説明

シート材搬送装置

【課題】高速大量頁のプリント或はスキャニングに際してシート材の傷、汚れを防止する簡易で安価なシート材搬送装置を提供すること。
【解決手段】シート材を搬送する搬送手段と、シート材を排出する排紙手段と、前記排紙手段より前記シート材搬送方向下流側に配置されているシート材の幅方向を案内支持するガイド部材と、前記排紙手段による前記シート材の排紙動作に応じて前記ガイド部材の出し入れの動作を行うガイド部材駆動手段と、前記ガイド手段が少なくとも前記シート材を支持しない状態になっている前記動作過程において、前記シート材を案内支持する状態で前記シート材と接触をなす前記ガイド手段の案内部位と当接するよう清掃部材が配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材枚数を数えるカウンタ装置やパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリ等の出力信号に従って記録媒体に文字画像等を出力する画像形成装置若しくは高速スキャナ等の記録媒体上の文字画像等を高速に読取り電子ファイル化する画像読取装置或はその複合形態に属する装置に関してのシート材搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート材搬送装置では、自動給紙装置(ASF)に複数枚のシート材がセットされ1枚ずつ分離後、プリンタ、複写機等の画像出力装置においては画像形成部へ、又、スキャナ等の画像読取装置では画像読取部へと上記シート材を給送する構成になっており、所定の画像形成或は画像読取を装置本体内でシート材を搬送しながら実施後、シート材を装置外に排出する。
【0003】
近年、シート材搬送装置装置は、小型、廉価、静粛、使い勝手の良さ等、様々な要素が求められてきて進化し続けているが、今日、取り分け高い生産性を有するものも一方で期待されている。これらの要望に確実に応えられる方式の代表例として、画像形成装置ではインクジェット記録方式或は電子写真方式がある。又、画像読取装置では高速ドキュメントスキャナがある。
【0004】
ここでは、シート材搬送装置としてインクジェットプリンタを代表例としてその従来例を説明する。
【0005】
記録手段としてインクジェット方式を採用することにより、低騒音且つ高速記録が可能であり、又、高画質の記録が可能となる。そして、この場合にインク吐出エネルギーとして熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を設けることにより、ヘッドのコンパクト化が容易であり、製造コストも安価になし得る。更に、インク吐出に際して熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させることにより、高精細な画像を得ることが可能となる等の効果が得られるものであった。
【0006】
このインクジェット記録方式は、上記要望に応える様々なメリットを有しているが、インクを記録媒体に向かって吐出させる記録方式であり、近年は高速大量頁の画像形成が可能となり、如何に記録媒体上に吐出されたインクを高速に乾燥させることができるかということがインクジェット記録方式における大きな課題であった。
【0007】
従来よりインクの乾燥に関しては、大きく2つのアプローチがあった。1つはヒータ等の熱源によってインクを強制的に乾燥させる方法、もう1つは既に排出された記録媒体に対して、次に排出される記録媒体ができるだけ長い時間接触しないような構成を採ることである。前者の方法はコストから見て得策とは言えず、専ら後者の方法が多く提案されている。
【0008】
特許文献1に開示された方法に基づいた構成も上記課題に対しての効果は有効であり、本発明においては、更なる高生産性が要求されるシート材搬送装置での上記課題を解消する構成を提案する。
【0009】
図13はプリンタ装置全体構成、図14はプリンタ装置概略構成、図15はシート材排紙動作図である。
【0010】
図13に示す給紙部1には画像形成前の複数枚のシート材がシート材端面を可動サイドガイド4により規制した状態で積載される。画像形成が装置本体でなされたシート材は、排紙トレイ37の排紙ガイド側板51,52に支持されながら排紙積載される。排紙ガイド52の取付位置が対応するシート材の用紙幅に応じて変更可能となっている。
【0011】
図14及び図16に示すプリンタ装置内部には、画像形成手段のキャリッジ部25、搬送排紙部33、クリーニング部38が収容されている。キャリッジ部25は、図14に示すように記録ヘッド24を取り付けるキャリッジ26と、該キャリッジ26をシート搬送方向と直角方向に往復走査させるためのガイド軸27と、上記キャリッジ26の後端を保持し、記録ヘッド24と記録シート間の距離を維持するガイド28、キャリッジモータ29の駆動をキャリッジ26に伝達するタイミングベルト30、該タイミングベルト30を張設するアイドルプーリ31、記録ヘッド24へ電気基板からのヘッド駆動信号を伝達するためのフレキシブル基板32等を装備している。
【0012】
前記記録ヘッド24は、インクタンクと一体に構成され、キャリッジ26に対して着脱可能(交換可能)となっており、該キャリッジ26と一体となって走査されることにより、プラテン22上を搬送される記録シートにインク像を記録する。
【0013】
搬送排紙部33は、LFローラ14、ピンチローラ15、ピンチローラガイド16、ピンチローラバネ17、LFモータ23、排紙ローラ34、拍車36から構成されており、LFローラ14とピンチローラガイド16に支持されるピンチローラ15がピンチローラバネ17によって所定の押圧力が印加された状態でローラ対を成している。
【0014】
又、排紙ローラ34と拍車36もローラ対を成しており、各々のローラ対はLFモータ23の駆動力により回転できる構成を成している。クリーニング部38は、記録ヘッド24のクリーニングを行うポンプ39と、記録ヘッド24の乾燥を抑えるためのキャップ40及びLFローラ14からの駆動を給紙部1及びポンプ39に切り換える駆動切り換えアーム41等を装備している。上記駆動切り換えアーム41は、給紙時及びクリーニング時以外は図14に示す位置にあり、LFローラ14の軸芯を中心に回転する不図示の遊星ギヤを所定位置で固定しているので、LFローラ14の駆動はポンプ39及び給紙部1へは伝達されない。
【0015】
又、キャリッジ26を移動させることで、駆動切り換えアーム41を図14の矢印A方向に移動させると、LFローラ14の正転・逆転に応じて遊星ギヤが移動し、LFローラ14の正転時に給紙部1に駆動が伝達され、逆転時にポンプ39に駆動が伝達されるように構成されている。記録ヘッド24と対向する側にプラテン22が設けられており、自動給紙装置1より分離されたシート材は、このプラテン22面上に載った状態で記録ヘッド24から吐出されるインクをシート材面上に着弾させられる。プラテン22には吸収体60が埋め込まれている。
【0016】
シート材全面に画像形成を行うフチなしプリントの場合、少なくともシート材領域以上の大きさを有する画像範囲に画像イメージを記録ヘッド24によって形成するため、吸収体60は、シート材領域外で吐出されたインクを吸収し図示せぬ所定箇所にその廃インクを集積する。
【0017】
排紙反転部61は、両面印刷を実現する搬送手段である。自動給紙装置1の圧板6が矢印A方向に回動し、積載されたシート材Pを給紙ローラ2に押し当てると、先端ガイド13が矢印B方向に移動するとともに給紙ローラ2が矢印方向に回転開始してシート材Pを分離する。分離された1枚のシート材Pは、プラテン22上でシート材Pを矢印E方向に搬送しながらシート材P表面に画像形成を行う。画像形成が終了した後、搬送排紙部33のローラ群が逆転駆動するとともに、先端ガイド13は矢印G方向に図示せぬ駆動機構によって移動する。
【0018】
シート材Pは、矢印F方向に搬送されると、排紙反転部61の矢印H方向にシート材Pが収容され宙返りすることで、シート材の先/後端が入れ替ると同時にシート材Pの表裏が逆になる。通常の画像形成動作を再度プラテン22上において実施することで両面印刷が可能となる。
【0019】
図15において、上記構成のプリンタによる画像形成動作は下記の通りである。
【0020】
即ち、自動給紙装置1にセットされた複数枚のシート材から分離されたシート材は、図示のようにプリンタ本体に給送され、上述のキャリッジ部25で画像形成がその表層に実施される。ここで、キャリッジ部25でのキャリッジ26の往復走査に協調しながら搬送排紙部33が適宜画像形成中のシート材Pを所定量ずつ排紙搬送することによりページ全域に渡る画像形成を達成する。
【0021】
【特許文献1】特開平08−091671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記構成によるプリンタによって高速大量頁のプリントを実施する場合、排紙ガイド側板51,52上のシート材Pと接触を成す部位は常にインク等の汚れがなく、且つ、傷、打痕がない摺動性を保っておかないと、シート材裏面に汚れが転写してしまったり、傷、打痕とシート材との機械的な接触により紙粉が大量発生して記録ヘッド周囲に入り込んでしまい、クリーニング部における十分な記録ヘッド表面のクリーニングが維持できずインク吐出不良等を引き起こして画像品位劣化の回避が困難になる等の課題があった。
【0023】
特に、画像形成手段がインクジェット方式のプリンタにおける縁なしプリントの場合では、シート材全周にも記録ヘッドから吐出されたインクが着弾吸収されている。画像形成前に不覚にも大気中の水分を吸湿してしまっているようなシート材がプリンタ給紙部にセットされてしまうと、画像形成に必要な所定量インクを吸収しなければならず、その吸収乾燥には通常よりも多くの時間が必要とされるべきである。
【0024】
しかしながら、シート材全周で十分な乾燥がなされる前に排紙搬送動作によって排紙ガイド側版51,52と接触してしまうと、その接触部位がインクによって汚されてしまうと同時に次に排紙されるシート材裏面にもそのインクが転写してしまう課題があった。
【0025】
又、画像形成手段が電子写真方式の場合では、シート材表面に熱定着されているトナー像は機械的な擦過により、軽微とは言え剥がれ落とされることもあり、両面印刷の時或はにシート材裏面に予め画像形成されたシート材が大量に搬送されると、上述のような排紙ガイド側板との接触部位には擦過によるシート材から剥がれた微量のトナー汚れが堆積し、次なる汚れていないシート材が搬送された場合、そのシート材先端部を汚してしまう等の課題があった。
【0026】
又、上述の記録ヘッド24をスキャナに交換して装置本体が画像読取装置となった場合であっても、電子写真方式で両面に画像形成された複数枚の読取原稿が自動給紙装置1にセットされれば、大量頁に渡るシート材搬送を繰返し行うことになるので、上述の画像形成手段が電子写真方式の場合と同様の課題があった。
【0027】
又、傷、打痕の程度が悪い場合は、シート材裏面に傷を付与したり、紙粉を多く発生してしまうだけに留まらず、シート材が引っ掛かってしまい、排紙搬送動作が不可能な状況となり、画像形成部による記録ヘッドからのインク吐出或はトナー像の転写をし続けてしまう。その後、使用者の紙詰まり処理において二次的に装置本体内部をインクで汚してしまう等の課題があった。
【0028】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的とする処は、高速大量頁のプリント或はスキャニングに際してシート材の傷、汚れを防止する簡易で安価なシート材搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、シート材を搬送する搬送手段と、シート材を排出する排紙手段と、前記排紙手段より前記シート材搬送方向下流側に配置されているシート材の幅方向を案内支持するガイド部材と、前記排紙手段による前記シート材の排紙動作に応じて前記ガイド部材の出し入れの動作を行うガイド部材駆動手段と、前記ガイド手段が少なくとも前記シート材を支持しない状態になっている前記動作過程において、前記シート材を案内支持する状態で前記シート材と接触をなす前記ガイド手段の案内部位と当接するよう清掃部材が配置されていることを特徴とする。
【0030】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シート材上に記録を行う記録手段が、前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする。
【0031】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シート材に記録を行う記録手段と、前記シート材の表裏を反転させる反転手段とが前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする。
【0032】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シート材に記録された画像を読み取る入力手段が、前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする。
【0033】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シート材に記録された画像を読み取る入力手段と、前記シート材の表裏を反転させる反転手段とが前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする。
【0034】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記清掃部材を前記ガイド部材に対し当接した状態で独立可動を行う清掃部材駆動手段を有することを特徴とする。
【0035】
請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記清掃部材と概円筒形状を成すローラ部材とが同一軸上に配置された構成の排紙ローラが前記排紙手段内に具備されており、前記排紙ローラの回転軸方向に隣り合う前記清掃部材と前記ローラ部材において、前記排紙ローラの回転軸から直交する方向への前記清掃部材断面形状の最大距離Hmax は同方向への前記ローラ部材断面形状の最大距離Rmax に対して、
Hmax <Rmax
となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、高速大量頁のカウント、プリント或はスキャニングを行うシート材搬送機能の何れか具備するシート材搬送装置において、シート材の傷、汚れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0038】
本発明の代表的な実施例をインクジェットプリンタにおいて従来例と同様に説明する。具体的な装置構成を図1〜図4に示す。ここで、各説明図における構成要素の符号のうち従来例と同等のものは同一符号で表記する。
【0039】
<実施の形態1>
図1は本発明に係るシート材搬送装置全体図であり、図2及び図3はシート材搬送装置の断面図、図4はシート材搬送装置の動作説明図である。
【0040】
図1に示す給紙部1には、画像形成前の複数枚のシート材がシート材端面を可動サイドガイド4により規制した状態で積載される。画像形成が装置本体でなされたシート材は、排紙トレイ37に落下排紙される。
【0041】
図2及び図3に示すプラテン22の下部には、本発明の特徴である形状部位及び構成部材が配置されている。ガイドホルダ67上に配置され、画像形成動作及び排紙動作時にシート材Pを支持するためのガイド部材63は、プラテン22の下部に形成されるガイド部材カム面65に沿って接触し続けるようバネ66により一方向に加圧されている。ガイド部材63は、対応する用紙サイズに応じて必要個数分複数配置されている。
【0042】
又、ガイドホルダ67にはラックが形成されており、図示せぬモータによりガイド部材駆動手段62のピニオンが回転駆動することで、ガイドホルダ67は、ガイド部材63と共に直線運動可能な構成となっている。清掃部材64は、前記直線運動に応じたガイド部材63上のシート材Pと接触をなす部位と接触をなす位置に配置されている。ここで、清掃手段64は、弾性体或は弾性運動可能な構成で装置本体内に配置されており、ガイド部材63上のシート材Pとの接触部位と摺動をなし得る構成となっている。
【0043】
上記構成から成る本発明の特徴的なシート材搬送装置の動作は下記の通りである。
【0044】
従来例同様に自動給紙装置(ASF)1にて積載シート材から分離されたシート材Pは、プラテン22上に搬送された後、記録ヘッド24から吐出されるインクによってその表面に順次画像が形成される。記録ヘッド24の走査によって画像形成が開始すると、ガイド部材駆動手段62のピニオンが回転駆動してプラテン下部に位置するガイドホルダ67は、シート材Pの搬送排紙方向に向け、装置本体から飛び出す(図3)。ガイド部材63は、プラテン22上で走査している記録ヘッドとシート材Pが接触しないようシート材Pの坐屈防止のためにその裏面側を画像形成終了するまで支持し続ける。
【0045】
そして、次なる画像形成を開始すべくシート材Pがプラテン22上に給紙されるまでの間に、ガイド部材駆動手段62は、逆転駆動してガイド部材63は再びプラテン22の下部に収容される。ガイド部材63は、この動作の繰返しにより清掃手段64との摺動により適宜クリーニングなされるので、たとえ十分な乾燥がなされていないシート材の先端部と接触が発生したとしても、次なるシート材裏面を汚さないことが可能となる。
【0046】
図4に示すように、上記動作によってシート材は、画像形成終了までシート材Pはその自重により坐屈することなく排出される。
【0047】
図5に示すように、画像形成終了まで、シート材Pは、裏面(図4の矢視A方向)側をガイド部材63によって支持されているので、シート材Pの自重による坐屈が発生せず、プラテン22上において記録ヘッド24とシート材は接触することなく画像形成動作が達成できる。
【0048】
上述のように本発明の代表的な実施の形態を記したが、他の実施の形態として下記構成も同様の効果が得られる
<実施の形態2>
図6は本発明に係るシート材搬送装置全体図であり、図7及び図8はシート材搬送装置の断面図、図9はシート材搬送装置の排紙ローラの第1例を示す図、図10はその部分拡大図、図10はシート材搬送装置の排紙ローラの第2例を示す図、図12はその部分拡大図である。
【0049】
図6はシート材搬送装置全体図である。記載するA−B−C−Dにおけるシート材搬送装置の断面図が図7及び図8である。
【0050】
図7及び図8はシート材搬送装置の断面図であり、実施の形態1との違いは清掃部材64の取付箇所であり、その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0051】
各ガイド部材63に対応する位置に清掃部材64が排紙ローラ34の軸上に配置されている(図6)。ガイド部材駆動手段62の正逆転駆動によりガイドホルダ上のガイド部材63は直進運動をする。
【0052】
清掃部材64の断面形状で排紙ローラ34の回転軸から直交する方向への最大距離をHmax とし、ローラ部材68の断面形状で排紙ローラ34の回転軸から直交する方向への最大距離をRmax とした場合、隣り合う清掃部材64とローラ部材68との関係が、
Hmax <Rmax … (1)
となるような排紙ローラ34が採用されている。
【0053】
ここで、前記実施の形態1同様、ガイド部材63と清掃部材64とが接触をなすようなガイド部材カム面65をプラテン22上に形成している。この構成により、シート材Pの裏面がガイド部材63からの汚れを採取した清掃部材64と接触して汚れが転写してしまうことがなく、シート材Pにローラ部材68の搬送力を確実に伝達することが可能となる。
【0054】
ここで、排紙ローラの第1例とその部分拡大図を説明する。
【0055】
図9は排紙ローラ34の全体図であり、複数のローラ部材101,103〜106,108,110,112と清掃部材102,107,109,111が対応するシート材サイズに応じて各々同一軸上に勘合している。この排紙ローラ34の構成は、図10の通りであり、下記式(2)のように前記式(1)なる関係を満足する。
【0056】
Hmax (i)<Rmax (i±1)(i=102,107,109,111)…(2)
よって、本排紙ローラの採用によりガイド部材63によるシート部材の裏汚れが防止できる。
【0057】
又、別の形態の排紙ローラの第2例とその部分拡大図を説明する。
【0058】
図11は排紙ローラ34の全体図であり、複数のローラ部材201,203〜206,208,210,212と清掃部材202,207,209,211が対応するシート材サイズに応じて各々同一軸上に嵌合している。この排紙ローラ34の構成は、図11の通りであり、清掃部材64が凹形状を成すことにより、ガイド部材63のシート材の表面と直交する方向の端面までも清掃することが可能となり、下記式(3)のように前記式(1)なる関係を満足する。
【0059】
Hmax (i)<Rmax (i±1)(i=202,207,209,211)…(2)
よって、本排紙ローラの採用によりガイド部材63によるシート部材の裏汚れがより効果的に防止できる。
【0060】
以上、本発明の代表的な形態をインクジェット記録方式のプリンタを例に図解したが、その他の記録装置は例えば電子写真方式等の場合でも適応できる。又、記録ヘッドを交換してスキャナを搭載した場合やシート材枚数を数えるカウンタ装置、或はその複合形態を有する装置全般において同様の効果を得ることができる。
【0061】
請求項1記載の事例はシート材枚数を数えるカウンタ装置が、請求項2記載の事例は複写機、プリンタが、請求項3記載の事例は前記画像形成機能を有する装置に自動両面手段を具備する装置全般が、請求項4記載の事例はスキャナが、請求項5記載の事例は前記画像読取機能を有する自動両面手段を具備する装置全般に対する請求であるとともに、本発明のシート材を支持するガイド部材の清掃部材の形態に関する請求は請求項6及び請求項7に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態1に係るシート材搬送装置全体図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るシート材搬送装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るシート材搬送装置の断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るシート材搬送装置の動作説明図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るシート材搬送装置の矢視図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るシート材搬送装置全体図である。
【図7】本発明の実施形態2に係るシート材搬送装置の断面図である。
【図8】本発明の実施形態2に係るシート材搬送装置の断面図である。
【図9】本発明の実施形態2における排紙ローラの第1例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態2に係における排紙ローラの第1例を示す図(部分拡大図)である。
【図11】本発明の実施形態2における排紙ローラの第2例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態2における排紙ローラの第2例を示す図(部分拡大図)である。
【図13】従来のシート材搬送装置全体図である。
【図14】従来のシート材搬送装置概略構成図である。
【図15】従来のシート材搬送装置の動作説明図である。
【図16】従来のシート材搬送装置の断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 給紙部:自動給紙装置(ASF)
2 給紙ローラ
3 可動サイドガイド
5 ベース
6 圧板
6b 押し下げ部
6c,6d カム
7 圧板バネ
11 解除レバー
13 先端ガイド
14 LFローラ
15 ピンチローラ
16 ピンチローラガイド
17 ピンチローラバネ
18 PEセンサレバー
19 PEセンサ
22 プラテン
23 LFモータ
24 記録ヘッド
25 キャリッジ部
26 キャリッジ
27 ガイド軸
28 ガイド
29 キャリッジモータ
30 タイミングベルト
31 アイドルプーリ
32 フレキシブル基板
33 搬送排紙部
34 排紙ローラ
36 拍車
37 排紙トレイ
38 クリーニング部
39 ポンプ
40 キャップ
41 駆動切り換えアーム
42 センサ板
43 電気基板
44 ローラセンサ
46 ローラコロ
47 圧板カム
47a 支点
51,52 排紙ガイド側板
53 サブ排紙トレイ
53a ストッパー
60 吸収体
61 排紙反転部
62 ガイド部材駆動手段
63 ガイド部材
64 清掃部材
65 ガイド部材カム面
66 バネ
67 ガイドホルダー
68 ローラ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を搬送する搬送手段と、シート材を排出する排紙手段と、前記排紙手段より前記シート材搬送方向下流側に配置されているシート材の幅方向を案内支持するガイド部材と、前記排紙手段による前記シート材の排紙動作に応じて前記ガイド部材の出し入れの動作を行うガイド部材駆動手段と、前記ガイド手段が少なくとも前記シート材を支持しない状態になっている前記動作過程において、前記シート材を案内支持する状態で前記シート材と接触をなす前記ガイド手段の案内部位と当接するよう清掃部材が配置されていることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
前記シート材上に記録を行う記録手段が、前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のシート材搬送装置。
【請求項3】
前記シート材に記録を行う記録手段と、前記シート材の表裏を反転させる反転手段とが前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のシート材搬送装置。
【請求項4】
前記シート材に記録された画像を読み取る入力手段が、前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のシート材搬送装置。
【請求項5】
前記シート材に記録された画像を読み取る入力手段と、前記シート材の表裏を反転させる反転手段とが前記搬送手段と前記排紙手段との搬送区間内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のシート材搬送装置。
【請求項6】
前記清掃部材を前記ガイド部材に対し当接した状態で独立可動を行う清掃部材駆動手段を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のシート材搬送装置。
【請求項7】
前記清掃部材と概円筒形状を成すローラ部材とが同一軸上に配置された構成の排紙ローラが前記排紙手段内に具備されており、前記排紙ローラの回転軸方向に隣り合う前記清掃部材と前記ローラ部材において、前記排紙ローラの回転軸から直交する方向への前記清掃部材断面形状の最大距離Hmax は同方向への前記ローラ部材断面形状の最大距離Rmax に対して、
Hmax <Rmax
となることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のシート材搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−219229(P2006−219229A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−32439(P2005−32439)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】