シールドトンネルによる地下水の流動阻害を防止する構造及びシールドトンネル
【課題】メンテナンスが容易な地下水の流動阻害を防止する構造を提供する。
【解決手段】地下水の流動阻害を防止する構造1は、覆工体5と、この覆工体5を貫通するように設けられた開口部7と、開口部7内に設けられた通水手段9と、通水手段9の固液分離体19を洗浄するための洗浄システム11とを備える。洗浄システム11は、貯留槽35と、貯留槽35の水を通水手段9に供給するためのポンプ37と、ポンプ37から供給される水を送水するための送水管41と、洗浄後の泥水を排出するための排水管33と、排水管33に取り付けた排水管用バルブ34と、泥水に含まれる土砂を沈殿させて浄化された水を貯留するための水槽55と、水槽55の水を貯留槽35に通水するための通水管57とから構成されている。
【解決手段】地下水の流動阻害を防止する構造1は、覆工体5と、この覆工体5を貫通するように設けられた開口部7と、開口部7内に設けられた通水手段9と、通水手段9の固液分離体19を洗浄するための洗浄システム11とを備える。洗浄システム11は、貯留槽35と、貯留槽35の水を通水手段9に供給するためのポンプ37と、ポンプ37から供給される水を送水するための送水管41と、洗浄後の泥水を排出するための排水管33と、排水管33に取り付けた排水管用バルブ34と、泥水に含まれる土砂を沈殿させて浄化された水を貯留するための水槽55と、水槽55の水を貯留槽35に通水するための通水管57とから構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下構造物を構築することにより生じる地下水の流動阻害の防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤の透水層内にシールドトンネルを掘削すると、シールドトンネルの内周とシールドトンネルの内周部に敷設される覆工体との間に形成されるテールボイド部に不透水性の裏込め材が充填されるので、地下水の流動を阻害してしまい、下流側の地下水位が低下して地盤沈下や井戸枯れが生じてしまう。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、図15に示すように、覆工体5の上流側及び下流側にそれぞれ排水口60、61を設け、上流側の排水口60に土砂の流入を防止するための金網等の土砂流入防止材62を設置し、両排水口60、61を排水管63で連結して、この排水管63内に地下水を通過させることにより上流側の地下水を下流側に流す方法が開示されている。
【特許文献1】特開平10−280888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した覆工体5の上流側及び下流側にそれぞれ排水口60、61を設ける方法では、上流側の排水口60に設けられた土砂流入防止材62の金網等が目詰まりすると地下水が流れなくなるという問題点があった。また、この土砂流入防止材62を洗浄するために、脱着等の作業を行う際は、被圧状態の地下水が排水口60から湧出するので大変危険であるという問題点もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、メンテナンスが容易な地下水の流動阻害を防止する構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の地下水の流動阻害を防止する構造は、シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有する地下水の流動阻害を防止する構造であって、前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えたことを特徴とする(第1の発明)。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、洗浄システムを備えているので通水手段を洗浄することが可能となる。したがって、通水手段の目詰まり等を解消することが可能となる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記洗浄システムは、水を貯留するための貯留槽と、前記貯留槽内の水を前記通水手段に供給するためのポンプと、前記ポンプから吐出される水を前記通水手段に送水するための洗浄管と、前記通水手段の洗浄後の排水を排出するための排水管とを備えることを特徴とする。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、洗浄システムは、ポンプを備えており、このポンプの吐出圧力を利用して通水手段を洗浄するので、効率的に洗浄することができる。
また、洗浄用の水を送水する洗浄管と、洗浄後の排水を排出する排水管とをそれぞれ備えているので、洗浄用の水と洗浄後の排水とが混合することがない。したがって、通水手段を効率的に洗浄することが可能となる。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、前記洗浄システムは、浄化された水を貯留するための水槽と、前記水槽の水を前記貯留槽に通水するための通水管とを更に、備えることを特徴とする。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、洗浄システムは、浄化された水を貯留するための水槽を備えているので、通水手段を洗浄した後の水を再利用することが可能となる。したがって、洗浄毎に地下水を集水する必要がなくなる。
【0009】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記洗浄システムは、前記シールドトンネル内に設置されることを特徴とする。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、トンネル内の温度、湿度は一年を通してほぼ一定なので、洗浄システムの管理が容易である。
【0010】
第5の発明のシールドトンネルは、地下水の流動阻害を防止するために、該シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有するシールドトンネルであって、前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の地下水の流動阻害を防止する構造を用いることにより、長期間にわたって地下水の通水機能を維持できるとともに、通水手段を容易にメンテナンスすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る地下水の流動阻害を防止する構造の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の第一実施形態に係る地下水の流動阻害を防止する構造を備えたシールドトンネルの軸方向に対して垂直な断面を示す図であり、図2は、図1のA矢視図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、地下水の流動阻害を防止する構造1は、シールドトンネル3の内周部に敷設された覆工体5と該覆工体5を囲うように充填される裏込め材13とを貫通するように設置され、シールドトンネル3よりも上流側の地下水を取水してシールドトンネル3よりも下流側に放水するための通水手段9を備える。
【0015】
覆工体5は、複数のセグメントピースをシールドトンネル3の内周面に沿って周方向及び長手方向に連結して構築される。この覆工体5とシールドトンネル3の内周面との間に形成されるテールボイド部に不透水性の裏込め材13が充填される。
【0016】
通水手段9は、シールドトンネル3よりも上流側(図1におけるシールドトンネル3の左側)の地下水を取水するための取水部9Ua、9Ub、9Ucと、これら取水部9Ua、9Ub、9Ucで取水した地下水をシールドトンネル3よりも下流側(図1におけるシールドトンネル3の右側)に放水するための放水部9La、9Lb、9Lcと、取水部9Ua、9Ub、9Ucで取水した地下水を放水部9La、9Lb、9Lcに通水するための通水兼洗浄管31と、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄するための洗浄装置11とを備える。
【0017】
取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcは、覆工体5を貫通するように設けられた開口部7内に取り付けられている。
【0018】
なお、本実施形態においては、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcをシールドトンネル3の上方部、中央部及び下方部にそれぞれ設けたが、この数及び設置箇所に限定されるものではなく、シールドトンネル3の径、地下水の水位、地下水の流量等に基づいて設計により決定される。
【0019】
図3及び図4は、それぞれ本実施形態に係る取水部9Ua、9Ub、9Ucの斜視図及び断面図である。また、図5は、図4のB−B断面図である。
【0020】
図3〜図5に示すように、取水部9Ua、9Ub、9Ucは、開口部7内に、取水部9Ua、9Ub、9Ucが裏込め材13よりもシールドトンネル3の径方向外側に突出するようにボルト・ナット15にて取り付けられている。
【0021】
また、図示はしないが、放水部9La、9Lb、9Lcも取水部9Ua、9Ub、9Ucと同様に開口部7内に、放水部9La、9Lb、9Lcが裏込め材13よりもシールドトンネル3の径方向外側に突出するように取り付けられている。
【0022】
取水部9Ua、9Ub、9Ucは、地盤17内の土砂を捕捉し、地下水を通過させる固液分離体19と、固液分離体19を通過した水を図4中右向きに通水するとともに、固液分離体19を洗浄するための水を図4中左向きに送水する通水兼洗浄管31と、洗浄後の泥水を排出するための排水管33と、排水管33に取り付けられた排水管用バルブ34とから構成される。
【0023】
固液分離体19は、地盤17からの土圧を支持するとともに、小石、石等の流入を防止しつつ地下水を通過させるための孔29を有するスクリーン保護用多孔板21と、該スクリーン保護用多孔板21のシールドトンネル3の径方向内側に配置され、スクリーン保護用多孔板21の孔29を通過した土砂混じりの地下水を土砂と地下水とに分離するための箱型の固液分離スクリーン23と、該固液分離スクリーン23内に内包され、耐圧性及び透水性を有し、内部に空隙27を有するコア部25とから構成されている。
【0024】
スクリーン保護用多孔板21は、例えば、径30mmの孔29を40mm間隔で三角配置したパンチングメタル(開口換算率で51%)を用いたが、これに限定されるものではなく、地質等に応じた径のものを用いるが、スクリーン保護用多孔板21の孔29の径を排水管33の径よりも小さくすることが望ましい。
【0025】
また、固液分離スクリーン23は、例えば、目合い0.2mmのスクリーンのアローキャッチ(製品名:東洋紡株式会社製、登録商標)を用いたが、これに限定されるものではなく、地質等に応じた目合いのものを用いる。
【0026】
そして、コア部25は、取水部9Ua、9Ub、9Ucが設置された深さ位置の水圧に対して、内部に形成された空隙27を保持できる程度の耐圧性を有する。本実施形態においては、コア部25は、コスモジオ(製品名:東洋紡株式会社製、登録商標)を用いたが、これに限定されるものではなく、透水性及び耐圧性を有するものであれば他のものでもよい。
【0027】
また、図示しないが、放水部9La、9Lb、9Lcも取水部9Ua、9Ub、9Ucと同様に、通水兼洗浄管31と、排水管33と、排水管用バルブ34とから構成される。
【0028】
図1に示すように、通水兼洗浄管31の一端側は上流側の取水部9Ua、9Ub、9Ucに、他端側は下流側の放水部9La、9Lb、9Lcに接続されている。
【0029】
また、図1及び図2に示すように、洗浄システム11は、洗浄用の水を貯留するための貯留槽35と、この水を取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcに供給するためのポンプ37と、一端が送水管用バルブ39を介して通水兼洗浄管31に、他端がポンプ37にそれぞれ接続されて、ポンプ37から供給される水を取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcに送水するための送水管41と、洗浄後の泥水を排出するための排水管33(図4)と、排水管33に取り付けられた排水管用バルブ34(図4)と、排水管33を介して排出される泥水に含まれる土砂を沈殿させて浄化された水を貯留するための水槽55と、水槽55の水を貯留槽35に通水するための通水管57とから構成されている。
【0030】
貯留槽35に貯留されている水は、取水部9Ua、9Ub、9Ucから取水された水を、一時的に送水管用バルブ39を開放し、送水管41を介して貯留槽35内に流入させることにより、集水したものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、地上から送水管(図示しない)を介して貯留槽35内へ送水してもよい。
【0031】
次に、上述した流動阻害を防止する構造1を適用した場合の通常時における地下水の流れについて説明する。
【0032】
図6及び図7は、それぞれ図1及び図2に本実施形態における通常時の地下水の流れを記入した図である。また、図8は、本実施形態における通常時の取水部9Ua、9Ub、9Uc内の地下水の流れを示す図である。
【0033】
図6及び図7に示すように、通常時は、取水部9Ua、9Ub、9Ucで取水された地下水は、通水兼洗浄管31内を通過して放水部9La、9Lb、9Lcに供給され、地盤17内に放水される。具体的には、上流側の地下水は、図8に示すように、スクリーン保護用多孔板21の外方のマッドケーキ層43が除去された部分CLよりスクリーン保護用多孔板21の孔29を介して取水部9Ua、9Ub、9Uc内に流入する。ここで、地下水と混合している砂、土粒子は固液分離スクリーン23の目合いの大きさに応じてこの固液分離スクリーン23に捕捉され、その捕捉された砂、土粒子が取水部9Ua、9Ub、9Ucの下に沈殿し、捕捉されなかった微小径の土粒子及び地下水がコア部25、通水兼洗浄管31を通過する。このとき、地下水が排水管33及び送水管41(図1)に流入しないように排水管用バルブ34及び送水管用バルブ39(図1)は閉止されている。そして、下流側の放水部9La、9Lb、9Lcに到達した地下水は、コア部25、固液分離スクリーン23及びスクリーン保護用多孔板21の孔29を介して下流側のマッドケーキ層43が除去された部分CLに流入し、ここから更に、地盤17内に放水される。
【0034】
次に、上述した流動阻害を防止する構造1を適用した場合の取水部9Ua、9Ub、9Ucの洗浄方法について説明する。なお、以下の説明では、取水部9Ua、9Ub、9Ucに適用した場合についてのみ説明するが、放水部9La、9Lb、9Lcにも適用することができる。
【0035】
図9及び図10は、それぞれ図1及び図2に本実施形態における洗浄時の地下水の流れを記入した図である。また、図11は、本実施形態における洗浄時の取水部9Ua、9Ub、9Uc内の地下水の流れを示す図である。
【0036】
図9及び図10に示すように、砂、土粒子等により目詰まりした取水部9Ua、9Ub、9Ucを洗浄するときは、まず、排水管用バルブ34及び送水管用バルブ39を開放し、ポンプ37を駆動させて、送水管41及び通水兼洗浄管31を介して貯留槽35内の水を取水部9Ua、9Ub、9Ucに圧送する。そして、図11に示すように、圧送された水で取水部9Ua、9Ub、9Ucの下に沈殿した砂、土粒子を除去する。
【0037】
次に、ポンプ37を駆動させて水を圧送した状態のままで排水管用バルブ34を閉止して、固液分離スクリーン23及びスクリーン保護用多孔板21を洗浄し、固液分離スクリーン23に捕捉された土粒子及びスクリーン保護用多孔板21の孔29を塞いでいる小石等を除去する。
【0038】
洗浄後の砂、土粒子等を含む泥水は、排水管33より排出され、覆工体5で囲まれた内部に設けられた水槽55に送水され、泥水に含まれる砂、土粒子等を沈殿させて浄化する。浄化された水は、通水管57を介して貯留槽35に通水されて再び洗浄用の水として貯留される。
【0039】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。以下の説明において、上記の実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0040】
第二実施形態における地下水の流動阻害を防止する構造51は、裏込め材として透水性を有する透水性裏込め材53を用いたものである。
【0041】
図12及び図13は、それぞれ本発明の第二実施形態に係る取水部9Ua、9Ub、9Ucの斜視図及び断面図である。
【0042】
図12及び図13に示すように、取水部9Ua、9Ub、9Ucは、開口部7内にボルト・ナット15にて取り付けられている。この取水部9Ua、9Ub、9Uc及び覆工体5の外周を囲うように透水性裏込め材53が充填されている。
【0043】
図14は、本実施形態における通常時の取水部9Ua、9Ub、9Uc内の地下水の流れを示す図である。図14に示すように、上流側の地下水は、透水性裏込め材53を通過し、スクリーン保護用多孔板21の孔29を介して取水部9Ua、9Ub、9Uc内に流入する。ここで、第一実施形態と同様に、地下水と混合している砂、土粒子は固液分離スクリーン23の目合いの大きさに応じてこの固液分離スクリーン23に捕捉され、その捕捉された砂、土粒子が取水部9Ua、9Ub、9Ucの下に沈殿し、捕捉されなかった微小径の土粒子及び地下水がコア部25、通水兼洗浄管31を通過する。そして、放水部9La、9Lb、9Lcに到達した地下水は、コア部25、固液分離スクリーン23、スクリーン保護用多孔板21の孔29及び透水性裏込め材53を通過して地盤17内に放水される。
【0044】
以上説明したすべての実施形態における地下水の流動阻害を防止する構造1、51によれば、洗浄システム11を備えているので取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄することが可能となる。したがって、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcの固液分離体19の目詰まりを解消することが可能となる。
【0045】
また、この洗浄システム11は、ポンプ37を備えており、このポンプ37の吐出圧力を利用して取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄するので、効率的に洗浄することができる。そして、洗浄用の水を送水する通水兼洗浄管31と、洗浄後の排水を排出する排水管33とを備えているので、洗浄用の水と洗浄後の排水とが混合することがない。さらに、泥水に含まれる土砂を沈殿させて浄化された水を貯留する水槽55を備えているので、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄した後の水を再利用することが可能となる。したがって、洗浄毎に地下水を集水する必要がなくなる。
【0046】
そして、シールドトンネル3内の温度、湿度は一年を通してほぼ一定なので、洗浄システム11の管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施形態に係る地下水の流動阻害を防止する構造を備えたシールドトンネルの軸方向に対して垂直な断面を示す図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】本実施形態に係る取水部の斜視図である。
【図4】本実施形態に係る取水部の断面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】図1に本実施形態における通常時の地下水の流れを記入した図である。
【図7】図2に本実施形態における通常時の地下水の流れを記入した図である。
【図8】本実施形態における通常時の取水部内の地下水の流れを示す図である。
【図9】図1に本実施形態における洗浄時の地下水の流れを記入した図である。
【図10】図2に本実施形態における洗浄時の地下水の流れを記入した図である。
【図11】本実施形態における洗浄時の取水部内の地下水の流れを示す図である。
【図12】本発明の第二実施形態に係る取水部の斜視図である。
【図13】本発明の第二実施形態に係る取水部の断面図である。
【図14】本実施形態における通常時の取水部内の地下水の流れを示す図である。
【図15】従来の地下水の流れを示すシールドトンネルの縦断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 流動阻害を防止する構造
3 シールドトンネル 5 覆工体
7 開口部 9 通水手段
9Ua、9Ub、9Uc 取水部 9La、9Lb、9Lc 放水部
11 洗浄システム 13 裏込め材
15 ボルト・ナット 17 地盤
19 固液分離体 21 スクリーン保護用多孔板
23 固液分離スクリーン 25 コア部
27 空隙 29 孔
31 通水兼洗浄管 33 排水管
34 排水管用バルブ 35 貯留槽
37 ポンプ 39 送水管用バルブ
41 送水管 43 マッドケーキ層
51 流動阻害を防止する構造 53 透水性裏込め材
55 水槽 57 通水管
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下構造物を構築することにより生じる地下水の流動阻害の防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤の透水層内にシールドトンネルを掘削すると、シールドトンネルの内周とシールドトンネルの内周部に敷設される覆工体との間に形成されるテールボイド部に不透水性の裏込め材が充填されるので、地下水の流動を阻害してしまい、下流側の地下水位が低下して地盤沈下や井戸枯れが生じてしまう。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、図15に示すように、覆工体5の上流側及び下流側にそれぞれ排水口60、61を設け、上流側の排水口60に土砂の流入を防止するための金網等の土砂流入防止材62を設置し、両排水口60、61を排水管63で連結して、この排水管63内に地下水を通過させることにより上流側の地下水を下流側に流す方法が開示されている。
【特許文献1】特開平10−280888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した覆工体5の上流側及び下流側にそれぞれ排水口60、61を設ける方法では、上流側の排水口60に設けられた土砂流入防止材62の金網等が目詰まりすると地下水が流れなくなるという問題点があった。また、この土砂流入防止材62を洗浄するために、脱着等の作業を行う際は、被圧状態の地下水が排水口60から湧出するので大変危険であるという問題点もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、メンテナンスが容易な地下水の流動阻害を防止する構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の地下水の流動阻害を防止する構造は、シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有する地下水の流動阻害を防止する構造であって、前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えたことを特徴とする(第1の発明)。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、洗浄システムを備えているので通水手段を洗浄することが可能となる。したがって、通水手段の目詰まり等を解消することが可能となる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記洗浄システムは、水を貯留するための貯留槽と、前記貯留槽内の水を前記通水手段に供給するためのポンプと、前記ポンプから吐出される水を前記通水手段に送水するための洗浄管と、前記通水手段の洗浄後の排水を排出するための排水管とを備えることを特徴とする。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、洗浄システムは、ポンプを備えており、このポンプの吐出圧力を利用して通水手段を洗浄するので、効率的に洗浄することができる。
また、洗浄用の水を送水する洗浄管と、洗浄後の排水を排出する排水管とをそれぞれ備えているので、洗浄用の水と洗浄後の排水とが混合することがない。したがって、通水手段を効率的に洗浄することが可能となる。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、前記洗浄システムは、浄化された水を貯留するための水槽と、前記水槽の水を前記貯留槽に通水するための通水管とを更に、備えることを特徴とする。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、洗浄システムは、浄化された水を貯留するための水槽を備えているので、通水手段を洗浄した後の水を再利用することが可能となる。したがって、洗浄毎に地下水を集水する必要がなくなる。
【0009】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記洗浄システムは、前記シールドトンネル内に設置されることを特徴とする。
本発明による地下水の流動阻害を防止する構造によれば、トンネル内の温度、湿度は一年を通してほぼ一定なので、洗浄システムの管理が容易である。
【0010】
第5の発明のシールドトンネルは、地下水の流動阻害を防止するために、該シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有するシールドトンネルであって、前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の地下水の流動阻害を防止する構造を用いることにより、長期間にわたって地下水の通水機能を維持できるとともに、通水手段を容易にメンテナンスすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る地下水の流動阻害を防止する構造の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の第一実施形態に係る地下水の流動阻害を防止する構造を備えたシールドトンネルの軸方向に対して垂直な断面を示す図であり、図2は、図1のA矢視図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、地下水の流動阻害を防止する構造1は、シールドトンネル3の内周部に敷設された覆工体5と該覆工体5を囲うように充填される裏込め材13とを貫通するように設置され、シールドトンネル3よりも上流側の地下水を取水してシールドトンネル3よりも下流側に放水するための通水手段9を備える。
【0015】
覆工体5は、複数のセグメントピースをシールドトンネル3の内周面に沿って周方向及び長手方向に連結して構築される。この覆工体5とシールドトンネル3の内周面との間に形成されるテールボイド部に不透水性の裏込め材13が充填される。
【0016】
通水手段9は、シールドトンネル3よりも上流側(図1におけるシールドトンネル3の左側)の地下水を取水するための取水部9Ua、9Ub、9Ucと、これら取水部9Ua、9Ub、9Ucで取水した地下水をシールドトンネル3よりも下流側(図1におけるシールドトンネル3の右側)に放水するための放水部9La、9Lb、9Lcと、取水部9Ua、9Ub、9Ucで取水した地下水を放水部9La、9Lb、9Lcに通水するための通水兼洗浄管31と、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄するための洗浄装置11とを備える。
【0017】
取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcは、覆工体5を貫通するように設けられた開口部7内に取り付けられている。
【0018】
なお、本実施形態においては、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcをシールドトンネル3の上方部、中央部及び下方部にそれぞれ設けたが、この数及び設置箇所に限定されるものではなく、シールドトンネル3の径、地下水の水位、地下水の流量等に基づいて設計により決定される。
【0019】
図3及び図4は、それぞれ本実施形態に係る取水部9Ua、9Ub、9Ucの斜視図及び断面図である。また、図5は、図4のB−B断面図である。
【0020】
図3〜図5に示すように、取水部9Ua、9Ub、9Ucは、開口部7内に、取水部9Ua、9Ub、9Ucが裏込め材13よりもシールドトンネル3の径方向外側に突出するようにボルト・ナット15にて取り付けられている。
【0021】
また、図示はしないが、放水部9La、9Lb、9Lcも取水部9Ua、9Ub、9Ucと同様に開口部7内に、放水部9La、9Lb、9Lcが裏込め材13よりもシールドトンネル3の径方向外側に突出するように取り付けられている。
【0022】
取水部9Ua、9Ub、9Ucは、地盤17内の土砂を捕捉し、地下水を通過させる固液分離体19と、固液分離体19を通過した水を図4中右向きに通水するとともに、固液分離体19を洗浄するための水を図4中左向きに送水する通水兼洗浄管31と、洗浄後の泥水を排出するための排水管33と、排水管33に取り付けられた排水管用バルブ34とから構成される。
【0023】
固液分離体19は、地盤17からの土圧を支持するとともに、小石、石等の流入を防止しつつ地下水を通過させるための孔29を有するスクリーン保護用多孔板21と、該スクリーン保護用多孔板21のシールドトンネル3の径方向内側に配置され、スクリーン保護用多孔板21の孔29を通過した土砂混じりの地下水を土砂と地下水とに分離するための箱型の固液分離スクリーン23と、該固液分離スクリーン23内に内包され、耐圧性及び透水性を有し、内部に空隙27を有するコア部25とから構成されている。
【0024】
スクリーン保護用多孔板21は、例えば、径30mmの孔29を40mm間隔で三角配置したパンチングメタル(開口換算率で51%)を用いたが、これに限定されるものではなく、地質等に応じた径のものを用いるが、スクリーン保護用多孔板21の孔29の径を排水管33の径よりも小さくすることが望ましい。
【0025】
また、固液分離スクリーン23は、例えば、目合い0.2mmのスクリーンのアローキャッチ(製品名:東洋紡株式会社製、登録商標)を用いたが、これに限定されるものではなく、地質等に応じた目合いのものを用いる。
【0026】
そして、コア部25は、取水部9Ua、9Ub、9Ucが設置された深さ位置の水圧に対して、内部に形成された空隙27を保持できる程度の耐圧性を有する。本実施形態においては、コア部25は、コスモジオ(製品名:東洋紡株式会社製、登録商標)を用いたが、これに限定されるものではなく、透水性及び耐圧性を有するものであれば他のものでもよい。
【0027】
また、図示しないが、放水部9La、9Lb、9Lcも取水部9Ua、9Ub、9Ucと同様に、通水兼洗浄管31と、排水管33と、排水管用バルブ34とから構成される。
【0028】
図1に示すように、通水兼洗浄管31の一端側は上流側の取水部9Ua、9Ub、9Ucに、他端側は下流側の放水部9La、9Lb、9Lcに接続されている。
【0029】
また、図1及び図2に示すように、洗浄システム11は、洗浄用の水を貯留するための貯留槽35と、この水を取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcに供給するためのポンプ37と、一端が送水管用バルブ39を介して通水兼洗浄管31に、他端がポンプ37にそれぞれ接続されて、ポンプ37から供給される水を取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcに送水するための送水管41と、洗浄後の泥水を排出するための排水管33(図4)と、排水管33に取り付けられた排水管用バルブ34(図4)と、排水管33を介して排出される泥水に含まれる土砂を沈殿させて浄化された水を貯留するための水槽55と、水槽55の水を貯留槽35に通水するための通水管57とから構成されている。
【0030】
貯留槽35に貯留されている水は、取水部9Ua、9Ub、9Ucから取水された水を、一時的に送水管用バルブ39を開放し、送水管41を介して貯留槽35内に流入させることにより、集水したものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、地上から送水管(図示しない)を介して貯留槽35内へ送水してもよい。
【0031】
次に、上述した流動阻害を防止する構造1を適用した場合の通常時における地下水の流れについて説明する。
【0032】
図6及び図7は、それぞれ図1及び図2に本実施形態における通常時の地下水の流れを記入した図である。また、図8は、本実施形態における通常時の取水部9Ua、9Ub、9Uc内の地下水の流れを示す図である。
【0033】
図6及び図7に示すように、通常時は、取水部9Ua、9Ub、9Ucで取水された地下水は、通水兼洗浄管31内を通過して放水部9La、9Lb、9Lcに供給され、地盤17内に放水される。具体的には、上流側の地下水は、図8に示すように、スクリーン保護用多孔板21の外方のマッドケーキ層43が除去された部分CLよりスクリーン保護用多孔板21の孔29を介して取水部9Ua、9Ub、9Uc内に流入する。ここで、地下水と混合している砂、土粒子は固液分離スクリーン23の目合いの大きさに応じてこの固液分離スクリーン23に捕捉され、その捕捉された砂、土粒子が取水部9Ua、9Ub、9Ucの下に沈殿し、捕捉されなかった微小径の土粒子及び地下水がコア部25、通水兼洗浄管31を通過する。このとき、地下水が排水管33及び送水管41(図1)に流入しないように排水管用バルブ34及び送水管用バルブ39(図1)は閉止されている。そして、下流側の放水部9La、9Lb、9Lcに到達した地下水は、コア部25、固液分離スクリーン23及びスクリーン保護用多孔板21の孔29を介して下流側のマッドケーキ層43が除去された部分CLに流入し、ここから更に、地盤17内に放水される。
【0034】
次に、上述した流動阻害を防止する構造1を適用した場合の取水部9Ua、9Ub、9Ucの洗浄方法について説明する。なお、以下の説明では、取水部9Ua、9Ub、9Ucに適用した場合についてのみ説明するが、放水部9La、9Lb、9Lcにも適用することができる。
【0035】
図9及び図10は、それぞれ図1及び図2に本実施形態における洗浄時の地下水の流れを記入した図である。また、図11は、本実施形態における洗浄時の取水部9Ua、9Ub、9Uc内の地下水の流れを示す図である。
【0036】
図9及び図10に示すように、砂、土粒子等により目詰まりした取水部9Ua、9Ub、9Ucを洗浄するときは、まず、排水管用バルブ34及び送水管用バルブ39を開放し、ポンプ37を駆動させて、送水管41及び通水兼洗浄管31を介して貯留槽35内の水を取水部9Ua、9Ub、9Ucに圧送する。そして、図11に示すように、圧送された水で取水部9Ua、9Ub、9Ucの下に沈殿した砂、土粒子を除去する。
【0037】
次に、ポンプ37を駆動させて水を圧送した状態のままで排水管用バルブ34を閉止して、固液分離スクリーン23及びスクリーン保護用多孔板21を洗浄し、固液分離スクリーン23に捕捉された土粒子及びスクリーン保護用多孔板21の孔29を塞いでいる小石等を除去する。
【0038】
洗浄後の砂、土粒子等を含む泥水は、排水管33より排出され、覆工体5で囲まれた内部に設けられた水槽55に送水され、泥水に含まれる砂、土粒子等を沈殿させて浄化する。浄化された水は、通水管57を介して貯留槽35に通水されて再び洗浄用の水として貯留される。
【0039】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。以下の説明において、上記の実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0040】
第二実施形態における地下水の流動阻害を防止する構造51は、裏込め材として透水性を有する透水性裏込め材53を用いたものである。
【0041】
図12及び図13は、それぞれ本発明の第二実施形態に係る取水部9Ua、9Ub、9Ucの斜視図及び断面図である。
【0042】
図12及び図13に示すように、取水部9Ua、9Ub、9Ucは、開口部7内にボルト・ナット15にて取り付けられている。この取水部9Ua、9Ub、9Uc及び覆工体5の外周を囲うように透水性裏込め材53が充填されている。
【0043】
図14は、本実施形態における通常時の取水部9Ua、9Ub、9Uc内の地下水の流れを示す図である。図14に示すように、上流側の地下水は、透水性裏込め材53を通過し、スクリーン保護用多孔板21の孔29を介して取水部9Ua、9Ub、9Uc内に流入する。ここで、第一実施形態と同様に、地下水と混合している砂、土粒子は固液分離スクリーン23の目合いの大きさに応じてこの固液分離スクリーン23に捕捉され、その捕捉された砂、土粒子が取水部9Ua、9Ub、9Ucの下に沈殿し、捕捉されなかった微小径の土粒子及び地下水がコア部25、通水兼洗浄管31を通過する。そして、放水部9La、9Lb、9Lcに到達した地下水は、コア部25、固液分離スクリーン23、スクリーン保護用多孔板21の孔29及び透水性裏込め材53を通過して地盤17内に放水される。
【0044】
以上説明したすべての実施形態における地下水の流動阻害を防止する構造1、51によれば、洗浄システム11を備えているので取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄することが可能となる。したがって、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcの固液分離体19の目詰まりを解消することが可能となる。
【0045】
また、この洗浄システム11は、ポンプ37を備えており、このポンプ37の吐出圧力を利用して取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄するので、効率的に洗浄することができる。そして、洗浄用の水を送水する通水兼洗浄管31と、洗浄後の排水を排出する排水管33とを備えているので、洗浄用の水と洗浄後の排水とが混合することがない。さらに、泥水に含まれる土砂を沈殿させて浄化された水を貯留する水槽55を備えているので、取水部9Ua、9Ub、9Uc及び放水部9La、9Lb、9Lcを洗浄した後の水を再利用することが可能となる。したがって、洗浄毎に地下水を集水する必要がなくなる。
【0046】
そして、シールドトンネル3内の温度、湿度は一年を通してほぼ一定なので、洗浄システム11の管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施形態に係る地下水の流動阻害を防止する構造を備えたシールドトンネルの軸方向に対して垂直な断面を示す図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】本実施形態に係る取水部の斜視図である。
【図4】本実施形態に係る取水部の断面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】図1に本実施形態における通常時の地下水の流れを記入した図である。
【図7】図2に本実施形態における通常時の地下水の流れを記入した図である。
【図8】本実施形態における通常時の取水部内の地下水の流れを示す図である。
【図9】図1に本実施形態における洗浄時の地下水の流れを記入した図である。
【図10】図2に本実施形態における洗浄時の地下水の流れを記入した図である。
【図11】本実施形態における洗浄時の取水部内の地下水の流れを示す図である。
【図12】本発明の第二実施形態に係る取水部の斜視図である。
【図13】本発明の第二実施形態に係る取水部の断面図である。
【図14】本実施形態における通常時の取水部内の地下水の流れを示す図である。
【図15】従来の地下水の流れを示すシールドトンネルの縦断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 流動阻害を防止する構造
3 シールドトンネル 5 覆工体
7 開口部 9 通水手段
9Ua、9Ub、9Uc 取水部 9La、9Lb、9Lc 放水部
11 洗浄システム 13 裏込め材
15 ボルト・ナット 17 地盤
19 固液分離体 21 スクリーン保護用多孔板
23 固液分離スクリーン 25 コア部
27 空隙 29 孔
31 通水兼洗浄管 33 排水管
34 排水管用バルブ 35 貯留槽
37 ポンプ 39 送水管用バルブ
41 送水管 43 マッドケーキ層
51 流動阻害を防止する構造 53 透水性裏込め材
55 水槽 57 通水管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有する地下水の流動阻害を防止する構造であって、
前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えたことを特徴とする地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項2】
前記洗浄システムは、
水を貯留するための貯留槽と、
前記貯留槽内の水を前記通水手段に供給するためのポンプと、
前記ポンプから吐出される水を前記通水手段に送水するための洗浄管と、
前記通水手段の洗浄後の排水を排出するための排水管とを備えることを特徴とする請求項1に記載の地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項3】
前記洗浄システムは、
浄化された水を貯留するための水槽と、
前記水槽の水を前記貯留槽に通水するための通水管とを更に、備えることを特徴とする請求項2に記載の地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項4】
前記洗浄システムは、前記シールドトンネル内に設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項5】
地下水の流動阻害を防止するために、該シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有するシールドトンネルであって、
前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えることを特徴とするシールドトンネル。
【請求項1】
シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有する地下水の流動阻害を防止する構造であって、
前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えたことを特徴とする地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項2】
前記洗浄システムは、
水を貯留するための貯留槽と、
前記貯留槽内の水を前記通水手段に供給するためのポンプと、
前記ポンプから吐出される水を前記通水手段に送水するための洗浄管と、
前記通水手段の洗浄後の排水を排出するための排水管とを備えることを特徴とする請求項1に記載の地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項3】
前記洗浄システムは、
浄化された水を貯留するための水槽と、
前記水槽の水を前記貯留槽に通水するための通水管とを更に、備えることを特徴とする請求項2に記載の地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項4】
前記洗浄システムは、前記シールドトンネル内に設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地下水の流動阻害を防止する構造。
【請求項5】
地下水の流動阻害を防止するために、該シールドトンネルよりも上流側の地下水を取水して該シールドトンネルよりも下流側に放水する通水手段を有するシールドトンネルであって、
前記通水手段を洗浄するための洗浄システムを備えることを特徴とするシールドトンネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−291517(P2008−291517A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138263(P2007−138263)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
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