ジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法
【課題】
本発明は、干渉物が存在することにより上部から直接締付けられないクランプ装置の締付ボルトを確実に締め付けることができるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、第1アームと前記第1アームの先端部に回転可能に接続された第2アームとを原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下し、前記第2アームをディフューザとシュラウドまたは原子炉圧力容器の間の空間で回転し、前記第2アームの先端に保持された締付ヘッドでディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを特徴とする。
本発明は、干渉物が存在することにより上部から直接締付けられないクランプ装置の締付ボルトを確実に締め付けることができるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、第1アームと前記第1アームの先端部に回転可能に接続された第2アームとを原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下し、前記第2アームをディフューザとシュラウドまたは原子炉圧力容器の間の空間で回転し、前記第2アームの先端に保持された締付ヘッドでディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉の圧力容器内に設置されたジェットポンプの流量を計測するための計測配管に取り付けるクランプ装置を据付けるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジェットポンプを備えた機器の内部構造を、沸騰水型原子炉(BWR)の場合を例にとり説明する。BWRの原子炉圧力容器(RPV)は、一般的にほぼ円筒形状を有し、両端を、例えば底部ヘッド及び脱着可能な上部ヘッドにより閉じられる。炉心シュラウド(シュラウド)は一般的にほぼ円筒形状を有しており、RPV内で炉心を囲み、シュラウド支持構造により支持される。RPVとシュラウドの間には空間、一般的に環状空間(アニュラス部)が設けられている。
アニュラス部には複数個のジェットポンプが設置され、原子炉炉心の冷却流体の流れを供給する。具体的には、RPVの外に設置された再循環ポンプがアニュラス部下部の冷却流体を吸い込み、昇圧して、ジェットポンプライザ管(ライザ管)へと送る。昇圧された冷却流体(駆動流体)はライザ管の上部に取り付けられたノズルを通して噴出され、アニュラス部内の冷却流体(被駆動流体)をスロート内へひき込む。駆動流体と被駆動流体はスロート内で混合され、ディフューザとして知られる拡散部分にて拡散され、下部プレナムを通って炉心へと供給される。
【0003】
ジェットポンプ計測配管(計測配管)はディフューザの上下端に接続しており、ディフューザ内の圧力を原子炉圧力容器外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものであり、計測配管サポート(サポート)を介してディフューザに例えば溶接で取り付けられている。
ジェットポンプは、内部にも高速流体が流れるため、外部と内部の流体から流体振動の影響を受ける。この流体振動による振動が計測配管に伝わるが、この流体振動の振動数が、計測配管の固有振動数と合致すると、計測配管は共振する。そこで、この共振が計測配管に与える影響を緩和するために、従来技術では計測配管にクランプ装置を取り付け、計測配管をディフューザに強固に拘束することで、計測配管の発生応力を低減している(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、上記に記載したようなクランプ装置を、通常、RPV上に設けられた台車上から操作ロープを用いて対象となるサポートに据付け、操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付けることで計測配管を固定している。
【0005】
また、特許文献2には、支援アームを原子炉圧力容器とシュラウドとの間の環状領域に走行させて、比較的空間のある領域で炉内機器の点検や補修等を支援する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−333431号公報
【特許文献2】特開平7−63884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クランプ装置の取付けを要するサポートの周囲には、例えばシュラウドを補強するためのタイロッドなどの干渉物が設置されていることがある。その場合、操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付ける方法では、空間上の制約により上部からクランプ装置の締付ボルトを直接締付けることが出来ない。また、操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付ける方法では、前記計測配管がディフューザ外面のうちライザ管に近い側に設置されている場合も同様に、前記サポートの上部にライザ管が存在することにより操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付ける方式によるクランプ装置の据付が不可能である。
【0008】
また、特許文献2の方法では、支援アームがジェットポンプの下部の狭隘部にアクセスできない可能性が大きい。さらに、特許文献2には、ジェットポンプの下部の狭隘部にあるクランプ装置の締付ボルトに、支援アームをどのようにアクセスし、作業を実施するかの具体的な手順の開示がされていない。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためのもので、その目的は干渉物が存在することにより上部から直接締付けられないクランプ装置の締付ボルトを確実に締め付けることができるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するために少なくとも以下の特徴を有する。
【0011】
本発明は、第1アームと前記第1アームの先端部に回転可能に接続された第2アームとを原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下し、前記第2アームをディフューザとシュラウドまたは原子炉圧力容器の間の空間で回転し、前記第2アームの先端に保持された締付ヘッドでディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを第1の特徴とする。
【0012】
また、本発明は、第1の特徴に加え、前記回転は略L字状に行なわれることを第2の特徴とする。
さらに、本発明は、第1の特徴に加え、前記第2アームは少なくとも一つ以上の曲り部を有することを第3の特徴とする。
また、本発明は、第3の特徴に加え、前記曲り部のうち少なくとも一つの曲り部は前記ディフューザに隣接するディフューザを回避するように回転することを第4の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、第1の特徴に加え、前記第1アームは、前記第2アームを前記原子炉圧力容器の径方向にシフトするシフト手段を有することを第5の特徴とする。
また、本発明は、第5の特徴に加え、前記シフト手段は前記第2アーム先端側を前記原子炉圧力容器とシュラウドのうち少なくとも一方に固定する固定手段を有することを第6の特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、第1の特徴に加え、前記締付ボルトの締め付けは前記締付ヘッドを振動させておこなうことを第7の特徴とする。
また、本発明は、第1の特徴に加え、前記締付ボルトに対し前記締付ヘッドを少なくとも1方向にフローティングするフローティング機構を設けたことを特徴とする
【発明の効果】
【0015】
本発明よれば、干渉物が存在することにより上部から直接締付けられないクランプ装置の締付ボルトを確実に締め付けることができるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態の平面図である。
【図3】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態のアーム部の正面図である。
【図4】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態のアーム部の平面図である。
【図5】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態の位置決めするパッドを含むブロックの周辺構成を示す図である。
【図6】ヘッド部に付与されるフローティング機構の説明図である。
【図7】バイブレータ機構の説明図である。
【図8】本発明を2つ以上のディフューザと炉心シュラウド間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることに対しても適用できる本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図9】クランプ装置の締付部が原子炉圧力容器側にあるときに都合のよい本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図10】沸騰水型原子炉内部の構造を示す断面図である。
【図11】ジェットポンプの説明図である。
【図12】ジェットポンプ計測配管の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の実施形態を、沸騰水型原子炉を例に取り、図面を用いて説明する。図10は沸騰水型原子炉(BWR)用の原子炉圧力容器(RPV)1の概略断面図である。RPV1は、一般的にほぼ円筒形状を有し、一端で底部ヘッド2により、またその他端で脱着可能な上部ヘッド3により閉じられている。炉心シュラウド(シュラウド)4は一般的にRPV1内で炉心5を囲む。シュラウド4はほぼ円筒形状を有しており、シュラウド支持構造6により支持される。円筒形状のRPV1と円筒形状のシュラウド4の間には環状空間7が形成される。
【0018】
入口ノズル8はRPV1の側壁を貫通して延び、ジェットポンプ9に結合される。図示しない再循環ポンプで昇圧された冷却水はノズル10から噴射され、アニュラス部11の冷却水を吸い込み、スロート12、ディフューザ13及び下部プレナム14を通過して、炉心5へと供給される。ジェットポンプ9を設置すると、再循環ポンプによりRPV1の外部に引き出す冷却水の量よりも多量の冷却水を炉心へと供給することが出来る。さらに炉心5の流量を制御することで、ボイド効果(気泡の発生により冷却水の密度が減少し、原子炉の反応度が下がる効果)による反応度の変化を利用して出力を制御することが可能である。炉心5で発生した蒸気が、セパレータ15及びドライヤ16によって過熱蒸気となり、主蒸気ノズル17を通ってタービン(図示せず)を駆動する。一方、セパレータ15及びドライヤ16で分離された水は、アニュラス部11内において、給水系(図示せず)によって原子炉へと戻ってきた水と混合され、再びジェットポンプ9により炉心5へと供給される。
図11にジェットポンプの正面図を示し、ジェットポンプ9の構造について説明する。図11において、18はライザエルボ、19はライザ管、20はトランジションピース、21はエルボ、10はノズル、22はインレットミキサ、13はディフューザ、23はブラケット、24はサポート、25はウェッジ、26はビーム、27はライザーブレースである。
図11のB部の拡大図を図12に示す。28は計測配管、29は計測配管サポート(サポート)である。計測配管28はディフューザ13内の圧力をRPV1の外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものであり、サポート29を介してディフューザ13に例えば溶接で取り付けられている。
【0019】
図1は、本発明のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置30(以下、単に据付装置という)の第1の実施形態の正面図で、図2はその平面図である。
この据付装置30は、据付装置を上部から吊るためのボディ31(第1アーム)と、クランプ装置32へアクセスするためのアーム部(第2アーム)33を備えていて、このアーム部33の一端にクランプ装置32の締付ボルトを締付けるヘッド部34が設けられている。また、ボディ31とアーム部33は、アーム部33を直線状からほぼ直角に変更できるように結合しており、上部から直接アクセスできないライザ管19の下のクランプ装置32へ水平方向からヘッド部34を導入する。
【0020】
さらに、図2に示すように、アーム部33はディフューザ13とシュラウド4の間を通過し、ヘッド部34がクランプ装置32の締付部32aに取付けられるよう、途中で曲り部35を設けている。また、ボディ31の中間にはボディ上部31uとボディ下部31dとの中心軸をずらすブロック36が設置されている。このブロック36によりアーム部33をシュラウド4側に近づけ、アーム部33の曲り部35の角度を小さくし、炉内構造物との干渉を回避している。前記干渉がなければブロック36を設ける必要はない。
【0021】
図3に示すアーム部33は、ボディ31dと相対的に約90°の回転が出来るよう接続されており、例えば図3中に示す水圧シリンダ38とリンク37で相対回転を行なうことが出来る。ただし、相対回転は水圧シリンダに限らず、例えばねじの回転(ラックとピニオンの利用など)や、直接ロープで引くことで駆動することも出来る。アーム部33とボディ31dとの相対位置を変えることで、据付装置30のインストール時にはボディ31とアーム部33を直線状に配置して炉内構造物との干渉を避け、クランプ装置32の据付対象であるサポート29と同程度の高さ位置に到達してからアーム部を水平方向へ振上げることで、インストール性を向上できる。
なお、水圧シリンダやネジの回転の駆動源線や制御信号等の線又は配管は、必要な位置までボディ31やアーム部内を通し、必要ならばシールを介して外部に取り出すことが望ましい。
【0022】
図4は、図2に示すアーム部33の曲り部35を回転可能にできるようにしたアーム部の第2の実施例を示す調整型アーム部39の平面図である。即ち、調整型アーム部39は、ヘッド部34をクランプ装置32へ取付ける際に角度の微調整が出来るように調整型アーム部39aと調整型アーム部39bとが相対的に回転できるよう構成されている。このように構成することにより、ヘッド部34の位置を制御できることから、インストール時は調整型アーム部39aと39bを直線状の位置として炉内構造物との干渉を避け、締付時はヘッド部34をクランプ装置32に対して、図4に示すように、直線状に配置して取付けることが出来る。
上記において、調整型アーム部39aと39bの相対回転は、例えば水圧シリンダやねじの回転、ロープによる操作により駆動されることが出来る。
【0023】
図5は、据付装置の位置決めを行なう機構を有するブロック36の周辺構成を示した図である。クランプ装置32を締付ける際は、インストール時と異なり回転アーム部39を振上げているために据付装置30のウェイトバランスが変わることや、クランプ装置32の締付ボルトを締付けるときの反力により据付装置30全体が動くことなどが考えられる。ボルトの締付時は、締付軸がずれると締付トルクが十分に伝わらない可能性があるので、据付装置30自身の移動を防ぐ必要がある。
【0024】
このためにブロック36のシュラウド4側にパッド40を設け、このパッド40によって据付装置30の位置決めをし、クランプ装置32の締付の信頼性を向上させることができる。また、パッド40の反対側には、据付装置30のバランスをとるためのバランスウエイト41を取付けてもよい。
【0025】
さらに、バランスウエイト41の代わりに原子炉圧力容器1側の方向に移動可能なパッド(図示せず)を設け、そのパットを原子炉圧力容器1側に押付けることで、シュラウド4側のパッド40と共に据付装置30を完全に固定し、位置決めしてもよい。
【0026】
図6はヘッド部34に付与するフローティング機構の説明図である。図6(a)はヘッド部を図3と同じ方向から見た図で、図6(b)はヘッド部34の先端から見た図である。図6(a)、図6(b)に示すように2方向にフローティング機構を付与することで、クランプ装置32とヘッド部34に角度のずれがあってもヘッド部34をクランプ装置32に取付けることが出来る。
【0027】
図7はバイブレータ機構を備えたバイブレータ付ヘッド部42である。例えばヘッドの下部に取付けたバイブレータ43が振動することでバイブレータ付ヘッド部42が振動し、クランプ装置32の締付時に振動を与えながら締付ボルトを締付けることが出来る。締付時に振動を与えることで、クランプ装置32とディフューザ13の結合をより強固とし、原子炉運転中の振動によるクランプ装置32の緩みを防ぐことが出来る。また、振動を与えながらボルトを締付けることで、締付ボルトとクランプ装置本体のかじりを防止することができる。
さらにヘッド部34はクランプ装置32が原子力発電所の運転時の振動によりゆるむことを防止するための、締付ボルト廻り止め機構、例えば溶接やかしめ、つばおりを付与する。
【0028】
以上説明した実施形態では1つのディフューザとシュラウド間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることにより、クランプ装置の据付対象となるサポートの上部に例えばライザ管やタイロッドなどの干渉物があった場合でも、クランプを据付けることが出来ることを示した。
【0029】
図8は、本発明を2つ以上のディフューザとシュラウド間の隙間を通してクランプ装置へアクセスする第2の実施形態を示す図である。図8では、アーム部(第2アーム)に曲り部35を2箇所35a、35bを設けている。勿論、2箇所不必要であるならば1箇所でもよい。また、曲り部35b、図4に示す第1の実施形態の曲り部35のように回転可能な関節としてもよい。さらに、図5から図7に示した実施形態を適用することもでき、その効果を奏することができる。
【0030】
従って、以上説明した第1及び第2の実施形態によれば、少なくとも1つのディフューザとシュラウドとの間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることにより、クランプ装置の据付対象となるサポートの上部に例えばライザ管やタイロッドなどの干渉物があった場合でも、クランプを据付けることが出来る。
【0031】
以上説明した第1及び第2の実施形態では、アーム部33(第2アーム)をディフューザとシュラウド間の隙間を通すように設けた。図9は、アーム部33(第2アーム)をディフューザと原子炉圧力容器との間の隙間を通してクランプ装置へアクセスする第3の実施形態を示す図である。第1及び第2の実施形態と大きく異なる点は、ボディ31dを原子炉圧力容器1側に変位させ、パッド40を原子炉圧力容器1側に設けた点である。
【0032】
図9は、本発明をディフューザと原子炉圧力容器間の隙間を通してクランプ装置へアクセスする第2の実施形態を示す図である。第3の実施形態は、図9に示すように、クランプ装置32の締付部32aが原子炉圧力容器1側にあるときに都合のよい実施形態である。第3の実施形態でも、第1又は第2の実施形態で適用したその他の実施形態を適用でき、その効果を奏することができる。
【0033】
以上説明した第3の実施形態によれば、少なくとも1つのディフューザと原子炉圧力容器との間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることにより、クランプ装置の据付対象となるサポートの上部に例えばライザ管やタイロッドなどの干渉物があった場合でも、クランプ装置を据付けることが出来る。
【0034】
以上説明した第1乃至第3の実施形態によれば、干渉物が存在するジェットポンプ計測配管の固定が強固に得られるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置又は据付方法を提供することができ、冷却水の流動振動に起因する計測配管の損傷を防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:原子炉圧力容器 2:底部ヘッド 3:上部ヘッド
4:炉心シュラウド 5:炉心 6:シュラウド支持構造物
7:環状空間 8:入口ノズル 9:ジェットポンプ
10:ノズル 11:アニュラス部 12:スロート
13:ディフューザ 14:下部プレナム 15:セパレータ
16:ドライヤ 17:主蒸気ノズル 18:ライザエルボ
19:ライザ管 20:トランジションピース
21:エルボ 22:インレットミキサ 23:ブラケット
24:サポート 25:ウェッジ 26:ビーム
27:ライザーブレース 28:計測配管 29:サポート
30:クランプ据付装置 31:ボディ 32:クランプ装置
33:アーム部 34:ヘッド部 35:曲り部
36:ブロック 37:リンク 38:水圧シリンダ
39:調整型アーム部 40:パッド 41:バランスウエイト
42:バイブレータ付ヘッド部 43:バイブレータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉の圧力容器内に設置されたジェットポンプの流量を計測するための計測配管に取り付けるクランプ装置を据付けるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジェットポンプを備えた機器の内部構造を、沸騰水型原子炉(BWR)の場合を例にとり説明する。BWRの原子炉圧力容器(RPV)は、一般的にほぼ円筒形状を有し、両端を、例えば底部ヘッド及び脱着可能な上部ヘッドにより閉じられる。炉心シュラウド(シュラウド)は一般的にほぼ円筒形状を有しており、RPV内で炉心を囲み、シュラウド支持構造により支持される。RPVとシュラウドの間には空間、一般的に環状空間(アニュラス部)が設けられている。
アニュラス部には複数個のジェットポンプが設置され、原子炉炉心の冷却流体の流れを供給する。具体的には、RPVの外に設置された再循環ポンプがアニュラス部下部の冷却流体を吸い込み、昇圧して、ジェットポンプライザ管(ライザ管)へと送る。昇圧された冷却流体(駆動流体)はライザ管の上部に取り付けられたノズルを通して噴出され、アニュラス部内の冷却流体(被駆動流体)をスロート内へひき込む。駆動流体と被駆動流体はスロート内で混合され、ディフューザとして知られる拡散部分にて拡散され、下部プレナムを通って炉心へと供給される。
【0003】
ジェットポンプ計測配管(計測配管)はディフューザの上下端に接続しており、ディフューザ内の圧力を原子炉圧力容器外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものであり、計測配管サポート(サポート)を介してディフューザに例えば溶接で取り付けられている。
ジェットポンプは、内部にも高速流体が流れるため、外部と内部の流体から流体振動の影響を受ける。この流体振動による振動が計測配管に伝わるが、この流体振動の振動数が、計測配管の固有振動数と合致すると、計測配管は共振する。そこで、この共振が計測配管に与える影響を緩和するために、従来技術では計測配管にクランプ装置を取り付け、計測配管をディフューザに強固に拘束することで、計測配管の発生応力を低減している(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、上記に記載したようなクランプ装置を、通常、RPV上に設けられた台車上から操作ロープを用いて対象となるサポートに据付け、操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付けることで計測配管を固定している。
【0005】
また、特許文献2には、支援アームを原子炉圧力容器とシュラウドとの間の環状領域に走行させて、比較的空間のある領域で炉内機器の点検や補修等を支援する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−333431号公報
【特許文献2】特開平7−63884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クランプ装置の取付けを要するサポートの周囲には、例えばシュラウドを補強するためのタイロッドなどの干渉物が設置されていることがある。その場合、操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付ける方法では、空間上の制約により上部からクランプ装置の締付ボルトを直接締付けることが出来ない。また、操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付ける方法では、前記計測配管がディフューザ外面のうちライザ管に近い側に設置されている場合も同様に、前記サポートの上部にライザ管が存在することにより操作ポールを用いて上部から締付ボルトを締付ける方式によるクランプ装置の据付が不可能である。
【0008】
また、特許文献2の方法では、支援アームがジェットポンプの下部の狭隘部にアクセスできない可能性が大きい。さらに、特許文献2には、ジェットポンプの下部の狭隘部にあるクランプ装置の締付ボルトに、支援アームをどのようにアクセスし、作業を実施するかの具体的な手順の開示がされていない。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためのもので、その目的は干渉物が存在することにより上部から直接締付けられないクランプ装置の締付ボルトを確実に締め付けることができるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するために少なくとも以下の特徴を有する。
【0011】
本発明は、第1アームと前記第1アームの先端部に回転可能に接続された第2アームとを原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下し、前記第2アームをディフューザとシュラウドまたは原子炉圧力容器の間の空間で回転し、前記第2アームの先端に保持された締付ヘッドでディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを第1の特徴とする。
【0012】
また、本発明は、第1の特徴に加え、前記回転は略L字状に行なわれることを第2の特徴とする。
さらに、本発明は、第1の特徴に加え、前記第2アームは少なくとも一つ以上の曲り部を有することを第3の特徴とする。
また、本発明は、第3の特徴に加え、前記曲り部のうち少なくとも一つの曲り部は前記ディフューザに隣接するディフューザを回避するように回転することを第4の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、第1の特徴に加え、前記第1アームは、前記第2アームを前記原子炉圧力容器の径方向にシフトするシフト手段を有することを第5の特徴とする。
また、本発明は、第5の特徴に加え、前記シフト手段は前記第2アーム先端側を前記原子炉圧力容器とシュラウドのうち少なくとも一方に固定する固定手段を有することを第6の特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、第1の特徴に加え、前記締付ボルトの締め付けは前記締付ヘッドを振動させておこなうことを第7の特徴とする。
また、本発明は、第1の特徴に加え、前記締付ボルトに対し前記締付ヘッドを少なくとも1方向にフローティングするフローティング機構を設けたことを特徴とする
【発明の効果】
【0015】
本発明よれば、干渉物が存在することにより上部から直接締付けられないクランプ装置の締付ボルトを確実に締め付けることができるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置及び据付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態の平面図である。
【図3】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態のアーム部の正面図である。
【図4】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態のアーム部の平面図である。
【図5】本発明によるジェットポンプ計測配管クランプ装置の据付装置の第一の実施形態の位置決めするパッドを含むブロックの周辺構成を示す図である。
【図6】ヘッド部に付与されるフローティング機構の説明図である。
【図7】バイブレータ機構の説明図である。
【図8】本発明を2つ以上のディフューザと炉心シュラウド間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることに対しても適用できる本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図9】クランプ装置の締付部が原子炉圧力容器側にあるときに都合のよい本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図10】沸騰水型原子炉内部の構造を示す断面図である。
【図11】ジェットポンプの説明図である。
【図12】ジェットポンプ計測配管の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の実施形態を、沸騰水型原子炉を例に取り、図面を用いて説明する。図10は沸騰水型原子炉(BWR)用の原子炉圧力容器(RPV)1の概略断面図である。RPV1は、一般的にほぼ円筒形状を有し、一端で底部ヘッド2により、またその他端で脱着可能な上部ヘッド3により閉じられている。炉心シュラウド(シュラウド)4は一般的にRPV1内で炉心5を囲む。シュラウド4はほぼ円筒形状を有しており、シュラウド支持構造6により支持される。円筒形状のRPV1と円筒形状のシュラウド4の間には環状空間7が形成される。
【0018】
入口ノズル8はRPV1の側壁を貫通して延び、ジェットポンプ9に結合される。図示しない再循環ポンプで昇圧された冷却水はノズル10から噴射され、アニュラス部11の冷却水を吸い込み、スロート12、ディフューザ13及び下部プレナム14を通過して、炉心5へと供給される。ジェットポンプ9を設置すると、再循環ポンプによりRPV1の外部に引き出す冷却水の量よりも多量の冷却水を炉心へと供給することが出来る。さらに炉心5の流量を制御することで、ボイド効果(気泡の発生により冷却水の密度が減少し、原子炉の反応度が下がる効果)による反応度の変化を利用して出力を制御することが可能である。炉心5で発生した蒸気が、セパレータ15及びドライヤ16によって過熱蒸気となり、主蒸気ノズル17を通ってタービン(図示せず)を駆動する。一方、セパレータ15及びドライヤ16で分離された水は、アニュラス部11内において、給水系(図示せず)によって原子炉へと戻ってきた水と混合され、再びジェットポンプ9により炉心5へと供給される。
図11にジェットポンプの正面図を示し、ジェットポンプ9の構造について説明する。図11において、18はライザエルボ、19はライザ管、20はトランジションピース、21はエルボ、10はノズル、22はインレットミキサ、13はディフューザ、23はブラケット、24はサポート、25はウェッジ、26はビーム、27はライザーブレースである。
図11のB部の拡大図を図12に示す。28は計測配管、29は計測配管サポート(サポート)である。計測配管28はディフューザ13内の圧力をRPV1の外に設けている図示しない差圧計に伝達し、流量を計測するために設置されるものであり、サポート29を介してディフューザ13に例えば溶接で取り付けられている。
【0019】
図1は、本発明のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置30(以下、単に据付装置という)の第1の実施形態の正面図で、図2はその平面図である。
この据付装置30は、据付装置を上部から吊るためのボディ31(第1アーム)と、クランプ装置32へアクセスするためのアーム部(第2アーム)33を備えていて、このアーム部33の一端にクランプ装置32の締付ボルトを締付けるヘッド部34が設けられている。また、ボディ31とアーム部33は、アーム部33を直線状からほぼ直角に変更できるように結合しており、上部から直接アクセスできないライザ管19の下のクランプ装置32へ水平方向からヘッド部34を導入する。
【0020】
さらに、図2に示すように、アーム部33はディフューザ13とシュラウド4の間を通過し、ヘッド部34がクランプ装置32の締付部32aに取付けられるよう、途中で曲り部35を設けている。また、ボディ31の中間にはボディ上部31uとボディ下部31dとの中心軸をずらすブロック36が設置されている。このブロック36によりアーム部33をシュラウド4側に近づけ、アーム部33の曲り部35の角度を小さくし、炉内構造物との干渉を回避している。前記干渉がなければブロック36を設ける必要はない。
【0021】
図3に示すアーム部33は、ボディ31dと相対的に約90°の回転が出来るよう接続されており、例えば図3中に示す水圧シリンダ38とリンク37で相対回転を行なうことが出来る。ただし、相対回転は水圧シリンダに限らず、例えばねじの回転(ラックとピニオンの利用など)や、直接ロープで引くことで駆動することも出来る。アーム部33とボディ31dとの相対位置を変えることで、据付装置30のインストール時にはボディ31とアーム部33を直線状に配置して炉内構造物との干渉を避け、クランプ装置32の据付対象であるサポート29と同程度の高さ位置に到達してからアーム部を水平方向へ振上げることで、インストール性を向上できる。
なお、水圧シリンダやネジの回転の駆動源線や制御信号等の線又は配管は、必要な位置までボディ31やアーム部内を通し、必要ならばシールを介して外部に取り出すことが望ましい。
【0022】
図4は、図2に示すアーム部33の曲り部35を回転可能にできるようにしたアーム部の第2の実施例を示す調整型アーム部39の平面図である。即ち、調整型アーム部39は、ヘッド部34をクランプ装置32へ取付ける際に角度の微調整が出来るように調整型アーム部39aと調整型アーム部39bとが相対的に回転できるよう構成されている。このように構成することにより、ヘッド部34の位置を制御できることから、インストール時は調整型アーム部39aと39bを直線状の位置として炉内構造物との干渉を避け、締付時はヘッド部34をクランプ装置32に対して、図4に示すように、直線状に配置して取付けることが出来る。
上記において、調整型アーム部39aと39bの相対回転は、例えば水圧シリンダやねじの回転、ロープによる操作により駆動されることが出来る。
【0023】
図5は、据付装置の位置決めを行なう機構を有するブロック36の周辺構成を示した図である。クランプ装置32を締付ける際は、インストール時と異なり回転アーム部39を振上げているために据付装置30のウェイトバランスが変わることや、クランプ装置32の締付ボルトを締付けるときの反力により据付装置30全体が動くことなどが考えられる。ボルトの締付時は、締付軸がずれると締付トルクが十分に伝わらない可能性があるので、据付装置30自身の移動を防ぐ必要がある。
【0024】
このためにブロック36のシュラウド4側にパッド40を設け、このパッド40によって据付装置30の位置決めをし、クランプ装置32の締付の信頼性を向上させることができる。また、パッド40の反対側には、据付装置30のバランスをとるためのバランスウエイト41を取付けてもよい。
【0025】
さらに、バランスウエイト41の代わりに原子炉圧力容器1側の方向に移動可能なパッド(図示せず)を設け、そのパットを原子炉圧力容器1側に押付けることで、シュラウド4側のパッド40と共に据付装置30を完全に固定し、位置決めしてもよい。
【0026】
図6はヘッド部34に付与するフローティング機構の説明図である。図6(a)はヘッド部を図3と同じ方向から見た図で、図6(b)はヘッド部34の先端から見た図である。図6(a)、図6(b)に示すように2方向にフローティング機構を付与することで、クランプ装置32とヘッド部34に角度のずれがあってもヘッド部34をクランプ装置32に取付けることが出来る。
【0027】
図7はバイブレータ機構を備えたバイブレータ付ヘッド部42である。例えばヘッドの下部に取付けたバイブレータ43が振動することでバイブレータ付ヘッド部42が振動し、クランプ装置32の締付時に振動を与えながら締付ボルトを締付けることが出来る。締付時に振動を与えることで、クランプ装置32とディフューザ13の結合をより強固とし、原子炉運転中の振動によるクランプ装置32の緩みを防ぐことが出来る。また、振動を与えながらボルトを締付けることで、締付ボルトとクランプ装置本体のかじりを防止することができる。
さらにヘッド部34はクランプ装置32が原子力発電所の運転時の振動によりゆるむことを防止するための、締付ボルト廻り止め機構、例えば溶接やかしめ、つばおりを付与する。
【0028】
以上説明した実施形態では1つのディフューザとシュラウド間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることにより、クランプ装置の据付対象となるサポートの上部に例えばライザ管やタイロッドなどの干渉物があった場合でも、クランプを据付けることが出来ることを示した。
【0029】
図8は、本発明を2つ以上のディフューザとシュラウド間の隙間を通してクランプ装置へアクセスする第2の実施形態を示す図である。図8では、アーム部(第2アーム)に曲り部35を2箇所35a、35bを設けている。勿論、2箇所不必要であるならば1箇所でもよい。また、曲り部35b、図4に示す第1の実施形態の曲り部35のように回転可能な関節としてもよい。さらに、図5から図7に示した実施形態を適用することもでき、その効果を奏することができる。
【0030】
従って、以上説明した第1及び第2の実施形態によれば、少なくとも1つのディフューザとシュラウドとの間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることにより、クランプ装置の据付対象となるサポートの上部に例えばライザ管やタイロッドなどの干渉物があった場合でも、クランプを据付けることが出来る。
【0031】
以上説明した第1及び第2の実施形態では、アーム部33(第2アーム)をディフューザとシュラウド間の隙間を通すように設けた。図9は、アーム部33(第2アーム)をディフューザと原子炉圧力容器との間の隙間を通してクランプ装置へアクセスする第3の実施形態を示す図である。第1及び第2の実施形態と大きく異なる点は、ボディ31dを原子炉圧力容器1側に変位させ、パッド40を原子炉圧力容器1側に設けた点である。
【0032】
図9は、本発明をディフューザと原子炉圧力容器間の隙間を通してクランプ装置へアクセスする第2の実施形態を示す図である。第3の実施形態は、図9に示すように、クランプ装置32の締付部32aが原子炉圧力容器1側にあるときに都合のよい実施形態である。第3の実施形態でも、第1又は第2の実施形態で適用したその他の実施形態を適用でき、その効果を奏することができる。
【0033】
以上説明した第3の実施形態によれば、少なくとも1つのディフューザと原子炉圧力容器との間の隙間を通してクランプ装置へアクセスすることにより、クランプ装置の据付対象となるサポートの上部に例えばライザ管やタイロッドなどの干渉物があった場合でも、クランプ装置を据付けることが出来る。
【0034】
以上説明した第1乃至第3の実施形態によれば、干渉物が存在するジェットポンプ計測配管の固定が強固に得られるジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置又は据付方法を提供することができ、冷却水の流動振動に起因する計測配管の損傷を防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:原子炉圧力容器 2:底部ヘッド 3:上部ヘッド
4:炉心シュラウド 5:炉心 6:シュラウド支持構造物
7:環状空間 8:入口ノズル 9:ジェットポンプ
10:ノズル 11:アニュラス部 12:スロート
13:ディフューザ 14:下部プレナム 15:セパレータ
16:ドライヤ 17:主蒸気ノズル 18:ライザエルボ
19:ライザ管 20:トランジションピース
21:エルボ 22:インレットミキサ 23:ブラケット
24:サポート 25:ウェッジ 26:ビーム
27:ライザーブレース 28:計測配管 29:サポート
30:クランプ据付装置 31:ボディ 32:クランプ装置
33:アーム部 34:ヘッド部 35:曲り部
36:ブロック 37:リンク 38:水圧シリンダ
39:調整型アーム部 40:パッド 41:バランスウエイト
42:バイブレータ付ヘッド部 43:バイブレータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下される第1アームと、前記第1アームの先端部で前記第1アームに対し略L字状に回転する第2アームと、前記第2アームの先端部に接続され締付ヘッドを有する締付ヘッド部と、ディフューザとの干渉を回避する回避手段とを有し、前記締付ヘッドで前記ディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項2】
前記回転は前記ディフューザと原子炉圧力容器または前記炉心シュラウドとの間の隙間で行なうことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項3】
前記回避手段は、少なくとも一つ以上の曲り部を有する前記第2アームであることを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項4】
前記曲リ部のうち前記締付ヘッド部側の曲り部の少なくとも一つが回転可能関節であることを特徴とする請求項3に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項5】
前記回避手段は、前記第1アームに設けられ、前記第2アームを前記原子炉圧力容器の径方向にシフトするシフト手段であることを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項6】
前記シフト手段は前記第2アームより先端側を前記原子炉圧力容器とシュラウドのうち少なくとも一方に固定する固定手段を有することを特徴とする請求項5に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項7】
前記固定手段はパッドであることを特徴とする請求項5に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項8】
前記締付ヘッド部は締付ヘッドを振動させるバイブレータ機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項9】
前記締付ヘッド部は前記締付ボルトに対し少なくとも1方向にフローティングするフローティング機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項10】
第1アームと前記第1アームの先端部に回転可能に接続された第2アームとを原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下し、前記第2アームをディフューザとシュラウドまたは原子炉圧力容器の間の空間で回転し、前記第2アームの先端に保持された締付ヘッドでディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付方法。
【請求項11】
前記第2アームは少なくとも一つ以上の曲り部を有し、前記少なくとも一つの曲り部は前記ディフューザに隣接するディフューザを回避するように回転することを特徴とする請求項10に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付方法。
【請求項12】
前記締付ボルトの締め付けは前記締付ヘッドを振動させておこなうことを特徴とする請求項10に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付方法。
【請求項1】
原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下される第1アームと、前記第1アームの先端部で前記第1アームに対し略L字状に回転する第2アームと、前記第2アームの先端部に接続され締付ヘッドを有する締付ヘッド部と、ディフューザとの干渉を回避する回避手段とを有し、前記締付ヘッドで前記ディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項2】
前記回転は前記ディフューザと原子炉圧力容器または前記炉心シュラウドとの間の隙間で行なうことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項3】
前記回避手段は、少なくとも一つ以上の曲り部を有する前記第2アームであることを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項4】
前記曲リ部のうち前記締付ヘッド部側の曲り部の少なくとも一つが回転可能関節であることを特徴とする請求項3に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項5】
前記回避手段は、前記第1アームに設けられ、前記第2アームを前記原子炉圧力容器の径方向にシフトするシフト手段であることを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項6】
前記シフト手段は前記第2アームより先端側を前記原子炉圧力容器とシュラウドのうち少なくとも一方に固定する固定手段を有することを特徴とする請求項5に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項7】
前記固定手段はパッドであることを特徴とする請求項5に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項8】
前記締付ヘッド部は締付ヘッドを振動させるバイブレータ機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項9】
前記締付ヘッド部は前記締付ボルトに対し少なくとも1方向にフローティングするフローティング機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付装置。
【請求項10】
第1アームと前記第1アームの先端部に回転可能に接続された第2アームとを原子炉圧力容器の上部から前記原子炉圧力容器と炉心シュラウドの間の環状領域に垂下し、前記第2アームをディフューザとシュラウドまたは原子炉圧力容器の間の空間で回転し、前記第2アームの先端に保持された締付ヘッドでディフューザに取り付けられている流量計測用の計測配管をクランプするクランプ装置の締付ボルトを締め付けることを特徴とするジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付方法。
【請求項11】
前記第2アームは少なくとも一つ以上の曲り部を有し、前記少なくとも一つの曲り部は前記ディフューザに隣接するディフューザを回避するように回転することを特徴とする請求項10に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付方法。
【請求項12】
前記締付ボルトの締め付けは前記締付ヘッドを振動させておこなうことを特徴とする請求項10に記載のジェットポンプ計測配管のクランプ装置据付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−37368(P2012−37368A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177448(P2010−177448)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
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