合される。殺シロアリ性組成物は、シロアリおよび他の社会性昆虫に対し実質的に非忌避性であることが好ましい。
【0009】
他の実施形態において、第1の場所は、第2の場所により取り囲まれる。第1および第2の場所のいずれかまたは両方は、社会性昆虫用エサ、例えばシロアリ用エサを包含できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明による好ましい炭化水素化合物の混合物は、11−メチルペンタコサン、(Z)−9−ペンタコセン、およびn−ペンタコサンを含む(混合物A)。次の混合物(混合物A−1):36〜51重量%の範囲の割合における11−メチルペンタコサン、16〜31重量%の範囲の割合における(Z)−9−ペンタコセン、および26〜41重量%の範囲の割合におけるn−ペンタコサン、が使用されることがより好ましい。第2の好ましい群(A−2)は、41〜46重量%の11−メチルペンタコサン、21〜26重量%の9−ペンタコセン、および31〜35重量%のn−ペンタコサンを一般に含む。
【0011】
他の好ましい炭化水素化合物の群は、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、およびn−ヘキサコサンを含む(混合物B)。好ましい混合物は混合物B−1であり、この混合物B−1は、4〜19重量%の範囲の割合における5−メチルペンタコサン、29〜43重量%の範囲の割合における11−メチルペンタコサン、12〜27重量%の範囲の割合における(Z)−9−ペンタコセン、20〜35重量%の範囲の割合におけるn−ペンタコサン、および1〜10重量%の範囲の割合におけるn−ヘキサコサンを一般に含む。混合物B−2は、9〜14重量%の5−メチルペンタコサン、34〜38重量%の11−メチルペンタコサン、17〜22重量%の9−ペンタコセン、25〜30重量%のn−ペンタコサン、および3〜7重量%のn−ヘキサコサンを一般に含む。
【0012】
他の好ましい炭化水素の群は、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン、および5−メチルテトラコサンを含む(混合物C)。好ましい混合物は混合物C−1であり、この混合物C−1は、0.1〜10重量%の範囲の割合における11−メチルテトラコサン、3〜18重量%の範囲の割合における5−メチルペンタコサン、27〜41重量%の範囲の割合における11−メチルペンタコサン、11〜26重量%の範囲の割合における(Z)−9−ペンタコセン、19〜33重量%の範囲の割合におけるn−ペンタコサン、および1〜10重量%の範囲の割合におけるn−ヘキサコサンを一般に含む。混合物C−2は、1〜5重量%の11−メチルテトラコサン、8〜13重量%の5−メチルペンタコサン、32〜36重量%の11−メチルペンタコサン、16〜21重量%の9−ペンタコセン、24〜28重量%のn−ペンタコサン、2〜7重量%のn−ヘキサコサン、0.5〜3重量%の5,17−ジメチルペンタコサン、および0.5〜3重量%の5−メチルテトラコサン、を一般に含む。
【0013】
本発明による炭化水素化合物の混合物の効果が有意であるためには、使用される混合物量は、標的とされる昆虫種、および要求される効果の強さにより、変動できる。0.000001〜1g/mの本発明による炭化水素化合物の混合物が使用されることが好ましい。0.00001〜0.5g/mの本発明による炭化水素化合物の混合物が使用されることがより好ましい。0.0001〜0.2g/mの本発明による炭化水素化合物の混合物が使用されることがより一層好ましい。これらの量は、実用的見地から、0.0001〜100μg/cmの、好ましくは0.001〜50μg/cmの、より一層好ましくは0.01〜20μg/cmの本発明による炭化水素化合物の混合物の量に等しい。
【0014】
一般に、本発明の炭化水素化合物の部類内にあるアルケンは、シスまたは(Z)アルケン、例えば9−(Z)−ペンタコセンである。
【0015】
用語「殺シロアリ性組成物」とは、シロアリ防除の分野における技術者に知られている組成物をいう。典型的には、これらの組成物には、1種または複数の殺シロアリ剤または殺虫剤、および、防除が所望される生育場所まで殺シロアリ剤または殺虫剤を送達するのに必要とされる適正な担体または補助剤が含まれる。本発明により使用できる殺シロアリ剤または殺虫剤には、アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アレトリン、アルファ−シペルメトリン、リン化アルミニウム、アミトラズ、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホス−メチル、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベータ−シフルトリン、ベータ−シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリンS−シクロペンテニル異性体、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、硼砂、ブプロフェジン、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カズサホス、シアン化カルシウム、カルシウムポリスルフィド、カルバリール、カルボフラン、カルボスルファン、カルタップ、クロルダン、クロルエトキシフォス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロピクリン、クロルピリフォス、クロルピリフォス−メチル、クロマフェノジド、クロチアニジン、クーマホス、氷晶石、シアノホス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、ダゾメット、デルタメトリン、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジノテフロン、ジスルフォトン、エマメクチン、エマメクチンベンゾエート、エンペントリン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトプロホス、二臭化エチレン、エトフェンプロックス、エトキサゾール、ファンファ、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニックアミド、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フォルメタネート、フォルメタネート塩酸塩、フォスチアゼート、フラチオカルブ、ハロフェノジド、ヘプタクロル、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、ヒドロプレン、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イソフェンホス、イソプロカルブ、O−(メトキシアミノチオホスホリル)サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、ラムダ−シハロトリン、ペルフルオロオクタンスルホン酸リチウム、ルフェヌロン、リン化マグネシウム、マラチオン、メカルバム、塩化第一水銀、メタフルミゾン、メタム、メタム−ナトリウム、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトトリン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、イソチオシアン酸メチル、メトールカルブ、メビンホス、ミルベメクチン、モノクロトホス、ナレド、ナフタレン化合物、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトン−メチル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェニルラウレート、ペルメトリン、石油、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスフィン、ホキシム、ピリミカルブ、ピリミホス−メチル、プラレトリン、プロフェノフォス、プロパホス、プロペタムホス、プロポキスール、プロチオフォス、ピメトロジン、ピラクロフォス、ピレトリン、ピレトリン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダフェンチオン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、レスメトリン、ロテノン、サバジラ、シラフルオフェン、シアン化ナトリウム、ペンタクロロフェノキシドナトリウム、スピノサド、スルコフロン、スルコフロン−ナトリウム、スルフルアミド、スルフォテプ、フッ化スルフリル、スルプロフォス、タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テルブフォス、テトラクロロビンホス、テトラメトリン、テトラメトリン、シータ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオスルタップ−ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルフォン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、キシリルカルブ、ゼータ−シペルメトリン、およびリン化亜鉛が含まれる。
【0016】
フィプロニル、クロルフェナピル、スピノサド、チアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、アセタミプリド、ジノテフラン、フロニカミド、ニテンピラム、ニチアジン、およびエチプロールが、一般に好ましい殺虫剤である。殺シロアリ性組成物において、次のリストからの1つまたは複数の化合物を使用できることがより好ましい:フィプロニル、クロルフェナピル、スピノサド、チアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、およびエチプロール。イミダクロプリド、およびフィプロニルが特に好ましい。
【0017】
昆虫成長調節剤も、本発明内にあるとみなされる殺シロアリ剤である。アバメクチン、アザジラクチン、硼砂、クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、エマメクチン、エトキサゾール、ベンゾエート、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ヒドロプレン、ヒドロメトノン、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メトプレン、ミルベメクチン、ナフタレン化合物、ノビフルメロン、スピノサド、テフルベンズロン、トリフルムロン、ヒドラメチルノン、およびスルフルイミドが一般に好ましい殺シロアリ剤である。ヘキサフルムロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、ヒドラメチルノン、ルフェヌロン、ノビフルムロン、およびトリフルムロンが特に好ましい。
【0018】
本発明によって好ましい殺虫剤組成物の中では、本発明者らは、例としてしかしこれらに限定せずに、下記の組成物を挙げることができる:
【0019】
【表1】



【0020】
用語「担体」とは、天然または合成とすることができ、また有効成分と結合しており、また処理される生育場所への有効成分の適用を容易にする有機または無機材料をいう。したがって、この担体は一般に不活性であり、特に企図されるまたは処理される生育場所について、農業的に許容できるものとすべきである。担体は固体(粘土、ケイ酸塩、シリカ、石灰石、石膏、セラミックス、樹脂、ワックス、肥料など)、または液体(水、アルコール、ケトン、油溶媒、飽和または不飽和炭化水素、塩素化炭化水素、液化石油ガスなど)とすることができる。
【0021】
多くの添加剤の中では、本発明の組成物は、界面活性剤、ならびに、分散剤、固着剤、消泡剤、不凍剤、染料、増粘剤、接着剤、保護コロイド、浸透剤、安定剤、金属イオン封鎖剤、凝集防止剤、腐食抑制剤、顔料、およびポリマーなどの他の成分を含むことができる。
【0022】
より一般的には、本発明の組成物は、殺虫剤、および殺虫剤処理の分野において知られているあらゆる種類の固体または液体添加剤を含有することができる。本発明による誘引剤組成物は、要求される効力および標的とされる昆虫に応じて非常に様々な割合における炭化水素化合物の混合物を含有できる。本発明による組成物は、0.000001重量%〜99.99重量%の本発明による炭化水素化合物の混合物、好ましくは0.0001重量%〜99.99重量%、より好ましくは0.01〜99.99重量%の本発明による炭化水素化合物の混合物を含有できることが好ましい。本殺シロアリ性組成物は、殺シロアリ剤として有効な量の、すなわち通常の技術者がこれらを適用するのに知っている量の1種または複数の殺シロアリ剤を一般に含有する。
【0023】
界面活性剤は、乳化または湿潤型の、イオン性または非イオン性のものとすることができる。可能な界面活性剤は、ポリアクリル酸もしくはリグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸もしくはナフタレンスルホン酸の塩、脂肪族アルコールもしくは脂肪酸もしくは脂肪族アミンもしくは置換されたフェノール(特にアルキルフェノールもしくはアリールフェノール)とのエチレンオキシドの重縮合物、スルホコハク酸の塩−エステル、タウリン酸アルキルなどのタウリン誘導体、リン酸エステル、またはアルコールもしくはポリオキシエチル化フェノールのエステルである。噴霧媒体が水である場合、有効成分が水溶性ではないので、少なくとも1種の界面活性剤の使用が一般に必要とされる。
【0024】
それぞれの組成物(a)および(b)は、固体または液体の形で使用することができる。
【0025】
固体組成物は、散粉用または撒布用粉末、ならびに粒剤、特に押出しされた、団粒とした、もしくは圧縮された粒剤、または粉末の含浸により作られている粒剤とすることができる。
【0026】
液体組成物、あるいは適用される場合液体でなければならない、または液体中に分散しなければならない組成物には、溶液、水溶性濃縮物、乳化性濃縮物、懸濁液、懸濁液濃縮物、懸濁エマルション、エマルション、水和剤もしくはペースト、または水分散性粒剤が含まれる。これらの水和剤または散粉用粉末を得るためには、ミルまたは同様の装置内で粉砕することによるなど、有効成分および添加剤を完全に混合することが適正である。分散性粒剤は、粉末の団粒化により、続いて適正な造粒プロセスにより一般に作られる。本明細書に記載されているエマルションは水中油型または油中水型のものとすることができる。エマルションの流動性は、低粘性から、ゲルの粘性に近づいた高粘性までの範囲とすることができる。
【0027】
これらの多くの組成物または製剤の中で、当業者は、処理課題の特定の条件により、最も適正なものを選択することができる。それぞれの組成物(a)および(b)について、同一の形態、または異なった形態いずれかを使用することが可能である。
【0028】
一般に本発明の組成物(a)および(b)は、特にシロアリ、および他の社会性昆虫、例えばアリ、ゴキブリ、ハサミムシ、およびバッタの防除において、土壌またはマルチ(根覆い)中に噴霧され、灌注され、撒布され、被覆され、または混合される。本組成物が、防除される有害生物種に対して、特にアリおよび/またはシロアリに対して実質的に非忌避性であることが好ましい。本発明の組成物を適用する方法は、一般に、本発明による濃縮製剤を希釈することにより予め作っておいた混合物を噴霧することである。
【0029】
一実施形態において、組成物(a)および(b)は別々に形成され、混合され、次いで生育場所に適用される。この実施形態において、組成物(a)は、基材に付着された誘引剤組成物を含み、この基材は生育場所内の誘引剤組成物の移動を実質的に阻害する。基材の例には、シリカ、シリカゲル、ヒュームドシリカ、アルミノケイ酸塩、およびこれらの塩が含まれる。
【0030】
例えば、生育場所が土壌であり本組成物を一緒に適用する場合、基材が誘引剤を保有しており、またシロアリおよび/または社会性昆虫により発見可能な形において保有している。しかし殺シロアリ剤、好ましくは水混和性殺シロアリ剤は、本発明による第1の場所および第2の場所が作り出されるような形で、下方に移動する傾向がある。すなわち、殺シロアリ剤は一般に土壌内で移動性がある。用語、移動性がある(mobile)とは、有効成分が水によって移動し元の配置した領域から離れ得ない程、殺シロアリ剤は土壌にしっかり結合されてはいないという意味である。例えば、殺シロアリ性有効成分は、20℃において約100mg/L〜5000mg/L、好ましくは200〜1000mg/L、また最も好ましくは300〜600mg/Lの水中溶解度を有し得る。
【0031】
この実施形態において、殺シロアリ剤は、一般に、標準状態下で測定して20〜1000、好ましくは100〜500、好ましくは120〜250のオクタノール−水係数(KOC)を有する。
【0032】
殺シロアリ剤は、一般に50日〜1000日、好ましくは50〜500日のDT50値、すなわち殺虫剤の最初の量または濃度の2分の1が生育場所から散逸されるのに要する散逸時間、を有する。
【0033】
一般に殺シロアリ剤は、弱酸性、中性、および弱塩基性条件、すなわち一般にpH4〜10、好ましくはpH5〜9において一般に安定である。logPOWは0.1〜1.5、好ましくは0.25〜1.3であることが好ましい。logPOWは、20℃における、ゼロ(0)よりも大きいオクタノール水分配係数の底10の対数である。
【0034】
殺シロアリ剤は、昆虫のニコチン作動性アセチルコリン受容体のアンタゴニストまたはアゴニストであり得る。本発明に適している水混和性殺虫剤の例には、クロロニコチニル系殺虫剤、例えば、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、またはジニトフランが含まれる。
【0035】
一般に、各組成物が適用される場所は、互いに実質的に近接している。例えばこれらの場所は、一般に互いに隣り合っており、またはこれらは所定の距離だけ一方が他方から隔てられていてもよい。好ましい実施形態において、各組成物の場所は互いに十分に接近し、このため誘引剤により誘引されたシロアリが殺シロアリ性組成物に到達することもできるようなものであることが好ましい。これらの場所は約2メートル〜7メートル、好ましくは約1メートル〜2メートル、より好ましくは約0.1メートル〜1メートル、また最も好ましくは約5mm〜50mmの距離だけ一方が他方から隔てられていてもよい。これらの場所は互いに隣り合っていることが一般に好ましい。
【0036】
これらの場所が約1メートル以下だけ隔てられている場合、接続部材を使用してこれらの場所を連結できる。このような部材は、シロアリの穴掘り活動を方向付け、こうして連結された場所間のシロアリの移動を促進する道案内としての役割を果すことができる。この部材、または連結体(link)は、連結された場所間でシロアリの穴掘り活動を、したがってシロアリの移動を方向付ける触覚的道案内手段としての役割を果す、所望される処理の位置にある既存の他の適切な表面または構造物とすることもできる。この部材の例は、基礎壁、石造または組積歩道およびパティオ、スタッコまたは他のベニヤ様構造塗装物、庭園床縁取り材、木またはセルロース製型板、ウレタンまたはポリスチレンフォーム系構造材料、ユーティリティ管、ケーブル、導線、マルチ苗床、用水ライン、樹木の根などの構造物、ならびに、シロアリ誘引剤および殺シロアリ性組成物を隣り合って配置したものの間で触覚的道案内手段としての役割を果す他の実質的に連続した構造物とすることができる。
【0037】
生育場所の第1および/または第2の場所は、シロアリ用エサを含むことができる。適切なシロアリ用エサには、セルロース、または木材、ボール紙、紙などのセルロース由来材料が含まれる。シロアリ用エサとして有用な適切な材料は、当業者に知られている。エサ成分も、本発明の組成物において企図されている。栄養性餌付け刺激剤、例えば脂肪酸、アミノ酸、糖、炭水化物、ペクチン、デンプン、塩、キチン、揮発性植物油、などが含まれる。
【0038】
生育場所における組成物の場所は、互いに実質的に近接した帯の形とすることができる。これらの帯は平行であることが一般に好ましい。本発明の他の実施形態において、これらの帯は、同一の場所内に実質的に適用されるよりも、別々の場所で交差しまたは重ねることができる。これらの場所は、1つの場所の面積または幅の一般に50%未満まで、重ねることができる。
【0039】
本発明の他の実施形態において、第1の場所が第2の場所を実質的に取り囲むことができ、あるいは第2の場所が第1の場所を実質的に取り囲むことができる。これらの場所は互いに近接しており、また隣り合うことができ、あるいはこれらの場所は所定の距離まで一方が他方から隔てられていてもよい。これらの場所は、同心性円環の形として、または外側の場所により取り囲まれた中心の場所として形成できる。例えば、シロアリ用エサの周囲に誘引剤組成物を噴霧させてもよいが、エサ上には噴霧できない。他の例において、シロアリ用エサステーションを取り囲む土壌を、誘引剤組成物で処理できる。
【0040】
本発明はまた、少なくとも2つの別個の面を有し、この別個の面の1つの面が、シロアリを誘引する量の本発明による誘引剤組成物で処理され、および/または被覆され、および/またはこの誘引剤組成物を含浸している装置をも提供する。第2の面は、殺シロアリ剤として有効な量の殺シロアリ性組成物を場合によって含む。このような装置の例には、規定された厚さを有する任意の適切な形に成形された平面シート;内側および外側表面を有する中空な球であり、この球が、内側および外側表面の一方を他方と連絡することが可能になる孔を場合によって有し得る球;ならびにn個の面を有する多面体(または、例えば非平面的面および/もしくは丸みを帯びた角部を有する多面体様形状)であり、この多面体の1つまたは複数の面を誘引剤で処理でき、また他の面を殺シロアリ性組成物で処理できる装置が含まれる。このような装置の任意の面について、同一の面上の2つの異なった場所を両方の組成物で処理することが可能である。
【0041】
本発明はまた、
(a)シロアリを誘引する量の、本明細書において以前に定義した組成物を含有する流動性媒質と、
(b)殺シロアリ性組成物を含有する流動性媒質と
を含み、これらの媒質は容器内に封入されるが、使用しない場合これらの媒質が接触せずに互いに分離されるという条件のもとに、容器と一体化した仕切りにより互いに分離され、また使用する場合、これらの媒質が互いに近接しているような形において前記容器から小出しされる(例えば搾り出すことにより)複合シロアリ防除製品をも提供する。
【0042】
本複合製品は、シロアリを防除することが期待され、または必要とされる生育場所に適用できる。一般にこれらの媒質は、使用する場合、一緒にして流動性製品の1つの流れとされ、またこれらの媒質は隣り合っているが、混合はされない。別法として、使用する場合、これらの媒質は2つの異なった流動性流れとして、しかし一方が他方と隣り合って配置できる。
【0043】
本発明はまた、
(a)本明細書において以前に定義したシロアリ誘引剤の組成物と、
(b)殺シロアリ性組成物と
を含み、シロアリ誘引剤の組成物および殺シロアリ性組成物は、互いに分離され水溶性または水分散性材料中にまたはこれら材料内に、別々に封入され、また連結体により接続されている複合シロアリ防除製品をも提供する。一般に連結体は、水溶性または水分散性材料の一部から成形されまたは形成される。連結体は、他の適切な物質のもの、例えば撚り糸、または紐、またはフィラメントとすることもできる。連結体は、シロアリの穴掘り活動を方向付けし、またこうして連結されたパッケージ間のシロアリの移動を方向付けする触覚的道案内の役割を果す他の適切な物質および構造のものとすることもできる。生分解性材料を使用することが好ましい可能性がある。連結体は、シロアリの穴掘り活動を方向付けし、またこうして連結された適用物またはパッケージ間のシロアリの移動を方向付けする触覚的道案内の役割を果す、所望の処理場所における既存の他の適切な表面または構造物とすることもできる。この連結体の例は、壁基礎、石造または組積歩道およびパティオ、スタッコまたは他のベニヤ様構造塗装物、庭園床縁取り材、木またはセルロース製型板、ウレタンまたはポリスチレンフォーム系構造材料、ユーティリティ管、ケーブル、導線、マルチ苗床、用水ライン、樹木の根などの構造物、ならびに、シロアリ誘引剤および殺シロアリ性組成物を隣り合って配置したものの間で触覚的道案内手段としての役割を果す他の実質的に連続した構造物とすることができる。
【0044】
このような水溶性または水分散性材料は、欧州特許公開EP347222A1号、EP347221A1号、EP347220A1号、およびEP347119A1号中に記載され、また当業者に一般に知られている。ポリビニルアルコールが特に好ましい水分散性材料である。
【0045】
本発明はまた、殺シロアリ性組成物を含むシロアリ防除製品も提供する。ここで、殺シロアリ性組成物は水溶性または水分散性材料により封入され、またはこの材料に組み込まれており、但し、水溶性または水分散性材料は、殺シロアリ性組成物を受け入れまた封入するようなサッシェ(小袋)または袋の形に成形されていない。このような袋およびサッシェは、EP347222A1号、EP347221A1号、EP347220A1号、およびEP347119A1号中に記載されている。
【0046】
好ましい実施形態において、殺シロアリ性組成物および水分散性材料は混合され、殺シロアリ性組成物が物品の周囲および/または物品内に広く均一に分布されている成形物品に変換される。例えば、殺シロアリ剤の顆粒状組成物をポリビニルアルコールと一緒に加熱し、装置から押し出した、ロープ、細片、帯、またはシートである本発明の製品を提供する。
【0047】
他の実施形態において、殺シロアリ性組成物は、水分散性材料の2つの層または積層物によって、組成物が層間にはさまれるように封入できる。殺シロアリ性組成物は、固体(例えば顆粒状)または積層物の形態とすることができる。例えば、ポリビニルアルコールのシートは、一方の面に殺シロアリ性組成物を積層でき、また殺シロアリ性組成物の積層物に、ポリビニルアルコールを積層できる。シートの端部はポリビニルアルコールで封止されまたはポリビニルアルコールを積層でき、こうして殺シロアリ性組成物が封入される。
【0048】
前述の2つの実施形態、または本明細書および特許請求範囲における他の実施形態において、本発明の誘引剤組成物は、殺シロアリ性組成物と一緒にまたは別々に使用できる。前述の2つの実施形態におけるように、別々に使用する場合、例えば、水分散性材料の領域が、殺シロアリ性組成物と、誘引剤組成物とを分離できる。しかし、誘引剤組成物は、殺シロアリ性組成物に近接して、生育場所において別々に適用してもよい。
【0049】
他の実施形態において、殺シロアリ性組成物および/または水分散性材料は、殺シロアリ剤の制御された劣化放出をもたらすように設計または成形できる。
【0050】
一実施形態において、このような水分散性材料は、欧州特許公開EP347222A1号、EP347221A1号、EP347220A1号、およびEP347119A1号中に記載され、また当分野の通常の技術者に一般に知られている。
【0051】
(実施例)
【実施例1】
【0052】
シロアリから保護されるように指定された家屋の周囲に、V断面の溝を用意する。この溝の一方の面に、適正な量の11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−(Z)−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン、および5−メチルテトラコサンの液体製剤を噴霧し、また他方の面にフィプロニルの組成物を噴霧する。この溝を閉じる。1週間後、シロアリの一群体からの、溝内でエサを漁っているシロアリが見出される。噴霧後4週間において、この溝の領域内にシロアリは全く見出されない。
【実施例2】
【0053】
Sentricon(登録商標)シロアリ用エサおよび防除ステーション(Dow Agrosciences社、米国)を地面に設置する。11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−(Z)−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン、および5−メチルテトラコサンの液体製剤を、ステーション周囲の土壌上に噴霧する。対照標準として他のSentricon(登録商標)ステーションを使用する。噴霧後4週間において、対照用ステーションの場合よりも多くのシロアリが、この周囲に製剤を噴霧したSentriconステーションを探索していることが見出されている。
【実施例3】
【0054】
酢酸セルロースと、11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−Z−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン、および5−メチルテトラコサンの混合物とのペーストを、搾り出し可能なチューブ(狭いくびれた部分と、このくびれた部分の端部における穴とを有し、通路を形成する)である一区画に封入し、他の区画におけるイミダクロプリド(0.05%)の流動性ペーストから分離している。チューブから搾り出されるとき、2つのペーストはくびれた部分を通ってチューブで一緒になり、2成分複合ペーストとして穴から出るが、この複合ペーストの成分は実質的に混合されていない。
【実施例4】
【0055】
保護される構造物の外側基礎壁部に対し、低濃度のしかし有効な濃度の殺シロアリ性処理液PREMISE 75WPを、低減されたしかし有効な適用体積で、標準的な商業用適用装置を使用し、12インチの間隔を空けて1フィートの深さまで注入する。別個の第2の適用において、低濃度の糖をブレンドしたセルロース粉末を圧縮した固体マトリックスと、適正な量の11−メチルテトラコサン、5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、z−9−ペンタコセン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、5,17−ジメチルペンタコサン、および5−メチルテトラコサンの表面処理物を予め適用した垂直細片とからなる無毒性のエサ棒を、注入した殺シロアリ剤溶液の1フィート以内にある土壌内に3フィートの間隔で配置する。1週間後、病的なふらふらのシロアリがエサ棒付近の地面から現われているのが見出される。噴霧後4週間では、処理物の領域内にシロアリは全く見出されない。
【実施例5】
【0056】
ポリビニルアルコールおよびイミダクロプリド(Premise 75WPの形態における)を加熱し、適正な押出し装置により押し出して、幅4インチおよび厚さ0.1インチのリボン500フィートをもたらす。このリボンを乾燥する。最終分析により、このリボンは、リボン1直線フィート当り約0.5〜0.9グラムのイミダクロプリドの用量を提供することが示される。
【実施例6】
【0057】
(A)移動阻止剤組成物の調製:
アセトン(0.06g)中の0.06重量%溶液としての約11.4、36.3、19.6、27.7、5.0の割合における5−メチルペンタコサン、11−メチルペンタコサン、9−Z−ペンタコセン、n−ペンタコサン、およびn−ヘキサメチルコサンの混合物をアセトン中に希釈し、149.4gのZeolex(登録商標)7A商標のシリカ(j.M.Huber,Inc.社、米国)と混合した。3.5mmHgにおいて50℃で蒸発させることによりアセトンを除去して、均質な流動性粉末をもたらした。この粉末を850gのPremise(登録商標)75WP(イミダクロプリド有効成分)と混合し、一定した外観を呈するまで摩砕した。
【0058】
(B)パート(A)の移動阻止剤組成物の使用:
最終生成物を土壌中に配置する。数カ月後、イミダクロプリドは下方に移動するが、誘引剤の組成物はシリカゲルに付着したまま残留する。シロアリは、シリカに吸着された炭化水素の混合物に誘引され、また殺シロアリ剤を通って穴を掘る。
【実施例7】
【0059】
ポリビニルアルコールの帯で連結された直線連鎖状のポリビニルアルコール製パウチ(袋)に、Premise75WP(Bayer CropScience LP、米国)の形態におけるイミダクロプリドと、実施例6の移動阻止剤組成物とを1つおきに充填する。すなわち、1つおきのパウチがイミダクロプリドを包含し、また1つおきのパウチが移動阻止剤組成物を包含する。この連鎖物を溝内に埋設する。ポリビニルアルコールが砕解され、すると移動阻止剤およびイミダクロプリドが放出される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭素原子20から40個を含むアルカンまたはアルケンであるものとして選択される炭化水素化合物の混合物を含む、シロアリ誘引剤の組成物を提供するステップと、
(b)殺シロアリ性組成物を提供するステップと、
(c)シロアリを誘引するのに有効な量の前記シロアリ誘引剤の組成物で処理している第1の場所を、生育場所において形成するステップと、および
(d)殺シロアリ剤として有効な量の前記殺シロアリ性組成物で処理している第2の場所を、前記生育場所において形成するステップであり、第2の場所が第1の場所に近接しているステップと
を含む、生育場所においてシロアリおよび他の社会性昆虫を防除する方法。
【請求項2】
前記組成物のいずれかまたは両方を土壌上に噴霧する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物のいずれかまたは両方を土壌内に混合する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記殺シロアリ性組成物が、シロアリに対して実質的に非忌避性である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の場所が、第2の場所により取り囲まれている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の場所がシロアリ用エサをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の場所がシロアリ用エサをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の場所が、2カ所以上の第2の場所と隣り合っている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
(a)請求項1において定義しているシロアリ誘引剤の組成物を提供するステップと、
(b)殺シロアリ性組成物を提供するステップと、
(c)シロアリを誘引するのに有効な量の前記シロアリ誘引剤の組成物で処理している第1の場所を、生育場所において形成するステップであり、またここで前記第1の場所が帯の形態であるステップと、
(d)殺シロアリ剤として有効な量の前記殺シロアリ性組成物で処理している第2の場所を、前記生育場所において形成するステップであり、前記第2の場所の帯が、前記第1の場所の帯に近接した第2の帯の形態のものであるステップと
を含む、生育場所においてシロアリを防除する方法。
【請求項10】
(a)請求項1において定義しているシロアリ誘引剤の組成物を提供するステップと、
(b)殺シロアリ性組成物を提供するステップと、
(c)シロアリを誘引するのに有効な量の前記シロアリ誘引剤の組成物で処理している第1の場所を、生育場所において形成するステップと、
(d)殺シロアリ剤として有効な量の前記殺シロアリ性組成物で処理している第2の場所を、前記生育場所において形成するステップであり、前記第2の場所が、前記第1の場所を実質的に取り囲んでいるステップと
を含む、生育場所においてシロアリを防除する方法。
【請求項11】
前記第1の場所が土壌内または土壌上にある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の場所が、シロアリ監視および/または防除装置をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2つの別個の面を備え、この別個の面の1つの面は、シロアリを誘引する量の請求項1において定義している誘引剤組成物で処理され、および/または被覆され、および/またはこの誘引剤組成物を含浸しており、またこの別個の面における第2の別個の面は、有効な量の請求項1において定義している殺シロアリ性組成物で処理され、および/または被覆され、および/またはこの殺シロアリ性組成物を含浸しており、この第2の別個の面はシロアリを誘引する量の誘引剤組成物で処理されておらず、および/または被覆されておらず、および/またはこの誘引剤組成物を含浸していない、シロアリまたは他の社会性昆虫を誘引しまたは防除する装置。
【請求項14】
(a)シロアリを誘引する量の請求項1において定義している組成物を含有する流動性媒質と、
(b)請求項1において定義している殺シロアリ性組成物を含有する流動性媒質と
を含み、これらの媒質は容器内に封入されているが、使用しない場合前記媒質が全く接触せずに互いに分離されるという条件のもとに、前記容器と一体化した仕切りにより互いに分離されており、また使用する場合、前記媒質が互いに近接しているような形において前記容器から小出しされる、複合シロアリ防除製品。
【請求項15】
(a)請求項1において定義しているシロアリ誘引剤の組成物と、
(b)請求項1において定義している殺シロアリ性組成物と
を含み、前記シロアリ誘引剤の組成物および前記殺シロアリ性組成物は、互いに分離された水溶性または水分散性材料中に別々に封入され、また連結体により接続されている、複合シロアリ防除製品。
【請求項16】
前記連結体が水溶性または水分散性材料から形成される、請求項15に記載の複合シロアリ防除製品。
【請求項17】
殺シロアリ性組成物は水溶性または水分散性材料により封入され、またはこの材料に組み込まれており、但し、前記水溶性または水分散性材料は、殺シロアリ性組成物を受け入れまた封入するようなサッシェまたは袋の形に成形されていない殺シロアリ性組成物を含むシロアリ防除製品。
【請求項18】
水混和性殺シロアリ剤を含む殺シロアリ性組成物と、請求項1に記載の誘引剤組成物とを混和するステップと、製品を土壌に適用するステップと、このように処理した前記土壌から前記殺シロアリ性組成物中の前記水混和性殺シロアリ剤を、時間を掛けて流出させ、殺シロアリ性領域を第1の場所に形成し、またシロアリ誘引剤領域を第2の場所に形成するステップとを含む、シロアリ防除製品。

【公表番号】特表2007−537259(P2007−537259A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513244(P2007−513244)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/016078
【国際公開番号】WO2005/110040
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506018237)バイエル・クロツプサイエンス・エル・ピー (16)
【Fターム(参考)】