説明

シールド掘進機の位置計測方法

【課題】地上からの探り孔や到達位置付近からの水平ボーリングによる位置確認孔の施工を必要とせず、リアルタイムでシールド掘進機3の位置を確認することのできる方法を提供する。
【解決手段】所定の掘進到達予定位置から地盤1中へ、シールド掘進機3による掘進予定位置の周囲へ向けて、導波棒5を、掘進計画基線Oと直交する平面における前記掘進計画基線Oとの交点を原点とするxy座標系の各象限を通るように複数挿入し、シールド掘進機3から各導波棒5に伝達された振動を、各導波棒5に取り付けた加速度センサ6によって検出し、検出値の大きさやその比較によってシールド掘進機3の位置を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルを構築するために用いられるシールド掘進機の位置を計測するための技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、シールド掘進機によるシールドトンネルの施工においては、地中を掘進するシールド掘進機の位置を把握して、設計線に沿って正確に掘進させるための種々の方法が開発されており、例えば下記の特許文献1に記載されたような技術が知られている。
【特許文献1】特開2001−220992
【0003】
ところで、例えば都市部のシールド掘進工事では、立坑を施工するための用地の確保が困難であることや、コスト削減の必要から、中間立坑の設置を省略して到達側立坑まで掘進したり、シールド掘進機同士によりトンネルを地中接合したり、掘削済みの既設トンネルに新設のシールドトンネルを接合する場合がある。このような場合は、高い到達精度でシールド掘進を施工する技術が要求されるが、そのような技術は、確立されていなかった。
【0004】
図7及び図8は、シールド掘進機を到達側立坑に高精度に到達させるための従来の方法を示す説明図で、図中の参照符号101は地盤、102は地盤101に掘削された到達側立坑、103は到達側立坑102へ向けて地中を掘進しているシールド掘進機、104はこのシールド掘進機103によって構築されたシールドトンネルである。図7の方法では、地上から鉛直方向へ探り孔105を掘削することによって、シールド掘進機103の位置を確認しており、図8の方法では、シールド掘進機103から到達側立坑102へ水平ボーリングによる確認孔106を掘削することによって、到達側立坑102に対するシールド掘進機103の相対位置を確認している。
【0005】
しかしながら、図7のように、地上から探り孔105を開ける場合、地上からシールドトンネル104(シールド掘進機103)までの土被りが数メートル程度の条件では有効であるが、数十メートルもの深さの場合は、探り孔105の施工精度自体が問題となる。通常、この施工精度は許容誤差を1/150未満としているが、施工精度を高めるために、探り孔105の半径を大きくしなければならず、施工コストが高くなり、しかも探り孔105に残置される鋼管の処理に問題が生じる。また、地上とシールド掘進機103の間に地下構築物等が存在する場所では、探り孔105の施工は不可能である。特に、都市部の大深度でのトンネル掘削では地上構造物や地下構築物が多数存在し、シールド掘進機の位置を確認するための探り孔の施工は困難である。
【0006】
また、図8のように、シールド掘進機103内から水平ボーリングによる確認孔106の施工を実施する場合は、作業空間の限られた切羽部で作業を行うため、シールド掘進機103の掘進を中断して、その先端の掘進設備103aを撤去する作業が必要となり、しかもこのような作業を伴うために継続した計測ができず、到達精度を上げるためには水平ボーリングを複数回実施する場合もあり、掘進工程を大きく阻害しやすいといった問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであって、すなわちその技術的課題は、地上からの探り孔や到達位置付近からの水平ボーリングによる位置確認孔の施工を必要とせず、リアルタイムでシールド掘進機の位置を確認することのできる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るシールド掘進機の位置計測方法は、シールド掘進機による掘進予定位置又はその周囲を取り囲むように、地中へ所要数の導波棒を挿入し、シールド掘進機から前記導波棒に伝達された振動を、この導波棒に取り付けた加速度センサにより検出し、その検出値によって前記シールド掘進機の位置を求めるものである。なお、ここでいう導波棒には、主に金属棒、金属線材などの、信号の伝播の良いものが用いられる。
【0009】
この方法によれば、シールド掘進機が地中を掘進することにより発生する振動(弾性波)は、地盤から導波棒に伝播され、この導波棒を介して加速度センサにより検出される。検出信号の振幅値は、シールド掘進機と導波棒との相対距離の減少と共に増大するので、振幅値の距離による減衰特性と、事前に計測されている導波棒間の距離との関係から、シールド掘進機の位置を求めることができる。また、シールド掘進機が導波棒に接触した場合は、その導波棒に取り付けた加速度センサからの検出信号の振動波形や振幅値の急激な変化から、シールド掘進機の位置を計測することが可能となる。
【0010】
請求項2の発明に係るシールド掘進機の位置計測方法は、請求項1の記載において、導波棒を、地中における所定の掘進到達予定位置から、シールド掘進機による掘進計画位置の周囲へ向けて、掘進計画基線と直交する平面における前記掘進計画基線との交点を原点とするxy座標系の各象限又はあるいは掘進計画基線を通るx軸及びy軸上を通るように複数挿入し、この各導波棒に取り付けた加速度センサからの検出値の比較によって前記シールド掘進機の位置を求めるものである。このため、各導波棒の座標位置と、各加速度センサで計測された弾性波の振幅値及び距離による減衰特性から、シールド掘進機の位置座標を計測することができる。
【0011】
請求項3の発明に係るシールド掘進機の位置計測方法は、請求項1の記載において、導波棒を、地上からシールド掘進機による掘進予定位置の左右両側又は掘進計画基線へ向けて鉛直に挿入し、この各導波棒の地上端部に取り付けた加速度センサからの検出値の大きさ又は検出値の差によって前記シールド掘進機の位置を求めるものである。このため、掘進方向(シールド掘進機の中心軸線)と直交する平面上の導波棒の座標と、各加速度センサで検出された信号の振幅値における距離による減衰特性と、導波棒間の距離との関係から、シールド掘進機の位置座標を算出することができる。
【0012】
請求項4の発明に係るシールド掘進機の位置計測方法は、請求項1又は2の記載において、導波棒が、既設トンネル又は到達側立坑から挿入されるものである。すなわち、掘削済みの既設トンネルにシールドトンネルを高精度で接合する場合や、シールド掘進機を到達側立坑に高精度で到達するための手段として有用に適用することができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜3の発明に係るシールド掘進機の位置計測方法によれば、探り孔や確認孔の施工を行わずにシールド掘進機の位置を把握することが可能であり、トンネル施工深さや、地上構造物や地下埋設物の存在などの影響を受けずにシールド掘進機の位置を把握することができ、しかも位置計測のために掘進を中断する必要もないため、シールド掘進機の位置及びその経時変化をリアルタイムで高精度に把握することができる。
【0014】
請求項4の発明に係るシールド掘進機の位置計測方法によれば、既設トンネルにシールドトンネルを接合する施工や、シールド掘進機を到達側立坑に到達させる場合の精度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るシールド掘進機の位置計測方法の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、最初に説明する第一の形態は、シールド掘進機により構築されるシールドトンネルを既設トンネルと接合する場合について本発明の方法を適用したもので、図1は、第一の形態において、シールド掘進機が各導波棒に囲まれた領域へ向けて掘進している状態を示す概略的な地中断面図、図2は、同じく第一の形態において、シールド掘進機が各導波棒に囲まれた領域内を掘進している状態を示す概略的な地中断面図、図3は同じく斜視図、図4は、シールド掘進機と導波棒の位置座標を示す説明図である。
【0016】
図1、図2及び図3において、参照符号1は地盤、2は地盤1に既に施工された既設トンネル、3は既設トンネル2へ向けて地中を掘進しているシールド掘進機、4は既設トンネル2と接合されるべくシールド掘進機3によって構築された新設のシールドトンネル、4aはその覆工セグメントである。既設トンネル2の端部である切羽面2aは、請求項2に記載された掘進到達予定位置に相当し、この切羽面2aからは、まず、シールド掘進機3の掘進予定位置の周囲へ向けて地盤1へ複数の導波棒5を挿入する。
【0017】
各導波棒5は、掘進計画基線Oを中心として、掘進方向と反対側へ向かって漸次大径となる仮想円錐面上を通るように挿入される。好ましくは図4に示されるように、導波棒5は、掘進計画基線Oと直交する平面において、この掘進計画基線Oとの交点を原点(0,0)とするxy座標系の各象限、又は掘進計画基線Oの上下・左右(x軸上及びy軸上)において、図4に一点鎖線で示される掘進計画位置よりも外側を通るように、4本以上挿入される。また、各導波棒5の位置座標は、導波棒5を挿入するためのボーリング孔を削孔した時点で計測しておく。
【0018】
導波棒5には、弾性波の伝搬に優れ、すなわち減衰が小さく、シールド掘進機3が接触してもその掘進に障害を来さない程度の硬度及び太さを有する金属材料が用いられる。具体例としては、導波棒5としては例えば太さφ20mm程度のアルミニウム棒が好適である。
【0019】
既設トンネル2の切羽面2aから露出した各導波棒5の端部には、加速度センサ6を取り付ける。加速度センサ6は、AEセンサとも呼ばれ、物体の破壊や機械振動などにより発生する弾性波であるアコースティック・エミッション(Acoustic
Emission;AE)を受けて、その入力波形に対応したアナログ電圧信号に変換し、出力するものである。図示の形態においては、シールド掘進機3が掘進する際のカッタ3aと地盤1との摩擦振動が地盤1中を伝播して導波棒5に伝達された弾性波、あるいはシールド掘進機3のカッタ3aが導波棒5に接触することによってこの導波棒5に発生した振動を検出するようになっている。
【0020】
各加速度センサ6からの検出信号は、地上の計測小屋内に設置された複数チャネルのAE計測器7に、それぞれセンサケーブルを介して入力される。AE計測器7は、検出信号の増幅や、周波数フィルタのカットオフ周波数帯域の設定機能を備え、AEの発生数、最大振幅値の分布等の計測が可能である。また、AE計測器7からの計測データは、計測小屋内に設置されたパソコン8に入力される。このパソコン8は、各導波棒5間の距離、AE計測器7からの計測データから、シールド掘進機3の位置を計測するものである。
【0021】
一般に、地盤1内を伝播する弾性波は、徐々に減衰する特性を有する。したがって、シールド掘進機3で発生した弾性波の振幅値は、導波棒5までの距離Lの減少と共に増大し、逆に、Lが大きいほど、弾性波の振幅値は小さくなる。
【0022】
各導波棒5は、掘進方向と反対側へ向かって大径となる仮想円錐面上を通るように挿入されているため、図2に示されるように、シールド掘進機3が各導波棒5に囲まれた領域内を掘進して行く過程では、シールド掘進機3から各導波棒5までの距離が徐々に狭まって行くことになり、このため加速度センサ6で検出される振幅値は大きくなって行く。
【0023】
そして、図4に示されるように、シールド掘進機3から既知の座標(x,y)に位置するCHの導波棒5までの距離をL、既知の座標(x,y)に位置するCHの導波棒5までの距離をL、既知の座標(x,y)に位置するCHの導波棒5までの距離をL、既知の座標(x,y)に位置するCHの導波棒5までの距離をLとすると、各導波棒5に取り付けられた加速度センサ6からの出力値は、前記距離L〜Lによって異なるものとなる。すなわち、シールド掘進機3から各導波棒5までの距離が短いほど、加速度センサ6で検出される振幅値は大きくなる。このような振幅値の変化は、AE計測器7で測定した一定時間内の最大振幅値分布から求めた平均振幅値の差として求めることができる。
【0024】
地盤1内での振動減衰特性を厳密に把握することは困難であり、また、シールド掘進機3で発生する弾性波の大きさを特定することも難しいことなどから、導波棒5とシールド掘進機3との絶対的な距離を計算することはできないが、各導波棒5において振動の伝播距離に逆比例した振幅値が検出されるものと仮定すると、各チャネルCH〜CHの加速度センサ6で検出された振幅値と、各チャネルCH〜CHの導波棒5の既知座標(x,y)〜(x,y)から、距離L〜Lを求め、これによって実際のシールド掘進機3の位置を計測することができる。ひいては、計画上の座標に対する実際のシールド掘進機3の座標のずれ(Δx,Δy)を求めることができる。
【0025】
また、上述のように、シールド掘進機3が各導波棒5に囲まれた領域内を掘進して行くのにつれて、シールド掘進機3から各導波棒5までの距離が徐々に狭まって行くので、計画上の座標に対する実際のシールド掘進機3のずれを生じた場合は、シールド掘進機3が、いずれかの導波棒5と接触したり、カッタ3aがいずれかの導波棒5を削り取ったりすることがある。この場合は、それまで徐々に振幅が大きくなって来た弾性波とは異なる波形の、かつ大振幅の振動が発生するため、これによって、シールド掘進機3の位置を求めることができる。
【0026】
したがって、これらの監視データに基づいて、シールド掘進機3の掘進方向を制御し、精度良く到達位置へ誘導することができる。
【0027】
上述した第一の形態は、シールド掘進機3により構築されるシールドトンネル4を既設トンネル2と接合する場合について、本発明を適用したものであるが、本発明は、既設トンネルへのシールドトンネルの接合以外の施工において、シールド掘進機3の位置を高精度に把握して掘進を誘導する場合についても、適用することができる。
【0028】
図5は、本発明の第二の形態において、シールド掘進機が各導波棒に囲まれた領域内を掘進している状態を示す概略的な地中断面図である。この形態は、シールド掘進機3により構築されるシールドトンネル4を到達側立坑14に到達させる場合について、本発明を適用したもので、すなわち、この第二の形態においては、到達側立坑14の内壁14aが、請求項2に記載された掘進到達予定位置に相当し、導波棒5は、この内壁14aから、掘進計画基線Oを中心として、掘進方向と反対側へ向かって漸次大径となる仮想円錐面上を通るように挿入される。その他の構成は、基本的に、先に説明した第一の形態と同様である。
【0029】
この形態によれば、上述と同様に、シールド掘進機3の位置をリアルタイムで計測することができるので、掘進計画位置からのシールド掘進機3のずれを補正して、到達側立坑14へ高精度で誘導することができる。
【0030】
次に、図6は、本発明の第三の形態を示す概略的な地中断面図である。この形態は、シールドトンネル構築の中間地点にてシールド掘進機3が所定の位置を通過するかを確認しようとする場合について、本発明を適用したものである。
【0031】
すなわち、この形態においては、まずシールド掘進機3による掘進方向前方の地上から、地盤1へ所定の深さまで導波棒5を鉛直に挿入する。この導波棒5は、掘進計画基線Oと直交するように1本以上挿入するか、もしくは掘進計画位置の左右両側に、シールド掘進機3が通ることのできる間隔をもって、ゲート状に2本以上挿入する。また、地表から露出した各導波棒5の端部には、加速度センサ6を取り付ける。
【0032】
なお、導波棒5及び加速度センサ6は、第一の形態で説明したものと同様である。
【0033】
この形態においては、シールド掘進機3が、導波棒5へ接近して行くにつれて、シールド掘進機3から導波棒5までの距離Lが短くなって行くので、加速度センサ6で検出される振幅値は大きくなって行く。したがって、先に説明したように、加速度センサ6で検出された振幅値と、地盤1における減衰特性から、距離Lを求めることができる。
【0034】
また、導波棒5を掘進計画基線Oと直交するように挿入した場合は、シールド掘進機3が導波棒5の挿入位置に達した時点で、カッタ3aが導波棒5の一部を削り取るため、その時点で、導波棒5には、それまで徐々に振幅が大きくなって来た弾性波とは異なる波形の、かつ大振幅の振動が発生する。そしてこれによって、シールド掘進機3が既知のポイントを通過したことを確認することができる。
【0035】
導波棒5を、掘進計画位置の左右両側にシールド掘進機3が通ることのできる間隔をもってゲート状に挿入した場合も、基本的には同様であり、カッタ3aが導波棒5の一部を削り取るか、あるいは導波棒5と接触することによって、それまで徐々に振幅が大きくなって来た弾性波とは異なる波形の振動が発生するので、シールド掘進機3が既知のポイントを通過したことを確認することができる。またこの場合、ゲート状に挿入された左右両側の導波棒5のうち、いずれの導波棒5が削られ又は接触するかによって、掘進計画位置からのシールド掘進機3のずれを計測し、これを補正することができる。
【0036】
また、導波棒5を、シールド掘進機3の幅よりも広い間隔をもってゲート状に挿入した場合などは、シールド掘進機3が導波棒5に接触したり、削り取ることなく通過することもあり得る。この場合は、シールド掘進機3が導波棒5に接近する過程では加速度センサ6からの出力電圧値が徐々に高くなり、導波棒5の近傍を通り過ぎた後は加速度センサ6からの出力電圧値が徐々に低下するため、出力電圧値のピークが形成された時点で、シールド掘進機3の通過を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るシールド掘進機の位置計測方法の、第一の形態において、シールド掘進機が各導波棒に囲まれた領域へ向けて掘進している状態を示す概略的な地中断面図である。
【図2】本発明に係るシールド掘進機の位置計測方法の、第一の形態において、シールド掘進機が各導波棒に囲まれた領域内を掘進している状態を示す概略的な地中断面図である。
【図3】図2の状態を示す斜視図である。
【図4】第一の形態におけるシールド掘進機と導波棒の位置座標の例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るシールド掘進機の位置計測方法の、第二の形態において、シールド掘進機が各導波棒に囲まれた領域内を掘進している状態を示す概略的な地中断面図である。
【図6】本発明に係るシールド掘進機の位置計測方法の、第三の形態を示す概略的な地中断面図である。
【図7】シールド掘進機を到達側立坑に高精度に到達させるための従来の方法を示す説明図である。
【図8】シールド掘進機を到達側立坑に高精度に到達させるための他の従来の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 地盤
2 既設トンネル
2a 切羽面
3 シールド掘進機
4 シールドトンネル(シールドトンネル)
5 導波棒
6 加速度センサ
7 AE計測器
8 パソコン
14 到達側立坑
O 掘進計画基線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘進機による掘進予定位置又はその周囲を取り囲むように、地中へ所要数の導波棒を挿入し、シールド掘進機から前記導波棒に伝達された振動を、この導波棒に取り付けた加速度センサにより検出し、その検出値によって前記シールド掘進機の位置を求めることを特徴とするシールド掘進機の位置計測方法。
【請求項2】
導波棒を、地中における所定の掘進到達予定位置から、シールド掘進機による掘進計画位置の周囲へ向けて、掘進計画基線と直交する平面における前記掘進計画基線との交点を原点とするxy座標系の各象限又はあるいは掘進計画基線を通るx軸及びy軸上を通るように複数挿入し、この各導波棒に取り付けた加速度センサからの検出値の差によって前記シールド掘進機の位置を求めることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機の位置計測方法。
【請求項3】
導波棒を、地上からシールド掘進機による掘進予定位置の左右両側又は掘進計画基線へ向けて鉛直に挿入し、この各導波棒の地上端部に取り付けた加速度センサからの検出値の大きさ又は検出値の差によって前記シールド掘進機の位置を求めることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機の位置計測方法。
【請求項4】
導波棒が、既設トンネル又は到達側立坑から挿入されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールド掘進機の位置計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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