説明

ジェスチャーに基づく情報の交換のためのユーザ装置、複数のユーザ装置間でのジェスチャーに基づく情報の交換のための方法、ならびに関連する装置およびシステム

a.所定のジェスチャーによりユーザ装置の動きを識別するための識別手段と、b.さらなるユーザ装置と通信するための通信手段と、c.識別に基づいて、通信手段を用いるさらなるユーザ装置との所定の情報の交換をトリガするためのトリガ手段とを備え、さらにd.トリガ手段によってトリガされるときに交換される所定の情報を一時的に格納するようになされたバッファ手段を備えるユーザ装置が開示される。さらに、関連する方法、モジュール、補助装置、およびシステムが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームアプリケーションで使用するための、たとえば携帯電話装置のようなユーザ装置間で情報を交換するための装置、方法、およびシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的なゲーム(カードゲーム、ボードゲームなどのような)は物理的な物体であり、人々は参加するために同じ部屋にいて互いに近付いていなければならないので、これらのゲームは、多数のプレイヤーが参加するゲームの接触の感覚および社会的な側面を対象とする。
【0003】
これらのゲームには制約があるので、電子版が発売されてきた。これらのゲームはインターネット上ですることもでき、したがって、最早プレイヤーが同じ場所にいる必要はない。通常、リモートゲームをするために、次の2つの構成のうち1つが使用される。すなわちサーバベースのゲーム(図1を参照されたい)およびピアツーピア(P2P)ゲーム(図2を参照されたい)である。
【0004】
これらの電子ゲームに関する問題は、それらが一般に、伝統的な相手または伝統的なゲームの感情的および社会的な側面を失ったということである。ボタンを押すと、他のプレイヤーがどこにいても、たとえばアイコンタクト、身体的接触、または表現力豊かなジェスチャーがなくても、送信される情報が他のプレイヤーに転送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感情的および社会的な相互作用のレベルの向上をもたらす電子装置およびアプリケーションが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語が使用されるとき、これは、逐次的または時系列な順序が当然とされることを必ずしも意味しない。
【0007】
「を備える(comprising)」という用語は、他の要素またはステップを除外しないとして解釈されるべきである。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、
a.所定のジェスチャーによりユーザ装置の動きを識別するための識別手段と、
b.さらなるユーザ装置と通信するための通信手段と、
c.識別に基づいて、通信手段を用いるさらなるユーザ装置との所定の情報の交換をトリガするためのトリガ手段とを備え、さらに
d.トリガ手段によってトリガされたときに交換される所定の情報を一時的に格納するようになされたバッファ手段を備えるユーザ装置が開示される。
【0009】
所定の情報は、任意のタイプの情報とすることができる。所定の情報は、ゲームアプリケーションでユーザによって使用されることができる情報に関連できることが好ましいが、たとえばファイル共有(ジェスチャーの識別/検出によってトリガされるファイルの送信)またはリモート制御(ユーザ装置を使用して別の装置を制御する)のような他のアプリケーションは除外されない。
【0010】
情報の交換は、ユーザ装置からさらなるユーザ装置への情報の伝送、またはさらなるユーザ装置からユーザ装置への伝送、または両方のタイプの伝送を含むことができる。
【0011】
ユーザ装置およびさらなるユーザ装置は、典型的にはそれぞれ第1のユーザおよび第2のユーザによって管理される。これらのユーザ、したがってそれらの装置は、好ましくは実質的に同じ物理的場所にあるが、これは本発明のすべての実施形態で必要とは限らない。
【0012】
ジェスチャーは、典型的には装置のユーザによって実施される装置によって行われる動きである。ジェスチャーは、考え、感情、または態度を表現または強調する、通常は身体または四肢の動きとすることができるが、任意の所定の動きとすることができる。所定の動きまたはジェスチャーは、高速で容易な自動認識を可能にするようなものとすることができる。動きは、相対的または絶対的な動きを指すことができることに留意されたい。相対的な動きは、たとえばさらなるユーザ装置の物理的場所を基準とする動きとすることができる。絶対的な動きは、たとえば最初の物理的開始位置を基準とする動きとすることができる。
【0013】
ジェスチャーは1つであってもよいし、サブジェスチャーから構成されてもよいことに留意されたい。本発明の実施形態によれば、ジェスチャーは、同時にまたは順次識別/検出されることができる2つ以上の異なるサブジェスチャーを含むことができる。次に、所定のジェスチャーによる動きの識別は、異なるサブジェスチャーに関連付けられた、さまざまなジェスチャー検出手段を伴うことができる。たとえば、ジェスチャーは2つのサブジェスチャーを含むかまたはそれらからなることができる。たとえば、そのうちの一方は相対的な動きに関連付けられ、他方は絶対的な動きに関連付けられる。
【0014】
典型的な装置は、携帯電話、PDA、またはユーザが持ち運び可能な他の任意の無線もしくは携帯型の小型装置とすることができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、識別手段は、行われている所定のジェスチャーに対応して、ユーザ装置から所定の距離内にある第2のユーザ装置の存在を検出するための存在検知センサ(presence sensor)を備える。
【0016】
第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間の距離は、好ましくはそれらの装置の物理的場所間の幾何学的距離であり、より具体的にはたとえば無線技術アンテナ、送信機、受信機のようなそれぞれの距離センササブ装置の間の距離である。その距離はまた、たとえばユーザ装置の質量中心間の距離のような、各ユーザ装置上にある2つの基準点間の幾何学的距離とすることができる。距離は、任意の最先端判定法に従って測定されることができる。
【0017】
ある実施形態によれば、ユーザ装置は、好ましくはNFCフォーラムによって、さらにはISOで定められたNear Field Communication(NFC)技術と適合性があり、前記さらなるユーザ装置の存在を検出するためにNFC技術を使用する。
【0018】
ある実施形態によれば、ユーザ装置は、ジェスチャーを識別するための運動センサを備える。運動センサは動きセンサとすることができ、たとえばRF−MEMSデバイス、または基準IR発光ダイオード(LED)を備えた赤外線(IR)カメラのような加速度計とすることができる。
【0019】
ある実施形態によれば、ユーザ装置は、運動センサならびに存在検知センサを備えることができる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、バッファ手段は基本バッファロジックをさらに備える。トリガ手段は、基本バッファロジックを備えることができる。
【0021】
基本バッファロジックは、バッファの内容および動作を管理するロジックであり、少なくとも以下の:
− 前記ユーザ装置内のリポジトリと通信する機能、
− 装置に含まれる装置ロジック手段と通信する機能、
− さらなるユーザ装置との通信/情報交換を行う機能、
の任意の組合せを実施することができる。
【0022】
リポジトリは、ゲームアプリケーションまたは類似の情報交換アプリケーションの収集品(collectables)を一時的に格納し制御するようになされたデータ格納手段である。リポジトリは、バッファ手段と通信するように、またはバッファ手段によるリポジトリへのアクセスを提供するように構成されることができる。ある実施形態では、リポジトリはバッファ手段の一部とすることができる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、バッファ手段は、装置ロジック手段上で動作するプログラムによってバッファに提供されたプログラムバッファロジックをさらに備える。
【0024】
このプログラムバッファロジックは、ある種の低レベルな機能を提供することができる。これは、たとえばコード、ジェスチャーの規定、およびプロトコルとすることができる。コードは、バッファが情報に関する特定の判断(たとえばリポジトリにカードを入れる、間違った入力を無視するなど)をすることができるように伝送のたびに確認されるコードとすることができる。ジェスチャーの規定は、どのジェスチャーがどの機能をトリガするかについての規定とすることができる。プロトコルは、ゲームが情報を送受信するために使用するプロトコルとすることができる。
【0025】
所定の情報は、基本バッファロジックおよび/またはプログラムバッファロジックを用いて決定されることができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、バッファ手段は、さらなるユーザ装置とデータを交換する前にさらなるユーザ装置を識別および認証するための手段をさらに備える。
【0027】
本発明の実施形態によれば、バッファ手段は、バッファ手段内の所定の情報を暗号化するための手段をさらに備える。
【0028】
本発明の第2の態様によれば、第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間で情報を交換するための方法であって:
a.第1のユーザ装置を用いて所定のジェスチャーを行うことが第1のユーザ装置から第2のユーザ装置に向けての所定の情報交換と関連付けられるように、第1のユーザ装置および第2のユーザ装置を構成するステップと、
b.ジェスチャーを行い、これによって第1のユーザ装置から第2のユーザ装置への情報交換を実施するステップとを含み、さらに
c.所定の情報を一時的に格納するようになされたバッファ手段に所定の情報を格納するステップと、
d.ジェスチャーによってトリガされるとき、バッファから第2のユーザ装置との情報交換を実施するステップとを含むことを特徴とする方法が開示される。
【0029】
本発明の実施形態によれば、所定のジェスチャーを行うステップは、第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間の距離を第1の閾値距離未満に短縮させ、第1のユーザ装置による第1のユーザ装置の第1の閾値距離内にある第2のユーザ装置の存在の検出により第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間の情報交換が行われるステップを含む。
【0030】
本発明の実施形態によれば、所定のジェスチャーを識別するステップは、第1のユーザ装置上の運動センサによって実施される。
【0031】
本発明の実施形態によれば、所定の情報交換ステップは、さらなるユーザ装置上のどのアプリケーションが起動されるべきかを示す情報を含む。
【0032】
本発明の実施形態によれば、所定の情報交換ステップは、多数のプレイヤーが参加するゲームのステップに関連する情報を含み、ゲームは不連続性である。
【0033】
本発明の実施形態によれば、ゲームは、交換型またはやり取り型(back−and−forth type)である。
【0034】
本発明の実施形態によれば、第1のユーザ装置および第2のユーザ装置は、実質的に同じ物理的場所にあることができるが、これは、第1のユーザと第2のユーザが互いから可視範囲内にいるか、または接触範囲内にいることを意味する。第1のユーザ装置と第2のユーザ装置は、たとえば100メートル、50メートル、10メートル、5メートル、1メートル、50センチメートル、10センチメートルの距離によって物理的に区別されることができる。
【0035】
ユーザ装置とさらなるユーザ装置は、通信手段、したがってユーザ装置間の通信/情報交換に使用される通信技術によって決定される互いの通信範囲内にあるべきであることに留意されたい。この技術がたとえばブルートゥースの場合、ユーザ装置とさらなるユーザ装置は、好ましくは約10mの範囲内で互いから区別されるべきである。ユーザ装置とさらなるユーザ装置がGSMを介して通信する場合、モバイルネットワークに接続され、特定の条件が満たされるとすぐに、ユーザは範囲内にいる。
【0036】
NFC技術が情報交換のトリガに使用される場合、トリガが発生するとき、装置は明らかに互いのNFC情報交換範囲内にいる。
【0037】
本発明の実施形態は、第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間すなわち第1のユーザと第2のユーザの間の情報の交換はそれぞれ、社会的および感情的な経験の増加を伴って行われることができるという利点を提供する。たとえばボタンを押すこととは対照的に、ジェスチャーを行うことによって、ユーザは他のユーザとのより伝統的でより社会的な相互作用を経験することができる。
【0038】
この経験は、第1のユーザおよび第2のユーザが実質的に同じ物理的場所にあり、それによって第1のユーザと第2のユーザが互いに見たり互いに接触したりすることができるときに、さらに強化されることができる。第1のユーザと第2のユーザ、したがって第1のユーザ装置と第2のユーザ装置が実質的に同じ物理的場所にあるとき、最先端の電気通信技法、またはこのような最先端の電気通信技法に適合していることは、前記ジェスチャーを認識するために使用されることができる。たとえば、所定のジェスチャーを行うステップが第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間の距離を短縮するステップを含むとき、near field communication(NFC)技術を使用することができ、それによって約1センチメートル−最大10、20、30センチメートルである送信機と受信機の間の距離での情報の転送が可能になる。次に、第1のユーザおよび第2のユーザ、ならびに対応するユーザ装置は、第1のユーザ装置と第2のユーザ装置を互いに近付けることによって情報を交換することができる。これは、たとえば第1のユーザ装置を第2のユーザ装置に近付けることによって、または第2のユーザ装置を第1のユーザ装置に近付けることによって行われることができ、それによって第2のユーザ装置および第1のユーザ装置はそれぞれ同じ位置に保たれる。あるいは、両方のユーザ装置を互いに向けて近付け、接触するかまたは特定の位置で、典型的には第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の位置の間のどこかで所定の閾値距離未満の距離に達することができる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によれば、閾値距離は、情報交換を実施するために使用される技術によって決定される。上述のように、たとえばNFC技術の場合、閾値距離は約10センチメートルに設定されることができ、より機能的に記述すると、閾値距離は、NFC技術によって第1の装置と第2の装置の間の通信が可能になる距離に設定されることができる。たとえばブルートゥース、赤外線、または他の短距離通信技術のような他の技術を使用するとき、異なる距離が適用可能なことがある。
【0040】
たとえば信号強度および環境パラメータは、エラーのない通常の通信が行われ得る距離に影響を及ぼすことができるので、閾値距離は限られた範囲内で変化することができることを理解されたい。
【0041】
本発明の実施形態によれば、閾値距離は、たとえば使用されるそれぞれの技術に応じて約100、10、5、1センチメートルの限られた変動を有する。これは、所定の閾値距離は可変とすることができるだけでなく、所定の閾値距離が定義されると、装置の実際の距離測定はたとえば約1、5、10、100センチメートルの限られた変動内で変化することがあることを意味する。たとえば、低電圧レベルで、装置は、より長い距離にわたって通信を可能にできないことがあり、情報を交換する前に他のユーザ装置に対してより短い距離に達するまで待機することができる。
【0042】
本発明の好ましい実施形態によれば、閾値距離はゼロとすることができ、これは、情報交換が行われる前に第1のユーザ装置と第2のユーザ装置が物理的に接触することを意味する。このような技術の例は、接触板またはケーブルである。
【0043】
本発明の実施形態によれば、所定のジェスチャーは少なくとも部分的に、または全体的に、第1の(または第2の)ユーザ装置上のジェスチャーセンサによって識別される。
【0044】
本発明の実施形態によれば、所定の情報交換は、交換情報を受信しているユーザ装置上のどのアプリケーションが起動されるべきかを示す情報を含むことができる。
【0045】
本発明の実施形態によれば、所定の情報交換、および該当する場合は任意のさらなる情報交換は、情報を送信しているユーザ装置上のどのアプリケーションが起動されたかを示す情報を含むことができる。
【0046】
本発明の実施形態によれば、情報交換は、2人のプレイヤーまたは多数のプレイヤーが参加するゲームのステップに関連する情報を含み、ゲームは不連続性である。不連続性である場合、それは、情報の連続的な交換が行われる連続性のゲーム(たとえば2人のプレイヤーまたは多数のプレイヤーが参加するアクションゲーム)とは対照的に、ゲームが第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間の有限量の情報交換ステップを含むことを意味する。
【0047】
好ましい実施形態によれば、ゲームは交換型またはやり取り型である。
【0048】
本発明の第3の態様によれば、さらなるユーザ装置に送られる所定の情報を一時的に格納するようになされ、かつユーザ装置を用いて行われた所定のジェスチャーの識別から生じたトリガを受信すると所定の情報を送るようになされた、ユーザ装置と組み合わせて使用するためのバッファモジュールが説明されている。
【0049】
このバッファモジュールは、バッファ内の情報の存在および交換を管理するための基本バッファロジック手段およびプログラムバッファロジック手段をさらに備える。
【0050】
バッファモジュールはさらに、暗号化された形式で所定の情報を格納するようになされることができる。
【0051】
バッファモジュールは、ユーザ装置内で装置ロジック手段とジェスチャー制御手段の間に置かれることができる。
【0052】
バッファモジュールは、ユーザ装置内で装置ロジック手段およびジェスチャー制御手段と通信するようになされることができる。ジェスチャー制御手段は、ジェスチャー識別手段を備えることができる。
【0053】
バッファモジュールは、ユーザ装置に統合されることができる。
【0054】
バッファモジュールは、別個の補助装置に統合されることもできる。この補助装置は、ユーザ装置と通信するようになされ、かつ任意選択でユーザ装置に取り付けられるようになされる。
【0055】
本発明の第4の態様によれば、主ユーザ装置と通信するようになされた補助ユーザ装置であって、
− 本発明の第3の態様によるバッファモジュールと、
− 所定のジェスチャーにより補助ユーザ装置の動きを識別する識別手段とを備える補助ユーザ装置が開示される。
【0056】
この補助装置は、本発明の実施形態による関連機能を演繹的に有さない(関連機能のすべてを有するとは限らない)ユーザ装置にそれぞれの機能を提供することができる。
【0057】
前記ユーザ装置に接続されている間に前記バッファモジュールに提供され、かつジェスチャーの検出によってトリガされる所定の情報の交換は、情報の交換の時点でユーザ装置に接続されることがなくても補助装置自体によって実施されることができる。交換の後、補助装置は、異なるステップでユーザ装置と通信/同期することができる。これにより、ユーザがユーザ装置を持ち歩く必要がないという利点が得られる。
【0058】
ある実施形態によれば、補助ユーザ装置は、好ましくはNFCフォーラムによって、さらにはISOで定められたNear Field Communication(NFC)技術と適合性があり、前記さらなるユーザ装置の存在を検出するためにNFC技術を使用する。
【0059】
本発明の第5の態様によれば、一組の少なくとも2つのユーザ装置間で情報を交換するためのシステムであって、その一組のうちの各ユーザ装置は本発明の第1の態様によるものであり、本発明の第2の態様による方法を実施できるようになされたシステムが開示される。このようなシステム内にある1つまたは複数のユーザ装置(複数可)(たとえば1つまたは2つ)は、本発明の第4の態様による補助ユーザ装置も備えるかまたはこれからなることができることに留意されたい。
【0060】
ジェスチャーを行うこと、および第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間、または第2のユーザ装置と第1のユーザ装置の間それぞれの関連付けられた情報の転送は、同時にまたは異なる時点で発生することができることを理解されたい。これは、上述のように第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間の距離を短縮させる際の種々の選択肢と結び付けられることができる。これはまた、たとえばゲームの状況のような情報交換の状況とも結び付けられることができる。ある種のゲームアプリケーションのような、いくつかのアプリケーションでは、たとえばある種のマジックカードゲームにおいてのように、双方向すなわち第1のユーザ装置から第2のユーザ装置への、および第2のユーザ装置から第1のユーザ装置への情報交換が求められることがある。他のタイプのゲームでは、第1のユーザ装置から第2のユーザ装置への交換と第2のユーザ装置から第1のユーザ装置への交換が交互に起こることが適切であるまたは求められることがある。これは、たとえばチェスのようなゲーム、ある種の他のカードゲーム、および類似のアクション−レスポンスゲームにおいて当てはまることがある。
【0061】
本発明により、ユーザ装置のジェスチャーまたはユーザ装置を用いたジェスチャーを認識するためのさまざまな手段が説明され、またこれまで説明されてきた。両方のタイプのジェスチャー識別はたとえば1つのゲームセッションの文脈において、同じユーザに関して組み合わせることができ、または各ユーザは、行われたジェスチャーを識別するように、および情報交換をトリガするようになされた自分のジェスチャー識別手段を使用することができる。
【0062】
さらに、本明細書において説明される情報交換は、単一対のユーザ装置に限定されるものではなく、複数のユーザ装置に関係することができ、それにより異なる順序(sequence)に従って通信することができることに留意されたい。たとえば、単一のユーザ装置が同じまたは異なる情報を複数の他のユーザ装置と順次または並列に交換することができ、または異なるユーザ装置が互いに情報を順に回すことができる。複数のユーザは、対をなす相互作用(pair interaction)の所定の順序で2×2で情報を交換することができる。
【0063】
それが、添付の請求項群によって示される一般的概念から逸脱することなく、このようなシナリオおよび他のシナリオを可能にするために、装置ロジックおよび/または基本バッファロジックおよび/またはプログラムバッファロジックを適切に構成するという問題であることは、当業者には理解されよう。
【0064】
本発明のさらなる態様が従属請求項によって説明されている。従属請求項の特徴、独立請求項のいずれかの特徴、および他の従属請求項の任意の特徴は、請求項に記載の特定の組合せだけでなく、当業者に適切と考えられるように組み合わせることができる。
【0065】
当業者に理解されるように、本発明のさまざまな態様の特徴および実施形態は本発明の他の態様に適用可能であると考えられ、したがって必ずしも明示的に繰り返されるとは限らないが、本発明の範囲に含まれる。
【0066】
添付の図面は、本発明の実施形態を示すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】従来技術を示す図である。
【図2】従来技術を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の流れ図である。
【図4】ロジック機能が部分的または完全に集中化され、少なくとも部分的にネットワーク側に設けられる、本発明の実施形態を示す図である。
【図5】ロジック機能が2つのユーザ装置に分散または分布されている本発明の実施形態を示す図である。
【図6】2つのユーザ装置間の通信は外部ネットワークを使用せずに行われ、任意選択で外部ネットワークはデータを収集するように考慮されることができ、後者は好ましくは比較的限られた程度である、本発明のピアツーピアタイプの実施形態を示す図である。
【図7】ユーザ装置自体は外部ネットワークにアクセスしないが、ユーザ装置は外部装置に接続されることができ、外部装置はデータを収集するため、状態を変更するために、または同期の目的で、外部ネットワークにアクセスすることができ、その後で外部ネットワークと相互作用しなくても2つのユーザ装置間の情報交換が行われ、ピアツーピアタイプである、本発明のさらなる実施形態を示す図である。
【図8】本発明の実施形態による装置の機能的構造を示す図である。
【図9】本発明の実施形態による典型的な相互作用シナリオを示す図である。
【図10】2つのユーザ装置間で交換される所定の情報が暗号化される、本発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
参照符号は、異なる図または図面において類似のまたは等しい要素または特徴に対して同じであるように選定される。
【0069】
以下の詳細な説明をそれぞれの図面と併せ読むことにより、本発明の上記および他の有利な特徴および目的がさらに明らかになり、本発明がより良く理解できよう。
【0070】
本発明の態様の説明は、特定の実施形態によって特定の図面を参照して実施されるが、本発明はそれに限定されるものではない。示された図は概略的なものに過ぎず、限定であると見なすべきではない。たとえば、他の要素と比例していないかまたは縮尺どおりではない特定の要素または特徴が示されることがある。
【0071】
本発明によるある実施形態の説明では、本発明の種々の態様のうちの1つまたは複数の理解を助ける目的で、種々の特徴が単一の実施形態、図、またはその説明においてグループ化されているときがある。これは、このグループのすべての特徴が特定の問題を解決するために必ず存在するかのように解釈すべきではない。本発明の態様は、特定の実施形態の説明に存在する、そのような特徴のグループの全部より少ない特徴に存在する場合がある。
【0072】
本発明の態様は、ユーザが接触の感覚または他のジェスチャーを経験でき、ユーザ間のより感情的および/または社会的相互作用を提供する携帯型電子装置でゲームをする方法を導入する。本発明の実施形態の図は、図3で想起されることができる。それにより、本発明の態様は多数の利点を提供する。たとえば、ジェスチャーによって、ゲームはより具体的かつ直観的になる。ジェスチャーまたは「接触」はまた、2人または多数のプレイヤーが参加するゲームの社会的側面も対象にする。ゲームのステージは、「接触」によって制御されることができる。これは、たとえば、プレイヤーは第1のステージで手(move)を計画することができ、準備ができたら、他のユーザ装置に接触するかまたは近付く次のステージに入ることができることを意味することができる。最後のステージで、その手が実行され、結果が示されることができる。適切な場合、たとえばゲームアプリケーションのようなアプリケーションは、次に第1の状態に戻ることができ、ユーザは次の手を計画しなければならない。これが図3に示されている。ゲームの開始後、ユーザは個別に手を計画でき、たとえば、ユーザがカードを選定できたり、またはユーザの1人のみがたとえばチェスゲームの手を準備したりすることができる。本発明の実施形態によれば、次にその手が、「接触機構」によって、すなわちそれぞれのユーザの2つのモバイル装置を互いに近付けるかまたは互いに当てることによって他のユーザと交換され、その結果、情報の転送が2つの装置間で行われることができる。その転送は、アプリケーションに応じて、ユーザ装置1からユーザ装置2にまたはユーザ装置2からユーザ装置1であってもよいし、交換が双方向に同時に発生してもよい。「接触」の後で、フィードバックが、ユーザ装置上で動作するゲームアプリケーションによって、またはリモートで動作しユーザ装置を制御するゲームアプリケーションによって、ユーザに提供されることができる。この結果、ゲームが終了してもよいし、または前の手順が有限回数反復されてもよい。1つの手順の後またはいくつかの有限反復の後で、ゲームは終わることができ、手順が終了する。ある実施形態によれば、「計画フェーズ」または初期化フェーズは、ユーザがアプリケーションを選択するフェーズに相当することができ、「接触」フェーズでアプリケーションに関する情報を他のユーザに転送し、次に、それは他のユーザ装置上で初期化されることができる。このような場合、「フィードバック」は、アプリケーションが他のユーザ装置において開始するものとすることができる。このタイプの実施形態は、たとえばゲームアプリケーションにおける手に対応する情報が交換される実施形態と組み合わせることができる。たとえば、最初、転送される情報は、他のユーザ装置に対する起動されるアプリケーションに関する情報を含むことができるが、1回目またはそれ以降の反復では、ゲーム交換、またはゲームアプリケーションに結び付けられた情報交換、またはゲームアプリケーションにおける1人または複数のユーザからの手に対応する情報交換を含むことができる。図4では、本発明の実施形態によるアーキテクチャが示されている。このアーキテクチャによって、接触の感覚によりゲームを豊かなものにする新しいフレームワークが作成される。
【0073】
少なくとも、このフレームワークでは以下のブロックが定義されることができる。ブロックの第1要素は、接触またはNFCベースの通信を制御するようになされることができ、「接触制御部」である。第2のブロックは、ゲームの収集品たとえばモンスター、カード、車などを制御するようになされることができる(「リポジトリ」)。第3のブロックは、情報をユーザ装置たとえばモバイル装置の画面、スピーカなどに出力するようになされたユーザ装置のヒューマンマシンインタフェース用サブ装置に向けての出力を制御するようになされることができる(「出力制御部」)。任意選択で、コンピュータまたは(IP)TVのような相補装置も画面およびスピーカを有し、この第3のブロックすなわち出力制御部ブロックによって制御される。さらに、第4のブロックは、ゲームのロジックがどこに配されることができるか「ロジック」を示すように定義されることができる。このブロックは、どこでデータの処理が行われることができるかを示す。ロジックの場所は、アプリケーションによって異なってよい。したがって、その場所はアプリケーション依存とすることができる。典型的には、同様に入力制御ブロックが存在することができる。マルチプラットフォームゲームでは、必要とされるコンピュータはロジック機能のうちいくつかを備えることもできる。図4では、ピアツーピアのPモードで情報を交換可能だが、ネットワークを用いても、たとえばモバイルインターネットソリューションを用いて互いに接続可能な第1のユーザ装置(1)と第2のユーザ装置(2)が示されている。したがって、第1のユーザ装置(たとえば携帯電話)は、リポジトリ(11)と、出力制御部(12)と、接触制御部(10)とを備える。外部出力は、出力制御部(12b)も第1のユーザの場所にあるように存在することができる。同様に、第2のユーザ装置は、接触制御部(10’)と、リポジトリ(11’)と、出力制御部(12’)とを備え、さらなる出力制御部(12’b)を備えるさらなる出力が用意されてもよい。外部サーバは、ロジック機能(13”)の一部を備えることができ、さらなるリポジトリ(11”)をさらに備えることができる。
【0074】
図5では、ロジック機能が2つのユーザ装置に分散または分布されており、ロジック機能がネットワークに存在する必要がない、本発明の実施形態が示されている。第1のユーザ装置および第2のユーザ装置は、たとえばNFC技術または他の任意の最先端技術によってピアツーピアモードで情報を交換するようになされている。これは図5で見ることができる。
【0075】
本発明の実施形態は、たとえばモバイルネットワークまたはインターネット(おそらくモバイルネットワークに引き継がれる)のような「外部」ネットワーク経由での通信を必ずしも必要としない。第1のユーザ装置は、リポジトリ(11)と、出力制御部(12)と、ロジック(13)と、接触制御部(10)とを有する。第2のユーザ装置は、リポジトリ(11’)と、出力制御部(12’)と、ロジック(13’)と、接触制御部(10’)とを備える。接触制御物体は、(図4および図5に示されるように)自分の接続(P)を形成できることに留意されたい。これは、NFC、Wi−Fi、赤外線、ブルートゥース、または他の無線技術によって行われることができる。これらの接続はウェブを必要とせず、典型的には無料とすることができるので所望される場合がある。
【0076】
本発明の実施形態の別の例が図6に示されている(スタンドアロン例)。スタンドアロンアプリケーションとは、ユーザ側でモバイルNFC装置のみを必要とするアプリケーションである。データはネットワーク経由で収集されることができるが、ほとんどの場合、交換されるデータは他のユーザとの「接触」を介して発生する(ピアツーピア、P)。この結果、ネットワーク経由でのデータ収集は任意選択である。S接続およびP接続は好ましくは両方とも不連続接続である。このアーキテクチャを利用できるゲームアプリケーションの以下のような一例を示す。戦略的なカードゲームで、2人のユーザが、携帯電話のようなNFC対応装置上で「Magic the Gathering」(R)、「Yugig−oh」(R)のようなカードゲームの電子強化版をしたいとする。各ユーザは次に携帯電話上のゲームを設定し、たとえば最初のカード/攻撃を選択するように、戦略的に手を選択する。ユーザの両方が最初の手を選択すると、この情報がバッファ手段に転送され、ユーザはバッファ手段からの情報の転送、手(複数可)の転送をトリガするために互いの電話に接触するかまたは適切なジェスチャーをする。両方の電話は接触を登録することができ、情報を転送して、したがって他のプレイヤーの手に関する情報を入手し、両方のユーザ装置は次の状態に進む。この状態では、交換された情報とアプリケーションの相互作用が行われることができる。たとえば、ゲームの一部である生物に関連する交換された情報間の戦いがシミュレートされてユーザ装置のディスプレイおよび/またはスピーカに出力されることができる。
【0077】
次いで、ゲームの終了に達するまで、これまで説明したステップが繰り返されることができ、その後でアプリケーションを終えることができる。
【0078】
たとえばゲームをするために、同じアプリケーションが両方のユーザ装置上で並行して実行されることを理解されたい。代替例では、第1のユーザ装置および第2のユーザ装置に情報を出力するディスプレイと通信している単一の集中化されたアプリケーションが実行され得るが、これには、両方のユーザ装置がインターネットまたは通信ネットワークたとえば携帯電話ネットワークに接続できることが必要である。
【0079】
以下のような別の例を説明する。2人のプレイヤーが参加するゲームアプリケーションであるじゃんけんアプリケーションでは、本発明の実施形態を使用することによって、たとえばNFC技術、したがってNFC対応ユーザ装置を使用することによって、デジタル方式で示すことができる。両方のユーザすなわちプレイヤーは、自分のモバイル装置上でゲームアプリケーションを開始し、それぞれグー、チョキ、パーを選択したいかどうかを示すことができる。ユーザはこれを、グラフィカルユーザインタフェースのようなヒューマンマシンインタフェースを用いて選択することができるが、適切なジェスチャーをすることによってこれを選択することもできる。両方のユーザが手を選ぶと、ジェスチャーをするかまたはモバイル装置を互いに近付けることができ、その後でタッチコントローラがたとえば無線技術たとえばNFCを介して情報を通信し、したがって手を交換する。その後、両方の装置では、おそらくメディア(音、動画、画像など)により強化された状態で手または勝負の結果を表示することができ、さらにユーザは次の手を選択することができる。
【0080】
本発明の実施形態の別の例が図7に示されている。この図は、ユーザ装置がインターネットもしくは通信ネットワークに直接アクセスしない、またはたとえばPCのような別のプラットフォームに少なくとも一時的に接続されるマルチプラットフォームアプリケーションを示す。これらのマルチプラットフォームアプリケーションは、ユーザ側でモバイル装置のみを必要とするのではないアプリケーションである。たとえば、PC(ロジックを備えている)とモバイル装置は同時に使用されることができる。PCは、ユーザが次のステップを更新または微調整できるように、たとえば自宅または公共の場にあることができる。ユーザは、準備ができるとすぐに、次の手または生物を自分のユーザ装置にアップロードし、対戦相手と出会い、自分のモバイルに接触してゲームを開始することができる。このようにして、モバイル装置はインターネットに接続する必要がなく(これが可能なことがあるが)、そのデータを格納でき、ユーザがすべてのデータを取得するとすぐに、そのデータは交換されるかまたはPCに送信される。このPCは次に、たとえばユーザの全体プロフィール(global profile)を更新するために、または該当する場合はさらなるアプリケーションモジュールを検索するためにインターネットに接続することができる。
【0081】
図7に示されている前の例に相当するゲームアプリケーションの一例が、ミニモンスターアプリケーションである。ミニモンスターゲームアプリケーションでは、ユーザは、デスクトップコンピュータ上でミニモンスターに給餌する、読むなどのような準備をすることによって、ミニモンスターを作成することができる。ユーザはたとえば、モンスターとゲームをすることによってモンスターをしつけることもできる。ミニモンスターが準備されるとすぐに、ユーザは、モンスターをモバイル装置に転送することによって、モンスターを第2のユーザ所有の別のミニモンスターと対決させることができる。ユーザは、類似のモンスターを準備していた対戦相手と出会うとすぐに、モンスター間の戦いを開始するために「接触」によって情報を交換することができる。
【0082】
従来のデジタルゲームが直面している制約の1つは、人間の相互作用またはプレイヤー間のフィードバックがないことであることに留意されたい。たとえばインターネットで遊ぶことができる分散型ゲームは、テキストによるチャットインタフェースのみを有することが多い。本発明の態様は、(「接触」のような)ジェスチャーを導入することによって、デジタルゲームをするための独自の経験を提供する。接触によって、行われるゲームの社会的側面、セキュリティ、ダイナミックさ(dynamicity)などが向上する。
【0083】
本発明の態様によって、多数のプレイヤーが参加するゲームが連続接続を必要としないことが可能であることが、本発明の態様の利点である。特に、モバイルネットワーク(またはモバイルネットワークオペレータ)を用いて通信しなければならないことがあるモバイル装置上で、連続接続により問題が生じたりコストが高くなったりすることがある。本発明の実施形態ではローカル無線技術の使用が提案されているが、ローカル無線技術によってこの問題は最早存在しなくなる。本発明の実施形態の別の利点は、ジェスチャーによってユーザのゲーム経験が豊かになることである。
【0084】
さらに、「接触」によって、ユーザは安全な通信を制御することができる。
【0085】
別の利点は、本発明のある実施形態によれば、ユーザは互いに会ったり接触したりし、実質的に同じ物理的場所に存在し、したがって不正行為がより困難になるということである。
【0086】
ある実施形態では、サーバまたはインターネットに接続する必要がない。
【0087】
「接触」はさらに、ゲームの社会的側面の向上ももたらす。ユーザ装置間で情報を交換するためにNFC技術が使用されるある実施形態では、この技術が使用する電力はたとえばモバイルネットワーク通信技術より少ないので、電力消費量が減少されることができる。
【0088】
以下のような本発明のある態様を示すことができる。情報アイテム(カード、モンスター、統計情報)の移行が安全で公平な方法で確実に実施されることができるために、追加のブロックを定義することができる。これは接触ロジックインタフェース(TLI。バッファ手段であり、ある種の見解において、およびある実施形態によれば、「インテリジェント」バッファ手段)である。このブロックは、典型的には装置ロジック手段にあるアプリケーションのロジックと、装置の接触制御部の間に常駐することができ(図8を参照されたい)、ロジックと接触制御部の間のインタフェースとして機能することができる。このブロックは、いくつかの追加の機能をさらに備えることができ、さらなる利点を提供する。
【0089】
接触ロジックインタフェースブロックは、以下の機能を提供することができる:
− TLIは、バッファとして使用されることができる。TLIがない場合、ロジックはこれらの計算を持たず、その結果を別の装置に送信する。しかし、そのとき「接触」がない場合、ロジックは近くに他のユーザ装置がないまたは存在せず、これらのデータは失われる。TLIは、ロジックに、変換された情報をTLIのバッファ内部に保存させる。さらに、2つのユーザ装置が接触するかまたは1つのジェスチャーまたは複数のジェスチャーをすることによってトリガされる情報を交換し、TLIと通信する接触制御部は、これとバッファに格納されている情報の送信とを関連付け、情報交換を実施する。(PW1(カード1)、PW2(カード2))
− TLIは、基本バッファロジックを備えることができる。
− TLIは、プログラムバッファロジックを備えることができる。
− TLIは、リポジトリと相互作用/通信することができる。
− TLIは、ゲームロジックと通信することができる。
− TLIは、たとえばユーザ装置またはユーザの一方により良いカードを与えることによって確実にゲームロジックがハッキングされないようになされた機能をさらに備えることができる。TLIはまた、転送されるデータの暗号化機能を提供することができる。
【0090】
装置ロジック/基本バッファロジック/およびプログラムバッファロジックが典型的なシナリオでどのように相互作用することができるかについての一例の詳細な説明が以下に記載され、図9に示されている:
a :装置ロジックは、情報をプログラムバッファロジックに送出する。装置ロジックはアイテムをバッファに送信することもでき、次にバッファがそのアイテムをリポジトリに送信することができる。
a’ :装置ロジックは、アイテムをリポジトリに直接に送信することもできる。
b :バッファは、最初の手のデータを準備し、あらかじめ定められたジェスチャーによるトリガを待機する。
c :ジェスチャーが識別され、準備されたデータがユーザ装置間で交換される。
d :バッファは、アイテムをリポジトリから削除するか、またはこれに追加する。
【0091】
可能な安全な情報交換が図10に示されている。第1の装置1および第2の装置2は、所定のジェスチャー(20)によってトリガされるとき情報の変更について警告される。第1の装置および第2の装置のTLIは、(たとえば無作為の)暗号化鍵(それぞれPW1、PW2)を生成し、「接触」の前にデータが確実に暗号化されるようにすることができる。情報交換がトリガされて実施され、ユーザ装置が互いの情報たとえば他のユーザのカード(暗号化されたカード1:PW1(カード1)、暗号化されたカード2:PW2(カード2))を受信すると、暗号化鍵が交換されることができる。次に、他のユーザのカードが復号され、ロジックに送られることができる。
【0092】
このように、装置はそれ自体のカードを送信する前に他人のカードを読むことができず、不正行為が回避されることができる。
【0093】
本明細書では、いくつかの機能に言及してきた。それらは、ソフトウェア、ファームウェア(たとえば、固定論理回路)、ハードウェア、手動処理、またはこれらの実装形態の組合せを使用して実装することができる。「モジュール」、「コンポーネント」、「機能」、および「ロジック」という用語は、一般にソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはその任意の組合せを表す。ソフトウェアの実装形態の場合、モジュール、コンポーネント、機能、またはロジックは、1つまたは複数のプロセッサ(複数可)(たとえば、マイクロプロセッサ、コントローラのいずれかなど)上で実行されたときに特定のタスクを実施するプログラムコードを表す。プログラムコードは、少なくとも1つのコンピュータ可読なメモリ装置または格納手段に格納されることができる。方法およびシステムはプラットフォームに依存せず、したがってさまざまなプラットフォーム上で実施され得る。
【0094】
本発明の実施形態による方法はまた、コンピュータが実行可能な命令という状況で説明されることができる。コンピュータが実行可能な命令としては、特定の機能を実施するかまたは特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、プロシージャ、モジュール、機能などが含まれ得る。本明細書において説明される方法はまた、通信ネットワークを介して接続されたリモート処理装置によって機能が実施される分散コンピューティング環境において適用可能な場合がある。分散コンピューティング環境では、コンピュータが実行可能な命令は、メモリ記憶装置を含む、ローカルとリモートの両方のコンピュータ記憶媒体に配置されることができる。
【0095】
当業者には理解されるように、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴は含むものの他の特徴は含まないが、さまざまな実施形態の特徴の組合せは本発明の範囲内に含まれ、さまざまな実施形態を形成することが意図される。
【0096】
本発明の原理が特定の実施形態に関して上述されてきたが、この説明は添付の特許請求の範囲によって決定される保護の範囲の限定としてではなく、単に例示として示されたものであることは明らかに理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置であって、
a.所定のジェスチャーにより前記ユーザ装置の動きを識別するための識別手段と、
b.さらなるユーザ装置と通信するための通信手段と、
c.前記識別に基づいて、前記通信手段を用いる前記さらなるユーザ装置との所定の情報の交換をトリガするためのトリガ手段とを備える装置において、さらに
d.前記トリガ手段によってトリガされたときに交換される所定の情報を一時的に格納するようになされたバッファ手段を備えることを特徴とする、ユーザ装置。
【請求項2】
前記識別手段が、行われている前記所定のジェスチャーに対応して、前記ユーザ装置から所定の距離内にある前記第2のユーザ装置の存在を検出するための存在検知センサを備える、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記ジェスチャーを識別するための運動センサを備える、請求項1または2に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記バッファ手段が基本バッファロジックをさらに備える、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記基本バッファロジックが前記ユーザ装置内のリポジトリと通信するようになされた、請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項6】
装置ロジック手段を備え、前記基本バッファロジックが前記装置ロジック手段と通信するようになされた、請求項4から5に記載のユーザ装置。
【請求項7】
前記バッファ手段が、前記装置ロジック手段上で動作するプログラムによって提供されるプログラムバッファロジックをさらに備える、請求項4から6に記載のユーザ装置。
【請求項8】
前記所定の情報が前記基本バッファロジックおよび前記プログラムバッファロジックを用いて決定される、請求項4から7に記載のユーザ装置。
【請求項9】
第1のユーザ装置と第2のユーザ装置の間で情報を交換する方法であって、
a.前記第1のユーザ装置による所定のジェスチャーを行うことが前記第1のユーザ装置から前記第2のユーザ装置に向けての所定の情報交換と関連付けられるように、前記第1のユーザ装置および前記第2のユーザ装置を構成するステップと、
b.前記ジェスチャーを行い、これによって前記第1のユーザ装置から前記第2のユーザ装置への前記情報交換を実施するステップとを含む方法において、さらに
c.前記所定の情報を一時的に格納するようになされたバッファ手段に前記所定の情報を格納するステップと、
d.前記ジェスチャーによってトリガされるとき、前記バッファから前記第2のユーザ装置への前記情報交換を実施するステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
所定のジェスチャーを行うステップが、前記第1のユーザ装置と前記第2のユーザ装置の間の距離を第1の閾値距離未満に短縮させ、前記第1のユーザ装置による前記第1のユーザ装置の第1の閾値距離内にある前記第2のユーザ装置の存在の検出により、前記第1のユーザ装置から前記第2のユーザ装置への前記情報交換が行われるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定のジェスチャーを識別するステップが前記第1のユーザ装置上の運動センサによって実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
さらなるユーザ装置に送られる所定の情報を一時的に格納するようになされ、かつ前記ユーザ装置によって行われた所定のジェスチャーの識別から生じたトリガを受信すると前記所定の情報を送るようになされた、ユーザ装置と組み合わせて使用するための、バッファモジュール。
【請求項13】
前記バッファ内の情報の存在および交換を管理するための基本バッファロジック手段およびプログラムバッファロジック手段をさらに備える、請求項12に記載のバッファモジュール。
【請求項14】
主ユーザ装置と通信するようになされた補助ユーザ装置であって、
− 請求項12または13に記載のバッファモジュールと、
− 所定のジェスチャーにより前記補助ユーザ装置の動きを識別するための手段とを備えることを特徴とする、補助ユーザ装置。
【請求項15】
一組の少なくとも2つのユーザ装置間で情報を交換するためのシステムであって、前記一組のうちの各ユーザ装置が請求項1から8に記載のもので、前記システムが、請求項9から11に記載の方法を実施できるようになされた、システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2011−528518(P2011−528518A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517814(P2011−517814)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005174
【国際公開番号】WO2010/006791
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】