説明

シール装置

【課題】高温ガス用流路の接続個所において、特別な熱負荷が生じる条件のもとでも、長い使用期間にわたって確実なシールを保証するシール装置を提供すること。
【解決手段】流動性媒体用、特に内燃エンジンの排ガス等の高温ガス用流路7の接続個所5をシールするためのシール装置であって、接続個所5のシール面15、17にシール力をもって当接するシール部材19を有するものにおいて、シール部材19に制御部材25が付設されており、この制御部材25が機械的および熱的にシール部材19と流路7の接続個所5の面領域1、3とに連結されており、かつシール部材19を熱負荷のもとで、高いシール力を生成する状態に移行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性媒体用、特に内燃エンジンの排ガス等の高温ガス用流路の接続個所をシールするためのシール装置であって、接続個所のシール面にシール力をもって当接するシール部材を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジン分野において、特に燃費最適化および出力向上を考慮した技術の開発は、排ガス分野の温度上昇、従って排ガス高温領域のシール接続部の安定性に対する、要求の高まりをもたらす。これは、なかんずくシリンダヘッドと排気マニホールドとの間、排気マニホールドと排気ターボチャージャとの間、排気マニホールドと触媒との間、またはターボチャージャと排気管との間の移行部のシール接続部に関係している。この種の先行文献として、特許文献1〜4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ国特許第1272651A公報。
【特許文献2】ドイツ国特許第2431664A1公報。
【特許文献3】ヨーロッパ特許第1177367B1公報。
【特許文献4】ドイツ国特許第60309891T2公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高価な耐熱合金材料から成る金属シール部材が使用されるにもかかわらず、公知のシール装置は、熱負荷が厳しいとき、十分な寿命に関する要求をしばしば満たさないことがある。
【0005】
前記した問題性を考慮して、本発明の課題は、高温ガス用流路の接続個所において、特別な熱負荷が生じる条件のもとでも、長い使用期間にわたって確実なシールを保証するシール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によればこの課題は、請求項1に記載の特徴をその全部として有する、シール装置によって解決される。
【0007】
請求項1の特徴部分によれば、本発明の本質的特徴は、発生する熱負荷、機械負荷によってシール部材が影響を受け、または専らそれらによって影響されるだけでなく、シール部材に付設された制御要素(制御部材)が付加的補助手段または支持手段として機能し、熱負荷時にシール部材に影響を及ぼし、高まったシール力がシール面に生成されるようにすることにある。
【0008】
前記制御部材はさまざまな仕方で有効とすることができる。例えば、接続個所のフランジ部品、シール部材および制御部材から成る複合体全体の熱膨張時に、膨張率の違いが、シール部材と制御部材との間で作用するような諸力を生成させ、つまりシール力を高める補助力、またはシール部材の変形を妨げる支持力を生じさせることは、例えば、それらの熱膨張率を好適に選択することによって達成することができる。
【0009】
特別有利な実施例において、前記シール部材は、リング中心軸線から異なる半径方向の距離を有するリング外被領域を備えたリング部材によって形成されており、リング部材の半径方向で最も外側または半径方向で最も内側にある平面状リング外被領域は、半径方向のシール力で起きるシール面への当接のための少なくとも1つのシール領域を形成し、これらのシール面は流路の中心軸線と中心軸線が同軸で互いに一直線に並んだ状態で接続個所に形成されている。
【0010】
その際、シール装置は有利にはラジアルシールを形成することである。一般に、流路を取り囲むフランジ部品にほぼ直接的に当接することによって、リブ付きまたはリブなしのフラットシールがかなり強く熱負荷を受けるアキシャルシールと比較して、接続個所のフランジ部品の付属するシール面と、流路の直接的高温域との間に設けられている、半径方向の距離のゆえに、リング部材の半径方向の末端側に設けられるシール領域の改良された断熱が与えられている。
【0011】
前記制御部材は内部リングによって形成しておくことができ、この内部リングは、リング部材の当接面の半径方向の諸力に抗してリング部材で支えるべく、シール部材となるリング部材に当接する。
【0012】
前記内部リングは、異形化されていない単純な中実リングとすることができる。
【0013】
特別有利な実施例としては、前記内部リングが、側部外周面を有する金属製の異形リングであり、これらの外周面が外側円環状面を形成し、これらの円環状面がリング中心軸線に垂直な平面に位置していることである。前記内部リングをこのように形成すると、半径方向だけでなく軸線方向においても作用する諸力を伝達するために、内部リングがその外側円環状面でリング部材の他の当接面にも当接できることになる。これにより、半径方向のシール力を強める補助力を補足して、付加的な軸線方向の補助力もシール部材に伝達可能となる。
【0014】
特別有利には、前記内部リングがU形横断面の形材を有し、この形材が軸線方向の外側円環状面を接続する横方向の形材腹部を有し、この形材腹部の外面が半径方向の諸力に抗してリング部材を支えるべく、リング中心軸線と中心軸線を同軸とする円筒状の当接面を形成するように、配置をすることである。
【0015】
特別有利な実施例では、シール部材となるリング部材が異形リングの態様に形成されており、異形リングの半径方向で最も外側にある中央リング外被領域に、両側で側部形材脚部が続き、これらの形材脚部が折られ又は折り曲げられて半径方向内方に、制御部材となる内部リングの方へ延び、且つ内部リング用に当接面を形成する。シール部材をこのようにリブ付きリング部材の態様に形成すると、接続個所のシール面との協動は、リング中心軸線方向の広がりの全体にわたってではなく、半径方向で最も外側にあるリング外被領域でのみ生じ、接触面積が減少するために、シール力を生成する接面圧力が高まる。
【0016】
好ましくは、前記形材脚部が平面状の形態を有することである。
【0017】
有利な実施例では、折られてやはり平面状に延びる端区域が形材脚部に続くように、前記リング部材が形成されていることである。前記端区域は、内部リングの形材腹部の当接面用の、同軸当接面を形成する。
【0018】
シール部材となるリング部材は、周方向足部を備えておくことができ、つまりリング部材の円環状面となる外側にある足部が形材脚部またはその端区域に続き、この足部が内側で、内部リングの外側円環状当接面用の当接面を形成するように形成されている。その結果、シール部材となるリング部材は内部リングで半径方向の諸力に抗して支えられるだけでなく、リング部材の環状空間の内部に受容された内部部材用の囲いともなる。すなわち、リング部材と内部部材は、両方の部材が半径方向の諸力および軸線方向の諸力に抗して、相互に支え合う複合体となる。この支えは、リング中心軸線方向の厚さを増大させる中実突部を円環状面の1つに形成することによって、最適化することができる。
【0019】
特別有利な実施例としては、前記リング部材と内部リングが環状溝内に受容され、これらの環状溝が流路の接続個所に、例えば、接続個所で相隣接するフランジ部品に形成されているような配置を講じておくことである。その際、環状溝の深さとシール部材の軸線方向の寸法は、環状溝の底面が、負荷のもとでのリング中心軸線方向の漸動を防止し、つまり突部の高さを決定する形材脚部の平坦化が起き得ないように選択されていることである。
【0020】
前記シール装置が特別強い熱負荷を受けるような利用の目的で使用される場合、有利には、制御部材となる内部リングが多層に形成され、且つ半径方向で流路に最も近い断熱材から成る少なくとも1つの層と、本来の制御要素(制御部材)としての他の金属層とを有するような、配置を講じておくことである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】排ガス流路の接続個所のその中心(中心軸線)から片側の部分を、実際の実施形態に比べて著しく拡大した状態で、その概略の構成を部分縦断面図として表したものであり、機能原理を明確にするためにシール装置の部品の細部および寸法設計を一部誇張して大きく図示した図である。
【図2】本発明にかかるシール装置の、図1とは異なる他の5つの実施例の一つを表した図1と同様の図である。
【図3】本発明にかかるシール装置の、図1等とは異なる他の5つの実施例の一つを表した図1と同様の図である。
【図4】本発明にかかるシール装置の、図1等とは異なる他の5つの実施例の一つを表した図1と同様の図である。
【図5】本発明にかかるシール装置の、図1等とは異なる他の5つの実施例の一つを表した図1と同様の図である。
【図6】本発明にかかるシール装置の、図1等とは異なる他の5つの実施例の一つを表した図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0022】
以下に、図面に示した実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。
【0023】
図において、符号1、3で表されたフランジ部品が流路7の接続個所5で相隣接して設けられており、この流路7は流れを示す矢印9で示すようにその長手方向の軸線(中心軸線)11に沿ってガス流が流通可能となっている。
【0024】
前記フランジ部品1、3は、シール装置用シート(座部)として、接続個所5で開口した各1つの環状溝13を有する。この環状溝13の半径方向外側にある側壁15もしくは17は、互いに一直線に並んで流路7の中心軸線11と中心軸線を同軸とする環状面を形成する。これらの環状面は、全体を符号19で表された、シール部材として機能するリング部材19の、主シール領域と協動して、前記接続個所5にラジアルシールを形成する。フランジ部品1、3の相隣接時に環状溝の底面21もしくは23の間の距離が、リング部材19の軸線方向の幅に一致し、組込まれたリング部材19が、半径方向の諸力で負荷時に底面21、23で支えられることによって、軸線方向の漸動に備えて支えられるように、環状溝13、14の深さは選択されている。
【0025】
前記シール部材の動作挙動に影響を及ぼす制御部材として機能する内部リング25が、図1〜図3に示す実施例では金属異形リングの態様をしており、より正確に述べるならU形横断面の形材の形態を有する。両側の短い側部脚34は長い形材腹部36によって接続されている。内部リング25の外面はリング中心軸線35と中心軸線を同軸とする円筒状当接面33を形成し、この当接面33でリング部材19は半径方向の諸力に備えて支えられている。内部リング25の側部脚34の側部外周面が外側円環状面37を形成し、これらの円環状面37はリング中心軸線35に対して垂直な平面となっている。
【0026】
シール部材として機能する前記リング部材19は、やはりリブ付き異形リングの態様に形成されている。半径方向で最も外側にある中央の平面状リング外被領域27は、環状溝13、14の側壁15、17によって形成されるシール面に、ラジアルシールを形成する。この隆起したリング外被領域27に、両側で折られた(斜めになった)形材脚部29が続き、形材脚部29は斜めに内部リング25の方へ向かって延びている。図1に示す実施例では、前記形材脚部29にそれぞれ平面状端部31が外径方へ続く。これらの端部31は前記リング部材19の軸線方向端縁まで延び、前記内部リング25の当接面33で支えるために、流路7の中心軸線11に一致したリング中心軸線35と中心軸線を同軸とする接触面を形成する。図1の実施例では、前記内部リング25の軸線方向の幅が前記環状溝13、14のトータル深さに一致しており、該環状溝13、14の底面21、23は内部リング25の外側環状面37のための当接面を形成する。前記内部リング25は、その半径方向の内側にある側縁40が、環状溝13、14の半径方向内側にある壁43、45の内面39、41で支えられている。
【0027】
前記壁43、45の厚さに応じて、前記リング部材19と内部リング25とから成るシール装置が、流路7に対して断熱される。熱負荷のとき、内部リング25のリング中心軸線35に垂直な方向での選択された熱膨張率によって、複合体全体の膨張と比較して、(中心軸線11、リング中心軸線35を基準に)半径方向において、リング部材19の方を向く補助力を生成することができる。この補助力はリング外被領域27で付加的シール力として、シール面として機能する側面15、17に、作用する。前記リング部材19の突部の平坦化、すなわちリング部材19のリング中心軸線方向の漸動は、環状溝13、14の底面21、23で支えることによって防止されている。作動時にシール装置の内部空間47内で増圧されるガス圧力はシール力をさらに高めるのに寄与する。自明のことであるが、前記壁43、45は短く構成しておくことができ、必ずしも接続個所5で突き合わせられるように形成しておく必要はない。
【0028】
図2の実施例は、リング部材19の中央リング外被領域27から折られた形材脚部29が環状溝の底面21、23にまで延び、そこで円環状面となる足部49に移行し、この足部49がリング部材19を半径方向で延長するよう構成されているところが、図1に示す実施例のものと相違している。前記足部49の内側円環状面は、内部リング25の外側環状面37用の当接面51を形成する。
【0029】
この実施例では、熱負荷のとき前記内部リング25によって、リング部材19に半径方向へ作用する補助力を生成できるだけでなく、足部49の当接面51を介して、該足部49をシールして底面21、23に押付ける軸線方向の補助力をも生成することができる。
【0030】
図3に示す実施例では、リング部材19がやはりその足部49によって半径方向で延長されており、この足部49に内部リング25から軸線方向の補助力が伝達できるように構成されている。しかし、図2に示す実施例とは異なり、この足部49は斜めに折られた形材脚部29に直接移行するのではない。この形材脚部29からは、図1に示す実施例のように、軸線方向に延びる端部31が延設されており、かかる端部31の末端が直角に折られた前記足部49に移行している。この実施例では、図1に示す実施例の場合と同様に、内部リング25の腹部36の当接面33と、リング部材19の平面状端部31との間で、比較的大きな面積による当接状態が得られる。同時に、シール部材として機能する内部リング25のための、制御部材によって半径方向の補助力の他に軸線方向の補助力も、リング部材19へ伝達でき、前記足部49と環状溝13、14の底面21、23との間にも、シール力が生成できる。
【0031】
以上、内部リング25がU形横断面の異形リングの態様をした実施例に基づいて本発明を説明した。別の構造の形態も考えられことは言うまでもない。重要なことは、複合体の熱負荷が、リング部材19に作用するシール力の強化をもたらすように、シール部材として機能するリング部材19と内部リング25が協動するということだけである。前述のU形異形リングの代わりに、中身の詰まった中実リングを設けておくことも可能である。特定の熱特性を有する充填材から成る充填物、例えば、多孔質の充填材または粒子状の充填材のゲル状の充填物を、密閉環状空間内に有するリングを設けておくことも可能である。
【0032】
前記内部リング25は、図4に示す他の実施例におけるように、多数の部分で構成された形態にしておくこともできる。その際、内部リング25は、図1に示す実施例においても該当するように、シール部材として機能する同じ構造を有する形態のリング部材19と協動する。しかし、かかる内部リング25は軸線方向の末端に位置する2つの円環状板67を備えており、かかる円環状板67は、この内部リング25の周方向外被部材を形成する金属ベローズ69を介して、互いに接続されている。作動時に空間47内で増圧されるガス圧力は、前記ベローズ69の膨張を介して、付加的シール力として作用し、つまりこの環状板67の外面71を環状溝13もしくは14の各底21、23に押付けるように作用し、図1に示す実施例におけると同様に、半径方向の力がこの環状板67の末端を介してリング部材19の端部31に伝達され、こうして半径方向のシール力が強まり、かかるシール力でリング外被領域27がシール面15、17に押付けられる。
【0033】
図5は、多層で構成された内部リング25の他の形態の実施例を示しており、この内部リング25は、図1におけると同様に、シール部材として機能する同じ構造の形態のリング部材19と協動する。しかし、この内部リング25は、半径方向に積層された各2つの扁平リングを形成する2つの層61、63で形成されており、流路7に対して半径方向に隣り合っている層61は、断熱材、例えばマイカ、セラミックまたはガラスウールで構成されている。半径方向外側に続く前記層63は、シール部材(リング部材19)と協動するための本来の制御部材(制御要素)となる金属層である。
【0034】
図6に示す他の実施例では、図2に示した実施例と同じように構成されている。しかし、図2の実施例との違いは、内部リング25が異形リングによって形成されているのでなく、矩形状の壁横断面を有する中実リングで構成されていることである。図2に示す実施例におけると同じく、内部リング25の外側環状面37は、リング部材19の足部49によって包持されている。しかし、図6に示す実施例では、足部49の外側円環状面55が底面21、23に平面的に当接しているのでなく、軸線方向外方に突出する中実突部57が足部49内に形成されており、押付ける軸線方向の補助力がこの中実突部を介して生成され、この補助力が足部49と底面21、23との間で有効となってシールすることができる。寸法設計によって中実突部57の突部による押圧力は適切に調整することができる。付加的に、熱膨張によって加算的に前記突部による力が生成され、これが軸線方向のシール力として作用する。
【0035】
以上に示した実施例では、流路7から半径方向へ離れた制御部材側に、シール部材(シール要素)がそれぞれ配置されている。自明のことであるが、シール部材(シール要素)19は半径方向内側にある溝内面に当接することもできることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明にかかるシール装置は、流動性媒体用、特に内燃エンジンの排ガス等の高温ガス用流路の接続部のシール装置等として利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1,3…面領域
5…接続箇所
15,17…シール面
19…シール部材
25…内部リング(制御部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性媒体用、特に内燃エンジンの排ガス等の高温ガス用流路(7)の接続個所(5)をシールするためのシール装置であって、前記接続個所(5)のシール面(15、17)にシール力を有して当接するシール部材(19)を具備したシール装置において、
前記シール部材(19)に制御部材(25)が付設されており、この制御部材(25)が、機械的および熱的に、該シール部材(19)と流路(7)の接続個所(5)の面領域(1、3)に連結されており、かつ、該シール部材(19)を熱負荷のもとで、高いシール力を生成する状態に移行させることを特徴とするシール装置。
【請求項2】
前記シール部材19が、リング中心軸線(35)から異なる半径方向の距離を有するリング外被領域を備えたリング部材(19)であり、半径方向で最も外側にある平面状リング外被領域(27)が、半径方向のシール力で生じるシール面(15、17)への当接のための少なくとも1つのシール領域を形成し、これらのシール面(15、17)が前記流路(7)の中心軸線(11)と同軸で互いに一直線に並んで接続個所(5)に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のシール装置。
【請求項3】
前記制御部材(25)が内部リング(25)によって形成されており、この内部リング(25)が、リング部材(19)の当接面(33)の半径方向の諸力に抗してリング部材(19)で支えるために、該リング部材(19)に当接することを特徴とする、請求項1または2記載のシール装置。
【請求項4】
前記内部リング(25)が中実リングであることを特徴とする、請求項3記載のシール装置。
【請求項5】
前記内部リング(25)が、側部外周面を有する金属異形リングであり、これらの外周面が外側円環状面(37)を形成し、これらの円環状面がリング中心軸線(35)に垂直な平面にあることを特徴とする、請求項3記載のシール装置。
【請求項6】
軸線方向で有効な諸力を伝達するために、前記内部リング(25)が、その外側円環状面(37)で、リング部材(19)の他の当接面(51)にも当接することを特徴とする、請求項4または5記載のシール装置。
【請求項7】
前記内部リング(25)がU形横断面の形材を有し、この形材が、軸線方向外側の円環状面(37)を接続する横方向の形材腹部(36)を有し、この形材腹部(36)の外面が、半径方向諸力に抗してリング部材(19)を支えるために、リング中心軸線(35)と中心軸線を同軸とする円筒状当接面(33)を形成することを特徴とする、請求項5または6記載のシール装置。
【請求項8】
前記シール部材となるリング部材(19)が異形リングの態様に形成されており、異形リングの半径方向で最も外側にある中央リング外被領域(27)に、その両側に側部形材脚部(29)が続き、これらの形材脚部(29)が折られまたは折り曲げられて半径方向内方に、制御部材となる内部リング(25)の方へ延び、且つこの内部リング用に当接面を形成することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1の項記載のシール装置。
【請求項9】
前記形材脚部(29)が平面状に延びていることを特徴とする、請求項8記載のシール装置。
【請求項10】
折られて平面状に延びる端区域(31)が、形材脚部(29)に続くことを特徴とする、請求項8または9記載のシール装置。
【請求項11】
前記端区域(31)が、前記内部リング(25)の形材腹部(36)の当接面(33)用の同軸当接面を形成することを特徴とする、請求項10記載のシール装置。
【請求項12】
前記リング部材(19)の円環状面となる外側に存在する足部(49)が、形材脚部(29)またはその端区域(31)に続き、この足部(49)が内側で、内部リング(25)の外側円環状当接面(37)用の当接面(51)を形成することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項記載のシール装置。
【請求項13】
軸線方向で突出する中実突部(57)が、前記足部(49)の軸線方向外側にある円環状面(55)に形成されていることを特徴とする、請求項12記載のシール装置。
【請求項14】
シール部材となるリング部材(19)と、制御部材となる内部リング(25)が環状溝(13、14)内で挟み付けられて受容されており、これらの環状溝(13、14)が流路(7)の接続個所(5)に形成され、特に相隣接するフランジ部品(1、3)に穿設されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項記載のシール装置。
【請求項15】
前記流路(7)の中心軸線(11)を基準に、環状溝(13、14)の半径方向外側にある側面(15、17)が、リング部材(19)の半径方向のシール力をもって当接するシール領域(27)用の互いに一直線に並んだ同軸シール面を形成することを特徴とする、請求項14記載のシール装置。
【請求項16】
前記環状溝(13、14)の、流路(4)の中心軸線(11)に垂直な底面(21、23)が、前記内部リング(25)の外側環状面(37)用の支持面を形成し、またはシール部材となるリング部材(19)の前記支持面に被さる足部(49)を形成することを特徴とする、請求項14または15記載のシール装置。
【請求項17】
制御部材となる内部リング(25)が多層に形成され、且つ半径方向で流路(7)に最も近い断熱材から成る少なくとも1つの層(61)と、本来の制御部材としての他の金属層(63)とを有することを特徴とする、請求項3〜16のいずれか1の項記載のシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−2053(P2010−2053A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147233(P2009−147233)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(509053606)エーリンクリンゲル アクチエンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】