シート仕分け装置及び画像形成装置
【課題】シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でもシート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止できるシート仕分け装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート排出トレイ91に載置されたシートPを押さえるためのシート押さえガイド部材300を備え、シート押さえガイド部材300がシート搬送部30のシフト方向Xへの移動に伴いシート搬送部30と共に移動する構成とされたシート仕分け装置120及びシート仕分け装置120を備えた画像形成装置は、シート押さえガイド部材300を、シート排出トレイ91に載置された最上部のシートP0に対してシートPの搬送方向Y1の下流側端P1でのみ接触させる構成とされている。
【解決手段】シート排出トレイ91に載置されたシートPを押さえるためのシート押さえガイド部材300を備え、シート押さえガイド部材300がシート搬送部30のシフト方向Xへの移動に伴いシート搬送部30と共に移動する構成とされたシート仕分け装置120及びシート仕分け装置120を備えた画像形成装置は、シート押さえガイド部材300を、シート排出トレイ91に載置された最上部のシートP0に対してシートPの搬送方向Y1の下流側端P1でのみ接触させる構成とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に適用できるシート仕分け装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート仕分け装置として、記録用紙等のシートを搬送するシート搬送部を該シートの搬送方向に直交するシート面に沿ったシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分けるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このようなシート仕分け装置では、多種多様のシートが使用される中、シートの種類によっては、その特性によりカール等のシートの状態に起因して、シート排出トレイに排出されるシートのスタック性が悪化するために、シート排出トレイにおいてシートがばらついてしまい、該シートの束を確実に区別して仕分ける(オフセット仕分けする)ことができないという不都合がある。
【0004】
また、シート排出トレイに排出されるシートのスタック性を向上させるという観点から、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を設ける構成が従来から知られている(例えば、特許文献2〜4)。
【0005】
詳しくは、特許文献2には、用紙押さえ部材の排紙トレイ本体と当接する接地部位置を、排紙される大サイズ紙のみを押さえる位置とした構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、用紙収容補助機構において、第1の揺動部材により、排出された用紙の先端に当接してガイドし、該第1の揺動部材の他端に揺動可能に一端が配設された第2の揺動部材により、排出トレイ上に積載された用紙を押しつける構成が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、一対のガイド部材を上下方向で回動可能に設け、一のガイド部材の先端を他のガイド部材よりも原稿排出元側に垂らすように設け、両ガイド部材が原稿排出部上の原稿を異なる位置で押さえ得るようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−42460号公報
【特許文献2】特開平8−119520号公報
【特許文献3】特開平9−77339号公報
【特許文献4】特開2002−211814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来技術に鑑み、シートを搬送するシート搬送部をシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分けるシート仕分け装置において、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を設ける場合には、次のような不都合がある。
【0010】
すなわち、かかるシート仕分け装置においては、シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動する構成(具体的にはシート押さえガイド部材がシート搬送部に設けられる構成)とし、シート押さえガイド部材がシート排出トレイに載置されたシートの上面と接触されると、シート搬送部がシフト方向にシフト移動する際に、シート排出トレイに積載されていたシートの束が、シフト方向にずれて該シートの束のオフセット仕分けが乱されてしまうという事態を招く。
【0011】
図15及び図16は、それぞれ、従来のシート仕分け装置において、シート押さえガイド部材C1がシート搬送部C2に設けられ、シート排出トレイC3に載置されたシートPの上面Paと接触される構成をシフト方向X及び搬送方向Y1から視た概略側面図である。図15(a)は、シート排出トレイC3にシートPが載置されていない状態を示している。図15(b)は、シート排出トレイC3にB5サイズのシートPが積載されている状態を示している。図15(c)は、シート排出トレイC3にA4サイズのシートPが積載されている状態を示している。また、図16(a)は、シート排出トレイC3にシートPが載置されていない状態を示している。図16(b)は、シート排出トレイC3にシートPが積載されている状態を示している。図16(c)は、シート搬送部C2がシフト方向Xに移動して、シート排出トレイC3に積載されていたシートPの束が、シフト方向XにずれてシートPの束のオフセット仕分けが乱されている状態を示している。
【0012】
図15及び図16に示す従来のシート仕分け装置では、シート押さえガイド部材C3は、シート搬送部C2の排出口C2a(図15(a)及び図16(a)参照)の上部においてシフト方向Xにおける中央部に設けられている。これにより、シート押さえガイド部材C1がシート搬送部C2のシフト方向Xへの移動に伴いシート搬送部C2と共に移動するようになっている。具体的には、シート押さえガイド部材C1は、シート搬送部C2に対してシフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に設けられ、先端側が自重によりシート排出トレイC3側へ垂れ下がる構成とされている。そして、シート押さえガイド部材C1は、シート排出トレイC3に載置されたシートPの上面Paと接触してシートPを押さえるようになっている。
【0013】
このため、図16(c)に示すように、シート押さえガイド部材C1がシート搬送部C2のシフト方向Xへの移動に伴いシート搬送部C2と共に移動すると、シート押さえガイド部材C1のシート排出トレイC3に載置されたシートPの上面Paとの接触により、シート排出トレイC3に積載されていたシートPの束が、シフト方向XにずれてシートPの束のオフセット仕分けが乱されてしまうという事態を招く。
【0014】
そこで、本発明は、シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でもシート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止できるシート仕分け装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動するにあたり、該シート押さえガイド部材とシート排出トレイに載置されたシートとの接触面積が小さい程、該シートの束の該シフト方向への移動を抑制できるという本発明者の知見に基づき完成したものであり、該シート押さえガイド部材と該シートとの接触面積を可及的に小さくすべく、該押さえガイド部材の該シートとの接触位置を該シートの搬送方向の下流側端(先端)部分のみとしている。
【0016】
すなわち、本発明は、シートを搬送するシート搬送部を該シートの搬送方向に交差するシート面に沿ったシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分け、前記シート排出トレイに載置されたシートと接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を備え、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動する構成とされたシート仕分け装置であって、前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端(先端)でのみ接触させる構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置を提供する。また、本発明は、前記本発明に係るシート仕分け装置を備えたことを特徴とする画像形成装置も提供する。
【0017】
本発明によれば、前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端でのみ接触させる構成とされているので、前記シート押さえガイド部材と前記シート排出トレイに載置されたシートとの接触面積を可及的に小さくすることができ、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でも前記シート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止することができる。
【0018】
本発明において、前記シート押さえガイド部材は、基端側が前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられ、先端側が自重により前記シート排出トレイ側へ垂れ下がる構成とされている態様を例示できる。
【0019】
この特定事項では、前記シート押さえガイド部材の基端側が前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられ、前記シート押さえガイド部材の先端側が自重により前記シート排出トレイ側へ垂れ下がる構成とされているので、前記シート押さえガイド部材と前記シート排出トレイに載置された最上部のシートの前記下流側端(具体的には前記シート排出トレイに積載されたシートの束の角部)との接触を簡単な構成で実現することができる。
【0020】
本発明において、前記シート排出トレイには、前記シート押さえ部材の先端側が該シート排出トレイのシートを載置する載置面よりも下方へ入り込むことを許容する入り込み部が設けられている態様を例示できる。
【0021】
この特定事項では、前記シート排出トレイにおいて前記シート押さえ部材の先端側が前記載置面よりも下方へ入り込むことを許容する前記入り込み部が設けられているので、前記シート押さえガイド部材を前記搬送方向に長いサイズのシートで前記下流側端に接触させることができる上、前記搬送方向に短いサイズのシートでは先端側が前記入り込み部において前記載置面よりも下方に入り込むことで、該搬送方向に短いサイズのシートでも前記下流側端に接触させることができる。これにより、複数種類のサイズのシートを用いる場合にシートのサイズが変わっても、前記シート押さえ部材を該シートの前記搬送方向の下流側端に接触させることが可能となる。
【0022】
本発明において、前記入り込み部は、前記シート排出トレイの載置面に設けられた前記搬送方向に延びる溝又は貫通孔である態様を例示できる。
【0023】
この特定事項では、前記シート押さえ部材の先端側を前記載置面よりも下方へ入り込ませる構成を、前記搬送方向に延びる前記溝又は前記貫通孔を前記シート排出トレイの載置面に設けるといった簡単な構成で実現することができる。
【0024】
本発明において、前記溝又は貫通孔の前記シフト方向における幅は、前記シート押さえガイド部材の先端側の前記シフト方向における幅に加えて前記シート搬送部がシフト移動するシフト量より大きい幅とされている態様を例示できる。
【0025】
この特定事項では、前記溝又は貫通孔の前記シフト方向における幅が前記シート押さえガイド部材の先端側の前記シフト方向における幅に加えて前記シート搬送部がシフト移動するシフト量より大きい幅とされているので、前記前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動しても、該シート押さえガイド部材の先端側を前記溝又は前記貫通孔内で支障なく前記シフト方向に移動させることができる。
【0026】
本発明において、前記シート押さえ部材は、先端側が伸縮自在な構成とされている態様を例示できる。
【0027】
この特定事項では、前記シート押さえ部材の先端側が伸縮自在な構成とされているので、先端側が短くされた前記シート押さえガイド部材を前記搬送方向に短いサイズのシートで前記下流側端に接触させることができる上、前記搬送方向に長いサイズのシートでは先端側が長くされた前記シート押さえガイド部材の先端を該シートの前記下流側端よりも前記搬送方向の下流側に位置させることができる。これにより、複数種類のサイズのシートを用いる場合にシートのサイズが変わっても、前記シート押さえ部材を該シートの前記搬送方向の下流側端に接触させることが可能となる。
【0028】
本発明において、前記シート押さえ部材は、先端側が前記シート排出トレイに排出されるシートのサイズに応じて調整可能とされている態様を例示できる。
【0029】
この特定事項では、前記シート押さえ部材の先端側が前記シート排出トレイに排出されるシートのサイズに応じて調整可能とされているので、前記シート押さえ部材の先端側をシートのサイズに応じて調整することができ、これにより、複数種類のサイズのシートを用いる場合にユーザはシートが何れのサイズのときには、前記シート押さえ部材の伸縮状態をどの程度にすればよいかを把握することができ、それだけ利便性を向上させることができる。
【0030】
本発明において、前記シート押さえ部材は、前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられた揺動部と、該揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた延長部とを備えた構成とされている態様を例示できる。
【0031】
この特定事項では、前記シート押さえ部材が、前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられた前記揺動部と、該揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた前記延長部とを備えた構成とされているので、複数種類のサイズのシートを用いる場合にシートのサイズが変わっても、前記シート押さえ部材を該シートの前記搬送方向の下流側端に接触させることができるだけでなく、該シート押さえガイド部材と該シートとのなす角度が小さくなっても、ユーザが前記揺動部に対する前記上下方向の角度を変更することで、前記搬送方向に長いサイズのシートでも確実に前記下流側端に接触させることができる。
【0032】
本発明において、前記シート押さえ部材は、前記延長部が伸びたときに前記上下方向の角度が自動的に変更される構成とされている態様を例示できる。
【0033】
この特定事項では、前記シート押さえ部材が、前記延長部が伸びたときに前記上下方向の角度が自動的に変更される構成とされているので、前記延長部が伸びたときのユーザによる前記上下方向の角度の調整を省くことができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によると、前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端でのみ接触させる構成とされているので、前記シート押さえガイド部材と前記シート排出トレイに載置されたシートとの接触面積を可及的に小さくすることができ、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でも前記シート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置を備えた画像形成装置を正面より視た概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置における排出ローラ及びその周辺部分を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置における仕分け構成を用紙の排出方向から視た概略側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置による仕分け動作を説明するための説明図であって、(a)は、シフト方向の一方側のシフト端(移動端)で用紙が排出される状態を示す概略平面図であり、(b)は、シフト方向の他方側のシフト端(移動端)で用紙Pが排出される状態を示す概略平面図であり、(c)は、排出ローラシフトユニットがシフト方向の一方側のシフト端又は他方側のシフト端に到達した時点での用紙の排出状態をシフト方向から視た概略断面図であり、(d)は、排出トレイに排出された用紙の仕分け幅及び排出ローラシフトユニットとの位置関係を示す概略平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置において、排出ローラシフトユニットに設けられたシート押さえガイド部材及びその周辺部分をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにA4サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置において、排出ローラシフトユニットに設けられたシート押さえガイド部材及びその周辺部分を搬送方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイに用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出ローラシフトユニットがシフト方向に移動しても、排出トレイに積載されていた用紙の束のシフト方向へのずれが抑制されている状態を示す図である。
【図7】少なくとも用紙の先端と接触する部分が曲面形状とされているシート押さえガイド部材の一例を示す概略斜視図であって、(a)及び(b)は、それぞれ、楕円形状及び円形状のシート押さえガイド部材が用紙の先端に接触している状態を示す図である。
【図8】少なくとも用紙の先端と接触する部分が角形状とされているシート押さえガイド部材の一例を示す概略斜視図であって、(a)から(c)は、それぞれ、鋭角形状、鈍角形状及び直角形状を有するシート押さえガイド部材が用紙の先端に接触している状態を示す図である。
【図9】図5に示す構成において、排出トレイに入り込み部が設けられた第1実施形態の構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにA4サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図10】図6に示す構成において、排出トレイに入り込み部が設けられた第1実施形態の構成を搬送方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイに用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出ローラシフトユニットがシフト方向に移動しても、排出トレイに積載されていた用紙の束のシフト方向へのずれが抑制されている状態を示す図である。
【図11】シート押さえ部材の先端側が伸縮自在な第2実施形態の構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにB4サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図12】図11に示すシート押さえ部材の第2実施形態の構成を示す斜視図である。
【図13】シート押さえ部材の先端側が伸縮自在な構成において、排出トレイに入り込み部が設けられた構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにA3サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図14】シート押さえ部材の延長部が揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた第3実施形態の構成を説明するための図であって、(a)は、該第3実施形態の構成をシフト方向から視た概略側面図であり、(b)は、(a)に示すシート押さえ部材の第3実施形態の構成を示す斜視図であり、(c)は、(b)に示す角度変更部を揺動部の途中に設けた構成を示す斜視図である。
【図15】従来のシート仕分け装置において、シート押さえガイド部材がシート搬送部に設けられ、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触される構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、シート排出トレイにシートが載置されていない状態を示す図であり、(b)は、シート排出トレイにB5サイズのシートが積載されている状態を示す図であり、(c)は、シート排出トレイにA4サイズのシートが積載されている状態を示す図である。
【図16】従来のシート仕分け装置において、シート押さえガイド部材がシート搬送部に設けられ、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触される構成を搬送方向から視た概略側面図であって、(a)は、シート排出トレイにシートが載置されていない状態を示す図であり、(b)は、シート排出トレイにシートが積載されている状態を示す図であり、(c)は、シート搬送部がシフト方向に移動して、シート排出トレイに積載されていたシートの束が、シフト方向にずれてシートの束のオフセット仕分けが乱されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0037】
(画像形成装置の全体構成の説明)
図1は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120を備えた画像形成装置100を正面より視た概略断面図である。
【0038】
図1に示す画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等のシート(以下、用紙という。)Pに対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置108と、装置本体110とを備えており、装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。
【0039】
画像形成部102は、露光ユニット1、複数の現像ユニット2,…、複数の感光体ドラム3,…、複数のクリーニング部4,…、複数の帯電器5,…、中間転写ベルトユニット6、複数のトナーカートリッジユニット21,…及び定着ユニット7を備えている。
【0040】
また、シート搬送系103は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82及びシート排出トレイ(以下、単に排出トレイという。)91を備えている。
【0041】
装置本体110の上部には、原稿(シート)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿読取装置108は、装置本体110に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。
【0042】
原稿読取装置108は、自動的に搬送される原稿又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100の装置本体110へと送られ、装置本体110において画像データに基づき形成された画像が用紙Pに記録される。
【0043】
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2,…、感光体ドラム3,…、クリーニング部4,…、帯電器5,…及びトナーカートリッジユニット21,…は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(ここでは4つ)の画像ステーションが構成されている。
【0044】
帯電器5,…は、感光体ドラム3,…の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0045】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3,…に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
【0046】
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3,…をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3,…の表面に形成する。
【0047】
トナーカートリッジユニット21,…は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2,…の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置100の装置本体110において、トナーカートリッジユニット21,…から現像ユニット2,…の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
【0048】
現像ユニット2,…は、それぞれの感光体ドラム3,…上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーニング部4,…は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3,…上の表面に残留したトナーを除去、回収する。
【0049】
感光体ドラム3,…の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64,…及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
【0050】
中間転写ローラ64,…は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62は、中間転写ベルト従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動され、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…が従動回転される。
【0051】
各中間転写ローラ64,…は、感光体ドラム3,…上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
【0052】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3,…に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3,…に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写されることによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
【0053】
感光体ドラム3,…から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64,…によって行われる。中間転写ローラ64,…には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64,…は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64,…は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
【0054】
既述のとおり、各感光体ドラム3,…上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、用紙Pと中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって用紙P上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
【0055】
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で転写ニップが形成された状態で、トナーを用紙Pに転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップが形成される。転写ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
【0056】
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から用紙P上へのトナー像の転写にあたり、用紙P上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト61を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
【0057】
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される用紙Pを予め収容しておくトレイであり、装置本体110における露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成(印刷)される用紙Pが載置される。排出トレイ91は、装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの用紙Pをフェイスダウンで集積する。排出トレイ91は、搬送方向(図1中の矢印Y1方向)において用紙Pを載置する載置面91aの上流側が下流側よりも低くなる構成とされている。
【0058】
また、装置本体110には、給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82から送られてきた用紙Pを転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排出トレイ91に送るためのシート搬送路Sが設けられている。シート搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の(ここでは第1から第4)搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72、排出ローラ31が配置されている。
【0059】
第1から第4搬送ローラ12a〜12dは、用紙Pの搬送を促進、補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81の用紙供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81から用紙Pを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙トレイ82の用紙供給側の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ82から用紙Pを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。
【0060】
また、レジストローラ13は、シート搬送路Sを搬送されている用紙Pを一旦保持するものである。そして、レジストローラ13は、感光体ドラム3,…上のトナー像の先端と用紙Pの搬送方向Y1の下流側端(以下、先端という。)P1を合わせるタイミングで用紙Pを転写ローラ10に搬送する。
【0061】
定着ユニット7は、未定着トナー像を用紙Pに定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に用紙Pを挟持しつつ用紙Pを搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に用紙Pに転写された多色トナー像を用紙Pに熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して用紙Pに対して熱定着させる。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0062】
このように構成された画像形成装置100において、用紙Pにして片面印刷が要求されたときには、各給紙トレイ81,82から供給された用紙Pは、シート搬送路Sに沿って設けられた第1搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、用紙Pの先端P1と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングで転写ローラ10によって搬送され、用紙P上にトナー像が転写される。その後、用紙Pは定着ユニット7を通過することによって用紙P上の未定着トナーが熱で溶融、固着され、第2搬送ローラ12b及び排出ローラ31を経て排出トレイ91上に排出される。
【0063】
また、用紙Pに対して両面印刷が要求されたときには、前記した片面印刷が終了して定着ユニット7を通過した用紙Pの搬送方向Y1の上流側端(以下、後端という。)P2が排出ローラ31とシート搬送路Sの分岐部Saとの間に位置する状態で、排出ローラ31が逆回転することによって用紙Pが第3及び第4搬送ローラ12c,12dに導かれる。そして、レジストローラ13を経て転写ニップに搬送されてきた用紙Pは、裏面に印刷された後、排出トレイ91に排出される。
【0064】
(シート仕分け装置について)
本実施の形態に係る画像形成装置100は、排出ローラ31を排出ローラ31の軸線方向に沿ってシフト移動させることにより排出ローラ31にて排出される用紙Pを仕分けるシート仕分け装置120を備えている。
【0065】
図2は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120における排出ローラ31及びその周辺部分を示す概略断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120における仕分け構成を用紙Pの搬送方向Y1から視た概略側面図である。
【0066】
図2及び図3に示すように、シート仕分け装置120は、排出ローラ31を有する排出ローラシフトユニット30(シート搬送部の一例)と、回転駆動部40と、シフト駆動部50と、排出トレイ91とを備えている。
【0067】
排出ローラシフトユニット30は、装置本体110に対して排出ローラ31の軸線方向(図3中の矢印X方向、以下、シフト方向Xという。)に沿って往復移動自在に設けられている。すなわち、シフト方向Xは、用紙Pの搬送方向Y1に直交する用紙面に沿った方向である。排出ローラシフトユニット30は、シフト方向Xに沿って往復移動自在とされた摺動部材(具体的にはスライドレール)30b(図2参照)を介して装置本体110に支持されている。なお、摺動部材30bは、従来公知の構成とすることができ、ここでは詳しい説明は省略する。
【0068】
また、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aには、位置検知スイッチSWpに検知される検知片30cが設けられている。なお、位置検知スイッチSWpは、排出ローラシフトユニット30が基準位置(具体的にはシフト方向Xの中央位置(仕分けを行わない標準位置))に位置しているか否かを検知するものであり、ここでは、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに設けられた検知片30c(図2及び図3参照)を検知する透過型光センサされている。
【0069】
排出ローラ31は、用紙Pを排出トレイ91へ排出するものであり、ここでは、排出駆動ローラ32及び排出従動ローラ33からなる排出ローラ対34を備えている。
【0070】
詳しくは、駆動排出ローラ32は、駆動ローラ軸32aと、駆動ローラ軸32aに同軸上に固定配置された複数(ここでは4つ)の駆動ローラ部32bとを備えている。排出従動ローラ33は、従動ローラ軸33aと、従動ローラ軸33aに同軸上に駆動ローラ部32bに対向して固定配置された複数の従動ローラ部33bとを備えている。また、排出ローラ31は、従動ローラ部33bを駆動ローラ部32bに向けて付勢する付勢部材(ここでは巻きバネ)35をさらに備えている。
【0071】
排出ローラ対34及び付勢部材35は、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに設けられており、排出駆動ローラ32の片方の端部が排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aからシフト方向Xの外側に突出して設けられている。
【0072】
排出駆動ローラ32の駆動ローラ軸32aは、ここでは、単一のものとされており、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに対して軸線回りに回転自在に設けられている。
【0073】
排出従動ローラ33の従動ローラ軸33aは、ここでは、シフト方向Xに沿って複数(ここでは2つ)並設されており、それぞれ、複数(ここでは2つ)の従動ローラ部33bが固定配置されている。そして、従動ローラ軸33aは、従動ローラ部33bが対応する駆動ローラ部32bと対峙するように、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに対して軸線回りに回転自在に、かつ、上下方向(図中矢印Z方向)に沿って往復移動自在に設けられている。そして、排出ローラ31は、用紙Pが排出駆動ローラ32と排出従動ローラ33との間のニップ部Nにおいて排出従動ローラ33にて押圧された状態で挟持されつつ搬送されるようになっている。
【0074】
具体的には、付勢部材35は、排出従動ローラ33を排出駆動ローラ32に向けて付勢するようになっており、ここでは、従動ローラ軸33aと、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aの排出駆動ローラ32とは反対側の位置との間に配置されている。なお、付勢部材35による排出従動ローラ33の排出駆動ローラ32への押圧力は、用紙Pが適正に搬送される程度の圧力となっている。
【0075】
回転駆動部40は、排出ローラ31を回転駆動するものであり、搬送駆動モータ41(ここではステッピングモータ)と、搬送駆動モータ41からの回転駆動を排出ローラ31に伝達する駆動伝達機構42とを備えている。
【0076】
搬送駆動モータ41は、回転軸41aがシフト方向Xに沿うように装置本体110に設けられている。
【0077】
駆動伝達機構42は、ここでは、複数のギアを列設したギア列で構成されており、ここでは、駆動ギア42a、ローラギア42b及び中間ギア42cを備えている。
【0078】
駆動ギア42aは、搬送駆動モータ41の回転軸41aに連結されている。ローラギア42bは、駆動側ローラ軸32aの排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aからシフト方向Xの外側に突出した端部に連結されている。中間ギア42cは、装置本体110に固定された回転軸110aに回転自在に支持されており、駆動ギア42a及びローラギア42bに歯合している。ここで、駆動ギア42a、ローラギア42b及び中間ギア42cのギア歯は、シフト方向Xに延びる凹凸条に形成されており、ローラギア42bが中間ギア42cに対して歯合した状態でシフト方向Xへ摺動できるようになっている。そして、中間ギア42cのシフト方向Xの長さは、排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動幅を許容する長さ(ギアの噛み合い長さにシフト量に相当する長さを加えた長さ)とされ、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xへ往復移動してもローラギア42bが中間ギア42cから離脱しない長さとされている。
【0079】
シフト駆動部50は、排出ローラ31(ここでは排出ローラシフトユニット30)をシフト駆動してシフト移動させるものであり、シフト駆動モータ51(ここではステッピングモータ)と、排出ローラシフトユニット30をシフト移動させるシフト機構52とを備えている。
【0080】
シフト駆動モータ51は、回転軸51aがシフト方向Xに直交する方向(ここでは上下方向Z)に沿うように装置本体110に設けられている。
【0081】
シフト機構52は、ここでは、回転方向の駆動を直線方向の駆動に変換するラック・アンド・ピニオンのギアで構成されており、シフト方向Xに沿って延びるラックギア52aと、円柱状のピニオンギア52bとを備えている。
【0082】
ラックギア52aは、シフト方向Xの端部が排出ローラシフトユニット30の端部に連結されている。ピニオンギア52bは、シフト駆動モータ51の回転軸51aに連結されており、ラックギア52aに歯合している。これにより、シフト駆動モータ51の回転軸51aが一方向又は他方向に回転することで排出ローラシフトユニット30をシフト方向Xに往復移動させることができる。
【0083】
搬送駆動モータ41は、制御部(図示省略)からの駆動信号(ON信号)又は駆動停止信号(OFF信号)が得られるように、該制御部の出力系に電気的に接続されており、回転方向を指示する回転指示信号を搬送駆動モータ41へ送信して搬送駆動モータ41を駆動させることで、第1排出ローラ31,…を一方向(搬送方向Y1)又は他方向(搬送方向Y1とは反対方向)へ回転駆動できるようになっている。なお、本実施の形態では、両面印刷の際には、搬送駆動モータ41に対して一方向Aとは反対方向への回転指示も行うようになっているが、これについては画像形成装置100の仕分け構成の制御に直接関与しないために説明を省略する。
【0084】
シフト駆動モータ51は、制御部(図示省略)からの駆動信号(ON信号)又は駆動停止信号(OFF信号)が得られるように、該制御部の出力系に電気的に接続されており、排出ローラシフトユニット30をシフト方向Xの一方側(図3の左側の方向X1)へ移動させる回転、及び、排出ローラシフトユニット30をシフト方向Xの他方側(図3の右側の方向X2)へ移動させる回転を指示する移動指示信号をシフト駆動モータ51へ送信してシフト駆動モータ51を、基準位置を基準にしてパルス駆動させることで、排出ローラシフトユニット30を一方側の方向X1、及び、他方側の方向X2にシフト駆動できるようになっている。
【0085】
以上説明したシート仕分け装置120では、前記制御部からの回転指示信号によって搬送駆動モータ41が駆動されることにより搬送駆動モータ41からの駆動力が駆動伝達機構42に伝達され、これにより、排出ローラ31が一方向Aに回転駆動する。また、前記制御部からの移動指示信号によってシフト駆動モータ51が駆動されることによりシフト駆動モータ51からの駆動力がシフト機構52に伝達され、これにより、排出ローラシフトユニット30が一方側の方向X1又は他側の方向X2へシフト移動する。
【0086】
図4は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120による仕分け動作を説明するための説明図である。図4(a)は、シフト方向Xの一方側のシフト端(移動端)で用紙Pが排出される状態を示す概略平面図である。図4(b)は、シフト方向Xの他方側のシフト端(移動端)で用紙Pが排出される状態を示す概略平面図である。図4(c)は、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xの一方側のシフト端α又は他方側のシフト端βに到達した時点での用紙Pの排出状態をシフト方向Xから視た概略断面図である。図4(d)は、排出トレイ91に排出された用紙Pの仕分け幅Sb及び排出ローラシフトユニット30との位置関係を示す概略平面図である。
【0087】
図4に示すように、用紙Pをシフト方向Xにおける一方側(図中の左側)又は他方側(図中の右側)へ仕分けるときには、第1検知スイッチSW1(図2参照)から用紙通過信号が入力されて排出ローラ31が用紙Pを挟持していると認識した後に(図4(c)参照)、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xにおける一方側のシフト端(図4(a)のα参照)又は他方側のシフト端β(図4(b)のβ参照)への移動を開始し、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xにおける一方側のシフト端α又は他方側のシフト端βまでのシフト移動が完了(停止)した後に用紙Pを排出する。なお、第1検知スイッチSW1は、用紙Pが排出ローラ31を通過しているか否かを検知するものであり、ここでは、排出方向Y1において排出ローラ31の上流側近傍に配置されている。
【0088】
このように、図3に示す仕分け構成による仕分け動作では、排出トレイ91に排出された用紙Pの仕分け幅Sb(図4(d)参照、具体的には30mm)が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへのシフト量L(図4(d)参照、具体的には30mm)と等しくなる。なお、排出ローラシフトユニット30は、シフト方向Xの中央位置(仕分けを行わない標準位置)から片側でL/2だけ移動し、片側のシフト量L/2、及び、もう片側のシフト量L/2で全体としてシフト量がLとなる。
【0089】
(シート押さえガイド部材について)
図5及び図6に示すように、シート仕分け装置120は、シート押さえガイド部材300を備えている。なお、前記した図1から図4においては、シート押さえガイド部材300は、図示を省略している。
【0090】
図5及び図6は、それぞれ、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120において、排出ローラシフトユニット30に設けられたシート押さえガイド部材300及びその周辺部分をシフト方向X及び搬送方向Y1から視た概略側面図である。図5(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図5(b)は、排出トレイ91にB5サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。図5(c)は、排出トレイ91にA4サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。また、図6(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図6(b)は、排出トレイ91に用紙Pが積載されている状態を示している。図6(c)は、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xに移動しても、排出トレイ91に積載されていた用紙Pの束のシフト方向Xへのずれが抑制されている状態を示している。なお、図6において、排出従動ローラ33等は図示を省略している。
【0091】
シート押さえガイド部材300は、排出トレイ91に載置された用紙Pと接触して用紙Pを押さえるようになっている。また、シート押さえガイド部材300は、排出ローラシフトユニット30から飛び出してきた用紙Pを下方へ安定して落下させる機能も有している。
【0092】
シート押さえガイド部材300は、排出ローラシフトユニット30の排出口30cの上部においてシフト方向Xにおける中央部に設けられている。これにより、シート押さえガイド部材300が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動に伴い排出ローラシフトユニット30と共に移動するようになっている。
【0093】
そして、シート仕分け装置120は、シート押さえガイド部材300を、排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0の先端P1(具体的には、搬送方向Y1で同じ寸法に揃った用紙Pの束の角部)でのみ接触させる構成とされている。
【0094】
本実施の形態によれば、シート押さえガイド部材300を、排出トレイ300に載置された最上部の用紙P0に対して先端P1でのみ接触させる構成とされていることで、シート押さえガイド部材300と排出トレイ91に載置された用紙Pとの接触面積を可及的に小さくすることができ、シート押さえガイド部材300が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動に伴い排出ローラシフトユニット30と共に移動した場合でも排出トレイ91に積載されていた用紙Pの束のシフト方向Xへの移動を抑制でき、これにより、用紙Pの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止することができる。なお、図5(b)、図5(c)、図6(b)及び図6(c)は、B5サイズやA4サイズの用紙Pの状態を示しているが、何れのサイズの用紙Pにも適用できることは言うまでもない。
【0095】
シート押さえガイド部材300は、基端側が排出ローラシフトユニット30に対して上下方向Zに揺動可能に設けられている。ここでは、シート押さえガイド部材300は、シフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に(具体的には排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿って設けられた回動軸Q1に対して回動自在に)設けられている。そして、シート押さえガイド部材300は、先端側が自重により排出トレイ91側へ垂れ下がり、用紙Pがない場合に(図5(a)及び図6(a)参照)排出トレイ91に接触する構成とされている。こうすることで、シート押さえガイド部材300と排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0の先端(具体的には用紙Pの束の角部)P1との接触を簡単な構成で実現することができる。
【0096】
詳しくは、シート押さえガイド部材300は、細長い板状又は棒状の部材(図示例では板状の部材)とされており、長さD(図5(b)及び図5(c)参照)が基端部(具体的には基端側の回動軸Q1)から排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0の先端P1まで距離D1(図5(b)及び図5(c)参照)よりも長くなっている。なお、距離D1は、構成上排出トレイ91に載置される用紙Pの積載量によって変化することがあるが、シート押さえガイド部材300の長さDは、用紙Pの積載量によって変化し得る距離D1の最大距離よりも長くなっている。
【0097】
また、本実施の形態では、細長い板状の部材とされたシート押さえガイド部材300は、平面状の下面301で最上部の用紙P0の先端P1に接触するようになっている。但し、それに限定されるものではなく、例えば、図7及び図8に示すように、少なくとも最上部の用紙P0の先端P1と接触する部分が曲面形状又は角形状とされていてもよい。
【0098】
図7は、少なくとも最上部の用紙P0の先端P1と接触する部分が曲面形状とされているシート押さえガイド部材300の一例を示す概略斜視図である。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、楕円形状及び円形状のシート押さえガイド部材300a,300bが最上部の用紙P0の先端P1に接触している状態を示している。
【0099】
図7(a)に示すシート押さえガイド部材300a(300)は、長軸が上下方向Zを向いた断面視で楕円形状の円柱部材とされており、図7(b)に示すシート押さえガイド部材300b(300)は、断面視で円形状の円柱部材とされている。
【0100】
図8は、少なくとも最上部の用紙P0の先端P1と接触する部分が角形状とされているシート押さえガイド部材300の一例を示す概略斜視図である。図8(a)から図8(c)は、それぞれ、鋭角形状、鈍角形状及び直角形状を有するシート押さえガイド部材300c〜300eが最上部の用紙P0の先端P1に接触している状態を示している。
【0101】
図8(a)に示すシート押さえガイド部材300c(300)は、最上部の用紙P0の先端P1と接触する角部が鋭角形状とされており、図8(b)に示すシート押さえガイド部材300d(300)は、最上部の用紙P0の先端P1と接触する角部が鈍角形状とされており、図8(c)に示すシート押さえガイド部材300e(300)は、最上部の用紙P0の先端P1と接触する角部が直角形状とされている。
【0102】
図7及び図8に示すような構成では、シート押さえガイド部材300と排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0とを点接触にすることができ、これにより、シート押さえガイド部材300と用紙P0との接触面積を最小限に抑えることができる。
【0103】
ところで、B5、A4及びB4といった複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合、シート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に長いサイズの用紙P(例えばA4サイズ)で先端P1に接触させることができても、搬送方向Y1に短いサイズ(例えばB5サイズ)の用紙Pでは先端P1側が排出トレイ91の載置面91aに当接してしまい、それ以上、下方には降りてこないことで、搬送方向Y1に短いサイズの用紙Pに対して全く接触させることができないことがある。一方、シート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に短いサイズ(例えばB5サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができても、搬送方向Y1に長いサイズ(例えばA4サイズ)の用紙Pではガイド部材300の先端が用紙Pの上面に接触し、ガイド部材300の底面301を搬送方向Y1に長いサイズ(例えばA4サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができないこともある。かかる観点から、本実施の形態に係るシート仕分け装置120は、次の第1及び第2実施形態の構成とすることができる。
【0104】
(第1実施形態)
すなわち、第1実施形態では、排出トレイ91には、図9及び図10に示すように、載置面91aよりも下方へのシート押さえ部材300の先端側の入り込みを許容する入り込み部91bが設けられている。
【0105】
図9及び図10は、それぞれ、図5及び図6に示す構成において、排出トレイ91に入り込み部91bが設けられた第1実施形態の構成を示している。
【0106】
このように、排出トレイ91において、載置面91aよりも下方へのシート押さえ部材300の先端側の入り込みを許容する入り込み部91bが設けられていることで、シート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に長いサイズ(この例ではA4サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができる上(図9(c)参照)、搬送方向Y1に短いサイズ(この例ではB5サイズ)の用紙Pでは先端P1側が入り込み部91bにおいて載置面91aよりも下方に入り込むことで(図9(b)参照)、搬送方向Y1に短いサイズ(この例ではB5サイズ)の用紙Pでも先端P1に接触させることができる。これにより、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合に用紙Pのサイズが変わっても、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1でのみ接触させることが可能となる。
【0107】
詳しくは、入り込み部91bは、排出トレイ91の載置面91aに設けられた搬送方向Y1に延びる溝又は貫通孔(図の例では溝)とされている。
【0108】
こうすることで、シート押さえ部材300の先端側を載置面91aよりも下方へ入り込ませる構成を、搬送方向Y1に延びる溝又は貫通孔を排出トレイ91の載置面91aに設けるといった簡単な構成で実現することができる。なお、入り込み部91bは、排出トレイ91の搬送方向Y1の下流側端まで突き抜けて設けられてもよいし、シート押さえガイド部材300が搬送方向Y1で収まる範囲で設けられてもよい。ここでは、入り込み部91bは、シート押さえガイド部材300が搬送方向Y1で収まる範囲で設けられている。
【0109】
そして、溝又は貫通孔とされた入り込み部91bのシフト方向Xにおける幅W(図10(a)参照)は、シート押さえガイド部材300の先端側のシフト方向Xにおける幅W1(図10(a)参照)に加えて排出ローラシフトユニット30がシフト移動するシフト量L(図4(d)参照)より大きい幅とされている。こうすることで、シート押さえガイド部材300が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動に伴い排出ローラシフトユニット30と共に移動しても、シート押さえガイド部材300の先端側を溝又は貫通孔とされた入り込み部91bで支障なくシフト方向Xに移動させることができる。
【0110】
(第2実施形態)
また、第2実施形態では、シート押さえ部材300は、先端側が伸縮自在な構成とされている。
【0111】
図11は、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な第2実施形態の構成をシフト方向Xから視た概略側面図である。図11(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図11(b)は、排出トレイ91にB5サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。図11(c)は、排出トレイ91にB4サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。また、図12は、図11に示すシート押さえ部材300の第2実施形態の構成を示す斜視図である。
【0112】
このように、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な構成とされていることで、先端側が短くされたシート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に短いサイズ(この例ではB5サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができる上(図11(b)参照)、搬送方向Y1に長いサイズ(この例ではB4サイズ)の用紙Pでは先端側が長くされたシート押さえガイド部材300の底面301を搬送方向Y1に長いサイズ(例えばBサイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができる(図11(c)参照)。これにより、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合に用紙Pのサイズが変わっても、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1に接触させることが可能となる。
【0113】
詳しくは、シート押さえガイド部材300は、排出ローラシフトユニット30に対して上下方向Zに揺動可能に、ここでは、シフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に設けられた揺動部310と、揺動部310に対して伸縮方向(図11の矢印E方向)に摺動自在に設けられた延長部320とを備えた構成とされている。
【0114】
図12に示すように、揺動部310は、支持部311と、ガイド部312,312とを備えている。支持部311は、基端部311aが排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿って設けられた回動軸Q2に対して回転自在に設けられている。ガイド部312,312は、支持部311に支持され、かつ、延長部320を伸縮方向Eに往復移動自在に案内するようになっている。揺動部310及び延長部320は、ここでは、樹脂材料からなっている。支持部311及びガイド部312,312は、一体的に形成されている。
【0115】
具体的には、支持部311は、ガイド部312,312の上部に沿って形成されてガイド部312,312の上部を覆う上板部311bを有している。ガイド部312,312は、一対のものとされており、上板部311bのシフト方向Xの両端部において下面に立設されている。延長部320は、伸縮方向Eに長い延長部本体321と、延長部本体321に設けられた突出部322,322とを備えている。突出部322,322は、延長部本体321の基端側端部321aに、シフト方向Xの両外側から外方へ突設されている。ガイド部312,312には、延長部320における突出部322を挿通して、突出部322を伸縮方向Eに案内するためのガイド溝又はガイド貫通孔(図の例ではガイド貫通孔)313が設けられている。
【0116】
詳しくは、ガイド溝又はガイド貫通孔313は、厚み方向(図12の矢印H方向)の両内側に伸縮方向Eに沿って設けられた摺接面313a,313aを有している。また、突出部322は、厚み方向Hの両外側に摺接面313a,313aと摺接するように伸縮方向Eに沿って設けられた摺動面322a,322aを有している。そして、ガイド部312,312におけるガイド溝又はガイド貫通孔313の摺接面313a,313aに突出部322の摺動面322a,322aを摺動させることで、延長部320を揺動部310に対して延長部320の伸縮方向Eの姿勢を維持した状態で伸縮方向Eにスライドさせることができる。
【0117】
この例では、シート押さえガイド部材300は、揺動部310の下面310と延長部320の下面310とで段差が設けられている。このため、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1に確実に接触させるという観点から、ここでは、ガイド部312,312の先端部312aの下面312bが先端側に向かうに従って厚み方向Hの内側(上側)へ傾斜するようになっている。
【0118】
シート押さえ部材300は、先端側が排出トレイ91に排出される用紙Pのサイズに応じて調整可能とされていてもよい。具体的には、揺動部310及び延長部320のうち、何れか一方にサイズ毎のA4やB5といった目盛り(図示省略)を付しておき、他方に目盛りを指す矢印等のマーク(図示省略)を設けることができる。こうすることで、シート押さえ部材300の先端側を用紙Pのサイズに応じて調整することができ、これにより、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合にユーザは用紙Pが何れのサイズのときには、シート押さえ部材300の伸縮状態をどの程度にすればよいかを把握することができ、それだけ利便性を向上させることができる。
【0119】
(第1及び第2実施形態の組み合わせ)
排出トレイ91に入り込み部91bが設けられた図9及び図10に示す第1実施形態の構成と、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な図11及び図12に示す第2実施形態の構成とを組み合わせてもよい。
【0120】
図13は、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な構成において、排出トレイ91に入り込み部91bが設けられた構成をシフト方向Xから視た概略側面図である。図12(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図12(b)は、排出トレイ91にB5サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。図12(c)は、排出トレイ91にA3サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。
【0121】
図13に示す例では、入り込み部91cは、排出トレイ91の搬送方向Y1の下流側端まで突き抜けて設けられている。
【0122】
図13に示すように、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な構成において、排出トレイ91に入り込み部91cを設けることで、さらに広範囲のサイズ(例えばB5サイズからA3サイズといった広範囲のサイズ)に対応させることができる。
【0123】
ところで、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合、用紙Pが搬送方向Y1に長い程、或いは、シート押さえガイド部材300の基端部(具体的には基端側の回動軸Q1)が用紙Pに近い程、シート押さえガイド部材300と用紙Pとのなす角度θ(図13(c)参照)が小さくなるため、最上部の用紙P0の先端P1での状態によってはシート押さえガイド部材300が用紙P0の先端P1付近の上面に接触しやすい状態を招く。
【0124】
かかる観点から、本実施の形態に係るシート仕分け装置120は、次の第3実施形態の構成とすることができる。
【0125】
(第3実施形態)
すなわち、第3実施形態では、シート押さえ部材300は、排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に設けられた揺動部330と、揺動部330に対して伸縮方向Eに摺動自在でかつ上下方向Zの角度φ1を変更可能に設けられた延長部320とを備えている。
【0126】
図14は、シート押さえ部材300の延長部320が揺動部330に対して伸縮方向Eに摺動自在でかつ上下方向Zの角度φ1を変更可能に設けられた第3実施形態の構成を説明するための図であって、図14(a)は、該第3実施形態の構成をシフト方向Xから視た概略側面図であり、図14(b)は、図14(a)に示すシート押さえ部材300の第3実施形態の構成を示す斜視図であり、図14(c)は、図14(b)に示す角度変更部334を揺動部330の途中に設けた構成を示す斜視図である。なお、図14に示す第3実施形態において、図11及び図12に示す第2実施形態の構成と同じ部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0127】
図14に示すように、シート押さえ部材300の延長部320が、揺動部330に対して伸縮方向Eに摺動自在でかつ上下方向Zの角度φ1を変更可能に設けられていることで、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合に用紙Pのサイズが変わっても、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1に接触させることができるだけでなく、シート押さえガイド部材300と用紙Pとのなす角度θ(図13(c)参照)が小さくなっても、ユーザが揺動部330に対する上下方向Zの角度θ(図14(a)参照)を変更(大きく)することで、搬送方向Y1に長いサイズ(例えばA3サイズ)の用紙Pでも確実に先端P1に接触させることができる。
【0128】
詳しくは、揺動部330は、支持部331と、角度変更部334を有するガイド部332,332とを備えている。支持部331は、基端部331aが排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿って設けられた回動軸Q2に対して回転自在に設けられている。ガイド部332,332は、支持部331に支持され、かつ、延長部320を伸縮方向Eに往復移動自在に案内し、さらに、角度変更部(ここでは先端部に設けられた角度変更部)334で伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向に往復移動自在に案内にするようになっている。揺動部330及び延長部320は、ここでは、樹脂材料からなっている。支持部331及びガイド部332,332は、一体的に形成されている。
【0129】
具体的には、支持部331は、角度変更部334を有するガイド部332,332の上部に沿って形成されてガイド部332,332の上部を覆う上板部331aを有している。ガイド部332,332は、一対のものとされており、上板部331bのシフト方向Xの両端部において下面に立設されている。ガイド部332,332には、延長部320における突出部322を挿通して、突出部322を伸縮方向Eに案内し、かつ、角度変更部334で伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向に案内するためのガイド溝又はガイド貫通孔(図の例ではガイド貫通孔)333が設けられている。
【0130】
詳しくは、ガイド溝又はガイド貫通孔333は、厚み方向Hの両内側に伸縮方向Eに沿って設けられた第1摺接面333a,333aと、伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向に沿って設けられた第2摺接面333b,333bとを有している。また、突出部322は、厚み方向Hの両外側に第2摺接面333a,333aと摺接するように伸縮方向Eに沿って設けられた第1摺動面322a,322aと、伸縮方向Eの両外側に第2摺接面333b,333bと摺接するように厚み方向Hに沿って設けられた第2摺動面322b,322bとを有している。そして、ガイド部312,312におけるガイド溝又はガイド貫通孔313の第1摺接面333a,333aに突出部322の第1摺動面322a,322aを摺動させることで、延長部320を揺動部310に対して延長部320の伸縮方向Eの姿勢を維持した状態で伸縮方向Eにスライドさせると共に、第2摺接面333b,333bに第2摺動面322b,322bを摺動させることで、角度変更部334で延長部320の揺動部330に対する上下方向Zの角度φ1(図14(a)参照)が変更された状態で伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向にスライドさせることができる。なお、揺動部330は自重により垂れ下がるために、角度変更部334では、延長部320の支点となる突出部322,322が角度変更部334内でシフト方向Xに沿った軸線回りの上方へ回動することとなることから、角度変更部334内で突出部322,322を保持することができる。これにより、突出部322,322が角度変更部334内で降下することを防止することが可能となる。
【0131】
かかる構成では、第1摺接面333aと第2摺接面333bとのなす角度φ2(図14(b)参照)を設定することで、揺動部330に対する延長部320の上下方向Zの角度φ1(図14(a)参照)、ひいてはシート押さえガイド部材300と用紙Pとのなす角度θ(図14(a)参照)を設定することができる。
【0132】
ここで、延長部320における突出部322,322を第1及び第2摺接面333a,333bに円滑に摺動させるという観点から、第1摺接面333aと第2摺接面333bとのコーナー部分333cにはR(曲面)が設けられている。
【0133】
第3実施形態では、図14(a)及び図14(b)に示すように、シート押さえ部材300の角度変更部334が揺動部330の先端部に設けられており、これにより、延長部320が最も伸びたときに伸びた量に応じて上下方向Zの角度θが自動的に変更されるようになっている。このように、シート押さえ部材300の延長部320が最も伸びたときに上下方向Zの角度θが自動的に変更される構成とすることで、延長部320が伸びたときのユーザによる上下方向Zの角度θの調整を省くことができる。
【0134】
なお、第3実施形態では、シート押さえ部材300の角度変更部334が揺動部330の先端部に設けられ、延長部320が最も伸びたときに伸びた量に応じて角度θを自動的に変更するようになっているが、図14(c)に示すように、シート押さえ部材300の角度変更部334が、揺動部330の途中に用紙Pの搬送方向Y1の長さに応じて1又は複数設けられ、延長部320の伸びた量に応じて角度θを変更するようになっていてもよい。この場合、排出トレイ91に排出される用紙Pの搬送方向Y1の長さが長くなるに従って、揺動部330に対する延長部320の上下方向Zの角度φ1が大きくなるように、第1摺接面333aと第2摺接面333bとのなす角度φ2を設定することができる。
【0135】
また、図14に示す第3実施形態では、図13に示す排出トレイ91に設けたものと同様の入り込み部91cを設けるが、入り込み部91cを設けない構成に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
30 排出ローラシフトユニット(シート搬送部の一例)
91 排出トレイ(シート排出トレイの一例)
91a 載置面
91b 溝(入り込み部の一例)
91c 溝(入り込み部の他の例)
100 画像形成装置
120 シート仕分け装置
300 シート押さえガイド部材
310 揺動部
311 支持部
312 ガイド部
313 ガイド貫通孔
320 延長部
330 揺動部
332 ガイド部
333 ガイド貫通孔
334 角度変更部
L シフト量
P 用紙(シートの一例)
P0 最上部の用紙
P1 用紙の先端(搬送方向の下流側端)
Q1 回動軸
Q2 回動軸
E 伸縮方向
H 厚み方向
W 溝のシフト方向における幅
W1 シート押さえガイド部材の先端側のシフト方向における幅
Y 搬送方向
X シフト方向
Z 上下方向
θ シート押さえガイド部材と用紙とのなす角度
φ1 揺動部と延長部とのなす角度
φ2 第1摺接面と第2摺接面とのなす角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に適用できるシート仕分け装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート仕分け装置として、記録用紙等のシートを搬送するシート搬送部を該シートの搬送方向に直交するシート面に沿ったシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分けるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このようなシート仕分け装置では、多種多様のシートが使用される中、シートの種類によっては、その特性によりカール等のシートの状態に起因して、シート排出トレイに排出されるシートのスタック性が悪化するために、シート排出トレイにおいてシートがばらついてしまい、該シートの束を確実に区別して仕分ける(オフセット仕分けする)ことができないという不都合がある。
【0004】
また、シート排出トレイに排出されるシートのスタック性を向上させるという観点から、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を設ける構成が従来から知られている(例えば、特許文献2〜4)。
【0005】
詳しくは、特許文献2には、用紙押さえ部材の排紙トレイ本体と当接する接地部位置を、排紙される大サイズ紙のみを押さえる位置とした構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、用紙収容補助機構において、第1の揺動部材により、排出された用紙の先端に当接してガイドし、該第1の揺動部材の他端に揺動可能に一端が配設された第2の揺動部材により、排出トレイ上に積載された用紙を押しつける構成が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、一対のガイド部材を上下方向で回動可能に設け、一のガイド部材の先端を他のガイド部材よりも原稿排出元側に垂らすように設け、両ガイド部材が原稿排出部上の原稿を異なる位置で押さえ得るようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−42460号公報
【特許文献2】特開平8−119520号公報
【特許文献3】特開平9−77339号公報
【特許文献4】特開2002−211814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来技術に鑑み、シートを搬送するシート搬送部をシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分けるシート仕分け装置において、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を設ける場合には、次のような不都合がある。
【0010】
すなわち、かかるシート仕分け装置においては、シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動する構成(具体的にはシート押さえガイド部材がシート搬送部に設けられる構成)とし、シート押さえガイド部材がシート排出トレイに載置されたシートの上面と接触されると、シート搬送部がシフト方向にシフト移動する際に、シート排出トレイに積載されていたシートの束が、シフト方向にずれて該シートの束のオフセット仕分けが乱されてしまうという事態を招く。
【0011】
図15及び図16は、それぞれ、従来のシート仕分け装置において、シート押さえガイド部材C1がシート搬送部C2に設けられ、シート排出トレイC3に載置されたシートPの上面Paと接触される構成をシフト方向X及び搬送方向Y1から視た概略側面図である。図15(a)は、シート排出トレイC3にシートPが載置されていない状態を示している。図15(b)は、シート排出トレイC3にB5サイズのシートPが積載されている状態を示している。図15(c)は、シート排出トレイC3にA4サイズのシートPが積載されている状態を示している。また、図16(a)は、シート排出トレイC3にシートPが載置されていない状態を示している。図16(b)は、シート排出トレイC3にシートPが積載されている状態を示している。図16(c)は、シート搬送部C2がシフト方向Xに移動して、シート排出トレイC3に積載されていたシートPの束が、シフト方向XにずれてシートPの束のオフセット仕分けが乱されている状態を示している。
【0012】
図15及び図16に示す従来のシート仕分け装置では、シート押さえガイド部材C3は、シート搬送部C2の排出口C2a(図15(a)及び図16(a)参照)の上部においてシフト方向Xにおける中央部に設けられている。これにより、シート押さえガイド部材C1がシート搬送部C2のシフト方向Xへの移動に伴いシート搬送部C2と共に移動するようになっている。具体的には、シート押さえガイド部材C1は、シート搬送部C2に対してシフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に設けられ、先端側が自重によりシート排出トレイC3側へ垂れ下がる構成とされている。そして、シート押さえガイド部材C1は、シート排出トレイC3に載置されたシートPの上面Paと接触してシートPを押さえるようになっている。
【0013】
このため、図16(c)に示すように、シート押さえガイド部材C1がシート搬送部C2のシフト方向Xへの移動に伴いシート搬送部C2と共に移動すると、シート押さえガイド部材C1のシート排出トレイC3に載置されたシートPの上面Paとの接触により、シート排出トレイC3に積載されていたシートPの束が、シフト方向XにずれてシートPの束のオフセット仕分けが乱されてしまうという事態を招く。
【0014】
そこで、本発明は、シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でもシート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止できるシート仕分け装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、シート押さえガイド部材がシート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動するにあたり、該シート押さえガイド部材とシート排出トレイに載置されたシートとの接触面積が小さい程、該シートの束の該シフト方向への移動を抑制できるという本発明者の知見に基づき完成したものであり、該シート押さえガイド部材と該シートとの接触面積を可及的に小さくすべく、該押さえガイド部材の該シートとの接触位置を該シートの搬送方向の下流側端(先端)部分のみとしている。
【0016】
すなわち、本発明は、シートを搬送するシート搬送部を該シートの搬送方向に交差するシート面に沿ったシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分け、前記シート排出トレイに載置されたシートと接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を備え、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動する構成とされたシート仕分け装置であって、前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端(先端)でのみ接触させる構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置を提供する。また、本発明は、前記本発明に係るシート仕分け装置を備えたことを特徴とする画像形成装置も提供する。
【0017】
本発明によれば、前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端でのみ接触させる構成とされているので、前記シート押さえガイド部材と前記シート排出トレイに載置されたシートとの接触面積を可及的に小さくすることができ、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でも前記シート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止することができる。
【0018】
本発明において、前記シート押さえガイド部材は、基端側が前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられ、先端側が自重により前記シート排出トレイ側へ垂れ下がる構成とされている態様を例示できる。
【0019】
この特定事項では、前記シート押さえガイド部材の基端側が前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられ、前記シート押さえガイド部材の先端側が自重により前記シート排出トレイ側へ垂れ下がる構成とされているので、前記シート押さえガイド部材と前記シート排出トレイに載置された最上部のシートの前記下流側端(具体的には前記シート排出トレイに積載されたシートの束の角部)との接触を簡単な構成で実現することができる。
【0020】
本発明において、前記シート排出トレイには、前記シート押さえ部材の先端側が該シート排出トレイのシートを載置する載置面よりも下方へ入り込むことを許容する入り込み部が設けられている態様を例示できる。
【0021】
この特定事項では、前記シート排出トレイにおいて前記シート押さえ部材の先端側が前記載置面よりも下方へ入り込むことを許容する前記入り込み部が設けられているので、前記シート押さえガイド部材を前記搬送方向に長いサイズのシートで前記下流側端に接触させることができる上、前記搬送方向に短いサイズのシートでは先端側が前記入り込み部において前記載置面よりも下方に入り込むことで、該搬送方向に短いサイズのシートでも前記下流側端に接触させることができる。これにより、複数種類のサイズのシートを用いる場合にシートのサイズが変わっても、前記シート押さえ部材を該シートの前記搬送方向の下流側端に接触させることが可能となる。
【0022】
本発明において、前記入り込み部は、前記シート排出トレイの載置面に設けられた前記搬送方向に延びる溝又は貫通孔である態様を例示できる。
【0023】
この特定事項では、前記シート押さえ部材の先端側を前記載置面よりも下方へ入り込ませる構成を、前記搬送方向に延びる前記溝又は前記貫通孔を前記シート排出トレイの載置面に設けるといった簡単な構成で実現することができる。
【0024】
本発明において、前記溝又は貫通孔の前記シフト方向における幅は、前記シート押さえガイド部材の先端側の前記シフト方向における幅に加えて前記シート搬送部がシフト移動するシフト量より大きい幅とされている態様を例示できる。
【0025】
この特定事項では、前記溝又は貫通孔の前記シフト方向における幅が前記シート押さえガイド部材の先端側の前記シフト方向における幅に加えて前記シート搬送部がシフト移動するシフト量より大きい幅とされているので、前記前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動しても、該シート押さえガイド部材の先端側を前記溝又は前記貫通孔内で支障なく前記シフト方向に移動させることができる。
【0026】
本発明において、前記シート押さえ部材は、先端側が伸縮自在な構成とされている態様を例示できる。
【0027】
この特定事項では、前記シート押さえ部材の先端側が伸縮自在な構成とされているので、先端側が短くされた前記シート押さえガイド部材を前記搬送方向に短いサイズのシートで前記下流側端に接触させることができる上、前記搬送方向に長いサイズのシートでは先端側が長くされた前記シート押さえガイド部材の先端を該シートの前記下流側端よりも前記搬送方向の下流側に位置させることができる。これにより、複数種類のサイズのシートを用いる場合にシートのサイズが変わっても、前記シート押さえ部材を該シートの前記搬送方向の下流側端に接触させることが可能となる。
【0028】
本発明において、前記シート押さえ部材は、先端側が前記シート排出トレイに排出されるシートのサイズに応じて調整可能とされている態様を例示できる。
【0029】
この特定事項では、前記シート押さえ部材の先端側が前記シート排出トレイに排出されるシートのサイズに応じて調整可能とされているので、前記シート押さえ部材の先端側をシートのサイズに応じて調整することができ、これにより、複数種類のサイズのシートを用いる場合にユーザはシートが何れのサイズのときには、前記シート押さえ部材の伸縮状態をどの程度にすればよいかを把握することができ、それだけ利便性を向上させることができる。
【0030】
本発明において、前記シート押さえ部材は、前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられた揺動部と、該揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた延長部とを備えた構成とされている態様を例示できる。
【0031】
この特定事項では、前記シート押さえ部材が、前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられた前記揺動部と、該揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた前記延長部とを備えた構成とされているので、複数種類のサイズのシートを用いる場合にシートのサイズが変わっても、前記シート押さえ部材を該シートの前記搬送方向の下流側端に接触させることができるだけでなく、該シート押さえガイド部材と該シートとのなす角度が小さくなっても、ユーザが前記揺動部に対する前記上下方向の角度を変更することで、前記搬送方向に長いサイズのシートでも確実に前記下流側端に接触させることができる。
【0032】
本発明において、前記シート押さえ部材は、前記延長部が伸びたときに前記上下方向の角度が自動的に変更される構成とされている態様を例示できる。
【0033】
この特定事項では、前記シート押さえ部材が、前記延長部が伸びたときに前記上下方向の角度が自動的に変更される構成とされているので、前記延長部が伸びたときのユーザによる前記上下方向の角度の調整を省くことができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によると、前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端でのみ接触させる構成とされているので、前記シート押さえガイド部材と前記シート排出トレイに載置されたシートとの接触面積を可及的に小さくすることができ、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部のシフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動した場合でも前記シート排出トレイに積載されていたシートの束の該シフト方向への移動を抑制でき、これにより、該シートの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置を備えた画像形成装置を正面より視た概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置における排出ローラ及びその周辺部分を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置における仕分け構成を用紙の排出方向から視た概略側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置による仕分け動作を説明するための説明図であって、(a)は、シフト方向の一方側のシフト端(移動端)で用紙が排出される状態を示す概略平面図であり、(b)は、シフト方向の他方側のシフト端(移動端)で用紙Pが排出される状態を示す概略平面図であり、(c)は、排出ローラシフトユニットがシフト方向の一方側のシフト端又は他方側のシフト端に到達した時点での用紙の排出状態をシフト方向から視た概略断面図であり、(d)は、排出トレイに排出された用紙の仕分け幅及び排出ローラシフトユニットとの位置関係を示す概略平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置において、排出ローラシフトユニットに設けられたシート押さえガイド部材及びその周辺部分をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにA4サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置において、排出ローラシフトユニットに設けられたシート押さえガイド部材及びその周辺部分を搬送方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイに用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出ローラシフトユニットがシフト方向に移動しても、排出トレイに積載されていた用紙の束のシフト方向へのずれが抑制されている状態を示す図である。
【図7】少なくとも用紙の先端と接触する部分が曲面形状とされているシート押さえガイド部材の一例を示す概略斜視図であって、(a)及び(b)は、それぞれ、楕円形状及び円形状のシート押さえガイド部材が用紙の先端に接触している状態を示す図である。
【図8】少なくとも用紙の先端と接触する部分が角形状とされているシート押さえガイド部材の一例を示す概略斜視図であって、(a)から(c)は、それぞれ、鋭角形状、鈍角形状及び直角形状を有するシート押さえガイド部材が用紙の先端に接触している状態を示す図である。
【図9】図5に示す構成において、排出トレイに入り込み部が設けられた第1実施形態の構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにA4サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図10】図6に示す構成において、排出トレイに入り込み部が設けられた第1実施形態の構成を搬送方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイに用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出ローラシフトユニットがシフト方向に移動しても、排出トレイに積載されていた用紙の束のシフト方向へのずれが抑制されている状態を示す図である。
【図11】シート押さえ部材の先端側が伸縮自在な第2実施形態の構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにB4サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図12】図11に示すシート押さえ部材の第2実施形態の構成を示す斜視図である。
【図13】シート押さえ部材の先端側が伸縮自在な構成において、排出トレイに入り込み部が設けられた構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、排出トレイに用紙が載置されていない状態を示す図であり、(b)は、排出トレイにB5サイズの用紙が積載されている状態を示す図であり、(c)は、排出トレイにA3サイズの用紙が積載されている状態を示す図である。
【図14】シート押さえ部材の延長部が揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた第3実施形態の構成を説明するための図であって、(a)は、該第3実施形態の構成をシフト方向から視た概略側面図であり、(b)は、(a)に示すシート押さえ部材の第3実施形態の構成を示す斜視図であり、(c)は、(b)に示す角度変更部を揺動部の途中に設けた構成を示す斜視図である。
【図15】従来のシート仕分け装置において、シート押さえガイド部材がシート搬送部に設けられ、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触される構成をシフト方向から視た概略側面図であって、(a)は、シート排出トレイにシートが載置されていない状態を示す図であり、(b)は、シート排出トレイにB5サイズのシートが積載されている状態を示す図であり、(c)は、シート排出トレイにA4サイズのシートが積載されている状態を示す図である。
【図16】従来のシート仕分け装置において、シート押さえガイド部材がシート搬送部に設けられ、シート排出トレイに載置されたシートの上面と接触される構成を搬送方向から視た概略側面図であって、(a)は、シート排出トレイにシートが載置されていない状態を示す図であり、(b)は、シート排出トレイにシートが積載されている状態を示す図であり、(c)は、シート搬送部がシフト方向に移動して、シート排出トレイに積載されていたシートの束が、シフト方向にずれてシートの束のオフセット仕分けが乱されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0037】
(画像形成装置の全体構成の説明)
図1は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120を備えた画像形成装置100を正面より視た概略断面図である。
【0038】
図1に示す画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等のシート(以下、用紙という。)Pに対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置108と、装置本体110とを備えており、装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。
【0039】
画像形成部102は、露光ユニット1、複数の現像ユニット2,…、複数の感光体ドラム3,…、複数のクリーニング部4,…、複数の帯電器5,…、中間転写ベルトユニット6、複数のトナーカートリッジユニット21,…及び定着ユニット7を備えている。
【0040】
また、シート搬送系103は、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82及びシート排出トレイ(以下、単に排出トレイという。)91を備えている。
【0041】
装置本体110の上部には、原稿(シート)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿読取装置108は、装置本体110に対して前側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。
【0042】
原稿読取装置108は、自動的に搬送される原稿又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100の装置本体110へと送られ、装置本体110において画像データに基づき形成された画像が用紙Pに記録される。
【0043】
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2,…、感光体ドラム3,…、クリーニング部4,…、帯電器5,…及びトナーカートリッジユニット21,…は、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(ここでは4つ)の画像ステーションが構成されている。
【0044】
帯電器5,…は、感光体ドラム3,…の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器を用いることができる。
【0045】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成されている。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3,…に導くためのレンズやミラー等の光学素子とが設けられている。また、露光ユニット1としては、この他にも、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)やLED(発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いる手法を採用することもできる。
【0046】
露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3,…をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3,…の表面に形成する。
【0047】
トナーカートリッジユニット21,…は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2,…の現像槽へトナーが供給されるようになっている。画像形成装置100の装置本体110において、トナーカートリッジユニット21,…から現像ユニット2,…の現像槽へ供給されるトナーは、該現像槽における現像剤のトナー濃度が一定になるように制御される。
【0048】
現像ユニット2,…は、それぞれの感光体ドラム3,…上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーニング部4,…は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3,…上の表面に残留したトナーを除去、回収する。
【0049】
感光体ドラム3,…の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64,…及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
【0050】
中間転写ローラ64,…は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62は、中間転写ベルト従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動され、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64,…が従動回転される。
【0051】
各中間転写ローラ64,…は、感光体ドラム3,…上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。
【0052】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3,…に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3,…に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写されることによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いた無端状のものとされている。
【0053】
感光体ドラム3,…から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64,…によって行われる。中間転写ローラ64,…には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ64,…は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)や発泡ウレタン等の樹脂材料)により覆われているローラである。中間転写ローラ64,…は、この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加する転写電極とされている。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、それ以外に、ブラシなどの転写電極を用いることが可能である。
【0054】
既述のとおり、各感光体ドラム3,…上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、用紙Pと中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ10によって用紙P上に転写される。但し、二次転写機構部の構成としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルト等の転写構成を用いることが可能である。
【0055】
このとき、転写ローラ10は、中間転写ベルト61との間で転写ニップが形成された状態で、トナーを用紙Pに転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62が互いに圧接されることで転写ローラ10と中間転写ベルト61との間には転写ニップが形成される。転写ニップを定常的に得るために、転写ローラ10及び中間転写ベルト駆動ローラ62のうち何れか一方が硬質材料(金属等)で構成された硬質ローラとされ、他方が軟質材料(弾性ゴムや発泡性樹脂等の樹脂材料)で構成された弾性ローラとされている。
【0056】
転写ローラ10による中間転写ベルト61上から用紙P上へのトナー像の転写にあたり、用紙P上に転写されずに中間転写ベルト61上にトナーが残存することがある。中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。具体的には、中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)が備えられている。従動ローラ63は、中間転写ベルト61を内側(裏側)から支持しており、クリーニング部材は、外側から従動ローラ63に向けて押圧するように中間転写ベルト61に接触している。
【0057】
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)される用紙Pを予め収容しておくトレイであり、装置本体110における露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ82には、画像形成(印刷)される用紙Pが載置される。排出トレイ91は、装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの用紙Pをフェイスダウンで集積する。排出トレイ91は、搬送方向(図1中の矢印Y1方向)において用紙Pを載置する載置面91aの上流側が下流側よりも低くなる構成とされている。
【0058】
また、装置本体110には、給紙トレイ81及び手差し給紙トレイ82から送られてきた用紙Pを転写ローラ10及び定着ユニット7を経て、排出トレイ91に送るためのシート搬送路Sが設けられている。シート搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の(ここでは第1から第4)搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7におけるヒートローラ71及び加圧ローラ72、排出ローラ31が配置されている。
【0059】
第1から第4搬送ローラ12a〜12dは、用紙Pの搬送を促進、補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81の用紙供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81から用紙Pを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙トレイ82の用紙供給側の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ82から用紙Pを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。
【0060】
また、レジストローラ13は、シート搬送路Sを搬送されている用紙Pを一旦保持するものである。そして、レジストローラ13は、感光体ドラム3,…上のトナー像の先端と用紙Pの搬送方向Y1の下流側端(以下、先端という。)P1を合わせるタイミングで用紙Pを転写ローラ10に搬送する。
【0061】
定着ユニット7は、未定着トナー像を用紙Pに定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラ72と共に用紙Pを挟持しつつ用紙Pを搬送するようになっている。また、ヒートローラ71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に用紙Pに転写された多色トナー像を用紙Pに熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接して用紙Pに対して熱定着させる。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0062】
このように構成された画像形成装置100において、用紙Pにして片面印刷が要求されたときには、各給紙トレイ81,82から供給された用紙Pは、シート搬送路Sに沿って設けられた第1搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、用紙Pの先端P1と中間転写ベルト61上のトナー像の先端を整合するタイミングで転写ローラ10によって搬送され、用紙P上にトナー像が転写される。その後、用紙Pは定着ユニット7を通過することによって用紙P上の未定着トナーが熱で溶融、固着され、第2搬送ローラ12b及び排出ローラ31を経て排出トレイ91上に排出される。
【0063】
また、用紙Pに対して両面印刷が要求されたときには、前記した片面印刷が終了して定着ユニット7を通過した用紙Pの搬送方向Y1の上流側端(以下、後端という。)P2が排出ローラ31とシート搬送路Sの分岐部Saとの間に位置する状態で、排出ローラ31が逆回転することによって用紙Pが第3及び第4搬送ローラ12c,12dに導かれる。そして、レジストローラ13を経て転写ニップに搬送されてきた用紙Pは、裏面に印刷された後、排出トレイ91に排出される。
【0064】
(シート仕分け装置について)
本実施の形態に係る画像形成装置100は、排出ローラ31を排出ローラ31の軸線方向に沿ってシフト移動させることにより排出ローラ31にて排出される用紙Pを仕分けるシート仕分け装置120を備えている。
【0065】
図2は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120における排出ローラ31及びその周辺部分を示す概略断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120における仕分け構成を用紙Pの搬送方向Y1から視た概略側面図である。
【0066】
図2及び図3に示すように、シート仕分け装置120は、排出ローラ31を有する排出ローラシフトユニット30(シート搬送部の一例)と、回転駆動部40と、シフト駆動部50と、排出トレイ91とを備えている。
【0067】
排出ローラシフトユニット30は、装置本体110に対して排出ローラ31の軸線方向(図3中の矢印X方向、以下、シフト方向Xという。)に沿って往復移動自在に設けられている。すなわち、シフト方向Xは、用紙Pの搬送方向Y1に直交する用紙面に沿った方向である。排出ローラシフトユニット30は、シフト方向Xに沿って往復移動自在とされた摺動部材(具体的にはスライドレール)30b(図2参照)を介して装置本体110に支持されている。なお、摺動部材30bは、従来公知の構成とすることができ、ここでは詳しい説明は省略する。
【0068】
また、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aには、位置検知スイッチSWpに検知される検知片30cが設けられている。なお、位置検知スイッチSWpは、排出ローラシフトユニット30が基準位置(具体的にはシフト方向Xの中央位置(仕分けを行わない標準位置))に位置しているか否かを検知するものであり、ここでは、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに設けられた検知片30c(図2及び図3参照)を検知する透過型光センサされている。
【0069】
排出ローラ31は、用紙Pを排出トレイ91へ排出するものであり、ここでは、排出駆動ローラ32及び排出従動ローラ33からなる排出ローラ対34を備えている。
【0070】
詳しくは、駆動排出ローラ32は、駆動ローラ軸32aと、駆動ローラ軸32aに同軸上に固定配置された複数(ここでは4つ)の駆動ローラ部32bとを備えている。排出従動ローラ33は、従動ローラ軸33aと、従動ローラ軸33aに同軸上に駆動ローラ部32bに対向して固定配置された複数の従動ローラ部33bとを備えている。また、排出ローラ31は、従動ローラ部33bを駆動ローラ部32bに向けて付勢する付勢部材(ここでは巻きバネ)35をさらに備えている。
【0071】
排出ローラ対34及び付勢部材35は、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに設けられており、排出駆動ローラ32の片方の端部が排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aからシフト方向Xの外側に突出して設けられている。
【0072】
排出駆動ローラ32の駆動ローラ軸32aは、ここでは、単一のものとされており、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに対して軸線回りに回転自在に設けられている。
【0073】
排出従動ローラ33の従動ローラ軸33aは、ここでは、シフト方向Xに沿って複数(ここでは2つ)並設されており、それぞれ、複数(ここでは2つ)の従動ローラ部33bが固定配置されている。そして、従動ローラ軸33aは、従動ローラ部33bが対応する駆動ローラ部32bと対峙するように、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aに対して軸線回りに回転自在に、かつ、上下方向(図中矢印Z方向)に沿って往復移動自在に設けられている。そして、排出ローラ31は、用紙Pが排出駆動ローラ32と排出従動ローラ33との間のニップ部Nにおいて排出従動ローラ33にて押圧された状態で挟持されつつ搬送されるようになっている。
【0074】
具体的には、付勢部材35は、排出従動ローラ33を排出駆動ローラ32に向けて付勢するようになっており、ここでは、従動ローラ軸33aと、排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aの排出駆動ローラ32とは反対側の位置との間に配置されている。なお、付勢部材35による排出従動ローラ33の排出駆動ローラ32への押圧力は、用紙Pが適正に搬送される程度の圧力となっている。
【0075】
回転駆動部40は、排出ローラ31を回転駆動するものであり、搬送駆動モータ41(ここではステッピングモータ)と、搬送駆動モータ41からの回転駆動を排出ローラ31に伝達する駆動伝達機構42とを備えている。
【0076】
搬送駆動モータ41は、回転軸41aがシフト方向Xに沿うように装置本体110に設けられている。
【0077】
駆動伝達機構42は、ここでは、複数のギアを列設したギア列で構成されており、ここでは、駆動ギア42a、ローラギア42b及び中間ギア42cを備えている。
【0078】
駆動ギア42aは、搬送駆動モータ41の回転軸41aに連結されている。ローラギア42bは、駆動側ローラ軸32aの排出ローラシフトユニット30の本体フレーム30aからシフト方向Xの外側に突出した端部に連結されている。中間ギア42cは、装置本体110に固定された回転軸110aに回転自在に支持されており、駆動ギア42a及びローラギア42bに歯合している。ここで、駆動ギア42a、ローラギア42b及び中間ギア42cのギア歯は、シフト方向Xに延びる凹凸条に形成されており、ローラギア42bが中間ギア42cに対して歯合した状態でシフト方向Xへ摺動できるようになっている。そして、中間ギア42cのシフト方向Xの長さは、排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動幅を許容する長さ(ギアの噛み合い長さにシフト量に相当する長さを加えた長さ)とされ、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xへ往復移動してもローラギア42bが中間ギア42cから離脱しない長さとされている。
【0079】
シフト駆動部50は、排出ローラ31(ここでは排出ローラシフトユニット30)をシフト駆動してシフト移動させるものであり、シフト駆動モータ51(ここではステッピングモータ)と、排出ローラシフトユニット30をシフト移動させるシフト機構52とを備えている。
【0080】
シフト駆動モータ51は、回転軸51aがシフト方向Xに直交する方向(ここでは上下方向Z)に沿うように装置本体110に設けられている。
【0081】
シフト機構52は、ここでは、回転方向の駆動を直線方向の駆動に変換するラック・アンド・ピニオンのギアで構成されており、シフト方向Xに沿って延びるラックギア52aと、円柱状のピニオンギア52bとを備えている。
【0082】
ラックギア52aは、シフト方向Xの端部が排出ローラシフトユニット30の端部に連結されている。ピニオンギア52bは、シフト駆動モータ51の回転軸51aに連結されており、ラックギア52aに歯合している。これにより、シフト駆動モータ51の回転軸51aが一方向又は他方向に回転することで排出ローラシフトユニット30をシフト方向Xに往復移動させることができる。
【0083】
搬送駆動モータ41は、制御部(図示省略)からの駆動信号(ON信号)又は駆動停止信号(OFF信号)が得られるように、該制御部の出力系に電気的に接続されており、回転方向を指示する回転指示信号を搬送駆動モータ41へ送信して搬送駆動モータ41を駆動させることで、第1排出ローラ31,…を一方向(搬送方向Y1)又は他方向(搬送方向Y1とは反対方向)へ回転駆動できるようになっている。なお、本実施の形態では、両面印刷の際には、搬送駆動モータ41に対して一方向Aとは反対方向への回転指示も行うようになっているが、これについては画像形成装置100の仕分け構成の制御に直接関与しないために説明を省略する。
【0084】
シフト駆動モータ51は、制御部(図示省略)からの駆動信号(ON信号)又は駆動停止信号(OFF信号)が得られるように、該制御部の出力系に電気的に接続されており、排出ローラシフトユニット30をシフト方向Xの一方側(図3の左側の方向X1)へ移動させる回転、及び、排出ローラシフトユニット30をシフト方向Xの他方側(図3の右側の方向X2)へ移動させる回転を指示する移動指示信号をシフト駆動モータ51へ送信してシフト駆動モータ51を、基準位置を基準にしてパルス駆動させることで、排出ローラシフトユニット30を一方側の方向X1、及び、他方側の方向X2にシフト駆動できるようになっている。
【0085】
以上説明したシート仕分け装置120では、前記制御部からの回転指示信号によって搬送駆動モータ41が駆動されることにより搬送駆動モータ41からの駆動力が駆動伝達機構42に伝達され、これにより、排出ローラ31が一方向Aに回転駆動する。また、前記制御部からの移動指示信号によってシフト駆動モータ51が駆動されることによりシフト駆動モータ51からの駆動力がシフト機構52に伝達され、これにより、排出ローラシフトユニット30が一方側の方向X1又は他側の方向X2へシフト移動する。
【0086】
図4は、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120による仕分け動作を説明するための説明図である。図4(a)は、シフト方向Xの一方側のシフト端(移動端)で用紙Pが排出される状態を示す概略平面図である。図4(b)は、シフト方向Xの他方側のシフト端(移動端)で用紙Pが排出される状態を示す概略平面図である。図4(c)は、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xの一方側のシフト端α又は他方側のシフト端βに到達した時点での用紙Pの排出状態をシフト方向Xから視た概略断面図である。図4(d)は、排出トレイ91に排出された用紙Pの仕分け幅Sb及び排出ローラシフトユニット30との位置関係を示す概略平面図である。
【0087】
図4に示すように、用紙Pをシフト方向Xにおける一方側(図中の左側)又は他方側(図中の右側)へ仕分けるときには、第1検知スイッチSW1(図2参照)から用紙通過信号が入力されて排出ローラ31が用紙Pを挟持していると認識した後に(図4(c)参照)、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xにおける一方側のシフト端(図4(a)のα参照)又は他方側のシフト端β(図4(b)のβ参照)への移動を開始し、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xにおける一方側のシフト端α又は他方側のシフト端βまでのシフト移動が完了(停止)した後に用紙Pを排出する。なお、第1検知スイッチSW1は、用紙Pが排出ローラ31を通過しているか否かを検知するものであり、ここでは、排出方向Y1において排出ローラ31の上流側近傍に配置されている。
【0088】
このように、図3に示す仕分け構成による仕分け動作では、排出トレイ91に排出された用紙Pの仕分け幅Sb(図4(d)参照、具体的には30mm)が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへのシフト量L(図4(d)参照、具体的には30mm)と等しくなる。なお、排出ローラシフトユニット30は、シフト方向Xの中央位置(仕分けを行わない標準位置)から片側でL/2だけ移動し、片側のシフト量L/2、及び、もう片側のシフト量L/2で全体としてシフト量がLとなる。
【0089】
(シート押さえガイド部材について)
図5及び図6に示すように、シート仕分け装置120は、シート押さえガイド部材300を備えている。なお、前記した図1から図4においては、シート押さえガイド部材300は、図示を省略している。
【0090】
図5及び図6は、それぞれ、本発明の実施の形態に係るシート仕分け装置120において、排出ローラシフトユニット30に設けられたシート押さえガイド部材300及びその周辺部分をシフト方向X及び搬送方向Y1から視た概略側面図である。図5(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図5(b)は、排出トレイ91にB5サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。図5(c)は、排出トレイ91にA4サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。また、図6(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図6(b)は、排出トレイ91に用紙Pが積載されている状態を示している。図6(c)は、排出ローラシフトユニット30がシフト方向Xに移動しても、排出トレイ91に積載されていた用紙Pの束のシフト方向Xへのずれが抑制されている状態を示している。なお、図6において、排出従動ローラ33等は図示を省略している。
【0091】
シート押さえガイド部材300は、排出トレイ91に載置された用紙Pと接触して用紙Pを押さえるようになっている。また、シート押さえガイド部材300は、排出ローラシフトユニット30から飛び出してきた用紙Pを下方へ安定して落下させる機能も有している。
【0092】
シート押さえガイド部材300は、排出ローラシフトユニット30の排出口30cの上部においてシフト方向Xにおける中央部に設けられている。これにより、シート押さえガイド部材300が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動に伴い排出ローラシフトユニット30と共に移動するようになっている。
【0093】
そして、シート仕分け装置120は、シート押さえガイド部材300を、排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0の先端P1(具体的には、搬送方向Y1で同じ寸法に揃った用紙Pの束の角部)でのみ接触させる構成とされている。
【0094】
本実施の形態によれば、シート押さえガイド部材300を、排出トレイ300に載置された最上部の用紙P0に対して先端P1でのみ接触させる構成とされていることで、シート押さえガイド部材300と排出トレイ91に載置された用紙Pとの接触面積を可及的に小さくすることができ、シート押さえガイド部材300が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動に伴い排出ローラシフトユニット30と共に移動した場合でも排出トレイ91に積載されていた用紙Pの束のシフト方向Xへの移動を抑制でき、これにより、用紙Pの束に対するオフセット仕分けの乱れを防止することができる。なお、図5(b)、図5(c)、図6(b)及び図6(c)は、B5サイズやA4サイズの用紙Pの状態を示しているが、何れのサイズの用紙Pにも適用できることは言うまでもない。
【0095】
シート押さえガイド部材300は、基端側が排出ローラシフトユニット30に対して上下方向Zに揺動可能に設けられている。ここでは、シート押さえガイド部材300は、シフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に(具体的には排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿って設けられた回動軸Q1に対して回動自在に)設けられている。そして、シート押さえガイド部材300は、先端側が自重により排出トレイ91側へ垂れ下がり、用紙Pがない場合に(図5(a)及び図6(a)参照)排出トレイ91に接触する構成とされている。こうすることで、シート押さえガイド部材300と排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0の先端(具体的には用紙Pの束の角部)P1との接触を簡単な構成で実現することができる。
【0096】
詳しくは、シート押さえガイド部材300は、細長い板状又は棒状の部材(図示例では板状の部材)とされており、長さD(図5(b)及び図5(c)参照)が基端部(具体的には基端側の回動軸Q1)から排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0の先端P1まで距離D1(図5(b)及び図5(c)参照)よりも長くなっている。なお、距離D1は、構成上排出トレイ91に載置される用紙Pの積載量によって変化することがあるが、シート押さえガイド部材300の長さDは、用紙Pの積載量によって変化し得る距離D1の最大距離よりも長くなっている。
【0097】
また、本実施の形態では、細長い板状の部材とされたシート押さえガイド部材300は、平面状の下面301で最上部の用紙P0の先端P1に接触するようになっている。但し、それに限定されるものではなく、例えば、図7及び図8に示すように、少なくとも最上部の用紙P0の先端P1と接触する部分が曲面形状又は角形状とされていてもよい。
【0098】
図7は、少なくとも最上部の用紙P0の先端P1と接触する部分が曲面形状とされているシート押さえガイド部材300の一例を示す概略斜視図である。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、楕円形状及び円形状のシート押さえガイド部材300a,300bが最上部の用紙P0の先端P1に接触している状態を示している。
【0099】
図7(a)に示すシート押さえガイド部材300a(300)は、長軸が上下方向Zを向いた断面視で楕円形状の円柱部材とされており、図7(b)に示すシート押さえガイド部材300b(300)は、断面視で円形状の円柱部材とされている。
【0100】
図8は、少なくとも最上部の用紙P0の先端P1と接触する部分が角形状とされているシート押さえガイド部材300の一例を示す概略斜視図である。図8(a)から図8(c)は、それぞれ、鋭角形状、鈍角形状及び直角形状を有するシート押さえガイド部材300c〜300eが最上部の用紙P0の先端P1に接触している状態を示している。
【0101】
図8(a)に示すシート押さえガイド部材300c(300)は、最上部の用紙P0の先端P1と接触する角部が鋭角形状とされており、図8(b)に示すシート押さえガイド部材300d(300)は、最上部の用紙P0の先端P1と接触する角部が鈍角形状とされており、図8(c)に示すシート押さえガイド部材300e(300)は、最上部の用紙P0の先端P1と接触する角部が直角形状とされている。
【0102】
図7及び図8に示すような構成では、シート押さえガイド部材300と排出トレイ91に載置された最上部の用紙P0とを点接触にすることができ、これにより、シート押さえガイド部材300と用紙P0との接触面積を最小限に抑えることができる。
【0103】
ところで、B5、A4及びB4といった複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合、シート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に長いサイズの用紙P(例えばA4サイズ)で先端P1に接触させることができても、搬送方向Y1に短いサイズ(例えばB5サイズ)の用紙Pでは先端P1側が排出トレイ91の載置面91aに当接してしまい、それ以上、下方には降りてこないことで、搬送方向Y1に短いサイズの用紙Pに対して全く接触させることができないことがある。一方、シート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に短いサイズ(例えばB5サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができても、搬送方向Y1に長いサイズ(例えばA4サイズ)の用紙Pではガイド部材300の先端が用紙Pの上面に接触し、ガイド部材300の底面301を搬送方向Y1に長いサイズ(例えばA4サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができないこともある。かかる観点から、本実施の形態に係るシート仕分け装置120は、次の第1及び第2実施形態の構成とすることができる。
【0104】
(第1実施形態)
すなわち、第1実施形態では、排出トレイ91には、図9及び図10に示すように、載置面91aよりも下方へのシート押さえ部材300の先端側の入り込みを許容する入り込み部91bが設けられている。
【0105】
図9及び図10は、それぞれ、図5及び図6に示す構成において、排出トレイ91に入り込み部91bが設けられた第1実施形態の構成を示している。
【0106】
このように、排出トレイ91において、載置面91aよりも下方へのシート押さえ部材300の先端側の入り込みを許容する入り込み部91bが設けられていることで、シート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に長いサイズ(この例ではA4サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができる上(図9(c)参照)、搬送方向Y1に短いサイズ(この例ではB5サイズ)の用紙Pでは先端P1側が入り込み部91bにおいて載置面91aよりも下方に入り込むことで(図9(b)参照)、搬送方向Y1に短いサイズ(この例ではB5サイズ)の用紙Pでも先端P1に接触させることができる。これにより、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合に用紙Pのサイズが変わっても、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1でのみ接触させることが可能となる。
【0107】
詳しくは、入り込み部91bは、排出トレイ91の載置面91aに設けられた搬送方向Y1に延びる溝又は貫通孔(図の例では溝)とされている。
【0108】
こうすることで、シート押さえ部材300の先端側を載置面91aよりも下方へ入り込ませる構成を、搬送方向Y1に延びる溝又は貫通孔を排出トレイ91の載置面91aに設けるといった簡単な構成で実現することができる。なお、入り込み部91bは、排出トレイ91の搬送方向Y1の下流側端まで突き抜けて設けられてもよいし、シート押さえガイド部材300が搬送方向Y1で収まる範囲で設けられてもよい。ここでは、入り込み部91bは、シート押さえガイド部材300が搬送方向Y1で収まる範囲で設けられている。
【0109】
そして、溝又は貫通孔とされた入り込み部91bのシフト方向Xにおける幅W(図10(a)参照)は、シート押さえガイド部材300の先端側のシフト方向Xにおける幅W1(図10(a)参照)に加えて排出ローラシフトユニット30がシフト移動するシフト量L(図4(d)参照)より大きい幅とされている。こうすることで、シート押さえガイド部材300が排出ローラシフトユニット30のシフト方向Xへの移動に伴い排出ローラシフトユニット30と共に移動しても、シート押さえガイド部材300の先端側を溝又は貫通孔とされた入り込み部91bで支障なくシフト方向Xに移動させることができる。
【0110】
(第2実施形態)
また、第2実施形態では、シート押さえ部材300は、先端側が伸縮自在な構成とされている。
【0111】
図11は、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な第2実施形態の構成をシフト方向Xから視た概略側面図である。図11(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図11(b)は、排出トレイ91にB5サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。図11(c)は、排出トレイ91にB4サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。また、図12は、図11に示すシート押さえ部材300の第2実施形態の構成を示す斜視図である。
【0112】
このように、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な構成とされていることで、先端側が短くされたシート押さえガイド部材300を搬送方向Y1に短いサイズ(この例ではB5サイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができる上(図11(b)参照)、搬送方向Y1に長いサイズ(この例ではB4サイズ)の用紙Pでは先端側が長くされたシート押さえガイド部材300の底面301を搬送方向Y1に長いサイズ(例えばBサイズ)の用紙Pで先端P1に接触させることができる(図11(c)参照)。これにより、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合に用紙Pのサイズが変わっても、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1に接触させることが可能となる。
【0113】
詳しくは、シート押さえガイド部材300は、排出ローラシフトユニット30に対して上下方向Zに揺動可能に、ここでは、シフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に設けられた揺動部310と、揺動部310に対して伸縮方向(図11の矢印E方向)に摺動自在に設けられた延長部320とを備えた構成とされている。
【0114】
図12に示すように、揺動部310は、支持部311と、ガイド部312,312とを備えている。支持部311は、基端部311aが排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿って設けられた回動軸Q2に対して回転自在に設けられている。ガイド部312,312は、支持部311に支持され、かつ、延長部320を伸縮方向Eに往復移動自在に案内するようになっている。揺動部310及び延長部320は、ここでは、樹脂材料からなっている。支持部311及びガイド部312,312は、一体的に形成されている。
【0115】
具体的には、支持部311は、ガイド部312,312の上部に沿って形成されてガイド部312,312の上部を覆う上板部311bを有している。ガイド部312,312は、一対のものとされており、上板部311bのシフト方向Xの両端部において下面に立設されている。延長部320は、伸縮方向Eに長い延長部本体321と、延長部本体321に設けられた突出部322,322とを備えている。突出部322,322は、延長部本体321の基端側端部321aに、シフト方向Xの両外側から外方へ突設されている。ガイド部312,312には、延長部320における突出部322を挿通して、突出部322を伸縮方向Eに案内するためのガイド溝又はガイド貫通孔(図の例ではガイド貫通孔)313が設けられている。
【0116】
詳しくは、ガイド溝又はガイド貫通孔313は、厚み方向(図12の矢印H方向)の両内側に伸縮方向Eに沿って設けられた摺接面313a,313aを有している。また、突出部322は、厚み方向Hの両外側に摺接面313a,313aと摺接するように伸縮方向Eに沿って設けられた摺動面322a,322aを有している。そして、ガイド部312,312におけるガイド溝又はガイド貫通孔313の摺接面313a,313aに突出部322の摺動面322a,322aを摺動させることで、延長部320を揺動部310に対して延長部320の伸縮方向Eの姿勢を維持した状態で伸縮方向Eにスライドさせることができる。
【0117】
この例では、シート押さえガイド部材300は、揺動部310の下面310と延長部320の下面310とで段差が設けられている。このため、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1に確実に接触させるという観点から、ここでは、ガイド部312,312の先端部312aの下面312bが先端側に向かうに従って厚み方向Hの内側(上側)へ傾斜するようになっている。
【0118】
シート押さえ部材300は、先端側が排出トレイ91に排出される用紙Pのサイズに応じて調整可能とされていてもよい。具体的には、揺動部310及び延長部320のうち、何れか一方にサイズ毎のA4やB5といった目盛り(図示省略)を付しておき、他方に目盛りを指す矢印等のマーク(図示省略)を設けることができる。こうすることで、シート押さえ部材300の先端側を用紙Pのサイズに応じて調整することができ、これにより、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合にユーザは用紙Pが何れのサイズのときには、シート押さえ部材300の伸縮状態をどの程度にすればよいかを把握することができ、それだけ利便性を向上させることができる。
【0119】
(第1及び第2実施形態の組み合わせ)
排出トレイ91に入り込み部91bが設けられた図9及び図10に示す第1実施形態の構成と、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な図11及び図12に示す第2実施形態の構成とを組み合わせてもよい。
【0120】
図13は、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な構成において、排出トレイ91に入り込み部91bが設けられた構成をシフト方向Xから視た概略側面図である。図12(a)は、排出トレイ91に用紙Pが載置されていない状態を示している。図12(b)は、排出トレイ91にB5サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。図12(c)は、排出トレイ91にA3サイズの用紙Pが積載されている状態を示している。
【0121】
図13に示す例では、入り込み部91cは、排出トレイ91の搬送方向Y1の下流側端まで突き抜けて設けられている。
【0122】
図13に示すように、シート押さえ部材300の先端側が伸縮自在な構成において、排出トレイ91に入り込み部91cを設けることで、さらに広範囲のサイズ(例えばB5サイズからA3サイズといった広範囲のサイズ)に対応させることができる。
【0123】
ところで、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合、用紙Pが搬送方向Y1に長い程、或いは、シート押さえガイド部材300の基端部(具体的には基端側の回動軸Q1)が用紙Pに近い程、シート押さえガイド部材300と用紙Pとのなす角度θ(図13(c)参照)が小さくなるため、最上部の用紙P0の先端P1での状態によってはシート押さえガイド部材300が用紙P0の先端P1付近の上面に接触しやすい状態を招く。
【0124】
かかる観点から、本実施の形態に係るシート仕分け装置120は、次の第3実施形態の構成とすることができる。
【0125】
(第3実施形態)
すなわち、第3実施形態では、シート押さえ部材300は、排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿った軸線回りに回動自在に設けられた揺動部330と、揺動部330に対して伸縮方向Eに摺動自在でかつ上下方向Zの角度φ1を変更可能に設けられた延長部320とを備えている。
【0126】
図14は、シート押さえ部材300の延長部320が揺動部330に対して伸縮方向Eに摺動自在でかつ上下方向Zの角度φ1を変更可能に設けられた第3実施形態の構成を説明するための図であって、図14(a)は、該第3実施形態の構成をシフト方向Xから視た概略側面図であり、図14(b)は、図14(a)に示すシート押さえ部材300の第3実施形態の構成を示す斜視図であり、図14(c)は、図14(b)に示す角度変更部334を揺動部330の途中に設けた構成を示す斜視図である。なお、図14に示す第3実施形態において、図11及び図12に示す第2実施形態の構成と同じ部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0127】
図14に示すように、シート押さえ部材300の延長部320が、揺動部330に対して伸縮方向Eに摺動自在でかつ上下方向Zの角度φ1を変更可能に設けられていることで、複数種類のサイズの用紙Pを用いる場合に用紙Pのサイズが変わっても、シート押さえ部材300を最上部の用紙P0の先端P1に接触させることができるだけでなく、シート押さえガイド部材300と用紙Pとのなす角度θ(図13(c)参照)が小さくなっても、ユーザが揺動部330に対する上下方向Zの角度θ(図14(a)参照)を変更(大きく)することで、搬送方向Y1に長いサイズ(例えばA3サイズ)の用紙Pでも確実に先端P1に接触させることができる。
【0128】
詳しくは、揺動部330は、支持部331と、角度変更部334を有するガイド部332,332とを備えている。支持部331は、基端部331aが排出ローラシフトユニット30にシフト方向Xに沿って設けられた回動軸Q2に対して回転自在に設けられている。ガイド部332,332は、支持部331に支持され、かつ、延長部320を伸縮方向Eに往復移動自在に案内し、さらに、角度変更部(ここでは先端部に設けられた角度変更部)334で伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向に往復移動自在に案内にするようになっている。揺動部330及び延長部320は、ここでは、樹脂材料からなっている。支持部331及びガイド部332,332は、一体的に形成されている。
【0129】
具体的には、支持部331は、角度変更部334を有するガイド部332,332の上部に沿って形成されてガイド部332,332の上部を覆う上板部331aを有している。ガイド部332,332は、一対のものとされており、上板部331bのシフト方向Xの両端部において下面に立設されている。ガイド部332,332には、延長部320における突出部322を挿通して、突出部322を伸縮方向Eに案内し、かつ、角度変更部334で伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向に案内するためのガイド溝又はガイド貫通孔(図の例ではガイド貫通孔)333が設けられている。
【0130】
詳しくは、ガイド溝又はガイド貫通孔333は、厚み方向Hの両内側に伸縮方向Eに沿って設けられた第1摺接面333a,333aと、伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向に沿って設けられた第2摺接面333b,333bとを有している。また、突出部322は、厚み方向Hの両外側に第2摺接面333a,333aと摺接するように伸縮方向Eに沿って設けられた第1摺動面322a,322aと、伸縮方向Eの両外側に第2摺接面333b,333bと摺接するように厚み方向Hに沿って設けられた第2摺動面322b,322bとを有している。そして、ガイド部312,312におけるガイド溝又はガイド貫通孔313の第1摺接面333a,333aに突出部322の第1摺動面322a,322aを摺動させることで、延長部320を揺動部310に対して延長部320の伸縮方向Eの姿勢を維持した状態で伸縮方向Eにスライドさせると共に、第2摺接面333b,333bに第2摺動面322b,322bを摺動させることで、角度変更部334で延長部320の揺動部330に対する上下方向Zの角度φ1(図14(a)参照)が変更された状態で伸縮方向Eに交差する方向でシフト方向Xに直交する方向にスライドさせることができる。なお、揺動部330は自重により垂れ下がるために、角度変更部334では、延長部320の支点となる突出部322,322が角度変更部334内でシフト方向Xに沿った軸線回りの上方へ回動することとなることから、角度変更部334内で突出部322,322を保持することができる。これにより、突出部322,322が角度変更部334内で降下することを防止することが可能となる。
【0131】
かかる構成では、第1摺接面333aと第2摺接面333bとのなす角度φ2(図14(b)参照)を設定することで、揺動部330に対する延長部320の上下方向Zの角度φ1(図14(a)参照)、ひいてはシート押さえガイド部材300と用紙Pとのなす角度θ(図14(a)参照)を設定することができる。
【0132】
ここで、延長部320における突出部322,322を第1及び第2摺接面333a,333bに円滑に摺動させるという観点から、第1摺接面333aと第2摺接面333bとのコーナー部分333cにはR(曲面)が設けられている。
【0133】
第3実施形態では、図14(a)及び図14(b)に示すように、シート押さえ部材300の角度変更部334が揺動部330の先端部に設けられており、これにより、延長部320が最も伸びたときに伸びた量に応じて上下方向Zの角度θが自動的に変更されるようになっている。このように、シート押さえ部材300の延長部320が最も伸びたときに上下方向Zの角度θが自動的に変更される構成とすることで、延長部320が伸びたときのユーザによる上下方向Zの角度θの調整を省くことができる。
【0134】
なお、第3実施形態では、シート押さえ部材300の角度変更部334が揺動部330の先端部に設けられ、延長部320が最も伸びたときに伸びた量に応じて角度θを自動的に変更するようになっているが、図14(c)に示すように、シート押さえ部材300の角度変更部334が、揺動部330の途中に用紙Pの搬送方向Y1の長さに応じて1又は複数設けられ、延長部320の伸びた量に応じて角度θを変更するようになっていてもよい。この場合、排出トレイ91に排出される用紙Pの搬送方向Y1の長さが長くなるに従って、揺動部330に対する延長部320の上下方向Zの角度φ1が大きくなるように、第1摺接面333aと第2摺接面333bとのなす角度φ2を設定することができる。
【0135】
また、図14に示す第3実施形態では、図13に示す排出トレイ91に設けたものと同様の入り込み部91cを設けるが、入り込み部91cを設けない構成に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
30 排出ローラシフトユニット(シート搬送部の一例)
91 排出トレイ(シート排出トレイの一例)
91a 載置面
91b 溝(入り込み部の一例)
91c 溝(入り込み部の他の例)
100 画像形成装置
120 シート仕分け装置
300 シート押さえガイド部材
310 揺動部
311 支持部
312 ガイド部
313 ガイド貫通孔
320 延長部
330 揺動部
332 ガイド部
333 ガイド貫通孔
334 角度変更部
L シフト量
P 用紙(シートの一例)
P0 最上部の用紙
P1 用紙の先端(搬送方向の下流側端)
Q1 回動軸
Q2 回動軸
E 伸縮方向
H 厚み方向
W 溝のシフト方向における幅
W1 シート押さえガイド部材の先端側のシフト方向における幅
Y 搬送方向
X シフト方向
Z 上下方向
θ シート押さえガイド部材と用紙とのなす角度
φ1 揺動部と延長部とのなす角度
φ2 第1摺接面と第2摺接面とのなす角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送部を該シートの搬送方向に交差するシート面に沿ったシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分け、前記シート排出トレイに載置されたシートと接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を備え、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動する構成とされたシート仕分け装置であって、
前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端でのみ接触させる構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえガイド部材は、基端側が前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられ、先端側が自重により前記シート排出トレイ側へ垂れ下がる構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート排出トレイには、前記シート押さえ部材の先端側が該シート排出トレイのシートを載置する載置面よりも下方へ入り込むことを許容する入り込み部が設けられていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項4】
請求項3記載のシート仕分け装置であって、
前記入り込み部は、前記シート排出トレイの載置面に設けられた前記搬送方向に延びる溝又は貫通孔であることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項5】
請求項4記載のシート仕分け装置であって、
前記溝又は貫通孔の前記シフト方向における幅は、前記シート押さえガイド部材の先端側の前記シフト方向における幅に加えて前記シート搬送部がシフト移動するシフト量より大きい幅とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5までの何れか一つに記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、先端側が伸縮自在な構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項7】
請求項6に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、先端側が前記シート排出トレイに排出されるシートのサイズに応じて調整可能とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられた揺動部と、該揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた延長部とを備えた構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項9】
請求項8に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、前記延長部が伸びたときに前記上下方向の角度が自動的に変更される構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか一つに記載のシート仕分け装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送部を該シートの搬送方向に交差するシート面に沿ったシフト方向にシフト移動させることにより該シート搬送部からシート排出トレイに載置されたシートを仕分け、前記シート排出トレイに載置されたシートと接触して該シートを押さえるためのシート押さえガイド部材を備え、前記シート押さえガイド部材が前記シート搬送部の前記シフト方向への移動に伴い該シート搬送部と共に移動する構成とされたシート仕分け装置であって、
前記シート押さえガイド部材を、前記シート排出トレイに載置された最上部のシートに対して該シートの前記搬送方向の下流側端でのみ接触させる構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえガイド部材は、基端側が前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられ、先端側が自重により前記シート排出トレイ側へ垂れ下がる構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート排出トレイには、前記シート押さえ部材の先端側が該シート排出トレイのシートを載置する載置面よりも下方へ入り込むことを許容する入り込み部が設けられていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項4】
請求項3記載のシート仕分け装置であって、
前記入り込み部は、前記シート排出トレイの載置面に設けられた前記搬送方向に延びる溝又は貫通孔であることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項5】
請求項4記載のシート仕分け装置であって、
前記溝又は貫通孔の前記シフト方向における幅は、前記シート押さえガイド部材の先端側の前記シフト方向における幅に加えて前記シート搬送部がシフト移動するシフト量より大きい幅とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5までの何れか一つに記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、先端側が伸縮自在な構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項7】
請求項6に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、先端側が前記シート排出トレイに排出されるシートのサイズに応じて調整可能とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、前記シート搬送部に対して上下方向に揺動可能に設けられた揺動部と、該揺動部に対して伸縮方向に摺動自在でかつ上下方向の角度を変更可能に設けられた延長部とを備えた構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項9】
請求項8に記載のシート仕分け装置であって、
前記シート押さえ部材は、前記延長部が伸びたときに前記上下方向の角度が自動的に変更される構成とされていることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか一つに記載のシート仕分け装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−46294(P2012−46294A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188711(P2010−188711)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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