説明

シール装置及びシール方法

【課題】比較的簡単な構成で、ヒートシール加工において高いシール品質が得られるシール装置及びシール方法を提供すること。
【解決手段】本発明のシール装置1は、被加工物90の搬送路10に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロール20,30を備え、被加工物90を、搬送路10を介して両ロール20,30間に搬送し、被加工物90の所定箇所に、被加工物90の搬送方向Xと交差する方向に延びるシール部94を形成する。搬送路10は、2本の加工ロール20,30による加圧後の被加工物90を、2本の加工ロール20,30のうちの一方の加工ロール20側に誘導する誘導手段40を備えており、誘導手段40により、加圧後の被加工物90が、一方の加工ロール20側に偏倚して搬送されるようになされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルム等の包装材料等を含んで構成される被加工物に、ヒートシール加工を施すシール装置及びシール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムを包装材料とする包装体の製造、不織布やその他の機能性シートの加工等において、各種フィルムやシート等の被加工材料を接合するために、被加工材料を加熱・加圧する加工ロールを備えたシール装置を用い、被加工材料を溶着するヒートシール加工が行われている。ヒートシール加工では、通常、被加工材料に与える温度や圧力を最適化して、その生産能力に見合うヒートシール条件が設定される。生産能力の向上等を目的としてヒートシール加工の加工速度を上げると、加工ロールによる被加工材料の加熱・加圧時間が短縮されるため、被加工材料に付与する熱量の不足を招き、その結果、シール不良が発生する場合がある。そこで、シール不良を防止すべく、加工ロールの温度を上げたり、圧力を高くしたりするなどして、シール不良の発生しない適切な加工条件を探ることが一般に行われているが、問題の解決には至っていない。
【0003】
図7には、ヒートシール加工によって形成されたシール部の状態が模式的に示されている。図7は、重ね合わされた2枚の帯状シート(被加工材料)91,92及び両帯状シート91,92間に介在配置された複数の被被覆体93を含んで構成される、被加工物90を、図中X方向に連続搬送しつつ、図示しないシール装置により、被加工物90における被被覆体93の存在していない箇所に、搬送方向と直交する方向(図7が記載されている紙面に対して垂直方向)に延びるシール部94を形成した場合において、該シール部94のシール加工直後の状態を示しており、図7(a)は、シール不良が発生していない状態、図7(b)及び図7(c)は、何れも、シール不良が発生している状態を示している。図7(b)は、シール部94を構成していたシート91,92が剥離して、いわゆる口開き98が発生している状態であり、図7(c)は、シール部94の周辺部94aでシート91が切れて、いわゆるエッジ切れ99が発生している状態である。このようなシール不良を有効に防止し得る技術が要望されている。
【0004】
ヒートシール加工におけるシール不良の防止を図った技術に関し、例えば特許文献1の〔0003〕及び〔0004〕には、従来技術として、被加工材料の同一箇所にヒートシール加工を2度にわたって施すことが記載されている。また、特許文献1には、一対の縦シールロールを備えた充填包装機において、該一対の縦シールロールを連続搬送される被加工材料の搬送方向に対して段違いに配設することにより、被加工材料が縦シールロールの周面に接触する領域を長く設定することが記載されている。特許文献1に記載の充填包装機によれば、斯かる構成により、被加工材料の搬送速度を高めたとしても、縦シール箇所のシール状態を良好に保つことができ、縦シール箇所のヒートシール不良を予防することができるとされている。
【0005】
また特許文献2には、ヒートシールロールに供給される被加工材料を接触することなく外側から加熱する非接触式加熱手段が設けられたヒートシール装置が記載されている。特許文献2に記載のヒートシール装置によれば、フィルムに接触させずにフィルムを予熱することができるため、縦ヒートシールのシール速度を高めることができるとされている。
【0006】
また、特許文献3には、ボックスモーションの1サイクル時間を一定にした状態で、かつ一定のストロークのシール距離に対してボックスモーションの1サイクル中のシール時間が相対的に長くなるように制御したボックスモーション型エンドシール(横シール)・カット装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−315708号公報
【特許文献2】特開2003−237740号公報
【特許文献3】特開2007−50934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ヒートシール加工におけるシール不良を防止すべく、前述した従来技術のように、同一箇所の2度シールや非接触式加熱手段等による予備加熱を実施するとなると、設備の大型化、複雑化を招き、製造コストが高くなってしまうという問題がある。また、十分な熱量を供給するボックスモーション式のシール装置においてでも、シール強度が不安定になる場合があった。大掛かりな設備の増強を必要とせずに、ヒートシール加工において高いシール品質が得られる技術は未だ提供されていない。
【0009】
従って、本発明の課題は、比較的簡単な構成で、ヒートシール加工において高いシール品質が得られるシール装置及びシール方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、被加工物の搬送路に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロールを備え、重ね合わされた2枚の帯状シート及び両帯状シート間に介在配置された被被覆体を含んで構成される、被加工物を、該搬送路を介して、所定温度に加熱された2本の該加工ロール間に搬送し、該被加工物における該被被覆体の存在していない箇所を2本の該加工ロールで加圧し、該両帯状シートどうしを溶着することにより、該箇所に、該被加工物の搬送方向と交差する方向に延びるシール部を形成するシール装置であって、前記搬送路は、2本の前記加工ロールによる加圧後の前記被加工物を、2本の該加工ロールのうちの一方の加工ロール側に誘導する誘導手段を備えており、該誘導手段により、加圧後の該被加工物が、該一方の加工ロール側に偏倚して搬送されるようになされているシール装置を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【0011】
また本発明は、被加工物の搬送路に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロールを用い、重ね合わされた2枚の帯状シート及び両帯状シート間に介在配置された被被覆体を含んで構成される、被加工物を、該搬送路を介して、所定温度に加熱された2本の該加工ロール間に搬送し、該被加工物における該被被覆体の存在していない箇所を2本の該加工ロールで加圧し、該両帯状シートどうしを溶着することにより、該箇所に、該被加工物の搬送方向と交差する方向に延びるシール部を形成するシール方法であって、2本の前記加工ロールによる加圧後の前記被加工物を、2本の該加工ロールのうちの一方の加工ロール側に偏倚させて搬送するシール方法を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
また本発明は、2枚のシート間に介在配置された被被覆体を具備し、該2枚のシートどうしが、該被被覆体の周囲において溶着されてシール部が形成されている、被被覆体の被覆構造の製造方法であって、被加工物の搬送路に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロールを用い、重ね合わされた2枚の帯状シート及び両帯状シート間に介在配置された前記被被覆体を含んで構成される、被加工物を、該搬送路を介して、所定温度に加熱された2本の該加工ロール間に搬送し、該被加工物における該被被覆体の存在していない箇所を2本の該加工ロールで加圧し、該両帯状シートどうしを溶着することにより、該箇所に、該被加工物の搬送方向と交差する方向に延びる前記シール部を形成する工程を備え、2本の前記加工ロールによる加圧後の前記被加工物を、2本の該加工ロールのうちの一方の加工ロール側に偏倚させて搬送する、被被覆体の被覆構造の製造方法を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、比較的簡単な構成でありながら、ヒートシール加工において、シール不良を発生し難く、高いシール品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明のシール装置の一実施形態の要部を模式的に示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示すシール装置において、被加工物にシール部を形成する様子を模式的に示す側面図である。
【図3】図3は、図1に示すシール装置において、シール部形成前後の被加工物を模式的に示す平面図である。
【図4】図4は、図3に示す被加工物のI−I線断面を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、図1に示すシール装置によるヒートシール加工を経て、最終的に得られる物品(被被覆体の被覆構造)の斜視図である。
【図6】図6は、図1に示すシール装置の要部の拡大側面図である。
【図7】図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、それぞれ、ヒートシール加工によって形成されたシール部の状態を模式的に示す側面図であり、図7(a)は、シール不良が発生していない状態、図7(b)及び図7(c)は、シール不良が発生している状態である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をその好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態のシール装置1は、図1に示すように、被加工物90の搬送路10に沿って互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロール20,30を備えている。シール装置1は、被加工物90を、搬送路10を介して2本の加工ロール20,30間に搬送し、被加工物90の所定箇所を2本の加工ロール20,30で加圧して溶着することにより、図2及び図3に示すように、被加工物90の該所定箇所にシール部94を形成する装置である。図中符号Xは、搬送路10による被加工物90の搬送方向(MD)を示している。
【0016】
更に詳述すると、シール装置1は、チェーンやベルト等を具備する自走式のコンベアやフィードロール35の如き各種ロール、後述する誘導手段40等に代表される、搬送中の被加工物を支持する支持部材を配置することにより形成した搬送路10を備えている。尚、本発明に係る搬送路は、その全部が前記支持部材で構成されているものに限定されず、図1に示す搬送路10のように、一部は前記支持部材で構成され、他の部分は前記支持部材の無い空間部で構成されたものを含み、搬送路全体として、被加工物を所定方向に搬送可能な経路を有していれば良い。搬送路10は、コンベア等の駆動手段を具備する自走式の支持部材の該駆動手段(図示せず)により、該支持部材自体が移動して被加工物90を連続して加工ロール20,30の間に搬送する。
【0017】
シール装置1は、図1に示すように、ロール軸回りに回転可能に支持された円筒形状の上側加工ロール20と、ロール軸回りに加工ロール20と同期して回転する円筒形状の下側加工ロール30とを備えている。両ロール20,30は、それぞれの周面部20a,30aを対向させて上下に並べて配置されている。両ロール20,30それぞれのロール軸には、駆動手段(図示せず)が設けられており、該駆動手段からの駆動力が伝達されることによって、両ロール20,30が同期して回転するようになされている。両ロール20,30は、それぞれ、アルミニウム合金や鉄鋼等の金属製の剛体を含んで構成されている。
【0018】
上側加工ロール20は、その周面部20aに、周方向に略等間隔に突出形成された加工部21を複数個備えており、また、下側加工ロール30は、その周面部30aに、周方向に略等間隔に突出形成された加工部31を複数個備えている。加工部21,31は、それぞれ、図示していないが平面視においてMDと直交する方向(CD、ロール軸方向)に延びる直線状をしており、その先端面が被加工物90と接触してシール部94を形成する。両ロール20,30には、それぞれ、加熱手段(図示せず)が付設されており、該加熱手段からの熱伝導によって、被加工物90と接触する加工部21,31に熱が伝達されるようになされている。
【0019】
シール装置1においては、両ロール20,30が回転しているときに、上側加工ロール20の加工部21と下側加工ロール30の加工部31との間に供給された被加工物90に、シール部94を形成するようになされている。より具体的には、被加工物90は、図1〜図3に示すように、重ね合わされた2枚の帯状シート91,92、及び両帯状シート91,92間に介在配置された複数個の被被覆体93を含んで構成されており、シール装置1は、両ロール20,30の間における該両ロールが最も近接する部分(図1中符合Aで示す位置)において、図2に示すように、被加工物90における被被覆体93の存在していない箇所を、両ロール20,30の加工部21,31で加圧し、相対向する両帯状シート91,92どうしを溶着することにより、該箇所に、被加工物90の搬送方向(図中X方向、MD)と交差する方向に延びるシール部94を形成する。加工部21,31によるシール部94の形成は、図2(a)、図2(b)、図2(c)の順で進行する。
【0020】
シール部94は、図3に示すように、被加工物90の搬送方向Xと交差する方向(CD)に延びて形成されており、いわゆる横シール部である。シール部94は、平面視において直線状をしており、被加工物90のCDの全幅に亘って延びている。シール部94の幅Wは、被加工物の構成等によって適宜設定され、特に制限されないが、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは3〜10mmである。シール部94は、搬送方向Xと交差する方向に延びていれば良く、シール部94と搬送方向Xとの交差角度は、好ましくは70〜110°である。本実施形態においては、図3に示すように、前記交差角度は90°であり、シール部94は搬送方向Xと直交する方向に延びている。
【0021】
図4には、被加工物90の搬送方向Xに沿う断面が模式的に示されている。被加工物90を構成する2枚の帯状シート91,92のうち、上側加工ロール20と接触する(搬送中の被加工物90の上面を形成する)帯状シート91(以下、上側帯状シート91ともいう)は、単一の層からなる単層構造であり、下側加工ロール30と接触する(搬送中の被加工物90の下面を形成する)帯状シート92(以下、下側帯状シート92ともいう)は、組成の異なる複数の層が積層されてなる複層構造である。このように、両シート91,92は構成が互いに異なっており、複層構造である下側帯状シート92の方が、単層構造である上側帯状シート91よりも厚みが大きい。
【0022】
被加工物90は、図5に示す物品100の中間品であり、被加工物90の所定箇所にシール加工を施すことにより、物品100が得られる。物品100は、2枚のシート91,92間に介在配置された被被覆体93を具備し、2枚のシート91,92どうしが、被被覆体93の周囲において溶着されてシール部94,95が形成されている、被被覆体の被覆構造である。
【0023】
物品100は、空気との接触により発熱可能な発熱体(発熱シート)の上下面が2枚のシートで被覆された構成を有する、発熱具である。発熱具100は、使用者の肩部、腰部、頸部、腕や脚の関節、腹部等に、直接又は衣服を通じて間接的に貼り付けて、水蒸気を伴う熱(蒸気温熱)を付与するために用いられる。発熱具100において、被被覆体93は前記発熱体であり、帯状シート91,92は、前記発熱体を被覆する2枚のシートの原反である。前記発熱体を被覆する2枚のシートには、前記発熱体の温熱特性を制御する機能が要望される場合があり、また、例えば発熱具が、直接肌に接触させて使用するタイプかあるいは衣服に貼り付けて使用するタイプかによって、これら2枚のシートに要望される感触等の各種特性が異なる場合があるため、帯状シート91,92としてどのようなものを使用するかは、このような発熱具100の機能や用途等に応じて適宜決定される。発熱具100の形成材料としての帯状シート91,92としては、例えば、紙、不織布、フィルム、これらの複合されたシート等を制限無く用いることができ、通気性、非通気性、液透過性等の各種特性も適宜選択することができる。このような発熱具100の物品特性上、その形成材料である帯状シート91,92は、後述するように、構成や特性が互いに異なっている。尚、発熱具である物品100は、使用前に発熱しないよう、通常、更に包装材等で密封個装されて販売される。
【0024】
更に説明すると、上側帯状シート91としては、この種のヒートシール加工で適用可能なシート状(フィルム状)物を特に制限無く用いることができ、その形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、フッ素系樹脂類等、公知の溶融成形性樹脂を用いることができる。
【0025】
上側帯状シート91の融点は、加工ロール20,30によって加圧されたときに溶着可能な範囲にあれば良く、特に制限されないが、好ましくは100〜180℃、更に好ましくは105〜135℃である。また、上側帯状シート91の厚みは、特に制限されず適宜設定可能である。上側帯状シート91の厚みは、好ましくは10〜200μm、更に好ましくは20〜80μmである。
【0026】
下側帯状シート92は、図4に示すように、上側帯状シート91に近い側から順に、第1層92a、第2層92b及び第3層92cを順次積層してなる積層体からなる。各層92a、92b、92cは、互いに組成が異なっており、互いに接合され一体化されている。各層92a、92b、92cは、それぞれ、前述した上側帯状シート91として使用可能なものの中から適宜選択して用いることができる。各層92a、92b、92cは、互いに厚みが異なっていても良く、同じであっても良い。尚、下側帯状シート92は、このような複数の層の積層体ではなく、単層のシートで構成されていても良い。
【0027】
第1層92aの一例としては、低融点の樹脂を含むフィルムが挙げられ、第3層92cの一例としては、不織布が挙げられ、第2層92bの一例としては、フィルム(第1層92a)と不織布((第3層92c))とを接着する接着剤が挙げられる。
【0028】
複層構造の下側帯状シート92の融点に関し、上側帯状シート91に対向配置される第1層92aの融点は、特に制限されないが、上側帯状シート91の融点と概ね同じ範囲にあることが好ましい。
【0029】
また、下側帯状シート92の厚み(複層構造全体の厚み)は、特に制限されず適宜設定可能である。下側帯状シート92の厚みは、好ましくは100〜400μm、更に好ましくは200〜300μmである。
【0030】
このように、両シート91,92は構成が互いに異なっており、そのため、伸長性(伸縮性)が互いに異なっている。伸縮性とは、所定方向に伸長可能であり且つ伸長を解除すると収縮する性質である。より具体的には、両シート91,92は、破断伸度が互いに異なっており、上側帯状シート91の方が、下側帯状シート92よりも破断伸度が大きく、伸長し易い。破断伸度は、破断強度共に、次のようにして測定される。
【0031】
<破断伸度及び破断強度の測定方法>
温度21℃、湿度60%RHの試験室にて、JIS K7161(プラスチック−引張特性の試験方法)及びJIS K7127(厚さ1mm以下のプラスチックフィルム及びシートの引張特性の試験方法)に規定された試験方法を参考に、テンシロン引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTA−500)を使用して、試験片の破断伸度をそれぞれ測定する。テンシロン引張試験機の上下チャック間の距離を100mmに調整し、該上下のチャックに試験片を、破断伸度(破断強度)の測定方向(MD又はCD)がチャックの上下方向に一致するように挟み、下チャックを固定した状態で上チャックを一定速度300mm/minで上昇させて、試験片が破断するまで上下チャック間の距離を拡げ、該距離の変動中における最大荷重値(破断強度)、及び該最大荷重値を示したときの試験片の伸びを記録する。測定は5回行い、その平均値を算出して、試験片の破断強度、破断伸度とする。尚、試験片については、特に予備乾燥はせず室温にて放置されたサンプルを、長さ250mm、幅25mmに裁断したものを試験片とした。
【0032】
上側帯状シート91の破断伸度S91と下側帯状シート92の破断伸度S92との比(S91/S92)は、好ましくは1.0〜3.0、更に好ましくは1.5〜2.5である。また、上側帯状シート91の破断伸度S91は、好ましくは50〜200mm/チャック間距離100mm、更に好ましくは100〜150mm/チャック間距離100mmであり、下側帯状シート92の破断伸度S92は、好ましくは20〜100mm/チャック間距離100mm、更に好ましくは40〜80mm/チャック間距離100mmである。
【0033】
また、上側帯状シート91の破断強度T91と下側帯状シート92の破断強度T92との比(T91/T92)は、好ましくは0.1〜0.7、更に好ましくは0.3〜0.5である。また、上側帯状シート91の破断強度T91は、好ましくは10〜50N/25mm、更に好ましくは20〜40N/25mmであり、下側帯状シート92の破断強度T92は、好ましくは60〜100N/25mm、更に好ましくは70〜90N/25mmである。
【0034】
両シート91,92間に介在配置される被被覆体93は、両シート91,92のヒートシール加工によって、両シート91,92間に密封されるものであり、図5に示す最終物品100の内容物(発熱体)である。被被覆体93は、所定の厚みを有している。被被覆体93の厚みが比較的小さい場合には、両シート91,92それぞれにおける、シール部94の周辺部94a(図7参照、シール部94と被被覆体93との間の領域)に位置する部分にかかる応力(引張応力)は、それほど大きなものではなく、前述した口開き(図7(b)参照)やエッジ切れ(図7(c)参照)は発生し難いが、被被覆体93の厚みが比較的大きい場合には、前記応力が大きくなるため、口開きやエッジ切れが発生し易くなる。本実施形態のシール装置1は、主として、搬送路10における後述する誘導手段40の作用により、被被覆体93の厚みが比較的大きい場合であっても、口開きやエッジ切れを効果的に防止することができる。
【0035】
被被覆体93の厚みは、特に制限されないが、本実施形態のシール装置1によれば、被被覆体93の厚みが800μm以上、特に1000μm以上であっても、口開きやエッジ切れを効果的に防止し、ヒートシール加工において高いシール品質を提供することができる。被被覆体93の厚みは、好ましくは1000〜2000μmである。
【0036】
物品100(発熱具)は、被加工物90に対し、本実施形態のシール装置1を用いて、いわゆる横シール部であるシール部94を形成し、更に、別のシール装置(図示せず)あるいはシール装置1に組み込まれた別の加工ロール(図示せず)を用いて、シール部94と直交する方向(図中X方向、MD)に延びる、いわゆる縦シール部であるシール部95を形成することにより製造される。シール部95は、その延びている方向以外は、シール部94と同様に形成されている。シール部95の形成は、シール部94の形成前でも良く、シール部94の形成後でも良い。また、シール部94形成用の加工部とシール部95形成用の加工部とが周面部に一体的に形成された加工ロール(図示せず)を用いて、両シール部94,95を同時に形成しても良い。
【0037】
物品100は、前述したように、空気との接触により発熱可能な発熱シートとしての被被覆体93を具備する発熱具(発熱商品)である。前記発熱シートは、人体の腰部や肩などに装着させて全身の血行を促進させるために好適に用いられる。前記発熱シートとしては、被酸化性金属及び繊維を含有するシート状物を用いることができる。前記被酸化性金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等が挙げられ、また、前記繊維状物としては、例えば、木材パルプや各種合成繊維等が挙げられる。前記発熱シートには、必要に応じ、更に、保水剤(例えば、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、パルプ、木紛、吸水ポリマー等)、反応促進剤(例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛等)等を含有させることができる。前記発熱シートとしては、例えば、本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載のものを用いることができる。
【0038】
本実施形態のシール装置1の主たる特徴の1つとして、2本の加工ロール20,30で加圧されてシール部94が形成された後の被加工物90を、従来のこの種のヒートシール加工のように、両ロール20,30からの離間距離が等しくなるように搬送せずに、一方のロール側に偏倚させて搬送する点が挙げられる。即ち、本実施形態においては、図1に示すように、搬送路10は、両ロール20,30による加圧後の被加工物90を、両ロール20,30のうちの一方のロール(上側加工ロール20)側に誘導する誘導手段40を備えており、誘導手段40により、加圧後(シール部94形成後)の被加工物90が、一方のロール20側に偏倚して搬送されるようになされている。誘導手段40は、搬送路10の構成部材(被加工物の支持部材)であり、金属、プラスチック等からなる板状部材で、搬送中の被加工物90を下方から支持する。誘導手段40は、シール装置1の所定箇所に移動不可に固定されている。
【0039】
本実施形態のシール装置1においては、搬送路10によって図中X方向に搬送される被加工物90は、図1に示すように、加工ロール20,30による加圧前(図1中符合Aで示すシール部形成位置)までは、両ロール20,30からの離間距離が等しくなるように、水平方向に搬送されるが、加工ロール20,30による加圧後、シール部形成位置Aを越えた後は、シール部形成位置Aよりも搬送方向Xの後端側で且つ上側加工ロール20の近傍に配置された誘導部材40によって、上側加工ロール20の周面部20aに接近し、下側加工ロール30の周面部30aから遠ざかる。この偏倚状態においては、通常、被加工物90は上側加工ロール20の周面部20aに接触せず、周面部20aと被加工物90との間には隙間が形成されている。被加工物90は、このように上側加工ロール20側に偏倚した状態で所定距離搬送された後、誘導部材40上を通過して、次工程に搬送される。被加工物90は、図1に示すように、誘導部材40上を通過するときに、上側加工ロール20側への偏倚状態が解消されて水平状態とされ、次工程に搬送される。次工程は、図示していないが、シール部形成位置Aにおける被加工物90の加工工程と、略同一平面上で実施される。
【0040】
本実施形態のシール装置1においては、このように、加圧後の被加工物90を上側加工ロール20の周面部20a側に偏倚させて搬送しているところ、上側加工ロール20は、破断伸度が相対的に大きい、即ち、破断伸度が下側帯状シート92との比較において大きい、上側帯状シート91と対向している加工ロールである。つまり、本実施形態のシール装置1においては、誘導手段40により、加圧後の被加工物90が、破断伸度が相対的に大きい帯状シート91と対向している加工ロール20側に偏倚して搬送されるようになされている。
【0041】
また、本実施形態のシール装置1においては、2本の加工ロール20,30は、被加工物90を加熱するときの加熱温度(周面部20a,30a及び加工部21,31の表面温度)が互いに異なっており、上側加工ロール20の方が、下側加工ロール30よりも、加熱温度が低く設定されている。このように、上下加工ロールで加熱温度を異ならせている理由は、被加工物90を構成する上下2枚の帯状シート91,92の厚み等が互いに異なるためである。前述したように、上側帯状シート91の方が、下側帯状シート92よりも厚みが小さいため、本実施形態においては、厚みが相対的に小さい上側帯状シート91と接触する、上側加工ロール20の加熱温度を、厚みが相対的に大きい下側帯状シート92と接触する、下側加工ロール30の加熱温度よりも低く設定している。両ロール20,30の加熱温度は、各ロールが接触・加圧する帯状シートを溶着可能な範囲に設定される。両ロール20,30の加熱温度の差の絶対値は、特に制限されないが、好ましくは60〜120℃、更に好ましくは70〜110℃である。
【0042】
このように、本実施形態のシール装置1においては、2本の加工ロール20,30の加熱温度が互いに異なっており、上側加工ロール20は、下側加工ロール30との比較において加熱温度が低い。つまり、本実施形態のシール装置1においては、誘導手段40により、加圧後の被加工物90が、加熱温度が相対的に低い加工ロール20側に偏倚して搬送されるようになされている。
【0043】
本実施形態のシール装置1によれば、誘導手段40を具備している点以外は、従来のこの種のヒートシール加工用のシール装置と基本構成が略同じであるにもかかわらず、誘導手段40の採用によって、加圧後(シール部94形成後)の被加工物90を、2本の加工ロールのうちの一方の加工ロール20側に偏倚させて搬送させるようにしたことにより、被被覆体93の厚みが比較的大きい場合であっても、シール部93の口開きやエッジ切れを効果的に防止することができ、ヒートシール加工において高いシール品質を安定して得ることができる。シール装置1によれば、設備の大型化や複雑化、製造コストの高騰を招かずに、シール加工速度を速めること可能である。
【0044】
誘導手段40を採用し、加圧後の被加工物90を上側加工ロール20側に偏倚させて搬送させることにより、高いシール品質が安定して得られるようになる理由は定かではないが、シール加工が施されて熱溶解した、シート91,92の構成成分である樹脂が、シール加工後に再結晶化する時間を比較的長く確保することができるようになり、また、シール加工後の被加工物90の上側加工ロール20側への偏倚搬送によって、上側加工ロール20側のシート搬送経路が短縮され、これにより、下側帯状シート92に比して伸長されている上側帯状シート91の応力が緩和されるためと推察される。
【0045】
前述した誘導手段40による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、加圧後の被加工物90は、一方の加工ロール20側に偏倚して搬送されるときに、その偏倚状態を、図6に示すように、加工ロール20側への偏倚角θにして3°〜40°、特に5°〜30°の範囲を維持することが好ましい。偏倚角θは、シール部形成位置Aにおける加工ロール20の接線(水平線)L1と、シール部形成位置Aの搬送方向Xの中心(接線L1とシール部形成位置Aの加工部21を搬送方向Xに二分する仮想直線A1との交点)と誘導手段40の加工ロール20側の端とを結ぶ仮想直線L2とのなす角度である。
【0046】
また、同様の観点から、被加工物90がシール部形成位置Aを通過してから誘導部材40に到達して加工ロール20側への偏倚状態が解消される(水平状態になる)までの、被加工物90の水平方向搬送距離L5(図6参照)は、好ましくは40〜80mmである。
【0047】
また、同様の観点から、誘導部材40は、シール部形成位置Aにおける被加工物90の位置を基準として、該基準よりも5〜30mm、特に10〜20mm上方に設けられていることが好ましい。つまり、図6において、シール部形成位置Aにおける被加工物90と、誘導部材40の上面(水平な上面)との間の距離(被加工物90の垂直方向搬送距離)L6が、前記範囲にあることが好ましい。
【0048】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態では、シール装置1によって形成されるシール部94は、MDと直交する方向(CD)に延びる直線状であったが、本発明に係るシール部は、MDと交差していれば良く、例えば、被加工物90をCDに斜行して横断するものであっても良く、また、平面視における形状は、直線に限られず曲線であっても良い。また、前記実施形態では、被加工物90を構成する2枚の帯状シート91,92は、互いに構成が異なっていたが、同じであっても良い。また、前記実施形態では、誘導部材40は板状であったが、誘導部材40の形状は特に制限されず、例えば、加工ロール20,30の如き円筒形状(ロール状)であっても良い。
【0049】
また、本発明の適用範囲は、前述した発熱具に制限されず、本発明に係る被加工物は、種々の物品の中間体であっても良く、例えば、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品の中間体であっても良い。被加工物90の所定箇所にシール加工を施して得られる被覆構造である物品100(図5参照)が吸収性物品100である場合、被被覆体93は液保持性の吸収体であり、帯状シート91,92は、該吸収体の上下面を被覆する表面シート、裏面シートの原反である。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
【0051】
〔実施例1〕
シール部94(横シール部)形成用の加工部21,31のみを有する2本の加工ロール20,30に代えて、シール部94形成用の加工部とシール部95(縦シール部)形成用の加工部とが周面部に一体的に形成された2本の加工ロール(図示せず)を用いた以外は、前述した図1に示すシール装置1と略同様の構成のシール装置(誘導手段40を備えたシール装置)を用い、被加工物に対してヒートシール加工を実施し、該被加工物に、前述したシール部94,95と同様の横シール部及び縦シール部を形成した。実施例1では、前記2本の加工ロールの加熱温度(シール温度)を下記表1のように種々変更して、異なるシール温度でシール部94,95を形成した。下記表1中、上軸は上側加工ロール、下軸は下側加工ロールを意味する。シール部94,95の形成後、誘導手段を用いて被加工物を、図1に示す如く、上側加工ロール20側に偏倚させて搬送した。偏倚角θ(図6参照)は15°、水平方向搬送距離L5(図6参照)は55mm、垂直方向搬送距離L6(図6参照)は14mmであった。斯かる被加工物の偏倚搬送後、各シール部94を搬送方向X(MD)に二分する位置で切断して、長さ62mm×幅61mm、シール部95の幅2.5mmの物品100(発熱具)を製造した。
【0052】
実施例1で用いた被加工物は、図3及び図4に示す被加工物90と概ね同じ構成である。上側帯状シート91として、株式会社興人製の透過防水性フィルム(商品名「TSF−EU」、単層高分子樹脂フィルム)を用いた。下側帯状シート92として、日東ライフテック株式会社製の通気性ポリエチレン多孔質フィルム(商品名「ブレスロン」)を用いた。ブレスロンは、図4に示す如き3層構造であり、第1層92aはポリエチレン多孔質層、第2層92bは通気性接着層、第3層92cはポリエステル系不織布である。被被覆体93として、長さ49mm×幅49mm×厚み1.2mmの発熱体を用いた。シール部94の幅W(図3参照)は5mmとした。
【0053】
〔比較例1〕
誘導手段を使用せず、加圧後(シール部形成後)の被加工物を、加圧前と同様に、2本の加工ロールそれぞれからの離間距離が等しくなるように水平方向に搬送した以外は、実施例1と同様にして被加工物に横シール部及び縦シール部を形成し、発熱具を製造した。
【0054】
〔評価〕
実施例及び比較例のサンプル(発熱具)について、シール部の品質を下記評価方法に従って評価した。その結果を下記表1に示す。
【0055】
<シール部の品質の評価方法>
サンプル数を5とし、全てのサンプルが下記A)及びB)を具備している場合を○、それ以外の場合を×とした。下記B)の剥離強度は、JIS−Z−0238に規定された試験方法に従って測定される。
A)サンプルの目視観察において、シール部に口開きやエッジ切れが見られない。
B)横シール部(シール部94)の剥離強度(180度剥離)が1.5N/15mm以上。
【0056】
【表1】

【0057】
表1の欄外には、実施例1及び比較例1それぞれにおいて、シール部の品質評価で○となった範囲を示している。表1に示す結果から明らかなように、実施例1は比較例1と比べて、上側及び下側の加工ロールで良品を形成できる温度範囲が広いことが確認できた。このことから、ヒートシール加工において、口開きやエッジ切れの無い、高いシール品質を得る上で、前述した誘導手段を用いて、加圧後の被加工物を、上側加工ロールの周面部側に偏倚して搬送することが有効であることがわかる。
【符号の説明】
【0058】
1 シール装置
10 搬送路
20 上側加工ロール
20a 上側加工ロールの周面部
21 上側加工ロールの加工部
30 下側加工ロール
30a 下側加工ロールの周面部
31 下側加工ロールの加工部
40 誘導手段
90 被加工物
91 上側帯状シート
92 下側帯状シート
93 被被覆体
94 シール部(横シール部)
98 口開き
99 エッジ切れ
100 物品(被被覆体の被覆構造)
A シール部形成位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物の搬送路に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロールを備え、重ね合わされた2枚の帯状シート及び両帯状シート間に介在配置された被被覆体を含んで構成される、被加工物を、該搬送路を介して、所定温度に加熱された2本の該加工ロール間に搬送し、該被加工物における該被被覆体の存在していない箇所を2本の該加工ロールで加圧し、該両帯状シートどうしを溶着することにより、該箇所に、該被加工物の搬送方向と交差する方向に延びるシール部を形成するシール装置であって、
前記搬送路は、2本の前記加工ロールによる加圧後の前記被加工物を、2本の該加工ロールのうちの一方の加工ロール側に誘導する誘導手段を備えており、該誘導手段により、加圧後の該被加工物が、該一方の加工ロール側に偏倚して搬送されるようになされているシール装置。
【請求項2】
2枚の前記帯状シートは、破断伸度が互いに異なっており、前記誘導手段により、加圧後の前記被加工物が、該破断伸度が相対的に大きい帯状シートと対向している前記加工ロール側に偏倚して搬送されるようになされている請求項1記載のシール装置。
【請求項3】
2本の前記加工ロールは、加熱温度が互いに異なっており、前記誘導手段により、加圧後の前記被加工物が、該加熱温度が相対的に低い前記加工ロール側に偏倚して搬送されるようになされている請求項1記載のシール装置。
【請求項4】
2本の前記加工ロールは、それぞれの周面部を対向させて上下に並べて配置されており、前記誘導手段により、加圧後の前記被加工物が、上側に配置された前記加工ロールの該周面部側に偏倚して搬送されるようになされている請求項1記載のシール装置。
【請求項5】
加圧後の前記被加工物は、一方の前記加工ロール側に偏倚して搬送されるときに、その偏倚状態を、該加工ロール側への偏倚角にして3°〜40°の範囲を維持するようになされている請求項1〜4の何れかに記載のシール装置。
【請求項6】
被加工物の搬送路に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロールを用い、重ね合わされた2枚の帯状シート及び両帯状シート間に介在配置された被被覆体を含んで構成される、被加工物を、該搬送路を介して、所定温度に加熱された2本の該加工ロール間に搬送し、該被加工物における該被被覆体の存在していない箇所を2本の該加工ロールで加圧し、該両帯状シートどうしを溶着することにより、該箇所に、該被加工物の搬送方向と交差する方向に延びるシール部を形成するシール方法であって、
2本の前記加工ロールによる加圧後の前記被加工物を、2本の該加工ロールのうちの一方の加工ロール側に偏倚させて搬送するシール方法。
【請求項7】
2枚のシート間に介在配置された被被覆体を具備し、該2枚のシートどうしが、該被被覆体の周囲において溶着されてシール部が形成されている、被被覆体の被覆構造の製造方法であって、
被加工物の搬送路に互いに向き合って配置されて回転駆動される2本の加工ロールを用い、重ね合わされた2枚の帯状シート及び両帯状シート間に介在配置された前記被被覆体を含んで構成される、被加工物を、該搬送路を介して、所定温度に加熱された2本の該加工ロール間に搬送し、該被加工物における該被被覆体の存在していない箇所を2本の該加工ロールで加圧し、該両帯状シートどうしを溶着することにより、該箇所に、該被加工物の搬送方向と交差する方向に延びる前記シール部を形成する工程を備え、
2本の前記加工ロールによる加圧後の前記被加工物を、2本の該加工ロールのうちの一方の加工ロール側に偏倚させて搬送する、被被覆体の被覆構造の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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