説明

シート状ワーク連続処理装置およびシート状ワーク連続処理方法

【課題】連続処理中にシート状ワークが切断した場合でも、その復旧を容易に行うことができるとともに、シート状ワークの折り返し回数を最小限に抑えることができるシート状ワーク連続処理装置を提供すること。
【解決手段】アルミニウム箔連続処理装置100においては、複数の長尺のアルミニウム箔Fを、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列させた状態で長手方向に連続的に繰り出す。また、繰り出した複数のアルミニウム箔Fを、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態のまま、エッチング液貯留部35に貯留されたエッチング液L3中を連続的に通過させる。アルミニウム箔Fは、エッチング液貯留部35に対して入側スリット351sから入って出側スリット352sから出る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用のアルミニウム箔等のシート状ワークを連続的に処理するシート状ワーク連続処理装置、およびシート状ワーク連続処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
長尺のシート状ワークを連続的に処理するシート状ワーク連続処理装置として代表的な装置としては、アルミニウム電解コンデンサ用のアルミニウム箔等を塩酸等の処理液中で電解する連続エッチング装置がある。かかる連続エッチング装置では、アルミニウム箔の移動方向に沿って複数のローラーを水平姿勢で配置し、かかるローラーによってアルミニウム箔の移動経路を規定する。また、エッチング槽内の底部に水平姿勢で配置したローラーによってアルミニウム箔を上下方向に何回も折り返すように移動させ、その間にアルミニウム箔をエッチングする(特許文献1参照)。
【0003】
また、アルミニウム電解コンデンサ用の陽極箔を製造する連続化成装置でも、同様に、アルミニウム箔の移動方向に沿って複数のローラーを水平姿勢で配置し、かかるローラーによってアルミニウム箔の移動経路を規定する。また、化成槽内の底部に水平姿勢で配置したローラーによってアルミニウム箔を上下方向に何回も折り返すように移動させ、その間にアルミニウム箔を化成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−59827号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の連続エッチング装置や連続化成装置のように、水平姿勢で配置したローラーによってアルミニウム箔を上下方向に何回も折り返す構成のシート状ワーク連続処理装置では、アルミニウム箔(シート状ワーク)が切断した場合、エッチング槽内や化成槽内のローラーにアルミニウム箔を再び、通すのに多大な手間がかかるという問題点がある。
【0006】
また、従来の連続エッチング装置や連続化成装置のように、水平姿勢で配置したローラーによってアルミニウム箔を上下方向に何回も折り返す構成の場合、アルミニウム箔の品質が低下するという問題点がある。例えば、連続エッチング装置の場合、ローラーによって折り返す部分では、電極が対向していない無電解エッチング状態になって無駄な溶解が発生し、エッチング倍率が低下する。また、連続化成装置の場合、ローラーによって折り返す部分では、化成膜(陽極酸化膜)に過大な負荷が加わってクラックが発生し、かかるクラックは漏れ電流が増大する原因となる。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、連続処理中にシート状ワークが切断した場合でも、その復旧を容易に行うことができるとともに、シート状ワークの折り返し回数を最小限に抑えることができるシート状ワーク連続処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るシート状ワーク連続処理装置は、複数の長尺のシート状ワークが幅方向を上下方向に向けて互いに並列した状態で長手方向に連続的に繰り出されるワーク繰り出し部と、前記ワーク繰り出し部から繰り出された前記複数のシート状ワークが幅方向を上下方向に向けて互いに並列した状態で連続的に通過する処理液が貯留された処理液貯留部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るシート状ワーク連続処理方法は、複数の長尺のシート状ワークを、幅方向を上下方向に向けて互いに並列させた状態で長手方向に連続的に繰り出し、繰り出した前記複数のシート状ワークを、幅方向を上下方向に向けて互いに並列した状態で処理液貯留部に貯留された処理液中に連続的に通過させることを特徴とする。
【0010】
本発明における「シート状ワーク」とは、ワークが薄い部材であることを意味し、その厚さについては、例えば、数μmのフィルム状のものから、数100μmの板状のものまで含む意味であって、厚さ寸法に限定はない。また、本発明における「連続的に繰り出される」とは、シート状ワークが停止せずに繰り出される構成の他、一時停止を行う場合等、間欠的に繰り出される場合も含む意味である。
【0011】
本発明に係るシート状ワーク連続処理装置およびシート状ワーク連続処理方法では、複数の長尺のシート状ワークを、幅方向を上下方向に向けて互いに並列させた状態で連続的に繰り出し、この状態のまま、処理液中に連続的に通過させる。このため、水平姿勢で配置したローラーによってシート状ワークを上下方向に何回も折り返すことがないので、シート状ワークが切断した場合でも、処理液中にシート状ワークを再び通すのに多大な手間を必要としない。また、シート状ワークは、幅方向を上下方向に向けているため、処理液中への出入りのためにローラー等によって何回も折り返す必要がない。それ故、シート状ワークの折り返し回数を最小限に抑えることができるので、シート状ワークの折り返しに起因する品質低下を抑えることができる。また、本発明では、水平姿勢で配置したローラーによってシート状ワークを処理液中で上下方向に何回も折り返す場合と比較して、処理液内に同時に浸漬されるシート状ワークの長さが短くなるが、複数のシート状ワークを同時に処理するので、生産性の著しい低下を回避することができる。
【0012】
本発明において、前記処理液貯留部は、前記シート状ワークの移動方向の上流側で前記シート状ワークが通る入側スリットを備えた入側壁部分と、前記シート状ワークの移動方向の下流側で前記シート状ワークが通る出側スリットを備えた出側壁部分と、前記シート状ワークの厚さ方向の両側で対向する側壁部分と、前記シート状ワークの下方に位置する底壁部分と、を備えていることが好ましい。幅方向を上下方向に向けてシート状ワークを移動させながら処理する場合、処理液貯留部にシート状ワークが入る箇所、および処理液貯留部からシート状ワークが出る箇所からの処理液の漏れが発生するが、処理液貯留部にシート状ワークが入る箇所、および処理液貯留部からシート状ワークが出る箇所をスリット状にすれば、処理液の漏れを少なく抑えることができる。
【0013】
本発明において、前記処理液貯留部に前記処理液を供給する処理液供給装置と、前記処理液貯留部から漏れ出た前記処理液を回収する処理液回収装置と、を有していることが好ましい。かかる構成によれば、処理液が入側スリットおよび出側スリットから漏れる分は、処理液供給装置から補給することができるので、処理液の液面の所定位置に維持することができる。また、処理液回収装置を有しているため、処理液の無駄な消費を防止することができる。
【0014】
本発明において、前記処理液回収装置で回収された前記処理液を前記処理液貯留部に還流させる処理液還流経路が構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、処理液貯留部から漏れた処理液を処理液貯留部に戻すことができるので、処理液の液面を所定位置に維持するのが容易である。
【0015】
本発明において、前記ワーク繰り出し部は、上下方向に延在する中心軸線周りに回転しながら前記シート状ワークを繰り出す縦置きの繰り出しロールを複数備え、前記シート状ワークの移動経路の下流側には、上下方向に延在する中心軸線周りに回転しながら前記シート状ワークを巻き上げる縦置きの巻き上げロールを複数備えたワーク巻き上げ部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、幅方向を上下方向に向けてシート状ワークを移動させながら処理する場合でも、シート状ワークの繰り出し、およびシート状ワークの巻き上げを効率よく行うことができる。
【0016】
本発明において、前記処理液貯留部には、前記シート状ワークの移動方向と交差する方向で対向する3枚以上の電極が配置され、前記シート状ワークは、前記3枚以上の電極のうち、互いに対向し合う電極の間を1枚ずつ通過して電解処理が施される構成を採用することができる。かかる構成によれば、シート状ワークに対して電解処理を行うことができる。
【0017】
この場合、前記3枚以上の電極のうち、両端に配置された電極間に交流電流を印加して前記複数のシート状ワークの各々の両面に交流電解を行なうことが好ましい。かかる構成によれば、電極に対する配線等を簡素に行うことができる。
【0018】
本発明において、前記3枚以上の電極のうち、前記シート状ワークを間に挟んで対向する2つの電極に交流電流を印加して前記複数のシート状ワークの各々の両面に交流電解を行なう構成を採用してもよい。
【0019】
本発明において、前記電極と前記シート状ワークとの間に直流電流を印加して前記複数のシート状ワークの各々の両面に直流電解を行なう構成を採用してもよい。
【0020】
本発明において、前記シート状ワークの移動経路に沿って前記処理液貯留部が複数設けられ、前記複数の処理液貯留部のうち、一部の処理液貯留部において前記複数のシート状ワークの各々に交流電解が行われ、他の一部の処理液貯留部において前記複数のシート状ワークの各々に直流電解が行われることが好ましい。かかる構成によれば、一台のシート状ワーク連続処理装置によって、シート状ワークに対する交流電解と直流電解とを連続して行うことができる。
【0021】
本発明は、前記シート状ワークがアルミニウム電解コンデンサ用のアルミニウム箔である場合に適用すると特に効果的である。この場合、例えば、シート状ワークに対する電解としてエッチング処理や化成処理を行う。かかる構成によれば、連続エッチングの際、ローラーによる折り返し部分で発生する無電解エッチング状態を防止することができるので、エッチング倍率を高めることができる。また、連続化成の際、ローラーによる折り返し部分で化成膜(陽極酸化膜)にクラックが発生することを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るシート状ワーク連続処理装置およびシート状ワーク連続処理方法では、複数の長尺のシート状ワークを、幅方向を上下方向に向けて互いに並列させた状態で連続的に繰り出し、この状態のまま、処理液中に連続的に通過させる。このため、シート状ワークが切断した場合でも、処理液中にシート状ワークを再び通すのに多大な手間を必要としない。また、シート状ワークは、幅方向を上下方向に向けているため、処理液中への出入りのためにローラー等によって何回も折り返す必要がない。それ故、シート状ワークの折り返し回数を最小限に抑えることができるので、シート状ワークの折り返しに起因する品質低下を抑えることができる。また、本発明では、複数のシート状ワークを同時に処理するので、幅方向を上下方向に向けてシート状ワークが移動する構成であっても、生産性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置の全体構成を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置のエッチング処理部等の構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置の洗浄処理部に設けた洗浄液貯留部の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。
【図4】本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置の化成処理部等の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照して、本発明を適用したシート状ワーク連続処理装置およびシート状ワーク連続処理方法を説明する。なお、以下の説明では、シート状ワークとして、アルミニウム電解コンデンサ用のアルミニウム箔に各種処理を行う場合を例示する。また、以下に参照する図面において、互いに交差する三方向(X方向、Y方向およびZ方向)のうち、アルミニウム箔の幅方向(上下方向)をZ方向とし、繰り出し部からアルミニウム箔が繰り出される方向をX方向とし、繰り出し部からアルミニウム箔が繰り出される際のアルミニウム箔の幅方向をY方向として説明する。また、アルミニウム箔の移動方向については矢印Dで示す。
【0025】
(全体構成)
図1は、本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置の全体構成を模式的に示す平面図である。図1に示すアルミニウム箔連続処理装置100は、アルミニウム電解コンデンサ用のアルミニウム箔Fにエッチング処理、洗浄処理、および化成処理を連続的に行うシート状ワーク連続処理装置である。かかるアルミニウム箔連続処理装置100には、アルミニウム箔Fの搬送経路に沿って上流側から下流側に向けて、繰り出し部20(ワーク繰り出し部)、エッチング処理部30、洗浄処理部40、化成処理部50、乾燥部60および巻き上げ部70(ワーク巻き上げ部)がこの順に設けられている。エッチング処理部30と洗浄処理部40との間には、アルミニウム箔Fの搬送方向を直角に屈曲させるガイドローラー95が配置されている。洗浄処理部40と化成処理部50との間には、アルミニウム箔Fの搬送方向を直角に屈曲させるとともに、アルミニウム箔Fに給電を行う給電ローラー69が配置されている。
【0026】
本形態のアルミニウム箔連続処理装置100において、アルミニウム箔Fは、長尺状(帯状)のまま連続的に処理される。また、本形態にアルミニウム箔連続処理装置100において、アルミニウム箔Fは複数が同時に処理される。以下の説明では、複数のアルミニウム箔Fとして、3つのアルミニウム箔F1、F2、F3が同時に処理される例を説明する。
【0027】
(アルミニウム箔繰り出し部20の構成)
図2は、本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置100のエッチング処理部30等の構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は、エッチング処理部30における電極等の配置を模式的に示す平面図、およびエッチング処理部30に設けたエッチング液貯留部の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。
【0028】
図1および図2において、本形態のアルミニウム箔連続処理装置100において、繰り出し部20は、矢印Raで示すように、上下方向に延在する中心軸線La周りに回転しながらアルミニウム箔Fを繰り出す3つの繰り出しロールR(繰り出しロールR1、R2、R3)が縦置き姿勢で配置されている。かかる繰り出しロールR1、R2、R3は各々、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態でアルミニウム箔F(アルミニウム箔F1、F2、F3)を長手方向に連続的に繰り出す。なお、繰り出しロールRからのアルミニウム箔Fの繰り出しは、例えば、繰り出し部20の後段に設けられた駆動ローラー11や、駆動ローラー11より後段に設けられた駆動ローラ(図示せず)等の駆動装置からアルミニウム箔Fに加えられた力等によって行われる。
【0029】
(エッチング処理部30の構成)
エッチング処理部30には、アルミニウム箔Fの搬送経路に沿って上流側から下流側に向けて、第1エッチング処理部311、エッチング液洗浄処理部312、および第2エッチング処理部313がこの順に設けられている。第1エッチング処理部311と、エッチング液洗浄処理部312とは略同一の構成を有しており、エッチング液洗浄処理部312は、後述する洗浄処理部40と略同一の構成を有している。
【0030】
エッチング処理部30は、未エッチングのアルミニウム箔Fに対して塩酸その他の添加剤を含むエッチング液L3中で交流エッチングするエリアである。このため、第1エッチング処理部311および第2エッチング処理部313のいずれにも、複数のアルミニウム箔Fが幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態で連続的に通過するエッチング液貯留部35が設けられており、かかるエッチング液貯留部35にはエッチング液L3が貯留されている。
【0031】
エッチング液貯留部35は、アルミニウム箔Fの移動方向の上流側でアルミニウム箔Fが通る入側スリット351sを備えた入側壁部分351と、アルミニウム箔Fの移動方向の下流側でアルミニウム箔Fが通る出側スリット352sを備えた出側壁部分352と、アルミニウム箔Fの厚さ方向(Y方向)の両側で対向する一対の側壁部分353と、アルミニウム箔Fの下方に位置する底壁部分355とを備えている。本形態において、側壁部分353および底壁部分355は、FRP等からなる耐食性の板材により構成されている。
【0032】
入側壁部分351は、入側スリット351sを構成する部分以外、FRP等からなる耐食性の板材351pにより塞がれている。出側壁部分352も、入側壁部分351と同様、出側スリット352sを構成する部分以外は、FRP等からなる耐食性の板材352pにより塞がれている。
【0033】
かかる構成のエッチング液貯留部35では、エッチング液L3が漏れるのを完全に阻止することは困難である。そこで、本形態では、エッチング液貯留部35にエッチング液L3を供給するエッチング液供給装置36と、エッチング液貯留部35から漏れ出たエッチング液L3を回収するエッチング液回収装置37と、エッチング液回収装置37で回収されたエッチング液L3をポンプ391によりエッチング液貯留部35に還流させるエッチング液還流経路39(処理液還流経路)とが構成されている。エッチング液供給装置36は、調合されたエッチング液L3を貯留しておくタンク361と、ポンプ362とを備えている。なお、エッチング液還流経路39については、エッチング液回収装置37で回収されたエッチング液L3を調整した後、エッチング液供給装置36を介してエッチング液貯留部35に還流させる経路として構成してもよい。
【0034】
第1エッチング処理部311および第2エッチング処理部313のいずれにおいても、エッチング液貯留部35には、アルミニウム箔Fの移動方向(X方向)と交差する方向(Y方向)で対向する複数の電極33(エッチング用電極)が配置されており、アルミニウム箔Fは、複数の電極33のうち、互いに対向し合う電極33の間を1枚ずつ通っている。本形態において、複数の電極33は、4枚の電極331、332、333、334からなり、最も両側の電極331、334は、エッチング液貯留部35の一対の側壁部分353に保持されている。従って、3枚のアルミニウム箔Fのうち、アルミニウム箔F1は電極331、332の間を通り、アルミニウム箔F2は電極332、333の間を通り、アルミニウム箔F3は電極333、334の間を通っている。
【0035】
電極33(電極331、332、333、334)は、カーボン等、エッチング時に電食されない材質から構成されている。また、本形態では、4つの電極33のうち、最も両側の電極331、334に交流が印加され、内側の他の電極332、333には給電が行われず、電極332、333は電気的にフローティング状態にある。かかる構成において、電極331、334には正負における波形が対象な交流電流が印加される。その結果、3枚のアルミニウム箔Fはいずれも、両面が交流電解(交流エッチング)され、その実質的な面積の拡大が行われる。かかる構成によれば、4つの電極33のうち、両側に配置された電極331、334以外の電極332、333、およびアルミニウム箔Fには、給電を行なわなくてもよい。このため、装置構成を簡素化することができる。また、一部の電極33のみに配線を接続すればよいので、電極33の交換等のメンテナンスの際、多大な手間がかからない。さらに、一部の電極33のみに配線を接続すればよいので、各電極33への配線抵抗等のバランスが崩れるという事態が発生しない。それ故、アルミニウム箔Fに対するエッチング電流密度が安定している。
【0036】
(洗浄処理部40の構成)
図3は、本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置100の洗浄処理部40に設けた洗浄液貯留部の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。図1および図3において、洗浄処理部40には、エッチング処理部30でエッチングされたアルミニウム箔F(エッチング箔Fe)がシャワー91により洗浄された後、供給される。洗浄処理部40には、複数の洗浄処理部411〜417と、予備乾燥部42と、熱処理部43とが設けられている。複数の洗浄処理部411〜417のうち、洗浄処理部411、417は純水中にアルミニウム箔Fを通す純水洗浄処理部であり、洗浄処理部413、415は酸やアルカリ等のケミカル洗浄液中にアルミニウム箔Fを通すケミカル洗浄処理部であり、洗浄処理部412、416はシャワーによる純水洗浄処理部である。
【0037】
洗浄処理部411、413、415、417は基本的な構造が同一であり、図3に示すように、複数のアルミニウム箔Fが幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態で連続的に通過する洗浄液貯留部45が設けられている。かかる洗浄液貯留部45には洗浄液L4が貯留されている。
【0038】
洗浄液貯留部45は、アルミニウム箔Fの移動方向の上流側でアルミニウム箔Fが通る入側スリット451sを備えた入側壁部分451と、アルミニウム箔Fの移動方向の下流側でアルミニウム箔Fが通る出側スリット452sを備えた出側壁部分452と、アルミニウム箔Fの厚さ方向(Y方向)の両側で対向する一対の側壁部分453と、アルミニウム箔Fの下方に位置する底壁部分455とを備えている。本形態において、側壁部分453および底壁部分455は、FRP等からなる耐食性の板材により構成されている。
【0039】
入側壁部分451は、入側スリット451sを構成する部分以外、FRP等からなる耐食性の板材451pにより塞がれている。出側壁部分452も、入側壁部分451と同様、出側スリット452sを構成する部分以外は、FRP等からなる耐食性の板材452pにより塞がれている。
【0040】
かかる構成の洗浄液貯留部45では、洗浄液L4が漏れるのを完全に阻止することは困難である。そこで、本形態では、洗浄液貯留部45に洗浄液L4を供給する洗浄液供給装置46と、洗浄液貯留部45から漏れ出た洗浄液L4を回収する洗浄液回収装置47と、洗浄液回収装置47で回収された洗浄液L4をポンプ491により洗浄液貯留部45に還流させる洗浄液還流経路49(処理液還流経路)とが構成されており、洗浄液供給装置46は、洗浄液L4を貯留しておくタンク461と、ポンプ462とを備えている。なお、洗浄液還流経路49については、洗浄液回収装置47で回収された洗浄液L4を洗浄液供給装置46を介して洗浄液貯留部45に還流させる経路として構成してもよい。
【0041】
(化成処理部50の構成)
図4は、本発明に係るアルミニウム箔連続処理装置100の化成処理部50等の構成を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、化成処理部50における電極等の配置を模式的に示す平面図、および化成処理部50に設けた化成液貯留部の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。
【0042】
図1および図4において、化成処理部50には、アルミニウム箔Fの搬送経路に沿って上流側から下流側に向けて、4つの化成処理部511、512、513、514が設けられており、化成処理部514の下流側には乾燥部60が設けられている。化成処理部50において、化成処理部511、512の間には純水洗浄処理部521、液中デポライゼーション部522、および純水洗浄処理部523がこの順に設けられ、化成処理部512、513の間には純水洗浄処理部524、液中デポライゼーション部525、および純水洗浄処理部526がこの順に設けられている。また、化成処理部513、514の間には、純水洗浄処理部527および熱処理部54がこの順に設けられ、化成処理部514と乾燥部60との間には純水洗浄処理部528、529がこの順に設けられている。
【0043】
かかる化成処理部50において、純水洗浄処理部521、523、524、526、528、529、および液中デポライゼーション部522、525の構成は、洗浄処理部40と同様、図3を参照して説明した構成を有している。また、4つの化成処理部511、512、513、514は略同一の構成を有している。
【0044】
化成処理部50(化成処理部511、512、513、514)は、エッチング処理部30でエッチングされたアルミニウム箔F(エッチング箔Fe)に対してアジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液、ホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液L5中で化成(直流電解/陽極酸化)を行うエリアである。化成処理部50には、複数のアルミニウム箔Fが幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態で連続的に通過する化成液貯留部55が設けられており、かかる化成液貯留部55には化成液L5が貯留されている。
【0045】
化成液貯留部55は、アルミニウム箔Fの移動方向の上流側でアルミニウム箔Fが通る入側スリット551sを備えた入側壁部分551と、アルミニウム箔Fの移動方向の下流側でアルミニウム箔Fが通る出側スリット552sを備えた出側壁部分552と、アルミニウム箔Fの厚さ方向(Y方向)の両側で対向する一対の側壁部分553と、アルミニウム箔Fの下方に位置する底壁部分555とを備えている。本形態において、側壁部分553および底壁部分555は、ステンレス等の耐食性の板材により構成されている。
【0046】
入側壁部分551は、入側スリット551sを構成する部分以外、FRPやステンレス等からなる耐食性の板材551pにより塞がれている。出側壁部分552も、入側壁部分551と同様、出側スリット552sを構成する部分以外は、FRPやステンレス等からなる耐食性の板材552pにより塞がれている。
【0047】
かかる構成の化成液貯留部55では、化成液L5が漏れるのを完全に阻止することは困難である。そこで、本形態では、化成液貯留部55に化成液L5を供給する化成液供給装置56と、化成液貯留部55から漏れ出た化成液L5を回収する化成液回収装置57と、化成液回収装置57で回収された化成液L5をポンプ591により化成液貯留部55に還流させる化成液還流経路59(処理液還流経路)とが構成されており、化成液供給装置56は、調合された化成液L5を貯留しておくタンク561と、ポンプ562とを備えている。なお、化成液還流経路59については、化成液回収装置57で回収された化成液L5を化成液供給装置56を介して化成液貯留部55に還流させる経路として構成してもよい。
【0048】
また、化成処理部511、512、513、514のいずれにおいても、化成液貯留部55には、アルミニウム箔Fの移動方向(X方向)と交差する方向(Y方向)で対向する複数の電極53が配置されており、アルミニウム箔Fは、複数の電極53のうち、互いに対向し合う電極53の間を1枚ずつ通っている。本形態において、複数の電極53は、4枚の電極531、532、533、534からなり、最も両側の電極531、534は、化成液貯留部55の一対の側壁部分553に保持されている。従って、3枚のアルミニウム箔Fのうち、アルミニウム箔F1は電極531、532の間を通り、アルミニウム箔F2は電極532、533の間を通り、アルミニウム箔F3は電極533、534の間を通っている。
【0049】
ここで、アルミニウム箔Fは、電極53(電極531、532、533、534)に比して高電位とされる。より具体的には、アルミニウム箔Fには給電ローラー69によりグランド電圧が印加され、電極53(電極531、532、533、534)には負の電位が印加された構成が採用される。あるいは、アルミニウム箔Fには給電ローラー69により正の電圧が印加され、電極53(電極531、532、533、534)にはグランド電位が印加された構成が採用される。従って、3枚のアルミニウム箔Fはいずれも、両面が直流電解(陽極酸化)されて化成箔Ffとなり、かかる化成箔Ffの両面には誘電体層(酸化アルニウム)が形成されている。
【0050】
(巻き上げ部70の構成)
図1および図4(b)において、本形態のアルミニウム箔連続処理装置100において、巻き上げ部70は、矢印Qaで示すように、上下方向に延在する中心軸線Lb周りに回転しながらアルミニウム箔Fを巻き上げる3つの巻き上げロールQ(巻き上げロールQ1、Q2、Q3)が配置されている。巻き上げロールQ1、Q2、Q3と繰り出しロールR1、R2、R3とは一対一の関係を有しており、巻き上げロールQ1、Q2、Q3は各々、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態で移動してくるアルミニウム箔F(アルミニウム箔F1、F2、F3)を各々巻き上げる。より具体的には、巻き上げロールQ1は、繰り出しロールR1から繰り出されたアルミニウム箔F1を巻き上げ、巻き上げロールQ2は、繰り出しロールR2から繰り出されたアルミニウム箔F2を巻き上げ、巻き上げロールQ3は、繰り出しロールR3から繰り出されたアルミニウム箔F3を巻き上げる。
【0051】
(本形態における処理動作)
本形態のアルミニウム箔連続処理装置100においては、繰り出し部20から複数の長尺のアルミニウム箔F(未エッチング箔)を、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列させた状態で長手方向に連続的に繰り出す。また、繰り出した複数のアルミニウム箔Fを、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態のまま、エッチング液L3、洗浄液L4、および化成液L5の中を連続的に通過させながら、エッチング処理、洗浄処理、および化成処理を行う。その結果、巻き上げ部70では、幅方向を上下方向(Z方向)に向けた状態のまま、3つのアルミニウム箔Fは各々、化成箔Ffとして巻き上げられる。
【0052】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のアルミニウム箔連続処理装置100においては、複数の長尺のアルミニウム箔Fを、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列させた状態で長手方向に連続的に繰り出す。また、繰り出した複数のアルミニウム箔Fを、幅方向を上下方向(Z方向)に向けて互いに並列した状態のまま、エッチング液L3、洗浄液L4、および化成液L5の中を連続的に通過させながら、エッチング処理、洗浄処理、および化成処理を行う。このため、水平姿勢で配置したローラーによってアルミニウム箔Fを上下方向に何回も折り返すことがないので、アルミニウム箔Fが切断した場合でも、処理液中にアルミニウム箔Fを再び通すのに多大な手間を必要としない。
【0053】
また、アルミニウム箔Fは、幅方向を上下方向に向けているため、処理液への出入りの際、ローラー等によって上下方向に折り返す必要がなく、アルミニウム箔Fの折り返し回数を最小限に抑えることができる。それ故、アルミニウム箔Fの折り返しに起因する品質低下を抑えることができる。例えば、エッチング処理部30において連続エッチングを行う際、ローラーによる折り返し部分で発生する無電解エッチング状態を防止することができるので、エッチング倍率を高めることができる。また、化成処理部50において連続化成を行う際、ローラーによる折り返し部分で化成膜(陽極酸化膜)にクラックが発生することを防止することができる。また、アルミニウム箔Fの折り返し回数が少ないので、アルミニウム箔Fとして150μm〜200μmの厚さのものを用いた場合でも、アルミニウム箔Fに過大な力が加わらない。それ故、150μm〜200μm程度の厚いアルミニウム箔Fの場合でも、箔切れが発生しない。
【0054】
また、本形態では、水平姿勢で配置したローラーによってアルミニウム箔Fを上下方向に何回も折り返す場合と比較して、処理液(エッチング液L3、洗浄液L4、化成液L5)内に同時に浸漬されるアルミニウム箔Fの長さが短くなるが、複数のアルミニウム箔Fを同時に処理するので、生産性の著しい低下を回避することができる。
【0055】
また、処理液貯留部(エッチング液貯留部35、洗浄液貯留部45、化成液貯留部55)において、アルミニウム箔Fは入側スリット(入側スリット351s、451s、551s)から入って出側スリット(出側スリット352s、452s、552s)から出る。このため、幅方向を上下方向に向けてアルミニウム箔Fを移動させながら処理する場合、処理液貯留部にアルミニウム箔Fが入る箇所、および処理液貯留部からアルミニウム箔Fが出る箇所から処理液の漏れが発生するが、本形態では、処理液貯留部にアルミニウム箔Fが入る箇所、および処理液貯留部からアルミニウム箔Fが出る箇所がスリット状であるので、処理液の漏れを少なく抑えることができる。
【0056】
また、本形態では、処理液貯留部(エッチング液貯留部35、洗浄液貯留部45、化成液貯留部55)に処理液を供給する処理液供給装置(エッチング液供給装置36、洗浄液供給装置46、化成液供給装置56)が設けられているため、処理液が処理液貯留部から漏れる分だけは、処理液供給装置に処理液を補給することができる。それ故、処理液の液面の所定位置に維持することができる。また、処理液回収装置(エッチング液回収装置37、洗浄液回収装置47、化成液回収装置57)を有しているため、処理液の損失を防止することができる。さらに、処理液回収装置で回収された処理液を処理液貯留部に還流させる処理液還流経路(エッチング液還流経路39、洗浄液還流経路49、化成液還流経路59)が構成されているため、処理液貯留部から漏れた処理液を処理液貯留部に戻すことができる。それ故、処理液の液面を所定位置に維持するにあたっての処理液の消費を少なく抑えることができる。
【0057】
さらに、繰り出し部20は、上下方向に延在する中心軸線周りに回転しながらアルミニウム箔Fを繰り出す縦置きの繰り出しロールRを複数備え、巻き上げ部70は、上下方向に延在する中心軸線周りに回転しながらアルミニウム箔Fを巻き上げる縦置きの巻き上げロールQを複数備えている。このため、幅方向を上下方向に向けてアルミニウム箔Fを移動させながら処理する場合でも、アルミニウム箔Fの繰り出し、およびアルミニウム箔Fの巻き上げを効率よく行うことができる。
【0058】
さらにまた、本形態のアルミニウム箔連続処理装置100においては、アルミニウム箔Fの移動経路に沿って処理液貯留部が複数設けられ、複数の処理液貯留部のうち、一部の処理液貯留部(エッチング液貯留部35)において複数のアルミニウム箔Fの各々に交流電解が行われ、他の一部の処理液貯留部(化成液貯留部55)において複数のアルミニウム箔Fの各々に直流電解が行われる。このため、一台のアルミニウム箔連続処理装置100によって、アルミニウム箔Fに対する交流電解と直流電解とを行うことができる。
【0059】
[他の実施の形態]
上記実施の形態に係るアルミニウム箔連続処理装置100においては、一台でエッチング処理、洗浄処理、化成処理の全てを行ったが、1台でエッチング処理と洗浄処理とを行う構成(連続エッチング装置)や、化成処理と洗浄処理とを行う構成のアルミニウム箔連続処理装置(連続化成装置)等に本発明を適用してもよい。
【0060】
上記実施の形態に係るアルミニウム箔連続処理装置100においては、交流電解として交流エッチングを行い、直流電解として化成(陽極酸化)を行ったが、交流電解として交流エッチングを行い、直流電解として直流エッチングを行うアルミニウム箔連続処理装置(連続エッチング装置)に本発明を適用してもよい。
【0061】
上記実施の形態に係るアルミニウム箔連続処理装置100においては、交流エッチングを行うにあたって、電極33(電極331、332、333、334)のうち、最も両側の電極331、334のみに交流を印加したが、電極331、332、333、334に交流電流を供給する一方、アルミニウム箔Fをグランド電位に設定してもよい。あるいは、電極33(電極331、332、333、334)とアルミニウム箔Fとの間に交流を印加してもよい。
【0062】
上記実施の形態に係るアルミニウム箔連続処理装置100においては、エッチング処理部30および化成処理部50の途中においてローラーによる屈曲部分が一切なかったが、アルミニウム箔Fの品質に大幅な低下が発生しない程度であれば、エッチング処理部30および化成処理部50の途中においてローラーによる屈曲部分を設けてもよい。より具体的には、ローラーによる屈曲部分の数が3回以下であれば、アルミニウム箔Fの品質低下を小さく抑えることができる。
【0063】
上記実施の形態に係るアルミニウム箔連続処理装置100においては、アルミニウム箔Fに対する連続処理装置に本発明を適用したが、シート状ワークとして、アルミニウム箔その他の金属箔や、プラスチック製シート等に対して電解、あるいは電解以外の処理を施す連続処理装置等に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0064】
20 繰り出し部(ワーク繰り出し部)
30 エッチング処理部
33 電極(エッチング用電極)
35 エッチング液貯留部(処理液貯留部)
36 エッチング液供給装置(処理液供給装置)
37 エッチング液回収装置(処理液回収装置)
39 エッチング液還流経路(処理液還流経路)
40 洗浄処理部
45 洗浄液貯留部(処理液貯留部)
46 洗浄液供給装置(処理液供給装置)
47 洗浄液回収装置(処理液回収装置)
49 洗浄液還流経路(処理液還流経路)
50 化成処理部
53 電極(化成用電極)
55 化成液貯留部
56 化成液供給装置(処理液供給装置)
57 化成液回収装置(処理液回収装置)
59 化成液還流経路(処理液還流経路)
70 巻き上げ部(シート状ワーク巻き上げ部)
100 アルミニウム箔連続処理装置(シート状ワーク連続処理装置)
351s、451s、551s 入側スリット
351、451、551 入側壁部分
352s、452s、552s 出側スリット
352、452、552 出側壁部分
F アルミニウム箔(シート状ワーク)
Q 巻き上げロール
R 繰り出しロール
L3 エッチング液(処理液)
L4 洗浄液(処理液)
L5 化成液(処理液)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の長尺のシート状ワークが幅方向を上下方向に向けて互いに並列した状態で長手方向に連続的に繰り出されるワーク繰り出し部と、
前記ワーク繰り出し部から繰り出された前記複数のシート状ワークが幅方向を上下方向に向けて互いに並列した状態で連続的に通過する処理液が貯留された処理液貯留部と、
を有することを特徴とするシート状ワーク連続処理装置。
【請求項2】
前記処理液貯留部は、前記シート状ワークの移動方向の上流側で前記シート状ワークが通る入側スリットを備えた入側壁部分と、前記シート状ワークの移動方向の下流側で前記シート状ワークが通る出側スリットを備えた出側壁部分と、前記シート状ワークの厚さ方向の両側で対向する側壁部分と、前記シート状ワークの下方に位置する底壁部分と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項3】
前記処理液貯留部に前記処理液を供給する処理液供給装置と、
前記処理液貯留部から漏れ出た前記処理液を回収する処理液回収装置と、
を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項4】
前記処理液回収装置で回収された前記処理液を前記処理液貯留部に還流させる処理液還流経路が構成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項5】
前記ワーク繰り出し部は、上下方向に延在する中心軸線周りに回転しながら前記シート状ワークを繰り出す縦置きの繰り出しロールを複数備え、
前記シート状ワークの移動経路の下流側には、上下方向に延在する中心軸線周りに回転しながら前記シート状ワークを巻き上げる縦置きの巻き上げロールを複数備えたワーク巻き上げ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項6】
前記処理液貯留部には、前記シート状ワークの移動方向と交差する方向で対向する3枚以上の電極が配置され、
前記シート状ワークは、前記3枚以上の電極のうち、互いに対向し合う電極の間を1枚ずつ通過して電解処理が施されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項7】
前記3枚以上の電極のうち、両端に配置された電極間に交流電流を印加して前記複数のシート状ワークの各々の両面に交流電解を行なうことを特徴とする請求項6に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項8】
前記3枚以上の電極のうち、前記シート状ワークを間に挟んで対向する2つの電極に交流電流を印加して前記複数のシート状ワークの各々の両面に交流電解を行なうことを特徴とする請求項6に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項9】
前記電極と前記シート状ワークとの間に直流電流を印加して前記複数のシート状ワークの各々の両面に直流電解を行なうことを特徴とする請求項6に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項10】
前記シート状ワークの移動経路に沿って前記処理液貯留部が複数設けられ、
前記複数の処理液貯留部のうち、一部の処理液貯留部において前記複数のシート状ワークの各々に交流電解が行われ、他の一部の処理液貯留部において前記複数のシート状ワークの各々に直流電解が行われることを特徴とする請求項6乃至9の何れか一項に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項11】
前記シート状ワークは、アルミニウム電解コンデンサ用のアルミニウム箔であることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一項に記載のシート状ワーク連続処理装置。
【請求項12】
複数の長尺のシート状ワークを、幅方向を上下方向に向けて互いに並列させた状態で長手方向に連続的に繰り出し、繰り出した前記複数のシート状ワークを、幅方向を上下方向に向けて互いに並列した状態で処理液貯留部に貯留された処理液中に連続的に通過させることを特徴とするシート状ワーク連続処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−144794(P2012−144794A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5303(P2011−5303)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】