説明

ジュカラ及びアサイ果実ベースの健康補助食品

本発明は、安定して口当たりの良い凍結乾燥された果実ベースの健康補助食品に関連している。具体的には、本発明は、高い抗酸化能及びシクロオキシゲナーゼ阻害活性を伴うアサイ果実及びジュカラ果実の組成物、並びにそれらの使用に関連している。本発明は、アサイ果実及びジュカラ果実から、安定して口当たりの良い凍結乾燥された果実ベースの健康補助食品を製造する方法を更に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、安定した口当たりの良い凍結乾燥された果実ベースの健康補助食品の製造法、及びその使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
過去数十年にわたり、フリーラジカルは、ヒトの健康及び疾患に対するそれらの重要性に関する理解が深まってきている。アテローム性動脈硬化症、癌、及び加齢を含む多くの一般的かつ致命的疾患は、損傷の基礎となる機構としてフリーラジカル反応を有する。この期間にわたり、人々のフリーラジカルの生きている生物との関係の概念的理解は、生活の質及び寿命さえも改善することに関連し、かつ前例のない機会を提供している。
フリーラジカルの最も一般的な型のひとつは、活性酸素種(ROS)である。これらは、正常な細胞呼吸及び代謝の産物であり、かつ一般に体内で生成された抗酸化物質により調節される。汚染のような環境物質、並びに喫煙又は運動のようなライフスタイルの要因により、フリーラジカルの発生は増加される。このような増加は、平衡のとれない体をもたらし、特に体年齢及び抗酸化物質を生成する機構は、これらの化合物をそれらに必要な速度で生成する体の能力を失うので、酸化ストレスを生じる。生じる障害は、生物学的プロセスの破壊、細胞の殺傷、及び遺伝物質の変異に及び、これらは癌の発生につながり得る。
【0003】
酸化ストレスの作用並びに変性疾患及び加齢の進行に対する保護のための健康補助食品の潜在的使用は、過去20年間に研究数が増大している主題である。今日の市場には、様々なレベルで抗酸化物質を含有する多くの製品が存在する。これらは、食品、流動食及び栄養補助食品の形をとる。これらの生命の維持に必要な(vital)栄養素の最も豊富な給源は、通常ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなどのような化合物を有する果実及び野菜において認められる。
抗酸化物質仮説は、食品による抗酸化物質の補充は、疾患に関連したレドックス不均衡を緩和することができると仮定している。抗酸化物質は、これらのフリーラジカルに結合しかつそれらを安定化し、かつこれらをシステムから捕捉するように機能し、これによりフリーラジカル障害の量の低下をもたらすことができる。
BHA(ブチル化されたヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化されたヒドロキシトルエン)及びNDGA(ノルジヒドロ-グアヤレチック酸)などの合成抗酸化物質が、今日までに開発されている。天然の抗酸化物質の例として、スーパーオキシドジスムターゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化性酵素、及びトコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)、カロテノイド(cartenold)及びグルタチオンなどの非-酵素的抗酸化物質がある。
【0004】
しかし、合成抗酸化物質は、体内でのそれらの強力な毒性のために、アレルギー反応及び腫瘍発生を生じることがあり、並びに感温性のために、熱により容易に破壊される。他方で、天然の抗酸化物質は、体内で合成の抗酸化物質よりも安全であるが、作用が弱いという問題点がある。従って使用上安全で問題がなく、優れた抗酸化活性も有する新規天然の抗酸化物質の開発が必要とされている。
多くの研究が、ポリフェノールフラボノイドの保護的特性を明らかにしている。フラボノイドの抗突然変異性、抗腫瘍形成性及び免疫刺激特性が報告されている。これらのフラボノイドは、インビトロにおけるフリーラジカル捕捉能が証明されている、果実、野菜、穀類、樹皮、茶及びワインにおいて認められる天然に生じるポリフェノールの大きい群である。
【0005】
アントシアニンは、多くの果実、野菜、シリアル穀類及び花の赤、紫及び青色の原因となる天然に生じる化合物である。例えばブルーベリー、ビルベリー、ストロベリー、ラズベリー、ボイゼンベリー、マリオンベリー、クランベリーなどのベリー果実の色は、多種多様なアントシアニンによるものである。300を超える構造的に異なるアントシアニンが、天然において同定されている。アントシアニンは天然に生じるので、これらは食品及び飲料の着色剤としての使用が非常に興味深い。プロアントシアニンは、果実及び野菜において認められるが、無色であるフラボノイド化合物の別の種類であり、抗酸化活性を有する。
最近、食用抗酸化物質としてのアントシアニン色素の健康上の恩恵の可能性のために、それらに関する関心が増している。例えばビルベリー(Vaccinium myrtillus)のアントシアニン色素は、視力を改善し、かつ循環障害を治療するために長く使用されている。ある種のアントシアニン及びフラボノイドは、抗炎症特性を有するという実験的証拠が存在する。加えて、経口投与されたアントシアニンは、糖尿病及び潰瘍の治療に有益であり、かつ抗ウイルス活性及び抗菌活性を有し得るという報告がある。フラボノイドのこれらの望ましい特性の化学的基礎は、それらの抗酸化能に関連していると考えられる。従って液果類並びに他の果実及び野菜に関連した抗酸化特性は、それらのアントシアニン含有物に起因する。
【0006】
今日の市場において、様々なレベルの抗酸化物質を含有する多くの製品が存在する。これらは、食品、流動食及び栄養補助食品の形である。これらの生命の維持に必要な栄養素の最も豊富な給源は、通常ビタミンC、ビタミンE、アントシアニン、β-カロテン及びその他のもののような化合物を有する果実及び野菜において認められる。抗酸化物質は、これらのフリーラジカルに結合しかつそれらを安定化し及びこれらをシステムから捕捉するように機能し、これによりフリーラジカルの障害量の低下をもたらすことができる。
多くの果実及び野菜は、これらの生命の維持に必要な栄養素を含むので、これらの食品中の抗酸化物質のフリーラジカルを吸収する能力を評価することは非常に重要である。Tufts大学のUSDA Researchersは、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity)として知られている研究室用試験を開発し、これは様々な食品を、それらの抗酸化物質含量及びそれがこれらのフリーラジカルに結合する能力に従い等級化する。この試験により、様々な食品を、それらの酸化防止能について比較及び分析することができる。
高いORACスコアを有する果実又は野菜の同定並びにそれらをベースにした健康補助食品の開発及び製造の必要性がある。
【発明の開示】
【0007】
発明の簡単な概要
本発明は、高いORACスコア及びシクロオキシゲナーゼ阻害活性を有するアサイ(Acai)果実及びジュカラ(Jucara)果実を同定することに関係している。ひとつの局面において、本発明は、総アントシアニン濃度が約1mg/g総質量よりも大きい凍結乾燥された果肉を含有する健康補助食品組成物を提供し、この組成物は、約350μmole TE/g総質量よりも大きいORACFL値及び総質量の約3%未満の残留含水量を有する。ひとつの態様において、健康補助食品組成物の凍結乾燥された果肉は、凍結乾燥されたアサイ果肉である。別の態様において、健康補助食品の凍結乾燥された果肉は、凍結乾燥されたジュカラ果肉である。ひとつの態様において、本発明の健康補助食品組成物は、医薬として許容できる担体を更に含有する。好ましい態様において、本発明の健康補助食品組成物の総アントシアニン濃度は、約1mg/g総質量〜約500mg/g総質量である。別の好ましい態様において、健康補助食品の総アントシアニン濃度は、約1mg/g〜約100mg/g総質量である。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物の総アントシアニン濃度は、約1mg/g〜約10mg/g総質量である。別の好ましい態様において、この健康補助食品組成物は、ORACFL値約350μmole TE/g総質量〜約10mmol TE/gを有する。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物は、ORACFL値約350μmole TE/g総質量〜約5mmol TE/gを有する。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物は、ORACFL値約350μmole TE/g総質量〜約1mmol TE/gを有する。好ましい態様において、この健康補助食品組成物の残留含水量は、総質量の約0.01%〜約3%である。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物の残留含水量は、総質量の約0.1%〜約3%である。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物の残留含水量は、総質量の約1%〜約3%である。
【0008】
別の局面において、本発明は、組成物が約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量よりも大きいシクロオキシゲナーゼ阻害値及び総質量の約3質量%未満の残留含水量を有する、凍結乾燥された果肉を含有する健康補助食品組成物を提供する。ひとつの態様において、健康補助食品組成物の凍結乾燥された果肉は、凍結乾燥されたアサイ果肉である。別の態様において、健康補助食品の凍結乾燥された果肉は、凍結乾燥されたジュカラ果肉である。ひとつの態様において、本発明の健康補助食品組成物は、医薬として許容できる担体を更に含有する。好ましい態様において、健康補助食品組成物のシクロオキシゲナーゼ阻害値は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量〜約10,000 アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量である。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物のシクロオキシゲナーゼ阻害値は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量〜約1,000 アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量である。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物のシクロオキシゲナーゼ阻害値は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量〜約100 アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量である。好ましい態様において、健康補助食品組成物の残留含水量は、総質量の約0.01%〜約3%である。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物の残留含水量は、総質量の約0.1%〜約3%である。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物の残留含水量は、総質量の約1%〜約3%である。
【0009】
別の局面において、本発明は、果実の収穫;果実の秤量;果実の水による清浄化(cleaning);果実の水による温度約75℃〜100℃での、約5秒〜10分間の洗浄;果実から果肉を分離するための果実の外皮除去;果肉の温度約-5℃未満への凍結;並びに、果肉の残留含水量が3質量%未満である顆粒状の凍結乾燥された果肉粉末を得る条件下での凍結乾燥を含み、ここで凍結乾燥された果肉粉末は果肉調製物よりもより安定しかつ口当たりが良いような、安定しかつ口当たりの良い果実ベースの健康補助食品組成物を作製する方法を提供する。ひとつの態様において、果実はアサイ果実である。別の態様において、果実はジュカラ果実である。ひとつの態様において、清浄化工程は、果実を0.1%(v/v)で衛生的な水により清浄化することからなる。別の態様において、クエン酸が、凍結の前に果肉調製物に添加される。別の態様において、洗浄工程は、果実を、温度約80℃の水で、約10秒間洗浄することからなる。更に別の態様において、外皮除去工程は、約2分〜約5分間果実を機械的に外皮除去することからなり、及び外皮除去工程は、果実2kgにつき水約1Lを用いて実行される。更に別の態様において、健康補助食品組成物を製造する方法は、約350μmole TE/g総質量よりも大きいORACFL値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を得る。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約350μmole TE/g総質量〜約10mmole TE/g総質量のORACFL値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約350μmole TE/g総質量〜約5mmole TE/g総質量のORACFL値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約350μmole TE/g総質量〜約1mmole TE/g総質量のORACFL値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量より大きいシクロオキシゲナーゼ阻害値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量〜約10,000 アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量のシクロオキシゲナーゼ阻害値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。別の好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量〜約1,000 アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量のシクロオキシゲナーゼ阻害値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。更に別の好ましい態様において、健康補助食品組成物を作製する方法は、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量〜約100 アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量のシクロオキシゲナーゼ阻害値を有する果実ベースの健康補助食品組成物を生じる。
【0010】
更に別の局面において、本発明は、哺乳類における病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷を予防又は治療する方法を提供し、この方法は、本発明の果実ベースの健康補助食品組成物を有効量哺乳類に投与することを含み、ここでこの組成物は、フリーラジカルを失活し、かつ病的フリーラジカルにより誘導された障害を低下する。ひとつの態様において、この疾患又は損傷は、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される。
【0011】
更に別の局面において、本発明は、哺乳類において、病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷に罹患した哺乳類における病的フリーラジカル反応の有害作用を緩和する方法を提供し、この方法は、本発明の果実ベースの健康補助食品組成物の有効量を哺乳類に投与することを含み、ここでこの組成物は、フリーラジカルを失活し、かつ病的フリーラジカルにより誘導された障害を低下する。ひとつの態様において、疾患又は損傷は、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される。
更に別の局面において、本発明は、哺乳類においてシクロオキシゲナーゼ酵素活性を阻害する方法を提供し、この方法は、本発明の果実ベースの健康補助食品組成物を含む組成物を有効量哺乳類に投与することを含む。ひとつの態様において、果実ベースの健康補助食品組成物は更に、医薬として許容できる担体を含む。別の態様において、果実ベースの健康補助食品組成物は、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路からなる群より選択される投与経路により投与される。
【0012】
別の局面において、本発明は、哺乳類において、増加したシクロオキシゲナーゼ酵素活性に関連する疾患又は損傷を予防又は治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本発明の果実ベースの健康補助食品組成物を含有する組成物を哺乳類へ投与することを含む。ひとつの態様において、この果実ベースの健康補助食品組成物は更に、医薬として許容できる担体を含む。別の態様において、この果実ベースの健康補助食品組成物は、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路からなる群より選択される投与経路により投与される。別の態様において、この疾患又は損傷は、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素からなる群より選択される。
本発明のこれら及び他の目的は、以下に示した本発明の詳細な説明から明らかであろう。
【0013】
発明の詳細な説明
従って、ある局面、様式、態様、変更及び特徴は、本発明の実質的理解を提供するために様々なレベルで詳細に以下に説明されることが理解される。一般にこのような開示は、有益な健康補助食品組成物、そのような組成物の他の健康補助食品組成物との組合せ、並びにこれを製造及び使用する関連した方法を提供する。
従って本発明の様々な局面は、病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷を予防又は治療するための、ある種の特定の健康補助食品組成物の治療用又は予防用の使用に関連している。本発明の様々な局面は更に、増加したシクロオキシゲナーゼ酵素活性に関連した疾患又は損傷を予防又は治療するための、ある特定の健康補助食品組成物の治療用又は予防用の使用に関連している。従ってこれらの局面を例示する様々な具体的態様を以下に示す。
説明されたような医学的状態の治療又は予防の様々な様式は、「実質的」を意味することが意図されており、これは全てであるがそれよりも少なくてもよい治療又は予防を含み、かつここで一部の生物学的又は医学的に関連のある結果が達成されることは理解されるはずである。
【0014】
定義
本願明細書において使用される「対象」は、好ましくは、ヒトのような哺乳類であるが、ペット(例えば、イム、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)及び実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)などの動物であることもできる。
本願明細書において使用される化合物の「有効量」は、望ましい治療的及び/又は予防的作用を実現するのに十分な量であり、例えば、治療される疾患に関連した症状の予防又は軽減を生じる量である。対象に投与される化合物の量は、疾患の型及び重症度によって、並びに全身の健康、年齢、性別、体重及び薬剤耐性などの個人の特徴によって決まる。これは、疾患の程度、重症度、及び型によっても決まるであろう。当業者は、これら及び他の要因に応じて、適当な用量を決定することができる。典型的には、治療的及び予防的作用を実現するのに十分である、本発明の化合物の有効量は、約0.000001mg/kg体重/日〜約10,000mg/kg体重/日の範囲である。好ましくはこの用量範囲は、約0.0001mg/kg体重/日〜約100mg/kg体重/日である。本発明の化合物は、互いに、又は1種もしくは複数の追加の治療的化合物と組合せて投与することもできる。
【0015】
「アサイ」は、Paraとして知られているブラジルの北部地区に特徴的な周知のヤシ種である。アサイは、細い幹、及び暗紫色の、時には完熟時に黒色にさえ近いような、丸い卵形の房をなす(clustered)果実を特徴としている。アサイのラテン名は、エウテルペ・オレラセア(Euterpe oleracea)、Martius;Palmaceae科である。英国では、「キャベツヤシ(Cabbage Palm)」としても知られている。ブラジルでは、acai-do-pars、acai-do-baixo Amazonas、palmito acai、acaizeiro、acai、アッサイ(assai)、ジカラ(jicara)、ジュカラ (jucara)、パルミテイオ(palmiteiro)、ピリア(piria)として知られており;コロンビアでは、アッサイ(assai)及びマナカ(manaca);及び、ウアカイ(uacai)として知られており;並びに、スリナムでは、マナカ(manaka)、ピナパーム(pinapalm)、プラサラ(prasara)、ワポエ(wapoe)、及びワセイ(wasei)として知られている。用語アサイは、別のエウテルペ(Euterpe)亜種であるE. カルティナ・ワラス(catinga Wallace)も含み、これもブラジルにおいて見られ、「アサイ」と称されている。最後に、用語アサイは、別のエウテルペ亜種であるE. プレカトリア・マルティウス(precatoria Martius)も含み、これはボリビアにおいて見られ、南米地域ではよく知られており、「アサイ」及び「ジュカラ」と称されている。
「ジュカラ」は、別のヤシ種である。ジュカラのラテン名は、エウテルペ・エジュリス、マルティウス(Martius);パルマセアエ(Palmaceae)科である。これはブラジルにおいては、アッサイ(assai)、アカイ(acai)、パミト(plamito)、パミト・ドセ(palmito doce)、ジュカラ(jucara)、パルミト・ジュカラ(palmito jucara)、リペイラ(ripeira)、イカラ(icara)、ジュカラ(jucara)、エンサロバ(ensarova)、パルミテイロ(palmiteiro)としても知られている。用語ジュカラは、別のエウテルペ亜種であるE. espiritosantensis Fernandesも含み、これもブラジルにおいてはジュカラと称されている。最後に用語アサイは、別のEuterpe亜種であるE. precatorla Martiusも含み、これはボリビアにおいて見られ、南米地域ではよく知られており、「アサイ」及び「ジュカラ」と称されている。
本出願を通じて引用された参考文献は、それらの全体が本願明細書に参照として組入れられている。
【0016】
抗酸化物質の特性及びそれらの使用
本発明は、2種のヤシ科の果実アサイ及びジュカラを、試験した他の果実又は野菜よりも有意に高いORACスコアを有するものとして、同定した。
アサイ果実は、高い割合のモノ不飽和及びポリ不飽和脂肪酸、並びに比較的低濃度の飽和脂肪酸及びトランス脂肪酸を含有することがわかっている。アサイ果実は、脂質、線維及び蛋白質が豊富であり、かつ2種の公知の抗酸化物質であるビタミンE及びアントシアニンを含有することが知られている。しかし、アサイ果実は、酸化並びに細菌、真菌及び酵母による微生物夾雑のために非常に迅速に劣化し易いので、これらの果実は過去には十分に利用されていない。従ってアサイ果実から作製された果実及び果汁は、迅速に劣化し、かつ急激にそれらの嗜好性及び抗酸化物質特性を失い−アントシアニンのほぼ半分が収穫後2日以内に分解する。アサイ果実及び果汁の迅速な劣化を克服し、これにより広域の市場に製品を陳列する努力において、いくつかの会社が、果肉を凍結することを試みている。しかしこの方法でのアサイ果肉の単純な凍結は、慎重な温度管理を必要とし−かなりわずかな温度変動であっても、酵素を劣化し、かつ物質を発酵する活性化を生じる。更にこのような凍結した果肉の使用のための解凍時にも、これらの物質は活性化され、果肉のざらざら感(grittiness)を生じる。
【0017】
とりわけ前述の問題点は、本発明により解決されている。特に下記実施例において説明されたように、本発明は、試験した他の凍結乾燥された果実又は野菜組成物よりも著しく高いアントシアニン濃度及びより高いORACスコアを有する、安定しかつ口当たりの良いアサイ-ベースの健康補助食品組成物を提供する。
本発明の結果として、現在、アサイ果実は、健康補助食品の非常に優れた給源を提供することが明らかである。本発明以前は、この果実は、主にエネルギー飲料として又は有効期間が短い凍結処理物(frozen treat)の一部として使用された。本発明のアサイ-ベースの健康補助食品組成物は、著しく長い有効期間を有する一方で、アサイ果実の抗酸化物質特性が著しく増加した、安定しかつ口当たりの良い生成物を提供する。本発明は、果実の高度に栄養価の高い特徴を、単に保存するのみではなく、著しく増強することもでき、かつ迅速な分解という関連する懸念を伴わずに楽しむことができる。
【0018】
前述の考察は、主にアサイ果実及びそれらに由来した健康補助食品に焦点を当てているが、本発明は、同じく試験した凍結乾燥された果実又は野菜組成物よりも、有意に高いアントシアニン濃度を有しかつより高いORACスコアを生じるジュカラベースの健康補助食品組成物も提供する。以下に説明されるように、ジュカラ果実、及びそれらに由来した健康補助食品も、非常に高レベルのプロアントシアニジンが認められ、かつヒドロキシラジカル及びペルオキシ亜硝酸に対する高い抗酸化活性を発揮した。
本発明に従い、アサイ果実及びジュカラ果実、アサイ果実及びジュカラ果実に由来した、果汁、健康補助食品及び他の組成物は、フリーラジカルの有害作用及び酸化ストレスの治療、退行、及び/又は保護に使用される。
【0019】
フリーラジカル及び酸化ストレス
過去数十年間にわたり、高度に反応性でありかつこれにより破壊的な分子であるフリーラジカルが、ヒトの健康及び疾患にとって重要であることの理解が深まってきている。アテローム性動脈硬化症、癌、及び加齢を含む多くの一般的及び生命を脅かすヒト疾患は、損傷の機構の基礎となるものとしてフリーラジカル反応を有する。
フリーラジカルは、その外軌道に1個又は複数の不対電子を伴う分子である。これらの分子種の多くは、酸素(時には窒素)中心である。実際ヒトが呼吸する分子酸素は、フリーラジカルである。これらの高度に不安定な分子は、隣接分子と迅速に反応し、それらの外軌道電子(複数)を与え、奪い、又は共有さえする傾向がある。この反応は、隣接する標的分子を、時には著名な方法で変更するのみではなく、この標的に沿って不対電子を通過させることが多く、第二のフリーラジカル又は他のROSを発生し、これらは次に新たな標的と反応を続ける。事実上、多くの高反応性のROSは、それらのそのような分子連鎖反応の生成のために、それらの作用を何倍も効果的に増幅する。抗酸化物質は、ROSが様々な生物学的分子に対する障害を引き起こす前にそれらを捕捉することができるので、保護を可能にするか、又は例えば脂質過酸化のラジカル連鎖反応を妨害することにより、酸化的障害が拡散するのを防止する。
【0020】
ROS及びヒトの健康
ヒトの体は、外部給源(太陽光、放射線の他の形、汚染)及び内因性の生成の両方からフリーラジカル及び他のROSに継続して曝露されているので、ROS-媒介した組織損傷は、多くの疾患プロセスの最終的な共通の経路である。
放射線損傷
放射線損傷は、ROS媒介型疾患の重要な原因を表している。極端な例は、太陽の中心内の及び熱核爆風の中心での、物理−化学反応を含む。より一般的な放射線に遭遇するレベルについて、状況に応じて、持続型損傷の約2/3が、放射線それ自身によってではなく、二次的に発生したROSにより媒介される。これは、放射線損傷の急性毒性の型のみではなく、更には長期の突然変異(従って発癌性)作用にも当てはまる。
この原理の重大な臨床適用は、放射線療法による癌の治療において恒常的に遭遇する。巨大な腫瘍は、しばしばそれらの血液供給を外へ伸ばし、かつ腫瘍細胞は、周辺では十分に酸素が供給されるにもかかわらず、中心部は死滅する。これらふたつの領域の間は、余り酸素供給されないが、依然生存しているような腫瘍の領域である。このような腫瘍の放射線療法は、豊富な濃度の酸素が腫瘍死滅する(tumorcidal)ROSを形成するために利用可能であるような周辺で特に効果がある。余り酸素供給されない中心部は、著しく小さい程度に損傷される。中心部の死滅した細胞は最早生存しないが、これらの二つの領域間の貧弱に酸素供給されたが依然生存している細胞は、安全な線量の放射療法で生存することができ、これによりこの腫瘍の後の局所的再発の種となる。これは多くの巨大な腫瘍が、放射線療法(腫瘍をその進展する縁で殺傷するため)及び特に危険な残存細胞を含む腫瘍塊の手術による除去の組合せで治療される主な理由である。
【0021】
癌及び他の悪性疾患
癌及び他の悪性疾患は全て、細胞の遺伝情報の変化を基にした拘束されない細胞成長及び増殖を引き起こす。ほとんどの場合において、例えば、通常細胞成長及び複製を拘束する1個又は複数の遺伝子は突然変異されるか、さもなければ失活される。これらの遺伝的欠損は、細胞のDNA中に存在する遺伝暗号の欠失及び配列の変化に直接対応している。このようなDNA障害の頻繁に認められる最終の共通の原因は、フリーラジカル損傷である。毎日のヒトDNAにより維持される無数の損傷のほとんどは、細胞内の正常なDNA修復機構により修復されるが、一部は細胞死を生じる。このような損傷は、散発的でありかつ若干無作為にゲノム横断的に分布するので、ほとんどの致命的DNA損傷は、臨床的に重要ではなく、百万個の中の2、3個の細胞の喪失をもたらす。しかし単独の細胞が、成長の調節を損なう損傷を持続する場合、これは不釣り合いに増殖し、迅速に成長し、自然の正の選択により細胞集団を支配することができる。この結果は、腫瘍、頻繁には成長及び増殖の制約が特に欠けている悪性のものとなる。従って遺伝物質に対するフリーラジカル損傷は、発癌の主要な最終の共通経路である。
【0022】
ROSは、放射線の外部給源によるのみではなく、正常な代謝プロセスの副産物として体内においても、細胞内で発生することができる。内因性フリーラジカルの重要な給源は、集合的に異物と称される、一部の薬物、汚染物質、並びに他の化学物質及び毒物の代謝である。これらの一部は直接毒性を示すが、他の多くは、体がそれらを解毒するために使用する非常に代謝的なプロセスを介し、大量のフリーラジカルフラックスを生じる。一例は、除草剤パラコートの代謝である。かつて薬物施行当局は、この除草剤を、マリファナ植物を殺傷するために使用した。栽培者は、噴霧された農作物を、その立ち枯れの前に収穫することができることを認め、パラコート処理した製品を依然販売している。この製品を吸った多くのヒトは、その後激症型肺損傷により死亡した。幸いなことに、この取り組みは、薬物の問題を解決するための特に非人間的方法として廃棄されている。
このパラコートの話は、フリーラジカル毒性の代謝機構の特筆すべき例であるが、タバコの煙、大気汚染物質、及びアルコールさえも含む一般に遭遇する生体異物の多くは毒性があり、時には体内でのそれらの異化作用により発生したフリーラジカルにより大きく発癌性である。更に天然の抗酸化物質中に高度であり、かつ飽和脂肪(ROSによる障害の特に脆弱な標的である)中に少ない、果実及び野菜内に豊富な食物(diet)は、アテローム性動脈硬化症及び癌のリスクを低下するという証拠が蓄積している。
【0023】
アテローム性動脈硬化症
アテローム性動脈硬化症は依然、開発途上国における死亡及び早期不能の主因である。更に現在の予測では、2020年までに、心臓血管疾患、特にアテローム性動脈硬化症は、廃疾又は早期死亡により喪失された健常な寿命として定義される世界疾病負担(total disease burden)の主な世界規模の原因になると推定されている。アテローム性動脈硬化症は、粥腫斑による動脈の詰まりによる心臓麻痺、発作、及び四肢喪失につながる複雑な過程である。この斑は、酸化された脂肪の形である。フリーラジカルが脂質と反応する場合、結果は、バターが空気中の酸素に曝された場合に酸敗することと同じプロセスである、脂質過酸化である。多くの要因が、アテローム性動脈硬化症の発症及び重症度に影響を及ぼすが、主な要因は、ヒトの低密度リポ蛋白質(LDL、又は「悪玉コレステロール」)のROS-媒介した過酸化である。心臓疾患及び発作を防止する食事による取り組みは、特にLDL酸化を限定するための食用抗酸化物質の添加に加え、脂肪それ自身の摂取の減少を基にしている。これらの取り組みは既に、心臓疾患による死亡数へ大きく食い込んでいるが、本発明の組成物は、食事及び運動のような自制心に左右されない将来の安全な薬学的防御を提供することができる。
【0024】
神経疾患及び神経変性疾患
神経疾患及び神経変性疾患は、数百万人のアメリカ人が罹患している。これらは、鬱病、強迫性障害、アルツハイマー病、アレルギー、食欲不振、精神分裂病、更には神経伝達物質レベルの不適切な変調及び免疫系機能の不適切な変調に由来する他の神経学的状態、それに加えADD(注意欠陥障害)及びADHD(注意欠陥過活動性障害)のような行動障害を含む。これらの疾患の多くは、神経細胞破壊の基礎となる機構の中心成分としてROS毒性を有するように見え、これは筋萎縮性側索硬化症(ALS、又はルー・ゲーリク病)、パーキンソン病、及びアルツハイマー病を含むが、これらに限定されるものではない。
【0025】
虚血性/再灌流障害
臓器が、その血液供給が枯渇された場合(虚血)、これは、単に一過性の酸素の喪失によるのではなく、血液供給が再開された場合の再灌流時に再導入される酸素との反応により生成されるROSによっても、損傷される。一部の臨床状況において、時には虚血期間以降、再灌流直前であっても、この損傷は、所定の抗酸化物質により予防することができる。例えば抗酸化物質に加え他の物質を含有する溶液中での腎臓、肝臓及び他の臓器の保存は、現在それらの移植前の慣例になっている。別の例は、心臓手術のために心臓を停止する前のフリーラジカルを生成する酵素の機能をブロックする薬物の使用である。これらの薬物は、心臓が再開されかつ流れが回復された場合の、再灌流損傷の防止を補助する。この再灌流障害の機構は、外傷、大規模な手術、又はショック後の多臓器不全に罹患した患者において、重要な役割を果たすこともわかっている。多臓器不全は現在、集中治療室における死亡の主因であり、いかにROSがこの症候群に寄与しているかをより良く理解するために広範な努力が進行中である。
【0026】
加齢
加齢は、科学的理解に対しかなりの曖昧さが残ったまま対処されている際だって複雑なプロセスである。現在加齢は、一連のプロセス、すなわち一連の制御された機構であり、長年にわたる摩耗及び裂傷(wear and tear)の単なる受動的蓄積ではないという証拠が存在する。加齢が一連のプロセスであるならば、これらのプロセスの一部は、制御可能、又は少なくとも変更可能である可能性がある。これらのプロセスで最も重要であるもののひとつは、フリーラジカル及び他のROSにより媒介される分子損傷の蓄積により構成される。最近の研究は、ROS代謝の治療的操作は、有意な程度までマウスの全生存期間に実際に延長することができることを指摘している。
【0027】
自閉症
自閉症は、様々な推定原因があり及び文書化された改善治療がほとんどない、数千名のアメリカ人が罹患しかつ多くの亜型を含むヒトを不能にする神経学的障害である。この自閉症スペクトル障害は、出生時に存在するか、又は後に、例えば年齢2又は3歳で発症することがある。自閉症の明確な生物学的マーカーは存在しない。この障害の診断は、子供が、貧弱なコミュニケーション能、社会的能力及び認知能における異常な態度、並びに不適応な行動パターンによって特徴付けられる行動の症候群に合致する程度を考慮することにより行われる。
自閉症の多くの様々な治療が開発されている。しかしこれらの治療の多くは、原因よりもむしろ、疾患の症状に対処している。例えば精神分析から精神薬理学までの範囲にわたる療法が、自閉症の治療において使用されている。一部の臨床症状はこれらの治療により軽減されるが、最良でもわずかな改善が、これらの症例の一部において明らかにされている。わずかな割合の自閉症患者のみが、自分のことは自分でできる成人として活動することができるようになる。
予備試験において、アサイベースの健康補助食品が、非常に会話が限られた自閉症患児に与えられ、かつこの患児はその後著しく会話が増えたことが報告された。
【0028】
シクロオキシゲナーゼインヒビターの特性及び使用
本発明は、シクロオキシゲナーゼのCOX-1及びCOX-2の両イソ型の著しい阻害特性を有するものとして、ふたつのヤシ科の果実アサイ及びジュカラを同定した。シクロオキシゲナーゼ(時にはプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素と称される)は、プロスタグランジン合成に関連している。基本レベルのCOX-1 mRNA及び蛋白質が存在することが観察され、かつ正常な生理的機能のためにプロスタグランジンを生成するので、COX-1発現は構成的であると考えられる。対照的に、COX-2発現は、誘導的である。
本発明に従い、アサイ果実及びジュカラ果実、アサイ果実及びジュカラ果実に由来する果汁、健康補助食品、及び他の組成物は、増加したシクロオキシゲナーゼ活性に関連した疾患又は損傷の治療、退行及び/又は予防に使用される。
【0029】
胃十二指腸粘膜の保護
胃上皮は、HCl、ペプシノーゲン/ペプシン、及び胆汁酸塩を含む、一連の内因性有害因子により常に攻撃されている。加えて薬物服用、アルコール、及び細菌のような外来性物質の定常流(steady flow)に胃粘膜は曝されている。高度に複雑な生物学的システムは、適切に粘膜損傷からの防御を提供し、かつ発生し得る損傷を修復する。
プロスタグランジンは、胃上皮の防御/修復において中心的役割を果たす。胃粘膜は、豊富なレベルのプロスタグランジンを含む。これらのアラキドン酸代謝産物は、粘膜炭酸塩及び粘液の放出を調節し、壁細胞の分泌を阻害し、並びに粘膜血流及び上皮細胞回復の維持に重要である。プロスタグランジンは、エステル化されたアラキドン酸に由来し、これはリン脂質(細胞膜)から、ホスホリパーゼA2の作用により形成される。プロスタグランジン合成の律速段階を制御する重要な酵素は、シクロオキシゲナーゼ(COX)であり、これはふたつのイソ型(COX-1、COX-2)で存在し、各々構造、組織分布、及び発現に関する異なる特徴を有する。COX-1は、胃、血小板、腎臓及び内皮細胞を含む組織の宿主において発現される。このイソ型は、構成的に発現され、かつ腎機能の完全性、血小板凝集、及び胃腸粘膜の完全性の維持において重要な役割を果たす。対照的にCOX-2発現は、炎症刺激により誘導され、かつこれはマクロファージ、白血球、線維芽細胞、及び滑膜細胞において発現される。非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)の組織炎症に対する有益な作用は、COX-2の阻害に起因する。COX-2-インヒビターは、胃腸管における毒性を最小化する一方で、組織炎症を減少する有益な作用を提供する可能性を有する。
【0030】
関節リウマチ
関節リウマチ(RA)は、原因不明の慢性のマルチシステム疾患である。様々な全身性の徴候が存在するが、RAの特徴的性質は、難治性の炎症滑膜炎であり、これは通常末梢関節に対称に分布している。軟骨損傷及び骨浸食及びその後の関節の完全性の変化を引き起こす滑膜炎症の可能性は、この疾患において顕著な特徴である。
RAの第一線の医学的管理は、局所的炎症過程の症状及び徴候を制御するための、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)及び単純な鎮痛薬の使用である。これらの物質は、徴候及び症状の緩和においては即効性があるが、この疾患の進行については最小の作用を発揮するように見える。NSAIDは、COX酵素の活性をブロックし、その結果プロスタグランジン、プロスタサイクリン、及びトロンボキサンの生成をブロックする。結果として、これらは、鎮痛、抗炎症、及び解熱の特性を有する。加えてこれらの物質は、別の抗炎症作用を発揮することがある。これらの物質は全て有毒な副作用の広範なスペクトルに関連しているが、本発明の天然の健康補助食品組成物は、NSAIDの無毒の代替品を提供することができる。
【0031】

シクロオキシゲナーゼは、様々な癌において試験されており、かつCOX-1又はCOX-2は、いくつかの癌型において役割を果たすように見える。例えばCOX-1及びCOX-2は両方とも、マウスの肺癌において高度に発現されることが示されている(Bauerら、Carcinogenesis、21:543-550 (2000))。COX-1は、ヒトマクロファージにおいてタバコの発癌性物質により誘導され、かつNFκB活性化と相関することが報告された(Rioux及びCastonguay、Carcinogenesis、21: 1745-1751 (2000))。COX-1は、ヒト卵巣腺癌において発現されることが報告されているが、COX-2は報告されていない(Dorら、J. Histochem. Cytochem.、46:77-84 (1998))。Ryuら(Gynecologic Oncology、76:320-325 (2000))によると、COX-2発現は、1D期の子宮頚癌において高度である。COX-2は、ヒト子宮頸癌において過剰発現されることが報告されている(Kulkarniら、Clin. Cancer Res.、7:429-434 (2001))。最後にCOX-1は、子宮頸癌においてップレギュレーションされ、かつCOX-1インヒビターが、頸部の新生物形成状態の治療について提唱されることが報告された。Salesら、米国特許出願第20030220266号。
本発明に従い、アサイ果実及びジュカラ果実、アサイ果実及びジュカラ果実に由来した果汁、健康補助食品、及び他の組成物は、増加したシクロオキシゲナーゼ活性に関連した癌を治療、退行、及び/又は予防するために使用される。
【0032】
医薬組成物及び製剤
本発明の果実ベースの健康補助食品は、飲料、トニック、点滴、もしくは食材中に単独で、又は他の健康補助食品もしくは治療薬と組合せて使用することができる。本発明の果実ベースの健康補助食品は、単独で使用するか、又は更に好ましい送達プロファイル、すなわち対象への送達に適した、医薬として許容できる化合物、溶剤、又は佐剤と共に製剤することができる。このような組成物は典型的には、本発明の果実ベースの健康補助食品及び医薬として許容できる担体を含有する。本願明細書において使用される「医薬として許容できる担体」とは、薬学的投与と適合性のある、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などのいずれか及び全てを含むことが意図されている。適当な担体は、この技術分野の標準の参考書である「レミントン薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」最新版において説明されており、これは本願明細書に参照として組入れられている。このような担体又は希釈剤の好ましい例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース液、及び5%ヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されるものではない。リポソーム及び不揮発性油のような非水性溶剤も使用することができる。医薬活性物質のためのこのような媒体及び化合物の使用は、当該技術分野において周知である。都合の良い媒体又は化合物がこの活性物質と不適合である場合を除き、組成物中でのそれらの使用が企図されている。補助的活性化合物も、この組成物に混入することができる。
【0033】
本発明の医薬組成物は、その意図された投与経路に適するように製剤される。投与経路の例は、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路を含む。そのpHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような、酸又は塩基により調節することができる。
経口組成物は一般に、不活性希釈剤又は食用担体を含有する。これらは、ゼラチンカプセル、キャプレット中に含まれるか、又は錠剤に圧縮することができる。経口治療的投与の目的のために、本発明の果実ベースの健康補助食品は、賦形剤と混入され、錠剤、トローチ剤、又はカプセル剤の形で使用される。経口組成物は、含嗽剤として使用するために液体担体を用い調製することもでき、ここで液体担体中のこの化合物は、経口的に適用され、局所使用(swish)され、かつ吐き出されるか又は嚥下される。医薬として適合できる結合剤、及び/又は佐剤の材料は、この組成物の一部として含有することができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、下記の成分、又は類似の性質の化合物を含有することもできる:微晶質セルロース、トラガカントガム又はゼラチンなどの結合剤;デンプン又は乳糖などの、賦形剤;アルギン酸、Primogel、又はコーンスターチなどの、崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はSterotesなどの、滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの、流動促進剤;ショ糖又はサッカリンなどの、甘味剤;もしくは、ペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香料などの、矯味矯臭剤。
【0034】
本発明の果実ベースの健康補助食品は、坐剤(例えば、ココアバター及び他の他のグリセリドのような、通常の坐剤用基剤と共に)又は直腸送達のための持続放出浣腸剤の形で医薬組成物として調製することもできる。
ひとつの態様において、本発明の果実ベースの健康補助食品は、インプラント及びマイクロカプセル送達システムを含む制御された放出製剤のような、体からの迅速な排泄に対しこの化合物を保護する担体と共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生分解性、生体適合性のポリマーを使用することができる。このような製剤の調製法は、当業者には明らかであろう。これらの材料は、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals, Inc.から商業的に入手することもできる。リポソーム懸濁液も、医薬として許容できる担体として使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に開示されているような、当業者に公知の方法に従い調製することができる。
【0035】
投与を容易にしかつ均一な用量とするために、単位剤形の経口又は非経口組成物を製剤することは特に利点がある。本願明細書において使用される単位剤形は、治療される対象への単一の用量として適した物理的に個別の単位を意味し;各単位は、必要な医薬担体と会合した状態で、所望の治療的作用を生じるように計算された、予め定められた量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形に関する規格は、果実ベースの健康補助食品の独自の特長及び実現されるべき具体的治療作用、並びに個人の治療のためのこのような活性化合物の混合の当該技術分野における固有の制限により指示され、かつこれらに応じて直接決まる。これらの医薬組成物は、容器、包装、又はディスペンサー内に、添付文書と共に含むことができる。
本発明は更に、下記実施例を参照し定義されるが、これらは本発明の範囲を制限することを意味しない。当業者には、材料及び方法の両方の多くの変更を、本発明の目的及び関心から逸脱することなく、行うことができることは明らかであろう。
【0036】
実施例
実施例1 凍結乾燥されたアサイの組成分析
凍結乾燥されたアサイOPTACAI;ロット#:231003/0410-Cの組成分析は、下記表1及び表2に詳細に記した。
【0037】





【0038】
表2

【0039】
別に指定しない限り、全ての方法は、「Official Method of Analysis of AOAC International」17版、2000年(以後AOAC)に説明されたように行った。被験試料の含水量は、AOAC法参照番号926.08を用い測定した。被験試料の蛋白質含量は、AOAC法参照番号991.20Eを用い測定した。被験試料の脂肪含量は、AOAC法参照番号933.05を用い測定した。被験試料の灰分含量は、AOAC法参照番号935.42を用い測定した。被験試料の炭水化物含量は、差異により算出した。被験試料のカロリー含量は、Atwarter因子を用い計算した。糖分は、AOAC法参照番号982.14を用い測定した。総食物線維は、AOAC法参照番号991.43を用い測定した。被験試料のコレステロール含量は、AOAC法参照番号994.10を用い測定した。被験試料の脂肪酸プロファイルは、AOAC法参照番号969.33を用い測定した。被験試料のナトリウム、カルシウム及び鉄の含量は、AOAC法参照番号984.27を用い測定した。被験試料のビタミンC含量は、AOAC法参照番号967.22を用い測定した。被験試料のビタミンA含量は、Reynolds及びJudds、Analyst、109:489 (1984)の方法により測定した。微生物試験は、本質的に実施例36(下記)に詳述されたように行った。微量ミネラル/金属は、IPC/MS(Aligent HP-7500a)法で、IBC Labs(Integrated Biomolecule Corporation, ツーソン, AZ)により分析した。
【0040】
実施例2 凍結乾燥されたアサイの組成分析
凍結乾燥されたアサイFD液果粉末(ロット#231003/0410-C)の組成分析を、IBC Labs (Integrated Biomolecule Corporation, ツーソン, AZ)で行った。結果は、下記表3に示す。
【0041】
表3

【0042】
別に指定しない限りは、全ての方法は、「Official Method of Analysis of AOAC International」17版、2000年(以後AOAC)に説明されたように行った。被験試料の含水量は、AOAC法参照番号926.08を用い測定した。被験試料の蛋白質含量は、AOAC法参照番号991.20Eを用い測定した。被験試料の脂肪含量は、AOAC法参照番号933.05を用い測定した。被験試料の灰分含量は、AOAC法参照番号935.42を用い測定した。被験試料の炭水化物含量は、差異により算出した。被験試料のカロリー含量は、Atwarter因子を用い計算した。糖分は、AOAC法参照番号982.14を用い測定した。総食物線維は、AOAC法参照番号991.43を用い測定した。被験試料のコレステロール含量は、AOAC法参照番号994.10を用い測定した。被験試料の脂肪酸プロファイルは、AOAC法参照番号969.33を用い測定した。被験試料のナトリウム、カルシウム及び鉄の含量は、AOAC法参照番号984.27を用い測定した。被験試料のビタミンC含量は、AOAC法参照番号967.22を用い測定した。被験試料のビタミンA含量は、Reynolds及びJudds、Analyst、109:489 (1984)の方法により測定した。微量ミネラル/金属は、IPC/MS(Aligent HP-7500a)法で、IBC Labs(Integrated Biomolecule Corporation, ツーソン, AZ)により分析した。
【0043】
実施例3 凍結乾燥されたアサイの栄養分析
凍結乾燥されたアサイの一人分100gに関する栄養分析を、Silliker, Inc.イリノイ実験室(Chicago Heights, IL;実験室ID No. 170547501)で行った。結果を下記表4に示す。
【0044】
表4

【0045】
別に指定しない限りは、全ての方法は、「Official Method of Analysis of AOAC International」17版、2000年(以後AOAC)に説明されたように行った。被験試料の含水量は、AOAC法参照番号926.08を用い測定した。被験試料の蛋白質含量は、AOAC法参照番号991.20Eを用い測定した。被験試料の脂肪含量は、AOAC法参照番号933.05を用い測定した。被験試料の灰分含量は、AOAC法参照番号935.42を用い測定した。被験試料の炭水化物含量は、差異により算出した。被験試料のカロリー含量は、Atwarter因子を用い計算した。糖分は、AOAC法参照番号982.14を用い測定した。総食物線維は、AOAC法参照番号991.43を用い測定した。被験試料のコレステロール含量は、AOAC法参照番号994.10を用い測定した。被験試料の脂肪酸プロファイルは、AOAC法参照番号969.33を用い測定した。被験試料のナトリウム、カルシウム及び鉄の含量は、AOAC法参照番号984.27を用い測定した。被験試料のビタミンC含量は、AOAC法参照番号967.22を用い測定した。被験試料のビタミンA含量は、Reynolds及びJudds、Analyst、109:489 (1984)の方法により測定した。
【0046】
実施例4 凍結乾燥されたジュカラ果実の栄養分析
凍結乾燥されたジュカラ果実の一人分100gに関する栄養分析を、Silliker, Inc.イリノイ実験室(Chicago Heights, IL;実験室ID No. 170547501)で行った。結果を下記表5に示す。
【0047】
表5

【0048】
別に指定しない限りは、全ての方法は、「Official Method of Analysis of AOAC International」17版、2000年(以後AOAC)に説明されたように行った。被験試料の含水量は、AOAC法参照番号926.08を用い測定した。被験試料の蛋白質含量は、AOAC法参照番号991.20Eを用い測定した。被験試料の脂肪含量は、AOAC法参照番号933.05を用い測定した。被験試料の灰分含量は、AOAC法参照番号935.42を用い測定した。被験試料の炭水化物含量は、差異により算出した。被験試料のカロリー含量は、Atwarter因子を用い計算した。糖分は、AOAC法参照番号982.14を用い測定した。総食物線維は、AOAC法参照番号991.43を用い測定した。被験試料のコレステロール含量は、AOAC法参照番号994.10を用い測定した。被験試料の脂肪酸プロファイルは、AOAC法参照番号969.33を用い測定した。被験試料のナトリウム、カルシウム及び鉄の含量は、AOAC法参照番号984.27を用い測定した。被験試料のビタミンC含量は、AOAC法参照番号967.22を用い測定した。被験試料のビタミンA含量は、Reynolds及びJudds、Analyst、109:489 (1984)の方法により測定した。
【0049】
実施例5 凍結乾燥されたアサイ粉末中のステロールの定量分析
凍結乾燥されたアサイ粉末(#001アサイ粉末;Flora ID No. 210823003)のステロール組成を、高分解能ガスクロマトグラフィー(HRGC)(Flora Research Laboratories, Grand Pass, OR)により、表6にまとめたように測定した。
【0050】
表6

【0051】
被験試料中のステロール含量は、INA法109.001を用い、FED及び自動試料採取装置を装着したHewlett Packard 5890シリーズIIにおいて、ガスクロマトグラフィーにより決定した。これらの分析に使用したカラムは、Restek Rtx-5、5%ジフェニル-95%ジメチルポリシロキサン、60mx0.25mm、0.25μmフィルム厚であった。
【0052】
実施例6 凍結乾燥されたアサイの残留水分分析の解析
アサイ調製物の残留水分を、Instituto Adolfo Lutz(1976)の方法により、凍結乾燥の前後に測定した(UNIVERSIDADE DE SAO PAULO, Faculdfide do Ciencias Farmaceuticas Departamento de Alimentose Nutricilio Experimental Laboratorio de Analiste de Alimentos)。原アサイ果肉の水分%は、85.37±0.14%であった。凍結乾燥されたアサイ果肉の%残留水分は1.06%であった。Francis及びFulekiの方法(J. Food Sci、33:72-77 (1968))により決定された総アントシアニン(antocianinas)(mg/100gアサイ果肉)は、239.32±0.74であった。図1は、凍結乾燥されたアサイ粉末について観察された代表的吸収スペクトルを示す。
【0053】
実施例7 ジュカラ及びアサイ調製物中のアントシアニン及びフェノール化合物の分析
I. 概略
A. プロアントシアニジン
プロアントシアニジンは、「フレンチパラドックス」、又は高脂肪食及び赤ワインの消費で知られているフランスの地方において心臓冠動脈疾患の割合が低い理由を説明する助けとなる。赤ワインは、ブドウ種子由来のプロアントシアニジンを含むいくつかの効力のあるフラボノイドのアルコールチンキ剤(tincture)と考えられる。Padova大学(イタリア)のFulvio Ursini, M.D.は、物議を醸す試験において、志願者に、高脂肪食を赤ワインと伴に又は伴わずに摂食させた。彼は、ワインを飲んだヒトにおいて食後の血漿過酸化物レベルがはるかに低いことを発見した。(Ursinl Fら、Post- prandial plasma peroxides: a possible link between diet and atherosclerosis、Free Rad Bidl Med、25:250-2 (1998))。
疫学的証拠及びわずかの予備臨床試験により捕捉された動物試験及びin vitro試験の安定した動向は、これらの化合物に関連した多くの健康の恩典を明らかにしている。これらの恩典の中でも主なものは、心臓疾患及び癌に対する抗酸化物質保護である。
【0054】
プロアントシアニジン−より技術的にはオリゴマーであるプロアントシアニジン、以後OPCと称するものは、フラボノイドの一種である。正式に「縮合型タンニン」と称される全てのプロアントシアニジンは化学的に類似しており、形状及びそれらのポリフェノール環の結合のわずかな変化のみが異なる。事実上、個々の単位から多くの連結した単位の複合分子(オリゴマー)までの範囲の、様々なプロアントシアニジンの寄せ集めが、常に一緒に認められている。
プロアントシアニジンは、1960年代後半からそれらの血管壁増強特性及びフリーラジカル捕捉活性について広範に研究されている生体フラボノイドの高度に特定された群である。プロアントシアニジンは、ビタミンEよりも最大50倍強力であり、及びビタミンCよりも最大20倍強力であるような、抗酸化作用を有することがわかっている、最も強力なフリーラジカル捕捉剤のひとつである。プロアントシアニジンは、細胞膜に対する親和性も有し、末梢血管の透過性及び脆弱性を低下する栄養支持(nutritional support)を提供する。生体フラボノイドは自然に広範に存在するが、強力なプロアントシアニジン化合物が、最も豊富であり、かつ海岸松(maritime pine)及びブドウの種子(seed)又は小粒の種(pip)から入手できる。
ビルベリー抽出物は、主張された目に見え明らかにされた血管増強特性を伴うアントシアニジンを含有する。ビルベリーは、眼精疲労を低下し、かつ明暗視野及び薄暗い光の空間への視力適合の両方を媒介する色素システムであるロドプシン-オプシンシステムのその親和性を介して明暗の調節を改善することが主張されている。しかしイスラエルと米国で実施された二つの軍の研究は、ビルベリー抽出物からこのような恩恵を認めることに失敗した。しかしこの抽出物は、網膜自身の酵素による抗酸化物質防御を促進することができる。
【0055】
血管系において、アントシアニジン抽出物は、細胞内のビタミンCレベルの増加、ある種の蛋白質分解性/リソソーム酵素の透過作用の減少、細胞膜の安定化、及びコラーゲン及び結合組織基質の合成の刺激により、血管壁の完全性を支援する。
ブドウの小粒の種(種子)は、プロアントシアニジン、又はピクジェノールの強力な給源である。プロアントシアニジン研究の先駆者であり用語「ピクジェノール」を造ったJacques Masqueller, Ph.D.は、ブドウ種子抽出物を彼のプロアントシアニジン研究の第二相において使用した。
In vitro試験は、OPCは、癌保護も提供することを示唆している。ブルーベリー、コケモモ及びクランベリーを含むツツジ(Vaccinium)科のベリー類のOPCは、腫瘍細胞における蛋白質合成を防止し、それらが複製することを防ぐことにより、腫瘍成長を阻止する(Bomser J.及びMadhavi D.L.、In vitro anticancer activity of fruit extracts from Vaccinium species、Planta Med、62:212-6 (1996))。同じく実験室において、オオムギフスマのOPCは、ヒト骨髄性白血病細胞を、最早癌性でない細胞へ転換した(Tamagawa K.及びFukushima S.、Proanthocyanidins from barley bran potentiate retinoic acid-induced granulocytic and sodium butyrate-induced monocytic differentiation of HL60 cells、Biosci Biotechnol Biochem、62:1483-7 (1998))。別のin vitro試験は、特許を受けたブドウ種子抽出物は癌細胞を死滅し;ヒト乳癌、肺癌、胃癌及び骨髄性白血病細胞の成長は最大73%阻害され;並びに、正常細胞の成長を増強したことがわかった(Ye, X.及びKrohn. R.L.、The cytotoxic effects of a novel 1H636 grape seed proanthocyanidin extract on cultured human cancer cells、Mol Cell Blochem、196:99-108 (1999))。
【0056】
プロアントシアニジンは、多くの可能性のある毒物から体を保護することができる。Tylenol(商標)の活性成分であるアセトアミノフェンは、強力な肝臓毒であり、米国において毎年75,000症例が入院を必要とする中毒を引き起こしている。動物実験は、特許を受けたブドウ種子抽出物100mg/kgによる1週間の前処置は、アセトアミノフェンによる肝臓障害を防ぐことを示した。臓器の損傷は、障害に関する肝細胞の試験により、また動物の健康状態のモニタリングにより評価した(Ray S.D.ら、A novel proanthocyanidin 1H636 grape seed extract increases in vivo bcl-Xl expression and prevents acetaminophen-induced programmed and unprogrammed cell death in mouse liver、Arch Biochem Biophys.、369(1): 42-58 (1999))。
プロアントシアニジンは、疾患の予防以上の作用さえあり;これらは、加齢過程の遅延及び加齢の目に見える兆候の低下を補助することができる。酸化障害は、ヒトの皮膚の最も目に見える兆候を引き起こす。この障害を防ぐことにより、皮膚は若く見えるであろう。これを実現するひとつの方法は、紫外線(UV)の損傷作用を低下することである。日焼け止め製品は、様々な抗酸化物質を、皮膚に対する太陽の損傷を防ぐ意図で混入している。ひとつの研究において、ブドウ種子OPCは、UV光が誘導した脂質過酸化から様々なポリ不飽和脂肪酸をビタミンEが保護するのと同等の強さレベルで、単独で抗酸化作用を発揮する(Carini M.ら、The protection of polyunsaturated fatty acids in micellar systems against UVB-induced photo-oxidation by procyanidins from Vitis vinifera L., and the protective synergy with bitamin E、Intl J Cosmetic Sci.、20:203-15 (1998))。これと同じ研究において、ブドウOPCは、ビタミンEと相乗的に相互作用し、このビタミンの失活型を活性型に再利用し、その結果仮想ビタミンE増量剤(Extender)として作用する。
【0057】
加齢過程の一部は、炎症反応により放出される酵素エラスターゼによる皮膚の劣化である。OPCは、エラスターゼを特異的にブロックし、その結果エラスチンの完全性を維持する(Meunier MT、及びVillie F.、The interaction of Cupressus sempervirens L. proanthocyanidolic oligomers with elastase and elastins、J Pharm Beig.、49: 453-61 (1994))。
動物実験の結果をヒトに適用することができるならば、OPCは更に、毛髪増毛も補助する。日本の研究者達は、マウスを剃毛し、それらの毛の40%が自然に元に戻ったことを発見した。しかし3種のプロアントシアニジンのいずれかの1%溶液が皮膚に塗布される場合、毛の70〜80%が元に成長した。試験管試験は、OPCは、毛の角化細胞を実際に刺激し、対照よりも3倍以上の毛をもたらすことを確認した(Takahashi Tら、Procyanidin oligomers selectively and intensively promote proliferation of mouse hair epithelial cells in vitro and activate hair follicle growth in vivo、J Invest Dermatol.、112:310-6 (1999))。
【0058】
B. フェノール化合物:ルテオリン-4'-グルコシド
マクロファージにおいて、プロ炎症サイトカイン生成を阻害する。抗-癌性フラボノイド:真核生物DNAトポイソメラーゼI毒。
II. 凍結乾燥されたジュカラ粉末中のアントシアニンの測定
凍結乾燥されたジュカラ粉末のアントシアニンプロファイルを、LC/MS/MSにより測定し、図2に示した。図2に示したピークに関するLC/MS/MSの結果は、下記表7にまとめている。
アントシアニン及びOPC分析(フェノール化合物)は、以下に詳述するように行った。簡単に述べると、粉末化した試料を、水及び酢酸エチルに同時に示差的に抽出した。各層を収集し、無用の固形物を濾過した。未処理のアントシアニンを、C-18 Zorbax 5μm 150x4.6mmカラム上で、A(0.5%リン酸)、B(水:アセトニトリル:酢酸:リン酸-50:48.5:1:0.5)からなり、かつ最初100%A、20分間80%A、30分間40%A、36分間80%Aのようにプログラムされた勾配移動相(1ml/分流れ)を用い、水層からHPLCにより分析した。同定/定量は、外部標準により行った。オリゴマープロアントシアニンを、酢酸エチル相から分析し、引き続き蒸発乾燥させ、無水メタノール中に再構成した。クロマトグラフィーを、フェニル-ヘキシルLuna 3μm 250x3.5mm上で、A(水:アセトニトリル:酢酸-89:9:2)、B(水:アセトニトリル-20:80)からなり、かつ最初100%A、25分間60%A、32分間100%B、40分間100%Aのようにプログラムされた勾配移動相(1ml/分流れ)を用い行った。同定/定量は、親化合物エピカテキン及びカテキン環構造の吸光係数を基にした最初の原理により行った。
【0059】
表7

【0060】
凍結乾燥されたジュカラ粉末からのアントシアニンの構造は、図3に示した。
【0061】
III. 凍結乾燥されたアサイ粉末中のアントシアニンの測定
凍結乾燥されたアサイ粉末のアントシアニンプロファイルを、LC/MS/MSにより測定し、図4に示した。図4に示したピークに関するLC/MS/MSの結果は、下記表8にまとめている。
【0062】
表8

分析は先に詳述したように行った。
凍結乾燥されたアサイ粉末由来のアントシアニンの構造は、図5に示した。
【0063】
IV. 凍結乾燥されたジュカラ粉末及び凍結乾燥されたアサイ粉末のアントシアニン含量
凍結乾燥されたジュカラ及び凍結乾燥されたアサイ粉末中の測定したアントシアニン含量は、下記表9にまとめている。
【0064】
表9 アントシアニン含量

分析は先に詳述したように行った。
【0065】
V. 凍結乾燥されたジュカラ粉末由来の個々のフェノールの特徴
凍結乾燥されたジュカラ粉末中の個々のフェノール化合物のプロファイルを、HPLC及び質量分析により測定し、図6に示した。図6に示したピークに関するHPLC結果を、下記表10にまとめている。




【0066】
表10 フェノールピークの同定及びその質量分析のデータ

【0067】
凍結乾燥されたジュカラ粉末中に存在する個々のフェノール化合物の構造は、図7に示している。凍結乾燥されたアサイ粉末中のフェノール化合物の有意量は検出されなかった。分析は、先に詳述したように行った。
【0068】
VI. 凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末中のプロアントシアニジンの測定
クロマトグラフィーにより決定した凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末中のプロアントシアニジンプロファイルを、図8に示した。図8に詳述したように、プロアントシアニンプロファイルB1は、エピカテキン及びカテキンである。ピークB2からB8は、二量体から八量体までのB型プロシアニジンを表す。A2は、質量分析により、1個の内部-フラビン連結を伴う二量体である。図8に示したピークに関する結果を、下記表11にまとめている。
【0069】
表11 凍結乾燥された試料中のプロアントシアニジン含量

【0070】
ジュカラは、非常に高レベルのプロアントシアニジンに加え、ヒドロキシルラジカル及びペルオキシ亜硝酸に対する高い抗酸化活性を含む。図9は、凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末中に検出されたプロアントシアニジンの代表的構造を示している。分析は、先に詳述したように行った。
【0071】
実施例8 凍結乾燥されたアサイ液果粉末のアントシアニン含有物の組成分析
凍結乾燥されたアサイFD液果粉末(ロット# MAL001)のアントシアニン含有物の組成分析を、IBC Labs (Integrated Blomolecule Corporation, ツーソン, AZ)で行った。結果は、下記表12に詳述している。
【0072】
表12

【0073】
アントシアニン及びOPC分析は、Brunswick Laboratoriesにより使用された方法に従い行った。簡単に述べると、粉末化した試料を、水及び酢酸エチルに同時に示差的に抽出した。各層を収集し、無用の固形物を濾過した。未処理のアントシアニンを、C-18 Zorbax 5μm 150x4.6mmカラム上で、A(0.5%リン酸)、B(水:アセトニトリル:酢酸:リン酸-50:48.5:1:0.5)からなり、かつ最初100%A、20分間80%A、30分間40%A、36分間80%Aのようにプログラムされた勾配移動相(1ml/分流れ)を用い、水層からHPLCにより分析した。同定/定量は、外部標準により行った。オリゴマープロアントシアニンを、酢酸エチル相から分析し、引き続き蒸発乾燥させ、無水メタノール中に再構成した。クロマトグラフィーを、フェニル-ヘキシルLuna 3μm 250x3.5mm上で、A(水:アセトニトリル:酢酸-89:9:2)、B(水:アセトニトリル-20:80)からなり、かつ最初100%A、25分間60%A、32分間100%B、40分間100%Aのようにプログラムされた勾配移動相(1ml/分流れ)を用い行った。同定/定量は、親化合物エピカテキン及びカテキン環構造の吸光係数を基にした最初の原理により行った。
【0074】
実施例9 凍結乾燥されたアサイの脂肪酸分析
凍結乾燥されたアサイ果肉に関する脂肪酸分析を、Silliker, Inc.のイリノイ実験室(Chicago Heights, IL;実験室ID No. 170547512)で行った。結果は、下記表13、表14及び表15に詳細に記した。


【0075】
表13

【0076】
表14

【0077】
表15

【0078】
別に指定しない限りは、全ての方法は、「Official Method of Analysis of AOAC International」17版、2000年(以後AOAC)に説明されたように行った。被験試料の脂肪酸プロファイルは、AOAC法参照番号969.33を用い測定した。
【0079】
実施例10 凍結乾燥されたジュカラ果実の脂肪酸分析
凍結乾燥されたジュカラ果実に関する脂肪酸分析を、Silliker, Inc.のイリノイ実験室(Chicago Heights, IL;実験室ID No. 170547512)で行った。結果は、下記表16、表17及び表18に詳細に記した。
【0080】
表16

【0081】
表17

【0082】
表18

【0083】
別に指定しない限りは、全ての方法は、「Official Method of Analysis of AOAC International」17版、2000年(以後AOAC)に説明されたように行った。被験試料の脂肪酸プロファイルは、AOAC法参照番号969.33を用い測定した。
【0084】
実施例11 凍結乾燥されたアサイのアミノ酸分析
I. ポスト-カラム誘導化を伴うイオン交換クロマトグラフィーによるアミノ酸分析
アミノ酸分析は、以下に説明した一般的方法により行った。
A. 原理
本方法は、6N塩酸による加水分解、それに続くイオン交換クロマトグラフィーにより、アミノ酸含量を定量的に決定する。0-フタルアルデヒドを、ポスト-カラム誘導化及びそれに続く蛍光検出に使用する。
B. 範囲
本手法は、成分、物質を含有する混合して供給された蛋白質に適用可能である。
C. 重要な点
試料の乾燥時の過剰な蒸発時間を避けること。一部のアミノ酸の喪失が生じることがある。
【0085】
D. 試薬及び化学物質並びにプロトコール
1. 水、HPLC用、EM Science EM WX0004-1又は所内の水精製システム
2. 0-フタルアルデヒド、試薬用、アンレスコ(Anresco) 0317
3. アミノ酸標準液、2.5pmoles/mL、シグマ(Sigma) A9531
4. メタノール、HPLC用、ケミピュアー(Chempure) 831-295又は同等物
5. Brij 3溶液、30%(w/w)、Sigma 430Agr.6
6. 2-メルカプトエタノール(2-ヒドロキシエチルメルカプタン)、Sigma M-6250
7. L-ノルロイシン、シグマ N-6877
8. ピッカリング(Pickering)緩衝液、pH2.2、3.28、及び7.40、ピッカリング・ラボラトリーズ(laboratories) Na 220、Na 328、及びNa 740
9. 水酸化カリウム、ペレット、ケミピュアー831-706
10. 水酸化ナトリウム、ペレット、ケミピュアー 832-050
11. 塩酸、6N容積測定溶液、ケミピュアーRR-155
12. エチレンジアミン四酢酸EDTA四ナトリウム塩、水和物、シグマED4SS
13. 窒素給源
14. ホウ酸、ケミピュアー 830-314
15. ノルロイシン内部標準−0.1mgまでの化学天秤上で秤量、ノルロイシン0.1640g。1000mLのメスフラスコに移す。HPLC水250mLを添加。濃塩酸1mLを添加し、混合。HPLC水で容量を合わせ、混合し、音波処理する。この溶液は、L-ノルロイシン1.25 pxn/mLを含有する。細菌の増殖を避けるために冷蔵。
16. アミノ酸標準液−アミノ酸標準液のバイアルを室温に温める。50mlのメスフラスコに5.0mLをピペッティングする(pipe)。1.25pm/mLのL-ノルロイシン内部標準10.0mLを、同じ50mLフラスコにピペットで移す。HPLC水で容量を合わせる。良く混合し、数分間音波処理する。この標準を4mL水試料バイアルに移す。0℃で貯蔵。
17. 水酸化カリウム溶液、50%−上皿負荷天秤で、水酸化カリウム150gを、風袋を計った1LのNalgene容器に秤量する。脱イオン水150gで溶解し、必要ならば攪拌する。使用前に、この溶液は室温に温める。
18. ホウ酸緩衝液−ホウ酸122gを、風袋を計った2000mlビーカーに秤量し、HPLC水1800mlを添加する。50%水酸化カリウム溶液で、pHを11.0に調節する。この溶液を、4Lガラス容器に移し、HPLC水を容量(4L)まで満たし、良く混合する。最終溶液のpHは10.4でなければならない。
19. ピッカリング緩衝液移動相:
a. pH3.28−この緩衝液は、瓶からそのまま使用した。0.45pmフィルターメンブレンを通し濾過し、HPLC使用前に、音波下減圧により、脱気する。
b. pH7.40−この緩衝液は、瓶からそのまま使用した。0.45pmフィルターメンブレンを通し濾過し、HPLC使用前に、音波下減圧により、脱気する。
20. 水酸化ナトリウム、0.2N−水酸化ナトリウムのペレット16gを、2Lメスフラスコに秤量する。約1000mLのHPLC水を添加し、水酸化ナトリウムが溶解するまで混合する。EDTA 0.5gを秤量し、メスフラスコに添加する。HPLC水で容量を合わせ、混合し、0.45mmフィルターメンブレンを通し濾過する。HPLC用の貯蔵庫としてプラスチック製ガロン瓶を用いる。定期的に濾過する。
21. O-フタルアルデヒド。O-フタルアルデヒド(OPA)結晶1.4gを、50mLビーカーに秤量する。HPLC用メタノール20mLを添加し、結晶が溶解するまで音波処理する。溶液を、ホウ酸緩衝液約1500mlの入った2Lのメスフラスコに添加し、混合する。ドラフト内で、2-メルカプトエタノール4.0mLを添加する(臭気あり)。ホウ酸緩衝液を容積まで満たし、混合する。この溶液を0.45pmフィルターを通して濾過する。濾過した溶液を、2個の1L Nalgene瓶に移し、各瓶に3.0mL Brij-35を添加する。これらの瓶に窒素で蓋をかぶせ(cap)、良く混合する。必要になるまで冷蔵。OPA溶液は、これらの条件下で、おおよそ1週間安定している(最大2週間まで)。
【0086】
E. 器具及び装置
1. Watersモデル712 B自動注入装置又は同等物
2. Watersモデル6000ポンプ(2)、Waters 2100又は同等物
3. Waters Expertソフトウェアを伴うDigital Pro 380又は同等物
4. Kratos FS-950蛍光測定器又は同等物
5. Kratos URS 051ポストカラムポンプ又は同等物
6. Fiatronカラムヒーター、Eppendorf CII-30又は同等物
7. Fisher Isotempオーブン、モデル215P又は同等物
8. Savant Speed Vac濃縮器、モデルSVC-20011
9. Savant冷却凝縮トラップ、モデルRT-490
10. Savant化学トラップ、モデル SCT-120
11. 酸性蒸気中和のためのSavant使い捨てカートリッジ、モデルDC120A
12. Precision直接駆動式真空ポンプ、モデルDd-310又は同等物
13. 真空ゲージ、Waters Pico-Tag作業ステーション又は同等物
14. Glass-Col小型パルス型ボルテックス、モデルS8216、Glas-Col PV6
15. Beckman pH140メーター、Beckman 123118又は同等物
16. Mettler化学天秤、モデルAE160又は同等物
17. Millipore溶媒濾過装置、Waters 85116
18. 相互作用-ナトリウム負荷したイオン交換カラム、保護カラム付き、相互作用クロマトグラフィーAMI 1
19. Bransonlc超音波浴モデル220
20. Mettler上皿負荷天秤、モデル P-1000
21. ピペットマン(Pipeman)、Gilson、1ml及び5ml、Rainin P4000及びP-5000
22. Universal litピペット用チップ;1mL SoSmL、Rainin
23. Luer-Lok付きPlastipakシリンジ、3ccx1110cc、BI)9585又は同等物
24. シリンジフィルター、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、0.45μm、Nalgene 199-2045
25. Magnaナイロン66メンブレン、直径47mm、孔径0.45μm、Fisher N045P0410
26. Repipet IIディスペンサー、SmL、Fisher 13-687-62A
27. Universal firピペットチップ、200-100c) d. VWR 53508-819
28. 使い捨て培養チューブ、12x75mm、ホウケイ酸ガラス、VWR 60825-550又は同等物
29. 試料バイアルアッセンブリー(4mL)は、栓及びPETE隔壁を備える、Waters 73018
30. スプリング付き低容量インサート、プラスチック、4mL試料バイアル用、Waters 72163
31. ファイアストーン(Firestone)バルブ、迅速掃流、Ace Glass mc, 8766
32. 培養チューブ、使い捨て、20x150mm、スクリューキャップ、ホウケイ酸ガラス、VWR 60826.280
33. 使い捨て培養チューブ用スクリューキャップ、20mm O]}、PTFSライナー、VWR 6082-570
34. Brinkman遠心ミル、モデルZM-1(0.5 ruinスクリーン付き)又は同等物
【0087】
F. 試料調製
試料は、水分の喪失を最小にしながら、できるだけ細かく粉砕した。試料は、0.5mmスクリーンを使用する、ブリンクマン(Brinkman)遠心粉砕ミルモデルZM-1又は同等物を通し、粉砕し、細かい粉砕物を得た。
【0088】
G. 手法
1. 化学天秤を、キャリブレーションし、ゼロを設定した。
2. アミノ酸分析のための秤量前に、試料の蛋白質含量の知識を持つことは助けとなる。これを考慮し、20mg蛋白質と等量の試料を、化学天秤で秤量した。(Free Amino Acid Determinationに関する補遺を参照)ほぼ純粋な試料に関して、約38mgを秤量した。質量は、実験ノートに記録した。次に試料を、印しを付けた20x150ターンスクリュー蓋付き培養チューブに定量的に移した。
3. Repipet IIディスペンサーを用い、6N塩酸15mLを各培養チューブに添加した。使った試料は粉砕しかつ限定量であるので、培養チューブからの試料の喪失を引き起こしかねない通風は避けた。
4. ドラフト内で、2-メルカプトエタノール75μLを、各培養チューブに添加した(注記1)。これは、L-メチオニンピークのより良い決定を可能にする。
5. 各培養チューブは、窒素(10-12psi)及び真空で交互に、少なくとも各5回、ファイアストーンを行った(firestoned)(注記2)。
6. 試料が窒素下である間に、PTFE-表面仕上げした(faced)キャップをねじ止めした。
7. 培養チューブを、110℃±2℃のオーブン中に24時間放置した。
8. Savant蒸発システムを集成した。このシステムの電源を、使用の少なくとも2時間前にオンにし、冷蔵ユニットは最終作業温度-92℃に到達するのに十分な時間を有した。真空ポンプ内の油は完全に脱気した。これは、ポンプ上のガスバラストバルブの開放及びポンプのスイッチをオンにすることにより、必要に応じて行った。一般に1時間で十分である。ポンプを止め、完了時には、ガスバラストバルブを閉鎖した。
9. 24時間後、培養チューブをオーブンから取り出し、室温に冷却した。
10. HPLC用水5mLを各培養チューブに添加した。キャップをねじ止めし、よく混合した。
11. ノルロイシン内部標準(1.25pm/mL)5mLを、各培養チューブに添加した(注記3)。(この時点で、必要ならば、翌日まで、分析を停止することができる。一晩の貯蔵が必要である場合は、培養チューブは0℃で貯蔵する。)
12. 1mLのピペットマンを使用し、加水分解物2mLを、印を付けた12x75mm使い捨て培養チューブに移した。
13. 高速真空濃縮器の蓋を開き、加水分解物2mLを含有するチューブを、ローターの周囲の位置に、負荷物はよくバランスがとれるように配置した。
14. 蓋を閉じ、通気口を開き、遠心を開始した。ローターがその操作回転数(rpm)に到達した時点で、真空ゲージ上の通気口を閉じ、真空ポンプを作業開始した。必要ならば、蒸発プロセスを一晩作動させる。これは、多くの試料が蒸発される場合には、その日の遅くに開始する(注記4)。
15. 試料が乾燥している場合(真空ゲージが500mL未満の読み)、通気口をゆっくり開き、チャンバー内に空気を吸い込ませる。ポンプは停止し、一旦チャンバーが完全に換気されたならば、遠心を停止し、チューブを取り除いた。
16. 3mLのPickeringナトリウム希釈剤220を、各チューブに添加し、ボルテックスする前に、瞬間的に音波処理した。
17. 0.45pmフィルターを、3mLシリンジに装着した。調製した加水分解物を、スプリング付きWaters低容量インサートを含む印を付けた4mLバイアルに濾過し、その後712E WISP自動サンプラートレイに配置した。
18. HPLC条件:
a. 全ての緩衝液及びOPA溶液は、真空下での音波処理により脱気した。緩衝液ラインは、適当な緩衝液に配置し、及びOPAラインはOPA溶液に配置した。カラムは、緩衝液3.28により、流量0.5mL/分で少なくとも20分間平衡とした。
b. 蛍光光度計の感度制御は、450に、0.5までの範囲で、時間定数1秒、バックグラウンド抑制「to」に設定した。
c. カラムヒーター温度は、60℃に設定し、試行期間はモニタリングした。
d. OPAポンプを開始し、流量を0.50mL/分に設定した(必要ならば下方に調節する)。
e. 標準は、WISP上の位置#1及び#2に配置した。マルチ法及び/又は方法テーブルを構築し、標準20 F1を注入した。60分間試行した。得られたクロマトグラムを観察した。得られたクロマトグラフィーが満足できない場合は、3回注入した。
f. 5試料毎に標準を試行した。最新の反応因子を作成し、引き続きの注入に使用した。
g. ピークがウインドウの外側である場合、試料は再処理し、保持時間を、キャリブレーションテーブル内に調節し、試料のそれと合致させた(march)。新たに補正したクロマトグラムを印刷しかつ保存した。
h. 2種の緩衝液を使用する勾配溶離。Watersソフトウェアを使用し、アミノ酸の溶離のための2緩衝液を用い、満足のいく勾配を確立した。ポンプは、下記表19に従った:
【0089】
表19 ポンプテーブルの標準プロファイル

【0090】
J. 計算
反応因子(Rf)=アミノ酸量(mg) x ノルロイシン(内部標準)面積/添加したアミノ酸面積
次に、Rf x アミノ酸試料面積/ノルロイシン内部標準面積=アミノ酸濃度(mg)
試料容積は最終濃度を決定するので、アミノ酸濃度 x 試料容積=アミノ酸最終濃度
K. 注記
1. 必要ならば、代わりにメルカプト酢酸を使用することができる−Lrs quekを保存するために、Brij-35-dadが使用される場合。
2. ファイアストーンプロセスは、音波浴中の酸-試料溶液の窒素による交互の排気及び掃流からなる。これは、溶液を脱気し、酸を上回る内部大気を生じ、その結果加水分解時のアミノ酸の酸化を最小化する。
3. 5mlのピペットマンを使用し、室温で水5.000 B±0.005gにキャリブレーションする。
4. 良好な真空状態で、試料は、チューブ中で凍結することができる。その場合、およそ45〜60分後、チューブを取り出し、熱水が入ったビーカー内で加水分解物を温める。チューブをローターに戻し、蒸発を続ける。
【0091】
L. バリデーション
M. 品質管理
1. 「Quality Assurance Manual」に詳述された、標準品質保証の実践に従う。
2. 対照標準(二次標準)は、試料の各試行に含まれなければならない。カゼインが現在対照として使用される。
3. 対照標準の結果は、実験ノートに記録しなければならない。
4. 標準の2つ組の試行は、8%を超えて変動してはならない。
5. ノートには、試験を行った分析者が、イニシャル及び日付を記入する。
6. ノートの記入は、部門の別の分析者が、検証し、理解し、イニシャル及び日付を記入する。
N. 参考文献
1. JAOAC: Vol 65, No.2, 1982, pp 496-497. Calculated Protein Efficiency Ration
2. Degussa - Literature Digest for the Feedstuffs Industry - Amino Acid Analysis。Chemie/Anwendungstechnik Hanau Stadtteil Wolfgang、ドイツ連邦共和国
3. The Peptides, Vol. 4, Amino Acid Analysis of Peptides, Ch 5. pp 217-259, JR Benson, P.C. Louie and LA. Bradsbaw. Copyright 1981, Academic Press, Inc.
4. USDA Chemistry Laboratory Guidebook, G-41
5. IAOAC: Vol. 68, No. 5, 1985, pp 811-821. Sample Preparation for Chromatography of Amino Acids: Acid Hydrolysis of Proteis
【0092】
II. 凍結乾燥されたアサイ果肉のアミノ酸分析
凍結乾燥されたアサイ果肉のアミノ酸分析を、Silliker, Inc.のイリノイ実験室(Chicago Heights, IL;実験室ID No. 170547512)で行った。結果は下記表20に示す。
【0093】
表20

【0094】
実施例12:凍結乾燥されたジュカラ果実のアミノ酸分析
凍結乾燥されたジュカラ果実のアミノ酸分析を、Silliker, Inc.のイリノイ実験室(Chicago Heights, IL;実験室ID No. 170547512;詳細は実施例11)で行った。結果は下記表21に示す。







【0095】
表21

【0096】
実施例13:ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択された野菜の抗酸化能の比較分析
I. 一般的ORACアッセイ
ORACアッセイは、Caoらにより開発され、最初に1993年に報告された:Cao G、Alesslo HM、Cutler RG、Oxygen Radical absorbance capacity assay for antioxidant:Free Rad. Biol. Med.、14:303-11 (1993)。分析手法を自動化するために改変が行われ、1995年に文献:Automated Assay of Oxygen Radical Absorbance Capacity with the COBAS FARA II、Guohua Cao、Carl P.、Verdon. Akin H.B. WU、Hong Wang及びRonald L. Prior、CLINICAL CHEMISTRY、Vol.41, No12 (1995)において報告された。
この時点以降、「自動化されたORACアッセイ」は、広範な対象及び利用を得、従ってORAC値は、天然の製品の研究及び販売において一般的になり始めている。Brunswick Laboratoriesは、1997年に2台のCOBAS FARA 11アナライザーを購入し、Cao、Priorらにより開発された自動化された方法を模倣し、今日までに、果実、野菜、飲料、穀類、機能化/操作された食品、抽出物、及び他の天然の生成物給源に関する5000ポイントを超えるORACデータからなる、抗酸化物質データベースを確立している。
【0097】
USDAに従い作業しているBrunswick Laboratoriesは、新規蛍光プローブ、フルオレセインを導入し、これはβ-フィコエリスリンとの並列比較で、数百種の試料を試験した。フルオレセインは、β-PEとは異なり、試験した試料とは相互作用せず、合成化合物であり、フルオレセインは、ロット毎の測定可能な変動を有さなかった。最も重要なことは、複数回同じ条件下で試験した試料は、一貫しかつ再現可能な結果を維持していることである。
蛍光プローブとしてフルオレセインを使用するORACアッセイの開発が、当初の自動化されたORACアッセイの開発業者と協力して行われており、ここでβ-PEは、蛍光プローブとして使用された。広範な機械的試験を基に、両方の関係者(patties)は、新たな標準ORAC手法としてフルオレセインベースのORACアッセイを定めた。これらふたつのORACアッセイは、フィコエリスリンの添え字PE、及びフルオレセインFLの使用により、0RACPE及びORACFLと区別される。
【0098】
II. 凍結乾燥されたアサイ粉末の分析及び選択された野菜との比較
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(Brunswick Lab ID. 02-0104;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された野菜の抗酸化活性と比較した(図10)。凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値442μmole TE/gが測定された。この値は、紫キャベツのORAC値(42μmole TE/g)よりも10倍大きかった(図10)。蛍光プローブとしてフルオレセインを使用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox 等量(TE)/gとして表されている。
【0099】
実施例14 ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択された新鮮な果実の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(231003/0410-C;Brunswick Lab ID. 03-2096;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された新鮮な果実の抗酸化活性と比較した(図11)。図11に示されたように、凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値(536μmole TE/g)は、新鮮なアサイ(185μmole TE/g)又はブラックラズベリー(164μmole TE/g)のいずれのORAC値よりも2倍大きかった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0100】
実施例15 ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択された新鮮な果実の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(Brunswick Lab ID. 02-0104;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された新鮮な果実の抗酸化活性と比較した(図12)。凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値は442μmole TE/gであった。この値は、ブラックラズベリーのORAC値(164μmole TE/g)よりも2倍大きかった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0101】
実施例16 ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択された果実の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(Brunswick Lab ID. 02-0104;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された果実の抗酸化活性と比較した(図13)。図13に示されたように、凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値は442μmole TE/gであった。凍結乾燥されたジュカラ粉末のORAC値は、1193 TE/gであった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0102】
実施例17 ORACFL分析による脱水されたアサイ及び選択された新鮮な果実の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、脱水されたアサイ粉末(23100/0410-C;Brunswick lab ID 03-2096;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された新鮮な果実の抗酸化活性と比較した(図14)。図14に示されたように、凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値(536μmole TE/g)は、ブラックラズベリーのORAC値(164μmole TE/g)の3倍であった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0103】
実施例18 ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択された新鮮な野菜の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(231003/0410-C;Brunswick Lab ID. 03-2096;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された新鮮な野菜の抗酸化活性と比較した(図15)。図15に示されたように、凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値(536μmole TE/g)は、紫キャベツのORAC値(42μmole TE/g)の10倍であった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0104】
実施例19 ORAC分析による選択された果実、野菜、及びナッツの抗酸化能の比較分析
図16は、ORAC分析技術(Brunswick Laboratories, Wareham, MA;先に詳述)により決定された、果実、野菜及びナッツの抗酸化活性を示している。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0105】
実施例20 ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択されたナッツの抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(Brunswick Lab ID. 02-0104;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択されたナッツの抗酸化活性と比較した。凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値は442μmole TE/gであった。この値は、ペカンのORAC値(164μmole TE/g)の4倍であった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0106】
実施例21 ORACFL分析による脱水されたアサイ及び選択された脱水された果実及び野菜の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、脱水されたアサイ粉末(Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択され脱水された果実及び野菜の抗酸化活性と比較した(図18)。図18に示されたように、脱水されたアサイ粉末のORAC値(536μmole TE/g)は、脱水されたブラックラズベリーのORAC値(340μmole TE/g)よりも大きかった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0107】
実施例22 ORACFL分析による脱水されたアサイ及び選択された新鮮な野菜の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、脱水されたアサイ粉末(Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択された新鮮な野菜の抗酸化活性と比較した(図19)。図19に示されたように、脱水されたアサイ粉末のORAC値(536μmole TE/g)は、紫キャベツのORAC値(42μmole TE/g)よりも10倍大きかった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0108】
実施例23 ORAChydro分析による脱水された果実及び野菜の抗酸化能の比較分析
表22は、ORAChydro分析技術(先に詳述した)により決定された、脱水された果実及び野菜(Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性をまとめている。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。



















【0109】
表22

【0110】
実施例24 ORAChydro分析による脱水された果実及び野菜の抗酸化能の比較分析
表23は、ORAChydro分析技術(先に詳述した)により決定された、脱水された果実及び野菜(Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性をまとめている。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。

















【0111】
表23

【0112】
実施例25 ORACFL分析による凍結乾燥されたアサイ及び選択され脱水された果実及び野菜の抗酸化能の比較分析
ORACFL分析技術(先に詳述した)により決定された、凍結乾燥されたアサイ粉末(231003/0410-C;Brunswick Lab ID. 03-2096;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、選択され脱水された果実及び野菜の抗酸化活性と比較した(図20)。図20に示されたように、凍結乾燥されたアサイ粉末のORAC値(536μmole TE/g)は、脱水されたブラックラズベリーのORAC値(340μmole TE/g)よりも大きかった。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。
【0113】
実施例26 Trans-レスベラトール分析による凍結乾燥されたアサイの抗酸化能の分析
凍結乾燥されたアサイ粉末(23100310410-C;Brunswick Lab ID. 03-2096;Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、trans-レスベラトール分析(以下に詳述する)により決定し、1.1μg/gであった。
試料は、2バンドプレフィルター及び自動試料採取/注入装置、バイナリーHPLCポンプ、カラムヒーター、ダイオードアレイ検出器、及び蛍光検出器を伴うPhenomenex Lunaフェニル-ヘキシル(250x4.6mM)を装着したHP 1100シリーズHPLCを使用する、HPLCクロマトグラフィーにより分析した。移動相A2は、DI H2O:アセトニトリル:酢酸(89:9:2v/v)であった。移動相B2は、アセトニトリル: DI H2O (80:20v/v)であった。全ての生物学的試料は、分析に使用するまで、-80℃のフリーザーで貯蔵した。全ての乾燥試料及び果実試料は、メタノール(MeOH)20mlで抽出した。抽出後、試料は、1時間音波処理した。全ての試料は、14000rpm、4℃で5分間遠心した。試料は、流量1ml/分で、35分間の試行時間及び10分間の試行後時間で分析した。保持時間は、およそ26分間であった。勾配は以下のように設定した:0%Bを10分間;40%Bを25分間;100%Bを32分間;及び、100%Bを35分間。280nmでの吸収をモニタリングした。HPLCによる化合物の定量は、既知の溶液中の未知の化合物濃度を決定する方法である。これは、検出のためにHPLCに一連の濃度がわかっているレスベラトール標準化合物溶液を注入することに関連している。これらの既知の濃度のクロマトグラフィーは、注入された化合物の濃度に相関する一連のピークを生じるであろう。
【0114】
実施例27 ジュカラ及びアサイ調製物中のヒドロキシルラジカル及びペルオキシ亜硝酸に対する抗酸化活性の分析
I. 概論
A. ペルオキシ亜硝酸
ペルオキシ亜硝酸は、一酸化窒素(NO)及びスーパーオキシドの細胞毒性生成物である。ペルオキシ亜硝酸は、個別に作用する一酸化窒素又はスーパーオキシドのいずれよりも、はるかに強力な酸化剤でありかつはるかに毒性が強い
様々な病理が、NOのスーパーオキシドとの反応から形成される強力な酸化剤であるペルオキシ亜硝酸の形成に関連している。この反応は、NOが受けることがわかっている最も迅速な反応であり、ふたつの比較的非反応性のラジカルを、より反応性の酸化物ペルオキシ亜硝酸に転換する。ペルオキシ亜硝酸は、より多くのNOが生成された場合、及び/又は上昇したレベルのO2-が優勢である場合には、常に大量に形成される。
ペルオキシ亜硝酸は、多くの病態生理プロセスに関連した強力な酸化剤である。ペルオキシ亜硝酸は、細胞の脂質膜を超えて自在に移動する。ペルオキシ亜硝酸について算出された透過係数は、水と同等であり、スーパーオキシドよりもおよそ400倍大きく、その結果、その反応性のためのみではなく、その拡散性のためにも、重要な生物学的エフェクター分子である(Lee, J.、Marla, S.S.、Peroxynitrite rapidly permeates phospholipid membranes、Proc Natl Aced Sci.、1997)。
【0115】
これに関連して、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、及び虚血性-再灌流障害のような病理は、ペルオキシ亜硝酸形成の増加につながり得る上昇したレベルのO2-を特徴とする酸化ストレスに関連付けられている。最近の証拠は、多発性硬化症及びアルツハイマー病もペルオキシ亜硝酸形成に関連していることを示唆している。加えてペルオキシ亜硝酸は、虚血及び再灌流時、敗血症及び成人呼吸窮迫症時にも関連している。虚血及び再灌流は、各々、キサンチンオキシダーゼ及びNAPDHオキシダーゼの活性化に起因したスーパーオキシドの増加を伴う。従ってペルオキシ亜硝酸は、恐らくNO及びO2-の不均衡が生じる多くの病理に関連しているであろう。ペルオキシ亜硝酸の形成は、非特異的免疫にとって望ましいが、NOによるシグナル伝達時には望ましくないであろう。
ペルオキシ亜硝酸は、生物学的には、一酸化窒素及びスーパーオキシドの反応から形成される。酵素スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドを減少し、ペルオキシ亜硝酸形成を防止する(本発明者の総論参照:Pryor, W.A.及びSquadrito, G.L.、Am. J. Physic.、(Lung Cell Mol. Physiol.、12) 268:L699-L722 (1995)) The chemistry of peroxynitrile: a product from the reaction of nitric oxide with superoxide)。ペルオキシ亜硝酸は、強力な酸化剤であり、それ自身多くの生体分子を酸化することができる。しかし生物学的システムにおいては、これは、ほとんど二酸化炭素と反応し、反応性中間体、例えばONOOCO2-、O2NOCO2-、COO3-、及びNO2-を生成する。これらの中間体の中でCOO3-及びNO2のみが、生物学的標的分子との生体分子反応に参加し;CO2付加物ONOOCO2-、及びO2NOCO2-は、存在が余りにも短く、これらは二分子反応する前に分解する。
ペルオキシ亜硝酸により引き起こされるもののような酸化ストレスは、アテローム性動脈硬化症につながり得るプロセスである、血管内皮を損傷することがわかっている(Thom, S.R.及びIschiropoulos, H.、Mechanism of oxidative stress from low levels of carbon monoxide. Health Effects Institute Research Report、number 80, 1997)。
【0116】
B. ヒドロキシルラジカル
ラジカルの機能が分子及び組織を破壊するならば、その後ヒドロキシルラジカルは、ラジカルのラジカルとなるであろう。これは、拡散速度で、DNA、膜脂質、蛋白質、及び炭水化物のような巨大分子を含む、その経路において認められる事実上あらゆる分子と反応する。DNAの場合、ヒドロキシルラジカルは、鎖の破壊に加え、デオキシリボース並びにプリン及びピリミジン塩基内の化学的変化を誘導することができる。
それらの多くはニューロンの重要な酵素である損傷した蛋白質は、それらの効率を喪失し及び細胞機能が衰える。脳を含む多くの組織における蛋白質酸化は、加齢に関連した機能欠損の説明として提唱されている。
ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素(H2O2)に由来するラジカルの第三の発生種であり、過酸化水素は次に酵素スーパーオキシドジスムターゼの作用を介してスーパーオキシドラジカルに由来する。
過酸化水素は、酵素グルタチオンペルオキシダーゼ及びカタラーゼにより、鉄又は銅などの遷移金属の存在下で、ヒドロキシルラジカルに還元される。
【0117】
II. 結果
凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末(Brunswick Lab ID. Brunswick Laboratories, Wareham, MA)の抗酸化活性を、ORAC分析技術(先に詳述した)により決定し、下記表24にまとめた。
【0118】
表24 ヒドロキシルラジカル及びペルオキシ亜硝酸に対する抗酸化活性の測定

【0119】
表24のHORAC結果は、μmole没食子酸等量/gで表している。表24のNORAC結果は、μmole Trolox 等量/gで表している。
【0120】
実施例28 アサイ及びジュカラ調製物のスーパーオキシドジスムターゼ-様活性及びシクロオキシゲナーゼ阻害活性の分析
I. スーパーオキシド(O2-)捕捉活性アッセイ(SOD)
A. 背景
成人(体重70kg)において消費される全酸素の1%は、スーパーオキシドアニオンに転換されると推定される。休息時に成人は、3.5ml O2/kg/分を消費し、これは0.147mole/日O2-を生じるであろう。O2-は、過酸化水素、ペルオキシ亜硝酸、及びヒドロキシルラジカル(過酸化水素由来)などの他の活性酸素種を引き起こすと考えられる。従って、人体のO2-捕捉能は、酸化ストレスに対する第一の防御線である。実際、トランスジェニックハエにおけるスーパーオキシドジスムターゼ及びカタラーゼの過剰発現は、恐らく比較的低い蛋白質のカルボニル含量を反映した減少した酸化ストレスのために、1/3も生存を延長したことが報告されている(Orr及びSohal、Science、263:1128-1130 (1994))。血中のスーパーオキシド捕捉能は、その抗酸化物質状態についての非常に重要なパラメータである。本アッセイは、高処理量様式でこのパラメータを正確に定量するようにデザインされている。
【0121】
B. 実験手法
装置
Precision 200D 8チャンネル液体操作システム及びSynergy HTマイクロプレートUV-VWAS及び蛍光リーダー、両方ともBio-tek Inc. (Winooski, VT)。
【0122】
試薬
ヒドロエチジンは、Polysciences, Inc. (Warrington, PA)から得た。キサンチンオキシダーゼ(バターミルク由来、カタログ番号X4875)、キサンチン、スーパーオキシドジスムターゼ(ウシ赤血球由来、カタログ番号S 2515)は、Sigma-Aldrich(St. Louis, MO)から購入した。
i. 試薬調製
緩衝液 緩衝液は、100μMジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含有する75mMリン酸緩衝液(pH7.4)からなる。この緩衝液を調製するために、ジエチレントリアミン(DTPA) 0.0393gを秤量し、ORAC緩衝作業溶液10mLを添加した。これは、10mM DTPAストック溶液10mLを生じた。次にORAC 緩衝作業溶液198mLに、DTPAストック溶液2mLを添加した。これは、DTPAを伴う100μM O2-緩衝作業溶液200mLを生じた。
キサンチンオキシダーゼ Sigmaのキサンチンオキシダーゼ懸濁液(冷蔵中)を、緩衝液で20倍希釈し、均質な溶液を得た。O2-緩衝液19mLをとり、キサンチンオキシダーゼ懸濁液1.0mLを添加した。これは、キサンチンオキシダーゼ作業溶液20mLを生じ、これは毎日新たに作成した。
キサンチン溶液 キサンチン(15mg)を秤量し、透明なガラス瓶に入れた。0.1N水酸化ナトリウム(0.1N NaOH)5mLを添加し、この溶液をボルテックスし、固形物が溶解するまで音波処理した。O2-緩衝液95mLを添加し、ボルテックスした。これは、100mLのキサンチン溶液を生じた。この溶液は、キサンチンの沈殿を避けるために室温で保存した。キサンチン溶液は毎日新たに作成した。
【0123】
ヒドロエチジン(HE)作業溶液 ヒドロエチジウムのストック溶液−ジヒドロエチジウム0.04gを、アセトニトリル20mLに添加した。これはHEストック溶液(2mg/mL)20mLを生じ、これは少量のアリコートバイアル中で、-80℃で貯蔵した。次にジヒドロエチジウム(HE)ストック溶液0.125mLを、キサンチン溶液24.875mLに添加した。この溶液を音波処理し、透明になるまで加熱した。これは、ヒドロキシエチジン(HE)作業溶液25mLを生じ、これは毎日新たに作成した。
スーパーオキシドジスムターゼ作業溶液(SOD) SOD(Sigma)の30000単位を、10mL緩衝溶液中に再構成した。この溶液を小さいアリコート(0.4mL/バイアル、ストック溶液)に分け、-20℃で貯蔵した。これは、3000単位を生じ、これを使用時に30単位に希釈した(下記参照)。SOD 3000単位ストック溶液200μLを、O2-緩衝液19.8mLに添加し、SOD 30単位作業溶液20mLを生じた。
対照 ストック溶液は、5,10,15,20四塩化マンガン(III)ストック溶液1144μMであり、-80℃で貯蔵した。作業溶液を調製するために、ストック溶液を、O2-緩衝液で100倍希釈し、ボルテックスした。O2-緩衝液9.9mLをとり、マンガンストック溶液100μLを添加することにより、11.44μMマンガン作業溶液10mLとし、これは対照としてウェルG1及びG12に配置した。
【0124】
アッセイ手法
アッセイは、下記のプロトコールを用い、96-ウェルマイクロプレートを装備したPrecision 2000液体操作システムで行った。
・プレート1(ポリプロピレン)において、試料200μLを、ウェルB1、C1、E1、F1及びB12、C12、E12、F12に添加した。
・SOD作業溶液200μLを、D1及びD12ウェルに添加した。
・O2-緩衝液200μLを、A1、H1、A12及びH12ウェルに添加した。
・マンガン作業溶液200μLを、G1及びG12に添加した。
・試薬を、下記のようにPrecision 2000のラックB上のカップに負荷した:
B1にO2-緩衝液20mL
B2にHE 20mL
B4にキサンチンオキシダーゼ20mL
・Precision 2000上で、Ax2希釈(ORACx2)を行った。希釈は、全ての試料、標準、及びブランクが、2、4、8、16、及び32倍に希釈されるように行った。
・各ウェル内の溶液25μLを、反応プレート(ポリスチレン、320μL)に移し、引き続きHE作業溶液150μLを添加した。
・リーディングプレートを37℃で20分間インキュベーションした。
・インキュベーション後、AAPH添加(B4)プログラムを試行することにより、キサンチンオキシダーゼを添加した。これは、キサンチンオキシダーゼ作業溶液25μLを、プレート#2の全てのウェルに添加することを可能にした。
・キサンチンオキシダーゼ添加後、プレートリーダー内にプレートを配置した。
・プレート及び蛍光を、励起フィルター485±25nm及び放出フィルター590±30nmで、10分間1分毎に読み、読み値は、5000単位のD1任意のセットの低いウェルを参照とした。各ウェルのプレート2個のレイアウト(ポリスチレン)は、150μL HE作業溶液、25μL試料、及び25μLキサンチンオキシダーゼ(30分間の予熱後添加)を含んだ。
【0125】
C. データ処理
生データから、直線を得、この直線の勾配を、プレートリーダーを制御するために使用したKC-4プログラムにより算出した。勾配はエクスポートし、更なる計算をMicrosoft Excelソフトウェアにより実行した。
単純化した化学速度論
O2-は、キサンチンオキシダーゼにより触媒された下記反応により一定して生成された。スーパーオキシド生成の速度は、一定であり、キサンチンに対して偽ゼロ次であり、キサンチンはキサンチンオキシダーゼと比較して大きく過剰であった。
キサンチン + O2 → 尿酸+O2- (1)
形成されたスーパーオキシドは、HEと反応するか、又はスーパーオキシドジスムターゼにより捕捉されるかのいずれかである。
HE + O2- → 酸化されたHE (2)
2 O2- → O2 + H2O2 (3)
O2 + 試料 → P (4)
【0126】
O2-の定常状態の濃度を推定し、O2-捕捉剤(SOD)の非存在下(Vo)及び存在下(V)での蛍光増加速度は、下記の関係を有した:
Vo/V=1+ k3[SOD]/(k2・[HE]) (5)
Vo/V、対、[SOD]のプロットは、切片(Interception)(0, 1)及び勾配k3/k2[HE]の直線を生じるであろう。未知の試料について、未知及び標準の勾配間の比は以下である:
{ k3/k2[HE]}/{ k8/k2[HE]}=k3/k8 (6)
式(5)は、試料のVo/V、対、濃度曲線のプロットにおいて使用した濃度に応じて、試料のSOD単位等量/g又は/Lの測定の単位で、試料の相対SOD活性を算出するであろう。
【0127】
II. シクロオキシゲナーゼアッセイ
A. 緒言
炎症は、ウイルス及び細菌のような病原体の侵入、更には化学的又は物理的損傷に対するヒト免疫システムの反応である。時には痛みのある炎症は、通常治癒反応である。しかし場合によっては、炎症は、関節炎、多発性硬化症などの衰弱疾患に関連した慢性状態に、又は癌にさえも進行する。実験的及びシステム生物学に関する研究は、複雑な炎症過程を明らかにしている。観察している(in check)炎症を維持するためのいくつかのものの中でひとつの方法は、炎症に直接関連するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性の阻害である。非ステロイド系抗-炎症薬(NSAID)は、優れたCOXインヒビターであることもわかっている。NSAIDの有益な作用は、COX-2の阻害に関連しているのに対し、それらの有害な副作用(最も一般的なものは、胃腸毒性である)は、COX-1の阻害に関連している。これらの合成COXインヒビターは、アスピリン(登録商標)、イブプロフェン、ナプロキセン、及びセレコキシブ(celebrex(商標))を含む。より多くの研究努力が、新世代のNASAIDのより選択的かつ活性のあるCOX-2インヒビターの発見に努めている。
歴史的に、炎症の薬草療法は、数千年も実行されている。実際にCelsusは、AD40頃に「rubor, calor, dolor, tumor」(発赤、発熱、頭痛、及び膨潤)は、現在でいう炎症症状であると定義した。最近になってようやく、植物抽出物の作用機序が、薬草混合物からの有効成分の単離のための指針として、COX-1及びCOX-2阻害アッセイを用い、分子生物学レベルで調べられた。この方法は、栄養補助食品産業における疼痛緩和及び抗炎症の薬草補助食品の有効性のより良い評価及び最適化も可能にしている。植物起源の試料のCOX阻害能を測定する産業上の必要性を満たすために、in vitroにおけるCOX-1及びCOX-2インヒビタース清浄化アッセイが適合され、その有効性を改善しかつコストを低下するように改良された。植物製品に適用可能であるCOX-1及びCOX-2阻害活性アッセイの詳細が、本願明細書に詳述されている。
【0128】
B. アッセイ原理
COX-1及びCOX-2は両方とも、アラキドン酸の酸化を触媒し、プロスタグランジンを生成する(図1)。この酵素活性は、酸素消費速度により測定することができる。実際、酵素の単位活性は、「酵素1単位が、100mMアラキドン酸、5mM EDTA、2mMフェノール、及び1mMヘマチンを含有する0.1Mトリス-HCl緩衝液(pH8.0)中37℃で、1分間に酸素1nmolを消費する」ことと定義される。酸素濃度は、Hansatechから購入された酸素濃度測定システムであるOxythermによりリアルタイムでモニタリングされた(図2)。初期酸素消費速度は、反応速度曲線から得られる。インヒビターの存在下で、初速度は低下する。初期酸素消費速度が50%減少する濃度であるIC50は、COX-1及び2阻害活性を表すために使用される。選択性は、COX-1及びCOX-2のIC50比として表される。試料は、通常ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、又は水に溶解される。
【0129】
C. 実験の詳細
(1) アッセイ条件
装置:Oxytherm
緩衝液:0.1Mトリス-HCl、pH8.0、5mM EDTA、2mMフェノール及び1mMヘム含有
温度:37℃
最初の[O2]:212mM
酵素容量:5mL (又は〜100単位)
総容量:0.5mL
試料容量:5mL
基質:アラキドン酸5μL(濃度0.01M NaOH溶液中10mM)
ヘム:5mL (最終濃度1mM)
データ記録スピード:1秒間に5回の読み
【0130】
(2) 実験手法
トリス緩衝液(37℃の炉でインキュベーション)の半量を、反応チャンバーに加え、引き続きDMSO中の100mMヘム5mLを添加した。この溶液に、5mL COX-1(又は10mL COX-2)酵素溶液を添加した(供給業者から受け取ったまま使用した)。この混合物を、1分間インキュベーションした。試料5mL(DMSO又はエタノール中)を添加し、1分間インキュベーションした。アラキドン酸5mLを添加し、反応速度をモニタリングした。初速度は、反応速度曲線の勾配から得た。
試料抽出及び溶解:固形試料は、それらの溶解度に応じて、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、水を溶媒とする50%アセトン、又は水を用い抽出した。水-ベースの液体試料は、直接又は必要であれば水で希釈して試験した。油ベースの試料は、分析のためにDMSO又はエタノールに溶解した。
【0131】
品質管理
Oxythermシステムのデータ及び正常な性能のバリディティを確実にするために、いくつかの品質管理測定を適用した。
(1)既知のCOX-1及び2インヒビターであるインドメタシンを、品質管理試料として使用した。インドメタシンのIC50は、COX-1について0.1mM及びCOX-2について6.0mMである。インドメタシンのIC50を、酵素の各ロットについて測定した。適切に作業するoxythermシステムは、両方の酵素について正常値の20%以内のインドメタシンIC50を提供するものとする。
(2)各試料溶液は、2つ組又は3つ組で試験し、平均IC50値を得る。
(3)1個のブランク(100%活性)を、5試料溶液毎に試行し、再現性を更に確実にした。
IC50:酵素活性の50%が阻害される試料の濃度。より低いIC50は、より高い活性を意味する。IC50比:この数値は、COX酵素の阻害における試料の選択性を示している。この比が1である場合、選択性は存在しない。この比が1よりも小さい場合、試料は、COX-1をCOX-2よりもよく阻害する。この比が1よりも大きい場合は、試料は、COX-2をより良く阻害する。標準偏差は約20%である。
【0132】
D. 参考文献
1. Nathan, Nature, 420: 846-52 (2002)
2. Tracey, Nature, 420: 853-59 (2002)
3. Couzer and Marnett, Chemical Rev., ASAP (2003)
4. Wu et al., J. Agri. Food Chem., 50: 701-05 (2002)
5. Smith and Marnett, Biochim, Biophys. Acta, 1083, 1-17 (1991)
6. Johnson et al., Arch. Biochem. Biophys., 324: 26-34 (1995)
7. Kuimacz and Lands W.E.M. Requirements for hydroperoxide by the cyclooxygenase and peroxidase acitivties of prostaglandin H synthase. Prostaglandins, 25, 531-40 (1983)
【0133】
III. アサイ及び凍結乾燥されたジュカラ粉末のスーパーオキシドアニオイン捕捉能
凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末のスーパーオキシドアニオン捕捉能は、先に詳述したように測定した(Brunswick Lab ID. Brunswick Laboratories, Wareham, MA)。天然の給源由来の最も研究されたスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、コムギスプラウトのSODである。コムギスプラウトのSOD活性は、1gを基に160〜500単位である。比較して、凍結乾燥されたアサイ及び凍結乾燥されたジュカラ粉末は、下記表25にまとめたように、スーパーオキシド捕捉能が実質的に高い。







【0134】
表25

【0135】
シクロオキシゲナーゼ(COX)活性(COX1型、すなわちCOX-I;及びCOX2型、COX-II)を、先に詳述したように、凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末の存在及び非存在下で測定した(Brunswick Lab ID. Brunswick Laboratories, Wareham, MA)。表25(前掲)及び表26(下記)にまとめたように、凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末は、COX酵素を阻害した。表26に示されたように、凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末は、COX I及びCOX IIの両イソ酵素を阻害した。従って凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末は、COX I及びCOX II活性に関連した炎症疾患、例えば関節炎の予防及び治療に有効である。
【0136】
表26

【0137】
実施例29 ORACHO分析による果実及び野菜の抗酸化能の比較分析
図21は、ORAC分析技術(Brunswick Laboratories, Wareham, MA;先に詳述した)により決定した果実及び野菜のの抗酸化活性を示している。蛍光プローブとしてフルオレセインを利用するORACFL分析は、体内で認められる最も一般的活性酸素種(ROS)のひとつであるペルオキシルラジカルに対する抗酸化物質の捕捉能の測定値を提供する。ORAChydroは、水溶性抗酸化物質の能力を反映している。水溶性ビタミンEアナログであるTroloxは、キャリブレーション標準として使用され、かつORAC結果は、μmole Trolox等量(TE)/gとして表されている。図21のHORAC結果は、μmole没食子酸等量/gで表される。
【0138】
実施例30 アサイ果汁の調製
図22は、アサイ果汁調製を詳述するフローチャートであり、これは果実の洗浄及びそれらの低温殺菌を含む。果実及び果汁のより良い保管は、その栄養価を保存しながらの食品の消費を可能にし、かつ収穫期の間のその製品の組織化を容易にするであろう。アサイ果汁の調製及び処理工程は図22に示している。
果実の外皮除去は、いくつかの異なる方法で行うことができ、及び生産者毎に軟化する条件は異なる。
【0139】
I. 果肉抽出プロセスの最適化−軟化及び機械的外皮除去
果実の外皮除去は、いくつかの方法で行うことができ、生産者毎にアサイを処理する独自の方法を有する(軟化時間及び温度、果実1kgあたりの水の量、果実が機械内に滞在する時間)。本発明者らの経験上再現性を維持しかつ良好な生産量を保証するために、果肉抽出のプロセスを最適化及びシステム化することが必要である。
アサイ果実の外皮除去は、その時間の大半は、アサイ果実のために特に精巧に作製されかつ使用される垂直軸を伴う外皮除去装置内で行われる。代表的機械的外皮除去装置の像を、図23に示した。これは、各処理時の果実の量を最小にするために、毎回2kgのアサイを処理するようにデザインされた。
果実の浸漬の時間及び水の温度は、取引業者(fair-trader)毎に変動する。この果実は、細断の前に数時間室温で流水中に浸漬するか、又は温水中で短時間(10〜20分間)軟化することができる。
実験室において、数種類の軟化時間(0、5、10、15、20、30分間)及び浸漬水温度が試験された(30、40、45、50及び60℃)。これらの結果は、軟化の異なる条件間で有意差は存在しないことを示唆したが、アサイが45℃の水中で20分間軟化される場合に生産量が増えることが認められた。
総外皮除去時間に加え、水の量及びこの間に使用される方法は、果汁の生産高及び密度に対する非常に重要な変数を構成している。5種の総外皮除去時間を試験し(2:30から5:00まで変化)、及び各1回について、数回の外皮除去時間を試験し、その後最初の水量(dose)に投じ、かついくつかの方法で、外皮除去(bulling)装置の内部に水を投じた(外皮除去(huffing)終了時点での果汁のドリッピング時間は、45秒に設定した)。水の総量は、果実2kgあたり1Lであった(理想的果汁を得るため;非常に濃く(strong)なく、非常に薄く(weak)もない)。
【0140】
これらの研究から、外皮除去総時間及び外皮除去装置内への水の投入法は、乾燥物質での生産高に非常に重要な影響を及ぼすことが注目された。これらの経験から、果汁調製のための下記のプロトコールを設定した:
1. 生材料(アサイ)2kgを秤量
2. 各水200mLが入った5個の容器を調製
3. 装置にアサイを配置し、これを0時にスイッチを入れる
4. 1分間外皮除去した後、最初の水200mLを一度に容器に入れる
5. 1分30秒;2分;2分30秒;及び、3分後に、残りの4個の容器の各々に添加する
6. 45秒間最大3分45秒までこれをドリッピングし続ける
果汁部分のリサイクルの影響を分析した。この果汁の調製技術は非常に一般的であるが、乾燥物質の生産量に差異は認められなかった。
【0141】
II. 収穫後のアサイ果実の微生物特性の進化
アサイの特徴及び品質が収穫時及び収穫期狭間(middle harvest)で比較される場合、官能的品質(organoleptic quality)及び科学的指標の数(微生物、thy質量(thy weight)、色)について有意な変化が注目された。例えばBelmで販売されたアサイ収穫物は、安価で豊富である。これは、Belm近郊の場所でとれ、輸送時に損傷するような変化がないので、良好な品質を有する。他方で、収穫期の間は、アサイは少ない量で生成され、その官能特性は、収穫時のアサイよりも劣り、かつより高価である。収穫期の間に生成されたアサイは、より遠隔地(Maranho、Maraj島)でとれ、Belmの港に着くまでに長旅をする。果実の収穫と販売/消費の間の時間は、非常に重要である(48時間は、まさに果実が収穫後に室温で維持される最大の時間である)。
収穫時のものと比べ微生物の負荷の増加は、収穫期の間に購入したアサイにおいて注目される。収穫時に、新鮮なアサイ1gあたりの微生物の平均負荷は、106個微生物/g乾燥果肉(これは果汁10mlに相当)であった。収穫期の間に、微生物の平均負荷/gは109個に増加し、これは1000倍以上高い微生物負荷を示している。従って夾雑の増加は、主にそれらの地域のヤシの低い品質、輸送条件の不良が理由であるか、又は果実表面に既に存在する微生物の自然の増殖につながる収穫後の時間の延長が理由で引き起こされたかどうかを決定することが必要である。収穫と処理の間に費やされる時間の影響が研究され、その後微生物負荷の増加に関連付けられた。
【0142】
微生物負荷を、新鮮な果実(収穫後10時間とする)において30時間にわたりいくつかの時間間隔で測定した。結果は、果実の当初の微生物負荷の測定可能な通常の増加が存在することを示している。微生物負荷は、収穫直後は約105〜106個微生物(細菌、カビ及び酵母)/g乾燥果肉であり、40時間後は、109個微生物/g乾燥果肉をわずかに上回る最大値に達する。収穫後40時間で観察された微生物負荷は収穫期狭間のそれに非常に類似しているので、収穫時及び収穫外の微生物負荷の変動は、その地域のヤシの品質不良よりも果実表面の微生物の自然の増加が主に原因であると結論付けることは可能である。
従って、アサイは、その収穫直後、微生物負荷が著しく増加する前に使用し、生成物の品質の変化を避けることができる(微生物増加により生じる自然の変化のみではなく、製品を保存するための熱ラジカル処理の使用の必要性により引き起こされる変化も)。しかし、微生物負荷を低下する方法を以下に評価する。
【0143】
III. 清浄化
果汁の微生物負荷の減少に対する清浄化法の有効性を試験した。試験は、収穫期狭間のアサイを使用して行い、これは重要なレベルの夾雑を有するアサイを意味する。処理前の0.1%(v/v)濃度の衛生的な水による果実の清浄化は、微生物負荷の2〜400倍低下を可能にする(化学物質を添加しない飲用に適した水で清浄化されたアサイに関して)。
IV. 洗浄
洗浄プロセスは、アサイ果汁の処理における主要工程と考えられ、その理由は、これは組織(texture)を大きく変更することなく、アサイの処理前に微生物負荷を低下するからである。アサイ果実の場合、処理工程前の洗浄は、果汁の品質及び完全性を保存すること、従ってアサイ果汁の官能、組織及び栄養の特性の保存を補助すると説明されている(Tournas, 1994)。
洗浄は、処理前に、温水もしくは沸湯水中に果実をいれること、又は時には蒸気を当てることからなる(Cruess, 1995)。果実の表面に存在する夾雑物の減少を目的とした、処理の選択は、果実の物理的構造により説明される。果肉の表面に小さい層1個のみを有する果実では、果肉と温水又は蒸気との短い接触時間は、余り高温でも長時間でもなく、処理の正の効率化につながる。
【0144】
収穫時のアサイのみではなく、収穫期狭間のアサイでも、いくつかの異なる温度(75℃〜100℃)及びいくつかの洗浄時間(5秒〜10分)で試し試験を行った(Rogezら、1996)。これらの処理は、微生物負荷(細菌、カビ及び酵母)の減少に関して重要な影響を有した。しかしこの洗浄条件は、ペルオキシダーゼの失活には有効ではなく、その理由はこれらの酵素はより耐熱性であるからである。洗浄のより高い温度、より長い時間のみが、部分的にペルオキシダーゼ活性を低下することができた(最大20%)。しかし苛酷な処理(すなわち温度80℃以上、10秒よりも長い時間)は、果汁の表面に認められた果汁の脂肪物質(黄色がかかった油)の分離を生じた。この組織の変化は、その外観から、消費者による製品の容認可能性を低下した。
官能特性の喪失は、微生物負荷を更に低下することなく、よりラジカルな洗浄でより多いので、温度80℃及び時間10秒が、アサイ果実のより良い洗浄条件として選択された。
【0145】
実施例31 アサイ飲料の調製法及び調製のための標準品
I. 混合の指示
アサイ14:1水和物は、水和物1質量部に対し13質量部の水/液体を必要とする。アサイを使用する様々な可能性のある飲料は、ほぼ無限である。3種の例を以下に示す:
混合物1:アサイ粉末25gを、冷水325mlに添加した。この混合物を、少なくとも30秒間中速で配合し、適宜粉末を水和する。混合物が1分間程静置される場合、その組織は改善するであろう。
混合物2:アサイ粉末25gを、水200ml及び氷125gに添加し、30秒間配合した。混合物は1分間静置させた。
混合物3:氷の代わりにミルク又はクリーム125mlを使用し、口当たりを滑らかにした。
アサイは、糖分及びビタミンCが少ないので、酸化/発酵を防ぐことはほとんどない。糖分及びビタミンCの両方の存在が推奨される。純粋なアサイの味は、かなり穏やかであり、色は濃い暗栗色である。砂糖又は他の甘味剤の大さじ1〜2杯の添加は、香味を非常に素晴らしいものとする。色は、ビタミンC(酸)の添加によりより赤くすることができる。赤い食用着色剤の添加も、より食欲をそそる又はよりおいしそうな外観を生じる。更にこの混合物にバナナを加え、果実のグラノーラ乾燥飾り(arid garnishment)を散らすことは、アサイ飲料調製物の独創的な別物を提供することができる。
II. 装置
ブレンダー;グラムスケール;Milliliter測定装置
【0146】
III. アサイ果肉の標準品に関する同一性及び品質
1. 目的
この規制は、飲料として使用される、アサイの完全な果肉及びアサイが合致しなければならない最低の同一性及び品質基準を確立することを目的としている。この規制は、他の用途のアサイ果肉には適用されない。
2. 定義
アサイの完全な果肉及びアサイは、アサイ樹木(Euterpe oleracea, Mart.)の果実の可食部分から、適当な技法により軟化した後に、抽出された製品である。
3. 分類
この製品は、下記のように、果肉に添加された水/液体の量に従い分類される:
3.1 アサイの完全な果肉は、機械的方法により水を添加せず、かつ濾過せずに、アサイから抽出された果肉である。これは物理的保存プロセスに提出される。
3.2 濃厚又は特別なアサイ(A型)は、水を添加して抽出された果肉であり、14%よりも多い総固形物及び非常に濃密な外観を示す。
3.3 中等又は通常のアサイ(B型)は、水を添加して抽出された果肉であり、11%よりも多く最大14%までの総固形物及び濃密な外観を示す。
3.4 薄い又は好評なアサイ(C型)は、水を添加して抽出された果肉であり、8%よりも多く最大11%までの総固形物及び濃密でない外観を示す。
【0147】
4. 基本的成分
アサイの完全な果肉及びアサイは、先に説明した規格に従い、製品を消費に不適切なものにし得るあらゆる埃、寄生体又は微生物を伴わずに、新鮮な熟した健康な果実から得られる。
5. 任意の成分
5.1 水
果肉抽出に使用した水は、飲用でなければならない。
5.2 酸味剤
低温殺菌した使用したアサイが室温で維持される場合、「Good Manufacture Practices」(GMP)規制に従いクエン酸が添加されてよい。
6. 組成
6.1 アサイの完全な果肉及びアサイは、果実の特徴に従うその組成を有さなければならず、変更、他の種類の果実との混合又はいかなる不法な実践も伴ってはならない。
6.2 アサイの完全な果肉は、下記の物理的、化学的及び官能的特徴に合致しなければならない:
6.2.1 物理的及び化学的特徴






【0148】
表27

【0149】
6.2.2 官能的特徴
物理的局面:糊のよう、この果実に関わる皮から目立った暗点を示す。
色:紫色のアサイ果肉に相当するすみれ色がかった紫色及び緑色のアサイ果肉について明るい緑色。
臭気:特徴的(下記参照)
6.3 アサイ(特別な、通常の又は好評な)は、下記の物理的、化学的及び官能的特徴に合致しなければならない:
6.3.1 物理的及び化学的特徴
【0150】
表28

【0151】
6.3.2 官能的特徴
物理的局面:乳化物は、80℃まで加熱されても安定した状態でなければならない。
色:紫色のアサイ果肉に相当するすみれ色がかった紫色及び緑色のアサイ果肉について明るい緑色。
臭気:特徴的(下記参照)
6.4 完全なアサイ果肉及びアサイは、製品の品質の乾燥した官能的特徴を変更しないその限界まで果実の可食部分を含まなくともよい。完全なアサイ果肉及びアサイは、一般的果肉に関する「同一性及び品質基準(Identity and Quality Standard)」に合致した他の物理的、化学的、顕微鏡的、微生物学的及び官能的特徴に合致しなければならない。
6.5 アサイの完全な果肉及びアサイの中のカビ及び酵母の合計に関する最大限界は、5x103個である。
7. 添加物
最大1kgの包装で直接消費することが指示された完全なアサイ果肉及びアサイは、化学保存剤又はアサイ果実から得られた色以外の着色剤の使用が禁止され、物理的プロセスを通じて維持されなければならない。
【0152】
実施例32 凍結乾燥されたアサイの調製
凍結乾燥されたアサイ粉末の調製法は、図24に詳細に説明されている。示されたように、アサイ果実は収穫し、膜孔(pit)を除いた。その後果肉を取り除き、凍結した。多くのアサイ果実からの果肉を凍結乾燥し、凍結乾燥された粉末を得た。凍結乾燥されたアサイ粉末は、数時間以内に迅速に分解し、まずくなるアサイ果肉の未処理の調製物と比べ、安定している。処理時及び凍結前のアサイ果肉へのクエン酸の添加は、果肉調製物を更に安定化する点で有用である。クエン酸は、例えば本発明の方法で処理されたジュカラなどの、他の果肉調製物を安定化するために使用することができる。
アサイ製造は、酵素及び果実から取り除かれた果肉の量に比べ、果実表皮上の発酵物質の比較的高い負荷のために、特に厳しい事象の並びである。このために、アサイ製造は伝統的に地域的かつ迅速な消費に限定されてきた。
アサイの凍結した果肉は、温度-5℃以下に維持されなければならない。より高い温度では、酵素及び発酵物質は活性化し、果肉の特徴を変化する。ひとつの作用は、不溶性化合物、先に説明した沈殿物(grit)の生成であり、これはこの最後のバッチの証拠である。これらの不溶性物は、アサイ加水分解物(二つの処理業者から入手)の第一のバッチにおいて遭遇し、脱水のための調製時に果肉の解凍により引き起こされることがわかる。この問題は、凍結したアサイ果肉を、凍結乾燥を介した脱水前に、予め解凍させないことにより解決された。すなわち、一旦アサイ果肉が凍結された場合、これは凍結乾燥により脱水される前に、約-5℃より高い温度で解凍することができない。脱水前に予備解凍せずに調製されたアサイ果肉は、非常にうまく再水和され、かつ品質、色、組織及び香味が維持された、顆粒状の凍結乾燥されたアサイ粉末を生じた。従って本発明は、果実ベースの健康補助食品を調製する方法を提供し、ここで果肉は、一旦果肉が単離され及び凍結された場合に脱水前に予備解凍されないような方法により調製される。この方法は、再水和され、品質、色、組織及び味を維持することができる、例えばアサイ果実及びジュカラ果実であるがこれらに限定されない、多くの果実から凍結乾燥された果実粉末の調製において有用である。
顆粒状の凍結乾燥された果実粉末は、使用時までプラスチック裏打ちしたフォイルバッグ中で遮光され貯蔵した。
【0153】
実施例33 選択された微生物に対する安定性に関する凍結乾燥されたアサイ調製物のチャレンジ試験
I. 目的
本試験の目的は、酵母、カビ、乳酸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌の各々の1種の菌株でチャレンジした場合の、製品の微生物安定性を評価するための予備チャレンジ試験を行うことであった(Silllker Laboratories Research Center, South Holland, IL)。
II. 適用
本試験は、可能性のある腐敗生物及び2種の病原菌に関する製品のス清浄化を提供する。これは、製品に関する初期データを集め及び/又は開発時に多くの製品配合物を比較するために適している。
III. 制限
各チャレンジ生物の唯一の菌株により、製品は、その菌株による増殖に抵抗するが、他の菌株に影響されやすい機会がある。対照製品中で増殖したチャレンジ生物において、これは、本試験の終了時まで決定されないであろう。本試験は、時間間隔、貯蔵温度、及び報告の範囲で制限される。本試験は、4週間を超えて結果を予測しない。
【0154】
IV. 材料及び方法
A. 被験製品
「アサイ果実-凍結乾燥」とラベルのついた製品3.5kgの封じ直し可能なフォイルバッグを、クライアントから受け取った。製品は、試験開始時まで、周囲温度で貯蔵した。
B. チャレンジ生物
製品は、表29にまとめたような、Silliker Research Culture Collection (SRCC)から得た、Aspergillus niger(カビ)、Zygosaccharomyces bailii(酵母);Lactobacillus fructivorans(乳酸菌)、Salmonella typhimurium、及びStaphylococcus aureusの凍結乾燥された菌株でチャレンジした。可視できる細胞又は胞子の数は、プレートカウント法で証明した。
【0155】
表29

【0156】
C. 被験試料の調製及び貯蔵
製品は、無菌的に6個の滅菌容器に100gずつ分割した。ひとつの部分は、陰性対照として利用した。他の部分は、培養物のひとつにより約10,000コロニー形成単位/gで接種した。接種後、試料を完全に混合し、75°F(24℃)で貯蔵した。
D. 試料分析
未接種の対照部分は、0及び28日目に、チャレンジ生物について分析した。接種した部分は、0、7、14、21、及び28日目に分析した。単独の11g試料を、各部分から、各間隔で採取し、チャレンジ生物についてプレートカウント法で分析した。
【0157】
V. 結果及び考察
食品製品中の微生物の安定性は、これを、腐蝕生物及び病原菌でチャレンジすることにより決定することができる。チャレンジ生物のレベルが貯蔵時に増加しない場合は、この製品配合物は、微生物増殖に抵抗性があり、かつ微生物学的に安定していると考えられる。
結果は、表30及び表31に示した。データを示したように、酵母、カビ、乳酸菌、サルモネラ菌、及び黄色ブドウ球菌の数は、貯蔵時に、対照又は製品の接種された部分においては増加しなかった。従って、アサイ果実-凍結乾燥された製品は、酵母、カビ、乳酸菌、サルモネラ菌、及び黄色ブドウ球菌でチャレンジし、かつ75°F(24℃)で貯蔵した場合、少なくとも28日間は微生物学的に安定している。以下に示したように、この製品は、チャレンジに対して安定していた。
【0158】
表30 アサイ果実-凍結乾燥された非接種対照試料










【0159】
表31 アサイ果実-凍結乾燥された接種された試料

【0160】
VI. 凍結乾燥されたアサイに関する有効期間試験
凍結乾燥されたアサイ調製物に関する有効期間試験を、下記表32にまとめたように、Silliker Laboratoriesにより行った。
【0161】
表32 有効期間試験の結果

【0162】
食品の味、臭気及び外観(官能的品質)は、食品の容認可能性を判定するために消費者が使用する最終判定基準である。これらの品質は、食品-細菌、酵母、及びカビにおいて菌叢が成長しかつ利用可能な栄養物を代謝するにつれて、変化し始める。官能的変化は一般に、微生物集団が多くなるまで検出できない。腐敗を生じるのに必要な微生物の数は、食品及びその中で増殖する微生物の種類によって変動する。しかし一般に、貯蔵時には、有効期間の最後が限界である。従って75°F(24℃)で貯蔵したアサイ果実-凍結乾燥された製品の有効期間は、少なくとも12ヶ月である。
【0163】
実施例34 ラットにおける14日間の処置後観察期間による凍結乾燥されたアサイ果肉の急性経口毒性試験(限界試験)
凍結乾燥されたアサイ果肉の急性経口毒性をラットにおける14日間の処置後観察期間により評価するために、試験を行った(限界試験)((試験コード:PCDL-0221;Pharmaceutical Control and Development Laboratory Co. Ltd.、9. Mexikoi Street Budapest, H-1149)。
I. 一般的情報
A. 投与量
「アサイ果肉凍結乾燥」(ロット番号22.10)の単回経口限界量2,000mg/kg体重を、ラットに強制飼養により経口投与した。動物は、致死性及び毒性の症状について14日間観察した。肉眼による病理検査は、15日目に行った。動物の体重は、試験期間を通じてそれらの種及び年齢に対応していた。「アサイ果肉凍結乾燥」の2,000mg/kg投与量の経口投与後、死亡例は発生しなかった。毒性の臨床症状も観察されなかった。15日目に予定された病理解剖は、毒性の肉眼的病理変化を明らかにしなかった。雄及び雌のラットにおいて単回経口投与量2,000mg/kgの「アサイ果肉凍結乾燥」では、有害作用は認められなかったと結論された。
B. 目的
ラットにおける凍結乾燥されたアサイ果肉の単回経口投与の可能性のある毒性作用に関するデータを明らかにすること。被験物質は、健康補助食品としての使用が期待されている。
【0164】
C. 試験の種類
米国食品医薬品局の「Good Laboratory Practice Regulations for Nonclinical Laboratory Studies」及び動物保護を規制しているハンガリー法1998: XXVIIIに準拠した、前臨床毒性試験。限界試験。
D. 試験プロトコールの逸脱
i. 屠殺(extermination)に使用した物質T61の製造業者の特徴:
当初のプロトコール: Hoechst Veterinar GmbH
最終報告書:Intervet International
理由:製造業者の名称の変更
ii. 死亡率
当初のプロトコール:観察は、処置後4時間及びその後1日2回行った。
最終報告書:観察は、処置後4時間、並びに15日目の朝までは、その後作業日の開始時及び終了時に1日2回に加え、週末に1回行った。
理由:手法が、当初のものよりもより詳細に説明される。
iii. 全身の状態、外観、行動、及び臨床症状
当初のプロトコール:処置後の期間、動物は、15日目の朝まで、1日2回チェックされる。
最終報告書:処置後の期間、動物が1回チェックされた週末以外は、動物は15日目の朝まで、1日2回チェックされる。
理由:手法が、当初のものよりもより詳細に説明される。
【0165】
II. 被験及び参照商品
A. 被験商品の特徴
被検商品の特徴を、下記表33に詳述した。





【0166】
表33

【0167】
B. 微生物学的分析
USPに従う微生物限界試験を、PCDLの微生物部門により行った。
C. 被験商品を懸濁するために使用した商品の特徴
i. メチルセルロース
メチルセルロース(バッチNo. 127H1065;有効期限02/2003)を、Sigmaから購入し、室温で使用時まで貯蔵した。
ii. 蒸留水
蒸留水(バッチNo. A0010102;有効期限03/2003)を、PCDLから購入し、室温で使用時まで貯蔵した。
iii. 剖検前の麻酔過剰に使用した商品の特徴
T61(バッチNo. 09W008;有効期限05/2006)は、1ml中にエンブトラミド0.2g、テラシノイン酸塩酸塩0.005g、及びヨウ化メベゾニウム0.05gを含有し、これはIntervet Internationalから購入し、使用時まで毒物保存庫中に、室温で貯蔵した。
iv. 被験商品の配合
必要量の被験商品を秤量し、投与の30分前以降に1%メチルセルロース含有液中に懸濁した。下記の懸濁液を調製した:名目投与量2000mg/kg;アサイ果肉5.0gを、1%メチルセルロース溶液50mlに添加。懸濁液は、Radelkis磁気スターラータイプOP-951により処理の間攪拌した。
v. 配合した被験商品の濃度管理
配合した被験物質の試料は、濃度及び均一性をチェックするために採取した。濃度及び均一性のチェックは、重量測定により行った。懸濁液の上部、中間、及び下部の3つ組について測定した(均一性チェック)3種の試料全ての濃度は、許容限界±10%内、すなわち上部:+4.4±4.6%、中間:+4.0±4.8%、及び下部:+5.4±2.8%であった。
【0168】
III. 試験システム
A. 動物
Sprague Dawleyラット、Crl:CD BR (到着時6〜7週齢)を、本試験において使用した。雄の体重は、143.9g〜159.4gの範囲であった。雌の体重は、140.5g〜161.4gの範囲であった。順番をつけた動物のプール:30(雄15、雌15)。本試験に関連した動物の数:20(雄10、雌10)。ラットは、Charles River Hungary Ltd.から購入した。動物は、到着時にSPFであり、試験中は通常の環境で飼育した。ラットが一般に毒性試験に使用されることが、国際的に推奨されている。Sprague Dawley系統は、十分に歴史的データが集まった、よく知られた実験室モデルである。
動物は、耳の番号付け法で識別し、同性5匹を檻で飼育した。檻は、ラットのID番号、試験コード、群識別、投与経路、性別並びに実験期間の開始日及び終了日を示すタグで標識した。
動物飼育の条件は、下記表34にまとめた。環境条件は、下記表35にまとめた。
【0169】
表34 動物飼育条件

【0170】
表35 環境条件

【0171】
温度及び相対湿度は、連続して記録した。動物は、処置前一晩絶食し、処置期間及び処置後観察の最初の2時間以外は、標準のラット及びマウス飼料VRF-1を自在に摂取させた。飼料組成は、製造業者Altromin GmbH, D-4937 LagelLippe Lange St. 42が管理した。飼料は、製造日(2002年9月30日)、安定性:4ヶ月で識別した。飲料水は、PCDLの微生物部門が毎月チェックした。動物は、処置前5日間観察した。臨床症状のない健康な動物のみ、試験に使用した。
動物の群別は、コンピュータが作成した乱数表により行った。動物は、群にその体重を基に無作為に割付け、その結果個々の群の体重の分布は、類似していた。
【0172】
IV. 実験デザイン
投与量レベル及び群分割は、下記表36にまとめた。
【0173】
表36

【0174】
投与量選択の理論は、下記のようであった。アサイ果肉の予想されたヒト一日量は、約1000mg/日であり、これは成人(70kg)の14mg/kg体重及び4歳の小児(20kg)の50mg/kgに相当していた。本試験で適用された限界量2000mg/kgは、成人で消費される場合一日量の140倍に、5gが小児の体重について計算される場合の40倍に相当している。
【0175】
V. 投与
適用は経口強制飼養であった。適用経路は、国際指針に準拠するように選択した。経口経路は、被験商品に曝露されたヒトの予想される経路である。被験商品の適用は、単回投与で与えられた。被験商品は、20ml/kg体重の容積で投与された。実験期間は、5日間の馴化、処置日、処置日を含む14日間の処置後観察期間、及び15日目の剖検からなった。
VI. 観察、実験
A. 致死性
観察は、処置後4時間行い、その後は作業日の最初と最後に1日2回、更には週末に1回、15日目の朝まで行った。死亡時刻はできる限り正確に記録した。
B. 全身状態、外観、行動、及び臨床症状
ラットの注意深い臨床的観察を、曝露前に1回、その後処置後6時間連続して行った。引き続きの期間、動物は、動物を1回チェックした週末を除き、15日目の朝まで、1日2回チェックした。観察された徴候は、皮膚、毛、眼及び目に見える粘膜の変化;分泌及び排泄及び自律神経系の活動(例えば、涙液分泌、起毛、下痢、瞳孔サイズ、異常な呼吸パターン)の発生を含んだ。更に、歩行、姿勢及びハンドリングに対する反応の可能性のある変化に加え、傾眠、振戦、間代性又は緊張性の運動、定型化された又は奇妙な行動の存在が記録された。
C. 体重
動物は、実験室への到着時、無作為割付けの日、処置日、更には実験の2日目、8日目、及び15日目剖検前に秤量した。
【0176】
VII. 剖検及び組織学的試験
A. 剖検
全ての生存ラットを、処置後観察期間の完了時に、T61過剰麻酔下で屠殺し、病理解剖した。外部及び内部の状態を慎重に観察し、記録した。臓器の鏡検は行わなかった。
VIII. 評価、統計解析
雄及び雌の群を個別に評価した。
A. パラメトリック値
体重の平均値及び標準偏差を計算した。
B. ノンパラメトリック値(致死率及び臨床症状)
致死、臨床症状、及び肉眼所見の発生率を集計した。
【0177】
IX. 手法
実験は、Pharmaceutical Control and Development Laboratory Co. Ltd.の毒性部門の最新のStandard Operating Proceduresに従い行った。
X. 動物の保護
動物愛護の関心のために、不必要な動物の使用は避けた。明らかに瀕死の動物の穏やかな屠殺のために、試験責任者が責任を負った。本方法(限定試験)は、他の既知の承認された急性毒性試験と比べ、少ない数の実験動物を使用した。
IX. データの記録及び保存
全てのオリジナルのデータは、下記のような適当な様式で、Standard Operating Proceduresにより記されたように、維持した:
被験化合物秤量
動物室の日誌
体重の日誌
致死性及び臨床の観察日誌
死亡後の記録
試験期間中に得られたデータは、「試験ファイル」に収集した。「試験プロトコール」、試験期間中に生じた及び試験結果としての全てのデータ、試験に関連した文書及び全ての情報、被験商品の対照試料、及び「最終報告書」は、少なくとも15年間は、PCDLの保管庫に保存し、その後治験依頼者に提出した。
【0178】
XII. 結果
A. 致死性
処置後14日間の観察期間に観察された致死性は、下記表37にまとめた。
【0179】
表37

【0180】
表38は、ラットにおける「アサイ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雄試験対象に関する個々の致死性のデータをまとめている(限界試験)。
【0181】
表38. 雄

【0182】
表39は、ラットにおける「アサイ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雌試験対象に関する個々の致死性のデータをまとめている(限界試験)。










【0183】
表39. 雌

【0184】
ラットへの、2,000mg/kg投与量の「アサイ果肉凍結乾燥」の単回経口投与後に、死亡は発生しなかった。雄及び雌は全て、14日目の観察期間の最後まで生存した。
【0185】
B. 臨床症状
14日間の処置後観察期間に観察された臨床症状を、下記表40にまとめた。
【0186】
表40

【0187】
表41は、ラットにおける「アサイ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雄試験対象に関する個々の臨床症状をまとめている(限界試験)。











【0188】
表41. 雄

【0189】
表42は、ラットにおける「アサイ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雌試験対象に関する個々の臨床症状をまとめている(限界試験)。
【0190】
表42. 雌

【0191】
試験した動物のいずれの群でも、適用の日及び処置後14日間の期間毒性症状は観察されなかった。
【0192】
C. 体重
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の体重は、下記表43にまとめた。
【0193】
表43 雄

【0194】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の体重は、下記表44にまとめた。
【0195】
表44 雌

【0196】
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の体重の変化は、下記表45にまとめた。
【0197】
表45 雄

【0198】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の体重の変化は、下記表46にまとめた。
【0199】
表46 雌

【0200】
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の個々の体重は、下記表47にまとめた。
【0201】
表47 雄

【0202】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の個々の体重は、下記表48にまとめた。



















【0203】
表48 雌

【0204】
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の個々の体重の変化は、下記表49にまとめた。
【0205】
表49 雄

【0206】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の個々の体重の変化は、下記表50にまとめた。
【0207】
表50 雌

【0208】
D. 肉眼的病理検査
試験動物の肉眼的病理検査所見を、表51にまとめた。
【0209】
表51














【0210】
雄試験動物に関する肉眼的病理検査所見を、表52にまとめた。
表52 雄

【0211】
全ての動物は、予定された15日目の病理解剖時まで生存し、全て毒性の病的変化がないことが証明された。
【0212】
E. 評価
「アサイ果肉凍結乾燥」の投与量2,000mg/kgの単回経口適用後、死亡例は生じなかった。毒性の臨床症状は発生しなかった。15日目に予定された病理解剖は、毒性の肉眼的病理学的変化を生じなかった。雄及び雌のラットにおける、「アサイ果肉凍結乾燥」の単回経口投与量2,000mg/kgは、有害作用が認められないと結論付けられる。
【0213】
実施例35 ラットにおける14日間の処置後観察期間による凍結乾燥されたジュカラ果肉の急性経口毒性試験(限界試験)
凍結乾燥されたジュカラ果肉の急性経口毒性をラットにおける14日間の処置後観察期間により評価するために、試験を行った(限界試験)((試験コード:PCDL-0222;Pharmaceutical Control and Development Laboratory Co. Ltd.、9. Mexikoi Street Budapest, H-1149)。
I. 一般的情報
A. 投与量
「ジュカラ果肉凍結乾燥」(ロット番号2208)の単回経口限界投与量2,000mg/kg体重を、ラットに強制飼養により経口投与した。動物は、致死性及び毒性の症状について14日間観察した。肉眼による病理検査は、15日目に行った。動物の体重は、試験期間を通じてそれらの種及び年齢に対応していた。「ジュカラ果肉凍結乾燥」の2,000mg/kg投与量の経口投与後、死亡例は発生しなかった。毒性の臨床症状も観察されなかった。15日目に予定された病理解剖は、毒性の肉眼的病理変化を明らかにしなかった。雄及び雌のラットにおいて単回経口投与量2,000mg/kgの「ジュカラ果肉凍結乾燥」では、有害作用は認められなかったと結論された。
B. 目的
ラットにおける凍結乾燥されたジュカラ果肉の単回経口投与の可能性のある毒性作用に関するデータを明らかにすること。被験物質は、健康補助食品としての使用が期待されている。
【0214】
C. 試験の種類
米国食品医薬品局の「Good Laboratory Practice Regulations for Nonclinical Laboratory Studies」及び動物保護を規制しているハンガリー法1998: XXVIIIに準拠した、前臨床毒性試験。限界試験。
D. 試験プロトコールの逸脱
i. 屠殺に使用した物質T61の製造業者の特徴:
当初のプロトコール: Hoechst Veterinar GmbH
最終報告書:Intervet International
理由:製造業者の名称の変更
ii. 死亡率
当初のプロトコール:観察は、処置後4時間及びその後1日2回行った。
最終報告書:観察は、処置後4時間、並びに15日目の朝までは、その後作業日の開始時及び終了時に1日2回に加え、週末に1回行った。
理由:手法が、当初のものよりもより詳細に説明される。
iii. 全身の状態、外観、行動、及び臨床症状
当初のプロトコール:処置後の期間、動物は、15日目の朝まで、1日2回チェックされる。
最終報告書:処置後の期間、動物が1回チェックされた週末以外は、動物は15日目の朝まで、1日2回チェックされる。
理由:手法が、当初のものよりもより詳細に説明される。
【0215】
II. 被験及び参照商品
A. 被験商品の特徴
被験商品の特徴を、下記表53に詳述した。
【0216】
表53

【0217】
B. 微生物学的分析
USPに従う微生物限界試験を、PCDLの微生物部門により行った。
C. 被験商品を懸濁するために使用した商品の特徴
i. メチルセルロース
メチルセルロース(バッチNo. 127H1065;有効期限02/2003)を、Sigmaから購入し、室温で使用時まで貯蔵した。
ii. 蒸留水
蒸留水(バッチNo. A0010102;有効期限03/2003)を、PCDLから購入し、室温で使用時まで貯蔵した。
iii. 剖検前の麻酔過剰に使用した商品の特徴
T61(バッチNo. 09W008;有効期限05/2006)は、1ml中にエンブトラミド0.2g、テラシノイン酸塩酸塩0.005g、及びヨウ化メベゾニウム0.05gを含有し、これはIntervet Internationalから購入し、使用時まで毒物保存庫中に、室温で貯蔵した。
iv. 被験商品の配合
必要量の被験商品を秤量し、投与の30分前以降に1%メチルセルロース含有液中に懸濁した。
下記の懸濁液を調製した:名目投与量2000mg/kg;ジュカラ果肉5.0gを、1%メチルセルロース溶液50mlに添加。懸濁液は、Radelkis磁気スターラータイプOP-951により処理の間攪拌した。
v. 配合した被験商品の濃度管理
配合した被験物質の試料は、濃度及び均一性をチェックするために採取した。濃度及び均一性のチェックは、重量測定により行った。
懸濁液の上部、中間、及び下部の3つ組について測定した(均一性チェック)3種の試料全ての濃度は、許容限界±10%内、すなわち上部:+9.4±4.2%、中間:+9.4±4.6%、及び下部:+6.6±2.0%であった。
【0218】
III. 試験システム
A. 動物
Sprague Dawleyラット、Crl:CD BR (到着時6〜7週齢)を、本試験において使用した。雄の体重は、143.8g〜151.9gの範囲であった。雌の体重は、144.2g〜161.6gの範囲であった。順番をつけた動物のプール:30(雄15、雌15)。本試験に関連した動物の数:20(雄10、雌10)。ラットは、Charles River Hungary Ltd.から購入した。動物は、到着時にSPFであり、試験中は通常の環境で飼育した。ラットが一般に毒性試験に使用されることが、国際的に推奨されている。Sprague Dawley系統は、十分に歴史的データが集まった、よく知られた実験室モデルである。
動物は、耳の番号付け法で識別し、同性5匹を檻で飼育した。檻は、ラットのID番号、試験コード、群識別、投与経路、性別並びに実験期間の開始日及び終了日を示すタグで標識した。
動物飼育の条件は、下記表54にまとめた。
【0219】
表54

【0220】
環境条件は、下記表55にまとめた。
表55

【0221】
温度及び相対湿度は、連続して記録した。
動物は、処置前一晩絶食し、処置期間及び処置後観察の最初の2時間以外は、標準のラット及びマウス飼料VRF-1を自在に摂取させた。飼料組成は、製造業者Altromin GmbH, D-4937 Lage/Lippe Lange St. 42が管理した。飼料は、製造日(2002年9月30日)、安定性:4ヶ月で識別した。飲料水は、PCDLの微生物部門が毎月チェックした。動物は、処置前5日間観察した。臨床症状のない健康な動物のみ、試験に使用した。
動物の群別は、コンピュータが作成した乱数表により行った。動物は、群にその体重を基に無作為に割付け、その結果個々の群の体重の分布は、類似していた。
【0222】
IV. 実験デザイン
投与量レベル及び群分割は、下記表56にまとめた。
【0223】
表56

【0224】
投与量選択の理論は、下記のようであった。ジュカラ果肉の予想されたヒト一日量は、約1000mg/日であり、これは成人(70kg)の14mg/kg体重及び4歳の小児(20kg)の50mg/kgに相当していた。本試験で適用された限界量2000mg/kgは、成人で消費される場合一日量の140倍に、5gが小児の体重について計算される場合の40倍に相当している。
【0225】
V. 投与
適用は経口強制飼養であった。適用経路は、国際指針に準拠するように選択した。経口経路は、被験商品に曝露されたヒトの予想される経路である。被験商品の適用は、単回投与で与えられた。被験商品は、20ml/kg体重の容積で投与された。実験期間は、5日間の馴化、処置日、処置日を含む14日間の処置後観察期間、及び15日目の剖検からなった。
VI. 観察、実験
A. 致死性
観察は、処置後4時間行い、その後は作業日の最初と最後に1日2回、更には週末に1回、15日目の朝まで行った。死亡時刻はできる限り正確に記録した。
B. 全身状態、外観、行動、及び臨床症状
ラットの注意深い臨床的観察を、曝露前に1回、その後処置後6時間連続して行った。引き続きの期間、動物は、動物を1回チェックした週末を除き、15日目の朝まで、1日2回チェックした。観察された徴候は、皮膚、毛、眼及び目に見える粘膜の変化;分泌及び排泄及び自律神経系の活動(例えば、涙液分泌、起毛、下痢、瞳孔サイズ、異常な呼吸パターン)の発生を含んだ。更に、歩行、姿勢及びハンドリングに対する反応の可能性のある変化に加え、傾眠、振戦、間代性又は緊張性の運動、定型化された又は奇妙な行動の存在が記録された。
C. 体重
動物は、実験室への到着時、無作為割付けの日、処置日、更には実験の2日目、8日目、及び15日目剖検前に秤量した。
【0226】
VII. 剖検及び組織学的試験
A. 剖検
全ての生存ラットを、処置後観察期間の完了時に、T61過剰麻酔下で屠殺し、病理解剖した。外部及び内部の状態を慎重に観察し、記録した。臓器の鏡検は行わなかった。
VIII. 評価、統計解析
雄及び雌の群を個別に評価した。
A. パラメトリック値
体重の平均値及び標準偏差を計算した。
B. ノンパラメトリック値(致死率及び臨床症状)
致死、臨床症状、及び肉眼所見の発生率を集計した。
【0227】
IX. 手法
実験は、Pharmaceutical Control and Development Laboratory Co. Ltd.の毒性部門の最新のStandard Operating Proceduresに従い行った。
X. 動物の保護
動物愛護の関心のために、不必要な動物の使用は避けた。明らかに瀕死の動物の穏やかな屠殺については、試験責任者が責任を負った。本方法(限定試験)は、他の既知の承認された急性毒性試験と比べ、少ない数の実験動物を使用する。
IX. データの記録及び保存
全てのオリジナルのデータは、下記のような適当な様式で、Standard Operating Proceduresにより記されたように、維持した:
被験化合物秤量
動物室の日誌
体重の日誌
致死性及び臨床の観察日誌
死亡後の記録
試験期間中に得られたデータは、「試験ファイル」に収集した。「試験プロトコール」、試験期間中に生じた及び試験結果としての全てのデータ、試験に関連した文書及び全ての情報、被験商品の対照試料、及び「最終報告書」は、少なくとも15年間は、PCDLの保管庫に保存し、その後治験依頼者に提出した。
【0228】
XII. 結果
A. 致死性
処置後14日間の観察期間に観察された致死性は、下記表57にまとめた。
【0229】
表57

【0230】
表58は、ラットにおける「ジュカラ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雄試験対象に関する個々の致死性のデータをまとめている(限界試験)。









【0231】
表58. 雄

【0232】
表59は、ラットにおける「ジュカラ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雌試験対象に関する個々の致死性のデータをまとめている(限界試験)。
【0233】
表59. 雌

【0234】
ラットへの、2,000mg/kg投与量の「ジュカラ果肉凍結乾燥」の単回経口投与後に、死亡は発生しなかった。雄及び雌は全て、14日目の観察期間の最後まで生存した。
【0235】
B. 臨床症状
14日間の処置後観察期間に観察された臨床症状を、下記表60にまとめた。
【0236】
表60

【0237】
表61は、ラットにおける「ジュカラ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雄試験対象に関する個々の臨床症状をまとめている(限界試験)。
【0238】
表61. 雄

【0239】
表62は、ラットにおける「ジュカラ果肉凍結乾燥」の急性経口毒性試験における、処置後14日の観察期間の、雌試験対象に関する個々の臨床症状をまとめている(限界試験)。












【0240】
表62. 雌

【0241】
試験した動物のいずれの群でも、適用の日及び処置後14日間の期間毒性症状は観察されなかった。
【0242】
C. 体重
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の体重は、下記表63にまとめた。
【0243】
表63 雄

【0244】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の体重は、下記表64にまとめた。
【0245】
表64 雌

【0246】
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の体重の変化は、下記表65にまとめた。
【0247】
表65 雄

【0248】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の体重の変化は、下記表66にまとめた。
【0249】
表66 雌

【0250】
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の個々の体重は、下記表67にまとめた。
【0251】
表67 雄

【0252】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の個々の体重は、下記表68にまとめた。
【0253】
表68 雌

【0254】
14日間の処置後観察期間に観察された雄試験対象の個々の体重の変化は、下記表69にまとめた。



















【0255】
表69 雄

【0256】
14日間の処置後観察期間に観察された雌試験対象の個々の体重の変化は、下記表70にまとめた。
【0257】
表70 雌

【0258】
体重及び動物が獲得した体重は、試験を通じて種及び年齢に対応していた。
D. 肉眼的病理検査
試験動物の肉眼的病理検査所見を、表71にまとめた。
【0259】
表71

【0260】
雄試験動物に関する肉眼的病理検査所見を、表72にまとめた。
表72 雄

【0261】
雌試験動物に関する肉眼的病理検査所見を、表73にまとめた。
表73 雌

【0262】
全ての動物は、予定された15日目の病理解剖時まで生存し、全て毒性の病的変化がないことが証明された。
【0263】
E. 評価
「ジュカラ果肉凍結乾燥」の投与量2,000mg/kgの単回経口適用後、死亡例は生じなかった。毒性の臨床症状は発生しなかった。15日目に予定された病理解剖は、毒性の肉眼的病理学的変化を生じなかった。雄及び雌のラットにおける、「ジュカラ果肉凍結乾燥」の単回経口投与量2,000mg/kgは、有害作用が認められないと結論付けられる。
【0264】
同等物
本発明は、具体的態様に関連して説明されているが、更なる修飾が可能であることは理解されるであろう。更に、本出願は、本発明の属する該技術分野における公知又は通常の実践内におさまり、並びに添付された「特許請求の範囲」内であるような、そのような本発明の開示からの逸脱を含む、本発明の変更、使用、又は適合を対象とすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0265】
本発明は、例示のみを目的とする下記図面を参照しより完全に理解されるであろう。
【図1】図1は、凍結乾燥されたアサイ粉末の代表的吸収スペクトルを示すグラフである。
【図2】図2は、LC/MS/MSクロマトグラフィー技術により決定された凍結乾燥されたジュカラ粉末のアントシアニンプロファイルを示すグラフである。
【図3】図3は、凍結乾燥されたジュカラ粉末中のアントシアニンの化学構造を示す概略図である。
【図4】図4は、LC/MS/MSクロマトグラフィー技術により決定された凍結乾燥されたアサイ粉末のアントシアニンプロファイルを示すグラフである。
【図5】図5は、凍結乾燥されたアサイ粉末中のアントシアニンの化学構造を示す概略図である。
【図6】図6は、HPLC及び質量分析クロマトグラフィー技術により決定された凍結乾燥されたジュカラ粉末のフェノール化合物プロファイルを示すグラフである。
【図7】図7は、凍結乾燥されたジュカラ粉末のフェノール化合物の化学構造を示す概略図である。
【図8】図8は、クロマトグラフィー技術により決定された凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末のプロアントシアニンプロファイルを示すグラフである。
【図9】図9は、凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末のプロアントシアニン化合物の化学構造を示す概略図である。
【図10】図10は、ORAC分析技術により決定された、選択された野菜の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図11】図11は、ORAC分析技術により決定された、選択された新鮮な果実の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図12】図12は、ORAC分析技術により決定された、選択された新鮮な果実の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図13】図13は、ORAC分析技術により決定された、選択された新鮮な果実と、凍結乾燥されたアサイ粉末及び凍結乾燥されたジュカラ粉末の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図14】図14は、ORAC分析技術により決定された、選択された新鮮な果実と、凍結乾燥されたアサイの抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図15】図15は、ORAC分析技術により決定された、選択された新鮮な野菜と、凍結乾燥されたアサイ粉末の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図16】図16は、ORAC分析技術により決定された、選択された果実、野菜及びナッツの抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図17】図17は、ORAC分析技術により決定された、選択されたナッツの抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図18】図18は、ORAC分析技術により決定された、選択され脱水された果実及び野菜と、脱水されたアサイの抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図19】図19は、ORAC分析技術により決定された、選択された新鮮な野菜と、凍結乾燥されたアサイ粉末の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図20】図20は、ORAC分析技術により決定された、選択され脱水された果実及び野菜と、脱水されたアサイの抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図21】図21は、ORACHO分析技術による果実及び野菜の抗酸化活性を比較するヒストグラムである。
【図22】図22は、アサイ果実果汁調製の詳細を説明するフローチャート概略図である。
【図23】図23は、アサイ果実果汁調製において使用された外皮除去装置の概略図である。
【図24】図24は、凍結乾燥されたアサイ粉末を調製する方法の詳細を示すフローチャート概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結乾燥されたエウテルペ・エジュリス(ジュカラ)果肉を含有する健康補助食品組成物であって、
(a)約1mg/g総質量よりも大きい総アントシアニン濃度を含み、
(b)約350μmoleTE/g総質量よりも大きいORACFL値を有し、及び
(c)総質量の約3質量%未満の残留含水量を有する、
ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
凍結乾燥されたジュカラ果肉を含有する健康補助食品組成物であって、
(a)約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量よりも大きいシクロオキシゲナーゼ阻害値を有し、及び
(b)総質量の約3質量%未満の残留含水量を有する、
ことを特徴とする組成物。
【請求項3】
健康補助食品組成物が、医薬として許容できる担体を更に含有する、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
安定しかつ口当たりの良いジュカラベースの健康補助食品組成物を製造する方法であり、この方法は:
(a)ジュカラ果実を収穫する工程、
(b)ジュカラ果実を秤量する工程、
(c)ジュカラ果実を水で清浄化する工程、
(d)ジュカラ果実を、温度約75℃〜100℃で、約5秒〜10分間水で洗浄する工程、
(e)ジュカラ果実を外皮除去し、ジュカラ果肉をジュカラ果実から分離する工程、
(f)ジュカラ果肉を温度約-5℃未満に凍結する工程、及び
(g)ジュカラ果肉を、3質量%未満の残留含水量の顆粒状の凍結乾燥されたジュカラ果肉粉末を得る条件下で凍結乾燥する工程、
を含み、凍結乾燥されたジュカラ果肉粉末が、ジュカラ果肉調製物よりも安定しかつ口当たりが良いことを特徴とする、方法。
【請求項5】
清浄化工程が、ジュカラ果実を、衛生的な水により0.1%(v/v)で清浄化することからなる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
洗浄工程が、ジュカラ果実を、水中で、温度約80℃で約10秒間洗浄することからなる、請求項4記載の方法。
【請求項7】
外皮除去工程が、ジュカラ果実を約2分〜約5分間機械的に外皮除去することからなり、及び外皮除去工程は、ジュカラ果実2kgにつき約1Lの水を用い実行される、請求項4記載の方法。
【請求項8】
ジュカラベースの健康補助食品組成物が、約350μmoleTE/g総質量よりも大きいORACFL値を有する、請求項4記載の方法。
【請求項9】
ジュカラベースの健康補助食品組成物が、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量よりも大きいシクロオキシゲナーゼ阻害値を有する、請求項4記載の方法。
【請求項10】
哺乳類における病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷の予防又は治療の方法であって、哺乳類に対して、請求項1〜3のいずれか1項記載のジュカラベースの健康補助食品組成物を有効量投与することを含み、前記組成物が、フリーラジカルを失活し、かつ病的フリーラジカルにより誘導された障害を減少することを特徴とする、方法。
【請求項11】
疾患又は損傷が、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
哺乳類における病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷に罹患した哺乳類において、病的フリーラジカル反応の有害作用を緩和する方法であって、哺乳類に対して、請求項1〜3のいずれか1項記載のジュカラベースの健康補助食品組成物を有効量投与することを含み、前記組成物が、フリーラジカルを失活し、かつ病的フリーラジカルにより誘導された障害を減少することを特徴とする、方法。
【請求項13】
疾患又は損傷が、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
哺乳類において、シクロオキシゲナーゼ酵素活性を阻害する方法であって、哺乳類に対して、請求項1〜3のいずれか1項記載のジュカラベースの健康補助食品組成物を含有する組成物を有効量投与することを特徴とする、方法。
【請求項15】
組成物が、医薬として許容できる担体を更に含有する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路からなる群より選択される投与経路により投与される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
哺乳類において増加したシクロオキシゲナーゼ酵素活性に関連した疾患又は損傷を予防又は治療する方法であって、哺乳類に対して、請求項1〜3のいずれか1項記載のジュカラベースの健康補助食品組成物を含有する組成物を有効量投与することを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記組成物が、医薬として許容できる担体を更に含有する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路からなる群より選択される投与経路により投与される、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記疾患又は損傷が、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される、請求項17記載の方法。
【請求項21】
凍結乾燥されたエウテルペ・エジュリス (アサイ)果肉を含有する、健康補助食品組成物であって、
(a)約1mg/g総質量よりも大きい総アントシアニン濃度を含み、
(b)約350μmoleTE/g総質量よりも大きいORACFL値を有し、及び
(c)総質量の約3質量%未満の残留含水量を有する、
ことを特徴とする組成物。
【請求項22】
凍結乾燥されたアサイ果肉を含有する健康補助食品組成物であって、
(a)約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量よりも大きいシクロオキシゲナーゼ阻害値を有し、及び
(b)総質量の約3質量%未満の残留含水量を有する、
ことを特徴とする組成物。
【請求項23】
前記健康補助食品組成物が、医薬として許容できる担体を更に含有する、請求項21又は22のいずれか1項記載の組成物。
【請求項24】
安定しかつ口当たりの良いアサイベースの健康補助食品組成物の製造法であって、
(a)アサイ果実を収穫する工程、
(b)アサイ果実を秤量する工程、
(c)アサイ果実を水で清浄化する工程、
(d)アサイ果実を、温度約75℃〜100℃で、約5秒〜10分間水で洗浄する工程、
(e)アサイ果実を外皮除去し、アサイ果肉をアサイ果実から分離する工程、
(f)アサイ果肉を温度約-5℃未満に凍結する工程、及び
(g)アサイ果肉を、3質量%未満の残留含水量の凍結乾燥されたアサイ果肉粉末を得る条件下で凍結乾燥する工程、
を含み、凍結乾燥されたアサイ果肉粉末が、アサイ果肉調製物よりもより安定しかつ口当たりが良いことを特徴とする、方法。
【請求項25】
前記清浄化工程が、アサイ果実を、衛生的な水により0.1%(v/v)で清浄化することからなる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記洗浄工程が、アサイ果実を、水中で、温度約80℃で約10秒間洗浄することからなる、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記外皮除去工程が、アサイ果実を約2分〜約5分間機械的に外皮除去することからなり、及び外皮除去工程は、アサイ果実2kgにつき約1Lの水を用い実行される、請求項24記載の方法。
【請求項28】
アサイベースの健康補助食品組成物が、約350μmoleTE/g総質量よりも大きいORACFL値を有する、請求項24記載の方法。
【請求項29】
アサイベースの健康補助食品組成物が、約15アスピリン(登録商標)mg等量/g総質量よりも大きいシクロオキシゲナーゼ阻害値を有する、請求項24記載の方法。
【請求項30】
哺乳類における病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷の予防又は治療の方法であり、この方法が、哺乳類へ請求項21〜23のいずれか1項記載のアサイベースの健康補助食品組成物を有効量投与することを含み、ここでこの組成物は、フリーラジカルを失活し、かつ病的フリーラジカルにより誘導された障害を減少する、方法。
【請求項31】
疾患又は損傷が、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
哺乳類における病的フリーラジカル反応により誘導された疾患又は損傷に罹患した哺乳類において病的フリーラジカル反応の有害作用を緩和する方法であり、この方法は、哺乳類へ請求項21〜23のいずれか1項記載のアサイベースの健康補助食品組成物を有効量投与することを含み、ここでこの組成物は、フリーラジカルを失活し、かつ病的フリーラジカルにより誘導された障害を減少する、方法。
【請求項33】
疾患又は損傷が、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
哺乳類においてシクロオキシゲナーゼ酵素活性を阻害する方法であって、哺乳類に対する請求項21〜23のいずれか1項記載のアサイベースの健康補助食品組成物を含有する組成物を有効量投与することを特徴とする、方法。
【請求項35】
前記組成物が、医薬として許容できる担体を更に含有する、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路からなる群より選択される投与経路により投与される、請求項34記載の方法。
【請求項37】
哺乳類において増加したシクロオキシゲナーゼ酵素活性に関連した疾患又は損傷を予防又は治療する方法であって、哺乳類に対して、請求項21〜23のいずれか1項記載のアサイベースの健康補助食品組成物を含有する組成物を有効量投与することを特徴とする、方法。
【請求項38】
前記組成物が、医薬として許容できる担体を更に含有する、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記組成物が、経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、関節内、動脈内、大脳内、小脳内、気管支内、髄腔内、局所的、及びエアゾール経路からなる群より選択される投与経路により投与される、請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記疾患又は損傷が、癌、結腸癌、乳癌、炎症性腸疾患、クローン病、血管疾患、関節炎、潰瘍、急性呼吸窮迫症候群、虚血性-再灌流障害、神経変性疾患、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病、胃腸疾患、炎症により誘導された組織損傷、及び環境毒素により誘導された組織損傷からなる群より選択される、請求項33記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公表番号】特表2006−520804(P2006−520804A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507456(P2006−507456)
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/008739
【国際公開番号】WO2004/084833
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505354925)ケー2エイ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】