説明

シート製品の製造方法およびシート製品

【課題】シートの連続製造ライン上で、シート表面の異物をほぼ確実に除去し得るシート製品の製造方法を提供すること。
【解決手段】シートの成形および切断が連続製造ライン上で連続的に行われるシート製品の製造方法において、成形シートの両面のうち少なくとも一方の面に、表面保護フィルムを貼合する工程、貼合した表面保護フィルムの表面に帯電防止剤を付着させる工程、表面保護フィルムが貼合された成形シートを切断する工程、および切断後、表面保護フィルムの表面にエアーを吹き付ける工程、を含むことを特徴とする、シート製品の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート製品の製造方法に関し、より詳細には、異物に起因するシート表面の傷の発生を低減し得るシート製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコンなどのディスプレイにおける、いわゆるバックライトを構成する導光板のような光学用途や、弾球遊技機の面板用途などに使用される樹脂シートには、透明性などの優れた光学特性が要求されるだけでなく、シート表面に傷や歪みのないことも要求される。また、シートの用途によって、シート表面に耐摩耗性コート液や反射防止コート液を塗布してから加工処理する場合がある。このような場合にも、シート表面に傷がなく、かつ異物付着のないことが要求される。
【0003】
そのため、従来の熱可塑性樹脂板などの成形シートでは、シート表面全体に表面保護フィルムを貼着して、使用時に表面保護フィルムを剥がして使用するようにしている。表面保護フィルムは、シートに異物が直接付着しないように、成形直後の成形シート表面に貼着される。その後、シートは、所望の幅および長さに切断される。一般的に、シートの成形(押出成形など)、表面保護フィルムの貼着およびシートの切断は、連続製造ライン上で連続的に行われる。
【0004】
図4は、この連続製造ラインによる通常の製造工程を示す。押出機4から押出された成形物は、複数の仕上げロール5、6、7からなるポリシング機8にて、光沢と平滑性とを付与された所定厚さの成形シート1に加工される。次いで、成形シート1は、マスキング機9にて両面に表面保護フィルム2が貼着された後、引取機10を経てサイドカッター11に送られ、丸鋸などで両側部が連続的に鋸切断され、さらに丸鋸などからなるクロスカッター12にて所定長さに切断されてシート製品3に加工される。シート製品3は、吸盤を用いたスタッカ−クレーン13にて順次ラインより運び出されて、積み重ねられる。
【0005】
ところで、成形シート1を切断する際には、鋸屑などの異物が発生し、表面保護フィルム2を貼着したシート1の表面に付着するため、異物を取り除く必要がある。通常使用されている異物除去方法としては、オフラインにて、作業員が1枚毎にハケやブラシなどでシート表面をブラッシングするか、あるいはオフラインにて、1枚毎、エアーブローにてシート表面の異物を除去していた。
【0006】
しかし、人手による作業は、異物除去にバラつきが発生しやすい。そのため、除去が不完全で異物がシート表面に残存すると、他のシートと共に多数枚積み重ねて梱包し輸送した際に、積み重ねたシートの重みで異物がシートに食い込み、シートに傷が発生しやすくなる。
【0007】
特許文献1には、人手による異物除去作業の代わりに、回転ブラシとエアー吸引装置とを備えたシート製品の製造装置を用いて、シート表面を回転ブラシでブラッシングし、異物をエアー吸引にて除去することが開示されている。しかし、この製造装置を用いると、シート表面は、回転ブラシによって擦られ帯電するため、帯電したシート表面が異物を引き寄せ、異物の除去が不十分となる場合がある。
【0008】
したがって、シートの連続製造ライン上で、シート表面の異物をほぼ確実に除去し得るシート製品の製造方法が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−172707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、シートの連続製造ライン上で、シート表面の異物をほぼ確実に除去し得るシート製品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シートの連続製造ライン上で、シート表面の異物をほぼ確実に除去し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)シートの成形および切断が連続製造ライン上で連続的に行われるシート製品の製造方法において、成形シートの両面のうち少なくとも一方の面に、表面保護フィルムを貼合する工程、貼合した表面保護フィルムの表面に帯電防止剤を付着させる工程、表面保護フィルムが貼合された成形シートを切断する工程、および切断後、表面保護フィルムの表面にエアーを吹き付ける工程、を含むことを特徴とするシート製品の製造方法。
(2)前記エアーを吹き付ける工程の後に、表面保護フィルムが貼合された成形シートの両面のうち少なくとも一方の面を粘着ロールに接触させる工程を、さらに含む(1)に記載の製造方法。
(3)前記成形シートの両面に、表面保護フィルムを貼合する(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記帯電防止剤の付着が、噴霧によって行われる(1)〜(3)のいずれかの項に記載の製造方法。
(5)前記成形シートを切断する工程が、成形シートの搬送方向に沿って成形シートの両端部を切断し、次いで成形シートの搬送方向と交差する方向に成形シートを切断することによって行われる(1)〜(4)のいずれかの項に記載の製造方法。
(6)前記成形シートの搬送方向に沿って成形シートの両端部を切断した後、さらに帯電防止剤を付着させ、次いで成形シートの搬送方向と交差する方向に成形シートを切断する(5)に記載の製造方法。
(7)前記成形シートの搬送方向に沿って成形シートの両端部を切断した後および成形シートの搬送方向と交差する方向に成形シートを切断した後の少なくとも一方で、成形シートの両面のうち少なくとも一方の面をさらに粘着ロールに接触させる(5)または(6)に記載の製造方法。
(8)(1)〜(7)に記載のシート製品の製造方法によって得られるシート製品。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るシート製品の製造方法によれば、連続製造ライン上で、シート表面の異物をほぼ確実に除去することができる。したがって、連続製造ラインからオフラインに移行する際に、異物に起因する傷の発生が低減されるシート製品が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施態様に係るシート製品の製造方法を示す概略説明図である。
【図2】本発明の他の実施態様に係るシート製品の製造方法を示す概略説明図である。
【図3】(a)は、本発明の一実施態様に係るシート製品の製造方法におけるエアー吹き付けノズルの設置状態を示す図であり、(b)は、(a)を矢印Aの方向から見た図であり、(c)は、(a)を矢印Bの方向から見た図であり、(d)は、(a)を矢印Cの方向から見た図である。
【図4】シート製品を製造する通常の連続製造ラインを示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るシート製品の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と記載する場合がある)は、以下の工程を含む。
成形シートの両面のうち少なくとも一方の面に、表面保護フィルムを貼合する工程(表面保護フィルム貼合工程)、
貼合した表面保護フィルムの表面に帯電防止剤を付着させる工程(帯電防止剤付着工程)、
表面保護フィルムが貼合された成形シートを切断する工程(切断工程)、および
切断後、表面保護フィルムの表面にエアーを吹き付ける工程(エアー吹き付け工程)。
【0016】
以下、図1〜3を参照して、本発明に係るシート製品の製造方法を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施態様に係るシート製品の製造方法を示す概略説明図である。本発明の製造方法に用いられる成形シート21は、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂からなる樹脂板などが挙げられる。
【0018】
本発明において、「アクリル系樹脂」とは、その構成単位としてアクリル酸またはメタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸と記載する場合がある)または(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなど)を、50質量%以上含有する樹脂のことをいう。
【0019】
このようなアクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸のホモポリマー、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなど)のホモポリマー、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な不飽和単量体とのコポリマーなどが挙げられる。
【0020】
アクリル酸またはアクリル酸エステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなど)、主となるアクリル酸エステルとは異なるアクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
【0021】
メタクリル酸またはメタクリル酸エステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなど)、主となるメタクリル酸エステルとは異なるメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
【0022】
成形シート21は、単層構造でもよく2層以上の積層構造を有していてもよい。積層構造を有する成形シートは、例えば、フィードブロック法、マルチマニホールド法、溶融ラミネート法などの方法によって得られる。積層精度、設備的なコスト、作業性などの観点から、フィードブロック法およびマルチマニホールド法が好ましい。
【0023】
成形シート21の厚みは、シート製品の用途に応じて適宜設定されるが、好ましくは0.5〜12mm程度である。
【0024】
成形シート21は、表面保護フィルム貼合工程23に供され、表面保護フィルムが成形シート21に貼合される。
【0025】
表面保護フィルム221、222は、一般的に表面保護フィルムとして用いられているフィルムであればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂を基材層とし、その片面に接着材層(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレンなど)を設けたフィルムや、市販の表面保護フィルムが挙げられる。表面保護フィルム221、222は、好ましくは20〜200μm、より好ましくは30〜150μmの厚みを有する。厚みが20μm未満の場合、フィルムの厚みが薄すぎるため、傷の発生を低減する効果が小さい。一方、200μmを超える場合、コストが高くなり、コストに合った傷の発生を低減する効果が期待できないだけでなく、質量も重くなるため、作業性が低下する。
【0026】
表面保護フィルムは、成形シート21の両面のうち少なくとも一方の面に貼合すればよいが、より確実に傷の発生を低減するため、図1に示すように、成形シート21の両面に貼合するのが好ましい。なお、表面保護フィルム221、222を成形シート21の両面に貼合する場合、通常、表面保護フィルム221、222は同じフィルムであるが、例えばコストなどを考慮して、表面保護フィルム221、222は、それぞれ異なっていてもよい。
【0027】
表面保護フィルム221、222は、成形シート21と共に貼合ロール231、232の間に挟み込まれ、成形シート21と表面保護フィルム221、222との間の空気を押し出しながら、成形シート21と表面保護フィルム221、222の接着材層とが合わさるように貼合される。皺などの発生を防止するために、表面保護フィルム221、222に適度な引張張力を負荷してもよく、あるいは、貼合ロール231、232に挟み込む前に、エキスパンダーロール(皺取りロール)(図示せず)を設けてもよい。
【0028】
表面保護フィルム221、222が貼合された成形シート21は、次いで、帯電防止剤付着工程24に供される。成形シート21の製造時や表面保護フィルム貼合工程23において、成形シート21がロールを通過することにより、ロールと成形シート21(表面保護フィルム221、222)との表面が擦れて、成形シート21(表面保護フィルム221、222)の表面に静電気を帯びる場合がある。この静電気によって、周囲の粉塵、作業員の衣服などの繊維状塵、後段の切断工程で発生する切削屑などが、電気的に成形シート21の表面に引き付けられる。そのため、表面保護フィルム221、222が貼合された成形シート21を帯電防止剤付着工程に供して、静電気の除去を行う。
【0029】
成形シート21(表面保護フィルム221、222)に帯電防止機能を付与するために、例えば、予め成形シートまたは表面保護フィルムの材料に、帯電防止剤を添加して成形シートや表面保護フィルムを成形することが考えられる。しかし、このような場合、成形シートと表面保護フィルムとの粘着力の低下、品質の低下(透明性の低下、表面荒れのような成形不良の増大など)を招くおそれがある。したがって、本発明の製造方法では、帯電防止剤付着工程24によって、成形シート21に貼合された表面保護フィルム221、222の表面に帯電防止剤を付着させる。
【0030】
表面保護フィルム221、222の表面に帯電防止剤を付着させる方法としては、例えば、ブラシなどを用いて塗布する方法;帯電防止剤を含む溶液をロール表面に供給して、表面保護フィルム221、222をロール表面に接触させて塗布する方法;噴霧ノズルなどを用いて、帯電防止剤を含む溶液を表面保護フィルム221、222に噴霧する方法などが挙げられる。
【0031】
これらの方法の中でも、噴霧ノズル241、242を用いた方法が好ましく、より微細な霧状液体を発生させ、かつ噴霧量の調整も行いやすい点で、2系統に分けられた圧縮空気と帯電防止剤を含む溶液とを混合して噴出させる2流体スプレー方式の噴霧ノズルを用いた方法が、より好ましい。さらに、噴霧する方法を採用すると、乾燥が容易となり、乾燥機などによる乾燥処理が不要となるため好ましい。噴霧ノズル241、242を用いる場合、帯電防止剤を1〜30質量%程度含む水溶液やアルコール溶液を、約0.5〜2.0L/時の割合で噴霧することが好ましい。帯電防止剤の濃度にもよるが、噴霧量が多すぎる場合、被噴霧面に水滴などの液溜まりが生じ、乾燥処理が必要となる。一方、少なすぎる場合、帯電防止剤の付着量が少なくなり、帯電防止効果が低くなる。
【0032】
帯電防止剤は、特に限定されないが、容易に付着させることができるという観点から、液体状の帯電防止剤や、溶媒に溶解・分散させて液状で使用できる帯電防止剤が好ましい。帯電防止剤としては、例えば、導電性無機粒子(アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、酸化チタン、錫がドープされた酸化インジウム(酸化インジウム錫:ITO))、アルカリ金属、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体などが挙げられる。これらの中でも、第4級アンモニウム塩が好ましく用いられる。第4級アンモニウム塩としては、例えば、トリメチルアルキルアンモニウムクロライド(トリメチルラウリルアンモニウムクロライド、トリメチルステアリルアンモニウムクロライドなど)、N−アルカノイルアミノアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキルサルフェート(N−ステアロイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−エチルアンモニウムエチルサルフェートなど)などが挙げられ、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドおよびこれ以外のトリメチルアルキルアンモニウムクロライドの混合物がより好ましい。帯電防止剤を水やアルコールなどの溶媒に溶解・分散させて使用する場合、上記のように1〜30質量%程度の濃度で使用するのが好ましい。
【0033】
噴霧ノズル、ブラシ、ロールなどの帯電防止剤を付着させるための装置は、表面保護フィルム221、222が貼合された成形シート21の両面のうち少なくとも一方の面に帯電防止剤が付与されるように、製造ライン上に設けられる。帯電防止効果を高めるために、これらの装置は、表面保護フィルム221、222が貼合された成形シート21の両面に、帯電防止剤が付与されるように設けられることが好ましい。
【0034】
例えば、噴霧ノズル241、242を用いる場合、成形シート21全体に帯電防止剤を付着させることができれば、その数や成形シート21との距離は特に限定されないが、噴霧ノズル241、242の大きさ、成形シート21の幅などを考慮して、通常、その数は片面あたり1〜5個程度である。複数個用いる場合は、より均一に塗布するために、成形シート21の幅方向に一定の間隔で設けることが好ましい。また、複数個用いる場合は、成形シート21の搬送方向前後に少し位置をずらして設けてもよい。
【0035】
このように、帯電防止剤を付着させた成形シート21(表面保護フィルム221、222)は、帯電防止機能を有し、その表面抵抗率は、好ましくは1014Ω/□以下となっている。
【0036】
次いで、帯電防止剤を付着させた成形シート21は、切断工程25に供される。切断工程25は、通常、成形シート21の搬送方向に沿って成形シート21の両端部を切断する工程(サイドカット工程)および成形シート21の搬送方向と交差する方向に成形シート21を切断する工程(クロスカット工程)の2段階の工程で行われる。切断工程25において、成形シート21は、所望のシート製品の大きさに切断される。
【0037】
サイドカット工程では、一般的に、成形シート21の両端部を、鋸などの切断機251を用いて切断し、成形シート21の幅方向の大きさを決定する。また、サイドカット工程は、成形シート21を所定の幅に切断する目的だけでなく、成形シート21の両端部は、表面保護フィルム221、222が浮いていたり、成形シート21の厚みが厚くなっていたりする場合があるので、当該部分を除去する目的もある。サイドカット工程では、所望のシート製品の幅によって適宜設定されるが、成形シート21のそれぞれの端部からの切断幅は、ロスを少なくするために可能な限り小さくすることが好ましく、成形シート21のそれぞれの端部から10mm〜150mmの幅で切断される。
【0038】
クロスカット工程では、一般的に、成形シート21を、鋸、ギロチン刃を用いた裁断機などの切断機252を用いて切断し、成形シート21の長さ方向の大きさを決定する。また、レーザーなどによる溶融裁断なども挙げられるが、成形シート21の厚みや材質、表面保護フィルム221、222の種類によっては、きれいに裁断できなかったり、裁断端面が溶融により盛り上がったり、表面保護フィルム221、222と成形シート21とが溶融接着して剥れなくなったりする場合がある。
【0039】
上述の帯電防止剤の付着により、成形シート21は帯電防止機能を有するが、切断工程25(サイドカット工程およびクロスカット工程)では、例えば、鋸のチップ数、鋸の回転速度、鋸の送り速度を適宜調整することにより、可能な限り切削屑(鋸屑)を発生させないことが望ましい。また、発生した切削屑が成形シート21に付着しにくくなるように、切断機251、252の直近に吸引装置(図示せず)を設けてもよく、あるいは切削屑が発生、飛散する部分(刃が通過するクリアランス周辺部)をクッション材などで覆い、切削屑の付着を防止する手法を用いてもよい。
【0040】
切断工程25は、サイドカット工程およびクロスカット工程の順序は限定されないが、通常、サイドカット工程の後、クロスカット工程が行われる。先にサイドカット工程を行うことにより、ラインを流れてきた成形シート21の両端部を、連続的に切断することができるため、クロスカット工程後の断続的な成形シートの両端部を切断する場合と比べて、シート製品の切断不良が生じにくくなる。
【0041】
成形シート21の帯電防止機能をより高めるため、図2に示すように、サイドカット工程およびクロスカット工程の間に、さらに上述の帯電防止付着工程を含んでいてもよい。例えば、図2に示すように、噴霧ノズル281、282を用いて、切断機251で成形シートの搬送方向に沿って両端部が切断された成形シート21に帯電防止剤が付与される。
【0042】
所定の大きさに切断された成形シート21は、エアー吹き付け工程26に供される。切断工程25において、上記のように、発生した切削屑が成形シート21に付着しにくくなるように手段を講じたとしても、多少の切削屑や他の異物が付着することは避けられない。成形シート21は、帯電防止機能を有するため、切削屑や他の異物は電気的に引き付けられ付着しているわけではないので、成形シート21にエアーを吹き付けることにより、切削屑や他の異物を容易に吹き飛ばすことができる。その結果、シート製品27の表面に存在する異物を、ほぼ確実に除去することができる。
【0043】
エアーの吹き付けには、好ましくはコンプレッサーなどのエアー供給装置やエアーボンベに接続されたエアーノズル、コンプレッサーなどのエアー供給装置やエアーボンベに接続されたエアーガンなどのエアー吹き付け手段が用いられ、より好ましくはエアーノズルが用いられる。エアー吹き付け手段261、262としては、例えば、一般的なフィッシュテイル型ノズル、微細ホール型ノズルなどが好ましい。エアー吹き付け手段261、262は、成形シート21の両面のうち少なくとも一方の面にエアーを吹き付け得るように設けられるが、好ましくは両面に吹き付け得るように設けられる。
【0044】
エアー吹き付け手段261、262は、成形シート21にムラなく均一にエアーを吹き付けることができれば、その数や成形シート21との距離は特に限定されないが、エアー吹き付け手段261、262の大きさ、成形シート21の大きさなどを考慮して、通常、その数は片面あたり1〜10個程度である。複数個用いる場合は、より均一にエアーを吹き付けるために、成形シート21の幅方向に一定の間隔で設けることが好ましい。例えば、図3(a)では、4個のエアー吹き付けノズル261が一定間隔で設けられている。また、複数のエアー吹き付け手段を用いる場合は、成形シート21の搬送方向前後に少し位置をずらして設けてもよい。
【0045】
エアー吹き付け手段261、262は、成形シート21にエアーを吹き付けることができれば、その設置様式は限定されない。例えば、図3(b)に示すように、エアー吹き付け手段261は、吹き付けられるエアーと成形シート21とのなす角θ1が、好ましくは90〜170度、より好ましくは120〜160度となるように設けられる。さらに、エアー吹き付け手段261は、成形シート21の搬送方向に対して平行に設けてもよいが、吹き飛ばした鋸屑などの切削屑の再付着の防止に効果的である点から、エアー吹き付け方向が斜め方向となるように設ける方が好ましい。例えば、エアー吹き付け手段261は、エアー吹き付け方向が成形シート21の搬送方向に対して、好ましくは20〜70度、より好ましくは30〜60度の角度(θ2)を有するように設けられる。なお、複数のエアー吹き付け手段を用いる場合、成形シート21にムラなく均一にエアーを吹き付けることができれば、それぞれのエアー吹き付け手段を取り付ける角度θ1およびθ2は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0046】
エアーを吹き付けるための空気圧は、鋸屑などの切削屑を吹き飛ばすだけの力が得られれば、特に限定されず、通常、0.5〜2.0MPa程度の圧力である。圧力が大きすぎると、成形シートの端面から表面保護フィルムの剥離が発生しやすくなるおそれがあり、圧力が低すぎると、鋸屑などの切削屑が十分に吹き飛ばされずに、残存する可能性がある。
【0047】
本発明に係るシート製品の製造方法は、図2に示すように、エアー吹き付け工程26の後に、さらに、成形シート21を粘着ロール291、292に接触させる工程(粘着ロール接触工程)29に供されることが好ましい。成形シート21を粘着ロール291、292に接触させることにより、残存する鋸屑などの切削屑は粘着ロールに付着し、成形シート21から除去される。
【0048】
粘着ロール291、292の材質は、特に限定されず、例えば、天然ゴム、クロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ハイパロン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。具体的には、自己粘着型樹脂が鉄芯に巻き付けられた粘着ロール、粘着剤を有するテープ状物が、ロール芯に巻き付けられた粘着ロールなどが挙げられる。
【0049】
粘着ロール291、292の形状は、特に限定されず、フラット、ラジアルクラウン、逆クラウン、テーパークラウンなどが挙げられる。
【0050】
粘着ロール291、292は、表面保護フィルム221、222が貼合された成形シート21の両面のうち少なくとも一方の面と接触するように設けられ、好ましくは図2に示すように両面と接触するように設けられる。また、粘着ロール291、292は、一方の面に数列設置してもよい。粘着ロール291、292の粘着機能は、表面に塵埃が付着するにつれて低下するが、表面に付着した塵埃などのゴミを洗浄液で洗浄して除去するか、あるいは粘着ロール291、292の表面を剥がして新しい表面に変更することにより、粘着機能が回復する。成形シート製品の連続生産では、粘着力の経時的な低下を抑制する観点から、洗浄液で洗浄することによって粘着力が回復する特殊ゴムで作られた粘着ロール291、292を用いて、連続運転することが好ましい。このような粘着ロールは市販されており、例えば、宮川ローラー(株)製の「商品名:MIMOSA(登録商標)」、明和ゴム工業(株)製の「商品名:ベタロン」などが挙げられる。
【0051】
粘着ロール291、292の粘着力は、表面保護フィルム221、222と成形シート21との剥離強度よりも小さくする必要がある。粘着ロール291、292の粘着力を表面保護フィルム221、222と成形シート21との剥離強度よりも大きくすると、成形シート21から表面保護フィルム221、222が剥れ、一方、小さすぎる場合、鋸屑などの切削屑などが十分に除去されないおそれがある。粘着ロール291、292の粘着力は、表面保護フィルム221、222に応じて適宜設定され得る。
【0052】
粘着ロール接触工程29は、複数回実施されてもよく、例えば、上述のサイドカット工程とクロスカット工程との間や、上述のクロスカット工程とエアー吹き付け工程との間で、さらに粘着ロール接触工程を含むことが好ましい。
【0053】
本発明の製造方法は、通常、表面保護フィルム貼合工程、帯電防止剤付着工程、サイドカット工程、クロスカット工程、およびエアー吹き付け工程の順で行われ;好ましくは、表面保護フィルム貼合工程、帯電防止剤付着工程、サイドカット工程、クロスカット工程、エアー吹き付け工程、および粘着ロール接触工程の順で行われ;より好ましくは、表面保護フィルム貼合工程、帯電防止剤付着工程、サイドカット工程、帯電防止剤付着工程、クロスカット工程、エアー吹き付け工程、および粘着ロール接触工程の順で行われ;さらに好ましくは、表面保護フィルム貼合工程、帯電防止剤付着工程、サイドカット工程、粘着ロール接触工程、帯電防止剤付着工程、クロスカット工程、粘着ロール接触工程、エアー吹き付け工程、および粘着ロール接触工程の順で行われる。
【0054】
例えば、成形シート21をサイドカット工程に供した後、表面保護フィルム貼合工程に供すると、表面保護フィルム幅と成形シート幅とが寸分違うことなく貼合しなければ、表面保護フィルムが成形シート21の端部からはみ出した状態になり、その結果、端部からの表面保護フィルムの剥離が生じやすく、製品外観上の問題もある。さらに、鋸屑などの切削屑を表面に付着したまま表面保護フィルムを貼合するため、エアーを吹き付けたとしても屑が吹き飛ばされることはなく、シート製品間への挟み込みによる打痕が抑制できない。このように、工程の順序を変更することにより、十分な屑除去効果を発揮しなくなったり、外観品質上の問題を生じたりする。
【0055】
本発明に係るシート製品の製造方法によれば、連続製造ライン上で、シート表面の異物をほぼ確実に除去することができ、異物に起因する傷の発生が低減されるシート製品27が得られるという効果を奏する。したがって、このようにして得られたシート製品27は、例えば、導光板のような光学用途や、弾球遊技機の面板用途などに使用される。
【実施例】
【0056】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
各実施例および比較例において、樹脂シートの成形後、表面保護フィルム貼合工程(工程A)から粘着ロール接触工程(工程F)までを、以下のように行った。
<工程A(表面保護フィルム貼合工程)>
表面保護フィルムとして、東レフィルム加工(株)製「商品名:トレテック7232(ポリオレフィン系、厚み:90μm)」を用い、アクリル系樹脂シートと共に貼合ロールに挟み込み、アクリル系樹脂シートの両面に表面保護フィルムを貼合した。
<工程B(帯電防止剤付着工程)>
帯電防止剤、イソプロピルアルコールおよび水を、2.5:0.5:97の質量比で混合した溶液(帯電防止溶液)を調製し、2流体スプレーノズル((株)いけうち製、BIMV8002SS303TS303)を用い、該スプレーノズルを、幅方向に30cm間隔で4個並べ、ラインの上下面それぞれに設置して帯電防止溶液を表面保護フィルム表面に噴霧した。なお、ノズル先端と表面保護フィルム表面との距離が28cm程度となるように、ノズルを設置した。圧縮空気の圧力を0.7MPaに設定し、帯電防止溶液を1時間あたり1Lの割合で供給した。なお、帯電防止剤としては、トリメチルラウリルアンモニウムクロライドを主成分とするC8〜18アルキルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物を用いた。
<工程C(サイドカット工程)>
鋸による切断機を用いて、アクリル系樹脂シートの両端部を、樹脂シートの搬送方向に沿ってそれぞれ85mm切断し、アクリル系樹脂シートの幅を1060mmとした。鋸は40チップとし、1000rpmの回転速度に設定した。なお、鋸は固定され、アクリル系樹脂シートの送り速度は、シート製造ラインにおけるライン速度と同じである。
<工程D(クロスカット工程)>
鋸による切断機を用いて、アクリル系樹脂シートを、1枚あたりの樹脂シートの搬送方向の長さが945mmとなるように切断した。鋸は40チップとし、3000rpmの回転速度、3.0m/分の送り速度に設定し、シートをクランプして切断を行った。なお、クランプした際の鋸台は、シート製造ラインにおけるライン速度に同調して稼動するものを用いた。
<工程E(エアー吹き付け工程)>
フィッシュテイル型ノズル((株)いけうち製、タイフーJET平型タイプ樹脂製、開口部:2mm×50mm)を幅方向に30cm間隔で4個設置し、上流斜め45度向きで、かつシートに150度程度の角度でエアーを吹き付け得るように、ラインの上下面に設置した。なお、ノズル先端とシート表面との距離が28cm程度となるように、ノズルを設置した。
<工程F(粘着ロール接触工程)>
宮川ローラー(株)製の粘着ロール「商品名:MIMOSA−ST」を用い、100g/cmの線圧でシートに接触させた。この粘着ロールはアクリル系樹脂シートの上面のみに設置した。
【0058】
(実施例1)
50質量部のスミペックスHT01X(アクリル系樹脂、住友化学(株)製)と50質量部のスミペックスEX(アクリル系樹脂、住友化学(株)製)とを混合機で混合した後、得られた混合物を一軸押出機(日立造船(株)製)に投入し、溶融混練を行った。溶融混練された樹脂を、Tダイに供給し、Tダイからシート状の溶融樹脂として押し出した。次いで、シート状の溶融樹脂を、一対の表面が平滑な金属ロールで挟み込んで成形し、1230mmの幅および10mmの厚みを有するアクリル系樹脂シートを作製した。このアクリル系樹脂シートを、上記工程A、B、C、DおよびEの順に供し、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0059】
(実施例2)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、B、C、B、D、EおよびFの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0060】
(実施例3)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、B、C、D、EおよびFの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。60枚のシート製品のうち、任意の3枚について、帯電防止剤が付着した面の中央部の表面抵抗率を測定したところ、3.8×1012Ω/□、2.9×1012Ω/□、および5.5×1012Ω/□であった。なお、表面抵抗率の測定は、表面抵抗率計(日置電機(株)製のSME−8311および東亜ディーケーケー(株)のULTRA MEGOHMMETER SM−8220)を用い、23℃、50%RHに調整された条件で、JIS K 6911に記載の方法に準拠して行った。
【0061】
(実施例4)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、B、C、F、B、D、F、EおよびFの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0062】
(比較例1)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、CおよびDの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。60枚のシート製品のうち、任意の1枚について、実施例3と同様の手順で、帯電防止剤が付着した面の中央部の表面抵抗率を測定したところ、>1.0×1016Ω/□であった。
【0063】
(比較例2)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、C、DおよびEの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0064】
(比較例3)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、C、DおよびFの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0065】
(比較例4)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、B、CおよびDの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0066】
(比較例5)
アクリル系樹脂シートを、上記工程A、B、C、DおよびFの順に供したこと以外は、実施例1と同様の手順で、最終的に60枚のシート製品を得た。
【0067】
(評価)
実施例1〜4および比較例1〜5で得られた60枚のシート製品を積載し、1時間放置した後、シート製品間に挟み込まれた鋸屑の個数を数えた。鋸屑の数が少ないほど、打痕不良発生頻度が低く、多いほど、打痕不良発生頻度が高いことを意味する。鋸屑の数が10個以下の場合を良好(○)とし、10個を超える場合を不良(×)とした。
【0068】
【表1】

【0069】
表1に示すように、実施例1〜4では、シート製品間に挟み込まれた鋸屑が10個以下であり、打痕不良発生頻度が低いことがわかった。一方、比較例1〜5では、シート製品間に挟み込まれた鋸屑が10個を超え、打痕不良発生頻度が高いことがわかった。
【符号の説明】
【0070】
21 成形シート
221、222 表面保護フィルム
23 表面保護フィルム貼合工程
231、232 貼合ロール
24 帯電防止剤付着工程
241、242 帯電防止剤噴霧ノズル
25 切断工程
251、252 切断機
26 エアー吹き付け工程
261、262 エアー吹き付け手段
27 シート製品
281、282 帯電防止剤噴霧ノズル
29 粘着ロール接触工程
291、292 粘着ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの成形および切断が連続製造ライン上で連続的に行われるシート製品の製造方法において、
成形シートの両面のうち少なくとも一方の面に、表面保護フィルムを貼合する工程、
貼合した表面保護フィルムの表面に帯電防止剤を付着させる工程、
表面保護フィルムが貼合された成形シートを切断する工程、および
切断後、表面保護フィルムの表面にエアーを吹き付ける工程、
を含むことを特徴とするシート製品の製造方法。
【請求項2】
前記エアーを吹き付ける工程の後に、表面保護フィルムが貼合された成形シートの両面のうち少なくとも一方の面を粘着ロールに接触させる工程を、さらに含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記成形シートの両面に、表面保護フィルムを貼合する請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記帯電防止剤の付着が、噴霧によって行われる請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記成形シートを切断する工程が、成形シートの搬送方向に沿って成形シートの両端部を切断し、次いで成形シートの搬送方向と交差する方向に成形シートを切断することによって行われる請求項1〜4のいずれかの項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記成形シートの搬送方向に沿って成形シートの両端部を切断した後、さらに帯電防止剤を付着させ、次いで成形シートの搬送方向と交差する方向に成形シートを切断する請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記成形シートの搬送方向に沿って成形シートの両端部を切断した後および成形シートの搬送方向と交差する方向に成形シートを切断した後の少なくとも一方で、成形シートの両面のうち少なくとも一方の面をさらに粘着ロールに接触させる請求項5または6に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7に記載のシート製品の製造方法によって得られるシート製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−143918(P2012−143918A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2693(P2011−2693)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(507403263)エスカーボシート株式会社 (22)
【Fターム(参考)】