説明

シールドコネクタ

【課題】シールドシェルの隙間を防止し、かつ、シールドシェル同士をより確実に電気的に接続すること。
【解決手段】端子22と、端子22を囲うコネクタ誘電体24と、コネクタ誘電体24の周囲を覆うシールド本体部32とシールド嵌合部36とが連設されてなるシールドシェル30と、コネクタハウジング40とを備える。シールド嵌合部36に、相手側のシールドシェル130に、相手側のシールドシェルに線状に接触可能な凸条接触部38a,38cが形成される。凸条接触部38a,38cは、側壁部36a,36cの幅方向全体に亘って形成してあり、かつ、シールドシェル30の嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、OAやFA、車載等の通信分野に適用されるシールドコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
高速通信用のシールドコネクタとして、端子を誘電体で覆うと共にその外周囲を導電性のシールドシェルで覆った構成のものがある。このようなシールドコネクタ同士を接続する場合、端子同士の接続部分の外周囲で、互いのシールドシェル同士が電気的に接続されている必要がある。
【0003】
シールドシェル同士の電気的な接触を確実にするための構成としては、例えば、次の構成が想定される。すなわち、一方側のシールドシェルの一部を舌片状に切抜いてバネ片を形成すると共に、このバネ片に突起部を設ける。そして、両シールドシェル同士の嵌合接続状態で、バネ片の弾性力により突起部を他方側のシールドシェルに押し当てる。この突起部とシールドシェルとの点接触により、シールドシェル間の電気的な接触を得ようとする構成である。
【0004】
なお、シールドシェルを備えたシールドコネクタは、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−327100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シールドシェルの一部を舌片状に切抜いてバネ片を形成した構成にあっては、そのバネ片の周囲で隙間が生じることになる。この隙間から電磁ノイズが漏出する恐れがある。また、上記構成において、基本的には、突起部とシールドシェルとの点接触により、シールドシェル間の電気的な接触を得ようとする構成であるため、両者間の電気的な接続が十分とはいえない。
【0007】
そこで、本発明は、シールドシェルの隙間を防止し、かつ、シールドシェル同士をより確実に電気的に接続することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るシールドコネクタは、少なくとも一つの端子と、前記端子の周囲を囲う誘電体と、前記誘電体の周囲を覆うシールド本体部と、相手側のシールドシェルに嵌合されるシールド嵌合部とが連設されてなるシールドシェルと、を備え、前記シールド嵌合部に、相手側のシールドシェルの内面又は外面に線状に接触可能な凸条接触部が少なくとも一つ形成されたものである。
【0009】
この場合に、前記凸条接触部が複数形成され、前記各凸条接触部が前記シールドシェルの嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してあってもよい。
【0010】
また、前記シールド嵌合部は、略角筒状に形成されており、その各側壁部のそれぞれに前記凸条接触部が形成されていてもよい。
【0011】
さらに、前記側壁部の幅方向全体に亘るように、前記凸条接触部が形成されているとよい。
【0012】
また、前記凸条接触部は、前記シールドシェルの嵌合接続方向に斜行する方向に沿って延びているとよい。
【0013】
また、前記シールドシェルに、面状部分を有する接地片を設けてもよく、また、前記シールドシェルのうち板状部分と板状部分との継目部分で、部分的に重なり合っている構成であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明のシールドコネクタによると、シールド嵌合部に、相手側のシールドシェルの内面又は外面に線状に接触可能な凸条接触部が形成されているため、シールドシェル同士を線状に接触させて、両者をより確実に電気的に接続することができる。この場合に、凸条接触部は、例えば、シールド嵌合部を部分的にプレス加工等することで形作ることができるため、シールドシェルの隙間を防止することができる。
【0015】
また、この場合に、前記凸条接触部が複数形成され、前記各凸条接触部が前記シールドシェルの嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してあると、シールドシェルを嵌合接続する際の接続抵抗を比較的小さくすることができる。
【0016】
さらに、シールド嵌合部は、略角筒状に形成されており、その各側壁部のそれぞれに前記凸条接触部が形成されていると、周囲からまんべんなく線状に接触させることができ、シールドシェル同士をより確実に電気的に接続することができる。
【0017】
また、前記各側壁部の幅方向全体に亘るように、前記各凸条接触部が形成されていると、嵌合接続されるシールドシェル間で隙間を可及的に小さくすることができる。
【0018】
また、前記凸条接触部が、シールドシェルの嵌合接続方向に斜行する方向に沿って延びていると、シールドシェルを嵌合接続する際の接続抵抗を分散させて、接続し易くすることができる。
【0019】
さらに、前記シールドシェルに、面状部分を有する接地片を設けると、その接地片を接地対象となる部材に面接触させつつ電気的に接続することができ、電磁シールド性を高めることができる。
【0020】
また、シールドシェルのうち板状部分と板状部分とが、それらの継目部分で、部分的に重なり合っていると、シールドシェルの隙間をより小さくして、電磁シールド性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態に係るシールドコネクタについて説明する。
【0022】
図1はシールドコネクタを示す分解斜視図であり、図2はシールドコネクタを示す断面図であり、図3はシールドシェルを示す一部断面平面図である。なお、便宜上、シールドコネクタに対して、基板が設けられることとなる方向を下、この反対方向を上、また、相手側のシールドコネクタが接続される方向を前、この反対方向を後ろとして説明する。
【0023】
なお、ここでは、プリント基板10に実装されるタイプのコネクタ20について説明する。ちなみに、相手側のコネクタ120は、次の構成を有している。すなわち、相手側のコネクタ120は、シールドケーブル110に接続されるタイプのものであり、シールドケーブル110の電線111に接続される端子122と、端子122の周囲を覆うコネクタ誘電体124と、コネクタ誘電体124の周囲を覆うシールドシェル130と、このシールドシェル130を覆うコネクタハウジング140とを備えている。
【0024】
シールドコネクタ20は、少なくとも一つの端子22(ここでは複数の端子22)と、コネクタ誘電体24と、シールドシェル30と、コネクタハウジング40とを備えている。
【0025】
各端子22は、接続対象となる部材(ここでは基板10に形成された配線パターン)に電気的に接続されると共に、相手側のコネクタ120側の端子122に接続可能に構成されている。より具体的には、各端子22は、軟銅等の導電性棒状部材を長手方向中間部で屈曲した略L字状の部材に形成されている。各端子22の一端部22aは、接続先となる相手側端子122に接続可能な雌端子形状或は雄端子形状に形成されており、ここでは、ピン状の雄端子部22aに形成されている。また、各端子22の他端部22bは、接続対象となる部材に電気的に接続される部分に形成されており、ここでは、ピン状のリード部22bに形成されている。そして、このリード部22bが、基板10のスルーホールに挿通されて該基板10に形成された配線パターンに適宜半田付される構成となっている。
【0026】
コネクタ誘電体24は、上記各端子22の周囲を囲って、各端子22とシールドシェル30とを電気的に絶縁する機能を有している。より具体的には、コネクタ誘電体24は、所定の誘電率を有する樹脂等の絶縁性材料により形成されている。コネクタ誘電体24は、空洞部24hと、上記各端子22を収容可能な端子収容孔部(図示省略)を有している。そして、各端子22の屈曲部分を空洞部24h内に配設しつつ、各端子の雄端子部22aを、対応する各端子収容孔部内に挿入配置することで、各端子22が相手側端子122に接続可能な所定の位置及び姿勢で保持される構成となっている。この状態では、コネクタ誘電体24により、各端子22間及びシールドシェル30との電気的な絶縁が図られる。また、上記のように各端子22が保持された状態で、各端子22のリード部22bは、空洞部24hからコネクタ誘電体24の下方に延出している。
【0027】
シールドシェル30は、シールド本体部32と、シールド嵌合部36とが連設された構成とされており、導電性板材、例えば、軟銅等の金属製板材を適宜プレス加工等することにより形成されている。
【0028】
シールド本体部32は、コネクタ誘電体24の周囲を覆うように構成されている。具体的には、シールド本体部32は、下方及び前方を開口させた筺状に形成されており、この内部に上記コネクタ誘電体24が収容配置可能とされている。コネクタ誘電体24は、その前面をシールド嵌合部36経由で外部に臨ませた姿勢で、シールド本体部32内の一定位置に収容配置される。
【0029】
シールド嵌合部36は、上記シールド本体部32の前方に連設され、相手側のシールドシェル130に嵌合接続可能に構成されている。具体的には、シールド嵌合部36は、筒状、ここでは、略方形角筒状に形成されている。このシールド嵌合部36に、相手側のシールドシェル130が内嵌めされるように嵌合接続可能とされている。なお、シールド嵌合部36に対して、相手側のシールドシェル130が外嵌めされるように嵌合接続される構成であってもよい。なお、シールド嵌合部36は、相手側のシールドシェル130に嵌合接続可能な筒形状を有していればよく、上記略方形角筒状の他、円筒状、多角形の角筒状であっても構わない。
【0030】
このシールド嵌合部36に、凸条接触部38a,38b,38cが形成されている。凸条接触部38a,38b,38cは、相手側のシールドシェル130の内面又は外面に線状に接触可能に構成されている。ここでは、凸条接触部38a,38b,38cは、内嵌めされるシールドシェル130の外面に線状に接触可能に構成されている。ここで、線状に接触とは、一定の幅を持つ長尺状の領域で接触する場合をも含む。また、シールドシェル30,130同士の嵌合接続態様に応じて、凸条接触部38a,38b,38cの突出方向等は決定される。
【0031】
具体的には、シールド嵌合部36の上側壁部36a,及び下側壁部36bに、長尺状の凸条接触部38a,38bが形成され、シールド嵌合部36の左右の側壁部36cに、長尺状の凸条接触部38cが形成されている。
【0032】
つまり、シールド嵌合部36の周囲壁を構成する全ての側壁部36a,36b,36cのそれぞれに、凸条接触部38a,38b,38cが形成されている。これにより、シールド嵌合部36の四方で、各凸条接触部38a,38b,38cが相手側のシールドシェル130に接触する構成となっている。もっとも、必ずしも凸条接触部38a,38b,38cが全ての側壁部36a,36b,36cに形成されている必要なく、そのうちの一部にだけ設けられた構成であってもよい。
【0033】
これらの凸条接触部38a,38b,38cは、例えば、側壁部36a,36b,36cを部分的に突出させるようにプレス加工することにより形成される。その他、凸条接触部38a,38b,38cは、例えば、シールド嵌合部36の内面(又は外面)に、長尺状の部材を溶接等の周知の手法により、貼着けることによっても形成できる。
【0034】
また、各凸条接触部38a,38b,38cは、各側壁部36a,36b,36cの幅方向全体に亘るように形成されている。ここでは、凸条接触部38a,38b,38cは、側壁部36a,36b,36cの幅方向に沿って延びる長尺状に形成されており、その両端部が側壁部36a,36b,36cの両側縁部に達する程度の長さ寸法に形成されている。これにより、側壁部36a,36b,36cの幅方向ほぼ全体に亘って、凸条接触部38a,38b,38cが相手側のシールドシェル130に接触し、もって、シールドシェル30,130間の隙間を少なくするようにしている。
【0035】
また、上記凸条接触部38a,38b,38cは、シールドシェル30の嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してある。具体的には、凸条接触部38a,38bは、上側壁部36a及び下側壁部36bの前方より(開口側)の位置に形成されており、凸条接触部38cは、左右の側壁部36cの後方より(奥側)の位置に形成されている。そして、シールドシェル30内に、相手側のシールドシェル130を嵌合接続すると、まず、最初に上下の凸条接触部38a,38bがシールドシェル130の外面に摺接し、この後、左右の凸条接触部38cがシールドシェル130の外面に摺接する。これにより、シールドシェル30,130の嵌合接続に際して、凸条接触部38a,38bと凸条接触部38cとで、相手側のシールドシェル130に摺接し始めるタイミングをずらすようにしている。
【0036】
なお、凸条接触部38a,38b,38cは、略楕円形を長軸方向に沿って2分割したような縦断面形状を有していることが好ましい。比較的緩やかな曲面部分を相手側のシールドシェル130に接触させることで、嵌合接続時の接触抵抗を比較的小さくすることができる上、接触面積を比較的大きくできるからである。もっとも、凸条接触部38a,38b,38cは、略半円形状又は略方形状、略三角形状の縦断面形状を有していてもよい。
【0037】
なお、相手側のシールドシェル130のうち、凸条接触部38a,38b,38cに対応する位置に凹溝部を形成し、両コネクタ20,120がコネクタ接続された状態で、各凸条接触部38a,38b,38cを、該凹溝部に嵌め込むようにしてもよい。
【0038】
また、このシールドシェル30では、板状部分30aと板状部分30bとの継目部分で、部分的に重なり合うように構成されている。
【0039】
すなわち、シールドシェル30を、導電性板材のプレス加工等により形成した場合、展開組立形態に応じて、板状部分30aと板状部分30bとの継目部分を生じる(図1及び図4の矢符P部分参照)。この継目部分で、板状部分30aと板状部分30b間の隙間を生じると、該隙間を通って電磁ノイズが漏洩することとなる。そこで、板状部分30aと板状部分30bとの継目部分で、部分的に重なり合うようにするのである。
【0040】
ここでは、シールドシェル30の後ろ側の板状部分30aと、一側の板状部分30bとの間に継目が生じている。そして、後ろ側の板状部分30aの側縁部に、細長台形状の接続しろ片30cを形成している。そして、該接続しろ片30cを、一側の板状部分30b側に屈曲して、該板状部分30bに密着状に重ね合せるようにしている。この接続しろ片30cにより、板状部分30aと板状部分30bとの継目部分で、隙間を塞ぐようにすることができる。これにより、シールドシェル30の隙間をより小さくして、電磁シールド性を向上させることができる。
【0041】
また、シールドシェル30に、面状部分を有する接地片34が設けられている。ここでは、シールド本体部32の両側部下部に、その両側外方に延出するようにして、略方形板状の接地片34が形成されている。この接地片34の底面は平坦であり、かつ、コネクタハウジング40の底面と略同一面上に位置している。そして、本シールドコネクタ20を基板10上に配設固定した状態で、図4に示すように、接地片34が基板10の一方面側に形成された接地用配線パターン12gに面接触するように構成されている。
【0042】
コネクタハウジング40は、樹脂等により形成され、上記シールドシェル30を覆う形状に形成されている。ここでは、前方及び後方、さらに下方の一部が開口した略箱状に形成されている。そして、このコネクタハウジング40の後半部にシールドシェル30やコネクタ誘電体24が収容配置されると共に、その前半部に相手側コネクタ120のコネクタハウジング140が嵌合接続されるように構成されている。なお、このコネクタハウジング40に、相手側コネクタ120との接続状態を保持するロック機構(図示省略)が組込まれる。
【0043】
また、このコネクタハウジング40の両側部に、本シールドコネクタ20を基板10に対して取付固定するための固定部42が設けられている。
【0044】
本シールドコネクタ20は、各端子22のリード部22bを基板10側の配線パターンに適宜半田付すると共に、接地片34を基板10側の接地用配線パターン12gに面接触させて半田付等した状態で、固定部42を基板10にネジ止等により固定することで、基板10に実装固定される。この接地片34により、シールドシェル130が、接地用配線パターン12gに面接触した状態で電気的に接続されることになり、電磁シールド性を高めることができる。
【0045】
このように構成されたシールドコネクタ20に対して、相手側コネクタ120を接続すると、相手側のコネクタハウジング140にコネクタハウジング40に嵌合接続されると共に、相手側のシールドシェル130がシールドシェル30に嵌合接続される。相手側のシールドシェル130がシールドシェル30に嵌合接続される途中で、まず、最初に上下の凸条接触部38a,38bがシールドシェル130の外面に摺接し、この後、左右の凸条接触部38cがシールドシェル130の外面に摺接する。また、シールドシェル30,130同士の嵌合接続に伴って、各端子22,122同士の接続もなされる。そして、相手側のコネクタ誘電体124がコネクタ誘電体24に突き当たるまで、シールドシェル30,130同士が嵌合接続された状態で、各端子22,122同士の接続及びコネクタハウジング40,140同士の接続も完全になされた状態となる。これにより、両シールドコネクタ20,120同士のコネクタ接続がなされた状態となる。この状態では、各凸条接触部38a,38b,38cは、自身の弾発付勢力又はシールド嵌合部36の付勢力によって、相手側のシールドシェル130に押圧された状態となっている。よって、シールドシェル30,130同士は、周囲の四方で、各凸条接触部38a,38b,38cを通じて線状に接触し、この接触構造を通じて電気的に接続された状態となっている。
【0046】
以上のように構成されたシールドコネクタ20によると、シールド嵌合部36に、相手側のシールドシェル130の内面又は外面に線状に接触可能な凸条接触部38a,38b,38cが形成されているため、シールドシェル30,130同士を線状に接触させて、両者をより確実に電気的に接続することができる。この場合に、凸条接触部38a,38b,38cは、例えば、シールド嵌合部36を部分的にプレス加工等することで形作ることができるため、シールドシェル30の隙間を防止することができる。
【0047】
また、各凸条接触部38a,38b,38cがシールドシェル30の嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してあるため、凸条接触部38a,38bと凸条接触部38cとで、相手側のシールドシェル130に摺接し始めるタイミングをずらすことができる。これにより、シールドシェル30,130を嵌合接続する際の接続抵抗の最大値を比較的小さくすることができる。
【0048】
なお、各凸条接触部38a,38b,38cの全てを、シールドシェル30の嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成する必要はなく、少なくとも2箇所にずれた位置に形成してあればよい。
【0049】
また、シールド嵌合部36の各側壁部36a,36b,36cのそれぞれに、凸条接触部38a,38b,38cが形成されているため、シールドシェル30,130同士を周囲4方でまんべんなく線状に接触させることができ、シールドシェル30,130同士をより確実に電気的に接続することができる。
【0050】
さらに、各凸条接触部38a,38b,38cが、側壁部36a,36b,36cの幅方向全体に亘るように形成されているため、嵌合接続されるシールドシェル30,130間で隙間を可及的に小さくすることができる。
【0051】
なお、図5に示す変形例のように、上記凸条接触部38a,38b,38cに対応する凸条接触部238a,238b,238cが、シールドシェル230の嵌合接続方向に斜行する方向に沿って延びるように形成してもよい。
【0052】
この変形例では、凸条接触部238a,238b,238cの各部分が、相手側のシールドシェルに接触し始めるタイミングを、より全体的かつ均一的に分散させることができる。これにより、シールドシェル同士を嵌合接続する際の接続抵抗をより分散させて、接続抵抗の最大値の低減及び接続抵抗の均一化を図り、もって、接続し易くすることができる。勿論、凸条接触部238a,238b,238cを、シールドシェルの嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してもよい。
【0053】
また、本実施形態では、基板10に実装されるタイプのシールドコネクタ20のシールドシェル30に適用した例について説明したが、相手側のように、シールドケーブル110に接続されるタイプのシールドコネクタ120のシールドシェル130についても適用できる。勿論、シールドケーブル同士の接続に用いられるコネクタのシールドシェルについても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】シールドコネクタを示す分解斜視図である。
【図2】図2はシールドコネクタを示す断面図である。
【図3】シールドシェルを示す一部断面平面図である。
【図4】接地片と接地用配線パターンとの接触状態を示す図である。
【図5】凸条接触部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10 基板
20 シールドコネクタ
22 端子
24 コネクタ誘電体
30 シールドシェル
30a,30b 板状部分
30c 接続しろ片
32 シールド本体部
34 接地片
36 シールド嵌合部
36a,36b,36c 側壁部
38a,38b,38c 凸条接触部
40 コネクタハウジング
120 シールドコネクタ
238a,238b,238c 凸条接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの端子と、
前記端子の周囲を囲う誘電体と、
前記誘電体の周囲を覆うシールド本体部と、相手側のシールドシェルに嵌合されるシールド嵌合部とが連設されてなるシールドシェルと、
を備え、
前記シールド嵌合部に、相手側のシールドシェルの内面又は外面に線状に接触可能な凸条接触部が少なくとも一つ形成された、シールドコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のシールドコネクタであって、
前記凸条接触部が複数形成され、
前記各凸条接触部が前記シールドシェルの嵌合接続方向に沿ってずらした位置に形成してある、シールドコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のシールドコネクタであって、
前記シールド嵌合部は、略角筒状に形成されており、その各側壁部のそれぞれに前記凸条接触部が形成されている、シールドコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のシールドコネクタであって、
前記側壁部の幅方向全体に亘るように、前記凸条接触部が形成されている、シールドコネクタ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシールドコネクタであって、
前記凸条接触部は、前記シールドシェルの嵌合接続方向に斜行する方向に沿って延びている、シールドコネクタ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシールドコネクタであって、
前記シールドシェルに、面状部分を有する接地片を設けた、シールドコネクタ。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシールドコネクタであって、
前記シールドシェルのうち板状部分と板状部分との継目部分で、部分的に重なり合っている、シールドコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−156278(P2006−156278A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348320(P2004−348320)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】