スイッチ
【課題】不要な異常が通知されることを防止することが可能なスイッチを提供する。
【解決手段】リミットスイッチは、外部からの力の荷重に応じて変位する作動体と、作動体の変位量に応じてオン信号およびオフ信号の何れかを出力するON/OFF信号出力部103とを備える。さらに、リミットスイッチは、異常を検出したときに、異常が発生していることを示す異常予知信号を出力する機能を有する第1異常信号制御部121〜第2異常信号制御部124と、第1異常信号制御部121〜第2異常信号制御部124の機能を有効とする有効モード、および、第1異常信号制御部121〜第2異常信号制御部124の機能を無効とする無効モードのいずれかに切り換える第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39とを備える。
【解決手段】リミットスイッチは、外部からの力の荷重に応じて変位する作動体と、作動体の変位量に応じてオン信号およびオフ信号の何れかを出力するON/OFF信号出力部103とを備える。さらに、リミットスイッチは、異常を検出したときに、異常が発生していることを示す異常予知信号を出力する機能を有する第1異常信号制御部121〜第2異常信号制御部124と、第1異常信号制御部121〜第2異常信号制御部124の機能を有効とする有効モード、および、第1異常信号制御部121〜第2異常信号制御部124の機能を無効とする無効モードのいずれかに切り換える第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部からの力の荷重に応じて変位する作動体を備え、当該作動体の位置に応じてオン信号またはオフ信号を出力するスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場の生産ラインにおいて、加工すべき製品等の物体が所定の位置に移送されたことを検出し、加工機械を自動的に起動するのに使用されるリミットスイッチが知られている(非特許文献1参照)。このリミットスイッチは、物体との接触により移動する作動体を備え、作動体の位置に応じて動作する。この作動体は、スイッチの本体に備えられた回転軸に取り付けられることにより、回転軸を基準に回転が可能となる。また、作動体は、物体と接触していない状態の位置が基準位置であり、物体と接触することにより、基準位置から物体の大きさに応じた位置まで回転する。その後、作動体は、物体と離れることにより、基準位置に戻る。
【0003】
このようなリミットスイッチに関して、特許文献1,2には、次のような技術が記載されている。リミットスイッチは、第1のスイッチ部と、第1のスイッチ部よりも復帰が遅い第2のスイッチ部と、時間を測定するタイマとを少なくとも備える。このようなリミットスイッチが、移送されてきた物体と接触すると、第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とがON状態となる。その後、スイッチが物体と接触しなくなり、第1のスイッチ部がOFF状態になったあと、第2のスイッチ部がOFF状態となる。そして、タイマは、第1のスイッチ部がOFF状態になったときから、第2のスイッチ部がOFF状態になったときまでの時間を計測する。これにより、リミットスイッチの復帰時間が計測される。そして、計測された復帰時間がタイムアップ時間よりも長い場合に、何らかの影響で作動体の動作が鈍っており将来異常が生じる可能性があることを示す異常信号が発せられる。
【0004】
このように、リミットスイッチは、作動体の復帰時間がタイムアップ時間よりも長いときに異常信号を出力する機能を備えている。また、この他にも例えば、水の浸入を検知したときに将来異常が生じる可能性があることを示す異常予知信号を出力する機能を備えている。リミットスイッチは、複数の異常のうち少なくとも1つを検知すると、外部の装置に異常信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−281513号公報(1990年11月10日公開)
【特許文献2】特開昭64−043934号公報(1989年2月16日公開)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】オムロン株式会社、「リミットスイッチ テクニカルガイド」、[online]、[平成 22年 11月 19日検索]、インターネット〈 URL:http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/limitswitch_apparatus_tg_j_3_1_1-5.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、リミットスイッチを使用するユーザのなかには、必要な異常信号だけを通知したいと考えるユーザもいる。具体的には、作動体の復帰時間の長期化に関する異常は通知せず、浸水による異常は通知してほしいと考えるユーザ、またはその逆を考えるユーザがいる。例えば、リミットスイッチを水中で使用するわけではないが、温度変化が大きく結露の発生しやすい場所に設置する場合、水の浸入による異常が発生する可能性がないものの、結露によって浸水による異常が頻繁に発生することが考えら得る。このような場合、浸水による異常の通知が頻繁に発せられ、ユーザがその都度、不要な確認をしなければならないという問題がある。また、物体の移動速度を頻繁に変更するような製造ラインにリミットスイッチを設置する場合、復帰時間も頻繁に変化することとなる。このような場合に、意図的に復帰時間が遅くなるような製造ラインに変更しているのに、復帰時間の長期化に関する異常が発せられ、ユーザがその都度、不要な確認をしなければならないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、不要な異常が通知されることを防止することが可能なスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のスイッチは、外部からの力の荷重に応じて変位する作動体と、上記作動体の変位量に応じてオン信号およびオフ信号の何れかを出力するオン/オフ信号出力部とを備え、前記オン/オフ信号出力部がハウジング内部に配置されるスイッチであって、異常を検出したときに、異常が発生していることを示す異常信号を出力する機能を有する異常信号出力部と、上記異常信号出力部の機能を有効とする有効モード、および、上記異常信号出力部の機能を無効とする無効モードのいずれかに切り換える切換部とを備える。
【0010】
上記の構成によれば、ユーザは、異常信号の出力が必要な場合には、切換部を有効モードにするように操作し、異常信号の出力が不要な場合には、切換部を無効モードにするように操作する。これにより、ユーザは、簡単な操作だけで、不要な異常が通知されることを防止することができる。
【0011】
また、本発明のスイッチにおいて、上記異常信号出力部は、複数種類の異常を検出し、上記異常信号出力部は、上記複数種類の異常の何れかを検出したときに、検出された種類の異常が発生していることを示す異常信号を出力し、上記切換部は、上記複数種類の異常の各々について、有効モードおよび無効モードのいずれかに切り換えることが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、複数の異常の各々について、異常信号を出力する機能を有効および無効の何れかに設定することができる。そのため、異常信号の出力が不要な種類の異常については無効に、異常信号の出力が必要な種類の異常については有効に適宜設定することができる。
【0013】
なお、異常の内容としては、例えば、以下のようなものがある。
まず、本発明のスイッチにおいて、上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、上記異常信号出力部は、上記第1変位量よりも大きい所定の第2変位量よりも、上記位置検出部により検出された変位量が大きくなった場合に、変位量が大きくなってきていることを示す異常を検出してもよい。
【0014】
また、本発明のスイッチにおいて、上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、上記異常信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量の最大量が、上記第1変位量よりも大きく、かつ、所定の第3変位量よりも小さい場合に、変位量が小さくなってきていることを示す異常を検出してもよい。
【0015】
また、本発明のスイッチにおいて、上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、上記異常信号出力部は、外部からの力の荷重によって上記作動体が変位した後、外部からの力の荷重がなくなり上記作動体が上記基準位置に復帰する際の上記作動体の復帰速度が所定の基準速度よりも小さい場合に、復帰速度が低下していることを示す異常を検出してもよい。
【0016】
また、本発明のスイッチにおいて、上記異常信号出力部は、上記ハウジング内部に水が侵入したことを示す異常を検出してもよい。
【0017】
また、本発明のスイッチは、上記異常信号出力部が異常を検出する際の条件を設定する設定処理部と、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合、上記設定処理部による設定を促す通知を出力する通知処理部とを備えていてもよい。
【0018】
異常信号の出力頻度が所定頻度よりも高い場合、異常信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。しかしながら、上記の構成によれば、設定処理部による設定を促す通知を行うことにより、異常が検出される際の条件が適切に変更され、不要な異常信号を減らすことができる。
【0019】
また、本発明のスイッチは、上記切換部は、上記有効モードおよび無効モードの他に、上記異常信号出力部の機能の有効および無効を自動的に切り換える自動モードにも切り換え可能であり、自動モードに設定されているとき、上記切換部は、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合に上記異常信号出力部の機能を無効とし、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度未満である場合に上記異常信号出力部の機能を有効とすることが好ましい。
【0020】
異常信号の出力頻度が所定頻度よりも高い場合、異常信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。しかしながら、上記の構成によれば、異常信号の出力頻度が所定頻度よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えることにより、不要な異常信号を確認する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、不要な異常が通知されることを防止することが可能なスイッチを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態におけるリミットスイッチを示す斜視図である。
【図2】スイッチモジュールを示す正面図である。
【図3】スイッチモジュールを分解したときの斜視図である。
【図4】プランジャの前面を示す図である。
【図5】プランジャの前面側からみた斜視図である。
【図6】プランジャの背面を示す図である。
【図7】プランジャの背面側からみた斜視図である。
【図8】プランジャの横断面を示す図である。
【図9】フォトインタラプタ部を基板とともに示す斜視図である。
【図10】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第1の図である。
【図11】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第2の図である。
【図12】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第3の図である。
【図13】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第4図である。
【図14】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第5の図である。
【図15】作動体の角度と受光素子の出力電圧との関係を示した図である。
【図16】スイッチモジュールの構成を示すブロック図である。
【図17】抽出用テーブルの一例を示す図である。
【図18】作動体の角度と作動体の動作状態との関係を示す図である。
【図19】受光素子から出力される電圧値と、設定処理部により設定される閾値と、各判定部から出力される信号との関係を示す図である。
【図20】第1パターン〜第4パターンの点滅の一例を示す図である。
【図21】変形例1におけるスイッチモジュールの正面図を示す図である。
【図22】変形例1におけるスイッチモジュールの構成を示すブロック図である。
【図23】変形例2におけるスイッチモジュールの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
<リミットスイッチの全体構成>
図1は、本実施の形態におけるリミットスイッチを示す斜視図である。リミットスイッチは、物体の位置、変化、移動または通過等を検出し、検出の有無に応じて、操作対象となる外部装置に対してON(オン)信号/OFF(オフ)信号を出力するためのスイッチである。また、本実施の形態におけるリミットスイッチは、機械的強度や耐環境性を要求される場所に適用されることを考慮して、外力、水、油、ガス、塵埃などから保護される構成を有していることが好ましい。
【0025】
図1に示されるように、リミットスイッチ1は、ケーシング(ハウジング)3と、装着ブロック5と、作動体7とを備える。
【0026】
ケーシング3は、その内部空間にスイッチモジュール11が配置され、当該スイッチモジュール11を外力、水、油、ガス、塵埃などから保護するためのものである。ケーシング3は、その内部空間にスイッチモジュール11を組み込むための開口を有するケーシング本体3aと、当該開口を閉じるための蓋部3bとからなる。
【0027】
装着ブロック5は、ケーシング3の上部に取り付けられている。また、装着ブロック5には、作動体7がネジ9により回転可能に取り付けられる。
【0028】
作動体7は、装着ブロック5から突出しており、物体との接触により外部から力が加えられると回転するものである。この作動体7の回転角度に応じて、操作対象となる外部装置に対してON(オン)信号/OFF(オフ)信号が出力される。ここで、外部から力が加えられておらず停止しているときの作動体7の位置を基準位置とする。ここでは、作動体7の基準位置を、時計の0時の方向を向く位置としている。図1において、作動体7は、左方向から力が加えられると、ネジ9を基準に時計周りに回転し、その後、力が取り除かれると基準位置に戻る。一方、作動体7は、右方向から力が加えられると、ネジ9を基準に反時計周りに回転し、その後、力が取り除かれると基準位置に戻る。ここで、作動体7が回転可能な角度は、基準位置から所定角度(以下、限界値という)までの範囲(例えば、0度〜±50度)に設定されている。なお、以下では、作動体の位置を基準位置からの角度で示す。基準位置から時計回りの方向を正の方向とし、基準位置から反時計回りの方向を負の方向とする。以下では、作動体7が正の方向に回転する場合を例に説明する。
【0029】
なお、ケーシング本体3a、蓋部3b、装着ブロック5、および作動体7との接続箇所にはシール部材が配置されており、水、油、ガスなどの侵入を防止している。
【0030】
本実施形態では、リミットスイッチ1は、将来に故障が発生する可能性のある異常を検知し、当該異常の種類ごとに異なる異常予知信号を出力する機能を有している。これにより、ユーザは、リミットスイッチ1から出力された異常予知信号を確認することで、どのような種類の異常が発生しているかを認識し、適切な対応を早めに取ることができる。
【0031】
ここで、リミットスイッチ1が検知する異常について説明する。
上述したように、リミットスイッチ1は、物体との接触によって作動体7が回転し、その基準位置からの角度(変位量)に応じて、リミットスイッチ1による操作対象となる外部装置に対してON信号を出力する。ただし、作動体7に常に同じ状態で物体が接触するとは限らない。重量、大きさ、移動経路などは物体によってわずかに変化する可能性がある。このような変化があったとしてもリミットスイッチ1が正常に動作することが望まれる。
【0032】
一方、リミットスイッチ1を長期間使用する場合、振動等の何らかの原因によって、リミットスイッチ1と物体の移動経路との相対位置関係が徐々に変化する可能性がある。このような長期間に亘る変化によって、物体が作動体7に接触した際の作動体7の角度が徐々に大きくなる、もしくは徐々に小さくなることが考えられる。
【0033】
物体が作動体7に接触した際の作動体7の角度が長期間に亘って徐々に大きくなる場合、作動体7の角度の限界値を超えるような力が作動体7に加わり、機械的な故障が生じるおそれがある。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、作動体7の角度(変位量)が大きくなってきている異常(角度超過異常)を検知し、異常予知信号として角度超過信号を出力する機能を有している。
【0034】
また、物体が作動体7に接触した際の作動体7の角度が長期間に亘って徐々に小さくなる場合、正常にON信号を出力しなくなるというおそれがある。生産ラインを稼動中にこのような故障や異常が発生すると、生産ライン全体を停止しなければならない。そのため、このような故障や異常が発生する前に、将来故障や異常が発生する可能性があることを予知できることが望まれる。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、作動体7の角度(変位量)が小さくなってきている異常(角度不足異常)を検知し、異常予知信号として角度不足信号を出力する機能を有している。
【0035】
さらに、長期間使用する場合、何らかの影響により作動体7とその回転軸との摩擦力が徐々に大きくなる可能性がある。この場合、物体が作動体7から離れた直後の作動体7の基準位置への復帰速度が徐々に遅くなっていく。復帰速度が遅くなると、次の物体を正常に検知できないおそれがある。ここで、次の物体を正常に検知できなくなる復帰速度を所定限界速度とする。このとき、復帰速度が所定限界速度以下になる前に、復帰速度が遅くなり始めていることを予知できることが望まれる。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、復帰速度が遅くなってきている異常(復帰速度低下異常)を検知し、異常予知信号として復帰速度低下信号を出力する機能を有している。
【0036】
さらに、ケーシング3の内部に水が侵入すると、故障が生じる可能性がある。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、水の侵入による異常(シール異常)を検知し、異常予知信号としてシール不良信号を出力する機能を有している。
【0037】
このように、リミットスイッチ1は、角度超過異常、角度不足異常、復帰速度低下異常およびシール異常の4種類の異常を検知し、対応する異常予知信号を出力する機能を有している。
【0038】
<スイッチモジュールの構成>
リミットスイッチ1は、ケーシング3の内部空間にスイッチモジュール11を含む。スイッチモジュール11は、それと接続された外部の機器に各種の信号を出力する。
【0039】
図2は、スイッチモジュールの外観を示す正面図である。図2に示されるように、スイッチモジュール11は、スイッチ部35と、点灯部20と、端子31〜34とを備える。
【0040】
端子31,32は、電力を供給する装置と接続するための端子である。端子33,34は、生産ラインの作業に用いられる機器と接続される端子である。端子33,34から外部の機器に各種の信号が出力される。
【0041】
点灯部20は、第1点灯部21と、第2点灯部23と、第3点灯部25とを含む。第1点灯部21、第2点灯部23および第3点灯部25は、LED点灯回路と、LED点灯回路が発した光をスイッチモジュール11の表面に導くための導光棒とからなる。第2点灯部23は、スイッチモジュール11が電力供給装置から電力が供給されることにより発光し、具体的には、電源ランプである。
【0042】
スイッチ部(切換部)35は、第1切換スイッチ(切換部)36と、第2切換スイッチ(切換部)37と、第3切換スイッチ(切換部)38と、第4切換スイッチ(切換部)39とを含む。ここで、第1切換スイッチ36〜39は、対象となる種類の異常について異常予知信号を出力する機能を、有効モードまたは無効モードのいずれかに切り換え可能なスイッチである。ユーザが有効モードに切り換えると、異常予知信号を出力する機能が有効となり、無効モードに切り換えると、異常予知信号を出力する機能が無効となる。なお、第1切換スイッチ36は角度超過異常を、第2切換スイッチ37は角度不足異常を、第3切換スイッチ38は復帰速度低下異常を、第4切換スイッチ39はシール異常を対象としている。
【0043】
図3は、スイッチモジュールを分解したときの斜視図である。図3に示されるように、スイッチモジュール11は、端子31〜34および点灯部20の他に、スイッチモジュール11の全体を制御するマイクロコンピュータ100と、光センサとしてのフォトインタラプタ部41と、コイルばね42と、プランジャ43と、シート46と、電極45,47とを備える。
【0044】
シート46は、絶縁物質により構成されたシートであり、電極45と電極47の間に配置される。このため、電極45と電極47とは、非接触の状態となり、電極45と電極47との間の電気抵抗が高くなる。ただし、シート46は、電極45および電極47よりも平面積が小さい。従って、電極45と電極47との間のシート46が存在しない隙間に水が浸入した場合、電極45と電極47との間の電気抵抗が低くなる。そのため、電極45と電極47との間の電気抵抗値を確認することで、水の浸入の有無を推測することができる。
【0045】
プランジャ43は、横幅と縦幅とが異なる棒状の部品である。プランジャ43は、作動体7が回転すると、その動きに連動して、プランジャ43の長手方向に平行に移動可能である。すなわち、プランジャ43は、外部からの力の荷重に応じて変位する変位部材である。なお、プランジャ43が作動体7の動きに連動する機構としては、様々な公知技術を用いることができる。ここでは、特許文献1に記載されているように、作動体7の回転軸の一部が偏平形状になっており、当該偏平形状の部分とプランジャ43の長手方向の一端とが接触するように構成されている。ここで、作動体7が基準位置にあり(つまり、作動体7が物体に接触しておらず回転していない状態)、偏平形状の部分とプランジャ43とが接触しているときの、プランジャ43の位置を定位置とする。この場合、作動体7の回転によって偏平形状の部分も回転し、プランジャ43に対して、プランジャ43の長手方向に力を加えることができる。その結果、プランジャ43は、定位置から、その長手方向に沿って変位する。また、プランジャ43には、コイルばね42により、定位置に戻すための付勢力が加わっている。そのため、作動体7が基準位置に戻ると、コイルばね42の付勢力により、プランジャ43も基準位置に戻る。
【0046】
ここで、プランジャ43の具体的な形状について説明する。図4は、プランジャの前面を示す図である。図5は、プランジャの前面側からみた斜視図である。図6は、プランジャの背面を示す図である。図7は、プランジャの背面側からみた斜視図である。図8は、プランジャの横断面を示す図である。図4〜8に示されるように、プランジャ43は、本体部70と、突起部76とを有する。突起部76は、本体部70と結合しており、本体部70よりも細い。突起部76は、コイルばね42の内部に挿入される。
【0047】
本体部70は、スリット(開口部)71〜74を有する。ここで、スリット71〜74それぞれの形状は同じであるので、スリット71について説明する。スリット71は、プランジャ43の前面と背面との間において開口の大きさが異なる。具体的には、スリット71の開口の横断面の形状は、図8に示すような破線で囲まれた斜線の領域以外で示された領域の形状である。そして、プランジャ43の前面におけるスリット71の開口の大きさは、プランジャ43の背面におけるスリット71の開口の大きさよりも大きく設定されている。
【0048】
フォトインタラプタ部41は、プランジャ43の位置に応じて変化する光の量に基づいて電圧を計測し、計測した電圧をマイクロコンピュータ100に出力する。フォトインタラプタ部41は、複数の発光素子と、複数の受光素子とを有する。受光素子は、例えば、シングルフォトトランジスタ、フォトICまたはフォトダイオードであり、受光面において受けた光の量に応じた電圧に変換する。発光素子は、例えば発光ダイオードであり、発光面から直線性の高い光を発する。複数の受光素子と複数の発光素子との間にはプランジャ43が配置され、プランジャ43は、それらの間で作動体7の動きに連動して移動する。このため、発光素子が発する光は、プランジャ43のスリットを通過したり、スリット以外の領域に遮断されたりする。したがって、複数の受光素子のそれぞれが受ける光は、複数の発光素子のそれぞれが発する光のうちプランジャ43のスリットを通過した光である。
【0049】
図9は、フォトインタラプタ部を基板とともに示す斜視図である。図9に示されるように、フォトインタラプタ部41は、同形同大の発光素子51〜54と、発光素子51〜54と同形同大の受光素子61〜64とを含む。なお、ここでは、発光素子51〜54および受光素子61〜64を同じ形状、同じ大きさとしているが、形状および大きさはすべて同じでなくてもよい。
【0050】
発光素子51〜54および受光素子61〜64は、プランジャ43の長手方向に沿って、同一直線上に配置される。そして、発光素子51の発光面と受光素子61の受光面が対面する。同様に、発光素子52の発光面と受光素子62の受光面が対面し、発光素子53の発光面と受光素子63の受光面が対面し、発光素子54の発光面と受光素子64の受光面が対面する。したがって、受光素子61〜64は、発光素子51〜54が発する光を一対一の関係で受光することが可能である。すなわち、発光素子51と受光素子61とで、発光素子51と受光素子61との間の物体の存在の有無を検知する一つのフォトインタラプタ(光検出部)が構成される。同様に、発行素子52と受光素子62との組み合わせ、発光素子53と受光素子63との組み合わせ、発光素子54と受光素子64との組み合わせの各々が一つのフォトインタラプタ(光検出部)となる。
【0051】
また、発光素子51〜54と受光素子61〜64とは、プランジャ43の短手方向の幅の距離、もしくは、当該幅よりもわずかに大きい距離だけ離れて配置されている。このため、発光素子51〜54と受光素子61〜64との間にプランジャ43を配置することが可能である。この配置により、プランジャ43は、作動体7の動きに連動して、発光素子51〜54および受光素子61〜64それぞれが向き合う方向に垂直な方向に平行移動することとなる。
【0052】
<フォトインタラプタとプランジャの位置関係>
図10〜14は、複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す図である。なお、図10は作動体7が基準位置に位置しているときの図であり、図11は作動体7が15度の位置(つまり、基準位置から15度回転した位置)に位置するときの図であり、図12は作動体7が22.5度の位置に位置するときの図であり、図13は作動体7が30度の位置に位置するときの図であり、図14は作動体7が42.5度の位置に位置するときの図である。ここで、発光素子51〜54および受光素子61〜64が配置される位置は、図9に示したとおりである。
【0053】
図10〜14に示されるように、スイッチモジュール11は、仕切り板81を備える。仕切り板81は、発光素子51〜54と、受光素子61〜64と、プランジャ43とを仕切るための板である。具体的には、仕切り板81は、発光素子51〜54とプランジャ43とを仕切るための第1の仕切り板81aと、受光素子61〜64とプランジャ43とを仕切るための第2の仕切り板81bと、第1の仕切り板81aと第2の仕切り板81bとの間に位置する第3の仕切り板81cとを備える。プランジャ43は、第1の仕切り板81aと第2の仕切り板81bとの間に配置される。ここでは、プランジャ43の背面を第2の仕切り板81bと隣接させ、プランジャ43の前面を第1の仕切り板81aと隣接させている。つまり、プランジャ43の前面と発光素子51〜54とが対面し、プランジャ43の背面と受光素子61〜64とが対面する。なお、図4に示したように、プランジャ43の本体部70のうちスリット71〜74以外の部分を斜線で示している。この斜線の部分を、以下では光遮断領域とする。
【0054】
また、第1の仕切り板81aは、発光素子51〜54それぞれを仕切り、第2の仕切り板81bは、受光素子61〜64それぞれを仕切る。第1の仕切り板81aは、発光素子51〜54それぞれが配置される位置に対応して複数の開口を有する。具体的には、第1の仕切り板81aが有する複数の開口それぞれは、発光素子51〜54それぞれが発する光が通過可能な位置に位置する。第2の仕切り板81bは、受光素子61〜64それぞれが配置される位置に対応して複数の開口を有する。具体的には、第2の仕切り板81bが有する複数の開口それぞれは、受光素子61〜64それぞれが発光素子51〜54からの光を受けることが可能な位置に位置する。そのため、第1の仕切り板81aに形成された開口のそれぞれと、当該開口に対応する、第2の仕切り板81bに形成された開口とを直線的につなぐ領域が、発光素子から発せられた光の通過する領域(光路領域)となる。
【0055】
さらに、第3の仕切り板81cは、プランジャ43の突起部76のみが挿通するための孔を有している。そのため、突起部76が内部に挿入されたコイルばね42は、第3の仕切り板81cと本体部70との間に存在する。作動体7の動きに応じてプランジャ43が第3の仕切り板81cの方向に平行移動すると、コイルばね42は、プランジャ43の本体部70と第3の仕切り板81cとの間に縮み、プランジャ43を基準位置に戻す力をプランジャ43に与える。
【0056】
上述したように、プランジャ43は、作動体7の動きに連動して、その長手方向に移動する。この移動の途中において、スリット71が、発光素子51に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット71が形成されている。同様に、スリット72が、発光素子52に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット72が形成されている。また、スリット73が、発光素子53に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット73が形成されている。さらに、スリット74が、発光素子54に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子64に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット74が形成されている。このように、スリット71〜74のそれぞれは、発光素子51〜54および受光素子61〜64のそれぞれに対応している。
【0057】
ただし、スリット71〜74の背面側の開口のそれぞれと当該スリットに対応する第2の仕切り板81bの開口との距離は、スリット71〜74ごとに異なる。具体的には、図10に示されるように、作動体7が基準位置にあるとき(すなわち、プランジャ43が基準位置にあるとき)、スリット71の背面側の開口とスリット71に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離A、スリット72の背面側の開口とスリット72に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離B、スリット73の背面側の開口とスリット73に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離C、スリット74の背面側の開口とスリット74に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離Dは、この順に大きくなるように、各スリット71〜74の位置が設定されている。
【0058】
ここで、スリット71〜74を通過した光を受光素子61〜64が検出するときのプランジャ43の位置のうち、定位置からの変位量が最小となる位置を光検出開始位置とする。この場合、上記の距離A〜Dは、定位置から光検出開始位置までの距離を示すこととなる。
【0059】
このようなプランジャ43が作動体7の動きに連動して平行移動すると、その位置に応じて発光素子51〜54が発する光を遮断または通過させることとなる。具体的には、プランジャ43の位置の変化により、第2の仕切り板81bが有する開口とプランジャ43の光遮断領域とが重なるとき、プランジャ43は、当該開口に対応する受光素子への光を遮断する。また、プランジャ43は、第2の仕切り板81bが有する開口とプランジャ43のスリットの少なくとも一部とが重なるとき、プランジャ43は、当該開口に対応する受光素子へ光を通過させる。言い換えると、発光素子51〜54から受光素子61〜64までの光路とスリット71〜74の少なくとも一部とが重なるときに、光が通過される。この際に受光素子に入射する光の量は、第2の仕切り板81bが有する当該開口とスリットの開口とが重なりあう領域の大きさに比例する。
【0060】
プランジャ43が発光素子51〜54それぞれが発する光のうちいずれを遮断するかは、プランジャ43の位置、つまり、作動体7における基準位置からの角度と対応している。以下、図10〜14を参照して、作動体7の基準位置からの角度が変化するにつれ、各受光素子61〜64への光の入射の有無、および、入射する光の量がどのように変化するかについて説明する。
【0061】
図10に示されるように、プランジャ43は、作動体7が0度(基準位置)に位置するとき、発光素子51〜54が発する光のすべてを遮断する。具体的には、第2の仕切り板において受光素子61〜64が配置された位置に対応する全ての開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆う。このため、発光素子51〜54それぞれが発する光がプランジャ43に遮断され、受光素子61〜64まで到達しない。
【0062】
図10に示す状態から作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていく。このとき、上述したように、スリット71の背面側の開口とスリット71に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離Aが他の距離B〜Dよりも短いため、スリット71の背面側の開口と受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口とだけが重なり始める。その後、作動体7の角度が大きくなるにつれ、プランジャ43の移動量が大きくなると、スリット71の背面側の開口と受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口との重なり領域が大きくなるとともに、スリット72の背面側の開口と受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口とが重なり始める。
【0063】
図11に示されるように、作動体7が15度の位置に位置するとき、スリット71の背面側の開口が受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子51が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子61が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)の全てにおいて、スリット71の開口が位置する。また、スリット72の背面側の開口が受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口の一部と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子52が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子62が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)に、スリット72の開口の一部のみが位置する。そのため、受光素子61の受光量は最大値となり、受光素子62は、発光素子52から発光された光の一部のみを受光する。また、この段階では、まだ受光素子53,54が配置された位置に対応する第2の仕切り板81bの開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆っている。そのため、受光素子53,54には光が到達しない。
【0064】
図11に示す状態からさらに作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていく。このとき、作動体7の角度が大きくなるにつれ、プランジャ43の移動量が大きくなると、スリット72の背面側の開口と受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口との重なり領域が大きくなるとともに、スリット73の背面側の開口と受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口とが重なり始める。
【0065】
図12に示されるように、作動体7が22.5度の位置に位置するとき、スリット71,72の背面側の開口のそれぞれが受光素子61,62に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子51が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子61が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)の全てにおいて、スリット71の開口が位置する。同様に、第1の仕切り板81aにおいて発光素子52が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子62が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)の全てにおいて、スリット72の開口が位置する。また、スリット73の背面側の開口が受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口の一部と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子53が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子63が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)に、スリット73の開口の一部のみが位置する。そのため、受光素子61,62の受光量は最大値となり、受光素子63は、発光素子53から発光された光の一部のみを受光する。なお、この段階では、まだ受光素子54が配置された位置に対応する第2の仕切り板81bの開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆っている。そのため、受光素子64には光が到達しない。
【0066】
図12に示す状態からさらに作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていくと、スリット73の背面側の開口と受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口との重なり領域が大きくなる。
【0067】
図13に示されるように、作動体7が30度の位置に位置するとき、スリット71,72,73の背面側の開口のそれぞれが受光素子61,62,63に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。そのため、受光素子61,62,63の受光量は最大値となる。なお、この段階では、まだ受光素子54が配置された位置に対応する第2の仕切り板81bの開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆っている。そのため、受光素子64には光が到達しない。
【0068】
図13に示す状態からさらに作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていくと、スリット73の背面側の開口と受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口とだけが重なり始める。
【0069】
図14に示されるように、作動体7が42.5度の位置に位置するとき、スリット71〜74の背面側の開口のそれぞれが受光素子61〜64に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。そのため、受光素子61〜64の受光量は最大値となる。
【0070】
図15は、作動体の角度と受光素子の出力電圧との関係を示した図である。図15に示されるように、受光素子61〜64それぞれが発光素子51〜54それぞれから光を受けることにより出力する電圧と作動体7の位置との関係を4つの折れ線91〜94によって示している。折れ線91は、受光素子61に対応し、折れ線92は、受光素子62に対応し、折れ線93は、受光素子63に対応し、折れ線94は、受光素子64に対応する。
【0071】
作動体7の角度が0度以上5度未満のとき、発光素子51〜54それぞれが発する光を遮断し、作動体7の角度が12.5度以上20度未満のとき、発光素子51,52それぞれが発する光の少なくとも一部を通過させ、発光素子53〜55それぞれが発する光を遮断し、作動体7の角度が20度以上32.5度未満のとき、発光素子51〜53それぞれが発する光の少なくとも一部を通過させ、発光素子54,55それぞれが発する光を遮断し、作動体7の角度が32.5度以上50度未満のとき、発光素子51〜54それぞれが発する光の少なくとも一部を通過させる。また、角度が5〜15度において、受光素子61からの出力電圧は、角度に比例して連続的に大きくなっている。これは、受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口とスリット71との重なり合う領域の大きさが角度の増大に応じて増えるからである。同様に、角度が12.5〜22.5度において受光素子62からの出力電圧が、角度が20〜30度において受光素子63からの出力電圧が、角度が32.5〜42.5度において受光素子64からの出力電圧が、角度に比例して連続的に大きくなっている。
【0072】
このように、作動体7の角度が大きくなることに応じて、プランジャ43を通過する光が多くなる。逆に、作動体7の角度が小さくなることに応じて、プランジャ43を通過する光が少なくなる。このように、作動体7の基準位置からの回転角度に応じてプランジャ43の位置が変わり、プランジャ43の位置に応じて、受光素子61〜64の各々が受光する光の量が異なることとなる。また、受光素子61〜64の各々に対して、入射される光の量が最大となるプランジャ43の位置のうち、基準位置からの変位量が最小となるプランジャ43の位置を光量最大位置とするとき、受光素子61〜64ごとに光量最大位置が異なる。なお、受光素子61の光量最大位置は、作動体7が15度のときのプランジャ43の位置であり、受光素子62の光量最大位置は、作動体7が22.5度のときのプランジャ43の位置であり、受光素子63の光量最大位置は、作動体7が30度のときのプランジャ43の位置であり、受光素子64の光量最大位置は、作動体7が42.5度のときのプランジャ43の位置である。
【0073】
また、図15は、受光素子61〜64が光を検出し始めるときのプランジャ43の位置(光検出開始位置)が、受光素子61〜64ごとに異なっていることも示している。具体的には、受光素子61に対応する光検出開始位置は、作動体7が5度の位置にあるときのプランジャ43の位置であり、受光素子62に対応する光検出開始位置は、作動体7が12.5度の位置にあるときのプランジャ43の位置であり、受光素子63に対応する光検出開始位置は、作動体7が20度の位置にあるときのプランジャ43の位置であり、受光素子64に対応する光検出開始位置は、作動体7が32.5度の位置にあるときのプランジャ43の位置である。
【0074】
このように、光量最大位置、または、光検出開始位置が、受光素子61〜64ごとに異なるため、受光素子61〜64が光を検出する際のプランジャ43の位置範囲も異なることとなる。
【0075】
なお、上記の説明では、プランジャ43の前面を発光素子51〜54と対向させ、プランジャ43の背面を受光素子61〜64と対向させるものとした。しかしながら、逆に、プランジャ43の背面を発光素子51〜54と対向させ、プランジャ43の前面を受光素子61〜64と対向させてもよい。この場合であっても、作動体の角度と受光素子の出力電圧との関係は図15と同じである。
【0076】
<マイクロコンピュータとその周辺構成との関係>
図16は、スイッチモジュールの構成を示すブロック図である。図16に示されるように、スイッチモジュール11は、受光素子61〜64、第1点灯部21、第3点灯部25、スイッチ部35、マイクロコンピュータ100の他に、低電圧回路101と、ON/OFF信号出力部(オン/オフ信号出力部)103と、異常予知出力部(異常信号出力部)105と、抵抗測定部107とを備える。
【0077】
低電圧回路101は、電力供給装置により電力が供給されると、負荷にかかる電圧を所定の電圧に変換した後マイクロコンピュータ100に出力する。マイクロコンピュータ100は、電力供給装置が供給する電力が低電圧回路101を介して入力されると、図2に示す第2点灯部23を点灯させる。
【0078】
抵抗測定部107は、電極45と電極47との間の電気抵抗値を測定し、測定した電気抵抗値をマイクロコンピュータ100に出力する。図3に示されるように、電極45と電極47との間に絶縁物質で形成されたシート46が挟まっているため、電極45と電極47とは非接触の状態にあるが、電極45と電極47の隙間に水が入り込むと電極45,47が通電状態となり電極45,47間の電気抵抗値が低下する。そのため、抵抗測定部107により測定された電気抵抗値が低下する場合、シール異常が起きていることとなる。
【0079】
受光素子61〜受光素子64は、それぞれ対応する発光素子51〜54から受けた光の量に応じた電圧をマイクロコンピュータ100に出力する。ここで、受光素子61〜64と発光素子51〜54との間の光路にプランジャ43の光遮断領域が存在しないときの受光素子61〜64のそれぞれから出力される電圧を最大電圧とする。
【0080】
スイッチ部35の各スイッチ36〜39は、ユーザにより設定された状態に従って、有効モードまたは無効モードを示す信号をマイクロコンピュータ100に出力する。
【0081】
ON/OFF信号出力部103は、マイクロコンピュータ100により制御されて、リミットスイッチ1による操作対象となる外部装置の駆動を制御するためのON信号(オン信号)またはOFF信号(オフ信号)を端子33(図2参照)から出力するものである。
【0082】
異常予知出力部105は、マイクロコンピュータ100により制御されて、リミットスイッチ1に生じる異常を予知したことを示す異常予知信号を端子34(図2参照)から出力するものである。
【0083】
第1点灯部21、第3点灯部25は、それぞれマイクロコンピュータ100により制御されて発光する。
【0084】
次に、マイクロコンピュータ100の内部の機能構成について説明する。なお、マイクロコンピュータ100は、CPUと、プログラムを記憶するメモリとを備え、CPUがメモリからプログラムを読み出し、当該プログラムに従った動作をすることにより機能する。図16に示されるように、マイクロコンピュータ100は、A/D変換部111と、位置検出部(位置検出手段)113と、メモリ115,117と、出力信号制御部119とを含む。
【0085】
A/D変換部111は、受光素子61〜64から出力されたアナログ電圧を受け、当該アナログ電圧の値をデジタル値に変換するものである。
【0086】
位置検出部113は、作動体7の位置(ここでは基準位置からの角度)を検出するものである。位置検出部113は、第1判定部113−1〜第4判定部113−4を備えている。なお、第1判定部113−1〜第4判定部113−4の機能は同じであるため、ここでは第1判定部113−1のみ説明する。
【0087】
第1判定部113−1は、A/D変換部111から出力された受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値の中から一つのデジタル値を抽出する。この抽出は、メモリ115に格納されている抽出用テーブルを用いて行われる。抽出用テーブルは、第k判定部(k=1〜4のいずれか)113−kについて、当該第k判定部113−kを識別する判定部識別情報と、受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値のうち、当該第k判定部113−kにより使用される受光素子を識別する受光素子識別情報とが対応付けられた情報である。図17は、抽出用テーブルの一例である。図17に示す抽出用テーブルの場合、第1判定部113−1を示す判定部識別情報に対応する受光素子識別情報が受光素子61であることを示しているため、第1判定部113−1は、受光素子61からのデジタル値を抽出する。
【0088】
また、第1判定部113−1は、抽出したデジタル値と、メモリ117に格納されている第1閾値とを比較し、抽出したデジタル値が第1閾値以上である場合にHIGH信号を、抽出したデジタル値が第1閾値未満である場合にLOW信号を、出力信号制御部119に出力する。なお、メモリ117に格納されている第k閾値は、第k判定部113−kに対応するものであり、当該第k判定部113−kにより使用される。
【0089】
出力信号制御部119は、ON/OFF信号出力部103、異常予知出力部105、および第1点灯部21,第3点灯部25を制御するものである。出力信号制御部119は、操作対象である外部機器に対してON信号およびOFF信号のいずれを出力するかを制御するON/OFF信号制御部(オン/オフ信号出力部)120と、角度超過異常を検知し、角度超過信号の出力を制御する第1異常信号制御部(異常信号出力部)121と、角度不足異常を検知し、角度不足信号の出力を制御する第2異常信号制御部(異常信号出力部)122と、復帰速度低下異常を検知し、復帰速度低下信号の出力を制御する第3異常信号制御部(異常信号出力部)123と、シール異常を検知し、シール不良信号の出力を制御する第4異常信号制御部(異常信号出力部)124とを備えている。
【0090】
<出力信号制御の具体例>
次に、本実施形態における出力信号制御の具体例について説明する。
図18は、作動体の角度と動作状態との関係を示す図である。ここでは、平均的な物体が作動体7に接触したときに、作動体7が30〜35度程度回転するように、物体の移動経路とリミットスイッチ1との相対位置関係が設定されているものとする。また、ここでは、作動体7の角度の限界値(図ではTTPと示す)が50度であるとする。
【0091】
この場合、重量、大きさ、移動経路などの物体の個体差によらずに、正常な状態でリミットスイッチ1がON信号を出力するためには、平均的な作動体7の角度(30〜35度)よりも小さい角度(例えば15度)を、ON信号を出力する動作角度として設定することが好ましい。
【0092】
また、角度超過異常を認識するために、平均的な作動体7の角度(30〜35度)よりも大きく、かつ、限界値(50度)よりも小さい角度(例えば40度)を超えたときに、異常予知信号としての角度超過信号が出力されることが好ましい。なお、図中では、このような角度超過信号が出力されることが望まれる角度範囲を「OT取り過ぎ」として示している。
【0093】
さらに、角度不足異常を認識するために、平均的な作動体7の角度(30〜35度)よりも小さく、かつ、ON信号を出力する角度(例えば15度)よりも大きい角度(例えば25度)よりも小さい角度だけしか回転しないときに、異常予知信号としての角度不足信号が出力されることが好ましい。なお、図中では、このような角度不足信号が出力されることが望まれる角度範囲を「OT不足」として示している。
【0094】
さらに、復帰速度低下異常を認識するために、復帰時の速度を示すパラメータ、例えば、角度15度以上の位置より角度15度に到達した時点から角度10度に到達する時点までの復帰時間を測定する。そして、所定限界速度(次の物体を正常に検知できなくなる復帰速度)に対応する時間よりも短く、かつ、正常に復帰しているときの復帰時間よりも長い所定時間と、測定した復帰時間とを比較し、所定時間よりも測定した復帰時間が長い場合に、異常予知信号としての復帰速度低下信号が出力されることが好ましい。
【0095】
このようなON信号、角度超過信号、角度不足信号および復帰速度低下信号を出力するために、抽出用テーブルがメモリ115に、第1から第4閾値がメモリ117に予め格納されている。
【0096】
具体的には、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第1判定部113−1に対して受光素子61が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第1閾値として、作動体7を基準位置から10度だけ回転させたときの受光素子61からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0097】
これにより、図19の(b)部に示されるように、第1判定部113−1は、受光素子61からの出力電圧値が第1閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子61からの出力電圧値が第1閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第1判定部113−1からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度10度以上の位置にあり、第1判定部113−1からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度10度未満の位置にあることがわかる。また、第1判定部113−1からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が10度であることがわかる。
【0098】
ここで、図19は、受光素子から出力される電圧値(デジタル値)と、閾値と、各判定部から出力される信号との関係を示す図である。図19において、(a)部は、受光素子61〜64から出力される電圧値と閾値との関係を示しており、(b)部は、各判定部から出力される信号を示している。
【0099】
また、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第1判定部113−2に対して受光素子62が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第2閾値として、作動体7を基準位置から15度だけ回転させたときの受光素子62からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0100】
これにより、図19の(c)部に示されるように、第2判定部113−2は、受光素子62からの出力電圧(デジタル値)が第2閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子62からの出力電圧が第2閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第2判定部113−2からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度15度以上の位置にあり、第2判定部113−2からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度15度未満の位置にあることがわかる。また、第2判定部113−2からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が15度であることがわかる。
【0101】
また、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第3判定部113−3に対して受光素子63が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第3閾値として、作動体7を基準位置から25度だけ回転させたときの受光素子63からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0102】
これにより、図19の(c)部に示されるように、第3判定部113−3は、受光素子63からの出力電圧(デジタル値)が第3閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子63からの出力電圧が第3閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第3判定部113−3からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度25度以上の位置にあり、第3判定部113−3からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度25度未満の位置にあることがわかる。また、第3判定部113−3からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が25度であることがわかる。
【0103】
最後に、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第4判定部113−4に対して受光素子64が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第4閾値として、作動体7を基準位置から40度だけ回転させたときの受光素子64からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0104】
これにより、図19の(c)部に示されるように、第4判定部113−4は、受光素子64からの出力電圧(デジタル値)が第4閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子64からの出力電圧が第4閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第4判定部113−4からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度40度以上の位置にあり、第4判定部113−4からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度40度未満の位置にあることがわかる。また、第4判定部113−4からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が40度であることがわかる。
【0105】
そして、出力信号制御部119の各部は、以下のような処理を行うように設定されている。
【0106】
すなわち、ON/OFF信号制御部120は、第2判定部113−2からの信号がHIGHを示している間、ON信号が出力されるようにON/OFF信号出力部103を制御するとともに、第1点灯部21を点灯させるように制御する。また、ON/OFF信号制御部120は、第2判定部113−2からの信号がLOWを示している間、OFF信号が出力されるようにON/OFF信号出力部103を制御するとともに、第1点灯部21を点灯させないように制御する。
【0107】
ここで、上述したように、第2判定部113−2に対応する受光素子識別情報には受光素子62を示す情報が設定されており、第2閾値として、作動体7の角度が15度であるときの受光素子62の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、ON信号が出力される動作角度を15度とすることができる。
【0108】
第1異常信号制御部121は、第1切換スイッチ36が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第1切換スイッチ36が無効モードに設定されている場合、第1異常信号制御部121は動作しない。
【0109】
一方、第1切換スイッチ36が有効モードに設定されている場合、第1異常信号制御部121は、以下の処理を実行する。
【0110】
すなわち、第1異常信号制御部121は、第4判定部113−4からの信号がHIGHを示している間だけ、角度超過異常を検知したものと判断し、角度超過信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第1パターンに従って点滅させるように制御する。
【0111】
ここで、上述したように、第4判定部113−4に対応する受光素子識別情報には受光素子64を示す情報が設定されており、第4閾値として、作動体7の角度が40度であるときの受光素子64の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、角度超過信号が出力される角度範囲を40度以上とすることができる。
【0112】
第2異常信号制御部122は、第2切換スイッチ37が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第2切換スイッチ37が無効モードに設定されている場合、第2異常信号制御部122は動作しない。
【0113】
一方、第2切換スイッチ37が有効モードに設定されている場合、第2異常信号制御部122は、以下の処理を実行する。
【0114】
すなわち、第2異常信号制御部122は、第2判定部113−2からの信号がLOWからHIGHに変化した時点から第2判定部113−2からの信号がHIGHからLOWに変化する時点までの間に、第3判定部113−3からの信号がLOWからHIGHに変化したかを判断する。第3判定部113−3からの信号がLOWからHIGHに変化していない場合、第2異常信号制御部122は、角度不足異常を検知したものと判断し、角度不足信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第2パターンに従って点滅させるように制御する。
【0115】
ここで、上述したように、第3判定部113−3に対応する受光素子識別情報には受光素子63を示す情報が設定されており、第3閾値として、作動体7の角度が25度であるときの受光素子63の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、角度不足信号が出力される角度範囲を25度未満とすることができる。
【0116】
第3異常信号制御部123は、第3切換スイッチ38が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第3切換スイッチ38が無効モードに設定されている場合、第3異常信号制御部123は動作しない。
【0117】
一方、第3切換スイッチ38が有効モードに設定されている場合、第3異常信号制御部123は、以下の処理を実行する。
【0118】
まず、第3異常信号制御部123は、予め復帰速度基準時間を記憶しておく。そして、第3異常信号制御部123は、第2判定部113−2からの信号がHIGHからLOWに変化した時点から第1判定部113−1からの信号がHIGHからLOWに変化する時点までの時間を計測し、計測した時間が復帰速度基準時間よりも長いか否かを判断する。測定した時間が所定時間よりも長い場合、第3異常信号制御部123は、復帰速度低下異常を検知したものと判断し、復帰速度低下信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第3パターンに従って点滅させるように制御する。
【0119】
ここで、上述したように、第1判定部113−1に対応する受光素子識別情報には受光素子61を示す情報が設定されており、第1閾値として、作動体7の角度が10度であるときの受光素子61の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、作動体7が復帰する際の角度15度から角度10度まで移動する時間に応じて、復帰速度低下信号を出力することができる。
【0120】
第4異常信号制御部124は、第4切換スイッチ39が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第4切換スイッチ39が無効モードに設定されている場合、第4異常信号制御部124は動作しない。
【0121】
一方、第4切換スイッチ39が有効モードに設定されている場合、第4異常信号制御部124は、以下の処理を実行する。
【0122】
すなわち、第4異常信号制御部124は、予め定められた基準抵抗値を記憶しており、当該所定抵抗値と、抵抗測定部107により測定された電気抵抗値とを比較する。そして、測定された電気抵抗値が基準抵抗値以下になった場合、第4異常信号制御部124は、シール異常があったものと判断し、シール不良信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第4パターンに従って点滅させるように制御する。
【0123】
なお、上記の第1〜第4パターンは、点滅する回数、周期などが異なるパターンである。例えば、図20に示されるように、4秒を周期とし、一周期に点滅させる回数をパターンごとに変えている。
【0124】
上述したように、本実施形態によれば、リミットスイッチ1は、第1切換スイッチ36が有効モードに設定されていることを条件に、角度超過異常を検出したときに角度超過異常信号を出力し、第1切換スイッチ36が無効モードに設定されていることを条件に、角度超過異常信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、角度超過異常の通知を所望するか否かに応じて、第1切換スイッチ36を切り換える簡単な操作で当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0125】
同様に、リミットスイッチ1は、第2切換スイッチ37が有効モードに設定されていることを条件に、角度不足異常を検出したときに角度不足異常信号を出力し、第2切換スイッチ37が無効モードに設定されていることを条件に、角度不足異常信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、角度不足異常の通知を所望するか否かに応じて、第2切換スイッチ37を切り換える簡単な操作で当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0126】
また、リミットスイッチ1は、第3切換スイッチ38が有効モードに設定されていることを条件に、復帰速度低下異常を検出したときに復帰速度低下異常信号を出力し、第3切換スイッチ38が無効モードに設定されていることを条件に、復帰速度低下異常信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、復帰速度低下異常の通知を所望するか否かに応じて、第3切換スイッチ38を切り換える簡単な操作で当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0127】
さらに、リミットスイッチ1は、第4切換スイッチ39が有効モードに設定されていることを条件に、シール異常を検出したときにシール不良信号を出力し、第4切換スイッチ39が無効モードに設定されていることを条件に、シール不良信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、シール異常の通知を所望するか否かに応じて、第4切換スイッチ39を切り換える簡単な操作で、当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0128】
したがって、ユーザは、第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39のうち通知を望む異常に対応する切換スイッチを有効に設定し、通知を望まない異常に対応する切換スイッチを無効に設定することにより、所望の異常だけを通知することができる。そして、不要な通知を受けることを防止することができる。
【0129】
<変形例1>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、角度超過異常や角度不足異常を通知する際の角度の条件、および、復帰速度低下異常やシール異常の検知条件を設定変更できる機能を有していてもよい。そして、第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39において有効に設定されており、かつ、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、設定変更を促す通知を行ってもよい。
【0130】
異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合、異常予知信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常予知信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常予知信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。そこで、上記のように設定変更を促す通知を行うことにより、ユーザが異常予知信号が出力される条件を適切に変更し、不要な異常予知信号を減らすことができる。
【0131】
以下、このような変形例について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0132】
図21は、本変形例に係るスイッチモジュールの外観を示す図である、図21に示されるように、本変形例に係るスイッチモジュール11aは、各種の異常を検知する条件を設定するための設定ボタン27を備えている。
【0133】
また、図22は、本変形例に係るスイッチモジュールの機能構成を示すブロック図である。図22に示されるように、本変形例に係るスイッチモジュール11aが備えるマイクロコンピュータ100aは、モード切換部131および設定処理部133を備えており、かつ、出力信号制御部119の代わりに出力信号制御部119aを備えている点で、図16に示すマイクロコンピュータ100と異なる。
【0134】
設定ボタン27は、ユーザにより押下されると、設定モードへ切り換える旨のLOW信号をマイクロコンピュータ100aに出力する。一方、設定ボタン27は、押下されない場合、常にHIGH信号をマイクロコンピュータ100aに出力する。
【0135】
モード切換部131は、設定ボタン27からLOW信号を受けたときに、設定モードに切り換え、設定処理部133に設定指示を出力し、第1異常信号制御部121〜第4異常信号制御部124の動作を停止する。また、モード切換部131は、設定処理部133から設定完了の通知を受けると、通常モードに切り換える。なお、モード切換部131は、通常モードに切り換えた場合、設定処理部133の動作を停止させ、第1異常信号制御部121〜第4異常信号制御部124を動作させる。
【0136】
なお、モード切換部131は、所定時間内に受けた設定ボタン27からのLOW信号の回数に応じて、角度超過異常、角度不足異常、復帰速度低下異常、シール異常のいずれの異常に関する設定を変更するかを決定する。そして、モード切換部131は、設定対象となる異常の種類を示す信号を設定指示とともに設定処理部133に出力する。例えば、LOW信号の回数が1回の場合、モード切換部131は、角度超過異常に関する設定を変更するものと決定する。
【0137】
設定処理部133は、角度超過異常、角度不足異常、復帰速度低下異常、シール異常のいずれの異常を検知する条件を設定するものである。設定処理部133は、モード切換部131からの設定指示および異常の種類を示す信号を受けると、当該信号で示される異常を設定対象の異常とし、設定処理を開始する。具体的には、以下の処理を行う。
【0138】
設定対象が角度超過異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、A/D変換部111から出力された受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値の中から、当該デジタル値が取りうる範囲のうち、少なくとも最小電圧(0V)および最大電圧(5V)を除く所定範囲(例えば、最大電圧5Vの10%〜90%の範囲である0.5〜4.5V)内である一つのデジタル値を抽出する。なお、所定範囲内のデジタル値を出力する受光素子が複数ある場合、当該所定範囲の中央値(つまり、最大電圧の1/2の電圧を示す値)に最も近い一つのデジタル値を抽出すればよい。そして、設定処理部133は、抽出したデジタル値を出力している受光素子を識別する情報を、第4判定部113−4を示す判定部識別情報に対応する受光素子識別情報としてメモリ115の抽出用テーブルを更新する。また、設定処理部133は、抽出したデジタル値を、第4閾値としてメモリ117を更新する。設定処理部133は、メモリ115、117を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0139】
ユーザは、作動体7を角度超過異常が検出される所望の角度まで移動させた状態で設定ボタン27を押下することにより、当該状態での受光素子からの出力電圧値が第4閾値として設定される。その結果、第1異常信号制御部121は、新たに設定された第4閾値以上のデジタル値が受光素子から出力されていることを示すHIGH信号を第4判定部113−4から受けたときに、角度超過異常信号を出力させる。これにより、所望の角度以上に作動体7が変位したときに、角度超過異常信号が出力されることとなる。
【0140】
また、設定対象が角度不足異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、A/D変換部111から出力された受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値の中から、当該デジタル値が取りうる範囲のうち、少なくとも最小電圧(0V)および最大電圧(5V)を除く所定範囲(例えば、最大電圧5Vの10%〜90%の範囲である0.5〜4.5V)内である一つのデジタル値を抽出する。なお、所定範囲内のデジタル値を出力する受光素子が複数ある場合、当該所定範囲の中央値(つまり、最大電圧の1/2の電圧を示す値)に最も近い一つのデジタル値を抽出すればよい。そして、設定処理部133は、抽出したデジタル値を出力している受光素子を識別する情報を、第3判定部113−3を示す判定部識別情報に対応する受光素子識別情報としてメモリ115の抽出用テーブルを更新する。また、設定処理部133は、抽出したデジタル値を、第3閾値としてメモリ117を更新する。設定処理部133は、メモリ115、117を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0141】
ユーザは、作動体7を角度不足異常が検出される所望の角度まで移動させた状態で設定ボタン27を押下することにより、当該状態での受光素子からの出力電圧値が第3閾値として設定される。その結果、第2異常信号制御部122は、新たに設定された第3閾値以上のデジタル値が受光素子から出力されていることを示すHIGH信号を第3判定部113−3から受けないときに、角度不足異常信号を出力させる。これにより、所望の角度まで作動体7が変位しないときに、角度不足異常信号が出力されることとなる。
【0142】
また、設定対象が復帰速度低下異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、所定期間(例えば、30分)、第2判定部113−2からの信号がHIGHからLOWに変化した時点から第1判定部113−1からの信号がHIGHからLOWに変化する時点までの時間を計測し、その時間の平均値を求める。そして、設定処理部133は、その平均値に所定倍数(例えば、1.3倍など)を乗じた値を新たな復帰速度基準時間として、第3異常信号制御部123が記憶する復帰速度基準時間を更新する。また、設定処理部133は、復帰速度基準時間を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0143】
ユーザは、物体が作動体7に接触する通常の動作を繰り返している際に設定ボタン27を押下することにより、通常の動作における復帰速度の平均値が測定される。そして、当該平均値に所定倍数を乗じた値が自動的に、復帰速度基準時間として更新される。その結果、生産ラインを変更したときのように復帰速度が変更するような場合であっても、新たな生産ラインに適した復帰速度基準時間が設定される。これにより、不要な復帰速度低下信号が出力されることを防止できる。
【0144】
また、設定対象がシール異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、所定期間(例えば、30分)、抵抗測定部107による測定結果である抵抗値の平均値を求める。そして、設定処理部133は、その平均値に所定倍数(例えば、0.7倍など)を乗じた値を新たな基準抵抗値として、第4異常信号制御部124が記憶する基準抵抗値を更新する。また、設定処理部133は、基準抵抗値を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0145】
ユーザは、設定ボタン27を押下することにより、リミットスイッチ1が設置された環境下での抵抗値の平均値が測定される。そして、当該平均値に所定倍数を乗じた値が自動的に、基準抵抗値として更新される。その結果、設置環境に応じた基準抵抗値が設定される。
【0146】
出力信号制御部119aは、通知処理部125を備える点で、図16に示す出力信号制御部119と異なる。
【0147】
通知処理部125は、異常予知信号の出力頻度を計測し、当該出力頻度に応じて、設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御するものである。
【0148】
具体的には、通知処理部125は、所定期間(例えば、24時間前から現時点までの期間)内において、角度超過異常信号、角度不足異常信号、復帰速度低下信号およびシール不良信号それぞれの出力回数を計測する。
【0149】
通知処理部125は、所定期間内における角度超過異常信号の出力回数が所定回数N1(所定頻度)以上に達した場合、角度超過異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0150】
また、通知処理部125は、所定期間内における角度不足異常信号の出力回数が所定回数N2(所定頻度)以上に達した場合、角度不足異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0151】
また、通知処理部125は、所定期間内における復帰速度低下信号の出力回数が所定回数N3(所定頻度)以上に達した場合、復帰速度低下異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0152】
さらに、通知処理部125は、所定期間内におけるシール不良信号の出力回数が所定回数N4(所定頻度)以上に達した場合、シール異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0153】
これにより、ユーザに対して、設定ボタン27を押下することによる設定変更を促すことができる。
【0154】
<変形例2>
第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39は、有効モードおよび無効モード以外に、自動切換モードへの切り換えが可能であってもよい。自動切換モードとは、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えるモードである。
【0155】
異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合、異常予知信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常予知信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常予知信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。そこで、上記のように、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えることにより、不要な異常予知信号を確認する手間を省くことができる。
【0156】
以下、このような変形例について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0157】
図23は、本変形例に係るスイッチモジュールの機能構成を示すブロック図である。図23に示されるように、本変形例に係るスイッチモジュール11bは、第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39の代わりに第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bを備え、マイクロコンピュータ100の代わりにマイクロコンピュータ100bを備える点で図16に示すスイッチモジュール11と異なる。また、本変形例に係るマイクロコンピュータ100bは、自動切換部(切換部)141を備えている点で、図16に示すマイクロコンピュータ100と異なる。
【0158】
第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bは、有効モード、無効モードおよび自動モードの3種類のモード何れかに設定可能なスイッチである。これにより、ユーザは、所望のモードの何れかに設定することができる。
【0159】
自動切換部141は、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが有効モードに設定されている場合、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが無効モードに設定されている場合、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0160】
一方、自動切換部141は、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが自動モードに設定されている場合、所定期間(例えば、24時間前から現時点までの期間)内において、角度超過異常信号、角度不足異常信号、復帰速度低下信号およびシール不良信号それぞれの出力回数を計測する。
【0161】
そして、自動切換部141は、所定期間内における角度超過異常信号の出力回数が所定回数N1(所定頻度)以上である場合、第1切換スイッチ36bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内における角度超過異常信号の出力回数が所定回数N1未満である場合、第1切換スイッチ36bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0162】
同様に、自動切換部141は、所定期間内における角度不足異常信号の出力回数が所定回数N2(所定頻度)以上である場合、第2切換スイッチ37bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内における角度不足異常信号の出力回数が所定回数N2未満である場合、第2切換スイッチ37bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0163】
また、自動切換部141は、所定期間内における復帰速度低下信号の出力回数が所定回数N3(所定頻度)以上である場合、第3切換スイッチ38bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内における復帰速度低下信号の出力回数が所定回数N3未満である場合、第3切換スイッチ38bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0164】
さらに、自動切換部141は、所定期間内におけるシール不良信号の出力回数が所定回数N4(所定頻度)以上である場合、第4切換スイッチ39bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内におけるシール不良信号の出力回数が所定回数N4未満である場合、第4切換スイッチ39bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0165】
本変形例によれば、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えることにより、不要な異常予知信号を確認する手間を省くことができる。
【0166】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、生産ライン等で用いられるリミットスイッチに利用することができる。
【符号の説明】
【0168】
1 リミットスイッチ(スイッチ)
3 ケーシング(ハウジング)
7 作動体
11,11a,11b スイッチモジュール
35 スイッチ部(切換部)
36,36b 第1切換スイッチ(切換部)
37,37b 第2切換スイッチ(切換部)
38,38b 第3切換スイッチ(切換部)
39,39b 第4切換スイッチ(切換部)
100,100a,100b マイクロコンピュータ
103 ON/OFF信号出力部(オン/オフ信号出力部)
105 異常予知出力部(異常信号出力部)
107 抵抗測定部
113 位置検出部
119,119a 出力信号制御部(異常信号出力部)
120 ON/OFF信号制御部(オン/オフ信号出力部)
121 第1異常信号制御部(異常信号出力部)
122 第2異常信号制御部(異常信号出力部)
123 第3異常信号制御部(異常信号出力部)
124 第4異常信号制御部(異常信号出力部)
125 通知処理部
133 設定処理部
141 自動切換部(切換部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部からの力の荷重に応じて変位する作動体を備え、当該作動体の位置に応じてオン信号またはオフ信号を出力するスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場の生産ラインにおいて、加工すべき製品等の物体が所定の位置に移送されたことを検出し、加工機械を自動的に起動するのに使用されるリミットスイッチが知られている(非特許文献1参照)。このリミットスイッチは、物体との接触により移動する作動体を備え、作動体の位置に応じて動作する。この作動体は、スイッチの本体に備えられた回転軸に取り付けられることにより、回転軸を基準に回転が可能となる。また、作動体は、物体と接触していない状態の位置が基準位置であり、物体と接触することにより、基準位置から物体の大きさに応じた位置まで回転する。その後、作動体は、物体と離れることにより、基準位置に戻る。
【0003】
このようなリミットスイッチに関して、特許文献1,2には、次のような技術が記載されている。リミットスイッチは、第1のスイッチ部と、第1のスイッチ部よりも復帰が遅い第2のスイッチ部と、時間を測定するタイマとを少なくとも備える。このようなリミットスイッチが、移送されてきた物体と接触すると、第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とがON状態となる。その後、スイッチが物体と接触しなくなり、第1のスイッチ部がOFF状態になったあと、第2のスイッチ部がOFF状態となる。そして、タイマは、第1のスイッチ部がOFF状態になったときから、第2のスイッチ部がOFF状態になったときまでの時間を計測する。これにより、リミットスイッチの復帰時間が計測される。そして、計測された復帰時間がタイムアップ時間よりも長い場合に、何らかの影響で作動体の動作が鈍っており将来異常が生じる可能性があることを示す異常信号が発せられる。
【0004】
このように、リミットスイッチは、作動体の復帰時間がタイムアップ時間よりも長いときに異常信号を出力する機能を備えている。また、この他にも例えば、水の浸入を検知したときに将来異常が生じる可能性があることを示す異常予知信号を出力する機能を備えている。リミットスイッチは、複数の異常のうち少なくとも1つを検知すると、外部の装置に異常信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−281513号公報(1990年11月10日公開)
【特許文献2】特開昭64−043934号公報(1989年2月16日公開)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】オムロン株式会社、「リミットスイッチ テクニカルガイド」、[online]、[平成 22年 11月 19日検索]、インターネット〈 URL:http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/limitswitch_apparatus_tg_j_3_1_1-5.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、リミットスイッチを使用するユーザのなかには、必要な異常信号だけを通知したいと考えるユーザもいる。具体的には、作動体の復帰時間の長期化に関する異常は通知せず、浸水による異常は通知してほしいと考えるユーザ、またはその逆を考えるユーザがいる。例えば、リミットスイッチを水中で使用するわけではないが、温度変化が大きく結露の発生しやすい場所に設置する場合、水の浸入による異常が発生する可能性がないものの、結露によって浸水による異常が頻繁に発生することが考えら得る。このような場合、浸水による異常の通知が頻繁に発せられ、ユーザがその都度、不要な確認をしなければならないという問題がある。また、物体の移動速度を頻繁に変更するような製造ラインにリミットスイッチを設置する場合、復帰時間も頻繁に変化することとなる。このような場合に、意図的に復帰時間が遅くなるような製造ラインに変更しているのに、復帰時間の長期化に関する異常が発せられ、ユーザがその都度、不要な確認をしなければならないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、不要な異常が通知されることを防止することが可能なスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のスイッチは、外部からの力の荷重に応じて変位する作動体と、上記作動体の変位量に応じてオン信号およびオフ信号の何れかを出力するオン/オフ信号出力部とを備え、前記オン/オフ信号出力部がハウジング内部に配置されるスイッチであって、異常を検出したときに、異常が発生していることを示す異常信号を出力する機能を有する異常信号出力部と、上記異常信号出力部の機能を有効とする有効モード、および、上記異常信号出力部の機能を無効とする無効モードのいずれかに切り換える切換部とを備える。
【0010】
上記の構成によれば、ユーザは、異常信号の出力が必要な場合には、切換部を有効モードにするように操作し、異常信号の出力が不要な場合には、切換部を無効モードにするように操作する。これにより、ユーザは、簡単な操作だけで、不要な異常が通知されることを防止することができる。
【0011】
また、本発明のスイッチにおいて、上記異常信号出力部は、複数種類の異常を検出し、上記異常信号出力部は、上記複数種類の異常の何れかを検出したときに、検出された種類の異常が発生していることを示す異常信号を出力し、上記切換部は、上記複数種類の異常の各々について、有効モードおよび無効モードのいずれかに切り換えることが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、複数の異常の各々について、異常信号を出力する機能を有効および無効の何れかに設定することができる。そのため、異常信号の出力が不要な種類の異常については無効に、異常信号の出力が必要な種類の異常については有効に適宜設定することができる。
【0013】
なお、異常の内容としては、例えば、以下のようなものがある。
まず、本発明のスイッチにおいて、上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、上記異常信号出力部は、上記第1変位量よりも大きい所定の第2変位量よりも、上記位置検出部により検出された変位量が大きくなった場合に、変位量が大きくなってきていることを示す異常を検出してもよい。
【0014】
また、本発明のスイッチにおいて、上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、上記異常信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量の最大量が、上記第1変位量よりも大きく、かつ、所定の第3変位量よりも小さい場合に、変位量が小さくなってきていることを示す異常を検出してもよい。
【0015】
また、本発明のスイッチにおいて、上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、上記異常信号出力部は、外部からの力の荷重によって上記作動体が変位した後、外部からの力の荷重がなくなり上記作動体が上記基準位置に復帰する際の上記作動体の復帰速度が所定の基準速度よりも小さい場合に、復帰速度が低下していることを示す異常を検出してもよい。
【0016】
また、本発明のスイッチにおいて、上記異常信号出力部は、上記ハウジング内部に水が侵入したことを示す異常を検出してもよい。
【0017】
また、本発明のスイッチは、上記異常信号出力部が異常を検出する際の条件を設定する設定処理部と、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合、上記設定処理部による設定を促す通知を出力する通知処理部とを備えていてもよい。
【0018】
異常信号の出力頻度が所定頻度よりも高い場合、異常信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。しかしながら、上記の構成によれば、設定処理部による設定を促す通知を行うことにより、異常が検出される際の条件が適切に変更され、不要な異常信号を減らすことができる。
【0019】
また、本発明のスイッチは、上記切換部は、上記有効モードおよび無効モードの他に、上記異常信号出力部の機能の有効および無効を自動的に切り換える自動モードにも切り換え可能であり、自動モードに設定されているとき、上記切換部は、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合に上記異常信号出力部の機能を無効とし、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度未満である場合に上記異常信号出力部の機能を有効とすることが好ましい。
【0020】
異常信号の出力頻度が所定頻度よりも高い場合、異常信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。しかしながら、上記の構成によれば、異常信号の出力頻度が所定頻度よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えることにより、不要な異常信号を確認する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、不要な異常が通知されることを防止することが可能なスイッチを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態におけるリミットスイッチを示す斜視図である。
【図2】スイッチモジュールを示す正面図である。
【図3】スイッチモジュールを分解したときの斜視図である。
【図4】プランジャの前面を示す図である。
【図5】プランジャの前面側からみた斜視図である。
【図6】プランジャの背面を示す図である。
【図7】プランジャの背面側からみた斜視図である。
【図8】プランジャの横断面を示す図である。
【図9】フォトインタラプタ部を基板とともに示す斜視図である。
【図10】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第1の図である。
【図11】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第2の図である。
【図12】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第3の図である。
【図13】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第4図である。
【図14】複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す第5の図である。
【図15】作動体の角度と受光素子の出力電圧との関係を示した図である。
【図16】スイッチモジュールの構成を示すブロック図である。
【図17】抽出用テーブルの一例を示す図である。
【図18】作動体の角度と作動体の動作状態との関係を示す図である。
【図19】受光素子から出力される電圧値と、設定処理部により設定される閾値と、各判定部から出力される信号との関係を示す図である。
【図20】第1パターン〜第4パターンの点滅の一例を示す図である。
【図21】変形例1におけるスイッチモジュールの正面図を示す図である。
【図22】変形例1におけるスイッチモジュールの構成を示すブロック図である。
【図23】変形例2におけるスイッチモジュールの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
<リミットスイッチの全体構成>
図1は、本実施の形態におけるリミットスイッチを示す斜視図である。リミットスイッチは、物体の位置、変化、移動または通過等を検出し、検出の有無に応じて、操作対象となる外部装置に対してON(オン)信号/OFF(オフ)信号を出力するためのスイッチである。また、本実施の形態におけるリミットスイッチは、機械的強度や耐環境性を要求される場所に適用されることを考慮して、外力、水、油、ガス、塵埃などから保護される構成を有していることが好ましい。
【0025】
図1に示されるように、リミットスイッチ1は、ケーシング(ハウジング)3と、装着ブロック5と、作動体7とを備える。
【0026】
ケーシング3は、その内部空間にスイッチモジュール11が配置され、当該スイッチモジュール11を外力、水、油、ガス、塵埃などから保護するためのものである。ケーシング3は、その内部空間にスイッチモジュール11を組み込むための開口を有するケーシング本体3aと、当該開口を閉じるための蓋部3bとからなる。
【0027】
装着ブロック5は、ケーシング3の上部に取り付けられている。また、装着ブロック5には、作動体7がネジ9により回転可能に取り付けられる。
【0028】
作動体7は、装着ブロック5から突出しており、物体との接触により外部から力が加えられると回転するものである。この作動体7の回転角度に応じて、操作対象となる外部装置に対してON(オン)信号/OFF(オフ)信号が出力される。ここで、外部から力が加えられておらず停止しているときの作動体7の位置を基準位置とする。ここでは、作動体7の基準位置を、時計の0時の方向を向く位置としている。図1において、作動体7は、左方向から力が加えられると、ネジ9を基準に時計周りに回転し、その後、力が取り除かれると基準位置に戻る。一方、作動体7は、右方向から力が加えられると、ネジ9を基準に反時計周りに回転し、その後、力が取り除かれると基準位置に戻る。ここで、作動体7が回転可能な角度は、基準位置から所定角度(以下、限界値という)までの範囲(例えば、0度〜±50度)に設定されている。なお、以下では、作動体の位置を基準位置からの角度で示す。基準位置から時計回りの方向を正の方向とし、基準位置から反時計回りの方向を負の方向とする。以下では、作動体7が正の方向に回転する場合を例に説明する。
【0029】
なお、ケーシング本体3a、蓋部3b、装着ブロック5、および作動体7との接続箇所にはシール部材が配置されており、水、油、ガスなどの侵入を防止している。
【0030】
本実施形態では、リミットスイッチ1は、将来に故障が発生する可能性のある異常を検知し、当該異常の種類ごとに異なる異常予知信号を出力する機能を有している。これにより、ユーザは、リミットスイッチ1から出力された異常予知信号を確認することで、どのような種類の異常が発生しているかを認識し、適切な対応を早めに取ることができる。
【0031】
ここで、リミットスイッチ1が検知する異常について説明する。
上述したように、リミットスイッチ1は、物体との接触によって作動体7が回転し、その基準位置からの角度(変位量)に応じて、リミットスイッチ1による操作対象となる外部装置に対してON信号を出力する。ただし、作動体7に常に同じ状態で物体が接触するとは限らない。重量、大きさ、移動経路などは物体によってわずかに変化する可能性がある。このような変化があったとしてもリミットスイッチ1が正常に動作することが望まれる。
【0032】
一方、リミットスイッチ1を長期間使用する場合、振動等の何らかの原因によって、リミットスイッチ1と物体の移動経路との相対位置関係が徐々に変化する可能性がある。このような長期間に亘る変化によって、物体が作動体7に接触した際の作動体7の角度が徐々に大きくなる、もしくは徐々に小さくなることが考えられる。
【0033】
物体が作動体7に接触した際の作動体7の角度が長期間に亘って徐々に大きくなる場合、作動体7の角度の限界値を超えるような力が作動体7に加わり、機械的な故障が生じるおそれがある。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、作動体7の角度(変位量)が大きくなってきている異常(角度超過異常)を検知し、異常予知信号として角度超過信号を出力する機能を有している。
【0034】
また、物体が作動体7に接触した際の作動体7の角度が長期間に亘って徐々に小さくなる場合、正常にON信号を出力しなくなるというおそれがある。生産ラインを稼動中にこのような故障や異常が発生すると、生産ライン全体を停止しなければならない。そのため、このような故障や異常が発生する前に、将来故障や異常が発生する可能性があることを予知できることが望まれる。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、作動体7の角度(変位量)が小さくなってきている異常(角度不足異常)を検知し、異常予知信号として角度不足信号を出力する機能を有している。
【0035】
さらに、長期間使用する場合、何らかの影響により作動体7とその回転軸との摩擦力が徐々に大きくなる可能性がある。この場合、物体が作動体7から離れた直後の作動体7の基準位置への復帰速度が徐々に遅くなっていく。復帰速度が遅くなると、次の物体を正常に検知できないおそれがある。ここで、次の物体を正常に検知できなくなる復帰速度を所定限界速度とする。このとき、復帰速度が所定限界速度以下になる前に、復帰速度が遅くなり始めていることを予知できることが望まれる。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、復帰速度が遅くなってきている異常(復帰速度低下異常)を検知し、異常予知信号として復帰速度低下信号を出力する機能を有している。
【0036】
さらに、ケーシング3の内部に水が侵入すると、故障が生じる可能性がある。そこで、本実施形態のリミットスイッチ1は、水の侵入による異常(シール異常)を検知し、異常予知信号としてシール不良信号を出力する機能を有している。
【0037】
このように、リミットスイッチ1は、角度超過異常、角度不足異常、復帰速度低下異常およびシール異常の4種類の異常を検知し、対応する異常予知信号を出力する機能を有している。
【0038】
<スイッチモジュールの構成>
リミットスイッチ1は、ケーシング3の内部空間にスイッチモジュール11を含む。スイッチモジュール11は、それと接続された外部の機器に各種の信号を出力する。
【0039】
図2は、スイッチモジュールの外観を示す正面図である。図2に示されるように、スイッチモジュール11は、スイッチ部35と、点灯部20と、端子31〜34とを備える。
【0040】
端子31,32は、電力を供給する装置と接続するための端子である。端子33,34は、生産ラインの作業に用いられる機器と接続される端子である。端子33,34から外部の機器に各種の信号が出力される。
【0041】
点灯部20は、第1点灯部21と、第2点灯部23と、第3点灯部25とを含む。第1点灯部21、第2点灯部23および第3点灯部25は、LED点灯回路と、LED点灯回路が発した光をスイッチモジュール11の表面に導くための導光棒とからなる。第2点灯部23は、スイッチモジュール11が電力供給装置から電力が供給されることにより発光し、具体的には、電源ランプである。
【0042】
スイッチ部(切換部)35は、第1切換スイッチ(切換部)36と、第2切換スイッチ(切換部)37と、第3切換スイッチ(切換部)38と、第4切換スイッチ(切換部)39とを含む。ここで、第1切換スイッチ36〜39は、対象となる種類の異常について異常予知信号を出力する機能を、有効モードまたは無効モードのいずれかに切り換え可能なスイッチである。ユーザが有効モードに切り換えると、異常予知信号を出力する機能が有効となり、無効モードに切り換えると、異常予知信号を出力する機能が無効となる。なお、第1切換スイッチ36は角度超過異常を、第2切換スイッチ37は角度不足異常を、第3切換スイッチ38は復帰速度低下異常を、第4切換スイッチ39はシール異常を対象としている。
【0043】
図3は、スイッチモジュールを分解したときの斜視図である。図3に示されるように、スイッチモジュール11は、端子31〜34および点灯部20の他に、スイッチモジュール11の全体を制御するマイクロコンピュータ100と、光センサとしてのフォトインタラプタ部41と、コイルばね42と、プランジャ43と、シート46と、電極45,47とを備える。
【0044】
シート46は、絶縁物質により構成されたシートであり、電極45と電極47の間に配置される。このため、電極45と電極47とは、非接触の状態となり、電極45と電極47との間の電気抵抗が高くなる。ただし、シート46は、電極45および電極47よりも平面積が小さい。従って、電極45と電極47との間のシート46が存在しない隙間に水が浸入した場合、電極45と電極47との間の電気抵抗が低くなる。そのため、電極45と電極47との間の電気抵抗値を確認することで、水の浸入の有無を推測することができる。
【0045】
プランジャ43は、横幅と縦幅とが異なる棒状の部品である。プランジャ43は、作動体7が回転すると、その動きに連動して、プランジャ43の長手方向に平行に移動可能である。すなわち、プランジャ43は、外部からの力の荷重に応じて変位する変位部材である。なお、プランジャ43が作動体7の動きに連動する機構としては、様々な公知技術を用いることができる。ここでは、特許文献1に記載されているように、作動体7の回転軸の一部が偏平形状になっており、当該偏平形状の部分とプランジャ43の長手方向の一端とが接触するように構成されている。ここで、作動体7が基準位置にあり(つまり、作動体7が物体に接触しておらず回転していない状態)、偏平形状の部分とプランジャ43とが接触しているときの、プランジャ43の位置を定位置とする。この場合、作動体7の回転によって偏平形状の部分も回転し、プランジャ43に対して、プランジャ43の長手方向に力を加えることができる。その結果、プランジャ43は、定位置から、その長手方向に沿って変位する。また、プランジャ43には、コイルばね42により、定位置に戻すための付勢力が加わっている。そのため、作動体7が基準位置に戻ると、コイルばね42の付勢力により、プランジャ43も基準位置に戻る。
【0046】
ここで、プランジャ43の具体的な形状について説明する。図4は、プランジャの前面を示す図である。図5は、プランジャの前面側からみた斜視図である。図6は、プランジャの背面を示す図である。図7は、プランジャの背面側からみた斜視図である。図8は、プランジャの横断面を示す図である。図4〜8に示されるように、プランジャ43は、本体部70と、突起部76とを有する。突起部76は、本体部70と結合しており、本体部70よりも細い。突起部76は、コイルばね42の内部に挿入される。
【0047】
本体部70は、スリット(開口部)71〜74を有する。ここで、スリット71〜74それぞれの形状は同じであるので、スリット71について説明する。スリット71は、プランジャ43の前面と背面との間において開口の大きさが異なる。具体的には、スリット71の開口の横断面の形状は、図8に示すような破線で囲まれた斜線の領域以外で示された領域の形状である。そして、プランジャ43の前面におけるスリット71の開口の大きさは、プランジャ43の背面におけるスリット71の開口の大きさよりも大きく設定されている。
【0048】
フォトインタラプタ部41は、プランジャ43の位置に応じて変化する光の量に基づいて電圧を計測し、計測した電圧をマイクロコンピュータ100に出力する。フォトインタラプタ部41は、複数の発光素子と、複数の受光素子とを有する。受光素子は、例えば、シングルフォトトランジスタ、フォトICまたはフォトダイオードであり、受光面において受けた光の量に応じた電圧に変換する。発光素子は、例えば発光ダイオードであり、発光面から直線性の高い光を発する。複数の受光素子と複数の発光素子との間にはプランジャ43が配置され、プランジャ43は、それらの間で作動体7の動きに連動して移動する。このため、発光素子が発する光は、プランジャ43のスリットを通過したり、スリット以外の領域に遮断されたりする。したがって、複数の受光素子のそれぞれが受ける光は、複数の発光素子のそれぞれが発する光のうちプランジャ43のスリットを通過した光である。
【0049】
図9は、フォトインタラプタ部を基板とともに示す斜視図である。図9に示されるように、フォトインタラプタ部41は、同形同大の発光素子51〜54と、発光素子51〜54と同形同大の受光素子61〜64とを含む。なお、ここでは、発光素子51〜54および受光素子61〜64を同じ形状、同じ大きさとしているが、形状および大きさはすべて同じでなくてもよい。
【0050】
発光素子51〜54および受光素子61〜64は、プランジャ43の長手方向に沿って、同一直線上に配置される。そして、発光素子51の発光面と受光素子61の受光面が対面する。同様に、発光素子52の発光面と受光素子62の受光面が対面し、発光素子53の発光面と受光素子63の受光面が対面し、発光素子54の発光面と受光素子64の受光面が対面する。したがって、受光素子61〜64は、発光素子51〜54が発する光を一対一の関係で受光することが可能である。すなわち、発光素子51と受光素子61とで、発光素子51と受光素子61との間の物体の存在の有無を検知する一つのフォトインタラプタ(光検出部)が構成される。同様に、発行素子52と受光素子62との組み合わせ、発光素子53と受光素子63との組み合わせ、発光素子54と受光素子64との組み合わせの各々が一つのフォトインタラプタ(光検出部)となる。
【0051】
また、発光素子51〜54と受光素子61〜64とは、プランジャ43の短手方向の幅の距離、もしくは、当該幅よりもわずかに大きい距離だけ離れて配置されている。このため、発光素子51〜54と受光素子61〜64との間にプランジャ43を配置することが可能である。この配置により、プランジャ43は、作動体7の動きに連動して、発光素子51〜54および受光素子61〜64それぞれが向き合う方向に垂直な方向に平行移動することとなる。
【0052】
<フォトインタラプタとプランジャの位置関係>
図10〜14は、複数の発光素子と複数の受光素子とプランジャとの位置関係をスイッチモジュールの横断面において示す図である。なお、図10は作動体7が基準位置に位置しているときの図であり、図11は作動体7が15度の位置(つまり、基準位置から15度回転した位置)に位置するときの図であり、図12は作動体7が22.5度の位置に位置するときの図であり、図13は作動体7が30度の位置に位置するときの図であり、図14は作動体7が42.5度の位置に位置するときの図である。ここで、発光素子51〜54および受光素子61〜64が配置される位置は、図9に示したとおりである。
【0053】
図10〜14に示されるように、スイッチモジュール11は、仕切り板81を備える。仕切り板81は、発光素子51〜54と、受光素子61〜64と、プランジャ43とを仕切るための板である。具体的には、仕切り板81は、発光素子51〜54とプランジャ43とを仕切るための第1の仕切り板81aと、受光素子61〜64とプランジャ43とを仕切るための第2の仕切り板81bと、第1の仕切り板81aと第2の仕切り板81bとの間に位置する第3の仕切り板81cとを備える。プランジャ43は、第1の仕切り板81aと第2の仕切り板81bとの間に配置される。ここでは、プランジャ43の背面を第2の仕切り板81bと隣接させ、プランジャ43の前面を第1の仕切り板81aと隣接させている。つまり、プランジャ43の前面と発光素子51〜54とが対面し、プランジャ43の背面と受光素子61〜64とが対面する。なお、図4に示したように、プランジャ43の本体部70のうちスリット71〜74以外の部分を斜線で示している。この斜線の部分を、以下では光遮断領域とする。
【0054】
また、第1の仕切り板81aは、発光素子51〜54それぞれを仕切り、第2の仕切り板81bは、受光素子61〜64それぞれを仕切る。第1の仕切り板81aは、発光素子51〜54それぞれが配置される位置に対応して複数の開口を有する。具体的には、第1の仕切り板81aが有する複数の開口それぞれは、発光素子51〜54それぞれが発する光が通過可能な位置に位置する。第2の仕切り板81bは、受光素子61〜64それぞれが配置される位置に対応して複数の開口を有する。具体的には、第2の仕切り板81bが有する複数の開口それぞれは、受光素子61〜64それぞれが発光素子51〜54からの光を受けることが可能な位置に位置する。そのため、第1の仕切り板81aに形成された開口のそれぞれと、当該開口に対応する、第2の仕切り板81bに形成された開口とを直線的につなぐ領域が、発光素子から発せられた光の通過する領域(光路領域)となる。
【0055】
さらに、第3の仕切り板81cは、プランジャ43の突起部76のみが挿通するための孔を有している。そのため、突起部76が内部に挿入されたコイルばね42は、第3の仕切り板81cと本体部70との間に存在する。作動体7の動きに応じてプランジャ43が第3の仕切り板81cの方向に平行移動すると、コイルばね42は、プランジャ43の本体部70と第3の仕切り板81cとの間に縮み、プランジャ43を基準位置に戻す力をプランジャ43に与える。
【0056】
上述したように、プランジャ43は、作動体7の動きに連動して、その長手方向に移動する。この移動の途中において、スリット71が、発光素子51に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット71が形成されている。同様に、スリット72が、発光素子52に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット72が形成されている。また、スリット73が、発光素子53に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット73が形成されている。さらに、スリット74が、発光素子54に対応する第1の仕切り板81aの開口および受光素子64に対応する第2の仕切り板81bの開口と重なるように、プランジャ43にスリット74が形成されている。このように、スリット71〜74のそれぞれは、発光素子51〜54および受光素子61〜64のそれぞれに対応している。
【0057】
ただし、スリット71〜74の背面側の開口のそれぞれと当該スリットに対応する第2の仕切り板81bの開口との距離は、スリット71〜74ごとに異なる。具体的には、図10に示されるように、作動体7が基準位置にあるとき(すなわち、プランジャ43が基準位置にあるとき)、スリット71の背面側の開口とスリット71に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離A、スリット72の背面側の開口とスリット72に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離B、スリット73の背面側の開口とスリット73に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離C、スリット74の背面側の開口とスリット74に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離Dは、この順に大きくなるように、各スリット71〜74の位置が設定されている。
【0058】
ここで、スリット71〜74を通過した光を受光素子61〜64が検出するときのプランジャ43の位置のうち、定位置からの変位量が最小となる位置を光検出開始位置とする。この場合、上記の距離A〜Dは、定位置から光検出開始位置までの距離を示すこととなる。
【0059】
このようなプランジャ43が作動体7の動きに連動して平行移動すると、その位置に応じて発光素子51〜54が発する光を遮断または通過させることとなる。具体的には、プランジャ43の位置の変化により、第2の仕切り板81bが有する開口とプランジャ43の光遮断領域とが重なるとき、プランジャ43は、当該開口に対応する受光素子への光を遮断する。また、プランジャ43は、第2の仕切り板81bが有する開口とプランジャ43のスリットの少なくとも一部とが重なるとき、プランジャ43は、当該開口に対応する受光素子へ光を通過させる。言い換えると、発光素子51〜54から受光素子61〜64までの光路とスリット71〜74の少なくとも一部とが重なるときに、光が通過される。この際に受光素子に入射する光の量は、第2の仕切り板81bが有する当該開口とスリットの開口とが重なりあう領域の大きさに比例する。
【0060】
プランジャ43が発光素子51〜54それぞれが発する光のうちいずれを遮断するかは、プランジャ43の位置、つまり、作動体7における基準位置からの角度と対応している。以下、図10〜14を参照して、作動体7の基準位置からの角度が変化するにつれ、各受光素子61〜64への光の入射の有無、および、入射する光の量がどのように変化するかについて説明する。
【0061】
図10に示されるように、プランジャ43は、作動体7が0度(基準位置)に位置するとき、発光素子51〜54が発する光のすべてを遮断する。具体的には、第2の仕切り板において受光素子61〜64が配置された位置に対応する全ての開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆う。このため、発光素子51〜54それぞれが発する光がプランジャ43に遮断され、受光素子61〜64まで到達しない。
【0062】
図10に示す状態から作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていく。このとき、上述したように、スリット71の背面側の開口とスリット71に対応する第2の仕切り板81bの開口との距離Aが他の距離B〜Dよりも短いため、スリット71の背面側の開口と受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口とだけが重なり始める。その後、作動体7の角度が大きくなるにつれ、プランジャ43の移動量が大きくなると、スリット71の背面側の開口と受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口との重なり領域が大きくなるとともに、スリット72の背面側の開口と受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口とが重なり始める。
【0063】
図11に示されるように、作動体7が15度の位置に位置するとき、スリット71の背面側の開口が受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子51が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子61が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)の全てにおいて、スリット71の開口が位置する。また、スリット72の背面側の開口が受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口の一部と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子52が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子62が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)に、スリット72の開口の一部のみが位置する。そのため、受光素子61の受光量は最大値となり、受光素子62は、発光素子52から発光された光の一部のみを受光する。また、この段階では、まだ受光素子53,54が配置された位置に対応する第2の仕切り板81bの開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆っている。そのため、受光素子53,54には光が到達しない。
【0064】
図11に示す状態からさらに作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていく。このとき、作動体7の角度が大きくなるにつれ、プランジャ43の移動量が大きくなると、スリット72の背面側の開口と受光素子62に対応する第2の仕切り板81bの開口との重なり領域が大きくなるとともに、スリット73の背面側の開口と受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口とが重なり始める。
【0065】
図12に示されるように、作動体7が22.5度の位置に位置するとき、スリット71,72の背面側の開口のそれぞれが受光素子61,62に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子51が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子61が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)の全てにおいて、スリット71の開口が位置する。同様に、第1の仕切り板81aにおいて発光素子52が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子62が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)の全てにおいて、スリット72の開口が位置する。また、スリット73の背面側の開口が受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口の一部と重なりあっている。言い換えると、第1の仕切り板81aにおいて発光素子53が配置された位置に対応する開口と、第2の仕切り板81bにおいて受光素子63が配置された位置に対応する開口とを直線的につなぐ空間(光路領域)に、スリット73の開口の一部のみが位置する。そのため、受光素子61,62の受光量は最大値となり、受光素子63は、発光素子53から発光された光の一部のみを受光する。なお、この段階では、まだ受光素子54が配置された位置に対応する第2の仕切り板81bの開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆っている。そのため、受光素子64には光が到達しない。
【0066】
図12に示す状態からさらに作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていくと、スリット73の背面側の開口と受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口との重なり領域が大きくなる。
【0067】
図13に示されるように、作動体7が30度の位置に位置するとき、スリット71,72,73の背面側の開口のそれぞれが受光素子61,62,63に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。そのため、受光素子61,62,63の受光量は最大値となる。なお、この段階では、まだ受光素子54が配置された位置に対応する第2の仕切り板81bの開口を、プランジャ43の光遮断領域が覆っている。そのため、受光素子64には光が到達しない。
【0068】
図13に示す状態からさらに作動体7を回転させていき、プランジャ43をその長手方向に移動させていくと、スリット73の背面側の開口と受光素子63に対応する第2の仕切り板81bの開口とだけが重なり始める。
【0069】
図14に示されるように、作動体7が42.5度の位置に位置するとき、スリット71〜74の背面側の開口のそれぞれが受光素子61〜64に対応する第2の仕切り板81bの開口の全領域と重なりあっている。そのため、受光素子61〜64の受光量は最大値となる。
【0070】
図15は、作動体の角度と受光素子の出力電圧との関係を示した図である。図15に示されるように、受光素子61〜64それぞれが発光素子51〜54それぞれから光を受けることにより出力する電圧と作動体7の位置との関係を4つの折れ線91〜94によって示している。折れ線91は、受光素子61に対応し、折れ線92は、受光素子62に対応し、折れ線93は、受光素子63に対応し、折れ線94は、受光素子64に対応する。
【0071】
作動体7の角度が0度以上5度未満のとき、発光素子51〜54それぞれが発する光を遮断し、作動体7の角度が12.5度以上20度未満のとき、発光素子51,52それぞれが発する光の少なくとも一部を通過させ、発光素子53〜55それぞれが発する光を遮断し、作動体7の角度が20度以上32.5度未満のとき、発光素子51〜53それぞれが発する光の少なくとも一部を通過させ、発光素子54,55それぞれが発する光を遮断し、作動体7の角度が32.5度以上50度未満のとき、発光素子51〜54それぞれが発する光の少なくとも一部を通過させる。また、角度が5〜15度において、受光素子61からの出力電圧は、角度に比例して連続的に大きくなっている。これは、受光素子61に対応する第2の仕切り板81bの開口とスリット71との重なり合う領域の大きさが角度の増大に応じて増えるからである。同様に、角度が12.5〜22.5度において受光素子62からの出力電圧が、角度が20〜30度において受光素子63からの出力電圧が、角度が32.5〜42.5度において受光素子64からの出力電圧が、角度に比例して連続的に大きくなっている。
【0072】
このように、作動体7の角度が大きくなることに応じて、プランジャ43を通過する光が多くなる。逆に、作動体7の角度が小さくなることに応じて、プランジャ43を通過する光が少なくなる。このように、作動体7の基準位置からの回転角度に応じてプランジャ43の位置が変わり、プランジャ43の位置に応じて、受光素子61〜64の各々が受光する光の量が異なることとなる。また、受光素子61〜64の各々に対して、入射される光の量が最大となるプランジャ43の位置のうち、基準位置からの変位量が最小となるプランジャ43の位置を光量最大位置とするとき、受光素子61〜64ごとに光量最大位置が異なる。なお、受光素子61の光量最大位置は、作動体7が15度のときのプランジャ43の位置であり、受光素子62の光量最大位置は、作動体7が22.5度のときのプランジャ43の位置であり、受光素子63の光量最大位置は、作動体7が30度のときのプランジャ43の位置であり、受光素子64の光量最大位置は、作動体7が42.5度のときのプランジャ43の位置である。
【0073】
また、図15は、受光素子61〜64が光を検出し始めるときのプランジャ43の位置(光検出開始位置)が、受光素子61〜64ごとに異なっていることも示している。具体的には、受光素子61に対応する光検出開始位置は、作動体7が5度の位置にあるときのプランジャ43の位置であり、受光素子62に対応する光検出開始位置は、作動体7が12.5度の位置にあるときのプランジャ43の位置であり、受光素子63に対応する光検出開始位置は、作動体7が20度の位置にあるときのプランジャ43の位置であり、受光素子64に対応する光検出開始位置は、作動体7が32.5度の位置にあるときのプランジャ43の位置である。
【0074】
このように、光量最大位置、または、光検出開始位置が、受光素子61〜64ごとに異なるため、受光素子61〜64が光を検出する際のプランジャ43の位置範囲も異なることとなる。
【0075】
なお、上記の説明では、プランジャ43の前面を発光素子51〜54と対向させ、プランジャ43の背面を受光素子61〜64と対向させるものとした。しかしながら、逆に、プランジャ43の背面を発光素子51〜54と対向させ、プランジャ43の前面を受光素子61〜64と対向させてもよい。この場合であっても、作動体の角度と受光素子の出力電圧との関係は図15と同じである。
【0076】
<マイクロコンピュータとその周辺構成との関係>
図16は、スイッチモジュールの構成を示すブロック図である。図16に示されるように、スイッチモジュール11は、受光素子61〜64、第1点灯部21、第3点灯部25、スイッチ部35、マイクロコンピュータ100の他に、低電圧回路101と、ON/OFF信号出力部(オン/オフ信号出力部)103と、異常予知出力部(異常信号出力部)105と、抵抗測定部107とを備える。
【0077】
低電圧回路101は、電力供給装置により電力が供給されると、負荷にかかる電圧を所定の電圧に変換した後マイクロコンピュータ100に出力する。マイクロコンピュータ100は、電力供給装置が供給する電力が低電圧回路101を介して入力されると、図2に示す第2点灯部23を点灯させる。
【0078】
抵抗測定部107は、電極45と電極47との間の電気抵抗値を測定し、測定した電気抵抗値をマイクロコンピュータ100に出力する。図3に示されるように、電極45と電極47との間に絶縁物質で形成されたシート46が挟まっているため、電極45と電極47とは非接触の状態にあるが、電極45と電極47の隙間に水が入り込むと電極45,47が通電状態となり電極45,47間の電気抵抗値が低下する。そのため、抵抗測定部107により測定された電気抵抗値が低下する場合、シール異常が起きていることとなる。
【0079】
受光素子61〜受光素子64は、それぞれ対応する発光素子51〜54から受けた光の量に応じた電圧をマイクロコンピュータ100に出力する。ここで、受光素子61〜64と発光素子51〜54との間の光路にプランジャ43の光遮断領域が存在しないときの受光素子61〜64のそれぞれから出力される電圧を最大電圧とする。
【0080】
スイッチ部35の各スイッチ36〜39は、ユーザにより設定された状態に従って、有効モードまたは無効モードを示す信号をマイクロコンピュータ100に出力する。
【0081】
ON/OFF信号出力部103は、マイクロコンピュータ100により制御されて、リミットスイッチ1による操作対象となる外部装置の駆動を制御するためのON信号(オン信号)またはOFF信号(オフ信号)を端子33(図2参照)から出力するものである。
【0082】
異常予知出力部105は、マイクロコンピュータ100により制御されて、リミットスイッチ1に生じる異常を予知したことを示す異常予知信号を端子34(図2参照)から出力するものである。
【0083】
第1点灯部21、第3点灯部25は、それぞれマイクロコンピュータ100により制御されて発光する。
【0084】
次に、マイクロコンピュータ100の内部の機能構成について説明する。なお、マイクロコンピュータ100は、CPUと、プログラムを記憶するメモリとを備え、CPUがメモリからプログラムを読み出し、当該プログラムに従った動作をすることにより機能する。図16に示されるように、マイクロコンピュータ100は、A/D変換部111と、位置検出部(位置検出手段)113と、メモリ115,117と、出力信号制御部119とを含む。
【0085】
A/D変換部111は、受光素子61〜64から出力されたアナログ電圧を受け、当該アナログ電圧の値をデジタル値に変換するものである。
【0086】
位置検出部113は、作動体7の位置(ここでは基準位置からの角度)を検出するものである。位置検出部113は、第1判定部113−1〜第4判定部113−4を備えている。なお、第1判定部113−1〜第4判定部113−4の機能は同じであるため、ここでは第1判定部113−1のみ説明する。
【0087】
第1判定部113−1は、A/D変換部111から出力された受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値の中から一つのデジタル値を抽出する。この抽出は、メモリ115に格納されている抽出用テーブルを用いて行われる。抽出用テーブルは、第k判定部(k=1〜4のいずれか)113−kについて、当該第k判定部113−kを識別する判定部識別情報と、受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値のうち、当該第k判定部113−kにより使用される受光素子を識別する受光素子識別情報とが対応付けられた情報である。図17は、抽出用テーブルの一例である。図17に示す抽出用テーブルの場合、第1判定部113−1を示す判定部識別情報に対応する受光素子識別情報が受光素子61であることを示しているため、第1判定部113−1は、受光素子61からのデジタル値を抽出する。
【0088】
また、第1判定部113−1は、抽出したデジタル値と、メモリ117に格納されている第1閾値とを比較し、抽出したデジタル値が第1閾値以上である場合にHIGH信号を、抽出したデジタル値が第1閾値未満である場合にLOW信号を、出力信号制御部119に出力する。なお、メモリ117に格納されている第k閾値は、第k判定部113−kに対応するものであり、当該第k判定部113−kにより使用される。
【0089】
出力信号制御部119は、ON/OFF信号出力部103、異常予知出力部105、および第1点灯部21,第3点灯部25を制御するものである。出力信号制御部119は、操作対象である外部機器に対してON信号およびOFF信号のいずれを出力するかを制御するON/OFF信号制御部(オン/オフ信号出力部)120と、角度超過異常を検知し、角度超過信号の出力を制御する第1異常信号制御部(異常信号出力部)121と、角度不足異常を検知し、角度不足信号の出力を制御する第2異常信号制御部(異常信号出力部)122と、復帰速度低下異常を検知し、復帰速度低下信号の出力を制御する第3異常信号制御部(異常信号出力部)123と、シール異常を検知し、シール不良信号の出力を制御する第4異常信号制御部(異常信号出力部)124とを備えている。
【0090】
<出力信号制御の具体例>
次に、本実施形態における出力信号制御の具体例について説明する。
図18は、作動体の角度と動作状態との関係を示す図である。ここでは、平均的な物体が作動体7に接触したときに、作動体7が30〜35度程度回転するように、物体の移動経路とリミットスイッチ1との相対位置関係が設定されているものとする。また、ここでは、作動体7の角度の限界値(図ではTTPと示す)が50度であるとする。
【0091】
この場合、重量、大きさ、移動経路などの物体の個体差によらずに、正常な状態でリミットスイッチ1がON信号を出力するためには、平均的な作動体7の角度(30〜35度)よりも小さい角度(例えば15度)を、ON信号を出力する動作角度として設定することが好ましい。
【0092】
また、角度超過異常を認識するために、平均的な作動体7の角度(30〜35度)よりも大きく、かつ、限界値(50度)よりも小さい角度(例えば40度)を超えたときに、異常予知信号としての角度超過信号が出力されることが好ましい。なお、図中では、このような角度超過信号が出力されることが望まれる角度範囲を「OT取り過ぎ」として示している。
【0093】
さらに、角度不足異常を認識するために、平均的な作動体7の角度(30〜35度)よりも小さく、かつ、ON信号を出力する角度(例えば15度)よりも大きい角度(例えば25度)よりも小さい角度だけしか回転しないときに、異常予知信号としての角度不足信号が出力されることが好ましい。なお、図中では、このような角度不足信号が出力されることが望まれる角度範囲を「OT不足」として示している。
【0094】
さらに、復帰速度低下異常を認識するために、復帰時の速度を示すパラメータ、例えば、角度15度以上の位置より角度15度に到達した時点から角度10度に到達する時点までの復帰時間を測定する。そして、所定限界速度(次の物体を正常に検知できなくなる復帰速度)に対応する時間よりも短く、かつ、正常に復帰しているときの復帰時間よりも長い所定時間と、測定した復帰時間とを比較し、所定時間よりも測定した復帰時間が長い場合に、異常予知信号としての復帰速度低下信号が出力されることが好ましい。
【0095】
このようなON信号、角度超過信号、角度不足信号および復帰速度低下信号を出力するために、抽出用テーブルがメモリ115に、第1から第4閾値がメモリ117に予め格納されている。
【0096】
具体的には、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第1判定部113−1に対して受光素子61が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第1閾値として、作動体7を基準位置から10度だけ回転させたときの受光素子61からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0097】
これにより、図19の(b)部に示されるように、第1判定部113−1は、受光素子61からの出力電圧値が第1閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子61からの出力電圧値が第1閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第1判定部113−1からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度10度以上の位置にあり、第1判定部113−1からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度10度未満の位置にあることがわかる。また、第1判定部113−1からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が10度であることがわかる。
【0098】
ここで、図19は、受光素子から出力される電圧値(デジタル値)と、閾値と、各判定部から出力される信号との関係を示す図である。図19において、(a)部は、受光素子61〜64から出力される電圧値と閾値との関係を示しており、(b)部は、各判定部から出力される信号を示している。
【0099】
また、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第1判定部113−2に対して受光素子62が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第2閾値として、作動体7を基準位置から15度だけ回転させたときの受光素子62からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0100】
これにより、図19の(c)部に示されるように、第2判定部113−2は、受光素子62からの出力電圧(デジタル値)が第2閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子62からの出力電圧が第2閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第2判定部113−2からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度15度以上の位置にあり、第2判定部113−2からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度15度未満の位置にあることがわかる。また、第2判定部113−2からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が15度であることがわかる。
【0101】
また、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第3判定部113−3に対して受光素子63が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第3閾値として、作動体7を基準位置から25度だけ回転させたときの受光素子63からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0102】
これにより、図19の(c)部に示されるように、第3判定部113−3は、受光素子63からの出力電圧(デジタル値)が第3閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子63からの出力電圧が第3閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第3判定部113−3からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度25度以上の位置にあり、第3判定部113−3からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度25度未満の位置にあることがわかる。また、第3判定部113−3からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が25度であることがわかる。
【0103】
最後に、図17に示されるように、抽出用テーブルにおいて第4判定部113−4に対して受光素子64が設定されている。そして、図19の(a)部に示されるように、第4閾値として、作動体7を基準位置から40度だけ回転させたときの受光素子64からの出力電圧(デジタル値)がメモリ117に予め設定されている。
【0104】
これにより、図19の(c)部に示されるように、第4判定部113−4は、受光素子64からの出力電圧(デジタル値)が第4閾値以上である場合にHIGH信号を、受光素子64からの出力電圧が第4閾値未満である場合にLOW信号を出力する。そのため、第4判定部113−4からHIGH信号が出力されている場合、作動体7が角度40度以上の位置にあり、第4判定部113−4からLOW信号が出力されている場合、作動体7が角度40度未満の位置にあることがわかる。また、第4判定部113−4からの信号がLOWからHIGH、または、HIGHからLOWに変化したときに作動体7の角度が40度であることがわかる。
【0105】
そして、出力信号制御部119の各部は、以下のような処理を行うように設定されている。
【0106】
すなわち、ON/OFF信号制御部120は、第2判定部113−2からの信号がHIGHを示している間、ON信号が出力されるようにON/OFF信号出力部103を制御するとともに、第1点灯部21を点灯させるように制御する。また、ON/OFF信号制御部120は、第2判定部113−2からの信号がLOWを示している間、OFF信号が出力されるようにON/OFF信号出力部103を制御するとともに、第1点灯部21を点灯させないように制御する。
【0107】
ここで、上述したように、第2判定部113−2に対応する受光素子識別情報には受光素子62を示す情報が設定されており、第2閾値として、作動体7の角度が15度であるときの受光素子62の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、ON信号が出力される動作角度を15度とすることができる。
【0108】
第1異常信号制御部121は、第1切換スイッチ36が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第1切換スイッチ36が無効モードに設定されている場合、第1異常信号制御部121は動作しない。
【0109】
一方、第1切換スイッチ36が有効モードに設定されている場合、第1異常信号制御部121は、以下の処理を実行する。
【0110】
すなわち、第1異常信号制御部121は、第4判定部113−4からの信号がHIGHを示している間だけ、角度超過異常を検知したものと判断し、角度超過信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第1パターンに従って点滅させるように制御する。
【0111】
ここで、上述したように、第4判定部113−4に対応する受光素子識別情報には受光素子64を示す情報が設定されており、第4閾値として、作動体7の角度が40度であるときの受光素子64の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、角度超過信号が出力される角度範囲を40度以上とすることができる。
【0112】
第2異常信号制御部122は、第2切換スイッチ37が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第2切換スイッチ37が無効モードに設定されている場合、第2異常信号制御部122は動作しない。
【0113】
一方、第2切換スイッチ37が有効モードに設定されている場合、第2異常信号制御部122は、以下の処理を実行する。
【0114】
すなわち、第2異常信号制御部122は、第2判定部113−2からの信号がLOWからHIGHに変化した時点から第2判定部113−2からの信号がHIGHからLOWに変化する時点までの間に、第3判定部113−3からの信号がLOWからHIGHに変化したかを判断する。第3判定部113−3からの信号がLOWからHIGHに変化していない場合、第2異常信号制御部122は、角度不足異常を検知したものと判断し、角度不足信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第2パターンに従って点滅させるように制御する。
【0115】
ここで、上述したように、第3判定部113−3に対応する受光素子識別情報には受光素子63を示す情報が設定されており、第3閾値として、作動体7の角度が25度であるときの受光素子63の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、角度不足信号が出力される角度範囲を25度未満とすることができる。
【0116】
第3異常信号制御部123は、第3切換スイッチ38が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第3切換スイッチ38が無効モードに設定されている場合、第3異常信号制御部123は動作しない。
【0117】
一方、第3切換スイッチ38が有効モードに設定されている場合、第3異常信号制御部123は、以下の処理を実行する。
【0118】
まず、第3異常信号制御部123は、予め復帰速度基準時間を記憶しておく。そして、第3異常信号制御部123は、第2判定部113−2からの信号がHIGHからLOWに変化した時点から第1判定部113−1からの信号がHIGHからLOWに変化する時点までの時間を計測し、計測した時間が復帰速度基準時間よりも長いか否かを判断する。測定した時間が所定時間よりも長い場合、第3異常信号制御部123は、復帰速度低下異常を検知したものと判断し、復帰速度低下信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第3パターンに従って点滅させるように制御する。
【0119】
ここで、上述したように、第1判定部113−1に対応する受光素子識別情報には受光素子61を示す情報が設定されており、第1閾値として、作動体7の角度が10度であるときの受光素子61の出力電圧(デジタル値)が設定されている。そのため、作動体7が復帰する際の角度15度から角度10度まで移動する時間に応じて、復帰速度低下信号を出力することができる。
【0120】
第4異常信号制御部124は、第4切換スイッチ39が有効モードおよび無効モードのいずれに設定されているか確認する。第4切換スイッチ39が無効モードに設定されている場合、第4異常信号制御部124は動作しない。
【0121】
一方、第4切換スイッチ39が有効モードに設定されている場合、第4異常信号制御部124は、以下の処理を実行する。
【0122】
すなわち、第4異常信号制御部124は、予め定められた基準抵抗値を記憶しており、当該所定抵抗値と、抵抗測定部107により測定された電気抵抗値とを比較する。そして、測定された電気抵抗値が基準抵抗値以下になった場合、第4異常信号制御部124は、シール異常があったものと判断し、シール不良信号が出力されるように異常予知出力部105を制御するとともに、第3点灯部25を第4パターンに従って点滅させるように制御する。
【0123】
なお、上記の第1〜第4パターンは、点滅する回数、周期などが異なるパターンである。例えば、図20に示されるように、4秒を周期とし、一周期に点滅させる回数をパターンごとに変えている。
【0124】
上述したように、本実施形態によれば、リミットスイッチ1は、第1切換スイッチ36が有効モードに設定されていることを条件に、角度超過異常を検出したときに角度超過異常信号を出力し、第1切換スイッチ36が無効モードに設定されていることを条件に、角度超過異常信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、角度超過異常の通知を所望するか否かに応じて、第1切換スイッチ36を切り換える簡単な操作で当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0125】
同様に、リミットスイッチ1は、第2切換スイッチ37が有効モードに設定されていることを条件に、角度不足異常を検出したときに角度不足異常信号を出力し、第2切換スイッチ37が無効モードに設定されていることを条件に、角度不足異常信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、角度不足異常の通知を所望するか否かに応じて、第2切換スイッチ37を切り換える簡単な操作で当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0126】
また、リミットスイッチ1は、第3切換スイッチ38が有効モードに設定されていることを条件に、復帰速度低下異常を検出したときに復帰速度低下異常信号を出力し、第3切換スイッチ38が無効モードに設定されていることを条件に、復帰速度低下異常信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、復帰速度低下異常の通知を所望するか否かに応じて、第3切換スイッチ38を切り換える簡単な操作で当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0127】
さらに、リミットスイッチ1は、第4切換スイッチ39が有効モードに設定されていることを条件に、シール異常を検出したときにシール不良信号を出力し、第4切換スイッチ39が無効モードに設定されていることを条件に、シール不良信号の出力処理を行わない。これにより、ユーザは、シール異常の通知を所望するか否かに応じて、第4切換スイッチ39を切り換える簡単な操作で、当該通知の有効/無効を切り換えることができる。
【0128】
したがって、ユーザは、第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39のうち通知を望む異常に対応する切換スイッチを有効に設定し、通知を望まない異常に対応する切換スイッチを無効に設定することにより、所望の異常だけを通知することができる。そして、不要な通知を受けることを防止することができる。
【0129】
<変形例1>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、角度超過異常や角度不足異常を通知する際の角度の条件、および、復帰速度低下異常やシール異常の検知条件を設定変更できる機能を有していてもよい。そして、第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39において有効に設定されており、かつ、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、設定変更を促す通知を行ってもよい。
【0130】
異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合、異常予知信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常予知信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常予知信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。そこで、上記のように設定変更を促す通知を行うことにより、ユーザが異常予知信号が出力される条件を適切に変更し、不要な異常予知信号を減らすことができる。
【0131】
以下、このような変形例について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0132】
図21は、本変形例に係るスイッチモジュールの外観を示す図である、図21に示されるように、本変形例に係るスイッチモジュール11aは、各種の異常を検知する条件を設定するための設定ボタン27を備えている。
【0133】
また、図22は、本変形例に係るスイッチモジュールの機能構成を示すブロック図である。図22に示されるように、本変形例に係るスイッチモジュール11aが備えるマイクロコンピュータ100aは、モード切換部131および設定処理部133を備えており、かつ、出力信号制御部119の代わりに出力信号制御部119aを備えている点で、図16に示すマイクロコンピュータ100と異なる。
【0134】
設定ボタン27は、ユーザにより押下されると、設定モードへ切り換える旨のLOW信号をマイクロコンピュータ100aに出力する。一方、設定ボタン27は、押下されない場合、常にHIGH信号をマイクロコンピュータ100aに出力する。
【0135】
モード切換部131は、設定ボタン27からLOW信号を受けたときに、設定モードに切り換え、設定処理部133に設定指示を出力し、第1異常信号制御部121〜第4異常信号制御部124の動作を停止する。また、モード切換部131は、設定処理部133から設定完了の通知を受けると、通常モードに切り換える。なお、モード切換部131は、通常モードに切り換えた場合、設定処理部133の動作を停止させ、第1異常信号制御部121〜第4異常信号制御部124を動作させる。
【0136】
なお、モード切換部131は、所定時間内に受けた設定ボタン27からのLOW信号の回数に応じて、角度超過異常、角度不足異常、復帰速度低下異常、シール異常のいずれの異常に関する設定を変更するかを決定する。そして、モード切換部131は、設定対象となる異常の種類を示す信号を設定指示とともに設定処理部133に出力する。例えば、LOW信号の回数が1回の場合、モード切換部131は、角度超過異常に関する設定を変更するものと決定する。
【0137】
設定処理部133は、角度超過異常、角度不足異常、復帰速度低下異常、シール異常のいずれの異常を検知する条件を設定するものである。設定処理部133は、モード切換部131からの設定指示および異常の種類を示す信号を受けると、当該信号で示される異常を設定対象の異常とし、設定処理を開始する。具体的には、以下の処理を行う。
【0138】
設定対象が角度超過異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、A/D変換部111から出力された受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値の中から、当該デジタル値が取りうる範囲のうち、少なくとも最小電圧(0V)および最大電圧(5V)を除く所定範囲(例えば、最大電圧5Vの10%〜90%の範囲である0.5〜4.5V)内である一つのデジタル値を抽出する。なお、所定範囲内のデジタル値を出力する受光素子が複数ある場合、当該所定範囲の中央値(つまり、最大電圧の1/2の電圧を示す値)に最も近い一つのデジタル値を抽出すればよい。そして、設定処理部133は、抽出したデジタル値を出力している受光素子を識別する情報を、第4判定部113−4を示す判定部識別情報に対応する受光素子識別情報としてメモリ115の抽出用テーブルを更新する。また、設定処理部133は、抽出したデジタル値を、第4閾値としてメモリ117を更新する。設定処理部133は、メモリ115、117を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0139】
ユーザは、作動体7を角度超過異常が検出される所望の角度まで移動させた状態で設定ボタン27を押下することにより、当該状態での受光素子からの出力電圧値が第4閾値として設定される。その結果、第1異常信号制御部121は、新たに設定された第4閾値以上のデジタル値が受光素子から出力されていることを示すHIGH信号を第4判定部113−4から受けたときに、角度超過異常信号を出力させる。これにより、所望の角度以上に作動体7が変位したときに、角度超過異常信号が出力されることとなる。
【0140】
また、設定対象が角度不足異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、A/D変換部111から出力された受光素子61〜64に対応する4つのデジタル値の中から、当該デジタル値が取りうる範囲のうち、少なくとも最小電圧(0V)および最大電圧(5V)を除く所定範囲(例えば、最大電圧5Vの10%〜90%の範囲である0.5〜4.5V)内である一つのデジタル値を抽出する。なお、所定範囲内のデジタル値を出力する受光素子が複数ある場合、当該所定範囲の中央値(つまり、最大電圧の1/2の電圧を示す値)に最も近い一つのデジタル値を抽出すればよい。そして、設定処理部133は、抽出したデジタル値を出力している受光素子を識別する情報を、第3判定部113−3を示す判定部識別情報に対応する受光素子識別情報としてメモリ115の抽出用テーブルを更新する。また、設定処理部133は、抽出したデジタル値を、第3閾値としてメモリ117を更新する。設定処理部133は、メモリ115、117を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0141】
ユーザは、作動体7を角度不足異常が検出される所望の角度まで移動させた状態で設定ボタン27を押下することにより、当該状態での受光素子からの出力電圧値が第3閾値として設定される。その結果、第2異常信号制御部122は、新たに設定された第3閾値以上のデジタル値が受光素子から出力されていることを示すHIGH信号を第3判定部113−3から受けないときに、角度不足異常信号を出力させる。これにより、所望の角度まで作動体7が変位しないときに、角度不足異常信号が出力されることとなる。
【0142】
また、設定対象が復帰速度低下異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、所定期間(例えば、30分)、第2判定部113−2からの信号がHIGHからLOWに変化した時点から第1判定部113−1からの信号がHIGHからLOWに変化する時点までの時間を計測し、その時間の平均値を求める。そして、設定処理部133は、その平均値に所定倍数(例えば、1.3倍など)を乗じた値を新たな復帰速度基準時間として、第3異常信号制御部123が記憶する復帰速度基準時間を更新する。また、設定処理部133は、復帰速度基準時間を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0143】
ユーザは、物体が作動体7に接触する通常の動作を繰り返している際に設定ボタン27を押下することにより、通常の動作における復帰速度の平均値が測定される。そして、当該平均値に所定倍数を乗じた値が自動的に、復帰速度基準時間として更新される。その結果、生産ラインを変更したときのように復帰速度が変更するような場合であっても、新たな生産ラインに適した復帰速度基準時間が設定される。これにより、不要な復帰速度低下信号が出力されることを防止できる。
【0144】
また、設定対象がシール異常である場合、設定処理部133は、次のような処理を行う。設定処理部133は、所定期間(例えば、30分)、抵抗測定部107による測定結果である抵抗値の平均値を求める。そして、設定処理部133は、その平均値に所定倍数(例えば、0.7倍など)を乗じた値を新たな基準抵抗値として、第4異常信号制御部124が記憶する基準抵抗値を更新する。また、設定処理部133は、基準抵抗値を更新すると、設定完了の旨をモード切換部131に通知する。
【0145】
ユーザは、設定ボタン27を押下することにより、リミットスイッチ1が設置された環境下での抵抗値の平均値が測定される。そして、当該平均値に所定倍数を乗じた値が自動的に、基準抵抗値として更新される。その結果、設置環境に応じた基準抵抗値が設定される。
【0146】
出力信号制御部119aは、通知処理部125を備える点で、図16に示す出力信号制御部119と異なる。
【0147】
通知処理部125は、異常予知信号の出力頻度を計測し、当該出力頻度に応じて、設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御するものである。
【0148】
具体的には、通知処理部125は、所定期間(例えば、24時間前から現時点までの期間)内において、角度超過異常信号、角度不足異常信号、復帰速度低下信号およびシール不良信号それぞれの出力回数を計測する。
【0149】
通知処理部125は、所定期間内における角度超過異常信号の出力回数が所定回数N1(所定頻度)以上に達した場合、角度超過異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0150】
また、通知処理部125は、所定期間内における角度不足異常信号の出力回数が所定回数N2(所定頻度)以上に達した場合、角度不足異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0151】
また、通知処理部125は、所定期間内における復帰速度低下信号の出力回数が所定回数N3(所定頻度)以上に達した場合、復帰速度低下異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0152】
さらに、通知処理部125は、所定期間内におけるシール不良信号の出力回数が所定回数N4(所定頻度)以上に達した場合、シール異常を検知する条件の設定変更を促す信号を出力するように異常予知出力部105を制御する。
【0153】
これにより、ユーザに対して、設定ボタン27を押下することによる設定変更を促すことができる。
【0154】
<変形例2>
第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39は、有効モードおよび無効モード以外に、自動切換モードへの切り換えが可能であってもよい。自動切換モードとは、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えるモードである。
【0155】
異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合、異常予知信号を受けているにも拘わらず、何らかの対処が施されず、同じ状態が維持されていることが予想される。このような状態では、異常予知信号の通知を受けたユーザが、特に問題がないため、対処が不要であると判断している可能性がある。一方、ユーザにとっては、異常予知信号が高い頻度で出力され続けるため、その確認に手間がかかってしまう。そこで、上記のように、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えることにより、不要な異常予知信号を確認する手間を省くことができる。
【0156】
以下、このような変形例について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0157】
図23は、本変形例に係るスイッチモジュールの機能構成を示すブロック図である。図23に示されるように、本変形例に係るスイッチモジュール11bは、第1切換スイッチ36〜第4切換スイッチ39の代わりに第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bを備え、マイクロコンピュータ100の代わりにマイクロコンピュータ100bを備える点で図16に示すスイッチモジュール11と異なる。また、本変形例に係るマイクロコンピュータ100bは、自動切換部(切換部)141を備えている点で、図16に示すマイクロコンピュータ100と異なる。
【0158】
第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bは、有効モード、無効モードおよび自動モードの3種類のモード何れかに設定可能なスイッチである。これにより、ユーザは、所望のモードの何れかに設定することができる。
【0159】
自動切換部141は、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが有効モードに設定されている場合、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが無効モードに設定されている場合、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0160】
一方、自動切換部141は、第1切換スイッチ36b〜第4切換スイッチ39bが自動モードに設定されている場合、所定期間(例えば、24時間前から現時点までの期間)内において、角度超過異常信号、角度不足異常信号、復帰速度低下信号およびシール不良信号それぞれの出力回数を計測する。
【0161】
そして、自動切換部141は、所定期間内における角度超過異常信号の出力回数が所定回数N1(所定頻度)以上である場合、第1切換スイッチ36bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内における角度超過異常信号の出力回数が所定回数N1未満である場合、第1切換スイッチ36bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0162】
同様に、自動切換部141は、所定期間内における角度不足異常信号の出力回数が所定回数N2(所定頻度)以上である場合、第2切換スイッチ37bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内における角度不足異常信号の出力回数が所定回数N2未満である場合、第2切換スイッチ37bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0163】
また、自動切換部141は、所定期間内における復帰速度低下信号の出力回数が所定回数N3(所定頻度)以上である場合、第3切換スイッチ38bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内における復帰速度低下信号の出力回数が所定回数N3未満である場合、第3切換スイッチ38bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0164】
さらに、自動切換部141は、所定期間内におけるシール不良信号の出力回数が所定回数N4(所定頻度)以上である場合、第4切換スイッチ39bが無効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。また、自動切換部141は、所定期間内におけるシール不良信号の出力回数が所定回数N4未満である場合、第4切換スイッチ39bが有効モードである旨を出力信号制御部119に出力する。
【0165】
本変形例によれば、異常予知信号の出力頻度が所定値よりも高い場合に、有効モードから無効モードに自動的に切り換えることにより、不要な異常予知信号を確認する手間を省くことができる。
【0166】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、生産ライン等で用いられるリミットスイッチに利用することができる。
【符号の説明】
【0168】
1 リミットスイッチ(スイッチ)
3 ケーシング(ハウジング)
7 作動体
11,11a,11b スイッチモジュール
35 スイッチ部(切換部)
36,36b 第1切換スイッチ(切換部)
37,37b 第2切換スイッチ(切換部)
38,38b 第3切換スイッチ(切換部)
39,39b 第4切換スイッチ(切換部)
100,100a,100b マイクロコンピュータ
103 ON/OFF信号出力部(オン/オフ信号出力部)
105 異常予知出力部(異常信号出力部)
107 抵抗測定部
113 位置検出部
119,119a 出力信号制御部(異常信号出力部)
120 ON/OFF信号制御部(オン/オフ信号出力部)
121 第1異常信号制御部(異常信号出力部)
122 第2異常信号制御部(異常信号出力部)
123 第3異常信号制御部(異常信号出力部)
124 第4異常信号制御部(異常信号出力部)
125 通知処理部
133 設定処理部
141 自動切換部(切換部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの力の荷重に応じて変位する作動体と、
上記作動体の変位量に応じてオン信号およびオフ信号の何れかを出力するオン/オフ信号出力部とを備え、
前記オン/オフ信号出力部がハウジング内部に配置されるスイッチであって、
異常を検出したときに、異常が発生していることを示す異常信号を出力する機能を有する異常信号出力部と、
上記異常信号出力部の機能を有効とする有効モード、および、上記異常信号出力部の機能を無効とする無効モードのいずれかに切り換える切換部とを備えることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
上記異常信号出力部は、複数種類の異常を検出し、
上記異常信号出力部は、上記複数種類の異常の何れかを検出したときに、検出された種類の異常が発生していることを示す異常信号を出力し、
上記切換部は、上記複数種類の異常の各々について、有効モードおよび無効モードのいずれかに切り換えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、
上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、
上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、
上記異常信号出力部は、上記第1変位量よりも大きい所定の第2変位量よりも、上記位置検出部により検出された変位量が大きくなった場合に、変位量が大きくなってきていることを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、
上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、
上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、
上記異常信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量の最大量が、上記第1変位量よりも大きく、かつ、所定の第3変位量よりも小さい場合に、変位量が小さくなってきていることを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項5】
上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、
上記異常信号出力部は、外部からの力の荷重によって上記作動体が変位した後、外部からの力の荷重がなくなり上記作動体が上記基準位置に復帰する際の上記作動体の復帰速度が所定の基準速度よりも小さい場合に、復帰速度が低下していることを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項6】
上記異常信号出力部は、上記ハウジング内部に水が侵入したことを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項7】
上記異常信号出力部が異常を検出する際の条件を設定する設定処理部と、
上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合、上記設定処理部による設定を促す通知を出力する通知処理部とを備えていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のスイッチ。
【請求項8】
上記切換部は、上記有効モードおよび無効モードの他に、上記異常信号出力部の機能の有効および無効を自動的に切り換える自動モードにも切り換え可能であり、
自動モードに設定されているとき、上記切換部は、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合に上記異常信号出力部の機能を無効とし、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度未満である場合に上記異常信号出力部の機能を有効とすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のスイッチ。
【請求項1】
外部からの力の荷重に応じて変位する作動体と、
上記作動体の変位量に応じてオン信号およびオフ信号の何れかを出力するオン/オフ信号出力部とを備え、
前記オン/オフ信号出力部がハウジング内部に配置されるスイッチであって、
異常を検出したときに、異常が発生していることを示す異常信号を出力する機能を有する異常信号出力部と、
上記異常信号出力部の機能を有効とする有効モード、および、上記異常信号出力部の機能を無効とする無効モードのいずれかに切り換える切換部とを備えることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
上記異常信号出力部は、複数種類の異常を検出し、
上記異常信号出力部は、上記複数種類の異常の何れかを検出したときに、検出された種類の異常が発生していることを示す異常信号を出力し、
上記切換部は、上記複数種類の異常の各々について、有効モードおよび無効モードのいずれかに切り換えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、
上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、
上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、
上記異常信号出力部は、上記第1変位量よりも大きい所定の第2変位量よりも、上記位置検出部により検出された変位量が大きくなった場合に、変位量が大きくなってきていることを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、
上記作動体における上記基準位置からの変位量を検出する位置検出部を備えており、
上記オン/オフ信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量が所定の第1変位量以上である場合にオン信号を出力し、
上記異常信号出力部は、上記位置検出部により検出された変位量の最大量が、上記第1変位量よりも大きく、かつ、所定の第3変位量よりも小さい場合に、変位量が小さくなってきていることを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項5】
上記作動体は、外部からの力の荷重がないときに、所定の基準位置に停止しており、
上記異常信号出力部は、外部からの力の荷重によって上記作動体が変位した後、外部からの力の荷重がなくなり上記作動体が上記基準位置に復帰する際の上記作動体の復帰速度が所定の基準速度よりも小さい場合に、復帰速度が低下していることを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項6】
上記異常信号出力部は、上記ハウジング内部に水が侵入したことを示す異常を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項7】
上記異常信号出力部が異常を検出する際の条件を設定する設定処理部と、
上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合、上記設定処理部による設定を促す通知を出力する通知処理部とを備えていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のスイッチ。
【請求項8】
上記切換部は、上記有効モードおよび無効モードの他に、上記異常信号出力部の機能の有効および無効を自動的に切り換える自動モードにも切り換え可能であり、
自動モードに設定されているとき、上記切換部は、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度以上である場合に上記異常信号出力部の機能を無効とし、上記異常信号出力部により出力された異常信号の頻度が所定頻度未満である場合に上記異常信号出力部の機能を有効とすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【公開番号】特開2012−190608(P2012−190608A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51701(P2011−51701)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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