説明

スイッチングレギュレータ、及び直流電圧変換方法

【課題】直流電圧変換における消費電力を抑制する。
【解決手段】 本発明によるスイッチングレギュレータ1は、スイッチ素子P1〜Pn、N1〜Nnによるスイッチング動作によって入力電圧101(VDD)を出力電圧103(Vout)に変換するインバータ回路15と、入力電圧101(VDD)に基づく入力電力と、出力電圧103(Vout)に基づく出力電力とから算出される電力効率に応じて、スイッチ素子P1〜Pn、N1〜Nnのオン抵抗の大きさを設定するサイズ調整回路16とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチングレギュレータ、及び直流電圧変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータとは与えられた直流電圧から必要とされる直流電圧を作り出すコンバータ回路で、スイッチング電源あるいはスイッチングレギュレータとも呼ばれている。この回路の特徴はスイッチのon/offの時間比とインダクタL、コンデンサCの充放電現象を利用して所望の電圧を得られることにある。他の電源回路が所望の電圧を得るために抵抗を介して不要なエネルギーを熱にかえ取り除くのに対し、DC−DCコンバータは電源電圧をスイッチのon/offによって細切れにし、インダクタとコンデンサの充放電を利用して必要なエネルギー分だけを負荷に供給できる。つまりDC−DCコンバータは理論的にエネルギーを損失させずに所望の電圧を得ることができるため、他の電源回路に比べ効率(電力効率)が良いという特徴がある。ここでいう効率とは次式で表す関係である。ただし、出力電圧とは、DC−DCコンバータから負荷回路に対して供給される電圧、負荷電流とは、出力電圧に応じて負荷回路に流れる電流、入力電圧とは、DC−DCコンバータによって変換される電源電圧、入力電流とは、入力電圧に応じてDC−DCコンバータに入力される電流である。
効率 :((出力電圧×負荷電流)/(入力電圧×入力電流))×100 [%]
【0003】
図1から図3を参照して、DC−DCコンバータの一種として広く知られている同期整流型DC−DCコンバータの回路構成と動作原理を説明する。図1は、降圧型同期整流DC−DCコンバータの基本回路構成を示した回路図である。降圧型同期整流DC−DCコンバータ(以下、スイッチングレギュレータ100と称す)は、基準電圧発生回路110、誤差電圧増幅回路120、パルス発生回路130、インバータ回路150、フィルタ回路200を具備する。基準電圧発生回路110(例えばレギュレータを含む電圧発生回路)、誤差電圧増幅回路120、パルス発生回路130、インバータ回路150は、同一のIC(Integrated Circuit)チップ上に設けられ、ICチップの外に形成されるフィルタ回路200を介して負荷回路300に接続される。
【0004】
インバータ回路150は、電源電圧VDDをスイッチングしてパルス電圧を出力するPチャネル型パワーMOSトランジスタP10(MOS:Metal Oxide Semiconductor)(以下、PMOSトランジスタP10と称す)とNチャネル型MOSトランジスタN10(以下、NMOSトランジスタN10と称す)とを備える。フィルタ回路200は、スイッチングレギュレータ100から出力されたパルス電圧を平滑にするためのインダクタとコンデンサを備える。誤差電圧増幅回路120は、平滑化された出力電圧Voutの値を抵抗分割する抵抗R1及びR2、抵抗分割された電圧をスイッチングレギュレータ100に帰還するバッファAmp1、基準電圧発生回路110から供給される基準電圧に基づき、出力電圧Voutを抵抗分割した電圧との差を増幅する誤差アンプAMP2とを備える。ここで、誤差アンプAmp2には、減衰器として動作する抵抗R3及びR4が接続される。バッファAMP1からの出力は、抵抗R3を介して誤差アンプAmp2に供給される。誤差アンプAmp2の出力信号91は、並列接続されたコンデンサC1及び抵抗R4を介して自身に帰還するとともにパルス発生回路130に供給される。パルス発生回路130は、インバータ回路160のスイッチング周期を決定する出力信号92を出力する発振回路131、誤差アンプAmp2の出力信号91と発振回路131の出力信号92とを比較するコンパレータComp、コンパレータCompからの出力(パルス信号)のタイミングを調整してパルス信号93、94としてインバータ回路150に出力するタイミング調整回路133を備える。
【0005】
ここで、図2を参照して、スイッチングレギュレータ100の動作を説明する。タイミング調整回路133は、出力電圧Voutに基づく出力信号91と、発振回路131からの出力信号92との比較結果に応じてインバータ回路150に出力するパルス信号93、94の信号レベルを調整する。例えば、図2(a)、(b)を参照して、出力信号92の電圧値が出力信号91の電圧値より大きい時、パルス信号93の信号レベルはLowレベルとなる。この際、PMOSトランジスタP10はONとなる。又、出力信号92の電圧値が出力信号91の電圧値より小さい時、パルス信号93の信号レベルはHighレベルとなる。この際、PMOSトランジスタP10はOFFとなる。このように、タイミング調整回路133は、パルス信号93の信号レベルを出力信号92の周期に応じて変化させて、NMOSトランジスタN10のON/OFF(スイッチング)を制御する。同様に、タイミング調整回路133は、パルス信号94の信号レベルを出力信号92の周期に応じて変化させて、NMOSトランジスタN10のON/OFF(スイッチング)を制御する。ここで、出力電圧Voutの値が上昇すると出力信号91の電圧値が上がるため、PMOSトランジスタP10のON時間が短く、NMOSトランジスタN10のON時間が長くなる。又、出力電圧Voutの値が下がると逆方向にスイッチングの時間比率(PMOSトランジスタP10とNMOSトランジスタN10のON/OFFの時間比率)が変化するように帰還がかかる。
【0006】
ここで、タイミング調整回路133がなく、コンパレータCompの出力がそのままインバータ回路150に出力されると、PMOSトランジスタP10とNMOSトランジスタN10とが同時にONとなる時間が生じ、この間に貫通電流が流れてしまう。この貫通電流はスイッチングレギュレータ100を駆動する上で効率を落とす大きな要因となる。このため、コンパレータCompの出力とインバータ回路150との間にタイミング調整回路133を設けることが有効である。ここでタイミング調整回路133は、図2(b)、(c)に示すように、PMOSトランジスタP10とNMOSトランジスタN10とが同時ONにならないようパルス幅の微調整を行う。
【0007】
一方、スイッチングレギュレータ100の効率に影響する要因の1つとしてインバータ回路150内におけるPMOSトランジスタP10及びNMOSトランジスタN10のMOSサイズ(オン抵抗)が挙げられる。以下、インバータ回路150内におけるPMOSトランジスタP10及びNMOSトランジスタN10のMOSサイズ、及びオン抵抗をそれぞれ、単にMOSサイズ、オン抵抗と称す。インバータ回路150では、負荷回路を流れる負荷電流Iによる熱的な損失と、寄生容量による過渡的な損失があるため、動作条件によって適切なMOSサイズは異なる値を示す。このため、出力電圧Voutが一定である条件下で、負荷電流Iを変化させた時の効率は、図3に示すようにピーク(最適効率η)を持つ負荷曲線70を描いて変化する。例えば、負荷電流Idesにおいて最適な値(効率η)となるように、MOSサイズが設定されている場合、負荷電流Iが負荷電流Idesと異なるような負荷回路300がスイッチングレギュレータに接続されると効率は低下してしまう。これは、最適な負荷電流Idesと異なる負荷電流の場合、インバータ回路150内のオン抵抗や寄生容量によって効率が低下するためである。例えば、負荷電流Iが負荷電流Idesより小さいIuse1である場合、スイッチング損失に依存して効率が低下し、効率ηよりE1だけ低い値となる。又、負荷電流Iが負荷電流Idesより大きいIuse2である場合、オン抵抗に依存して効率が低下し、効率ηよりE2だけ低い値となる。
【0008】
このため、スイッチングレギュレータを効率曲線ののピーク(極大値)で駆動させるためには負荷電流Iや出力電圧Voutなど、使用条件ごとに最適化したMOSサイズ(オン抵抗)に設定することが重要となる。
【0009】
スイッチングレギュレータは、バッテリで駆動するデジタルカメラや携帯電話などの携帯機器や、低消費電力を求められる機器に広く使用されている。このため、少しでも機器の動作時間を延ばすためにより高い効率を有するスイッチングレギュレータが求められている。効率を左右するオン抵抗値(MOSサイズ)の制御は、スイッチングレギュレータを効率曲線のピークで駆動させるための重要な要素である。特許第3438330号にはトランジスタのオン抵抗を制御して効率を向上させた電源装置(DC−DCコンバータ)が記載されている(特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1に記載の電源装置は、出力電圧に応じたパルス信号を生成する並列接続された複数のスイッチ素子(図1のPMOSトランジスタP10、又はNMOSトランジスタN10に相当)と、出力電圧(あるいは基準電圧、出力電流、出力電力のいずれか)に基づいて、複数のスイッチ素子からパルス信号を入力するスイッチ素子を選択するスイッチ素子選択回路とを備える。複数のスイッチ素子は、オン抵抗の小さいスイッチ素子と寄生容量の小さいスイッチ素子を備える。スイッチ素子選択回路は、出力電圧と閾値電圧との比較結果に応じてどちらかのスイッチ素子を選択する。これにより、特許文献1に記載の電源装置は、出力電圧に応じてオン抵抗が小さいスイッチ素子と、オン抵抗が小さく寄生容量が大きいスイッチ素子とを選択的に利用して電圧変換を行う。
【0011】
スイッチ素子のオン抵抗が小さいほど(すなわちMOSサイズが大きいほど)スイッチ素子の負荷に対する定常的な電力消費(損失)が小さくなりより高い効率を得ることができる。一方、スイッチ素子のオン抵抗が小さくなる(MOSのサイズが大きくなる)と寄生容量は増大する。このため、スイッチ素子のオン抵抗が大きい場合とオン抵抗が小さい場合では信号レベルの遷移期間に違いが現れる。遷移期間が長くなるとスイッチング損失(過渡的な損失)が大きくなるため出力電圧が小さい場合は効率が低下する。特許文献1では、出力電圧が可変型のスイッチングレギュレータ(電源装置)において、出力電圧毎に適したオン抵抗のスイッチ素子に切り替えることで効率良く電圧変換を行うことができる。
【特許文献1】特許第3438330号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載の電源装置では、予め設定された閾値電圧と出力電圧との比較結果に応じたスイッチ素子(オン抵抗値)が選択される。すなわち、予め決められた閾値電圧毎に、選択されるスイッチ素子(オン抵抗値)は固定的に決められている。電圧変換時における負荷電流Iは、選択されたスイッチ素子に対応する負荷電流Idesに一致するとは限らない。この場合、上述のように、電源装置の効率は最適な値(効率η)より低い値となる。又、図3に示す効率曲線70は、スイッチ素子の特性(オン抵抗値)のほかに、ICチップの外部に取り付けられているコイルやコンデンサ(例えば図1におけるフィルタ回路200)の値にも依存している。このため、特許文献1のように動作条件(閾値電圧)毎に選択されるスイッチ素子(オン抵抗値)が固定的に決められている場合、最適な効率ηで電圧変換するためには外付部品を変更する必要が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。この番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0014】
本発明によるスイッチングレギュレータ(1)は、スイッチ回路(151、152)のスイッチング動作によって入力電圧(101)を出力電圧(103)に変換するインバータ回路(15)と、入力電圧(101)に基づく入力電力と、出力電圧(103)に基づく出力電力とから算出される電力効率に応じて、スイッチ回路(151、152)ののオン抵抗の大きさを設定するサイズ調整回路(16)とを具備する。
【0015】
又、本発明による直流電圧変換方法は、(A)入力電圧(101)に基づく入力電力と、出力電圧(103)に基づく出力電力とから算出される電力効率(η1、η2)に応じて、スイッチ回路(151、152)のオン抵抗の大きさを設定するステップと、(B)スイッチ回路(151、152)が、スイッチング動作によって入力電圧(101)を出力電圧(103)に変換するステップとを具備する。
【0016】
このように本発明では、電圧変換時の効率に基づいて、電圧変換を行うスイッチ回路(151、152)のサイズが調整される。このため、設計時に想定していた負荷電流と異なる負荷電流(30)が流れるような場合でも、最適な効率となるようにスイッチ回路(151、152)のサイズを調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、直流電圧変換における消費電力を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態が説明される。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。
【0019】
(構成)
図5は、本発明によるスイッチングレギュレータ1の実施の形態における構成を示す図である。本発明によるスイッチングレギュレータ1は、ICチップ上に形成された電圧変換回路10と、ICチップの外部に設けられたフィルタ回路20を具備する。電圧変換回路10は、フィルタ回路20を介して出力端子40に接続される。電圧変換回路10はスイッチング動作によって入力電圧(電源電位VDD−接地電位GND)を出力電圧Voutに変換し、出力端子40を介して負荷回路30に供給する。
【0020】
基準電圧発生回路11、誤差電圧増幅回路12、パルス発生回路13、フィルタ回路20、負荷回路30は、それぞれ、従来技術による基準電圧発生回路110、誤差電圧増幅回路120、パルス発生回路130、フィルタ回路200、負荷回路300と同様な構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0021】
本発明に係るパルス発生回路13は、スイッチ回路部14を介してインバータ回路15に接続される。詳細には、インバータ回路15は、複数のPMOSトランジスタP1〜Pnを有するスイッチ回路151と、NMOSトランジスタN1〜Nnを有するスイッチ回路152とを備える。PMOSトランジスタP1〜Pnのソースは外部端子171を介して電源VDDに接続される。NMOSトランジスタN1〜Nnのソースは、外部端子172を介して接地電位GNDに接続される。又、PMOSトランジスタP1〜PnのドレインとNMOSトランジスタN1〜Nnのドレインは相互に接続され、外部端子18を介してフィルタ回路20に接続される。PMOSトランジスタP1〜PnとNMOSトランジスタN1〜Nnのそれぞれのゲートには、スイッチ回路部14を介してパルス発生回路13から出力されたパルス信号が入力される。これにより、スイッチ回路151とスイッチ回路152とによってインバータ回路を形成し、電源電位VDDと接地電位GNDとによる入力電圧を、パルス信号に応じたスイッチング動作によって切り分けて、フィルタ回路20に出力する。
【0022】
スイッチ回路部14は、サイズ調整回路16によってスイッチング動作が制御される複数のスイッチSW11〜SW1n、SW21〜SW2nを備える。スイッチSW11〜SW1nは、PMOSトランジスタP1〜Pnのゲートとパルス発生回路13に含まれるタイミング調整回路(従来技術のタイミング回路133に相当)との接続を制御する。スイッチSW21〜SW2nは、NMOSトランジスタN1〜Nnのゲートとタイミング調整回路との接続を制御する。サイズ調整回路16は、スイッチ回路部14のスイッチSW11〜SW1n、SW21〜SW2nのスイッチング動作(オン/オフ)を制御し、インバータ回路電圧変換に利用するスイッチ素子(MOSトランジスタ)を決定する。例えば、PMOSトランジスタP1〜P4、NMOSトランジスタN1〜N4を選択利用する際、スイッチ回路部14は、スイッチSW11〜SW14、SW21〜SW24をオンし、それ以外のスイッチをオフする。これにより、スイッチSW11〜SW14、SW21〜SW24によって形成されるインバータ回路が、パルス発生回路13からのパルス信号によって駆動する。
【0023】
ここで、複数のPMOSトランジスタP1〜PnのそれぞれのゲートサイズWは、2の累乗に比例した大きさである。図6にPMOSトランジスタPnの構造を示す。図6を参照して、PMOSトランジスタPnは、P型拡散層51上に形成され、スイッチ回路部13(のスイッチSW1n)に接続されたゲート配線50を備える。ゲート配線50はK本に分割されており、ゲートの両側にはソース拡散領域とドレイン拡散領域が設けられる。ソース拡散領域は外部端子171に接続され、ドレイン拡散領域は外部端子18に接続される。ここで、P型拡散層51上のゲート幅(分割ゲート幅)をWaとすると、PMOSトランジスタPnのゲートサイズWは、K×Waとなる。ただし、ゲート本数Kは2の累乗に比例した値(2n−1×H、nは1以上の整数、Hは係数)である。他のPMOSトランジスタP1〜Pn−1も同様な構造であるが、ゲート本数Kは、nの値に応じた値となる。例えば、PMOSトランジスタP1、P2、P3、P4のゲート本数Kは、それぞれH、2×H、4×H、8×Hとなる。このため、PMOSトランジスタの分割ゲート幅Waが同じ場合、PMOSトランジスタP1〜PnのそれぞれのゲートサイズWは、2の累乗に比例して重み付けされる。NMOSトランジスタN1〜NnのゲートサイズWも同様に、2の累乗に比例して重み付けされている。尚、分割されたゲートのゲート幅は同じ大きさであるものとする。
【0024】
図7を参照して、インバータ回路15におけるMOSサイズについて説明する。本説明におけるMOSサイズとは、インバータ回路15においてパルス発生回路13に接続されたPMOSトランジスタ(又はNMOSトランジスタ)のゲートサイズWの総和を示す。すなわち、MOSサイズは、スイッチ回路151(又はスイッチ回路152)のオン抵抗を決定する。以下では、ゲートサイズWの比(W比)が1:2:4:8のPMOSトランジスタP1〜P4、N型MOSトランジスタN1〜N4を備えるインバータ回路15を一例に説明する。サイズ調整回路16は、スイッチ回路部14を制御して、パルス発生回路13に接続するインバータ回路15内のスイッチ素子(MOSトラにジスタ)を選択する。この場合、選択されるMOSトランジスタの組合せは、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1のみ(最小MOSサイズ=1×H×Wa)〜全てのMOSトランジスタ(最大MOSサイズ=(1+2+4+8)×H×Wa)の15種類となる。又、MOSサイズの可変幅は1×H×Waとなる。例えば、最小ゲートサイズを1mmとすると、1mm〜15mmまで1mm刻みで駆動するMOSトランジスタのMOSサイズを変更することができる。インバータ回路15内のPMOSトランジスタP1〜Pnは、1つのMOSトランジスタのレイアウトの中で分割したゲート50の数を2の累乗の比となるように設定されることが好ましい。これにより、それぞれのゲート幅の相対精度は非常に高くなるためゲートサイズWの可変幅は精確となり、精度のよいオン抵抗調節が可能となる。
【0025】
又、MOSサイズ(オン抵抗)を調整するために必要なスイッチSWの数は、n個のPMOSトランジスタP1〜Pn及びNMOSトランジスタN1〜Nnのそれぞれに対し、n個設けられる。本発明によれば、n個のスイッチSW1〜SWnによって2−1通りのMOSサイズ(オン抵抗値)に変更することができる。このため、少ないスイッチ数によって細かな変更幅でMOSサイズ(オン抵抗)を変更することが可能となる。例えば、特許文献1に記載の電源装置では、オン抵抗値を決める条件(閾値電圧)の数だけスイッチ素子を選択するスイッチを設ける必要があり、面積の増大を招く恐れがあった。本発明によれば、MOSサイズの変更可能な数に比べスイッチ数を少なくできるので、チップ面積を小さくすることができる。又、本実施の形態では、PMOSトランジスタP1〜Pn、NMOSトランジスタN1〜NnのゲートサイズWは、2の累乗に比例した大きさで重み付けされているため、MOSサイズの調整(効率の調整)を2進数の制御信号で行うことができる。例えば、PMOSトランジスタP1〜Pn、NMOSトランジスタN1〜NnのMOSサイズを調整する場合、nビットの制御信号で調整できる。すなわち、デジタル制御と同様に、効率の調整を行うことができる。ゲートサイズWの比率は2の累乗に限らず、3の累乗、4の累乗に比例した大きさであっても良い。この場合、制御方法は、2の累乗に比べて複雑になるが、上述と同様にMOSサイズを調整するためのスイッチ数を、従来技術より削減することができる。更に、スイッチ回路151、152内のゲートサイズWは、相互に比例関係であるため、MOSサイズの変更幅は一律となる。このため、効率(電力効率)を正確に微調整することが可能となる。
【0026】
図5を参照して、サイズ調整回路16は、外部端子191〜19nから入力される外部入力信号(サイズ設定信号105)に応じてスイッチ回路部14を制御する。外部端子191〜19nの数はサイズ調整の精度によって適宜変更される。サイズ調整数が2の場合、すなわちn個のPMOSトランジスタP1〜Pnを調節するためには、n個の外部端子191〜19nから入力されたnビットのサイズ設定信号105によって、インバータ回路15に設定するオン抵抗値を調整する。例えば、上述のように15通りのサイズにMOSサイズを変更する場合、4つの外部端子191〜194からサイズ設定信号105が入力される。サイズ調整回路16は、スイッチ回路部14を制御する際、入力されるサイズ設定信号105の信号をそのまま利用しても良いし、設定された使用条件とサイズ設定信号105とから生成した新たなパターンの信号を利用しても良い。
【0027】
ここで、外部端子191〜19nは、電圧変換回路10と同じICチップ上に形成されるパッドである。このため、ICチップの外部の回路構成を変更することなく、外部からのサイズ設定信号105に応じてインバータ回路15内のスイッチ素子(PMOSトランジスタP1〜Pn、NMOSトランジスタN1〜Nn)のMOSサイズ(オン抵抗)を任意に設定することができる。サイズ調整回路16はROMコードによって書き換え可能なPROM(Programmable Read Only Memory)でも、決定されたMOSサイズを固定的に設定するヒューズROM(fuse Read Only Memory)でも良い。サイズ調整回路16がROMコードによって書き換え可能な場合、スイッチングレギュレータの使用環境に応じて様々なMOSサイズが設定可能となる。例えば、スイッチングレギュレータの使用条件に幅があったり、評価の段階(外付け部品の選定等)で最適効率を変動させたい場合、2進数のパターンを変更可能なPROMを用いることが有効である。一方、使用時の負荷や電源電圧が確定しており、その条件下で最適な効率を得られるようにMOSサイズを設定する場合、ヒューズROMを用いることが有効である。
【0028】
(MOSサイズ(オン抵抗)最適化方法)
次に、図8から図11を参照して、本発明によるインバータ回路15内のスイッチ素子のMOSサイズ(オン抵抗)の最適化動作について説明する。図8は、本発明によるインバータ回路15内のスイッチ素子のMOSサイズの設定が行われる際の構成を示すブロック図である。図9は、本発明によるインバータ回路15内のスイッチ素子のMOSサイズの設定動作を示すフロー図である。
【0029】
図8を参照して、電圧変換回路10の外部端子191〜19nには、サイズ設定信号105を出力するサイズ設定部2が接続される。電源電位VDDが供給される外部端子171には、入力電流検出部3が接続される。入力電流検出部3は、入力電圧に応じてスイッチングレギュレータ1に入力される入力電流102を測定し、測定した入力電流102をサイズ設定部2に出力する。電源端子(VDD)と接地端子(GND)との間には入力電圧検出部4が設けられる。入力電圧検出部4は、電源電位VDDと接地電位GNDとの電位差を入力電圧101としてサイズ設定部2に出力する。出力電圧Voutが出力される出力端子40には、負荷電流検出部5が接続される。負荷電流検出部5は、スイッチングレギュレータ1から出力される負荷電流104を測定し、測定した負荷電流104をサイズ設定部2に出力する。出力電圧Voutが出力される出力端子40と接地端子(GND)との間には出力電圧検出部6が設けられる。出力電圧検出部6は、出力電圧Voutと接地電位GNDとの電位差を出力電圧103としてサイズ設定部2に出力する。
【0030】
サイズ設定部2は、入力電圧101、入力電流102、出力電圧103、負荷電流104を用いて効率を算出し、算出した効率に基づいたサイズ設定信号105をスイッチングレギュレータ1に出力する。ここで、効率は((出力電圧×負荷電流)/(入力電圧×入力電流))×100[%]によって算出される。サイズ設定部2は、算出された効率を2進数の信号に変換し、サイズ設定信号105として出力することが好ましい。この際、図5のスイッチ回路151、152におけるスイッチ数(トランジスタ数)nに応じたnビット信号が出力されることが好ましい。尚、入力電圧101及び出力電圧103を一定として効率を算出する場合、入力電圧検出部4及び出力電圧検出部6は設けなくても良い。
【0031】
負荷電流Idesにおいて最適な効率となるように設計されたスイッチングレギュレータ1を、負荷電流Iuseとなる負荷回路30に接続して使用する場合、効率は最適値に比べ低下する。例えば、図10に示す効率曲線70となるようにスイッチ素子のMOSサイズが設定されている場合、使用時における負荷電流(使用負荷電流Iuse)では、効率がηpreとなり最適な効率(効率曲線70の極大値)に比べて低下する。本発明によるMOSサイズの設定方法では、使用負荷電流Iuseにおける効率が、効率曲線の極大値ηsetとなるまでMOSサイズの変更と効率の測定が繰り替えされる。これにより使用負荷電流Iuseにおいて最も効率の良いMOSサイズ(オン抵抗)に設定される。尚、このようにMOSサイズが設定されたスイッチングレギュレータ1の効率特性は、使用負荷電流Iuseにおいて極大値(効率ηset)を示す効率曲線80となる。
【0032】
図9を参照して、本発明によるインバータ回路15内のスイッチ素子のMOSサイズの設定動作の詳細を説明する。先ず、サイズ設定部2は、負荷電流検出部5から使用負荷電流Iuseを取得する(ステップS1)。サイズ設定部2は、MOSサイズを調整可能な最大値にあわせて効率を算出し、ηとする(ステップS2)。詳細には、サイズ設定部2は、スイッチ回路部14内の全てのスイッチSW11〜1n、21〜2nをオンとなるようにサイズ設定信号105を出力する。サイズ調整回路16は、サイズ設定信号105に応じてスイッチSW11〜1n、21〜2nの全てをオン状態にする。サイズ設定部2は、MOSサイズが最大時における入力電圧101、入力電流102、出力電圧103を用いて効率を算出する。この際、サイズ設定部2には、効率ηとして算出された効率が設定され、このときのサイズ調整回数aとして0が設定される。
【0033】
次に、サイズ設定部2はMOSサイズを1ステップ小さくし、サイズ調整回数aを1ステップ増加する(ステップS3)。例えば、MOSサイズが最大サイズ(2−1)×H×Waのとき、サイズ設定部2は、MOSサイズが(2−2)×H×Waとなるようなサイズ設定信号105をサイズ調整回路16に出力する。サイズ調整回路16は、サイズ設定信号105に応答してスイッチ回路部14を制御し、MOSサイズを変更する。MOSサイズが変更されると、サイズ設定部2は、再度、使用負荷電流Iuseにおける効率を測定して、効率ηとして設定する(ステップS4)。そして、サイズ設定部2は、効率ηと効率ηとを比較し、効率ηが効率η以下である場合(ステップS5No)、MOSサイズを1ステップ大きくして処理を終了する(ステップS6)。すなわち、効率ηが効率η以下である場合、使用負荷電流Iuseに対する最適サイズとして、ステップS3においてMOSサイズを小さくする前のMOSサイズが設定される。一方、効率ηが効率ηより大きい場合(ステップS5Yes)、サイズ設定部2は、サイズ調整回数aがサイズ変更可能回数2n−1に達しているかどうかを確認する(ステップS7)。ステップS7においてサイズ調整回数aがサイズ変更可能回数2n−1に達している場合(a=2n−1、ステップS7No)、サイズ設定部2は処理を終了する(ステップS8)。サイズ調整回数aがサイズ変更可能回数に達していない場合(a≠2n−1、ステップS7Yes)、サイズ設定部2は、効率ηを効率ηとして設定し、ステップS3に移行する(ステップS9)。以上のように、ηA<ηBの関係が続く限り、サイズ設定部2は、MOSサイズを1ステップずつ小さくして効率の測定を繰り返す。
【0034】
ここで、負荷電流(使用負荷電流Iuse)に対してインバータ回路15の駆動能力が不足しないようにするため、最大MOSサイズからサイズ調整を開始することが好ましい。これにより、負荷電流に対して能力不足となることなくMOSサイズを最適なMOSサイズ(オン抵抗値)に調整することが可能となる。ただし、インバータ回路15の駆動能力が充分であれば、サイズ調整を開始する際のMOSサイズは、任意のサイズに設定できる。
【0035】
又、負荷電流Iuseに対して最適な効率となるためのMOSサイズが決定した場合、サイズ調整回路16には、当該MOSサイズが固定的、又は書き換え可能な状態で設定される。サイズ調整回路16は設定されたMOSサイズに基づいてスイッチ回路部14を制御して、使用時のおけるインバータ回路15のMOSサイズを変更する。
【0036】
以上のように、本発明によるスイッチングレギュレータ1によれば、使用時の負荷電流に対応した最適な効率となるMOSサイズ(オン抵抗値)に設定することができる。このため、仕様変更などによって設計時に想定していた負荷電流と異なる負荷電流が流れる場合でも最適な効率となるようにMOSサイズを設定でき、電圧変換に伴う消費電力量を抑制することができる。図11は、本発明によって最適効率を得られる負荷電流の可変範囲を示す効率特性図である。本発明では、最小MOSサイズに設定した時の効率曲線81の極大値(効率ηu1)に対応する負荷電流Iuse1から、最大MOSサイズに設定した時の効率曲線82の極大値(効率ηu2)に対応する負荷電流Iuse2までが、最適効率を得られる負荷電流の可変範囲である。すなわち、本発明によれば、負荷電流Iuse1〜Iuse2の範囲でスイッチングレギュレータ1が使用されても、最適な効率となるようにMOSサイズを変更することができる。ここで、MOSサイズの変更は、スイッチングレギュレータ1の使用状況(使用電流Iuse)に応じて、製造段階で実施されても良いし、製品として使用している間にされても良い。製造段階でMOSサイズの変更が行われる場合、サイズ設定部2、入力電流検出部3、入力電圧検出部4、負荷電流検出部5、出力電圧検出部6の各機能は、テスタ等の機器によって自動的に行われることが好適であるが、マルチメータ等を利用して手動で行われても良い。又、製品として使用中にMOSサイズの変更が行われる場合、サイズ設定部2、入力電流検出部3、入力電圧検出部4、負荷電流検出部5、出力電圧検出部6の各機能は、装置として当該製品に組み込まれる。
【0037】
MOSトランジスタのオン抵抗値は、拡散バラツキなどによっても変動する。このため、従来技術では、図4に示すように設計時に想定された効率曲線70(最適な効率η)は、拡散バラツキによって効率曲線71又は効率曲線72となる。この場合、負荷電流Iが設計時に想定した負荷電流Idesであったとしても、誤差E3又は誤差E4だけ効率が低下してしまう。一方、本発明によるスイッチングレギュレータでは、実際に効率を測定してMOSサイズの最適値を調整しているため、拡散バラツキによる効率の変動も考慮される。このため、本発明によれば、拡散バラツキに起因する効率の低下も補正することができる。
【0038】
又、特許文献1に記載の電源装置では、同じ特性の複数のスイッチ、あるいは特性の異なる複数のスイッチを用いて電圧変換するためのスイッチ素子を選択している。この場合、切替える電圧の数だけスイッチ数を必要とするため回路の規模が大きくなってしまう。フィルタ回路となるコイル、コンデンサ以外の構成を全てIC内に取り込むためには少ないスイッチ数(小さな面積)である必要がある。一方、本発明では、インバータ回路15内のゲートサイズWが、2の累乗に比例して重み付けされている。このためインバータ回路15内のスイッチ素子の数(n個)に対し、2−1通りにMOSサイズが変更され得る。すなわち、少ない数(n個)のスイッチ素子で多く(2−1)のオン抵抗値に切り替えることができる。このため、電圧変換回路10が形成されるICチップの面積を従来技術に比べ小さくすることができる。又、n個の外部端子191〜19nを設けるだけで、精度よく幅広いサイズの変更が外部装置から可能となる。又、そのサイズの可変幅は一定間隔であるため、サイズ変更の制御が容易に行える。
【0039】
更に、本発明では効率を測定しその結果に基づいてMOSサイズ(オン抵抗値)を調整しているため、ICチップの外側に設けられたフィルタ回路20のコイルやコンデンサの値を変更せずに効率を向上させることができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。本発明のスイッチングレギュレータ1は、同期整流降圧型のDC−DCコンバータを一例に説明したが、降圧型の他、昇圧型、昇降圧型、いずれのDC−DCコンバータにも適用可能である。又、設定信号105を生成するサイズ設定部2をソフトウェアによって実現しても構わない。この場合、サイズ設定部2とサイズ調整回路16が同一のICチップに内蔵され得る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、従来技術による降圧型同期整流DC−DCコンバータの構成を示す回路図である。
【図2】図2は、インバータ回路に入力されるパルス信号の入力タイミングを示すタイムチャートである。
【図3】図3は、出力電圧が一定の場合における負荷電流に対する効率を示す特性図である。
【図4】図4は、拡散バラツキによる効率特性を示す特性図である。
【図5】図5は、本発明によるスイッチングレギュレ−タ(DC−DCコンバータ)を示す構成図である。
【図6】図6は、本発明に係るスイッチ素子の構造を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明に係るインバータ回路におけるスイッチ素子のゲートサイズの重み付けを説明するブロック図である。
【図8】図8は、本発明においてインバータ回路のMOSサイズ(オン抵抗)を設定する際の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明によるMOSサイズ(オン抵抗)最適化処理の動作を示すフロー図である。
【図10】図10は、本発明によるMOSサイズ(オン抵抗)最適化処理における効率曲線の変動を示す特性図である。
【図11】図11は、本発明によるスイッチングレギュレータにおいて変更可能な最適な効率に対応する負荷電流を示す特性図である。
【符号の説明】
【0042】
1:スイッチングレギュレータ(DC−DCコンバータ)
2:サイズ設定部
3:入力電流検出部
4:入力電圧検出部
5:負荷電流検出部
6:出力電圧検出部
10:電圧変換回路
11:基準電圧発生回路
12:誤差電圧増幅回路
13:パルス発生回路
14:スイッチ回路部
15:インバータ回路部
151、152:スイッチ回路
16:サイズ調整回路
171、172、18、191〜19n:外部端子
20:フィルタ回路
21:インダクタ
22:コンデンサ
30:負荷回路
40:出力端子
101:入力電圧
102:入力電流
103:出力電圧
104:負荷電流
105:サイズ設定信号
P1〜Pn:Pチャネル型MOSトランジスタ
N1〜Nn:Nチャネル型MOSトランジスタ
SW11〜SW1n、SW21〜SW2n:スイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ回路によるスイッチング動作によって入力電圧を出力電圧に変換するインバータ回路と、
前記入力電圧に基づく入力電力と、前記出力電圧に基づく出力電力とから算出される電力効率に応じて、前記スイッチ回路のオン抵抗の大きさを設定するサイズ調整回路と、
を具備するスイッチングレギュレータ。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記スイッチ回路は複数のスイッチ素子を備え、
前記出力電圧に応じたパルス信号を出力するパルス発生回路と、
前記サイズ調整回路からの制御信号に応じて前記パルス発生回路に、前記複数のスイッチ素子のいずれか又は全部を選択的に接続するスイッチ回路部と、
を更に具備し、
前記タイミング調整回路に接続されたスイッチ素子は、前記パルス信号に応じてスイッチング動作を行う
スイッチングレギュレータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記サイズ調整回路に対して前記オン抵抗の大きさを設定するためのサイズ設定信号が入力される外部端子を更に具備する
スイッチングレギュレータ。
【請求項4】
請求項2に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記複数のスイッチ素子は、それぞれのゲートサイズが2の累乗に比例して重み付けされた複数のトランジスタである
スイッチングレギュレータ。
【請求項5】
(A)入力電圧に基づく入力電力と、出力電圧に基づく出力電力とから算出される電力効率に応じて、スイッチ回路のオン抵抗の大きさを設定するステップと、
(B)前記スイッチ回路が、スイッチング動作によって前記入力電圧を前記出力電圧に変換するステップと、
を具備する
直流電圧変換方法。
【請求項6】
請求項5に記載の直流電圧変換方法において、
前記(A)ステップは、
(a1)前記スイッチ回路のオン抵抗の大きさを変更して電力効率を算出するステップと、
(a2)前記オン抵抗の大きさの変更前の第1電力効率と変更後の第2電力効率とを比較するステップと、
(a3)前記第1電力効率が前記第2電力効率より大きい場合、前記スイッチ回路のオン抵抗を、前記変更前の大きさに設定するステップと、
を備える
直流電圧変換方法。
【請求項7】
請求項6に記載の直流電圧変換方法において、
前記(a1)ステップは、
前記出力電圧が出力される負荷回路に流れる負荷電流を測定するステップと、
前記負荷電流における電力効率を測定するステップと、
を備える
直流電圧変換方法。
【請求項8】
請求項6又7に記載の直流電圧変換方法において、
前記(a1)ステップは
スイッチ回路に含まれる複数のスイッチ素子のいずれか又は全部を選択するステップと、
前記選択されたスイッチ素子が、スイッチング動作によって入力電圧を出力電圧に変換するするステップと、
前記入力電圧に基づく入力電力と、前記出力電圧に基づく出力電力とから電力効率を算出するステップと、
を備える
直流電圧変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−11045(P2009−11045A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168760(P2007−168760)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】