説明

シールド掘進機

【課題】グリースの無駄を省きつつポンプ台数、配管ライン及びポンプスペースを減少できるシールド掘進機を提供する。
【解決手段】グリースポンプ31と、グリースポンプ31の吐出側に、吐出圧力を所定圧にするようにグリースを逃がす圧力制御逃がし弁32を介して接続されると共にアジテータ用シール26に接続される主配管33と、主配管33の中間に分岐接続されると共にカッタ用シール17に接続される副配管34と、副配管34に設けられ副配管34を全開又は全閉するシャットオフバルブ35と、シャットオフバルブ35に接続されカッタとシールドジャッキによる土砂の掘削が停止されるときシャットオフバルブ35を閉じ、それ以外のときシャットオフバルブ35を開く制御装置36とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジテータの回転部と固定部の間のシールやカッタと隔壁の間のシールにグリースを供給するシールド掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
泥水式のシールド掘進機の隔壁には、前方の土砂を掘削するためのカッタが回転自在に設けられると共に、カッタ室内の土砂を撹拌するためのアジテータが設けられている。これらカッタとアジテータは、土砂中で回転するものであるため、カッタの基部と隔壁との間には、カッタ用シールが設けられ、アジテータの固定部と回転部との間には、アジテータ用シールが設けられている。
【0003】
カッタ用シールとアジテータ用シールは、多段に配置されたリップと、リップ間に充填されるグリースとで止水するようになっており、それぞれグリースを供給されるようになっている。
【0004】
従来、カッタ用シールとアジテータ用シールにグリースを供給するグリース供給装置は、単一のグリースポンプと各シールとを配管を介して接続するものであった。ところで、カッタ用シールは、土砂の掘削を停止している間はグリース供給の必要がなく、アジテータ用シールは、常時グリース供給する必要がある。このため、上述のグリース供給装置では、土砂の掘削を停止している間であってもカッタ用シールにグリースを供給し続けることとなり、グリースが無駄に消費されるという問題があった。
【0005】
このため、カッタ用のグリースポンプとアジテータ用のグリースポンプとを別々に用意し、それぞれ独立したグリスーラインでカッタ用シールとアジテータ用シールにグリースを供給するグリース供給装置が開発され、使用されている。
【0006】
これによれば、カッタ停止時にはカッタ用シールへのグリース供給を止めることができ、グリースの無駄を省くことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ポンプを2台必要とすることから、配管ラインが重複して配管されると共にポンプスペースが増えるという課題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、グリースの無駄を省きつつポンプ台数、配管ライン及びポンプスペースを減少できるシールド掘進機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、シールドフレームを前後に仕切る隔壁に回転自在に設けられ前方の土砂を掘削するためのカッタと、該カッタの基部と上記隔壁との間に設けられたカッタ用シールと、上記隔壁に設けられた固定部を有すると共に固定部に回転自在に設けられ上記カッタと隔壁の間の土砂を常時撹拌するための回転部を有し、かつ、該回転部と上記固定部の間に設けられたアジテータ用シールを有するアジテータと、上記シールドフレームに設けられ既設セグメントから反力をとるシールドジャッキとを備えたシールド掘進機において、グリースポンプと、該グリースポンプの吐出側に、吐出圧を所定圧にするようにグリースを逃がす圧力制御逃がし弁を介して接続されると共に上記アジテータ用シールに接続される主配管と、該主配管の中間に分岐接続されると共に上記カッタ用シールに接続される副配管と、該副配管に設けられ副配管を全開又は全閉するシャットオフバルブと、該シャットオフバルブに接続されカッタとシールドジャッキによる土砂の掘削が停止されるときシャットオフバルブを閉じ、それ以外のときシャットオフバルブを開く制御装置とを備えたものである。
【0010】
上記圧力制御逃がし弁の吐出側には、二つの上記主配管が、切換弁を介して切換可能に接続されると共に、該切換弁が、主配管内の圧力が所定圧以上になったとき主配管を切り換えるように構成され、それぞれの主配管は共通の分配弁を介してアジテータ用シールの2つ位置に接続されると共に、上記分配弁が一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くように構成されるとよい。
【0011】
また、上記それぞれの主配管には上記副配管が接続され、これら副配管は共通の分配弁を介してカッタ用シールの2つの位置に接続されると共に、上記分配弁が一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くように構成されるとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、グリースの消費量を増やすことなくポンプ台数、配管ライン及びポンプスペースを減少できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好適実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0014】
図3及び図4に示すように、シールド掘進機1は、シールドフレーム2と、シールドフレーム2を前後に仕切る隔壁3と、隔壁3に回転自在に設けられ前方の土砂を掘削するためのカッタ4と、隔壁3に複数設けられカッタ4と隔壁3の間に形成されるカッタ室5内の土砂を撹拌するためのアジテータ6と、シールドフレーム2に設けられ既設セグメント7から反力をとるシールドジャッキ8とを備える。
【0015】
カッタ4は、隔壁3内に位置される基部9と、隔壁3の前方に位置される露出部10とからなる。
【0016】
基部9は、隔壁3に設けられる旋回環11の外輪12と、外輪12の前端に設けられた中間リング13と、カッタ4の回転中心にて隔壁3内に挿入されるセンターブロック14とからなる。旋回環11は内輪15と外輪12の間に複数のころ16を設けて構成される。旋回環11の内輪15は隔壁3に設けられ、外輪12を回転自在に支持する。中間リング13は、断面略矩形状に形成されている。中間リング13と隔壁3の間と、センターブロック14と隔壁3の間には、カッタ室5から機内側への土砂の流入を防ぐためのカッタ用シール17が設けられている。カッタ用シール17は、中間リング13の内周面に沿って設けられるバルクヘッドシール18と、中間リング13の外周面に沿って設けられる外周シール19と、センターブロック14の外周面に沿って設けられるセンターシール20とからなる。
【0017】
露出部10は、中間リング13に前方に延びて設けられた複数の中間ビーム21と、中間ビーム21の前端に設けられ土砂を掘削するカッタ本体部22と、センターブロック14に前方に延びて設けられカッタ本体部22に接続されるセンターパイプ23とからなる。
【0018】
アジテータ6は、隔壁3に設けられた固定部24と、固定部24に回転自在に設けられカッタ室5内の土砂を撹拌するための回転部25と、回転部25と固定部24の間に設けられたアジテータ用シール26とを備えて構成されている。固定部24は、隔壁3に設けられた有底筒体状のケーシング27からなり、ケーシング27内には、回転部25を回転駆動する駆動装置(図示せず)が設けられている。回転部25は、駆動装置に接続され前方に延びる駆動軸28と駆動軸28の前部に設けられた撹拌翼29とからなる。アジテータ用シール26は、駆動軸28とケーシング27との間に設けられる。
【0019】
図1及び図2に示すように、アジテータ用シール26、カッタ用シール17及び旋回環11には、グリース供給装置30が接続される。
【0020】
グリース供給装置30は、グリースポンプ31と、グリースポンプ31の吐出側に、吐出圧を所定圧にするようにグリースを逃がす圧力制御逃がし弁32を介して接続されると共に複数のアジテータ用シール26に接続される主配管33と、主配管33の中間に分岐接続されると共にカッタ用シール17と旋回環11に接続される副配管34と、副配管34に設けられ副配管34を全開又は全閉するシャットオフバルブ35と、シャットオフバルブ35に接続されカッタ4とシールドジャッキ8による土砂の掘削が停止されるときシャットオフバルブ35を閉じ、それ以外のときシャットオフバルブ35を開く制御装置36とを備えて構成されている。
【0021】
具体的には、圧力制御逃がし弁32の吐出側には、二つの主配管33が切換弁37を介して切換可能に接続されている。切換弁37は、グリースが供給される主配管33内の圧力が圧力制御逃がし弁32の逃がし圧より高い所定圧以上になったときグリースが供給される主配管33を切り換えるように構成されており、グリースポンプ31に2つの主配管33を交互に接続するようになっている。2つの主配管33は、共通の分配弁38を介してアジテータ用シール26の2つの位置に接続されている。なお、図中分配弁38は、三個一組となったものを1つのブロックとして記載している。
【0022】
図5(a)に示すように、分配弁38は、一方の主配管33に接続される第一供給路39と、他方の主配管33に接続される第二供給路40と、アジテータ用シール26の一方の位置に接続される第一吐出路41と、アジテータ用シール26の他方の位置に接続される第二吐出路42と、第一供給路39に接続される第一接続口43、第二吐出路42に接続される第二接続口44、第一吐出路41に接続される第三接続口45及び第二供給路40に接続される第四接続口46を有し、これら第一接続口43、第二接続口44、第三接続口45及び第四接続口46を所定間隔を隔てて順に列べるように直線状に形成された直線路47と、直線路47内に長手方向に移動可能に収容され、第一接続口43と第二接続口44の間の直線路47を閉じる第一弁部48を有すると共に、第二接続口44と第三接続口45の間の直線路47を閉じる第二弁部49を有し、かつ、第三接続口45と第四接続口46の間の直線路47を閉じる第三弁部50を有するパイロットピストン51と、第一接続口43と第二接続口44間の直線路47に接続された第一連絡路52と、第三接続口45と第四接続口46間の直線路47に接続された第二連絡路53と、直線状に延びて形成され第一連絡路52に一端を接続されると共に第二連絡路53に他端を接続されるピストン室54と、ピストン室54内に長手方向に移動可能に収容される主ピストン55とを備えて構成されている。
【0023】
これにより分配弁38は、第一供給路39からグリースを供給されたとき、パイロットピストン51を第四接続口46側に移動させて第一供給路39と第一連絡路52を接続すると共に、第二連絡路53と第一吐出路41を接続し、主ピストン55が第二連絡路53側に移動することで第一吐出路41から所定量のグリースを吐出し、その後のグリースの流れを止めるようになっていると共に、第二供給路40からグリースを供給されたとき、パイロットピストン51を第一接続口43側に移動させて第二供給路40と第二連絡路53を接続すると共に、第一連絡路52と第二吐出路42を接続し、主ピストン55が第一連絡路52側に移動することで第二吐出路42から所定量のグリースを吐出し、その後のグリースの流れを止めるようになっている。
【0024】
また、二つの主配管33にはそれぞれ副配管34が接続されている。これら副配管34には、複数の分配弁38が接続されており、これら分配弁38を介してカッタ用シール17(バルクヘッドシール18、外周シール19又はセンターシール20)が接続されると共に、旋回環11が接続されている。それぞれの分配弁38は、カッタ用シール17又は旋回環11の2つの位置、すなわち、バルクヘッドシール18、外周シール19、センターシール20又は旋回環11の2つの位置に接続されている。
【0025】
分配弁38は上述と同様のものであり、第一供給路39が一方の副配管34に接続され第二供給路40が他方の副配管34に接続され、第一吐出路41と第二吐出路42がカッタ用シール17の別々の位置又は旋回環11の別々の位置に接続される。これにより分配弁38は、カッタ用シール17又は旋回環11の一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くようになっている。
【0026】
図1に示すように、制御装置36は、全てのシールドジャッキ8に設けられた各ストロークセンサ56に接続されると共に、カッタ4に設けられた回転センサ57に接続されており、全てのストロークセンサ56からシールドジャッキ8の長さ情報を所定時間ごとに取得すると共に回転センサ57からカッタ4の回転数情報を所定時間ごとに取得するようになっている。また、制御装置36は、所定時間ごとに取得したシールドジャッキ8の長さ情報から大多数(例えば過半数)のシールドジャッキ8が停止していると判断でき、かつ、回転数情報がカッタ4の停止を示すとき、カッタ4とシールドジャッキ8による土砂の掘削は停止していると判断し、シャットオフバルブ35に副配管34を全閉する旨の制御信号を発し、それ以外のとき、土砂の掘削がなされていると判断し、シャットオフバルブ35に副配管34を全開する旨の制御信号を発するようになっている。
【0027】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0028】
図1及び図2に示すように、グリースポンプ31から吐出されたグリースは、圧力制御逃がし弁32で圧力を一定にするように逃がされつつ切換弁37に送られる。主配管33に供給されたグリースは、玉形弁58、Y型ストレーナー59を経て副配管34に分岐される。制御装置36は、回転センサ57から所定時間ごとに回転数情報を取得すると共に、全てのストロークセンサ56から所定時間ごとに長さ情報を取得し、回転数情報がゼロ、かつ、大多数のストロークセンサ56からの長さ情報に増加がないとき、シャットオフバルブ35に副配管34を全閉する旨の制御信号を発する。シャットオフバルブ35は全閉され、グリースポンプ31からのグリースは、全て一方の主配管33に接続された分配弁38、すなわち分配弁38の第一供給路39に供給される。
【0029】
図5(a)に示すように、第一供給路39に供給されたグリースは、パイロットピストン51を第四接続口46側に移動させ、第一供給路39と第一連絡路52を接続すると共に第二連絡路53と第一吐出路41を接続する。この後、図5(b)に示すように、第一連絡路52に入ったグリースは、ピストン室54に入り、主ピストン55を第二連絡路53側に移動させ、第一吐出路41からグリースが吐出される。主ピストン55の移動がピストン室54に規制されて止まると、第一吐出路41からのグリースの吐出も止まる。第一吐出路41から吐出されたグリースは、アジテータ用シール26の一方の位置に供給される。このようにして、全ての分配弁38の第一吐出路41からそれぞれのアジテータ用シール26にグリースが供給されたら、一方の主配管33内のグリースの圧力が上昇し、切換弁37が作動して他方の主配管33がグリースポンプ31に接続されるように接続が切り替わる。
【0030】
図6(a)に示すように、他方の主配管33に供給されたグリースは、分配弁38の第二供給路40に供給され、パイロットピストン51を第一接続口43側に移動させ、第二供給路40と第二連絡路53を接続すると共に第一連絡路52と第二吐出路42を接続する。この後、図6(b)に示すように、第二連絡路53に入ったグリースは、ピストン室54に入り、主ピストン55を第一連絡路52側に移動させ、第二吐出路42からグリースが吐出される。主ピストン55の移動がピストン室54に規制されて止まると、第二吐出路42からのグリースの吐出も止まる。すなわち、第二吐出路42から吐出されるグリースの量は主ピストン55の断面積×移動距離で決まる所定量であり、この所定量が吐出されると分配弁38の供給側は閉じられた状態となる。第二吐出路42から吐出されたグリースは、アジテータ用シール26の他方の位置に供給される。このようにして全ての分配弁38の第二吐出路42からそれぞれのアジテータ用シール26にグリースが供給されたら、他方の主配管33内のグリースの圧力が上昇し、切換弁37が作動して一方の主配管33がグリースポンプ31に接続されるように再び接続が切り替わる。以降、上述した一方の主配管33からのグリース供給と、他方の主配管33からのグリース供給とが交互に繰り返されてグリースが所定のペースでアジテータ用シール26のみに供給される。
【0031】
シールド掘進機1の掘進が開始されると、制御装置36がゼロ以外の回転数情報を取得し、或いは長さ情報に増加があることを判断し、シャットオフバルブ35に副配管34を全開する旨の制御信号を発する。シャットオフバルブ35は全開され、グリースポンプ31からのグリース供給はそのときグリースポンプ31に接続されている一方の主配管33に加え、この主配管33に接続されている副配管34にも開始される。これにより、バルクヘッドシール18、外周シール19、センターシール20、旋回環11及びアジテータ用シール26の全てにグリースが供給される。分配弁38の動作は全て上述と同様であり、全ての分配弁38から所定量のグリースが吐出されたら副配管34内と主配管33内のグリースの圧力が上昇し、切換弁37が作動して主配管33の接続が切り替わる。以降、双方の主配管33からのグリース供給が交互に繰り返されてグリースが所定のペースでバルクヘッドシール18、外周シール19、センターシール20、旋回環11及びアジテータ用シール26に供給される。なお、シャットオフバルブ35が全開されることでグリースの流れに対する抵抗は減少し、圧力制御逃がし弁32から逃がされるグリースはほとんどなくなる。また、シャットオフバルブ35が開かれているとき切換弁37が作動して主配管33が切り替わる間隔は1〜3分程度である。
【0032】
このように、グリースポンプ31と、グリースポンプ31の吐出側に、吐出圧力を所定圧にするようにグリースを逃がす圧力制御逃がし弁32を介して接続されると共にアジテータ用シール26に接続される主配管33と、主配管33の中間に分岐接続されると共にカッタ用シール17に接続される副配管34と、副配管34に設けられ副配管34を全開又は全閉するシャットオフバルブ35と、シャットオフバルブ35に接続されカッタ4とシールドジャッキ8による土砂の掘削が停止されるときシャットオフバルブ35を閉じ、それ以外のときシャットオフバルブ35を開く制御装置36とを備えてシールド掘進機1を構成したため、グリースの無駄を省きつつポンプ台数、配管ライン及びポンプスペースを減少できる。
【0033】
圧力制御逃がし弁32の吐出側には、二つの主配管33が、切換弁37を介して切換可能に接続されると共に、切換弁37が、主配管33内の圧力が所定圧以上になったとき主配管33を切り換えるように構成され、それぞれの主配管33は共通の分配弁38を介してアジテータ用シール26の2つ位置に接続されると共に、分配弁38が一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くように構成されるものとしたため、アジテータ用シール26にグリースを所定量ずつ供給できる。また、アジテータ用シール26の数や大きさが変わっても流量の調整等複雑な調整をする必要がなく、仕様変更等に容易に対応できる。
【0034】
それぞれの主配管33には副配管34が接続され、これら副配管34は共通の分配弁38を介してカッタ用シール17の2つの位置に接続されると共に、分配弁38が一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くように構成されたため、カッタ用シール17にグリースを所定量ずつ供給できる。また、カッタ用シール17の数や大きさが変わっても流量の調整等複雑な調整をする必要がなく、仕様変更等に容易に対応できる。
【0035】
なお、本実施の形態では、主配管33と副配管34が一対並行に配管されるものについて述べたが、これに限るものではない、主配管33と副配管34が単独で配管されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す回路図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】アジテータの側断面図である。
【図4】シールド掘進機の要部側断面図である。
【図5】分配弁の説明図であり、(a)は第一の供給口からグリースが供給された状態を示し、(b)は第一の吐出口からグリースが吐出された状態を示す。
【図6】分配弁の説明図であり、(a)は第二の供給口からグリースが供給された状態を示し、(b)は第二の吐出口からグリースが吐出された状態を示す。
【符号の説明】
【0037】
1 シールド掘進機
2 シールドフレーム
3 隔壁
4 カッタ
6 アジテータ
7 既設セグメント
8 シールドジャッキ
9 基部
11 旋回環
17 カッタ用シール
24 固定部
25 回転部
26 アジテータ用シール
31 グリースポンプ
32 圧力制御逃がし弁
33 主配管
34 副配管
35 シャットオフバルブ
36 制御装置
37 切換弁
38 分配弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドフレームを前後に仕切る隔壁に回転自在に設けられ前方の土砂を掘削するためのカッタと、該カッタの基部と上記隔壁との間に設けられたカッタ用シールと、上記隔壁に設けられた固定部を有すると共に固定部に回転自在に設けられ上記カッタと隔壁の間の土砂を常時撹拌するための回転部を有し、かつ、該回転部と上記固定部の間に設けられたアジテータ用シールを有するアジテータと、上記シールドフレームに設けられ既設セグメントから反力をとるシールドジャッキとを備えたシールド掘進機において、グリースポンプと、該グリースポンプの吐出側に、吐出圧を所定圧にするようにグリースを逃がす圧力制御逃がし弁を介して接続されると共に上記アジテータ用シールに接続される主配管と、該主配管の中間に分岐接続されると共に上記カッタ用シールに接続される副配管と、該副配管に設けられ副配管を全開又は全閉するシャットオフバルブと、該シャットオフバルブに接続されカッタとシールドジャッキによる土砂の掘削が停止されるときシャットオフバルブを閉じ、それ以外のときシャットオフバルブを開く制御装置とを備えたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
上記圧力制御逃がし弁の吐出側には、二つの上記主配管が、切換弁を介して切換可能に接続されると共に、該切換弁が、主配管内の圧力が所定圧以上になったとき主配管を切り換えるように構成され、それぞれの主配管は共通の分配弁を介してアジテータ用シールの2つ位置に接続されると共に、上記分配弁が一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くように構成された請求項1記載のシールド掘進機。
【請求項3】
上記それぞれの主配管には上記副配管が接続され、これら副配管は共通の分配弁を介してカッタ用シールの2つの位置に接続されると共に、上記分配弁が一方の位置に所定量のグリースを供給したときその流路を閉じると共に他方の位置への流路を開くように構成された請求項2記載のシールド掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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