説明

シート状物の重複検出装置および重複検出方法

【課題】超音波の減衰率が大きい厚紙等の特殊紙であっても、精度よく重複検出を行うことができるようにする。
【解決手段】投光器1と受光器2との間に給紙用紙4を1枚挟んだ状態で、第2の増幅器AMP2の増幅率GAを変化させて行き、その途中で第2の増幅器AMP2からの出力値AP2がAP2≒V2sとなれば、第2の増幅器AP2からの出力を重複検出用の監視出力とし、その時の増幅率GAを重複検出用の増幅率とする。AP2≒V2sとならなければ、再度、増幅率GAを変化させて行き、その途中で第3の増幅器AMP3からの出力値AP3がAP3≒V3sとなれば、第3の増幅器AMP3からの出力を重複検出用の監視出力とし、その時の増幅率GAを重複検出用の増幅率とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、枚葉印刷機に用いて好適な投受光器を用いたシート状物の重複検出装置および重複検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、枚葉印刷機へ用紙を給紙する際には、その給紙しようとする用紙の重複を検出するようにしている。例えば、給紙装置より枚葉印刷機(以下、単に印刷機という)へ用紙を給紙する際には、給紙台の印刷機側先端部に設けた前当と称するストッパへ用紙の前縁を当接させてから、用紙を印刷機へ供給するものとしている。この際、用紙が2枚以上同時に重複して供給されることを防止することを目的として、給紙用紙の重複検出を行うようにしている。
【0003】
通常、この給紙用紙の重複検出は、投受光器を用いて行われている。例えば、特許文献1,2では、給紙台の前当近傍裏面側に投光器を配置すると共に、この投光器の発光部に対向する給紙台の所定部位へ透孔を穿設し、さらにこの透孔に対向する給紙台の上面側へ受光器を配置している。すなわち、投光器の出射する光を給紙しようとする用紙の紙面厚さ方向へ投射し、その給紙用紙からの透過光を受光器にて受光し、電気信号へ変換して得られるその受光光量に応じた出力レベルと予め設定されている判別レベルとを比較し、この比較結果に基づいて給紙用紙の重複を検出するようにしている。
【0004】
図34に投受光器を用いた従来の重複検出装置の一例を示す。同図において、1は投光器、2は受光器、3は投光器1および受光器2に付設されたコントロール部である。コントロール部3には、処理装置3Aと、電力供給回路3Bと、増幅回路3Cが設けられている。増幅回路3Cは第1の増幅器(固定増幅器)AMP1と第2の増幅器(可変増幅器)AMP2を備えている。
【0005】
電力供給回路3Bは投光器1に電力を与える。投光器1は、電力供給回路3Bからの電力を受け、光を発射する。受光器2は、投光器1から発射された光を受光し、その光の受光量に応じた受信出力RVを増幅回路3Cへ送る。増幅回路3Cは、受光器2からの受信出力RVを増幅し、受光器2での投光器1からの光の受信レベルを示す出力値AP1およびAP2を処理装置3Aへ送る。処理装置3Aは、増幅器3Cからの出力値AP1およびAP2に基づいて、投光器1と受光器2との間を通過する給紙用紙4の重複検出を行う。
【0006】
図35に給紙用紙4が1枚の場合の増幅回路3Cからの出力値AP1,AP2の変化を示し、図36に給紙用紙4が2枚の場合の増幅回路3Cからの出力値AP1,AP2の変化を示す。なお、増幅回路3Cからの出力値AP1は、投光器1と受光器2との間に給紙用紙4が挟まれていない状態で設定値V1sとなるように定められ、増幅回路3Cからの出力値AP2は、投光器1と受光器2との間に給紙用紙4が1枚挟まれた状態で設定値V2sとなるように定められる。また、設定値V1sおよびV2sに対して、約80%の値がしきい値Vth1およびVth2として定められる。
【0007】
投光器1と受光器2との間に給紙用紙4が入ると、給紙用紙4によって光が遮られ、受光器2での光の受光量が減少する。この場合、投光器1と受光器2との間に入った給紙用紙4が1枚であれば、受光器2での超音波の受光量の減少量は小さく、増幅回路3Cからの出力値AP1は閾値Vth1を下回るが(図35(a):t1点)、増幅回路3Cからの出力値AP2は閾値Vth2以上を保つ(図35(b):t1点)。
【0008】
これに対し、投光器1と受光器2との間に給紙用紙4が2枚入ると、受光器2での超音波の受光量の減少量が大きくなり、増幅回路3Cからの出力値AP2が閾値Vth2を下回る(図36(b):t1点)。処理装置3Aは、増幅回路3Cからの出力値AP1,AP2を監視し、出力値AP1が閾値Vth1を下回り、かつ出力値AP2が閾値Vth2を下回った場合を給紙用紙4の重複として検出する。
【0009】
なお、この重複検出装置において、例えば、重複を検出すべき給紙用紙4が変更され、1枚の給紙用紙4でも増幅回路3Cからの出力値AP2がしきい値Vth2を下回るような場合には、投光器1と受光器2との間にその給紙用紙4を挟んだ状態で、増幅器AMP2の増幅率GAをアップし、出力値AP2を設定値V2sに合わせるようにする。これにより、上述と同様にして、変更後の給紙用紙4に対してその重複検出を行うことができるようになる。
【0010】
【特許文献1】特開平2−178145号公報
【特許文献2】特開昭63−290746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した重複検出装置によると、増幅回路3Cにおける増幅器AMP2の増幅率GAには限度があり、光の減少率が大きい厚紙等の特殊紙を検出することができなかったり、検出精度が悪化するという問題があった。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、光の減少率が大きい厚紙等の特殊紙であっても、精度よく重複検出を行うことが可能なシート状物の重複検出方法および重複検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために本発明は、光を発する投光器と、この投光器からの光を受光する受光器と、この受光器からの出力を増幅する第1の増幅器と、この第1の増幅器からの出力を増幅する増幅率が調整可能な第2の増幅器と、この第2の増幅器からの出力を増幅する第3の増幅器とを設け、第2,第3の増幅器からの出力値に基づいて投光器と受光器との間を通過するシート状物の重複を検出するシート状物の重複検出装置に、第2の増幅器の増幅率を変化させる増幅率変化手段と、投光器と受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で第2の増幅器の増幅率を変化させたときに、第2の増幅器からの出力値に予め定められている第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合、第2の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定める第1の重複検出用監視出力決定手段と、投光器と受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で第2の増幅器の増幅率を変化させたときに、第2の増幅器からの出力値に第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められず、第3の増幅器からの出力値に予め定められている第2の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合、第3の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定める第2の重複検出用監視出力決定手段とを設けたものである。
【0014】
この発明では、投光器と受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で、第2の増幅器の増幅率を変化させる。このとき、第2の増幅器からの出力値に予め定められている第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められれば、第2の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定める。例えば、第2の増幅器の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行き、その途中で第2の増幅器からの出力値AP2が第1の設定値(V2s)とほゞ等しくなれば(AP2≒V2s)、第2の増幅器AP2からの出力を重複検出用の監視出力とする。
【0015】
これに対し、第2の増幅器からの出力値に第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められず、第3の増幅器からの出力値に予め定められている第2の設定値とほゞ等しい出力値が認められれば、第3の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定める。例えば、第2の増幅器の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させたにも拘わらず、AP2≒V2sとならなければ、再度、第2の増幅器の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行き、その途中で第3の増幅器からの出力値AP3が第2の設定値(V3s)とほゞ等しくなれば(AP3≒V3s)、第3の増幅器からの出力を重複検出用の監視出力とする。
【0016】
なお、本発明において、第2の増幅器からの出力がシート状物の重複検出用の監視出力として定められた場合、その時の第2の増幅器の増幅率をシート状物の重複検出用の増幅率として決定するようにする。また、第3の増幅器からの出力がシート状物の重複検出用の監視出力として定められた場合、その時の第2の増幅器の増幅率を重複検出用の増幅率として決定するようにする。
【0017】
また、本発明において、第2の増幅器の増幅率を変化させる場合、必ずしもその増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行かなくてもよく、例えば、最初は増幅率GAをGA128とし、その時の第2の増幅器からの出力が第1の設定値よりも小さければ、増幅率GAをアップしてGA192とするというようにして、第2の増幅器からの出力が第1の設定値とほゞ等しくなる増幅率GAを絞り込んで行くようにしてもよい。
【0018】
また、本発明において、例えば、第2の増幅器の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させた後、その増幅率GA0〜GA255に対応する第2の増幅器からの出力値および第3増幅器からの出力値を観察し、第2の増幅器からの出力値に第1の設定値V2sとほゞ等しい出力値が認められた場合、第2の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定め、第2の増幅器からの出力値に第1の設定値V2sとほゞ等しい出力値が認められず、第3の増幅器からの出力値に第2の設定値V3sとほゞ等しい出力値が認められた場合、第3の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定めるようにしてもよい。このようにすると、第2の増幅器の増幅率GAを再度変化させなくてもよくなり、処理スピードがアップする。
【0019】
また、本発明において、第1の設定値と第2の設定値は異なる値としてもよいし、同じ値としてもよい。また、本発明は、シート状物の重複検出装置としてではなく、シート状物の重複検出方法としても実現することができる。本願の請求項3,4の発明は、請求項1,2のシート状物の重複検出装置に係る発明をシート状物の重複検出方法としたものである。また、本発明において、シート状物は、印刷機への給紙用紙に限られるものでもない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、受光器からの出力を増幅する第1の増幅器と、この第1の増幅器からの出力を増幅する増幅率が調整可能な第2の増幅器と、この第2の増幅器からの出力を増幅する第3の増幅器とを設け、第2,第3の増幅器からの出力値に基づいて投光器と受光器との間を通過するシート状物の重複を検出するようにし、投光器と受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で第2の増幅器の増幅率を変化させ、この時に第2の増幅器からの出力値に第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合には、第2の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定め、第2の増幅器からの出力値に第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められず、第3の増幅器からの出力値に第2の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合には、第3の増幅器からの出力をシート状物の重複検出用の監視出力として定めるようにしたので、超音波の減衰率が大きい厚紙等の特殊紙の場合、第3の増幅器からの出力を監視出力として用いるようにして、精度よく重複検出を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明に係る重複検出装置の一実施の形態(実施の形態1)を示すブロック構成図である。同図において、図34と同一符号は図34を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
【0022】
この実施の形態1では、増幅回路3Cに第3の増幅器(固定増幅器)AMP3を設け、この第3の増幅器AMP3を第2の増幅器(可変増幅器)AMP2の後段に接続し、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3を処理装置3Aへ与えるようにしている。また、処理装置3Aに重複検出用監視出力及び増幅率決定機能31を設け、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2および第3の増幅器AMP3からの出力値AP3の何れを重複検出用の監視出力として用いるのかの決定と、第2の増幅器AMP2への重複検出用の増幅率GAの決定とを行うようにしている。
【0023】
図2および図3に処理装置3Aにおける重複検出用監視出力及び増幅率決定機能31に従う重複検出用監視出力及び増幅率決定処理動作のフローチャートを示す。なお、本実施の形態において、重複検出用監視出力及び増幅率決定機能31は、処理装置3A内のメモリに格納されたプログラムに従うCPUの処理動作として実現されるものとする。また、処理装置3Aに対しては、重複検出用監視出力及び増幅率決定処理動作の開始を指示するためのスイッチSW1が設けられているものとする。また、投光器1は、電力供給回路3Bからの電力の供給を受けて、光を発射している状態にあるものとする。また、この光を発射中の投光器1と受光器2との間に、1枚の給紙用紙4が送られてくるものとする。
【0024】
処理装置3Aは、スイッチSW1がオンとされると、第1の増幅器AMP1からの出力値AP1を取り込み(図2:ステップS1)、しきい値Vth1と比較する(ステップS2)。ここで、第1の増幅器AMP1からの出力値AP1がしきい値Vth1を下回れば(ステップS2のYES、図4(a):t1点)、投光器1と受光器2との間に給紙用紙4が1枚挟まれた状態になったと判断する。
【0025】
処理装置3Aは、投光器1と受光器2との間に給紙用紙4が1枚の挟まれた状態になったと判断すると(ステップS2のYES)、カウント値Nを0とする(ステップS3)。そして、カウント値NがN>255でないことを確認のうえ(ステップS4のNO)、第2の増幅器AMP2への増幅率GAをGA0(最小値)とする(ステップS5、図4(c):t1点)。
【0026】
そして、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2を取り込み(ステップS6、図4(b):t1点)、設定値V2s(V2s=4.5V)と比較する(ステップS7)。この場合、AP2≒V2sではないで(ステップS7のNO)、N=N+1=1とし(ステップS8)、第2の増幅器AMP2への増幅率GAを1段階増加してGA1とする(ステップS5)。以下、同様動作を繰り返し、第2の増幅器AMP2への増幅率GAを段階的に増大させて行く(図4(c)参照)。
【0027】
〔普通紙〕
この増幅率GAの増大中、N>255となる前にAP2≒V2sとなれば(ステップS7のYES、図4(b):t2点)、すなわち第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行き、その途中で第2の増幅器AMP2からの出力値AP2が設定値V2sとほゞ等しくなれば、その時の増幅率GANをGAspとする(ステップS9)。また、その時の第2の増幅器AMP2からの出力値AP2に0.8を乗じ、しきい値Vth2(Vth2=AP2×0.8)とする(ステップS10)。
【0028】
そして、紙の種類を普通紙とし(ステップS11)、第2の増幅器AMP2からの出力を重複検出用の監視出力として定め(ステップS12)、GAspを重複検出用の増幅率として定め(ステップS11)、しきい値Vth2を重複検出用のしきい値として定める(ステップS12)。
【0029】
〔特殊紙〕
これに対し、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA255としても(図5(d):t2点)、AP2≒V2sとならない場合には(図5(b):t2点)、次の「N=N+1」によってN>255となるので(ステップS4のYES)、ステップS15(図3)へ進み、カウント値Nを0とする。そして、カウント値NがN>255でないことを確認のうえ(ステップS16のNO)、第2の増幅器AMP2への増幅率GAをGA0(最小値)とする(ステップS17、図5(d):t2点)。
【0030】
そして、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3を取り込み(ステップS18、図5(c):t2点)、設定値V3s(V3s=4.5V)と比較する(ステップS19)。この場合、AP3≒V3sではないので(ステップS19のNO)、N=N+1=1とし(ステップS20)、第2の増幅器AMP2への増幅率GAを1段階増加してGA1とする(ステップS17)。以下、同様動作を繰り返し、再度、第2の増幅器AMP2への増幅率GAを段階的に増大させて行く(図5(d)参照)。
【0031】
この増幅率GAの増大中、N>255となる前にAP3≒V3sとなれば(ステップS19のYES、図5(c):t3点)、すなわち第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行き、その途中で第3の増幅器AMP3からの出力値AP3が設定値V3sとほゞ等しくなれば、その時の増幅率GANをGAspとする(ステップS21)。また、その時の第3の増幅器AMP3からの出力値AP3に0.8を乗じ、しきい値Vth3(Vth3=AP2×0.8)とする(ステップS22)。
【0032】
そして、紙の種類を特殊紙とし(ステップS23)、第3の増幅器AMP3からの出力を重複検出用の監視出力として定め(ステップS24)、GAspを重複検出用の増幅率として定め(ステップS25)、しきい値Vth3を重複検出用のしきい値として定める(ステップS26)。
【0033】
なお、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA255までアップしても、AP3≒V3sとならない場合には、次の「N=N+1」によってN>255となるので(ステップS16のYES)、ステップS27へ進み、検出不可と判断する。すなわち、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3も設定値V3sにならない場合には、適当な精度で検出できないとし、エラー表示を行うなどする。
【0034】
このようにして、本実施の形態では、超音波の減衰率がそれほど大きくない普通紙の場合、第2の増幅器AMP2からの出力が重複検出用の監視出力として定められ、超音波の減衰率が大きい厚紙等の特殊紙の場合、第3の増幅器AMP3からの出力が重複検出用の監視出力として定められ、特殊紙も含めた広範囲の用紙に対して、精度よく重複検出を行うことができるようになる。
【0035】
図6に参考として処理装置3Aにおける重複検出用監視出力及び増幅率決定機能31の機能ブロック図を示す。重複検出用監視出力及び増幅率決定機能31は、増幅率変化手段31Aと、第1の重複検出用監視出力及び増幅率決定手段31Bと、第2の重複検出用監視出力及び増幅率決定手段31Cとを備えている。
【0036】
この重複検出用監視出力及び増幅率決定機能31において、増幅率変化手段31Aは、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行く。
【0037】
第1の重複検出用監視出力及び増幅率決定手段31Bは、増幅率変化手段31Aが第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行く途中、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2に設定値V2sとほゞ等しい出力値が認められた場合、第2の増幅器AMP2からの出力を重複検出用の監視出力として定める。また、その時の第2の増幅器AMP2の増幅率GANを取り込み、この取り込んだGANを重複検出用の増幅率GAspとして定める。また、増幅率変化手段31Aが第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させても、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2に設定値V2sとほゞ等しい出力値が認められなかった場合、増幅率変化手段31Aへ指令を送って第2の増幅器AMP2への増幅率GAをGA0〜GA255まで再度段階的に増大させる。
【0038】
第3の重複検出用監視出力及び増幅率決定手段31Cは、増幅率変化手段31Aが第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで再度段階的に増大させて行く途中、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3に設定値V3sとほゞ等しい出力値が認められた場合、第3の増幅器AMP3からの出力を重複検出用の監視出力として定める。また、その時の第2の増幅器AMP2の増幅率GANを取り込み、この取り込んだGANを重複検出用の増幅率GAspとして定める。また、増幅率変化手段31Aが第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで再度段階的に増大させても、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3に設定値V3sとほゞ等しい出力値が認められなかった場合、検出不可と判断する。
【0039】
なお、この実施の形態1では、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて行くようにしたが、例えば、最初は増幅率GAをGA128とし、その時の第2の増幅器AMP2からの出力値AP2が設定値V2sよりも小さければ、増幅率GAをアップしてGA192とするというようにして、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2が設定値V2sとほゞ等しくなる増幅率GGを絞り込んで行くようにしてもよい。この方式については、後述する実施の形態2で説明する。このような方式とすることにより、増幅率GAを1段階ずつ変化させる場合に比べ、遙かにその処理スピードをアップすることができる。
【0040】
また、この実施の形態1では、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させてもAP2≒V2sとならない場合、再度、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させて、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3がAP3≒V3sとなる点を探し出すようにしたが、例えば、第2の増幅器AMP2の増幅率GAをGA0〜GA255まで段階的に増大させた後、その増幅率GA0〜GA255に対応する第2の増幅器AMP2からの出力値AP2および第3の増幅器AMP3からの出力値AP3を観察し、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2に設定値V2sとほゞ等しい出力値が認められた場合、第2の増幅器AMP3からの出力を重複検出用の監視出力として定め、第2の増幅器AMP2からの出力値AP2に設定値V2sとほゞ等しい出力値が認められず、第3の増幅器AMP3からの出力値AP3に設定値V3sとほゞ等しい出力値が認められた場合、第3の増幅器AMP3からの出力を重複検出用の監視出力として定めるようにしてもよい。このようにすると、第2の増幅器AMP2の増幅率GAを再度変化させなくてもよくなり、処理スピードがアップする。
【0041】
〔実施の形態2〕
図7に本発明に係る重複検出装置の他の実施の形態(実施の形態2)のブロック図を示す。この重複検出装置100は、印刷機制御装置200と接続されており、CPU101と、ROM102と、RAM103と、入力装置104と、表示器105と、出力装置106と、投光器用D/A変換器109と、投光器110と、受光器111と、第1のアンプ(固定増幅器)112(AMP1)と、第2のアンプ(可変増幅器)113(AMP2)と、第3のアンプ(固定増幅器)114(AMP3)と、第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115と、印刷機の回転位相検出用カウンタ116と、印刷機の回転位相検出用ロータリエンコーダ117と、A/D変換器118〜120と、インタフェース121〜128と、メモリMとを備えている。
【0042】
図8にメモリMの構成を示す。メモリMは、投光器の出力値記憶用メモリM1と、カウント値N記憶用メモリM3と、第1のアンプの出力値記憶用メモリM4と、カウント値Nの補正値記憶用メモリM6と、紙有り判断用しきい値記憶用メモリM7と、第2のアンプの出力値記憶用メモリM8と、最適ゲイン値判断用基準値記憶用メモリM9と、最適ゲイン値判断用基準値との差記憶用メモリM10と、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値記憶用メモリM11と、最適ゲイン値判断用しきい値記憶用メモリM12と、次回のカウント値Nの補正値記憶用メモリM13と、紙の種類記憶用メモリM14と、最適ゲイン値記憶用メモリM15と、重複検出用のしきい値記憶用メモリM16と、第3のアンプの出力値記憶用メモリM17と、印刷機の回転位相検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM18と、印刷機の回転位相記憶用メモリM19と、重複検知位相記憶用メモリM20と、検出出力値記憶用メモリM21とを備えている。
【0043】
このメモリMにおいて、メモリM1には重複検出に際する設定値として投光器の出力値SVspが記憶され、メモリM3にはカウント値Nが記憶され、メモリM4には第1のアンプの出力値AP1が記憶され、メモリM6にはカウント値の補正値NCが記憶され、メモリM7には紙有り判断用しきい値Vth1が記憶され、メモリM8には第2のアンプの出力値AP2が記憶され、メモリM9には最適ゲイン値判断用基準値Vs(=V1s,V2s)が記憶される。
【0044】
また、メモリM10には最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsが記憶され、メモリM11には最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|が記憶され、メモリM12には最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthが記憶され、メモリM13には次回のカウント値Nの補正値NC’が記憶され、メモリM14には紙の種類が普通紙の場合には「1」として、特殊紙の場合には「2」として記憶され、メモリM15には最適ゲイン値NGspが記憶される。
【0045】
また、メモリM16には重複検出用のしきい値Vth(=Vth1,Vth2)が記憶され、メモリM17には第3のアンプの出力値AP3が記憶され、メモリM18には印刷機の回転位相検出用のカウンタのカウント値Nψが記憶され、メモリM19には印刷機の回転位相ψが記憶され、メモリM20には重複検知位相Nψspが記憶され、メモリM21には検出出力値APが記憶される。なお、これらのメモリM1〜M21に記憶される内容については、後述する重複検出処理の動作の説明を交えながら明らかとする。
【0046】
図9に印刷機制御装置200の構成を示す。印刷機制御装置200は、CPU201と、印刷開始スイッチ202と、印刷停止スイッチ203と、重複検出装置用リセットスイッチ204と、入力装置205と、表示器206と、出力装置207と、給紙装置208と、第1印刷ユニット2091〜第4印刷ユニット2094と、原動モータドライバ210と、原動モータ211と、原動モータ用ロータリエンコーダ212と、インタフェース213〜217とを備えている。
【0047】
以下、図10〜図25に示すフローチャートを参照しながら、重複検出装置100におけるCPU101が実行する本実施の形態特有の処理動作について説明する。なお、CPU101は、この処理動作をROM102に格納されている重複検出プログラムに従って実行する。
【0048】
印刷機制御装置200において、印刷開始スイッチ202がオンとされると(図23:ステップS301のYES)、原動モータドライバ210に駆動信号を出力し(ステップS302)、印刷機の運転を開始する。また、給紙装置208に給紙開始指令を出力し(ステップS303)、印刷機への給紙を開始する。また、重複検出装置100に印刷開始信号を送る(ステップS304)。また、印刷ユニット2091〜2094に印刷開始指令を出力する(図26:ステップS307)。
【0049】
〔重複検出用の監視出力及びゲインの決定〕
重複検出装置100のCPU101は、印刷機制御装置200から印刷開始信号が送られてくると(図10:ステップS119のYES)、メモリM1から投光器の出力値SVspを読み出し(ステップS120)、この読み出した投光器の出力値SVspを投光器用D/A変換器109に出力する(ステップS121)。これにより、投光器110から受光器111へ向けて規定量の光が発射される。
【0050】
次に、CPU101は、カウント値Nの補正値NCとして「64」をメモリM6に書き込む(ステップS122)。そして、第1のアンプ112の出力値AP1を読み込み(ステップS123)、メモリM7から紙有り判断用しきい値Vth1を読み出し(ステップS124)、この第1のアンプ112の出力値AP1と紙有り判断用しきい値Vth1とを比較する(ステップS125)。
【0051】
CPU101は、このステップS123〜S125の処理を繰り返し、AP1<Vth1となったことを確認すると(ステップS125のYES、図26(a):t1点)、投光器110と受光器111との間に給紙用紙4が1枚挟まれた状態になったと判断し、メモリM3にカウント値Nとして「128」を書き込む(図11:ステップS126)。そして、この書き込んだカウント値N=128を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS127)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA128とする(図26(c):t1点)。また、A/D変換器119を介して第2のアンプ113の出力値AP2を読み込み(図26(b):t1点)、メモリM8に書き込む(ステップS128)。
【0052】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS129)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第2のアンプ113の出力値AP2を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS130)、その絶対値を|ΔVs|として求める(ステップS131)。この求めた最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsはメモリM10に書き込み、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|はメモリM11に書き込む。
【0053】
そして、CPU101は、メモリM12より最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthをメモリM12から読み出し(ステップS132)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS133)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS133のNO)、ステップS134(図12)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS133のYES)、ステップS171(図13)へ進む。
【0054】
この例では、|ΔVs|<ΔVstthではなく、ステップS134へ進むものとする。この場合、CPU101は、その時の第2のアンプ113の出力値AP2をメモリM8から読み出し(ステップS134)、また最適ゲイン値判断用基準値VsをメモリM9から読み出し(ステップS135)、第2のアンプ113の出力値AP2と最適ゲイン値判断用基準値Vsとを比較する(ステップS136)。
【0055】
〔AP2<Vsであった場合〕
ここで、AP2<Vsであった場合(ステップS136のYES)、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=128を読み出し(ステップS137)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS138)、カウント値Nに補正値NCを加算してN=128+64=192とし、この求めたN=192をメモリM3に上書きする(ステップS139)。また、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS143)、カウント値Nの補正値NCを2で除算してNC=64/2=32とし、この求めたNC=32をメモリM6に上書きする(ステップS144)。
【0056】
そして、メモリM3からカウント値N=192を読み出し(図13:ステップS145)、この読み出したカウント値N=192を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS146)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA192とする(図26(c):t2点)。そして、A/D変換器119を介して第2のアンプ113の出力値AP2を読み込み(図26(b):t2点)、メモリM8に書き込む(ステップS147)。
【0057】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS148)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第2のアンプ113の出力値AP2を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS149)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS150)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS151)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS152)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS152のNO)、ステップS153(図14)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS152のYES)、ステップS171へ進む。
【0058】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthではなく、ステップS153へ進むものとする。この場合、CPU101は、その時の第2のアンプ113の出力値AP2をメモリM8から読み出し(ステップS153)、また最適ゲイン値判断用基準値VsをメモリM9から読み出し(ステップS154)、第2のアンプ113の出力値AP2と最適ゲイン値判断用基準値Vsとを比較する(ステップS155)。
【0059】
この例では、AP2<Vsであるもものとする。この場合、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=192を読み出し(ステップS156)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=32を読み出し(ステップS157)、カウント値Nに補正値NCを加算してN=192+32=224とし、この求めたN=224をメモリM3に上書きする(ステップS158)。
【0060】
そして、メモリM3からカウント値N=224を読み出し(図15:ステップS162)、N<0でないことを確認し(ステップS163のNO)、またN>255でないことを確認し(ステップS164のNO)、その時のカウント値Nの補正値NC=32を2で除算して、次回のカウント値の補正値NC’をNC’=32/2=16として求め、この求めた次回のカウント値の補正値NC’=16をメモリM13に上書きする(ステップS165)。
【0061】
そして、次回のカウント値の補正値NC’がNC’<1か否かをチェックし(ステップS166)、NC’<1であればメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを「1」とし(ステップS167)、NC’<1でなければメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを次回のカウント値Nの補正値NC’とする(ステップS168)。この場合、NC’=16であるので、メモリM6中のカウント値Nの補正値NCをNC=16とする。
【0062】
そして、メモリM3からカウント値N=224を読み出し(図13:ステップS145)、この読み出したカウント値N=224を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS146)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA224とする(図26(c):t3点)。そして、A/D変換器119を介して第2のアンプ113の出力値AP2を読み込み(図26(b):t3点)、メモリM8に書き込む(ステップS147)。
【0063】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS148)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第2のアンプ113の出力値AP2を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS149)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS150)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS151)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS152)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS152のNO)、ステップS153(図14)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS152のYES)、ステップS171へ進む。
【0064】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthであり、ステップS171へ進むものとする。この場合、CPU101は、第2のアンプ113の出力値AP2と最適ゲイン値判断用基準値Vsとがほゞ等しく等しくなったと判断し(AP2≒Vs)、給紙用紙4が普通紙であることを示す「1」をメモリM14に書き込む(ステップS171)。また、メモリM3からその時のカウント値N=224を読み出し(ステップS172)、メモリM15にカウント値N=224を最適ゲイン値NGspとして書き込む(ステップS173)。また、メモリM8から第2のアンプの出力値AP2を読み出し(ステップS174)、この読み出した第2のアンプの出力値AP2に0.8を乗算し、重複検出用のしきい値Vthを求め、メモリM16に書き込む(ステップS175)。
【0065】
なお、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA224とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならない場合には(但し、AP2<Vsが続く場合)、補正値NCが1/2ずつ減じられながら、ゲインGAが増大して行く。この場合、ゲインGAは、「GA224」→「GA240」→「GA248」→「GA252」→「GA254」→「GA255」というように、段階的に増加して行く。
【0066】
また、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA224とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならず、AP2>Vsとなるような場合もある(図27(b):t3点)。このような場合、ステップS155(図14)での判断結果がNOとなるので、ステップS159へ進み、メモリM3からその時のカウント値N=224を読み出す(ステップS159)。そして、メモリM6からその時のカウント値Nの補正値NC=16を読み出し(ステップS160)、カウント値Nからカウント値Nの補正値NCを減算してN=224−16=208とし、第2のアンプ113へのゲインGAをGA208とする(図27(c):t4点)。
【0067】
〔AP2≧Vsであった場合〕
ステップS136(図12)において、AP2≧Vsであった場合(図28(b):t1点)、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=128を読み出し(ステップS140)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS141)、カウント値Nからカウント値Nの補正値NCを減算してN=128−64=64とし、この求めたN=64をメモリM3に上書きする(ステップS142)。また、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS143)、カウント値Nの補正値NCを2で除算してNC=64/2=32とし、この求めたNC=32をメモリM6に上書きする(ステップS144)。
【0068】
そして、メモリM3からカウント値N=64を読み出し(図13:ステップS145)、この読み出したカウント値N=64を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS146)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA64とする(図28(c):t2点)。そして、A/D変換器119を介して第2のアンプ113の出力値AP2を読み込み(図28(b):t2点)、メモリM8に書き込む(ステップS147)。
【0069】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS148)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第2のアンプ113の出力値AP2を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS149)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS150)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS151)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS152)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS152のNO)、ステップS153(図14)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS152のYES)、ステップS171へ進む。
【0070】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthではなく、ステップS153へ進むものとする。この場合、CPU101は、その時の第2のアンプ113の出力値AP2をメモリM8から読み出し(ステップS153)、また最適ゲイン値判断用基準値VsをメモリM9から読み出し(ステップS154)、第2のアンプ113の出力値AP2と最適ゲイン値判断用基準値Vsとを比較する(ステップS155)。
【0071】
この例では、AP2>Vsであるものとする。この場合、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=64を読み出し(ステップS159)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=32を読み出し(ステップS160)、カウント値Nからカウント値Nの補正値NCを減算してN=64−32=32とし、この求めたN=32をメモリM3に上書きする(ステップS161)。
【0072】
そして、メモリM3からカウント値N=32を読み出し(図15:ステップS162)、その時のカウント値Nの補正値NC=32を2で除算して、次回のカウント値の補正値NC’をNC’=32/2=16として求め、この求めた次回のカウント値の補正値NC’=16をメモリM13に上書きする(ステップS165)。
【0073】
そして、次回のカウント値の補正値NC’がNC’<1か否かをチェックし(ステップS166)、NC’<1であればメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを「1」とし(ステップS167)、NC’<1でなければメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを次回のカウント値Nの補正値NC’とする(ステップS168)。この場合、NC’=16であるので、メモリM6中のカウント値Nの補正値NCをNC=16とする。
【0074】
そして、メモリM3からカウント値N=32を読み出し(図13:ステップS145)、この読み出したカウント値N=32を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS146)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA32とする(図28(c):t3点)。そして、A/D変換器119を介して第2のアンプ113の出力値AP2を読み込み(図28(b):t3点)、メモリM8に書き込む(ステップS147)。
【0075】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS149)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第2のアンプ113の出力値AP2を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS149)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS150)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS151)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS152)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS152のNO)、ステップS153(図14)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS152のYES)、ステップS171へ進む。
【0076】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthであり、ステップS171へ進むものとする。この場合、CPU101は、第2のアンプ113の出力値AP2と最適ゲイン値判断用基準値Vsとがほゞ等しく等しくなったと判断し(ステップS152のYES)、給紙用紙4が普通紙であることを示す「1」をメモリM14に書き込む(ステップS171)。また、メモリM3からその時のカウント値N=32を読み出し(ステップS172)、メモリM15にカウント値N=32を最適ゲイン値NGspとして書き込む(ステップS173)。また、メモリM8から第2のアンプの出力値AP2を読み出し(ステップS174)、この読み出した第2のアンプの出力値AP2に0.8を乗算し、重複検出用のしきい値Vthを求め、メモリM16に書き込む(ステップS175)。
【0077】
なお、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA32とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVshとならない場合には(但し、AP2>Vsが続く場合)、補正値NCが1/2ずつ減じられながら、ゲインGAが減少して行く。この場合、ゲインGAは、「GA32」→「GA16」→「GA8」→「GA4」→「GA2」→「GA1」というように、段階的に減少して行く。
【0078】
ここで、ゲインGAを「GA1」とした後は、ステップS165(図15)でのカウント値Nの補正値NC’が0.5となるので、ステップS166のYESに応じてステップS167へ進み、カウント値の補正値NCを1とする。また、ステップS163でカウント値N<0となれば、印刷機制御装置200にエラー信号を送信する(ステップS169)。
【0079】
また、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA32とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならず、AP2<Vsとなるような場合もある(図29(b):t3点)。このような場合、ステップS155(図14)での判断結果がYESとなるので、ステップS156へ進み、メモリM3からその時のカウント値N=32を読み出す(ステップS156)。そして、メモリM6からその時のカウント値Nの補正値NC=16を読み出し(ステップS157)、カウント値Nにカウント値Nの補正値NCを加算してN=32+16=48とし(ステップS158)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA48とする(図29(c):t4点)。
【0080】
〔ゲインGAを調整しても|ΔVs|<ΔVsthとならない場合〕
CPU101は、ステップS164(図15)においてカウント値NがN>255となると、第2のアンプ113のゲインGAの調整では|ΔVs|を|ΔVs|<ΔVsthとすることができないと判断する。すなわち、第2のアンプ113のゲインGAの調整ではAP2≒Vsとすることができないと判断する。
【0081】
この場合、CPU101は、カウント値Nの補正値NCとして「64」をメモリM6に書き込み(図16:ステップS176)、メモリM3にカウント値Nとして「128」を書き込み(ステップS177)、この書き込んだカウント値N=128を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS178)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA128とする(図30(d):t2点)。そして、A/D変換器119を介して第3のアンプ114の出力値AP3を読み込み(図30(c):t2点)、メモリM17に書き込む(ステップS179)。
【0082】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS180)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第3のアンプ114の出力値AP3を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS181)、その絶対値を|ΔVs|として求める(ステップS182)。この求めた最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsはメモリM10に書き込み、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|はメモリM11に書き込む。
【0083】
そして、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS183)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS184)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS184のNO)、ステップS185(図17)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS184のYES)、ステップS222(図18)へ進む。
【0084】
この例では、|ΔVs|<ΔVstthではなく、ステップS185へ進むものとする。この場合、CPU101は、その時の第3のアンプ114の出力値AP3をメモリM17から読み出し(ステップS185)、また最適ゲイン値判断用基準値VsをメモリM9から読み出し(ステップS186)、第3のアンプ114の出力値AP3と最適ゲイン値判断用基準値Vsとを比較する(ステップS187)。
【0085】
〔AP3<Vsであった場合〕
ここで、AP3<Vsであった場合(ステップS187のYES)、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=128を読み出し(ステップS188)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS189)、カウント値Nにカウント値Nの補正値NCを加算してN=128+64=192とし、この求めたN=192をメモリM3に上書きする(ステップS190)。また、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS194)、カウント値Nの補正値NCを2で除算してNC=64/2=32とし、この求めたNC=32をメモリM6に上書きする(ステップS195)。
【0086】
そして、メモリM3からカウント値N=192を読み出し(図18:ステップS196)、この読み出したカウント値N=192を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS197)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA192とする(図30(d):t3点)。そして、A/D変換器119を介して第3のアンプ114の出力値AP3を読み込み(図30(c):t3点)、メモリM17に書き込む(ステップS198)。
【0087】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS199)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第3のアンプ114の出力値AP3を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS200)、その絶対値を|ΔVs|として求める(ステップS201)。
【0088】
そして、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS202)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS203)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS203のNO)、ステップS204(図19)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS203のYES)、ステップS222へ進む。
【0089】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthではなく、ステップS204へ進むものとする。この場合、CPU101は、その時の第3のアンプ114の出力値AP3をメモリM17から読み出し(ステップS204)、また最適ゲイン値判断用基準値VsをメモリM9から読み出し(ステップS205)、第3のアンプ114の出力値AP3と最適ゲイン値判断用基準値Vsとを比較する(ステップS206)。
【0090】
この例では、AP3>Vsであるものとする。この場合、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=192を読み出し(ステップS207)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=32を読み出し(ステップS208)、カウント値Nにカウント値Nの補正値NCを加算してN=192+32=224とし、この求めたN=224をメモリM3に上書きする(ステップS209)。
【0091】
そして、メモリM3からカウント値N=224を読み出し(図20:ステップS213)、N<0でないことを確認し(ステップS214のNO)、またN>255でないことを確認し(ステップS215のNO)、その時のカウント値Nの補正値NC=32を2で除算して、次回のカウント値の補正値NC’をNC’=32/2=16として求め、この求めた次回のカウント値の補正値NC’=16をメモリM13に上書きする(ステップS216)。
【0092】
そして、次回のカウント値の補正値NC’がNC’<1か否かをチェックし(ステップS217)、NC’<1であればメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを「1」とし(ステップS218)、NC’<1でなければメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを次回のカウント値Nの補正値NC’とする(ステップS219)。この場合、NC’=16であるので、メモリM6中のカウント値Nの補正値NCをNC=16とする。
【0093】
そして、メモリM3からカウント値N=224を読み出し(図18:ステップS196)、この読み出したカウント値N=224を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS197)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA224とする(図30(d):t4点)。そして、A/D変換器119を介して第3のアンプ113の出力値AP3を読み込み(図30(c):t4点)、メモリM17に書き込む(ステップS198)。
【0094】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS199)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第3のアンプ114の出力値AP3を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS200)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS201)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS202)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS203)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS203のNO)、ステップS204(図19)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS203のYES)、ステップS222へ進む。
【0095】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthであり、ステップS222へ進むものとする。この場合、CPU101は、第3のアンプ114の出力値AP3と最適ゲイン値判断用基準値Vsとがほゞ等しく等しくなったと判断し(AP3≒Vs)、給紙用紙4が特殊紙であることを示す「2」をメモリM14に書き込む(ステップS222)。また、メモリM3からその時のカウント値N=224を読み出し(ステップS223)、メモリM15にカウント値N=224を最適ゲイン値NGspとして書き込む(ステップS224)。また、メモリM17から第3のアンプの出力値AP3を読み出し(ステップS225)、この読み出した第3のアンプの出力値AP3に0.8を乗算し、重複検出用のしきい値Vthを求め、メモリM16に書き込む(ステップS226)。
【0096】
なお、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA224とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならない場合には(但し、AP3<Vsが続く場合)、補正値NCが1/2ずつ減じられながら、ゲインGAが増大して行く。この場合、ゲインGAは、「GA224」→「GA240」→「GA248」→「GA252」→「GA254」→「GA255」というように、段階的に増加して行く。
【0097】
また、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA224とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならず、AP3>Vsとなるような場合もある(図31(c):t4点)。このような場合には、ステップS206(図19)での判断結果がNOとなるので、ステップS210へ進み、メモリM3からその時のカウント値N=224を読み出し(ステップS210)、メモリM6からその時のカウント値Nの補正値NC=16を読み出す(ステップS211)。そして、カウント値Nからカウント値Nの補正値NCを減算してN=224−16=208とし、第2のアンプ113へのゲインGAをGA208とする(図31(d):t5点)。
【0098】
〔AP3≧Vsであった場合〕
ステップS187(図17)において、AP3>Vsであった場合(図32(c):t2点)、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=128を読み出し(ステップS191)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS192)、カウント値Nからカウント値Nの補正値NCを減算してN=128−64=64し、この求めたN=64をメモリM3に上書きする(ステップS193)。また、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=64を読み出し(ステップS194)、カウント値Nの補正値NCを2で除算してNC=64/2=32とし、この求めたNC=32をメモリM6に上書きする(ステップS195)。
【0099】
そして、メモリM3からカウント値N=64を読み出し(図18:ステップS196)、この読み出したカウント値N=64を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS197)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA64とする(図32(d):t3点)。そして、A/D変換器119を介して第3のアンプ114の出力値AP3を読み込み(図32(c):t3点)、メモリM17に書き込む(ステップS198)。
【0100】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS199)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第3のアンプ114の出力値AP3を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS200)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS201)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS202)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS203)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS203のNO)、ステップS204(図19)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS203のYES)、ステップS222へ進む。
【0101】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthではなく、ステップS204へ進むものとする。この場合、CPU101は、その時の第3のアンプ114の出力値AP3をメモリM17から読み出し(ステップS204)、また最適ゲイン値判断用基準値VsをメモリM9から読み出し(ステップS205)、第3のアンプ114の出力値AP3と最適ゲイン値判断用基準値Vsとを比較する(ステップS206)。
【0102】
この例では、AP3>Vsであるものとする。この場合、CPU101は、メモリM3よりその時のカウント値N=64を読み出し(ステップS210)、メモリM6よりその時のカウント値Nの補正値NC=32を読み出し(ステップS211)、カウント値Nからカウント値Nの補正値NCを減算してN=64−32=32とし、この求めたN=32をメモリM3に上書きする(ステップS212)。そして、メモリM3からカウント値N=32を読み出し(図20:ステップS213)、その時のカウント値Nの補正値NC=32を2で除算して、次回のカウント値の補正値NC’をNC’=32/2=16として求め、この求めた次回のカウント値の補正値NC’=16をメモリM13に上書きする(ステップS216)。
【0103】
そして、次回のカウント値の補正値NC’がNC’<1か否かをチェックし(ステップS217)、NC’<1であればメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを「1」とし(ステップS218)、NC’<1でなければメモリM6中のカウント値Nの補正値NCを次回のカウント値Nの補正値NC’とする(ステップS219)。この場合、NC’=16であるので、メモリM6中のカウント値Nの補正値NCをNC=16とする。
【0104】
そして、メモリM3からカウント値N=32を読み出し(図18:ステップS196)、この読み出したカウント値N=224を第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力し(ステップS197)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA32とする(図32(d):t4点)。そして、A/D変換器118を介して第3のアンプ113の出力値AP3を読み込み(図32(c):t4点)、メモリM17に書き込む(ステップS198)。
【0105】
そして、メモリM9から最適ゲイン値判断用基準値Vsを読み出し(ステップS199)、最適ゲイン値判断用基準値Vsより第3のアンプ114の出力値AP3を減算し、最適ゲイン値判断用基準値との差ΔVsを求め(ステップS200)、その絶対値を|ΔVs|として求め(ステップS201)、メモリM12から最適ゲイン値判断用しきい値ΔVsthを読み出し(ステップS202)、最適ゲイン値判断用基準値との差の絶対値|ΔVs|と比較する(ステップS202)。ここで、|ΔVs|<ΔVsthでなければ(ステップS203のNO)、ステップS204(図19)へ進み、|ΔVs|<ΔVsthであれば(ステップS203のYES)、ステップS222へ進む。
【0106】
この例では、|ΔVs|<ΔVsthであり、ステップS222へ進むものとする。この場合、CPU101は、第3のアンプ114の出力値AP3と最適ゲイン値判断用基準値Vsとがほゞ等しく等しくなったと判断し(ステップS222のYES)、給紙用紙4が特殊であることを示す「2」をメモリM14に書き込む(ステップS222)。また、メモリM3からその時のカウント値N=32を読み出し(ステップS223)、メモリM15にカウント値N=32を最適ゲイン値NGspとして書き込む(ステップS224)。また、メモリM17から第3のアンプの出力値AP3を読み出し(ステップS224)、この読み出した第3のアンプの出力値AP3に0.8を乗算し、重複検出用のしきい値Vthを求め、メモリM16に書き込む(ステップS226)。
【0107】
なお、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA32とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならない場合には(但し、AP3>Vsが続く場合)、補正値NCが1/2ずつ減じられながら、ゲインGAが減少して行く。この場合、ゲインGAは、「GA32」→「GA16」→「GA8」→「GA4」→「GA2」→「GA1」というように、段階的に減少して行く。
【0108】
ここで、ゲインGAを「GA1」とした後は、ステップS217(図20)でのカウント値Nの補正値NC’が0.5となるので、ステップS217のYESに応じてステップS218へ進み、カウント値の補正値NCを1とする。また、ステップS214でカウント値N<0となれば、印刷機制御装置200にエラー信号を送信する(ステップS220)。
【0109】
また、この例では、第2のアンプ113へのゲインGAをGA32とした時に|ΔVs|<ΔVsthとなるものとしたが、|ΔVs|<ΔVsthとならず、AP3<Vsとなるような場合もある(図33(c):t4点)。このような場合には、ステップS187(図17)での判断結果がYESとなるので、ステップS188へ進み、メモリM3からその時のカウント値N=32を読み出す(ステップS188)。そして、メモリM6からその時のカウント値Nの補正値NC=16を読み出し(ステップS189)、カウント値Nにカウント値Nの補正値NCを加算してN=32+16=48とし(ステップS190)、第2のアンプ113へのゲインGAをGA48とする(図33(d):t5点)。
【0110】
また、CPU101は、ゲインGAを調整しても|ΔVs|<ΔVsthとならず、カウント値NがN>255となる場合には(図20:ステップS215のYES)、カウントNがN<0となった場合と同様にして、印刷機制御装置200にエラー信号を送信する(ステップS220)。
【0111】
印刷機制御装置200のCPU201は、重複検出装置100からのエラー信号を受信すると(図23:ステップS305のYES)、給紙装置208に給紙停止指令を出力し(図25:ステップS316)、給紙装置208からの印刷機への用紙の給紙を停止する。また、印刷ユニット2091〜2094に印刷停止指令を出力し(ステップS317)、印刷ユニット2091〜2094での用紙への印刷を停止する。また、原動モータドライバ210に駆動停止信号を出力し(ステップS318)、印刷機を停止する。
【0112】
また、印刷機制御装置200のCPU201は、重複検出装置用リセットスイッチ204がオンとされると(ステップS319のYES)、重複検出装置100にリセット信号を送信する(ステップS320)。また、印刷開始スイッチ202がオンとされると(ステップS321のYES)、ステップS302(図23)の処理へと戻って、印刷機の運転を再開する。
【0113】
重複検出装置100のCPU101は、印刷機制御装置200からのリセット信号を受けると(図15:ステップS170のYES、図20:ステップS221のYES)、ステップS101(図10)の処理へと戻り、前述した一連の処理動作を再度実行する。
【0114】
〔重複検出〕
また、重複検出装置100のCPU101は、ステップS171〜S175(図13)あるいはステップS222〜S226(図18)の処理を実行すると、すなわち重複検出用の監視出力及びゲインの決定を行うと、メモリM1から投光器の出力値SVspを読み出して(図21:ステップS227)、投光器用D/A変換器109に出力する(ステップS228)。これにより、投光器110から受光器111へ向けて規定量の光が発射される。
【0115】
また、CPU101は、メモリM15から最適ゲイン値NGspを読み出して(ステップS229)、第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器115に出力する(ステップS230)。これにより、第2のアンプ113にゲインGANGspが重複検出用のゲインGAspとしてセットされる。
【0116】
そして、CPU101は、印刷機の回転位相検出用カウンタ116よりカウント値Nψを読み出し(ステップS231)、この読み出したカウント値Nψより印刷機の回転位相ψを求め(ステップS232)、メモリM19から重複検知位相ψspを読み出し(ステップS233)、印刷機の回転位相ψと重複検知位相ψspとを比較する(ステップS234)。
【0117】
そして、ステップS231〜S234の繰り返し中、印刷機の回転位相ψが重複検知位相ψspとなれば(ステップS234のYES)、メモリM14の記憶内容を読み出す(図24:ステップS235)。ここで、メモリM14の記憶内容が「1」(普通紙)であれば(ステップS236のYES)、第2のアンプ113の出力値AP2をA/D変換器119を介して読み込み、メモリM21に検出出力値APとして書き込む(ステップS237)。メモリM14の記憶内容が「2」(特殊紙)であれば(ステップS236のNO)、第3のアンプ114の出力値AP3をA/D変換器118を介して読み込み、メモリM21に検出出力値APとして書き込む(ステップS238)。
【0118】
そして、メモリM21から検出出力値APを読み出し(ステップS239)、またメモリM16に格納されている重複検出用のしきい値Vthを読み出し(ステップS240)、検出出力値APがAP<Vthであれば(ステップS241のYES)、印刷機制御装置200に重複検出信号を送る(ステップS243)。検出出力値APがAP<Vthでなければ(ステップS241のNO)、ステップS242を経てステップS231(図21)へ戻り、上述と同様の処理動作を繰り返す。
【0119】
なお、ステップS242において、印刷機制御装置200からの印刷停止信号が確認されれば、ステップS119(図10)の処理へと戻り、印刷制御装置200からの印刷開始信号を待つ。
【0120】
印刷機制御装置200のCPU201は、重複検出装置100からの重複検出信号を受信すると(図24:ステップS306のYES、ステップS308のYES)、給紙装置208に給紙停止指令を出力し(ステップS314)、給紙装置208からの印刷機への用紙の給紙を停止する。また、印刷ユニット2091〜2094に印刷停止指令を出力し(ステップS315)、印刷ユニット2091〜2094での用紙への印刷を停止する。また、原動モータドライバ210に駆動停止信号を出力し(ステップS313)、印刷機を停止する。
【0121】
なお、ステップS308における重複検出信号の確認は、印刷ユニット2091〜2094への印刷開始指令の出力後(ステップS307)、繰り返し実行される。この繰り返し実行中、印刷停止スイッチ203がオンとされると(ステップS309のYES)、印刷機制御装置200のCPU201は、給紙装置208に給紙停止指令を出力し(ステップS310)、重複検出装置100に印刷停止信号を送り(ステップS311)、印刷ユニット2091〜2094に印刷停止指令を出力し(ステップS312)、原動モータドライバ210に駆動停止信号を出力する(ステップS313)。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明に係る重複検出装置の一実施の形態(実施の形態1)を示すブロック構成図である。
【図2】この重複検出装置における処理装置が実行する重複検出用監視出力及び増幅率決定処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2に続くフローチャートである。
【図4】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程(第2のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合)を説明する図である。
【図5】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程(第3のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合)を説明する図である。
【図6】参考として示す処理装置における重複検出用監視出力及び増幅率決定機能のブロック図である。
【図7】本発明に係る重複検出装置の他の実施の形態(実施の形態2)を示すブロック図である。
【図8】この重複検出装置におけるメモリMの構成を示す図である。
【図9】この重複検出装置に接続された印刷機制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この重複検出装置におけるCPUが実行する重複検出プログラムに従う処理動作を示すフローチャートである。
【図11】図10に続くフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】図12に続くフローチャートである。
【図14】図13に続くフローチャートである。
【図15】図14に続くフローチャートである。
【図16】図15に続くフローチャートである。
【図17】図16に続くフローチャートである。
【図18】図17に続くフローチャートである。
【図19】図18に続くフローチャートである。
【図20】図19に続くフローチャートである。
【図21】図13に続くフローチャートである。
【図22】図21に続くフローチャートである。
【図23】この重複検出装置に接続された印刷制御装置のCPUが実行する処理動作を示すフローチャートである。
【図24】図23に続くフローチャートである。
【図25】図24に続くフローチャートである。
【図26】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第2のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第1例を示す図である。
【図27】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第2のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第2例を示す図である。
【図28】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第2のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第3例を示す図である。
【図29】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第2のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第4例を示す図である。
【図30】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第3のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第1例を示す図である。
【図31】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第3のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第2例を示す図である。
【図32】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第3のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第3例を示す図である。
【図33】この重複検出装置における重複検出用の監視出力およびゲインの決定過程の例として第3のアンプの出力が重複検出用の監視出力として決定される場合の第4例を示す図である。
【図34】投受光器を用いた従来の重複検出装置の一例を示す図である。
【図35】給紙用紙が1枚の場合の増幅回路からの出力値AP1,AP2の変化を示す図である。
【図36】給紙用紙が2枚の場合の増幅回路からの出力値AP1,AP2の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
1…投光器、2…受光器、3…コントロール部、3A…処理装置、3B…電力供給回路、3C…増幅回路、AMP1…第1の増幅器(固定増幅器)、AMP2…第2の増幅器(可変増幅器)、31…重複検出用監視出力及び増幅率決定機能、31A…増幅率変化手段、31B…第1の重複検出用監視出力及び増幅率決定手段、31C…第2の重複検出用監視出力及び増幅率決定手段、4…給紙用紙、100…重複検出装置、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…入力装置、105…表示器、106…出力装置、109…投光器D/A変換器、110…投光器、111…受光器、112…第1のアンプ(固定増幅器)、113…第2のアンプ(可変増幅器)、114…第3のアンプ(固定増幅器)、115…第2のアンプのゲイン調整用D/A変換器、116…印刷機の回転位相検出用カウンタ、117…印刷機の回転位相検出用ロータリエンコーダ、118〜120…A/D変換器、121〜128…インタフェース、M(M1,M3,M4,M6〜M21)…メモリ、200…印刷機制御装置、201…CPU、202…印刷開始スイッチ、203…印刷停止スイッチ、204…重複検出装置用リセットスイッチ、205…入力装置、206…表示器、207…出力装置、208…給紙装置、2091〜2094…印刷ユニット、210…原動モータドライバ、211…原動モータ、212…原動モータ用ロータリエンコーダ、213〜217…インタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する投光器と、この投光器からの光を受光する受光器と、この受光器からの出力を増幅する第1の増幅器と、この第1の増幅器からの出力を増幅する増幅率が調整可能な第2の増幅器と、この第2の増幅器からの出力を増幅する第3の増幅器とを備え、前記第2,第3の増幅器からの出力値に基づいて前記投光器と前記受光器との間を通過するシート状物の重複を検出するシート状物の重複検出装置であって、
前記第2の増幅器の増幅率を変化させる増幅率変化手段と、
前記投光器と前記受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で前記第2の増幅器の増幅率を変化させたときに、前記第2の増幅器からの出力値に予め定められている第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合、前記第2の増幅器からの出力を前記シート状物の重複検出用の監視出力として定める第1の重複検出用監視出力決定手段と、
前記投光器と前記受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で前記第2の増幅器の増幅率を変化させたときに、前記第2の増幅器からの出力値に前記第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められず、前記第3の増幅器からの出力値に予め定められている第2の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合、前記第3の増幅器からの出力を前記シート状物の重複検出用の監視出力として定める第2の重複検出用監視出力決定手段と
を備えることを特徴とするシート状物の重複検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたシート状物の重複検出装置において、
前記第1の重複検出用監視出力決定手段によって前記第2の増幅器からの出力が前記シート状物の重複検出用の監視出力として定められた場合、その時の前記第2の増幅器の増幅率を前記シート状物の重複検出用の増幅率として決定する第1の増幅率決定手段と、
前記第2の重複検出用監視出力決定手段によって前記第3の増幅器からの出力が前記シート状物の重複検出用の監視出力として定められた場合、その時の前記第2の増幅器の増幅率を前記シート状物の重複検出用の増幅率として決定する第2の増幅率決定手段と
を備えることを特徴とするシート状物の重複検出装置。
【請求項3】
光を発する投光器と、この投光器からの光を受光する受光器と、この受光器からの出力を増幅する第1の増幅器と、この第1の増幅器からの出力を増幅する増幅率が調整可能な第2の増幅器と、この第2の増幅器からの出力を増幅する第3の増幅器とを備え、前記第2,第3の増幅器からの出力値に基づいて前記投光器と前記受光器との間を通過するシート状物の重複を検出するシート状物の重複検出方法であって、
前記投光器と前記受光器との間に1枚のシート状物を挟んだ状態で前記第2の増幅器の増幅率を変化させる増幅率変化ステップと、
前記増幅率変化ステップによって前記第2の増幅器の増幅率を変化させたときに、前記第2の増幅器からの出力値に予め定められている第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合、前記第2の増幅器からの出力を前記シート状物の重複検出用の監視出力として定める第1の重複検出用監視出力決定ステップと、
前記増幅率変化ステップによって前記第2の増幅器の増幅率を変化させたときに、前記第2の増幅器からの出力値に前記第1の設定値とほゞ等しい出力値が認められず、前記第3の増幅器からの出力値に予め定められている第2の設定値とほゞ等しい出力値が認められた場合、前記第3の増幅器からの出力を前記シート状物の重複検出用の監視出力として定める第2の重複検出用監視出力決定ステップと
を備えることを特徴とするシート状物の重複検出方法。
【請求項4】
請求項3に記載されたシート状物の重複検出方法において、
前記第1の重複検出用監視出力決定ステップによって前記第2の増幅器からの出力が前記シート状物の重複検出用の監視出力として定められた場合、その時の前記第2の増幅器の増幅率を前記シート状物の重複検出用の増幅率として決定する第1の増幅率決定ステップと、
前記第2の重複検出用監視出力決定ステップによって前記第3の増幅器からの出力が前記シート状物の重複検出用の監視出力として定められた場合、その時の前記第2の増幅器の増幅率を前記シート状物の重複検出用の増幅率として決定する第2の増幅率決定ステップと
を備えることを特徴とするシート状物の重複検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−73605(P2009−73605A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242932(P2007−242932)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000184735)株式会社小森コーポレーション (403)
【Fターム(参考)】