説明

シンク

【課題】
シンク下のキャビネットや吊り戸棚等を水切りスペースとしてではなく収納スペースとして有効に活用するために、シンク下のキャビネットやシンク上方の吊り戸棚ではない位置にあるシンク本体内において、収納型の水切り棚を設けたシンクを提供する。
【解決手段】
シンク本体3の内壁31に収納された水切り棚2がシンク本体3内に引き出し自在であることを特徴とするシンク1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水切りとは、水分を取ること、あるいは水分を取るための用具を指し、水切り棚板、水切り籠、水切り板等、水切り棚と総称される。近年では、洗浄装置や乾燥装置を組み込んだ水切り棚にて構成される食器洗い乾燥機もよく用いられている。
【0003】
これら水切り棚は、一般的にシンク周りに設けられるが、例えば、シンク本体の両辺に橋架けされたシンク本体内設置の水切り棚は、食器等を洗浄後、姿勢を変えずに食器を水切り棚へセットでき、食器等に付着した水はシンク本体内に落ちるため、床やキッチン天板上を濡らしてしまう心配もないため、家庭ではよく用いられている。ただし、この水切り棚は、水切り中は、シンク本体内のスペースを占有してしまうという問題点があった。
【0004】
一方、シンク本体内のスペースを有効活用するという点では、台所の壁面(特許文献1)、キッチンに設けられた対面式カウンター(特許文献2)やバックカウンター(特許文献3)等、様々な設置場所が考慮されたシンク外設置の水切り棚が挙げられるが、洗浄後の食器等を水切り棚に移動する際に、食器等に付着した水が滴り、床やキッチン天板上を濡らしてしまう問題点や、食器等を洗浄した後に姿勢を変えずにそのままの姿勢で食器等を水切り棚へセットすることができないため、前記シンク本体内設置の水切り棚よりも作業効率が劣るという問題点があった。
【特許文献1】特開平6−327610号公報
【特許文献2】特開平8−117123号公報
【特許文献3】実開平6−070638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、床やキッチン天板上を濡らしてしまうことがなく、また、食器等を洗浄した後に姿勢を変えずにそのままの姿勢で食器等を水切り棚へセットすることができ、さらに、水切り中もシンク本体内のスペースを有効に活用することができるシンクを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、第1には、シンク本体の内壁背後に収納された水切り棚がシンク本体内に引き出し自在であることを特徴としている。
【0007】
第2には、シンク本体の横側内壁背後にキャビネットがあって、キャビネットに水切り棚が収納されることを特徴としている。
【0008】
第3には、水切り棚が食器洗い乾燥装置を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の発明によれば、水切り棚をシンク本体内に引き出して、洗浄後の食器等をシンク本体内で水切り棚にセットできるため、床やキッチン天板上を濡らしてしまうことがなく、また、食器等を洗浄した後に姿勢を変えずにそのままの姿勢で食器等を水切り棚へセットすることができて使い勝手がよく、さらに、食器等を水切り棚へセットしてから水切り棚をシンク本体の内壁背後に収納、より詳細には、第2の発明のように、シンク本体の横側内壁背後にあるキャビネットに水切り棚を収納することによって、シンク本体内のスペースを有効に活用することができる。
【0010】
上記第3の発明によれば、上記第1の発明の効果に加えて、食器等の洗浄、乾燥を自動的に行うことができるので、これらの作業の手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、シンクなる用語は、一般的には、リビングキッチン、洗面台等において、蛇口等を有し、水を流すための排水口が形成された金属、石材あるいはセラミックス製の流し槽を有する流し装置を指す用語である。ただし、本発明においては、蛇口等からの水を流すための排水口が形成された流し槽をシンク本体と称し、シンク本体と水切り棚とを合わせてシンクと称する。
【0012】
以下、本発明のシンクについて詳しく説明する。
【0013】
図1は、本発明のシンクの一実施形態であって、水切り棚をシンク本体内に引き出した際の要部拡大斜視図である。
【0014】
図2は、本発明のシンクの一実施形態であって、水切り棚をシンク本体の内壁背後に収納させた際の要部拡大斜視図である。
【0015】
図3は、本発明のシンクの一実施形態の斜視図である。
【0016】
図1、2のように、本発明のシンク1は、水切り棚2とシンク本体3からなる。そして、本発明の特徴として、シンク本体3の内壁31背後に収納された水切り棚2がシンク本体3内に引き出し自在である。本発明のシンク1は、このような主構造を有していれば、その他の構造は特に制限されない。ただし、例えば、図1、2のシンク1は、本発明の一実施形態として、図3のように、蛇口51やクッキングヒーター52が設けられたリビングキッチン5の一部として使用されたものとすることができ、シンク1の実施形態は特に制限されず、リビングキッチン5でもよいし、洗面台等でもよい。
【0017】
本発明のシンク1は、より具体的には図1、2のように、シンク本体3の内壁31に開口32が設けられている。なお、シンク本体3の内壁31背後に収納された水切り棚2がシンク本体3内に引き出し自在であるということは、当然にリビングキッチン5には、水切り棚2を収納可能な程度の大きさのキャビネット4が設けられていることは言うまでもない。つまり、シンク本体3の横側内壁31背後にキャビネット4があって、キャビネット4に水切り棚2が収納される。また、本発明のシンク1の水切り棚2は、シンク本体3の内壁31の開口32を覆うための、開口32と略同一形状の蓋体33(31)と固定一体化されている。蓋体33(31)は、水切り棚2の収納時に、シンク本体3の内壁31と面一となり、同内壁31の一部である。つまり、シンク本体3の内壁31の一部と水切り棚2とが常に、直接的または間接的に固定一体化されており、両者が切り離されて使用されることはない。なお、蓋体33(31)には、引き出し把手34を設け、引き出し把手34を用いることによって引き出しを容易とすることが好ましい。
【0018】
このような構造によって、水切り棚2は、シンク本体3の内壁31の開口32に押し込んで、キャビネット4に収納することも、シンク本体3内に引き出すことも自在とされている。
【0019】
以上のような本発明によって、水切り棚2をシンク本体3内に引き出して、洗浄後の食器等をシンク本体3内で水切り棚2にセットできるため、床やキッチン天板上を濡らしてしまうことがなく、また、食器等を洗浄した後に姿勢を変えずにそのままの姿勢で食器等を水切り棚2にセットすることができて使い勝手がよく、さらに、食器等を水切り棚2へセットしてから水切り棚2をシンク本体3の内壁31背後に収納、より詳細には、シンク本体3の横側内壁31背後にあるキャビネット4(横側内壁31の横に設けられたキャビネット4)に水切り棚2を収納することによって、シンク本体3内のスペースを有効に活用することができる。
【0020】
さらに、本発明は、水切り棚が食器洗い乾燥装置を有していてもよく、つまり水切り棚が食器洗い乾燥機であってもよく、食器等の洗浄、乾燥を自動的に行うことができるので、これらの作業の手間を省くことができる。
【0021】
なお、以上のような本発明のシンクの細部に関しては、様々な態様が可能であり、上記の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のシンクの一実施形態であって、水切り棚をシンク本体内に引き出した際の要部拡大斜視図である。
【図2】本発明のシンクの一実施形態であって、水切り棚をシンク本体の内壁背後に収納させた際の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明のシンクの一実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1 シンク
2 水切り棚
3 シンク本体
31 内壁
32 開口
33 蓋体(31)
34 引き出し把手
4 キャビネット
5 リビングキッチン
51 蛇口
52 クッキングヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンク本体の内壁背後に収納された水切り棚がシンク本体内に引き出し自在であることを特徴とするシンク。
【請求項2】
シンク本体の横側内壁背後にキャビネットがあって、キャビネットに水切り棚が収納されることを特徴とする請求項1記載のシンク。
【請求項3】
水切り棚が食器洗い乾燥装置を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のシンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−206602(P2008−206602A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44643(P2007−44643)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】