説明

スイッチ構造および、表示装置

【課題】ボタンに強い負荷がかけられると、ボタンの脱落やボタンを実装した基盤の破損が起こり得るという問題がある。
【解決手段】ボタンと、前記ボタンが表面に実装される基盤と、前記基盤の裏面側に位置し、前記ボタンが押下された際に前記基盤の裏面の一部と接触する受け箇所を有する裏面板と、を有するスイッチ構造とする。このようにすると、荷重が裏面板に分散されるので、ボタンが押されても、回路基盤に生じるたわみを抑制ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ構造および、表示装置に関する。より詳しくは、スイッチにかかる荷重を効率的に分散可能なスイッチ構造および、該スイッチ構造を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の多機能化が進んでいる。多機能化した表示装置には多数のスイッチが形成されている。特に、光ディスクドライブに関するスイッチが表示装置に形成される製品が近年急増している。
【0003】
従来、光ディスクドライブのイジェクトボタンを備える機構では特許文献1に記載の構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−99865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術のように配置されたイジェクトボタンには使用者により様々な大きさの負荷がかけられる。
【0006】
イジェクトボタンに強い負荷がかけられると、ボタンの脱落やボタンを実装した基盤の破損が起こり得るという問題がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスイッチ構造または表示装置は、前記従来の課題を解決する為に、ボタンと、前記ボタンが表面に実装される基盤と、前記基盤の裏面側に位置し、前記ボタンが押下された際に前記基盤の裏面の一部と接触する受け箇所を有する裏面板と、を有するスイッチ構造または表示装置とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスイッチ構造または表示装置によれば、荷重が裏面板に分散されるので、スイッチボタンが押されても、回路基盤に生じるたわみを抑制ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1にかかる映像表示装置の外観を示す図
【図2】実施の形態1にかかる映像表示装置の上面図
【図3】実施の形態1にかかるスイッチボタンの拡大図
【図4】実施の形態1にかかる図3におけるペデスタルのA−A断面図
【図5】実施の形態1にかかる図3におけるペデスタルのB−B断面図
【図6】実施の形態1にかかる回路基盤の上面図
【図7】実施の形態1にかかる回路基盤の底面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下図1を参照しながら、実施の形態1について説明する。
(機器の構成)
(図を使って説明、構成要素(符号を付した要素)について個別に短い文章で説明。)
図1は映像表示装置の外観を示す図である。映像表示装置100は、映像を出力するディスプレイ101を備える。ディスプレイ101は本実施の形態では液晶ディスプレイを採用したが、適宜プラズマディスプレイパネルなどを用いることもできる。また、映像表示装置100には、ディスプレイ101を支えるペデスタル102が設けられている。ペデスタル102には、光ディスクに記録された映像信号をディスプレイ101に出力する光ディスクドライブ103が搭載されている。光ディスクドライブ103には正面方向から光ディスク(図示しない)が挿入され、光ディスクに記録されたコンテンツがディスプレイ101に映し出される。
【0012】
図2は映像表示装置の上面図である。ペデスタル102には光ディスクドライブ103から光ディスクを取り出すためのスイッチボタン201が設けられている。また、ペデスタル102にはスタンドカバー202が設けられている。
【0013】
以下図3から図5を用いてペデスタル102およびスイッチボタン201について詳細に説明する。
【0014】
図3はスイッチボタンの拡大図である。図3において、A−Aの位置とB−Bの位置で断面を取る。以下断面図に基づいて説明を行う。
【0015】
図4は図3におけるペデスタルのA−A断面図である。図4において示されるように、ペデスタル102の内部にはスイッチボタン201と、スタンドカバー202と、スイッチ素子401と、回路基盤402と、裏面板403と、が存在する。図4において示す構造をスイッチ構造400とする。本実施の形態におけるスイッチ構造400は少なくともスイッチボタン201と、回路基盤402と、裏面板403とを有する。以下各構成要素について説明する。
【0016】
スイッチボタン201はスタンドカバー202に爪嵌合で固定されている。ここで、爪嵌合とは、スタンドカバー202にリブ形状を設けかつ、リブの先端からスイッチボタン201の外周を保持するように凸形状をスイッチボタン201の押す方向に対して外周を受ける構造である。このようにして、スイッチボタン201はスタンドカバー202から脱落しないように形成されている。また、スイッチボタン201には回路基盤402が爪嵌合で取り付けてある。この爪嵌合も同様に、スイッチボタン201に形成されたリブ形状が回路基盤402の外周を保持する構造である。このようにして回路基盤402がスイッチボタン201から脱落することを防止している。なお、本実施の形態では回路基盤402はスイッチボタン201に爪嵌合される構成としたが、スタンドカバー202に別途リブを形成し、爪嵌合によって脱落を防止する構成としてもよい。
【0017】
回路基盤402には、スイッチ素子401が取り付けている。スイッチ素子401はスイッチボタン201に近接ないし当接している。
【0018】
また、スタンドカバー202と裏面板403はビスで締結されている。
【0019】
裏面板403には絞り加工によって受け箇所404が形成されている。裏面板403において受け箇所404以外の箇所の一部である支持部は、載置面(図示しない)に接している。受け箇所404は、支持部より、回路基盤402側に形成されている。なお、裏面板403の電位は映像表示装置100の電源におけるアース電位と等しくなるように形成されている。
【0020】
回路基盤402の裏面と受け箇所404は近接している。本実施の形態では、回路基盤402の裏面と受け箇所404との距離は0.2mmである。本実施の形態では受け箇所404が接触する回路基盤402の位置の上部にスイッチボタン201が実装されている。
【0021】
図5に、図3で取ったペデスタル102のB−B断面図を示す。この図においても分かるように、回路基盤402の裏面と受け箇所404は近接している。本実施の形態では、回路基盤402の裏面と受け箇所404との距離は0.2mmである。
【0022】
以下、図6と図7を用いて、回路基盤402について詳細に説明する。
【0023】
図6は実施の形態1にかかる回路基盤の上面図である。
【0024】
図6に示されるように、回路基盤402の上面には、スイッチ素子401と、グラウンド接点601が形成されている。スイッチ素子401は、プッシュスイッチであり、押下している時に回路基盤402上の信号の経路が変化する。グラウンド接点601は、はんだボールであり、スイッチ素子401や回路基盤402上に形成された他の電子回路(図示しない)の基準電位を有する。
【0025】
図7は実施の形態1にかかる回路基盤の底面図である。回路基盤402の裏面にはグラウンド接点701が形成されている。グラウンド接点701もグラウンド接点601と同様にはんだボールであり、グラウンド接点601と電気的に接続されており、スイッチ素子401や回路基盤402上に形成された他の電子回路(図示しない)の基準電位を有する。ここで、グラウンド接点701は受け箇所404の上側に配置されている。
(機器の作用・効果)
以下、映像表示装置100の使用者がスイッチボタン201を押したときの作用を、図4を用いて説明する。
【0026】
第一に、スイッチ構造400が、スイッチボタン201実装される回路基盤402と、前記回路基盤402の裏面側に位置し、前記スイッチボタン201が押下された際に前記回路基盤402の裏面の一部と接触する受け箇所を有する裏面板403を有することによって得られる作用効果を説明する。映像表示装置100の使用者がスイッチボタン201を押すと、鉛直下部方向に荷重がかかる。スイッチボタン201に加わった荷重はスイッチ素子401を介して回路基盤402に伝わる。回路基盤402は荷重によって、微小に下側に向かって湾曲する。回路基盤402が湾曲すると、回路基盤402の裏面が受け箇所404に接触する。回路基盤402の裏面が、受け箇所404に接触することによって回路基盤402にかかった荷重が裏面板403へ分散される。このように、荷重が裏面板403に分散されるので、スイッチボタン201が押されても、回路基盤402に生じるたわみを抑制することができる。
【0027】
また、スイッチ構造400は、支持部より回路基盤402側に形成された受け箇所404をさらに有しても良い。このようにすると、回路基盤402の上下方向の配置を自由に構成することができる。
【0028】
また、スイッチ構造400は、裏面板403に対する絞り加工によって、裏面板403に受け箇所404と支持部が形成されるようにしてもよい。このようにすると、受け箇所404の強度を強くすることができ、スイッチボタン201が強い力で押されても裏面板403ないし回路基盤402が破壊されることを防止することができる。
【0029】
また、スイッチ構造400は、受け箇所404が接触する回路基盤402の位置の上部にスイッチボタン201が実装されているようにしてもよい。このようにすると、スイッチボタン201にかかった荷重が回路基盤402を介して受け箇所404垂直に伝わる。よって、回路基盤402のたわみを最小限に抑えることができる。
【0030】
また、スイッチ構造400において、スイッチボタン201はスタンドカバー202に嵌合されて固定されているようにしてもよい。このようにすると、スイッチボタン201とスタンドカバー202をネジなどの締結手段を用いずに固定することができる。さらに、本実施の形態においては、スイッチボタン201にかかった荷重は裏面板403に分散される。よって、スイッチボタン201を嵌合構造で形成してもスイッチボタン201の脱落のおそれを防止することができる。
【0031】
また、スイッチ構造400において、回路基盤402は、スイッチボタン201またはスタンドカバー202に嵌合されて固定されるようにしてもよい。このようにすると、回路基盤402をネジなどの締結手段を用いずに固定することができる。さらに、本実施の形態においては、回路基盤402にかかった荷重は裏面板403に分散される。よって、回路基盤402を嵌合構造で形成しても回路基盤402の脱落のおそれを防止することができる。
【0032】
また、スイッチ構造400において、裏面板403の電位を映像表示装置100の電源におけるアース電位と等しくなるように形成し、かつ、グラウンド接点701が受け箇所404の上側に当接あるいは近接して配置されるように形成してもよい。このようにすると、静電気による悪影響を抑止することができる。すなわち、映像表示装置100の使用者がペデスタル102に指先を近づけた際に指先から静電気が発生するおそれがある。しかし、本実施の形態においては発生した静電気は回路基盤402を介してグラウンド接点701に落ちる。このようにして、発生した静電気がアース端子に落ちるので、設計外の箇所に静電気が伝わり、機器が誤動作することを防ぐことができる。なお、本実施の形態のように回路基盤402の上面にもグラウンド接点601を形成すると、指先により近い箇所にグラウンド接点を形成することができる可能性があるので、より確実に、静電気をグラウンド接点701を介してアース端子に落とすことができる。
【0033】
また、スイッチ構造400において、グラウンド接点701は、スイッチ素子401の基準電位と同一となるようにしてもよい。このようにすると回路基盤402のパターン配置を簡略化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のスイッチ構造は映像表示装置用のスイッチ構造として有用である。
【符号の説明】
【0035】
100 映像表示装置
101 ディスプレイ
102 ペデスタル
103 光ディスクドライブ
201 スイッチボタン
202 スタンドカバー
400 スイッチ構造
401 スイッチ素子
402 回路基盤
403 裏面板
404 受け箇所
601 グラウンド接点
701 グラウンド接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタンと、
前記ボタンが表面に実装される基盤と、
前記基盤の裏面側に位置し、前記ボタンが押下された際に前記基盤の裏面の一部と接触する受け箇所を有する裏面板と、
を有するスイッチ構造。
【請求項2】
前記裏面板は、他の構造物に接触あるいは支持されている支持部と、前記受け箇所とを有し、
前記受け箇所は前記支持部より、前記基盤の側に形成されている、
請求項1に記載のスイッチ構造。
【請求項3】
前記受け箇所および前記支持部は前記裏面板を絞り加工することにより形成されている、
請求項2に記載のスイッチ構造。
【請求項4】
前記受け箇所が接触する前記基盤の位置の上部に前記ボタンが実装されている、
請求項1ないし3に記載のスイッチ構造。
【請求項5】
前記ボタンはキートップと前記キートップの押下に連動して押下されるスイッチとを有し、
前記キートップの周囲にはカバーが配置され、
前記キートップは前記カバーに嵌合されて固定されている、
請求項1に記載のスイッチ構造。
【請求項6】
前記基盤は、前記キートップまたは前記カバーに嵌合されて固定されている、請求項5に記載のスイッチ構造。
【請求項7】
前記受け箇所の電位はアース電位であり、
前記基盤にはグラウンド接点が形成され、
前記グラウンド接点は前記受け箇所上側に当接あるいは近接して配置されるように形成された、
請求項1に記載のスイッチ構造。
【請求項8】
ボタンと、
前記ボタンが表面に実装される基盤と、
前記基盤の裏面側に位置し、前記ボタンが押下された際に前記基盤の裏面の一部と接触する受け箇所を有する裏面板と、
を有する表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−45504(P2013−45504A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180155(P2011−180155)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】