説明

シーラント

本発明は、アルコキシシラン基を含有するプレポリマーおよびそれらのシーラント用の結合剤としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシシラン基変性ポリウレタンおよびそれらのシーラント用の結合剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
シラン重縮合により架橋するアルコキシシラン官能性ポリウレタンは長きにわたり知られている。この主題についての総説は、例えば「Adhesives Age」、4/1995、第30頁以降(著者:Ta-Min Feng、B. A. Waldmann)に見られる。そのようなアルコキシシラン末端化、湿分硬化型1成分系ポリウレタンは、建築業および自動車産業における軟質コーティング、シーラントおよび接着剤組成物としてますます使用されている。
【0003】
そのようなアルコキシシラン官能性ポリウレタンの製造方法は、数多くの公報、とりわけ米国特許第3,627,722号明細書または米国特許第3,632,557号明細書に記載されている。しかしながら、これらの方法の欠点は、溶媒を使用する必要がある高い粘性が結果的に得られること、または、低粘性の場合には低モジュラスシーラントで使用するには適合性が悪いことである。
【0004】
米国特許第3,627,722号明細書および欧州特許出願公開第0596360号明細書には、例えば粘性を下げるための種々の試みが記載されているが、それらは全て、アルコキシシラン官能性ポリウレタンの製造がきわめて不安定な中間体段階を含み、そのため高い安全性リスクが存在し、反応の再現性が極めて制限されるという欠点を有する。
【0005】
これら欠点は、欧州特許出願公開第1924621号明細書に記載された方法により避けることができるが、ここに記載された生成物は、低モジュラスシーラントとして製剤化するのに限られた能力を有する。比較的高いモジュラス値は製剤に厳しい制限をもたらし、低モジュラスシーランを製剤化するためには、大量の可塑剤および特定のアミノシランを使用せねばならない。
【0006】
同様の系は、欧州特許出願公開第1591464号明細書にも記載されているが、そこに示された実施例は、可塑剤30重量%を用いる0.85MPaの(実施例8)比較的高い100%モジュラスであるか、または、0.41MPaの比較的高い100%モジュラス(実施例23)であり、ここで、23重量%の可塑剤に加えて、単官能性ポリマーが反応性可塑剤として必要である。
【0007】
これら実施例の全てに共通するのは、ISO 11600の低モジュラスシーラント(最大0.4MPaの100%モジュラス)の必要条件は充足されないか、または、上記基準を満たすためには大量の可塑剤が必要であるという事実である。しかしながら、これは、接合した基材の周辺帯へ可塑剤が移行することによる、接合端での染みのリスクを高くする(Praxishandbuch Dichtstoffe、IVK、4th edition、p. 139f)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,627,722号明細書
【特許文献2】米国特許第3,632,557号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0596360号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1924621号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1591464号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「Adhesives Age」、4/1995、第30頁以降(著者:Ta-Min Feng、B. A. Waldmann)
【非特許文献2】Praxishandbuch Dichtstoffe、IVK、4th edition、p. 139f
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、少量の可塑剤の使用でさえ低モジュラスシーラントの製剤における幅広い種類で使用可能な、アルコキシシラン基変性ポリウレタンを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
>20,000g/molの数平均分子量を有するポリエーテルとOH-反応性シラン構造単位とを反応させることにより、所望の特性を有するプレポリマーが製造できることが今や明らかとなった。
【0012】
したがって、本発明は、ウレタン化反応において以下の成分AおよびBを反応させることにより得られる、アルコキシシラン基変性ポリウレタンを提供する:
A)>20,000g/mol〜30,000g/molの数平均分子量を有し、1種以上のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンポリオールプレポリマーを含有する、ポリオール成分、1.0val、および
B)イソシアネート基およびアルコキシシラン基を有する式(I):
【化1】

[式中、
X、Y、Zは、互いに独立して、C〜Cの直鎖状、環状または分枝状アルキル基またはC〜Cアルコキシ基であり、少なくとも1つの基はC〜Cアルコキシ基であり、X、YまたはZは、互いに独立して、架橋されていてよく、
Rは、少なくとも2官能性の有機基のいずれかであり、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する、直鎖状、分枝状または環状アルキレン基である]
で示される化合物、0.80〜1.20val

【0013】
式(I)中のX、YおよびZは、好ましくは、互いに独立して、メトキシまたはエトキシである。
【0014】
基Rについて、メチレン基またはプロピレン基が特に好ましい。
【0015】
成分A)は、21,000g/mol〜25,000g/molの数平均分子量を有することが好ましい。
【0016】
本発明は、(ISO 11600による)最大0.4N/mmの100%伸びにおけるモジュラスを有し、最大30重量%の可塑剤、好ましくは最大25重量%の可塑剤、特に好ましくは最大20重量%の可塑剤を含有する、本発明のアルコキシシラン変性ポリウレタンに基づくシーラントも提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によりポリオール成分A)として使用することができるポリオキシアルキレンポリオールは、ポリウレタン化学において慣例的に使用されるポリエーテルポリオールである。これらは、適当な出発分子を塩基触媒を用いてアルコキシ化することによる、または複金属シアン化物化合物(DMC化合物)を用いることによる、それ自体既知の方法において得ることができる。ポリエーテルポリオールの製造に適当な出発分子は、少なくとも2個のエポキシド−反応元素−水素結合を有する分子またはこのような出発分子のいずれかの混合物である。ポリエーテルポリオールの製造に適当な出発分子は、例えば単純な低分子量ポリオール、水、エチレングリコール、プロパンジオール-1,2、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、プロピレングリコール-1,3およびブタンジオール-1,4、ヘキサンジオール-1,6、ネオペンチルグリコール、2-エチルヘキサンジオール-1,3、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、少なくとも2個のN−H結合を有する有機ポリアミン、例えばトリエタノールアミン、アンモニア、メチルアミンまたはエチレンジアミン、またはそのような出発分子のいずれかの混合物である。アルコキシ化に適当なアルキレンオキシドは、特にプロピレンオキシドである。
【0018】
平均して1.5〜3.5個、特に好ましくは1.8〜2.5個のヒドロキシル基を有するプロピレンオキシドポリエーテルが好ましい。複金属シアン化物触媒により製造したポリエーテルは、通常、ポリオール1グラムあたり0.02ミリ当量(meq/g)以下、好ましくは0.015meq/g以下、特に好ましくは0.01meq/g以下(測定方法 ASTM D2849-69)の特に低い不飽和末端基含量を有し、明らかにより少ないモノオールを含有し、通常、1.5未満の低い多分散性を有する。多分散性は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により数平均分子量(M)および重量平均分子量(M)のいずれもを測定することにより、当業者にそれ自体既知の方法で決定することができる。多分散性は、PD=M/Mとして算出される。
【0019】
本発明によれば、複金属シアン化物触媒により製造したこのようなポリエーテルを使用することが好ましい。1.0〜1.5の多分散性を有するポリエーテルは特に好ましく、1.0〜1.3の多分散性はきわめて好ましい。
【0020】
このようなポリエーテルは、例えば米国特許第5,158,922号明細書および欧州特許出願第0654302号明細書に記載されている。
【0021】
これらのポリオキシアルキレンポリオールを、純粋な形態でまたは種々のポリエーテルの混合物として使用することができる。
【0022】
アルコキシシラン基を含有する全てのモノイソシアネートが、原則として、イソシアネート基およびアルコキシシラン基を有する化合物B)として適当である。そのような化合物の例は、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、イソシアナトメチルトリエトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシランおよび3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシランである。ここで、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
【0023】
米国特許第4,146,585号明細書または欧州特許出願公開第1136495号明細書に記載されるような、アミノシランまたはチオシランを有するジイソシアネートを反応させることにより製造したイソシアネート官能性シランを使用することもできる。
【0024】
成分A)およびB)のウレタン化を、任意に触媒を用いて行うことができる。当業者にそれ自体既知の例えば有機錫化合物またはアミン触媒などのウレタン化触媒が、このような触媒活性化合物として適当である。例を用いて挙げられ得る有機錫化合物は、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス-アセトアセトネートおよび錫カルボキシレート、例えばオクチル酸錫である。上記の錫触媒を、アミン触媒、例えばアミノシランまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンと任意に組み合わせて使用することができる。
【0025】
ジブチル錫ジラウレートをウレタン化触媒として使用することが特に好ましい。
【0026】
ウレタン化反応の進行を反応容器に導入した適当な測定装置を用いておよび/またはサンプルの解析により監視することができる。適当な方法は当業者に既知である。例えば、粘度測定、NCO含量の測定、屈折率、OH含量、ガスクロマトグラフィー(GC)、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外分光法(IR)および近赤外分光法(NIR)が挙げられる。混合物のNCO含量を滴定法により測定することが好ましい。
【0027】
過剰の成分A)を使用する場合、成分A)およびB)のウレタン化を、成分B)のNCO基の完全な反応が達成されるまで行う。
【0028】
準化学量論量の成分A)を使用する場合、成分A)およびB)のウレタン化を、成分A)の化合物のOH基の完全な反応が達成されるまで続ける。全てのOH基の完全な反応を確保するために、理論NCO含量に達した後でさえ、一定のNCO含量が観察されるまで反応条件を維持することが好ましい。
【0029】
成分A)およびB)の反応生成物のNCO含量のさらなる内訳について、欧州特許出願公開第1924621号に記載されているように、2つの選択肢がある。第1の選択肢は、続く反応工程において残りのNCO基と反応させるさらなるNCO反応性成分の添加を含む。これは、例えば低分子量アルコールであり得る。
【0030】
成分A)およびB)の反応生成物のNCO含量のさらなる内訳についての第2の選択肢は、アロファネート化反応である。ここで、残りのNCO基を、あらかじめ形成させたウレタン基と、好ましくはアロファネート化促進触媒を添加することにより、反応させる。
【0031】
本発明のアルコキシシラン基変性ポリウレタンは、通常、それぞれの場合に23℃で測定して、200,000mPas未満、好ましくは100,000mPas未満の粘度を有する。
【0032】
本発明の化合物は、低モジュラス軟質シーラントを製造するための、好ましくは自動車構築および建築業分野のための、結合剤としてきわめて安定である。これら接着剤は、シラノール重縮合反応により、大気中水分にさらすことで架橋する。本発明は、同様に、この架橋反応により得られるポリマーを提供する。それらの化学的性質および物理的性質は、製造されるシールの優れた品質の原因となる。
【0033】
そのようなシーラントを生成するために、本発明のアルコキシシラン基変性ポリウレタンを、従来のフィラー、顔料、可塑剤、乾燥剤、添加剤、光安定剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、触媒、接着促進剤および任意にさらなる補助物質および添加剤と共に、既知のシーラント製造法により、製剤化することができる。
【0034】
沈降または粉砕白亜、金属酸化物、硫酸塩、ケイ酸塩、水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩を、適当なベースフィラーとして使用しうる。さらなるフィラーは、例えば補強フィラーおよび非補強フィラー、例えばカーボンブラック、沈降シリカ、焼成シリカ、シリカ粉末または種々の繊維である。ベースフィラーおよびさらなる補強フィラーまたは非補強フィラーは、任意に、表面変性されていてよい。沈降または粉砕白亜および焼成シリカを、ベースフィラーとして使用することが特に好ましくあり得る。フィラー混合物を用いることもできる。
【0035】
適当な可塑剤の例は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、フェノールのアルキルスルホン酸エステルまたはリン酸エステルである。長鎖炭化水素、ポリエーテルおよび植物油を可塑剤として用いることもできる。本発明のポリマーの特定の特性のために、シーラント製剤における可塑剤の割合は、30重量%以下、好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下の割合に限定され得る。
【0036】
焼成シリカ、ポリアミド、水素添加ヒマシ油またはポリ塩化ビニルの二次製品は、チキソトロープ剤としての例に挙げられ得る。
【0037】
シラン重縮合を促進することが知られる有機金属化合物およびアミン触媒の全てを、適当な硬化触媒として使用することができる。特に適当な有機金属化合物は、特に錫およびチタンの化合物である。好ましい錫化合物は、例えば:ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレエートおよび錫カルボキシレート、例えばオクタン酸錫(II)またはジブチル錫-ビス-アセトアセトネートである。上記錫触媒を、任意に、アミン触媒、例えばアミノシランまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンと組み合わせて使用することができる。好ましいチタン化合物は、例えばアルキルチタネート、例えばジイソブチル-ビス-エチルアセトアセテートチタネートである。アミン触媒だけを使用する際、特に高い塩基強度を有するもの、例えばアミジン構造を有するアミンが特に適当である。したがって、好ましいアミン触媒は、例えば1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンまたは1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エンである。
【0038】
アルコキシシリル化合物、例えばビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、i-ブチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシランは、特に乾燥剤として挙げられ得る。
【0039】
既知の官能性シラン、例えばアミノシラン、エポキシシランおよび/またはメルカプトシランまたは官能性シランの混合物は、接着促進剤として使用される。
【0040】
以下に示す実施例は、本発明を説明するものであり、その範囲を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0041】
特記しない限り、全てのパーセントは重量パーセントである。
【0042】
粘度測定は、ISO/DIN 3219:1990に従い、23℃の一定温度および250/秒の一定せん断速度で、CP 25-1測定コーン(直径25mm、円錐角1゜)を用いるPhysica MCR コーン/プレート回転粘度計(Anton Paar Germany GmbH、オストフィルダーン、ドイツ)で行った。
【0043】
実験を行った時点での23℃の周囲温度が、特定のRTである。
【0044】
【表1】

【0045】
〔(本発明による)実施例1〕
5.5mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコール977.9gとジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z)0.05gの混合物を、蓋、撹拌装置、温度計および窒素流を備えた2リットルのスルホン化ビーカー中で60℃まで加熱した。次いで、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Geniosil(登録商標)GF40)22.1gを添加し、0.05%の理論NCO含量に達するまで、混合物をプレポリマー化させた。次いで、メタノール0.4gを添加し、過剰のNCO基を捕捉した。滴定法によりNCO含量がもはや検出されなくなるまで、混合物を撹拌した。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、53Pas(23℃)の粘度を有した。
【0046】
〔(本発明による)実施例2〕
5.1mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコール979.3gとジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z)0.05gの混合物を、蓋、撹拌装置、温度計および窒素流を備えた2リットルのスルホン化ビーカー中で60℃まで加熱した。次いで、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Geniosil(登録商標)GF40)20.8gを添加し、0.05%の理論NCO含量に達するまで、混合物をプレポリマー化させた。次いで、メタノール0.4gを添加し、過剰のNCO基を捕捉した。滴定法によりNCO含量がもはや検出されなくなるまで、混合物を撹拌した。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、105Pas(23℃)の粘度を有した。
【0047】
〔(本発明によらない)比較例1〕
6.2mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコール975.5gとジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z)0.05gの混合物を、蓋、撹拌装置、温度計および窒素流を備えた2リットルのスルホン化ビーカー中で60℃まで加熱した。次いで、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Geniosil(登録商標)GF40)24.5gを添加し、0.05%の理論NCO含量に達するまで、混合物をプレポリマー化させた。次いで、メタノール0.4gを添加し、過剰のNCO基を捕捉した。滴定法によりNCO含量がもはや検出されなくなるまで、混合物を撹拌した。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、35Pas(23℃)の粘度を有した。
【0048】
〔スキニング時間の測定〕
事前に酢酸エチルで洗浄したガラスプレートに、フィルムをナイフで塗布し(200μm)、すぐに、乾燥記録計に置く。針を10gの重さで置き、35cm区間を25時間かけて移動させる。
【0049】
乾燥記録計を、23℃および相対湿度50%で温度と湿度が制御された部屋に配置する。
【0050】
スキニング時間は、針の連続的な傷跡がフィルムから消える時間とされる。
【0051】
〔適用例〕
種々のポリマーの特性に関連する有用性を評価するために、種々のポリマーを以下の処方で処理した。
【表2】

【0052】
製剤を製造するために、フィラー(Socal(登録商標)U1S2)、可塑剤(Jayflex(商標)DINP)および乾燥剤(Dynasylan(登録商標)VTMO)を結合剤に添加し、ウォールスクレーパーを備えた高速真空ミキサー中、3000rpmで、成分を混合する。その後、接着促進剤(Dynasylan(登録商標)1146)を添加し、1000rpmで5分混合する。最後に、触媒(Lupragen(登録商標)N700)を1000rpmで撹拌しながら入れ、次いで、最終的な混合物を真空下で脱気する。
【0053】
2mm厚のメンブランおよびガラス基材上の試験片の両方を、DIN EN ISO 11600に従い製造し、物理的性質を測定する。DIN 53505に従い、ショアー硬度をメンブラン上で試験する。100%伸びにおけるモジュラスは、DIN EN ISO 11600に従い、23℃で測定する。
【0054】
次の表に示す結果が得られる。
【表3】

【0055】
さらなる実施例において、可塑剤の割合を20重量%未満に減らした。
【表4】

【0056】
上記の低可塑剤製剤で得られるシーラントは、次の機械的特性を有する。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)>20,000g/mol〜30,000g/molの数平均分子量を有し、1種以上のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアルキレンポリオールプレポリマーを含有する、ポリオール成分、1.0val、および
B)イソシアネート基およびアルコキシシラン基を有する式(I):
【化1】

[式中、
X、Y、Zは、互いに独立して、C〜Cの直鎖状、環状または分枝状アルキル基またはC〜Cアルコキシ基であり、少なくとも1つの基はC〜Cアルコキシ基であり、X、YまたはZは、任意に、互いに独立して、架橋されていてよく、
Rは、少なくとも2官能性の有機基のいずれかであり、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状アルキレン基である]
で示される化合物、0.80〜1.20val
を反応させることによって得られる、アルコキシシラン基変性ポリウレタン。
【請求項2】
式(I)におけるX、YおよびZは、互いに独立して、メトキシ基またはエトキシ基であり、Rはメチレン基またはプロピレン基であることを特徴とする、請求項1に記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタン。
【請求項3】
21,000g/mol〜25,000g/molの数平均分子量を有するポリオキシアルキレンポリオールのみをA)において使用することを特徴とする、請求項1または2に記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタン。
【請求項4】
A)において使用するポリエーテルが、0.02meq/g未満の末端不飽和含量および1.5未満の多分散性を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタン。
【請求項5】
0.90〜1.10valの成分B)を使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタン。
【請求項6】
残りの遊離のNCO基を、アロファネート化反応を用いてさらに反応させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタン。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタンの、低モジュラスシーラントを製造するための使用。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載のポリウレタンのアルコキシシラン基を架橋することにより得られるポリマー。
【請求項9】
請求項1〜9のいずれかに記載のアルコキシシラン基変性ポリウレタンまたは該アルコキシシラン基変性ポリウレタンの2以上の混合物、10重量%〜100重量、
可塑剤または複数の可塑剤の混合物、0重量%〜30重量%、
湿度安定剤または複数の湿度安定剤の混合物、0重量%〜5重量%、
UV安定剤または複数のUV安定剤の混合物、0重量%〜5重量%、
触媒または複数の触媒の混合物、0重量%〜5重量%、
フィラーまたは複数のフィラーの混合物、0重量%〜80重量%
を含有する製剤。
【請求項10】
最大30重量%、好ましくは最大25重量%、特に好ましくは最大20重量%の可塑剤を含有することを特徴とする、請求項10に記載の製剤。

【公表番号】特表2013−513674(P2013−513674A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542488(P2012−542488)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068952
【国際公開番号】WO2011/069954
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(512137348)バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (91)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
【Fターム(参考)】