説明

ジャー排出装置および方法

本発明によれば、粉末を収容するジャー(1)を保持し、ネック(4)を通じて空にするためにジャーを上下反転させるためのタブ(20、21)を備えたマンドレル(11)が、付着した粉末塊をふるい落とすためにジャーの壁を振動させるための振動発生器(31)を備える。本手法は、エネルギー衝撃適用より効率的であり、周波数走査がさらに有利に適用される。
アプリケーションの一つは、粉末凝集による核燃料ペレットの製造方法における排出ステップである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、ジャー排出装置および方法である。
【0002】
本発明は、核燃料製造ラインのために考案されたものであるが、アナログ条件が、低流動特性の粉末を収容する容器の排出に適合すれば、他のアプリケーションにおいても利用可能である。
【背景技術】
【0003】
最初に想定したアプリケーションに関する粉末は、廃棄された核燃料ペレットから生じて、粉になり、新しいペレットの製造で再利用される必要がある。シャモットとして知られるこの粉末は、保存および移動のために用いられる、ジャーとして知られる容器の壁に対して勾配を持って付着する特殊性を有する。
【0004】
図1は、この種のジャー1を示している。それは、メインシリンダボディ2、上部円錐ボディ3、および、頂上部に、カラー5で終端するネック4を含んでいる。ジャー1は、プラグ6で閉じられても良いが、本発明の装置に適用される前に取り外される。メインボディの中央部は、中空で、噴出し軸7(より一層冷却するための、ジャー1の格納部の外部への換気部を有するため、こう呼ばれる)を構成しており、その長さは、上部ボディ3まで伸びる。メインボディ2と噴出し軸7との間に含まれる環状体積部分は、ジャー1を満たす燃料により自然に生じる熱の消散を目的とする、垂直で環状のリブ形状のラジエータ9を有する。噴出し軸7とラジエータ9とは、メインボディ2の底部8の近くで、ジャー1の残部に双方が繋がっている。上部ボディ3の高さの一部における厚さを増すストラップ10が示されている。
【0005】
プラグ6か取り外されたジャー1が上下反転された際に、粉末をジャーから排出するために、既知の方法に従い、ストラップ10の上で衝撃が与えられる。電磁式ハンマーが用いられる。しかしながら、粉末の粘着特性の理由で、結果は十分ではなく、このために、表面の複数の箇所を木槌により手動で殴打することにより、ジャー1の排出の完遂が試みられてきた。しかしながら、結果は、たとえ衝撃がジャー1をへこませるほど強くても、満足できるものではなかった。上部ボディ3の急な傾きと、熱消散軸7を区切る内部壁の存在と、ラジエータ9の形成とが、粉末の粘着の大きな一因となることが認められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この低流動性の欠点を取り除くことを目的としており、第一に、ジャーのネックを囲みジャーと結合するリングと、ジャーのネックへの接触部とを有し、リングが振動発生器5を含むジャー排出装置に関する。適用されるエネルギーが低く、リングがジャーを掴む場所の上端およびネックの近くで、粉末が存在し付着する場所のジャーの底部から離れた場所で行われるとしても、振動の適用は、衝撃の適用よりも効果的であることがわかっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある有利な実施形態の詳細によれば、振動発生器は、ネックとの接触部に配置され、ネックに直接接している。それらは、ジャーのカラーの平坦端面に押圧され、ネックの最外部に配置される円板に配置される。そして、円周の少なくとも半分を占めるように、円板の円周に広がる。
【0008】
本発明の他の特徴は、はめ込みリングによりジャーのネックを掴むステップと、リング上で傾けることによりジャーを上下反転させるステップと、ジャーの振動ステップと、を有するジャーの排出方法であり、ジャーの振動は、リングにより確実となることを特徴としている。
【0009】
本発明の改善効果の理由の一つは、多数の振動基本モードを促すために、必要である場合、周波数走査による、幅広い帯域の振動周波数にわたる刺激の可能性に起因する。
【0010】
図面を参照しつつ、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ジャーおよびプラグを示す。
【図2】ジャーがはめ込まれるマンドレルの断面図を示す。
【図3】軸方向におけるリングの部分図を示す。
【図4】装置の上下逆さま回転および排出を部分的に示す。
【図5】振動発生器の配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ジャー1と結合し、保持し、上下反転させる装置を、特に、図2および3に示す。マンドレル11は、一般的なリング形状である。マンドレル11は、円形同軸固定部12および可動部13を有する。可動部13は、固定部12の最上部に固定されたモータ15により駆動されるピニオン14により、固定部12に対して回転される。ピニオン14は、この目的のため、可動部13にネジ止めされる歯状セクタ16と噛み合う。可動部13の角度運動は、歯状セクタ16がぶつかり、固定部12に取り付けられた、2つの停止ブロック17で制限される。可動部13は、内側表面が歯状の内部回転リングであり、リング内で正方形に配置される4つのピニオン18と噛み合う。固定部12は、外部回転リング38を含み、ボール39の層により可動部13と結合する。回転リングは、固定部12の主部40の上に設けられている。モータ15が動作する際に可動部13により回転させられるピニオン18は、固定部12に組み込まれた複数軸19として回転し、それらと同軸であり、軸19に対して斜めで半径方向に伸びる固定タブ20を備えている。タブ20は、ジャーがマンドレル11の下に配置された場合、ジャー1のカラー5の下を通過でき、自由端に設けられたローラ21が、カラー5の下面上を回転し、リングの底部で結合面22に押し付ける。逆の動作でタブが解除され、ジャー1を外すことができる。
【0013】
さらに、タブ20の間で、対で対向する4つの心出し片36が設けられ(図5に表示)、マンドレル11における半径方向の動作により、互いに接近して、心出し効果により、ジャー1のカラー5を固定するように制御され得る。この目的のため、カラー5のエッジの一部が接するV字圧材37が設けられている。
【0014】
マンドレル11は、全体を図示しない突起23を把持することで、図4に示す回転装置24に設けられる。回転装置24は、フレーム25、モータ26、およびモータ26の動作の下フレーム25で回転する水平軸27を有している。
【0015】
水平軸27は、マンドレル11がジャー1の嵌め込み軸28に覆い被さり、図2に示す結合面22が下方となる状態の位置と、マンドレル11が約半回転傾転し、ジャー1がその上となり、収容物が、マンドレル11を貫通して配置されネック4が接触する凹部33を通過して、マンドレル11と近接配置されるホッパー29に流出する位置との間を往復する。しかしながら、前述したように、流出は容易に完遂されない。
【0016】
完全を期すために、軸28の底部(図示省略)は、ジャー1運搬コンベア1により塞がれ、エレベータ30がジャー1を運搬し、回転装置24に向かってシャフト28の中を押し上げることができる点が指摘されるべきであろう。
【0017】
本発明によれば、図2および5に従えば、マンドレル11は、ここでは数16個で、励振板34上、少なくとも範囲の半分に広がる振動発生器31を備えている。これらは、サイズが小さい利点を有し、小さい寸法の回転11に困難なく配置され得る圧電型振動発生器である。結合面22は、把持されたジャー1のカラー5上に置かれるプレート34の底部に接し、従ってシーリングがなされる。このようにして、振動は、結合面22と同一面上にある振動発生器31において、直接接触により、ジャー1のカラー5に伝えられる。十分な密度を有すること、すなわち多数の振動発生器31を利用することが有利である。それらは、グループ毎(たとえば、一実施形態では、8個のグループ2つ)に交互に作動する。これらの制御手段、数は2つ、は、固定部12に固定され、リファレンス40に支持される。
【0018】
ジャー1の実験およびモード解析は、カラー5が、ジャー1が最適に振動する、振動および衝撃を加える振動適用箇所であり、特にストラップ10上では効果がないことを示している。さらに、振動発生器31は、全く異なる振動基本モードによりジャー1の壁を刺激する周波数走査の実行を可能とし、ジャー1の微小箇所を交互に代替波腹とすることにより、あらゆる箇所で粉末をよりよく落とすことを可能とする。振動発生器31が配置された圧迫領域、ここではカラー5、と、粉末が付着した場所、ここではジャー1の底部の近く、との間で、高い増幅率を与える共鳴モードに刺激することが目的である。特に、J60と名付けられたジャーモデルの場合、326Hzおよび726Hz付近で数分走査し、他の方向で再開することが、良い結果をもたらすことがわかっている。これらの周波数は、振動が全高さにわたって広がり、粉末が付着するあらゆる場所に届くように、ジャー1の縦振動の最初の2つの基本モードに対応する。
【符号の説明】
【0019】
1 ジャー
4 ネック
5 カラー
11 マンドレル
12 固定部
13 可動部
14 ピニオン
16 葉状セクタ
17 停止ブロック
18 ピニオン
19 軸
20 固定タブ
21 ローラ
22 結合面
23 突起
24 回転装置
25 フレーム
26 モータ
27 水平軸
28 嵌め込み軸
29 ホッパー
30 エレベータ
31 振動発生器
34 円板
36 心出し片
37 V字圧材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低流動特性の粉末を収容するジャーの排出装置であって、前記ジャー(1)のネック(4)を囲むマンドレル(11)と、前記ジャー(1)の前記ネック(4)の接触部とを含み、前記マンドレルが振動発生器(31)を含むこと、
を特徴とするジャーの排出装置。
【請求項2】
前記振動発生器が、前記ネックの前記接触部に配置され、前記ネックと直接接触すること、
を特徴とする請求項1に記載のジャーの排出装置。
【請求項3】
前記振動発生器(31)が、前記ネック(4)の最外部において、前記ジャー(1)のカラー(5)の平坦端面に押圧される円板(34)に配置されること、
を特徴とする請求項2に記載のジャーの上下反転装置。
【請求項4】
前記振動発生器(31)が、円周の少なくとも半分を占めるように、前記円板(34)の円周にわたって広がること、
を特徴とする請求項3に記載のジャーの排出装置。
【請求項5】
前記振動発生器が、圧電性であること、
を特徴とする請求項1に記載のジャーの排出装置。
【請求項6】
結合マンドレルによりジャーのネックを掴むステップと、前記マンドレル上で傾けることにより前記ジャーを上下反転させるステップと、前記ジャーを振動させるステップとを有するジャーの排出方法であって、前記ジャーの前記振動は、前記マンドレルにより確実となること、
を特徴とするジャーの排出方法。
【請求項7】
前記ジャーの前記振動は、少なくとも一つの振動周波数帯域の走査により実行されること、
を特徴とする請求項6に記載のジャーの排出方法。
【請求項8】
326Hzおよび726Hz付近に広がる2つの振動周波数帯域を有すること、
を特徴とする請求項7に記載のジャーの排出方法。
【請求項9】
各振動周波数帯域が、前記ジャー(1)の縦振動の基本モード付近にあること、
を特徴とする請求項8に記載のジャーの排出方法。
【請求項10】
前記ジャーが、前記ネック(4)で振動されること、
を特徴とする請求項6に記載のジャーの排出方法。
【請求項11】
前記振動が、圧電性に起因すること、
を特徴とする請求項6に記載のジャーの排出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−515629(P2010−515629A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545164(P2009−545164)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050113
【国際公開番号】WO2008/084032
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508313895)アレヴァ・エヌセー (32)
【氏名又は名称原語表記】AREVA NC
【住所又は居所原語表記】33, rue La Fayette, 75009 Paris, France
【Fターム(参考)】