説明

シート搬送装置および画像形成装置

【課題】スキュー補正機構を備えたシート搬送経路がひとつのシート搬送装置に比べて、スキュー補正後のシートの搬送間隔を短くすることができ、かつ、占有スペースの増大を抑制することができるシート搬送装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1シート搬送経路41、第2シート搬送経路42に設けられたレジストローラ対の押圧ローラ30、押込搬送ローラ対の押圧ローラ31を、第1、第1シート搬送経路41、42で共通して用いられる共通化ローラとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シートが積載されたシート積載部から一枚ずつシートを繰り出し、搬送経路に設けられたスキュー補正手段たるスキュー補正機構へ搬送し、スキュー補正機構によりスキュー補正して、所定の位置へ向けてシートを搬送するシート搬送装置が知られている。上記搬送経路に設けられるスキュー補正機構は、スキュー補正用搬送ローラ対であるレジストローラ対と、レジストローラ対よりも上流に配置された押し込み用搬送ローラ対とで構成されている。スキュー補正機構に搬送されてきたシートは、押し込み用搬送ローラ対により停止しているレジストローラ対に向けて搬送され、レジストローラ対のニップにシート先端が突き当る。このように、シートの先端が上記ニップに突き当った状態からさらに押し込み用搬送ローラ対でシートを搬送してシートを押し込み、シートを撓ませ、シートの撓みによりシートのスキューが補正される。
【0003】
従来のシート搬送装置においては、シートの後端が、レジストローラ対を抜けたら、レジストローラ対の回転を停止し、次のシートの先端をレジストローラ対のニップに突き当てスキュー補正をした後、次のシートを搬送するという搬送制御となる。このため、スキュー補正後のシートの搬送間隔を、所定の間隔よりも短くすることができない。
【0004】
特許文献1には、2つのシート搬送経路を設け、各シート搬送経路に上述のスキュー補正機構を設けたシート搬送装置が記載されている。具体的には、第1レジストローラ対と第1押し込み用搬送ローラ対とで構成された第1スキュー補正機構を設けた第1シート搬送経路と、この第1シート搬送経路に対して並列配置され、第2レジストローラ対と第2押し込み用搬送ローラ対とで構成された第2スキュー補正機構を設けた第2シート搬送経路とを備えている。そして、シート積載部からシートが第1シート搬送経路および第1シート搬送経路へ交互に搬送され、第1シート搬送経路でスキュー補正されたシートおよび第2シート搬送経路でスキュー補正されたシートが、合流シート搬送経路へ向けて搬送される。
【0005】
このように、スキュー補正機構を備えた2つのシート搬送経路を有しているので、一方のシート搬送経路でスキュー補正後のシートを合流シート搬送経路へ搬送しているとき、次のシートを他方のシート搬送経路へ搬送してスキュー補正を行うことができる。これにより、先行のシートの後端が、一方のシート搬送経路のレジストローラ対を抜けたとき、次のシートは、他方のシート搬送経路において、スキュー補正が完了している。よって、先行のシートの後端が、一方のシート搬送経路のレジストローラ対を抜けた段階で、次のシートの合流シート搬送経路への搬送が可能となる。その結果、スキュー補正機構を備えた搬送経路がひとつのシート搬送装置に比べて、スキュー補正後のシートの搬送間隔を短くすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシート搬送装置においては、各シート搬送経路にそれぞれレジストローラ対や押し込み用搬送ローラ対などの搬送ローラ対を設けているため、2つのシート搬送経路を設定するための占有スペースが大きくなるという課題があった。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次の2点の効果を備えたシート搬送装置および画像形成装置を提供することである。
1.スキュー補正機構を備えたシート搬送経路がひとつのシート搬送装置に比べて、スキュー補正後のシートの搬送間隔を短くすることができる点。
2.特許文献1に記載のシート搬送装置に比べて、占有スペースの増大を抑制することができる点。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、搬送されてきたシートのスキューを補正する第1スキュー補正手段を備えた第1シート搬送経路と、該第1シート搬送経路に対して並列配置され、搬送されてきたシートのスキューを補正する第2スキュー補正手段を備えた第2シート搬送経路と、上記第1シート搬送経路および上記第2シート搬送経路よりもシート搬送方向下流側に配置され、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路とが合流する合流シート搬送経路とを備え、第1シート搬送経路および第2シート搬送経路へ交互にシートを搬送するシート搬送装置において、各シート搬送経路に設けられた上記シートを搬送する搬送ローラ対の一方のローラを、各搬送ローラ対で共通して用いられる共通化ローラとしたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート搬送装置において、各搬送経路に設けられた搬送ローラ対は、回転駆動する駆動ローラと、該駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されており、上記共通化ローラは、従動ローラであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のシート搬送装置において、上記第1スキュー補正手段および上記第2スキュー補正手段は、搬送されてきたシートの先端が突き当る突き当て手段と、該突き当て手段よりもシート搬送方向上流側に配置され、スキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送する搬送ローラ対としてのレジストローラ対と、レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側に配置され、上記突き当て手段に突き当ったシートを搬送して押し込む搬送ローラ対としての押込搬送ローラ対とを備え、上記レジストローラ対および上記押込搬送ローラ対の少なくとも一方のローラを、上記共通化ローラとしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のシート搬送装置において、上記レジストローラ対の一方のローラと上記押込搬送ローラ対の一方のローラとを、上記共通化ローラとしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4のシート搬送装置において、上記共通化ローラは、各搬送経路の搬送ローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成されており、上記共通化ローラは、通常は、いずれの非共通化ローラとも当接しない中間位置に位置しており、上記シートの先端が、搬送ローラ対の非共通化ローラ上を通過した後、上記共通化ローラを、上記シートの先端が通過した側の非共通化ローラにシートを挟んで当接させることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のシート搬送装置において、上記レジストローラ対の一方のローラと上記押込搬送ローラ対の一方のローラとを、上記共通化ローラとしたものであり、シートの後端が、該押込搬送ローラ対に対してシート搬送方向直上流側に配置された搬送ローラ対を抜ける前に、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラにシートを挟んで当接させ、上記シートの先端が上記突き当て手段に突き当って停止してから、上記レジストローラ対の共通化ローラを、上記シートを挟んで、上記レジストローラ対の非共通化ローラに当接させ、上記レジストローラ対の共通化ローラが、上記シートを挟んで、上記レジストローラ対の非共通化ローラに当接したら、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させ、上記レジストローラ対に対してシート搬送方向直下流に配置されたシート搬送手段によりシートが搬送されたら、上記レジストローラ対の共通化ローラを、上記レジストローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかのシート搬送装置において、上記第1スキュー補正手段と上記第2スキュー補正手段とで共通の突き当て手段を用いたことことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のシート搬送装置において、上記突き当て手段を、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路との間で移動させる突き当て移動手段を備え、上記突き当て移動手段として、偏心カム機構を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1または2のシート搬送装置において、上記第1スキュー補正手段および上記第2スキュー補正手段は、ニップに搬送されてきたシートの先端が突き当たり、かつ、スキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送する搬送ローラ対としてのレジストローラ対と、該レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側に配置され、上記レジストローラ対に突き当ったシートを搬送して押し込む搬送ローラ対としての押込搬送ローラ対とを備え、上記レジストローラ対の一方のローラおよび上記押込搬送ローラ対の一方のローラの少なくとも一方を、上記共通化ローラとしたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9のシート搬送装置において、上記レジストローラ対の一方のローラと上記押込搬送ローラ対の一方のローラとを、上記共通化ローラとしたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9または10のシート搬送装置において、上記押込搬送ローラ対の一方のローラが、共通化ローラであって、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラは、各搬送経路の押込搬送ローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成されており、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラは、通常は、いずれの上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラとも当接しない中間位置に位置しており、上記シートの先端が、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラ上を通過した後、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記シートの先端が通過した側の非共通化ローラにシートを挟んで当接させ、上記レジストローラ対によりシートが搬送されたら、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9乃至11いずれかのシート搬送装置において、上記レジストローラ対の一方のローラが、共通化ローラであって、上記レジストローラ対の共通化ローラは、各搬送経路のレジストローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成されており、上記レジストローラ対に対してシート搬送方向直下流に配置されたシート搬送手段によりシートが搬送されたら、上記レジストローラ対の共通化ローラを、シート搬送中の一方のシート搬送経路に配置された上記レジストローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、他方のシート搬送経路に配置された上記レジストローラ対の非共通化ローラとの当接位置へ移動させることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12いずれかのシート搬送装置において、上記共通化ローラを、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路との間を移動させる共通化ローラ移動手段を備え、上記共通化ローラ移動手段として、偏心カム機構を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項8のシート搬送装置において、上記共通化ローラを、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路との間を移動させる共通化ローラ移動手段として、偏心カム機構を用い、上記突き当て移動手段の偏心カムと、上記共通化ローラ移動手段の偏心カムとを、回転方向に位相差を設けて、同じ回転軸に固定したことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14のシート搬送装置において、突き当て移動手段の偏心カムおよび上記共通化ローラ移動手段の偏心カムとして、ある回転範囲において同一の曲率を有する偏心カムを用い、上記突き当て移動手段の偏心カムと、上記共通化ローラ移動手段の偏心カムとを、回転方向に位相差を設けて同じ回転軸に固定したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1乃至15いずれかのシート搬送装置において、上記合流搬送経路に設けられた合流シート搬送手段の近傍に、シートの先端を検知する先端検知手段を設け、上記先端検知手段の検知結果に基づいて、所定のシート到達タイミングに対するシート到達タイミングのずれ量を検知し、該シート到達タイミングのずれ量に基づいて、上記合流シート搬送手段を制御して、シート到達タイミングのずれを補正するタイミング補正手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項1乃至16いずれかのシート搬送装置において、上記シートのシート搬送方向に対して直交する方向の位置ずれを検出するシート位置検知手段と、シート搬送方向に対して直交する方向、かつ、上記シート面に対して平行に移動可能に設けられた移動可能シート搬送手段を、上記位置検知手段の検知結果に基づいて、シート搬送方向に対して直交する方向に移動し、上記シートのシート搬送方向に対して直交する方向の位置を調整する位置調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17のシート搬送装置において、上記移動可能シート搬送手段は、上記第1スキュー補正手段および上記第2スキュー補正手段のスキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送するレジストローラ対であることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項18のシート搬送装置において、上記合流シート搬送経路に設けられた複数のシート搬送手段のうち、最上流に配置された最上流合流シート搬送手段よりも手前側で、上記第1シート搬送経路から搬送されてきたシートと、上記第2シート搬送経路から搬送されてきたシートとが合流するようにガイドするガイド部材を設け、上記位置検知手段を、上記シートが合流する合流点から上記最上流合流シート搬送手段までの間に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、像担持体と、該像担持体上に可視像を形成する画像形成手段と、シートを搬送するシート搬送手段と、該シート搬送手段により搬送される該シートに対して該像担持体上の可視像を転写する転写手段とを有する画像形成装置において、上記シート搬送手段として請求項1乃至19いずれかのシート搬送装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項20の画像形成装置において上記転写手段よりシート搬送方向上流側で、上記第1シート搬送経路および上記第2シート搬送経路を合流させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各シート搬送経路に設けられた搬送ローラ対の一方のローラを、各搬送ローラ対で共通して用いられる共通化ローラとしたので、特許文献1に記載のシート搬送装置のように、各シート搬送経路に搬送ローラ対を設けたものに比べて、第1シート搬送経路と第2シート搬送経路とを近接して配置することが可能となる。その結果、特許文献1に記載のシート搬送装置に比べて、2つの搬送経路を設定するための占有スペースを削減することができ、装置のコンパクト化を図ることができる。また、特許文献1に記載のシート搬送装置と同様、それぞれスキュー補正手段を備えた2つの搬送経路を備えているので、一方のシート搬送経路からスキュー補正後のシートを合流シート搬送経路へ搬送しているときに、他方のシート搬送経路にシートを搬送してシートのスキュー補正を行うことができる。これにより、一方のシート搬送経路からスキュー補正後のシートを合流シート搬送経路へ搬送した直後に、他方のシート搬送経路からスキュー補正後のシートを搬送することができる。これにより、スキュー補正機構を備えたシート搬送経路がひとつのものに比べて、スキュー補正後のシート搬送間隔を狭めることができ、生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態にかかるプリンタの要部を示す概略構成図。
【図2】シート搬送装置の概略構成図。
【図3】接離移動機構の概略構成図。
【図4】ゲート移動機構の概略構成図。
【図5】一枚目のシートが、第1シート搬送経路へ搬送されてきた様子を説明する図。
【図6】一枚目のシートがゲート部材に突き当った様子を説明する図。
【図7】第1押圧ローラを第1レジストローラに当接させる様子を説明する図。
【図8】ゲート部材と第2押圧ローラとを中間位置に移動させた様子を説明する図。
【図9】一枚目のシートを2次転写部へ搬送しているときの様子を説明する図。
【図10】第2押圧ローラを第2搬送ローラに当接させた様子を説明する図。
【図11】ゲート部材を第2シート搬送経路へ移動させ、第1押圧ローラを中間位置へ移動させた様子を説明する図。
【図12】レジストローラとタイミングローラとの間の構成の変形例を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、いわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの要部を示す概略構成図である。
【0012】
本プリンタは、転写ベルト10の走行方向に沿って配置された4個の画像形成ユニット1a、1b、1c、1dを有する。画像形成手段たる画像形成ユニット1aは、像担持体としての感光ドラム2a、ドラム帯電器3a、露光装置4a、現像器5a、転写器6a、クリーニング装置7a等から構成されている。画像形成ユニット1b?1dも、1aと同様に構成されている。画像形成ユニット1a?1dは、例えば、画像形成ユニット1aがイエロー、同1bがマゼンダ、同1cがシアン、同1dがブラック、とそれぞれ異なる色の画像を形成するものとする。
【0013】
感光ドラム2aは、印刷装置制御装置(図示せず)から画像形成動作の開始指示信号を受けると、図中の矢印Bの方向に回転を始め、画像形成動作が終了するまで回転を続ける。感光ドラム2aが回転を開始すると、帯電器3aに高電圧が印加され、感光ドラム2aの表面に負の電荷が均一に帯電される。そして、ドットイメージに変換された文字データや図形データが、露光装置4aのオン/オフ信号として印刷装置制御装置(図示せず)から本プリンタに送られると、感光ドラム2a表面に、露光装置4aよりレーザ光が照射される部分と照射されない部分とが形成される。この露光装置4aからのレーザ光の照射により電荷の低下した感光ドラム2a上の部分が、現像器5aと対向する位置に到達すると、その感光ドラム2a上の電荷の低下した部分に、負電荷に帯電したトナーが引き付けられ、トナー像が形成される。
【0014】
感光ドラム2a上に形成されたトナー像が1次転写手段としての転写器6aに到達すると、そのトナー像は転写器6aに印加された高電圧の作用によって図中の矢印Aの方向に回転している転写ベルト10上に転写される。なお、転写位置(画像転写部位)を通過後も感光ドラム2a上に転写されずに残留しているトナーは、クリーニング7aで清掃され、次の画像形成動作に備えられる。画像形成ユニット1aに続いて画像形成ユニット1bでも同様に画像形成動作が行われ、感光ドラム2b上に形成されたトナー像が、転写器6bに印加された高電圧の作用により転写ベルト10上に転写される。この時、画像形成ユニット1aにて形成され、転写ベルト10上に転写された画像が、転写器6bに到達するタイミングと、感光ドラム2b上に形成されたトナー像が、転写ベルト10に転写されるタイミングを合わせることにより画像形成ユニット1aと画像形成ユニット1bで形成されたトナー像が転写ベルト10上で重なる。同様に画像形成ユニット1c、1dで形成されたトナー像を転写ベルト10上に重ねることによってフルカラー画像が転写ベルト10上に形成される。
【0015】
このフルカラー画像が2次転写手段としてのシート転写器9に到達すると同時に、画像形成装置の給紙部(図示せず)から図中矢印C方向に搬送されてきたシートとしてのシート8がシート転写器9に到達し、シート転写器9に印加された高電圧の作用によって転写ベルト10上のフルカラー画像はシート8に転写される。そしてシート8が定着装置11に搬送されるとシート8上のトナー像がシート8に溶融定着される。一方、フルカラー画像がシート転写器9の位置を通過した後、転写ベルト10上に付着して残った転写されないトナーは、ベルト清掃機構12によって清掃される。
【0016】
次に、本プリンタの特徴点であるシート転写器9の手前(シート搬送方向上流)に配置するシート搬送装置について説明する。
図2は、シート搬送装置100の概略構成図であり、(a)は、側面図、(b)は、第1シート搬送経路のレジストローラ14aの周辺を示す平面図である。
図示のように、本実施形態のシート搬送装置は、図示しない給紙機構から給紙されたシートが搬送される給紙経路40、それぞれスキュー補正機構を備え、並列配置された第1シート搬送経路41、第2シート搬送経路42、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42とが合流する合流シート搬送経路43とを有している。
【0017】
給紙経路40には、第1シート搬送経路41または第2シート搬送経路42にシートを搬送する搬送ローラ対33を備えている。第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との分岐点には、それぞれのシート搬送経路へシートの搬入をガイドする分岐爪32が設けられている。
【0018】
第1、第2シート搬送経路41,42は、それぞれスキュー補正手段たるスキュー補正機構を有している。スキュー補正機構は、搬送されてきたシート8を突き当てることでシート先端の位置決めを行う突き当て手段たるゲート部材13、このゲート部材13のシート搬送方向で上流側(本明細書において、また以下において、単に「上流」ということがある)の近傍位置に配置され、スキュー補正後のシートを合流シート搬送経路43へ向けて搬送するレジストローラ対、レジストローラ対の上流側に配置され、ゲート部材13に突き当ったシートを搬送して押し込む押込搬送ローラ対により構成される。
【0019】
ゲート部材13は、図2(b)に示すように、主走査方向(図2(b)の上下方向)に複数等間隔で配置された突き当て部131を有している。また、ゲート部材13は、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間(図2(a)の矢印で示す上下方向)を移動する移動手段たる移動機構を持ち、第1シート搬送経路41および第2シート搬送経路42の両方で用いられる。また、第1シート搬送経路41の第1レジストローラ対は、駆動源たる駆動モータ(不図示)により回転駆動する駆動ローラとしての第1レジストローラ14aと、第1レジストローラ14aに当接して、連れ回る従動ローラとしての第1押圧ローラ30とで構成されている。また、第1シート搬送経路41の第1押込搬送ローラ対は、駆動源たる駆動モータ(不図示)により回転駆動する駆動ローラとしての第1搬送ローラ15aと、第1搬送ローラ15aに当接して、連れ回る従動ローラとしての第2押圧ローラ31とで構成されている。第1レジストローラ14aは、図2(b)に示すように、回転軸に複数のローラ部材141を、等間隔で設けた構成となっている。
【0020】
第2シート搬送経路42の第2レジストローラ対は、第1レジストローラ14aと同一の駆動モータにより回転駆動する駆動ローラとしての第2レジストローラ14bと、上記第1押圧ローラ30とで構成されている。具体的には、第2レジストローラ14bは、第1レジストローラ14aと第1押圧ローラ30を挟んで対向配置されており、第1押圧ローラ30は、図示しない駆動手段により図2(a)の矢印で示す上下方向に移動可能な構成で、第1レジストローラ14a、第2レジストローラ14bいずれにも接離自在な構成となっている。すなわち、上記第1押圧ローラ30は、第1レジストローラ対と第2レジストローラ対とで共通して用いられる共通化ローラとなっている。第2レジストローラ14bは、第1レジストローラ14aと同様な構成を有している。
【0021】
第2シート搬送経路42の第2押込搬送ローラ対は、第1搬送ローラ15aと同一の駆動モータにより回転駆動する駆動ローラとしての第2搬送ローラ15bと、上記第2押圧ローラ31とで構成されている。具体的には、第2搬送ローラ15bは、第1搬送ローラ15aと第2押圧ローラ31を挟んで対向配置されており、第2押圧ローラ31は、図示しない駆動手段図中矢印で示す上下方向に移動可能な構成で、第1搬送ローラ15a、第2搬送ローラ15bいずれにも接離自在な構成となっている。すなわち、上記第2押圧ローラ31は、第1押込搬送ローラ対と第2押込搬送ローラ対とで共通して用いられる共通化ローラとなっている。
【0022】
このように、第1、第2レジストローラ対の一方のローラおよび第1、第2押込搬送ローラ対の一方のローラを、第1、第2シート搬送経路41、42で共通して用いられる共通化ローラとすることで、並列配置される第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間隔を狭めることができ、画像形成装置におけるシート搬送装置100が占めるスペースを削減することができる。これにより、画像形成装置のコンパクト化を図ることができる。
【0023】
また、共通化ローラとしての第1押圧ローラ30、第2押圧ローラ31は、当接するローラ(レジストローラ14a,14bや搬送ローラ15a,15b)よりも十分に小さい直径としている。このように、第1、第2押圧ローラ30、31の直径を小さくすることにより、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間隔をさらに狭めることができる。
【0024】
また、ゲート部材13の下流側近傍には、第1シート搬送経路41および第2シート搬送経路42のシートの主走査方向一端部の位置を検出する位置検知手段としてのシート検知センサ16が設けられている。シート検知センサ16としては、スキャナに用いられているライン型CCDやライン型CISを用いることができる。ライン型CCDはセンサが大型ではあるが検知深度が広く、第1シート搬送経路41および第2シート搬送経路42のシートの端部位置を検出するには最適である。
【0025】
シート検知センサ16の下流側には、シート転写器9へシートを所望のタイミングで搬送するためのタイミングローラ対17が設けられており、第1シート搬送経路41、第2シート搬送経路は、このタイミングローラ対17のニップ部で合流する。
【0026】
図2(b)に示すように、第1、第2レジストローラ14a,14b、これらレジストローラ14a,14bを回転駆動させるための不図示のレジストローラ回転駆動機構、第1押圧ローラ30、この第1押圧ローラ30を接離移動させるための不図示の接離移動機構が、図中点線で示すユニットフレーム19に搭載されている。レジストローラ回転駆動機構は、レジストローラ14a、14bを回転駆動するためのレジスト駆動モータと、レジスト駆動モータの駆動力をレジストローラ14a、14bへ伝達するためのギヤやクラッチなどで構成された伝達機構とで構成されている。また、接離移動機構は、第1押圧ローラ30を接離移動させるための接離モータと、第1押圧ローラ30を接離移動するための後述する偏心カム機構とで構成されている。そして、ユニットフレーム19は、主走査方向(図2(b)の上下方向)に移動可能に構成され、このユニットフレーム19は、主走査方向移動モータ20により主走査方向に移動せしめられる。具体的には、ユニットフレーム19は、主走査方向移動モータ20の駆動軸に固定されたカム部材20aに係合している。すなわち、カム部材20aの外周付近に係合溝が形成されており、ユニットフレーム19の被係合部が、この係合溝に係合している。主走査方向移動モータ20にはステッピングモータが用いられる。
【0027】
位置調整手段としての不図示の制御部は、シート検知センサ16の検知結果に基づいて、図2(b)に示す基準搬送線24からシートの主走査方向一端部までの距離であるシートズレ量25を演算する。そして、主走査方向移動モータ20を回転させ、カム部材20aを回転させると、ユニットフレーム19の不図示の被係合部が、カム部材20aの不図示の係合溝内を相対的に移動することで、ユニットフレーム19が主走査方向へ移動する。これにより、移動可能シート搬送手段としてのレジストローラ対により搬送せしめられているシートが、主走査方向へ移動し、シートの主走査方向一端部が基準搬送線24にあわせられ、シートの主走査方向の位置ずれが補正される。
【0028】
図3は、第1押圧ローラ30の接離移動機構200の概略構成図である。なお、第2押圧ローラ31も同様の接離移動機構を採用しているためここでは説明を省略する。
図3(a)は、第1押圧ローラ30が、第1レジストローラ14a、第2レジストローラ14bの両方と離間する中間位置にあるときの様子を示す図であり、(b)は、第1押圧ローラ30が、第1レジストローラ14aに当接しているときの様子を示す図であり、(c)は、第1押圧ローラ30が、第2レジストローラ14bに当接しているときの様子を示す図である。また、(d)は、押圧偏心カム54の構成を示す図である。
図に示すように、共通化ローラ移動手段たる接離移動機構200は、不図示の接離モータに接続され、ユニットフレーム19に回転自在に支持されている回転軸55に、図3(d)に示すような押圧偏心カム54が固定されている。不図示の接離モータとしては回転量、停止位置を任意に調整できるステッピングモータが望ましい。押圧偏心カム54には金属又は樹脂で成形された押圧ローラ支持部材53が押圧偏心カム54を挟みこむように押圧偏心カム54と接触している。押圧ローラ支持部材53の押圧偏心カム54と接触する接触部の反対側の端部は、ユニットフレーム19の支持軸52に回転自在に支持されている。また、この端部には、押圧ローラ支持アーム51の一端が固定されている。押圧ローラ支持アーム51の他端には、第1押圧ローラ30が、回転自在に支持されている。
【0029】
押圧ローラ支持アーム51は、板バネやゴムなどの弾性部材で構成されている。図3(b)、図3(c)に示すように、第1押圧ローラ30が、レジストローラに当接すると、押圧ローラ支持アーム51が、弓状に弾性変形して、第1押圧ローラ30をレジストローラ側へ付勢する。これにより、第1押圧ローラ30は、所定の押圧力で第1、第2レジストローラ14a,14bに当接することができる。また、押圧ローラ支持アーム51を弾性部材とすることにより、簡単な構成で第1押圧ローラ30を、所定の押圧力で第1、第2レジストローラ14a,14bに当接させることができる。
【0030】
第1押圧ローラ30の移動を決定する押圧偏心カム54の形状は、真円形状でも良いが、第1押圧ローラ30の動作を考慮して所定の形状に設計することが望ましい。また、押圧偏心カム54は図3(d)に示すように、回転軸55の中心から最も距離が離れた最長範囲X1と、回転軸55の中心から最も距離が短い最短範囲Y1が回転方向に約90°の範囲で形成されており、最長範囲X1と最短範囲Y1とが、90°の回転角位相差を持って設けられている。これら範囲X1,Y1が押圧ローラ支持部材53に接触しているときは、回転軸55を回転させても、第1押圧ローラ30は、移動せず、第1押圧ローラ30の位置が維持される。これによって、不図示の接離モータの回転角保持精度が悪くても所望の動作が期待できる。
【0031】
通常、第1押圧ローラ30は、図3(a)に示すように、レジストローラ14a,14bから離間した中間位置に位置している。このとき、押圧偏心カム54の図3(d)に示した最長範囲X1と最短範囲Y1とが、押圧ローラ支持部材53と接触していない位置にある。図3(b)に示すように、第1レジストローラ14aに第1押圧ローラ30を当接させるときは、押圧偏心カム54を反時計方向に90度回転させる。すると、押圧ローラ支持部材53の図中下側(第2レジストローラ側)の接触部と押圧偏心カム54の最長範囲X1とが接触し、押圧ローラ支持部材53の図中上側(第1レジストローラ側)の接触部と押圧偏心カム54の最短範囲Y1とが接触する。これにより、第1押圧ローラ30が、第1レジストローラ側へ移動し、第1レジストローラ14aと当接するとともに、押圧ローラ支持アーム51が弾性変形して、第1押圧ローラ30を第1レジストローラ側へ付勢する。
【0032】
図3(b)の状態から、さらに押圧偏心カム54を90°回転させると、第1押圧ローラ30が、第1レジストローラ14aから離間し、図3(a)に示す中間位置で第1押圧ローラ30が停止する。さらに反時計方向に90度押圧偏心カム54を回転させると、第1押圧ローラ30が、図中下側(第2レジストローラ14b側)へ移動して、図3(c)に示すように、第2レジストローラ14bに当接する。また、押圧ローラ支持アーム51が弾性変形して、第1押圧ローラ30を第2レジストローラ側へ付勢する。このとき、押圧偏心カム54の押圧ローラ支持部材53の図中下側(第2レジストローラ側)の接触部と押圧偏心カム54の最短範囲Y1とが接触し、押圧ローラ支持部材53の図中上側(第1レジストローラ側)の接触部と押圧偏心カム54の最長範囲X1とが接触する。
【0033】
次に、ゲート部材13を移動させるためのゲート移動機構について説明する。
図4(a)は、ゲート移動機構300の概略構成図であり、(b)ゲート偏心カム64の概略構成図である。
図4に示すように、突き当て移動手段たるゲート移動機構300も、第1押圧ローラ30の接離移動機構200と同様、偏心カム機構を採用している。本実施形態においては、ゲート移動機構300を、第1押圧ローラ30の接離移動機構200と同一の駆動モータ(接離モータ)で駆動させている。接離移動機構200とゲート移動機構300とを別々の駆動モータで駆動させてもよいが、同一の駆動モータとすることで、モータを一つ減らせ、大幅な省スペース化が実現できる。
【0034】
ゲート部材13は、ゲート支持部材63の一端に固定されており、移動動作によってゲート部材13に振動が発生しないようにゲート支持部材63に固定されている。ゲート支持部材63は、押圧ローラ支持部材53と共通の支持軸52に回転自在に支持されている。ゲート支持部材63の他端は、押圧偏心カム54と共通の回転軸55に固定されているゲート偏心カム64と接触している。ゲート偏心カム64は、押圧偏心カム54と同様の形状を採用し、図4(b)に示すように、押圧偏心カム54に対して、45°の回転角位相差をもって、回転軸55に固定されている。
【0035】
ゲート偏心カム64が、図4(b)の位置にあるとき、第1押圧ローラ30は、先の図3(a)に示すような中間位置にあり、ゲート部材13は、図4(a)に示すように、第1シート搬送経路側に位置する(図5参照)。この状態から、回転軸55を図中反時計回りに45°回転させると、第1押圧ローラ30は、第1レジストローラ14aと当接し、ゲート部材13は、移動せず、第1シート搬送経路41側に位置する(図7参照)。さらに、回転軸55を反時計回りに90°回転させると、ゲート部材13は、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間の中間位置に位置にし、第1押圧ローラ30は、移動せずに、そのまま第1レジストローラ14aと当接した位置にある(図8〜図10参照)。この状態からさらに回転軸55を45°図中反時計回りに回転させると、ゲート部材13が、中間位置から第2シート搬送経路42へ移動し、第1押圧ローラ30が、第1レジストローラ14aと当接する位置から、中間位置へ移動する(図11参照)。また、この中間地点で、回転軸55の回転を停止すれば、第1押圧ローラ30が、第1、第2いずれのレジストローラと当接しておらず、かつ、第1、第2いずれのシート搬送経路もゲートが開いた状態にすることができる。さらに、回転軸55を図中反時計回りに45°回転させると、ゲート部材13は、移動せずに、第2シート搬送経路側にあり、第1押圧ローラ30は、中間位置から第2レジストローラ14bと当接する当接位置へ移動する。この状態からさらに90°図中反時計回りに回転軸55を回転させると、ゲート部材13、第2シート搬送経路42から、上記した中間位置へと移動し、第1押圧ローラ30は、移動せずに、そのまま第2レジストローラ14bと当接する当接位置にある。そして、さらに45°図中反時計回りに回転軸55を回転させる、ゲート部材13が、中間位置から第1シート搬送経路側へ移動し、第1押圧ローラ30が第2レジストローラと当接する位置から中間位置へ移動し、始めの状態にもどる。また、この中間地点で、回転軸55の回転を停止すれば、第1押圧ローラ30が、第1、第2いずれのレジストローラと当接しておらず、かつ、第1、第2いずれのシート搬送経路もゲートが開いた状態にすることができる。
【0036】
このように、押圧偏心カム54とゲート偏心カム64とを、約90°の範囲をもつ最長範囲Xと、約90°の範囲をもつ最短範囲Yとを90°の位相差で配置した偏心カムとし、押圧偏心カム54とゲート偏心カム64とを、約45°の位相差をもって回転軸55に取り付けることにより、回転軸55の回転角度を制御することで、ゲート部材13と、第1押圧ローラ30とが、次の7つような位置関係取ることができる。
1.ゲート部材13が第1シート搬送経路側にあり、第1押圧ローラ30が中間位置にある位置関係。
2.ゲート部材13が、第1シート搬送経路側にあり、第1押圧ローラ30が第1レジストローラ14aに当接している位置関係。
3.ゲート部材13が中間位置にあり、第1押圧ローラ30が第1レジストローラ14aに当接している位置関係。
4.ゲート部材13が第2シート搬送経路側にあり、第1押圧ローラ30が中間位置にある位置関係。
5.ゲート部材13が、第2シート搬送経路側にあり、第1押圧ローラ30が第2レジストローラ14bに当接している位置関係。
6.ゲート部材13が中間位置にあり、第1押圧ローラ30が第2レジストローラ14bに当接している関係。
7.ゲート部材13が、いずれのシート搬送経路も閉じておらず、第1押圧ローラ30がいずれのレジストローラとも当接していない位置関係。
【0037】
なお、押圧ローラ30、31、ゲート部材13の移動機構は偏心カム機構の他、ソレノイドによる駆動を採用してもよい。
【0038】
次に、シート搬送動作について、図5〜図11を用いて説明する。
まず、1枚目のシート8aの給紙が開始されるとき、不図示の制御手段たる制御部は、分岐爪32の先端を第2シート搬送経路側に位置させる。また、ゲート部材13を、第1シート搬送経路側に位置させ、第1、第2押圧ローラ30、31を中間位置に位置させる。このような状態で、不図示給紙部から一枚のシート8aが繰り出され、不図示の給紙部から繰り出された一枚目のシート8aは、図5に示すように、分岐爪32にガイドされて、搬送ローラ対33によって第1シート搬送経路41に搬入される。
【0039】
第1搬送ローラ15aを一枚目のシート8aの先端が通過したタイミングで、第2押圧ローラ31を図5の矢印Eの方向に移動させて、第2押圧ローラ31を、一枚目のシート8aを介して第1搬送ローラ15aに当接させる。
本実施形態においては、第1搬送ローラ15aを一枚目のシート8aの先端が通過してから、第2押圧ローラ31を、第1搬送ローラ15aへ当接させる理由は、以下のとおりである。すなわち、上述したように、第2押圧ローラ31の直径は、搬送ローラ15a,15bに比べて、十分に小さな直径としている。このため、一枚目のシート8aの先端が第1搬送ローラ15aを通過する前に、第2押圧ローラ31を第1搬送ローラ15aに当接させ、第1搬送ローラ15aと第2押圧ローラ31との当接部(ニップ)に、シート先端を搬送する場合、ニップにシート先端がうまく搬送されず、シートジャムが発生するおそれがある。よって、本実施形態においては、第1搬送ローラ15aを一枚目のシート8aの先端が通過してから、第2押圧ローラ31を、第1搬送ローラ15aへ当接させるのである。第2押圧ローラ31を当接するタイミングは、一枚目のシート8aの先端が第1搬送ローラ15aを通過してから、一枚目のシート8aの後端が、搬送ローラ対33を抜けるまでの任意のタイミングでよい。例えば、不図示の制御部は、給紙動作を開始したら、カウントを開始し、カウント値が所定値となったら、第2押圧ローラ31を第1搬送ローラ15a側へ移動させる。この所定値は、給紙動作を開始してから一枚目のシート8aの先端が、確実に搬送ローラ15aを抜けるまでにかかる時間となっている。
【0040】
第2押圧ローラ31と第1搬送ローラ15aとに挟まれた一枚目のシート8aは、第1搬送ローラ15aからの駆動力により、ゲート部材13に向かって規定の給紙速度V1にて搬送され、一枚目のシート8aの先端がゲート部材13に突き当たる。突き当たった状態から、さらに第1搬送ローラ15aと第2押圧ローラ31とからなる第1押込搬送ローラ対により一枚目のシート8aの後端側は下流側に送り込まれることで(過剰送り)、一枚目のシート8aには撓みが形成される(図6参照)。このように、シート先端がゲート部材13に付き当たった状態での過剰送りを行い、シートを撓ませることで、シートの先端のスキュー(斜めずれ)が補正される。
【0041】
次に、不図示の制御部は、図7に示すように、第1押圧ローラ30を、第1レジストローラ14aへ移動(図中矢印F方向)へ移動させ一枚目のシート8aを第1レジストローラ14aと第1押圧ローラ30で挟み込む。また、このとき、搬送ローラ対33には、後続の2枚目のシート8bが搬送されてきており、分岐爪32を、図中反時計回り(図中矢印G方向)に回転させ、分岐爪32の先端を、第1シート搬送経路41側へ位置させる。
【0042】
次に、不図示の制御部は、図8示すように、ゲート部材13を図中矢印H方向へ移動させ、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間の中間位置へ移動させる。また、本実施形態では、ゲート部材13を中間位置へ移動させているが、第2シート搬送経路42まで移動させてもよい。この場合、先に示した押圧偏心カム54の形状、ゲート偏心カム64の形状、押圧偏心カム54とゲート偏心カム64との回転角位相差を適宜設定することにより、容易に実現できる。
【0043】
また、第2押圧ローラ31を、図中矢印I方向へ移動させ、第1搬送ローラ15aと当接する当接位置から、いずれの搬送ローラにも当接しない中間位置へ移動させる。これにより、第1シート搬送経路41内のシート後端付近の押さえが解除され、第1シート搬送経路41内の一枚目シート8aの撓みが無くなり、真っ直ぐの状態に戻る。その結果、第1レジストローラ14aの上流側の位置ずれも修正される。一方、2枚目のシート8bは、分岐爪32と搬送ローラ対33によって第2シート搬送経路42へ搬入される。
【0044】
次に、図9(a)に示すように、不図示の制御部は、転写ベルト10によって運ばれてくる転写ベルト10上のトナー像にタイミングを合わせて、第1レジストローラ14aの回転駆動を開始する。具体的には、転写ベルト10上のトナー像のベルト回転方向先端と一枚目シート8aの搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングで第1レジストローラ14aの駆動を開始し、一枚目シート8aを矢印の方向に規定のプロセス速度V2で搬送する。このプロセス速度V2は、上述した給紙速度V1よりも遅く設定されている。これは、プロセス速度V2を遅くすることで画像品質の向上、部品の長寿命化を図る目的である。従って、スキュー補正後の生産性を、スキュー補正前の生産性とを同じにする場合、プロセス速度V2で搬送されるシート間距離は、給紙速度V1で搬送されるシート間距離よりも短くなる。従って、給紙速度V1で第2シート搬送経路42へ搬送さてきた2枚目のシート8bは、プロセス速度V2で搬送されている1枚目のシート8a後端に追いつく。しかし、本実施形態においては、2つのシート搬送経路41、42を有しているので、2枚目のシート8bが、1枚目のシート8aの後端へ追いついても、重送などの問題が生じることがない。
【0045】
また、シート検知センサ16により、シートの主走査方向の位置が検知され、不図示の制御部は、シート検知センサ16の検知結果に基づいて、図9(b)に示すように、基準搬送線24に対するシートの主走査方向のシートズレ量25を検知する。そして、このシートズレ量25に基づいて、主走査方向移動モータ20の駆動を制御し、ユニットフレーム19に係合したカム部材20aを回転させ、ユニットフレーム19を所定量、主走査方向へ移動させる。これにより、ユニットフレーム19に支持されている第1レジストローラ14a、第1押圧ローラ30が、主走査方向へ移動し、第1レジストローラ14aと第1押圧ローラ30とに挟まれて搬送されている一枚目シート8aが、これらと一緒に主走査方向へ移動する。これにより、一枚目のシート8aの主走査方向(図中矢印26方向)の位置ズレが修正される(図10(b)参照)。
【0046】
また、不図示の制御部は、図10(a)に示すように、2枚目のシート8bが、第2搬送ローラ15bを通過したら、第2押圧ローラ31を第2搬送ローラ15b側(図中矢印J方向)へ移動させ、2枚目のシート8bを、第2押圧ローラ31を第2搬送ローラ15bとで挟み込んで、ゲート部材13に向かって規定の給紙速度V1にて搬送する。
【0047】
次に、図11に示すように、一枚目のシート8aの先端が、タイミングローラ対17のニップに到達し、タイミングローラ対17対により一枚目のシート8aが搬送可能な状態になると、第1レジストローラ14aに一枚目のシート8aを圧接していた第1押圧ローラ30は、第1レジストローラ14aから離間して、第1、第2レジストローラ14a,14bどちらにも当接しない中間位置へ移動する。また、ゲート部材13が、中間位置から第2シート搬送経路42へ移動する。第1押圧ローラ30が中間位置へ移動したら、2枚目のシート8bの主走査方向位置ズレに対応する為に、主走査方向移動モータ20を駆動して、ユニットフレーム19(第1、第2レジストローラ14a,14bおよび第1押圧ローラ30)を、初期位置へ戻す。
【0048】
本実施形態においては、2つのシート搬送経路41、42を備えており、例えば、ゲート部材13のシート突き当て位置のズレにより、それぞれの経路41、42でゲート部材13のシート突き当て位置から、2次転写部までのシート搬送距離の誤差が発生する。シート搬送距離に誤差が生じることにより、転写ベルト10上のトナー像のベルト回転方向先端とシート8の搬送方向先端部の所定位置とが一致しなくなる。また、レジストローラ14a、14bの回転駆動のタイミングが、レジストローラに駆動を伝達するギヤなどのバックラッシュなどにより、シート搬送タイミングのズレが生じることでも、転写ベルト10上のトナー像のベルト回転方向先端とシート8の搬送方向先端部の所定位置とが一致しなくなる。さらに、ゲート部材13から検知センサ16までの搬送経路が、図12に示すように、第1シート搬送経路と第2シート搬送経路とで経路形状が異なると、シートの先端のカールによって、2次転写部への到達時間が、第1シート搬送経路と第2シート搬送経路とで異なる場合もある。このため、本実施形態においては、シート8の搬送タイミングのズレ具合を確認し、タイミングローラ対17の駆動モータの回転速度を補正して、統一タイミングでシートが2次転写部に到達するように制御する。具体的には、不図示の制御部は、画像形成が開始(露光が開始)されたことをトリガーにして、時刻計測をスタートし、合流シート搬送手段としてのタイミングローラ対17のニップ部周辺に設けられた、不図示の先端検知手段がシート8の先端を検知したときの時刻を計測する。この時刻が所定の時刻である場合は、転写ベルト10上のトナー像のベルト回転方向先端とシート8の搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングで、シートが、2次転写部へ搬送されるので、そのまま搬送を行う。一方、この時刻が所定の時刻に対してズレがある場合は、転写ベルト10上のトナー像のベルト回転方向先端とシート8の搬送方向先端部の所定位置とが一致しないタイミングで、シートが2次転写部へ搬送される。このため、タイミング補正手段としての不図示の制御部は、タイミングローラ対17対を駆動するための駆動モータの回転速度を補正する。これにより、転写ベルト10上のトナー像のベルト回転方向先端とシート8の搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングで、シートを2次転写部へ搬送することができる。
【0049】
また、図11に示すように、一枚目のシート8aの後端が第1シート搬送経路41を抜ける前に、2枚目のシート8bの先端がゲート部材13に突き当り、第2搬送ローラ15bと第2押圧ローラ31とで構成された第2押込搬送ローラ対により押し込まれ、撓んだ状態で停止する。これにより、一枚目のシート8aの後端が第1シート搬送経路を抜ける前に、2枚目のシート8bのスキューが補正される。その後、第1押圧ローラ30が、第2レジストローラ14b側へ移動して、第1押圧ローラ30で、2枚目のシート8bを第2レジストローラ14bへ圧接させる。また、第2押圧ローラ31を中間位置へ移動させて、2枚目のシート8bの撓みを解除する。そして、ゲート部材13を、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間の中間位置へ移動させ、一枚目のシート8aの後端が、第1シート搬送経路41を抜けて所定位置まで搬送されるまで、待機状態となる。
【0050】
その後、3枚目のシートが、第1シート搬送経路41へ搬送され、4枚目のシートが第2シート搬送経路42へ搬送されるように、交互にシートが搬送され、上述した動作が繰り返し行われる。
【0051】
本実施形態においては、前のシートのスキュー補正が完了してから、前のシートの後端がスキュー補正機構(ゲート部材13、レジストローラ対、押込搬送ローラ対で構成)のゲート部材13を通過するまでの時間が、スキュー補正に要する時間よりも長い。よって、スキュー補正機構(ゲート部材13、レジストローラ対、押込搬送ローラ対で構成)を備えた2つの搬送経路41、42を設置することにより、前のシートのスキュー補正が完了してから、前のシート後端が、ゲート部材13を抜けるまでの間に、次のシートを、他方の搬送経路へ搬送してスキュー補正行って、待機状態とすることができる。その結果、前のシートの後端が、一方のシート搬送経路を抜けて搬送されたら、直ぐに、次のシートの搬送を開始することができる。これにより、シート間隔を非常に短くして上記2次転写部へ搬送することが可能となる。
【0052】
また、並列配置された第1シート搬送経路41のレジストローラ対の押圧ローラと、第2シート搬送経路42のレジストローラ対の押圧ローラを、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42とで共通で用いる共通化ローラとし、また、第1シート搬送経路41の押込搬送ローラ対の押圧ローラと、第2シート搬送経路42の押込搬送ローラ対の押圧ローラとを、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42とで共通で用いる共通化ローラとすることにより、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間隔を短くすることができる。これにより、シート搬送装置のコンパクト化を図ることができる。
【0053】
また、ゲート部材13と、レジストローラ対の押圧ローラがレジストローラに対して接離する機構と、押込搬送ローラ対の押圧ローラが搬送ローラ15に対して接離する構成を備え、ゲート部材13にシートの先端を突き当て撓ませた後、押圧ローラをレジストローラ14に当接させ、その後、押込搬送ローラ対の押圧ローラを搬送ローラ15から離間させて、撓みを取るような動作を行って、スキューを補正するスキュー補正機構(例えば、特開2008−24507号公報参照)を各シート搬送経路に設けた場合に比べて、押圧ローラ、この押圧ローラを接離させる機構が共通化できるので、部品点数を減らすことができ、省資源化を実現することができる。
【0054】
また、本実施形態では、ゲート部材13を用いた高精度なシートスキュー補正機構について説明したが、ゲート部材13は、無くてもよい。この場合は、予め第1押圧ローラ30を第1レジストローラ14aに圧接してニップ部を形成し、このニップ部にシートを突入させて用紙スキューを補正する。その後、上述と同様に、第2押圧ローラ31を第1搬送ローラ15aから離間し、所定のタイミングで第1レジストローラ14aを駆動し、シートを搬送する。そして、シートの先端がタイミングローラ対17のニップに到達して、タイミングローラ対17でシートが搬送されたら、第1押圧ローラ30を第1レジストローラ14aから離間させ、第2レジストローラ14bに当接させるのである。すなわち、この構成においては、レジストローラ対14が、シート突き当て手段として、機能するのである。
【0055】
また、上記実施形態においては、シート検知センサ16として、ライン型CCDを用いているが、ライン型CCDは、大型であるため、画像形成装置のレイアウトなどの関係で、ライン型CCDを配置するスペースが確保できず、シート検知センサ16として、ライン型CCDを用いることができない場合がある。このような場合、シート検知センサとして、小型のライン型CISを用いることができるが、ライン型CISはセンサが小型ではあるが検知深度が狭いため、本実施形態と同様、ひとつのシート検知センサ16で、第1シート搬送経路41のシートの主走査方向のズレと、第2シート搬送経路42のシートの主走査方向ズレとを検知することができない。このため、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42それぞれにシート検知センサ16を設ける必要があるが、それぞれに設けた場合、装置のコスト高に繋がるという問題が生じる。このため、シート検知センサ16として、ライン型CISを用いる場合は、シート搬送経路が合流する合流シート搬送経路43に配置するのが好ましい。この場合、先の図2に示した構成では、合流シート搬送経路43は、タイミングローラ対17よりも下流側となっている。このため、シート検知センサ16から、2次転写部までの距離が近くなり、シート検知センサ16がシートの主走査方向のズレを検知して、シートの主走査方向のズレを補正するまでの間に、シートが、2次転写部に進入してしまう。よって、シート検知センサ16は、なるべく、2次転写部から離れた位置に設けるのが好ましい。このため、図12に示すように、ゲート部材13の設置位置からタイミングローラ対17の間に、タイミングローラ対17よりも手前側に第1、第2シート搬送経路41、42が合流するように、シートをガイドするガイド部材36を設置する。これにより、タイミングローラ対17より前に、合流シート搬送経路43を形成することができる。その結果、タイミングローラ対17よりも手前側に、ライン型CISのシート検知センサ16を配置しても、良好にシートの主走査方向のズレを検知することができる。また、シート検知センサ16を2次転写部から離すことができ、シートが2次転写部に到達する前に、シートの主走査方向のズレを補正することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、給紙部から搬送ローラ対33までは、一つの搬送経路で、そこから2つの搬送経路に分離しているが、例えば、第1シート搬送経路41と、第2シート搬送経路42とを給紙部まで延ばして、第1シート搬送経路41へ搬送する給紙部と、第2シート搬送経路42へ搬送する給紙部とを設けた構成でもよい。また、この場合、押込搬送ローラ対より上流側に配置された搬送ローラ対の一方のローラを共通化ローラとしてもよい。
【0057】
また、本実施形態においては、レジストローラ対の押圧ローラと、押込搬送ローラ対の押圧ローラとを共通化ローラとしているが、いずれか一方を、共通化ローラとしてもよい。
【0058】
また、本実施形態においては、画像形成装置に本発明のシート搬送装置を用いた例について説明したが、後処理装置、原稿自動搬送装置(ADF)にも本発明のシート搬送装置を用いることができる。
【0059】
以上、本実施形態のシート搬送装置100によれば、搬送されてきたシートのスキューを補正する第1スキュー補正手段たる第1スキュー補正機構を備えた第1シート搬送経路41と、第1シート搬送経路41に対して並列配置され、搬送されてきたシートのスキューを補正する第2スキュー補正手段たる第2スキュー補正機構を備えた第2シート搬送経路42とを有している。また、上記第1シート搬送経路41および上記第2シート搬送経路42よりもシート搬送方向下流側に配置され、上記第1シート搬送経路41と上記第2シート搬送経路42とが合流する合流シート搬送経路43を有している。そして、第1シート搬送経路41および第2シート搬送経路42へ交互にシートを搬送する。かかる構成によれば、上述したように、次工程へのシート搬送間隔を、2つの搬送経路を備えていない構成に比べて、短くすることができる。また、本実施形態のシート搬送装置100は、各シート搬送経路41、42に設けられた搬送ローラ対の一方のローラを、各搬送ローラ対で共通して用いられる共通化ローラとした。かかる構成を備えることにより、上述したように、第2シート搬送経路42を、第1シート搬送経路41に近接配置することができ、シート搬送装置をコンパクト化することができる。また、部品点数を削減でき、装置のコストを抑えることができる。
【0060】
また、各搬送経路に設けられた搬送ローラ対は、回転駆動する駆動ローラと、該駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されており、上記共通化ローラを、従動ローラとした。これにより、共通化ローラを駆動ローラにした場合に比べて、簡単な構成で、搬送ローラ対の一方のローラを共通化することができる。すなわち、共通化ローラを駆動ローラとした場合は、第1シート搬送経路のシートを搬送するときと、第2シート搬送経路のシートを搬送するときとで、それぞれ共通化ローラの回転方向が異なるため、モータの回転方向を切り替える手段などが必要となり、装置構成が複雑になるおそれがある。一方、共通化ローラを従動ローラとした場合、上記のような回転方向を切り替えるための手段が不要であり、簡単な構成にすることができるのである。これにより、共通化ローラを駆動ローラとした場合に比べて、装置のコストアップを抑えることができる。
【0061】
また、本実施形態においては、上記第1スキュー補正機構および上記第2スキュー補正機構は、搬送されてきたシートの先端が突き当る突き当て手段たるゲート部材13と、ゲート部材13よりもシート搬送方向上流側に配置され、スキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送する搬送ローラ対としてのレジストローラ対と、レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側に配置され、上記ゲート部材13に突き当ったシートを搬送して押し込む搬送ローラ対としての押込搬送ローラ対とを備えた構成である。そして、上記レジストローラ対および上記押込搬送ローラ対の少なくとも一方のローラである押圧ローラを、共通化ローラとした。これにより、部品点数を削減でき、装置のコストアップを抑制することができる。また、両方の押圧ローラを共通化することで、さらに、装置のコストアップを抑制することができる。
【0062】
また、共通化ローラは、各搬送経路の搬送ローラ対の非共通化ローラよりも外径が小さい構成にすることにより、第1シート搬送経路と第2シート搬送経路とを近接配置することができ、省スペース化を図ることができる。しかし、共通化ローラが小さいと、シートの先端が搬送ローラ対のニップに進入しにくくなり、シートジャムが発生するおそれがある。このため、共通化ローラを、各搬送経路の搬送ローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成し、共通化ローラは、通常は、いずれの非共通化ローラとも当接しない中間位置に位置し、上記シートの先端が、搬送ローラ対の非共通化ローラ上を通過した後、上記共通化ローラを、上記シートの先端が通過した側の非共通化ローラにシートを挟んで当接させるようにした。これにより、シート先端が、搬送ローラ対のニップに引っ掛かることなく、搬送することができ、シートジャムを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態のシート搬送装置においては、シートの後端が、押込搬送ローラ対よりもシート搬送方向直上流側に配置された搬送ローラ対33を抜ける前に、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラである第2押圧ローラ31を、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラである搬送ローラ15にシートを挟んで当接させる。これにより、シートの後端が、搬送ローラ対33を抜けた後、押込搬送ローラ対によりシートを搬送することができる。そして、シートの先端がゲート部材13に突き当って停止してから、上記レジストローラ対の共通化ローラである第1押圧ローラ30を、上記シートを挟んで、上記レジストローラ対の非共通化ローラであるレジストローラ14に当接させる。これにより、シート先端側(レジストローラ対よりもシート搬送方向下流側)のスキュー補正がなされる。そして、上記第1押圧ローラ30が、上記シートを挟んで、上記レジストローラ14に当接したら、第2押圧ローラ31を、搬送ローラ15との当接位置から中間位置へ移動させる。これにより、シートの撓みが解除され、レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側のスキューが補正される。このように、本実施形態においては、シート全体のスキューを補正することができ、高精度なスキュー補正を行うことができる。また、第2押圧ローラ31を、搬送ローラ15との当接位置から中間位置へ移動させることにより、次のシートが、現在シート搬送中のシート搬送経路とは、異なる搬送経路へ搬送されたとき、この搬送経路に配置された搬送ローラ上をシートの先端が通過してから、第2押圧ローラを当接させることができる。そして、レジストローラ対よりもシート搬送方向直下流に配置されたシート搬送手段たるタイミングローラ対17によりシートが搬送されたら、第1押圧ローラ30を、レジストローラ14との当接位置から、中間位置へ移動させる。これにより、第1押圧ローラ30をレジストローラから離間させても、シートを搬送することができる。また、中間位置に位置させるので、シートの先端が、ゲート部材13に突き当って停止した後、第1押圧ローラ30をレジストローラに当接させることができる。
【0064】
また、第1スキュー補正機構と上記第2スキュー補正機構とで共通のゲート部材13を用いることで、さらに、部品点数を削減でき、装置のコストアップを抑制することができる。
【0065】
また、ゲート部材13を、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間を移動させる突き当て移動手段たるゲート移動機構300として、偏心カム機構を用いた。これにより、偏心カムを回転させることにより、ゲート部材13を、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間を移動させることができる。
【0066】
また、第1スキュー補正機構および第2スキュー補正機構を、搬送されてきたシートの先端が突き当る突き当たり、かつ、スキュー補正後のシートを合流シート搬送経路43へ向けて搬送するレジストローラ対と、レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側に配置され、上記レジストローラ対に突き当ったシートを搬送して押し込む押込搬送ローラ対とで構成してもよい。そして、この場合も、レジストローラ対の一方のローラである押圧ローラおよび上記押込搬送ローラ対の一方のローラである押圧ローラの少なくとも一方を、共通化ローラとした。これにより、部品点数を削減でき、装置のコストアップを抑制することができる。また、両方の押圧ローラを共通化することで、さらに、装置のコストアップを抑制することができる。
【0067】
また、各シート搬送経路に設けられたスキュー補正機構を、レジストローラ対と押込搬送ローラ対とで構成した場合で、押込搬送ローラ対の押圧ローラを共通化ローラとした場合も、この押圧ローラを搬送ローラ15よりも外径が小さい構成にすることにより、第1シート搬送経路と第2シート搬送経路とを近接配置することができ、省スペース化を図ることができる。また、シートの先端が通過してから、押圧ローラを搬送ローラに当接させることで、シートジャムが生じるのを抑制することができる。また、レジストローラ対によりシートが搬送されたら、押込搬送ローラ対の押圧ローラを、上記押込搬送ローラ対の搬送ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させる。これにより、押圧ローラ31を搬送ローラ15から離間させても、シートを搬送することができる。また、押圧ローラ31を、中間位置に位置させるので、シートの先端が、搬送ローラを通過した後、押圧ローラ31を、搬送ローラに当接させることができる。
【0068】
また、各シート搬送経路に設けられたスキュー補正機構を、レジストローラ対と押込搬送ローラ対とで構成した場合で、レジストローラ対の一方のローラである押圧ローラ30を共通化ローラにした場合、レジストローラ対よりもシート搬送方向直下流に配置されたシート搬送手段であるタイミングローラ対17によりシートが搬送されたら、上記押圧ローラ30を、シート搬送中の一方のシート搬送経路に配置されたレジストローラとの当接位置から、他方のシート搬送経路に配置された上記レジストローラとの当接位置へ移動させる。これにより、シート搬送中の一方のシート搬送経路に配置されたレジストローラから押圧ローラを離間させても、シートを搬送することができる。また、他方のシート搬送経路へ搬送されてきたシートの先端をレジストローラ対で突き当てて、スキュー補正を行うことができる。
【0069】
また、共通化ローラを、上記第1シート搬送経路41と上記第2シート搬送経路42との間を移動させる共通化ローラ移動手段たる接離移動機構200を偏心カム機構とすることにより、偏心カムを回転させることにより、共通化ローラを、第1シート搬送経路41と第2シート搬送経路42との間を移動させることができる。
【0070】
また、接離移動機構200の偏心カムである押圧偏心カム54と、ゲート移動機構300の偏心カムであるゲート偏心カム64とを同じ回転軸に固定した。これにより、ひとつの駆動源たる駆動モータにより、ゲート部材13の移動と、共通化ローラの移動とを行うことができる。これにより、押圧偏心カム54と、ゲート偏心カム64とをそれぞれ別の回転軸に固定して、それぞれ別の駆動モータで駆動させる場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0071】
また、ゲート偏心カム64および押圧偏心カム54として、ある回転範囲において同一の曲率を有する偏心カムを用いて、ゲート偏心カム64と、押圧偏心カム54とを、回転方向に位相差を設けて同じ回転軸に固定した。これにより、ゲート部材13が移動しているとき、共通化ローラたるレジストローラ対の押圧ローラ30をある位置に停止させることができたり、これとは、逆に押ローラが移動しているときにゲート部材13をある位置に停止させることができたりする。その結果、ゲート部材13を第1シート搬送経路41から移動させるときに、レジストローラ対の押圧ローラ30を第1シート搬送経路41のレジストローラ14に当接した状態を維持させることができる。また、レジストローラ対の押圧ローラ30を第1シート搬送経路41から移動させるとき、ゲート部材13を第1シート搬送経路42に位置させることができる。
【0072】
また、上記合流シート搬送経路43に設けられた合流シート搬送手段たるタイミングローラ対17の近傍に、シートの先端を検知する先端検知手段を設け、上記先端検知手段の検知結果に基づいて、所定のシート到達タイミングに対するシート到達タイミングのずれ量を検知し、シート到達タイミングのずれ量に基づいて、タイミングローラ対17を制御して、シート到達タイミングのずれを補正するタイミング補正手段としての制御部を備えている。これにより、シートを所定のタイミングで次工程へ搬送することができる。
【0073】
また、シートのシート搬送方向に対して直交する方向である主走査方向の位置ずれを検出するシート位置検知手段たるシート検知センサ16を有している。主走査方向に上記シート面に対して平行に移動可能に設けられた移動可能シート搬送手段たるレジストローラ対を、上記シート検知センサ16の検知結果に基づいて、シート搬送方向に対して直交する方向に移動し、上記シートのシート搬送方向に対して直交する方向の位置を調整する位置調整手段たる制御部を備えた。これにより、シートの主走査方向のズレを補正することができる。
【0074】
上記移動可能シート搬送手段として、レジストローラ対を用いることにより、次工程としての2次転写部にシートが搬送される前に、シートの主走査方向のズレを補正することができる。
【0075】
また、合流シート搬送経路43に設けられた複数のシート搬送手段のうち、最上流に配置された最上流合流シート搬送手段たるタイミングローラ対17よりも手前側で、上記第1シート搬送経路から搬送されてきたシートと、上記第2シート搬送経路から搬送されてきたシートとが合流するようにガイドするガイド部材36を設け、シート検知センサ16を、上記シートが合流する合流点からタイミングローラ対17までの間に設けた。かかる構成を有することにより、シート検知センサ16として、検知深度が狭いライン型CISを用いてもシートの主走査方向一端を良好に検知することができる。また、レジストローラ対の近傍にシート検知センサ16を配置することができ、次工程である2次転写部へシートが到達する前にシートの主走査方向の位置ずれの補正を完了することができる。
【0076】
また、本実施形態の画像形成装置においては、上記したシート搬送装置を備えることにより、スキュー補正後のシート間隔を狭めることができ、生産性を向上することができる。また、装置のコンパクト化や、装置のコストダウンを図ることができる。
【0077】
特に、上記転写手段たるシート転写器9よりシート搬送方向上流側で、上記第1シート搬送経路および上記第1シート搬送経路を合流させることにより、シート搬送間隔を詰めて、シート転写器9へ搬送することができる。これにより、シート転写器9へのシート搬送速度(プロセス速度V2)を、給紙速度V1よりも遅くしても生産性を落とすことなく、高品位な画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0078】
1a,1b,1c,1d:画像形成ユニット
8:シート
9:シート転写器
13:ゲート部材
14a:第1レジストローラ
14b:第2レジストローラ
15a:第1搬送ローラ
15b:第2搬送ローラ
16:シート検知センサ
17:タイミングローラ対
19:ユニットフレーム
30:第1押圧ローラ
31:第2押圧ローラ
32:分岐爪
36:ガイド部材
40:給紙経路
41:第1シート搬送経路
42:第2シート搬送経路
43:合流シート搬送経路
54:押圧偏心カム
64:ゲート偏心カム
100:シート搬送装置
200:接離移動機構
300:ゲート移動機構
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特許2611199号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてきたシートのスキューを補正する第1スキュー補正手段を備えた第1シート搬送経路と、
該第1シート搬送経路に対して並列配置され、搬送されてきたシートのスキューを補正する第2スキュー補正手段を備えた第2シート搬送経路と、
上記第1シート搬送経路および上記第2シート搬送経路よりもシート搬送方向下流側に配置され、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路とが合流する合流シート搬送経路とを備え、
第1シート搬送経路および第2シート搬送経路へ交互にシートを搬送するシート搬送装置において、
各シート搬送経路に設けられた上記シートを搬送する搬送ローラ対の一方のローラを、各搬送ローラ対で共通して用いられる共通化ローラとしたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1のシート搬送装置において、
各搬送経路に設けられた搬送ローラ対は、回転駆動する駆動ローラと、該駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されており、
上記共通化ローラは、従動ローラであることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2のシート搬送装置において、
上記第1スキュー補正手段および上記第2スキュー補正手段は、搬送されてきたシートの先端が突き当る突き当て手段と、該突き当て手段よりもシート搬送方向上流側に配置され、スキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送する搬送ローラ対としてのレジストローラ対と、レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側に配置され、上記突き当て手段に突き当ったシートを搬送して押し込む搬送ローラ対としての押込搬送ローラ対とを備え、
上記レジストローラ対および上記押込搬送ローラ対の少なくとも一方のローラを、上記共通化ローラとしたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項3のシート搬送装置において、
上記レジストローラ対の一方のローラと上記押込搬送ローラ対の一方のローラとを、上記共通化ローラとしたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
請求項3または4のシート搬送装置において、
上記共通化ローラは、各搬送経路の搬送ローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成されており、
上記共通化ローラは、通常は、いずれの非共通化ローラとも当接しない中間位置に位置しており、上記シートの先端が、搬送ローラ対の非共通化ローラ上を通過した後、上記共通化ローラを、上記シートの先端が通過した側の非共通化ローラにシートを挟んで当接させることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項5のシート搬送装置において、
上記レジストローラ対の一方のローラと上記押込搬送ローラ対の一方のローラとを、上記共通化ローラとしたものであり、
シートの後端が、該押込搬送ローラ対に対してシート搬送方向直上流側に配置された搬送ローラ対を抜ける前に、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラにシートを挟んで当接させ、
上記シートの先端が上記突き当て手段に突き当って停止してから、上記レジストローラ対の共通化ローラを、上記シートを挟んで、上記レジストローラ対の非共通化ローラに当接させ、
上記レジストローラ対の共通化ローラが、上記シートを挟んで、上記レジストローラ対の非共通化ローラに当接したら、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させ、
上記レジストローラ対に対してシート搬送方向直下流に配置されたシート搬送手段によりシートが搬送されたら、上記レジストローラ対の共通化ローラを、上記レジストローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項3乃至6いずれかのシート搬送装置において、
上記第1スキュー補正手段と上記第2スキュー補正手段とで共通の突き当て手段を用いたことことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
請求項7のシート搬送装置において、
上記突き当て手段を、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路との間で移動させる突き当て移動手段を備え、
上記突き当て移動手段として、偏心カム機構を用いたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1または2のシート搬送装置において、
上記第1スキュー補正手段および上記第2スキュー補正手段は、ニップに搬送されてきたシートの先端が突き当たり、かつ、スキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送する搬送ローラ対としてのレジストローラ対と、該レジストローラ対よりもシート搬送方向上流側に配置され、上記レジストローラ対に突き当ったシートを搬送して押し込む搬送ローラ対としての押込搬送ローラ対とを備え、
上記レジストローラ対の一方のローラおよび上記押込搬送ローラ対の一方のローラの少なくとも一方を、上記共通化ローラとしたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項10】
請求項9のシート搬送装置において、
上記レジストローラ対の一方のローラと上記押込搬送ローラ対の一方のローラとを、上記共通化ローラとしたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項11】
請求項9または10のシート搬送装置において、
上記押込搬送ローラ対の一方のローラが、共通化ローラであって、
上記押込搬送ローラ対の共通化ローラは、各搬送経路の押込搬送ローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成されており、
上記押込搬送ローラ対の共通化ローラは、通常は、いずれの上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラとも当接しない中間位置に位置しており、上記シートの先端が、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラ上を通過した後、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記シートの先端が通過した側の非共通化ローラにシートを挟んで当接させ、
上記レジストローラ対によりシートが搬送されたら、上記押込搬送ローラ対の共通化ローラを、上記押込搬送ローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、上記中間位置へ移動させることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項12】
請求項9乃至11いずれかのシート搬送装置において、
上記レジストローラ対の一方のローラが、共通化ローラであって、
上記レジストローラ対の共通化ローラは、各搬送経路のレジストローラ対の非共通化ローラに対して接離自在に構成されており、
上記レジストローラ対に対してシート搬送方向直下流に配置されたシート搬送手段によりシートが搬送されたら、上記レジストローラ対の共通化ローラを、シート搬送中の一方のシート搬送経路に配置された上記レジストローラ対の非共通化ローラとの当接位置から、他方のシート搬送経路に配置された上記レジストローラ対の非共通化ローラとの当接位置へ移動させることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項13】
請求項1乃至12いずれかのシート搬送装置において、
上記共通化ローラを、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路との間を移動させる共通化ローラ移動手段を備え、
上記共通化ローラ移動手段として、偏心カム機構を用いたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項14】
請求項8のシート搬送装置において、
上記共通化ローラを、上記第1シート搬送経路と上記第2シート搬送経路との間を移動させる共通化ローラ移動手段として、偏心カム機構を用い、
上記突き当て移動手段の偏心カムと、上記共通化ローラ移動手段の偏心カムとを、回転方向に位相差を設けて、同じ回転軸に固定したことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項15】
請求項14のシート搬送装置において、
突き当て移動手段の偏心カムおよび上記共通化ローラ移動手段の偏心カムとして、ある回転範囲において同一の曲率を有する偏心カムを用い、
上記突き当て移動手段の偏心カムと、上記共通化ローラ移動手段の偏心カムとを、回転方向に位相差を設けて同じ回転軸に固定したことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項16】
請求項1乃至15いずれかのシート搬送装置において、
上記合流搬送経路に設けられた合流シート搬送手段の近傍に、シートの先端を検知する先端検知手段を設け、
上記先端検知手段の検知結果に基づいて、所定のシート到達タイミングに対するシート到達タイミングのずれ量を検知し、該シート到達タイミングのずれ量に基づいて、上記合流シート搬送手段を制御して、シート到達タイミングのずれを補正するタイミング補正手段を備えたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項17】
請求項1乃至16いずれかのシート搬送装置において、
上記シートのシート搬送方向に対して直交する方向の位置ずれを検出するシート位置検知手段と、
シート搬送方向に対して直交する方向、かつ、上記シート面に対して平行に移動可能に設けられた移動可能シート搬送手段を、上記位置検知手段の検知結果に基づいて、シート搬送方向に対して直交する方向に移動し、上記シートのシート搬送方向に対して直交する方向の位置を調整する位置調整手段とを備えたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項18】
請求項17のシート搬送装置において、
上記移動可能シート搬送手段は、上記第1スキュー補正手段および上記第2スキュー補正手段のスキュー補正後のシートを上記合流シート搬送経路へ向けて搬送するレジストローラ対であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項19】
請求項18のシート搬送装置において、
上記合流シート搬送経路に設けられた複数のシート搬送手段のうち、最上流に配置された最上流合流シート搬送手段よりも手前側で、上記第1シート搬送経路から搬送されてきたシートと、上記第2シート搬送経路から搬送されてきたシートとが合流するようにガイドするガイド部材を設け、
上記位置検知手段を、上記シートが合流する合流点から上記最上流合流シート搬送手段までの間に設けたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項20】
像担持体と、
該像担持体上に可視像を形成する画像形成手段と、
シートを搬送するシート搬送手段と、
該シート搬送手段により搬送される該シートに対して該像担持体上の可視像を転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
上記シート搬送手段として請求項1乃至19いずれかのシート搬送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
請求項20の画像形成装置において
上記転写手段よりシート搬送方向上流側で、上記第1シート搬送経路および上記第2シート搬送経路を合流させたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−140228(P2012−140228A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505(P2011−505)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】