説明

シールド掘進機

【課題】厚い特殊セグメントであっても形状保持装置の前方に移送でき、エレクタ受け渡し用ホイストからエレクタに特殊セグメントを空中受け渡しできるシールド掘進機を提供する。
【解決手段】形状保持装置15の後方からエレクタ10の位置まで走行自在な第1走行部37を有すると共にエレクタ10にセグメント8を空中受け渡しすべくセグメント8を吊持する剛体38を有し、剛体38がセグメント8を所定高さ吊り上げたとき第1走行部37に保持されるエレクタ受け渡し用ホイスト17を備えたシールド掘進機1において、形状保持装置15の前後に亘って走行自在な第2走行部55を有すると共にセグメント9を所定高さより上方に吊り上げ可能なセグメント吊り装置56を有し、エレクタ受け渡し用ホイスト17にセグメント9を供給するための中継用ホイスト18を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクタを有するシールド掘進機に係り、特にエレクタにセグメントを空中にて直接受け渡たすホイストを備えたシールド掘進機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレクタへのセグメントの供給は、一般にホイストを用いて行われる。ホイストは、形状保持装置より後方の位置とエレクタの位置との間で走行するようになっており、上記後方の位置で把持したセグメントを形状保持装置を越えてエレクタまで移送する。
【0003】
ところで、近年、エレクタへのセグメントの受け渡しを効率よく行うためにエレクタにセグメントを空中にて直接受け渡せるようにしたエレクタ受け渡し用ホイストが用いられている。
【0004】
図4(a)、(b)に示すように、エレクタ受け渡し用ホイスト17は、ホイスト用レール16に沿って走行する第1走行部37と、第1走行部37に昇降自在に吊設され下方に延びるセグメント把持棒38と、セグメント把持棒38が所定高さに上昇されたときセグメント把持棒38を第1走行部37に保持する保持機構39とを備えて構成されている。所定高さとは、エレクタ(図示せず)にセグメント8を直接受け渡すときの高さであり、この高さでセグメント把持棒38を第1走行部37に保持することにより、セグメント8を揺らすことなく確実にエレクタに受け渡すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−163566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、エレクタ受け渡し用ホイスト17はセグメント8を上記所定高さを越えて上昇させることはできないため、図5に示すように、径方向内側に突起を有する等、通常のセグメント8より桁厚が厚い特殊なセグメント9を搬送する場合、形状保持装置15を越えられず、エレクタ(図示せず)まで搬送できないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、桁厚が厚い特殊セグメントであっても形状保持装置の前方に移送でき、かつ、エレクタ受け渡し用ホイストからエレクタに特殊セグメントを空中受け渡しにて供給できるシールド掘進機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、シールドフレーム内でセグメントを組み立てるエレクタと、該エレクタでセグメントを組み立てて構築されるトンネル壁の上部内面と下部内面を押圧する形状保持装置と、該形状保持装置の掘進方向後方の位置から上記エレクタの位置まで走行自在な第1走行部を有すると共に上記エレクタにセグメントを空中にて直接受け渡すべくセグメントを吊持する剛体を有し、該剛体がセグメントを所定高さに吊り上げたとき上記第1走行部に保持されるようにしたエレクタ受け渡し用ホイストとを備えたシールド掘進機において、上記形状保持装置の前後に亘って走行自在な第2走行部を有すると共にセグメントを上記所定高さより上方に吊り上げ可能なセグメント吊り装置を有し、上記エレクタ受け渡し用ホイストにセグメントを供給するための中継用ホイストを備えたものである。
【0009】
シールドフレームに設けられ径方向内側に延びる支持フレームと、該支持フレームに掘進方向後方に延びて設けられた後方デッキと、該後方デッキに前後に延びて設けられ上記エレクタ受け渡し用ホイストを走行させるホイスト用レールとを備え、上記中継用ホイストが上記エレクタ受け渡し用ホイストの後方の上記ホイスト用レールに走行自在に設けられるとよい。
【0010】
上記トンネル壁の下部内面には後方から送られるセグメントを仮置きするための仮置き部が配設され、上記ホイスト用レールが上記仮置き部の後方まで延びる後端部を有し、該後端部に上記中継用ホイストを待機させるための待機部が形成されるとよい。
【0011】
上記エレクタ受け渡し用ホイストと上記中継用ホイストの少なくともいずれか一方のホイストに設けられ他方のホイストを検出する近接センサと、該近接センサに接続されると共に上記両方のホイストに接続され近接センサが上記他方のホイストを検出したとき両方のホイストを停止させる制御装置とを備えるとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、桁厚が厚い特殊セグメントであっても形状保持装置の前方に移送でき、かつ、エレクタ受け渡し用ホイストからエレクタに特殊セグメントを空中受け渡しにて供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1はシールド掘進機の概略側面図である。
【図2】図2は中継用ホイストの側面図である。
【図3】図3は形状保持装置を越えてセグメントを搬送する中継用ホイストの正面図である。
【図4】図4(a)はセグメント搬送中のエレクタ受け渡し用ホイストの側面図であり、図4(b)はセグメントを把持する前のエレクタ受け渡し用ホイストの側面図である。
【図5】図5は特殊セグメントを形状保持装置の前方に搬送できないエレクタ受け渡し用ホイストを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すように、シールド掘進機1は、機体外周部を構成するシールドフレーム2と、シールドフレーム2の前端を塞ぐ隔壁3と、隔壁3に回転自在に設けられ前方の地山を掘削するカッタ4と、カッタ4と隔壁3の間に形成され土砂を収容するカッタ室5と、隔壁3に前方に貫通して設けられカッタ室5内の土砂を取り込む排土装置たるスクリューコンベア6と、シールドフレーム2に設けられ径方向内側に延びる支持フレーム7と、支持フレーム7に設けられシールドフレーム2内でセグメント8、9を組み立てるエレクタ10と、支持フレーム7に掘進方向後方に延びて設けられた後方デッキ11と、後方デッキ11に設けられセグメント8、9を組み立てて構築されるトンネル壁12の上部内面13と下部内面14を径方向外方に押す形状保持装置15と、後方デッキ11に設けられ形状保持装置15の前後に延びるホイスト用レール16と、ホイスト用レール16に走行自在に設けられセグメント8、9をエレクタ10に受け渡すためのエレクタ受け渡し用ホイスト17と、エレクタ受け渡し用ホイスト17の後方のホイスト用レール16に走行自在に設けられ桁厚の厚い特殊セグメント9を形状保持装置15の後方から前方に移送してエレクタ受け渡し用ホイスト17に供給するための中継用ホイスト18とを備えて構成される。
【0015】
エレクタ10は、支持フレーム7にシールドフレーム2と同軸上で回転するように設けられたリング状の旋回フレーム19と、旋回フレーム19に径方向に移動可能に設けられた吊りビーム20と、吊りビーム20に設けられセグメント8、9を把持する第1セグメント把持部21とを備えて構成されている。
【0016】
後方デッキ11は、長尺の鋼材を箱状に組み付けて構成されており、シールドフレーム2の中心に配置されている。後方デッキ11の後端近傍のトンネル壁12の下部内面14には、後方から送られるセグメント8、9を仮置きするための仮置き部22が配設されている。仮置き部22は、形状保持装置15の後方のトンネル壁12の下部内面14に走行可能に設けられセグメント8、9を複数前後に並べてストックするセグメント搬送装置23の後端部に形成される。
【0017】
セグメント搬送装置23は、既設セグメント8上に敷設された仮設レール24上に走行自在に設けられ前後に延びるベース部25と、ベース部25上に昇降自在に、かつ、長手方向に沿って複数設けられセグメント8、9を載置するためのリフトアップ部26と、ベース部25上に前後スライド可能に設けられそれぞれのリフトアップ部26が下降されたときセグメント8、9を一括して受けるスライド部(図示せず)とを備える。セグメント搬送装置23は、セグメント8、9を載せたスライド部を前進させた後、リフトアップ部26を上昇さてリフトアップ部26にセグメント8、9を移載し、スライド部を後退させ、リフトアップ部26を下降させてセグメント8、9をスライド部に受け渡す動作を繰り返すことで、セグメント8、9を順次前方に送るようになっている。
【0018】
また、後方デッキ11の上端後部には、後方に延びる後方レール27が設けられており、後方から仮置き部22にセグメント8、9を搬送するための搬送用ホイスト28を後方レール27に沿って走行させるようになっている。
【0019】
図2及び図3に示すように、形状保持装置15は、上下方向に拡張する上下フレーム29a、29b間に上下フレーム29a、29bを拡縮する拡縮ジャッキ30を設けて構成されており、拡縮ジャッキ30を伸張させて上下フレーム29a、29bでトンネル壁12の上部内面13と下部内面14を径方向外方に押圧することでトンネル壁12の形状を保持するようになっている。下部フレーム29bは、略U字状に形成されており、下部にトンネル壁12に当接される円弧状の押圧部31を有する。上部フレーム29aは、下部フレーム29bを略上下反転させた形状(逆U字状)に形成されている。また、上部フレーム29には、拡縮ジャッキ30を縮退させて上部フレーム29aを下降させたとき後方デッキ11のレール32上に載置される車輪33が設けられると共に、一端が後方デッキ11に連結される走行用ジャッキ34の他端が連結されており、上下フレーム29a、29bがトンネル壁12から離間したとき走行用ジャッキ34を伸縮することで後方デッキ11のレール32上で上下フレーム29a、29bを走行させるようになっている。
【0020】
図1及び図5に示すように、ホイスト用レール16は、後方デッキ11の両側下面にエレクタ10の前方に延びると共に後方デッキ11の後方に延出して設けられている。ホイスト用レール16は、断面I型に形成されており、下端に側方に延出する鍔部35を有する。ホイスト用レール16の後端部には、中継用ホイスト18を待機させるための待機部36が形成されている。待機部36は、仮置き部22より後方のホイスト用レール16に形成される。
【0021】
図1及び図4(a)、(b)に示すように、エレクタ受け渡し用ホイスト17は、ホイスト用レール16に走行自在に設けられ形状保持装置15の掘進方向後方の位置、具体的には仮置き部22とエレクタ10との間で走行する第1走行部37と、第1走行部37に昇降自在に吊設されエレクタ10にセグメント8、9を空中にて直接受け渡すべくセグメント8、9を吊持する剛体からなるセグメント把持棒38と、セグメント把持棒38が所定高さに上昇されたときセグメント把持棒38を第1走行部37に保持する保持機構39とを備える。第1走行部37は、ホイスト用レール16の鍔部35上を走行する支持用車輪40と、鍔部35の下面に押圧され駆動装置41で駆動される駆動輪42とを有する。また、第1走行部37には、セグメント把持棒38をワイヤ43を介して昇降自在に吊る吊上装置44が設けられている。セグメント把持棒38は、ワイヤ43に係合されるプーリ45を有し吊上装置44にワイヤ43を介して吊持される板状の昇降基部46と、昇降基部46に下方に延びて設けられる棒状の垂下部47と、垂下部47の下端部に設けられセグメント8、9の取っ手48を把持する把持装置49と、垂下部47に設けられセグメント8、9の側面に当接してセグメント8、9を支持する支持アーム50とを備える。保持機構39は、第1走行部37の下面に形成され昇降基部46を収容するように窪む凹部51と、昇降基部46の外縁に上方に突出して設けられ昇降基部46が凹部51に収容されたとき凹部51の縁部に嵌合されるテーパ部材52とからなる。
【0022】
また、エレクタ受け渡し用ホイスト17には、中継用ホイスト18が所定距離以内に接近したとき中継用ホイスト18を検出して制御装置53に信号を発する第1近接センサ54が設けられている。制御装置53は、第1近接センサ54から信号を受けたとき、中継用ホイスト18とエレクタ受け渡し用ホイスト17との両方を停止させるようにプログラムされている。
【0023】
図2及び図3に示すように、中継用ホイスト18は、それぞれのホイスト用レール16に走行自在に設けられ形状保持装置15の前後に亘って走行自在な一対の第2走行部55と、これら第2走行部55に設けられ特殊セグメント9を上記所定高さより上方、すなわち、エレクタ10にセグメント8、9を受け渡す高さより上方に吊り上げ可能なセグメント吊り装置56とからなる。セグメント吊り装置56は、それぞれの第2走行部55に設けられたチェーンブロック57と、これらチェーンブロック57に昇降自在に吊り下げられる第1フック58と、これら第1フック58に着脱自在に係合され第1フック58間に掛け渡される連結部材59と、連結部材59にチェーン60を介して連結され特殊セグメント9に着脱自在に係合される第2フック61とからなる。また、中継用ホイスト18には、エレクタ受け渡し用ホイスト17が所定距離以内に接近したときエレクタ受け渡し用ホイスト17を検出して制御装置53に信号を発する第2近接センサ62が設けられている。制御装置53は、第2近接センサ62から信号を受けたとき、中継用ホイスト18とエレクタ受け渡し用ホイスト17との両方を停止させるようにプログラムされている。
【0024】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0025】
セグメント8、9を吊持した搬送用ホイスト28が仮置き部22の真上に到達したら仮置き部22にセグメント8、9を降ろす。このとき中継用ホイスト18は仮置き部22の後方の待機部36に待機させておき、搬送用ホイスト28から降ろされるセグメント8、9に干渉しないようにする。仮置き部22を形成するセグメント搬送装置23は、前端に位置されるリフトアップ部26上に常にセグメント8、9が供給されるようにセグメント8、9を順次前方のリフトアップ部26上に送る。
【0026】
前端に位置されるリフトアップ部26上のセグメントが桁厚の薄い通常のセグメント8である場合、セグメント8は、エレクタ受け渡し用ホイスト17により前方に送られ、エレクタ10に受け渡される。具体的には、エレクタ受け渡し用ホイスト17は、セグメント搬送装置23の前端に位置されるリフトアップ部26の真上に到達したら、セグメント把持棒38を下降させ、セグメント把持棒38の把持装置49でリフトアップ部26上のセグメント8を把持し、セグメント把持棒38を上昇させる。セグメント把持棒38が所定高さに上昇すると、セグメント把持棒38の昇降基部46が凹部51内に収容され、テーパ部材52が凹部51の縁部に嵌合されて昇降基部46が前後左右方向に動かないように凹部51に保持される。この後、エレクタ受け渡し用ホイスト17は前方に走行しエレクタ10にセグメント8を空中にて直接受け渡す。このとき、エレクタ受け渡し用ホイスト17に把持されたセグメント8は、形状保持装置15の押圧部31より上方にあるため、押圧部31に干渉することはない。
【0027】
また、前端に位置されるリフトアップ部26上に通常のセグメント8より桁厚が厚い特殊セグメント9が載置された場合、特殊セグメント9は、中継用ホイスト18により形状保持装置15の前方に移送され、エレクタ受け渡し用ホイスト17に供給され、エレクタ受け渡し用ホイスト17を介してエレクタ10に受け渡される。具体的には、エレクタ受け渡し用ホイスト17を、予め形状保持装置15の前方に退避させ、中継用ホイスト18を待機部36から前方に走行させる。中継用ホイスト18がセグメント搬送装置23の前端に位置されるリフトアップ部26の真上に到達したら、それぞれのチェーンブロック57からチェーンを繰り出して第2フック61を下降させ、リフトアップ部26上の特殊セグメント9に第2フック61を掛け、それぞれのチェーンブロック57を巻き上げて特殊セグメント9を形状保持装置15の押圧部31より上方に上昇させる。この後、中継用ホイスト18を前方に走行させ、特殊セグメント9が形状保持装置15の押圧部31を越えたら特殊セグメント9を下降させて既設セグメント8上に置く。このとき、中継用ホイスト18がエレクタ受け渡し用ホイスト17に所定距離を超えて接近したら、中継用ホイスト18又はエレクタ受け渡し用ホイスト17に設けられた近接センサ54、62が制御装置53に信号を発し、制御装置53が中継用ホイスト18とエレクタ受け渡し用ホイスト17の両方を停止させるため、中継用ホイスト18とエレクタ受け渡し用ホイスト17が衝突することはない。この後、中継用ホイスト18を待機部36に走行させると共に、エレクタ受け渡し用ホイスト17を既設セグメント8上に置いた特殊セグメント9の真上に走行させ、この特殊セグメント9をエレクタ受け渡し用ホイスト17で把持すると共に所定高さに上昇させ、エレクタ受け渡し用ホイスト17をエレクタ10の位置に走行させ、エレクタ受け渡し用ホイスト17からエレクタ10に特殊セグメント9を空中にて直接受け渡す。
【0028】
このように、形状保持装置15の前後に亘って走行自在な第2走行部55を有すると共に特殊セグメント9を所定高さより上方に吊り上げ可能なセグメント吊り装置56を有し、エレクタ受け渡し用ホイスト17に特殊セグメント9を供給するための中継用ホイスト18を備えたため、エレクタ受け渡し用ホイスト17では形状保持装置15を越えることができない桁厚が厚い特殊セグメント9であっても形状保持装置15の前方に移送でき、かつ、エレクタ受け渡し用ホイスト17からエレクタ10に特殊セグメント9を空中受け渡しにて供給できる。
【0029】
シールドフレーム2に設けられ径方向内側に延びる支持フレーム7と、支持フレーム7に掘進方向後方に延びて設けられた後方デッキ11と、後方デッキ11に前後に延びて設けられエレクタ受け渡し用ホイスト17を走行させるホイスト用レール16とを備え、中継用ホイスト18がエレクタ受け渡し用ホイスト17の後方のホイスト用レール16に走行自在に設けられるものとしたため、簡単な構造で容易に特殊セグメント9を形状保持装置15の前方に移送できる。
【0030】
トンネル壁12の下部内面14には後方から送られるセグメント8、9を仮置きするための仮置き部22が配設され、ホイスト用レール16が仮置き部22の後方まで延びる後端部を有し、この後端部に中継用ホイスト18を待機させるための待機部36が形成されるものとしたため、セグメント8、9を仮置き部22に搬送するとき中継用ホイスト18がセグメント搬送の邪魔になるのを簡単な構造で容易に防ぐことができる。
【0031】
エレクタ受け渡し用ホイスト17と中継用ホイスト18の一方のホイストに設けられ他方のホイストを検出する近接センサ54、62と、近接センサ54、62に接続されると共に両方のホイスト17、18に接続され近接センサ54、62が他方のホイストを検出したとき両方のホイスト17、18を停止させる制御装置53とを備えたため、エレクタ受け渡し用ホイスト17と中継用ホイスト18との衝突を確実に防ぐことができる。
【0032】
なお、エレクタ受け渡し用ホイスト17に第1近接センサ54を設け、中継用ホイスト18に第2近接センサ62を設けるものとしたが、近接センサ54、62はエレクタ受け渡し用ホイスト17又は中継用ホイスト18のいずれか一方にのみ設けられるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 シールド掘進機
2 シールドフレーム
7 支持フレーム
8 セグメント
9 特殊セグメント
10 エレクタ
11 後方デッキ
12 トンネル壁
13 上部内面
14 下部内面
15 形状保持装置
16 ホイスト用レール
17 エレクタ受け渡し用ホイスト
18 中継用ホイスト
22 仮置き部
36 待機部
37 第1走行部
38 セグメント把持棒(剛体)
53 制御装置
54 第1近接センサ
55 第2走行部
56 セグメント吊り装置
62 第2近接センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドフレーム内でセグメントを組み立てるエレクタと、該エレクタでセグメントを組み立てて構築されるトンネル壁の上部内面と下部内面を押圧する形状保持装置と、該形状保持装置の掘進方向後方の位置から上記エレクタの位置まで走行自在な第1走行部を有すると共に上記エレクタにセグメントを空中にて直接受け渡すべくセグメントを吊持する剛体を有し、該剛体がセグメントを所定高さに吊り上げたとき上記第1走行部に保持されるようにしたエレクタ受け渡し用ホイストとを備えたシールド掘進機において、上記形状保持装置の前後に亘って走行自在な第2走行部を有すると共にセグメントを上記所定高さより上方に吊り上げ可能なセグメント吊り装置を有し、上記エレクタ受け渡し用ホイストにセグメントを供給するための中継用ホイストを備えたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
シールドフレームに設けられ径方向内側に延びる支持フレームと、該支持フレームに掘進方向後方に延びて設けられた後方デッキと、該後方デッキに前後に延びて設けられ上記エレクタ受け渡し用ホイストを走行させるホイスト用レールとを備え、上記中継用ホイストが上記エレクタ受け渡し用ホイストの後方の上記ホイスト用レールに走行自在に設けられた請求項1記載のシールド掘進機。
【請求項3】
上記トンネル壁の下部内面には後方から送られるセグメントを仮置きするための仮置き部が配設され、上記ホイスト用レールが上記仮置き部の後方まで延びる後端部を有し、該後端部に上記中継用ホイストを待機させるための待機部が形成された請求項2記載のシールド掘進機。
【請求項4】
上記エレクタ受け渡し用ホイストと上記中継用ホイストの少なくともいずれか一方のホイストに設けられ他方のホイストを検出する近接センサと、該近接センサに接続されると共に上記両方のホイストに接続され近接センサが上記他方のホイストを検出したとき両方のホイストを停止させる制御装置とを備えた請求項1〜3のいずれかに記載のシールド掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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