シート積載装置およびシート積載方法
【課題】サイクルタイムの短縮化を可能としたシート積載装置およびシート積載方法を提供する。
【解決手段】シート把持装置32と積載テーブルTとの間に設置された移送コンベア70は、該積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する。そして、第1状態においてシート把持装置32から軟質発泡樹脂シートSを受け取って積載テーブルTの側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が該積載テーブルTの積載基準位置Pに到来した時点で第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シートSを該積載テーブルT上へ積載する。
【解決手段】シート把持装置32と積載テーブルTとの間に設置された移送コンベア70は、該積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する。そして、第1状態においてシート把持装置32から軟質発泡樹脂シートSを受け取って積載テーブルTの側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が該積載テーブルTの積載基準位置Pに到来した時点で第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シートSを該積載テーブルT上へ積載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置およびシート積載方法に関し、更に詳細には、軟質発泡樹脂シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置と、このシート積載装置を使用したシート積載方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型のブロック状に発泡成形した軟質発泡樹脂ブロック(「原反」という)をスライス装置で薄くスライスして、1〜3mm程度の厚みを有する軟質発泡樹脂シートを形成した後、この軟質発泡樹脂シートを把持して隣接した積載テーブル等へ整えながら順次積載するシート積載装置が提案されている。このようなシート積載装置としては、例えば特許文献1に開示された「自動スライス掴持取出移載装置」等がある。
【0003】
特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置は、軟質発泡樹脂ブロックを軟質発泡樹脂シートへ順次スライスするスライス装置と、スライスして形成された軟質発泡樹脂シートを掴持(把持)して載置台(積載テーブル)上の載置位置まで移送し、該載置台へ積載させる自動掴持取出移載装置とから構成されており、この自動掴持取出移載装置が前述したシート積載装置に相当する。なお自動掴持取出移載装置は、スライスされた軟質発泡樹脂シートの端縁近傍部分を上側から押圧して端縁部を浮き上がらせる押圧部材と、この押圧部材に向けて近接・離間移動する掴持部材と、これら押圧部材および掴持部材で掴持した軟質発泡樹脂シートを載置台へ移送する移送手段とを装備している。
【0004】
図12は、特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置の自動掴持取出移載装置と類似した構成の従来のシート積載装置を例示したもので、このシート積載装置による軟質発泡樹脂シートの積載態様を経時的に示した説明図である。すなわち従来のシート積載装置10は、図12(a)に例示するように、軟質発泡樹脂ブロックBの上部に形成された軟質発泡樹脂シートSを把持(掴持)するための押圧部材16および把持部材18を有し、上部ガイドレール20に沿って往復移動可能に配設されたシート把持装置12と、積載テーブルTの上方に配設されて軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTの上方へ移送する移送コンベア(移送手段)14とを有している。
【0005】
ここで前述した移送コンベア14は、積載テーブルTを挟んで図面の手前側および奥側に並設されて4つの固定スプロケット24,24,24,24に巻掛けられたチェーン22と、これらチェーン22の全長における約1/3の長さ領域において所要間隔毎に配設された複数個(図では17個)のローラ26から構成されている。従って移送コンベア14は、図示しない駆動手段(モータ等)により両チェーン22,22を回転移動させた際に、各ローラ26が該チェーン22,22の軌道上を移動するようになり、各ローラ26を積載テーブルTの上方へ到来させると軟質発泡樹脂シートSの支持が可能となる一方、各ローラ26を上方から退避させると積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載を許容する構造となっている。
【特許文献1】登録実用新案第3018225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来のシート積載装置10による軟質発泡樹脂シートSの積載作業は、具体的には次のように行なわれる。すなわち、シート把持装置12の押圧部材16および把持部材18で端縁部が把持された軟質発泡樹脂シートSは、該シート把持装置12の移動と共に移送コンベア14側へ引張られ、同期的に回転制御されている該移送コンベア14の各ローラ26の上へ順次載置されるようになる(図12(a))。そして、シート把持装置12と移送コンベア14が同期的に図示右側へ移動することで、積載テーブルTの上方へ移動した各ローラ26上へ軟質発泡樹脂シートSが載置され、該軟質発泡樹脂シートSは該積載テーブルTの上方に到来するようになる(図12(b))。次いで、軟質発泡樹脂シートSが所定位置へ到来したら、シート把持装置12による把持を維持したもとで移送コンベア14を逆転させることで、各ローラ26が軟質発泡樹脂シートSの下側から順次退避するため、全てのローラ26が退避すると同時にシート把持装置12による把持を解除することで、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルT上へ落下して積載されるようになる(図12(c))。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された自動掴持取出移載装置および図12に例示したシート積載装置10では、移送コンベア14の各ローラ26が所定間隔毎に配設されており、各ローラ26間には軟質発泡樹脂シートSを支持し得ない空間が画成されている。このため、薄くスライスされているうえに柔軟性に富んだ材質からなる軟質発泡樹脂シートSは、これらローラ26へ載置されて移送される際に、空間に対応する部位が下方へ弛んで全体が波板状に変形してしまい、該軟質発泡樹脂シートSの適切な保持を図り得ない問題を内在していた。
【0008】
また、図12(c)に例示したように、シート把持装置12による軟質発泡樹脂シートSの把持状態は、移送コンベア14の各ローラ26が軟質発泡樹脂シートSの下側から完全に退避するまで行なう必要がある。何故ならば、移送コンベア14を逆転させた際に、ローラ26上に載置されている軟質発泡樹脂シートSが、該ローラ26と共に移動してしまうからである。このためシート把持装置12は、積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載が完了してから、次の軟質発泡樹脂シートSを把持するべく軟質発泡樹脂ブロックBの側へ移動するようになるため、積載作業に係るサイクルタイムの短縮化を図り得ない欠点等も指摘される。すなわち、図示しないスライス装置による軟質発泡樹脂ブロックBのスライス作業は、前の軟質発泡樹脂シートSが積載テーブルTの上方へ移載した図12(b)の時点で完了しているため、移送コンベア14が退避する間にシート把持装置12が軟質発泡樹脂ブロックB側へ戻り得れば、サイクルタイムを大幅に短縮することが可能である。
【0009】
従って本発明では、軟質発泡樹脂シートを適切な形状で支持すると共に、サイクルタイムの短縮化を可能としたシート積載装置と、このシート積載装置を使用したシート積載方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
軟質発泡樹脂シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置され、この積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベアからなり、
前記移送コンベアは、前記第1状態において前記シート把持装置からの前記軟質発泡樹脂シートを受け取って積載テーブルの側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シートの端縁部が該積載テーブルの所定位置に到来した時点で前記第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シートを該積載テーブル上へ積載するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
同じく前記課題を解決し、所期の目的を達成するため別の発明は、
軟質発泡樹脂シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載方法であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置した移送コンベアを、該積載テーブルの上方へ延出した第1状態に変位させ、
前記シート把持装置で把持していた前記軟質発泡樹脂シートを、前記移送コンベアへ移載して前記積載テーブルの側へ移送させ、
前記軟質発泡樹脂シートの端縁部が前記積載テーブルの所定位置に到来した時点で、前記移送コンベアを該積載テーブルの上方から退避した第2状態へ変位させ、
前記移送コンベアが第2状態に変位することで、前記軟質発泡樹脂シートを前記積載テーブル上へ積載するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシート積載装置によれば、積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態とに変位可能な移送コンベアを使用して、シート把持装置から受け取った軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載するようにしたため、この積載時に軟質発泡樹脂シートが引張られることがなくなり、積載時にシート把持装置で軟質発泡樹脂シートを把持している必要がない。このため、連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載する際のサイクルタイムの短縮化を可能とする等の有益な効果を奏する。
【0013】
別の発明に係るシート積載方法によれば、移送コンベアから積載テーブルへ軟質発泡樹脂シートを移載するに際し、この軟質発泡樹脂シートを把持している必要がないため、積載テーブルへ軟質発泡樹脂シートを積載する間に、シート把持装置は次の軟質発泡樹脂シートを把持して、移送コンベアへ移送する準備をすることができる。従って、連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載する際のロスタイムが殆どなく、積載作業のサイクルタイムの短縮化を可能とする有益な効果を奏する。また、軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ移載するに際してシート把持装置を揺動させるため、把持されていた軟質発泡樹脂シートを移送コンベアの上方へ適切に臨ませ得るようになり、該軟質発泡樹脂シートを適切な形状で移送コンベアへ移載させ得る等の利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明に係るシート積載装置およびシート積載方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0015】
図1は、好適実施例に係るシート積載装置を一部破断して示した概略側面図であり、図2は、該シート積載装置の概略平面図である。本実施例のシート積載装置30は、スライドテーブル28上に載置された軟質発泡樹脂ブロック(原反)Bの上部を、図示しないスライス装置でスライスすることで所定の厚みに形成された軟質発泡樹脂シートSを、シート把持装置32で把持して隣接して配設された積載テーブルTへ移送すると共に、このシート把持装置32と積載テーブルTとの間に配設された移送コンベア70を利用して、該積載テーブルT上へ整えながら順次積載する装置である。なお説明の便宜上、図1における右側をシート積載装置30の前側、左側を後側とする。またスライス装置は、既存のものがそのまま実施されるため、本実施例では図示および説明を省略する。
【0016】
シート把持装置32は、本体フレーム34の左右両側に設置されて略「く」字形を呈するガイドレール38,38に案内されて昇降移動する昇降体36に配設されている。この昇降体36は、本体フレーム34の幅方向へ水平に延在する棒状部材であって、前述した各ガイドレール38,38に沿ってスライド移動可能なスライダ40,40に対し、その両端部が摺接状態で連結されている。そして、各々のガイドレール38,38には、複数のスプロケット43に巻掛けられて、本体フレーム34の上部に設置されたモータ44に連繋されたチェーン42,42が、該ガイドレール38,38の長手方向に沿うよう延設されており、これらチェーン42,42に対応のスライダ40,40が連結されている。従って、前述したモータ44を正転・逆転制御することにより、水平姿勢に保持されている昇降体36は、各ガイドレール38,38に沿って本体フレーム34の前側と上部中央との間を昇降移動するようになる。なお昇降体36は、前述したようの各スライダ40,40に対して端部が摺接されているため軸方向を中心とした回動が可能となっており、後述するように、揺動機構56によるシート把持装置32の揺動を許容し得るようになっている。
【0017】
このような昇降体36に配設されたシート把持装置32は、図3(a)に例示するように、該昇降体36に所要間隔毎に配設された複数の支持ステー52に固定された横長板状の押圧部材46と、昇降体36に所要間隔毎に配設された複数基の第1流体アクチュエータ54のロッド54Aに固定されたL形板状の把持部材48とからなるシート把持部50を有している。そして、各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aを前進させるよう制御することで、各把持部材48が押圧部材46へ近接移動して軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持し得ると共に、各流体アクチュエータ54をロッド54Aを後退させるよう制御することで、各把持部材48が押圧部材46から離間移動して軟質発泡樹脂シートSに対する把持を解除し得る構造となっている。
【0018】
なお、前述した押圧部材46には図示しない圧力感知センサが装備されており、軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を該押圧部材46の先端が押圧し、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が起立した状態(図3(a)の状態)となった時点で、圧力感知センサが感知するよう設定されている。従って、昇降体36の下降移動によりシート把持装置32を下降移動させ、押圧部材46の先端が軟質発泡樹脂シートSを押圧して圧力感知センサが作動したら、これによる信号に基づいて前述した第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう制御することにより、把持部材48を押圧部材46へ近接移動させて軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持することが可能となる。
【0019】
またシート把持装置32には、前述した昇降体36がスライダ40,40に対して回動可能に連結されていることを前提として、シート把持部50を全体的に揺動させ得る揺動機構50を有している。この揺動機構50は、図3(a)に例示するように、一方のスライダ40(図2における上側)に立設固定された支持ステー58と、昇降体36に固定された作動レバー60と、支持ステー52の上端にそのボトム側が枢支されると共に作動レバー60の先端にロッド62Aが連結される第2流体アクチュエータ62とから構成されている。従って、第2流体アクチュエータ62をロッド62Aを後退させるよう制御することで、各支持ステー52がガイドレール38に対して略直角に延出した姿勢となり(図3、図4(a))、該第2流体アクチュエータ62をロッド62Aを前進させるよう制御することで、各支持ステー52がガイドレール38に対して約45度の前下がり姿勢となるようになっている(図4(b))。このような揺動機構50は、後述するように、把持していた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア14へ移載するに先立ち、前述した第2流体アクチュエータ62を作動制御させてシート把持部50を揺動させることで、把持されて懸吊状態にある軟質発泡樹脂シートSが揺れ動いて該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等を除去して形状の適正化を図り得ると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ適切に臨ませ得るように機能する(図4(b)、図7)。
【0020】
積載テーブルTは、前述した本体フレーム34の内側に配設されたリフター64の上面に、水平状態で着脱可能に搭載されている。そして図1に例示したように、本体フレーム34の前後部分に光電管等のセンサ66,66が配設されており、リフター64の伸縮制御を行なうことで、軟質発泡樹脂シートSを積載していない場合では積載テーブルTの上面が、また軟質発泡樹脂シートSを積載している場合には該軟質発泡樹脂シートSの最上面が、常に両センサ66,66を結んだライン上に一致するよう制御されるようになっている。すなわち、移送コンベア70から移載される軟質発泡樹脂シートSが、弛んだり折り重なることなく適切に積載されるようにするため、積載テーブルTの上面(または積載されている軟質発泡樹脂シートSの上面)と移送コンベア70との間隔を常に一定に保持する必要があるためである。従って、積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSの枚数が少ない程、リフター64の伸長量が大きくなる。なお、実施例に例示した積載テーブルTは、キャスター68が付いでリフター64に着脱可能に搭載される形態のものであるが、この積載テーブルTはリフター64に備え付けられた固定形態のものでもよい。
【0021】
そして本実施例のシート積載装置30では、図1および図2に例示したように、前述したシート把持装置32と積載テーブルTとの間に設置され、この積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア70を装備している。この移送コンベア70は、後で詳述するように、第1状態においてシート把持装置32からの軟質発泡樹脂シートSを受け取って積載テーブルTの側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が該積載テーブルTの積載基準位置(所定位置)Pに到来した時点で第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シートSを該積載テーブルT上へ積載するよう構成されている。
【0022】
このような移送コンベア70は、積載テーブルTに隣接して配設された駆動ローラ72と、積載テーブルTの上方に配設され、軟質発泡樹脂シートSの移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ74と、積載テーブルTの上方から退避した位置に配設され、第1スライドローラ74と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ76と、積載テーブルTに隣接して配設されたテンションローラ78と、これら駆動ローラ72、第1スライドローラ74、第2スライドローラ76およびテンションローラ78に常には展張状態で巻掛けられる回転ベルト80とから構成されている。すなわち、駆動ローラ72およびテンションローラ78は本体フレーム34に対して固定的に配設されており、第1スライドローラ74および第2スライドローラ76は本体フレーム34に対してスライド移動可能に配設されている。
【0023】
駆動ローラ72は、図示しないモータ等の駆動手段に連繋されており、該駆動手段により正転および逆転が可能となっている。またテンションローラ78は、自在回転可能なフリーローラであって、図示しないスプリング等の付勢手段により駆動ローラ72側へ付勢されており、各ローラへ巻掛けられた前述の回転ベルト80を常に適度の展張状態に保持するようになっている。また回転ベルト80は、静電気等を帯電し難い材質から形成されたものである。
【0024】
第1スライドローラ74は、図1および図2に例示したように、本体フレーム34の左右両側に水平に延在する第1ガイドレール82,82に配設された第1スライダ84,84に両端が支持された回転軸に対し、自在回転可能に配設されたフリーローラである。これら第1スライダ84,84は、パルスモータ等の図示しない第1スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第1スライド駆動手段により第1スライダ84,84が対応の第1ガイドレール82,82に沿って摺動するため、積載テーブルTの後側上方と前側上方との間を水平状態で往復移動するようになっている。
【0025】
第2スライドローラ76は、図1および図2に例示したように、本体フレーム34の左右両側に垂直に延在する第2ガイドレール86,86に配設された第2スライダ88,88に両端が支持された回転軸に対し、自在回転可能に配設されたフリーローラである。これら第2スライダ88,88は、パルスモータ等の図示しない第2スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第2スライド駆動手段により第2スライダ88,88が対応の第2ガイドレール86,86に沿って摺動するため、積載テーブルTの側方において水平状態で昇降移動するようになっている。
【0026】
図示しない第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段は連動するよう制御され、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面後方に位置する場合に第2スライドローラ76は最も上側に位置するようになり(図5)、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上方を移動する場合に第2スライドローラ76は下方へ移動するようになる(図9)。そして、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面前方に位置する場合に、第2スライドローラ76は最も下側に位置するようになる(図10)。これにより、駆動ローラ72、第1スライドローラ74、第2スライドローラ76およびテンションローラ78に巻掛けられた回転ベルト80は、該テンションローラ78で付勢されながら常には展張状態に保持され、駆動ローラ72の正逆回転に従って回転するようになる。
【0027】
すなわち、本実施例のシート積載装置30における移送コンベア70は、前述した第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面後方に位置すると共に第2スライドローラ76が最も上側に位置している場合(図5)、積載テーブルTの上方へ略水平に延出した前述の第1状態とされる。また、前述した第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面前方に位置すると共に第2スライドローラ76が最も下側に位置している場合(図10)、積載テーブルTの上方から退避した前述の第2状態とされて、該積載テーブルTの側方へ略垂直に延在するようになる。しかも、第1状態から第2状態への形態変位は、駆動ローラ72が停止した回転ベルト80の回転停止状態で行なうようになっており、駆動ローラ72と第1スライドローラ74との間に位置した回転ベルト80におけるシート載置部分80Aの延出長は、第1スライドローラ74が前方へ移動するに従って徐々に短くなる。すなわち移送コンベア70は、後述するように第1状態から第2状態へ形態変位するに際し、シート載置部分80Aに載置されている軟質発泡樹脂シートSを前方側へ引張ることが全くない。
【0028】
なお、図1における符号90は、前述した積載基準位置(所定位置)Pの上方に設置されたセンサである。このセンサ90は、前述した移送コンベア70で積載テーブルT側へ移送された軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2を検知するようになっている。そして、このセンサ90による検知信号に基づき、前述した駆動手段が停止制御されて駆動ローラ72および回転ベルト80が停止する一方、第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段が夫々駆動制御されて第1スライドローラ74および第2スライドローラ76が移動し、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位するようになっている。
【0029】
次に、前述のように構成されたシート積載装置30を使用した本実施例に係るシート積載方法につき、図5〜図11を引用して説明する。
【0030】
本実施例のシート積載装置30は、電源投入時の初期状態または作動前状態では、図1に例示した状態となっている。前記シート把持装置32は、例えばガイドレール38の折曲部分の真下(軟質発泡樹脂ブロックBの適宜上方)を原点位置として、この原点位置に停止待機した状態となる。そして移送コンベア70は、積載テーブルTの上方へ略水平に延出した前述の第1状態に停止保持されている。また積載テーブルTは、リフター64の昇降制御により、その上面が前述したセンサ66,66を結ぶラインに合致した状態に保持されている。
【0031】
このような初期状態において、図示しないスライス装置およびシート積載装置30の運転を開始すると、該スライス装置によりスライドテーブル28の上面に載置された軟質発泡樹脂ブロックBの上面がスライスされ、所要厚みの軟質発泡樹脂シートSが該軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成される。このスライス装置によるスライス工程完了が検知されたら、図5および図3(a)に例示するように、前述したモータ44の駆動制御により昇降体36をゆっくりと下降移動させ、押圧部材46の先端を軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を押圧させる。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が浮き上がってセンサからの検出信号が入力されると、図5および図3(b)に例示するように、前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう制御して各把持部材48を押圧部材46へ近接移動させることで、これら押圧部材46と把持部材48により軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持する。
【0032】
第1流体アクチュエータ54のロッド54Aの前進が完了し、押圧部材46および把持部材48による軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1の把持が完了したら、図6および図3(c)に例示するように、前述したモータ44を逆駆動するよう制御して、シート把持装置32をガイドレール38,38に沿って上昇移動させる。これにより、シート把持部50に把持された軟質発泡樹脂シートSは、本体フレーム34の上部中央まで上昇したシート把持装置32から下方へ懸吊した状態となる。
【0033】
シート把持装置32が所定位置まで上昇したら、図7および図4(b)に例示するように、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、該シート把持装置32のシート把持部50を揺動機構56により揺動させる。これにより、該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等が取り除かれると共に、軟質発泡樹脂シートSの下側の端縁部(シート把持部50で把持されている端縁部S1と対向した端縁部)S2が、移送コンベア70の上方へ臨むようになる。なお、シート把持装置32の揺動と同時に、移動コンベア70を第1状態で駆動させて回転ベルト80を回転させる。
【0034】
シート把持装置32を揺動させたことにより、移送コンベア70の回転ベルト80に軟質発泡樹脂シートSの端端部S2が接触するようになり、図7に例示したように、軟質発泡樹脂シートSは回転ベルト80の回転に伴って後方側へ引張られるようになる。そこで、適宜タイミングを以て前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが後退するように制御し、各把持部材48を押圧部材46から離間移動させることで、シート把持部50による軟質発泡樹脂シートSの把持が解除され、図8に例示するように該軟質発泡樹脂シートSは、移送コンベア70の回転ベルト80におけるシート積載部分80A上へ、裏返し状態で完全に移載される。
【0035】
移送コンベア70へ移載された軟質発泡樹脂シートSは、図8に例示したように、回転する回転ベルト80のシート載置部分80Aに載置された状態で積載テーブルTの上方へ移送される。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載基準位置Pへ到来してセンサ90がこれを検知すると、この検知信号に基づいて前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段が同時に作動制御されると共に、更にこれと同時に前述した駆動手段が停止制御される。これにより図9に例示するように、回転ベルト80が停止した状態において、第1スライドローラ74が水平にスライド移動すると共に第2スライドローラ76が垂直に下降するようになるので、この位置で停止している軟質発泡樹脂シートSの下側から、移送コンベア70が徐々に前方へ退避していく。
【0036】
なお、軟質発泡樹脂シートSの把持を解除したシート把持装置32は、例えば前述したセンサ90からの検出信号に基づき、揺動機構56により揺動状態から図4(a)に例示した姿勢に復帰する一方、駆動制御されたモータ44によりガイドレール38,38に沿って下降移動して前述した原点位置へ復帰する。
【0037】
前述した移送コンベア70が第1状態から第2状態に向けて形態変位する過程で、回転ベルト80のシート載置部分80Aは延出長が徐々に小さくなるため、移送コンベア70による支持が徐々に解除される軟質発泡樹脂シートSは、弾性変形により端縁部S2の側から積載テーブルTの上面へ載置されていく。そして、移送コンベア70が前述した第2状態へ形態変位すると、図10に例示するように、回転ベルト80が軟質発泡樹脂シートSの下側から完全に退避するため、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルTへ完全に積載される。この際に、移送コンベア70と積載テーブルTの上面とが適切な間隔に保持されているため、軟質発泡樹脂シートSに弛みや皺等が生ずることがない。
【0038】
一方、前述したスライス装置により軟質発泡樹脂ブロックBの上部に次の軟質発泡樹脂シートSが形成されているため、再びシート把持装置32による該軟質発泡樹脂シートSの把持作業が遂行される。すなわち、本実施例のシート積載装置30では、前の軟質発泡樹脂シートSが積載テーブルTに積載された時点で、シート把持装置32は軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された次の軟質発泡樹脂シートSを既に把持している。
【0039】
積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載が完了したら、前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段が同時に作動制御され、図11に例示するように、移送コンベア70を前述した第1状態に形態変位させる。また積載テーブルTでは、リフター64が作動制御され、軟質発泡樹脂シートSの上面がセンサ66,66を結んだラインに一致するまで、軟質発泡樹脂シートSの厚み分だけ短縮する。
【0040】
一方、移送コンベア70が第1状態に復帰した時点では、前述したシート把持装置32は、次の軟質発泡樹脂シートSを把持した状態で本体フレーム34の上方へ到来しており、該移送コンベア70に対する当該軟質発泡樹脂シートSの移載が可能状態となっている。従って移送コンベア70は、第1状態に復帰すると同時に再び駆動手段が駆動制御されて回転ベルト80が回転し、軟質発泡樹脂シートSの受け取りが可能な状態となる。
【0041】
ここで、シート積載装置30を使用した本実施例のシート積載方法を纏めると、
(1)シート把持装置32と積載テーブルTとの間に設置した移送コンベア70を、該積載テーブルTの上方へ延出した第1状態に変位させる。
(2)シート把持装置32で把持していた軟質発泡樹脂シートSを、移送コンベア70へ移載して積載テーブルTの側へ移送させる。
(3)軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載テーブルTの積載基準位置Pに到来した時点で、移送コンベア70を該積載テーブルTの上方から退避した第2状態へ変位させる。
(4)移送コンベア70が第2状態へ変位することにより、軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルT上へ積載させる。
【0042】
なお、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、シート把持装置32のシート把持部50を揺動機構56により揺動させ、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ臨ませるようにする。また、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ変位している際に、シート把持装置32で次の軟質発泡樹脂シートSを把持させるようにする。
【0043】
このように本実施例のシート積載方法では、移送コンベア70から積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを移載するに際し、この軟質発泡樹脂シートSを把持している必要がないため、積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを積載する間に、シート把持装置32は次の軟質発泡樹脂シートSを把持して、移送コンベア70へ移送する準備をすることができる。従って、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のロスタイムが殆どなく、積載作業のサイクルタイムを短縮化し得る。また、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに際してシート把持装置を揺動させるため、把持されていた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ好適に臨ませ得るようになり、この軟質発泡樹脂シートSに付与されていた折れや捻れ等が除去されると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ適切に移載させ得る。
【0044】
また本実施例のシート積載装置30は、所謂ダンサーローラタイプの第1スライドローラ74および第2スライドローラ76を有し、積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態とに形態変位可能な移送コンベア70を使用して、シート把持装置32から受け取った軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載するようにしたため、この積載時に軟質発泡樹脂シートSが引張られることがなくなり、積載時にシート把持装置32で軟質発泡樹脂シートSを把持している必要がない。このため、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のサイクルタイムを短縮化し得る。
【0045】
なお、前述した移送コンベア70の第1スライドローラ74および第2スライドローラ76の移動させる態様は前述したタイミングベルト等を介したものに限らず、例えばチェーンを介したもの、ギアを介したもの、流体アクチュエータによるもの等、現在実用化されている種々態様のものが実施可能である。
【0046】
なお前述した実施例では、第1状態と第2状態に形態変位する移送コンベア70に関し、略L字形に屈曲するように変位するものを例示したが、この移送コンベア70の形態はこれに限定されるものではない。例えば設置スペース等の制限がない場合には、第1スライドローラ74、駆動ローラ72、第2スライドローラ76を略直線状に配列するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るシート積載装置およびシート積載方法は、薄くスライスされた軟質発泡樹脂シートを、シート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置と、このシート積載装置を使用したシート積載方法であって、種々厚みの軟質発泡樹脂シートを効率よく積載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】好適実施例に係るシート積載装置を一部破断して示した概略側面図である。
【図2】図1に例示したシート積載装置の概略平面図である。
【図3】シート把持装置による軟質発泡樹脂シートの端縁部の把持態様を例示した説明図であって、(a)はシート把持装置を下降させて押圧部材を軟質発泡樹脂シートに押し付けることで、該シートの端縁部を起立させた状態を示し、(b)は、把持部材を前進させて該把持部材と押圧部材で端縁部を把持した状態を示し、(c)は、シート把持装置を上昇させて軟質発泡樹脂シートを引き上げる状態を示している。
【図4】シート把持装置に装備された揺動機構の作動態様を示した説明図であって、(a)は作動前状態を示し、(b)は作動状態を示している。
【図5】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、シート把持装置により軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図6】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図7】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を揺動させ、該軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ臨ませた状態を示している。
【図8】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、シート把持装置による軟質発泡樹脂シートの把持を解除し、該軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ移載した状態を示している。
【図9】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、軟質発泡樹脂シートを積載テーブルの上方へ移送し、移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させ始めると共に、シート把持装置を原点位置へ移動させた状態を示している。
【図10】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、移送コンベアが第2状態へ形態変位して積載テーブルに対する軟質発泡樹脂シートの積載が完了すると共に、シート把持装置で次の軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図11】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、移送コンベアを第1状態へ復帰させると共に、次の軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図12】従来のシート積載装置によるシート積載方法を例示した説明図であって、(a)は、シート把持装置により把持した軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ載置し始めた状態を示し、(b)は、軟質発泡樹脂シートを移送コンベアの各ローラへ載置した状態を示し、(c)は移送コンベアを逆駆動して軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載させた状態を示している。
【符号の説明】
【0049】
32 シート把持装置
50 シート把持部
56 揺動機構
70 移送コンベア
72 駆動ローラ
74 第1スライドローラ
76 第2スライドローラ
80 回転ベルト
P 積載基準位置(所定位置)
S 軟質発泡樹脂シート
S2 端縁部
T 積載テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置およびシート積載方法に関し、更に詳細には、軟質発泡樹脂シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置と、このシート積載装置を使用したシート積載方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型のブロック状に発泡成形した軟質発泡樹脂ブロック(「原反」という)をスライス装置で薄くスライスして、1〜3mm程度の厚みを有する軟質発泡樹脂シートを形成した後、この軟質発泡樹脂シートを把持して隣接した積載テーブル等へ整えながら順次積載するシート積載装置が提案されている。このようなシート積載装置としては、例えば特許文献1に開示された「自動スライス掴持取出移載装置」等がある。
【0003】
特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置は、軟質発泡樹脂ブロックを軟質発泡樹脂シートへ順次スライスするスライス装置と、スライスして形成された軟質発泡樹脂シートを掴持(把持)して載置台(積載テーブル)上の載置位置まで移送し、該載置台へ積載させる自動掴持取出移載装置とから構成されており、この自動掴持取出移載装置が前述したシート積載装置に相当する。なお自動掴持取出移載装置は、スライスされた軟質発泡樹脂シートの端縁近傍部分を上側から押圧して端縁部を浮き上がらせる押圧部材と、この押圧部材に向けて近接・離間移動する掴持部材と、これら押圧部材および掴持部材で掴持した軟質発泡樹脂シートを載置台へ移送する移送手段とを装備している。
【0004】
図12は、特許文献1に開示された自動スライス掴持取出移載装置の自動掴持取出移載装置と類似した構成の従来のシート積載装置を例示したもので、このシート積載装置による軟質発泡樹脂シートの積載態様を経時的に示した説明図である。すなわち従来のシート積載装置10は、図12(a)に例示するように、軟質発泡樹脂ブロックBの上部に形成された軟質発泡樹脂シートSを把持(掴持)するための押圧部材16および把持部材18を有し、上部ガイドレール20に沿って往復移動可能に配設されたシート把持装置12と、積載テーブルTの上方に配設されて軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTの上方へ移送する移送コンベア(移送手段)14とを有している。
【0005】
ここで前述した移送コンベア14は、積載テーブルTを挟んで図面の手前側および奥側に並設されて4つの固定スプロケット24,24,24,24に巻掛けられたチェーン22と、これらチェーン22の全長における約1/3の長さ領域において所要間隔毎に配設された複数個(図では17個)のローラ26から構成されている。従って移送コンベア14は、図示しない駆動手段(モータ等)により両チェーン22,22を回転移動させた際に、各ローラ26が該チェーン22,22の軌道上を移動するようになり、各ローラ26を積載テーブルTの上方へ到来させると軟質発泡樹脂シートSの支持が可能となる一方、各ローラ26を上方から退避させると積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載を許容する構造となっている。
【特許文献1】登録実用新案第3018225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来のシート積載装置10による軟質発泡樹脂シートSの積載作業は、具体的には次のように行なわれる。すなわち、シート把持装置12の押圧部材16および把持部材18で端縁部が把持された軟質発泡樹脂シートSは、該シート把持装置12の移動と共に移送コンベア14側へ引張られ、同期的に回転制御されている該移送コンベア14の各ローラ26の上へ順次載置されるようになる(図12(a))。そして、シート把持装置12と移送コンベア14が同期的に図示右側へ移動することで、積載テーブルTの上方へ移動した各ローラ26上へ軟質発泡樹脂シートSが載置され、該軟質発泡樹脂シートSは該積載テーブルTの上方に到来するようになる(図12(b))。次いで、軟質発泡樹脂シートSが所定位置へ到来したら、シート把持装置12による把持を維持したもとで移送コンベア14を逆転させることで、各ローラ26が軟質発泡樹脂シートSの下側から順次退避するため、全てのローラ26が退避すると同時にシート把持装置12による把持を解除することで、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルT上へ落下して積載されるようになる(図12(c))。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された自動掴持取出移載装置および図12に例示したシート積載装置10では、移送コンベア14の各ローラ26が所定間隔毎に配設されており、各ローラ26間には軟質発泡樹脂シートSを支持し得ない空間が画成されている。このため、薄くスライスされているうえに柔軟性に富んだ材質からなる軟質発泡樹脂シートSは、これらローラ26へ載置されて移送される際に、空間に対応する部位が下方へ弛んで全体が波板状に変形してしまい、該軟質発泡樹脂シートSの適切な保持を図り得ない問題を内在していた。
【0008】
また、図12(c)に例示したように、シート把持装置12による軟質発泡樹脂シートSの把持状態は、移送コンベア14の各ローラ26が軟質発泡樹脂シートSの下側から完全に退避するまで行なう必要がある。何故ならば、移送コンベア14を逆転させた際に、ローラ26上に載置されている軟質発泡樹脂シートSが、該ローラ26と共に移動してしまうからである。このためシート把持装置12は、積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載が完了してから、次の軟質発泡樹脂シートSを把持するべく軟質発泡樹脂ブロックBの側へ移動するようになるため、積載作業に係るサイクルタイムの短縮化を図り得ない欠点等も指摘される。すなわち、図示しないスライス装置による軟質発泡樹脂ブロックBのスライス作業は、前の軟質発泡樹脂シートSが積載テーブルTの上方へ移載した図12(b)の時点で完了しているため、移送コンベア14が退避する間にシート把持装置12が軟質発泡樹脂ブロックB側へ戻り得れば、サイクルタイムを大幅に短縮することが可能である。
【0009】
従って本発明では、軟質発泡樹脂シートを適切な形状で支持すると共に、サイクルタイムの短縮化を可能としたシート積載装置と、このシート積載装置を使用したシート積載方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
軟質発泡樹脂シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置され、この積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベアからなり、
前記移送コンベアは、前記第1状態において前記シート把持装置からの前記軟質発泡樹脂シートを受け取って積載テーブルの側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シートの端縁部が該積載テーブルの所定位置に到来した時点で前記第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シートを該積載テーブル上へ積載するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
同じく前記課題を解決し、所期の目的を達成するため別の発明は、
軟質発泡樹脂シートをシート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載方法であって、
前記シート把持装置と積載テーブルとの間に設置した移送コンベアを、該積載テーブルの上方へ延出した第1状態に変位させ、
前記シート把持装置で把持していた前記軟質発泡樹脂シートを、前記移送コンベアへ移載して前記積載テーブルの側へ移送させ、
前記軟質発泡樹脂シートの端縁部が前記積載テーブルの所定位置に到来した時点で、前記移送コンベアを該積載テーブルの上方から退避した第2状態へ変位させ、
前記移送コンベアが第2状態に変位することで、前記軟質発泡樹脂シートを前記積載テーブル上へ積載するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシート積載装置によれば、積載テーブルの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルの上方から退避した第2状態とに変位可能な移送コンベアを使用して、シート把持装置から受け取った軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載するようにしたため、この積載時に軟質発泡樹脂シートが引張られることがなくなり、積載時にシート把持装置で軟質発泡樹脂シートを把持している必要がない。このため、連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載する際のサイクルタイムの短縮化を可能とする等の有益な効果を奏する。
【0013】
別の発明に係るシート積載方法によれば、移送コンベアから積載テーブルへ軟質発泡樹脂シートを移載するに際し、この軟質発泡樹脂シートを把持している必要がないため、積載テーブルへ軟質発泡樹脂シートを積載する間に、シート把持装置は次の軟質発泡樹脂シートを把持して、移送コンベアへ移送する準備をすることができる。従って、連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載する際のロスタイムが殆どなく、積載作業のサイクルタイムの短縮化を可能とする有益な効果を奏する。また、軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ移載するに際してシート把持装置を揺動させるため、把持されていた軟質発泡樹脂シートを移送コンベアの上方へ適切に臨ませ得るようになり、該軟質発泡樹脂シートを適切な形状で移送コンベアへ移載させ得る等の利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明に係るシート積載装置およびシート積載方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0015】
図1は、好適実施例に係るシート積載装置を一部破断して示した概略側面図であり、図2は、該シート積載装置の概略平面図である。本実施例のシート積載装置30は、スライドテーブル28上に載置された軟質発泡樹脂ブロック(原反)Bの上部を、図示しないスライス装置でスライスすることで所定の厚みに形成された軟質発泡樹脂シートSを、シート把持装置32で把持して隣接して配設された積載テーブルTへ移送すると共に、このシート把持装置32と積載テーブルTとの間に配設された移送コンベア70を利用して、該積載テーブルT上へ整えながら順次積載する装置である。なお説明の便宜上、図1における右側をシート積載装置30の前側、左側を後側とする。またスライス装置は、既存のものがそのまま実施されるため、本実施例では図示および説明を省略する。
【0016】
シート把持装置32は、本体フレーム34の左右両側に設置されて略「く」字形を呈するガイドレール38,38に案内されて昇降移動する昇降体36に配設されている。この昇降体36は、本体フレーム34の幅方向へ水平に延在する棒状部材であって、前述した各ガイドレール38,38に沿ってスライド移動可能なスライダ40,40に対し、その両端部が摺接状態で連結されている。そして、各々のガイドレール38,38には、複数のスプロケット43に巻掛けられて、本体フレーム34の上部に設置されたモータ44に連繋されたチェーン42,42が、該ガイドレール38,38の長手方向に沿うよう延設されており、これらチェーン42,42に対応のスライダ40,40が連結されている。従って、前述したモータ44を正転・逆転制御することにより、水平姿勢に保持されている昇降体36は、各ガイドレール38,38に沿って本体フレーム34の前側と上部中央との間を昇降移動するようになる。なお昇降体36は、前述したようの各スライダ40,40に対して端部が摺接されているため軸方向を中心とした回動が可能となっており、後述するように、揺動機構56によるシート把持装置32の揺動を許容し得るようになっている。
【0017】
このような昇降体36に配設されたシート把持装置32は、図3(a)に例示するように、該昇降体36に所要間隔毎に配設された複数の支持ステー52に固定された横長板状の押圧部材46と、昇降体36に所要間隔毎に配設された複数基の第1流体アクチュエータ54のロッド54Aに固定されたL形板状の把持部材48とからなるシート把持部50を有している。そして、各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aを前進させるよう制御することで、各把持部材48が押圧部材46へ近接移動して軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持し得ると共に、各流体アクチュエータ54をロッド54Aを後退させるよう制御することで、各把持部材48が押圧部材46から離間移動して軟質発泡樹脂シートSに対する把持を解除し得る構造となっている。
【0018】
なお、前述した押圧部材46には図示しない圧力感知センサが装備されており、軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を該押圧部材46の先端が押圧し、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が起立した状態(図3(a)の状態)となった時点で、圧力感知センサが感知するよう設定されている。従って、昇降体36の下降移動によりシート把持装置32を下降移動させ、押圧部材46の先端が軟質発泡樹脂シートSを押圧して圧力感知センサが作動したら、これによる信号に基づいて前述した第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう制御することにより、把持部材48を押圧部材46へ近接移動させて軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持することが可能となる。
【0019】
またシート把持装置32には、前述した昇降体36がスライダ40,40に対して回動可能に連結されていることを前提として、シート把持部50を全体的に揺動させ得る揺動機構50を有している。この揺動機構50は、図3(a)に例示するように、一方のスライダ40(図2における上側)に立設固定された支持ステー58と、昇降体36に固定された作動レバー60と、支持ステー52の上端にそのボトム側が枢支されると共に作動レバー60の先端にロッド62Aが連結される第2流体アクチュエータ62とから構成されている。従って、第2流体アクチュエータ62をロッド62Aを後退させるよう制御することで、各支持ステー52がガイドレール38に対して略直角に延出した姿勢となり(図3、図4(a))、該第2流体アクチュエータ62をロッド62Aを前進させるよう制御することで、各支持ステー52がガイドレール38に対して約45度の前下がり姿勢となるようになっている(図4(b))。このような揺動機構50は、後述するように、把持していた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア14へ移載するに先立ち、前述した第2流体アクチュエータ62を作動制御させてシート把持部50を揺動させることで、把持されて懸吊状態にある軟質発泡樹脂シートSが揺れ動いて該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等を除去して形状の適正化を図り得ると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ適切に臨ませ得るように機能する(図4(b)、図7)。
【0020】
積載テーブルTは、前述した本体フレーム34の内側に配設されたリフター64の上面に、水平状態で着脱可能に搭載されている。そして図1に例示したように、本体フレーム34の前後部分に光電管等のセンサ66,66が配設されており、リフター64の伸縮制御を行なうことで、軟質発泡樹脂シートSを積載していない場合では積載テーブルTの上面が、また軟質発泡樹脂シートSを積載している場合には該軟質発泡樹脂シートSの最上面が、常に両センサ66,66を結んだライン上に一致するよう制御されるようになっている。すなわち、移送コンベア70から移載される軟質発泡樹脂シートSが、弛んだり折り重なることなく適切に積載されるようにするため、積載テーブルTの上面(または積載されている軟質発泡樹脂シートSの上面)と移送コンベア70との間隔を常に一定に保持する必要があるためである。従って、積載テーブルTに積載されている軟質発泡樹脂シートSの枚数が少ない程、リフター64の伸長量が大きくなる。なお、実施例に例示した積載テーブルTは、キャスター68が付いでリフター64に着脱可能に搭載される形態のものであるが、この積載テーブルTはリフター64に備え付けられた固定形態のものでもよい。
【0021】
そして本実施例のシート積載装置30では、図1および図2に例示したように、前述したシート把持装置32と積載テーブルTとの間に設置され、この積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア70を装備している。この移送コンベア70は、後で詳述するように、第1状態においてシート把持装置32からの軟質発泡樹脂シートSを受け取って積載テーブルTの側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が該積載テーブルTの積載基準位置(所定位置)Pに到来した時点で第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シートSを該積載テーブルT上へ積載するよう構成されている。
【0022】
このような移送コンベア70は、積載テーブルTに隣接して配設された駆動ローラ72と、積載テーブルTの上方に配設され、軟質発泡樹脂シートSの移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ74と、積載テーブルTの上方から退避した位置に配設され、第1スライドローラ74と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ76と、積載テーブルTに隣接して配設されたテンションローラ78と、これら駆動ローラ72、第1スライドローラ74、第2スライドローラ76およびテンションローラ78に常には展張状態で巻掛けられる回転ベルト80とから構成されている。すなわち、駆動ローラ72およびテンションローラ78は本体フレーム34に対して固定的に配設されており、第1スライドローラ74および第2スライドローラ76は本体フレーム34に対してスライド移動可能に配設されている。
【0023】
駆動ローラ72は、図示しないモータ等の駆動手段に連繋されており、該駆動手段により正転および逆転が可能となっている。またテンションローラ78は、自在回転可能なフリーローラであって、図示しないスプリング等の付勢手段により駆動ローラ72側へ付勢されており、各ローラへ巻掛けられた前述の回転ベルト80を常に適度の展張状態に保持するようになっている。また回転ベルト80は、静電気等を帯電し難い材質から形成されたものである。
【0024】
第1スライドローラ74は、図1および図2に例示したように、本体フレーム34の左右両側に水平に延在する第1ガイドレール82,82に配設された第1スライダ84,84に両端が支持された回転軸に対し、自在回転可能に配設されたフリーローラである。これら第1スライダ84,84は、パルスモータ等の図示しない第1スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第1スライド駆動手段により第1スライダ84,84が対応の第1ガイドレール82,82に沿って摺動するため、積載テーブルTの後側上方と前側上方との間を水平状態で往復移動するようになっている。
【0025】
第2スライドローラ76は、図1および図2に例示したように、本体フレーム34の左右両側に垂直に延在する第2ガイドレール86,86に配設された第2スライダ88,88に両端が支持された回転軸に対し、自在回転可能に配設されたフリーローラである。これら第2スライダ88,88は、パルスモータ等の図示しない第2スライド駆動手段にタイミングベルト等を介して連繋されており、この第2スライド駆動手段により第2スライダ88,88が対応の第2ガイドレール86,86に沿って摺動するため、積載テーブルTの側方において水平状態で昇降移動するようになっている。
【0026】
図示しない第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段は連動するよう制御され、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面後方に位置する場合に第2スライドローラ76は最も上側に位置するようになり(図5)、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上方を移動する場合に第2スライドローラ76は下方へ移動するようになる(図9)。そして、第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面前方に位置する場合に、第2スライドローラ76は最も下側に位置するようになる(図10)。これにより、駆動ローラ72、第1スライドローラ74、第2スライドローラ76およびテンションローラ78に巻掛けられた回転ベルト80は、該テンションローラ78で付勢されながら常には展張状態に保持され、駆動ローラ72の正逆回転に従って回転するようになる。
【0027】
すなわち、本実施例のシート積載装置30における移送コンベア70は、前述した第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面後方に位置すると共に第2スライドローラ76が最も上側に位置している場合(図5)、積載テーブルTの上方へ略水平に延出した前述の第1状態とされる。また、前述した第1スライドローラ74が積載テーブルTの上面前方に位置すると共に第2スライドローラ76が最も下側に位置している場合(図10)、積載テーブルTの上方から退避した前述の第2状態とされて、該積載テーブルTの側方へ略垂直に延在するようになる。しかも、第1状態から第2状態への形態変位は、駆動ローラ72が停止した回転ベルト80の回転停止状態で行なうようになっており、駆動ローラ72と第1スライドローラ74との間に位置した回転ベルト80におけるシート載置部分80Aの延出長は、第1スライドローラ74が前方へ移動するに従って徐々に短くなる。すなわち移送コンベア70は、後述するように第1状態から第2状態へ形態変位するに際し、シート載置部分80Aに載置されている軟質発泡樹脂シートSを前方側へ引張ることが全くない。
【0028】
なお、図1における符号90は、前述した積載基準位置(所定位置)Pの上方に設置されたセンサである。このセンサ90は、前述した移送コンベア70で積載テーブルT側へ移送された軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2を検知するようになっている。そして、このセンサ90による検知信号に基づき、前述した駆動手段が停止制御されて駆動ローラ72および回転ベルト80が停止する一方、第1スライド駆動手段および第2スライド駆動手段が夫々駆動制御されて第1スライドローラ74および第2スライドローラ76が移動し、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ形態変位するようになっている。
【0029】
次に、前述のように構成されたシート積載装置30を使用した本実施例に係るシート積載方法につき、図5〜図11を引用して説明する。
【0030】
本実施例のシート積載装置30は、電源投入時の初期状態または作動前状態では、図1に例示した状態となっている。前記シート把持装置32は、例えばガイドレール38の折曲部分の真下(軟質発泡樹脂ブロックBの適宜上方)を原点位置として、この原点位置に停止待機した状態となる。そして移送コンベア70は、積載テーブルTの上方へ略水平に延出した前述の第1状態に停止保持されている。また積載テーブルTは、リフター64の昇降制御により、その上面が前述したセンサ66,66を結ぶラインに合致した状態に保持されている。
【0031】
このような初期状態において、図示しないスライス装置およびシート積載装置30の運転を開始すると、該スライス装置によりスライドテーブル28の上面に載置された軟質発泡樹脂ブロックBの上面がスライスされ、所要厚みの軟質発泡樹脂シートSが該軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成される。このスライス装置によるスライス工程完了が検知されたら、図5および図3(a)に例示するように、前述したモータ44の駆動制御により昇降体36をゆっくりと下降移動させ、押圧部材46の先端を軟質発泡樹脂シートSの端縁近傍部分を押圧させる。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1が浮き上がってセンサからの検出信号が入力されると、図5および図3(b)に例示するように、前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが前進するよう制御して各把持部材48を押圧部材46へ近接移動させることで、これら押圧部材46と把持部材48により軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1を把持する。
【0032】
第1流体アクチュエータ54のロッド54Aの前進が完了し、押圧部材46および把持部材48による軟質発泡樹脂シートSの端縁部S1の把持が完了したら、図6および図3(c)に例示するように、前述したモータ44を逆駆動するよう制御して、シート把持装置32をガイドレール38,38に沿って上昇移動させる。これにより、シート把持部50に把持された軟質発泡樹脂シートSは、本体フレーム34の上部中央まで上昇したシート把持装置32から下方へ懸吊した状態となる。
【0033】
シート把持装置32が所定位置まで上昇したら、図7および図4(b)に例示するように、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、該シート把持装置32のシート把持部50を揺動機構56により揺動させる。これにより、該軟質発泡樹脂シートSに付与されていた皺や捻れ等が取り除かれると共に、軟質発泡樹脂シートSの下側の端縁部(シート把持部50で把持されている端縁部S1と対向した端縁部)S2が、移送コンベア70の上方へ臨むようになる。なお、シート把持装置32の揺動と同時に、移動コンベア70を第1状態で駆動させて回転ベルト80を回転させる。
【0034】
シート把持装置32を揺動させたことにより、移送コンベア70の回転ベルト80に軟質発泡樹脂シートSの端端部S2が接触するようになり、図7に例示したように、軟質発泡樹脂シートSは回転ベルト80の回転に伴って後方側へ引張られるようになる。そこで、適宜タイミングを以て前述した各第1流体アクチュエータ54をロッド54Aが後退するように制御し、各把持部材48を押圧部材46から離間移動させることで、シート把持部50による軟質発泡樹脂シートSの把持が解除され、図8に例示するように該軟質発泡樹脂シートSは、移送コンベア70の回転ベルト80におけるシート積載部分80A上へ、裏返し状態で完全に移載される。
【0035】
移送コンベア70へ移載された軟質発泡樹脂シートSは、図8に例示したように、回転する回転ベルト80のシート載置部分80Aに載置された状態で積載テーブルTの上方へ移送される。そして、軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載基準位置Pへ到来してセンサ90がこれを検知すると、この検知信号に基づいて前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段が同時に作動制御されると共に、更にこれと同時に前述した駆動手段が停止制御される。これにより図9に例示するように、回転ベルト80が停止した状態において、第1スライドローラ74が水平にスライド移動すると共に第2スライドローラ76が垂直に下降するようになるので、この位置で停止している軟質発泡樹脂シートSの下側から、移送コンベア70が徐々に前方へ退避していく。
【0036】
なお、軟質発泡樹脂シートSの把持を解除したシート把持装置32は、例えば前述したセンサ90からの検出信号に基づき、揺動機構56により揺動状態から図4(a)に例示した姿勢に復帰する一方、駆動制御されたモータ44によりガイドレール38,38に沿って下降移動して前述した原点位置へ復帰する。
【0037】
前述した移送コンベア70が第1状態から第2状態に向けて形態変位する過程で、回転ベルト80のシート載置部分80Aは延出長が徐々に小さくなるため、移送コンベア70による支持が徐々に解除される軟質発泡樹脂シートSは、弾性変形により端縁部S2の側から積載テーブルTの上面へ載置されていく。そして、移送コンベア70が前述した第2状態へ形態変位すると、図10に例示するように、回転ベルト80が軟質発泡樹脂シートSの下側から完全に退避するため、該軟質発泡樹脂シートSは積載テーブルTへ完全に積載される。この際に、移送コンベア70と積載テーブルTの上面とが適切な間隔に保持されているため、軟質発泡樹脂シートSに弛みや皺等が生ずることがない。
【0038】
一方、前述したスライス装置により軟質発泡樹脂ブロックBの上部に次の軟質発泡樹脂シートSが形成されているため、再びシート把持装置32による該軟質発泡樹脂シートSの把持作業が遂行される。すなわち、本実施例のシート積載装置30では、前の軟質発泡樹脂シートSが積載テーブルTに積載された時点で、シート把持装置32は軟質発泡樹脂ブロックBの上面に形成された次の軟質発泡樹脂シートSを既に把持している。
【0039】
積載テーブルTに対する軟質発泡樹脂シートSの積載が完了したら、前述した第1スライド移動手段および第2スライド移動手段が同時に作動制御され、図11に例示するように、移送コンベア70を前述した第1状態に形態変位させる。また積載テーブルTでは、リフター64が作動制御され、軟質発泡樹脂シートSの上面がセンサ66,66を結んだラインに一致するまで、軟質発泡樹脂シートSの厚み分だけ短縮する。
【0040】
一方、移送コンベア70が第1状態に復帰した時点では、前述したシート把持装置32は、次の軟質発泡樹脂シートSを把持した状態で本体フレーム34の上方へ到来しており、該移送コンベア70に対する当該軟質発泡樹脂シートSの移載が可能状態となっている。従って移送コンベア70は、第1状態に復帰すると同時に再び駆動手段が駆動制御されて回転ベルト80が回転し、軟質発泡樹脂シートSの受け取りが可能な状態となる。
【0041】
ここで、シート積載装置30を使用した本実施例のシート積載方法を纏めると、
(1)シート把持装置32と積載テーブルTとの間に設置した移送コンベア70を、該積載テーブルTの上方へ延出した第1状態に変位させる。
(2)シート把持装置32で把持していた軟質発泡樹脂シートSを、移送コンベア70へ移載して積載テーブルTの側へ移送させる。
(3)軟質発泡樹脂シートSの端縁部S2が積載テーブルTの積載基準位置Pに到来した時点で、移送コンベア70を該積載テーブルTの上方から退避した第2状態へ変位させる。
(4)移送コンベア70が第2状態へ変位することにより、軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルT上へ積載させる。
【0042】
なお、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに先立ち、シート把持装置32のシート把持部50を揺動機構56により揺動させ、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ臨ませるようにする。また、移送コンベア70が第1状態から第2状態へ変位している際に、シート把持装置32で次の軟質発泡樹脂シートSを把持させるようにする。
【0043】
このように本実施例のシート積載方法では、移送コンベア70から積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを移載するに際し、この軟質発泡樹脂シートSを把持している必要がないため、積載テーブルTへ軟質発泡樹脂シートSを積載する間に、シート把持装置32は次の軟質発泡樹脂シートSを把持して、移送コンベア70へ移送する準備をすることができる。従って、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のロスタイムが殆どなく、積載作業のサイクルタイムを短縮化し得る。また、軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ移載するに際してシート把持装置を揺動させるため、把持されていた軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70の上方へ好適に臨ませ得るようになり、この軟質発泡樹脂シートSに付与されていた折れや捻れ等が除去されると共に、該軟質発泡樹脂シートSを移送コンベア70へ適切に移載させ得る。
【0044】
また本実施例のシート積載装置30は、所謂ダンサーローラタイプの第1スライドローラ74および第2スライドローラ76を有し、積載テーブルTの上方へ延出した第1状態および該積載テーブルTの上方から退避した第2状態とに形態変位可能な移送コンベア70を使用して、シート把持装置32から受け取った軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載するようにしたため、この積載時に軟質発泡樹脂シートSが引張られることがなくなり、積載時にシート把持装置32で軟質発泡樹脂シートSを把持している必要がない。このため、スライス装置により連続的に順次形成される軟質発泡樹脂シートSを積載テーブルTへ積載する際のサイクルタイムを短縮化し得る。
【0045】
なお、前述した移送コンベア70の第1スライドローラ74および第2スライドローラ76の移動させる態様は前述したタイミングベルト等を介したものに限らず、例えばチェーンを介したもの、ギアを介したもの、流体アクチュエータによるもの等、現在実用化されている種々態様のものが実施可能である。
【0046】
なお前述した実施例では、第1状態と第2状態に形態変位する移送コンベア70に関し、略L字形に屈曲するように変位するものを例示したが、この移送コンベア70の形態はこれに限定されるものではない。例えば設置スペース等の制限がない場合には、第1スライドローラ74、駆動ローラ72、第2スライドローラ76を略直線状に配列するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るシート積載装置およびシート積載方法は、薄くスライスされた軟質発泡樹脂シートを、シート把持装置で把持して積載テーブルへ順次積載するシート積載装置と、このシート積載装置を使用したシート積載方法であって、種々厚みの軟質発泡樹脂シートを効率よく積載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】好適実施例に係るシート積載装置を一部破断して示した概略側面図である。
【図2】図1に例示したシート積載装置の概略平面図である。
【図3】シート把持装置による軟質発泡樹脂シートの端縁部の把持態様を例示した説明図であって、(a)はシート把持装置を下降させて押圧部材を軟質発泡樹脂シートに押し付けることで、該シートの端縁部を起立させた状態を示し、(b)は、把持部材を前進させて該把持部材と押圧部材で端縁部を把持した状態を示し、(c)は、シート把持装置を上昇させて軟質発泡樹脂シートを引き上げる状態を示している。
【図4】シート把持装置に装備された揺動機構の作動態様を示した説明図であって、(a)は作動前状態を示し、(b)は作動状態を示している。
【図5】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、シート把持装置により軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図6】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図7】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を揺動させ、該軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ臨ませた状態を示している。
【図8】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、シート把持装置による軟質発泡樹脂シートの把持を解除し、該軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ移載した状態を示している。
【図9】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、軟質発泡樹脂シートを積載テーブルの上方へ移送し、移送コンベアを第1状態から第2状態へ形態変位させ始めると共に、シート把持装置を原点位置へ移動させた状態を示している。
【図10】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、移送コンベアが第2状態へ形態変位して積載テーブルに対する軟質発泡樹脂シートの積載が完了すると共に、シート把持装置で次の軟質発泡樹脂シートを把持する状態を示している。
【図11】図1に例示したシート積載装置を使用したシート積載方法を示した説明図であって、移送コンベアを第1状態へ復帰させると共に、次の軟質発泡樹脂シートを把持したシート把持装置を上昇移動させた状態を示している。
【図12】従来のシート積載装置によるシート積載方法を例示した説明図であって、(a)は、シート把持装置により把持した軟質発泡樹脂シートを移送コンベアへ載置し始めた状態を示し、(b)は、軟質発泡樹脂シートを移送コンベアの各ローラへ載置した状態を示し、(c)は移送コンベアを逆駆動して軟質発泡樹脂シートを積載テーブルへ積載させた状態を示している。
【符号の説明】
【0049】
32 シート把持装置
50 シート把持部
56 揺動機構
70 移送コンベア
72 駆動ローラ
74 第1スライドローラ
76 第2スライドローラ
80 回転ベルト
P 積載基準位置(所定位置)
S 軟質発泡樹脂シート
S2 端縁部
T 積載テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質発泡樹脂シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置され、この積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態および該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア(70)からなり、
前記移送コンベア(70)は、前記第1状態において前記シート把持装置(32)からの前記軟質発泡樹脂シート(S)を受け取って積載テーブル(T)の側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シート(S)の端縁部(S2)が該積載テーブル(T)の所定位置(P)に到来した時点で前記第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シート(S)を該積載テーブル(T)上へ積載するよう構成した
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記移送コンベア(70)は、
前記積載テーブル(T)に隣接して配設された駆動ローラ(72)と、
前記積載テーブル(T)の上方に配設され、前記軟質発泡樹脂シート(S)の移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ(74)と、
前記積載テーブル(T)の上方から退避した位置に配設され、前記第1スライドローラ(74)と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ(76)と、
これら前記駆動ローラ(72)、第1スライドローラ(74)および第2スライドローラ(76)に常には展張状態で巻掛けられる回転ベルト(80)とから構成される請求項1記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記移送コンベア(70)は、前記駆動ローラ(72)による前記回転ベルト(80)の回転を停止させた状態で、前記第1状態から第2状態に変位する請求項2記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記シート把持装置(32)は、前記軟質発泡樹脂シート(S)を把持するシート把持部(50)を揺動させる揺動機構(56)を有している請求項1〜3の何れかに記載のシート積載装置。
【請求項5】
軟質発泡樹脂シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載方法であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置した移送コンベア(70)を、該積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態に変位させ、
前記シート把持装置(32)で把持していた前記軟質発泡樹脂シート(S)を、前記移送コンベア(70)へ移載して前記積載テーブル(T)の側へ移送させ、
前記軟質発泡樹脂シート(S)の端縁部(S2)が前記積載テーブル(T)の所定位置(P)に到来した時点で、前記移送コンベア(70)を該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態へ変位させ、
前記移送コンベア(70)が第2状態へ変位することで、前記軟質発泡樹脂シート(S)を前記積載テーブル(T)上へ積載するようにした
ことを特徴とするシート積載方法。
【請求項6】
前記軟質発泡樹脂シート(S)を前記移送コンベア(70)へ移載するに先立ち、前記シート把持装置(32)のシート把持部(50)を揺動機構(56)により揺動させ、該軟質発泡樹脂シート(S)を移送コンベア(70)の上方へ臨ませるようにした請求項5記載のシート積載方法。
【請求項7】
前記移送コンベア(70)が前記第1状態から第2状態へ変位している際に、前記シート把持装置(32)で次の軟質発泡樹脂シート(S)を把持させる請求項5または6記載のシート積載方法。
【請求項1】
軟質発泡樹脂シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載装置であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置され、この積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態および該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態の間で変位する移送コンベア(70)からなり、
前記移送コンベア(70)は、前記第1状態において前記シート把持装置(32)からの前記軟質発泡樹脂シート(S)を受け取って積載テーブル(T)の側へ移送させ、該軟質発泡樹脂シート(S)の端縁部(S2)が該積載テーブル(T)の所定位置(P)に到来した時点で前記第2状態へ変位して、当該軟質発泡樹脂シート(S)を該積載テーブル(T)上へ積載するよう構成した
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記移送コンベア(70)は、
前記積載テーブル(T)に隣接して配設された駆動ローラ(72)と、
前記積載テーブル(T)の上方に配設され、前記軟質発泡樹脂シート(S)の移送方向へ往復移動可能な第1スライドローラ(74)と、
前記積載テーブル(T)の上方から退避した位置に配設され、前記第1スライドローラ(74)と同期的に往復移動可能な第2スライドローラ(76)と、
これら前記駆動ローラ(72)、第1スライドローラ(74)および第2スライドローラ(76)に常には展張状態で巻掛けられる回転ベルト(80)とから構成される請求項1記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記移送コンベア(70)は、前記駆動ローラ(72)による前記回転ベルト(80)の回転を停止させた状態で、前記第1状態から第2状態に変位する請求項2記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記シート把持装置(32)は、前記軟質発泡樹脂シート(S)を把持するシート把持部(50)を揺動させる揺動機構(56)を有している請求項1〜3の何れかに記載のシート積載装置。
【請求項5】
軟質発泡樹脂シート(S)をシート把持装置(32)で把持して積載テーブル(T)へ順次積載するシート積載方法であって、
前記シート把持装置(32)と積載テーブル(T)との間に設置した移送コンベア(70)を、該積載テーブル(T)の上方へ延出した第1状態に変位させ、
前記シート把持装置(32)で把持していた前記軟質発泡樹脂シート(S)を、前記移送コンベア(70)へ移載して前記積載テーブル(T)の側へ移送させ、
前記軟質発泡樹脂シート(S)の端縁部(S2)が前記積載テーブル(T)の所定位置(P)に到来した時点で、前記移送コンベア(70)を該積載テーブル(T)の上方から退避した第2状態へ変位させ、
前記移送コンベア(70)が第2状態へ変位することで、前記軟質発泡樹脂シート(S)を前記積載テーブル(T)上へ積載するようにした
ことを特徴とするシート積載方法。
【請求項6】
前記軟質発泡樹脂シート(S)を前記移送コンベア(70)へ移載するに先立ち、前記シート把持装置(32)のシート把持部(50)を揺動機構(56)により揺動させ、該軟質発泡樹脂シート(S)を移送コンベア(70)の上方へ臨ませるようにした請求項5記載のシート積載方法。
【請求項7】
前記移送コンベア(70)が前記第1状態から第2状態へ変位している際に、前記シート把持装置(32)で次の軟質発泡樹脂シート(S)を把持させる請求項5または6記載のシート積載方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−56663(P2006−56663A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239895(P2004−239895)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】
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