説明

シート状片の重ね置き装置

【課題】 複数のシート状片をより正確に重ね置きさせるシート状片の重ね置き装置を提供する。
【解決手段】 シート状片を搬送する第一搬送ライン1及び第二搬送ライン10を備え、各搬送ライン1、10で1枚ずつのシート状片を搬送させ、第二搬送ライン10で搬送されるシート状片を第一搬送ライン1で搬送されるシート状片に重ね置きさせるシート状片の重ね置き装置Kにおいて、第一搬送ライン1で搬送されるシート状片の移動経路にその下側から進出して第一搬送ライン1のシート状片を停止させる下ストッパ20と、第二搬送ライン10の先端14に至ったシート状片を停止させる上ストッパ15と、第二搬送ライン10で搬送されるシート状片を吸着する吸着位置及び吸着したシート状片を第一搬送ライン1で停止させられているシート状片に載置する載置位置の2位置間を移動する吸着体40と、吸着体40を上記2位置間で移動させる移動部50とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のシート状片の重ね置き装置に係り、例えば、シート状片として2枚のシート状食パン片の間にクリームやジャムなどのフィリングを密封状に介在させたシート状食品を製造する際に、搬送される1枚毎のシート状食パン片に他の1枚のシート状食パン片を重ね置きさせるシート状片の重ね置き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、シート状食品として、2枚のシート状食パン片の間にフィリングを介在させた菓子パンが知られており、これは、図16及び図17に示す菓子パン製造装置Saにより、先ず、この装置Saに備えられたシート状片の重ね置き装置Kaにより、耳付シート状食パンW1の間にフィリングFを挟んだ菓子パン中間品W2を形成し、その後、シート状食品用抜き型装置Naにより、外周部分を切り離すことにより製造されている(例えば、特許第3941062号公報に掲載)。
【0003】
図16乃至図18に示すように、この菓子パン製造装置Saにおいて、シート状片の重ね置き装置Kaは、耳付きシート状食パン片W1を搬送する第一搬送ライン1と、第一搬送ライン1の搬送方向と同一で且つ第一搬送ライン1の横から見て第一搬送ライン1の搬送方向に対して下り傾斜となる搬送方向に耳付きシート状食パン片W1を搬送し先端14側が第一搬送ライン1の途中箇所の特定高さ位置に配置される第二搬送ライン10とを備えており、第一搬送ライン1の耳付きシート状食パン片W1の上面にフィリング供給装置FaによってフィリングFを供給し、これに第二搬送ライン10の耳付きシート状食パン片W1を重ね置きして菓子パン中間品W2を形成する。
次に、この菓子パン中間品W2をシート状食品用抜き型装置Naに移載し、ここで菓子パン中間品W2の周囲圧着予定部位を下側抜き型110と上側抜き型180とで挟み付けて圧着し、一定時間後圧着解除して、2枚の耳付きシート状食パン片W1の周囲圧着予定部位を圧着するとともに、該周囲圧着部位より外側の部位をこれの内方部位から切り離している。
【0004】
従来、シート状片の重ね置き装置Kaは、図16,図17(A)及び図18に示すように、第一搬送ライン1には、耳付きシート状食パン片W1の移動経路にその下側から上に進出して第一搬送ライン1で搬送される耳付きシート状食パン片W1の前端に当接して耳付きシート状食パン片W1を一時的に停止させる下ストッパ300が設けられており、また、第二搬送ライン10には、第二搬送ライン10の先端14に至った耳付きシート状食パン片W1を停止させる上ストッパ301が設けられている。このシート状片の重ね置き装置Kaを用いて2枚の耳付きシート状食パン片W1を重ね置きさせるときは、各搬送ライン1、10で1枚ずつの耳付きシート状食パン片W1を搬送させる。第二搬送ライン10では、第二搬送ライン10の先端14に至ったシート状片が上ストッパ301によって停止させられる。そして、第一搬送ライン1では、第二搬送ライン10の先端14側が配置されている第一搬送ライン1の途中箇所に耳付きシート状食パン片W1が至ったことをセンサ302が検知し、このセンサ302の検知に基づいて下ストッパ300が耳付きシート状食パン片W1の移動経路にその下側から上に進出し、この下ストッパ300によって耳付きシート状食パン片W1が一時的に停止させられる。下ストッパ300が進出すると、第二搬送ライン10の上ストッパ301は、耳付きシート状食パン片W1の停止を解除する。これにより、第二搬送ライン10で搬送される耳付きシート状食パン片W1が斜め下方に降下して、第一搬送ライン1で搬送され下ストッパ300によって停止させられている耳付きシート状食パン片W1に重ね置きさせられる。
【0005】
また、シート状食品用抜き型装置Naは、図16及び図17(B)に示すように、第一搬送ライン1の先端側前方に設けられる下側抜き型110及び上側抜き型180を備えている。この下側抜き型110は、無端状の搬送手段100に一定距離間隔で複数装着され、上側抜き型180は、搬送手段100の上方に形成され往復移動機構160により前後へ往復移動する案内支持体170に上下動可能に設けられている。このシート状食品用抜き型装置Naを用いてシート状片の重ね置き装置Kaにより耳付きシート状食パン片W1が2枚重ね置きされた菓子パン中間品W2の外周部をこれの内方部位から切り離すときは、菓子パン中間品W2を第一搬送ライン1で搬送し、下側抜き型110の型面110aに搬送手段100の上流側で第一搬送ライン1からの菓子パン中間品W2を受け取り載置させ、受け取った菓子パン中間品W2を下側抜き型110に載置させた状態で前方へ搬送させつつ、且つ案内支持体170を前方へ移動させながら上側抜き型180を降下させることにより、上側抜き型180と下側抜き型110とで菓子パン中間品W2を挟み付けた圧着状態になすとともに、圧着状態を一定時間継続させた後に圧着状態を解除させる。この圧着解除状態では、2枚の耳付きシート状食パン片W1の周囲圧着予定部位が圧着されるとともに、該周囲圧着部位より外側の部位がこれの内方部位から切り離された状態となる。
【0006】
【特許文献1】特許第3941062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この従来のシート状片の重ね置き装置においては、図18に示すように、第二搬送ライン10で搬送される耳付きシート状食パン片W1の前端に当接する上ストッパ301が停止解除する際、耳付きシート状食パン片W1の前端が摩擦や粘着等で上ストッパ301によって持ち上げられて耳付きシート状食パン片W1が撓むことがあり、そのため、第二搬送ライン10から第一搬送ライン1へ耳付きシート状食パン片W1が降下するタイミングと下ストッパ300が下に退出して第一搬送ライン1の耳付きシート状食パン片W1が再び移動し始めるタイミングとが狂って、2枚の耳付きシート状食パン片W1を正確に重ね置きできないことがあった。また、第二搬送ライン10は、第一搬送ライン1の横から見て第一搬送ライン1の搬送方向に対して下り傾斜となっているので、第二搬送ライン10で搬送される耳付きシート状食パン片W1の前端は、第一搬送ライン1で搬送される耳付きシート状食パン片W1に対して斜めに降下するようになり、そのため、例えば、比較的厚みのあるフィリングFを供給した場合、特に、フィリングFの厚さが3mm以上の場合、第二搬送ライン10で搬送される耳付きシート状食パン片W1を重ね置きする際にフィリングFの厚さによってズレることがあり、2枚の耳付きシート状食パン片W1を正確に重ね置きできないことがあった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、複数のシート状片をより正確に重ね置きさせるシート状片の重ね置き装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明のシート状片の重ね置き装置は、シート状片を搬送する第一搬送ラインと、該第一搬送ラインの搬送方向と同一で且つ上記第一搬送ラインの横から見て該第一搬送ラインの搬送方向に対して下り傾斜となる搬送方向にシート状片を搬送し先端側が上記第一搬送ラインの途中箇所の特定高さ位置に配置される第二搬送ラインとを備え、上記各搬送ラインで1枚ずつのシート状片を搬送させ、上記第二搬送ラインにより搬送された1枚のシート状片を上記第一搬送ラインの搬送途中で該第一搬送ラインにより搬送される1枚毎のシート状片に重ね置きさせるシート状片の重ね置き装置において、上記第一搬送ラインのシート状片の移動経路にその下側から上に進出して該第一搬送ラインで搬送されるシート状片の前端に当接して該シート状片を一時的に停止させる下ストッパと、上記第二搬送ラインに設けられ該第二搬送ラインの先端に至ったシート状片を停止させる上ストッパと、上記第二搬送ラインの先端側上方に設けられ該第二搬送ラインで搬送され上記上ストッパで停止させられたシート状片を吸着する吸着位置及び該吸着したシート状片を上記第一搬送ラインで搬送され上記下ストッパで一時的に停止させられたシート状片に載置する載置位置の2位置間を移動する吸着体と、該吸着体を上記2位置間で移動させる吸着体移動部とを備えた構成としている。
【0010】
本装置により、2枚のシート状片を重ね置きさせるときは、第一搬送ラインと第二搬送ラインとにシート状片を供給し、各搬送ラインを作動させてシート状片を搬送させる。第二搬送ラインでは、第二搬送ラインで搬送されるシート状片が第二搬送ラインの先端に至ると、上ストッパによりその移動が停止させられる。一方、第一搬送ラインでは、第一搬送ラインで搬送されるシート状片が所定位置に至ると、下ストッパが進出させられ、この下ストッパがシート状片の前端に当接して、シート状片が一時的に停止させられる。
【0011】
この状態において、吸着体は、先ず、吸着位置に位置し、第二搬送ラインの先端に停止させられているシート状片を吸着する。吸着後、吸着体は、シート状片を吸着した状態で、吸着体移動部により吸着位置から載置位置に移動させられ、載置位置で吸着を終了して吸着していたシート状片を、第一搬送ラインで搬送され下ストッパで一時的に停止させられているシート状片に載置して重ね置きする。
【0012】
これにより、吸着体を吸着位置と載置位置との2位置間で移動させて、即ち、この吸着体によって、第二搬送ラインで搬送されるシート状片を吸着位置で吸着して移動させ、第一搬送ラインで搬送されるシート状片に載置位置で重ね置きするので、第二搬送ラインのシート状片を単に斜め下方に降下させて直接第一搬送ラインのシート状片に重ね置きするという従来の技術に比較して、重ね置きする際のタイミングが狂うことがなく、そのため、2枚のシート状片をより正確に重ね置きさせることができる。また、吸着体によって重ね置きすることにより、例えば、第一搬送ラインで搬送されるシート状片に対して垂直方向上方から第二搬送ラインで搬送されるシート状片を載置させることができ、そのため、例えば、第二搬送ラインのシート状片を重ね置きする前に第一搬送ラインで搬送されるシート状片にフィリングを置き、このフィリングを挟んで2枚のシート状片を重ね置きする場合でも、又、この場合に比較的厚みのあるフィリングであっても、2枚のシート状片を正確に重ね置きさせることができる。
【0013】
そして、必要に応じ、上記吸着体移動部を、上記吸着体をその吸着位置の上方及び上記載置位置の上方において上下に進退動させる吸着体進退動機構と、上記吸着体を揺動させ、又、必要に応じて搬送方向前後に直進させて該吸着体を上記吸着位置の上方位置及び上記載置位置の上方位置の2位置間で移動させるようにした位置決め機構とを備えた構成としている。また、必要に応じ、上記位置決め機構は、上記吸着体を揺動させる揺動機構と、該揺動機構を上記シート状片の搬送方向前後に直進移動させる直進移動機構とを備えた構成としている。
【0014】
位置決め機構により、吸着体は、吸着位置の上方位置及び載置位置の上方位置の2位置間で移動させられる。位置決め機構は揺動機構を備えているので、吸着体を吸着位置の上方位置から載置位置の上方位置へ移動させるとき、吸着体は揺動させられ、そのため、第一搬送ラインと第二搬送ラインとが夫々横から見て異なる傾斜角度に形成されていても、吸着体は夫々の傾斜角度に対応する角度で位置決めすることができる。また、直進移動機構により、揺動機構は、吸着位置の上方位置及び載置位置の上方位置の2位置間をシート状片の搬送方向前後に直進移動させられる。
位置決め機構は揺動機構と直進移動機構とを備えているので、揺動機構の直進移動と同時に揺動機構が吸着体を揺動させることができ、従って、ライン設計にあわせてこれら両機構による揺動の動作と直進移動の動作とを任意に組み合わせた動作により、吸着体を吸着位置の上方位置及び載置位置の上方位置の2位置間で移動させることができる。
そして、吸着位置の上方位置及び載置位置の上方位置に位置させられた吸着体は、吸着体進退動機構により、上下に進退動させられる。吸着体が上下に進退動することにより、吸着位置の上方位置及び載置位置の上方位置から第二搬送ライン及び第一搬送ラインで夫々搬送される各シート状片近傍まで吸着体を進出させてシート状片を吸着及び載置させることができ、そのため、より確実にシート状片を吸着及び載置させることができる。
【0015】
更に、必要に応じ、上記吸着体を、ベース板と、該ベース板に設けられ上記シート状片をエアの噴出又は吸引により生じさせる吸引力で吸引する吸着板とを備えて構成し、上記ベース板に上記吸着板の周囲において該ベース板から垂下し先端が上記シート状片に刺衝する複数の刺衝体を設けた構成としている。
これにより、吸着体でシート状片を吸着するときは、シート状片を、吸着板に生じるエアの噴出又は吸引による吸引力で吸引して吸着する。このとき、ベース板から垂下している刺衝体の先端が、シート状片の吸着板に当接しない部位に刺衝するようになり、そのため、上記の吸着板に生じる吸引力と刺衝体の刺衝により、確実に吸着体でシート状片を吸着することができる。また、刺衝体によって、吸着位置で吸着を開始してから載置位置で吸着を終了するまでシート状片が吸着板に対してズレることが防止されるので、吸着していたシート状片を載置位置で載置する際、目標とする位置に確実に載置でき、そのため、2枚のシート状片を正確に重ね置きさせることができる。
【0016】
更にまた、必要に応じ、上記第一搬送ラインで搬送されるシート状片が所定位置に至ったことを検知するセンサを備え、該センサの検知に基づいて、上記シート状片の後端後方において該シート状片の移動経路にその下側から上に進出し、上記シート状片の後端を前方に押圧して上記下ストッパに該シート状片の前端を押し付ける位置決めフィンガと、該位置決めフィンガを駆動させるフィンガ駆動部とを備えた構成としている。
これにより、第一搬送ラインで搬送されるシート状片が所定位置に至ると、これをセンサが検知し、このセンサの検知に基づいて、フィンガ駆動部により位置決めフィンガが駆動させられる。この位置決めフィンガは、シート状片の後端後方において、シート状片の移動経路にその下側から上に進出し、シート状片の後端を前方に押圧する。押圧されたシート状片は、第一搬送ラインの搬送方向前方に押し出され、前端が下ストッパに当接して押し付けられる。そのため、第一搬送ラインで搬送されるシート状片を、確実に載置位置に位置させることができる。
【0017】
そしてまた、必要に応じ、上記フィンガ駆動部は、上記吸着体が上側のシート状片を下側のシート状片に載置して重ね置きした後、該重ね置きされた一対のシート状片の後端を前方に押圧して上記下ストッパに該一対のシート状片の前端を押し付けるように上記位置決めフィンガを駆動する機能を備えた構成としている。
これにより、載置位置で、吸着体が上側のシート状片の吸着を終了して下側のシート状片に載置して重ね置きした後、フィンガ駆動部により位置決めフィンガが駆動させられ、この位置決めフィンガと下ストッパにより、重ね置きされた一対のシート状片が前後に挾持されるようになる。吸着体で2枚のシート状片を重ね置きした後、更に2枚のシート状片の重ね位置を調整するので、重ね置きした際、多少上下のシート状片間にずれがあっても、これが修正され、上下のシート状片が確実に合致するようになり、そのため、より一層2枚のシート状片を正確に重ね合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のシート状片の重ね置き装置によれば、第二搬送ラインで搬送されその先端で上ストッパにより停止させられるシート状片と、第一搬送ラインで搬送され所定位置で下ストッパによりその前端が当接して停止させられるシート状片とを重ね合わせる際、吸着体が、吸着位置で第二搬送ラインのシート状片を吸着し、吸着後、吸着位置から吸着位置の上方位置及び載置位置の上方位置を経由して載置位置に移動して、載置位置で吸着していたシート状片の吸着を終了して第一搬送ラインのシート状片に載置して重ね置きするので、重ね置きする際のタイミングが狂うことがなく、そのため、2枚のシート状片をより正確に重ね置きさせることができる。また、吸着体によって2枚のシート状片を重ね置きするので、例えば、第一搬送ラインのシート状片に対して真上から第二搬送ラインのシート状片を載置させることができ、そのため、例えば、第一搬送ラインのシート状片にフィリングを置き、2枚のシート状片を、比較的厚みのあるフィリングを挟んで重ね置きする場合でも、2枚のシート状片を正確に重ね置きさせることができる。例えば、5〜8mmの厚さのシート状片を使用する場合にフィリングを3mm以上の厚みとしてもよく、より具体的には5〜20mmの厚みのフィリングを挟むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置を説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。本重ね置き装置は、例えば、菓子パンの製造装置に用いられる。この菓子パンの製造装置においては、図1乃至図15に示すように、2枚のシート状片としての耳付シート状食パン片W1の間にフィリングFを介在させた菓子パンW3を製造するものであり、先ず、本重ね置き装置Kにより、耳付シート状食パン片W1の間にフィリングFを挟んだ菓子パン中間品W2を形成し、その後、シート状食品用抜き型装置Nにより、外周部分Waを切り離すことにより菓子パンW3を製造する。尚、本実施の形態は、本発明の最適実施態様の一つを示すものであり、これに本発明の範囲を限る趣旨ではない。
【0020】
本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置Kが用いられる菓子パンの製造装置Sにおいては、図1に示すように、第一搬送ライン1,第二搬送ライン10及びシート状片としての耳付シート状食パン片W1を重ね置きするシート状片の重ね置き装置Kが二列並んで設けられており、これに対応して一つのシート状食品用抜き型装置Nにおいて、搬送手段100及び受け渡し部120が二列並んで設けられている例について説明する。
【0021】
図1において、符号2及び11は何れも食パンスライス送出装置で、3斤分の棒状食パンWを供給して、この棒状食パンWを、例えば、8mm〜15mm程度の厚さの耳付シート状食パン片W1にスライスするスライサ3、12と、スライスされた耳付シート状食パン片W1を1枚ずつ連続的に送り出す送出機構4、13とを備えて構成されている。
【0022】
そして、図1及び図2に示すように、2つの食パンスライス送出装置2の夫々から第一搬送ライン1が前方へ向けて直線状且つ水平状に延出されており、また、他の2つの食パンスライス送出装置11の夫々から第二搬送ライン10が前方へ向けて直線状且つ上り傾斜状に延出され第一搬送ライン1よりも数十cm程度高い位置に導かれた後に水平状に延出されてから夫々第一搬送ライン1へ向かって直角に折れて横方へ水平状に導かれ、夫々第一搬送ライン1の上方まで延出される。その後、第二搬送ライン10は、夫々第一搬送ライン1上方で直角に前方へ向けて折れてから直線状且つ下り傾斜状に延出してその先端14が第一搬送ライン1の途中箇所上方の特定高さ位置に配置されている。この第一搬送ライン1と第二搬送ライン10とは、具体的には、何れも上記の耳付シート状食パン片W1を載置して連続又は間歇搬送することができる搬送コンベアである。
【0023】
ところで、各第一搬送ライン1の途中には、各第二搬送ライン10の先端14が各第一搬送ライン1上方の特定高さ位置に配置されている箇所より後方(上流)において、フィリング供給装置Faが設けられている。各フィリング供給装置Faは、例えば、ピーナッツクリームやタマゴフィリング等のフィリングFを収容して、フィリングFを第一搬送ライン上の所定位置へ到達した耳付シート状食パン片W1の上面に供給するものである。
【0024】
そして、図1及び図2に示すように、各第一搬送ライン1の途中でフィリング供給装置Faのフィリング供給位置よりも下流側で各第二搬送ライン10の前方先端14が合流する箇所には、フィリングFを載置した1枚の耳付シート状食パン片W1を載せた菓子パン中間品W2を形成するシート状片の重ね置き装置Kが設けられている。
【0025】
このシート状片の重ね置き装置Kは、図1乃至図8に示すように、第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1が所定位置に至ったことをセンサ検知し、このセンサの検知に基づいて作動して、第二搬送ライン10により搬送された1枚の耳付シート状食パン片W1を第一搬送ライン1の搬送途中で第一搬送ライン1により搬送される1枚毎の耳付シート状食パン片W1に重ね置きさせるものである。
【0026】
詳しくは、図1乃至図8に示すように、シート状片の重ね置き装置Kは、第一搬送ライン1に設けられ第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1が所定位置に至ったことを検知するセンサ5と、このセンサ5の検知に基づいて上下に進退動し耳付シート状食パン片W1の移動経路にその下側から上に進出して第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1の前端に当接して耳付シート状食パン片W1を一時的に停止させる下ストッパ20と、第二搬送ライン10に設けられ第二搬送ライン10の先端14に至った耳付シート状食パン片W1を停止させる上ストッパ15と、第二搬送ライン10の先端14側上方に設けられ第二搬送ライン10で搬送され上ストッパ15で停止させられた耳付シート状食パン片W1を吸着する吸着位置U及び吸着した耳付シート状食パン片W1を第一搬送ライン1で搬送され下ストッパ20で一時的に停止させられた耳付シート状食パン片W1に載置する載置位置Dの2位置間で移動する吸着体40と、この吸着体40を吸着位置U及び載置位置Dの2位置間で移動させる吸着体移動部50とを備えて構成されている。
【0027】
下ストッパ20は、図2乃至図6に示すように、幅狭の無端搬送コンベアベルトで構成した第一搬送ライン1の両側、若しくは、相互に間隔を空けた複数本の無端搬送コンベアベルトで構成した第一搬送ライン1の各搬送コンベアベルトの間隔に、その下側から上に進出して、進出後に耳付シート状食パン片W1の前端に当接するもので、1本または複数本設けられ、本実施の形態では、下ストッパ20は、第一搬送ライン1に夫々一対設けられ、耳付シート状食パン片W1の前端両隅角部に当接するように断面L字状の棒状に形成されおり、その上部先端がやや開いて形成され、後述するように上から第二搬送ライン10の耳付シート状食パン片W1を載置するときに角がひっかからないようになっている。この下ストッパ20は、これが取り付けられた筒状の取付部24とともに、機台Hから突設される支持台21に設けられるアクチュエータ22によって、第一搬送ライン1の搬送方向前方及び後方に往復移動させられる。また、この下ストッパ20は、第一搬送ライン1のコンベアベルト上に進出しているとき、アクチュエータ22によって、第一搬送ライン1を構成する無端搬送コンベアベルトの移動速度と略同じ速度で移動させられる。また、支持台21にはアクチュエータ22によって第一搬送ライン1の搬送方向前方及び後方に往復移動させられるとともに下ストッパ20を上下に進退動させるアクチュエータ23が設けられ、このアクチュエータ23の上端に筒状の取付部24を介して第一搬送ライン1の搬送方向の前後に伸縮するアクチュエータ25が設けられ、取付部24に下ストッパ20が設けられている。
【0028】
取付部24を介して設けられるアクチュエータ25は、センサ5の検知に基づいて、耳付シート状食パン片W1の後端後方において耳付シート状食パン片W1の移動経路にその下側から上に進出し、耳付シート状食パン片W1の後端を前方に押圧して下ストッパ20に耳付シート状食パン片W1の前端を押し付ける位置決めフィンガ30を駆動させるフィンガ駆動部31を構成している。
位置決めフィンガ30は、図3,図4及び図6に示すように、断面L字状の棒状に形成され、アクチュエータ25の先端に1本または複数本設けられている。本実施の形態では、第一搬送ライン1に夫々一対設けられている。この位置決めフィンガ30は、アクチュエータ25によって搬送方向後方に伸ばされた状態でアクチュエータ23によって下ストッパ20と同時に耳付シート状食パン片W1の移動経路にその下側から上に進出し、その後、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって第一搬送ライン1の搬送方向前方及び後方に往復移動させられる。
【0029】
また、フィンガ駆動部31は、吸着体40が上側の耳付シート状食パン片W1の吸着を終了して下側の耳付シート状食パン片W1に載置して重ね置きした後、重ね置きされた一対の耳付シート状食パン片W1の後端を前方に押圧して下ストッパ20に一対の耳付シート状食パン片W1を押し付けるように位置決めフィンガ30を駆動する機能を備えている。即ち、位置決めフィンガ30は、センサ5の検知に基づいて、第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1の後端後方において耳付シート状食パン片W1の移動経路にその下側から上にアクチュエータ25によって搬送方向後方に伸ばされた状態で進出し、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって第一搬送ライン1の搬送方向前方に移動して耳付シート状食パン片W1の後端を前方に押圧して下ストッパ20に押し付けた後、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって第一搬送ライン1の搬送方向後方に移動して進出したままの状態で待機し、上側の耳付シート状食パン片W1を下側の耳付シート状食パン片W1に載置して2枚の耳付シート状食パン片W1が重ね置きされた後、再度フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって第一搬送ライン1の搬送方向前方に移動して重ね置きされた一対の耳付シート状食パン片W1の後端を前方に押圧して、その前端を下ストッパ20に押し付けるようになる。
【0030】
上ストッパ15は、図2,図4及び図5に示すように、第二搬送ライン10の先端14に、第二搬送ライン10の搬送方向と直交する方向に延びて固定されて設けられている。
【0031】
吸着体40は、図1乃至図5及び図7に示すように、ベース板41と、このベース板41に設けられ耳付シート状食パン片W1をエアの噴出により吸引力を生じる吸着板42とを備えて構成されている。
ベース板41は、矩形状に形成され、このベース板41には、上記吸着板42の周囲において、ベース板41から垂下し先端が耳付シート状食パン片W1に刺衝する複数の刺衝体43が設けられている。この刺衝体43は、本実施の形態では、ベース板41の4つの隅角部に夫々1体ずつ設けられている。
吸着板42は、円形状に形成され、吸引した耳付シート状食パン片W1が当接する枠体44と、枠体44の内側に設けられエアの噴出により吸引力を生じる吸引部45とを備えて構成されている。この吸引部45には、エアを噴出する噴出口46が形成されており、この噴出口46から放射状にエアを噴出することにより、吸着板42の当接面に負圧による吸引力を生じさせている。尚、噴出口46と同じ位置に吸気口を設け、この吸気口から吸気することにより吸引力を生じさせても良い。エアを吸気して吸引力を生じさせる方が単純な機構で比較的強い吸引力を生じさせることができる反面、吸引力にムラが生じて局所的に吸引が強くなってしまうことがあり、例えば、シート状片として焼成パンを使用する場合には、その表面に吸引痕が残ってしまうおそれがあり、また、エアを吸気する場合には、焼成パン等のパン小片やその他の粉塵類を吸い込むため、これを防ぐか、または取り除くメンテナンス作業が必要となるという問題がある。それに対して、エアの噴出により吸引力を生じさせる場合には、吸引面全体でまんべんなく吸引でき、また、パン小片や粉塵類を吸い込むこともない。従って、エアの噴出により吸引力を生じさせる方が望ましく、特に、シート状片として耳付シート状食パン片W1を使用する場合には、エアを吸気する場合の上記のような問題が生じず、メリットが大きい。
【0032】
吸着体移動部50は、図4,図5及び図8に示すように、吸着体40をその吸着位置Uの上方位置と吸着位置Uとの間で及び載置位置Dの上方位置と載置位置Dとの間で、夫々上下に進退動させる吸着体進退動機構60と、吸着体40を揺動させると同時に搬送方向前後に直進移動させて吸着体40を吸着位置Uの上方位置及び載置位置Dの上方位置の2位置間で移動させるようにした位置決め機構70とを備えて構成されている。
【0033】
位置決め機構70は、図8に示すように、吸着体40を揺動させる揺動機構80と、揺動機構80を耳付シート状食パン片W1の搬送方向前後に直進移動させる直進移動機構90とを備えて構成されている。
揺動機構80は、吸着体40のベース板41を吸着位置Uの上方位置において第二搬送ライン10上の耳付シート状食パン片W1の上面に対して、又、載置位置Dの上方位置において第一搬送ライン1上の耳付シート状食パン片W1の上面に対して夫々平行に位置させるためのもので、基板81と、基板81の上面に設けられ耳付シート状食パン片W1の搬送方向に水平に延びる揺動レール82と、揺動レール82に設けられ揺動レール82上を水平移動する第一移動体83と、この第一移動体83の揺動レール82と摺接する面と反対側の横面に設けられた凹部(図示せず)に嵌合する突起部(図示せず)を有し第一移動体83の移動方向と同じ方向に移動するとともに突起部を軸として回転する第二移動体84と、この第二移動体84に設けられた上面から下面に貫通する貫通孔85に摺動可能に挿通される棒状のアーム86と、アーム86の上端に設けられる円筒状のアーム固定接続部材87と、アーム固定接続部材87に挿通される支持軸体88と、支持軸体88を挿通させて該支持軸体88を所定の位置で軸として回転させるための円筒状の軸受け部材88bを備えて基板81上に少なくとも一対設けられる脚部88aと、揺動レール82に設けられ第一移動体83を移動させるアクチュエータ89とを備えて構成されている。また、アーム86の上端に設けられるアーム固定接続部材87と支持軸体88とは固定されて設けられている。
【0034】
直進移動機構90は、基台91と、基台91の上面に設けられ耳付シート状食パン片W1の搬送方向に延びる直進レール92と、直進レール92に設けられ直進レール92の上面に設けられる揺動機構80の基板81を直進レール92上を直進移動させるアクチュエータ93とを備えて構成されている。
【0035】
吸着体進退動機構60は、図4,図5及び図8に示すように、揺動機構80の支持軸体88上に設けられる固定接続部材61aに設けられ上下方向に延びる上下レールを有した取付部材61と、取付部材61の上下レール上を移動し吸着体40のベース板41が取り付けられるスライダ62と、取付部材61に設けられスライダ62を移動させるアクチュエータ63とを備えて構成されている。また、取付部材61が設けられている固定接続部材61aと支持軸体88とは固定されて設けられている。
【0036】
そして、第一搬送ライン1の下流側には、図2に示すように、シート状片の重ね置き装置Kにより2枚の耳付シート状食パン片W1が重ね置きされた菓子パン中間品W2の外周部分Waを切り離すシート状食品用抜き型装置Nが配置されている。
【0037】
このシート状食品用抜き型装置Nは、図1,図2及び図9乃至図15に示すように、搬送手段100を構成する左右一対の無端状の搬送チェーン101と、この搬送チェーン101の長さ方向に一定距離間隔で装着された複数の下側抜き型110と、第一搬送ライン1と搬送手段100との間に設けた受渡しコンベア125、該受渡しコンベアから菓子パン中間品W2を受け取って下側抜き型110に引き渡す受け渡し部120と、左右の搬送チェーン101の上張り部102の上方に配置され往復移動機構160により前後へ往復移動されるようになされた案内支持体170と、この案内支持体170の下面箇所に上下動可能に垂下状に設けられた上側抜き型180と、この上側抜き型180の下流側の案内支持体170の下面箇所に上下動可能に垂下状に設けられた焼き印190とを備えて構成され、下側抜き型110が搬送チェーン101の上流側において受渡しコンベア125からの菓子パン中間品W2を受け取り載置して前方へ搬送させつつ、且つ案内支持体170を前方へ移動させながら上側抜き型180を降下させることにより、上側抜き型180と下側抜き型110とで挟み付けた圧着状態になすとともに、圧着状態を一定時間継続した後に圧着状態を解除させ、この圧着解除状態では2枚の耳付シート状食パン片W1は周囲圧着予定部位Paが圧着されるとともに、該周囲圧着部位Pより外側の部位Waをこれの内方部位Wbから切り離すものである。
【0038】
本実施の形態では、図1及び図2に示すように、シート状食品用抜き型装置Nは、受け渡し部120、左右一対の搬送チェーンからなる搬送手段100、この搬送手段100に装着した複数の下側抜き型110の列、上側抜き型180及び焼き印190が、夫々二列並んで設けられている。ここで、受渡しコンベア125は、図9に示すように、菓子パン中間品W2の搬送方向に沿う両側端部の下面が露出するように支持する幅狭の無端搬送コンベアベルトを備えている。
【0039】
搬送手段100を構成する左右一対の無端状の搬送チェーン101は、図2,図12及び図14に示すように、機台H上の特定位置にスプロケット105を介して特定楕円軌道上での周回移動可能に装着されるとともに連続駆動されている。
【0040】
下側抜き型110は、図2及び図9乃至図14に示すように、左右一対の無端状の搬送チェーン101の内側に一定距離間隔で複数設けられ、型本体部111と、型本体部111に設けられ上面で菓子パン中間品W2の周囲圧着予定部位Paを圧着して切断する矩形枠状の型面110aを有した型要部112と、型要部112で圧着されて切断された食パンを型要部112から押し出す押出し体113とを備えて構成されている。
【0041】
詳しくは、図9,図11及び図12に示すように、型本体部111の上部中心箇所には案内凹部115aと型要部112の中心箇所には縦向きの案内孔116を形成して、これら案内孔116内に直径方向の深溝の形成された押出し体113を遊嵌すると共に、型本体部111の下部の肉厚部に2つの縦向き孔115bを形成してこれらの縦向き孔115bのそれぞれに摺動棒117を内挿し、各摺動棒117の上端部を押出し体113の下面に螺着させ、これら摺動棒117の下端部を連結部材118で連結し、この連結部材118の下面側にローラ119を設けると共に、この連結部材118と型本体部111の下面との間に位置した各摺動棒117部分に圧縮スプリング114を外挿した構成としている。
【0042】
また、型要部112は、四角体に形成され、その上面が型面110aを形成するとともに、上面の外周縁に比較的細い切断面部112aが形成され、この切断面部112aの内側にはこれに沿って位置された比較的浅い凹み面をなす押圧面部112b及びこの押圧面部112bの内側に位置されて比較的深く形成された四角状の凹み部112cが形成されている。この凹み部112cは案内孔116と連通され、押出し体113が内部で上下変位し得るものである。
【0043】
また、図2に示すように、本装置Nには、食パンの圧着終了後に押出し体113を移動させる押出し体移動機構113aが設けられている。押出し体移動機構113aは、各押出し体113に設けられたカムフォロアとしてのローラ119と、搬送手段100の搬送終了端部に設けられ押出し体113のローラ119に係合してローラ119を押圧し、押出し体113を型要部112から突出させるカム板103とを備えて構成されている。
【0044】
即ち、図14(A)に示すように、各搬送チェーン101の下流側の両スプロケット105の間には縦向きのカム板103が設けてあり、このカム板103は、横から見ると略涙形状(ラッキョウ形状)で、頭部を下流に向けて横たわっているような形状であり、その頭部の外周縁が下側抜き型110のローラ119に係合して押出し体113を型本体部111に対して上下変位させるもので、ローラ119をカム板103の頭部外周縁に係合させて押圧し、押出し体113を型要部112から突出させ、型要部112の上面側へ向けて押し上げた状態を維持するものとなされている。
【0045】
受け渡し部120は、図1,図2,図9,図10及び図12乃至図15に示すように、受渡しコンベア125の先端6側に設けられ受渡しコンベア125の先端6に至った菓子パン中間品W2を停止させるストッパ121と、受渡しコンベア125の先端6側上方に設けられストッパ121で停止させられた菓子パン中間品W2を受け取る受け取り位置X及び受け取った菓子パン中間品W2の下面を下側抜き型110の型面110aに対して平行にして引き渡す引き渡し位置Yの2位置に移動する受け渡し体130と、この受け渡し体130を受け取り位置X及び引き渡し位置Yの2位置に移動させる受け渡し体移動部150とを備えて構成されている。
【0046】
ストッパ121は、図2,図10及び図14に示すように、受渡しコンベア125の先端6に、第一搬送ライン1の搬送方向と直交する方向に延びて固定されて設けられている。
【0047】
受け渡し体130は、図1,図2,図9,図10及び図12乃至図15に示すように、矩形状に形成された板状のベース体131と、ベース体131の菓子パン中間品W2の搬送方向に沿う両端に垂設され菓子パン中間品W2の両側端に対峙する一対の板状の垂下体132と、各垂下体132の下端から夫々内側に向けて突設され菓子パン中間品W2の両側端部の下面を支承する支承板133とを備えて構成されている。この受け渡し体130のベース体131には、ベース体131の4つの隅角部近傍に、上面から下面に貫通する貫通孔134が夫々設けられている。
【0048】
また、この受け渡し体130には、図2,図9,図10及び図12乃至図14に示すように、受け渡し体130のベース体131に設けられ、受け取り位置Xにおいて支承板133に支承した菓子パン中間品W2の周囲圧着予定部位Pa(図13)より外側の両側端部を支承板133と共同して挾持し、引き渡し位置Yにおいて菓子パン中間品W2の挾持を解除するチャッキング部140が備えられている。
【0049】
このチャッキング部140は、受け渡し体130のベース体131の上面に設けられる矩形状のベース板141と、このベース板141の4つの隅角部近傍から垂下し受け渡し体130のベース体131に設けられた4つの貫通孔134に挿通される4つのロッド142と、ロッド142の下端に設けられ菓子パン中間品W2の周囲圧着予定部位Paより外側の両側端部の上面に当接して菓子パン中間品W2を支承板133とで上下から挾持する挾持板143と、挾持板143を支承板133に対して進退動させる挾持板進退動機構144とを備えて構成されている。
【0050】
チャッキング部140の挾持板進退動機構144は、図13及び図14に示すように、エアシリンダ145と、エアシリンダ145に設けられ受け取り位置Xの上方において下に進出し、引き渡し位置Yの上方において上に後退する複数のピストン146とを備えて構成されている。このピストン146の下端には、チャッキング部140のベース板141が設けられている。
【0051】
受け渡し体移動部150は、図14に示すように、受け渡し体130を菓子パン中間品W2の搬送方向に沿う水平方向に移動させる水平方向移動機構151と、受け渡し体130を菓子パン中間品W2の搬送方向に垂直な垂直方向に移動させる垂直方向移動機構156とを備えて構成されている。
【0052】
水平方向移動機構151は、機台Hに設けられ菓子パン中間品W2の搬送方向に水平に延びる一対の水平方向レール152と、一対の水平方向レール152に亘って設けられ水平方向レール152上を移動する水平方向スライダ153と、水平方向スライダ153を移動させる駆動モータ154とを備えて構成されている。この駆動モータ154は、機台Hに設けられ、クランク機構155を介して水平方向スライダ153を菓子パン中間品W2の搬送方向に沿う水平方向前方及び後方に往復移動させている。
【0053】
垂直方向移動機構156は、水平方向スライダ153に設けられ菓子パン中間品W2の搬送方向に垂直な垂直方向に延びる垂直方向レール157と、垂直方向レール157に設けられ垂直方向レール157上を移動する垂直方向スライダ158と、垂直方向スライダ158を移動させるアクチュエータ159とを備えて構成されている。また、垂直方向スライダ158の下端には、2列の第一搬送ライン1に夫々対応する2つの受け渡し体130のベース体131が設けられている。
【0054】
また、この受け渡し体移動部150の水平方向移動機構151及び垂直方向移動機構156を駆動制御する図示外の制御部が設けられている。
この制御部は、先ず、引き渡し位置Yに予め垂直方向移動機構156により支承板133が下側抜き型110の型面110aよりやや下になる高さに位置させておいた受け渡し体130を、水平方向移動機構151により、搬送方向後方へ移動させてストッパ121に停止させられた菓子パン中間品W2の両側端部の下面に支承板133を対峙するように受け渡し体130を受け取り位置Xの下方に位置させる。次に、垂直方向移動機構156により受け渡し体130を上昇させて、受け取り位置Xにおいて菓子パン中間品W2の下面の両側端部を支承板133で支承して菓子パン中間品W2を受け取って持ち上げる。それから、水平方向移動機構151により受け渡し体130を搬送方向前方へ移動させ、更に、その後引き渡し位置Yに至る手前の任意の地点からは垂直方向移動機構156により受け渡し体130を垂直方向に移動させて、受け渡し体130を引き渡し位置Yに向かって移動させ、菓子パン中間品W2を引き渡し位置Yにおいて下側抜き型110の型面110aに載置する。このとき、受け渡し体130は、その支承板133が下側抜き型110の型面110aよりやや下になる高さに位置するように調整されており、又、引き渡し位置Yにおける下側抜き型110の型面110aの高さと、第一搬送ライン1の受け取り位置Xにおける幅狭の無端状搬送コンベアの載置面の高さとは、予め同一となるように調整されていることから、受け渡し体130は、この位置から水平方向移動機構151により、搬送方向後方へ移動させられ、上述のとおり順次搬送されストッパ121に停止させられた菓子パン中間品W2の両側端部の下面に支承板133を対峙するように受け取り位置Xの下方に位置させられる。これらの受け渡し体130の動作を反復して行なわせるように制御部(図示せず)は水平方向移動機構151及び垂直方向移動機構156を駆動制御している。尚、水平方向の移動速度は、搬送方向前方へは下型抜き型110と同速に、搬送方向後方へはその倍速としており、又、下側抜き型110が引き渡し位置Yに来る前に受け渡し体130が同位置に来るようなタイミングで動作を繰り返している。
【0055】
案内支持体170は、図2に示すように、機台Hの上部に固定された前後方向案内軌道部171を介して往復駆動機構160により前後方向の往復移動可能になされており、また、案内支持体170の前後箇所には上側抜き型180及び焼き印190のそれぞれを単独に上下移動させるための動力駆動シリンダ装置172a、172bが装設されている。本実施の形態では一つの案内支持体170に幅方向に並列して二つずつ上側抜き型180、焼き印190を設けている。また、往復駆動機構160は、クランク機構161で構成されている。クランク機構161は、装置本体に設けられ案内支持体170の移動方向に対して直交する軸線を有した回転軸162を有した駆動モータ163と、駆動モータ163の回転軸162に同軸に設けられ駆動モータ163によって回転させられる円盤164と、一端が案内支持体170に軸支されるとともに他端が円盤164の軸線に対して偏心した位置に軸支されるリンク165とを備えて構成されている。
【0056】
上側抜き型180は、図1,図2及び図11に示すように、これを上下動させるための動力駆動シリンダ装置172aの出力部に結合固定された型本体部181と、これの下面に交換装着可能に固定された型要部182とを有しており、型要部182の下面は、その外周縁に位置された比較的幅広の圧着切断面部183、この圧着切断面部183の内側に沿って位置された比較的浅い凹み面をなす押圧面部184及びこの押圧面部184の内側に比較的深く形成され四角状となされた凹み部185とを備えて構成されている。そして、型要部182は下側抜き型110の型要部112と同様に四角体となされ、その下面の外周縁に位置させた圧着切断面部183と下側抜き型130の型要部112の押圧面部112bとで菓子パン中間品W2を圧着するとともに、圧着切断面部183と鋭い切断歯部112aとで菓子パン中間品W2を切断する。
【0057】
焼き印190は、図1及び図2に示すように、印本体部191を動力駆動シリンダ装置172bの出力部に結合固定されると共に印本体部191の内方に図示しないヒータを装設され、印本体部191の下面にヒータで加熱される印部を形成したものとなされている。
【0058】
従って、この菓子パンの製造装置Sにより菓子パンを製造するときは、例えば、以下のようにする。
フィリング供給装置FaにフィリングFを収容させるとともに各食パンスライス送出装置2、11に3斤分の棒状食パンWを供給しておく。尚、フィリングFや棒状食パンWが消費されたときは適宜に補充する。
この状態で装置各部を作動状態とするのであり、これにより食パンスライス送出装置2、11ではスライサ3、12が棒状食パンWをスライスして適当厚さの耳付シート状食パン片W1となし、一方では第一搬送ライン1及び第二搬送ライン10が連続送り移動を開始する。この第一搬送ライン1及び第二搬送ライン10上には、各食パンスライス送出装置2、11の送出機構4、13が、先にスライサ3、12で形成された耳付シート状食パン片W1の1枚ずつを送り出して順次に載置する。
【0059】
第一搬送ライン1に載置された1枚の耳付シート状食パン片W1が順次にフィリング供給位置に到達してフィリング供給装置FaによりフィリングFを第一搬送ライン1上の1枚の耳付シート状食パン片W1の上面に、例えば、ピーナッツクリームやタマゴフィリング、コロッケ等のフィリングFが予め定められた量だけ供給される。この供給は第一搬送ライン1に載置された1枚の耳付シート状食パン片W1毎に行われる。この際、フィリング供給装置Faは各第一搬送ライン1毎に夫々少なくとも1台作動させるようにする。また、1枚の耳付シート状食パン片W1毎に2種類のフィリングFを供給しようとするときは、各第一搬送ライン1毎に夫々2台ずつフィリング供給装置Faを作動させる。
【0060】
こうして、フィリングFを供給された各耳付シート状食パン片W1は各第一搬送ライン1の移動によりシート状片の重ね置き装置Kの位置まで順次に搬送される。
【0061】
この第一搬送ライン1の作動の一方では、第二搬送ライン10がこれに載置された耳付シート状食パン片W1を搬送するのであり、これにより各耳付シート状食パン片W1は上述した通り、各第一搬送ライン1上方の特定高さ位置に配置されている各第二搬送ライン10の先端14に到達する。
【0062】
シート状片の重ね置き装置Kでは、第一搬送ライン1の耳付シート状食パン片W1が所定位置に来たことをセンサ5が検知し、このセンサ5の検知に基づいて、第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1の上面に、第二搬送ライン10で搬送される耳付シート状食パン片W1を吸着体40によって重ね置きさせ、2枚の耳付シート状食パン片W1の間にフィリングFの供給された菓子パン中間品W2が形成される。
【0063】
詳しくは、先ず、第二搬送ライン10においては、その先端14に至った耳付シート状食パン片W1が上ストッパ15によって停止させられる。
【0064】
一方、第一搬送ライン1においては、第一搬送ライン1に設けられたセンサ5が、耳付シート状食パン片W1が所定位置に来たことを検知すると、機台Hから突設される支持台21に設けられるアクチュエータ23によって取付部24及びアクチュエータ25が上昇させられる。取付部24及びアクチュエータ25には夫々下ストッパ20及び位置決めフィンガ30が設けられているので、位置決めフィンガ30がアクチュエータ25によって搬送方向後方に伸ばされた状態で下ストッパ20及び位置決めフィンガ30も上昇され、この下ストッパ20及び位置決めフィンガ30の上端側が耳付シート状食パン片W1の移動経路にその下側から上に進出して突出させられる。このとき、下ストッパ20は、耳付シート状食パン片W1の前端前方に位置し、位置決めフィンガ30は、耳付シート状食パン片W1の後端後方に位置している。この状態で、支持台21に設けられるアクチュエータ22によって、下ストッパ20及び位置決めフィンガ30は、第一搬送ライン1の搬送方向前方に第一搬送ライン1の移動速度と略同じ速度で移動させられる。そして、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって、位置決めフィンガ30が第一搬送ライン1の搬送方向前方に移動して、耳付シート状食パン片W1の後端を押圧して、その前端を下ストッパ20に押し付ける。押し付けられた耳付シート状食パン片W1は、下ストッパ20によって一時的に停止させられる。これにより、確実に耳付シート状食パン片W1を下ストッパ20で停止させることができる。位置決めフィンガ30は、押圧後、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって、第一搬送ライン1の搬送方向後方に水平に移動し、上端側が耳付シート状食パン片W1の移動経路に突出したままの状態で待機する。
【0065】
次に、吸着体移動部50により、上述したとおり吸着体40を移動させ、第二搬送ライン10の耳付シート状食パン片W1を第一搬送ライン1の耳付シート状食パン片W1に重ね置きする。
詳しくは、先ず、位置決め機構70により、吸着体40を吸着位置Uの上方位置に位置させる。即ち、直進移動機構90のアクチュエータ93により揺動機構80を第一搬送ライン1の後方方向に移動させるとともに、揺動機構80により、ベース板41を吸着位置Uの上方位置において傾斜している第二搬送ライン10の耳付シート状食パン片W1の上面に対して平行に位置させる。より具体的には、揺動機構80は、アクチュエータ89によって第一移動体83が揺動レール82上を水平移動し、これに伴って第二移動体84も第一移動体83と同時に同方向へ水平移動する。第二移動体84は、第一移動体83の横面に設けられた凹部(図示せず)に嵌合する突起部(図示せず)を軸として回転し、この回転により、第二移動体84の貫通孔85に挿通されているアーム86が貫通孔85を摺動して支持軸体88を軸として回転する。このアーム86の回転により、支持軸体88は軸線を中心に回転し、吸着体進退動機構60の取付部材61が支持軸体88を軸として回転する。これにより、吸着体40のベース板41が支持軸体88を軸として回転し、吸着体40が吸着位置Uの上方位置に位置するとともにベース板41が吸着位置Uの上方位置において第二搬送ライン10の耳付シート状食パン片W1の上面に対して平行に位置される。そして、吸着体進退動機構60のアクチュエータ63により、スライダ62を取付部材61のレール上を降下移動させ、吸着体40を進出させて、吸着位置Uに位置させる。
【0066】
次に、この吸着位置Uにおいて、吸着体40の吸着板42でエアを噴出し、これによって生じた吸引力で耳付シート状食パン片W1を吸引して吸着する。このとき、吸着板42の周囲において、ベース板41から垂下している刺衝体43の先端が、耳付シート状食パン片W1の4つの隅角部に刺衝するようになり、そのため、吸着板42に生じる吸引力と刺衝体43の刺衝によって確実に吸着体40で耳付シート状食パン片W1を吸着することができる。また、刺衝体43によって、吸着位置Uで吸着を開始してから載置位置Dで吸着を終了するまで耳付シート状食パン片W1が吸着板42に対してズレることが防止される。更に、刺衝体43は、後の工程で切断される周囲圧着予定部位Paより外側の部位Waに刺衝するので、菓子パンの完成品には、刺衝された跡が残らない。
【0067】
それから、吸着体40を吸着位置Uから吸着位置Uの上方位置を経由して載置位置Dの上方位置に移動させて位置させる。この移動は、位置決め機構70により行なわれる。詳しくは、直進移動機構90のアクチュエータ93により揺動機構80を第一搬送ライン1の前方方向に直進移動させると同時に、揺動機構80により、吸着体40のベース板41を揺動させて載置位置Dの上方位置において第一搬送ライン1の耳付シート状食パン片W1の上面に対して平行に位置させる。揺動機構80は、アクチュエータ89によって第一移動体83が揺動レール82上を搬送方向前方に水平移動し、これに伴って第二移動体84も第一移動体83と同時に同方向へ水平移動する。第二移動体84は、上述の突起部(図示せず)を軸として回転し、この回転により、第二移動体84の貫通孔85に挿通されているアーム86が貫通孔85を摺動して支持軸体88を軸として回転する。このアーム86の回転により、支持軸体88は軸線を中心に回転し、吸着体進退動機構60の取付部材61が支持軸体88を軸として回転する。これにより、吸着体40のベース板41が支持軸体88を軸として回転し、吸着体40が載置位置Dの上方位置に位置するとともにベース板41が載置位置Dの上方位置において第一搬送ライン1の耳付シート状食パン片W1の上面に対して平行に位置される。そして、吸着体進退動機構60のアクチュエータ63により、スライダ62を取付部材61の上下レール上を降下移動させ、吸着体40を進出させて、吸着位置Uに位置させる。
【0068】
次に、この載置位置Dにおいて、吸着体40の吸着板42でのエアの噴出を停止して吸着を終了し、耳付シート状食パン片W1を、下ストッパ20で停止されている第一搬送ライン1の耳付シート状食パン片W1の上面に重ね置き載置する。これにより、吸着体40によって、第二搬送ライン10で搬送される耳付シート状食パン片W1を第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1に載置位置Dで重ね置きするので、第二搬送ライン10の耳付シート状食パン片W1を単に斜め下方に降下させて直接第一搬送ライン1の耳付シート状食パン片W1に重ね置きするという従来の技術に比較して、重ね置きする際のタイミングが狂うことがなく、そのため、2枚の耳付シート状食パン片W1をより正確に重ね置きさせることができる。また、吸着体40によって第二搬送ライン10で搬送される耳付シート状食パン片W1を第一搬送ライン1で搬送される耳付シート状食パン片W1の垂直方向上方から載置するので、比較的厚みのあるフィリングFを挟んで重ね置きする場合でも、2枚の耳付シート状食パン片W1を正確に重ね置きさせることができる。例えば、5〜8mmの厚さのシート状片を使用する場合にフィリングを3mm以上の厚みとしてもよく、より具体的には5〜20mmの厚みのフィリングを挟むことができる。
【0069】
そして、上記食パン片W1の載置後、搬送方向後方(上流)で、第一搬送ライン1の下側から上に進出した状態で待機していた位置決めフィンガ30は、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって、第一搬送ライン1の搬送方向前方に水平に移動し、重ね置きされた一対の耳付シート状食パン片W1の後端を前方に押圧して、その前端を下ストッパ20に押し付ける。これにより、下ストッパ20と位置決めフィンガ30によって、更に2枚の耳付シート状食パン片W1の重ね位置が調整されるので、重ね置きした際、多少上下の耳付シート状食パン片W1間にずれがあっても、これが修正され、上下の耳付シート状食パン片W1が確実に合致するようになり、そのため、より一層2枚の耳付シート状食パン片W1を正確に重ね合わせることができる。このとき、下ストッパ20及び位置決めフィンガ30は、断面L字状に形成されており、この下ストッパ20及び位置決めフィンガ30によって、2枚の耳付シート状食パン片W1の4つの隅角部が押さえられるようになるので、この点でも、より一層2枚の耳付シート状食パン片W1を正確に重ね合わせることができる。
【0070】
その後、位置決めフィンガ30は、フィンガ駆動部31のアクチュエータ25によって、第一搬送ライン1の搬送方向後方に水平に移動させられ、その直後下ストッパ20及び位置決めフィンガ30は、アクチュエータ23によって、耳付シート状食パン片W1の移動経路からその下側に退出させられる。そして、退出後、アクチュエータ22によって、下ストッパ20及び位置決めフィンガ30は、第一搬送ライン1の搬送方向後方に水平に移動させられ、初期位置に戻される。
【0071】
このようにして、2枚の耳付シート状食パン片W1が重ね置きされ、菓子パン中間品W2が形成される。そして、上記耳付シート状食パン片W1の重ね置きは順次連続して行われ、形成された菓子パン中間品W2は、第一搬送ライン1で、さらに前方へと搬送され、シート状食品用抜き型装置Nへと搬送される。
【0072】
このシート状食品用抜き型装置Nの受渡しコンベア125によって、第一搬送ライン1で搬送される菓子パン中間品W2を受けて、この受渡しコンベア125から受け渡し部120によって菓子パン中間品W2を下側抜き型110に受け渡し、下側抜き型110と上側抜き型180とで菓子パン中間品W2を挟み付けた圧着状態にし、この圧着状態を一定時間継続した後、上側抜き型180を上昇させて圧着状態を解除させ、2枚の耳付シート状食パン片W1の周囲圧着予定部位Paを圧着するとともに、該周囲圧着部位Pより外側の部位Waをこれの内方部位Wbから切り離す。
【0073】
詳しくは、菓子パン中間品W2は、先ず、第一搬送ライン1と搬送手段100との間に設けた受渡しコンベア125に搬送され、次に、受渡しコンベア125に設けられたストッパ121によって、その移動を停止させられる。
【0074】
この状態で、先ず、引き渡し位置Yに予め垂直方向移動機構156によりその支承板133が下側抜き型110の型面110aよりやや下になる高さに位置させておいた受け渡し体130を、受け渡し体移動部150によって移動させ、受け取り位置Xの下方に位置させる。移動は、制御部によって制御され、水平方向移動機構151の駆動モータ154によりクランク機構155を介して水平方向スライダ153が水平方向レール152上を第一搬送ライン1の搬送方向後方方向に水平移動し、これに伴って、水平方向スライダ153に設けられている垂直方向レール157も第一搬送ライン1の搬送方向後方方向に水平移動する。よって、垂直方向レール157に設けられている垂直方向スライダ158及び垂直方向スライダ158の下端に設けられる受け渡し体130も第一搬送ライン1の搬送方向後方方向に水平移動する。この状態では、受渡しコンベア125上でストッパ121に停止させられた菓子パン中間品W2のコンベアベルトから露出した両側端部の下面に受け渡し体130の支承板133が対峙して位置させられる。
【0075】
そして、受け渡し体移動部150の垂直方向移動機構156により受け渡し体130を垂直方向に上昇させながら受け取り位置Xにおいて、支承板133で菓子パン中間品W2を受け取って持ち上げるとともに、チャッキング部140によって菓子パン中間品W2を挾持する。
詳しくは、垂直方向移動機構156のアクチュエータ159により垂直方向スライダ158が垂直方向レール157上を上に向かって垂直移動し、これに伴って、垂直方向スライダ158の下端に設けられた受け渡し体130も上に向かって垂直移動する。このとき、受け取り位置Xにおいて、受渡しコンベア125上でストッパ121に停止させられた菓子パン中間品W2のコンベアベルトから露出した両側端部の下面を受け渡し体130の支承板133が支承して菓子パン中間品W2を受け取って持ち上げるようになる。一方、このようにして菓子パン中間品W2を持ち上げながら、チャッキング部140は、挾持板進退動機構144のエアシリンダ145によってピストン146が下に進出し、これに伴って、ピストン146の下端に設けられているベース板141も下に向けて垂直移動する。よって、ベース板141に設けられるロッド142とロッド142の下端に設けられる挾持板143も下に向けて垂直移動し、挾持板143が菓子パン中間品W2の両側端部の上面に当接する。即ち、支承板133と挾持板143とで菓子パン中間品W2の両側端部の上下面を挾持し、この状態のまま受け渡し体130を上昇させる。
【0076】
その後、受け渡し体130を、受け渡し体移動部150によって引き渡し位置Yに向かって移動させる。この移動は、制御部(図示せず)によって制御され、水平方向移動機構151の駆動モータ154によりクランク機構155を介して水平方向スライダ153が水平方向レール152上を第一搬送ライン1の搬送方向前方方向に水平移動し、これに伴って、水平方向スライダ153に設けられている垂直方向レール157も第一搬送ライン1の搬送方向前方方向に水平移動する。よって、垂直方向レール157に設けられている垂直方向スライダ158及び垂直方向スライダ158の下端に設けられる受け渡し体130も第一搬送ライン1の搬送方向前方方向に引き渡し位置Yまで水平移動する。
【0077】
そして、引き渡し位置Yに至る手前の任意の地点から受け渡し体移動部150の垂直方向移動機構156により、受け渡し体130を垂直下方に降下させながら引き渡し位置Yにおいて、チャッキング部140の挾持を解除し、菓子パン中間品W2を下側抜き型110に載置して引き渡す。
この場合の受け渡し体130の垂直移動は、垂直方向移動機構156のアクチュエータ159により垂直方向スライダ158が垂直方向レール157上を下に向けて垂直移動し、これに伴って、垂直方向スライダ158の下端に設けられた受け渡し体130も下に向けて垂直移動するが、引き渡し位置Yに至る手前の任意の地点からは、本実施の形態においては、水平方向移動機構151による水平移動と垂直方向移動機構156による下方への垂直移動とを同時に行なうので、受け渡し体130は斜め下方に降下する。
そして、菓子パン中間品W2下面を下側抜き型110の型面110aに当接させて載置する。このとき、下側抜き型110は、搬送チェーン101によって搬送され、引き渡し位置Yに到達したときに型面110aが水平になる姿勢になっており、また、受け渡し体130の水平方向の移動速度は、搬送方向前方へは下型抜き型110と同速となるように調整している。
【0078】
一方、チャッキング部140は、菓子パン中間品W2の下面を下型抜き型110の型面110aに載置する直前に挾持板進退動機構144のエアシリンダ145によってピストン146が上に後退し、これに伴って、ピストン146の下端に設けられているベース板141も上に向けて垂直移動する。よって、ベース板141に設けられるロッド142とロッド142の下端に設けられる挾持板143も上に向けて垂直移動し、挾持板143が菓子パン中間品W2の両側端部の上面から離間して、菓子パン中間品W2の挾持を解除する。
【0079】
これにより、受け渡し体130によって、菓子パン中間品W2を下側抜き型110の型面110aに載置させるので、菓子パン中間品W2を下側抜き型110が第一搬送ライン1のコンベアベルトから直接受け取り載置するという従来の技術に比較して、受け渡し体130が受け取った菓子パン中間品W2の下面を、下側抜き型110の型面110aに対して平行にして載置させることができるので、菓子パン中間品W2の下側抜き型110に対するズレが防止される。しかも、上述のとおり受け渡し体130の水平方向の移動速度は、搬送方向前方へは下型抜き型110と同速になるように調整しているので、載置時の菓子パン中間品W2は下型抜き型110と同速になっており、菓子パン中間品W2の下型抜き型110に対するズレがより確実に防止される。即ち、菓子パン中間品W2を下側抜き型110の型面110aの所望の位置に正確に載置することができるので、確実に所望の周囲圧着予定部位Paで2枚の耳付シート状食パン片W1を圧着させることができる。
【0080】
また、受け渡し体130が、受け取り位置Xで菓子パン中間品W2を受け取ってから、菓子パン中間品W2の両側端部を受け渡し体130の支承板133とチャッキング部140の挾持板143とで上下から挾持するので、菓子パン中間品W2の撓みが防止され、そのため、引渡し位置Yで菓子パン中間品W2を下側抜き型110に引き渡し載置する際、下側抜き型110の型面110aに対して菓子パン中間品W2の下面をより平行にして載置することができるとともに、より正確に菓子パン中間品W2下側抜き型110の型面110aの所望の位置に載置することができる。特に、図15に示すように、菓子パン中間品W2の両側端部を上下から挾持しない場合は、下側の耳付シート状食パン片W1の内方部位Wbが、フィリングFの重さによって撓むことがあるが、チャッキング部140の挾持板143による挾持によりこの撓みが防止される。また、菓子パン中間品W2の両側端部を上下から挾持することにより、受け取り位置Xで菓子パン中間品W2を受け取ってから引き渡し位置Yで下側抜き型110に菓子パン中間品W2を引き渡すまでの間、耳付シート状食パン片W1とフィリングFとを軽く挾着することができるので、予備整形効果を得ることができる。
【0081】
菓子パン中間品W2を下側抜き型110に引き渡し載置した後、受け渡し体130は、受け渡し体移動部150によって受け取り位置Xに水平移動させられ、順次搬送されてくる菓子パン中間品W2を受け取る。そして、制御部(図示せず)により、上記受け渡し体130の動作は反復して行なわれる。
【0082】
そして、下側抜き型110が下流側へ距離L1移動すると(図2参照)、案内支持体170の動力駆動シリンダ装置172aが直ちに伸長されて上側抜き型180が降下し、下側抜き型110と上側抜き型180とが正対状となって下側抜き型110上の菓子パン中間品W2を強力に挟み付ける。この挟み付け状態は搬送チェーン101及び案内支持体170の同調した下流側への移動により、再び距離L2だけ搬送チェーン101が移動する間中継続される。この距離L2の移動が終了したとき、動力駆動シリンダ装置172aが短縮作動されて上側抜き型180が上昇作動される。
【0083】
この際、上側抜き型180の下面の外周縁に位置させた圧着切断面部183と下側抜き型110の型面110aとが正対して、上下の抜き型180、110の押圧面全体で菓子パン中間品W2を任意な一定時間に亘って継続的な押圧状態下になすため、菓子パン中間品W2の上下の耳付シート状食パン片W1の周囲圧着予定部位Paを圧着切断面部183と押圧面部112bにより確実に圧着させたものとなすほか、切断対象位置Cで切断歯部112aにより確実に切断させることができる。このとき、菓子パン中間品W2の周囲圧着部位Pの内方箇所は凹み部112c、185内にて殆ど押圧力を付与されないのであり、この結果として下側抜き型110上にふっくら感のある四角状の菓子パンW3が形成されるものとなり、且つ下側抜き型110の側面周囲に食パン耳部W4が残された状態となる。
【0084】
そして、上側抜き型180の上昇作動に伴って、案内支持体170が上流側の原位置へ復帰されるのであり、以下は同様動作の繰返しとなる。上記では動力駆動シリンダ装置172aの作動についてのみ説明したが、二回目からの繰返しでは必要に応じ、動力駆動シリンダ装置172bも伸長させて焼き印190が付与されるようにする。
【0085】
この際、焼き印190は過度に長く下降状態を保持されると、菓子パンW3の印表示が黒こげとなるため必要に応じて上側抜き型180よりも早い時点で上昇させるようにする。以後、上下の抜き型180、110及び焼き印190による上記処理が下側抜き型110上へ載置された各菓子パン中間品W2毎に繰り返される。
【0086】
また、この場合、案内支持体170の往復駆動機構160は、クランク機構161で構成されているので、案内支持体170の往復動が淀みなく確実に行なわれる。特に、クランク機構161は、駆動モータ163によって回転させられる円盤164により、リンク165を作動させるので、エアシリンダで往復動させる場合に比較して、往復動の切り返しに淀みがなくなり、そのため、往復動が円滑に行われる。その結果、上側抜き型180と下側抜き型110は、その降下及び上昇動作と相俟って、継続して菓子パン中間品W2を押圧し周囲圧着予定部位Paを強力に圧着させることができる。
【0087】
そして、図2に示すように、本実施の形態に係る菓子パンの製造装置Sには、シート状食品用抜き型装置Nの前方側で搬送チェーン101の円弧状部の前端近傍から前方へ菓子パンW3の取り出し搬送コンベア200が延設されている。また、搬送チェーン101の円弧状部の下側から横方へ向けて食パン耳部W4の取り出し搬送コンベア201が延設されている。
【0088】
焼印を付与した後、下側抜き型110がさらに前方へ向けて送り移動されると、この下側抜き型110のローラ119がカム板103の頭部外周縁に押し変位されて押出し体113が凹み部112cを経て下側抜き型110の上面から僅かに突出した状態となって凹み部112c内に嵌り込んだ菓子パンW3の下部を凹み部112cの外方へ押し出し、菓子パンW3は、取り出し搬送コンベア200に移載される。
【0089】
このときの押出し体113の下側抜き型110における位置は下側抜き型110が搬送チェーン101の下張り部104の前方端に到達するまで維持され下張り部104の後方側へ向かうに伴って押出し体113は凹み部112c内に没入し、下張り部104の中間位置に到達するまでには凹み部112cの底面より深い位置に変位されるものとなる。この場合、押出し体113が凹み部112c内に嵌り込んだ菓子パンW3の下部を凹み部112cの外方へ押し出すので、下側抜き型110から確実に外すことができる。また、押出し体113は、下側抜き型110のローラ119がカム板103に押されることにより突出するので、カム103で行なうことから、動作が円滑かつ確実に行なわれる。
【0090】
また、下側抜き型110の側面に外嵌された状態の食パン耳部W4を、下側抜き型110から抜き出すように変位させて取出し搬送コンベア201上に落下させる。これにより、菓子パンW3は取り出し搬送コンベア200により特定場所へ搬出され、また食パン耳部W4は取出し搬送コンベア201により横方へ搬出されるのである。
【0091】
上記実施の形態では、各第一搬送ライン1に2台ずつフィリング供給装置Faを設ける態様について述べたが、上記実施の形態において、各第一搬送ライン1に1台ずつフィリング供給装置Faを追加して、それぞれに3台ずつフィリング供給装置Faを設けることにより、第一搬送ライン1上の耳付シート状食パン片W1の上面に3種類のフィリングFを供給するようになすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置が用いられる菓子パンの製造装置を示す平面概要図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置が用いられる菓子パンの製造装置を示す側面概要図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置を示し、吸着体が吸着位置から載置位置に移動する状態を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置を示し、吸着体の吸着位置及び載置位置での状態を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るシート状片の重ね置き装置を示し、下ストッパ及び位置決めフィンガの移動を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る吸着体を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る吸着体移動部を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るシート状食品用抜き型装置を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るシート状食品用抜き型装置を示し、受け渡し体が受け取り位置から引き渡し位置に移動する状態を示す側面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るシート状食品用抜き型装置を示し、(A)は下側抜き型に菓子パン中間品を載置した状態、(B)は下側抜き型と上側抜き型とで菓子パン中間品を圧着した状態を示す側面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る受け渡し体及び下側抜き型を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るシート状食品用抜き型装置を示し、受け渡し体の受け取り位置及び引き渡し位置での状態を示す側面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る受け渡し体移動部を示し、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図15】受け渡し体にチャッキング部を設けない場合の例を示し、受け取り位置で菓子パン中間品を受け取る際の図である。
【図16】従来の菓子パンの製造方法の一例を示す側面概要図である。
【図17】従来の菓子パンの製造方法の一例を示し、(A)は従来のシート状片の重ね置き装置、(B)は従来のシート状食品用抜き型装置を示す図である。
【図18】従来のシート状片の重ね置き装置の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
S 菓子パンの製造装置
K シート状片の重ね置き装置
N シート状食品用抜き型装置
W 棒状食パン
W1 耳付シート状食パン
W2 菓子パン中間品
W3 菓子パン
W4 食パン耳部
Wa 外周部分
Wb 内方部位
F フィリング
P 周囲圧着部位
Pa 周囲圧着予定部位
C 切断対象位置
U 吸着位置
D 載置位置
X 受け取り位置
Y 引き渡し位置
1 第一搬送ライン
5 センサ
10 第二搬送ライン
15 上ストッパ
20 下ストッパ
30 位置決めフィンガ
40 吸着体
41 ベース板
42 吸着板
43 刺衝体
50 吸着体移動部
60 吸着体進退動機構
70 位置決め機構
80 揺動機構
90 直進移動機構
100 搬送手段
101 搬送チェーン
110 下側抜き型
110a 型面
120 受け渡し部
121 ストッパ
125 受渡しコンベア
130 受け渡し体
131 ベース体
132 垂下体
133 支承板
140 チャッキング部
143 挾持板
144 挾持板進退動機構
150 受け渡し体移動部
151 水平方向移動機構
156 垂直方向移動機構
160 往復移動機構
170 案内支持体
180 上側抜き型
190 焼き印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状片を搬送する第一搬送ラインと、該第一搬送ラインの搬送方向と同一で且つ上記第一搬送ラインの横から見て該第一搬送ラインの搬送方向に対して下り傾斜となる搬送方向にシート状片を搬送し先端側が上記第一搬送ラインの途中箇所の特定高さ位置に配置される第二搬送ラインとを備え、上記各搬送ラインで1枚ずつのシート状片を搬送させ、上記第二搬送ラインにより搬送された1枚のシート状片を上記第一搬送ラインの搬送途中で該第一搬送ラインにより搬送される1枚毎のシート状片に重ね置きさせるシート状片の重ね置き装置において、
上記第一搬送ラインのシート状片の移動経路にその下側から上に進出して該第一搬送ラインで搬送されるシート状片の前端に当接して該シート状片を一時的に停止させる下ストッパと、上記第二搬送ラインに設けられ該第二搬送ラインの先端に至ったシート状片を停止させる上ストッパと、上記第二搬送ラインの先端側上方に設けられ該第二搬送ラインで搬送され上記上ストッパで停止させられたシート状片を吸着する吸着位置及び該吸着したシート状片を上記第一搬送ラインで搬送され上記下ストッパで一時的に停止させられたシート状片に載置する載置位置の2位置間を移動する吸着体と、該吸着体を上記2位置間で移動させる吸着体移動部とを備えて構成したことを特徴とするシート状片の重ね置き装置。
【請求項2】
上記吸着体移動部を、上記吸着体をその吸着位置の上方及び上記載置位置の上方において上下に進退動させる吸着体進退動機構と、上記吸着体を揺動させ、又、必要に応じて搬送方向前後に直進させて、該吸着体を上記吸着位置の上方位置及び上記載置位置の上方位置の2位置間で移動させるようにした位置決め機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項1記載のシート状片の重ね置き装置。
【請求項3】
上記位置決め機構は、上記吸着体を揺動させる揺動機構と、該揺動機構を上記シート状片の搬送方向前後に直進移動させる直進移動機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項1または2記載のシート状片の重ね置き装置。
【請求項4】
上記吸着体を、ベース板と、該ベース板に設けられ上記シート状片をエアの噴出又は吸引により生じさせる吸引力で吸引する吸着板とを備えて構成し、上記ベース板に上記吸着板の周囲において該ベース板から垂下し先端が上記シート状片に刺衝する複数の刺衝体を設けたことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のシート状片の重ね置き装置。
【請求項5】
上記第一搬送ラインで搬送されるシート状片が所定位置に至ったことを検知するセンサを備え、該センサの検知に基づいて、上記シート状片の後端後方において該シート状片の移動経路にその下側から上に進出し、上記シート状片の後端を前方に押圧して上記下ストッパに該シート状片の前端を押し付ける位置決めフィンガと、該位置決めフィンガを駆動させるフィンガ駆動部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のシート状片の重ね置き装置。
【請求項6】
上記フィンガ駆動部は、上記吸着体が上側のシート状片を下側のシート状片に載置して重ね置きした後、該重ね置きされた一対のシート状片の後端を前方に押圧して上記下ストッパに該一対のシート状片の前端を押し付けるように上記位置決めフィンガを駆動する機能を備えたことを特徴とする請求項5記載のシート状片の重ね置き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−154772(P2010−154772A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333825(P2008−333825)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000178594)山崎製パン株式会社 (42)
【出願人】(591182651)有限会社光陽機械製作所 (4)
【Fターム(参考)】