シース管用空隙検査装置
【課題】 コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単に検査することができるシース管用空隙検査装置を提供する。
【解決手段】 シース管に取り付けた空隙検出器をコントローラの操作によって管上の適当な位置に移動させ、空隙検出器のセンサから超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射させ、センサがその反射波を受信すると反射波信号に変換してコントローラに送信し、コントローラが解析処理部によってこの反射波信号をもとに空隙の有無や空隙の範囲を判定して表示部に画面表示する。
【解決手段】 シース管に取り付けた空隙検出器をコントローラの操作によって管上の適当な位置に移動させ、空隙検出器のセンサから超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射させ、センサがその反射波を受信すると反射波信号に変換してコントローラに送信し、コントローラが解析処理部によってこの反射波信号をもとに空隙の有無や空隙の範囲を判定して表示部に画面表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シース管用空隙検査装置に関するものである。詳細は、コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単に検査することができるシース管用空隙検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術において橋梁などの構造物を造るとき、コンクリート内に埋設したシース管にPC鋼材を挿通し、PC鋼材に引張力をかけて固定し、シース管とPC鋼材との隙間にグラウトを充填させて固化させるプレストレストコンクリート工法(以下、PC工法)が用いられている。
【0003】
このPC工法では、シース管に充填するグラウトが不十分であると、シース管とPC鋼材との間に空隙ができてしまい、所定の強度が得られなかったり、空隙に侵入する水分などによってPC鋼材が腐食して耐久性が低下するという問題がある。
【0004】
そこで、コンクリート内に埋設したシース管内のグラウトの充填状態を検査する方法が様々に考案されており、例えば、コンクリート部材1内に埋め込まれたシース2に分岐管4を設け、この開放された先端を塞ぐように電極支持部材5を固定し、この電極支持体には、分岐管の内側に露出するように二つの電極6a,6bが、互いに絶縁状態で支持されており、これらの電極にはそれぞれ導電線7a,7bが接続され、コンクリート部材外まで導かれ、この導電線には、相互間に電圧を印加して電気抵抗を測定する抵抗測定器8を接続し、PC鋼材3の緊張後、グラウトをシース内に充填したときに、導電線間の電気抵抗値が変化してグラウトが充填されたことを確認することができるグラウトの充填性検査装置及び充填性検査方法などが考案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−230915号公報(第5−6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、PC工法によって造られる橋梁などでは、上述したようなPC鋼材を挿通し、グラウトを充填したシース管をコンクリート内に埋設せずに、そのまま露出して用いる箇所もあり、このような箇所のシース管内を検査する場合、従来のコンクリート内に埋設したシース管の検査方法や検査装置では検査が困難であるという問題がある。
【0006】
従って、コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単に検査できるようにすることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るシース管用空隙検査装置は次のような構成にすることである。
【0008】
(1)シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、前記空隙検出器は、前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、超音波や電磁波などの入射波を前記シース管内に向けて発射し、その反射波を受信して反射波信号に変換する手段を備えたセンサと、前記センサで変換された前記反射波信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、前記コントローラは、前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、前記空隙検出器から送られてくる前記反射波信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記反射波信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていることを特徴とするシース管用空隙検査装置。
(2)前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていることを特徴とする(1)に記載のシース管用空隙検査装置。
(3)前記空隙検出器は、前記センサを前記シース管の円周方向に対して複数個配設していることを特徴とする(1)に記載のシース管用空隙検査装置。
【0009】
(4)シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、前記空隙検出器は、前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、前記シース管を叩くための打撃機構を有し、該打撃機構によってシース管を叩いたときに管内に伝播する打撃音を受信して打撃音信号に変換する手段を備えたセンサと、前記センサで変換された前記打撃音信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、前記コントローラは、前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、前記空隙検出器から送られてくる前記打撃音信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記打撃音信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていることを特徴とするシース管用空隙検査装置。
(5)前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていることを特徴とする(4)に記載のシース管用空隙検査装置。
【0010】
(6)シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、前記空隙検出器は、前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、前記シース管を叩くための打撃機構を有し、シース管を叩いたときの前記打撃機構の反発力を計測して反発力信号に変換する手段を備えたセンサと、前記センサで変換された前記反発力信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、前記コントローラは、前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、前記空隙検出器から送られてくる前記反発力信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記反発力信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていることを特徴とするシース管用空隙検査装置。
【0011】
上記構成とすることにより、空隙検出器をシース管に取り付け、コントローラの操作によって、シース管上の適当な位置に移動させ、空隙検出器のセンサから超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射させ、センサでその反射波を受信し、反射波信号に変換してからコントローラに送信し、コントローラでは、この反射波信号をもとにして解析処理を実行し、空隙の有無や空隙の範囲を判定して画面表示することで、シース管内の空隙の有無や範囲を確認することができる。
【0012】
また、空隙検出器にシース管を叩くためのハンマーなどを備えた打撃機構を設け、シース管上の適当な位置に移動させ、シース管の表面を叩いたときに管内に伝播する打撃音を受信(採音)したり、ハンマーの反発力を計測し、打撃音信号又は反発力信号に変換してコントローラに送信し、コントローラにより、打撃音信号又は反発力信号を解析することで、上記と同様に、シース管内の空隙の有無や範囲を確認することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシース管用空隙検査装置は、シース管に取り付けた空隙検出器をコントローラの操作によって適当な位置に移動させ、超音波や電磁波などをシース管内に向けて発射させるだけで、又は、空隙検出器に設けたハンマーなどによりシース管表面を叩くだけで管内の空隙の有無や空隙の範囲を検出できるので、コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単な方法で検査することが可能となり、グラウトが固化する前に不足分を充填して管内の空隙の発生を抑制することができるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明のシース管用空隙検査装置による実施の形態について図面を参照して説明する。但し、図面は専ら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0015】
[第1実施例]
図1は、本発明のシース管用空隙検査装置を構成する空隙検出器100とコントローラ200の主要部を簡略化して示したブロック図である。
【0016】
まず、空隙検出器100について説明する。空隙検出器100は、センサ111,通信部112,制御部113などを備えた検出部110と駆動機構120から構成され、コントローラ200から送られてくる制御信号などに従って動作する。
【0017】
検出部110のセンサ111は、発信部111a及び受信部111bから構成され、発信部111aは、超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し、受信部111bは、その反射波(反射エコー)を受信して電気信号などに変換して通信部112に送る。
【0018】
検出部110の通信部112は、センサ111の受信部111bから送られてくる電気信号(以下、反射波信号)などを所定フォーマットに変換してコントローラ200に送信し、また、コントローラ200から送られてくる制御信号などを受信して制御部113に送る。
【0019】
なお、コントローラ200(の通信部201)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0020】
検出部110の制御部113は、通信部112を介して送られてくるコントローラ200からの制御信号に従ってセンサ111や駆動機構120を制御する。
【0021】
駆動機構120は、シース管に取り付けることができる構造を有し、また、シース管を長手方向に移動するための移動手段を備え、更に、検出部110又はセンサ111を円周方向に移動させる機構を備えている。
【0022】
なお、上述したセンサ111を通信部112や制御部113と別体に構成するようにしてもよく、更に、センサ111の発信部111aと受信部111bを別体にして取り付けるようにしてもよい。
【0023】
また、センサ111をシース管10の円周方向に移動させる機構を設けずに、予め複数のセンサを取り付けるようにしてもよい。
【0024】
次に、コントローラ200について説明する。コントローラ200は、通信部201,検出器制御部202,信号処理部203,CPU(Central Processing Unit)204,表示部205,操作部206などを備えている。
【0025】
通信部201は、CPU204の制御に従って動作し、空隙検出器100(の通信部112)から送られてくる反射波信号などの信号を受信して信号処理部203やCPU204に送り、また、検出器制御部202やCPU204から送られてくる制御信号などを所定フォーマットに変換して空隙検出器100に送信する。
【0026】
なお、空隙検出器100(の通信部112)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0027】
検出器制御部202は、CPU204の制御に従って動作し、操作部206の操作に応じて空隙検出器100のセンサ111や駆動機構120を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部201を介して空隙検出器100に送る。
【0028】
信号処理部203は、CPU204の制御に従い、通信部201を介して送られてくる空隙検出器100からの反射波信号に所定の信号処理を施してCPU204に送る。
【0029】
CPU204は、操作部206を介して送られてくる指示や予めセットされているプログラムなどに基づいて、コントローラ200内の各部を制御する。
【0030】
また、CPU204は、信号処理部203で信号処理された反射波信号にもとに解析処理を行い、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定する解析処理機能を備え、解析処理して判定した結果をデータとして表示部205などに出力する。
【0031】
表示部205は、CPU204の制御に従って動作し、操作状態や設定状態などを画面表示するとともに、CPU204から出力されたデータを画面で確認できるように変換し、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示する。
【0032】
操作部206は、コントローラ200を操作するためのユーザインターフェース部であり、空隙検出器100のセンサ111や駆動機構120などに対する指示を与えたり、所定の設定操作などを行うことができる。
【0033】
続いて、図1に示したシース管用空隙検査装置によって、シース管内の空隙の有無及び空隙の範囲を検出するときの動作について説明する。
【0034】
PC鋼材20を挿通したシース管10にグラウト1を充填し、グラウト1が固化する前にシース管10に空隙検出器100を取り付ける。
【0035】
図2及び図3は、空隙検出器100をシース管10に取り付けた状態を模式的に例示した図であり、シース管10への取り付け構造を有し、シース管10上を長手方向に移動する移動手段としてのローラ121を備え、更に、検出部110を円周方向に移動させる機構を有した空隙検出器100をシース管10に取り付ける。
【0036】
空隙検出器100をシース管10に取り付けたあと、コントローラ200の操作部206を介してシース管10の空隙を検出させるための所定の操作を行うと、操作部206の操作に応じて、空隙検出器100のセンサ111及び駆動機構120に所定の動作を実行させるための指令がCPU240に送られる。
【0037】
コントローラ200のCPU204は、操作部206を介して送られてくる指令に基づいて検出器制御部202を制御し、検出器制御部202は、空隙検出器100のセンサ111及び駆動機構120を制御するための制御信号を生成して通信部201に送る。
【0038】
コントローラ200の通信部201は、検出器制御部202から送られてくる制御信号を有線通信又は無線通信によって空隙検出器100に送出する。
【0039】
空隙検出器100は、コントローラ200から送られてくる制御信号を検出部110の通信部112によって受信すると、この制御信号を制御部113に送る。
【0040】
制御部113は、制御信号に従って駆動機構120を制御し、検出部110を円周方向に移動させてセンサ111を所定の位置に駐止し、センサ111の発信部111aからシース管10の中心部へ向けて超音波や電磁波などの入射波を発射させ、センサ111の受信部111bが発射された入射波の反射波(反射エコー)を受信すると、これを電気信号などに変換し、反射波信号として通信部112に送る。
【0041】
例えば、図4のように、空隙検出器100のセンサ111を、位置[a]→位置[b]→位置[c]というようにシース管10の円周方向に移動させ、それぞれの位置でセンサ111を駐止し、超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し、受信部111bでその反射波(反射エコー)を受信する。
【0042】
このように、シース管の円周方向の複数の位置(方向)からの超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し、その反射波(反射エコー)を受信して解析することにより、空隙の有無を確実に検出する。
【0043】
なお、空隙検出器100において、予め位置[a],[b],[c]となる位置にセンサ111を取り付けてある場合は、円周方向に移動させるための駆動機構は不要となる。
【0044】
そして、センサ111の受信部111bによって受信された各位置[a],[b],[c]における反射波(反射エコー)は反射波信号に変換されて通信部112に送られ、通信部112から有線通信又は無線通信によってコントローラ200に送信される。
【0045】
コントローラ200では、空隙検出器100(の通信部112)から送られてくる反射波信号を通信部201で受信すると、これを信号処理部203に送り、信号処理部203では、通信部201から送られてくる反射波信号に所定の信号処理を施してCPU204に送る。
【0046】
コントローラ200のCPU204は、信号処理部203で信号処理された反射波信号にもとにして所定の解析処理を実行し、シース管10内の空隙の有無を検出し、表示部205に画面表示させる。
【0047】
そして、シース管の円周方向における空隙検査が終了したら、コントローラ200を操作して空隙検出器100をシース管の長手方向に移動させ、別の位置の検査を行うことによって空隙が存在している範囲を確認する。
【0048】
例えば、図5のように斜めに取り付けられたシース管にグラウト1を注入する場合、範囲[1]はグラウト1が完全に充填されているが、範囲[2]では水分2が混入し、更に範囲[3]で空隙ができるというように、管の上端部ほど水分2が混入したり、空隙3ができる可能性が高くなる。
【0049】
図6は、シース管10に取り付けた空隙検出器100を、図5の範囲[1]→範囲[2]→範囲[3]の順に長手方向に移動させて空隙の検出を行うときの様子を模式的に示した図であり、図6の(a)が図5の範囲[1]、図6の(b)が図5の範囲[2]、図6の(c)が図5の範囲[3]を検査するときの状態に該当する。
【0050】
コントローラ200により、空隙検出器100をシース管の長手方向に移動させながら、各範囲における適当な位置で円周方向の複数の位置(方向)から超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し(図4参照)、その反射波(反射エコー)を受信して解析することで、グラウト1がシース管10内に完全にて充填されている範囲(図5の範囲[1])と、グラウト1に水分2が混入している範囲(図5の範囲[2])と、更に空隙3が存在する範囲(図5の範囲[3])とを判別することができる。
【0051】
このようにして、シース管10に取り付けた空隙検出器100をコントローラ200の操作によって円周方向の複数の位置からシース管10の中心部へ向けて超音波や電磁波などの入射波を発射させ、その反射波(反射エコー)を受信して解析することでシース管内の空隙の有無を確実に判定し、空隙検出器100をシース管の長手方向に移動させて別の位置の空隙の有無を検出することで、シース管内に存在する空隙の範囲を確認することができる。
【0052】
[第2実施例]
次に、第1実施例とは異なる構成のシース管用空隙検査装置について説明する。図7は、本発明のシース管用空隙検査装置を構成する空隙検出器100Aとコントローラ200Aの主要部を簡略化して示したブロック図である。
【0053】
第2実施例のシース管用空隙検査装置は、第1実施例の空隙検出器100におけるセンサ111の代わりに、シース管表面を叩くための打撃機構を有する打撃部と、打撃部によってシース管を叩いたときに管内を伝播する打撃音を受信する打撃音受信部からなるセンサ111Aを具備している。
【0054】
まず、空隙検出器100Aについて説明する。空隙検出器100Aは、センサ111A,通信部112A,制御部113Aなどを備えた検出部110Aと駆動機構120Aから構成され、コントローラ200Aから送られてくる制御信号などに従って動作する。
【0055】
検出部110Aのセンサ111Aは、打撃部111c及び打撃音受信部111dから構成されている。
【0056】
センサ111Aの打撃部111cは、シース管を叩くためのハンマーとこのハンマーなどを駆動する機構を備え、制御部113Aに従ってハンマーを駆動して管表面を叩く。
【0057】
センサ111Aの打撃音受信部111dは、シース管の表面に近接ないし密接するように取り付けられており、シース管表面を叩いたときに管内を伝播する打撃音を受信(採音)して電気信号など(以下、打撃音信号)に変換して通信部112Aに送る。
【0058】
なお、打撃音受信部111dには、周囲の騒音等の影響を受けることがないように遮音部材(例えば、ゴムや合成樹脂など)を配設するようにしてもよい。
【0059】
検出部110Aの通信部112Aは、センサ111Aの打撃音受信部111dから送られてくる打撃音信号を所定フォーマットに変換してコントローラ200Aに送信し、また、コントローラ200Aから送られてくる制御信号などを受信して制御部113Aに送る。
【0060】
なお、コントローラ200A(の通信部201A)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0061】
検出部110Aの制御部113Aは、通信部112Aを介して送られてくるコントローラ200Aからの制御信号に従ってセンサ111Aや駆動機構120Aを制御する。
【0062】
駆動機構120Aは、シース管に取り付けることができる構造を有し、また、シース管を長手方向に移動するための移動手段を備え、更に、検出部110A又はセンサ111Aを円周方向に移動させる機構を備えている。
【0063】
なお、上述したセンサ111Aを通信部112Aや制御部113Aと別体に構成するようにしてもよく、更に、センサ111Aの打撃部111cと打撃音受信部111dを別体にして取り付けるようにしてもよい。
【0064】
次に、コントローラ200Aについて説明する。コントローラ200Aは、通信部201A,検出器制御部202A,信号処理部203A,CPU(Central Processing Unit)204A,表示部205A,操作部206Aなどを備えている。
【0065】
通信部201Aは、CPU204Aの制御に従って動作し、空隙検出器100A(の通信部112A)から送られてくる打撃音信号などの信号を受信して信号処理部203AやCPU204Aに送り、また、検出器制御部202AやCPU204Aから送られてくる制御信号などを所定フォーマットに変換して空隙検出器100Aに送信する。
【0066】
なお、空隙検出器100A(の通信部112A)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0067】
検出器制御部202Aは、CPU204Aの制御に従って動作し、操作部206Aの操作に応じて空隙検出器100Aのセンサ111Aや駆動機構120Aを制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部201Aを介して空隙検出器100Aに送る。
【0068】
信号処理部203Aは、CPU204Aの制御に従い、通信部201Aを介して送られてくる空隙検出器100Aからの打撃音信号に所定の信号処理を施してCPU204Aに送る。
【0069】
CPU204Aは、操作部206Aを介して送られてくる指示や予めセットされているプログラムなどに基づいて、コントローラ200A内の各部を制御する。
【0070】
また、CPU204Aは、信号処理部203Aで信号処理された打撃音信号にもとに解析処理を行い、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定する解析処理機能を備え、解析処理して判定した結果をデータとして表示部205Aなどに出力する。
【0071】
表示部205Aは、CPU204Aの制御に従って動作し、操作状態や設定状態などを画面表示するとともに、CPU204Aから出力されたデータを画面で確認できるように変換し、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示する。
【0072】
操作部206Aは、コントローラ200Aを操作するためのユーザインターフェース部であり、空隙検出器100Aのセンサ111Aや駆動機構120Aなどに対する指示を与えたり、所定の設定操作などを行うことができる。
【0073】
続いて、図7に示したシース管用空隙検査装置によって、シース管内の空隙の有無及び空隙の範囲を検出するときの動作について説明する。なお、第1実施例と同様である場合は、その説明を省略する。
【0074】
PC鋼材20を挿通したシース管10にグラウト1を充填し、グラウト1が固化する前にシース管10に空隙検出器100Aを取り付ける(図2及び図3参照)。
【0075】
空隙検出器100Aをシース管10に取り付けたあと、コントローラ200Aの操作部206Aを介してシース管10の空隙を検出させるための所定の操作を行うと、操作部206Aの操作に応じて、空隙検出器100Aのセンサ111A及び駆動機構120Aに所定の動作を実行させるための指令がCPU240に送られる。
【0076】
コントローラ200AのCPU204Aは、操作部206Aを介して送られてくる指令に基づいて検出器制御部202Aを制御し、検出器制御部202Aは、空隙検出器100Aのセンサ111A及び駆動機構120Aを制御するための制御信号を生成して通信部201Aに送る。
【0077】
コントローラ200Aの通信部201Aは、検出器制御部202Aから送られてくる制御信号を有線通信又は無線通信によって空隙検出器100Aに送出する。
【0078】
空隙検出器100Aは、コントローラ200Aから送られてくる制御信号を検出部110Aの通信部112Aによって受信すると、この制御信号を制御部113Aに送る。
【0079】
制御部113Aは、制御信号に従って駆動機構120Aを制御し、検出部110Aを円周方向に移動させてセンサ111Aを所定の位置に駐止し、図8のように、センサ111Aの打撃部111cのハンマーを駆動させ、シース管10の表面を叩く。
【0080】
シース管表面がハンマーで叩かれると、センサ111Aの打撃音受信部111dによって管内を伝播する打撃音が受信(採音)されるので、これを電気信号などに変換して打撃音信号として通信部112Aに送る。
【0081】
このようにして、空隙検出器100Aのセンサ111Aを、シース管10の円周方向に移動させ、それぞれの位置でセンサ111Aを駐止し、打撃部111cのハンマーを駆動させ、シース管10の表面を叩き、打撃音受信部111dによって管内を伝播する打撃音を受信(採音)することにより、複数の位置(方向)からの打撃音を受信して解析することにより、空隙の有無を確実に検出する(図4参照)。
【0082】
センサ111Aの打撃音受信部111dによって変換された打撃音信号は、通信部112Aから有線通信又は無線通信によってコントローラ200Aに送信される。
【0083】
コントローラ200Aでは、空隙検出器100A(の通信部112A)から送られてくる打撃音信号を通信部201Aで受信すると、これを信号処理部203Aに送り、信号処理部203Aでは、通信部201Aから送られてくる打撃音信号に所定の信号処理を施してCPU204Aに送る。
【0084】
コントローラ200AのCPU204Aは、信号処理部203Aで信号処理された打撃音信号にもとにして所定の解析処理を実行し、シース管10内の空隙の有無を検出し、表示部205Aに画面表示させる。
【0085】
そして、シース管の円周方向における空隙検査が終了したら、コントローラ200Aを操作して空隙検出器100Aをシース管の長手方向に移動させ、別の位置の打撃音を検査することよって空隙が存在している範囲を確認する。
【0086】
[第3実施例]
次に、第1及び第2実施例とは異なる構成のシース管用空隙検査装置について説明する。図9は、本発明のシース管用空隙検査装置を構成する空隙検出器100Bとコントローラ200Bの主要部を簡略化して示したブロック図である。
【0087】
第3実施例のシース管用空隙検査装置は、第1実施例の空隙検出器100におけるセンサ111の代わりに、シース管表面を叩くための打撃機構を有する打撃部と、シース管を叩いたときの打撃部(ハンマーなど)の反発力を計測する反発力計測部からなるセンサ111Bを備えている。
【0088】
まず、空隙検出器100Bについて説明する。空隙検出器100Bは、センサ111B,通信部112B,制御部113Bなどを備えた検出部110Bと駆動機構120Bから構成され、コントローラ200Bから送られてくる制御信号などに従って動作する。
【0089】
検出部110Bのセンサ111Bは、打撃部111e及び反発力計測部111fから構成されている。
【0090】
センサ111Bの打撃部111eは、シース管を叩くためのハンマーとこのハンマーなどを駆動する機構を備え、制御部113Bに従ってハンマーを駆動して管表面を叩く。
【0091】
センサ111Bの反発力計測部111fは、シース管表面を叩いたときの打撃部111eのハンマーの反発力を計測して電気信号など(以下、反発力信号)に変換して通信部112Bに送る。
【0092】
検出部110Bの通信部112Bは、センサ111Bの反発力計測部111fから送られてくる反発力信号を所定フォーマットに変換してコントローラ200Bに送信し、また、コントローラ200Bから送られてくる制御信号などを受信して制御部113Bに送る。
【0093】
なお、コントローラ200B(の通信部201B)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0094】
検出部110Bの制御部113Bは、通信部112Bを介して送られてくるコントローラ200Bからの制御信号に従ってセンサ111Bや駆動機構120Bを制御する。
【0095】
駆動機構120Bは、シース管に取り付けることができる構造を有し、また、シース管を長手方向に移動するための移動手段を備えている。
【0096】
なお、上述したセンサ111Bを通信部112Bや制御部113Bと別体に構成するようにしてもよい。
【0097】
次に、コントローラ200Bについて説明する。コントローラ200Bは、通信部201B,検出器制御部202B,信号処理部203B,CPU(Central Processing Unit)204B,表示部205B,操作部206Bなどを備えている。
【0098】
通信部201Bは、CPU204Bの制御に従って動作し、空隙検出器100B(の通信部112B)から送られてくる反発力信号などの信号を受信して信号処理部203BやCPU204Bに送り、また、検出器制御部202BやCPU204Bから送られてくる制御信号などを所定フォーマットに変換して空隙検出器100Bに送信する。
【0099】
なお、空隙検出器100B(の通信部112B)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0100】
検出器制御部202Bは、CPU204Bの制御に従って動作し、操作部206Bの操作に応じて空隙検出器100Bのセンサ111Bや駆動機構120Bを制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部201Bを介して空隙検出器100Bに送る。
【0101】
信号処理部203Bは、CPU204Bの制御に従い、通信部201Bを介して送られてくる空隙検出器100Bからの反発力信号に所定の信号処理を施してCPU204Bに送る。
【0102】
CPU204Bは、操作部206Bを介して送られてくる指示や予めセットされているプログラムなどに基づいて、コントローラ200B内の各部を制御する。
【0103】
また、CPU204Bは、信号処理部203Bで信号処理された反発力信号にもとに解析処理を行い、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定する解析処理機能を備え、解析処理して判定した結果をデータとして表示部205Bなどに出力する。
【0104】
表示部205Bは、CPU204Bの制御に従って動作し、操作状態や設定状態などを画面表示するとともに、CPU204Bから出力されたデータを画面で確認できるように変換し、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示する。
【0105】
操作部206Bは、コントローラ200Bを操作するためのユーザインターフェース部であり、空隙検出器100Bのセンサ111Bや駆動機構120Bなどに対する指示を与えたり、所定の設定操作などを行うことができる。
【0106】
続いて、図9に示したシース管用空隙検査装置によって、シース管内の空隙の有無及び空隙の範囲を検出するときの動作について説明する。なお、第1及び第2実施例と同様である場合は、その説明を省略する。
【0107】
PC鋼材20を挿通したシース管10にグラウト1を充填し、グラウト1が固化する前にシース管10に空隙検出器100Bを取り付ける(図2及び図3参照)。
【0108】
空隙検出器100Bをシース管10に取り付けたあと、コントローラ200Bの操作部206Bを介してシース管10の空隙を検出させるための所定の操作を行うと、操作部206Bの操作に応じて、空隙検出器100Bのセンサ111B及び駆動機構120Bに所定の動作を実行させるための指令がCPU240に送られる。
【0109】
コントローラ200BのCPU204Bは、操作部206Bを介して送られてくる指令に基づいて検出器制御部202Bを制御し、検出器制御部202Bは、空隙検出器100Bのセンサ111B及び駆動機構120Bを制御するための制御信号を生成して通信部201Bに送る。
【0110】
コントローラ200Bの通信部201Bは、検出器制御部202Bから送られてくる制御信号を有線通信又は無線通信によって空隙検出器100Bに送出する。
【0111】
空隙検出器100Bは、コントローラ200Bから送られてくる制御信号を検出部110Bの通信部112Bによって受信すると、この制御信号を制御部113Bに送る。
【0112】
制御部113Bは、制御信号に従って駆動機構120Bを制御し、検出部110Bを円周方向に移動させてセンサ111Bを所定の位置に駐止させ、センサ111Bの打撃部111eのハンマーを駆動させ、シース管10の表面を叩く(図8参照)。
【0113】
シース管表面を叩くと、ハンマーはその反動で反発するので、センサ111Bの反発力計測部111fによってこの反発力を測定して電気信号などに変換し、反発力信号として通信部112Bに送る。
【0114】
センサ111Bの通信部112Bは、反発力計測部111fから送られてくる反発力信号を有線通信又は無線通信によってコントローラ200Bに送信する。
【0115】
コントローラ200Bでは、空隙検出器100B(の通信部112B)から送られてくる反発力信号を通信部201Bで受信すると、これを信号処理部203Bに送り、信号処理部203Bでは、通信部201Bから送られてくる反発力信号に所定の信号処理を施してCPU204Bに送る。
【0116】
コントローラ200BのCPU204Bは、信号処理部203Bで信号処理された反発力信号にもとにして所定の解析処理を実行し、シース管10内の空隙の有無を検出し、表示部205Bに画面表示させる。
【0117】
そして、シース管の円周方向における空隙検査が終了したら、コントローラ200Bを操作して空隙検出器100Bをシース管の長手方向に移動させ、別の位置の検査を行うことによって空隙が存在している範囲を確認する。
【0118】
例えば、図10のようなシース管(長手方向断面)を打撃部111eのハンマーで叩いたとき、グラウト1が完全に充填されている範囲[1]の反発力r1と、グラウト1に水分2が混入している範囲[2]の反発力r2と、更に空隙が存在している範囲[3]の反発力r3では、反発力の大きさが異なるので、その違いを検出することで管内に存在する空隙の有無や空隙の範囲を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本願発明に係るシース管用空隙検査装置の第1実施例の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図2】図1に示したシース管用空隙検査装置をシース管に取り付けたときの状態を模式的に示した外観図である。
【図3】図1に示したシース管用空隙検査装置をシース管に取り付けたときの状態を模式的に示した説明図である。
【図4】図1に示したシース管用空隙検査装置の空隙検出器による空隙検出の方法を模式的に示した説明図である。
【図5】シース管内におけるグラウトの充填状態を模式的に示した説明図(長手方向の断面図)である。
【図6】図5に示したシース管に取り付けた空隙検出器を管の長手方向に移動させて空隙検出するときの様子を模式的に示した説明図である。
【図7】本願発明に係るシース管用空隙検査装置の第2実施例の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図8】図7に示したシース管用空隙検査装置による空隙検出の方法を模式的に示した説明図である。
【図9】本願発明に係るシース管用空隙検査装置の第3実施例の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図10】図9に示したシース管用空隙検査装置による空隙検出の方法を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0120】
100/100A/100B;空隙検出器
110/110A/110B;検出部
111/111A/111B;センサ
111a;発信部
111b;受信部
111c;打撃部
111d;打撃音受信部
111e;打撃部
111f;反発力計測部
112/112A/112B;通信部
113/113A/113B;制御部
120/120A/120B;駆動機構
121;ローラ
200/200A/200B;コントローラ
201/201A/201B;通信部
202/202A/202B;検出器制御部
203/203A/203B;信号処理部
204/204A/204B;CPU(Central Processing Unit)
205/205A/205B;表示部
206/206A/206B;操作部
10;シース管
20;PC鋼材
1;グラウト
2;水分
3;空隙
【技術分野】
【0001】
本発明は、シース管用空隙検査装置に関するものである。詳細は、コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単に検査することができるシース管用空隙検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術において橋梁などの構造物を造るとき、コンクリート内に埋設したシース管にPC鋼材を挿通し、PC鋼材に引張力をかけて固定し、シース管とPC鋼材との隙間にグラウトを充填させて固化させるプレストレストコンクリート工法(以下、PC工法)が用いられている。
【0003】
このPC工法では、シース管に充填するグラウトが不十分であると、シース管とPC鋼材との間に空隙ができてしまい、所定の強度が得られなかったり、空隙に侵入する水分などによってPC鋼材が腐食して耐久性が低下するという問題がある。
【0004】
そこで、コンクリート内に埋設したシース管内のグラウトの充填状態を検査する方法が様々に考案されており、例えば、コンクリート部材1内に埋め込まれたシース2に分岐管4を設け、この開放された先端を塞ぐように電極支持部材5を固定し、この電極支持体には、分岐管の内側に露出するように二つの電極6a,6bが、互いに絶縁状態で支持されており、これらの電極にはそれぞれ導電線7a,7bが接続され、コンクリート部材外まで導かれ、この導電線には、相互間に電圧を印加して電気抵抗を測定する抵抗測定器8を接続し、PC鋼材3の緊張後、グラウトをシース内に充填したときに、導電線間の電気抵抗値が変化してグラウトが充填されたことを確認することができるグラウトの充填性検査装置及び充填性検査方法などが考案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−230915号公報(第5−6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、PC工法によって造られる橋梁などでは、上述したようなPC鋼材を挿通し、グラウトを充填したシース管をコンクリート内に埋設せずに、そのまま露出して用いる箇所もあり、このような箇所のシース管内を検査する場合、従来のコンクリート内に埋設したシース管の検査方法や検査装置では検査が困難であるという問題がある。
【0006】
従って、コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単に検査できるようにすることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るシース管用空隙検査装置は次のような構成にすることである。
【0008】
(1)シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、前記空隙検出器は、前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、超音波や電磁波などの入射波を前記シース管内に向けて発射し、その反射波を受信して反射波信号に変換する手段を備えたセンサと、前記センサで変換された前記反射波信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、前記コントローラは、前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、前記空隙検出器から送られてくる前記反射波信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記反射波信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていることを特徴とするシース管用空隙検査装置。
(2)前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていることを特徴とする(1)に記載のシース管用空隙検査装置。
(3)前記空隙検出器は、前記センサを前記シース管の円周方向に対して複数個配設していることを特徴とする(1)に記載のシース管用空隙検査装置。
【0009】
(4)シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、前記空隙検出器は、前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、前記シース管を叩くための打撃機構を有し、該打撃機構によってシース管を叩いたときに管内に伝播する打撃音を受信して打撃音信号に変換する手段を備えたセンサと、前記センサで変換された前記打撃音信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、前記コントローラは、前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、前記空隙検出器から送られてくる前記打撃音信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記打撃音信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていることを特徴とするシース管用空隙検査装置。
(5)前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていることを特徴とする(4)に記載のシース管用空隙検査装置。
【0010】
(6)シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、前記空隙検出器は、前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、前記シース管を叩くための打撃機構を有し、シース管を叩いたときの前記打撃機構の反発力を計測して反発力信号に変換する手段を備えたセンサと、前記センサで変換された前記反発力信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、前記コントローラは、前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、前記空隙検出器から送られてくる前記反発力信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記反発力信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていることを特徴とするシース管用空隙検査装置。
【0011】
上記構成とすることにより、空隙検出器をシース管に取り付け、コントローラの操作によって、シース管上の適当な位置に移動させ、空隙検出器のセンサから超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射させ、センサでその反射波を受信し、反射波信号に変換してからコントローラに送信し、コントローラでは、この反射波信号をもとにして解析処理を実行し、空隙の有無や空隙の範囲を判定して画面表示することで、シース管内の空隙の有無や範囲を確認することができる。
【0012】
また、空隙検出器にシース管を叩くためのハンマーなどを備えた打撃機構を設け、シース管上の適当な位置に移動させ、シース管の表面を叩いたときに管内に伝播する打撃音を受信(採音)したり、ハンマーの反発力を計測し、打撃音信号又は反発力信号に変換してコントローラに送信し、コントローラにより、打撃音信号又は反発力信号を解析することで、上記と同様に、シース管内の空隙の有無や範囲を確認することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシース管用空隙検査装置は、シース管に取り付けた空隙検出器をコントローラの操作によって適当な位置に移動させ、超音波や電磁波などをシース管内に向けて発射させるだけで、又は、空隙検出器に設けたハンマーなどによりシース管表面を叩くだけで管内の空隙の有無や空隙の範囲を検出できるので、コンクリート内に埋設されていないシース管内の空隙を簡単な方法で検査することが可能となり、グラウトが固化する前に不足分を充填して管内の空隙の発生を抑制することができるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明のシース管用空隙検査装置による実施の形態について図面を参照して説明する。但し、図面は専ら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0015】
[第1実施例]
図1は、本発明のシース管用空隙検査装置を構成する空隙検出器100とコントローラ200の主要部を簡略化して示したブロック図である。
【0016】
まず、空隙検出器100について説明する。空隙検出器100は、センサ111,通信部112,制御部113などを備えた検出部110と駆動機構120から構成され、コントローラ200から送られてくる制御信号などに従って動作する。
【0017】
検出部110のセンサ111は、発信部111a及び受信部111bから構成され、発信部111aは、超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し、受信部111bは、その反射波(反射エコー)を受信して電気信号などに変換して通信部112に送る。
【0018】
検出部110の通信部112は、センサ111の受信部111bから送られてくる電気信号(以下、反射波信号)などを所定フォーマットに変換してコントローラ200に送信し、また、コントローラ200から送られてくる制御信号などを受信して制御部113に送る。
【0019】
なお、コントローラ200(の通信部201)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0020】
検出部110の制御部113は、通信部112を介して送られてくるコントローラ200からの制御信号に従ってセンサ111や駆動機構120を制御する。
【0021】
駆動機構120は、シース管に取り付けることができる構造を有し、また、シース管を長手方向に移動するための移動手段を備え、更に、検出部110又はセンサ111を円周方向に移動させる機構を備えている。
【0022】
なお、上述したセンサ111を通信部112や制御部113と別体に構成するようにしてもよく、更に、センサ111の発信部111aと受信部111bを別体にして取り付けるようにしてもよい。
【0023】
また、センサ111をシース管10の円周方向に移動させる機構を設けずに、予め複数のセンサを取り付けるようにしてもよい。
【0024】
次に、コントローラ200について説明する。コントローラ200は、通信部201,検出器制御部202,信号処理部203,CPU(Central Processing Unit)204,表示部205,操作部206などを備えている。
【0025】
通信部201は、CPU204の制御に従って動作し、空隙検出器100(の通信部112)から送られてくる反射波信号などの信号を受信して信号処理部203やCPU204に送り、また、検出器制御部202やCPU204から送られてくる制御信号などを所定フォーマットに変換して空隙検出器100に送信する。
【0026】
なお、空隙検出器100(の通信部112)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0027】
検出器制御部202は、CPU204の制御に従って動作し、操作部206の操作に応じて空隙検出器100のセンサ111や駆動機構120を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部201を介して空隙検出器100に送る。
【0028】
信号処理部203は、CPU204の制御に従い、通信部201を介して送られてくる空隙検出器100からの反射波信号に所定の信号処理を施してCPU204に送る。
【0029】
CPU204は、操作部206を介して送られてくる指示や予めセットされているプログラムなどに基づいて、コントローラ200内の各部を制御する。
【0030】
また、CPU204は、信号処理部203で信号処理された反射波信号にもとに解析処理を行い、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定する解析処理機能を備え、解析処理して判定した結果をデータとして表示部205などに出力する。
【0031】
表示部205は、CPU204の制御に従って動作し、操作状態や設定状態などを画面表示するとともに、CPU204から出力されたデータを画面で確認できるように変換し、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示する。
【0032】
操作部206は、コントローラ200を操作するためのユーザインターフェース部であり、空隙検出器100のセンサ111や駆動機構120などに対する指示を与えたり、所定の設定操作などを行うことができる。
【0033】
続いて、図1に示したシース管用空隙検査装置によって、シース管内の空隙の有無及び空隙の範囲を検出するときの動作について説明する。
【0034】
PC鋼材20を挿通したシース管10にグラウト1を充填し、グラウト1が固化する前にシース管10に空隙検出器100を取り付ける。
【0035】
図2及び図3は、空隙検出器100をシース管10に取り付けた状態を模式的に例示した図であり、シース管10への取り付け構造を有し、シース管10上を長手方向に移動する移動手段としてのローラ121を備え、更に、検出部110を円周方向に移動させる機構を有した空隙検出器100をシース管10に取り付ける。
【0036】
空隙検出器100をシース管10に取り付けたあと、コントローラ200の操作部206を介してシース管10の空隙を検出させるための所定の操作を行うと、操作部206の操作に応じて、空隙検出器100のセンサ111及び駆動機構120に所定の動作を実行させるための指令がCPU240に送られる。
【0037】
コントローラ200のCPU204は、操作部206を介して送られてくる指令に基づいて検出器制御部202を制御し、検出器制御部202は、空隙検出器100のセンサ111及び駆動機構120を制御するための制御信号を生成して通信部201に送る。
【0038】
コントローラ200の通信部201は、検出器制御部202から送られてくる制御信号を有線通信又は無線通信によって空隙検出器100に送出する。
【0039】
空隙検出器100は、コントローラ200から送られてくる制御信号を検出部110の通信部112によって受信すると、この制御信号を制御部113に送る。
【0040】
制御部113は、制御信号に従って駆動機構120を制御し、検出部110を円周方向に移動させてセンサ111を所定の位置に駐止し、センサ111の発信部111aからシース管10の中心部へ向けて超音波や電磁波などの入射波を発射させ、センサ111の受信部111bが発射された入射波の反射波(反射エコー)を受信すると、これを電気信号などに変換し、反射波信号として通信部112に送る。
【0041】
例えば、図4のように、空隙検出器100のセンサ111を、位置[a]→位置[b]→位置[c]というようにシース管10の円周方向に移動させ、それぞれの位置でセンサ111を駐止し、超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し、受信部111bでその反射波(反射エコー)を受信する。
【0042】
このように、シース管の円周方向の複数の位置(方向)からの超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し、その反射波(反射エコー)を受信して解析することにより、空隙の有無を確実に検出する。
【0043】
なお、空隙検出器100において、予め位置[a],[b],[c]となる位置にセンサ111を取り付けてある場合は、円周方向に移動させるための駆動機構は不要となる。
【0044】
そして、センサ111の受信部111bによって受信された各位置[a],[b],[c]における反射波(反射エコー)は反射波信号に変換されて通信部112に送られ、通信部112から有線通信又は無線通信によってコントローラ200に送信される。
【0045】
コントローラ200では、空隙検出器100(の通信部112)から送られてくる反射波信号を通信部201で受信すると、これを信号処理部203に送り、信号処理部203では、通信部201から送られてくる反射波信号に所定の信号処理を施してCPU204に送る。
【0046】
コントローラ200のCPU204は、信号処理部203で信号処理された反射波信号にもとにして所定の解析処理を実行し、シース管10内の空隙の有無を検出し、表示部205に画面表示させる。
【0047】
そして、シース管の円周方向における空隙検査が終了したら、コントローラ200を操作して空隙検出器100をシース管の長手方向に移動させ、別の位置の検査を行うことによって空隙が存在している範囲を確認する。
【0048】
例えば、図5のように斜めに取り付けられたシース管にグラウト1を注入する場合、範囲[1]はグラウト1が完全に充填されているが、範囲[2]では水分2が混入し、更に範囲[3]で空隙ができるというように、管の上端部ほど水分2が混入したり、空隙3ができる可能性が高くなる。
【0049】
図6は、シース管10に取り付けた空隙検出器100を、図5の範囲[1]→範囲[2]→範囲[3]の順に長手方向に移動させて空隙の検出を行うときの様子を模式的に示した図であり、図6の(a)が図5の範囲[1]、図6の(b)が図5の範囲[2]、図6の(c)が図5の範囲[3]を検査するときの状態に該当する。
【0050】
コントローラ200により、空隙検出器100をシース管の長手方向に移動させながら、各範囲における適当な位置で円周方向の複数の位置(方向)から超音波や電磁波などの入射波をシース管内に向けて発射し(図4参照)、その反射波(反射エコー)を受信して解析することで、グラウト1がシース管10内に完全にて充填されている範囲(図5の範囲[1])と、グラウト1に水分2が混入している範囲(図5の範囲[2])と、更に空隙3が存在する範囲(図5の範囲[3])とを判別することができる。
【0051】
このようにして、シース管10に取り付けた空隙検出器100をコントローラ200の操作によって円周方向の複数の位置からシース管10の中心部へ向けて超音波や電磁波などの入射波を発射させ、その反射波(反射エコー)を受信して解析することでシース管内の空隙の有無を確実に判定し、空隙検出器100をシース管の長手方向に移動させて別の位置の空隙の有無を検出することで、シース管内に存在する空隙の範囲を確認することができる。
【0052】
[第2実施例]
次に、第1実施例とは異なる構成のシース管用空隙検査装置について説明する。図7は、本発明のシース管用空隙検査装置を構成する空隙検出器100Aとコントローラ200Aの主要部を簡略化して示したブロック図である。
【0053】
第2実施例のシース管用空隙検査装置は、第1実施例の空隙検出器100におけるセンサ111の代わりに、シース管表面を叩くための打撃機構を有する打撃部と、打撃部によってシース管を叩いたときに管内を伝播する打撃音を受信する打撃音受信部からなるセンサ111Aを具備している。
【0054】
まず、空隙検出器100Aについて説明する。空隙検出器100Aは、センサ111A,通信部112A,制御部113Aなどを備えた検出部110Aと駆動機構120Aから構成され、コントローラ200Aから送られてくる制御信号などに従って動作する。
【0055】
検出部110Aのセンサ111Aは、打撃部111c及び打撃音受信部111dから構成されている。
【0056】
センサ111Aの打撃部111cは、シース管を叩くためのハンマーとこのハンマーなどを駆動する機構を備え、制御部113Aに従ってハンマーを駆動して管表面を叩く。
【0057】
センサ111Aの打撃音受信部111dは、シース管の表面に近接ないし密接するように取り付けられており、シース管表面を叩いたときに管内を伝播する打撃音を受信(採音)して電気信号など(以下、打撃音信号)に変換して通信部112Aに送る。
【0058】
なお、打撃音受信部111dには、周囲の騒音等の影響を受けることがないように遮音部材(例えば、ゴムや合成樹脂など)を配設するようにしてもよい。
【0059】
検出部110Aの通信部112Aは、センサ111Aの打撃音受信部111dから送られてくる打撃音信号を所定フォーマットに変換してコントローラ200Aに送信し、また、コントローラ200Aから送られてくる制御信号などを受信して制御部113Aに送る。
【0060】
なお、コントローラ200A(の通信部201A)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0061】
検出部110Aの制御部113Aは、通信部112Aを介して送られてくるコントローラ200Aからの制御信号に従ってセンサ111Aや駆動機構120Aを制御する。
【0062】
駆動機構120Aは、シース管に取り付けることができる構造を有し、また、シース管を長手方向に移動するための移動手段を備え、更に、検出部110A又はセンサ111Aを円周方向に移動させる機構を備えている。
【0063】
なお、上述したセンサ111Aを通信部112Aや制御部113Aと別体に構成するようにしてもよく、更に、センサ111Aの打撃部111cと打撃音受信部111dを別体にして取り付けるようにしてもよい。
【0064】
次に、コントローラ200Aについて説明する。コントローラ200Aは、通信部201A,検出器制御部202A,信号処理部203A,CPU(Central Processing Unit)204A,表示部205A,操作部206Aなどを備えている。
【0065】
通信部201Aは、CPU204Aの制御に従って動作し、空隙検出器100A(の通信部112A)から送られてくる打撃音信号などの信号を受信して信号処理部203AやCPU204Aに送り、また、検出器制御部202AやCPU204Aから送られてくる制御信号などを所定フォーマットに変換して空隙検出器100Aに送信する。
【0066】
なお、空隙検出器100A(の通信部112A)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0067】
検出器制御部202Aは、CPU204Aの制御に従って動作し、操作部206Aの操作に応じて空隙検出器100Aのセンサ111Aや駆動機構120Aを制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部201Aを介して空隙検出器100Aに送る。
【0068】
信号処理部203Aは、CPU204Aの制御に従い、通信部201Aを介して送られてくる空隙検出器100Aからの打撃音信号に所定の信号処理を施してCPU204Aに送る。
【0069】
CPU204Aは、操作部206Aを介して送られてくる指示や予めセットされているプログラムなどに基づいて、コントローラ200A内の各部を制御する。
【0070】
また、CPU204Aは、信号処理部203Aで信号処理された打撃音信号にもとに解析処理を行い、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定する解析処理機能を備え、解析処理して判定した結果をデータとして表示部205Aなどに出力する。
【0071】
表示部205Aは、CPU204Aの制御に従って動作し、操作状態や設定状態などを画面表示するとともに、CPU204Aから出力されたデータを画面で確認できるように変換し、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示する。
【0072】
操作部206Aは、コントローラ200Aを操作するためのユーザインターフェース部であり、空隙検出器100Aのセンサ111Aや駆動機構120Aなどに対する指示を与えたり、所定の設定操作などを行うことができる。
【0073】
続いて、図7に示したシース管用空隙検査装置によって、シース管内の空隙の有無及び空隙の範囲を検出するときの動作について説明する。なお、第1実施例と同様である場合は、その説明を省略する。
【0074】
PC鋼材20を挿通したシース管10にグラウト1を充填し、グラウト1が固化する前にシース管10に空隙検出器100Aを取り付ける(図2及び図3参照)。
【0075】
空隙検出器100Aをシース管10に取り付けたあと、コントローラ200Aの操作部206Aを介してシース管10の空隙を検出させるための所定の操作を行うと、操作部206Aの操作に応じて、空隙検出器100Aのセンサ111A及び駆動機構120Aに所定の動作を実行させるための指令がCPU240に送られる。
【0076】
コントローラ200AのCPU204Aは、操作部206Aを介して送られてくる指令に基づいて検出器制御部202Aを制御し、検出器制御部202Aは、空隙検出器100Aのセンサ111A及び駆動機構120Aを制御するための制御信号を生成して通信部201Aに送る。
【0077】
コントローラ200Aの通信部201Aは、検出器制御部202Aから送られてくる制御信号を有線通信又は無線通信によって空隙検出器100Aに送出する。
【0078】
空隙検出器100Aは、コントローラ200Aから送られてくる制御信号を検出部110Aの通信部112Aによって受信すると、この制御信号を制御部113Aに送る。
【0079】
制御部113Aは、制御信号に従って駆動機構120Aを制御し、検出部110Aを円周方向に移動させてセンサ111Aを所定の位置に駐止し、図8のように、センサ111Aの打撃部111cのハンマーを駆動させ、シース管10の表面を叩く。
【0080】
シース管表面がハンマーで叩かれると、センサ111Aの打撃音受信部111dによって管内を伝播する打撃音が受信(採音)されるので、これを電気信号などに変換して打撃音信号として通信部112Aに送る。
【0081】
このようにして、空隙検出器100Aのセンサ111Aを、シース管10の円周方向に移動させ、それぞれの位置でセンサ111Aを駐止し、打撃部111cのハンマーを駆動させ、シース管10の表面を叩き、打撃音受信部111dによって管内を伝播する打撃音を受信(採音)することにより、複数の位置(方向)からの打撃音を受信して解析することにより、空隙の有無を確実に検出する(図4参照)。
【0082】
センサ111Aの打撃音受信部111dによって変換された打撃音信号は、通信部112Aから有線通信又は無線通信によってコントローラ200Aに送信される。
【0083】
コントローラ200Aでは、空隙検出器100A(の通信部112A)から送られてくる打撃音信号を通信部201Aで受信すると、これを信号処理部203Aに送り、信号処理部203Aでは、通信部201Aから送られてくる打撃音信号に所定の信号処理を施してCPU204Aに送る。
【0084】
コントローラ200AのCPU204Aは、信号処理部203Aで信号処理された打撃音信号にもとにして所定の解析処理を実行し、シース管10内の空隙の有無を検出し、表示部205Aに画面表示させる。
【0085】
そして、シース管の円周方向における空隙検査が終了したら、コントローラ200Aを操作して空隙検出器100Aをシース管の長手方向に移動させ、別の位置の打撃音を検査することよって空隙が存在している範囲を確認する。
【0086】
[第3実施例]
次に、第1及び第2実施例とは異なる構成のシース管用空隙検査装置について説明する。図9は、本発明のシース管用空隙検査装置を構成する空隙検出器100Bとコントローラ200Bの主要部を簡略化して示したブロック図である。
【0087】
第3実施例のシース管用空隙検査装置は、第1実施例の空隙検出器100におけるセンサ111の代わりに、シース管表面を叩くための打撃機構を有する打撃部と、シース管を叩いたときの打撃部(ハンマーなど)の反発力を計測する反発力計測部からなるセンサ111Bを備えている。
【0088】
まず、空隙検出器100Bについて説明する。空隙検出器100Bは、センサ111B,通信部112B,制御部113Bなどを備えた検出部110Bと駆動機構120Bから構成され、コントローラ200Bから送られてくる制御信号などに従って動作する。
【0089】
検出部110Bのセンサ111Bは、打撃部111e及び反発力計測部111fから構成されている。
【0090】
センサ111Bの打撃部111eは、シース管を叩くためのハンマーとこのハンマーなどを駆動する機構を備え、制御部113Bに従ってハンマーを駆動して管表面を叩く。
【0091】
センサ111Bの反発力計測部111fは、シース管表面を叩いたときの打撃部111eのハンマーの反発力を計測して電気信号など(以下、反発力信号)に変換して通信部112Bに送る。
【0092】
検出部110Bの通信部112Bは、センサ111Bの反発力計測部111fから送られてくる反発力信号を所定フォーマットに変換してコントローラ200Bに送信し、また、コントローラ200Bから送られてくる制御信号などを受信して制御部113Bに送る。
【0093】
なお、コントローラ200B(の通信部201B)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0094】
検出部110Bの制御部113Bは、通信部112Bを介して送られてくるコントローラ200Bからの制御信号に従ってセンサ111Bや駆動機構120Bを制御する。
【0095】
駆動機構120Bは、シース管に取り付けることができる構造を有し、また、シース管を長手方向に移動するための移動手段を備えている。
【0096】
なお、上述したセンサ111Bを通信部112Bや制御部113Bと別体に構成するようにしてもよい。
【0097】
次に、コントローラ200Bについて説明する。コントローラ200Bは、通信部201B,検出器制御部202B,信号処理部203B,CPU(Central Processing Unit)204B,表示部205B,操作部206Bなどを備えている。
【0098】
通信部201Bは、CPU204Bの制御に従って動作し、空隙検出器100B(の通信部112B)から送られてくる反発力信号などの信号を受信して信号処理部203BやCPU204Bに送り、また、検出器制御部202BやCPU204Bから送られてくる制御信号などを所定フォーマットに変換して空隙検出器100Bに送信する。
【0099】
なお、空隙検出器100B(の通信部112B)との間の通信は、有線、無線どちらの通信手段を用いてもよい。
【0100】
検出器制御部202Bは、CPU204Bの制御に従って動作し、操作部206Bの操作に応じて空隙検出器100Bのセンサ111Bや駆動機構120Bを制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部201Bを介して空隙検出器100Bに送る。
【0101】
信号処理部203Bは、CPU204Bの制御に従い、通信部201Bを介して送られてくる空隙検出器100Bからの反発力信号に所定の信号処理を施してCPU204Bに送る。
【0102】
CPU204Bは、操作部206Bを介して送られてくる指示や予めセットされているプログラムなどに基づいて、コントローラ200B内の各部を制御する。
【0103】
また、CPU204Bは、信号処理部203Bで信号処理された反発力信号にもとに解析処理を行い、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定する解析処理機能を備え、解析処理して判定した結果をデータとして表示部205Bなどに出力する。
【0104】
表示部205Bは、CPU204Bの制御に従って動作し、操作状態や設定状態などを画面表示するとともに、CPU204Bから出力されたデータを画面で確認できるように変換し、シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示する。
【0105】
操作部206Bは、コントローラ200Bを操作するためのユーザインターフェース部であり、空隙検出器100Bのセンサ111Bや駆動機構120Bなどに対する指示を与えたり、所定の設定操作などを行うことができる。
【0106】
続いて、図9に示したシース管用空隙検査装置によって、シース管内の空隙の有無及び空隙の範囲を検出するときの動作について説明する。なお、第1及び第2実施例と同様である場合は、その説明を省略する。
【0107】
PC鋼材20を挿通したシース管10にグラウト1を充填し、グラウト1が固化する前にシース管10に空隙検出器100Bを取り付ける(図2及び図3参照)。
【0108】
空隙検出器100Bをシース管10に取り付けたあと、コントローラ200Bの操作部206Bを介してシース管10の空隙を検出させるための所定の操作を行うと、操作部206Bの操作に応じて、空隙検出器100Bのセンサ111B及び駆動機構120Bに所定の動作を実行させるための指令がCPU240に送られる。
【0109】
コントローラ200BのCPU204Bは、操作部206Bを介して送られてくる指令に基づいて検出器制御部202Bを制御し、検出器制御部202Bは、空隙検出器100Bのセンサ111B及び駆動機構120Bを制御するための制御信号を生成して通信部201Bに送る。
【0110】
コントローラ200Bの通信部201Bは、検出器制御部202Bから送られてくる制御信号を有線通信又は無線通信によって空隙検出器100Bに送出する。
【0111】
空隙検出器100Bは、コントローラ200Bから送られてくる制御信号を検出部110Bの通信部112Bによって受信すると、この制御信号を制御部113Bに送る。
【0112】
制御部113Bは、制御信号に従って駆動機構120Bを制御し、検出部110Bを円周方向に移動させてセンサ111Bを所定の位置に駐止させ、センサ111Bの打撃部111eのハンマーを駆動させ、シース管10の表面を叩く(図8参照)。
【0113】
シース管表面を叩くと、ハンマーはその反動で反発するので、センサ111Bの反発力計測部111fによってこの反発力を測定して電気信号などに変換し、反発力信号として通信部112Bに送る。
【0114】
センサ111Bの通信部112Bは、反発力計測部111fから送られてくる反発力信号を有線通信又は無線通信によってコントローラ200Bに送信する。
【0115】
コントローラ200Bでは、空隙検出器100B(の通信部112B)から送られてくる反発力信号を通信部201Bで受信すると、これを信号処理部203Bに送り、信号処理部203Bでは、通信部201Bから送られてくる反発力信号に所定の信号処理を施してCPU204Bに送る。
【0116】
コントローラ200BのCPU204Bは、信号処理部203Bで信号処理された反発力信号にもとにして所定の解析処理を実行し、シース管10内の空隙の有無を検出し、表示部205Bに画面表示させる。
【0117】
そして、シース管の円周方向における空隙検査が終了したら、コントローラ200Bを操作して空隙検出器100Bをシース管の長手方向に移動させ、別の位置の検査を行うことによって空隙が存在している範囲を確認する。
【0118】
例えば、図10のようなシース管(長手方向断面)を打撃部111eのハンマーで叩いたとき、グラウト1が完全に充填されている範囲[1]の反発力r1と、グラウト1に水分2が混入している範囲[2]の反発力r2と、更に空隙が存在している範囲[3]の反発力r3では、反発力の大きさが異なるので、その違いを検出することで管内に存在する空隙の有無や空隙の範囲を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本願発明に係るシース管用空隙検査装置の第1実施例の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図2】図1に示したシース管用空隙検査装置をシース管に取り付けたときの状態を模式的に示した外観図である。
【図3】図1に示したシース管用空隙検査装置をシース管に取り付けたときの状態を模式的に示した説明図である。
【図4】図1に示したシース管用空隙検査装置の空隙検出器による空隙検出の方法を模式的に示した説明図である。
【図5】シース管内におけるグラウトの充填状態を模式的に示した説明図(長手方向の断面図)である。
【図6】図5に示したシース管に取り付けた空隙検出器を管の長手方向に移動させて空隙検出するときの様子を模式的に示した説明図である。
【図7】本願発明に係るシース管用空隙検査装置の第2実施例の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図8】図7に示したシース管用空隙検査装置による空隙検出の方法を模式的に示した説明図である。
【図9】本願発明に係るシース管用空隙検査装置の第3実施例の構成を簡略化して示したブロック図である。
【図10】図9に示したシース管用空隙検査装置による空隙検出の方法を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0120】
100/100A/100B;空隙検出器
110/110A/110B;検出部
111/111A/111B;センサ
111a;発信部
111b;受信部
111c;打撃部
111d;打撃音受信部
111e;打撃部
111f;反発力計測部
112/112A/112B;通信部
113/113A/113B;制御部
120/120A/120B;駆動機構
121;ローラ
200/200A/200B;コントローラ
201/201A/201B;通信部
202/202A/202B;検出器制御部
203/203A/203B;信号処理部
204/204A/204B;CPU(Central Processing Unit)
205/205A/205B;表示部
206/206A/206B;操作部
10;シース管
20;PC鋼材
1;グラウト
2;水分
3;空隙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、
前記空隙検出器は、
前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、
超音波や電磁波などの入射波を前記シース管内に向けて発射し、その反射波を受信して反射波信号に変換する手段を備えたセンサと、
前記センサで変換された前記反射波信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、
前記コントローラは、
前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、
前記空隙検出器から送られてくる前記反射波信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記反射波信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、
前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていること
を特徴とするシース管用空隙検査装置。
【請求項2】
前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていること
を特徴とする請求項1に記載のシース管用空隙検査装置。
【請求項3】
前記空隙検出器は、前記センサを前記シース管の円周方向に対して複数個配設していること
を特徴とする請求項1に記載のシース管用空隙検査装置。
【請求項4】
シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、
前記空隙検出器は、
前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、
前記シース管を叩くための打撃機構を有し、該打撃機構によってシース管を叩いたときに管内に伝播する打撃音を受信して打撃音信号に変換する手段を備えたセンサと、
前記センサで変換された前記打撃音信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、
前記コントローラは、
前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、
前記空隙検出器から送られてくる前記打撃音信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記打撃音信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、
前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていること
を特徴とするシース管用空隙検査装置。
【請求項5】
前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていること
を特徴とする請求項4に記載のシース管用空隙検査装置。
【請求項6】
シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、
前記空隙検出器は、
前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、
前記シース管を叩くための打撃機構を有し、シース管を叩いたときの前記打撃機構の反発力を計測して反発力信号に変換する手段を備えたセンサと、
前記センサで変換された前記反発力信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、
前記コントローラは、
前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、
前記空隙検出器から送られてくる前記反発力信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記反発力信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、
前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていること
を特徴とするシース管用空隙検査装置。
【請求項1】
シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、
前記空隙検出器は、
前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、
超音波や電磁波などの入射波を前記シース管内に向けて発射し、その反射波を受信して反射波信号に変換する手段を備えたセンサと、
前記センサで変換された前記反射波信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、
前記コントローラは、
前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、
前記空隙検出器から送られてくる前記反射波信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記反射波信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、
前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていること
を特徴とするシース管用空隙検査装置。
【請求項2】
前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていること
を特徴とする請求項1に記載のシース管用空隙検査装置。
【請求項3】
前記空隙検出器は、前記センサを前記シース管の円周方向に対して複数個配設していること
を特徴とする請求項1に記載のシース管用空隙検査装置。
【請求項4】
シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、
前記空隙検出器は、
前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、
前記シース管を叩くための打撃機構を有し、該打撃機構によってシース管を叩いたときに管内に伝播する打撃音を受信して打撃音信号に変換する手段を備えたセンサと、
前記センサで変換された前記打撃音信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、
前記コントローラは、
前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、
前記空隙検出器から送られてくる前記打撃音信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記打撃音信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、
前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていること
を特徴とするシース管用空隙検査装置。
【請求項5】
前記空隙検出器の駆動機構は、更に、前記センサを前記シース管の円周方向に移動させる機構を備えていること
を特徴とする請求項4に記載のシース管用空隙検査装置。
【請求項6】
シース管内の空隙を検出するための空隙検出器と、前記空隙検出器を制御するためのコントローラから構成されるシース管用空隙検査装置であって、
前記空隙検出器は、
前記シース管への取り付け構造を有し、該シース管上を長手方向に移動するための移動手段を備えた駆動機構と、
前記シース管を叩くための打撃機構を有し、シース管を叩いたときの前記打撃機構の反発力を計測して反発力信号に変換する手段を備えたセンサと、
前記センサで変換された前記反発力信号を前記コントローラに送信し、又、前記コントローラから送られてくる制御信号を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記制御信号に基づいて前記センサ及び前記駆動機構を制御する制御部を具備し、
前記コントローラは、
前記空隙検出器のセンサ及び駆動機構を制御するための制御信号を生成する検出器制御部と、
前記空隙検出器から送られてくる前記反発力信号を受信し、又、前記検出器制御部で生成された制御信号を前記空隙検出器に送信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記反発力信号をもとに所定の解析処理を実行して前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を判定することができる解析処理部と、
前記解析処理部の判定に基づいて前記シース管内の空隙の有無や空隙の範囲を画面表示することができる表示部を備えていること
を特徴とするシース管用空隙検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−90777(P2006−90777A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274876(P2004−274876)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000163110)極東鋼弦コンクリート振興株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000163110)極東鋼弦コンクリート振興株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
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