説明

シーリング剤の保管・注入容器

【課題】 シーリング剤を収容した容器本体を容積縮小方向へ変形させてシーリング剤を吐出させるために必要となる圧縮荷重を小さいものとし、かつ容積縮小方向へ変形した液剤容器の復元に遅延が生じることを効果的に防止する。
【解決手段】 液剤ボトル18では、その胴部38が容積縮小方向へ弾性的に変形可能となるように成形されると共に、高さ方向と直交する液面方向に沿った胴部38の断面形状が略楕円形に形成されている。これにより、胴部38の周壁部分には、小径湾曲部50よりも曲率半径が相対的に大きい一対の大径湾曲部48が互いに対向するように形成されるので、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16を絞り出す際には、一対の大径湾曲部48の中心付近をそれぞれ容積縮小方向へ押圧して液剤ボトル18を圧縮変形させれば、液剤ボトル18を圧縮変形させるために必要となる力(押圧力)を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンクした空気入りタイヤ内にパンク穴を閉塞するために用いられるシーリング剤をパンク修理時まで密閉状態で保管すると共に、空気入りタイヤに対するパンク修理時に、シーリング剤を空気入りタイヤの内部へ注入するためのシーリング剤の保管・注入容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧をポンプアップするタイヤのシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「シーリング装置」という。)が普及している。この種のシーリング装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1記載のポンプアップ装置は、シーリング剤の収納容器である樹脂製の液剤ボトルと、先端部がタイヤバルブと接続可能とされた注液ホースと、エアコンプレッサとを備えている。液剤ボトルは略有底円筒状に形成された胴部を備えており、この胴部から上方に突出する首部の上端部分には注入口が開口しており、この注入口はパンク修理が行われるまではキャップにより閉止されている。また液剤ボトルは、内層、中層、及び外層からなる3層の樹脂積層体により成形されており、中層がガスバリア性樹脂により成形されている。
【0003】
上記のようなシーリング装置を用いてパンクしたタイヤを修理する作業手順を説明する。
【0004】
パンク発生時には、先ず、作業者は、液剤ボトルの注入口からキャップを取り外した後、注入口に注液ホースの基端部を接続すると共に、注液ホースの先端部をタイヤバルブに接続する。この状態で、作業者は、液剤ボトルを握り潰してパンクシーリング剤を液剤ボトル内から搾り出し、注液ホースを通してパンクシーリング剤をタイヤ内へ注入する。液剤ボトル内からタイヤ内への所要量のパンクシーリング剤の注入が完了すると、注液ホースをタイヤバルブから取り外す。
【0005】
次いで、作業者は、耐圧ホースのアダプタをタイヤバルブにねじ止めし、この耐圧ホースを通してタイヤと接続されたエアコンプレッサを作動させて加圧空気をタイヤ内へ充填し、タイヤを規定の空気圧で膨張させる。タイヤの膨張完了後に、作業者は、耐圧ホースをタイヤバルブから取り外すと共に、エアコンプレッサの作動を停止する。この直後に、シーリング剤が注入されたタイヤにより一定時間に亘って予備走行することにより、タイヤ内部にパンクシーリング剤を均一に拡散延展し、シーリング剤によりパンク穴をシールする。
【特許文献1】特開2003−26217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなシーリング剤は、常温環境下(20℃前後)でも比較的高い粘性を有している。一方、シーリング剤を収容した液剤ボトルの容積縮小方向への変形抵抗が大きいと、この変形抵抗及びシーリング剤の粘性の影響により液剤ボトルを握り潰すために大きな押圧力が必要になる。また、所要量(例えば、400g)のシーリング剤をタイヤ内へ注入するためには、液剤ボトルを握り潰してシーリング剤を一定量吐出させた後、この液剤ボトルを元の形状させて再び握り潰す動作を複数回に亘って繰り返し行う必要があるが、上記のような胴部が有底円筒状に形成された液剤ボトルを強く握り潰すと、液剤ボトルにおける押圧力が直接作用した部位にくぼみ状又はくびれ状の変形(局部変形)が生じることがある。このような局部変形が液剤ボトルに生じると、液剤ボトルでは、局部的な変形部分付近の復元力が特に弱いものになり、更に液剤ボトルの内部に残存する高粘性のシーリング剤の影響により、胴部が握り潰されてから元の形状に復元するまでに相当の時間がかかり、結果として所要量のシーリング剤をタイヤ内へ注入完了するまでの注入時間が長いものになってしまうという問題が生じることがある。
【0007】
特に、低温環境下(例えば、−20℃以下)では、シーリング剤の粘性が増加すると共に、シーリング剤を収容した樹脂製の液剤ボトル自体も硬化するので、液剤ボトルを握り潰すために必要となる押圧力が更に増加して作業性が低下すると共に、握り潰された液剤ボトルが元の形状に復元するまでの復元時間も長くなる。
【0008】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、シーリング剤を収容した容器本体を容積縮小方向へ変形させてシーリング剤を吐出させるために必要となる圧縮荷重を小さいものにでき、かつ容積縮小方向へ変形した液剤容器の復元に遅延が生じることを効果的に防止できるシーリング剤の保管・注入容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係るシーリング剤の保管・注入容器は、パンクした空気入りタイヤのパンク穴を閉塞するための液状のシーリング剤を収容すると共に、空気入りタイヤに対するパンク修理時には、外部からの圧縮荷重を受けて内容積を縮小しつつ注入口からシーリング剤を吐出し、該シーリング剤を前記注入口に接続されたジョイント部材を通して空気入りタイヤの内部へ注入するシーリング剤の保管・注入容器であって、頂部に前記注入口が開口すると共に、該注入口の下部側に有底筒状の胴部が設けられ、該胴部内にシーリング剤を収容する容器本体を有し、前記容器本体を、その胴部が容積縮小方向へ弾性的に変形可能となるように成形すると共に、前記容器本体の高さ方向と直交する液面方向に沿った前記胴部の断面形状を略楕円形に形成したことを特徴とする。
【0010】
上記請求項1に係るシーリング剤の保管・注入容器では、容器本体の胴部が容積縮小方向へ弾性的に変形可能となるように成形されると共に、容器本体の高さ方向と直交する液面方向に沿った胴部の断面形状が略楕円形に形成されていることにより、胴部の周壁部分には、曲率半径が相対的に大きい一対の大径湾曲部が互いに対向するように形成されると共に、曲率半径が相対的に小さい一対の小径湾曲部が互いに対向するように形成されるので、胴部の周壁部分における大径湾曲部の剛性を小径湾曲部の剛性よりも小さいものにできる。
【0011】
この結果、容器本体内に収容されたシーリング剤を絞り出す際には、胴部における一対の大径湾曲部をそれぞれ内側へ押圧して容器本体を容積縮小方向へ変形(圧縮変形)させれば、断面形状が略円形とされた胴部を有する容器本体を押圧して圧縮変形させる場合と比較し、容器本体を圧縮変形させるために必要となる力(押圧力)を低減することができるので、シーリング剤を収容した容器本体を圧縮変形させてシーリング剤を注入口から吐出させるために必要となる圧縮荷重を小さいものとし、容器本体からタイヤ内へシーリング剤を注入する際の作業性を向上できる。
【0012】
また胴部における一対の大径湾曲部をそれぞれ内側へ押圧して容器本体を圧縮変形させた場合には、容器本体における大径湾曲部の全体が内側へ撓むように変形し易くなり、くぼみ状、くびれ状等の局部的な変形が容器本体に生じ難くなることから、圧縮変形した容器本体の復元力がくぼみ状、くびれ状等の局部的な変形の影響により低下することを防止し、圧縮変形した容器本体の復元力を安定化できるので、圧縮変形した容器本体が元の形状に復元する際に、容器本体の局部的な変形に起因して復元までの時間が遅延することを効果的に防止できる。
【0013】
また請求項2に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項1記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記胴部の前記液面方向に沿った長径をDL、短径をDSとした場合に、これらの寸法比であるDS/DLを、0.5<(DS/DL)<0.9の範囲に設定し、好ましくは0.60<(DS/DL)<0.80の範囲に設定したことを特徴とする。
【0014】
また請求項3に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項1記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記容器本体に、前記胴部の上端部から上方へ向って前記液面方向に沿った寸法が縮小するテーパ状の肩部を設けると共に、該肩部の上端部分から上方へ突出し、上端面に前記吐出口が開口する略円筒状の首部を設け、前記高さ方向に沿った前記胴部の寸法と前記肩部の寸法の和をHL、前記胴部の長径をDLとした場合に、これらの寸法比であるHL/DLを、1.4<(HL/DL)<1.7の範囲に設定し、好ましくは1.50<(HL/DL)<1.60の範囲に設定したことを特徴とする。
【0015】
また請求項4に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項1記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記テーパ状の前記液面方向に対する傾斜角をθとした場合に、この傾斜角θを、10°<θ<40°の範囲に設定し、好ましくは20°<θ<30°の範囲に設定したことを特徴とする。
【0016】
また請求項5に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項1乃至4の何れか1項記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記容器本体を、ポリエチレン及びポリプロピレンの何れかを素材として成形したことを特徴とする。
【0017】
また請求項6に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項1乃至4の何れか1項記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記容器本体の内面に、アルミニウム又はアルミ合金からなる薄膜層を形成したことを特徴とする。
【0018】
また請求項7に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項1乃至4の何れか1項記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記容器本体を、その肉厚方向に沿って外面層、中間層及び内面層が積層された積層材料により成形し、前記外面層及び前記内面層を、ポリエチレン及びポリプロピレンの何れかにより形成すると共に、前記中間層をエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の何れかにより形成したことを特徴とする。
【0019】
また請求項8に係るシーリング剤の保管・注入容器は、請求項7記載のシーリング剤の保管・注入容器において、前記積層材料の厚さをTL、前記中間層の厚さをTMとした場合に、これらの寸法比であるTM/DTを、0.01<(TM/DT)<0.40の範囲に設定し、好ましくは0.05<(TM/DT)<0.20の範囲に設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明のシーリング剤の保管・注入容器によれば、シーリング剤を収容した容器本体を容積縮小方向へ変形させてシーリング剤を吐出させるために必要となる圧縮荷重を小さいものにでき、かつ容積縮小方向へ変形した液剤容器の復元に遅延が生じることを効果的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置について説明する。
【0022】
図1には、本発明の本実施形態に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「シーリング装置」という。)に適用されるシーリング剤注入ユニットが示され、また図2には、本発明の本実施形態に係るシーリング装置に適用されるポンプアップユニットが示されている。このシーリング装置は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤを液状のシーリング剤により補修した後、このタイヤを所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものであり、図1に示されるシーリング剤注入ユニット12及び図2に示されるポンプアップユニット60により構成されている。
【0023】
図1に示されるように、シーリング剤注入ユニット12は、液剤ボトル18と注液ホース14とを備えている。液剤ボトル18の内部には、修理すべきタイヤ32の種類毎に規定された量(例えば、400g)のシーリング剤16が収容されている。図3に示されるように、液剤ボトル18の上端側には円筒状の閉栓部20が一体的に形成されており、閉栓部20の頂面には液剤ボトル18内へ連通した円形の注入口22が開口している。また閉栓部20の外周面はねじ溝が形成された雄ねじ部24とされており、閉栓部20には、内周面が雄ねじ部24に対応する雌ねじ部(図示省略)とされたキャップ26がねじ込み可能とされている。このキャップ26をねじ込みにより閉栓部20に取り付ることにより、注入口22が密閉状態となるようにキャップ26により塞がれる。
【0024】
また閉栓部20には、図1に示されるように、キャップ26に代えて注液ホース14の基端部に設けられたボトルアダプタ28がねじ止め可能とされており、このボトルアダプタ28を閉栓部20にねじ止めすることにより、注液ホース14が液剤ボトル18内へ連通する。また注液ホース14の先端部には、タイヤ32のタイヤバルブ34にねじ止め可能とされたバルブアダプタ30が設けられている。
【0025】
液剤ボトル18には、閉栓部20の下部側に肩部36及び胴部38が一体的に設けられている。ここで、液剤ボトル18における閉栓部20、肩部36及び胴部38は、それぞれ樹脂等を素材として肉厚が略一定となるように成形されている。図3(B)に示されるように、胴部38は、液剤ボトル18の高さ方向(矢印H方向)と直交する液面方向(矢印L方向)に沿った断面形状が楕円形に形成されている。すなわち、胴部38は、その周壁が液剤ボトル18の幾何学的な中心線である軸心Sを中心とする楕円軌跡に沿って延在するように形成されており、その底面が楕円状に形成された底板部40により閉止されている。また肩部36は、胴部38の上端部から閉栓部20の下端部へ向って液面方向に沿った寸法がテーパ状に縮小するように形成され、胴部38の上端部と閉栓部20の下端部とを接合している。
【0026】
液剤ボトル18は、図3(B)に示されるように、外面層44及び内面層46からなる2層の積層材料42により成形されており、外面層44は、PE(ポリエチレン)及びPP(ポリプロピレン)の何れかを素材として形成されている。また内面層46は、アルミニウム、アルミ合金及びアルミナの何れかを外面層44の内面全体に蒸着することより、すなわちアルミニウム、アルミ合金及びアルミナの何れかの蒸着膜により形成されている。
【0027】
積層材料42は、その肉厚が液剤ボトル18におけるシーリング剤16の収容量等に応じて0.2mm〜2mmの範囲で設定される。これは、積層材料42の肉厚を0.2mmよりも薄くすると、強度が不足してパンク修理時等の外力により破裂するおそれがあり、また2mmよりも厚くすると、容積縮小方向の剛性が高くなりすぎ、低温環境下で液剤ボトル18を圧縮変形させることが困難になるためである。また蒸着膜からなる内面層46の厚さは1μm〜50μmの範囲で適宜設定される。
【0028】
液剤ボトル18では、積層材料42の内面層46を形成するアルミニウム等の蒸着膜が気体及びガスに対する遮断性(ガス遮断性)に優れているので、外面層44がガス透過性を有するPP又はPEにより形成されていても、酸素、蒸気等が液剤ボトル18を透過することを防止できるので、シーリング剤16を液剤ボトル18内に長期保管している間に、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16が酸化により劣化したり、シーリング剤16中の水分及び揮発成分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止できる。またキャップ26についても、その内面にアルミニウム等により蒸着膜を形成しておけば、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16の酸化劣化及び水分等の蒸発を更に効果的に防止できるようになる。
【0029】
積層材料42の外面層44を形成するPP又はPEは、常温環境下では十分な柔軟性を有すると共に、低温環境下(例えば、−20℃以下)でも比較的柔軟性の低下が小さい。また積層材料42の内面層46を形成する蒸着膜は、その柔軟性が殆ど温度変化に殆ど依存することがない。これにより、液剤ボトル18は、常温環境から低温環境下に亘って必要な柔軟性が常に維持される。
【0030】
液剤ボトル18では、図3(B)に示されるように、胴部38の軸心Sを中心とする長径をDL、短径をDSとした場合に、これらの寸法比であるDS/DLが0.5<(DS/DL)<0.9の範囲に設定され、好ましくは0.60<(DS/DL)<0.80の範囲に設定されている。
【0031】
図3(A)に示されるように、液剤ボトル18では、高さ方向に沿った胴部38の寸法と肩部36の寸法の和であるボトル高さをHLとした場合に、このボトル高さHLと胴部38の長径DLとの寸法比であるHL/DLが、1.4<(HL/DL)<1.7の範囲に設定され、好ましくは1.50<(HL/DL)<1.60の範囲に設定されている。さらに液剤ボトル18では、肩部36の液面方向に対する傾斜角をθとした場合に、この傾斜角θが10°<θ<40°の範囲に設定され、好ましくは20°<θ<30°の範囲に設定されている。
【0032】
図3(B)に示されるように、液剤ボトル18には、その胴部38の周壁部分に軸心Sを中心とする曲率半径が相対的に大きい一対の大径湾曲部48が互いに対向するように形成されると共に、この大径湾曲部48に対して軸心Sを中心とする曲率半径が相対的に小さい一対の小径湾曲部50が互いに対向するように形成されている。このとき、軸心Sを中心とする大径湾曲部48の剛性は小径湾曲部50の剛性よりも小さいものになる。すなわち、大径湾曲部48の径方向内側(容積縮小方向)への変形抵抗は、小径湾曲部50の容積縮小方向への変形抵抗よりも小さいものになる。これらの大径湾曲部48の容積縮小方向への変形抵抗と小径湾曲部50の容積縮小方向への変形抵抗との差は、胴部38の長径DLと短径DSとの寸法比(DS/DL)を適宜設定することにより調整可能となる。
【0033】
具体的には、長径DLと短径DSとの寸法比(DS/DL)を(DS/DL)<0.9の範囲に設定すれば、大径湾曲部48の変形抵抗と小径湾曲部50の変形抵抗との差を十分に大きいものにすることができ、結果として液剤ボトル18全体として所要の強度を確保しつつ、大径湾曲部48の容積縮小方向への変形抵抗を十分に小さいものにできる。一方、寸法比(DS/DL)を0.5以下に設定すると、大径湾曲部48の容積縮小方向への変形抵抗を小さくできることの反対効果として、容積縮小方向へ変形した大径湾曲部48の復元力が過度に小さくなり、大径湾曲部48が元の形状に復元するまでの復元時間が長くなり過ぎるという問題が生じる。
【0034】
大径湾曲部48の変形抵抗と復元力とのバランスを考慮した場合の寸法比(DS/DL)の最適値は、積層材料42の剛性等により若干変化するが、実験的には、0.70±0.10の範囲に設定すれば、大径湾曲部48の変形抵抗を十分に小さくして作業性を良好にできると共に、大径湾曲部48の復元時間も短いものにできる、ことが明らかになっている。
【0035】
但し、液剤ボトル18では、胴部38の長径DLに対する胴部38及び肩部36の高さ方向に沿った寸法であるボトル高さHLが過度に長いと(具体的には(HL/DL)が1.7以上であると)、大径湾曲部48を容積縮小方向へ変形させようとして押圧力を作用させた際に、液剤ボトル18にくびれ状の変形が生じ、このくびれ状の変形部分の影響により復元時間が著しく長くなることがあり、また大径湾曲部48を容積縮小方向へ変形させることにより、注入口22から吐出されるシーリング剤16の量が少なくなるという問題も生じる。
【0036】
一方、液剤ボトル18では、胴部38の長径DLがボトル高さHLに対して過度に短く、すなわち胴部38の横幅が広いと(具体的には(HL/DL)が1.4以下であると)、作業者が手により大径湾曲部48を容積縮小方向へ変形させようとして押圧力を作用させても、大径湾曲部48全体に対する容積縮小方向への変形部分の比率が小さいものになり、この場合にも注入口22から吐出されるシーリング剤16の量が少なくなるという問題が生じる。
【0037】
上記の点を考慮して、液剤ボトル18では、ボトル高さHLと胴部38の長径DLとの寸法比(HL/DL)が、1.4<(HL/DL)<1.7の範囲に設定されている。この(HL/DL)の最適値は、液剤ボトル18に収容するシーリング剤16の量や積層材料42の剛性等により若干変化するが、実験的には、1.55±0.05の範囲に設定すれば、液剤ボトル18にくびれ状の変形を生じさせることなく、大径湾曲部48を容積縮小方向へ変形させることにより、注入口22からのシーリング剤16の吐出量を十分に多いものにできる、ことが明らかになっている。
【0038】
また液剤ボトル18では、肩部36の液面方向に対する傾斜角θが過度に小さい(具体的にはθが10°以下であると)、胴部38を容積縮小方向へ変形させる作業を複数回に亘って繰り返しても、液剤ボトル18内における肩部36付近に相当量のシーリング剤16が残留してしまい好ましくない。一方、液剤ボトル18では、肩部36の傾斜角θが過度に大きいと(具体的にはθが40°以上であると)、ボトル高さHLに対して肩部36の高さ方向に沿った寸法の閉める比率が大きくなり、結果として液剤ボトル18の高さ方向に沿った寸法に比してシーリング剤16の収容量が過小になるという問題が生じる。
【0039】
上記の点を考慮して、液剤ボトル18では、肩部36の液面方向に対する傾斜角θが10°<θ<40°の範囲に設定されている。この傾斜角θの最適値は、シーリング剤16の粘性や、液剤ボトル18に収容されるシーリング剤16の余剰量(マージン)により変化するが、実験的には、25°±5°の範囲に設定すれば、液剤ボトル18内におけるシーリング剤16の残留量を十分に少ないものにしつつ、液剤ボトル18の寸法に対するシーリング剤16の収容量を十分に大きなものにできる、ことが明らかになっている。
【0040】
図2に示されるように、ポンプアップユニット60は、タイヤ32へ供給する加圧空気を発生するためのエアコンプレッサ62を備えている。エアコンプレッサ62は電源ケーブル64を備えており、例えば、電源ケーブル64を自動車におけるシガレットライターのソケットに差し込むことにより、自動車のバッテリからエアコンプレッサ62に電源が供給可能となる。またエアコンプレッサ62には加圧空気の供給口(図示省略)が設けられており、この供給口には耐圧ホース66の基端部が接続されている。耐圧ホース66の先端部には、タイヤ32のタイヤバルブ34にねじ止め可能とされたバルブアダプタ68が配置されている。
【0041】
次に、上記のようなシーリング・ポンプアップ装置に用いられるシーリング剤16について説明する。シーリング剤16は、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(アクリルニトリル−ブタジエンゴム)ラテックス及びSBRラテックスとNBRラテックスとの混合物のゴムラテックス等のゴムラテックスを含むとともに、水性分散剤又は水性乳剤の状態で加えられる樹脂系接着剤を有する。
【0042】
更に、シーリング剤16には、パンク穴に対するシール性を高めるために、ポリエステル、ポリプロピレン、ガラス等からなる繊維材料又はウィスカーや、炭酸カルシウム、カーボンブラック等からなる充填剤(フィラー)を混合しても良く、またシール性能を安定化するためにケイ酸塩やポリスチレン粒子を混合してもよい。
【0043】
またシーリング剤16には、上記成分以外に、グリコール、エチレン−グリコール、プロピレングリコール等の凍結防止剤、pH調整剤、乳化剤が一般に添加される。
【0044】
次に、本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置を用いてパンクしたタイヤ32を修理する作業手順を説明する。
【0045】
タイヤ32にパンクが発生した際には、先ず、液剤ボトル18の閉栓部20からキャップ26を取り外し、閉栓部20に注液ホース14のボトルアダプタ28をねじ止めすると共に、タイヤ32におけるタイヤバルブ34にシーリング剤注入ユニット12のバルブアダプタ22をねじ止めし、注液ホース14を通して液剤ボトル18内をパンクしたタイヤ32内へ連通させる。
【0046】
次いで、作業者は、図1(A)に示されるように、液剤ボトル18の閉栓部20を下方へ向けた状態としつつ、図1(B)に示されるように、液剤ボトル18における一対の大径湾曲部48の中央付近に容積縮小方向に沿った圧縮荷重を加えて液剤ボトル18を圧縮変形させる。これにより、この圧縮変形に見合う量のシーリング剤16が液剤ボトル18から注液ホース14内へ吐出される。注液ホース14内へ吐出されたシーリング剤16は、液剤ボトル18内からの加圧力及び自重によりバルブアダプタ30側へ流通し、バルブアダプタ30内を通ってタイヤ32内へ注入される。この後、作業者は、圧縮変形した液剤ボトル18が元の形状に復元すると、再び一対の大径湾曲部48の中央付近に容積縮小方向に沿った圧縮荷重を加えて液剤ボトル18を圧縮変形させる作業を、液剤ボトル18内から略全てのシーリング剤16がタイヤ32内へ注入完了するまで複数回に亘って繰り返す。
【0047】
上記のようにしてタイヤ32内へ所要量のシーリング剤16の注入が完了すると、作業者は、シーリング剤注入ユニット12のバルブアダプタ30をタイヤバルブ34から取り外して注液ホース14をタイヤ32から切り離す。次いで、作業者は、タイヤバルブ34にバルブコアを挿入した後、図2に示されるように、ポンプアップユニット60のバルブアダプタ68をタイヤバルブ34にねじ止めし、耐圧ホース66をタイヤ32に接続する。この状態で、エアコンプレッサ62を作動させ、エアコンプレッサ62からの加圧空気を耐圧ホース66及びタイヤバルブ34を通してタイヤ32内へ供給し、タイヤ32を規定圧で膨張させる。これが終わると、作業者は、バルブアダプタ68をタイヤバルブ34から取外し、エアコンプレッサ62を止める。この直後に、作業者は、シーリング剤16が注入されたタイヤ32を用いて一定距離に亘って予備走行し、タイヤ32内部にシーリング剤16を均一に拡散しつつ、シーリング剤16によりパンク穴を閉塞(シール)した後、必要に応じてポンプアップユニット60のエアコンプレッサ62を再びタイヤ32に接続してタイヤ32を規定圧までポンプアップする。
【0048】
以上説明した本実施形態に係る液剤ボトル18では、その胴部38が容積縮小方向へ弾性的に変形可能となるように成形されると共に、高さ方向と直交する液面方向に沿った胴部38の断面形状が略楕円形に形成されていることにより、胴部38の周壁部分には、曲率半径が相対的に大きい一対の大径湾曲部48が互いに対向するように形成されると共に、曲率半径が相対的に小さい一対の小径湾曲部50が互いに対向するように形成されるので、胴部38の周壁部分における大径湾曲部48の剛性を小径湾曲部50の剛性よりも小さいものにできる。
【0049】
この結果、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16を絞り出す際には、胴部38における一対の大径湾曲部48の中心付近をそれぞれ容積縮小方向へ押圧して液剤ボトル18を圧縮変形させれば、断面形状が略円形とされた胴部を有する液剤ボトルを押圧して圧縮変形させる場合と比較し、液剤ボトル18を圧縮変形させるために必要となる力(押圧力)を低減することができるので、シーリング剤16を収容した液剤ボトル18を圧縮変形させてシーリング剤16を注入口22から吐出させるために必要となる圧縮荷重を小さいものとし、液剤ボトル18からタイヤ32内へシーリング剤16を注入する際の作業性を向上できる。
【0050】
また胴部38における一対の大径湾曲部48をそれぞれ容積縮小方向へ押圧して液剤ボトル18を圧縮変形させた場合には、液剤ボトル18における大径湾曲部48の全体が容積縮小方向側へ撓むように変形し易くなり、くぼみ状、くびれ状等の局部的な変形が液剤ボトル18に生じ難くなることから、圧縮変形した液剤ボトル18の復元力がくぼみ状、くびれ状等の局部的な変形の影響により低下することを防止し、圧縮変形した液剤ボトル18の復元力を安定化できるので、圧縮変形した液剤ボトル18が元の形状に復元する際に、液剤ボトル18の局部的な変形に起因して復元までの時間が遅延することを効果的に防止できる。
【0051】
なお、本実施形態では、液剤ボトル18が外面層44及び内面層46からなる2層の積層材料42により成形されていたが、図3(D)に示されるように、液剤ボトル18を、その肉厚方向に沿って外面層54、中間層56及び内面層58が積層された3層の積層材料52により成形しても良い。この積層材料52における外面層54及び内面層58は、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)の何れかにより形成されており、中間層56はエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の何れかにより形成されている。
【0052】
EVOH又はEVAは高いガス遮断性を有しており、EVOH又はEVAを素材として中間層56を形成することにより、外面層54及び内面層58がガス透過性を有するPP又はPEにより形成されていても、酸素、蒸気等が積層材料52(液剤ボトル18)を透過することを防止できるので、シーリング剤16を液剤ボトル18内に長期保管している間に、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16が酸化により劣化したり、シーリング剤16中の水分及び揮発成分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止できる。またキャップ26についても3層の積層材料52により成形しておけば、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16の酸化劣化及び水分等の蒸発を更に効果的に防止できるようになる。
【0053】
積層材料52は、その厚さが液剤ボトル18におけるシーリング剤16の収容量等に応じて0.2mm〜2mmの範囲で設定される。これは、積層材料42の肉厚をお。0.2mmよりも薄くすると、強度が不足してパンク修理時等の外力により破裂するおそれがあり、また2.0mmよりも厚くすると、容積縮小方向の剛性が高くなりすぎ、低温環境下で液剤ボトル18を圧縮変形させることが困難になるためである。
【0054】
また図3(D)に示されるように、積層材料52の厚さをTL、中間層56の厚さをTMとした場合に、積層材料52の厚さTLと中間層56の厚さTMとの寸法比であるTM/DTは、0.01<(TM/DT)<0.40の範囲に設定され、好ましくは0.05<(TM/DT)<0.20の範囲に設定される。これは、(TM/DT)が0.01以下になると、中間層56をEVOH又はEVAにより形成しても、十分なガス遮断性が得られず、また(TM/DT)が0.20以上になると、EVOH及びEVAがPE及びPPと比較して高い剛性を有することから、積層材料52により成形された液剤ボトル18を圧縮変形させるために必要となる荷重が大きくなり、液剤ボトル18からシーリング剤16を絞り出す際の作業性が悪化するためである。
【0055】
なお、寸法比(TM/DT)の最適値は圧縮変形した液剤ボトル18の復元力も考慮する必要があるが、実験的には、(TM/DT)を0.125±0.075の範囲に設定すれば、液剤ボトル18の圧縮変形させる際の押圧力及び、圧縮変形した液剤ボトル18の復元時間を共に適正なものにでき、しかも液剤ボトル18のガス遮断性を十分に確保できることが明らかになっている。
【実施例】
【0056】
図3にそれぞれ示される本発明に係る液剤ボトル(実施例A1及びA2)の形状等による効果を確認するため、これら実施例A1及びA2に係る液剤ボトルと、本発明に係る液剤ボトルとは異なる形状を有する液剤ボトル(比較例C1〜C6)にそれぞれシーリング剤を収容し、図1(A)及び(B)に示されるような手順で、実施例及び比較例の液剤ボトルからタイヤ内へシーリング剤を注入し、液剤ボトルからタイヤ内へシーリング剤が注入完了するまでの液剤ボトルの押圧回数及び、注入完了後における液剤ボトル内のシーリング剤の残留量をそれぞれ測定する比較試験を実施した。この比較試験の結果を下記(表1)に示す。
【0057】
なお、実施例1に係る液剤ボトルは、図3(C)に示される2層の積層材料42により成形されたものであり、また実施例2に係る液剤ボトルは、図3(D)に示される3層の積層材料により成形されたものである。シーリング剤が注入完了するまでの液剤ボトルの押圧回数とは、図1(B)に示されるように、注入口を下方へ向けつつ液剤ボトルを垂直に保持した状態で、液剤ボトルを圧縮変形してもボトル内の内圧上昇によりシーリング剤が強制的に吐出されなくなるまでの押圧回数である。
【0058】
【表1】

上記(表1)から明らかなように、胴部の長径と短径との寸法比が適正範囲(0.5<(DS/DL)<0.9)にないもの(比較例C1及びC2)は、実施例A1及びA2と比較して、シーリング剤が注入完了するまでの液剤ボトルの押圧回数が著しく増加する。
【0059】
またボトル高さHLと胴部の長径DLとが適正範囲(1.4<(HL/DL)<1.7)にないもの(比較例C2及びC3)も、実施例A1及びA2と比較して、シーリング剤が注入完了するまでの液剤ボトルの押圧回数が著しく増加する。
【0060】
また液剤ボトルにおける肩部の傾斜角θが適正範囲(10°<θ<40°)にないもの(比較例C5)は、実施例A1及びA2と比較して、シーリング剤が注入完了するまでの液剤ボトルの押圧回数が著しく増加すると共に、液剤ボトル内におけるシーリング剤の残留量も増加する。
【0061】
また液剤ボトルが3層の積層材料により形成されている場合であって、積層材料の厚さTLと中間層の厚さTMとの寸法比が適正範囲(TM/DTを、0.01<(TM/DT)<0.40)にないものは、実施例A1及びA2と比較して、手により液剤ボトルを圧縮変形させたときの変形量が減少することから、シーリング剤が注入完了するまでの液剤ボトルの押圧回数が著しく増加する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態に係るシーリング装置におけるシーリング剤注入ユニットの構成を示す構成図である。
【図2】図1に示されるシーリング装置におけるシーリング・ポンプアップ装置を構成するポンプアップユニットの構成を示す構成図である。
【図3】図1に示される液剤ボトルの構成を示す図であり、(A)は液剤ボトルの正面図、(B)は液剤ボトルの液面方向に沿った断面図、(C)は液剤ボトルの成形素材として適用可能な2層の積層材料を示す断面図、(D)は液剤ボトルの成形素材として適用可能な3層の積層材料を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
16 シーリング剤
18 液剤ボトル(容器本体)
20 閉栓部(首部)
22 注入口
32 タイヤ(空気入りタイヤ)
36 肩部
38 胴部
42 積層材料
48 大径湾曲部
50 小径湾曲部
52 積層材料
54 外面層
56 外面層
56 中間層
58 内面層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンクした空気入りタイヤのパンク穴を閉塞するための液状のシーリング剤を収容すると共に、空気入りタイヤに対するパンク修理時には、外部からの圧縮荷重を受けて内容積を縮小しつつ注入口からシーリング剤を吐出し、該シーリング剤を前記注入口に接続されたジョイント部材を通して空気入りタイヤの内部へ注入するシーリング剤の保管・注入容器であって、
頂部に前記注入口が開口すると共に、該注入口の下部側に有底筒状の胴部が設けられ、該胴部内にシーリング剤を収容する容器本体を有し、
前記容器本体を、その胴部が容積縮小方向へ弾性的に変形可能となるように成形すると共に、前記容器本体の高さ方向と直交する液面方向に沿った前記胴部の断面形状を略楕円形に形成したことを特徴とするシーリング剤の保管・注入容器。
【請求項2】
前記胴部の前記液面方向に沿った長径をDL、短径をDSとした場合に、これらの寸法比であるDS/DLを、0.5<(DS/DL)<0.9の範囲に設定し、好ましくは0.60<(DS/DL)<0.80の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載のシーリング剤の保管・注入容器。
【請求項3】
前記容器本体に、前記胴部の上端部から上方へ向って前記液面方向に沿った寸法が縮小するテーパ状の肩部を設けると共に、該肩部の上端部分から上方へ突出し、上端面に前記吐出口が開口する略円筒状の首部を設け、
前記高さ方向に沿った前記胴部の寸法と前記肩部の寸法の和をHL、前記胴部の長径をDLとした場合に、これらの寸法比であるHL/DLを、1.4<(HL/DL)<1.7の範囲に設定し、好ましくは1.50<(HL/DL)<1.60の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載のシーリング剤の保管・注入容器。
【請求項4】
前記肩部の前記液面方向に対する傾斜角をθとした場合に、この傾斜角θを、10°<θ<40°の範囲に設定し、好ましくは20°<θ<30°の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載のシーリング剤の保管・注入容器。
【請求項5】
前記容器本体を、ポリエチレン及びポリプロピレンの何れかを素材として成形したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のシーリング剤の保管・注入容器。
【請求項6】
前記容器本体の内面に、アルミニウム、アルミ合金又アルミナからなる薄膜層を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載シーリング剤の保管・注入容器。
【請求項7】
前記容器本体を、その肉厚方向に沿って外面層、中間層及び内面層が積層された積層材料により成形し、前記外面層及び前記内面層を、ポリエチレン及びポリプロピレンの何れかにより形成すると共に、前記中間層をエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の何れかにより形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のシーリング剤の保管・注入容器。
【請求項8】
前記積層材料の厚さをTL、前記中間層の厚さをTMとした場合に、これらの寸法比であるTM/DTを、0.01<(TM/DT)<0.40の範囲に設定し、好ましくは0.05<(TM/DT)<0.20の範囲に設定したことを特徴とする請求項7記載のシーリング剤の保管・注入容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−62715(P2006−62715A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248223(P2004−248223)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】