説明

ジョブ処理装置、その制御方法、及び制御プログラム、並びに記録媒体

【課題】画像処理装置等のジョブ処理装置において、ユーザが投入したジョブの状態を容易に把握することができるようにする。
【解決手段】ジョブ処理装置100は、ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行う。ジョブ処理装置が備えるCPU101はユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定して、実行中又は実行待ちのジョブがあると判定すると、ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を操作パネル107に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ処理装置、その制御方法、及び制御プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、複数の処理機能を有するジョブ処理装置におけるジョブ管理及び画面表示制御に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の処理機能を有するジョブ処理装置として、所謂デジタル複合機等の画像処理装置が知られている。このデジタル複合機においては、例えば、コピー、プリント、スキャン、電子メール送信、及びファクス送受信等の処理機能を有している。さらに、デジタル複合機は、記憶装置に対するデジタルデータの記憶及び記憶装置からのデジタルデータの呼び出し等の処理機能を実行することも可能である。
【0003】
ところで、デジタル複合機においては、複数の種類のジョブを投入することができるが、誤ってジョブを投入(入力)してしまった場合には、ジョブ一覧から当該ジョブを直ちに選択して中止することが困難なことがある。例えば、デジタル複合機から離れた場所でネットワークを介してジョブをデジタル複合機に投入した場合等が中止困難な例として挙げられる。
【0004】
さらに、ジョブ投入時に予約ジョブとなった場合及びタイマーによって指定した時間にジョブを実行する場合も中止が困難な例である。このような例ではジョブ実行中に画面が表示されないか又は画面が閉じられており、ジョブ一覧から中止すべきジョブを選択してジョブを中止することが間に合わない。
【0005】
このような不都合を防止するため、例えば、ジョブ投入の際に予約ジョブとなった場合に、デジタル複合機がジョブIDを発行するようにしたものがある。そして、当該ジョブの中止を行いたい場合には、ユーザはデジタル複合機にジョブIDを入力してジョブを中止させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−233862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ジョブ予約の際ジョブIDを発行する場合には、ユーザは当該ジョブIDを覚えておく必要がある。そして、複数のジョブ予約を行った場合には、ユーザはジョブに対応付けてジョブIDを覚えておく必要があり、ジョブIDと予約ジョブとを把握することが困難になる場合もある。
【0008】
また、ジョブIDを間違えてデジタル複合機に入力すると、他人のジョブに対して一時停止等の制御が行われてしまうことがある。このような事態となると、ジョブが一時停止した分のジョブ処理の効率が損なわれることになる。
【0009】
加えて、ジョブ実行後においても、例えば、デジタル複合機に投入した印刷ジョブが出力されていないと、印刷物を別の人が誤って持っていってしまったのか、それとも印刷ジョブが異常終了してしまったのか分からない。そして、ユーザはジョブ履歴から自分のジョブを選択して、その詳細情報を調べる必要がある。
【0010】
このように、デジタル複合機等の画像処理装置に対して、誤って投入したジョブについてはいち早くジョブを中止したいという要望とジョブが異常終了した場合にはその結果を知りたいという要望とがある。つまり、従来の画像処理装置ではこのような2つの要望をともに満たすことが難しく、ユーザが投入したジョブの状態を容易に把握することが難しいいう課題がある。
【0011】
従って、本発明の目的は、ユーザが投入したジョブの状態を容易に把握することのできるジョブ処理装置、その制御方法、及び制御プログラム、並びに記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明によるジョブ処理装置は、ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行うジョブ処理装置において、ユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定するジョブ判定手段と、前記ジョブ判定手段によって前記実行中又は実行待ちのジョブがあると判定されると、前記ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を表示するジョブ状況表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明による制御方法は、ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行うジョブ処理装置を制御するための制御方法において、ユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定するジョブ判定ステップと、前記ジョブ判定ステップによって前記実行中又は実行待ちのジョブがあると判定されると、前記ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を表示するジョブ状況表示制御ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明による制御プログラムは、ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行うジョブ処理装置を制御するための制御プログラムにおいて、前記ジョブ処理装置に備えられたコンピュータに、ユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定するジョブ判定ステップと、前記ジョブ判定ステップによって前記実行中又は実行待ちのジョブがあると判定されると、前記ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を表示するジョブ状況表示制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明による記録媒体は、上記の制御プログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザがログインした際、実行中又は実行待ちのジョブがある場合には、ユーザのジョブ実行情報の表示を行うようにしたので、ログインユーザ自身に係るジョブの実行状態が直ちに知ることが出来る。その結果、ジョブの実行中止又は一時停止を行いたいユーザは、ジョブ一覧からユーザ自身のジョブを探す必要がなく、ジョブ実行情報を参照して即座に実行中止等の処理を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態によるジョブ処理装置である画像処理装置の一例についてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像処理装置が接続されるネットワークシステムについてその構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2に示すPCの各々についてそのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す画像処理装置の機能の一例を示すブロック図である。
【図5】図2に示すPCの機能の一例を示すブロック図である。
【図6】図2に示すPCから画像処理装置に印刷ジョブを投入する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図7a】図1に示す画像処理装置で実行される表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図7b】図1に示す画像処理装置で実行される表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示す操作パネルに表示される異常終了ジョブ履歴情報表示画面の一例を示す図である。
【図9】図1に示す操作パネルに表示されるジョブ実行情報表示画面の一例を示す図である。
【図10】図1に示す操作パネルに表示されるジョブ実行情報表示画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示す操作パネルに表示されるジョブ実行情報表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態によるジョブ処理装置である画像処理装置の一例について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態によるジョブ処理装置である画像処理装置100の一例についてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
図1を参照して、図示の画像処理装置100は、CPU101、メモリ102、補助記憶装置103、スキャナ装置104、FAX送受信装置105、印刷装置106、操作パネル107、及び通信インタフェース108を有している。そして、これらCPU101、メモリ102、補助記憶装置103、スキャナ装置104、FAX送受信装置105、印刷装置106、操作パネル107、及び通信インタフェース108は内部バス109によって相互に接続されている。
【0021】
CPU101は、画像処理装置全体の制御を行う。メモリ102は、RAMと及びROMから構成され、メモリ102にはプログラムが格納されるとともに、各種データが格納される。補助記憶装置103は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置であり、補助記憶装置103には大容量データが保管されるとともに、プログラムの実行コードが保持される。例えば、補助記憶装置103にはメモリ102と比較して、長時間保持する必要があるデータが記憶される。
【0022】
スキャナ装置104は、例えば、紙原稿の光学的なスキャンを行う。FAX送受信装置105は電話回線に接続され、FAX送受信を行う。印刷装置106は、例えば、電子写真プロセスによって印刷を行う。つまり、トナーを用いてデジタル画像データを紙媒体に印刷する。なお、印刷装置106はインクによって印刷を行うものであってもよい。操作パネル107は、ユーザに対する各種情報の提供(表示)を行う。さらに、操作パネル107にはユーザから指示が入力される。通信インタフェース108は、ネットワーク203を介してデジタルデータの送受信を行う。例えば、通信インタフェース108はE−mail送信、SMB(Service Message Block)送信、及び画像処理装置に必要な情報の送受信を行う。
【0023】
図2は、図1に示す画像処理装置100が接続されるネットワークシステムについてその構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図示の例では、パーソナルコンピュータ(PC)201及び202がネットワーク203を介して画像処理装置100と接続されている。なお、図示の例では、2台のPC201及び202が示されているが、複数のPCがネットワーク203に接続されているものとする。また、ここでは、PC201をサーバー装置とする。
【0025】
図3は、図2に示すPC201及び202の各々についてそのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図3を参照して、PC201及び202のハードウェア構成は同一であるので、ここではPC201に注目してそのハードウェア構成を説明する。
【0027】
PC201は、CPU301、メモリ302、補助記憶装置303、入力装置304、出力装置305、及び通信インタフェース306を有している。そして、これらCPU301、メモリ302、補助記憶装置303、入力装置304、出力装置305、及び通信インタフェース306は内部バス307によって相互に接続されている。
【0028】
CPU301は、PC201全体の制御を司る。メモリ102は、RAMと及びOMから構成され、メモリ102にはプログラムが格納されるとともに、各種データが格納される。補助記憶装置103は、例えば、ハードディスク等の大容量記憶装置であり、補助記憶装置103には大容量データが保管されるとともに、プログラムの実行コードが保持される。例えば、補助記憶装置103にはメモリ102と比較して、長時間保持する必要があるデータが記憶される。
【0029】
入力装置304は、キーボード又はポインティングデバイス等であり、入力装置304を用いてユーザはPC201に対して各種指示を入力する。出力装置305は、例えば、ディスプレイであり、CPU301によって実行された処理が出力装置305に表示される。通信インタフェース306は、ネットワーク203を介してデジタルデータの送受信を行う。
【0030】
図4は、図1に示す画像処理装置100の機能の一例を示すブロック図である。
【0031】
図4を参照して、図示の例では、画像形成装置100は、その機能として通信管理部(通信管理手段)801、データ管理部(データ管理手段)802、及びプログラム管理部(プログラム管理手段)803を有している。そして、これら通信管理部801、データ管理部802、及びプログラム管理部803は、CPU101(図1)が有する機能である。
【0032】
通信管理部801は、通信インタフェース108(図1)を介して送受される通信コマンドの解析及び通信制御を実行する。データ管理部802は画像処理装置100で扱う各種データの管理を行う。プログラム管理部803はデータ管理部802が管理している常駐又は非常駐のプログラムの実行を制御及び管理する。
【0033】
図5は、図2に示すPC201の機能の一例を示すブロック図である。
【0034】
図3で説明したPC201は、例えば、ユーザ認証サーバー(認証サーバー)であり、PC201は、その機能としてユーザ情報管理部(ユーザ情報管理手段)901及び操作環境管理部(操作環境管理手段)902を有している。そして、これらユーザ情報管理部901及び操作環境管理部902は、図3に示すCPU201が有する機能である。
【0035】
ユーザ情報管理部901は、ネットワーク203に接続される端末(他のPC等)から通信インタフェース306を介して問い合わせされたユーザの認証を行うための情報を管理する。操作環境管理部902は、ユーザ情報管理部901において管理されているユーザ毎についてその操作環境を管理する。本実施形態では、ユーザ情報管理部901は操作環境として、例えば、操作パネル107に表示される操作画面をユーザ毎にカスタマイズするための情報を管理する。ユーザが画像処理装置101にログインした際に操作環境情報に基づいて操作画面を操作パネル107に表示することで、そのユーザが使いやすい操作画面を提供することが可能になる。
【0036】
ここでは、操作環境管理部902はユーザ情報管理部901において管理されているユーザ毎についてその操作環境を管理するとしたが、操作環境管理部902は画像処理装置100の操作環境を管理するようにしてもよい。さらに、ここでは、ユーザ認証サーバーであるPC201がユーザ情報管理部901及び操作環境管理部902を備えるとしたが、ユーザ情報管理部901及び操作環境管理部902の少なくとも1つを画像処理装置100に備えるようにしてもよい。
【0037】
図6は、図2に示すPC202から画像処理装置100に印刷ジョブを投入する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0038】
図2、図3、及び図6を参照して、PC201から画像処理装置100に印刷ジョブを投入する際には、まず、PC201において、ユーザは入力装置304から、ユーザを特定するユーザ情報を入力してユーザ認証サーバー(PC)201にログインする(ネットワークログイン処理:ステップS401)。これによって、CPU301(ユーザ情報管理部901)は通信インタフェース306を介して、ユーザ情報をユーザ認証サーバー201に送る。そして、ユーザ認証サーバー201において、CPU301はユーザ情報に応じてユーザ認証を行い、認証の可否を示すユーザ認証情報をPC202(情報処理装置)に送る。
【0039】
PC202においては、CPU301(ユーザ情報管理部901)は、ユーザ認証情報に応じてユーザ認証サーバー201から認証が得られたか否かを確認する(ステップS402)。そして、認証が得られないと(ステップS402において、NO)、CPU301はその旨出力装置305に表示して処理を終了する。
【0040】
一方、認証が得られると(ステップS402において、YES)、PC201では、CPU301(操作環境管理部902)はユーザ認証サーバー201から、ユーザ情報に対応する操作環境情報を取得する(ステップS403)、そして、CPU301(操作情報管理部902)は操作環境情報に基づいて出力装置305に操作画面(端末操作表示画面)を表示する(ステップS404)。
【0041】
続いて、PC202において、CPU301は、印刷(プリント)ジョブの実行が指示されたか(プリントジョブの実行の指示は操作画面上の所定の操作による)されたか否かについて監視する(ステップS405)。プリントジョブの実行が指示されないと(ステップS405において、NO)、CPU301はステップS405に戻って処理を続行する。
【0042】
プリントジョブの実行が指示されると(ステップS405において、YES)、CPU301は当該プリントジョブに対してユーザID(特定コード)を付与するとともに、画像処理装置100に対してプリントジョブの投入(画像処理装置100に対するプリントデータの送信)を行う(ステップS406)。このプリントジョブが投入された画像処理装置100は受信したプリントデータに基づいて印刷のための処理(プリントジョブ)を実行する。続いて、PC202において、CPU301は入力装置304から操作終了が入力されたか否かについて監視する(ステップS407)、操作終了がないと(ステップS407において、NO)、CPU301はステップS404に戻って処理を続行する。一方、操作終了があると(ステップS407において、YES)、CPU301はログアウト処理を行って一連の処理を終了する。
【0043】
図7a及び図7bは、図1に示す画像処理装置100で実行される表示処理を説明するためのフローチャートである。
【0044】
図1、図2、図7a、及び図7bを参照して、いま、画像処理装置100において、操作パネル107からユーザ情報が入力されると、CPU101(通信管理部801)は通信インタフェース108を介して、ユーザ情報をユーザ認証サーバー201に送って、ネットワークログイン処理を行う(ステップS501)。これによって、ユーザ認証サーバー201において、CPU301はユーザ情報に応じてユーザ認証を行い、認証の可否を示すユーザ認証情報を画像処理装置100に送る。
【0045】
画像処理装置100においては、CPU101)は、ユーザ認証情報に応じてユーザ認証サーバー201から認証が得られたか否かを確認する(ステップS502)。そして、認証が得られないと(ステップS502において、NO)、CPU101はその旨操作パネル107に表示して処理を終了する。
【0046】
一方、認証が得られると(ステップS502において、YES)、CPU101はログインユーザにより実行を指示され現在実行中あるいは実行を待機しているジョブがあるか否かについて判定する(ステップS503)。ステップS503においてNOと判定した場合、CPU101(データ管理部802)は、ログインユーザが未確認でしかもジョブ実行できずに終了あるいはジョブが異常終了したジョブがあるか否かを判定する(ステップS504)。異常終了したジョブとは、ジョブの実行中あるいは実行を待機している間に画像処理装置100に何らかのエラーが発生して正常に終了できなかったジョブのことである。
【0047】
ステップS504においてNOと判定した場合、CPU101はユーザ認証サーバー201からログインユーザに対応する操作環境情報を取得する(ステップS505)。そして、CPU101は操作環境情報に基づいて操作パネル107に操作画面を表示する(ステップS506)。
【0048】
続いて、CPU101は操作パネル107に表示された操作画面においてユーザ操作が行われたか否かについて判定する(ステップS507)。ユーザ操作が行われないと(ステップS507において、NO)、CPU101はステップS506に戻る。
【0049】
ユーザにより操作パネル107に対して操作が行われると(ステップS507において、YES)、CPU101はジョブ実行操作(ジョブ実行動作)であるか否かについて判断する(ステップS508)。ジョブ実行動作であると(ステップS508において、YES)、CPU101は当該ジョブに対してユーザIDを付与してジョブの投入を行う(ステップS509)。そして、CPU101はステップS506に戻って、操作パネル107にジョブ実行中画面等の操作画面表示を行う。
【0050】
一方、ジョブ実行動作でないと(ステップS508において、NO)、CPU101は操作画面上でジョブ状況確認が選択されたか否かについて判定する(ステップS510)。なお、ジョブ状況確認ボタン(図示せず)は操作パネル107上にあり、ジョブの状況を確認するためのボタンである(図示せず)。
【0051】
ジョブ状況確認が選択されると(ステップS510において、YES)、CPU101は、後述するステップS520に移行する。ジョブ状況確認が選択されないと(ステップS510において、NO)、CPU101は操作終了が行われたか否かについて判定する(ステップS511)。
【0052】
操作終了でないと(ステップS511において、NO)、CPU101は設定画面表示等の予め指定された処理を実行する(ステップS512)。そして、CPU101はステップS506に戻って操作画面表示を行う。一方、操作終了であると(ステップS511において、YES)、CPU101はログアウト処理を行って一連の処理を終了する。
【0053】
ステップS504において、ログインユーザが未確認でしかもジョブ実行できずに終了したジョブが存在すると(ステップS504において、YES)、CPU101は操作パネル107に異常終了ジョブ履歴情報を表示する(ステップS513)。
【0054】
図8は図1に示す操作パネル107に表示される異常終了ジョブ履歴情報表示画面の一例を示す図である。
【0055】
図8において、異常終了ジョブ履歴情報表示画面(異常終了ジョブ詳細画面)には、ジョブ履歴詳細情報一覧601が表示される。このジョブ履歴詳細情報一覧601にはジョブ種、ジョブ受付番号、結果、結果詳細、ジョブ開始時刻、ジョブ終了時刻、ファイル名、ユーザ名、原稿ページ数、出力ページ数、及び設定された枚数及び部数が表示される。
【0056】
さらに、異常終了ジョブ履歴情報表示画面には、「前ジョブへ」ボタン602及び「次ジョブへ」ボタン603が表示されるとともに、「閉じる」ボタン604が表示される。「前ジョブへ」ボタン602が押されると、COU101は一つ前の異常終了したログインユーザに係るジョブ履歴詳細情報一覧601を表示する。
【0057】
「次ジョブへボタン」603が押されると、CPU101は、一つ後の異常終了したログインユーザに係るジョブ履歴詳細情報一覧601を表示する。また、「閉じる」ボタン604が押されると、CPU101は異常終了ジョブ履歴情報表示画面を閉じる。
【0058】
図示の異常終了ジョブ履歴情報表示画面は、”A00004”のユーザ名を持つユーザにおいて実行中のジョブはないが、異常終了ジョブがある場合を示しており、この画面はログイン時に表示される。
【0059】
このように、ユーザによるログイン時に異常終了ジョブがあることを表示するようにすれば、ユーザがあらためて出力ジョブを探すことがなく、さらには、再度ジョブを投入することもない。そして、ユーザはジョブ履歴一覧の中から自分の終了ジョブの結果を探すことなく、必要とする情報を取得することができる。
【0060】
続いて、CPU101は、異常終了ジョブ履歴情報表示画面においてユーザ操作が行われたか否かについて判定する(ステップS514)。ユーザ操作が行われないと(ステップS514において、NO)、CPU101はステップS513に戻る。
【0061】
一方、ユーザ操作が行われると(ステップS514において、YES)、CPU101は異常終了ジョブ履歴の確認が完了したものと判断して、表示した異常終了ジョブ履歴を確認済みの情報に書き換える処理を行う(ステップS515)。これによって、CPU101は当該異常終了ジョブ履歴を次回ログイン時には表示しない。
【0062】
続いて、CPU101は、異常終了ジョブ履歴情報画面において「閉じる」ボタン604が操作されたか否かについて判定する(ステップS516)。「閉じる」ボタン604が操作されると(ステップS516において、YES)、CPU101は異常終了ジョブ履歴情報画面を閉じて、ステップS505に移行する。
【0063】
ユーザ操作は行われたが、「閉じる」ボタン604が操作されないと(ステップS516において、NO)、CPU101はジョブ状況確認が選択されたか否かについて判定する(ステップS517)。
【0064】
ジョブ状況確認が選択されると(ステップS517において、YES)、CPU101は、後述するステップS520に移行する。ジョブ状況確認が選択されないと(ステップS517において、NO)、CPU101は操作終了が行われたか否かについて判定する(ステップS518)。
【0065】
操作終了が行われないと(ステップS518において、NO)、CPU101は前異常終了ジョブ/次異常終了ジョブの表示処理等の予め指定された処理を行う(ステップS519)。そして、CPU101はステップS513に戻って異常終了ジョブ履歴情報画面を表示する。一方、操作終了が行われると(ステップS518において、YES)、CPU101はログアウト処理を行い一連の処理を終了する。
【0066】
ステップS503において、ログインユーザの実行中ジョブがあると(ステップS503において、YES)、CPU101(データ管理部802)はジョブ実行情報を操作パネル107に表示する(ステップS520)。
【0067】
図9は、図1に示す操作パネル107に表示されるジョブ実行情報表示画面の一例を示す図である。また、図10は、図1に示す操作パネル107に表示されるジョブ実行情報表示画面の一例を示す図である。さらに、図11は、図1に示す操作パネル107に表示されるジョブ実行情報表示画面の一例を示す図である。
【0068】
図9に示すジョブ実行情報表示画面において、コピーボタン701を操作すると、CPU101はコピージョブの状況/履歴を操作パネル107に表示する。プリントボタン702を操作すると、CPU101はプリントジョブの状況/履歴を操作パネル107に表示する。送信ボタン703を操作すると、CPU101はFAX送信、E−mail送信、及びSMB送信等の送信ジョブの状況/履歴を操作パネル107に表示する。
【0069】
受信ボタン704を操作すると、CPU101はFAX受信及びIFAX受信等の受信ジョブの状況/履歴を操作パネル107に表示する。保存ボタン705を操作すると、CPU101はメモリメディア及びサーバーへのデジタルデータ保存等の保存ジョブの状況/履歴を操作パネル107に表示する。
【0070】
ジョブ状況ボタン706を操作すると、CPU101は実行中又は実行待ちのジョブの状況を操作パネル107に表示する。ジョブ履歴ボタン707を操作すると、CPU101は実行済みのジョブの履歴を操作パネル107に表示する。
【0071】
図9に示す例では、プリントボタン702及びジョブ状況ボタン706が選択、つまり、操作されており、プリントジョブの状況がリスト群(プリントジョブ状況リスト)708として操作パネル107に表示される。
【0072】
このプリントジョブ状況リスト708には、ジョブを受け付けた時刻、投入されたジョブのジョブ名、投入したユーザのユーザ名、実行状態、及び実行までの待ち時間が表示される。
【0073】
一時停止ボタン709が操作されると、CPU101は現在選択中のジョブを一時停止する。中止ボタン710が操作されると、CPU101は現在選択中のジョブを中止する。「前ジョブへ」ボタン711が操作されると、CPU101は一つ前の実行中又は実行待ちジョブを操作パネル107に表示する。「次ジョブへ」ボタン712が操作されると、CPU101は一つ後の実行待ちジョブを操作パネル107に表示する。「閉じる」ボタン713が操作されると、CPU101はジョブ実行情報表示画面を閉じる。
【0074】
図9に示す例は、”A00001”のユーザ名を持つユーザがログインした際に表示される画面であり、ここでは、現在実行中のジョブ(つまり、プリント中)が選択されている。この状態で、一時停止ボタン709を操作すると、CPU101は当該ジョブを一時停止する。中止ボタン710が操作されると、CPU101は当該ジョブを中止する。
【0075】
図9に示す例は、ログインした際に表示される画面であるから、「前ジョブへ」ボタン711を操作することはできない。一方、「次ジョブへ」ボタン712を操作すると、図10に示すように、CPU101は、”A00001”のユーザ名を持つユーザの次の実行待ちのジョブを選択する。
【0076】
図11に示す例は、”A00003”のユーザ名を持つユーザがログインした際に表示されるジョブ実行情報表示画面である。ここでは、送信ボタン703及びジョブ状況ボタン706が選択されており、送信ジョブの状況がリスト群(送信ジョブ状況リスト)714で表示されている。送信ジョブ状況リスト714には、ジョブを受け付けた時間、送信宛先、投入したユーザのユーザ名、実行状態、及び備考が表示される。
【0077】
図9においては、”A00003”のユーザ名を持つユーザについては、プリント待ちの状態となっているプリントジョブがある。一方、送信ジョブの方がプリントジョブよりも実行までの時間が短いため、送信ジョブが優先して表示される。
【0078】
このようにして、実行中又は実行待ちのジョブがある場合に、ユーザに係るジョブ実行情報(つまり、ジョブ実行状況)の表示を行って、ユーザに自分自身のジョブの実行状態を知らせることになる。これによって、ユーザは中止又は一時停止等の制御を行うことができ、ジョブ実行一覧から自分自身のジョブを探すことなく即座に処理を行うことが可能となる。
【0079】
再び図1、図2、図7a、及び図7bを参照して、上述のようにして、ジョブ実行情報画面を表示した後、CPU101はユーザ操作が行われたか否かについて判定する(ステップS521)。ユーザ操作が行われないと(ステップS521において、NO)、CPU101はステップS510に戻ってジョブ実行情報を表示する。
【0080】
ユーザ操作が行われると(ステップS521において、YES)、CPU101はジョブ操作が行われたか否かについて判定する(ステップS522)。そして、ジョブ操作であると(ステップS522において、YES)、CPU101は一時停止又は中止等の処理を実行する(ステップS523)。そして、CPU101はステップS520に戻ってジョブ実行情報画面の更新を行う。
【0081】
ユーザ操作が行われたが、ジョブ操作ではないと(ステップS522において、NO)、COU101は、「閉じるボタン713の操作等ジョブ実行状態の確認が完了したか否かにつて判定する(ステップS524)。確認が完了したと判定すると(ステップS524において、YES)、CPU101はステップS504に移行して、ユーザが未確認でかつ異常終了ジョブがあるかどうか否かを判定することになる。
【0082】
ユーザ操作が行われたが、確認が完了しないと判定すると(ステップS524において、NO)、CPU101は操作終了が行われたか否かについて判定する(ステップS525)。操作終了が行われないと(ステップS525において、NO)、CPU101は次ジョブ又は前ジョブ等の予め指定された処理を実行する(ステップS526)。そして、CPU101はステップS520に戻ってジョブ実行情報画面の更新を行う。一方、操作終了が行われると(ステップS525において、YES)、CPU101はログアウト処理を行い一連の処理を終了する。
【0083】
なお、上述の実施の形態では、操作環境情報部902はユーザ毎にその操作環境を保持するとして説明したが、操作環境情報部902は画像処理装置100に関する操作環境を保持するようにしてもよい。
【0084】
また、ユーザ情報管理部901及び操作環境管理部902はユーザ認証サーバー201のように外部サーバーに備えるものとして説明したが、ユーザ情報管理部901及び操作環境管理部902の少なくとも一つを画像処理装置100が備えるようにしてもよい。
【0085】
以上のように、上述の実施の形態によれば、ログインの際実行中又は実行待ちのジョブがあると、ログインユーザについてジョブ実行情報を表示するようにしたので、ユーザはジョブの実行状態を容易に知ることができる。そして、ジョブの中止又は一時停止を実行したいユーザは、ジョブ実行情報から即座にその処理を行うことができる。
【0086】
上述の説明から明らかなように、図1に示すCPU101がジョブ判定手段、ジョブ状況表示制御手段、操作画面表示制御手段、ジョブ確認手段、異常終了ジョブ表示制御手段、及びユーザ認証手段として機能する。また、図3に示すCPU301が端末操作画面表示制御手段及びジョブ送信手段として機能する。
【0087】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0088】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を、ジョブ処理装置が備えるコンピュータに実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムをジョブ処理装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0089】
この際、制御方法及び制御プログラムは、少なくともジョブ判定ステップ及びジョブ状況表示制御ステップを有する。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0090】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0091】
100 画像処理装置
101,301 CPU
201,202 PC
108,306 通信インタフェース
801 通信管理部
802 データ管理部
803 プログラム管理部
901 ユーザ情報管理部
902 操作環境管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行うジョブ処理装置において、
ユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定するジョブ判定手段と、
前記ジョブ判定手段によって前記実行中又は実行待ちのジョブがあると判定されると、前記ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を表示するジョブ状況表示制御手段とを有することを特徴とするジョブ処理装置。
【請求項2】
前記ジョブ判定手段によって前記実行中又は前記実行待ちのジョブがないと判定されると、ユーザ毎に管理され当該ユーザの操作環境を示す操作環境情報に応じて操作画面を表示する操作画面表示制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のジョブ処理装置。
【請求項3】
前記ジョブ判定手段によって前記実行中又は前記実行待ちのジョブがないと判定されると、前記ログインしたユーザが未確認でかつ異常終了したジョブが存在するか否かについて確認するジョブ確認手段を有し、
前記操作画面表示制御手段は、前記ジョブ確認手段によって前記ログインしたユーザが未確認でなくかつ異常終了したジョブが存在しないと確認されると、前記操作画面を表示するようにしたことを特徴とする請求項2記載のジョブ処理装置。
【請求項4】
前記ジョブ確認手段によって前記ログインしたユーザが未確認でかつ異常終了したジョブが存在すると確認されると、前記異常終了したジョブの詳細を示す異常終了ジョブ詳細画面を表示する異常終了ジョブ表示制御手段を有することを特徴とする請求項3記載のジョブ処理装置。
【請求項5】
ネットワークを介してユーザ認証を行う認証サーバーに接続され、ユーザを特定するユーザ情報が入力されると、前記ユーザ情報を前記認証サーバーに送ってユーザ認証を行うユーザ認証手段を有し、
前記ジョブ判定手段は、前記認証サーバーによって前記ユーザの認証が得られると、当該ユーザをログインユーザとして該ログインユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のジョブ処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して情報処理装置に接続されており、
該情報処理装置は前記ジョブ処理装置にジョブを投入する際、ユーザ認証が行われるとユーザ毎に管理され当該ユーザの操作環境を示す操作環境情報に応じて端末操作画面を表示する端末操作画面表示制御手段と、
該端末操作表示画面で所定の操作が行われると、前記ジョブを特定する特定コードを付与して当該ジョブを前記ジョブ処理装置に送信するジョブ送信手段とを有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のジョブ処理装置。
【請求項7】
ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行うジョブ処理装置を制御するための制御方法において、
ユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定するジョブ判定ステップと、
前記ジョブ判定ステップによって前記実行中又は実行待ちのジョブがあると判定されると、前記ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を表示するジョブ状況表示制御ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
ユーザによって入力されたジョブに応じてジョブ処理を行うジョブ処理装置を制御するための制御プログラムにおいて、
前記ジョブ処理装置に備えられたコンピュータに、
ユーザがログインした際、当該ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブがあるか否かを判定するジョブ判定ステップと、
前記ジョブ判定ステップによって前記実行中又は実行待ちのジョブがあると判定されると、前記ユーザに係る実行中又は実行待ちのジョブの実行状況を示すジョブ実行情報画面を表示するジョブ状況表示制御ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−39179(P2012−39179A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174566(P2010−174566)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】