説明

スイッチ装置

【課題】タッチ操作の検出精度を高めることができるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置3は、上操作ボタン330を備え、上操作ボタン330の上面部334の端部には、上タッチ電極339が上面部334から突出して設けられている。操作者は、上タッチ電極339が上面部334より突出しているので、タッチ操作がし易く、また、確実に手指が上タッチ電極339に接触するので、タッチ操作を検出し易い。また、上面部334の全体に渡って電極を設ける必要がないので、上操作ボタン330の下部からの上LED338による照明が容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、本体と、本体に設けられた基板と、基板上に設けられたプッシュタイプのスイッチと、基板上に設けられた導電性部材からなる受け板と、受け板上に設けられ、導電性部材からなる圧縮ばねと、圧縮ばねが接触し、本体から水平方向に突出した金属板と、金属板上に設けられた可動部と、金属板の下部に設けられ、可動部の垂直下方向の変位に基づいて金属板を介して変位し、スイッチに接触するロッドと、を備えたボタン装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このボタン装置は、可動部に手指が触れることによって手指と金属板における静電容量の変化を利用してタッチ操作を検出し、さらに可動部に対するプッシュ操作によってスイッチを作動させ、プッシュ操作を検出することができる。
【特許文献1】特開2007−73506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のボタン装置によると、金属板に直接触れるわけではないので、静電容量の変化が小さく、タッチ操作を検出できない恐れがあった。
【0005】
従って本発明の目的は、タッチ操作の検出精度を高めることができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記目的を達成するため、タッチ操作に基づく静電容量結合を形成する電極を有する第1のスイッチ部と、前記電極が上面部の端部において前記上面部より突出するように設けられ、プッシュ操作によってプッシュ方向に変位する操作ボタンと、前記操作ボタンの前記プッシュ操作に伴ってオン又はオフされるプッシュスイッチと、を有する第2のスイッチ部と、を備えたことを特徴とするスイッチ装置を提供する。
【0007】
(2)本発明は上記目的を達成するため、前記操作ボタンは、発光源によって下部から照明されることを特徴とする前記(1)に記載のスイッチ装置を提供する。
【0008】
(3)本発明は上記目的を達成するため、筐体に設けられ、第1の回路配線を有する第1の基板と、第1の面、又は前記第1の面に対向する第2の面に第2の回路配線を有する第2の基板と、前記第1の面上に設けられ、前記第2の回路配線と電気的に接続されてタッチ操作に基づく静電容量結合を形成する電極と、を有する第1のスイッチ部と、前記電極が上面部の端部において前記上面部より突出するように設けられ、プッシュ操作によってプッシュ方向に変位する操作ボタンと、前記第2の面に対向する前記第1の基板上に設けられ、前記第1の回路配線と電気的に接続されて前記プッシュ操作に伴ってオン又はオフされるプッシュスイッチと、前記第2の基板の前記第1の面側において前記第2の回路配線と電気的に接続され、前記操作ボタンの下部から前記操作ボタンを照明する発光源と、を有する第2のスイッチ部と、を備えたことを特徴とするスイッチ装置を提供する。
【0009】
(4)本発明は上記目的を達成するため、筐体と、第1の面、又は前記第1の面に対向する第2の面に所定の回路配線を有する基板と、前記第1の面上に設けられ、前記所定の回路配線と電気的に接続されてタッチ操作に基づく静電容量結合を形成する電極と、を有する第1のスイッチ部と、前記電極が上面部の端部において前記上面部より突出するように設けられ、プッシュ操作によってプッシュ方向に変位する操作ボタンと、前記第2の面側に設けられ、前記所定の回路配線と電気的に接続されて前記プッシュ操作に伴って前記基板を介して前記プッシュ操作方向に変位して前記筐体と接触することでオン又はオフされるプッシュスイッチと、前記基板の前記第1の面側において前記所定の回路配線と電気的に接続され、前記操作ボタンの下部から前記操作ボタンを照明する発光源と、を有する第2のスイッチ部と、を備えたことを特徴とするスイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
このような発明によれば、タッチ操作の検出精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明のスイッチ装置の実施の形態を図面を参考にして詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
(車両の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置が搭載された車両内部の概略図である。本発明のスイッチ装置を車両に搭載した場合について説明する。
【0013】
車両1は、図1に示すように、操舵装置の一部であり、左右に回転操作することによって車両1の進行方向を変更することができるステアリング2と、ステアリング2の本体部20の運転者側に設けられたスイッチ装置3と、表示部40を有するカーナビゲーション装置4と、を備えて概略構成されている。
【0014】
ステアリング2は、図示しないステアリングシャフトと接続され、各種スイッチ類が配置された本体部20と、運転者が把握する部分であり、リング形状を有するステアリングホイール21と、を備えて概略構成されている。
【0015】
なお、スイッチ装置3の配置位置は、ステアリング2に限定されず、カーナビゲーション措置4、シフトレバー等の近傍でも良く、効率的、かつ直感的に操作できる位置であれば良い。
【0016】
(入力装置の構成)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置の上面図である。スイッチ装置3は、一例として、全体が円形状を有しており、樹脂によって円柱形状に形成された中心部32と、上ボタン部33と、右ボタン部34と、下ボタン部35と、左ボタン部36と、を備えて概略構成されている。
【0017】
上ボタン部33及び下ボタン部35は、一例として、オーディオ装置の音量の上下やエアーコンディショナーの温度の上下といった設定量を変化させる目的、及びカーナビゲーション装置4によって表示部40に表示された地図の上下方向のスクロールを行う目的等に使用される。
【0018】
右ボタン部34及び左ボタン部36は、一例として、表示部40に表示されるメニューやアイコン等の選択を行う目的、及びカーナビゲーション装置4によって表示部40に表示された地図の左右方向のスクロールを行う目的等に使用される。
【0019】
なお、上記した上ボタン部33、右ボタン部34、下ボタン部35、及び左ボタン部36の用途は、これに限定されず、自由に変更可能である。
【0020】
(上ボタン部の構成)
上ボタン部33は、図2に示すように、上タクトスイッチ337とプッシュ操作に基づくスイッチ(第2のスイッチ部)を構成する上操作ボタン330と、タッチ操作に基づくスイッチ(第1のスイッチ部)である上タッチセンサ部332と、上ライトガイド333と、を備えて概略構成されている。
【0021】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置の図2におけるA−A線断面図である。この断面図は、上ボタン部33の断面を表しているが、右ボタン部34、下ボタン部35及び左ボタン部36は同一の構成及び機能を有している。なお、上ライトガイド333及び下ライトガイド353と右ライトガイド343及び左ライトガイド363は、その形状は異なるが、機能は同一である。
【0022】
スイッチ装置3は、図3に示すように、筐体としてのハウジング30と、ハウジング30の底部に設けられ、図示しない回路配線(第1の回路配線)等を有する基板(第1の基板)31と、を備え、ハウジング30は、ステアリング2の本体部20の凹部22に、ステアリング2の裏側から嵌め込まれて固定されており、基板31のハウジング30に接する面と対向する面上には、上タクトスイッチ(プッシュスイッチ)337が、はんだ又は圧入によって回路配線に電気的に接続されている。
【0023】
上タクトスイッチ337は、本体337aと、本体337aの上部から突出するノブ337bと、を備え、ノブ337bは、本体337a内部の弾性部材によって上方向に弾性力が付加され、ノブ337bが本体337a側に押されたのち、弾性力によって押される前の状態(初期状態)に復帰するよう構成されている。本実施の形態においては、上タクトスイッチ337は、ノブ337bが本体337a側に押された状態をオン状態とし、初期状態をオフ状態とする。
【0024】
上操作ボタン330は、一例として、樹脂によって形成され、図3に示すように、操作し易くするため、上面部334が、操作者の指の形状に合わせてすり鉢状に形成され、上操作ボタン330の内部には、凹部335が形成されている。
【0025】
また上操作ボタン330の下部には、上面側(第1の面)に図示しない回路配線(第2の回路配線)等を有する基板(第2の基板)331を備え、基板331の上面(第1の面)側には、上LED(Light Emitting Diode;発光源)338と、後述する上タッチ電極339とが、はんだ又は圧入によって回路配線に電気的に接続されている。
【0026】
凹部335は、上ライトガイド333と接続されており、凹部335に設けられた上LED338から出射した光が、上ライトガイド333を介して上面部334から出射するように構成されている。
【0027】
操作者は、この上ライトガイド333から出射した光によって、上面部334に形成された上ライトガイド333の形状を認識することができ、この形状を認識することによって上ボタン部33に割り当てられた機能(表示)を容易に認識することができる。なお、上操作ボタン330は、光透過性の樹脂で形成されても良く、そのときは、上ライトガイド333は必要がなく、上面部334に印刷等によって表示をスリットとして形成し、光は、そのスリットから出射されるよう構成されても良い。
【0028】
上操作ボタン330の下部には、棒形状を有する軸棒336が設けられ、図3に示す矢印B方向にプッシュ操作が行われたとき、この軸棒336を支点として上ボタン部33は、微小な回転運動を行う。この回転運動の方向は、プッシュ操作に基づくプッシュ方向とは厳密には異なるが、ほぼ同一と見なせるほどであるので、以下においては、回転運動の方向とプッシュ方向とは、略同一であるとして主にプッシュ方向の語を使用する。
【0029】
またこのプッシュ操作の際、上操作ボタン330、及び基板331を介して上タクトスイッチ337のノブ337bがプッシュ方向に押され、上タクトスイッチ337がオン状態になるように構成されている。
【0030】
上操作ボタン330の側面部には、図3に示す上タッチ電極339が設けられ、この上タッチ電極339は、銀又は銅等の導電性を有する金属、又はこれらの合金であり、側面部に合わせて形成された電極を側面部に貼り付ける方法、又はメッキによって形成する方法等によって形成され、さらに、はんだ又は圧入によって基板331の回路配線に電気的に接続されている。
【0031】
上タッチ電極339は、図3に示すように、上操作ボタン330の上面部334の端部において上面部334よりも突出して形成されている。言い換えるなら、上タッチ電極339は、上操作ボタン330において軸棒336から最も遠い外縁部であり、かつ、上ライトガイド333、又は印刷によって形成された上面部334上の表示を隠さない位置に配置される。
【0032】
これは、操作者の手指が、確実に上タッチ電極339に接触するようにするためであり、操作者の手指が、この上タッチ電極339に直に接触するため、手指と上タッチ電極339との静電容量結合が容易になり、その出力が大きくなることからタッチ操作の検出が容易となる。
【0033】
(右ボタン部の構成)
右ボタン部34は、図2に示すように、上面部344を有する右操作ボタン340と、右タッチセンサ部342と、右ライトガイド343と、右タッチ電極349と、後述する右タクトスイッチと、後述する右LEDと、を備えて概略構成されている。なお、右ボタン部34は、上ボタン部33とライトガイドの形状を除いては、同一の構成を有しているものとする。
【0034】
(下ボタン部の構成)
下ボタン部35は、図2に示すように、上面部354を有する下操作ボタン350と、下タッチセンサ部352と、下ライトガイド353と、下タッチ電極359と、後述する下タクトスイッチと、後述する下LEDと、を備えて概略構成されている。なお、下ボタン部35は、上ボタン部33と同一の構成を有しているものとする。
【0035】
(左ボタン部の構成)
左ボタン部36は、図2に示すように、上面部364を有する左操作ボタン360と、左タッチセンサ部362と、左ライトガイド363と、左タッチ電極369と、後述する左タクトスイッチと、後述する左LEDと、を備えて概略構成されている。なお、左ボタン部36は、上ボタン部33とライトガイドの形状を除いては、同一の構成を有しているものとする。
【0036】
(第1のスイッチ部について)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置に関するブロック図である。第1のスイッチ部としての上タッチセンサ部332は、上タッチ電極339と、静電容量IC(Integrated Circuit)37と、を備えて構成され、右タッチセンサ部342は、右タッチ電極349と、静電容量IC37と、を備えて構成され、下タッチセンサ部352は、下タッチ電極359と、静電容量IC37と、を備えて構成され、左タッチセンサ部362は、左タッチ電極369と、静電容量IC37と、を備えて構成されている。
【0037】
この静電容量IC37は、一例として、高周波信号を出力する発振部や静電容量の変化を増幅するオペアンプ等がIC化されているものであり、図4に示すように、上タッチ電極339、右タッチ電極349、下タッチ電極359及び左タッチ電極369が接続されている。
【0038】
静電容量IC37は、検出されたタッチ操作を示す操作信号を、各タッチセンサ部毎に制御部100に送信するよう構成されている。
【0039】
(第2のスイッチ部について)
上ボタン部33における第2のスイッチ部は、上操作ボタン330と、上タクトスイッチ337と、を備えて概略構成され、上タクトスイッチ337は、制御部100に接続されている。
【0040】
右ボタン部34における第2のスイッチ部は、右操作ボタン340と、右タクトスイッチ347と、を備えて概略構成され、右タクトスイッチ347は、制御部100に接続されている。
【0041】
下ボタン部35における第2のスイッチ部は、下操作ボタン350と、下タクトスイッチ357と、を備えて概略構成され、下タクトスイッチ357は、制御部100に接続されている。
【0042】
左ボタン部36における第2のスイッチ部は、左操作ボタン360と、左タクトスイッチ367と、を備えて概略構成され、左タクトスイッチ367は、制御部100に接続されている。
【0043】
制御部100は、一例として車両1を総合的に制御するECU(Electronic Control Unit)であり、車両1の電源部101と、カーナビゲーション装置4とに接続されている。なお、制御部100を別途設け、制御部100からの操作信号をECUに出力するようにしても良い。例えば、静電容量IC37に制御部100を組み込み、操作信号を静電容量IC37を介してECUに出力するようにしても良く、また、これに限定されない。
【0044】
(動作)
以下に、本実施の形態におけるスイッチ装置の動作を各図を参照して詳細に説明する。
【0045】
操作者は、ステアリング2のステアリングホイール21を把握しながら、表示部40に表示されたメニューに対して所定の操作を行うため、右手親指によってスイッチ装置3の何れかの電極に対してタッチ操作を行う。
【0046】
一例として、上ボタン部33の上タッチ電極339に対してタッチ操作がなされたとき、制御部100は、上タッチ電極339及び静電容量IC37を介して出力される操作信号に基づいて、カーナビゲーション装置4を制御し、表示部40に対応する画像を表示させる。
【0047】
例えば、表示部40に表示される画像が、車両1に搭載されるオーディオ装置の操作に関する画像であり、上ボタン部33及び下ボタン部35に音量を上下する機能が割り当てられているとき、上タッチ電極339にタッチ操作することによって、表示部40に現在の音量を数値と共に示す画像が表示される。
【0048】
操作者は、音量を上げたいとき、上ボタン部33の上操作ボタン330を図3に示す矢印B方向にプッシュ操作を行う。
【0049】
操作者によるプッシュ操作によって、上面部334を介して上操作ボタン330がプッシュ方向に軸棒336を支点として変位する。
【0050】
上タクトスイッチ337は、上操作ボタン330の変位に基づいてノブ337bが本体337a側に押され、オン状態となる。
【0051】
制御部100は、上タクトスイッチ337からの操作信号を受信し、操作信号に基づいてオーディオ装置の音量を上げ、さらに、カーナビゲーション装置4を制御し、表示部40に表示されている音量の数値を上げた画像を表示させる。
【0052】
操作者は、所望の音量となるまで操作を継続し、所望の音量となったところで、操作を終了する。
【0053】
(効果)
以下にスイッチ装置3に関する効果を上ボタン部33を主に例にとって説明する。なお、他の右ボタン部34、下ボタン部35及び左ボタン部36においても同様の効果がある。
【0054】
(1)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上操作ボタン330の上面部334の端部において上面部334より突出して上タッチ電極339が設けられているので、操作者の手指が確実に上タッチ電極339に接触し、正確なタッチ操作の検出を行うことができる。
【0055】
(2)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上操作ボタン330の上面部334の直下にタッチ操作検出用の電極が設けられていないので、上操作ボタン330の下部から上操作ボタン330を照明することができる。
【0056】
(3)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上操作ボタン330を照明することによって、上ボタン部33の下部から照明するので、上ライトガイド333、又はスリットから光が出射し、表示の視認が容易となる。
【0057】
(4)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上LED338を基板331上に設けることができるので、配線によってプッシュ操作が阻害される恐れがない。
【0058】
(5)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上操作ボタン330の上面部334の直下にタッチ操作検出用の電極が設けられていないので、タッチ操作とプッシュ操作を独立して行うことができる。
【0059】
(6)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上操作ボタン330の上面部334の直下にタッチ操作検出用の電極が設けられていないので、上面部334に設けられる表示を自由に形成することができる。
【0060】
(7)上記した第1の実施の形態におけるスイッチ装置3によれば、上面部334が手指の形状に合うようにすり鉢形状を有しているので、操作感が良く、また、確実に操作者の手指が上タッチ電極339に接触するので、タッチ操作の検出精度を向上させることができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るスイッチ装置の断面図である。第1の実施の形態における図2のA−A線断面を表している。以下において第1の実施の形態におけるスイッチ装置3と同一の機能を有する部分には、同一の符号を付し、説明は省略する。また、上ボタン部33について説明するが、他のボタン部も同様の構成及び機能を有するものとする。
【0062】
図5に示すスイッチ装置5は、第1の実施の形態におけるスイッチ装置3に対して、上タクトスイッチ337を上下を逆にし、上LED338が設けられた基板331の上面(第1の面)側と対向する面(第2の面)側にはんだ又は圧入によって基板331の回路配線(所定の回路配線)に電気的に接続されている。
【0063】
この構成によって、スイッチ装置5は、第1の実施の形態におけるスイッチ装置3の基板31を減らすことができる。
【0064】
(動作)
操作者は、音量を上げたいとき、上ボタン部33の上操作ボタン330を図3に示す矢印B方向にプッシュ操作を行う。
【0065】
操作者によるプッシュ操作によって、上面部334を介して上操作ボタン330がプッシュ方向に軸棒336を支点として変位する。
【0066】
上タクトスイッチ337は、上操作ボタン330の変位に基づいて自身もプッシュ方向に変位してノブ337bがハウジング30に接触し、ノブ337bが、プッシュ方向とは反対側である本体337a側に押され、オン状態となる。
【0067】
制御部100は、上タクトスイッチ337からの操作信号を受信し、操作信号に基づいてオーディオ装置の音量を上げ、さらに、カーナビゲーション装置4を制御し、表示部40に表示されている音量の数値を上げた画像を表示させる。
【0068】
操作者は、所望の音量となるまで操作を継続し、所望の音量となったところで、操作を終了する。
【0069】
(効果)
(1)上記した第2の実施の形態におけるスイッチ装置5によれば、上記の効果(1)〜(7)に加え、上タクトスイッチ337を上下逆に設置することによって、第1の実施の形態における基板31が必要なくなり、構成部品の低減によって製造コストを抑制することができる。
【0070】
(他の実施例について)
(1)上記した第1及び第2の実施の形態における中心部32に5番目のスイッチを搭載しても良い。
【0071】
(2)上記した第1及び第2の実施の形態におけるスイッチ装置3、5は、全体が円形状であったが、例えば、矩形状の外周にタッチ電極を備える構成としても良く、異なる形状を組み合わせたものの外周にタッチ電極を備える構成としても良い。
【0072】
(3)上記した第1及び第2の実施の形態におけるスイッチ装置3、5は、ステアリング2に配置されたが、これに限定されず、カーナビゲーション装置4、シフトレバー、及びドア等に配置されても良く、効率的、かつ機能的な位置であれば、自由に配置可能である。
【0073】
(4)上記した第1及び第2の実施の形態におけるスイッチ装置3、5は、カーナビゲーション装置4を例にとったが、車両1に搭載されるエアコン装置等の電子機器の制御に用いられても良い。
【0074】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置が搭載された車両内部の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置の上面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置の図2におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ装置に関するブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るスイッチ装置の断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1…車両、2…ステアリング、3…スイッチ装置、4…カーナビゲーション装置、5…スイッチ装置、20…本体部、21…ステアリングホイール、22…凹部、30…ハウジング、31…基板、32…中心部、33…上ボタン部、34…右ボタン部、35…下ボタン部、36…左ボタン部、37…静電容量IC、40…表示部、100…制御部、101…電源部、330…上操作ボタン、331…基板、332…上タッチセンサ部、333…上ライトガイド、334…上面部、335…凹部、336…軸棒、337…上タクトスイッチ、337a…本体、337b…ノブ、338…上LED、339…上タッチ電極、340…右操作ボタン、342…右タッチセンサ部、343…右ライトガイド、344…上面部、347…右タクトスイッチ、348…右LED、349…右タッチ電極、350…下操作ボタン、352…下タッチセンサ部、353…下ライトガイド、354…上面部、357…下タクトスイッチ、358…下LED、359…下タッチ電極、360…左操作ボタン、362…左タッチセンサ部、363…左ライトガイド、364…上面部、367…左タクトスイッチ、368…左LED、369…左タッチ電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ操作に基づく静電容量結合を形成する電極を有する第1のスイッチ部と、
前記電極が上面部の端部において前記上面部より突出するように設けられ、プッシュ操作によってプッシュ方向に変位する操作ボタンと、前記操作ボタンの前記プッシュ操作に伴ってオン又はオフされるプッシュスイッチと、を有する第2のスイッチ部と、
を備えたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記操作ボタンは、発光源によって下部から照明されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
筐体に設けられ、第1の回路配線を有する第1の基板と、
第1の面、又は前記第1の面に対向する第2の面に第2の回路配線を有する第2の基板と、前記第1の面上に設けられ、前記第2の回路配線と電気的に接続されてタッチ操作に基づく静電容量結合を形成する電極と、を有する第1のスイッチ部と、
前記電極が上面部の端部において前記上面部より突出するように設けられ、プッシュ操作によってプッシュ方向に変位する操作ボタンと、前記第2の面に対向する前記第1の基板上に設けられ、前記第1の回路配線と電気的に接続されて前記プッシュ操作に伴ってオン又はオフされるプッシュスイッチと、前記第2の基板の前記第1の面側において前記第2の回路配線と電気的に接続され、前記操作ボタンの下部から前記操作ボタンを照明する発光源と、を有する第2のスイッチ部と、
を備えたことを特徴とするスイッチ装置
【請求項4】
筐体と、
第1の面、又は前記第1の面に対向する第2の面に所定の回路配線を有する基板と、前記第1の面上に設けられ、前記所定の回路配線と電気的に接続されてタッチ操作に基づく静電容量結合を形成する電極と、を有する第1のスイッチ部と、
前記電極が上面部の端部において前記上面部より突出するように設けられ、プッシュ操作によってプッシュ方向に変位する操作ボタンと、前記第2の面側に設けられ、前記所定の回路配線と電気的に接続されて前記プッシュ操作に伴って前記基板を介して前記プッシュ操作方向に変位して前記筐体と接触することでオン又はオフされるプッシュスイッチと、前記基板の前記第1の面側において前記所定の回路配線と電気的に接続され、前記操作ボタンの下部から前記操作ボタンを照明する発光源と、を有する第2のスイッチ部と、
を備えたことを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−302012(P2009−302012A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158143(P2008−158143)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】