説明

シートクッション構造体

複数のチャンバーを形成するように連結された第1外壁と第2外壁とを含む、車両用シートに使用するシートクッション構造体。シートクッションは、乗員負荷を吸収するためにチャンバー内に配置されたエネルギー吸収物質を含む。シートクッションは、乗員の支持及び快適性をさらに促進するためにチャンバー内に配置された複数のばねをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して座席の分野に、より詳細には、車両用シートなどの座席に使用するシートクッション構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年11月16日出願された米国仮出願第61/261,507号の利益と優先権を主張するものであり、上記仮出願は、参照により本明細書に含まれるものとする。
【0003】
従来の車両用シートは、快適性と、車両のサスペンションシステムにより分離されなかった道路による振動からの分離と、シート乗員の保護を提供するために、一般に、サブフレームとそれに連結されたクッションとから構成される。既知のシートクッションは、様々なデザインで提供され、様々な材料から作られている。例えば、サブフレームを横切って張られたサスペンションマットを有し、サスペンションマット上に発泡体クッションが設置されたシートアセンブリを提供することが知られている。既知のシートクッション構造体は、快適性と保護の提供に効果がない場合がある。既知のシートクッション構造体は、製造及び組立の妨げとなる複雑なデザインを有する場合がある。また、既知のシートクッション構造体は、比較的かさばり、非常に重く、高価な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、改良されたシートクッション構造体のデザインを提供する必要性が引き続き存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本開示は、複数のチャンバーを形成するように連結された第1外壁と第2外壁とを含む、車両用シートに使用するシートクッション構造体に関する。シートクッションは、乗員負荷を吸収するためにチャンバー内に配置されたエネルギー吸収物質を含む。乗員の支持及び快適性をさらに促進するために、複数のばねがチャンバー内に配置されている。
【0006】
また、複数のチャンバーを形成するように連結された第1外壁と第2外壁とを含む、車両用シートに使用するシートクッション構造体が提供される。シートクッションは、乗員負荷を吸収するためにチャンバー内に配置されたエネルギー吸収物質を含む。乗員の支持及び快適性をさらに促進するために、複数のばねがチャンバー内に配置されている。また、シートクッション構造体は、追加の支持を提供するために第2外壁に取り付けられた支持基板を含む。
【0007】
また、第1側面、反対側の第2側面、前側面、反対側の後側面、第1及び第2サイドボルスターに隆起部分を有する上面、及び反対側の下面を有するクッション部材を含むシートクッション構造が提供される。第1セットのばねが、クッション部材の第1側部内に、クッション部材の前側面からクッション部材の後側面に第1セットのばねが一列に並べられるように配置される。第2セットのばねが、クッション部材の第2側部内に、クッション部材の前側面からクッション部材の後側面に第2セットのばねが一列に並べられるように配置される。第1及び第2セットのばねは、積み荷及び乗員の両側に位置し、積み荷及び乗員を支持する役割を果たす。
【発明の効果】
【0008】
本開示の利点は、シートクッション構造体が改善された快適性を提供することである。本開示の別の利点は、シートクッション構造体がよりコスト効果的なことである。本開示のさらなる利点は、シートクッションが比較的軽量なことである。
【0009】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて後続の説明を読んだ後に本開示がよりよく理解されたとき、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的な実施形態による車両の斜視図である。
【図2】例示的な実施形態による車両用シートアセンブリの斜視図である。
【図3】例示的な実施形態による車両用シートフレームの斜視図である。
【図4】例示的な実施形態による、シートクッション構造体を有する車両用シートフレームアセンブリの分解図である。
【図5】別の実施形態による構造的支持基板の正面斜視図である。
【図6】図5の構造的支持基板の背面斜視図である。
【図7】別の実施形態によるクッション部材の分解斜視図である。
【図8】シートバックフレームに連結された図5の構造的支持構造体及び図7のクッション部材の斜視図である。
【図9】さらに別の実施形態による構造的支持構造体及びシートバックフレームの斜視図である。
【図10】シートバックフレームに部分的に取り付けられた、図9の構造的支持構造体の斜視図である。
【図11】シートバックフレームに完全に取り付けられた、図9の構造的支持構造体の斜視図である。
【図12】さらに別の実施形態による、シートアセンブリに取り付けられたクッション構造体の斜視図である。
【図13】図12のクッション構造体及びシートアセンブリのA−A線に沿った断面図である。
【図14】シートバックフレームに取り付けられた図12のクッション構造体の斜視図である。
【図15】さらに別の実施形態による、車両用シートアセンブリに取り付けられたクッション構造体の斜視図である。
【図16】異なるサイズ及びばね定数を有する圧縮部材を備えたクッション部材のデザインの側面図である。
【図17】異なるサイズ及びばね定数を有する圧縮部材を備えたクッション部材のデザインの別の実施例の側面図である。
【図18】上部を溶接した構成の複数の圧縮部材を有するクッション部材のデザインの側面図である。
【図19】中間部を溶接した構成の複数の圧縮部材を有するクッション部材のデザインの別の実施例の側面図である。
【図20】下部を溶接した構成の複数の圧縮部材を有するクッション部材のデザインの別の実施例の側面図である。
【図21】さらに別の実施形態による、複数のばね部材を有するクッション部材の斜視図である。
【図22】成形された発泡材料に包み込まれた、図21のクッション部材の立面図である。
【図23】発泡材料部材に包み込まれた、図21のクッション部材の斜視図である。
【図24】さらに別の実施形態による、通気パッドと一体化されたばね充填クッション部材の側面図である。
【図25】さらに別の実施形態による、その上に重ねられた通気加熱及び冷却マットを有するばね充填クッション部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概して図面を、特に図1を参照すると、車両10が例示的な実施形態に従って示されている。車両10は、車両10の乗員のために設けられた1つ又は複数のシートアセンブリ12を含む。図示の車両10は4ドアのセダンであるが、シートアセンブリ12は、ミニバン、スポーツユーティリティビークル、飛行機、船、又は他のいかなるタイプの車両にも使用できることが理解されるべきである。
【0012】
図2を参照すると、シートアセンブリ12が示されている。シートアセンブリ12は、シートバック14とシートベース16とを有するシートフレーム13を含む。シートバック14は、着座した乗員に快適性、支持及び保護を提供する。シートベース16は、シートバック14に動作可能に連結され、同様に、着座した乗員に快適性、支持及び保護を提供する。ヘッドレスト18は、シートバック14の上端に位置し、同様に、着座した乗員に快適性、支持及び保護を提供する。シートアセンブリ12は、シートベース16に対するシートバック14の回転可能な調整機能を提供するために、シートバック14及びシートベース16に動作可能に連結されたリクライニング機構20を含む。シートアセンブリ12は、軌道アセンブリ22を使用して車両10に固定することができる。この実施例の軌道アセンブリ22は、快適性と実用性を高めるために、シートアセンブリが車両の床に対して相対的に位置を変更されることを可能にする。また、シートバック14とシートベース16は、トリムカバー24等の他の構成要素を含むことができる。シートアセンブリ12は、シートクッション構造体26を含む。
【0013】
次に図3を参照すると、シートバックのクッション構造体26を有するシートフレーム13が示されている。シートフレーム13は、シートバックフレーム28と、シートベースフレーム30とを含む。
【0014】
シートフレーム13は、シートバックフレーム28と、シートベースフレーム30とを含む。シートバックフレーム28は、上部クロスメンバー32と、対向する下部クロスメンバー34と、第1シートバックサイドメンバー36と、対向する第2シートバックサイドメンバー38と含む。上部クロスメンバー32は第1端40と第2端42とを含み、下部クロスメンバー34は第1端44と第2端46とを含む。第1シートバックサイドメンバー36は、上端48と、反対側の下端50とを含み、第2シートバックサイドメンバー38は、上端52と、反対側の下端54とを含む。実質的に矩形のフレーム構造体が形成されるように、第1及び第2シートバックサイドメンバーの上端48、52は上部クロスメンバー32によって互いに連結され、第1及び第2シートバックサイドメンバーの下端50、54は下部クロスメンバー34によって互いに連結される。シートベースフレーム30は、第1シートベースサイドメンバー56と、対向する第2シートベースサイドメンバー58と、前方クロスメンバー60と、対向する後方クロスメンバー62とを含む。第1シートベースサイドメンバー56は前端64と後端66とを含み、第2シートベースサイドメンバー58は前端68と反対側の後端70とを含む。前方クロスメンバー60は第1端72と第2端74とを含み、後方クロスメンバー62は第1端76と第2端78とを含む。実質的に矩形のフレーム構造体が形成されるように、第1及び第2シートベースサイドメンバーの前端64、68は前方クロスメンバー60によって互いに連結され、第1及び第2シートベースサイドメンバーの後端66、70は後方クロスチューブメンバー30によって互いに連結される。他のシートフレームのデザイン、例えば、ワンピース型バックフレーム又はワンピース型シートベースフレーム等を、本開示で使用できることに留意すべきである。シートフレーム13は、金属、アルミニウム、複合材料等の様々な材料から作ることができる。
【0015】
シートクッション構造体26は、構造的支持基板80と、クッション部材82とを含む。構造的支持基板80は、上端84と、反対側の下端86と、第1側部88と、反対側の第2側部90とを含む。構造的支持基板80は前面92と後面94とを含む。構造的支持基板80は、シートバックフレーム28、シートベースフレーム30等のシートフレーム13の少なくとも一部に重ねられ、連結されている。この実施例では、構造的支持基板80は、上部クロスメンバー32、下部クロスメンバー34、第1及び第2サイドメンバー36、38の間でシートバックフレーム28の上に配置され、シートバックフレーム28に連結されている。構造的支持基板80は、対象となる乗員の輪郭形状を反映した全体的な輪郭形状を有するように、シートフレーム13に連結することができる。構造的支持基板80は、シートフレーム13に固定する、シートフレーム13に掛けて張り付ける等、いかなる既知の又は適切な方法でも、シートフレーム13に連結することができる。構造的支持基板80は、様々な技術(締め付け、ボルト締め、溶接等)及び連結部材(ホッグリング、フック、クリップ、ねじ、ワイヤループ、スナップ、ボタン等)を使用してそれに固定することができる。構造的支持基板80は、乗員のための構造的支持として機能するのに十分な強度を有する様々な材料、例えば、プラスチック、布、ポリマー、天然繊維、ゴム等から作ることができる。この実施例では、構造的支持基板はプラスチック製のシェルである。
【0016】
クッション部材82は、上端96と、反対側の下端98と、第1側部100と、反対側の第2側部102とを有する、概ね矩形の平面状部材である。クッション部材82は、複数の内壁105によって相互に連結された前方外壁104と対向する後方外壁106とを含む。内壁105は、所定の方法で内壁105と外壁104、106との間に複数のチャンバー110を画定するように構成される。例えば、内壁105は、立方体等の特定の形状を有するチャンバー110を画定するために、縦方向及び/又は横方向及び/又は角度方向に配置され得る。また、クッション部材82は、クッション部材82全体に分布した、ばね等の複数の圧縮部材108を含むことができる。例えば、チャンバー110の一部又はすべてが、1つ又は複数のコイルばね、ばね内のばね、多層のばね等を含み得る。デザインは、従来のコイルばねに限定されず、類似の「運動学的」特徴を提供する任意の既知又は将来の材料又は複合材料又はアセンブリ、例えば、ゲル、水、プラスチック、形状変化材料等を含む。クッション部材82は、構造的支持基板80及び/又はシートバックフレーム28、シートベースフレーム30等のシートフレーム13の少なくとも一部にかぶせられ、連結されている。クッション部材82は、対象となる乗員の輪郭形状を反映した全体的な輪郭形状を有するように、構造的支持基板80及び/又はシートフレーム13に連結することができる。クッション部材82は、シートフレーム13に固定する、シートフレーム13に掛けて張り付ける等、いかなる公知の又は適切な方法でも、シートフレーム13に連結することができる。クッション部材82は、様々な技術(締め付け、ボルト締め、溶接等)及び連結部材(ホッグリング、クリップ、ねじ、ワイヤループ、スナップ、ボタン等)を使用してそれに固定することができる。クッション部材82は、乗員のためのクッション部材82として機能するのに十分な強度及び支持を有する様々な材料、例えば、プラスチック、布、ポリマー、天然繊維、ゴム、プロピレンメッシュ等から作ることができる。また、クッション部材82は、発泡体に包み込まれ、トリムカバー24等の他の構成要素、及び/又はそれらの組み合わせに取り付けられることができる。
【0017】
この実施例では、クッション部材82は、座席の乗員にサブシステムのばね「キネマティックス」を提供し、シートバックフレーム28のかなりの部分に重なるように構造的支持基板80上に配置される。シートクッション構造26は、シートの他の領域(シートベース、ヘッドレスト、サイドボルスター等)で、及び、シートアセンブリの他のタイプ(2列目シート、シートベンチ等)で使用することができると考えられる。クッション部材82は、セグメント化された布製の袋であり、袋110内に複数のばね108を含む。
【0018】
図5〜8を参照すると、構造的支持基板180とクッション部材182の他の実施形態が示されており、類似の特徴は類似の参照番号を使用して識別されている。この実施形態では、構造的支持基板180は、シートバックフレーム28に対応する輪郭を有する。また、第1及び第2側部188、190は、車両用シートアセンブリ12のサイドボルスターに対応するように輪郭を形成されている。また、構造的支持基板180は、エネルギー吸収部材又は特徴214を取り付けるための領域212を含むことができる。領域212は、戦略的に、構造的支持基板180の周囲、例えば、上端184、下端186、側部188、190、前面192、後面194等に配置されている。エネルギー吸収部材212は、吸収発泡体、ばね、リブ、波形、管状延伸部等の様々な形態にすることができ、衝突衝撃からのエネルギーを吸収し且つ座席乗員への衝撃を減らすように設計されている。エネルギー吸収部材212は、それらがエネルギーを吸収するときに所定の方法でその形状を変えること(折り重なる、つぶれる、押しつぶす、圧縮すること等)によって、エネルギーを吸収する。例えば、エネルギー吸収部材212は、衝撃衝突のエネルギーを吸収するとき、アコーディオンのような方法で折り重なるように設計することができる。この実施形態では、クッション部材182は、外側部分216と内側部分218とを有するマルチピース型構造を有する。外側部分216は内側部分218を取り囲む概ね矩形のフレームであり、内側部分218は概ね矩形で平面状の形状である。外側部分216は、シートバックフレーム128の個々の部材に概ね重ねられ、一方、内側部分218は、シートバックフレーム128の上端、下端、第1側部及び第2側部の間にまたがる領域に概ね重ねられる。
【0019】
次に図9〜11を参照すると、さらに別の実施形態による構造的支持基板380とシートバックフレーム328が示されている。この実施形態では、構造的支持基板380は、上端384、下端386、第1側部388、対向する第2側部390、前面392及び後面394を有する概ね矩形の平面状部材である。また、構造的支持基板380は、それぞれ第1及び第2側部388、390から延びる第1及び第2延伸部420、422(フラップ、翼状部等)を含む。2つの延伸部又はフラップ420、422が示されているが、任意の数の延伸部又はフラップを使用することができる。構造的支持基板380の本体部分は、図10に示すように、例えば、シートバックフレーム328に接触して、シートバックフレーム328の上に、シートバックフレーム328の周りに、シートバックフレーム328に隣接してそれを配置すること等によって、シートバックフレーム328に配置される。また、構造的支持基板380は、シートバックフレーム328の上を又はシートバックフレーム328を滑ることができるソックス型構造を有することができる。第1及び第2延伸部420、422は、図11に示すように、例えば、サイドフレーム部材を少なくとも部分的に包み込むこと、サイドメンバーにストラップで固定すること等によって、第1及び第2サイドレーム部材336、338に取り付けるように設計されている。構造的支持構造体380は、比較的可撓性及び伸縮性のある材料から作ることができる。また、構造的支持基板380は、様々なシート構成要素に取り付ける、シート構成要素をそれに挿入する等のために、複数の開口部424(穴、スロット、スリット等)を含むことができる。この実施例では、構造的支持基板の上端384は、上部クロスメンバー332に取り付けるための一対の開口部424(ヘッドレスト318用の取り付け部等)を含む。
【0020】
図12〜14を参照すると、さらに別の実施形態による、シートバック514、シートベース516、及びヘッドレスト518を有するシートアセンブリ512に取り付けられたシートクッション構造体526が示されている。この実施形態では、構造的支持基板580とクッション部材582は、単一ユニットに組み込まれ、シートバックサブフレーム528に連結される。クッション部材582は、様々な特性(サイズ、長さ、ばね定数/力等)を有する任意の数の圧縮部材608を含むことができる。異なる特性を有する複数グループの圧縮部材608を、特定の要件に応じて、車両用シート(シートバック514、シートベース516、ヘッドレスト518、サイドボルスター等)全体に戦略的に配置することができる。例えば、より大きいサイズの圧縮部材608のグループをシートバック514の周囲(シートバック514の上端と側部等)に配置することができる。より多数のより小さいサイズの圧縮部材608を、シートバック514の中央部に配置することができる。より少数の中サイズの圧縮部材608を、ヘッドレスト518に配置することができる。多様なクッション部材526及び/又は支持構造基板580を、シートバックフレーム528、シートベースフレーム530等、シートフレーム513のどこにでも利用することができる。例えば、クッション部材582及び圧縮部材608は、ヘッドレスト518、シートバック514、シートベース516、シートバックサイドボルスター、シートベースエッジ等、シート12上のどこにでも配置することができる。
【0021】
図15〜17を参照すると、さらに別の実施形態による、シートアセンブリ712に連結されたクッション構造726が示されている。この実施形態では、クッション構造体726は、シートベース716に取り付けるように適合され、クッション部材782を含み、また構造的支持基板780を含むことができる。クッション部材782は、ばね等の複数の圧縮部材808を含む。クッション部材782と圧縮部材808は、必要な性能要件に応じて、所定の様々な特性(形状、外形、レイアウト、デザインパターン等)を有することができる。さらに、圧縮部材808はまた、様々な所定の属性(長さ、大きさ、形、力/速度、引張強さ、位置等)を有することができる。例えば、圧縮部材808は、挿入物又はシートボルスターに使用されるような、シートベース716上の輪郭を作成するために、その長さ、力/速度、位置を変えることができる。シート712の特定の領域におけるばねの力/詳細/設計の合理的、選択的な適用によってクッション構造726を設計することにより、特定の目的を達成することができる。例えば、クッション構造726は、図11に示すように、チャイルドシート、又は積み荷及び/又は携行品(財布、ブリーフケース、箱等)を収容するように設計され、輪郭を付けられたばねの力/詳細/設計を含むことができる。また、シートの快適さと美的外観をさらに高めるために、比較的薄い発泡体クッション材料を、ばねクッションの上に配置することができる。一実施例において、クッション部材800、802の側部は、図15及び16に示すように、シートベース716の側部における支持を提供するために、クッション部材782の中間部分のものよりも大きい圧縮部材808を含む。別の実施例では、クッション部材の側部800、802及びクッション部材782の中間部分は、図17に示すように、シートベース716の側部と中央に支持を提供するために、クッション部材782の他の部分よりも大きい圧縮部材808を含む。
【0022】
図18〜20を参照すると、異なる構成で連結された圧縮部材808を備えたクッション部材782が示されている。圧縮部材808は、様々な技術を使用して、例えば溶接等によって、結合することができる。一実施例において、図18に示すように、圧縮部材808がクッション部材782の下面828から下方に且つ平坦な平面状シート表面717に隣接して延びるように、圧縮部材808を、上部溶接の構成で互いに溶接することができる。別の実施例において、図19に示すように、圧縮部材808がクッション部材782の上面826から上方に、シート表面717に隣接して且つクッション部材782の下面828から下方に延びるように、圧縮部材808を、中央部溶接の構成で、その中央部分で互いに溶接することができる。別の実施例において、図20に示すように、圧縮部材808がクッション部材の上面826から上方に且つシート表面717内に延びるように、圧縮部材808を底部溶接の構成で互いに溶接することができる。
【0023】
図21〜23を参照すると、複数のばね部材1008を有するクッション部材982を含み、構造的支持構造体980に包み込まれた、さらに別の実施形態によるシートクッション構造体926が示されている。ばね部材1008は、ばねとばねが接した配置で配置することができ、また、セグメント化された袋1010内に収容することができる。この実施形態では、構造的支持構造体980は、発泡体、詰め物等の様々な材料から作ることができる。クッション部材982は、シートクッション982の性能、快適性、美観をさらに高めるために、支持構造体980により完全に又は部分的に包み込むことができる。一実施例において、支持構造体980は、図22及び23に示すように、クッション部材980の上面1026を露出した状態で側面996、998、1000、1002及び下面1028を囲む。
【0024】
図24及び25を参照すると、温度調節通気マット1230及び温度調節加熱/冷却マット1232を含む、さらに別の実施形態によるクッション構造体1126が示されている。この実施形態では、クッション構造体1126は、複数の圧縮部材又はばね部材1108を有するクッション部材1182を含む。ばね充填クッション部材1182のばねは、図24に示すように、座席乗員への空気流(A)をもたらすために、通気マット1230内に組み込むことができる。通気マット1230は一般に、クッション部材の下面1228等、クッション部材に隣接して配置することができる平面状矩形部材である。また、ばね充填クッション部材1182は、温度調節通気加熱/冷却マット1232を有することができ、このマットもまた概ね平面状矩形部材である。加熱/冷却マット1232は、図25に示すように、座席乗員に加熱及び冷却をもたらすために、クッション部材1182の表面、例えば、上面1226等に重ねることができる。乗員の負荷(L)がポケットコイルへと下方に掛けられたとき、ポケット内に閉じ込められた空気が乗員を衝撃から守る。この「緩衝効果」の間に空気が上方に移動して熱伝達、空気の循環を促進し、それによって、乗員の快適性を向上させる。
【0025】
上記教示に照らして、本開示の多くの修正及び変更が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内において、本開示は、明確に記載された以外に実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートに使用するためのシートクッション構造体であって、
複数のチャンバーを形成するように連結された第1外壁及び第2外壁と、
乗員負荷を吸収するために前記チャンバー内に配置されたエネルギー吸収物質と
を備えるクッション構造体。
【請求項2】
複数のポケットを形成するように前記第1外壁と前記第2外壁とを連結する内壁をさらに備える、請求項1に記載のシートクッション構造体。
【請求項3】
前記エネルギー吸収物質が空気である、請求項1に記載のシートクッション構造体。
【請求項4】
乗員負荷をさらに吸収するために前記チャンバー内に配置された複数のばねをさらに含む、請求項1に記載のシートクッション構造体。
【請求項5】
前記ばねが様々なサイズ及び引張強度を有する、請求項4に記載のシートクッション構造体。
【請求項6】
乗員の支持と快適性を高めるために、より大きいばねが前記シート構造体の外側部分に配置され、より小さいばねが前記シート構造体の中央部分に配置される、請求項5に記載のシートクッション構造体。
【請求項7】
追加の支持を提供するために前記第2外壁に取り付けられた支持基板をさらに含む、請求項1に記載のシートクッション構造体。
【請求項8】
前記支持基板が、前記車両用シートを少なくとも部分的に包み込むスリーブである、請求項7に記載のシートクッション構造体。
【請求項9】
車両用シートに使用するためのシートクッション構造体であって、
複数のチャンバーを形成するように連結された第1外壁及び第2外壁と、
乗員負荷を吸収するために前記チャンバー内に配置されたエネルギー吸収物質と、
追加の支持を提供するために前記第2外壁に取り付けられた支持基板と
を備えるシートクッション構造体。
【請求項10】
複数のポケットを形成するように前記第1外壁と前記第2外壁とを連結する内壁をさらに備える、請求項9に記載のシートクッション構造体。
【請求項11】
前記エネルギー吸収物質が空気である、請求項9に記載のシートクッション構造体。
【請求項12】
乗員負荷をさらに吸収するために前記チャンバー内に配置された複数のばねをさらに含む、請求項9に記載のシートクッション構造体。
【請求項13】
前記ばねが様々なサイズ及び引張強度を有する、請求項12に記載のシートクッション構造体。
【請求項14】
乗員の支持と快適性を高めるために、より大きいばねが前記シート構造体の外側部分に配置され、より小さいばねが前記シート構造体の中央部分に配置される、請求項13に記載のシートクッション構造体。
【請求項14】
前記支持基板が、前記車両用シートを少なくとも部分的に包み込むスリーブである、請求項8に記載のシートクッション構造体。
【請求項15】
車両用シートに使用するためのシートベースクッション構造体であって、
第1サイドボルスターと、反対側の第2サイドボルスターと、前側面と、反対側の後側面と、前記第1及び第2サイドボルスターに隆起部分を有する上面と、反対側の下面とを有するクッション部材と、
前記クッション部材第1サイド内に配置された第1セットのばねであって、前記クッション部材前側面から前記クッション部材後側面に一列に並べられた第1セットのばねと、
前記クッション部材第2サイド内に配置された第2セットのばねであって、前記クッション部材前側面から前記クッション部材後側面に一列に並べられた第2セットのばねと
を備え、
前記第1及び第2セットのばねが、積み荷及び乗員の両側に位置し、積み荷及び乗員を支持する役割を果たす、クッション構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2013−510770(P2013−510770A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539072(P2012−539072)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/056863
【国際公開番号】WO2011/060428
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(598147400)ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー (224)
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
【Fターム(参考)】