シート処理装置、画像形成システム、シート処理方法及びシート処理制御プログラム
【課題】押圧部材間のシートの膨らみを抑制し、良好な揃え精度を得る。
【解決手段】端面綴じ処理トレイ上に積載されたシート束のカール量を検知し(S104)、カール量が規定値より小さい場合、第1ないし第3の後端押さえレバーを同時に動作させてシート束を押圧する(S106)。カール量が規定値以上であった場合、綴じモードが1箇所綴じであれば、綴じ位置から遠い側の中央部に位置する第1の後端押さえレバーを先に動作させてシート束を押圧し、その後、綴じ位置に近い第3の後端押さえレバーを動作させてシート束を押圧する(S111)。2箇所綴じの場合には、綴じ位置から遠い中央部に位置する第1の後端押さえレバーを先に動作させてシート束の中央部を押圧し、その後、両端部側にそれぞれ位置し、綴じ位置に近い第2及び第3の後端押さえレバーを動作させてシート束の端部を押圧する(S112)。
【解決手段】端面綴じ処理トレイ上に積載されたシート束のカール量を検知し(S104)、カール量が規定値より小さい場合、第1ないし第3の後端押さえレバーを同時に動作させてシート束を押圧する(S106)。カール量が規定値以上であった場合、綴じモードが1箇所綴じであれば、綴じ位置から遠い側の中央部に位置する第1の後端押さえレバーを先に動作させてシート束を押圧し、その後、綴じ位置に近い第3の後端押さえレバーを動作させてシート束を押圧する(S111)。2箇所綴じの場合には、綴じ位置から遠い中央部に位置する第1の後端押さえレバーを先に動作させてシート束の中央部を押圧し、その後、両端部側にそれぞれ位置し、綴じ位置に近い第2及び第3の後端押さえレバーを動作させてシート束の端部を押圧する(S112)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬入された用紙、記録紙、転写紙、OHPシートなどのシート状被記録媒体(本明細書では、単に「シート」と称す)を整合するシート処理装置、このシート処理装置と複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などの画像形成装置と含む画像形成システム、シート処理装置で実行されるシート処理方法及びシート処理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置から排出されたシートをステイプルトレイに積載し、搬送方向(所謂縦方向)と搬送方向に対して直交する方向(所謂幅方向)の揃えを行ってから綴じを行うステイプラを備えたフィニッシャと称される装置が知られている。ステイプラで端面綴じを行う場合、シートは、シート搬送方向の位置を規定する後端基準フェンスに当接し、保持された状態で端面綴じが行われる。その際、ステイプラは用紙端部(通常、用紙後端)に沿って、用紙搬送方向と直交する方向に移動し、綴じ位置を変更することができる。
【0003】
このようなフィニッシャでは、綴じられたシート束の仕上がりの揃え精度を向上させるために、ステイプルトレイに積載されたシート後端の姿勢を維持させるためにシート束を厚み方向に押圧する押圧部材が設けられているものがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1(特開2002−321868号公報)に記載された発明は、サイドフェイスカールをしたシートに対して、ジョガーによる横方向のシートの整合性を良くするため、画像形成装置から排紙されるシートを受け入れてスタックするステイプルトレイと、ステイプルトレイ上にスタックされるシートの搬送方向の端部を突き当ててシートの整合を行う後端フェンスと、後端フェンスによって整合されたシート束の端部にステイプル処理を行うステイプラとを備えた用紙処理装置において、前記ステイプルトレイのシート積載面上にシートの搬送方向に平行な端縁の曲がりを矯正する手段を設けたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1記載の発明では、押圧部材が同時にシートを押圧するため、押圧部材間でシートが膨らむことがあり、押圧部材と押圧部材の間でシートが撓むことがあった。このようにシートが撓むと、綴じ精度が低下し、ステイプル位置がずれ、あるいはばらつくこととなり、綴じた後のシートの揃え精度の劣化を招く結果となっていた。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、押圧部材間のシートの膨らみを抑制し、良好な揃え精度を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の手段は、シートが収容されるシート収容手段と、前記シート収容手段上に収容されるシートの搬送方向後端部が突き当たり、当該シートの搬送方向を整合する整合手段と、前記整合手段によって前記シート収容手段上で整合されたシート束を押さえる主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段と、前記押圧手段によって押さえられたシート束を綴じる綴じ手段と、を備え、前記押圧手段がシート処理装置であって、前記押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させ、その後、近い側の押圧手段を動作させる押圧制御手段を備えていることを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段に係るシート処理装置を備えた画像形成システムを特徴とする。
第3の手段は、シート収容手段にシートを収容する工程と、前記収容する工程で収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する工程と、前記整合する工程で整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる工程と、前記押さえる工程で押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる工程と、を備えたシート処理方法であって、前記押さえる工程が、前記少なくとも2つの押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる工程と、その後、近い側の押圧手段を動作させる工程と、を含むことを特徴とする。
第4の手段は、シート収容手段にシートを収容する手順と、前記収容する手順に従って収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する手順と、前記整合する手順に従って整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる手順と、前記押さえる手順に従って押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる手順と、を備え、コンピュータに前記手順に従ってシート処理制御を実行させるシート処理制御プログラムであって、前記押さえる手順が、前記少なくとも2つ設けられた押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる手順と、その後、近い側の押圧手段を動作させる手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、押圧部材間のシートの膨らみを抑制し、良好な揃え精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るシート処理装置としてのシート後処理装置と画像形成装置とからなるシステムを示すシステム構成図である。
【図2】図1における端面綴じ処理トレイをトレイの積載面側から見た概略構成図である。
【図3】図1における端面綴じ処理トレイ及びその付属機構の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図1における放出ベルトの動作を示す側面図である。
【図5】図1におけるステイプラの移動機構を示す斜視図である。
【図6】端面綴じ時における端面綴じ処理トレイにスタックされたシートと基準フェンスと端面綴じステイプラとの関係を示す図である。
【図7】後端押さえ機構の要部拡大図で、図1における後端基準フェンス部分を示す。
【図8】後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイに対して垂直な方向から見た図である。
【図9】後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイに対して平行な方向から見た図ある。後端基準フェンスのシート搬送方向と直交する方向の移動機構を示す斜視図である。
【図10】シート後処理装置と画像形成装置からなる画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
【図11】シート後処理装置で実行される綴じ処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ステイプルトレイにて綴じ処理時の押圧手段によるシート揃え動作に際し、綴じ位置から遠い方の押圧手段がシート束を押圧した後、綴じ位置から近い方の押圧手段がシート束を押圧し、後端押さえ時のシート端部のカールを矯正すると共に、押圧部材間のシートの膨らみを抑制することを特徴としている。
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係るシート処理装置としてのシート後処理装置PDと画像形成装置PRとからなるシステムのシステム構成を示す図である。
【0012】
図1において、画像形成装置PRは、入力された画像データを印字可能な画像データに変換する画像処理回路、画像処理回路から出力される画像信号に基づいて感光体に光書き込みを行う光書き込み装置、光書き込みにより感光体に形成された潜像をトナー現像する現像装置、現像装置によって顕像化されたトナー像をシートに転写する転写装置、及びシート転写されたトナー像を定着する定着装置を少なくとも備え、トナー画像が定着されたシートをシート後処理装置PDに送り出し、シート後処理装置PDによって所望の後処理が行われる。画像形成装置PRはここでは前述のように電子写真方式のものであるが、インクジェット方式、熱転写方式などの公知の画像形成装置が全て使用できる。なお、この実施形態では、前記画像処理回路、光書き込み装置、現像装置、転写装置、及び定着装置が画像形成手段を構成している。
【0013】
シート後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取り付けられており、画像形成装置PRから排出されたシートはシート後処理装置PDに導かれる。シート後処理装置PDは、搬送路A、搬送路B、搬送路C、搬送路D及び搬送路Hを備え、前記シートは、1枚のシートに後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aへまず搬送される。
【0014】
搬送路Bは搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路であり、搬送路Cはシフトトレイ202へ導く搬送路Cである。搬送路Dは整合及びステイプル綴じ等を行う処理トレイF(以下「端面綴じ処理トレイ」とも称する)に導く搬送路Dである。搬送路Aから搬送路B,C,Dへは、それぞれ分岐爪15及び分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
【0015】
このシート後処理装置では、シートに対して、穴開け(パンチユニット100)、シート揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じステイプラS1)、シート揃え+中綴じ(中綴じ上ジョガーフェンス250a、中綴じ下ジョガーフェンス250b、中綴じステイプラS2)、シートの仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81)などの各処理を行うことができる。そのため、搬送路Aと、これに続く搬送路B、搬送路C及び搬送路Dが選択される。また、搬送路Dはシート収容部Eを含み、搬送路Dの下流側には端面綴じ処理トレイF、中綴じ中折り処理トレイG、排紙搬送路Hが設けられている。
【0016】
搬送路B、搬送路C及び搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置PRから受け入れるシートを検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかす収納容器101、搬送ローラ2、第1及び第2の分岐爪15,分岐爪16が順次配置されている。第1及び第2の分岐爪15,16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており(初期状態)、図示しない第1及び第2のソレノイドをONすることにより、分岐爪15、16をそれぞれ駆動し、第1及び第2のソレノイドのON/OFFを選択する。この選択により、第1及び第2の分岐爪15,16の分岐方向の組み合わせを変え、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへシートを振り分ける。
【0017】
搬送路Bへシートを導く場合は図1の状態、すなわち、第1のソレノイドをOFF(第1の分岐爪15は下向きが初期状態)状態のままとする。これにより、シートは搬送ローラ3から排紙ローラ4を経て上トレイ201に排出される。
【0018】
搬送路Cへシートを導く場合は、図1の状態から第1及び第2のソレノイドをON(第2の分岐爪16は上向きが初期状態)とすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となる。これにより、シートは搬送ローラ5及び排紙ローラ対6(6a,6b)を経てシフトトレイ202側に搬送される。この場合には、シートの仕分けが行われる。シート後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部で、シートの仕分けが行われ、シートの仕分けは、シフト排紙ローラ対6(6a,6b)と、戻しコロ13と、紙面検知センサ330と、シフトトレイ202と、シフトトレイ202をシート搬送方向に直交する方向に往復動させる図示しないシフト機構と、シフトトレイ202を昇降させるシフトトレイ昇降機構とに行われる。
【0019】
搬送路Dへシートを導く場合は、第1の分岐爪15を駆動する第1のソレノイドをON、第2の分岐爪を駆動する第2のソレノイドをOFFとすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は上方に回動した状態となり、シートは搬送ローラ2から搬送ローラ7を経て搬送路D側に導かれる。搬送路Dに導かれたシートは、端面綴じ処理トレイFへ導かれ、この端面綴じ処理トレイFで整合及びステイプル等を施されたシートは、ガイド部材44により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す中綴じ・中折り処理トレイG(以下、単に「中綴じ処理トレイ」とも称する)へ振り分けられる。シフトトレイ202に導かれる場合には、シート束は排紙ローラ対6からシフトトレイ202に排紙される。また、中綴じ処理トレイG側に導かれたシート束は、中綴じ処理トレイGで折り及び綴じを施され、排紙搬送路Hを通り排紙ローラ83から下トレイ203へ排紙される。
【0020】
他方、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されており、搬送ローラ7によって搬送されるシートの後端が前記分岐爪17を通過した後、搬送ローラ9、10、ステイプル排紙ローラ11のうち少なくとも搬送ローラ9を逆転させ、シートをターンガイド8に沿って逆行させることができる。これにより、シート後端からシートをシート収容部Eへ導いて滞留(プレスタック)させ、次シートと重ね合せて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって2枚以上のシートを重ね合せて搬送することも可能である。なお、符号304はシートをプレスタックさせる際の逆送タイミングを設定するためのプレスタックセンサである。
【0021】
搬送路Dに導かれ、シート揃えと端部綴じを行う場合、ステイプル排紙ローラ11によって端面綴じ処理トレイFへ導かれたシートは、端面綴じ処理トレイF上に順次積載される。この場合、シート毎に叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53によって横方向(シート搬送方向と直交する方向:シート幅方向)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、シート束の最終紙から次のシート束先頭紙までの間で、図示しない制御装置からのステイプル信号により綴じ手段としての端面綴じステイプラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われたシート束は、直ちに放出爪52aが突設された放出ベルト52(図2参照)によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受け取り位置にセットされているシフトトレイ202に排紙される。
【0022】
なお、端面綴じステイプラS1は図1に示すようにステイプル針を打ち出すステッチャ(ドライバ)S1aと、ステイプル針の先端を折り曲げるクリンチャS1bとからなり、両者間がシート後端の整合基準となる後端基準フェンス51a,51bが通り抜けることができる空間部S1cとなっていることから、端面綴じステイプラS1と後端基準フェンス51a,と51bが干渉することなく端面綴じステイプラS1は移動する。また、端面綴じステイプラS1は、中綴じステイプラS2とは異なり、ステッチャS1aとクリンチャS1bが一体となっている。ステッチャS1aはシート面に対して垂直方向には移動せずに固定側として機能し、クリンチャS1bがシート面に対して垂直な方向に移動する移動側として機能している。これにより、シート束SBに対して綴じ動作を行う場合には、基準フェンス51のスタック面51a1,51b1に当接したシート束SBの所定の被綴じ部分をクリンチャS1bがステッチャS1a側に移動し、その過程で綴じ動作が行われる。
【0023】
放出ベルト52は図2及び図4に示すようにシート幅方向の整合中心に位置し、プーリ62間に張架され、放出ベルト駆動モータ157により駆動される。また、複数の放出ローラ56が前記放出ベルト52に関して対称に配置され、駆動軸に対して回転自在に設けられ、従動コロとして機能している。
【0024】
放出爪52aは、放出ベルトHPセンサ311によりホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、端面綴じ処理トレイFに収容されたシート束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転させ、これからシート束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52aの背面で端面綴じ処理トレイFに収容されたシート束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。
【0025】
なお、図1において、符号110は後端押さえレバーであり、後端基準フェンス51に収容されたシート束SBの後端を押さえることができるように後端基準フェンス51の下端部に位置し、端面綴じ処理トレイFに対してほぼ垂直な方向に往復動する。端面綴じ処理トレイFに排出されたシートは、シート毎に叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われるが、端面綴じ処理トレイFに積載されたシート後端がカールしていたり、腰が弱かったりするとシート自身の重量によって後端が座屈し膨らむ傾向にある。さらに、その積載枚数が増えることによって、後端基準フェンス51内の次のシートが入る隙間が小さくなり、縦方向の揃えが悪くなる傾向にある。そこで、シート後端の膨らみを少なくしてシートが後端基準フェンス51に入りやすくするようにしたのが、後端押さえ機構であり、シートを直接押さえるのが後端押さえレバー110である。
【0026】
また、図1において、符号302,303,304,305,306,310はそれぞれシート検知センサであり、設けられた位置におけるシートの通過の有無、若しくはシートの積載の有無を検知する。なお、符号306は後述のステイプル排紙センサである。
【0027】
図2は端面綴じ処理トレイFをトレイの積載面側から見た概略構成図で、図1の右側面側から見た場合に相当する。同図において、上流側の画像形成装置PRより受け入れたシートの幅方向の整合はジョガーフェンス53a及び53bによって実施され、縦方向は第1及び第2の後端基準フェンス51a,51b(図1では符号51で示す)に突き当てて整合される。図6は端面綴じ時の端面綴じ処理トレイFにスタックされたシートと、基準フェンス51a,51bと、端面綴じステイプラS1との関係を示す図から分かるように、第1及び第2の後端基準フェンス51a,51bは、それぞれ内側にシート後端STが当接し、保持されるスタック面51a1,51a2,51b1,51b2を備え、シート後端STを支持するようになっている。支持は図2から分かるように4点で可能であるが、端面綴じステイプラS1は1箇所斜め綴じの場合、スタックされたシート束SBの端部に移動し、斜めの角度傾いた状態で綴じ処理を行う。図6(b)に綴じた後のステイプル針S1dと後端フェンス51bとの関係を示す。その際、シート束SBは図6(a)に示すように後端フェンス51のスタック面51a1,51a2,51b1のいずれか2箇所に接触してスタックされる。これは、後端フェンス51a,51bの取り付け精度を含む機械的誤差のためであり、2点で支持されることにより安定した状態で支持される。
【0028】
整合動作完了後は、端面綴じステイプラS1により綴じ処理が施され、図4の放出ベルトの動作を示す斜視図から分かるように、放出ベルト52が放出ベルト駆動モータ157によって反時計方向に駆動され、綴じ処理後のシート束は放出ベルト52に取り付けられた放出爪52aによってすくわれ、端面綴じ処理トレイFから放出される。なお、符号64a,64bは前側板及び後側板である。また、本動作は整合処理後に綴じ処理を実施しない未綴じ束においても同様の動作が可能である。
【0029】
図3は端面綴じ処理トレイF及びその付属機構の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、ステイプル排紙ローラ11により端面綴じ処理トレイFへ導かれたシートは順次端面綴じ処理トレイF上に積載される。このとき、端面綴じ処理トレイFに排出されるシートの枚数が1枚の場合、シート毎に叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53a,53bによって幅方向の整合が行われる。叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL170によって振り子運動を与えられ、端面綴じ処理トレイFへ送り込まれたシートに間欠的に作用してシート後端STを後端基準フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12自身は反時計回りに回転する。ジョガーフェンス53は、図2及び図3に示すように前後1対(53a,53b)設けられ、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、シート幅方向に往復移動する。
【0030】
図5はステイプラ移動機構を示す側面図である。端面綴じステイプラS1は図5に示すように、正逆転可能なステイプラ移動モータ159によりタイミングベルト159aを介して駆動され、シート後端部の所定位置を綴じるためにシート幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じステイプラS1のホームポジションを検出するステイプラ移動HPセンサ312が設けられており、シート幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じステイプラS1の移動量により制御される。端面綴じステイプラS1は、シート後端部で1箇所若しくは複数個所(一般には2箇所)綴じることができるように構成され、少なくとも後端基準フェンス51a,51bによって支持されるシート後端STの全幅にわたって移動可能となっている。また、ステイプル針の交換のために装置前側には最大限移動できるようになっており、ユーザのステイプル針交換操作の便を図っている。
【0031】
端面綴じ処理トレイFのシート搬送方向下流側には、シート束偏向機構Iが設けられている。図1に示すように端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ、また端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へシート束SBを送る搬送路、及びシート束SBを搬送する搬送手段は、シート束SBに搬送力を与える搬送機構35、シート束SBをターンさせる放出ローラ56、シート束SBをターンさせるためのガイドを行うガイド部材44とから構成されている。
【0032】
各々の詳細な構成を説明すると、搬送機構35のローラ36には駆動軸37の駆動力がタイミングベルトによって伝達される構成となっており、ローラ36と駆動軸37はアームによって連結支持され、駆動軸37を回転支点として揺動可能となっている。搬送機構35のローラ36の揺動駆動はカム40によって行われ、カム40は回転軸を中心に回転し、図示しないモータによって駆動される。搬送機構35では、ローラ36の対向する位置には従動ローラ42が配置され、従動ローラ42とローラ36によってシート束を挟み、弾性材によって加圧し、搬送力を与えている。
【0033】
端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへシート束をターンさせる搬送路は、放出ローラ56と放出ローラ56に対向する側のガイド部材44の内面との間に形成される。ガイド部材44は支点を中心に回動し、その駆動は束分岐駆動モータ161(図2参照)から伝達される。端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へシート束を搬送する場合には、ガイド部材44が支点を中心に図示時計方向に回動し、ガイド部材44の外面(放出ローラ56と対向しない側の面)とその外側のガイド板間の空間が搬送路として機能する。端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへシート束Pを送る場合、端面綴じ処理トレイFで整合されたシート束SBの後端を放出爪52aで押し上げ、搬送機構35のローラ36と、これに対向する対向する従動ローラ42との間でシート束を挟み、搬送力を与える。このとき搬送機構35のローラ36は、シート束SB先端にぶつからないような位置で待機している。次に、シート束SB先端が通過してからシート表面に搬送機構35のローラ36を接触させ、搬送力を与える。このときガイド部材44と放出ローラ56とでターン搬送路のガイドを形成し、シート束SBを下流の中綴じ処理トレイGへと搬送する。
【0034】
中綴じ処理トレイGは、図1に示すように搬送機構35、ガイド部材44及び放出ローラ56からなるシート束偏向機構の下流側に設けられている。中綴じ処理トレイGは、前記シート束偏向機構の下流側にほぼ垂直に設けられており、中央部に中折り機構が、その上方に束搬送ガイド板上92が、また、下方に束搬送ガイド板下91が配置されている。
【0035】
また、束搬送ガイド板上92の上部には束搬送ローラ上71が、下部には束搬送ローラ下72がそれぞれ設けられているとともに、両ローラ71,72間を跨ぐように束搬送ガイド板上92の側面に沿って両側に中綴じ上ジョガーフェンス250aが配置されている。同様に束搬送ガイド板下91の側面に沿って両側に中綴じ下ジョガーフェンス250bが設けられ、この中綴じ下ジョガーフェンス250bが設置されている個所に中綴じステイプラS2が配置されている。中綴じ上ジョガーフェンス250a及び中綴じ下ジョガーフェンス250bは図示しない駆動機構により駆動され、シート搬送方向に直交する方向(シート幅方向)の整合動作を行う。中綴じステイプラS2は、クリンチャ部とドライバ部とが対となったもので、シートの幅方向に所定の間隔をおいて2対設けられている。
【0036】
また、束搬送ガイド板下91を横切るように可動基準フェンス73が配置され、タイミングベルトとその駆動機構とを備えた移動機構によりシート搬送方向(図において上下方向)に移動可能となっている。駆動機構は図1に示すように前記タイミングベルトが掛け渡された駆動プーリと従動プーリと、駆動プーリを駆動するステッピングモータとにより構成されている。同様に束搬送ガイド板上92の上端側には、後端叩き爪251と、その駆動機構が設けられている。後端叩き爪251はタイミングベルト252と図示しない駆動機構とによって前記シート束偏向機構から離れる方向とシート束の後端(シート束導入時に後端に当たる側)を押す方向とに往復移動可能となっている。
【0037】
中折り機構は、中綴じ処理トレイGのほぼ中央部に設けられ、折りプレート74と折りローラ81と、折られたシート束を搬送する搬送路Hとからなっている。なお、図1において、符号326は後端叩き爪251のホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ、符号323は中折りされたシートを検出するための折り部通過センサ、符号321はシート束が中折り位置に到達したことを検知する束検出センサ、符号322は可動基準フェンス73のホームポジションを検出する可動基準フェンスホームポジションセンサである。
【0038】
また、この実施形態では、下トレイ203に中折りされたシート束SBの積層高さを検出する検出レバー501が支点501aによって揺動自在に設けられ、この検出レバー501の角度を紙面センサ505によって検出し、下トレイ203の昇降動作及びオーバーフロー検出を行っている。
【0039】
図7は後端押さえ機構を拡大して示す図1における後端基準フェンス部分の要部拡大図、図8は後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイFに対して垂直な方向から見た図、図9は後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイFに対して平行な方向から見た図である。
【0040】
図7において、後端押さえレバー110a,110b,110cは、後端基準フェンス51の対向方向に設けられている。また、図8及び図9から分かるように、後端押さえレバー110はシートの幅方向に第1ないし第3の3個設けられている。第1ないし第3のそれぞれの後端押さえレバー110a,110b,110cは、モータM1,M2,M3及びプーリ間に掛け渡されたベルトB1,B2,B3を介し、シート束SB方向に進出(矢印Y1方向)、後退(矢印Y方向)可能に設置され、進出時にシート束SBの後端を押圧する。第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cはシート束SBに対して垂直にスライド移動可能に支持されており、後端がベルトB1,B2,B3に連結され、ベルトB1,B2,B3の回転移動によって直線的に移動する。各後端押さえレバー110a,110b,110cはそれぞれ独立した構成となっており、ベース部材110BSに取り付けられている。なお、本実施形態では、後端押さえレバー110はシートの幅方向に3個設けられているが、後端押さえレバー110の設置個数は、装置の仕様に応じて適宜設定される。また、後端押さえレバー110の駆動機構もモータとベルトに限定されるものではなく、機構的にシート束SBを押圧できるものであれば、十分である。そこで、図1では、後端押さえレバー110a,110b,110cをまとめて符号110で示している。
【0041】
シート束SBの幅方向にカール(撓み)が生じている場合、図7に示すようにシート後端が後端基準フェンス51に突き当たった状態で自重によりカールし(撓み)、あるいは初期状態で後端部がカールしたシート束が積層され、このカールした状態で積載される。その状態で端面綴じステイプラS1がシート束SBを挟んで綴じる。その際、シート束SBのカールした部分と後端押さえレバー110の押さえ位置が一致していれば、カールを矯正することができる。しかし、シートサイズによってはカールした部分と押さえる位置が異なるため、押さえたときにステイプル位置にばらつきが生じる。ステイプル動作時は、シート束SBは瞬時に押し潰されてステイプルされるため、前述のように撓んだ部分と押さえた部分がずれていると、そのずれが、シート束SBの綴じ部のずれとなり、ひいては綴じ後のシート束SBの揃え不良につながることになる。
【0042】
また、図9に示すように第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cの先端に駆動源を持たないコロ110a1,110b1,110c1を設け、第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cによってシート束SBの表面に押圧痕が付かないようにすることもできる。
【0043】
さらに、図8において、符号Se1、Se2はカール量検知センサである。カール量検知センサSe1、Se2は、シート束SBの両側に設置され、シート束SB後端のカール量を光学的に検知する。カール量検知センサSe1、Se2としては、例えば反射型の光センサが使用される。検知したカール量が規定値より大きい場合、例えば、中央部を押圧する第1の後端押さえレバー110aがシート束SBの後端部を押圧した後、シート束SBを綴じる綴じ側(シート束SBの端部側)に位置する第2及び第3の後端押さえレバー110b、110cがシート束SBを押圧するようにする(後述のステップS112)。
【0044】
なお、図7と図8では、後端押さえレバー110のシート束SBを押える部分が異なっているが、作図上の都合で図面上での配置が異なっただけで、実際には、同一の部分を押圧する。
【0045】
このような制御はシート後処理装置PDの制御回路によって実行される。図10はシート後処理装置PDと画像形成装置PRからなる画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。シート後処理装置PDはCPU_PD1、I/OインターフェイスPD2等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御回路を備え、CPU_PD1には、画像形成装置PRのCPUあるいは操作パネルPR1の各スイッチ等、及び図示しない各センサからの信号が通信インターフェイスPR2を介して入力され、CPU_PD1は入力された信号に基づいて所定の制御を実行する。さらに、CPU_PD1は、ドライバ、モータドライバを介してソレノイド及びモータを駆動制御し、インターフェイスから装置内のセンサ情報を取得する。また、制御対象やセンサに応じてI/0インターフェイスPD2を介してモータドライバによってモータの駆動制御を行い、センサからセンサ情報を取得する。なお、前記制御は、図示しないROMに格納されたプログラムコードをCPU_PD1が読み込んで図示しないRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義されたプログラムに基づいて実行される。
【0046】
また、図10におけるシート後処理装置PDの制御は画像形成装置PRのCPUからの指示若しくは情報に基づいて実行される。ユーザの操作指示は画像形成装置PRの操作パネルPR1から行われ、画像形成装置PRと操作パネルPR1は通信インターフェイスPR3を介して相互に接続されている。これにより、画像形成装置PRからはシート後処理装置PDへ操作パネルPR1からの操作信号が送信され、また、シート後処理装置PDの処理状態や機能が操作パネルPR1を介してユーザに通知される。
【0047】
図11は、シート後処理装置PDのCPU_PD1によって実行される綴じ処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、処理が開始されると、まず、入口ローラ1、搬送ローラ2,7,9,10、ステイプル排紙ローラ11などの搬送手段によってシートが端面綴じ処理トレイFに搬送される(ステップS101)。端面綴じ処理トレイFに搬送されたシートは後端基準フェンス110側に叩きコロ12によって叩き落とされ、搬送方向の整合が行われる。その後、シート幅方向はジョガーフェンス53a,53bによって整合される(ステップS102)。この処理が1部に相当する枚数分繰り返され(ステップS103:NO)、1部分の枚数の排紙が完了すると(ステップS103:YES)、カール量検知センサSe1,Se2によって後端基準フェンス51上に積載されたシート束SBのカール量を検知する(ステップS104)。
【0048】
CPU_PD1は検知したカール量Mを予め設定された規定値と比較し、カール量Mが規定値より小さい場合(ステップS105:YES)、シート束SBが薄いと判断し、第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cは同時にシート束SBを押圧する(ステップS106)。この状態で端面綴じステイプラS1によって綴じ処理を行い(ステップS107)、後端押さえレバー110a,110b,110cを後退(退避)させ(ステップS108)、放出爪52aによってシート束SBを上方に持ち上げて端面綴じ処理トレイF外へ搬送(放出)する(ステップS109)。
【0049】
ステップS105のカール量判定で、カール量Mが規定値以上であった場合(ステップS105:NO)、綴じモードが1箇所綴じか2箇所綴じかを判定する(ステップS110)。この判定で、1箇所綴じである場合には、シート綴じ側に位置していない後端押さえレバー(図6の例では、中央部に位置する第1の後端押さえレバー11a)が先にシート束SBを押圧する。次いで、シート綴じ側に位置する側に配置された後端押さえレバー(図6の例では、第3の後端押さえレバー110c)がシート束SBを押圧し、ステップS107でステイプル処理を実行する。この実施形態では、第2の後端押さえレバー110bは動作しない。以後、ステップS108及びS109の処理を実行し、処理を終える。
【0050】
他方、ステップS110で2箇所綴じと判定された場合には、まず、中央部に位置する第1の後端押さえレバー110aがシート束SBの中央部を押圧する。その後、両端部側にそれぞれ位置する第2及び第3の後端押さえレバー110b,110cがシート束SBの端部を押圧し、ステップS107でステイプル処理を実行する。以後、ステップS108及びS109の処理を実行し、処理を終える。
【0051】
このように、本実施形態では、
1)後端押さえレバー110a,110b,110cが主走査方向に少なくとも2つ(実施形態では3箇)設けられ、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させ、その後、近い側の押圧手段を動作させるので、シート束SB端部のカールが矯正され、隣接する後端押さえレバー110a,110b,110c間のシート若しくはシート束SBの膨らみを抑制することができる。そして、この膨らみを抑制した状態で綴じ処理を実行するので、シート束SBの端部と端面綴じステイプラS1の相対的な位置関係が安定することになる。その結果、綴じ位置が安定し、シートの揃え精度の良くい綴じ処理が可能となる。
2)その際、シート束のシート搬送方向に直交する方向の中央部の後端押さえレバー110aを先に、綴じ側の後端押さえレバー110b,110cのいずれか一方、あるいは両方を動作させる。後者の場合、例えば1箇所綴じでは一方を、2箇所綴じでは両方を動作させる。これにより、隣接する後端押さえレバー110a,110b,110c間のシート若しくはシート束SBの膨らみを抑制することができる。
3)端面綴じ処理トレイF上に積載されたシート束のカール量を検知するカール量検知センサSe1,Se2によって検知されたカール量に基づいて第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cの動作順を設定し、検知されたカール量が予め設定したカール量より小さい場合にはこれらを同時に動作させ、カール量が予め設定したカール量以上の場合には、綴じ位置から遠い側の後端押さえレバーを先に、近い側を後にそれぞれ動作させるので、隣接する後端押さえレバー110a,110b,110c間のシート若しくはシート束SBの膨らみを抑制することができる。
4)後端押さえレバー110a,110b,110cの先端のシート束との接触部に回転自在な回転部材を備えているので、膨らみが解消するときシートの膨らみが解消されるときに後端押さえレバー110a,110b,110cによって膨らみの解消動作が阻害されることがない。これによりシート表面に押さえ痕や皺が発生することがない。
5)1箇所綴じ、2箇所綴じなどの綴じモードに応じて後端押さえレバー110a,110b,110cの押圧順を変更するので、綴じモードに合った押圧順の選択が可能となる。
などの効果を奏する。
【0052】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0053】
また、特許請求の範囲におけるシート収容手段は、本実施形態では端面綴じ処理トレイFに、整合手段は後端基準フェンス51,51a,51b及び叩きコロ12に、綴じ手段は端面綴じステイプラS1に、シート束は符号SBに、押圧手段は後端押さえレバー110、110a,110b,110cに、押圧制御手段はシート後処理装置PDのCPU_PD1に、中央部の押圧手段は第1の後端押さえレバー110aに、綴じ側の押圧手段は第2及び第3の後端押さえレバー110b,110cに、検知手段はカール量検知センサSe1,Se2に、回転部材はコロ110a1,110b1,110c1に、シート処理装置はシート後処理装置PDに、画像形成システムはシート後処理装置PDと画像形成装置PRからなるシステムに、それぞれ対応する。
【0054】
さらに、シートを収容する工程又は手順は、ステップS101の処理に、整合する工程及び手順はステップS102の処理に、押さえる工程及び手順はステップS106,S111,S112の処理に、綴じる工程及び手順はステップS107の処理に、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる工程又は手順及びその後、近い側の押圧手段を動作させる工程又は手順は、両者まとめてステップS111の処理又はステップS112の処理に対応する。
【符号の説明】
【0055】
12 叩きコロ
51,51a,51b 後端基準フェンス
110、110a,110b,110c 後端押さえレバー
110a1,110b1,110c1 コロ
F 端面綴じ処理トレイF
PD シート後処理装置
PD1 シート後処理装置のCPU
PR 画像形成装置
S1 端面綴じステイプラ
SB シート束
Se1,Se2 カール量検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2002−321868号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬入された用紙、記録紙、転写紙、OHPシートなどのシート状被記録媒体(本明細書では、単に「シート」と称す)を整合するシート処理装置、このシート処理装置と複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などの画像形成装置と含む画像形成システム、シート処理装置で実行されるシート処理方法及びシート処理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置から排出されたシートをステイプルトレイに積載し、搬送方向(所謂縦方向)と搬送方向に対して直交する方向(所謂幅方向)の揃えを行ってから綴じを行うステイプラを備えたフィニッシャと称される装置が知られている。ステイプラで端面綴じを行う場合、シートは、シート搬送方向の位置を規定する後端基準フェンスに当接し、保持された状態で端面綴じが行われる。その際、ステイプラは用紙端部(通常、用紙後端)に沿って、用紙搬送方向と直交する方向に移動し、綴じ位置を変更することができる。
【0003】
このようなフィニッシャでは、綴じられたシート束の仕上がりの揃え精度を向上させるために、ステイプルトレイに積載されたシート後端の姿勢を維持させるためにシート束を厚み方向に押圧する押圧部材が設けられているものがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1(特開2002−321868号公報)に記載された発明は、サイドフェイスカールをしたシートに対して、ジョガーによる横方向のシートの整合性を良くするため、画像形成装置から排紙されるシートを受け入れてスタックするステイプルトレイと、ステイプルトレイ上にスタックされるシートの搬送方向の端部を突き当ててシートの整合を行う後端フェンスと、後端フェンスによって整合されたシート束の端部にステイプル処理を行うステイプラとを備えた用紙処理装置において、前記ステイプルトレイのシート積載面上にシートの搬送方向に平行な端縁の曲がりを矯正する手段を設けたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1記載の発明では、押圧部材が同時にシートを押圧するため、押圧部材間でシートが膨らむことがあり、押圧部材と押圧部材の間でシートが撓むことがあった。このようにシートが撓むと、綴じ精度が低下し、ステイプル位置がずれ、あるいはばらつくこととなり、綴じた後のシートの揃え精度の劣化を招く結果となっていた。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、押圧部材間のシートの膨らみを抑制し、良好な揃え精度を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の手段は、シートが収容されるシート収容手段と、前記シート収容手段上に収容されるシートの搬送方向後端部が突き当たり、当該シートの搬送方向を整合する整合手段と、前記整合手段によって前記シート収容手段上で整合されたシート束を押さえる主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段と、前記押圧手段によって押さえられたシート束を綴じる綴じ手段と、を備え、前記押圧手段がシート処理装置であって、前記押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させ、その後、近い側の押圧手段を動作させる押圧制御手段を備えていることを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段に係るシート処理装置を備えた画像形成システムを特徴とする。
第3の手段は、シート収容手段にシートを収容する工程と、前記収容する工程で収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する工程と、前記整合する工程で整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる工程と、前記押さえる工程で押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる工程と、を備えたシート処理方法であって、前記押さえる工程が、前記少なくとも2つの押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる工程と、その後、近い側の押圧手段を動作させる工程と、を含むことを特徴とする。
第4の手段は、シート収容手段にシートを収容する手順と、前記収容する手順に従って収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する手順と、前記整合する手順に従って整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる手順と、前記押さえる手順に従って押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる手順と、を備え、コンピュータに前記手順に従ってシート処理制御を実行させるシート処理制御プログラムであって、前記押さえる手順が、前記少なくとも2つ設けられた押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる手順と、その後、近い側の押圧手段を動作させる手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、押圧部材間のシートの膨らみを抑制し、良好な揃え精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るシート処理装置としてのシート後処理装置と画像形成装置とからなるシステムを示すシステム構成図である。
【図2】図1における端面綴じ処理トレイをトレイの積載面側から見た概略構成図である。
【図3】図1における端面綴じ処理トレイ及びその付属機構の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図1における放出ベルトの動作を示す側面図である。
【図5】図1におけるステイプラの移動機構を示す斜視図である。
【図6】端面綴じ時における端面綴じ処理トレイにスタックされたシートと基準フェンスと端面綴じステイプラとの関係を示す図である。
【図7】後端押さえ機構の要部拡大図で、図1における後端基準フェンス部分を示す。
【図8】後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイに対して垂直な方向から見た図である。
【図9】後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイに対して平行な方向から見た図ある。後端基準フェンスのシート搬送方向と直交する方向の移動機構を示す斜視図である。
【図10】シート後処理装置と画像形成装置からなる画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
【図11】シート後処理装置で実行される綴じ処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ステイプルトレイにて綴じ処理時の押圧手段によるシート揃え動作に際し、綴じ位置から遠い方の押圧手段がシート束を押圧した後、綴じ位置から近い方の押圧手段がシート束を押圧し、後端押さえ時のシート端部のカールを矯正すると共に、押圧部材間のシートの膨らみを抑制することを特徴としている。
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係るシート処理装置としてのシート後処理装置PDと画像形成装置PRとからなるシステムのシステム構成を示す図である。
【0012】
図1において、画像形成装置PRは、入力された画像データを印字可能な画像データに変換する画像処理回路、画像処理回路から出力される画像信号に基づいて感光体に光書き込みを行う光書き込み装置、光書き込みにより感光体に形成された潜像をトナー現像する現像装置、現像装置によって顕像化されたトナー像をシートに転写する転写装置、及びシート転写されたトナー像を定着する定着装置を少なくとも備え、トナー画像が定着されたシートをシート後処理装置PDに送り出し、シート後処理装置PDによって所望の後処理が行われる。画像形成装置PRはここでは前述のように電子写真方式のものであるが、インクジェット方式、熱転写方式などの公知の画像形成装置が全て使用できる。なお、この実施形態では、前記画像処理回路、光書き込み装置、現像装置、転写装置、及び定着装置が画像形成手段を構成している。
【0013】
シート後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取り付けられており、画像形成装置PRから排出されたシートはシート後処理装置PDに導かれる。シート後処理装置PDは、搬送路A、搬送路B、搬送路C、搬送路D及び搬送路Hを備え、前記シートは、1枚のシートに後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aへまず搬送される。
【0014】
搬送路Bは搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路であり、搬送路Cはシフトトレイ202へ導く搬送路Cである。搬送路Dは整合及びステイプル綴じ等を行う処理トレイF(以下「端面綴じ処理トレイ」とも称する)に導く搬送路Dである。搬送路Aから搬送路B,C,Dへは、それぞれ分岐爪15及び分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
【0015】
このシート後処理装置では、シートに対して、穴開け(パンチユニット100)、シート揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じステイプラS1)、シート揃え+中綴じ(中綴じ上ジョガーフェンス250a、中綴じ下ジョガーフェンス250b、中綴じステイプラS2)、シートの仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81)などの各処理を行うことができる。そのため、搬送路Aと、これに続く搬送路B、搬送路C及び搬送路Dが選択される。また、搬送路Dはシート収容部Eを含み、搬送路Dの下流側には端面綴じ処理トレイF、中綴じ中折り処理トレイG、排紙搬送路Hが設けられている。
【0016】
搬送路B、搬送路C及び搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置PRから受け入れるシートを検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかす収納容器101、搬送ローラ2、第1及び第2の分岐爪15,分岐爪16が順次配置されている。第1及び第2の分岐爪15,16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており(初期状態)、図示しない第1及び第2のソレノイドをONすることにより、分岐爪15、16をそれぞれ駆動し、第1及び第2のソレノイドのON/OFFを選択する。この選択により、第1及び第2の分岐爪15,16の分岐方向の組み合わせを変え、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへシートを振り分ける。
【0017】
搬送路Bへシートを導く場合は図1の状態、すなわち、第1のソレノイドをOFF(第1の分岐爪15は下向きが初期状態)状態のままとする。これにより、シートは搬送ローラ3から排紙ローラ4を経て上トレイ201に排出される。
【0018】
搬送路Cへシートを導く場合は、図1の状態から第1及び第2のソレノイドをON(第2の分岐爪16は上向きが初期状態)とすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となる。これにより、シートは搬送ローラ5及び排紙ローラ対6(6a,6b)を経てシフトトレイ202側に搬送される。この場合には、シートの仕分けが行われる。シート後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部で、シートの仕分けが行われ、シートの仕分けは、シフト排紙ローラ対6(6a,6b)と、戻しコロ13と、紙面検知センサ330と、シフトトレイ202と、シフトトレイ202をシート搬送方向に直交する方向に往復動させる図示しないシフト機構と、シフトトレイ202を昇降させるシフトトレイ昇降機構とに行われる。
【0019】
搬送路Dへシートを導く場合は、第1の分岐爪15を駆動する第1のソレノイドをON、第2の分岐爪を駆動する第2のソレノイドをOFFとすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は上方に回動した状態となり、シートは搬送ローラ2から搬送ローラ7を経て搬送路D側に導かれる。搬送路Dに導かれたシートは、端面綴じ処理トレイFへ導かれ、この端面綴じ処理トレイFで整合及びステイプル等を施されたシートは、ガイド部材44により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す中綴じ・中折り処理トレイG(以下、単に「中綴じ処理トレイ」とも称する)へ振り分けられる。シフトトレイ202に導かれる場合には、シート束は排紙ローラ対6からシフトトレイ202に排紙される。また、中綴じ処理トレイG側に導かれたシート束は、中綴じ処理トレイGで折り及び綴じを施され、排紙搬送路Hを通り排紙ローラ83から下トレイ203へ排紙される。
【0020】
他方、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されており、搬送ローラ7によって搬送されるシートの後端が前記分岐爪17を通過した後、搬送ローラ9、10、ステイプル排紙ローラ11のうち少なくとも搬送ローラ9を逆転させ、シートをターンガイド8に沿って逆行させることができる。これにより、シート後端からシートをシート収容部Eへ導いて滞留(プレスタック)させ、次シートと重ね合せて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって2枚以上のシートを重ね合せて搬送することも可能である。なお、符号304はシートをプレスタックさせる際の逆送タイミングを設定するためのプレスタックセンサである。
【0021】
搬送路Dに導かれ、シート揃えと端部綴じを行う場合、ステイプル排紙ローラ11によって端面綴じ処理トレイFへ導かれたシートは、端面綴じ処理トレイF上に順次積載される。この場合、シート毎に叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53によって横方向(シート搬送方向と直交する方向:シート幅方向)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、シート束の最終紙から次のシート束先頭紙までの間で、図示しない制御装置からのステイプル信号により綴じ手段としての端面綴じステイプラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われたシート束は、直ちに放出爪52aが突設された放出ベルト52(図2参照)によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受け取り位置にセットされているシフトトレイ202に排紙される。
【0022】
なお、端面綴じステイプラS1は図1に示すようにステイプル針を打ち出すステッチャ(ドライバ)S1aと、ステイプル針の先端を折り曲げるクリンチャS1bとからなり、両者間がシート後端の整合基準となる後端基準フェンス51a,51bが通り抜けることができる空間部S1cとなっていることから、端面綴じステイプラS1と後端基準フェンス51a,と51bが干渉することなく端面綴じステイプラS1は移動する。また、端面綴じステイプラS1は、中綴じステイプラS2とは異なり、ステッチャS1aとクリンチャS1bが一体となっている。ステッチャS1aはシート面に対して垂直方向には移動せずに固定側として機能し、クリンチャS1bがシート面に対して垂直な方向に移動する移動側として機能している。これにより、シート束SBに対して綴じ動作を行う場合には、基準フェンス51のスタック面51a1,51b1に当接したシート束SBの所定の被綴じ部分をクリンチャS1bがステッチャS1a側に移動し、その過程で綴じ動作が行われる。
【0023】
放出ベルト52は図2及び図4に示すようにシート幅方向の整合中心に位置し、プーリ62間に張架され、放出ベルト駆動モータ157により駆動される。また、複数の放出ローラ56が前記放出ベルト52に関して対称に配置され、駆動軸に対して回転自在に設けられ、従動コロとして機能している。
【0024】
放出爪52aは、放出ベルトHPセンサ311によりホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、端面綴じ処理トレイFに収容されたシート束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転させ、これからシート束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52aの背面で端面綴じ処理トレイFに収容されたシート束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。
【0025】
なお、図1において、符号110は後端押さえレバーであり、後端基準フェンス51に収容されたシート束SBの後端を押さえることができるように後端基準フェンス51の下端部に位置し、端面綴じ処理トレイFに対してほぼ垂直な方向に往復動する。端面綴じ処理トレイFに排出されたシートは、シート毎に叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われるが、端面綴じ処理トレイFに積載されたシート後端がカールしていたり、腰が弱かったりするとシート自身の重量によって後端が座屈し膨らむ傾向にある。さらに、その積載枚数が増えることによって、後端基準フェンス51内の次のシートが入る隙間が小さくなり、縦方向の揃えが悪くなる傾向にある。そこで、シート後端の膨らみを少なくしてシートが後端基準フェンス51に入りやすくするようにしたのが、後端押さえ機構であり、シートを直接押さえるのが後端押さえレバー110である。
【0026】
また、図1において、符号302,303,304,305,306,310はそれぞれシート検知センサであり、設けられた位置におけるシートの通過の有無、若しくはシートの積載の有無を検知する。なお、符号306は後述のステイプル排紙センサである。
【0027】
図2は端面綴じ処理トレイFをトレイの積載面側から見た概略構成図で、図1の右側面側から見た場合に相当する。同図において、上流側の画像形成装置PRより受け入れたシートの幅方向の整合はジョガーフェンス53a及び53bによって実施され、縦方向は第1及び第2の後端基準フェンス51a,51b(図1では符号51で示す)に突き当てて整合される。図6は端面綴じ時の端面綴じ処理トレイFにスタックされたシートと、基準フェンス51a,51bと、端面綴じステイプラS1との関係を示す図から分かるように、第1及び第2の後端基準フェンス51a,51bは、それぞれ内側にシート後端STが当接し、保持されるスタック面51a1,51a2,51b1,51b2を備え、シート後端STを支持するようになっている。支持は図2から分かるように4点で可能であるが、端面綴じステイプラS1は1箇所斜め綴じの場合、スタックされたシート束SBの端部に移動し、斜めの角度傾いた状態で綴じ処理を行う。図6(b)に綴じた後のステイプル針S1dと後端フェンス51bとの関係を示す。その際、シート束SBは図6(a)に示すように後端フェンス51のスタック面51a1,51a2,51b1のいずれか2箇所に接触してスタックされる。これは、後端フェンス51a,51bの取り付け精度を含む機械的誤差のためであり、2点で支持されることにより安定した状態で支持される。
【0028】
整合動作完了後は、端面綴じステイプラS1により綴じ処理が施され、図4の放出ベルトの動作を示す斜視図から分かるように、放出ベルト52が放出ベルト駆動モータ157によって反時計方向に駆動され、綴じ処理後のシート束は放出ベルト52に取り付けられた放出爪52aによってすくわれ、端面綴じ処理トレイFから放出される。なお、符号64a,64bは前側板及び後側板である。また、本動作は整合処理後に綴じ処理を実施しない未綴じ束においても同様の動作が可能である。
【0029】
図3は端面綴じ処理トレイF及びその付属機構の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、ステイプル排紙ローラ11により端面綴じ処理トレイFへ導かれたシートは順次端面綴じ処理トレイF上に積載される。このとき、端面綴じ処理トレイFに排出されるシートの枚数が1枚の場合、シート毎に叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53a,53bによって幅方向の整合が行われる。叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL170によって振り子運動を与えられ、端面綴じ処理トレイFへ送り込まれたシートに間欠的に作用してシート後端STを後端基準フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12自身は反時計回りに回転する。ジョガーフェンス53は、図2及び図3に示すように前後1対(53a,53b)設けられ、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、シート幅方向に往復移動する。
【0030】
図5はステイプラ移動機構を示す側面図である。端面綴じステイプラS1は図5に示すように、正逆転可能なステイプラ移動モータ159によりタイミングベルト159aを介して駆動され、シート後端部の所定位置を綴じるためにシート幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じステイプラS1のホームポジションを検出するステイプラ移動HPセンサ312が設けられており、シート幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じステイプラS1の移動量により制御される。端面綴じステイプラS1は、シート後端部で1箇所若しくは複数個所(一般には2箇所)綴じることができるように構成され、少なくとも後端基準フェンス51a,51bによって支持されるシート後端STの全幅にわたって移動可能となっている。また、ステイプル針の交換のために装置前側には最大限移動できるようになっており、ユーザのステイプル針交換操作の便を図っている。
【0031】
端面綴じ処理トレイFのシート搬送方向下流側には、シート束偏向機構Iが設けられている。図1に示すように端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ、また端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へシート束SBを送る搬送路、及びシート束SBを搬送する搬送手段は、シート束SBに搬送力を与える搬送機構35、シート束SBをターンさせる放出ローラ56、シート束SBをターンさせるためのガイドを行うガイド部材44とから構成されている。
【0032】
各々の詳細な構成を説明すると、搬送機構35のローラ36には駆動軸37の駆動力がタイミングベルトによって伝達される構成となっており、ローラ36と駆動軸37はアームによって連結支持され、駆動軸37を回転支点として揺動可能となっている。搬送機構35のローラ36の揺動駆動はカム40によって行われ、カム40は回転軸を中心に回転し、図示しないモータによって駆動される。搬送機構35では、ローラ36の対向する位置には従動ローラ42が配置され、従動ローラ42とローラ36によってシート束を挟み、弾性材によって加圧し、搬送力を与えている。
【0033】
端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへシート束をターンさせる搬送路は、放出ローラ56と放出ローラ56に対向する側のガイド部材44の内面との間に形成される。ガイド部材44は支点を中心に回動し、その駆動は束分岐駆動モータ161(図2参照)から伝達される。端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へシート束を搬送する場合には、ガイド部材44が支点を中心に図示時計方向に回動し、ガイド部材44の外面(放出ローラ56と対向しない側の面)とその外側のガイド板間の空間が搬送路として機能する。端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへシート束Pを送る場合、端面綴じ処理トレイFで整合されたシート束SBの後端を放出爪52aで押し上げ、搬送機構35のローラ36と、これに対向する対向する従動ローラ42との間でシート束を挟み、搬送力を与える。このとき搬送機構35のローラ36は、シート束SB先端にぶつからないような位置で待機している。次に、シート束SB先端が通過してからシート表面に搬送機構35のローラ36を接触させ、搬送力を与える。このときガイド部材44と放出ローラ56とでターン搬送路のガイドを形成し、シート束SBを下流の中綴じ処理トレイGへと搬送する。
【0034】
中綴じ処理トレイGは、図1に示すように搬送機構35、ガイド部材44及び放出ローラ56からなるシート束偏向機構の下流側に設けられている。中綴じ処理トレイGは、前記シート束偏向機構の下流側にほぼ垂直に設けられており、中央部に中折り機構が、その上方に束搬送ガイド板上92が、また、下方に束搬送ガイド板下91が配置されている。
【0035】
また、束搬送ガイド板上92の上部には束搬送ローラ上71が、下部には束搬送ローラ下72がそれぞれ設けられているとともに、両ローラ71,72間を跨ぐように束搬送ガイド板上92の側面に沿って両側に中綴じ上ジョガーフェンス250aが配置されている。同様に束搬送ガイド板下91の側面に沿って両側に中綴じ下ジョガーフェンス250bが設けられ、この中綴じ下ジョガーフェンス250bが設置されている個所に中綴じステイプラS2が配置されている。中綴じ上ジョガーフェンス250a及び中綴じ下ジョガーフェンス250bは図示しない駆動機構により駆動され、シート搬送方向に直交する方向(シート幅方向)の整合動作を行う。中綴じステイプラS2は、クリンチャ部とドライバ部とが対となったもので、シートの幅方向に所定の間隔をおいて2対設けられている。
【0036】
また、束搬送ガイド板下91を横切るように可動基準フェンス73が配置され、タイミングベルトとその駆動機構とを備えた移動機構によりシート搬送方向(図において上下方向)に移動可能となっている。駆動機構は図1に示すように前記タイミングベルトが掛け渡された駆動プーリと従動プーリと、駆動プーリを駆動するステッピングモータとにより構成されている。同様に束搬送ガイド板上92の上端側には、後端叩き爪251と、その駆動機構が設けられている。後端叩き爪251はタイミングベルト252と図示しない駆動機構とによって前記シート束偏向機構から離れる方向とシート束の後端(シート束導入時に後端に当たる側)を押す方向とに往復移動可能となっている。
【0037】
中折り機構は、中綴じ処理トレイGのほぼ中央部に設けられ、折りプレート74と折りローラ81と、折られたシート束を搬送する搬送路Hとからなっている。なお、図1において、符号326は後端叩き爪251のホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ、符号323は中折りされたシートを検出するための折り部通過センサ、符号321はシート束が中折り位置に到達したことを検知する束検出センサ、符号322は可動基準フェンス73のホームポジションを検出する可動基準フェンスホームポジションセンサである。
【0038】
また、この実施形態では、下トレイ203に中折りされたシート束SBの積層高さを検出する検出レバー501が支点501aによって揺動自在に設けられ、この検出レバー501の角度を紙面センサ505によって検出し、下トレイ203の昇降動作及びオーバーフロー検出を行っている。
【0039】
図7は後端押さえ機構を拡大して示す図1における後端基準フェンス部分の要部拡大図、図8は後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイFに対して垂直な方向から見た図、図9は後端押さえ機構を端面綴じ処理トレイFに対して平行な方向から見た図である。
【0040】
図7において、後端押さえレバー110a,110b,110cは、後端基準フェンス51の対向方向に設けられている。また、図8及び図9から分かるように、後端押さえレバー110はシートの幅方向に第1ないし第3の3個設けられている。第1ないし第3のそれぞれの後端押さえレバー110a,110b,110cは、モータM1,M2,M3及びプーリ間に掛け渡されたベルトB1,B2,B3を介し、シート束SB方向に進出(矢印Y1方向)、後退(矢印Y方向)可能に設置され、進出時にシート束SBの後端を押圧する。第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cはシート束SBに対して垂直にスライド移動可能に支持されており、後端がベルトB1,B2,B3に連結され、ベルトB1,B2,B3の回転移動によって直線的に移動する。各後端押さえレバー110a,110b,110cはそれぞれ独立した構成となっており、ベース部材110BSに取り付けられている。なお、本実施形態では、後端押さえレバー110はシートの幅方向に3個設けられているが、後端押さえレバー110の設置個数は、装置の仕様に応じて適宜設定される。また、後端押さえレバー110の駆動機構もモータとベルトに限定されるものではなく、機構的にシート束SBを押圧できるものであれば、十分である。そこで、図1では、後端押さえレバー110a,110b,110cをまとめて符号110で示している。
【0041】
シート束SBの幅方向にカール(撓み)が生じている場合、図7に示すようにシート後端が後端基準フェンス51に突き当たった状態で自重によりカールし(撓み)、あるいは初期状態で後端部がカールしたシート束が積層され、このカールした状態で積載される。その状態で端面綴じステイプラS1がシート束SBを挟んで綴じる。その際、シート束SBのカールした部分と後端押さえレバー110の押さえ位置が一致していれば、カールを矯正することができる。しかし、シートサイズによってはカールした部分と押さえる位置が異なるため、押さえたときにステイプル位置にばらつきが生じる。ステイプル動作時は、シート束SBは瞬時に押し潰されてステイプルされるため、前述のように撓んだ部分と押さえた部分がずれていると、そのずれが、シート束SBの綴じ部のずれとなり、ひいては綴じ後のシート束SBの揃え不良につながることになる。
【0042】
また、図9に示すように第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cの先端に駆動源を持たないコロ110a1,110b1,110c1を設け、第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cによってシート束SBの表面に押圧痕が付かないようにすることもできる。
【0043】
さらに、図8において、符号Se1、Se2はカール量検知センサである。カール量検知センサSe1、Se2は、シート束SBの両側に設置され、シート束SB後端のカール量を光学的に検知する。カール量検知センサSe1、Se2としては、例えば反射型の光センサが使用される。検知したカール量が規定値より大きい場合、例えば、中央部を押圧する第1の後端押さえレバー110aがシート束SBの後端部を押圧した後、シート束SBを綴じる綴じ側(シート束SBの端部側)に位置する第2及び第3の後端押さえレバー110b、110cがシート束SBを押圧するようにする(後述のステップS112)。
【0044】
なお、図7と図8では、後端押さえレバー110のシート束SBを押える部分が異なっているが、作図上の都合で図面上での配置が異なっただけで、実際には、同一の部分を押圧する。
【0045】
このような制御はシート後処理装置PDの制御回路によって実行される。図10はシート後処理装置PDと画像形成装置PRからなる画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。シート後処理装置PDはCPU_PD1、I/OインターフェイスPD2等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御回路を備え、CPU_PD1には、画像形成装置PRのCPUあるいは操作パネルPR1の各スイッチ等、及び図示しない各センサからの信号が通信インターフェイスPR2を介して入力され、CPU_PD1は入力された信号に基づいて所定の制御を実行する。さらに、CPU_PD1は、ドライバ、モータドライバを介してソレノイド及びモータを駆動制御し、インターフェイスから装置内のセンサ情報を取得する。また、制御対象やセンサに応じてI/0インターフェイスPD2を介してモータドライバによってモータの駆動制御を行い、センサからセンサ情報を取得する。なお、前記制御は、図示しないROMに格納されたプログラムコードをCPU_PD1が読み込んで図示しないRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義されたプログラムに基づいて実行される。
【0046】
また、図10におけるシート後処理装置PDの制御は画像形成装置PRのCPUからの指示若しくは情報に基づいて実行される。ユーザの操作指示は画像形成装置PRの操作パネルPR1から行われ、画像形成装置PRと操作パネルPR1は通信インターフェイスPR3を介して相互に接続されている。これにより、画像形成装置PRからはシート後処理装置PDへ操作パネルPR1からの操作信号が送信され、また、シート後処理装置PDの処理状態や機能が操作パネルPR1を介してユーザに通知される。
【0047】
図11は、シート後処理装置PDのCPU_PD1によって実行される綴じ処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、処理が開始されると、まず、入口ローラ1、搬送ローラ2,7,9,10、ステイプル排紙ローラ11などの搬送手段によってシートが端面綴じ処理トレイFに搬送される(ステップS101)。端面綴じ処理トレイFに搬送されたシートは後端基準フェンス110側に叩きコロ12によって叩き落とされ、搬送方向の整合が行われる。その後、シート幅方向はジョガーフェンス53a,53bによって整合される(ステップS102)。この処理が1部に相当する枚数分繰り返され(ステップS103:NO)、1部分の枚数の排紙が完了すると(ステップS103:YES)、カール量検知センサSe1,Se2によって後端基準フェンス51上に積載されたシート束SBのカール量を検知する(ステップS104)。
【0048】
CPU_PD1は検知したカール量Mを予め設定された規定値と比較し、カール量Mが規定値より小さい場合(ステップS105:YES)、シート束SBが薄いと判断し、第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cは同時にシート束SBを押圧する(ステップS106)。この状態で端面綴じステイプラS1によって綴じ処理を行い(ステップS107)、後端押さえレバー110a,110b,110cを後退(退避)させ(ステップS108)、放出爪52aによってシート束SBを上方に持ち上げて端面綴じ処理トレイF外へ搬送(放出)する(ステップS109)。
【0049】
ステップS105のカール量判定で、カール量Mが規定値以上であった場合(ステップS105:NO)、綴じモードが1箇所綴じか2箇所綴じかを判定する(ステップS110)。この判定で、1箇所綴じである場合には、シート綴じ側に位置していない後端押さえレバー(図6の例では、中央部に位置する第1の後端押さえレバー11a)が先にシート束SBを押圧する。次いで、シート綴じ側に位置する側に配置された後端押さえレバー(図6の例では、第3の後端押さえレバー110c)がシート束SBを押圧し、ステップS107でステイプル処理を実行する。この実施形態では、第2の後端押さえレバー110bは動作しない。以後、ステップS108及びS109の処理を実行し、処理を終える。
【0050】
他方、ステップS110で2箇所綴じと判定された場合には、まず、中央部に位置する第1の後端押さえレバー110aがシート束SBの中央部を押圧する。その後、両端部側にそれぞれ位置する第2及び第3の後端押さえレバー110b,110cがシート束SBの端部を押圧し、ステップS107でステイプル処理を実行する。以後、ステップS108及びS109の処理を実行し、処理を終える。
【0051】
このように、本実施形態では、
1)後端押さえレバー110a,110b,110cが主走査方向に少なくとも2つ(実施形態では3箇)設けられ、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させ、その後、近い側の押圧手段を動作させるので、シート束SB端部のカールが矯正され、隣接する後端押さえレバー110a,110b,110c間のシート若しくはシート束SBの膨らみを抑制することができる。そして、この膨らみを抑制した状態で綴じ処理を実行するので、シート束SBの端部と端面綴じステイプラS1の相対的な位置関係が安定することになる。その結果、綴じ位置が安定し、シートの揃え精度の良くい綴じ処理が可能となる。
2)その際、シート束のシート搬送方向に直交する方向の中央部の後端押さえレバー110aを先に、綴じ側の後端押さえレバー110b,110cのいずれか一方、あるいは両方を動作させる。後者の場合、例えば1箇所綴じでは一方を、2箇所綴じでは両方を動作させる。これにより、隣接する後端押さえレバー110a,110b,110c間のシート若しくはシート束SBの膨らみを抑制することができる。
3)端面綴じ処理トレイF上に積載されたシート束のカール量を検知するカール量検知センサSe1,Se2によって検知されたカール量に基づいて第1ないし第3の後端押さえレバー110a,110b,110cの動作順を設定し、検知されたカール量が予め設定したカール量より小さい場合にはこれらを同時に動作させ、カール量が予め設定したカール量以上の場合には、綴じ位置から遠い側の後端押さえレバーを先に、近い側を後にそれぞれ動作させるので、隣接する後端押さえレバー110a,110b,110c間のシート若しくはシート束SBの膨らみを抑制することができる。
4)後端押さえレバー110a,110b,110cの先端のシート束との接触部に回転自在な回転部材を備えているので、膨らみが解消するときシートの膨らみが解消されるときに後端押さえレバー110a,110b,110cによって膨らみの解消動作が阻害されることがない。これによりシート表面に押さえ痕や皺が発生することがない。
5)1箇所綴じ、2箇所綴じなどの綴じモードに応じて後端押さえレバー110a,110b,110cの押圧順を変更するので、綴じモードに合った押圧順の選択が可能となる。
などの効果を奏する。
【0052】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0053】
また、特許請求の範囲におけるシート収容手段は、本実施形態では端面綴じ処理トレイFに、整合手段は後端基準フェンス51,51a,51b及び叩きコロ12に、綴じ手段は端面綴じステイプラS1に、シート束は符号SBに、押圧手段は後端押さえレバー110、110a,110b,110cに、押圧制御手段はシート後処理装置PDのCPU_PD1に、中央部の押圧手段は第1の後端押さえレバー110aに、綴じ側の押圧手段は第2及び第3の後端押さえレバー110b,110cに、検知手段はカール量検知センサSe1,Se2に、回転部材はコロ110a1,110b1,110c1に、シート処理装置はシート後処理装置PDに、画像形成システムはシート後処理装置PDと画像形成装置PRからなるシステムに、それぞれ対応する。
【0054】
さらに、シートを収容する工程又は手順は、ステップS101の処理に、整合する工程及び手順はステップS102の処理に、押さえる工程及び手順はステップS106,S111,S112の処理に、綴じる工程及び手順はステップS107の処理に、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる工程又は手順及びその後、近い側の押圧手段を動作させる工程又は手順は、両者まとめてステップS111の処理又はステップS112の処理に対応する。
【符号の説明】
【0055】
12 叩きコロ
51,51a,51b 後端基準フェンス
110、110a,110b,110c 後端押さえレバー
110a1,110b1,110c1 コロ
F 端面綴じ処理トレイF
PD シート後処理装置
PD1 シート後処理装置のCPU
PR 画像形成装置
S1 端面綴じステイプラ
SB シート束
Se1,Se2 カール量検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2002−321868号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが収容されるシート収容手段と、
前記シート収容手段上に収容されるシートの搬送方向後端部が突き当たり、当該シートの搬送方向を整合する整合手段と、
前記整合手段によって前記シート収容手段上で整合されたシート束を押さえる主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段と、
前記押圧手段によって押さえられたシート束を綴じる綴じ手段と、
を備え、前記押圧手段がシート処理装置であって、
前記押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させ、その後、近い側の押圧手段を動作させる押圧制御手段を備えていること
を特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のシート処理装置であって、
前記押圧制御手段は、前記シート束のシート搬送方向に直交する方向の中央部の押圧手段を先に、綴じ側の押圧手段を後に動作させること
を特徴とするシート処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のシート処理装置であって、
前記シート収容手段に積載されたシート束のカール量を検知する検知手段を備え、
前記押圧制御手段は、前記検知手段によって検知されたカール量に基づいて前記押圧手段の動作順を設定すること
を特徴とするシート処理装置
【請求項4】
請求項3記載のシート処理装置であって、
前記押圧制御手段は、前記検知されたカール量が予め設定したカール量より小さい場合には前記押圧手段を同時に動作させ、前記検知されたカール量が予め設定したカール量以上の場合には、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に、近い側を後にそれぞれ動作させること
を特徴とするシート処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置であって、
前記押圧手段は、シート束の接触部に回転自在な回転部材を備えていること
を特徴とするシート押圧装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置であって、
前記押圧制御手段は綴じモードに応じて前記押圧手段の押圧順を変更することを特徴とするシート押圧装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート処理装置を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
シート収容手段にシートを収容する工程と、
前記収容する工程で収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する工程と、
前記整合する工程で整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる工程と、
前記押さえる工程で押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる工程と、
を備えたシート処理方法であって、
前記押さえる工程が、前記少なくとも2つの押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる工程と、その後、近い側の押圧手段を動作させる工程と、を含むこと
を特徴とするシート処理方法。
【請求項9】
シート収容手段にシートを収容する手順と、
前記収容する手順に従って収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する手順と、
前記整合する手順に従って整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる手順と、
前記押さえる手順に従って押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる手順と、
を備え、コンピュータに前記手順に従ってシート処理制御を実行させるシート処理制御プログラムであって、
前記押さえる手順が、前記少なくとも2つ設けられた押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる手順と、その後、近い側の押圧手段を動作させる手順と、を含むこと
を特徴とするシート処理制御プログラム。
【請求項1】
シートが収容されるシート収容手段と、
前記シート収容手段上に収容されるシートの搬送方向後端部が突き当たり、当該シートの搬送方向を整合する整合手段と、
前記整合手段によって前記シート収容手段上で整合されたシート束を押さえる主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段と、
前記押圧手段によって押さえられたシート束を綴じる綴じ手段と、
を備え、前記押圧手段がシート処理装置であって、
前記押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させ、その後、近い側の押圧手段を動作させる押圧制御手段を備えていること
を特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のシート処理装置であって、
前記押圧制御手段は、前記シート束のシート搬送方向に直交する方向の中央部の押圧手段を先に、綴じ側の押圧手段を後に動作させること
を特徴とするシート処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のシート処理装置であって、
前記シート収容手段に積載されたシート束のカール量を検知する検知手段を備え、
前記押圧制御手段は、前記検知手段によって検知されたカール量に基づいて前記押圧手段の動作順を設定すること
を特徴とするシート処理装置
【請求項4】
請求項3記載のシート処理装置であって、
前記押圧制御手段は、前記検知されたカール量が予め設定したカール量より小さい場合には前記押圧手段を同時に動作させ、前記検知されたカール量が予め設定したカール量以上の場合には、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に、近い側を後にそれぞれ動作させること
を特徴とするシート処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置であって、
前記押圧手段は、シート束の接触部に回転自在な回転部材を備えていること
を特徴とするシート押圧装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置であって、
前記押圧制御手段は綴じモードに応じて前記押圧手段の押圧順を変更することを特徴とするシート押圧装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート処理装置を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
シート収容手段にシートを収容する工程と、
前記収容する工程で収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する工程と、
前記整合する工程で整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる工程と、
前記押さえる工程で押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる工程と、
を備えたシート処理方法であって、
前記押さえる工程が、前記少なくとも2つの押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる工程と、その後、近い側の押圧手段を動作させる工程と、を含むこと
を特徴とするシート処理方法。
【請求項9】
シート収容手段にシートを収容する手順と、
前記収容する手順に従って収容したシートの搬送方向後端部を整合手段に突き当て、当該シートの搬送方向を整合する手順と、
前記整合する手順に従って整合された前記シート収容手段上のシート束を主走査方向に少なくとも2つ設けられた押圧手段によって押さえる手順と、
前記押さえる手順に従って押さえられたシート束を綴じ手段によって綴じる手順と、
を備え、コンピュータに前記手順に従ってシート処理制御を実行させるシート処理制御プログラムであって、
前記押さえる手順が、前記少なくとも2つ設けられた押圧手段のうち、綴じ位置から遠い側の押圧手段を先に動作させる手順と、その後、近い側の押圧手段を動作させる手順と、を含むこと
を特徴とするシート処理制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−1459(P2013−1459A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130568(P2011−130568)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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