スイッチ構造と電子機器と撮像装置
【課題】 操作ボタンのストローク方向の長さが長いスイッチ構造において、操作ボタンのふらつきを防止し、操作性に優れたスイッチ構造並びに、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置を提供する。
【解決手段】 電気回路の接点を開閉するスイッチ部材(50)と、操作者により押下操作される操作ボタン(5)と、を備え、操作ボタンはスイッチ部材のキートップを押すボス(5a)を備え、ボスを操作ボタンの押下方向に支持する支持部材(7)と、支持部材が取り付けられる板状の取付部材(23)と、を有してなり、支持部材は、ボスが挿入される筒状部を備えていることを特徴とするスイッチ構造による。
【解決手段】 電気回路の接点を開閉するスイッチ部材(50)と、操作者により押下操作される操作ボタン(5)と、を備え、操作ボタンはスイッチ部材のキートップを押すボス(5a)を備え、ボスを操作ボタンの押下方向に支持する支持部材(7)と、支持部材が取り付けられる板状の取付部材(23)と、を有してなり、支持部材は、ボスが挿入される筒状部を備えていることを特徴とするスイッチ構造による。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、防水機能つきのデジタルカメラ(撮像装置)などの電子機器が備える従来のスイッチ構造として、機器の筐体の外部に設けられた操作ボタンと、この操作ボタンによって操作される内部に設けられたスイッチとの間に、防水素材を配置してスイッチとその周囲を覆うことで、当該機器内部への浸水を防ぐものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような防水性を有するスイッチ構造は、防水素材を所定の位置で確実に固定する必要がある。よって、螺子止め可能な板金部材を防水素材の上に被せて、防水素材を筐体内部の所定の位置に螺子締めすることで固定し、これによって固定箇所の隙間を確実に塞ぐスイッチ構造も知られている。
【0004】
当該スイッチ構造に用いる板金部材は、防水素材で保護されているスイッチが操作されるようにするために、当該機器の筐体に設けられた操作ボタンの動きをスイッチに伝達する構造部材(ボス)を貫通させる孔が形成されている。
【0005】
操作ボタンの動きをスイッチに伝達する構造の例として、操作ボタンの底面に、ストローク方向の下向きに突出したボスを操作ボタンと一体に形成したものがある。このボスは、操作ボタンの上下動(操作ボタンをストローク方向に押し下げる動き)に応じて動き、この動きによって、スイッチを押下することができる。そのため、板金部材には、ボスが貫通する孔を形成する必要がある。
【0006】
このような、スイッチ構造は、操作ボタンを押下するとそれに応じてボスが押下されて、板金部材を貫通して防水素材を押し下げる。押し下げられた防水素材によってスイッチのキートップが押し下げられることで、スイッチ操作が行われる。
【0007】
上記に示した従来のスイッチ構造では、操作ボタンのボスのストローク方向の長さが板金部材と防水素材の厚さによって長くなる。しかし、従来のスイッチ構造では、ボスの上下動を確実にスイッチに伝達させるための、ボスの水平方向へのふらつき(がたつき)を防止する構造は考慮されていない。
【0008】
また、ボスのストローク方向の長さが長くなると、操作ボタンの操作時に加えられる荷重が、操作ボタンの中心から外れた位置に偏っているときには、操作ボタンが斜め方向に押し下げられることになり、これによってボスが押し下げられる力も斜め方向になるから、スイッチのキートップに加わる力もずれてしまい、操作ボタンの押下操作にスイッチが反応しないことがある。
【0009】
さらに、操作ボタンは、筐体からの抜け落ち防止のためにエッジ部分にフランジが形成されている。このフランジは筐体の外装カバーに形成されている孔よりも径が大きいが、操作ボタンの操作時に加わる荷重が操作ボタンの中心から偏っていると、操作ボタン自体が斜め方向にずれることがあり、その結果、フランジが孔に噛んでしまって、所定の位置に復帰しなくなる。
【0010】
このように、従来から知られているスイッチ構造において、操作ボタンのボスのストローク方向の長さが長くなることによって生じる課題を解決することを目的とするものは知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、操作ボタンのストローク方向の長さが長いスイッチ構造において、操作ボタンのふらつきを防止し、操作性に優れたスイッチ構造並びに、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はスイッチ構造並び、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置に関するものであって、電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、操作者により押下操作される操作ボタンと、操作ボタンは、スイッチ部材のキートップを押すボスを備え、ボスを操作ボタンの押下方向に支持する支持部材と、支持部材が取り付けられる板状の取付部材と、を有してなり、支持部材は、ボスが挿入される筒状部を備えていることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ストロークが長い操作ボタンのふらつきを防止すると共に、優れた操作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るスイッチ構造を備えた撮像装置の実施の形態を示す図であって(a)正面斜視図、(b)背面斜視図、である。
【図2】上記スイッチ構造の例を示す分解斜視図である。
【図3】上記スイッチ構造の例を示す拡大分解斜視図である。
【図4】上記スイッチ構造の例において、収納部を拡大した拡大斜視図である。
【図5】上記スイッチ構造の例を示す(a)板金部材を固定させる前の縦断面図、(b)板金部材を固定させた状態の縦断面図、である。
【図6】上記スイッチ構造の例であって、操作ボタンを嵌合させた状態の縦断面図である。
【図7】上記スイッチ構造に用いるモールド部材の例を示す(a)天面側斜視図、(b)底面側斜視図、(c)側面図、である。
【図8】上記スイッチ構造に用いる板金部材の例を示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)要部拡大図、である。
【図9】上記モールド部材と板金部材の組み付け方法の例を示す(a)天面側斜視図、(b)平面図、(c)側面図、である。
【図10】上記モールド部材と板金部材の組み付け方法の例を示す(a)組み付け開始状態の平面図、(b)組み付け途中状態の平面図、(c)組み付け終了状態の平面図、(d)組み付け開始状態の底面図、(e)組み付け途中状態の底面図、(f)組み付け終了状態の底面図、である。
【図11】上記モールド部材と板金部材が固定された例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るスイッチ構造と、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置の実施形態について説明をする。なお、以下の説明は、本発明に係る防水性のあるスイッチ構造を備えたデジタルカメラ(撮像装置)を例に用いている。つまり、デジタルカメラは、本発明に係る電子機器の例である。
【0016】
図1を用いて、デジタルカメラの外観について説明をする。デジタルカメラ1は、陸上での使用の他、水中使用が可能なものである。図1(a)に示すように、デジタルカメラ1内部への水の浸入を防ぐ筐体2を備えている。
【0017】
デジタルカメラ1の正面中央部には、焦点距離可変のズーム光学系として構成された撮影光学系3が配置されている。また、デジタルカメラ1の正面右上部には照明光を照射するためのストロボ発光部4が配置されている。
【0018】
デジタルカメラ1の上面には、撮影動作を指示入力するためのレリーズスイッチである操作ボタン5と、デジタルカメラ1の電源をオン/オフするための電源ボタン6が配置されている。操作ボタン5は、撮影者が右手の人差し指などで押動可能な位置に配置される。
【0019】
デジタルカメラ1の背面右上角部には、撮影光学系3の焦点距離をテレ側とワイド側とへ変更するためのズームボタン9と、左側には撮影した静止画/動画を表示したり、デジタルカメラ1に係わる各種の情報を表示したりするための表示画面10と、その間には、再生モードに切り換えたり、デジタルカメラ1の撮影条件を変更したり、撮影した画像を消去したり、表示画面10の表示内容を変更したりする複数のモードボタン11が配置されている。なお、表示画面10は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示素子10aであり、その表示素子10aをアクリル製部材10bで水密可能に被装されている。
【0020】
さらに、筐体2の内部には図示しない電子基板等が実装されおり、デジタルカメラ1の外面に設けた各種ボタンやダイヤル等と電気的に接続されて、デジタルカメラ1として機能するようになっている。なお、図示しない電子基板には、操作ボタン5の押動操作によって動作するスイッチが配置されている。このスイッチがオンされることで、デジタルカメラ1は所定の撮像処理を行う。
【0021】
次に、本実施例に係るスイッチ構造について、図2および図3に示すデジタルカメラ1の詳細構造の例を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ1を背面右側から見た状態を示す分解斜視図である。図3は、図2において示した矩形領域Aの部分を拡大した拡大分解斜視図である。
【0022】
図2において、デジタルカメラ1のスイッチ構造は、筐体2の上面に形成された収納部21の内部にスイッチが配置されており、この収納部21の上に防水性を備えた弾性部材22と、弾性部材22をネジ24によって固定する金属製の板金部材23と、板金部材23に固定されるモールド部材7と、モールド部材7に挿通される操作ボタン5と、を有してなる。
【0023】
また、デジタルカメラ1は、上記のスイッチ構造を覆う筐体2の上面を保護する外装カバー8を有する。操作ボタン5は、外装カバー8によって抜け落ちが防止されている。すなわち、外装カバー8には、操作ボタン5の外部に露出する天板部分の径より大きく、操作ボタン5の外周に設けられているフランジの径よりも小さい径からなる孔81が形成されており、この孔81から操作ボタン5の天板を露出させて操作可能な態様で固定し、かつ、操作ボタン5が孔81から抜け出てしまうことを防いでいる。
【0024】
図3を用いてさらに説明をする。図3に示すように、収納部21の内部にはスイッチ50が配置されている。また収納部21には全周に渡ってリブ21aが形成されている。弾性部材22は、例えばシリコンゴムを素材とするものであって、リブ21aの外周よりも若干大きな外周寸法を有している。この弾性部材22が収納部21に被せられて固定されることで、スイッチ50への防水を行うことができる。
【0025】
弾性部材22を収納部21のリブ21aの上に乗せ、その上に板金部材23を乗せて、板金部材23をネジ24によって筐体2に固定させると、板金部材23から弾性部材22にかかる圧力によって、弾性部材22はリブ22aの周囲に押し込まれるようになる。これによって、弾性部材22とリブ21aが水密状態になり、スイッチ50への浸水を防ぐことができるようになる。
【0026】
ここで収納部21について説明する。図4に示すように、収納部21の全周にリブ21aが設けられている。前述したように、このリブ21aに弾性部材22を乗せ、その上から板金部材23を被せる。弾性部材22に板金部材23を乗せたときに、筐体2と板金部材23との間に隙間が生じるが、この隙間と、板金部材23が筐体2に固定されたときに弾性部材22が圧縮される量は同値である。
【0027】
図3に戻る。上記のように固定された弾性部材22と板金部材23によって防水構造となったスイッチ50は、操作ボタン5が押し下げられたことによって弾性部材22押し下げられて、押し下げられた弾性部材によってスイッチ50のキートップが押し下げられて操作される。操作ボタン5の底面には、弾性部材22を押し下げて、キートップを操作するためのボス5aが形成されている。このボス5aは、操作ボタン5の押動方向(ストローク方向)に突出するように形成されていて、弾性部材22が有する穴22aに嵌り込むようになっている。
【0028】
ボス5aが弾性部材22に届くように、板金部材23には、孔23aが形成されている。板金部材23は、金属を素材とするものであって、所定の厚さを有するものである。操作ボタン5はプラスチックなどの樹脂製であるから、ボス5aも樹脂を素材とするものである。
【0029】
ここで、ボス5aが上下方向(ストローク方向)に摺動するときに孔23aとボス5aが直接接触すると、ボス5aが孔23aとの摩擦によって消耗してしまう。また、ボス5aの先端は弾性部材22の孔22aに嵌合するが、弾性部材22と板金部材23の厚みによって、操作ボタン5の操作ストロークは長くなり、ボス5aのストローク方向の長さも長くなる。ストロークが長くなると、操作ボタン5に水平方向のふらつきが生じやすくなり、また、操作ボタン5に偏った荷重がかけられると外装カバー8の孔81に、操作ボタン5の天板部分やフランジ部分が引っかかってしまい、操作性が劣化する。
【0030】
このような操作性の劣化を防ぐために、本実施例に係るスイッチ構造は、操作ボタン5のボス5aを支持し、操作ボタン5に偏った荷重がかかっても、操作ボタン5およびボス5aがストローク方向に摺動するようにガイドするためのモールド部材7を有する。
【0031】
モールド部材7は、板金部材23の孔23aに係合して固定される樹脂成型品である。モールド部材7の嵌合は垂直方向(ストローク方向)への挿入と、水平方向への回転によって行う。
【0032】
モールド部材7は、基本形状を円筒形とし、この円筒形上の天面部分にフランジ部が一体に形成されている。モールド部材7の円筒部は、板金部材23の孔23aに嵌め込まれてフランジ部によって板金部材23に固定される。モールド部材7の詳細な説明は後述する。
【0033】
次に、スイッチ構造について、詳細に説明をする。図5は、本実施例に係るスイッチ構造の縦断面図の例である。図5(a)は、収納部21のリブ21aに弾性部材22を乗せた状態を示している。図5(b)は、板金部材23をネジ24によって固定した状態を示している。
【0034】
図5(a)において、弾性部材22は、断面形状が収納部21に合うように形成されており、スイッチ50の真上には、モールド部材7の先端部分が嵌合する穴22aが形成されている。弾性部材22は、リブ21aの上に乗っており、その上に、モールド部材7が固定された板金部材23が乗せられている。板金部材23が図示しないネジ24によって固定される前の状態であるから、板金部材23と筐体2の間には隙間dが形成されている。
【0035】
板金部材23を図示しないネジ24を用いて筐体2に固定すると図5(b)に示す状態になる。すなわち、ネジ24を締めつけると、板金部材23が徐々に押し下げられて、板金部材23が収納部21の周縁部に当接するまで下がり、隙間dがなくなる状態となる。そうすると、図5(b)に示すように、弾性部材21がリブ21aと密着して、水密状態となり、筐体2の外部からスイッチ50への浸水を防ぐことができる状態となる。
【0036】
なお、板金部材23の下降に伴ってモールド部材7も弾性部材22を押し下げて、穴22aに対してより深く嵌合することになる。このとき、モールド部材7は弾性部材22から圧力を受けるが、弾性部材22に比べてモールド部材7は堅い素材でできているため、弾性部材22側(穴22a)は変形するが、モールド部材7側は変形しない。
【0037】
図6は、操作ボタン5をモールド部材7に固定した状態に係る縦断面図である。図6に示すように、操作ボタン5のボス5aは、モールド部材7の円筒部に形成されている孔に挿通されて固定されている。また、操作ボタン5は、抜け防止のために形成されているフランジが外装カバー8に形成されている孔81の周囲に引っかかるようになっている。
【0038】
操作ボタン5が押し下げられると、ボス5aはモールド部材7の円筒内部を下降して、弾性部材22を押し下げる。押し下げされた弾性部材22は、スイッチ50のキートップ50aを押し下げる。これによって、スイッチ50が操作される。ここで、押し下げられた操作ボタン5を復帰させるために、操作ボタン5を上昇させる方向に付勢する必要があるので、操作ボタン5の底面部のボス5aの周囲にバネ5bが配置されている。バネ5bは、操作ボタン5の底面とモールド部材7の天面部との間に配置されているから、操作ボタン5が押し下げられた後、その押し下げ力がなくなると、バネ5bの復元力によって、操作ボタン5を元の位置に戻すことができる。
【0039】
モールド部材7は、樹脂を素材とする一体成型物であるから、操作ボタン5の天面の中心からはずれた箇所に荷重が加えられても、すなわち、ボス5aの真上に当たる箇所から外れている箇所が押下されても、ボス5aはモールド部材7の円筒孔の内部(孔)を滑りながら、キートップ50aに対して垂直に下降する。また、バネ5bによって復帰するときに、操作ボタン5が筐体2に引っかかることもなく、バネ5bの弾力によって復帰する。
【0040】
ボス5aの径は、モールド部材7の円筒部の孔の径よりも小さいが、ほぼ隙間なく挿通可能な寸法を有する。すなわち、モールド部材7にボス5aを嵌めこんだ状態において操作ボタン5は、水平方向のふらつきが生じない。
【0041】
なお、ボス5aの先端部の径は、根本から中段に係る径よりも若干小さくなっている。これによって、キートップ50aを押し下げる力が、弾性部材22によって分散されず、より確実にキートップ50aを押し下げることができ、スイッチ50の操作性を向上させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例に係るスイッチ構造によれば、モールド部材7によって水平方向のふらつきが防止され、かつ、操作ボタン5の操作性が向上する。
【0043】
次に、本実施例に係るスイッチ構造に用いるモールド部材7の形状と、モールド部材7を板金部材23に固定する方法について詳細に説明する。
図7(a)は、モールド部材7の天面側斜視図、図7(b)は、モールド部材7の底面側斜視図、図7(c)はモールド部材の側面図である。
【0044】
図7(a)に示すように、モールド部材7は、基本形状をなす円筒部71と、円筒部71の天面側にフランジ部72を有する一体成型物である。円筒部71の軸方向の長さは、レイアウト上可能な限りの長さを有しており、この円筒部71には、操作ボタン5のボス5aに対して、交差積上げ上最少となる隙間を考慮した、孔71aが形成されている。
【0045】
フランジ部72は、円筒部71の天面部を所定の寸法をもって径方向に広げた形状を有している。フランジ部72の一部には切欠きが形成されている。この切欠きの一部において、円筒部71から外周方向に突出する脚部72aが形成されている。脚部72aの先端には、所定の高さからなるリブ72cが形成されている。
【0046】
また、フランジ部72が切欠かれている箇所の円筒部71の外周面には、リブ73が形成されている。リブ73の詳細については後述する。
【0047】
フランジ部72の底面側は、図7(b)に示すように、複数のリブ72bが形成されている。リブ72bは、フランジ部72の底面から若干突出した寸法をもって形成されており、板金部23に固定されたときに、板金部23に当接する部位となる。
【0048】
円筒部71の外周面に形成されているリブ73は、円筒部71の外周面上を所定に周期的に形成されている。図7において、リブ73は、円筒部71の外周面上の対向する位置に形成されている。
【0049】
図7(c)に示すように、フランジ部72の底面から下方に突出しているリブ72bと、円筒部71の外周面から突出しているリブ73の天面部とは、軸方向において所定の寸法をもって乖離している。この寸法eは、板金部材23の厚さに対して確実に挿入できる寸法となっている。なお、リブ73の天面部のエッジは、後述するように、板金部材23に対して回動して挿入しやすくするため、切削されている。これによって、リブ73の縦方向の断面形状は台形となっている。
【0050】
次に、本実施例に係るスイッチ構造に用いられる板金部材23の形状について詳細に説明する。図8(a)に示すように板金部材23は、収納部21(図2参照)の形状に合致する外形を有してなる金属素材の部材である。板金部材23の所定の位置には、モールド部材7の円筒部71が挿入される孔23aと、後述する方法でモールド部材7を固定するための孔23bが形成されている。
【0051】
図8(b)に示すように、孔23aは、板金部材23の長さ方向に略横長の形状をもって形成されている。また、孔23bは、孔23aから幅方向に若干離れた位置に形成されており、孔23aとは直交する方向に、縦長の外形をもって形成されている。図8(b)に示す領域Bを拡大した図を図8(c)に示す。
【0052】
図8(c)において、孔23aは、モールド部材7の円筒部71が挿入可能な寸法を有する孔231と、円筒部71の外周面に形成されたリブ73が、挿入時に通過可能な程度の隙間を確保するために形成された孔231とを合成した外形を有してなる。
【0053】
次に、前述の形状を有するモールド部材7を、前述の形状の孔を有する板金部材23に嵌合させる方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9(a)は、モールド部材7の組み付け開始状態の例を示す斜視図である。図9(a)に示すように、モールド部材7の円筒部71を、板金部材23の孔231に合わせて、かつ、リブ73の位置を孔232の位置に合わせた状態で、円筒部71を板金部材23の孔23aに押し込む。
【0054】
押し込まれた状態の平面図を図9(b)に示す。図9(b)において、リブ73は孔232を通過することで、フランジ部72の底面が板金部材23の天面に当接する位置まで、押し込められる。脚部72aが伸びている方向と孔23bの長さ方向は直交する位置関係になっている。
【0055】
押し込まれた状態の側面図を図9(c)に示す。図9(c)において、モールド部材7の円筒部71を孔23aに通し、フランジ部72に形成されているリブ72bと、脚部72aに形成されているリブ72cが、板金部材23の天面に当接する状態になると、円筒部71の外周面に形成されているリブ73は、板金部材23の下側にある。このときのリブ73の天面部は、板金部材23の底面側と密接可能な高さ位置にある。
【0056】
次に、モールド部材7を板金部材23に固定するまでの工程について、図10を用いて説明する。図10(a)は、図9(c)に示した状態をフランジ部72の天面側から見た平面図である。図10(b)は、図10(a)に示した状態から、モールド部材7を固定位置に向けて符号Rの方向に回転させた途中状態を天面側から見た平面図である。図10(c)は、図10(b)の途中状態からさらにモールド部材7を回転させて、固定位置に至った状態を天面側から見た平面図である。
【0057】
また図10(d)は、図9(c)に示した状態を板金部材23の底面側から見た平面図である。図10(e)は、図10(d)に示した状態から、モールド部材7を固定位置に向けて回転させた途中状態を板金部材23の底面側から見た平面図である。図10(f)は、図10(d)の途中状態からさらにモールド部材7を回転させて、固定位置に至った状態を板金部材23の底面側から見た平面図である。
【0058】
図10(a)および図10(d)に示すように、まず、円筒部71を孔23aに挿入すると、リブ72bとリブ72cが板金部材23の天面側に当接する。このときリブ73は、孔232を通過して、板金部材23の底面側にある。
【0059】
この状態から円筒部71の中心点を軸にして、符号Rの方向にモールド部材7を回転させる。そうすると、図10(b)および図10(e)に示すように、リブ73が板金部材23の底面側に当接する状態となり、リブ73と板金部材23の天面側に当接しているリブ72bおよびリブ72cによってモールド部材7は板金部材23を挟持する状態となる。すなわち、モールド部材7は、フランジ部72に形成されているリブ72bおよび72cと、円筒部71に形成されているリブ73によって、軸方向が固定される。
【0060】
図10(b)および図10(e)の状態から、さらに符号R方向へと回転させると、図10(c)および図10(f)に示すように、脚部72aが孔23bに嵌合する状態となる。脚部72aに形成されていたリブ72cは、板金部材72の天面側に当接しながら、回転していたので、脚部72bが孔23bの位置にきたとき、フランジ72cが孔23bに対して落ち込む。すなわち、孔23bの内周面にフランジ72cが当たる状態になって、モールド部材7が回転できない状態となる。これによって、モールド部材7が板金部材23に対する水平方向へのふらつきが防止される。
【0061】
このように、モールド部材7は、板金部材23に対して所定の位置における回転動作によって固定することができる形状を有している。これによって、モールド部材7を板金部材23に固定するときに、モールド部材7の円筒部71を変形させることがなく、孔71aをボス5aの径に合わせて、精度よく形成することができるので、操作ボタン5に偏った荷重がかかったときであっても、ボス5aは孔71aをガイドとしてスイッチ50に対してストローク方向に摺動することができる。
【0062】
図11は、モールド部材7が板金部材23に固定された状態を示す斜視図である。図11に示すように、本実施例に係るモールド部材7は、板金部材23に対して、フランジ部72によって水平方向のふらつきが規制され、図示しないリブ73によって垂直方向(ストローク方向)のふらつきが規制されて固定される。
【0063】
このモールド部材7が固定された板金部材23を用いて、図2及び図3に示したように防水性のある弾性部材22を筐体2に固定し、モールド部材7の孔71aに操作ボタン5のボス5aを挿通させ、さらに操作ボタン5を外装部材8によって固定することで、本実施例に係るスイッチ構造が形成される。
【0064】
以上説明をした本実施例に係るスイッチ構造によれば、操作ボタン5のストローク方向の長さが長くなったとしても、モールド部材7が有する孔71aに操作ボタン5のボス5aを精度よく挿通されることで、操作ボタン5のふらつき(がたつき)がなく、かつ、操作ボタン5に対する押下操作も、スイッチ50に精度よく伝わる。よって、操作ボタン5への操作に係る荷重が偏ってかかったとしても、操作性が損なわれず確実なスイッチ操作を実現できる。
【0065】
このように、本発明に係るスイッチ構造によれば、弾性部材を板金によって確実に固定することで防水性能を向上させ、かつ、弾性部材と板金の厚さによって操作ボタンのボスのストローク方向の長さが長くなることによって生じる操作ボタンのふらつきを、板金部材に回転固定させたモールド部材によって防止することができるので、防水性と操作性を両立させることができる。
【符号の説明】
【0066】
5 操作ボタン
7 モールド部材
8 外装カバー
21 収納部
22 弾性部材
23 板金部材
50 スイッチ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平11−224558号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、防水機能つきのデジタルカメラ(撮像装置)などの電子機器が備える従来のスイッチ構造として、機器の筐体の外部に設けられた操作ボタンと、この操作ボタンによって操作される内部に設けられたスイッチとの間に、防水素材を配置してスイッチとその周囲を覆うことで、当該機器内部への浸水を防ぐものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような防水性を有するスイッチ構造は、防水素材を所定の位置で確実に固定する必要がある。よって、螺子止め可能な板金部材を防水素材の上に被せて、防水素材を筐体内部の所定の位置に螺子締めすることで固定し、これによって固定箇所の隙間を確実に塞ぐスイッチ構造も知られている。
【0004】
当該スイッチ構造に用いる板金部材は、防水素材で保護されているスイッチが操作されるようにするために、当該機器の筐体に設けられた操作ボタンの動きをスイッチに伝達する構造部材(ボス)を貫通させる孔が形成されている。
【0005】
操作ボタンの動きをスイッチに伝達する構造の例として、操作ボタンの底面に、ストローク方向の下向きに突出したボスを操作ボタンと一体に形成したものがある。このボスは、操作ボタンの上下動(操作ボタンをストローク方向に押し下げる動き)に応じて動き、この動きによって、スイッチを押下することができる。そのため、板金部材には、ボスが貫通する孔を形成する必要がある。
【0006】
このような、スイッチ構造は、操作ボタンを押下するとそれに応じてボスが押下されて、板金部材を貫通して防水素材を押し下げる。押し下げられた防水素材によってスイッチのキートップが押し下げられることで、スイッチ操作が行われる。
【0007】
上記に示した従来のスイッチ構造では、操作ボタンのボスのストローク方向の長さが板金部材と防水素材の厚さによって長くなる。しかし、従来のスイッチ構造では、ボスの上下動を確実にスイッチに伝達させるための、ボスの水平方向へのふらつき(がたつき)を防止する構造は考慮されていない。
【0008】
また、ボスのストローク方向の長さが長くなると、操作ボタンの操作時に加えられる荷重が、操作ボタンの中心から外れた位置に偏っているときには、操作ボタンが斜め方向に押し下げられることになり、これによってボスが押し下げられる力も斜め方向になるから、スイッチのキートップに加わる力もずれてしまい、操作ボタンの押下操作にスイッチが反応しないことがある。
【0009】
さらに、操作ボタンは、筐体からの抜け落ち防止のためにエッジ部分にフランジが形成されている。このフランジは筐体の外装カバーに形成されている孔よりも径が大きいが、操作ボタンの操作時に加わる荷重が操作ボタンの中心から偏っていると、操作ボタン自体が斜め方向にずれることがあり、その結果、フランジが孔に噛んでしまって、所定の位置に復帰しなくなる。
【0010】
このように、従来から知られているスイッチ構造において、操作ボタンのボスのストローク方向の長さが長くなることによって生じる課題を解決することを目的とするものは知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、操作ボタンのストローク方向の長さが長いスイッチ構造において、操作ボタンのふらつきを防止し、操作性に優れたスイッチ構造並びに、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はスイッチ構造並び、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置に関するものであって、電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、操作者により押下操作される操作ボタンと、操作ボタンは、スイッチ部材のキートップを押すボスを備え、ボスを操作ボタンの押下方向に支持する支持部材と、支持部材が取り付けられる板状の取付部材と、を有してなり、支持部材は、ボスが挿入される筒状部を備えていることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ストロークが長い操作ボタンのふらつきを防止すると共に、優れた操作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るスイッチ構造を備えた撮像装置の実施の形態を示す図であって(a)正面斜視図、(b)背面斜視図、である。
【図2】上記スイッチ構造の例を示す分解斜視図である。
【図3】上記スイッチ構造の例を示す拡大分解斜視図である。
【図4】上記スイッチ構造の例において、収納部を拡大した拡大斜視図である。
【図5】上記スイッチ構造の例を示す(a)板金部材を固定させる前の縦断面図、(b)板金部材を固定させた状態の縦断面図、である。
【図6】上記スイッチ構造の例であって、操作ボタンを嵌合させた状態の縦断面図である。
【図7】上記スイッチ構造に用いるモールド部材の例を示す(a)天面側斜視図、(b)底面側斜視図、(c)側面図、である。
【図8】上記スイッチ構造に用いる板金部材の例を示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)要部拡大図、である。
【図9】上記モールド部材と板金部材の組み付け方法の例を示す(a)天面側斜視図、(b)平面図、(c)側面図、である。
【図10】上記モールド部材と板金部材の組み付け方法の例を示す(a)組み付け開始状態の平面図、(b)組み付け途中状態の平面図、(c)組み付け終了状態の平面図、(d)組み付け開始状態の底面図、(e)組み付け途中状態の底面図、(f)組み付け終了状態の底面図、である。
【図11】上記モールド部材と板金部材が固定された例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るスイッチ構造と、このスイッチ構造を備えた電子機器と撮像装置の実施形態について説明をする。なお、以下の説明は、本発明に係る防水性のあるスイッチ構造を備えたデジタルカメラ(撮像装置)を例に用いている。つまり、デジタルカメラは、本発明に係る電子機器の例である。
【0016】
図1を用いて、デジタルカメラの外観について説明をする。デジタルカメラ1は、陸上での使用の他、水中使用が可能なものである。図1(a)に示すように、デジタルカメラ1内部への水の浸入を防ぐ筐体2を備えている。
【0017】
デジタルカメラ1の正面中央部には、焦点距離可変のズーム光学系として構成された撮影光学系3が配置されている。また、デジタルカメラ1の正面右上部には照明光を照射するためのストロボ発光部4が配置されている。
【0018】
デジタルカメラ1の上面には、撮影動作を指示入力するためのレリーズスイッチである操作ボタン5と、デジタルカメラ1の電源をオン/オフするための電源ボタン6が配置されている。操作ボタン5は、撮影者が右手の人差し指などで押動可能な位置に配置される。
【0019】
デジタルカメラ1の背面右上角部には、撮影光学系3の焦点距離をテレ側とワイド側とへ変更するためのズームボタン9と、左側には撮影した静止画/動画を表示したり、デジタルカメラ1に係わる各種の情報を表示したりするための表示画面10と、その間には、再生モードに切り換えたり、デジタルカメラ1の撮影条件を変更したり、撮影した画像を消去したり、表示画面10の表示内容を変更したりする複数のモードボタン11が配置されている。なお、表示画面10は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示素子10aであり、その表示素子10aをアクリル製部材10bで水密可能に被装されている。
【0020】
さらに、筐体2の内部には図示しない電子基板等が実装されおり、デジタルカメラ1の外面に設けた各種ボタンやダイヤル等と電気的に接続されて、デジタルカメラ1として機能するようになっている。なお、図示しない電子基板には、操作ボタン5の押動操作によって動作するスイッチが配置されている。このスイッチがオンされることで、デジタルカメラ1は所定の撮像処理を行う。
【0021】
次に、本実施例に係るスイッチ構造について、図2および図3に示すデジタルカメラ1の詳細構造の例を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ1を背面右側から見た状態を示す分解斜視図である。図3は、図2において示した矩形領域Aの部分を拡大した拡大分解斜視図である。
【0022】
図2において、デジタルカメラ1のスイッチ構造は、筐体2の上面に形成された収納部21の内部にスイッチが配置されており、この収納部21の上に防水性を備えた弾性部材22と、弾性部材22をネジ24によって固定する金属製の板金部材23と、板金部材23に固定されるモールド部材7と、モールド部材7に挿通される操作ボタン5と、を有してなる。
【0023】
また、デジタルカメラ1は、上記のスイッチ構造を覆う筐体2の上面を保護する外装カバー8を有する。操作ボタン5は、外装カバー8によって抜け落ちが防止されている。すなわち、外装カバー8には、操作ボタン5の外部に露出する天板部分の径より大きく、操作ボタン5の外周に設けられているフランジの径よりも小さい径からなる孔81が形成されており、この孔81から操作ボタン5の天板を露出させて操作可能な態様で固定し、かつ、操作ボタン5が孔81から抜け出てしまうことを防いでいる。
【0024】
図3を用いてさらに説明をする。図3に示すように、収納部21の内部にはスイッチ50が配置されている。また収納部21には全周に渡ってリブ21aが形成されている。弾性部材22は、例えばシリコンゴムを素材とするものであって、リブ21aの外周よりも若干大きな外周寸法を有している。この弾性部材22が収納部21に被せられて固定されることで、スイッチ50への防水を行うことができる。
【0025】
弾性部材22を収納部21のリブ21aの上に乗せ、その上に板金部材23を乗せて、板金部材23をネジ24によって筐体2に固定させると、板金部材23から弾性部材22にかかる圧力によって、弾性部材22はリブ22aの周囲に押し込まれるようになる。これによって、弾性部材22とリブ21aが水密状態になり、スイッチ50への浸水を防ぐことができるようになる。
【0026】
ここで収納部21について説明する。図4に示すように、収納部21の全周にリブ21aが設けられている。前述したように、このリブ21aに弾性部材22を乗せ、その上から板金部材23を被せる。弾性部材22に板金部材23を乗せたときに、筐体2と板金部材23との間に隙間が生じるが、この隙間と、板金部材23が筐体2に固定されたときに弾性部材22が圧縮される量は同値である。
【0027】
図3に戻る。上記のように固定された弾性部材22と板金部材23によって防水構造となったスイッチ50は、操作ボタン5が押し下げられたことによって弾性部材22押し下げられて、押し下げられた弾性部材によってスイッチ50のキートップが押し下げられて操作される。操作ボタン5の底面には、弾性部材22を押し下げて、キートップを操作するためのボス5aが形成されている。このボス5aは、操作ボタン5の押動方向(ストローク方向)に突出するように形成されていて、弾性部材22が有する穴22aに嵌り込むようになっている。
【0028】
ボス5aが弾性部材22に届くように、板金部材23には、孔23aが形成されている。板金部材23は、金属を素材とするものであって、所定の厚さを有するものである。操作ボタン5はプラスチックなどの樹脂製であるから、ボス5aも樹脂を素材とするものである。
【0029】
ここで、ボス5aが上下方向(ストローク方向)に摺動するときに孔23aとボス5aが直接接触すると、ボス5aが孔23aとの摩擦によって消耗してしまう。また、ボス5aの先端は弾性部材22の孔22aに嵌合するが、弾性部材22と板金部材23の厚みによって、操作ボタン5の操作ストロークは長くなり、ボス5aのストローク方向の長さも長くなる。ストロークが長くなると、操作ボタン5に水平方向のふらつきが生じやすくなり、また、操作ボタン5に偏った荷重がかけられると外装カバー8の孔81に、操作ボタン5の天板部分やフランジ部分が引っかかってしまい、操作性が劣化する。
【0030】
このような操作性の劣化を防ぐために、本実施例に係るスイッチ構造は、操作ボタン5のボス5aを支持し、操作ボタン5に偏った荷重がかかっても、操作ボタン5およびボス5aがストローク方向に摺動するようにガイドするためのモールド部材7を有する。
【0031】
モールド部材7は、板金部材23の孔23aに係合して固定される樹脂成型品である。モールド部材7の嵌合は垂直方向(ストローク方向)への挿入と、水平方向への回転によって行う。
【0032】
モールド部材7は、基本形状を円筒形とし、この円筒形上の天面部分にフランジ部が一体に形成されている。モールド部材7の円筒部は、板金部材23の孔23aに嵌め込まれてフランジ部によって板金部材23に固定される。モールド部材7の詳細な説明は後述する。
【0033】
次に、スイッチ構造について、詳細に説明をする。図5は、本実施例に係るスイッチ構造の縦断面図の例である。図5(a)は、収納部21のリブ21aに弾性部材22を乗せた状態を示している。図5(b)は、板金部材23をネジ24によって固定した状態を示している。
【0034】
図5(a)において、弾性部材22は、断面形状が収納部21に合うように形成されており、スイッチ50の真上には、モールド部材7の先端部分が嵌合する穴22aが形成されている。弾性部材22は、リブ21aの上に乗っており、その上に、モールド部材7が固定された板金部材23が乗せられている。板金部材23が図示しないネジ24によって固定される前の状態であるから、板金部材23と筐体2の間には隙間dが形成されている。
【0035】
板金部材23を図示しないネジ24を用いて筐体2に固定すると図5(b)に示す状態になる。すなわち、ネジ24を締めつけると、板金部材23が徐々に押し下げられて、板金部材23が収納部21の周縁部に当接するまで下がり、隙間dがなくなる状態となる。そうすると、図5(b)に示すように、弾性部材21がリブ21aと密着して、水密状態となり、筐体2の外部からスイッチ50への浸水を防ぐことができる状態となる。
【0036】
なお、板金部材23の下降に伴ってモールド部材7も弾性部材22を押し下げて、穴22aに対してより深く嵌合することになる。このとき、モールド部材7は弾性部材22から圧力を受けるが、弾性部材22に比べてモールド部材7は堅い素材でできているため、弾性部材22側(穴22a)は変形するが、モールド部材7側は変形しない。
【0037】
図6は、操作ボタン5をモールド部材7に固定した状態に係る縦断面図である。図6に示すように、操作ボタン5のボス5aは、モールド部材7の円筒部に形成されている孔に挿通されて固定されている。また、操作ボタン5は、抜け防止のために形成されているフランジが外装カバー8に形成されている孔81の周囲に引っかかるようになっている。
【0038】
操作ボタン5が押し下げられると、ボス5aはモールド部材7の円筒内部を下降して、弾性部材22を押し下げる。押し下げされた弾性部材22は、スイッチ50のキートップ50aを押し下げる。これによって、スイッチ50が操作される。ここで、押し下げられた操作ボタン5を復帰させるために、操作ボタン5を上昇させる方向に付勢する必要があるので、操作ボタン5の底面部のボス5aの周囲にバネ5bが配置されている。バネ5bは、操作ボタン5の底面とモールド部材7の天面部との間に配置されているから、操作ボタン5が押し下げられた後、その押し下げ力がなくなると、バネ5bの復元力によって、操作ボタン5を元の位置に戻すことができる。
【0039】
モールド部材7は、樹脂を素材とする一体成型物であるから、操作ボタン5の天面の中心からはずれた箇所に荷重が加えられても、すなわち、ボス5aの真上に当たる箇所から外れている箇所が押下されても、ボス5aはモールド部材7の円筒孔の内部(孔)を滑りながら、キートップ50aに対して垂直に下降する。また、バネ5bによって復帰するときに、操作ボタン5が筐体2に引っかかることもなく、バネ5bの弾力によって復帰する。
【0040】
ボス5aの径は、モールド部材7の円筒部の孔の径よりも小さいが、ほぼ隙間なく挿通可能な寸法を有する。すなわち、モールド部材7にボス5aを嵌めこんだ状態において操作ボタン5は、水平方向のふらつきが生じない。
【0041】
なお、ボス5aの先端部の径は、根本から中段に係る径よりも若干小さくなっている。これによって、キートップ50aを押し下げる力が、弾性部材22によって分散されず、より確実にキートップ50aを押し下げることができ、スイッチ50の操作性を向上させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例に係るスイッチ構造によれば、モールド部材7によって水平方向のふらつきが防止され、かつ、操作ボタン5の操作性が向上する。
【0043】
次に、本実施例に係るスイッチ構造に用いるモールド部材7の形状と、モールド部材7を板金部材23に固定する方法について詳細に説明する。
図7(a)は、モールド部材7の天面側斜視図、図7(b)は、モールド部材7の底面側斜視図、図7(c)はモールド部材の側面図である。
【0044】
図7(a)に示すように、モールド部材7は、基本形状をなす円筒部71と、円筒部71の天面側にフランジ部72を有する一体成型物である。円筒部71の軸方向の長さは、レイアウト上可能な限りの長さを有しており、この円筒部71には、操作ボタン5のボス5aに対して、交差積上げ上最少となる隙間を考慮した、孔71aが形成されている。
【0045】
フランジ部72は、円筒部71の天面部を所定の寸法をもって径方向に広げた形状を有している。フランジ部72の一部には切欠きが形成されている。この切欠きの一部において、円筒部71から外周方向に突出する脚部72aが形成されている。脚部72aの先端には、所定の高さからなるリブ72cが形成されている。
【0046】
また、フランジ部72が切欠かれている箇所の円筒部71の外周面には、リブ73が形成されている。リブ73の詳細については後述する。
【0047】
フランジ部72の底面側は、図7(b)に示すように、複数のリブ72bが形成されている。リブ72bは、フランジ部72の底面から若干突出した寸法をもって形成されており、板金部23に固定されたときに、板金部23に当接する部位となる。
【0048】
円筒部71の外周面に形成されているリブ73は、円筒部71の外周面上を所定に周期的に形成されている。図7において、リブ73は、円筒部71の外周面上の対向する位置に形成されている。
【0049】
図7(c)に示すように、フランジ部72の底面から下方に突出しているリブ72bと、円筒部71の外周面から突出しているリブ73の天面部とは、軸方向において所定の寸法をもって乖離している。この寸法eは、板金部材23の厚さに対して確実に挿入できる寸法となっている。なお、リブ73の天面部のエッジは、後述するように、板金部材23に対して回動して挿入しやすくするため、切削されている。これによって、リブ73の縦方向の断面形状は台形となっている。
【0050】
次に、本実施例に係るスイッチ構造に用いられる板金部材23の形状について詳細に説明する。図8(a)に示すように板金部材23は、収納部21(図2参照)の形状に合致する外形を有してなる金属素材の部材である。板金部材23の所定の位置には、モールド部材7の円筒部71が挿入される孔23aと、後述する方法でモールド部材7を固定するための孔23bが形成されている。
【0051】
図8(b)に示すように、孔23aは、板金部材23の長さ方向に略横長の形状をもって形成されている。また、孔23bは、孔23aから幅方向に若干離れた位置に形成されており、孔23aとは直交する方向に、縦長の外形をもって形成されている。図8(b)に示す領域Bを拡大した図を図8(c)に示す。
【0052】
図8(c)において、孔23aは、モールド部材7の円筒部71が挿入可能な寸法を有する孔231と、円筒部71の外周面に形成されたリブ73が、挿入時に通過可能な程度の隙間を確保するために形成された孔231とを合成した外形を有してなる。
【0053】
次に、前述の形状を有するモールド部材7を、前述の形状の孔を有する板金部材23に嵌合させる方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9(a)は、モールド部材7の組み付け開始状態の例を示す斜視図である。図9(a)に示すように、モールド部材7の円筒部71を、板金部材23の孔231に合わせて、かつ、リブ73の位置を孔232の位置に合わせた状態で、円筒部71を板金部材23の孔23aに押し込む。
【0054】
押し込まれた状態の平面図を図9(b)に示す。図9(b)において、リブ73は孔232を通過することで、フランジ部72の底面が板金部材23の天面に当接する位置まで、押し込められる。脚部72aが伸びている方向と孔23bの長さ方向は直交する位置関係になっている。
【0055】
押し込まれた状態の側面図を図9(c)に示す。図9(c)において、モールド部材7の円筒部71を孔23aに通し、フランジ部72に形成されているリブ72bと、脚部72aに形成されているリブ72cが、板金部材23の天面に当接する状態になると、円筒部71の外周面に形成されているリブ73は、板金部材23の下側にある。このときのリブ73の天面部は、板金部材23の底面側と密接可能な高さ位置にある。
【0056】
次に、モールド部材7を板金部材23に固定するまでの工程について、図10を用いて説明する。図10(a)は、図9(c)に示した状態をフランジ部72の天面側から見た平面図である。図10(b)は、図10(a)に示した状態から、モールド部材7を固定位置に向けて符号Rの方向に回転させた途中状態を天面側から見た平面図である。図10(c)は、図10(b)の途中状態からさらにモールド部材7を回転させて、固定位置に至った状態を天面側から見た平面図である。
【0057】
また図10(d)は、図9(c)に示した状態を板金部材23の底面側から見た平面図である。図10(e)は、図10(d)に示した状態から、モールド部材7を固定位置に向けて回転させた途中状態を板金部材23の底面側から見た平面図である。図10(f)は、図10(d)の途中状態からさらにモールド部材7を回転させて、固定位置に至った状態を板金部材23の底面側から見た平面図である。
【0058】
図10(a)および図10(d)に示すように、まず、円筒部71を孔23aに挿入すると、リブ72bとリブ72cが板金部材23の天面側に当接する。このときリブ73は、孔232を通過して、板金部材23の底面側にある。
【0059】
この状態から円筒部71の中心点を軸にして、符号Rの方向にモールド部材7を回転させる。そうすると、図10(b)および図10(e)に示すように、リブ73が板金部材23の底面側に当接する状態となり、リブ73と板金部材23の天面側に当接しているリブ72bおよびリブ72cによってモールド部材7は板金部材23を挟持する状態となる。すなわち、モールド部材7は、フランジ部72に形成されているリブ72bおよび72cと、円筒部71に形成されているリブ73によって、軸方向が固定される。
【0060】
図10(b)および図10(e)の状態から、さらに符号R方向へと回転させると、図10(c)および図10(f)に示すように、脚部72aが孔23bに嵌合する状態となる。脚部72aに形成されていたリブ72cは、板金部材72の天面側に当接しながら、回転していたので、脚部72bが孔23bの位置にきたとき、フランジ72cが孔23bに対して落ち込む。すなわち、孔23bの内周面にフランジ72cが当たる状態になって、モールド部材7が回転できない状態となる。これによって、モールド部材7が板金部材23に対する水平方向へのふらつきが防止される。
【0061】
このように、モールド部材7は、板金部材23に対して所定の位置における回転動作によって固定することができる形状を有している。これによって、モールド部材7を板金部材23に固定するときに、モールド部材7の円筒部71を変形させることがなく、孔71aをボス5aの径に合わせて、精度よく形成することができるので、操作ボタン5に偏った荷重がかかったときであっても、ボス5aは孔71aをガイドとしてスイッチ50に対してストローク方向に摺動することができる。
【0062】
図11は、モールド部材7が板金部材23に固定された状態を示す斜視図である。図11に示すように、本実施例に係るモールド部材7は、板金部材23に対して、フランジ部72によって水平方向のふらつきが規制され、図示しないリブ73によって垂直方向(ストローク方向)のふらつきが規制されて固定される。
【0063】
このモールド部材7が固定された板金部材23を用いて、図2及び図3に示したように防水性のある弾性部材22を筐体2に固定し、モールド部材7の孔71aに操作ボタン5のボス5aを挿通させ、さらに操作ボタン5を外装部材8によって固定することで、本実施例に係るスイッチ構造が形成される。
【0064】
以上説明をした本実施例に係るスイッチ構造によれば、操作ボタン5のストローク方向の長さが長くなったとしても、モールド部材7が有する孔71aに操作ボタン5のボス5aを精度よく挿通されることで、操作ボタン5のふらつき(がたつき)がなく、かつ、操作ボタン5に対する押下操作も、スイッチ50に精度よく伝わる。よって、操作ボタン5への操作に係る荷重が偏ってかかったとしても、操作性が損なわれず確実なスイッチ操作を実現できる。
【0065】
このように、本発明に係るスイッチ構造によれば、弾性部材を板金によって確実に固定することで防水性能を向上させ、かつ、弾性部材と板金の厚さによって操作ボタンのボスのストローク方向の長さが長くなることによって生じる操作ボタンのふらつきを、板金部材に回転固定させたモールド部材によって防止することができるので、防水性と操作性を両立させることができる。
【符号の説明】
【0066】
5 操作ボタン
7 モールド部材
8 外装カバー
21 収納部
22 弾性部材
23 板金部材
50 スイッチ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平11−224558号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、
操作者により押下操作される操作ボタンと、
を備えた電子機器のスイッチ構造であって、
上記操作ボタンは、上記スイッチ部材のキートップを押すボスを備え、
上記ボスを上記操作ボタンの押下方向に支持する支持部材と、
上記支持部材が取り付けられる板状の取付部材と、
を有してなり、
上記支持部材は、上記ボスが挿入される筒状部を備えていることを特徴とするスイッチ構造。
【請求項2】
上記取付部材と上記スイッチ部材との間に配置された上記スイッチ部材の防水用の防水部材を備え、
上記スイッチ部材は、上記防水部材を介して上記ボスに押される、
請求項1記載のスイッチ構造。
【請求項3】
上記スイッチ部材が収納される収納部を備え、
上記収納部の外周には、上記防水部材が上記取付部材により上記収納部に固定されたときに、上記スイッチ部を水密にするリブが形成されている、
請求項2記載のスイッチ構造。
【請求項4】
上記筒状部の周方向の外側には、第1係子片を備えたフランジと、第2係子片と、が設けられていて、
上記取付部材は、上記筒状部が挿入される孔と、上記第1係子片の受け部と、を備え、
上記支持部材は、上記筒状部が上記孔に挿入された後に、上記取付部材に対して回転されて上記第1係子片が上記受け部に係子され、かつ、上記フランジと上記第2係子片とで挟持されて上記取付部材に取り付けられる、
請求項1または2記載のスイッチ構造。
【請求項5】
上記孔は、上記筒状部と上記第2係子片とが通過する長孔形状であり、
上記受け部は、上記第1係子片が係子する長孔であり、
上記孔の長手方向と、上記長孔の長手方向とは、直交する、
請求項4記載のスイッチ構造。
【請求項6】
電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、
操作者により押下操作される操作ボタンと、
を備えたスイッチ構造を有してなる電子機器であって、
上記スイッチ構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチ構造であることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、
操作者により押下操作される操作ボタンと、
を備えたスイッチ構造を有してなる撮像装置であって、
上記スイッチ構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチ構造であることを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、
操作者により押下操作される操作ボタンと、
を備えた電子機器のスイッチ構造であって、
上記操作ボタンは、上記スイッチ部材のキートップを押すボスを備え、
上記ボスを上記操作ボタンの押下方向に支持する支持部材と、
上記支持部材が取り付けられる板状の取付部材と、
を有してなり、
上記支持部材は、上記ボスが挿入される筒状部を備えていることを特徴とするスイッチ構造。
【請求項2】
上記取付部材と上記スイッチ部材との間に配置された上記スイッチ部材の防水用の防水部材を備え、
上記スイッチ部材は、上記防水部材を介して上記ボスに押される、
請求項1記載のスイッチ構造。
【請求項3】
上記スイッチ部材が収納される収納部を備え、
上記収納部の外周には、上記防水部材が上記取付部材により上記収納部に固定されたときに、上記スイッチ部を水密にするリブが形成されている、
請求項2記載のスイッチ構造。
【請求項4】
上記筒状部の周方向の外側には、第1係子片を備えたフランジと、第2係子片と、が設けられていて、
上記取付部材は、上記筒状部が挿入される孔と、上記第1係子片の受け部と、を備え、
上記支持部材は、上記筒状部が上記孔に挿入された後に、上記取付部材に対して回転されて上記第1係子片が上記受け部に係子され、かつ、上記フランジと上記第2係子片とで挟持されて上記取付部材に取り付けられる、
請求項1または2記載のスイッチ構造。
【請求項5】
上記孔は、上記筒状部と上記第2係子片とが通過する長孔形状であり、
上記受け部は、上記第1係子片が係子する長孔であり、
上記孔の長手方向と、上記長孔の長手方向とは、直交する、
請求項4記載のスイッチ構造。
【請求項6】
電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、
操作者により押下操作される操作ボタンと、
を備えたスイッチ構造を有してなる電子機器であって、
上記スイッチ構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチ構造であることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
電気回路の接点を開閉するスイッチ部材と、
操作者により押下操作される操作ボタンと、
を備えたスイッチ構造を有してなる撮像装置であって、
上記スイッチ構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスイッチ構造であることを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−243523(P2012−243523A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111710(P2011−111710)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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