説明

シール材用ゴム組成物およびそれを用いたシール材

【課題】0.1MPa〜15MPaの圧力での流体の密封に使用されても優れた耐摩耗性を有し、かつ優れたシール性を保持できる長寿命なシール材、ならびに該シール材を形成するためのゴム組成物を提供する。
【解決手段】 水素添加カルボキシニトリルゴムを主体成分とするシール材用ゴム組成物、ならびにそれを用いたシール材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール材用ゴム組成物およびそれを成形してなるゴム成形物を有するシール材に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンディショナ機などの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサなどにおいて、冷媒漏れ防止用の密封体として多くのシール材が使用されている。シール材は、基本的には、硬さ、伸び、引張強さ、耐熱性、耐油性にすぐれ、かつ圧縮永久歪みが小さいというような良好なシール性を呈するための数々の特性を備えることが要求される。さらに、冷媒に対する耐性を有し、冷媒に接触しても発泡(ブリスタ)や割れ(クラック)が生じにくいことが要求される。
【0003】
上記の冷媒としては、従来、CFC12(CCl22)が主として用いられてきたが、フロンによるオゾン層の破壊が環境問題となり、近年ではCFC12に換えてオゾン層を破壊しないHFC134a(CH2FCF3)などのフルオロ炭化水素が用いられている。しかしながら環境問題の観点から、フロン系の冷媒は今後全廃の方向に向かうとされており、これに代替し得る冷媒として、二酸化炭素が検討されている。
【0004】
上記のように、シール材は冷媒に対する耐性を有することが要求されるが、従来のシール材はフロン系の冷媒への耐性を前提として開発されてきたものであって、冷媒種が変わると、新たなシール材を一から開発せねばならない。すなわち、冷媒との接触によってクラックやブリスタが生じないということは勿論、冷媒種が変わるとその使用条件も変わるため、その条件下における耐性を備えることも考慮する必要がある。たとえばフロン系冷媒は、従来、約0.98MPaの圧力で使用されてきたが、二酸化炭素を冷媒として用いる場合は約6.86MPaとより高圧で使用される。したがって新たなシール材としては、上記のような高圧下においても、変形することなく良好なシール性を保持し得ることが必要である。
【0005】
また、電子関連部品、光学機器、精密機械部品の分野で、表面処理、蒸着、接着などの前工程や最終仕上げ工程などとして行われる精密洗浄に、洗浄媒体として超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を利用した洗浄法が知られている。超臨界二酸化炭素とは、圧力が臨界圧力(7.4MPa)を超え、かつ温度が臨界温度(31.1℃)を超える臨界点近傍の高密度な状態の二酸化炭素のことをさす。また亜臨界二酸化炭素は、臨界点手前近傍の圧縮液体と圧縮気体とが併存した物性的に不安定な状態の二酸化炭素であって、上記の超臨界二酸化炭素とは区別される。二酸化炭素は、比較的簡便に超臨界状態または亜臨界状態にでき、さらに無毒で工業的に安全な使用が可能であるため、上記精密洗浄の洗浄媒体として最も利用されている。
【0006】
上記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を利用した洗浄は、通常、25℃の温度で10MPa〜15MPaの圧力で行われる。したがって超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を利用した洗浄装置において、被洗浄物を洗浄する洗浄槽は高圧容器であり、該洗浄槽の気密性を高めるために、シール材が必要となる。
【0007】
またさらにシールすべき相手部材がたとえば回転軸のような可動部材であり、これと摺動するように使用される場合、シール材には優れた耐摩耗性を備えることがさらに要求される。
【0008】
しかしながら現状においては、硬さ、伸びといった機械的特性に優れるとともに、0.1MPa〜15MPaといった圧力下で流体の密封にて長い期間にわたって優れたシール性を保持し得る特性、特には上記圧力下での二酸化炭素の密封にて長い期間にわたって優れたシール性を保持し得る特性を充分に備え、さらに耐摩耗性にも優れるようなシール材は未だなく、その開発が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、0.1MPa〜15MPaの圧力での流体の密封に使用されても優れた耐摩耗性を有し、かつ優れたシール性を保持できる長寿命なシール材、ならびに該シール材を形成するためのゴム組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)0.1MPa〜15MPaの圧力での流体の密封に使用されるシール材を形成するためのゴム組成物であって、水素添加カルボキシニトリルゴムを含有するものであるシール材用ゴム組成物。
(2)上記(1)に記載のゴム組成物を成形してなるゴム成形物を有するシール材。
(3)パーオキサイド架橋されたものである上記(2)に記載のシール材。
(4)冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用コンプレッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体として使用されることを特徴とする上記(2)または(3)に記載のシール材。
(5)洗浄媒体として超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄装置における、該洗浄媒体漏れ防止用の密封体として使用されることを特徴とする上記(2)または(3)に記載のシール材。
(6)相手部材と摺動するように使用されることを特徴とする上記(2)〜(5)のいずれかに記載のシール材。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、0.1MPa〜15MPaの圧力での流体の密封に使用されても優れた耐摩耗性を有し、かつ優れたシール性を保持できる長寿命なシール材、ならびに該シール材を形成するためのゴム組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、0.1MPa〜15MPaの圧力での流体の密封に使用されるシール材を形成するためのものであり、水素添加カルボキシニトリルゴムを主体成分とすることをその特徴とするものである。
【0013】
本発明における水素添加カルボキシニトリルゴムは、カルボキシル基含有ニトリルゴムを水素添加したものである。たとえば、カルボキシル基を含有する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合ゴムの共役ジエン単位部分の全部または一部を水素添加したもの、カルボキシル基を含有する不飽和ニトリル−共役ジエン−エチレン性不飽和モノマー三元共重合ゴムおよびこのゴムの共役ジエン単位部分を水素添加したもの、カルボキシル基を含有する不飽和ニトリル−エチレン性不飽和モノマー系共重合ゴムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの水素添加カルボキシニトリルゴムは、通常の重合手段、水素添加方法によって得られるが、その手段も特別の限定はない。
【0014】
このような水素添加カルボキシニトリルゴムの具体例として、カルボキシル基含有ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、カルボキシル基含有イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、カルボキシル基含有イソプレン−アクリロニトリル共重合ゴムなどを水素添加したものなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明における水素添加カルボキシニトリルゴムは、市販のもの、たとえば、Therban XT(Bayer社製)などを用いればよい。
【0016】
なお本発明のゴム組成物において、「水素添加カルボキシニトリルゴムを含有する」とは、上述した水素添加カルボキシニトリルゴムを組成物中1.0重量%以上、好適には5.0重量%以上含有することを指す。
【0017】
本発明のシール材は、上述した水素添加カルボキシニトリルゴムを主体成分とするゴム組成物を成形してなるゴム成形物を有する。該ゴム成形物は、上記ゴム組成物を従来公知のインタミックス、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機あるいはオープンロールなどを用いて混練した後、射出成形機、圧縮成形機、押出成形機などを用いて所望の形状に成形して得ることができる。ゴムの架橋は、たとえば140℃〜200℃で2分間〜30分間の一次加硫を施した後、必要に応じて150℃〜180℃で1時間〜24時間の二次加硫を施すというような条件が好ましい。二次加硫を施すことで、一次加硫のみの場合のゴム成形物と比較して圧縮永久歪みをより小さくできる。
【0018】
本発明のシール材におけるゴム成形物の形状は特に限定されず、Oリング、パッキン、リップシール(軸シール)などその目的に応じて適宜選ばれる。またゴム成形物の大きさも特に限定はなく、目的に応じ適宜選ばれる。
【0019】
上記ゴム組成物を成形してなるゴム成形物を用いることで、硬さ、伸び、耐摩耗性に優れるシール材を実現できる。すなわち本発明のシール材は、JIS K 6253に規定される測定方法にしたがって測定されたショアA硬度がたとえば70〜95程度、JIS K 6251に規定される測定方法にしたがって測定された伸びがたとえば140%〜350%程度に実現される。
【0020】
本発明のシール材は、0.1MPa〜15MPa、特に0.5Ma〜15MPa、さらには0.98MPa〜15MPaという圧力にて流体を密封するシール材として使用されても、流体による衝撃圧によって不所望な変形を起こしにくい。このため、上記圧力下での使用であっても、従来と比較してシール性の劣化を抑制でき、長寿命なシール材を実現できる。なお上記密封流体の圧力は、市販の圧力計を用いて測定することができる。
【0021】
本発明のシール材の密封対象(密封流体)は、一般に、上記圧力範囲で密封されるようなものであれば特に制限はなく、たとえば二酸化炭素、フロン系冷媒などが例示される。中でも、本発明のシール材は、二酸化炭素に接触しても膨潤しにくく発泡しにくいため、経時的な劣化が少ないという特性を有する。これによって、適用するシール材が従来より模索されている二酸化炭素漏れ防止用のシール材として好適に使用することができる。
【0022】
本発明のシール材の、二酸化炭素を密封するような使用例の一つとして、たとえば冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用のコンプレッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体としての使用が挙げられる。本発明のシール材は、硬さ、伸び、耐熱性、耐油性にすぐれ、圧縮永久歪みが小さく、かつ二酸化炭素に接触してもブリスタやクラックが発生しにくく、良好なシール性を保持できる。また本発明のシール材は、冷媒である二酸化炭素と、これに通常併用されるたとえばポリアルキレングリコール、エステルなどの冷凍機油との混合物に対しても優れた耐性を示す。さらに本発明のシール材は、たとえば6.9MPa程度の圧力下で使用するような場合であっても、該圧力による不所望な変形を抑制でき、シール性の劣化を抑制できる。なお上記「冷凍機」は、エアコンディショナ機を含む。
【0023】
また二酸化炭素を密封するような他の使用例として、たとえば洗浄媒体として超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄装置における、該洗浄媒体漏れ防止用の密封体としての使用が挙げられる。該洗浄装置においては、通常、温度が25℃、圧力が10MPa〜15MPaの条件下で行われるが、本発明のシール材を用いることで上記圧力下での超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の衝撃圧によっても不所望な変形を起こしにくく、シール性の劣化を抑制できる。
【0024】
またさらに、本発明のシール材は、従来、シール用ゴム組成物のベースゴムとして一般に用いられていた水素添加ニトリルゴム(HNBR)にて形成されたシール材と比較して、格段に優れた耐摩耗性を発揮し得るものである(後述する実施例、比較例を参照)。このように極めて優れた耐摩耗性を有する本発明のシール材は、該ゴム成形物にて相手部材と摺動するように好適に使用できる。すなわち本発明のシール材は、シールすべき相手部材がたとえば回転軸のような可動部材でありこれとゴム成形物が摺動するように使用されても、摩耗して厚みが薄くなってしまう部分がゴム成形物に生じにくく、良好なシール性を長寿命で実現することができる。
【0025】
本発明のシール材は、ゴム組成物が有機過酸化物を含有するものであって、これを用い、パーオキサイド架橋されたゴム成形物を使用したものであることが好ましい。かかるパーオキサイド架橋されたゴム成形物を用いることで、上述した本発明のシール材の効果が顕著に発揮され得る。
【0026】
ゴム組成物が有機過酸化物を含有する場合、その配合量としては、水素添加カルボキシニトリルゴム100重量部に対して1.0重量部〜10.0重量部であるのが好ましく、3.0重量部〜8.0重量部であるのがより好ましい。
有機過酸化物が水素添加カルボキシニトリルゴム100重量部に対して1.0重量部未満であると、たとえば該組成物を用いたシール材の圧縮永久歪みが大きい、引張強さが低い、伸びが大きいなど機械的強度が低下してしまう虞がある。また、有機過酸化物を水素添加カルボキシニトリルゴム100重量部に対して10.0重量部を超えて配合しても、有機過酸化物の配合による効果が向上しないため意味がない。
【0027】
上記有機化合物としては、一般にゴムに架橋剤として配合される有機過酸化物であれば特に制限されないが、たとえば、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t―ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジt−ブチルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0028】
またゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、その配合量としては、水素添加カルボキシニトリルゴム100重量部に対して40重量部〜150重量部であるのが好ましく、80重量部〜110重量部であるのがより好ましい。
カーボンブラックの配合量が水素添加カルボキシニトリルゴム100重量部に対して40重量部未満であると、得られたシール材が二酸化炭素に対する耐クラック性に劣る傾向にある。カーボンブラックの配合量が水素添加カルボキシニトリルゴム100重量部に対して150重量部を超えると、得られたシール材が硬くなり過ぎたり伸びが小さくなるなど、機械的特性に劣る傾向にある。
【0029】
上記カーボンブラックとしては、一般にゴムに使用されるものであれば特には限定はない。カーボンブラックの例としては、HAFカーボンブラック、MAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、GPFカーボンブラックなどのファーネスブラックや、FTカーボンブラック、MTカーボンブラックなどのサーマルブラックが挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独又は2種以上組み合わせて用いられるが、上記中でも特に、耐摩耗性、加工性の観点からは、SRFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラックなどのファーネスブラックを使用するのが好ましい。
【0030】
また本発明のゴム組成物は、必要に応じて、従来公知の架橋助剤、可塑剤、老化防止剤、滑剤などをさらに含有するものであってよい。
【実施例】
【0031】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
実施例1
水素添加カルボキシニトリルゴム(Therban XT(Bayer社製)、結合アクリロニトリル量:33重量%)100重量部に、有機過酸化物として1,3−ビス(t―ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを5重量部、FEFカーボンブラックを100重量部配合してなるゴム組成物を、オープンロールで混練して調製した後、175℃で20分間加硫を施してゴム成形物とし、Oリング状のシール材のサンプルを得た。
【0033】
実施例2
FEFカーボンブラックに換えてMTカーボンブラックを200重量部配合した以外は実施例1と同様にして、シール材のサンプルを得た。
【0034】
比較例1
水素添加ニトリルゴム(ゼットポール2000(日本ゼオン社製)、結合アクリロニトリル量:33重量%)100重量部に、有機過酸化物として1,3−ビス(t―ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを5重量部、FEFカーボンブラックを100重量部配合してなるゴム組成物を、オープンロールで混練して調製した後、175℃で20分間加硫を施してゴム成形物とし、Oリング状のシール材のサンプルを得た。
【0035】
比較例2
FEFカーボンブラックに換えてMTカーボンブラックを200重量部配合した以外は比較例1と同様にして、シール材のサンプルを得た。
【0036】
上記の実施例1、2および比較例1、2で得られたサンプルそれぞれの常態特性として硬さおよび伸びを測定した。硬さは、JIS K 6253に規定される測定方法にしたがいショアA硬度を測定した。伸びは、JIS K 6251に規定される測定方法によって測定した。
【0037】
また下記の(1)、(2)の各試験を行い、その特性を評価した。
(1)耐発泡性
実施例1、2および比較例1、2と同様の組成の厚さ2mm、幅25mm、長さ45mmのゴムシート状物を三枚ずつ用意し、オートクレーブにて圧力6.9MPaの二酸化炭素中で24時間加圧した。その後、圧力を抜き、直ちに150℃のオーブンで1時間加熱後、各ゴムシート状物の表裏の亀裂の数をカウントした。
【0038】
(2)耐摩耗性
実施例1、2および比較例1、2と同様の組成の試料について、一定引張方式摩耗試験機を用いて下記の条件で摩耗量を測定した。まずクランク軸の駆動により相手金属板を往復動させ、この相手金属板の往復動する方向に垂直な方向に荷重をかけながら、試料を相手金属板に摺動させた。試料と相手金属板と間の接触荷重の作用には、エアシリンダの推力を用いた。各条件は以下の通りであった。
・試料:円柱状(直径=6.3mm、高さ=8mm)
・相手金属板材料:SS400
・相手金属板表面粗さ:3.2S
・往復動方向:相手金属板の仕上げ方向と直角に往復動
・駆動速度:60rpm
・ストローク:10mm
・荷重:0.8MPa
・作動回数:10万サイクル
・潤滑の有無:無
・温度:常温(25℃)
摩耗量=[(W1−W2)/S]/A)
〔W1:試験前の試料重量(g)、W2:試験後の試料重量(g)、S:試料の比重、A:試料の底面積(mm2)〕
の式にて、各摩耗量(μm)を算出した。
【0039】
結果を表1に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1MPa〜15MPaの圧力での流体の密封に使用されるシール材を形成するためのゴム組成物であって、水素添加カルボキシニトリルゴムを含有するものであるシール材用ゴム組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のゴム組成物を成形してなるゴム成形物を有するシール材。
【請求項3】
パーオキサイド架橋されたものである請求項2に記載のシール材。
【請求項4】
冷媒として二酸化炭素を用いる冷凍機用コンプレッサにおける、該冷媒漏れ防止用の密封体として使用されることを特徴とする請求項2または3に記載のシール材。
【請求項5】
洗浄媒体として超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄装置における、該洗浄媒体漏れ防止用の密封体として使用されることを特徴とする請求項2または3に記載のシール材。
【請求項6】
相手部材と摺動するように使用されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のシール材。

【公開番号】特開2006−316278(P2006−316278A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162263(P2006−162263)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【分割の表示】特願2002−120395(P2002−120395)の分割
【原出願日】平成14年4月23日(2002.4.23)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】