スイッチ
【課題】 誤操作または事故等を起因とする外力が働いても、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチを提供する。
【解決手段】 一定方向に移動可能な可動部材30及び21と、可動部材30及び21を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、ハウジング20に設けられている第1ピン11及び第2ピン12と、可動部材30及び21の第1状態または第2状態への移動に伴って第2ピン12に接触または非接触すると共に、導体部材16,18及び弾性部材17を介して第1ピン11に導通されているフランジ15と、一端が第1ピン11に保持されて可動部材30及び21の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ15に係止めされて可動部材30及び21の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材17と、を備えて構成する。
【解決手段】 一定方向に移動可能な可動部材30及び21と、可動部材30及び21を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、ハウジング20に設けられている第1ピン11及び第2ピン12と、可動部材30及び21の第1状態または第2状態への移動に伴って第2ピン12に接触または非接触すると共に、導体部材16,18及び弾性部材17を介して第1ピン11に導通されているフランジ15と、一端が第1ピン11に保持されて可動部材30及び21の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ15に係止めされて可動部材30及び21の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材17と、を備えて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチの一態様として、所定方向に付勢された弾性部材により非操作時に可動部を第1状態に維持し、操作者の操作で可動部を所定方向へ移動して、可動部の状態を第1状態から第2状態へ遷移させ、可動部に連結された接点ユニットの接続状態を切り替えるものがある。例えば、押ボタンスイッチがこれに該当し、この押ボタンスイッチでは、押ボタン(可動部)の押し操作により、接点ユニットの接点が切り換えられ、同時に押ボタンが押込み状態(第2状態)にロック機構等によりロックされることになる。
【0003】
すなわち、このような態様のスイッチでは、可動部の第1状態は押ボタンの押し操作方向とは反対方向への弾性部材の弾性力によって維持され、可動部の第2状態はロック機構等により維持される。ここで、可動部が第1状態にあるときに、可動部に対して操作者や外部物体等から誤操作または事故等を起因とする力が働いた場合には、第1状態が瞬間的に解除され、或いはケースによっては一定期間解除されて、接触不良または切断となるおそれがあった。また、可動部が第2状態にあるときに、同様の力が働いた場合には、該第2状態が解除されて誤動作となるおそれがあった。
【0004】
このような課題に対処する従来技法として、例えば特開2003−178643号公報に開示の「押ボタンスイッチ」がある。この従来技術では、押ボタンのロック解除を、捻回操作と引張操作などの複数の押ボタン操作の組合せによって行うようにして、可動部が第2状態にあるときの誤接触等による状態解除(ロック解除)を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−178643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術は、誤接触等による状態解除を起こり難くするために、複数の組み合わせ操作を操作者に要求するものであり、操作性に問題があった。また、特許文献1の技術は、可動部が第2状態にあるときの誤接触等による状態解除を防止するもので、可動部が第1状態にあるときの誤接触等による接触不良または切断について配慮されていなかった。
【0007】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、誤操作または事故等を起因とする外力が働いても、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチは、一定方向に移動可能な可動部材と、前記可動部材を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、当該スイッチのハウジングに設けられている第1ピン及び第2ピンと、前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第2ピンに接触または非接触すると共に、前記第1ピンに導通されているフランジと、一端が前記第1ピンに保持されて前記可動部材の移動方向に付勢されていると共に、他端が前記フランジに係止めされて前記可動部材の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るスイッチにおいて、前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピンの設置位置を除く位置に内部方向に突起した突起部材を備え、前記フランジは、前記第2ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第1溝部と、前記突起部材に対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第2溝部と、を備え、前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第1溝部の壁面が前記第2ピンと接触または非接触し、前記第2ピンと非接触のときには前記第2溝部の壁面が前記突起部材と接触していることを特徴とする。
【0010】
また、上記発明において、前記フランジの第1溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンと反対方向側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、上記発明において、前記フランジの第1溝部は、前記第1ピンと反対方向側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンの側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、上記発明において、前記固定機構は、前記可動部材を前記第1状態及び前記第2状態間の中途にある第3状態に維持可能であり、前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピン及び前記突起部材の設置位置を除く位置に第3ピンを備え、前記フランジは、前記第3ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第3溝部を備え、前記可動部材が前記第3状態にあるときに前記第3溝部の壁面が前記第3ピンと接触することを特徴とする。
【0013】
さらに、上記発明において、前記フランジの第3溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離の位置から所定距離部分の溝幅を等間隔とし、該所定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピン側及び該第1ピンと反対方向側にそれぞれ徐々に拡がるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るスイッチによれば、可動部材の可動方向を軸とする弾性部材の回転方向の弾性力によってフランジと第2ピンとを接触させることとしたので、故意または事故等を起因とする外力が働いても、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスイッチの構成図(第1状態)である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るスイッチの構成図(第2状態)である。
【図3】第1実施形態のスイッチの外観図である。
【図4】第1実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピンの接触状態(第1状態)を説明する説明図である。
【図5】第1実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピンの非接触状態(第2状態)を説明する説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るスイッチの構成図(第1状態)である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るスイッチの構成図(第3状態)である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るスイッチの構成図(第2状態)である。
【図9】第2実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピンの接触状態(第1状態)を説明する説明図である。
【図10】第2実施形態のスイッチおけるフランジと第3ピンの接触状態(第3状態)を説明する説明図である。
【図11】第2実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピン及び第3ピンの非接触状態(第2状態)を説明する説明図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るスイッチの構成図(第1状態)である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るスイッチの構成図(第3状態)である。
【図14】第3実施形態のスイッチの(a)外観図及び(b)固定機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のスイッチの実施形態について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の順に図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係るスイッチ1の構成図であり、該スイッチ1とメイン回路3及び第1回路5とのそれぞれの接続関係も示している。すなわち、スイッチ1の第1ピン11はメイン回路3と、第2ピン12は第1回路5と、それぞれ接続されている。また、スイッチ1は、可動部材30及び21を所定方向(図中、右方向)に移動させてスイッチングを行う押ボタンスイッチの構造を持ち、図1は、非操作時の状態(即ち、第1状態:弾性部材17の左方向への弾性力により可動部材30及び21が左側に維持された状態)で、メイン回路3と第1回路5が非接続の状態を示しており、図2は、可動部材30及び21が押し込まれた状態(第2状態)で、スイッチ1を介してメイン回路3と第1回路5が電気的に接続された状態を示している。
【0017】
図1及び図2において、本実施形態のスイッチ1は、一定方向に移動可能な可動部材30及び21と、可動部材30及び21を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、当該スイッチ1のハウジング20に設けられている第1ピン11及び第2ピン12と、可動部材30及び21の第1状態または第2状態への移動に伴って第2ピン12に接触または非接触すると共に、導体部材16,18及び弾性部材17を介して第1ピン11に導通されているフランジ15と、一端が第1ピン11に保持されて可動部材30及び21の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ15に係止めされて可動部材30及び21の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材17と、を備えた構成である。
【0018】
ここで、フランジ15、第1ピン11及び第2ピン12の材質はそれぞれ導電性を持つ金属である。また、可動部材30及び21は樹脂及び金属で合成された絶縁体である。さらに、弾性部材17は例えば導電性を持つ金属のばねであり、導体部材18の周囲に巻かれて、圧縮ばね及びねじりコイルばねの両方の特性を備えたものである。
【0019】
また、図3には本実施形態に係るスイッチ1の外観図を示す。当該スイッチ構造を覆うハウジング20は、円筒部20aと長方体部20bを備えている。
【0020】
また、図1〜図3に示すように、可動部材30及び21は、操作部30及びインシュレータ21を備えている。ここで、インシュレータ21は、それぞれ径の異なる円筒部21a,21b及び21cを備え、円筒部21aはハウジング20の円筒部20a及び長方体部20b内を、また円筒部21b及び21cはハウジング20の長方体部20b内のみを、それぞれ移動可能である。また、操作部30は、外円筒部30a及び内円筒部30bを備え、外円筒部30aはハウジング20の円筒部20aの外側を、内円筒部30bはハウジング20の円筒部20aの内側を、それぞれ移動可能である。なお、ハウジング20の円筒部20aには溝部20cが設けられており、操作部30の外円筒部30a先端に設けられている突起部30cが該溝部20cに嵌め込まれて、操作部30の移動をガイドする構造となっている。また、操作部30及びインシュレータ21を別々の部材としているが、これらを一体の部材として構成しても良い。
【0021】
またここで、固定機構による可動部材30及び21の状態維持について説明しておく。まず非操作時では、図1に示すように、弾性部材17の左方向への弾性力により可動部材30及び21が左方向に押される形となり、インシュレータ21の円筒部21bがハウジング20の長方体部20bの内側壁面に当たることにより、また、操作部30の突起部30cがハウジング20の円筒部20aにある溝部20cの左端に位置することにより、第1状態が維持される。次に、第2状態については、図2に示すように、操作部30を押し込むと共に、操作部30の突起部30cをハウジング20の円筒部20aにある溝部20cの右端の係止め位置に置くことにより、第2状態が維持されることとなる。
【0022】
また、図4及び図5は、それぞれ本実施形態のスイッチ1におけるフランジ15と第2ピン12の非接触状態(第1状態)及び接触状態(第2状態)を説明する説明図である。ここで、図4(a)は図1の線G−G’におけるスイッチ1の断面図であり、図4(b)は図1におけるフランジ15を下方から見た底面図である。また、図5(a)は図2の線H−H’におけるスイッチ1の断面図であり、図5(b)は図2におけるフランジ15を下方から見た底面図である。
【0023】
図4及び図5に示すように、スイッチ1のハウジング20は、該ハウジング20の周回りにおいて第2ピン12を除く位置(図1及び図2において上側)に、当該ハウジング20の内部方向に突起した突起部材23を備えた構造であり、また、フランジ15は、第2ピン12に対向する外周面(図1及び図2において下側となる面)に差込方向に掘られた第1溝部15aと、ハウジング20の突起部材23に対向する外周面(図1及び図2において上側となる面)に差込方向に掘られた第2溝部15bと、を備えた構造である。
【0024】
また、フランジ15の第1溝部15aは、第1ピン11と反対方向側(図1及び図2において左側)の端から一定距離部分の溝幅を等間隔D2とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン11の側(図1及び図2において右側)に徐々に拡がるように形成され、フランジ15の第2溝部15bは等間隔の溝幅で形成されている。
【0025】
図1及び図4を参照して、非操作時の第1状態について説明する。この状態では、スイッチ1において、フランジ15が第2ピン12と非接触となる。つまり、この時の第2ピン12とフランジ15の相対的位置関係は、図4(b)に示すように第2ピン12がフランジ15の第1溝部15aの右端の位置(第1溝部15aの溝幅が徐々に拡がって間隔D1に近い位置)にあって、第2ピン12の側面は第1溝部15aの壁面と接触しないこととなる。
【0026】
なお、このときは、フランジ15の第2溝部15bの壁面がハウジング20の突起部材23の壁面と接触して、フランジ15の時計回りの方向に回転しようとする力が止められることになる。このように、フランジ15と第2ピン12との非接触状態は、第2溝部15bの壁面とハウジング20の突起部材23の壁面との接触が可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材(操作部30及びインシュレータ21)に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、不安定な接触状態を引き起こすことなく安定して非接続状態を維持することができる。
【0027】
次に、図2及び図5を参照して、操作部30を押し込んだ第2状態について説明する。この第2状態では、スイッチ1において、フランジ15は弾性部材17の差込方向を軸とする回転方向の弾性力により第2ピン12と接触する。つまり、フランジ15には可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転方向の弾性力が常に加えられており、図5(a)において時計回りの方向に回転しようとする力が働いている。また、第2ピン12とフランジ15の相対的位置関係は、図5(b)に示すように第2ピン12がフランジ15の第1溝部15aの左端の位置(第1溝部15aの溝幅が等間隔D1の位置)にあって、第1溝部15aの壁面が第2ピン12の側面と接触することとなる。この接触により、第1回路5、第2ピン12、フランジ15、導体部材18,16、第1ピン11、メイン回路3の電気的導通経路が形成され、第1回路5がメイン回路3に電気的に接続されることとなる。
【0028】
なお、このとき、フランジ15の第2溝部15bの壁面がハウジング20の突起部材23の壁面と接触しないように、第2溝部15bの位置及び溝幅が調整されているものとする。また、第2ピン12の側面と第1溝部15aの壁面の接触は、可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材(操作部30及びインシュレータ21)に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0029】
また、本実施形態のスイッチ1では、第1溝部15aの溝幅が等間隔D1である左端から一定距離の間の第2ピン12の側面と第1溝部15aの壁面との摺動動作による副次的効果として、該接触面のクリーニング効果を見込むことができる。例えば、該接触面に粉塵等が付着して接触不良に至るおそれのあるケースでも、摺動動作によって付着物が取り除かれていくことが期待でき、結果として、接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0030】
また、本実施形態のスイッチ1では、可動部材30及び21を第1状態または第2状態に維持するための固定機構として、操作部30の外円筒部30a先端に設けられている突起部30cと、ハウジング20の円筒部20aに設けられている溝部20cと、を用いたが、これに限定されることなく他の態様としても良い。例えば、ハウジング20の円筒部20a外周に雄ねじを、操作部30の外円筒部30a内周に雌ねじを、それぞれ刻んで、操作部30を回すことにより第1状態及び第2状態間を移行させる構造とする態様が考えられる。なお、上記実施形態の場合、フランジ15に対して可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転弾性力が時計回り方向に常に加えられているので、操作部30を時計回りに回転させることにより第1状態から第2状態へ移行させる構造とするのが望ましい。
【0031】
また、本実施形態のスイッチ1では、メイン回路3と第1回路5が、非操作時の第1状態で非接続(オフ)とし、操作部30を押し込んだ第2状態で接続(オン)としたが、逆の対応関係を持つスイッチ構造とすることも可能である。すなわち、メイン回路3と第1回路5が、非操作時の第1状態で接続(オン)とし、操作部30を押し込んだ第2状態で非接続(オフ)とするものである。この場合、フランジ15の第1溝部15aは、第1ピン11側(図1及び図2において右側)の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン11と反対方向側(図1及び図2において左側)に徐々に拡がるように形成することとなる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るスイッチについて説明する。図6〜図8は本発明の第2実施形態に係るスイッチ41の構成図であり、該スイッチ41とメイン回路43、第1回路45及び第2回路47とのそれぞれの接続関係も示している。すなわち、スイッチ41の第1ピン51はメイン回路43と、第2ピン52は第1回路45と、第3ピン53は第2回路47と、それぞれ接続されている。
【0032】
また、スイッチ41は、可動部材70及び61を所定方向(図中、右方向)に移動させてスイッチングを行う押ボタンスイッチの構造を持ち、図6は、非操作時の状態(即ち、第1状態)で、スイッチ41を介してメイン回路43と第1回路45が電気的に接続された状態を示している。また、図7は、可動部材30及び21が中途まで押し込まれた状態(第3状態)で、スイッチ41を介してメイン回路43と第2回路47が電気的に接続された状態を示している。さらに、図8は、可動部材30及び21が奧まで押し込まれた状態(第2状態)で、メイン回路43が第1回路45及び第2回路47の何れとも非接続の状態を示している。
【0033】
図6〜図8において、本実施形態のスイッチ41は、一定方向に移動可能な可動部材70及び61と、可動部材70及び61を第1状態、第2状態または第3状態に維持する固定機構と、当該スイッチ41のハウジング60に設けられている第1ピン51、第2ピン52及び第3ピン53と、可動部材70及び61の第1状態、第2状態または第3状態への移動に伴って第2ピン52及び第3ピン53に接触または非接触すると共に、導体部材56,58及び弾性部材57を介して第1ピン51に導通されているフランジ55と、一端が第1ピン51に保持されて可動部材70及び61の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ55に係止めされて可動部材70及び61の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材57と、を備えた構成である。
【0034】
ここで、フランジ55、第1ピン51、第2ピン52及び第3ピン53の材質はそれぞれ導電性を持つ金属である。また、可動部材70及び61は樹脂及び金属で合成された絶縁体である。さらに、弾性部材57は例えば導電性を持つ金属のばねであり、導体部材58の周囲に巻かれて、圧縮ばね及びねじりコイルばねの両方の特性を備えたものである。
【0035】
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、図6〜図8に示す如く、当該スイッチ構造を覆うハウジング60は、円筒部60aと長方体部60bを備え、可動部材70及び61は、操作部70及びインシュレータ61を備えている。ここで、インシュレータ61は、それぞれ径の異なる円筒部61a,61b及び61cを備え、円筒部61aはハウジング60の円筒部60a及び長方体部60b内を、また円筒部61b及び61cはハウジング60の長方体部60b内のみを、それぞれ移動可能である。また、操作部70は、外円筒部70a及び内円筒部70bを備え、外円筒部70aはハウジング60の円筒部60aの外側を、内円筒部70bはハウジング60の円筒部60aの内側を、それぞれ移動可能である。なお、操作部70及びインシュレータ61を別々の部材としているが、これらを一体の部材として構成しても良い。
【0036】
またここで、固定機構による可動部材70及び61の状態維持について説明しておく。本実施形態の固定機構は、ハウジング60の円筒部60a外周に雄ねじを、操作部70の外円筒部70a内周に雌ねじを、それぞれ刻んで、操作部30を回すことにより第1状態、第2状態または第3状態への移行を可能とする構造である。なお、本実施形態では、フランジ55に対して可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転弾性力が時計回り方向に常に加えられているとして、操作部70を時計回りに回転させることにより第1状態から第2状態または第3状態へ移行させる構造とする。
【0037】
また、図9及び図10は、それぞれ本実施形態のスイッチ41におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の接触状態を説明する説明図であり、図11は、フランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の非接触状態を説明する説明図である。ここで、図9(b)は図6の線I−I’におけるスイッチ41の断面図であり、図9(a)は図6におけるフランジ55を上方から見た上面図であり、図9(c)はフランジ55を下方から見た底面図である。また、図10(b)は図7の線J−J’におけるスイッチ41の断面図であり、図10(a)は図7におけるフランジ55を上方から見た上面図であり、図10(c)はフランジ55を下方から見た底面図である。さらに、図11(b)は図8の線K−K’におけるスイッチ41の断面図であり、図11(a)は図8におけるフランジ55を上方から見た上面図であり、図11(c)はフランジ55を下方から見た底面図である。
【0038】
図9〜図11に示すように、スイッチ41のハウジング60は、該ハウジング60の周回りにおいて第2ピン52を除く位置(図6〜図8において奧側側面)に、当該ハウジング60の内部方向に突起した突起部材63を備えた構造であり、また、フランジ55は、第2ピン52に対向する外周面(図6〜図8において下側となる面)に差込方向に掘られた第1溝部55aと、第3ピン53に対向する外周面(図6〜図8において上側となる面)に差込方向に掘られた第3溝部55bと、ハウジング60の突起部材63に対向する外周面(図6〜図8において奧側となる面)に差込方向に掘られた第2溝部55cと、を備えた構造である。
【0039】
また、フランジ55の第1溝部55aは、第1ピン51側(図6〜図8において右側)の端から一定距離部分の溝幅を等間隔D11とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン51と反対方向側(図6〜図8において左側)に徐々に拡げて、他端側で等間隔D12となるように形成されている。また、フランジ55の第3溝部55bは、第1ピン51側の端から一定距離の位置から所定距離部分の溝幅を等間隔D21とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン51側及び該第1ピン51と反対方向側にそれぞれ徐々に拡がるように形成されている。さらに、フランジ55の第2溝部55cは等間隔の溝幅で形成されている。
【0040】
図6及び図9を参照して、非操作時の第1状態について説明する。この状態では、スイッチ41において、フランジ55は可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力により第2ピン52と接触する。つまり、フランジ55には可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力が常に加えられており、図9(b)において時計回りの方向に回転しようとする力が働いている。
【0041】
この第1状態における第3ピン53とフランジ55の相対的位置関係について、図9(a)を参照すると、第3ピン53がフランジ55の第3溝部55bの右端にかかる位置にあって、第3溝部55bの壁面と第3ピン53の側面とは非接触となる。また他方で、第2ピン52とフランジ55の相対的位置関係について、図9(c)を参照すると、第2ピン52がフランジ55の第1溝部55aの右端の位置(第1溝部55aの溝幅が等間隔D11の位置)にあって、第1溝部55aの壁面が第2ピン52の側面と接触することとなる。この接触により、第1回路45、第2ピン52、フランジ55、導体部材58,56、第1ピン51、メイン回路43の電気的導通経路が形成され、第1回路45がメイン回路43に電気的に接続されることとなる。
【0042】
なお、このとき、フランジ55の第2溝部55cの壁面がハウジング60の突起部材63の壁面と接触しないように、第2溝部55cの位置及び溝幅が調整されているものとする。また、第2ピン52の側面と第1溝部55aの壁面の接触は、可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材70及び61に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0043】
次に、図7及び図10を参照して、操作部30を中途まで押し込んだ第3状態について説明する。この状態では、スイッチ41において、フランジ55は可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力により第3ピン53と接触する。つまり、フランジ55には可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力が常に加えられており、図10(b)において時計回りの方向に回転しようとする力が働いている。
【0044】
この第3状態における第2ピン52とフランジ55の相対的位置関係について、図10(c)を参照すると、第2ピン52はフランジ55の第1溝部55aが徐々に拡がる位置にあって、第1溝部55aの壁面と第2ピン52の側面とは非接触となる。また他方で、第3ピン53とフランジ55の相対的位置関係について、図10(a)を参照すると、第3ピン53が第3溝部55bの溝幅が等間隔D23となる位置にあって、第3溝部55bの壁面が第3ピン53の側面と接触することとなる。この接触により、第3ピン53、フランジ55、導体部材58,56、第1ピン51、メイン回路43の電気的導通経路が形成され、第3ピン53に接続される第2回路47がメイン回路43に電気的に接続されることとなる。
【0045】
なお、このときは、第3ピン53の側面と第3溝部55bの壁面の接触は、可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材70及び61に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0046】
次に、図8及び図11を参照して、操作部30をさらに奧まで押し込んだ第2状態について説明する。この状態では、スイッチ41において、フランジ55が第2ピン52及び第3ピン53とそれぞれ非接触となる。
【0047】
この第3状態における第2ピン52とフランジ55の相対的位置関係について、図11(c)を参照すると、第2ピン52がフランジ55の第1溝部55aの左端の位置(第1溝部55aの溝幅が等間隔D12の位置)にあって、第2ピン52の側面は第1溝部55aの壁面と接触しない。また、第3ピン53とフランジ55の相対的位置関係について、図11(a)を参照すると、第3ピン53がフランジ55の第3溝部55bの左端側の位置(第3溝部55bの溝幅が徐々に拡がる位置)にあって、第3ピン53の側面は第3溝部55bの壁面と接触しない。これにより、メイン回路43は第1回路45及び第2回路47の何れとも非接続となる。
【0048】
なお、このときは、フランジ55の第2溝部55cの壁面がハウジング60の突起部材63の壁面と接触して、フランジ55の時計回りの方向に回転しようとする力が止められることになる。このように、第2溝部55cの壁面とハウジング60の突起部材63の壁面との接触が可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材70及び61に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、フランジ55と第2ピン52及び第3ピン53との非接触状態は不安定な接触状態を引き起こすことなく、安定して非接続状態を維持することができる。
【0049】
また、本実施形態のスイッチ41では、第1溝部55aの溝幅が等間隔D11である一定距離の間の第2ピン52の側面と第1溝部55aの壁面との摺動動作、並びに、第3溝部55bの溝幅が等間隔D23である所定距離の間の第3ピン53の側面と第3溝部55bの壁面との摺動動作、のそれぞれによる副次的効果として、それぞれの接触面のクリーニング効果を見込むことができる。例えば、該接触面に粉塵等が付着して接触不良に至るおそれのあるケースでも、摺動動作によって付着物が取り除かれていくことが期待でき、結果として、接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るスイッチについて説明する。図12及び図13は本発明の第3実施形態に係るスイッチ42の構成図であり、図14は本実施形態に係るスイッチ1の(a)外観図、並びに、(b)固定機構の説明図である。本実施形態のスイッチ42は、第2実施形態における操作部70を省略し、固定機構をインシュレータ61側に設けた突起部の係止め機構としたものである。
【0050】
図12及び図13の構成図では、第2実施形態と同様に、スイッチ42とメイン回路43、第1回路45及び第2回路47とのそれぞれの接続関係も示している。また、スイッチ42は、可動部材81を所定方向(図中、右方向)に移動させてスイッチングを行う押ボタンスイッチの構造を持ち、図12は、非操作時の状態(即ち、第1状態)で、スイッチ42を介してメイン回路43と第1回路45が電気的に接続された状態を示している。また、図13は、可動部材81が中途まで押し込まれた状態(第3状態)で、スイッチ42を介してメイン回路43と第2回路47が電気的に接続された状態を示している。さらに、可動部材81が奧まで押し込まれた状態(第2状態)で、メイン回路43は第1回路45及び第2回路47の何れとも非接続となるが、第2実施形態(図8)から容易に類推可能であり、図示を省略した。
【0051】
図12及び図13において、本実施形態のスイッチ42は、一定方向に移動可能な可動部材81と、可動部材81を第1状態、第2状態または第3状態に維持する固定機構と、当該スイッチ42のハウジング80に設けられている第1ピン51、第2ピン52及び第3ピン53と、可動部材81の第1状態、第2状態または第3状態への移動に伴って第2ピン52及び第3ピン53に接触または非接触すると共に、導体部材56,58及び弾性部材57を介して第1ピン51に導通されているフランジ55と、一端が第1ピン51に保持されて可動部材81の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ55に係止めされて可動部材81の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材57と、を備えた構成である。
【0052】
ここで、材質等については第2実施形態と同様である。なお、可動部材81は、それぞれ径の異なる円筒部81b及び81cを備え、円筒部61b及び61cはハウジング60内を移動可能である。また、円筒部81bの外周の2箇所に突起部81aが設けられている。また、本実施形態では、図14(a)に示す如く、当該スイッチ構造を覆うハウジング80は長方体形状を持ち、その両側面に溝部82が設けられている。可動部材81の円筒部81bの外周に設けられている突起部81aが該溝部82に嵌め込まれて、可動部材81の移動をガイドする構造となっている。
【0053】
ここで、固定機構による可動部材81の状態維持について説明しておく。まず第1状態では、図12に示すように、弾性部材57の左方向への弾性力により可動部材81が左方向に押される形となり、可動部材81の突起部81aがハウジング80の溝部82の位置82a(図14(b)参照)に止まることにより、第1状態が維持される。次に、第3状態については、図13に示すように、可動部材81を中途まで押し込むと共に、可動部材81の突起部81aをハウジング80の溝部82の位置82b(図14(b)参照)に係止めすることにより、第3状態が維持されることとなる。さらに、第2状態については、可動部材81をさらに奧まで押し込むと共に、可動部材81の突起部81aをハウジング80の溝部82の位置82c(図14(b)参照)に係止めすることにより、第2状態が維持されることとなる。
【0054】
第1状態におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の接触状態は、第2実施形態と同様に図9で示される。このとき、第2ピン52の側面と第1溝部55aの壁面の接触(即ち、第1回路45及びメイン回路43間の電気的接続)は、可動部材81の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材81に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0055】
また、可動部材81を中途まで押し込んだ第3状態におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の接触状態は、第2実施形態と同様に図10で示される。このとき、第3ピン53の側面と第3溝部55bの壁面の接触(即ち、第2回路47及びメイン回路43間の電気的接続)は、可動部材81の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材81に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0056】
さらに、可動部材81をさらに奧まで押し込んだ第2状態におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の非接触状態は、第2実施形態と同様に図11で示される。このとき、フランジ55の第2溝部55cの壁面がハウジング80の突起部材の壁面と接触して、フランジ55の時計回りの方向に回転しようとする力が止められるが、第2溝部55cの壁面とハウジング80の突起部材の壁面との接触が可動部材81の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材81に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、フランジ55と第2ピン52及び第3ピン53との非接触状態は不安定な接触状態を引き起こすことなく、安定して非接続状態を維持することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態およびその変形に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1,41,42…スイッチ、3,43…メイン回路、5,45…第1回路、11,51…第1ピン、12,52…第2ピン、53…第3ピン、16,18,56,58…導体部材、17,57…弾性部材、20,60,80…ハウジング、20a,60a…円筒部、20b,60b…長方体部、21,61…インシュレータ、21a,21b,21c,61a,61b,61c,81b,81c…円筒部、20c…溝部、23,63…突起部材、15a,55a…第1溝部、15b,55c…第2溝部、55b…第3溝部、30,70…操作部、30a,70a…外円筒部、30b,70b…内円筒部、30c…突起部、47…第2回路、81…可動部材、81a…突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチの一態様として、所定方向に付勢された弾性部材により非操作時に可動部を第1状態に維持し、操作者の操作で可動部を所定方向へ移動して、可動部の状態を第1状態から第2状態へ遷移させ、可動部に連結された接点ユニットの接続状態を切り替えるものがある。例えば、押ボタンスイッチがこれに該当し、この押ボタンスイッチでは、押ボタン(可動部)の押し操作により、接点ユニットの接点が切り換えられ、同時に押ボタンが押込み状態(第2状態)にロック機構等によりロックされることになる。
【0003】
すなわち、このような態様のスイッチでは、可動部の第1状態は押ボタンの押し操作方向とは反対方向への弾性部材の弾性力によって維持され、可動部の第2状態はロック機構等により維持される。ここで、可動部が第1状態にあるときに、可動部に対して操作者や外部物体等から誤操作または事故等を起因とする力が働いた場合には、第1状態が瞬間的に解除され、或いはケースによっては一定期間解除されて、接触不良または切断となるおそれがあった。また、可動部が第2状態にあるときに、同様の力が働いた場合には、該第2状態が解除されて誤動作となるおそれがあった。
【0004】
このような課題に対処する従来技法として、例えば特開2003−178643号公報に開示の「押ボタンスイッチ」がある。この従来技術では、押ボタンのロック解除を、捻回操作と引張操作などの複数の押ボタン操作の組合せによって行うようにして、可動部が第2状態にあるときの誤接触等による状態解除(ロック解除)を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−178643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術は、誤接触等による状態解除を起こり難くするために、複数の組み合わせ操作を操作者に要求するものであり、操作性に問題があった。また、特許文献1の技術は、可動部が第2状態にあるときの誤接触等による状態解除を防止するもので、可動部が第1状態にあるときの誤接触等による接触不良または切断について配慮されていなかった。
【0007】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、誤操作または事故等を起因とする外力が働いても、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチは、一定方向に移動可能な可動部材と、前記可動部材を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、当該スイッチのハウジングに設けられている第1ピン及び第2ピンと、前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第2ピンに接触または非接触すると共に、前記第1ピンに導通されているフランジと、一端が前記第1ピンに保持されて前記可動部材の移動方向に付勢されていると共に、他端が前記フランジに係止めされて前記可動部材の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るスイッチにおいて、前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピンの設置位置を除く位置に内部方向に突起した突起部材を備え、前記フランジは、前記第2ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第1溝部と、前記突起部材に対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第2溝部と、を備え、前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第1溝部の壁面が前記第2ピンと接触または非接触し、前記第2ピンと非接触のときには前記第2溝部の壁面が前記突起部材と接触していることを特徴とする。
【0010】
また、上記発明において、前記フランジの第1溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンと反対方向側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、上記発明において、前記フランジの第1溝部は、前記第1ピンと反対方向側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンの側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、上記発明において、前記固定機構は、前記可動部材を前記第1状態及び前記第2状態間の中途にある第3状態に維持可能であり、前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピン及び前記突起部材の設置位置を除く位置に第3ピンを備え、前記フランジは、前記第3ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第3溝部を備え、前記可動部材が前記第3状態にあるときに前記第3溝部の壁面が前記第3ピンと接触することを特徴とする。
【0013】
さらに、上記発明において、前記フランジの第3溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離の位置から所定距離部分の溝幅を等間隔とし、該所定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピン側及び該第1ピンと反対方向側にそれぞれ徐々に拡がるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るスイッチによれば、可動部材の可動方向を軸とする弾性部材の回転方向の弾性力によってフランジと第2ピンとを接触させることとしたので、故意または事故等を起因とする外力が働いても、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持し得るスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスイッチの構成図(第1状態)である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るスイッチの構成図(第2状態)である。
【図3】第1実施形態のスイッチの外観図である。
【図4】第1実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピンの接触状態(第1状態)を説明する説明図である。
【図5】第1実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピンの非接触状態(第2状態)を説明する説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るスイッチの構成図(第1状態)である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るスイッチの構成図(第3状態)である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るスイッチの構成図(第2状態)である。
【図9】第2実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピンの接触状態(第1状態)を説明する説明図である。
【図10】第2実施形態のスイッチおけるフランジと第3ピンの接触状態(第3状態)を説明する説明図である。
【図11】第2実施形態のスイッチおけるフランジと第2ピン及び第3ピンの非接触状態(第2状態)を説明する説明図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るスイッチの構成図(第1状態)である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るスイッチの構成図(第3状態)である。
【図14】第3実施形態のスイッチの(a)外観図及び(b)固定機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のスイッチの実施形態について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の順に図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係るスイッチ1の構成図であり、該スイッチ1とメイン回路3及び第1回路5とのそれぞれの接続関係も示している。すなわち、スイッチ1の第1ピン11はメイン回路3と、第2ピン12は第1回路5と、それぞれ接続されている。また、スイッチ1は、可動部材30及び21を所定方向(図中、右方向)に移動させてスイッチングを行う押ボタンスイッチの構造を持ち、図1は、非操作時の状態(即ち、第1状態:弾性部材17の左方向への弾性力により可動部材30及び21が左側に維持された状態)で、メイン回路3と第1回路5が非接続の状態を示しており、図2は、可動部材30及び21が押し込まれた状態(第2状態)で、スイッチ1を介してメイン回路3と第1回路5が電気的に接続された状態を示している。
【0017】
図1及び図2において、本実施形態のスイッチ1は、一定方向に移動可能な可動部材30及び21と、可動部材30及び21を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、当該スイッチ1のハウジング20に設けられている第1ピン11及び第2ピン12と、可動部材30及び21の第1状態または第2状態への移動に伴って第2ピン12に接触または非接触すると共に、導体部材16,18及び弾性部材17を介して第1ピン11に導通されているフランジ15と、一端が第1ピン11に保持されて可動部材30及び21の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ15に係止めされて可動部材30及び21の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材17と、を備えた構成である。
【0018】
ここで、フランジ15、第1ピン11及び第2ピン12の材質はそれぞれ導電性を持つ金属である。また、可動部材30及び21は樹脂及び金属で合成された絶縁体である。さらに、弾性部材17は例えば導電性を持つ金属のばねであり、導体部材18の周囲に巻かれて、圧縮ばね及びねじりコイルばねの両方の特性を備えたものである。
【0019】
また、図3には本実施形態に係るスイッチ1の外観図を示す。当該スイッチ構造を覆うハウジング20は、円筒部20aと長方体部20bを備えている。
【0020】
また、図1〜図3に示すように、可動部材30及び21は、操作部30及びインシュレータ21を備えている。ここで、インシュレータ21は、それぞれ径の異なる円筒部21a,21b及び21cを備え、円筒部21aはハウジング20の円筒部20a及び長方体部20b内を、また円筒部21b及び21cはハウジング20の長方体部20b内のみを、それぞれ移動可能である。また、操作部30は、外円筒部30a及び内円筒部30bを備え、外円筒部30aはハウジング20の円筒部20aの外側を、内円筒部30bはハウジング20の円筒部20aの内側を、それぞれ移動可能である。なお、ハウジング20の円筒部20aには溝部20cが設けられており、操作部30の外円筒部30a先端に設けられている突起部30cが該溝部20cに嵌め込まれて、操作部30の移動をガイドする構造となっている。また、操作部30及びインシュレータ21を別々の部材としているが、これらを一体の部材として構成しても良い。
【0021】
またここで、固定機構による可動部材30及び21の状態維持について説明しておく。まず非操作時では、図1に示すように、弾性部材17の左方向への弾性力により可動部材30及び21が左方向に押される形となり、インシュレータ21の円筒部21bがハウジング20の長方体部20bの内側壁面に当たることにより、また、操作部30の突起部30cがハウジング20の円筒部20aにある溝部20cの左端に位置することにより、第1状態が維持される。次に、第2状態については、図2に示すように、操作部30を押し込むと共に、操作部30の突起部30cをハウジング20の円筒部20aにある溝部20cの右端の係止め位置に置くことにより、第2状態が維持されることとなる。
【0022】
また、図4及び図5は、それぞれ本実施形態のスイッチ1におけるフランジ15と第2ピン12の非接触状態(第1状態)及び接触状態(第2状態)を説明する説明図である。ここで、図4(a)は図1の線G−G’におけるスイッチ1の断面図であり、図4(b)は図1におけるフランジ15を下方から見た底面図である。また、図5(a)は図2の線H−H’におけるスイッチ1の断面図であり、図5(b)は図2におけるフランジ15を下方から見た底面図である。
【0023】
図4及び図5に示すように、スイッチ1のハウジング20は、該ハウジング20の周回りにおいて第2ピン12を除く位置(図1及び図2において上側)に、当該ハウジング20の内部方向に突起した突起部材23を備えた構造であり、また、フランジ15は、第2ピン12に対向する外周面(図1及び図2において下側となる面)に差込方向に掘られた第1溝部15aと、ハウジング20の突起部材23に対向する外周面(図1及び図2において上側となる面)に差込方向に掘られた第2溝部15bと、を備えた構造である。
【0024】
また、フランジ15の第1溝部15aは、第1ピン11と反対方向側(図1及び図2において左側)の端から一定距離部分の溝幅を等間隔D2とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン11の側(図1及び図2において右側)に徐々に拡がるように形成され、フランジ15の第2溝部15bは等間隔の溝幅で形成されている。
【0025】
図1及び図4を参照して、非操作時の第1状態について説明する。この状態では、スイッチ1において、フランジ15が第2ピン12と非接触となる。つまり、この時の第2ピン12とフランジ15の相対的位置関係は、図4(b)に示すように第2ピン12がフランジ15の第1溝部15aの右端の位置(第1溝部15aの溝幅が徐々に拡がって間隔D1に近い位置)にあって、第2ピン12の側面は第1溝部15aの壁面と接触しないこととなる。
【0026】
なお、このときは、フランジ15の第2溝部15bの壁面がハウジング20の突起部材23の壁面と接触して、フランジ15の時計回りの方向に回転しようとする力が止められることになる。このように、フランジ15と第2ピン12との非接触状態は、第2溝部15bの壁面とハウジング20の突起部材23の壁面との接触が可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材(操作部30及びインシュレータ21)に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、不安定な接触状態を引き起こすことなく安定して非接続状態を維持することができる。
【0027】
次に、図2及び図5を参照して、操作部30を押し込んだ第2状態について説明する。この第2状態では、スイッチ1において、フランジ15は弾性部材17の差込方向を軸とする回転方向の弾性力により第2ピン12と接触する。つまり、フランジ15には可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転方向の弾性力が常に加えられており、図5(a)において時計回りの方向に回転しようとする力が働いている。また、第2ピン12とフランジ15の相対的位置関係は、図5(b)に示すように第2ピン12がフランジ15の第1溝部15aの左端の位置(第1溝部15aの溝幅が等間隔D1の位置)にあって、第1溝部15aの壁面が第2ピン12の側面と接触することとなる。この接触により、第1回路5、第2ピン12、フランジ15、導体部材18,16、第1ピン11、メイン回路3の電気的導通経路が形成され、第1回路5がメイン回路3に電気的に接続されることとなる。
【0028】
なお、このとき、フランジ15の第2溝部15bの壁面がハウジング20の突起部材23の壁面と接触しないように、第2溝部15bの位置及び溝幅が調整されているものとする。また、第2ピン12の側面と第1溝部15aの壁面の接触は、可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材(操作部30及びインシュレータ21)に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0029】
また、本実施形態のスイッチ1では、第1溝部15aの溝幅が等間隔D1である左端から一定距離の間の第2ピン12の側面と第1溝部15aの壁面との摺動動作による副次的効果として、該接触面のクリーニング効果を見込むことができる。例えば、該接触面に粉塵等が付着して接触不良に至るおそれのあるケースでも、摺動動作によって付着物が取り除かれていくことが期待でき、結果として、接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0030】
また、本実施形態のスイッチ1では、可動部材30及び21を第1状態または第2状態に維持するための固定機構として、操作部30の外円筒部30a先端に設けられている突起部30cと、ハウジング20の円筒部20aに設けられている溝部20cと、を用いたが、これに限定されることなく他の態様としても良い。例えば、ハウジング20の円筒部20a外周に雄ねじを、操作部30の外円筒部30a内周に雌ねじを、それぞれ刻んで、操作部30を回すことにより第1状態及び第2状態間を移行させる構造とする態様が考えられる。なお、上記実施形態の場合、フランジ15に対して可動部材30及び21の移動方向を軸とする弾性部材17の回転弾性力が時計回り方向に常に加えられているので、操作部30を時計回りに回転させることにより第1状態から第2状態へ移行させる構造とするのが望ましい。
【0031】
また、本実施形態のスイッチ1では、メイン回路3と第1回路5が、非操作時の第1状態で非接続(オフ)とし、操作部30を押し込んだ第2状態で接続(オン)としたが、逆の対応関係を持つスイッチ構造とすることも可能である。すなわち、メイン回路3と第1回路5が、非操作時の第1状態で接続(オン)とし、操作部30を押し込んだ第2状態で非接続(オフ)とするものである。この場合、フランジ15の第1溝部15aは、第1ピン11側(図1及び図2において右側)の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン11と反対方向側(図1及び図2において左側)に徐々に拡がるように形成することとなる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るスイッチについて説明する。図6〜図8は本発明の第2実施形態に係るスイッチ41の構成図であり、該スイッチ41とメイン回路43、第1回路45及び第2回路47とのそれぞれの接続関係も示している。すなわち、スイッチ41の第1ピン51はメイン回路43と、第2ピン52は第1回路45と、第3ピン53は第2回路47と、それぞれ接続されている。
【0032】
また、スイッチ41は、可動部材70及び61を所定方向(図中、右方向)に移動させてスイッチングを行う押ボタンスイッチの構造を持ち、図6は、非操作時の状態(即ち、第1状態)で、スイッチ41を介してメイン回路43と第1回路45が電気的に接続された状態を示している。また、図7は、可動部材30及び21が中途まで押し込まれた状態(第3状態)で、スイッチ41を介してメイン回路43と第2回路47が電気的に接続された状態を示している。さらに、図8は、可動部材30及び21が奧まで押し込まれた状態(第2状態)で、メイン回路43が第1回路45及び第2回路47の何れとも非接続の状態を示している。
【0033】
図6〜図8において、本実施形態のスイッチ41は、一定方向に移動可能な可動部材70及び61と、可動部材70及び61を第1状態、第2状態または第3状態に維持する固定機構と、当該スイッチ41のハウジング60に設けられている第1ピン51、第2ピン52及び第3ピン53と、可動部材70及び61の第1状態、第2状態または第3状態への移動に伴って第2ピン52及び第3ピン53に接触または非接触すると共に、導体部材56,58及び弾性部材57を介して第1ピン51に導通されているフランジ55と、一端が第1ピン51に保持されて可動部材70及び61の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ55に係止めされて可動部材70及び61の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材57と、を備えた構成である。
【0034】
ここで、フランジ55、第1ピン51、第2ピン52及び第3ピン53の材質はそれぞれ導電性を持つ金属である。また、可動部材70及び61は樹脂及び金属で合成された絶縁体である。さらに、弾性部材57は例えば導電性を持つ金属のばねであり、導体部材58の周囲に巻かれて、圧縮ばね及びねじりコイルばねの両方の特性を備えたものである。
【0035】
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、図6〜図8に示す如く、当該スイッチ構造を覆うハウジング60は、円筒部60aと長方体部60bを備え、可動部材70及び61は、操作部70及びインシュレータ61を備えている。ここで、インシュレータ61は、それぞれ径の異なる円筒部61a,61b及び61cを備え、円筒部61aはハウジング60の円筒部60a及び長方体部60b内を、また円筒部61b及び61cはハウジング60の長方体部60b内のみを、それぞれ移動可能である。また、操作部70は、外円筒部70a及び内円筒部70bを備え、外円筒部70aはハウジング60の円筒部60aの外側を、内円筒部70bはハウジング60の円筒部60aの内側を、それぞれ移動可能である。なお、操作部70及びインシュレータ61を別々の部材としているが、これらを一体の部材として構成しても良い。
【0036】
またここで、固定機構による可動部材70及び61の状態維持について説明しておく。本実施形態の固定機構は、ハウジング60の円筒部60a外周に雄ねじを、操作部70の外円筒部70a内周に雌ねじを、それぞれ刻んで、操作部30を回すことにより第1状態、第2状態または第3状態への移行を可能とする構造である。なお、本実施形態では、フランジ55に対して可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転弾性力が時計回り方向に常に加えられているとして、操作部70を時計回りに回転させることにより第1状態から第2状態または第3状態へ移行させる構造とする。
【0037】
また、図9及び図10は、それぞれ本実施形態のスイッチ41におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の接触状態を説明する説明図であり、図11は、フランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の非接触状態を説明する説明図である。ここで、図9(b)は図6の線I−I’におけるスイッチ41の断面図であり、図9(a)は図6におけるフランジ55を上方から見た上面図であり、図9(c)はフランジ55を下方から見た底面図である。また、図10(b)は図7の線J−J’におけるスイッチ41の断面図であり、図10(a)は図7におけるフランジ55を上方から見た上面図であり、図10(c)はフランジ55を下方から見た底面図である。さらに、図11(b)は図8の線K−K’におけるスイッチ41の断面図であり、図11(a)は図8におけるフランジ55を上方から見た上面図であり、図11(c)はフランジ55を下方から見た底面図である。
【0038】
図9〜図11に示すように、スイッチ41のハウジング60は、該ハウジング60の周回りにおいて第2ピン52を除く位置(図6〜図8において奧側側面)に、当該ハウジング60の内部方向に突起した突起部材63を備えた構造であり、また、フランジ55は、第2ピン52に対向する外周面(図6〜図8において下側となる面)に差込方向に掘られた第1溝部55aと、第3ピン53に対向する外周面(図6〜図8において上側となる面)に差込方向に掘られた第3溝部55bと、ハウジング60の突起部材63に対向する外周面(図6〜図8において奧側となる面)に差込方向に掘られた第2溝部55cと、を備えた構造である。
【0039】
また、フランジ55の第1溝部55aは、第1ピン51側(図6〜図8において右側)の端から一定距離部分の溝幅を等間隔D11とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン51と反対方向側(図6〜図8において左側)に徐々に拡げて、他端側で等間隔D12となるように形成されている。また、フランジ55の第3溝部55bは、第1ピン51側の端から一定距離の位置から所定距離部分の溝幅を等間隔D21とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を第1ピン51側及び該第1ピン51と反対方向側にそれぞれ徐々に拡がるように形成されている。さらに、フランジ55の第2溝部55cは等間隔の溝幅で形成されている。
【0040】
図6及び図9を参照して、非操作時の第1状態について説明する。この状態では、スイッチ41において、フランジ55は可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力により第2ピン52と接触する。つまり、フランジ55には可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力が常に加えられており、図9(b)において時計回りの方向に回転しようとする力が働いている。
【0041】
この第1状態における第3ピン53とフランジ55の相対的位置関係について、図9(a)を参照すると、第3ピン53がフランジ55の第3溝部55bの右端にかかる位置にあって、第3溝部55bの壁面と第3ピン53の側面とは非接触となる。また他方で、第2ピン52とフランジ55の相対的位置関係について、図9(c)を参照すると、第2ピン52がフランジ55の第1溝部55aの右端の位置(第1溝部55aの溝幅が等間隔D11の位置)にあって、第1溝部55aの壁面が第2ピン52の側面と接触することとなる。この接触により、第1回路45、第2ピン52、フランジ55、導体部材58,56、第1ピン51、メイン回路43の電気的導通経路が形成され、第1回路45がメイン回路43に電気的に接続されることとなる。
【0042】
なお、このとき、フランジ55の第2溝部55cの壁面がハウジング60の突起部材63の壁面と接触しないように、第2溝部55cの位置及び溝幅が調整されているものとする。また、第2ピン52の側面と第1溝部55aの壁面の接触は、可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材70及び61に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0043】
次に、図7及び図10を参照して、操作部30を中途まで押し込んだ第3状態について説明する。この状態では、スイッチ41において、フランジ55は可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力により第3ピン53と接触する。つまり、フランジ55には可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力が常に加えられており、図10(b)において時計回りの方向に回転しようとする力が働いている。
【0044】
この第3状態における第2ピン52とフランジ55の相対的位置関係について、図10(c)を参照すると、第2ピン52はフランジ55の第1溝部55aが徐々に拡がる位置にあって、第1溝部55aの壁面と第2ピン52の側面とは非接触となる。また他方で、第3ピン53とフランジ55の相対的位置関係について、図10(a)を参照すると、第3ピン53が第3溝部55bの溝幅が等間隔D23となる位置にあって、第3溝部55bの壁面が第3ピン53の側面と接触することとなる。この接触により、第3ピン53、フランジ55、導体部材58,56、第1ピン51、メイン回路43の電気的導通経路が形成され、第3ピン53に接続される第2回路47がメイン回路43に電気的に接続されることとなる。
【0045】
なお、このときは、第3ピン53の側面と第3溝部55bの壁面の接触は、可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材70及び61に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0046】
次に、図8及び図11を参照して、操作部30をさらに奧まで押し込んだ第2状態について説明する。この状態では、スイッチ41において、フランジ55が第2ピン52及び第3ピン53とそれぞれ非接触となる。
【0047】
この第3状態における第2ピン52とフランジ55の相対的位置関係について、図11(c)を参照すると、第2ピン52がフランジ55の第1溝部55aの左端の位置(第1溝部55aの溝幅が等間隔D12の位置)にあって、第2ピン52の側面は第1溝部55aの壁面と接触しない。また、第3ピン53とフランジ55の相対的位置関係について、図11(a)を参照すると、第3ピン53がフランジ55の第3溝部55bの左端側の位置(第3溝部55bの溝幅が徐々に拡がる位置)にあって、第3ピン53の側面は第3溝部55bの壁面と接触しない。これにより、メイン回路43は第1回路45及び第2回路47の何れとも非接続となる。
【0048】
なお、このときは、フランジ55の第2溝部55cの壁面がハウジング60の突起部材63の壁面と接触して、フランジ55の時計回りの方向に回転しようとする力が止められることになる。このように、第2溝部55cの壁面とハウジング60の突起部材63の壁面との接触が可動部材70及び61の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材70及び61に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、フランジ55と第2ピン52及び第3ピン53との非接触状態は不安定な接触状態を引き起こすことなく、安定して非接続状態を維持することができる。
【0049】
また、本実施形態のスイッチ41では、第1溝部55aの溝幅が等間隔D11である一定距離の間の第2ピン52の側面と第1溝部55aの壁面との摺動動作、並びに、第3溝部55bの溝幅が等間隔D23である所定距離の間の第3ピン53の側面と第3溝部55bの壁面との摺動動作、のそれぞれによる副次的効果として、それぞれの接触面のクリーニング効果を見込むことができる。例えば、該接触面に粉塵等が付着して接触不良に至るおそれのあるケースでも、摺動動作によって付着物が取り除かれていくことが期待でき、結果として、接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るスイッチについて説明する。図12及び図13は本発明の第3実施形態に係るスイッチ42の構成図であり、図14は本実施形態に係るスイッチ1の(a)外観図、並びに、(b)固定機構の説明図である。本実施形態のスイッチ42は、第2実施形態における操作部70を省略し、固定機構をインシュレータ61側に設けた突起部の係止め機構としたものである。
【0050】
図12及び図13の構成図では、第2実施形態と同様に、スイッチ42とメイン回路43、第1回路45及び第2回路47とのそれぞれの接続関係も示している。また、スイッチ42は、可動部材81を所定方向(図中、右方向)に移動させてスイッチングを行う押ボタンスイッチの構造を持ち、図12は、非操作時の状態(即ち、第1状態)で、スイッチ42を介してメイン回路43と第1回路45が電気的に接続された状態を示している。また、図13は、可動部材81が中途まで押し込まれた状態(第3状態)で、スイッチ42を介してメイン回路43と第2回路47が電気的に接続された状態を示している。さらに、可動部材81が奧まで押し込まれた状態(第2状態)で、メイン回路43は第1回路45及び第2回路47の何れとも非接続となるが、第2実施形態(図8)から容易に類推可能であり、図示を省略した。
【0051】
図12及び図13において、本実施形態のスイッチ42は、一定方向に移動可能な可動部材81と、可動部材81を第1状態、第2状態または第3状態に維持する固定機構と、当該スイッチ42のハウジング80に設けられている第1ピン51、第2ピン52及び第3ピン53と、可動部材81の第1状態、第2状態または第3状態への移動に伴って第2ピン52及び第3ピン53に接触または非接触すると共に、導体部材56,58及び弾性部材57を介して第1ピン51に導通されているフランジ55と、一端が第1ピン51に保持されて可動部材81の移動方向に付勢されていると共に、他端がフランジ55に係止めされて可動部材81の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材57と、を備えた構成である。
【0052】
ここで、材質等については第2実施形態と同様である。なお、可動部材81は、それぞれ径の異なる円筒部81b及び81cを備え、円筒部61b及び61cはハウジング60内を移動可能である。また、円筒部81bの外周の2箇所に突起部81aが設けられている。また、本実施形態では、図14(a)に示す如く、当該スイッチ構造を覆うハウジング80は長方体形状を持ち、その両側面に溝部82が設けられている。可動部材81の円筒部81bの外周に設けられている突起部81aが該溝部82に嵌め込まれて、可動部材81の移動をガイドする構造となっている。
【0053】
ここで、固定機構による可動部材81の状態維持について説明しておく。まず第1状態では、図12に示すように、弾性部材57の左方向への弾性力により可動部材81が左方向に押される形となり、可動部材81の突起部81aがハウジング80の溝部82の位置82a(図14(b)参照)に止まることにより、第1状態が維持される。次に、第3状態については、図13に示すように、可動部材81を中途まで押し込むと共に、可動部材81の突起部81aをハウジング80の溝部82の位置82b(図14(b)参照)に係止めすることにより、第3状態が維持されることとなる。さらに、第2状態については、可動部材81をさらに奧まで押し込むと共に、可動部材81の突起部81aをハウジング80の溝部82の位置82c(図14(b)参照)に係止めすることにより、第2状態が維持されることとなる。
【0054】
第1状態におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の接触状態は、第2実施形態と同様に図9で示される。このとき、第2ピン52の側面と第1溝部55aの壁面の接触(即ち、第1回路45及びメイン回路43間の電気的接続)は、可動部材81の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材81に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0055】
また、可動部材81を中途まで押し込んだ第3状態におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の接触状態は、第2実施形態と同様に図10で示される。このとき、第3ピン53の側面と第3溝部55bの壁面の接触(即ち、第2回路47及びメイン回路43間の電気的接続)は、可動部材81の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材81に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、切断や接触不良を引き起こすことなく安定した接続状態を維持することができる。
【0056】
さらに、可動部材81をさらに奧まで押し込んだ第2状態におけるフランジ55と第2ピン52及び第3ピン53の非接触状態は、第2実施形態と同様に図11で示される。このとき、フランジ55の第2溝部55cの壁面がハウジング80の突起部材の壁面と接触して、フランジ55の時計回りの方向に回転しようとする力が止められるが、第2溝部55cの壁面とハウジング80の突起部材の壁面との接触が可動部材81の移動方向を軸とする弾性部材57の回転方向の弾性力によって安定して維持されるので、操作者や外部物体等から可動部材81に対して故意または事故等を起因とする力が働いた場合でも、フランジ55と第2ピン52及び第3ピン53との非接触状態は不安定な接触状態を引き起こすことなく、安定して非接続状態を維持することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態およびその変形に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1,41,42…スイッチ、3,43…メイン回路、5,45…第1回路、11,51…第1ピン、12,52…第2ピン、53…第3ピン、16,18,56,58…導体部材、17,57…弾性部材、20,60,80…ハウジング、20a,60a…円筒部、20b,60b…長方体部、21,61…インシュレータ、21a,21b,21c,61a,61b,61c,81b,81c…円筒部、20c…溝部、23,63…突起部材、15a,55a…第1溝部、15b,55c…第2溝部、55b…第3溝部、30,70…操作部、30a,70a…外円筒部、30b,70b…内円筒部、30c…突起部、47…第2回路、81…可動部材、81a…突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に移動可能な可動部材と、
前記可動部材を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、
当該スイッチのハウジングに設けられている第1ピン及び第2ピンと、
前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第2ピンに接触または非接触すると共に、前記第1ピンに導通されているフランジと、
一端が前記第1ピンに保持されて前記可動部材の移動方向に付勢されていると共に、他端が前記フランジに係止めされて前記可動部材の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材と、
を備えたことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピンの設置位置を除く位置に内部方向に突起した突起部材を備え、
前記フランジは、前記第2ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第1溝部と、前記突起部材に対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第2溝部と、を備え、前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第1溝部の壁面が前記第2ピンと接触または非接触し、前記第2ピンと非接触のときには前記第2溝部の壁面が前記突起部材と接触していることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記フランジの第1溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンと反対方向側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記フランジの第1溝部は、前記第1ピンと反対方向側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンの側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記固定機構は、前記可動部材を前記第1状態及び前記第2状態間の中途にある第3状態に維持可能であり、
前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピン及び前記突起部材の設置位置を除く位置に第3ピンを備え、
前記フランジは、前記第3ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第3溝部を備え、前記可動部材が前記第3状態にあるときに前記第3溝部の壁面が前記第3ピンと接触することを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記フランジの第3溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離の位置から所定距離部分の溝幅を等間隔とし、該所定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピン側及び該第1ピンと反対方向側にそれぞれ徐々に拡がるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のスイッチ。
【請求項1】
一定方向に移動可能な可動部材と、
前記可動部材を第1状態または第2状態に維持する固定機構と、
当該スイッチのハウジングに設けられている第1ピン及び第2ピンと、
前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第2ピンに接触または非接触すると共に、前記第1ピンに導通されているフランジと、
一端が前記第1ピンに保持されて前記可動部材の移動方向に付勢されていると共に、他端が前記フランジに係止めされて前記可動部材の移動方向を軸とする回転方向に付勢されている弾性部材と、
を備えたことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピンの設置位置を除く位置に内部方向に突起した突起部材を備え、
前記フランジは、前記第2ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第1溝部と、前記突起部材に対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第2溝部と、を備え、前記可動部材の前記第1状態または前記第2状態への移動に伴って前記第1溝部の壁面が前記第2ピンと接触または非接触し、前記第2ピンと非接触のときには前記第2溝部の壁面が前記突起部材と接触していることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記フランジの第1溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンと反対方向側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記フランジの第1溝部は、前記第1ピンと反対方向側の端から一定距離部分の溝幅を等間隔とし、該一定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピンの側に徐々に拡がるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記固定機構は、前記可動部材を前記第1状態及び前記第2状態間の中途にある第3状態に維持可能であり、
前記ハウジングは、該ハウジングの周回りにおいて前記第2ピン及び前記突起部材の設置位置を除く位置に第3ピンを備え、
前記フランジは、前記第3ピンに対向する外周面に前記可動部材の移動方向に掘られた第3溝部を備え、前記可動部材が前記第3状態にあるときに前記第3溝部の壁面が前記第3ピンと接触することを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記フランジの第3溝部は、前記第1ピン側の端から一定距離の位置から所定距離部分の溝幅を等間隔とし、該所定距離を除く残り部分の溝幅を前記第1ピン側及び該第1ピンと反対方向側にそれぞれ徐々に拡がるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−12306(P2013−12306A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142497(P2011−142497)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]