ジョブ設定装置
【課題】折り処理の折り位置設定に際し、必要な箇所以上での寸法の入力を可能にする。
【解決手段】操作入力を受け付け、表示を行う操作表示部と、折り処理の折り回数nに対し、設定されたn箇所の寸法によって前記折り位置を決定する制御部とを備え、前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にし、好適にはm箇所のうち、n箇所の入力がなされると折り位置を決定し、他の箇所の寸法を算出して表示することで、折り位置の決定に必要な箇所以上の箇所について寸法の入力を行うことができ、ユーザーが望む箇所を選択して寸法入力でき、折り位置のイメージをし易くなり、ユーザーが希望する仕上がり結果を簡単に得ることができる。
【解決手段】操作入力を受け付け、表示を行う操作表示部と、折り処理の折り回数nに対し、設定されたn箇所の寸法によって前記折り位置を決定する制御部とを備え、前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にし、好適にはm箇所のうち、n箇所の入力がなされると折り位置を決定し、他の箇所の寸法を算出して表示することで、折り位置の決定に必要な箇所以上の箇所について寸法の入力を行うことができ、ユーザーが望む箇所を選択して寸法入力でき、折り位置のイメージをし易くなり、ユーザーが希望する仕上がり結果を簡単に得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙の折り処理を伴うジョブに対し、前記折り処理の用紙上の折り位置を設定するジョブ設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を形成して用紙に転写する複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機などでは、画像を転写した用紙に、後処理として折り処理を行う場合がある。折り処理には、中折り、三つ折り、四つ折り、Z折りなどがあり、通常は、画像形成装置や画像形成装置に付設した後処理装置において実行される。
折り処理では、定型的な位置で折る折り処理の他、折り位置をユーザーが設定して実施できるようにした画像形成装置も提案されている。
例えば、特許文献1では、折り処理の設定が可能になっており、折り位置調整を行うことができる(段落0062他)。
特許文献2では、設定された折り位置での折り処理が可能な後処理装置が提案されており、該後処理装置では折り位置の調整が可能になっている(特許請求の範囲他)。
さらに、特許文献3では、画像を形成したシートを折り処理するシート処理装置が開示されており、該シート折り処理装置では、折り位置の調整が可能になっている(特許請求の範囲他)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−23475号公報
【特許文献2】特開2009−120271号公報
【特許文献3】特開2009−132485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の装置では、特許文献1〜3に開示されたものも含めて、折り位置の調整は、予め決められた箇所の寸法しか入力することができない。例えば、三つ折りの場合、3辺のうち予め決められた2辺の寸法の入力しかできない。そのため、ユーザーにとって調整後の仕上がり状態の全体像をイメージすることが難しく、特に、決められた入力箇所以外の寸法を調整したいと考えるユーザーにとっては、希望の仕上がり結果になるまで、実際に後処理を行って得られる出力物を見ながら調整値を入力し直したり、希望の寸法を基に決められた入力箇所の寸法を自分で計算したりする必要がある。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、ユーザーによる折り位置調整の自由度が高く、調整後の仕上がり状態の全体像をイメージすることも容易となるジョブ設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のジョブ設定装置のうち、第1の本発明は、用紙の折り処理を伴うジョブに対し、前記折り処理の用紙上の折り位置を設定するジョブ設定装置であって、
操作入力を受け付け、表示を行う操作表示部と、
前記折り処理の折り回数nに対し、設定されたn箇所の寸法によって前記折り位置を決定する制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にすることを特徴とする。
【0007】
第2の本発明のジョブ設定装置は、前記第1の本発明において、前記n箇所の寸法が、折り位置または用紙端部を基準とするものであることを特徴とする。
【0008】
第3の本発明のジョブ設定装置は、前記第1または第2の本発明において、前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、前記m箇所のうち寸法が入力されていない他の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする。
【0009】
第4の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、設定されたn箇所の寸法の1以上を変更不可とすることを特徴とする。
【0010】
第5の本発明のジョブ設定装置は、前記第4の本発明において、前記変更不可は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする。
【0011】
第6の本発明のジョブ設定装置は、前記第4または第5の本発明において、前記制御部は、前記変更不可を解除して寸法の入力を可能にすることを特徴とする。
【0012】
第7の本発明のジョブ設定装置は、前記第6の本発明において、前記変更不可の解除は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする。
【0013】
第8の本発明のジョブ設定装置は、前記第4〜第7の本発明において、前記制御部は、n箇所以上の寸法が設定されている状態で、設定されている寸法のいずれか1つが変更されると、変更された寸法に基づいて、変更不可とされた箇所以外の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
第9の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記操作表示部によって入力可能な寸法として、各辺の長さ、折り目によって隣接する2つの辺の長さの差、折り処理によって面の接するようになった2つの辺の長さの差の1以上を含むことを特徴とする。
【0015】
第10の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第9の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、折り位置を決定することを特徴とする。
【0016】
第11の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第10の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、決定された折り位置が異常であると判定される場合、異常の通知を行うことを特徴とする。
【0017】
第12の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第11の本発明のいずれかにおいて、前記制御部によって決定される折り位置に基づいて前記用紙の折り処理を行う折り部を備えることを特徴とする。
【0018】
第13の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第11の本発明のいずれかにおいて前記制御部は、決定された前記折り位置情報を外部の後処理装置に送信することを特徴とする。
【0019】
本発明のジョブ設定装置は、画像形成装置で構成されるもの、画像形成装置および後処理装置を含む画像形成システムで構成されるもの、ネットワークで接続された外部装置で構成されるものなどが挙げられるが、名称の如何に拘わらず、上記構成を有するものは本発明の範囲内である。
【0020】
用紙の折り処理を伴うジョブは、通常は、画像の形成や用紙への当該画像の転写を含んでいる。ただし、本発明としては、用紙の折り処理のみからなるジョブであってもよい。
操作入力を受け付ける操作表示部は、操作入力と表示の両方を行うタッチパネルなどによって構成されているものであってもよく、また、入力と表示とを独立して行うもので構成するものであってもよい。
【0021】
用紙の折り処理としては、中折り、三つ折り、四つ折り、Z折りなどが挙げられるが、本発明としては特定の折り方法に限定されるものではない。
一般に、折り目がn箇所ある(n回の折り処理)折り種別の場合、いずれかn箇所の寸法を決めれば全ての折り位置が決定する。すなわち、折り位置は、折り処理の折り回数をnとすれば、折り位置を基準とする少なくともn箇所の寸法によって決定することができ、該決定は制御部により行われる。
【0022】
本発明では、m箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にすることで、ユーザーが折り位置をイメージしやすくなり、操作性が向上する。なお、mの値は、nよりも大きい整数であればよく、本発明としては特定のものに限定されるものではない。また、折り回数nによってmの値が異なるものであってもよい。m箇所の寸法の入力が可能になっている場合、ユーザーは任意のn箇所を入力すれば、折り位置が決定される。なお、m箇所の寸法の基準としては、折り位置や用紙端部を用いることができる。ただし、本発明としては、これに限定されないものであり、用紙の中央部や、用紙端部から○○mmの位置など適宜選定することができる。
【0023】
m箇所の寸法を与える位置関係は、予め設定されているものであってもよく、また、ユーザーが設定できるものであってもよい。さらに、予め保持されている位置関係のデータからユーザーが選択してm箇所の寸法を与える位置関係を設定するものであってもよい。 m箇所の寸法を与える位置関係は、本発明としては特定のものに限定されず、そのうちの少なくともn箇所の寸法によって折り位置を導き出せるものであればよい。
m箇所の寸法を与えるものとしては、各辺の長さ、折り目によって隣接する2つの辺の長さの差、折り処理によって面の接するようになった2つの辺の長さの差などが例示される。
【0024】
なお、n箇所の寸法が入力されて折り位置が定まると、m箇所のうち、前記n箇所以外の寸法が入力されていない他の箇所の寸法を制御部によって算出し、操作表示部に表示するようにしてもよい。これによりユーザーは折り位置をイメージし易くなる。
また、設定値が変更されると、その他の箇所の寸法を制御部で自動的に算出して操作表示部に表示するようにしてもよい。
【0025】
また、n箇所のうち一部では、寸法の設定値は固定して変更不可にしてもよい。この際に、固定された寸法との組み合わせによって折り位置を決定できる寸法のみを入力可能にしてもよい。固定される寸法の設定値は、ユーザーによって入力されたものであってもよく、また、予め初期値として設定されているものであってもよい。また、固定された設定値は、固定を解除して変更可能なものとしてもよい。
【0026】
制御部では、折り位置の決定に必要なn箇所の寸法が得られると、直ちに折り位置を決定してもよく、また、ユーザーの操作に従って決定するようにしてもよい。
また、制御部では、設定されたn箇所以上の寸法によって折り位置を決定する際に、決定された折り位置が異常であると判定される場合には、異常の通知を操作表示部などに行うことができる。また、ジョブ設定装置がネットワークに接続されている場合、ネットワークを通して他の装置に異常の通知を行ってもよい。
【0027】
折り位置が確定すると、ジョブ設定装置に折り部を備える場合、当該ジョブ設定装置で折り処理を行うことができる。また、折り部がジョブ設定装置の外部の後処理装置に備えられている場合、前記制御部は、決定された前記折り位置情報を外部の後処理装置に送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、折り位置の決定に必要な箇所以上の箇所について寸法の入力を行うことができ、ユーザーが望む箇所を選択して寸法入力でき、折り位置のイメージをし易くなり、ユーザーが希望する仕上がり結果を簡単に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成システムを示す概略図である。
【図2】同じく、制御ブロック図である。
【図3】同じく、内三つ折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図4】同じく、外三つ折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図5】同じく、Z折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図6】同じく、ダブルパラレル(四つ折り)の折状態を示す斜視図(a)、および設定されたm箇所の寸法位置を示す図(b)である。
【図7】同じく、観音折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図8】同じく、中折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図9】同じく、折り処理設定画面を示す図である。
【図10】同じく、位置調整画面で各寸法値が入力された状態を示す図である。
【図11】同じく、位置調整画面で各寸法値がクリアされた状態を示す図である。
【図12】同じく、位置調整画面で各寸法値がクリアされた状態で1箇所の寸法値が入力された状態を示す図である。
【図13】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力されて折り位置が決定され、その他の箇所の寸法値が算出されて表示された状態を示す図である。
【図14】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力され、その他の箇所の寸法値が算出されて表示された後、1箇所の寸法値が固定された状態を示す図である。
【図15】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力されて折り位置が決定されされた後、1箇所の寸法値が入力変更された状態を示す図である。
【図16】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力されて折り位置が決定されされた後、1箇所の寸法値が入力変更されて異常表示がされた状態を示す図である。
【図17】同じく、折り位置を設定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
この実施形態の画像形成システム1は、図1に示すように、画像形成装置2と後処理装置3とを備える。この実施形態では、画像形成装置2がジョブ設定装置としての機能を有している。
【0031】
画像形成装置2は、給紙トレイを装置下部に備えるシート供給部20を有しており、シート供給部20は用紙を画像形成装置2内で搬送し、画像を印刷した用紙を画像形成装置外に排紙する。
また、画像形成装置2は、シート供給部20で給紙、搬送される用紙に印刷を行う画像形成部21を備えている。画像形成部21は、図示しない感光体と、転写部、帯電部、露光部、現像部、定着器等を備えており、画像を形成してその画像を用紙に転写し、転写された用紙上の画像を定着させる。
また、画像形成装置2の上部側には、原稿を自動的に給送する自動原稿給送装置(ADF)23が備えられており、自動原稿給送装置(ADF)23で送られる原稿の画像が図示しないスキャナー部で読み込まれて画像形成に用いられる。
さらに画像形成装置2の上部には、ユーザーの操作入力を受け、また情報を表示することができる操作表示部24を備えている。操作表示部24は、操作部と表示部とが一体になったタッチパネルなどによって構成することができ、また、操作部と表示部とを別体に構成してもよい。
【0032】
後処理装置3は、画像形成装置2で印刷されて出力された用紙に折り処理をする折り部30を有しており、折り部30で折られた用紙または折り部30での折処理がなされていない用紙を排紙する第1排出部31と第2排出部32とを有している。
【0033】
次に、画像形成装置システム1の機能を図2の制御ブロック図に基づいて説明する。
画像形成装置2は、画像形成装置2全体を制御するCPU25を有しており、該CPU25にROM26、RAM27が接続されている。CPU25は、本発明の制御部に相当する。
ROM26には、プログラムや折り位置を基準とする寸法を入力する際の複数の箇所情報、前記寸法の初期設定値、固定される箇所の情報、用紙のサイズ、プロセス制御パラメータ等の機械設定情報などが不揮発に格納されている。また、RAM27は、作業エリアやデータの一時格納に用いられ、折り処理のために設定される各箇所の寸法値を記憶する記憶部として機能する。
【0034】
また、CPU25には、シート供給部20が制御可能に接続されており、シート供給部20による用紙の給紙および搬送がCPU25で制御される。
CPU25にはさらに画像形成部21が制御可能に接続されており、画像形成部21における画像の形成、用紙への転写、用紙上の画像の定着が制御される。
CPU25には、さらに通信部28が制御可能に接続されており、通信部28を介して後処理装置3との通信や図示しないネットワークなどとの通信が可能になっている。
【0035】
後処理装置3は、後処理装置3全体を制御するCPU35を有しており、該CPU35にROM36、RAM37が接続されている。
ROM36には、折り処理を行うためのプロセス制御パラメータ等の機械設定情報などが不揮発に格納されている。また、RAM37は、作業エリアやデータの一時格納に用いられる。
また、CPU35には折り部30が制御可能に接続されており、CPU35の制御によって折り部30が動作して所定の折り位置で用紙に折り処理がなされる。
さらにCPU35には、第1排出部31と第2排出部32とが制御可能に接続されており、用紙の排紙処理がなされる。
【0036】
次に、折り処理における各箇所の寸法の位置関係について説明する。
前記したように、一般に折り目がn箇所ある折り種別(n回の折り処理)の場合、いずれかn箇所の寸法を決めれば全ての折り位置が決定する。従来は、入力可能なn箇所の寸法が予め固定されている。本発明では、m>nであるようなm箇所の寸法を入力可能とし、そのm箇所の中からユーザーが入力したn箇所の寸法を自由に選択して入力できるようにする。
【0037】
例えば、図3のような内三つ折りの場合、a、b、c、d、eの5つの寸法のうち、いずれか2箇所の入力ですべての折り位置(図では折り目1、折り目2)が決定する。この例では、図の折り状態で搬送方向に搬送される。この例では、折り目1を基準とする第1の用紙端部からの寸法a、折り目2と折り目1との間の寸法b、折り目2と第2の用紙端部との間の寸法c、折った状態での折り目2と第1の用紙端部との寸法d、折った状態での折り目1と第2の用紙端部との寸法eの入力が可能になっている。これらの寸法のうち、折り回数に相当する2箇所の寸法を設定することで、内三つ折りでの折り目の位置を決定することができる。
従来は、入力可能な2箇所の寸法位置が予め固定されており(例えばdとe)、これらの寸法の変更をできるものは知られている。本発明では、a、b、c、d、eの5箇所の寸法を入力可能とし、その5箇所の中からユーザーが入力した2箇所を入力した時点で残りの3箇所の寸法も決定(算出)される。算出された残りの3箇所の寸法は操作表示部に表示するのが望ましい。
【0038】
次に、図4は、外三つ折りの例を示すものである。
この折り種別では、折り目1で第1の用紙端部側を折り、折り目1から第2の用紙端部側に離れた位置で用紙を外側に折って折り目2を設けるものである。折り目2が搬送方向側に位置する。この例では、a、b、c、d、eの5つの寸法の設定が可能になっている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、第1の折り目と第2の折り目との間の寸法b、第2の用紙端部と折り目2との間の寸法c、折った状態での第1の用紙端部と第2の折り目との間の寸法d、折った状態での第2の用紙端部と折り目1との間の寸法eの入力が可能になっている。この例でも、いずれか2箇所の入力ですべての折り位置(折り目1、2)を決定することができる。
【0039】
図5は、Z折りの例を示すものである。
この折り種別では、第1の用紙端部が搬送方向側に向き、第1の用紙端部の内側で折り目1で用紙を搬送方向側に折り、第2の用紙端部側で用紙を搬送方向後方に向けて折るものであり、折り目2が搬送方向側に位置している。この例ではa、b、c、d、eの5箇所の寸法を入力可能としている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、折り目1と折り目2との間の寸法b、折り目2と第2の用紙端部との間の寸法c、折った状態での第1の用紙端部と折り目2との間の寸法d、折り目1と第2の用紙端部との間の寸法eの入力が可能になっており、このうち2箇所の寸法の設定によって折り位置(折り目1.2)を決定することができる。
【0040】
図6は、ダブルパラレル(4つ折り)の例を示すものである。
この折り種別は、図6(a)に斜視図を示すように、用紙を中折するように折り目1で折り、折られた用紙を重ねたままで折り目2、3で同一方向に折るものである。折り目2、3は同位置にあるが、全体で3つの折り目を有している。この例では、折られた状態で内側に位置する第1の用紙端部と折り目2との間の寸法a、折り目1と折り目2、3との間の寸法b、折られた状態で外側に位置する第2の用紙端部と折り目2、3との間の寸法c、折られた状態での第2の用紙端部と折り目1との間の寸法d、折られた状態の第1の用紙端部と第2の用紙端部との間の寸法eの入力が可能になっている。
この例では、3箇所の寸法を入力することで折り位置(折り目1、2、3)を決定することができる。
【0041】
図7は、観音折りを示すものである。
この折り種別では、用紙の両端部側でそれぞれ内側に折り込み(折り目1、2)、さらに折り目1、2の間で、前記折り込みによる用紙端部が内側になるように折り目3を設けており、3つの折り位置を有している。
この折り種別では、a、b、c、d、e、f、gの寸法入力が可能になっている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、折り目1と折り目3との間の寸法b、折り目3と折り目2との間の寸法c、第2の用紙端部と折り目2との間の寸法d、折った状態での折り目1と折り目2との間の寸法e、折った状態での第1の用紙端部と折り目3との間の寸法f、折った状態での折り目3と第2の用紙端部との間の寸法gの入力が可能になっている。この例では、3箇所の寸法を設定することで全ての折り位置を決定することができる。
【0042】
図8は、中折りの例を示すものである。
この折り種別では、用紙を二つに折る(折り回数1)ものであり(折り目1)、1つの折り位置を有している。この折り種別では、a、b、cの寸法入力が可能になっている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、折り目1と第2の用紙端部との間の寸法b、折った状態での第1の用紙端部と第2の用紙端部との間の寸法cの入力が可能になっている。この例では、1箇所の寸法を設定すると折り位置を決定することができる。
【0043】
次に、用紙に折り処理をする際の設定画面を図9に基づいて説明する
図9は、操作表示部24に表示される折り処理設定画面100を示すものである。該折り処理設定画面100では、折り種別を選択する折り種別選択釦が設けられている。具体的には、Z折り位置調整釦110、外三つ折り位置調整釦111、内三つ折り位置調整釦112、ダブルパラレル折り位置調整釦113、観音折り位置調整釦114、中折り位置調整釦115が、ユーザーによって押釦できるように表示されている。また、戻る釦116が押釦可能に表示されている。
【0044】
折り処理設定画面100で上記の位置調整釦を押釦することで、押釦された種別の折り種別が選択された状態になり、戻る釦116を押釦することで、折り種別および設定されている折り位置が決定される。なお、折り位置の設定入力が行われていない場合、予め設定されている推奨値が設定される。
折り種別が決定されると、操作表示部24に折り位置調整画面120が表示され、設定されたm箇所のうち、任意の箇所の寸法入力が可能になる。なお、折り種別に応じて入力可能なm箇所の情報は、ROM26に格納されており、選択された折り種別に応じてCPU25によって操作表示部24に操作可能に表示される。
【0045】
図10は、内三つ折りにおける位置調整画面120を示すものである。
位置調整画面120には、用紙の折り状態をイメージさせる折り状態表示部121を有し、折り状態表示部121に、m箇所(この例では5箇所)の寸法の入力および表示がそれぞれ可能になった寸法部121a、121b、121c、121d、121eが表示されている。各寸法部121a、121b、121c、121d、121eは、それぞれで設定された寸法が表示されている。さらに各寸法部121a、121b、121c、121d、121eは押釦可能であり、入力が禁止されていない状態で押釦されると、テンキー125を通して寸法の入力が可能になり、入力が受け付けられた寸法が各寸法部121a、121b、121c、121d、121eに表示される。
【0046】
なお、位置調整画面120では、各寸法部121a、121b、121c、121d、121eに対応して、各寸法部121a、121b、121c、121d、121eの近傍にFIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが操作可能に表示されている。
FIX設定部122a、122b、122c、122d、122eは押釦を行う毎に、入力値の固定、固定解除が交互に選択される。固定と、固定解除に応じて、設定部欄は表示が切り替わる。
各FIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが固定状態になると、対応する各寸法部121a、121b、121c、121d、121eでの寸法入力が不可になる。各FIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが固定解除状態になると、対応する各寸法部121a、121b、121c、121d、121eでの寸法入力が可能になる。
【0047】
図では、全ての寸法部121a、121b、121c、121d、121eに対し、全てのFIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが固定解除状態になっている。なお、各寸法部121a、121b、121c、121d、121eの寸法値は、ユーザーによって入力されたもの、CPU25で算出されたもの、推奨値として予め設定されているものが挙げられる。予め設定されている推奨値は、ユーザーが変更して登録できるようにしてもよい。
【0048】
また、位置調整画面120には、戻る釦123とクリア釦124が押釦可能に表示されている。戻る釦123は、入力された寸法によって折り位置が決定した状態で折り処理設定画面100に復帰することができ、折り処理設定画面100で戻る釦117を押釦すると、折り処理の種別、折り位置が確定して折り処理の実行が可能になる。
また、クリア釦124は、各寸法に対し設定されている寸法値をクリアするものである。これにより各操作表示部121a、121b、121c、121d、121eに対し、テンキー125を通した入力が可能になる。
【0049】
図11は、クリア釦124の押釦によって各寸法部121a、121b、121c、121d、121eの寸法値がクリアされて空欄になった状態を示している。この状態で戻る釦123を押釦しても、折り位置に必要な2箇所以上の寸法の設定がなされていないため、戻る釦123の押釦は無効になり、折り処理設定画面100に戻ることは不可になる。なお、設定自体を取りやめる場合、例えば位置調整画面120に設けたキャンセル釦126などによって設定操作を終了することができる。
【0050】
図12は、クリア釦124が押釦された後の状態で、寸法値を入力する状態の位置調整画面120を示すものである。
寸法値がクリアされた各寸法部121a、121b、121c、121d、121eのいずれかを押釦(図では寸法部121b)すると、当該寸法部に対し、テンキー125を通して寸法値を入力することができる。なお、この状態で戻る釦123を押釦しても、図11と同様に折り位置を決定する2箇所の寸法設定がなされていないため、戻る釦123に対する押釦は無効になる。
【0051】
図13は、寸法部121bへの寸法値の入力後、寸法部121eにテンキー125を通して寸法値が入力された状態を示している。この例では、2箇所の寸法の設定によって折り位置が決定され、その他の寸法a、c、dが算出され、これに対応する寸法部121a、121c、121dに、算出された寸法値が表示されている。
この例では、折り位置が決定されているため、戻る釦123を押釦すると、折り処理設定画面100に復帰することができる。
【0052】
図14は、折り位置が決定した後、寸法値を変更できないように固定する際の位置調整画面120を示すものである。
例えば、寸法部121bでの寸法値の変更を不可にする場合、FIX設定部122bを押釦し、固定状態にしてこれに対応する寸法部121bでの寸法値入力を不可にする。固定状態が設定されたFIX設定釦122bは、ハイライト表示がされている。
【0053】
図15は、固定状態の寸法を基準として、その他の寸法部について寸法値を変更入力する場合の位置調整画面120を示すものである。固定されている箇所(図では寸法部121b)以外の所望の寸法部121a、121c、121d、121eのいずれかを押釦(図では寸法部121d)すると、当該寸法部に対し、テンキー125を通して寸法値を入力することができる。すると、固定された寸法と、変更された寸法とに基づいて折り位置が決定し、上記二つの寸法部121b、121dを除いた他の寸法部121a、121c、121eについてCPU25によって寸法値を自動的に算出し、各寸法部121a、121c、121eに、算出された寸法値を表示する。変更を要する場合には、以下で説明する操作を行い、変更を要しない場合には、戻る釦123を押釦して折り処理設定画面100に復帰する。
【0054】
図16は、折り位置の決定に必要な2箇所の寸法値を入力した後、さらに他の箇所の寸法値を入力変更した場合の位置調整画面120を示すものである。
この画面では、寸法部121bの寸法値が固定され、寸法部121dの寸法値を入力した後、寸法部121eの寸法値を入力変更する画面である。寸法部121dには予めCPU25によって寸法値が算出されて表示されており、寸法値は固定されていない。
【0055】
寸法部121eでは、押釦することでテンキー125を通した寸法値の入力が可能になる。寸法部121eで寸法値が入力されると、CPU25では、固定されている寸法部121bの寸法値と、入力された寸法部121eの寸法値とに基づいて、他の寸法部121a、121c、121dの寸法値が算出されて各寸法部121a、121c、121dに寸法値が表示される。
ただし、この際の設定値では折り位置を正常に決定できない場合、異常値を示す寸法部において、エラー表示をする。この例では、寸法部121dにおける算出値が負の値になっており、これに対応するFIX設定部122dにエラー表示として「NG」を表示する。この状態で戻る釦123を押釦しても、エラーが発生しているため、押釦は無効となり、折り処理設定画面100に復帰することは不可になる。
エラーを回避するためには、固定されている寸法部121b以外の寸法部121a、121c、121dで適正範囲の寸法値を入力することでエラーを回避することができる。
【0056】
次に、折り処理設定における制御手順を図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、この制御手順は、CPU25で実行される。
先ず、操作表示部での入力があるか否かの判定がなされる(ステップs1)。図中のパネルは操作表示部24を示すものである。
入力があるまで待機し(ステップs1、NO、手順(1)へ)、入力があると(ステップs1、YES)、各寸法部でのデータが入力されているか否かの判定がなされる(ステップs2)。寸法データの入力がされていれば(ステップs2、YES)、折り位置の決定に必要なn箇所の寸法が入力済みであるか否かの判定がなされる(ステップs3)。n箇所の入力が済んでいなければ、(1)の手順に戻って入力を待つ(ステップs1へ)。n箇所の入力が済んでいれば(ステップs3、YES)、入力箇所以外の箇所の寸法値を算出し、操作表示部24に表示する(ステップs4)。
【0057】
次いで、算出した寸法値に基づいて、計算結果が正常であるか否かの判定がなされる(ステップs5)。計算結果が正常でなければ(ステップs5、NO)、異常であるため操作表示部24にエラー表示をし、手順(1)に戻る。計算結果が正常であれば(ステップs5、YES)、手順を終了する。
【0058】
ステップs2で寸法値のデータが入力されていなければ、いずれかのFIX設定釦が選択されたか否かの判定なされる(ステップs7)。いずれかのFIX設定釦が選択された際に(ステップs7、YES)、そのFIX設定釦が、既に選択済みであるか否かの判定がなされる(ステップs8)。そのFIX設定釦が既に選択済みで、寸法値が固定状態にあれば(ステップs8、YES)、選択した箇所の固定状態を解除し寸法値の入力を可能にし(ステップs9)、(1)の手順に戻る。FIX設定釦が選択されていて既に選択済みではない場合(ステップs8、NO)、FIX設定釦に対応する箇所の寸法データの入力を受け付け不可とする固定状態にし(ステップs10)、(1)の手順に戻る。
【0059】
ステップs7で、いずれのFIX設定釦も選択されない場合、クリア釦の選択がなされているか否かの判定がなされる(ステップs11)。クリア釦の選択がなされていれば(ステップs11、YES)、各寸法部の寸法値を全てクリアし、(1)の手順に復帰する。
ステップs11でクリア釦の選択がなされていない場合(ステップs11、NO)、戻る釦が選択されたか否かの判定がなされる(ステップs13)。戻る釦が選択されていなければ(ステップs13、NO)、(1)の手順に戻る。戻る釦が選択されている場合(ステップs13、YES)、n箇所の寸法値が入力済みであるか否かの判定がなされる(ステップs14)。n箇所の寸法値が入力済みでない場合(ステップs14、NO)、(1)の手順に戻る。n箇所の寸法値が入力済みの場合(ステップs14、YES)、エラー表示があるか否かの判定がなされる(ステップs15)。エラー表示があれば(ステップ15、NO)、(1)の手順に戻る。エラー表示がなければ(ステップs15、YES)、処理を終了する。
【0060】
上記により折り位置が決定されて、折り処理の選択がなされると、折り処理の種別と折り位置の情報が画像形成装置2から通信部28を通して後処理装置3に送信される。後処理装置3では、通信部38を通して画像形成装置2からの送信データを受信し、CPU35の制御によって、画像形成装置2から送信された折り処理の種別と折り位置の情報に基づいて折り部30で必要な折り処理がなされる。
なお、上記実施形態では、折り部が後処理装置に備えられているものについて説明したが、折り部が画像形成装置に備えられているものであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 後処理装置
21 画像形成部
24 操作表示部
25 CPU
26 ROM
27 RAM
28 通信部
30 折り部
35 CPU
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙の折り処理を伴うジョブに対し、前記折り処理の用紙上の折り位置を設定するジョブ設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を形成して用紙に転写する複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機などでは、画像を転写した用紙に、後処理として折り処理を行う場合がある。折り処理には、中折り、三つ折り、四つ折り、Z折りなどがあり、通常は、画像形成装置や画像形成装置に付設した後処理装置において実行される。
折り処理では、定型的な位置で折る折り処理の他、折り位置をユーザーが設定して実施できるようにした画像形成装置も提案されている。
例えば、特許文献1では、折り処理の設定が可能になっており、折り位置調整を行うことができる(段落0062他)。
特許文献2では、設定された折り位置での折り処理が可能な後処理装置が提案されており、該後処理装置では折り位置の調整が可能になっている(特許請求の範囲他)。
さらに、特許文献3では、画像を形成したシートを折り処理するシート処理装置が開示されており、該シート折り処理装置では、折り位置の調整が可能になっている(特許請求の範囲他)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−23475号公報
【特許文献2】特開2009−120271号公報
【特許文献3】特開2009−132485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の装置では、特許文献1〜3に開示されたものも含めて、折り位置の調整は、予め決められた箇所の寸法しか入力することができない。例えば、三つ折りの場合、3辺のうち予め決められた2辺の寸法の入力しかできない。そのため、ユーザーにとって調整後の仕上がり状態の全体像をイメージすることが難しく、特に、決められた入力箇所以外の寸法を調整したいと考えるユーザーにとっては、希望の仕上がり結果になるまで、実際に後処理を行って得られる出力物を見ながら調整値を入力し直したり、希望の寸法を基に決められた入力箇所の寸法を自分で計算したりする必要がある。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、ユーザーによる折り位置調整の自由度が高く、調整後の仕上がり状態の全体像をイメージすることも容易となるジョブ設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のジョブ設定装置のうち、第1の本発明は、用紙の折り処理を伴うジョブに対し、前記折り処理の用紙上の折り位置を設定するジョブ設定装置であって、
操作入力を受け付け、表示を行う操作表示部と、
前記折り処理の折り回数nに対し、設定されたn箇所の寸法によって前記折り位置を決定する制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にすることを特徴とする。
【0007】
第2の本発明のジョブ設定装置は、前記第1の本発明において、前記n箇所の寸法が、折り位置または用紙端部を基準とするものであることを特徴とする。
【0008】
第3の本発明のジョブ設定装置は、前記第1または第2の本発明において、前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、前記m箇所のうち寸法が入力されていない他の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする。
【0009】
第4の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、設定されたn箇所の寸法の1以上を変更不可とすることを特徴とする。
【0010】
第5の本発明のジョブ設定装置は、前記第4の本発明において、前記変更不可は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする。
【0011】
第6の本発明のジョブ設定装置は、前記第4または第5の本発明において、前記制御部は、前記変更不可を解除して寸法の入力を可能にすることを特徴とする。
【0012】
第7の本発明のジョブ設定装置は、前記第6の本発明において、前記変更不可の解除は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする。
【0013】
第8の本発明のジョブ設定装置は、前記第4〜第7の本発明において、前記制御部は、n箇所以上の寸法が設定されている状態で、設定されている寸法のいずれか1つが変更されると、変更された寸法に基づいて、変更不可とされた箇所以外の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
第9の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記操作表示部によって入力可能な寸法として、各辺の長さ、折り目によって隣接する2つの辺の長さの差、折り処理によって面の接するようになった2つの辺の長さの差の1以上を含むことを特徴とする。
【0015】
第10の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第9の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、折り位置を決定することを特徴とする。
【0016】
第11の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第10の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、決定された折り位置が異常であると判定される場合、異常の通知を行うことを特徴とする。
【0017】
第12の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第11の本発明のいずれかにおいて、前記制御部によって決定される折り位置に基づいて前記用紙の折り処理を行う折り部を備えることを特徴とする。
【0018】
第13の本発明のジョブ設定装置は、前記第1〜第11の本発明のいずれかにおいて前記制御部は、決定された前記折り位置情報を外部の後処理装置に送信することを特徴とする。
【0019】
本発明のジョブ設定装置は、画像形成装置で構成されるもの、画像形成装置および後処理装置を含む画像形成システムで構成されるもの、ネットワークで接続された外部装置で構成されるものなどが挙げられるが、名称の如何に拘わらず、上記構成を有するものは本発明の範囲内である。
【0020】
用紙の折り処理を伴うジョブは、通常は、画像の形成や用紙への当該画像の転写を含んでいる。ただし、本発明としては、用紙の折り処理のみからなるジョブであってもよい。
操作入力を受け付ける操作表示部は、操作入力と表示の両方を行うタッチパネルなどによって構成されているものであってもよく、また、入力と表示とを独立して行うもので構成するものであってもよい。
【0021】
用紙の折り処理としては、中折り、三つ折り、四つ折り、Z折りなどが挙げられるが、本発明としては特定の折り方法に限定されるものではない。
一般に、折り目がn箇所ある(n回の折り処理)折り種別の場合、いずれかn箇所の寸法を決めれば全ての折り位置が決定する。すなわち、折り位置は、折り処理の折り回数をnとすれば、折り位置を基準とする少なくともn箇所の寸法によって決定することができ、該決定は制御部により行われる。
【0022】
本発明では、m箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にすることで、ユーザーが折り位置をイメージしやすくなり、操作性が向上する。なお、mの値は、nよりも大きい整数であればよく、本発明としては特定のものに限定されるものではない。また、折り回数nによってmの値が異なるものであってもよい。m箇所の寸法の入力が可能になっている場合、ユーザーは任意のn箇所を入力すれば、折り位置が決定される。なお、m箇所の寸法の基準としては、折り位置や用紙端部を用いることができる。ただし、本発明としては、これに限定されないものであり、用紙の中央部や、用紙端部から○○mmの位置など適宜選定することができる。
【0023】
m箇所の寸法を与える位置関係は、予め設定されているものであってもよく、また、ユーザーが設定できるものであってもよい。さらに、予め保持されている位置関係のデータからユーザーが選択してm箇所の寸法を与える位置関係を設定するものであってもよい。 m箇所の寸法を与える位置関係は、本発明としては特定のものに限定されず、そのうちの少なくともn箇所の寸法によって折り位置を導き出せるものであればよい。
m箇所の寸法を与えるものとしては、各辺の長さ、折り目によって隣接する2つの辺の長さの差、折り処理によって面の接するようになった2つの辺の長さの差などが例示される。
【0024】
なお、n箇所の寸法が入力されて折り位置が定まると、m箇所のうち、前記n箇所以外の寸法が入力されていない他の箇所の寸法を制御部によって算出し、操作表示部に表示するようにしてもよい。これによりユーザーは折り位置をイメージし易くなる。
また、設定値が変更されると、その他の箇所の寸法を制御部で自動的に算出して操作表示部に表示するようにしてもよい。
【0025】
また、n箇所のうち一部では、寸法の設定値は固定して変更不可にしてもよい。この際に、固定された寸法との組み合わせによって折り位置を決定できる寸法のみを入力可能にしてもよい。固定される寸法の設定値は、ユーザーによって入力されたものであってもよく、また、予め初期値として設定されているものであってもよい。また、固定された設定値は、固定を解除して変更可能なものとしてもよい。
【0026】
制御部では、折り位置の決定に必要なn箇所の寸法が得られると、直ちに折り位置を決定してもよく、また、ユーザーの操作に従って決定するようにしてもよい。
また、制御部では、設定されたn箇所以上の寸法によって折り位置を決定する際に、決定された折り位置が異常であると判定される場合には、異常の通知を操作表示部などに行うことができる。また、ジョブ設定装置がネットワークに接続されている場合、ネットワークを通して他の装置に異常の通知を行ってもよい。
【0027】
折り位置が確定すると、ジョブ設定装置に折り部を備える場合、当該ジョブ設定装置で折り処理を行うことができる。また、折り部がジョブ設定装置の外部の後処理装置に備えられている場合、前記制御部は、決定された前記折り位置情報を外部の後処理装置に送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、折り位置の決定に必要な箇所以上の箇所について寸法の入力を行うことができ、ユーザーが望む箇所を選択して寸法入力でき、折り位置のイメージをし易くなり、ユーザーが希望する仕上がり結果を簡単に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成システムを示す概略図である。
【図2】同じく、制御ブロック図である。
【図3】同じく、内三つ折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図4】同じく、外三つ折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図5】同じく、Z折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図6】同じく、ダブルパラレル(四つ折り)の折状態を示す斜視図(a)、および設定されたm箇所の寸法位置を示す図(b)である。
【図7】同じく、観音折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図8】同じく、中折りに際し、設定されたm箇所の寸法位置を示す図である。
【図9】同じく、折り処理設定画面を示す図である。
【図10】同じく、位置調整画面で各寸法値が入力された状態を示す図である。
【図11】同じく、位置調整画面で各寸法値がクリアされた状態を示す図である。
【図12】同じく、位置調整画面で各寸法値がクリアされた状態で1箇所の寸法値が入力された状態を示す図である。
【図13】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力されて折り位置が決定され、その他の箇所の寸法値が算出されて表示された状態を示す図である。
【図14】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力され、その他の箇所の寸法値が算出されて表示された後、1箇所の寸法値が固定された状態を示す図である。
【図15】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力されて折り位置が決定されされた後、1箇所の寸法値が入力変更された状態を示す図である。
【図16】同じく、位置調整画面で2箇所の寸法値が入力されて折り位置が決定されされた後、1箇所の寸法値が入力変更されて異常表示がされた状態を示す図である。
【図17】同じく、折り位置を設定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
この実施形態の画像形成システム1は、図1に示すように、画像形成装置2と後処理装置3とを備える。この実施形態では、画像形成装置2がジョブ設定装置としての機能を有している。
【0031】
画像形成装置2は、給紙トレイを装置下部に備えるシート供給部20を有しており、シート供給部20は用紙を画像形成装置2内で搬送し、画像を印刷した用紙を画像形成装置外に排紙する。
また、画像形成装置2は、シート供給部20で給紙、搬送される用紙に印刷を行う画像形成部21を備えている。画像形成部21は、図示しない感光体と、転写部、帯電部、露光部、現像部、定着器等を備えており、画像を形成してその画像を用紙に転写し、転写された用紙上の画像を定着させる。
また、画像形成装置2の上部側には、原稿を自動的に給送する自動原稿給送装置(ADF)23が備えられており、自動原稿給送装置(ADF)23で送られる原稿の画像が図示しないスキャナー部で読み込まれて画像形成に用いられる。
さらに画像形成装置2の上部には、ユーザーの操作入力を受け、また情報を表示することができる操作表示部24を備えている。操作表示部24は、操作部と表示部とが一体になったタッチパネルなどによって構成することができ、また、操作部と表示部とを別体に構成してもよい。
【0032】
後処理装置3は、画像形成装置2で印刷されて出力された用紙に折り処理をする折り部30を有しており、折り部30で折られた用紙または折り部30での折処理がなされていない用紙を排紙する第1排出部31と第2排出部32とを有している。
【0033】
次に、画像形成装置システム1の機能を図2の制御ブロック図に基づいて説明する。
画像形成装置2は、画像形成装置2全体を制御するCPU25を有しており、該CPU25にROM26、RAM27が接続されている。CPU25は、本発明の制御部に相当する。
ROM26には、プログラムや折り位置を基準とする寸法を入力する際の複数の箇所情報、前記寸法の初期設定値、固定される箇所の情報、用紙のサイズ、プロセス制御パラメータ等の機械設定情報などが不揮発に格納されている。また、RAM27は、作業エリアやデータの一時格納に用いられ、折り処理のために設定される各箇所の寸法値を記憶する記憶部として機能する。
【0034】
また、CPU25には、シート供給部20が制御可能に接続されており、シート供給部20による用紙の給紙および搬送がCPU25で制御される。
CPU25にはさらに画像形成部21が制御可能に接続されており、画像形成部21における画像の形成、用紙への転写、用紙上の画像の定着が制御される。
CPU25には、さらに通信部28が制御可能に接続されており、通信部28を介して後処理装置3との通信や図示しないネットワークなどとの通信が可能になっている。
【0035】
後処理装置3は、後処理装置3全体を制御するCPU35を有しており、該CPU35にROM36、RAM37が接続されている。
ROM36には、折り処理を行うためのプロセス制御パラメータ等の機械設定情報などが不揮発に格納されている。また、RAM37は、作業エリアやデータの一時格納に用いられる。
また、CPU35には折り部30が制御可能に接続されており、CPU35の制御によって折り部30が動作して所定の折り位置で用紙に折り処理がなされる。
さらにCPU35には、第1排出部31と第2排出部32とが制御可能に接続されており、用紙の排紙処理がなされる。
【0036】
次に、折り処理における各箇所の寸法の位置関係について説明する。
前記したように、一般に折り目がn箇所ある折り種別(n回の折り処理)の場合、いずれかn箇所の寸法を決めれば全ての折り位置が決定する。従来は、入力可能なn箇所の寸法が予め固定されている。本発明では、m>nであるようなm箇所の寸法を入力可能とし、そのm箇所の中からユーザーが入力したn箇所の寸法を自由に選択して入力できるようにする。
【0037】
例えば、図3のような内三つ折りの場合、a、b、c、d、eの5つの寸法のうち、いずれか2箇所の入力ですべての折り位置(図では折り目1、折り目2)が決定する。この例では、図の折り状態で搬送方向に搬送される。この例では、折り目1を基準とする第1の用紙端部からの寸法a、折り目2と折り目1との間の寸法b、折り目2と第2の用紙端部との間の寸法c、折った状態での折り目2と第1の用紙端部との寸法d、折った状態での折り目1と第2の用紙端部との寸法eの入力が可能になっている。これらの寸法のうち、折り回数に相当する2箇所の寸法を設定することで、内三つ折りでの折り目の位置を決定することができる。
従来は、入力可能な2箇所の寸法位置が予め固定されており(例えばdとe)、これらの寸法の変更をできるものは知られている。本発明では、a、b、c、d、eの5箇所の寸法を入力可能とし、その5箇所の中からユーザーが入力した2箇所を入力した時点で残りの3箇所の寸法も決定(算出)される。算出された残りの3箇所の寸法は操作表示部に表示するのが望ましい。
【0038】
次に、図4は、外三つ折りの例を示すものである。
この折り種別では、折り目1で第1の用紙端部側を折り、折り目1から第2の用紙端部側に離れた位置で用紙を外側に折って折り目2を設けるものである。折り目2が搬送方向側に位置する。この例では、a、b、c、d、eの5つの寸法の設定が可能になっている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、第1の折り目と第2の折り目との間の寸法b、第2の用紙端部と折り目2との間の寸法c、折った状態での第1の用紙端部と第2の折り目との間の寸法d、折った状態での第2の用紙端部と折り目1との間の寸法eの入力が可能になっている。この例でも、いずれか2箇所の入力ですべての折り位置(折り目1、2)を決定することができる。
【0039】
図5は、Z折りの例を示すものである。
この折り種別では、第1の用紙端部が搬送方向側に向き、第1の用紙端部の内側で折り目1で用紙を搬送方向側に折り、第2の用紙端部側で用紙を搬送方向後方に向けて折るものであり、折り目2が搬送方向側に位置している。この例ではa、b、c、d、eの5箇所の寸法を入力可能としている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、折り目1と折り目2との間の寸法b、折り目2と第2の用紙端部との間の寸法c、折った状態での第1の用紙端部と折り目2との間の寸法d、折り目1と第2の用紙端部との間の寸法eの入力が可能になっており、このうち2箇所の寸法の設定によって折り位置(折り目1.2)を決定することができる。
【0040】
図6は、ダブルパラレル(4つ折り)の例を示すものである。
この折り種別は、図6(a)に斜視図を示すように、用紙を中折するように折り目1で折り、折られた用紙を重ねたままで折り目2、3で同一方向に折るものである。折り目2、3は同位置にあるが、全体で3つの折り目を有している。この例では、折られた状態で内側に位置する第1の用紙端部と折り目2との間の寸法a、折り目1と折り目2、3との間の寸法b、折られた状態で外側に位置する第2の用紙端部と折り目2、3との間の寸法c、折られた状態での第2の用紙端部と折り目1との間の寸法d、折られた状態の第1の用紙端部と第2の用紙端部との間の寸法eの入力が可能になっている。
この例では、3箇所の寸法を入力することで折り位置(折り目1、2、3)を決定することができる。
【0041】
図7は、観音折りを示すものである。
この折り種別では、用紙の両端部側でそれぞれ内側に折り込み(折り目1、2)、さらに折り目1、2の間で、前記折り込みによる用紙端部が内側になるように折り目3を設けており、3つの折り位置を有している。
この折り種別では、a、b、c、d、e、f、gの寸法入力が可能になっている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、折り目1と折り目3との間の寸法b、折り目3と折り目2との間の寸法c、第2の用紙端部と折り目2との間の寸法d、折った状態での折り目1と折り目2との間の寸法e、折った状態での第1の用紙端部と折り目3との間の寸法f、折った状態での折り目3と第2の用紙端部との間の寸法gの入力が可能になっている。この例では、3箇所の寸法を設定することで全ての折り位置を決定することができる。
【0042】
図8は、中折りの例を示すものである。
この折り種別では、用紙を二つに折る(折り回数1)ものであり(折り目1)、1つの折り位置を有している。この折り種別では、a、b、cの寸法入力が可能になっている。すなわち、第1の用紙端部と折り目1との間の寸法a、折り目1と第2の用紙端部との間の寸法b、折った状態での第1の用紙端部と第2の用紙端部との間の寸法cの入力が可能になっている。この例では、1箇所の寸法を設定すると折り位置を決定することができる。
【0043】
次に、用紙に折り処理をする際の設定画面を図9に基づいて説明する
図9は、操作表示部24に表示される折り処理設定画面100を示すものである。該折り処理設定画面100では、折り種別を選択する折り種別選択釦が設けられている。具体的には、Z折り位置調整釦110、外三つ折り位置調整釦111、内三つ折り位置調整釦112、ダブルパラレル折り位置調整釦113、観音折り位置調整釦114、中折り位置調整釦115が、ユーザーによって押釦できるように表示されている。また、戻る釦116が押釦可能に表示されている。
【0044】
折り処理設定画面100で上記の位置調整釦を押釦することで、押釦された種別の折り種別が選択された状態になり、戻る釦116を押釦することで、折り種別および設定されている折り位置が決定される。なお、折り位置の設定入力が行われていない場合、予め設定されている推奨値が設定される。
折り種別が決定されると、操作表示部24に折り位置調整画面120が表示され、設定されたm箇所のうち、任意の箇所の寸法入力が可能になる。なお、折り種別に応じて入力可能なm箇所の情報は、ROM26に格納されており、選択された折り種別に応じてCPU25によって操作表示部24に操作可能に表示される。
【0045】
図10は、内三つ折りにおける位置調整画面120を示すものである。
位置調整画面120には、用紙の折り状態をイメージさせる折り状態表示部121を有し、折り状態表示部121に、m箇所(この例では5箇所)の寸法の入力および表示がそれぞれ可能になった寸法部121a、121b、121c、121d、121eが表示されている。各寸法部121a、121b、121c、121d、121eは、それぞれで設定された寸法が表示されている。さらに各寸法部121a、121b、121c、121d、121eは押釦可能であり、入力が禁止されていない状態で押釦されると、テンキー125を通して寸法の入力が可能になり、入力が受け付けられた寸法が各寸法部121a、121b、121c、121d、121eに表示される。
【0046】
なお、位置調整画面120では、各寸法部121a、121b、121c、121d、121eに対応して、各寸法部121a、121b、121c、121d、121eの近傍にFIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが操作可能に表示されている。
FIX設定部122a、122b、122c、122d、122eは押釦を行う毎に、入力値の固定、固定解除が交互に選択される。固定と、固定解除に応じて、設定部欄は表示が切り替わる。
各FIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが固定状態になると、対応する各寸法部121a、121b、121c、121d、121eでの寸法入力が不可になる。各FIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが固定解除状態になると、対応する各寸法部121a、121b、121c、121d、121eでの寸法入力が可能になる。
【0047】
図では、全ての寸法部121a、121b、121c、121d、121eに対し、全てのFIX設定部122a、122b、122c、122d、122eが固定解除状態になっている。なお、各寸法部121a、121b、121c、121d、121eの寸法値は、ユーザーによって入力されたもの、CPU25で算出されたもの、推奨値として予め設定されているものが挙げられる。予め設定されている推奨値は、ユーザーが変更して登録できるようにしてもよい。
【0048】
また、位置調整画面120には、戻る釦123とクリア釦124が押釦可能に表示されている。戻る釦123は、入力された寸法によって折り位置が決定した状態で折り処理設定画面100に復帰することができ、折り処理設定画面100で戻る釦117を押釦すると、折り処理の種別、折り位置が確定して折り処理の実行が可能になる。
また、クリア釦124は、各寸法に対し設定されている寸法値をクリアするものである。これにより各操作表示部121a、121b、121c、121d、121eに対し、テンキー125を通した入力が可能になる。
【0049】
図11は、クリア釦124の押釦によって各寸法部121a、121b、121c、121d、121eの寸法値がクリアされて空欄になった状態を示している。この状態で戻る釦123を押釦しても、折り位置に必要な2箇所以上の寸法の設定がなされていないため、戻る釦123の押釦は無効になり、折り処理設定画面100に戻ることは不可になる。なお、設定自体を取りやめる場合、例えば位置調整画面120に設けたキャンセル釦126などによって設定操作を終了することができる。
【0050】
図12は、クリア釦124が押釦された後の状態で、寸法値を入力する状態の位置調整画面120を示すものである。
寸法値がクリアされた各寸法部121a、121b、121c、121d、121eのいずれかを押釦(図では寸法部121b)すると、当該寸法部に対し、テンキー125を通して寸法値を入力することができる。なお、この状態で戻る釦123を押釦しても、図11と同様に折り位置を決定する2箇所の寸法設定がなされていないため、戻る釦123に対する押釦は無効になる。
【0051】
図13は、寸法部121bへの寸法値の入力後、寸法部121eにテンキー125を通して寸法値が入力された状態を示している。この例では、2箇所の寸法の設定によって折り位置が決定され、その他の寸法a、c、dが算出され、これに対応する寸法部121a、121c、121dに、算出された寸法値が表示されている。
この例では、折り位置が決定されているため、戻る釦123を押釦すると、折り処理設定画面100に復帰することができる。
【0052】
図14は、折り位置が決定した後、寸法値を変更できないように固定する際の位置調整画面120を示すものである。
例えば、寸法部121bでの寸法値の変更を不可にする場合、FIX設定部122bを押釦し、固定状態にしてこれに対応する寸法部121bでの寸法値入力を不可にする。固定状態が設定されたFIX設定釦122bは、ハイライト表示がされている。
【0053】
図15は、固定状態の寸法を基準として、その他の寸法部について寸法値を変更入力する場合の位置調整画面120を示すものである。固定されている箇所(図では寸法部121b)以外の所望の寸法部121a、121c、121d、121eのいずれかを押釦(図では寸法部121d)すると、当該寸法部に対し、テンキー125を通して寸法値を入力することができる。すると、固定された寸法と、変更された寸法とに基づいて折り位置が決定し、上記二つの寸法部121b、121dを除いた他の寸法部121a、121c、121eについてCPU25によって寸法値を自動的に算出し、各寸法部121a、121c、121eに、算出された寸法値を表示する。変更を要する場合には、以下で説明する操作を行い、変更を要しない場合には、戻る釦123を押釦して折り処理設定画面100に復帰する。
【0054】
図16は、折り位置の決定に必要な2箇所の寸法値を入力した後、さらに他の箇所の寸法値を入力変更した場合の位置調整画面120を示すものである。
この画面では、寸法部121bの寸法値が固定され、寸法部121dの寸法値を入力した後、寸法部121eの寸法値を入力変更する画面である。寸法部121dには予めCPU25によって寸法値が算出されて表示されており、寸法値は固定されていない。
【0055】
寸法部121eでは、押釦することでテンキー125を通した寸法値の入力が可能になる。寸法部121eで寸法値が入力されると、CPU25では、固定されている寸法部121bの寸法値と、入力された寸法部121eの寸法値とに基づいて、他の寸法部121a、121c、121dの寸法値が算出されて各寸法部121a、121c、121dに寸法値が表示される。
ただし、この際の設定値では折り位置を正常に決定できない場合、異常値を示す寸法部において、エラー表示をする。この例では、寸法部121dにおける算出値が負の値になっており、これに対応するFIX設定部122dにエラー表示として「NG」を表示する。この状態で戻る釦123を押釦しても、エラーが発生しているため、押釦は無効となり、折り処理設定画面100に復帰することは不可になる。
エラーを回避するためには、固定されている寸法部121b以外の寸法部121a、121c、121dで適正範囲の寸法値を入力することでエラーを回避することができる。
【0056】
次に、折り処理設定における制御手順を図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、この制御手順は、CPU25で実行される。
先ず、操作表示部での入力があるか否かの判定がなされる(ステップs1)。図中のパネルは操作表示部24を示すものである。
入力があるまで待機し(ステップs1、NO、手順(1)へ)、入力があると(ステップs1、YES)、各寸法部でのデータが入力されているか否かの判定がなされる(ステップs2)。寸法データの入力がされていれば(ステップs2、YES)、折り位置の決定に必要なn箇所の寸法が入力済みであるか否かの判定がなされる(ステップs3)。n箇所の入力が済んでいなければ、(1)の手順に戻って入力を待つ(ステップs1へ)。n箇所の入力が済んでいれば(ステップs3、YES)、入力箇所以外の箇所の寸法値を算出し、操作表示部24に表示する(ステップs4)。
【0057】
次いで、算出した寸法値に基づいて、計算結果が正常であるか否かの判定がなされる(ステップs5)。計算結果が正常でなければ(ステップs5、NO)、異常であるため操作表示部24にエラー表示をし、手順(1)に戻る。計算結果が正常であれば(ステップs5、YES)、手順を終了する。
【0058】
ステップs2で寸法値のデータが入力されていなければ、いずれかのFIX設定釦が選択されたか否かの判定なされる(ステップs7)。いずれかのFIX設定釦が選択された際に(ステップs7、YES)、そのFIX設定釦が、既に選択済みであるか否かの判定がなされる(ステップs8)。そのFIX設定釦が既に選択済みで、寸法値が固定状態にあれば(ステップs8、YES)、選択した箇所の固定状態を解除し寸法値の入力を可能にし(ステップs9)、(1)の手順に戻る。FIX設定釦が選択されていて既に選択済みではない場合(ステップs8、NO)、FIX設定釦に対応する箇所の寸法データの入力を受け付け不可とする固定状態にし(ステップs10)、(1)の手順に戻る。
【0059】
ステップs7で、いずれのFIX設定釦も選択されない場合、クリア釦の選択がなされているか否かの判定がなされる(ステップs11)。クリア釦の選択がなされていれば(ステップs11、YES)、各寸法部の寸法値を全てクリアし、(1)の手順に復帰する。
ステップs11でクリア釦の選択がなされていない場合(ステップs11、NO)、戻る釦が選択されたか否かの判定がなされる(ステップs13)。戻る釦が選択されていなければ(ステップs13、NO)、(1)の手順に戻る。戻る釦が選択されている場合(ステップs13、YES)、n箇所の寸法値が入力済みであるか否かの判定がなされる(ステップs14)。n箇所の寸法値が入力済みでない場合(ステップs14、NO)、(1)の手順に戻る。n箇所の寸法値が入力済みの場合(ステップs14、YES)、エラー表示があるか否かの判定がなされる(ステップs15)。エラー表示があれば(ステップ15、NO)、(1)の手順に戻る。エラー表示がなければ(ステップs15、YES)、処理を終了する。
【0060】
上記により折り位置が決定されて、折り処理の選択がなされると、折り処理の種別と折り位置の情報が画像形成装置2から通信部28を通して後処理装置3に送信される。後処理装置3では、通信部38を通して画像形成装置2からの送信データを受信し、CPU35の制御によって、画像形成装置2から送信された折り処理の種別と折り位置の情報に基づいて折り部30で必要な折り処理がなされる。
なお、上記実施形態では、折り部が後処理装置に備えられているものについて説明したが、折り部が画像形成装置に備えられているものであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 後処理装置
21 画像形成部
24 操作表示部
25 CPU
26 ROM
27 RAM
28 通信部
30 折り部
35 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の折り処理を伴うジョブに対し、前記折り処理の用紙上の折り位置を設定するジョブ設定装置であって、
操作入力を受け付け、表示を行う操作表示部と、
前記折り処理の折り回数nに対し、設定されたn箇所の寸法によって前記折り位置を決定する制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にすることを特徴とするジョブ設定装置。
【請求項2】
前記寸法が、折り位置または用紙端部を基準とするものであることを特徴とする請求項1記載のジョブ設定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、前記m箇所のうち寸法が入力されていない他の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする請求項1または2に記載のジョブ設定装置。
【請求項4】
前記制御部は、設定されたn箇所の寸法の1以上を変更不可とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項5】
前記変更不可は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする請求項4記載のジョブ設定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記変更不可を解除して寸法の入力を可能にすることを特徴とする請求項4または5に記載のジョブ設定装置。
【請求項7】
前記変更不可の解除は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする請求項6記載のジョブ設定装置。
【請求項8】
前記制御部は、n箇所以上の寸法が設定されている状態で、設定されている寸法のいずれか1つが変更されると、変更された寸法に基づいて、変更不可とされた箇所以外の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記操作表示部によって入力可能な寸法として、各辺の長さ、折り目によって隣接する2つの辺の長さの差、折り処理によって面の接するようになった2つの辺の長さの差の1以上を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、折り位置を決定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項11】
前記制御部は、決定された折り位置が異常であると判定される場合、異常の通知を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項12】
前記制御部によって決定される折り位置に基づいて前記用紙の折り処理を行う折り部を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項13】
前記制御部は、決定された前記折り位置情報を外部の後処理装置に送信することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項1】
用紙の折り処理を伴うジョブに対し、前記折り処理の用紙上の折り位置を設定するジョブ設定装置であって、
操作入力を受け付け、表示を行う操作表示部と、
前記折り処理の折り回数nに対し、設定されたn箇所の寸法によって前記折り位置を決定する制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所(但し、m>n)の寸法の入力を可能にすることを特徴とするジョブ設定装置。
【請求項2】
前記寸法が、折り位置または用紙端部を基準とするものであることを特徴とする請求項1記載のジョブ設定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、前記m箇所のうち寸法が入力されていない他の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする請求項1または2に記載のジョブ設定装置。
【請求項4】
前記制御部は、設定されたn箇所の寸法の1以上を変更不可とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項5】
前記変更不可は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする請求項4記載のジョブ設定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記変更不可を解除して寸法の入力を可能にすることを特徴とする請求項4または5に記載のジョブ設定装置。
【請求項7】
前記変更不可の解除は、前記操作表示部の操作入力に基づいて行われることを特徴とする請求項6記載のジョブ設定装置。
【請求項8】
前記制御部は、n箇所以上の寸法が設定されている状態で、設定されている寸法のいずれか1つが変更されると、変更された寸法に基づいて、変更不可とされた箇所以外の箇所の寸法を算出して前記操作表示部に表示することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記操作表示部によって入力可能な寸法として、各辺の長さ、折り目によって隣接する2つの辺の長さの差、折り処理によって面の接するようになった2つの辺の長さの差の1以上を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記操作表示部によってm箇所のうちn箇所の寸法が入力されると、折り位置を決定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項11】
前記制御部は、決定された折り位置が異常であると判定される場合、異常の通知を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項12】
前記制御部によって決定される折り位置に基づいて前記用紙の折り処理を行う折り部を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【請求項13】
前記制御部は、決定された前記折り位置情報を外部の後処理装置に送信することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のジョブ設定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−10581(P2013−10581A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142980(P2011−142980)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]